イメージセンサ
【課題】回路面積が小さなイメージセンサを提供する。
【解決手段】このイメージセンサでは、転送信号TX<3:0>を生成するTX用デコード部31はラッチ回路を含む。ラッチ回路は、対応の行グループが選択され、かつセット信号TXADD_SETが「H」レベルにされた場合にセットされ、リセット信号TXADD_RESET_G_nが「L」レベルにされた場合にリセットされる。このラッチ回路は、信号の「H」レベルを電源電圧VDDから電源電圧VTXHに変換する電圧レベルシフト回路を兼ねている。したがって、複数のラッチ回路をセットすることにより、複数の行グループを選択できる。また、電圧レベルシフト回路を別途設ける必要がない。
【解決手段】このイメージセンサでは、転送信号TX<3:0>を生成するTX用デコード部31はラッチ回路を含む。ラッチ回路は、対応の行グループが選択され、かつセット信号TXADD_SETが「H」レベルにされた場合にセットされ、リセット信号TXADD_RESET_G_nが「L」レベルにされた場合にリセットされる。このラッチ回路は、信号の「H」レベルを電源電圧VDDから電源電圧VTXHに変換する電圧レベルシフト回路を兼ねている。したがって、複数のラッチ回路をセットすることにより、複数の行グループを選択できる。また、電圧レベルシフト回路を別途設ける必要がない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はイメージセンサに関し、特に、複数行複数列に配置された複数の画素回路を備えたイメージセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来は一般にカメラといえばフィルム型のものが主流であったが、現在はデジタル型のカメラがそれに取って代わっている。また、デジタルカメラにおける画質の向上は著しく、最新型のデジタルカメラでは、フィルムカメラをしのぐ性能になっている。デジタルカメラには、CCD方式やCMOS方式のイメージセンサが搭載されている。
【0003】
一般に、イメージセンサは、画素アレイ部、垂直走査回路、電圧レベルシフト回路、カラム回路、水平走査回路、出力回路、タイミングジェネレータを備える(たとえば、特許文献1参照)。画素アレイ部は、マトリックス状に配置された複数の画素を含む。各画素は、入射光を電気信号に変換する。タイミングジェネレータからの制御信号に従って走査回路が各画素を選択し、各画素で生成された電気信号はカラム回路を介して読み出され、出力回路によって外部へ出力される。
【0004】
垂直走査回路は、アドレスデコーダなどによって構成され、タイミングジェネレータから与えられるアドレス信号に基づいて、画素アレイ部の画素を行単位で選択走査し、その選択行に対して論理回路レベルの複数の制御信号(転送信号、リセット信号、および選択信号)を出力する。電圧レベルシフト回路は、垂直走査回路から出力される論理回路レベルの各制御信号を画素駆動レベルの電圧にシフトした後、制御信号線を介して選択行の複数の画素に供給する。
【0005】
このCMOS方式のイメージセンサでは、動画撮影時にローリング電子シャッタ方式が採用されている。ローリング電子シャッタ方式では、互いに異なる読出行とシャッタ行(画素リセット行)を同じ1水平期間で選択する必要がある(図8参照)。また、画素に貯まった電荷(電子)を十分に吐き出すために画素リセットを複数回行なうことがあり、複数のアドレスを選択しなけれなならないことがある。このため、垂直走査回路は、読出アドレスデコーダと複数のリセットアドレスデコーダを含む。
【0006】
各アドレスデコーダは、行選択デコーダおよび成形回路を含む。行選択デコーダは、タイミングジェネレータから与えられるアドレスに対応する行を選択する。成形回路は、選択された行を示す行選択信号と、アクティブにするタイミングを設定する成形信号とに基づいて制御信号を発生する。
【0007】
また特許文献2では、撮像センサにおいて、画素配列における複数の行の制御を並行して行なうための駆動部の回路規模を抑制している。具体的には、記憶部に記憶されたデコード信号における複数のアクティブレベルのビットに応じて複数の行制御信号を生成し、複数の行制御信号を画素配列における複数の行へ並行して出力する。これにより、1系統の駆動部(垂直走査回路)を用いて、複数の行の制御を並行して行なうことができ、駆動部の回路規模を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−13245号公報
【特許文献2】特開2010−183458号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来のイメージセンサでは回路面積削減について検討されているものの、イメージセンサでは低面積化の要求は高く、さらなる回路面積の削減が必要である。
【0010】
それゆえに、この発明の主たる目的は、回路面積が小さなイメージセンサを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明に係るイメージセンサは、複数行複数列に配置され、各々が、複数の制御信号によって制御され、入射光を電気信号に変換する複数の画素回路と、各行に対応して設けられ、それぞれ複数の制御信号を伝達するための複数の水平信号線と、それぞれ複数列に対応して設けられた複数の垂直信号線とを含む画素アレイと、複数行のうちのいずれかの行を選択する選択回路と、各制御信号に対応して設けられ、選択回路によって選択された行の対応の水平信号線を介して、その行の複数の画素回路の各々に対応の制御信号を与える制御信号発生回路と、選択回路によって選択された行の複数の画素回路から複数の垂直信号線に出力された複数の電気信号を読み出す読出回路とを備えたものである。制御信号発生回路は、各行に対応して設けられ、選択回路によって対応の行が選択されている場合は第1の信号を選択レベルにし、選択回路によって対応の行が選択されていない場合は第1の信号を非選択レベルにする論理回路と、各行に対応して設けられ、対応の第1の信号が選択レベルにされた場合にセットされて第2の信号を活性化レベルにし、リセット信号によってリセットされて第2の信号を非活性化レベルにするラッチ回路と、選択回路に同期して成形信号を発生する成形信号発生回路と、各行に対応して設けられ、対応の第2の信号が活性化レベルにされている場合に成形信号を対応の制御信号として対応の行の水平信号線に与えるゲート回路とを含む。第1の信号の選択レベルは第1の電源電圧であり、第2の信号の活性化レベルは第1の電源電圧よりも高い第2の電源電圧である。ラッチ回路は、第1の信号の電圧レベルを第1の電源電圧から第2の電源電圧に変換して第2の信号として出力する電圧レベルシフト回路を兼ねている。
【発明の効果】
【0012】
この発明に係るイメージセンサでは、各行に対応してラッチ回路を設けたので、複数のラッチ回路をセットすることにより、複数行を選択することができる。その結果、ローリング電子シャッタを実現する場合でも、複数の行選択デコーダが不要となる。しかも、ラッチ回路が電圧レベルシフト回路を兼ねるので、素子数を減らすことができ、回路面積の縮小化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明の実施の形態1によるイメージセンサの構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した画素アレイの構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示した画素回路の構成を示す回路図である。
【図4】図1に示した垂直走査部の構成を示すブロック図である。
【図5】図4に示した制御回路の構成を示す回路ブロック図である。
【図6】図4に示したTX用デコード部の構成を示す回路図である。
【図7】図5および図6に示した制御回路およびTX用デコード部の読出動作を示すタイムチャートである。
【図8】ローリング電子シャッタ方式を説明するためのタイムチャートである。
【図9】図1〜図7で示したイメージセンサにおけるローリング電子シャッタ動作を示すタイムチャートである。
【図10】ハイブリッド電子シャッタ方式を説明するためのタイムチャートである。
【図11】図1〜図7で示したイメージセンサにおけるハイブリッド電子シャッタ動作を示すタイムチャートである。
【図12】実施の形態1の変更例を示す図である。
【図13】図12に示した画素アレイにおけるアドレスと信号の対応関係を示す表である。
【図14】図12および図13で示したイメージセンサの読出動作を示すタイムチャートである。
【図15】この発明の実施の形態2によるイメージセンサの制御回路の構成を示す回路ブロック図である。
【図16】図15で説明したイメージセンサのTX用デコード部の構成を示す回路図である。
【図17】図15および図16に示した制御回路およびTX用デコード部の読出動作を示すタイムチャートである。
【図18】ハイブリッド電子シャッタの画素リセット終了時の転送信号を示すタイムチャートである。
【図19】図15〜図18で示したイメージセンサにおけるハイブリッド電子シャッタ動作を示すタイムチャートである。
【図20】この発明の実施の形態3によるイメージセンサの制御回路の構成を示す回路ブロック図である。
【図21】図20で説明したイメージセンサのTX用デコード部の構成を示す回路図である。
【図22】図21に示した個別ラッチ回路の構成を示す回路図である。
【図23】図20〜図22に示した制御回路およびTX用デコード部の読出動作を示すタイムチャートである。
【図24】ハイブリッド電子シャッタの画素リセット終了時の転送信号を示すタイムチャートである。
【図25】図20〜図24で示したイメージセンサにおけるハイブリッド電子シャッタ動作を示すタイムチャートである。
【図26】図20〜図24で示したイメージセンサにおける可変アドレス縮退機能を示す表である。
【図27】図26で示した可変アドレス縮退機能を用いたハイブリッド電子シャッタ動作を示すタイムチャートである。
【図28】図20〜図24で示したイメージセンサの効果を説明するためのタイムチャートである。
【図29】図20〜図24で示したイメージセンサの信号オーバーラップ機能を説明するためのタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[実施の形態1]
この発明の本実施の形態1によるイメージセンサは、図1に示すように、画素アレイ1、垂直走査部2、水平走査部3、タイミングジェネレータ4、および出力回路5を備える。画素アレイ1は、図2に示すように、複数行複数列に配置された複数の画素回路10と、各行に対応して設けられた3本の水平信号線LR,LT,LSと、それぞれ複数列に対応して設けられた複数の垂直信号線LVとを含む。
【0015】
3本の水平信号線LR,LT,LSは、それぞれ垂直走査部2からのリセット信号RST、転送信号TX、および選択信号SELを伝達するために設けられている。垂直信号線LVは、対応の列の画素回路10から出力された電気信号を水平走査部3に伝達するために設けられている。
【0016】
各画素回路10は、図3に示すように、フォトダイオード11、転送トランジスタ12、リセットトランジスタ13、増幅トランジスタ14、および選択トランジスタ15を含む。フォトダイオード11は、入射光の強度に応じた量の負電荷を蓄える。フォトダイオード11のアノードは接地電圧GNDを受け、そのカソードは転送トランジスタ12を介して増幅トランジスタ14のゲート(ノードN12)に接続される。転送トランジスタ12のゲートは、対応の水平信号線LTに接続され、転送信号TXを受ける。
【0017】
増幅トランジスタ14および選択トランジスタ15は、電源電圧VCCのラインと対応の垂直信号線LVとの間に直列接続される。選択トランジスタ15のゲートは、対応の水平信号線LSに接続され、選択信号SELを受ける。リセットトランジスタ13は、電源電圧VCCのラインと増幅トランジスタ14のゲートとの間に接続される。リセットトランジスタ13のゲートは、対応の水平信号線LRに接続され、リセット信号RSTを受ける。
【0018】
シャッタ(リセット)動作時は、転送信号TXおよびリセット信号RSTを「H」レベルにしてトランジスタ12,13をオンさせ、フォトダイオード11に蓄えられた負電荷をリセットする。転送信号TXおよびリセット信号RSTを「L」レベルにしてトランジスタ12,13をオフさせると、入射光の強度に応じた量の電荷がフォトダイオード11に蓄えられる。
【0019】
読出動作時は、選択信号SELを「H」レベルにして選択トランジスタ15をオンさせる。次に、リセット信号RSTを所定時間だけ「H」レベルにしてリセットトランジスタ13をオンさせ、ノードN12を、電源電圧VCCよりもリセットトランジスタ13のしきい値電圧だけ低い電圧にリセットする。このときトランジスタ14,15に流れる電流に基づいて、暗信号(基準信号)が生成される。次いで、転送信号TXを所定時間だけ「H」レベルにして転送トランジスタ12をオンさせ、フォトダイオード11のカソードをノードN12に接続する。このときトランジスタ14,15に流れる電流に基づいて、光信号が生成される。光信号は、暗信号によって補正される。
【0020】
図1に戻って、タイミングジェネレータ4は、垂直走査部2に行選択アドレス信号および制御信号を与えるとともに、水平走査部3に列選択アドレス信号および制御信号を与える。垂直走査部2は、垂直走査回路および電圧レベルシフト回路の機能を有し、行選択アドレス信号および制御信号に従って、画素アレイ1の複数行を順次選択し、選択した行の水平信号線LR,LT,LSを介して、その行の各画素回路10にリセット信号RST、転送信号TX、および選択信号SELを与える。
【0021】
水平走査部3は、カラム回路および水平走査回路の機能を有し、垂直走査部2によって選択された行の複数の画素回路10から複数の垂直信号線LVに出力された電流を複数の光信号(または複数の暗信号)に変換する。出力回路5は、水平走査部3で生成された複数の光信号および複数の暗信号を外部に出力する。
【0022】
図4は、垂直走査部2の構成を示すブロック図である。図4において、垂直走査部2にはタイミングジェネレータ4から、行選択アドレス信号AdN〜Ad0、アドレスによるラッチのセット信号TXADD_SET,RSTADD_SET,SELADD_SET、全ラッチのリセット信号TXADD_RESET_n,RSTADD_RESET_n,SELADD_RESET_nおよび成形信号TX_DRV,RST_DRV,SEL_DRVが供給される。画素アレイ1の複数行は、4行ずつ予め複数の行グループに分割されている。
【0023】
垂直走査部2は、制御回路20および信号発生回路30を備える。制御回路20は、プリデコーダ21、成形信号生成回路22、および電圧レベルシフト回路23〜25を含む。信号発生回路30は、各行グループに対応して設けられたTX用デコード部31、RSTデコード部32、およびSEL用デコード部33を含む。
【0024】
ここで、画素アレイ1とタイミングジェネレータ4を含む周辺回路では電源電圧を異なる値としている。画素アレイ1では性能に関係した飽和電子量を確保するため高い電源電圧が必要であり、周辺回路では電源電圧を低くすることで微細プロセスを使うことができる。これによって、消費電力と面積の削減が可能となる。そのため、垂直走査部2では電圧レベルシフタ回路が必要となる。
【0025】
プリデコーダ21は、行選択アドレス信号AdN〜Ad2をプリデコードして、プリデコード信号AdB<3:0>〜AdF<3:0>,…を生成する。たとえば、4つのプリデコード信号AdF<3:0>のうちの1つの信号(たとえばAdF<3>)のみが「H」レベルになり、残りの3つの信号AdF<2:0>はともに「L」レベルになる。
【0026】
各行グループには、信号AdB<3:0>のうちの1つの信号AdB、信号AdC<3:0>のうちの1つの信号AdC、信号AdD<3:0>のうちの1つの信号AdDなど(以下同様である)が予め割り当てられている。つまり、各行グループには、固有の行選択アドレス信号AdN〜Ad2が予め割り当てられている。ある行選択アドレス信号AdN〜Ad2が入力されると、その行選択アドレス信号AdN〜Ad2が割り当てられた行グループのプリデコード信号AdB〜AdF,…が全て「H」レベルになり、その行グループが選択される。
【0027】
成形信号生成回路22は、成形信号TX_DRV,RST_DRV,SEL_DRVとアドレス信号のうちの下位2ビットの信号Ad1,Ad0をプリデコードした4信号との論理積信号をアドレス成形信号TX_DRV_AdA<3:0>,RST_DRV_AdA<3:0>,SEL_DRV_AdA<3:0>としてそれぞれデコード部31〜33に供給する。信号Ad1,Ad0をプリデコードした4信号のうちの1信号のみが「H」レベルとなるので、アドレス成形信号TX_DRV_AdA<3:0>のうちの1信号のみが駆動され、アドレス成形信号RST_DRV_AdA<3:0>のうちの1信号のみが駆動され、アドレス成形信号SEL_DRV_AdA<3:0>のうちの1信号のみが駆動される。
【0028】
電圧レベルシフト回路23は、全ラッチのリセット信号TXADD_RESET_nの電圧をレベルシフトしてTX用デコード部31に与える。電圧レベルシフト回路24は、全ラッチのリセット信号RSTADD_RESET_nの電圧をレベルシフトしてRST用デコード部32に与える。電圧レベルシフト回路25は、全ラッチのリセット信号SELADD_RESET_nの電圧をレベルシフトしてSEL用デコード部33に与える。
【0029】
TX用デコード部31は、プリデコード信号AdB<3:0>〜AdF<3:0>,…によって対応の行グループが選択され、かつセット信号TXADD_SETが活性化レベルの「H」レベルにされたことに応じてセットされ、アドレス成形信号TX_DRV_AdA<3:0>をレベルシフトして4行分の転送信号TX<3:0>を生成する。TX用デコード部31は、リセット信号TXADD_RESET_nが活性化レベルの「L」レベルにされたことに応じてリセットされる。
【0030】
RST用デコード部32は、プリデコード信号AdB<3:0>〜AdF<3:0>,…によって対応の行グループが選択され、かつセット信号RSTADD_SETが活性化レベルの「H」レベルにされたことに応じてセットされ、アドレス成形信号RST_DRV_AdA<3:0>をレベルシフトして4行分のリセット信号RST<3:0>を生成する。RST用デコード部32は、リセット信号RSTADD_RESET_nが活性化レベルの「L」レベルにされたことに応じてリセットされる。
【0031】
SEL用デコード部33は、プリデコード信号AdB<3:0>〜AdF<3:0>,…によって対応の行グループが選択され、かつセット信号SELADD_SETが活性化レベルの「H」レベルにされたことに応じてセットされ、アドレス成形信号SEL_DRV_AdA<3:0>をレベルシフトして4行分の選択信号SEL<3:0>を生成する。SEL用デコード部33は、リセット信号SELADD_RESET_nが活性化レベルの「L」レベルにされたことに応じてリセットされる。
【0032】
図5は、制御回路20のうちの転送信号TXの生成に関連する部分を示す回路ブロック図である。図5において、制御回路20は、プリデコーダ21、成形信号生成回路22、および電圧レベルシフト回路23を備える。成形信号生成回路22は、記憶素子FF0<1:0>、プリデコーダ26、論理積回路AND1<3:0>、および電圧レベルシフト回路27を含む。
【0033】
また、制御回路20には、タイミングジェネレータ4より、行選択アドレス信号AdN〜Ad0(ただし、Nは正の整数である)、アドレスによるラッチのセット信号TXADD_SET、全ラッチのリセット信号TXADD_RESET_n、および成形信号TX_DRVが供給される。
【0034】
このイメージセンサでは、アドレス信号のビット数が多いため、ブロック分割方式とアドレス信号のプリデコード方式が使用される。プリデコーダ21は、行選択アドレス信号AdN〜Ad0のうちの下位2ビットの信号Ad1,Ad0を除く上位のアドレス信号AdN〜Ad2を2ビットずつプリデコードして、プリデコード信号AdB<3:0>,AdC<3:0>,AdD<3:0>,…を生成する。
【0035】
成形信号生成回路22の記憶素子FF0<1:0>は、アドレス信号の下位2ビットの信号Ad1,Ad0をアドレスによるラッチのセット信号TXADD_SETの立ち上り時に記憶する。アドレス信号の下位2ビットの信号Ad1,Ad0が供給される時間(アドレスによるラッチのセット信号TXADD_SETのイネーブル時)と必要な時間(成形信号TX_DRVのイネーブル時)が異なるため、記憶素子FF0<1:0>が必要となる。
【0036】
プリデコーダ26は、記憶素子FF0<1:0>に取り込まれたアドレス信号の下位2ビットの信号Ad1,Ad0をプリデコードして4つのプリデコード信号AdA<3:0>を生成する。論理積回路AND1<3:0>は、それぞれプリデコード信号AdA<3:0>と成形信号TX_DRVとの論理積信号を生成する。電圧レベルシフト回路27は、論理積回路AND1<3:0>の出力信号を電圧変換して、4つのアドレス成形信号TX_DRV_AdA<3:0>を生成する。プリデコード信号AdA<3:0>のうちの1信号のみが「H」レベルになるので、4つアドレス成形信号TX_DRV_AdA<3:0>のうちの1信号のみが駆動される。
【0037】
また、タイミングジェネレータ4から供給される行選択アドレス信号AdN〜Ad0、アドレスによるラッチのセット信号TXADD_SET、全ラッチのリセット信号TXADD_RESET_n、および成形信号TX_DRVの各々の「H」レベルは電源電圧VDDがあり、各々の「L」レベルは接地電圧GNDである。電圧レベルシフト回路23は、全ラッチのリセット信号TXADD_RESET_nの「H」レベルを電源電圧VDDから、電源電圧VDDよりも高い電源電圧VTXHに変換して、全ラッチのリセット信号TXADD_RESET_G_nを生成する。
【0038】
電圧レベルシフト回路27は、論理積回路AND1<3:0>の出力信号の「H」レベルを電源電圧VDDから電源電圧VTXHに変換するとともに、論理積回路AND1<3:0>の出力信号の「L」レベルを接地電圧GNDから、接地電圧GNDよりも低い負電圧VTXLに変換して、4つのアドレス成形信号TX_DRV_AdA<3:0>を生成する。
【0039】
図6は、TX用デコード部31の構成を示す回路図である。図5において、TX用デコード部31は、行選択デコード回路35、レベルシフタ36、成形回路37、および出力バッファ38を含む。行選択デコード回路35は、論理積回路AND2〜AND4、NチャネルMOSトランジスタQ0,Q1、PチャネルMOSトランジスタP0、およびインバータINV0,INV1を含む。
【0040】
各行グループには、信号AdF<3:0>のうちの1つの信号AdFと、信号AdE<3:0>のうちの1つの信号AdEと、信号AdD<3:0>のうちの1つの信号AdDと、信号AdC<3:0>のうちの1つの信号AdCと、信号AdB<3:0>のうちの1つの信号AdBとが予め割り当てられている。
【0041】
各行グループには、信号AdB<3:0>のうちの1つの信号AdB、信号AdC<3:0>のうちの1つの信号AdC、信号AdD<3:0>のうちの1つの信号AdDなど(以下同様である)が予め割り当てられている。つまり、各行グループには、固有の行選択アドレス信号AdN〜Ad2が予め割り当てられている。ある行選択アドレス信号AdN〜Ad2が入力されると、その行選択アドレス信号AdN〜Ad2が割り当てられた行グループのプリデコード信号AdB〜AdF,…が全て「H」レベルになり、その行グループが選択される。
【0042】
論理積回路AND2は、予め割り当てられた信号AdD,AdE,AdF,…の全てが「H」レベルにされた場合に、ブロック選択信号BSを選択レベルの「H」レベルにする。論理積回路AND3は、ブロック選択信号BSと、予め割り当てられた信号AdBと、アドレスによるラッチのセット信号TXADD_SETとの論理積信号を出力する。論理積回路AND4は、ブロック選択信号BSと、予め割り当てられた信号AdCとの論理積信号を出力する。
【0043】
NチャネルMOSトランジスタQ0,Q1は、ノードN1と接地電圧GNDのラインとの間に直列接続され、それらのゲートはそれぞれ論理積回路AND3,AND4の出力信号を受ける。PチャネルMOSトランジスタP0は、電源電圧VTXHのラインとノードN1との間に接続され、そのゲートは電圧レベルシフト回路23の出力信号TXADD_RESET_G_nを受ける。
【0044】
インバータINV0は、ノードN1とN2の間に接続され、ノードN1に現れる信号の反転信号をノードN2に出力する。インバータINV1は、ノードN2とN1の間に接続され、ノードN2に現れる信号の反転信号をノードN1に出力する。インバータINV0,INV1の各々は、電源電圧VTXHおよび接地電圧GNDによって駆動される。トランジスタQ0,Q1,P0およびインバータINV0,INV1は、セットおよびリセットが可能なラッチ回路を構成する。
【0045】
論理積回路AND3,AND4の出力信号がともに「H」レベルにされると、NチャネルMOSトランジスタQ0,Q1が導通してノードN1が「L」レベル(接地電圧GND)にされる。これにより、ラッチ回路がセットされ、ノードN2が「H」レベル(電源電圧VTXH)にされる。
【0046】
NチャネルMOSトランジスタQ0,Q1が非導通にされている場合にリセット信号TXADD_RESET_G_nが「L」レベルにされると、PチャネルMOSトランジスタP0が導通してノードN1が「H」レベルにされる。これにより、ラッチ回路がリセットされ、ノードN2が「L」レベル(接地電圧GND)にされる。したがって、ラッチ回路は、信号の「H」レベルを電源電圧VDDから電源電圧VTXHに変換する電圧レベルシフト回路を兼ねている。
【0047】
レベルシフタ36は、インバータINV2、PチャネルMOSトランジスタP1,P2、およびNチャネルMOSトランジスタQ2〜Q5を含む。トランジスタP1,Q2,Q3は、電源電圧VTXHのラインと負電圧VTXLのラインとの間に直列接続される。トランジスタP2,Q4,Q5は、電源電圧VTXHのラインと負電圧VTXLのラインとの間に直列接続される。ノードN2に現れる信号は、トランジスタP1,Q2のゲートに直接与えられるとともに、インバータINV2によって反転されてトランジスタP2,Q4のゲートに与えられる。インバータINV2は、電源電圧VTXHおよび接地電圧GNDによって駆動される。トランジスタP1,Q2間のノードは、トランジスタQ5のゲートに接続される。トランジスタP2,Q4の間のノードN3は、トランジスタQ3のゲートに接続される。ノードN3は、レベルシフタ36の出力ノードとなる。
【0048】
ノードN2が「L」レベルである場合は、トランジスタP1,Q4,Q5が導通するとともに、トランジスタP2,Q2,Q3が非導通となり、ノードN3は「L」レベル(負電圧VTXL)となる。ノードN2が「H」レベルである場合は、トランジスタP2,Q2,Q3が導通するとともに、トランジスタP1,Q4,Q5が非導通となり、ノードN3は「H」レベル(電源電圧VTXH)となる。
【0049】
レベルシフタ36を設けたのは、転送信号TXではフォトダイオード11の暗電流を減少させるために、転送トランジスタ12のゲートに負電圧を与えて転送トランジスタ12を非導通状態にしてゲート下よりの暗電流の発生を抑える必要があるからである。リセット信号RSTおよび選択信号SELの各々については負電圧にする必要がないので、RST用デコード部32およびSEL用デコード部33ではレベルシフタ36は不要である。
【0050】
成形回路37は、4つの論理積回路AND5<3:0>を含む。論理積回路AND5<3:0>の各々は、電源電圧VTXHおよび負電圧VTXLによって駆動される。論理積回路AND5<3:0>は、レベルシフタ36の出力信号(ノードN3に現れる信号)と成形信号生成回路22で生成された成形信号TX_DRV_AdA<3:0>との論理積信号を生成する。
【0051】
出力バッファ38は、4つのバッファBUF1<3:0>を含む。バッファBUF1<3:0>の各々は、電源電圧VTXHおよび負電圧VTXLによって駆動される。論理積回路AND2<3:0>の出力信号は、バッファBUF1<3:0>によって増強されて転送信号TX<3:0>となる。転送信号TX<3:0>は、対応の行グループの4本の水平信号線LTに与えられる。
【0052】
なお、図6の点線の四角形で囲まれている領域A,B,Cの各々は、電源電圧が同一の領域である。領域Aの回路は、電源電圧VDDおよび接地電圧GNDによって駆動される。領域Bの回路は、電源電圧VTXHおよび接地電圧GNDによって駆動される。領域Cの回路は、電源電圧VTXHおよび負電圧VTXLによって駆動される。
【0053】
図7は、読出動作時における転送信号TX<3:0>を示すタイムチャートである。図7において、読出動作は、インバータINV0,INV1を含むラッチ回路をセットするステップS1と、信号TXを成形するステップS2と、そのラッチ回路をリセットするステップS3とを含む。
【0054】
ステップS1では、アドレスによるラッチのセット信号TXADD_SETをイネーブルにして、下位2ビットを除くアドレス信号AdN〜Ad2によって選択している行グループのラッチ回路をセットする(ラッチ回路を選択状態にする)。同時に、成形信号生成回路22の記憶素子FF0<1:0>では、下位2ビットのアドレス信号Ad1,Ad0を記憶する。ラッチ回路をセットすると、成形回路37の4つの論理積回路AND5<3:0>の一方の入力ノードN3が「H」レベルとなる。
【0055】
ステップS2では、成形信号TX_DRVをアサート/ネゲートすることでアドレスで選択された転送信号の1信号(0行目の読出しではTX<0>)が駆動される。成形信号生成回路22の記憶素子FF0<1:0>で記憶した下位2ビットのアドレス信号Ad1,Ad0が選択している成形信号TX_DRV_AdA<3:0>の1信号が成形信号TX_DRVと同相で動作し、成形回路37および出力バッファ38を介して対応の水平信号線LTに出力される。
【0056】
ステップS3では、全ラッチのリセット信号TXADD_RESET_nをイネーブルにして、選択している行グループのラッチ回路をリセットする(ラッチ回路を非選択状態にする)。そして、次の行の動作に備える。以上の3つのステップS1〜S3を、行選択アドレス信号AdN〜Ad0をインクリメント(+1)して、行ごとに繰り返す。
【0057】
RST用デコード部32およびSEL用デコード部33の各々も、TX用デコード部31と同様の構成である。ただし、RST用デコード部32およびSEL用デコード部33では、レベルシフタ36は不要であり、ノードN2に現れる信号がそのまま成形回路37に与えられる。また、成形回路37および出力バッファ38の各々は、電源電圧VTXHおよび接地電圧GNDによって駆動される。
【0058】
(ローリング電子シャッタ方式)
図8は、このイメージセンサにおけるローリング電子シャッタ方式を示すタイムチャートである。図8において、ローリングシャッタ方式では、たとえば時刻t0から全画素行が1行ずつ順次リセットされる。全画素行がリセットされる前の時刻t1から全画素行の電気信号を1行分ずつ順次読み出す。時刻t0から時刻t1までの時間が露光時間となる。
【0059】
ローリング電子シャッタ方式では、読出し行とシャッタ行(画素リセット行)すなわち異なる2つの行を同じ1水平期間で選択する必要がある。図8では、時刻t4に当たる1水平期間において、読出し行1とシャッタ(画素リセット)行2を選択する必要がある。また、画素に貯まった電荷(電子)を十分吐き出すために画素リセットを複数回行なうことがある。この場合、複数のシャッタ行を選択する必要がある。
【0060】
図9は、図1〜図7で示したイメージセンサにおけるローリング電子シャッタ方式を示すタイムチャートである。図9において、1水平期間内において、読出し行とシャッタ行(画素リセット行)が同じ1水平期間で選択される。1水平期間におけるローリング電子シャッタ方式は、5つのステップS11〜S15に分けられる。
【0061】
ステップS11では、読出アドレスXRに対応する行のラッチ回路をセットする。すなわち図9(a)〜(d)に示すように、読出アドレスXRを示す行選択アドレス信号AdN〜Ad0を与えるとともに、セット信号TXADD_SET,RSTADD_SET,SELADD_SETを所定時間だけ「H」レベルにして、読出アドレスXRに対応する行のラッチ回路をセットする(時刻t1)。
【0062】
ステップS12では、読出しに対応する各信号を成形する。すなわち図9(h)〜(m)に示すように、読出用の成形信号TX_DRV,RST_DRV,SEL_DRVを生成して、転送信号TX<XR>、リセット信号RST<XR>、選択信号SEL<XR>を出力する。選択信号SEL<XR>は、時刻t2〜t7で「H」レベルにされる。リセット信号RST<XR>は、時刻t3〜t4で「H」レベルにされる。転送信号TX<XR>は、時刻t5〜t6で「H」レベルにされる。
【0063】
選択信号SEL<XR>が「H」レベルにされると(時刻t2)、図3で示した画素回路10の選択トランジスタ15が導通する。リセット信号RST<XR>が「H」レベルにされと(時刻t3)、画素回路10のリセットトランジスタ13が導通してノードN12が電源電圧VCCにリセットされる。リセット信号RST<XR>が「L」レベルにされると(時刻t4)、リセットトランジスタ13が非導通になり、電源電圧VCCのラインからトランジスタ14,15を介して垂直信号線LVに暗電流が流れ、暗信号が読み出される。
【0064】
転送信号TX<XR>が「H」レベルにされると(時刻t5)、転送トランジスタ12が導通し、フォトダイオード11に発生した電荷に応じた電圧がノードN12に現れる。転送信号TX<XR>が「L」レベルにされると(時刻t6)、転送トランジスタ12が非導通になり、ノードN12の電圧に応じた値の光電流が電源電圧VCCのラインからトランジスタ14,15を介して垂直信号線LVに流れ、光信号が読み出される。選択信号SEL<XR>が「L」レベルにされると(時刻t7)、選択トランジスタ15が非導通になり、読出動作が終了する。
【0065】
ステップS13では、シャッタアドレスXSに対応する転送信号TXおよびリセット信号RST用のラッチ回路をセットする。すなわち図9(a)〜(c)に示すように、シャッタアドレスXSを示す行選択アドレス信号AdN〜Ad0を与えるとともに、セット信号TXADD_SET,RSTADD_SETを所定時間だけ「H」レベルにして、シャッタアドレスXSに対応する行のラッチ回路をセットする(時刻t8)。
【0066】
ステップS14では、転送信号TXとリセット信号RSTを成形する。すなわち図9(h)(i)(n)(o)に示すように、シャッタ動作用の成形信号TX_DRV,RST_DRVを生成して、転送信号TX<XS>およびリセット信号RST<XS>を出力する。リセット信号RST<XS>は、時刻t9〜t12で「H」レベルにされる。転送信号TX<XS>は、時刻t10〜t11で「H」レベルにされる。
【0067】
リセット信号RST<XS>および転送信号TX<XS>が「H」レベルにされと(時刻t9,t10)、画素回路10のトランジスタ12,13が導通してフォトダイオード11に発生した負電荷が除去されてフォトダイオード11がリセットされる。リセット信号RST<XS>および転送信号TX<XS>が「L」レベルにされと(時刻t11,t12)、画素回路10のトランジスタ12,13が非導通になり、フォトダイオード11において負電荷の蓄積が再開される。
【0068】
ステップS15では、各信号のラッチ回路をリセットする。すなわち図9(e)〜(g)に示すように、リセット信号TXADD_RESET_n,RSTADD_RESET_n,SELADD_RESET_nを「L」レベルにして、全ラッチ回路をリセットする(時刻t14)。
【0069】
なお、図9(k)(l)に示すように、ステップS14において転送信号TXとリセット信号RSTの各々を読出し行においても駆動しているが、既に読出動作を終了しているので問題ない。
【0070】
(ハイブリッド電子シャッタ方式)
CMOS方式のイメージセンサでは、露光期間を決める方式として、メカシャッタ方式、ローリング電子シャッタ方式、両方式を組み合わせたハイブリッド電子シャッタ方式が存在する。ハイブリッド電子シャッタ方式は、露光開始を電子シャッタで実施し、露光終了をメカシャッタで実施する方式である。一般に、メカシャッタ方式は静止画の撮影に使用され、ローリング電子シャッタ方式は動画の撮影に使用されるが、ローリング電子シャッタ方式でも静止画の撮影は可能である。静止画の撮影において、ハイブリッド電子シャッタ方式は、メカシャッタ方式およびローリング電子シャッタ方式にない利点がある。
【0071】
図10(a)〜(c)は、それぞれハイブリッド電子シャッタ、通常メカシャッタ、およびローリング電子シャッタによる静止画の撮影方法を示すタイムチャートである。ハイブリッド電子シャッタでは、露光の開始を電子シャッタで実施するので、露光開始前にメカシャッタを開けておく。各行の露光時間を一定にするため、電子シャッタによる露光開始である画素リセットの終了をメカシャッタを閉める動作に合わせる。ハイブリッド電子シャッタは、ライブビューモードから静止画を撮影する場合に使用することができる。
【0072】
ファインダーではなく背面の液晶画面で構図を確認しながら撮影する場合に、液晶画面に動作を写すことをライブビューという。一般に、ライブビューでは、ローリング電子シャッタ機能を用いた動画の撮影を繰返し行なう。ライブビューモードから静止画を撮影する場合、通常のメカシャッタによる静止画撮影と比較して、ハイブリッド電子シャッタによる静止画撮影では、メカシャッタの開閉動作を省略することができるので高速に撮影できる。また、ローリング電子シャッタによる静止画撮影と比較して、ハイブリッド電子シャッタによる静止画撮影では、メカシャッタを閉じるので光を当て続けることによるブルーミングの発生を防ぐことができ、画質が向上する。なお、ブルーミングとは、あるフォトダイオード11に強い光が照射された場合、そのフォトダイオード11から電荷が溢れて周辺の他のフォトダイオード11に供給されることを言う。
【0073】
図11(a)〜(d)は、図1〜図7で示したイメージセンサにおけるハイブリッド電子シャッタ方式を示すタイムチャートである。ハイブリッド電子シャッタ方式を実施する場合は、下位2ビットのアドレス信号Ad1,Ad0をプリデコードした信号AdA<3:0>はともに「H」レベルに維持される。
【0074】
図11(a)〜(d)において、時刻t0〜t1において行選択アドレス信号AdN〜Ad2を順次インクリメントして全RST用デコード部32のラッチ回路を順次セットする。これにより、全行のリセット信号RSTが「H」レベルに活性化(アサート)される。転送信号TXの活性化および非活性化(ネゲート)は、3つのステップS21〜S23に分けて行なわれる。
【0075】
ステップS21では、行選択アドレス信号AdN〜Ad2を順次インクリメント(+1)して全TX用デコード部31のラッチ回路を順次セットする(時刻t2〜t3)。これにより、全行の転送信号TXが「H」レベルに活性化される。
【0076】
ステップS22では、全ラッチのリセット信号TXADD_RESET_nを「L」レベルにして、全TX用デコード部31のラッチ回路をリセットする。これにより、全行の転送信号TXが一旦、「L」レベルに非活性化される。
【0077】
ステップS23では、行選択アドレス信号AdN〜Ad2を所定の周期で順次デクリメント(−1)するとともに、所定の周期で全ラッチのリセット信号TXADD_RESET_nを「L」レベルにする(時刻t4〜t5)。これにより、全行の転送信号TXが所定時間ずつ「H」レベルにされ、メカシャッタと同様のタイミングで電子シャッタが駆動される。
【0078】
時刻t6において、全ラッチのリセット信号RSTADD_RESET_nが「L」レベルにされて、全行のリセット信号RSTが「L」レベルに非活性化される。時刻t7〜t8において、メカシャッタが閉じられてハイブリッド電子シャッタによる静止画の撮影が終了する。
【0079】
以上のように、この実施の形態1では、行選択デコード回路35に「H」レベル側の電圧レベルシフト機能を持たせたので、「H」レベル側の電圧レベルシフト回路を別途設ける場合に比べ、素子数の低減化、回路面積の縮小化を図ることができる。
【0080】
また、複数(本実施の形態1では4つ)の行で1つの電圧レベルシフト機能付き行選択デコード回路35を共用するので、回路面積の縮小化を図ることができる。特に、TX用デコード部31では、画素性能に関係した暗電流を小さくするために転送信号TXの「L」レベルを負電圧にする場合、接地電圧GNDを負電圧にレベルシフトするレベルシフタ36が必要であり、そのレベルシフタ36も複数の行で共用できるので、さらに、回路面積の縮小化を図ることができる。
【0081】
また、行選択デコード回路35にラッチ回路を設けたので、アドレスによるラッチ回路のセットを読出し行とリセット行で繰り返すことで、2つの行を容易に選択することができる。その結果、読出動作とリセット動作に対する1つの行選択デコード回路35の共用が可能となり、回路面積の縮小化を図ることができる。
【0082】
なお、本実施の形態1では、4つの行で行選択デコード回路35を共用したが、2のK乗個(ただし、Kは正の整数である)のうちの所望の数の行で行選択デコード回路35を共用することが可能である。また、1つの行に行選択デコード回路35を設けることも可能である。
【0083】
また、本実施の形態1では、1つのフォトダイオード11に対して4つのトランジスタ12〜15を設けた4Tr型の画素回路10を備えたイメージセンサについて説明したが、画素の開口率を拡大するために、画素共用型の構造(2.5Tr型画素、1.75Tr型画素)を持つ画素が存在する。転送トランジスタ12を除く他の3つのトランジスタ13〜15を2つの画素で共用したのが2.5Tr型画素であり、4つの画素で共用したのが1.75Tr型画素である。Trの数字は1画素に対応するトランジスタ数を示している。2.5Tr型画素では、転送信号TXの本数に対するリセット信号RSTと選択信号SELの本数が4Tr型画素の1/2になる。1.75Tr型画素では、転送信号TXの本数に対するリセット信号RSTと選択信号SELの本数が4Tr型画素の1/4になる。
【0084】
本実施の形態1では、全種類の信号TX,RST,SELに対して、電圧レベルシフト機能付き行選択デコード回路の共用化を行なっているが、2.5Tr型画素や1.75Tr型画素の場合、転送信号TXのみに対して電圧レベルシフト機能付き行選択デコード回路35の共用化を図ることで、アドレス系統の簡略化を行なうことができる。2.5Tr型画素の場合はアドレスの下位1ビット、1.75Tr型画素の場合はアドレスの下位2ビット分を多く共用化することで、共用化部分の上位のアドレスをリセット信号RSTおよび選択信号SELと同じにすることができる。
【0085】
次に、1.75Tr型画素回路を用いたイメージセンサにおいて行選択デコード回路35にラッチを持たせていることで、回路を単純化できる例を示す。図12は、複数組の1.75Tr型画素回路40〜43を含む画素アレイを示す図である。図12において、この画素アレイでは、同じ組の4つの画素回路40〜43でトランジスタが共用される。各組の画素回路40〜43は、列方向に一列に配列されている。
【0086】
この1.75Tr型画素回路では、素子を効率よく詰め込むために、偶数列と奇数列で、画素回路40〜43が2画素分だけ列方向にずれている。このため、偶数列と奇数列で異なる選択信号SELおよびリセット信号RSTを用いる必要がある。偶数列では選択信号SELRおよびリセット信号RSTRが使用され、奇数列では選択信号SELBおよびリセット信号RSTBが使用される。図12では、偶数列では選択信号SELR<0>およびリセット信号RSTR<0>が使用され、奇数列では選択信号SELB<0>およびリセット信号RSTB<0>が使用される。
【0087】
このような場合に、ラッチ回路を設けずに論理回路で対応する場合、行をまたがったOR回路のような複雑な回路構成が必要である。しかし、本実施の形態1では、ラッチ回路を設けたので、複雑な回路構成は不要である。
【0088】
図13は、図12に示した画素アレイにおけるアドレスAdと信号TX,SELR,RSTR,SELB,RSTBの対応関係を示す表である。図13から分かるように、転送信号TXの番号は、アドレス”Ad”がインクリメントされる毎に増大し、選択信号SELBおよびリセット信号RSTBの各々の番号は、アドレス”Ad”が0から4だけ増加する毎に1だけ増加する。これに対して選択信号SELRおよびリセット信号RSTRの各々の番号は、アドレス”Ad”が2から4だけ増加する毎に1だけ増加する。したがって、アドレス”Ad”をデコードして信号TX,SELB,RSTBを選択し、アドレス”Ad−2”をデコードして信号SELR,RSTRを選択すればよい。
【0089】
図14(a)〜(u)は、図12および図13で示したイメージセンサにおける読出動作を示すタイムチャートである。図14(a)〜(u)において、1水平期間における読出動作は、3つのステップS31〜S33に分けられる。
【0090】
ステップS31では、読出アドレスXRに対応する行のラッチ回路をセットする。すなわち図14(a)〜(d)に示すように、読出アドレスXRを示す行選択アドレス信号AdN〜Ad0を与えるとともに、セット信号TXADD_SET,RSTBADD_SET,SELBADD_SETを所定時間だけ「H」レベルにして、読出アドレスXRに対応する行のラッチ回路をセットする(時刻t1)。
【0091】
また、読出アドレスXR−2を示す行選択アドレス信号AdN〜Ad0を与えるとともに、セット信号RSTRADD_SET,SELRADD_SETを所定時間だけ「H」レベルにして、読出アドレスXR−2に対応する行のラッチ回路をセットする(時刻t2)。
【0092】
ステップS32では、読出しに対応する各信号を成形する。すなわち図14(l)〜(p)に示すように、読出用の成形信号TX_DRV,RSTR_DRV,RSTB_DRV,SELR_DRV,SELB_DRVを生成して、転送信号TX<XR>、リセット信号RSTR<XR>,RSTB<XR>、選択信号SELR<XR>,SELB<XR>を出力する。選択信号SELR<XR>,SELB<XR>は、時刻t3〜t8で「H」レベルにされる。リセット信号RSTR<XR>,RSTB<XR>は、時刻t4〜t5で「H」レベルにされる。転送信号TX<XR>は、時刻t6〜t7で「H」レベルにされる。
【0093】
たとえば偶数列において、選択信号SELR<XR>が「H」レベルにされると(時刻t3)、画素回路40〜43の選択トランジスタ15が導通する。リセット信号RSTR<XR>が「H」レベルにされと(時刻t4)、画素回路40〜43のリセットトランジスタ13が導通してノードN12が電源電圧VCCにリセットされる。リセット信号RSTR<XR>が「L」レベルにされると(時刻t5)、リセットトランジスタ13が非導通になり、電源電圧VCCのラインからトランジスタ14,15を介して垂直信号線LVに暗電流が流れ、暗信号が読み出される。
【0094】
転送信号TX<XR>が「H」レベルにされると(時刻t6)、選択された画素回路(たとえば40)の転送トランジスタ12が導通し、フォトダイオード11に発生した電荷に応じた電圧がノードN12に現れる。転送信号TX<XR>が「L」レベルにされると(時刻t7)、転送トランジスタ12が非導通になり、ノードN12の電圧に応じた値の光電流が電源電圧VCCのラインからトランジスタ14,15を介して垂直信号線LVに流れ、光信号が読み出される。選択信号SELR<XR>が「L」レベルにされると(時刻t8)、選択トランジスタ15が非導通になる。
【0095】
ステップS33では、各信号のラッチ回路をリセットする。すなわち図14(g)〜(k)に示すように、リセット信号TXADD_RESET_n,RSTRADD_RESET_n,RSTBADD_RESET_n,SELRADD_RESET_n,SELBADD_RESET_nを「L」レベルにして、全ラッチ回路をリセットする(時刻t9)。このように、行選択デコード回路にラッチ回路を持たせていることで、アドレスによるラッチのセットを1回多く実施するだけで、1.75Tr型画素回路を用いたイメージセンサにおける読出動作を容易に行なうことができる。
【0096】
[実施の形態2]
図15は、この発明の実施の形態2によるイメージセンサの制御回路50の構成を示す回路ブロック図であって、図5と対比される図である。図15において、制御回路50が制御回路20と異なる点は、電圧レベルシフト回路23が除去され、成形信号生成回路22が成形信号生成回路51で置換されている点である。成形信号生成回路51は、成形信号生成回路22に論理和回路OR1<3:0>を追加したものである。
【0097】
論理和回路OR1<3:0>は、プリデコーダ26の出力信号AdA<3:0>と成形信号TXALL_DRVとの論理和信号を生成し、生成した4つの論理和信号を論理積回路AND1<3:0>に与える。成形信号TXALL_DRVが「H」レベルにされると、論理和回路OR1<3:0>の4つの出力信号がともに「H」レベルになり、成形信号TX_DRV_AdA<3:0>がともに「H」レベルになる。
【0098】
図16は、このイメージセンサの制御回路50およびTX用デコード部52の構成を示す回路ブロック図であって、図6と対比される図である。図16において、TX用デコード部52がTX用デコード部31と異なる点は、行選択デコード回路35が行選択デコード回路53で置換されている点である。行選択デコード回路53は、行選択デコード回路35のPチャネルMOSトランジスタP0を論理積回路AND6およびNチャネルMOSトランジスタQ6,Q7で置換したものである。
【0099】
NチャネルMOSトランジスタQ6,Q7は、ノードN2と接地電圧GNDのラインとの間に直列接続される。論理積回路AND6は、ブロック選択信号BSと、プリデコード信号AdB<3:0>のうちの、対応の行グループに予め割り当てられたプリデコード信号(たとえばAdA3)と、アドレスによるラッチのリセット信号TXADD_RESETとの論理積信号を生成し、その論理積信号をトランジスタQ6のゲートに与える。トランジスタQ7のゲートは、論理積回路AND4の出力信号を受ける。
【0100】
行選択アドレス信号AdN〜Ad0によって対応の行グループが選択され、かつアドレスによるラッチのリセット信号TXADD_RESETが「H」レベルにされると、NチャネルMOSトランジスタQ6,Q7が導通し、ノードN2が「L」レベルになり、インバータINV0,INV1を含むラッチ回路がリセットされる。
【0101】
RST用デコード部およびSEL用デコード部の各々も、TX用デコード部52と同様の構成である。ただし、RST用デコード部およびSEL用デコード部の各々では、負電圧は不要であり、レベルシフタ36は設けられない。また、成形回路37および出力バッファ38の各々は、電源電圧VTXHおよび接地電圧GNDによって駆動される。
【0102】
図17(a)〜(o)は、読出動作時における転送信号TX<3:0>を示すタイムチャートであって、図7(a)〜(o)と対比される図である。図7(a)〜(o)のステップS3では、全ラッチのリセット信号TXADD_RESET_nをイネーブルにして、選択している行グループのラッチ回路をリセットした。これに対して図17(a)〜(o)のステップS3では、アドレスによるラッチのリセット信号TXADD_RESETをイネーブルにして、選択している行グループのラッチ回路をリセットする。したがって、本実施の形態2では、行グループ単位でラッチ回路をリセットできる。
【0103】
図18(a)〜(k)は、ハイブリッド電子シャッタの画素リセット終了時の転送信号TXを示すタイムチャートである。本実施の形態2では、行選択デコード回路53にアドレスによるラッチのセット機能(トランジスタQ0,Q1)とリセット機能(トランジスタQ6,Q7)を設けたので、全行グループのラッチ回路をセットした状態から、全ラッチ回路を1つずつ順次リセットすることができる。
【0104】
ラッチ回路をセット状態に保持するとともに、成形信号TX_DRVおよび信号TXALL_DRVを「H」レベルに固定する。これにより、アドレス成形信号TX_DRV_AdA<3:0>も全て「H」レベルに固定され、ラッチ回路の状態(セットまたはリセット)で転送信号TXのレベルが決まる。
【0105】
アドレスによるラッチのリセット信号TXADD_RESETをイネーブルにして下位2ビットを除くアドレス信号AdN〜Ad2を順次デクレメント(−1)することによって、順番に4信号ごとに転送信号TXのレベルを「H」レベルから「L」レベルに変える。
【0106】
図18(a)〜(k)において、ハイブリッド電子シャッタの画素リセット終了時では、アドレスによるラッチのセット信号TXADD_SETは「L」レベルに固定され、ラッチ回路のセットが禁止される。また、成形信号TX_DRVおよび信号TXALL_DRVが「H」レベルに固定され、アドレス成形信号TX_DRV_AdA<3:0>も全て「H」レベルに固定される。
【0107】
図18(a)〜(k)では、時刻t0において転送信号TX<7:4>,TX<3:0>が「H」レベルである状態が示されている。時刻t0〜t2において4〜7行を示す行選択アドレス信号AdN〜Ad2が与えられ、時刻t1においてアドレスによるラッチのリセット信号TXADD_RESETが所定時間だけ「H」レベルにされる。これにより、4〜7行に対応する行選択デコード回路53のトランジスタQ6,Q7が導通し、ラッチ回路がリセットされてノードN1,N3がそれぞれ「H」レベルおよび「L」レベルになり、転送信号TX<7:4>が「L」レベルになる。
【0108】
時刻t2〜t4において0〜3行を示す行選択アドレス信号AdN〜Ad2が与えられ、時刻t3においてアドレスによるラッチのリセット信号TXADD_RESETが所定時間だけ「H」レベルにされる。これにより、0〜3行に対応する行選択デコード回路53のトランジスタQ6,Q7が導通し、ラッチ回路がリセットされてノードN1,N3がそれぞれ「H」レベルおよび「L」レベルになり、転送信号TX<3:0>が「L」レベルになる。
【0109】
図19(a)〜(d)は、本実施の形態2のイメージセンサにおけるハイブリッド電子シャッタ方式を示すタイムチャートであって、図11(a)〜(d)と対比される図である。図19(a)〜(d)において、時刻t0〜t1において行選択アドレス信号AdN〜Ad2を順次インクリメントして全RST用デコード部のラッチ回路を順次セットする。これにより、全行のリセット信号RSTが「H」レベルに活性化(アサート)される。転送信号TXの活性化および非活性化(ネゲート)は、3つのステップS41〜S43に分けて行なわれる。
【0110】
ステップS41では、行選択アドレス信号AdN〜Ad2を順次インクリメント(+1)して全TX用デコード部52のラッチ回路を順次セットする(時刻t2〜t3)。これにより、全行の転送信号TXが「H」レベルに活性化される。ステップS42では、全ラッチ回路をセット状態に維持する。
【0111】
ステップS43では、行選択アドレス信号AdN〜Ad2を所定の周期で順次デクリメント(−1)するとともに、所定の周期でアドレスによるラッチのリセット信号TXADD_RESETが所定時間だけ「H」レベルにする(時刻t4〜t5)。これにより、転送信号TXが4行分ずつ「L」レベルにされ、メカシャッタと同様のタイミングで電子シャッタが駆動される。
【0112】
時刻t6において、全行のリセット信号RSTが「L」レベルに非活性化される。時刻t7〜t8において、メカシャッタが閉じられてハイブリッド電子シャッタによる静止画の撮影が終了する。
【0113】
以上のように、本実施の形態2では、実施の形態1と同じ効果が得られる。
また、本実施の形態2では、実施の形態1と異なり、全行(信号)の同時ネゲート動作を実施していない。すなわち、各行選択デコード回路53にラッチ回路のセット機能とリセット機能を設けたので、ハイブリッド電子シャッタ方式において全行の同時動作を実施する必要がない。このため、実施の形態1よりも動作電流が減少して電源電圧および接地電圧GNDのIRドロップ量も小さくなり、IRドロップ量の増加による不具合が発生しない。
【0114】
また、ハイブリッド電子シャッタ方式を行なう際に、各ラッチ回路のセット/リセット動作は1回しか発生しない。したがって、実施の形態1と比較して、制御の簡単化、制御回路の面積および動作電流の低減化を図ることができる。
【0115】
[実施の形態3]
図20は、この発明の実施の形態3によるイメージセンサの制御回路60の構成を示す回路ブロック図であって、図5と対比される図である。図20において、制御回路60は、可変アドレス縮退機能付きプリデコーダ61、プリデコーダ62、論理積回路AND7<3:0>,AND8<3:0>、論理和回路OR2および電圧レベルシフト回路63〜66を含む。
【0116】
プリデコーダ61は、行選択アドレス信号AdN〜Ad0のうちの下位2ビットの信号Ad1,Ad0を除く上位のアドレス信号AdN〜Ad2を2ビットずつプリデコードして、プリデコード信号AdB<3:0>,AdC<3:0>,AdD<3:0>,…を生成する。可変アドレス縮退機能については、後述する。
【0117】
プリデコーダ62は、アドレス信号の下位2ビットの信号Ad1,Ad0をプリデコードして4つのプリデコード信号AdA<3:0>を生成する。論理積回路AND7<3:0>は、それぞれプリデコード信号AdA<3:0>とセット信号TXADD_SETとの論理積信号を生成する。電圧レベルシフト回路63は、論理積回路AND7<3:0>の出力信号を電圧変換して、4つのセット信号TX_SET_AdA<3:0>を生成する。プリデコード信号AdA<3:0>のうちの1信号のみが「H」レベルになるので、4つセット信号TX_SET_AdA<3:0>のうちの1信号のみが駆動される。
【0118】
論理積回路AND8<3:0>は、それぞれプリデコード信号AdA<3:0>とリセット信号TXADD_RESETとの論理積信号を生成する。電圧レベルシフト回路64は、論理積回路AND8<3:0>の出力信号を電圧変換して、4つのリセット信号TX_RESET_AdA<3:0>を生成する。
【0119】
プリデコード信号AdA<3:0>のうちの1信号のみが「H」レベルになるので、4つリセット信号TX_RESET_AdA<3:0>のうちの1信号のみが駆動される。論理和回路OR2は、セット信号TXADD_SETとリセット信号TXADD_RESETの論理和信号TXADD_BOTH_Gを出力する。
【0120】
また、タイミングジェネレータ4から供給される行選択アドレス信号AdN〜Ad0、セット信号TXADD_SET、リセット信号TXADD_RESET、成形信号TX_DRV、およびリセット信号TXALL_RESET1の各々の「H」レベルは電源電圧VDDがあり、各々の「L」レベルは接地電圧GNDである。
【0121】
電圧レベルシフト回路63は、論理積回路AND7<3:0>の出力信号の「H」レベルを電源電圧VDDから電源電圧VTXHに変換するとともに、論理積回路AND7<3:0>の出力信号の「L」レベルを接地電圧GNDから負電圧VTXLに変換して、4つのセット信号TX_SET_AdA<3:0>を生成する。
【0122】
電圧レベルシフト回路64は、論理積回路AND8<3:0>の出力信号の「H」レベルを電源電圧VDDから電源電圧VTXHに変換するとともに、論理積回路AND8<3:0>の出力信号の「L」レベルを接地電圧GNDから負電圧VTXLに変換して、4つのリセット信号TX_RESET_AdA<3:0>を生成する。
【0123】
電圧レベルシフト回路65は、成形信号TX_DRVの「H」レベルを電源電圧VDDから電源電圧VTXHに変換するとともに、成形信号TX_DRVの「L」レベルを接地電圧GNDから負電圧VTXLに変換して、成形信号TX_DRV_Gを生成する。電圧レベルシフト回路66は、リセット信号TXALL_RESET1の「H」レベルを電源電圧VDDから電源電圧VTXHに変換して、リセット信号TXALL_RESET1_Gを生成する。
【0124】
図21は、このイメージセンサの制御回路60およびTX用デコード部70の構成を示す回路ブロック図であって、図6と対比される図である。図21において、TX用デコード部70がTX用デコード部31と異なる点は、行選択デコード回路35が行選択デコード回路71で置換され、個別ラッチ回路L<3:1>が追加されている点である。
【0125】
行選択デコード回路71は、行選択デコード回路35のPチャネルMOSトランジスタP0をNチャネルMOSトランジスタQ8で置換したものである。NチャネルMOSトランジスタQ8は、ノードN2と接地電圧GNDのラインとの間に接続され、そのゲートはリセット信号TXALL_RESET1_Gを受ける。リセット信号TXALL_RESET1_Gが「H」レベルにされると、全行選択デコード回路71のトランジスタQ8が導通してノードN2が「L」レベルになり、全行選択デコード回路71のラッチ回路がリセットされる。
【0126】
また、セット信号TXADD_SETの代わりにセット信号TXADD_BOTH_Gが論理積信号AND3に与えられる。これにより、行選択アドレス信号AdN〜Ad0によって対応の行グループが選択され、かつセット信号TXADD_BOTH_Gが「H」レベルにされると、NチャネルMOSトランジスタQ0,Q1が導通し、ノードN1が「L」レベルになり、インバータINV0,INV1を含むラッチ回路がセットされる。
【0127】
レベルシフタ36の出力ノードN3は、個別ラッチ回路L<3:0>の第1入力ノードX1<3:0>に接続される。セット信号TX_SET_AdA<3:0>は、個別ラッチ回路L<3:0>の第2入力ノードX2<3:0>にそれぞれ入力される。リセット信号TX_RESET_AdA<3:0>は、個別ラッチ回路L<3:0>の第3入力ノードX3<3:0>にそれぞれ入力される。
【0128】
個別ラッチ回路L<3:0>の出力ノードY2<3:0>は、それぞれ論理積回路AND5<3:0>の一方入力ノードに接続される。論理積回路AND<3:0>の他方入力ノードは、ともに成形信号TX_DRV_Gを受ける。
【0129】
個別ラッチ回路L<n>(ただし、nは0,1,2,または3である)は、図22に示すように、インバータINV3,INV4およびNチャネルMOSトランジスタQ11〜Q14を含む。インバータINV3は、ノードY1とY2<n>の間に接続され、ノードY1に現れる信号の反転信号をノードY2<n>に出力する。インバータINV4は、ノードY2<n>とY1の間に接続され、ノードY2<n>に現れる信号の反転信号をノードY1に出力する。インバータINV3,INV4の各々は、電源電圧VTXHおよび負電圧VTXLによって駆動される。
【0130】
NチャネルMOSトランジスタQ11,Q12は、ノードY1と負電圧VTXLのラインとの間に接続され、それらのゲートはそれぞれ入力ノードX1<n>,X2<n>に接続される。NチャネルMOSトランジスタQ13,Q14は、ノードY2<n>と負電圧VTXLのラインとの間に接続され、それらのゲートはそれぞれ入力ノードX1<n>,X3<n>に接続される。
【0131】
行選択デコード回路71のラッチ回路がセットされてノードN1が「L」レベルになり、ノードN3が「H」レベルになると、個別ラッチ回路L<n>のトランジスタQ11,Q13のゲートが「H」レベルになる。これにより、個別ラッチ回路L<n>のセットおよびリセットが可能になる。
【0132】
セット信号TX_SET_AdA<n>が「H」レベルにされると、トランジスタQ11,Q12が導通してノードY1が「L」レベルになり、個別ラッチ回路L<n>がセットされてノードY2<n>が「H」レベルになる。これにより、転送信号TX<n>の駆動が可能となる。
【0133】
また、リセット信号TX_RESET_AdA<n>が「H」レベルにされると、トランジスタQ13,Q14が導通してノードY2<n>が「L」レベルになり、個別ラッチ回路L<n>がリセットされる。この場合は、転送信号TX<n>は「L」レベルに固定される。
【0134】
行選択デコード回路71のラッチ回路がリセットされてノードN2が「L」レベルになり、ノードN3が「L」レベルになると、個別ラッチ回路L<n>のトランジスタQ11,Q13のゲートが「L」レベルになり、トランジスタQ11,Q13が非導通状態に固定される。これにより、個別ラッチ回路L<n>のセットまたはリセット状態が維持される。
【0135】
RST用デコード部およびSEL用デコード部の各々も、TX用デコード部52と同様の構成である。ただし、RST用デコード部およびSEL用デコード部の各々では、負電圧は不要であり、レベルシフタ36は設けられない。また、成形回路37および出力バッファ38の各々は、電源電圧VTXHおよび接地電圧GNDによって駆動される。
【0136】
図23(a)〜(x)は、読出動作時における転送信号TX<3:0>を示すタイムチャートである。図23(a)〜(x)において、読出動作は、共用ラッチ回路(行選択デコード回路71のラッチ回路)のリセットを解除するステップS51と、共用ラッチ回路および個別ラッチ回路L<n>をセットするステップS52と、信号TXを成形するステップS53と、個別ラッチ回路L<n>をリセットするステップS54と、共用ラッチ回路をリセットするステップSS55とを含む。
【0137】
ステップS51では、リセット信号TXALL_RESET1を「L」レベルにして全行選択デコード回路71のトランジスタQ8を非導通にする。これにより、共用ラッチ回路のリセットが解除される。
【0138】
ステップS52では、アドレスによるラッチのセット信号TXADD_SETをイネーブルにして、下位2ビットを除くアドレス信号AdN〜Ad2によって選択している行の共用ラッチ回路および個別ラッチ回路L<n>をセットする。個別ラッチ回路L<n>をセットすると、成形回路37の論理積回路AND5<n>の一方入力ノードが「H」レベルとなる。
【0139】
ステップS53では、成形信号TX_DRVをアサート/ネゲートすることでアドレスで選択された転送信号の1信号(n行目の読出しではTX<n>)が駆動される。
【0140】
ステップS54では、リセット信号TXADD_RESETをイネーブルにして、選択している行の個別ラッチ回路L<n>をリセットする。個別ラッチ回路L<n>をリセットすると、成形回路37の論理積回路AND5<n>の一方入力ノードが「L」レベルとなる。
【0141】
ステップS55では、リセット信号TXALL_RESET1を「H」レベルにして全行選択デコード回路71のトランジスタQ8を導通させる。これにより、共用ラッチ回路がリセットされる。そして、次の行の動作に備える。以上の5つのステップS51〜S55を、行選択アドレス信号AdN〜Ad0をインクリメント(+1)して、行ごとに繰り返す。
【0142】
(ハイブリッド電子シャッタ方式)
図24(a)〜(x)は、ハイブリッド電子シャッタの画素リセット終了時(転送信号TXの非活性化(ネゲート)時)の転送信号TXを示すタイムチャートである。本実施の形態3では、各行に個別ラッチ回路L<n>を設けたので、全行の個別ラッチ回路L<n>をセットした状態から、全個別ラッチ回路L<n>を1つずつ順次リセットすることができる。
【0143】
図24(a)〜(x)において、ハイブリッド電子シャッタの画素リセット終了時では、成形信号TX_DRVは「H」レベルに固定される。また、セット信号TX_SET_AdA<3:0>は「L」レベルに固定され、全個別ラッチ回路L<n>のセットが解除される。
【0144】
図24(a)〜(k)では、時刻t0において転送信号TX<1>,TX<0>が「H」レベルである状態が示されている。時刻t0〜t1において第1行を示す行選択アドレス信号AdN〜Ad0が与えられ、時刻t1〜t2において第0行を示す行選択アドレス信号AdN〜Ad0が与えられる。
【0145】
たとえば時刻t0〜t1のステップS61では、リセット信号TXALL_RESET1を「L」レベルにして全行選択デコード回路71のトランジスタQ8を非導通にする。これにより、共用ラッチ回路のリセットが解除される。
【0146】
ステップS62では、アドレスによるラッチのリセット信号TXADD_RSETをイネーブルにして、下位2ビットを除くアドレス信号AdN〜Ad2によって選択している行の個別ラッチ回路L<1>をリセットする。個別ラッチ回路L<1>をリセットすると、成形回路37の論理積回路AND5<1>の一方入力ノードが「L」レベルとなり、転送信号TX<1>が「H」レベルから「L」レベルに立ち下げられる。
【0147】
ステップS63では、リセット信号TXALL_RESET1を「H」レベルにして全行選択デコード回路71のトランジスタQ8を導通させる。これにより、共用ラッチ回路がリセットされる。そして、次の行の動作に備える。以上の3つのステップS61〜S63を、行選択アドレス信号AdN〜Ad0をデクリメント(−1)して、行ごとに繰り返す。
【0148】
図25(a)〜(d)は、本実施の形態3のイメージセンサにおけるハイブリッド電子シャッタ方式を示すタイムチャートであって、図19(a)〜(d)と対比される図である。図25(a)〜(d)において、時刻t0〜t1において行選択アドレス信号AdN〜Ad0を順次インクリメントして全RST用デコード部の個別ラッチ回路を順次セットする。これにより、全行のリセット信号RSTが「H」レベルに活性化(アサート)される。転送信号TXの活性化および非活性化(ネゲート)は、3つのステップS71〜S73に分けて行なわれる。
【0149】
ステップS71では、行選択アドレス信号AdN〜Ad0を順次インクリメント(+1)して全個別ラッチ回路L<n>を順次セットする(時刻t2〜t3)。これにより、全行の転送信号TXが「H」レベルに活性化される。ステップS72では、全個別ラッチ回路L<n>をセット状態に維持する。
【0150】
ステップS73では、行選択アドレス信号AdN〜Ad0を所定の周期で順次デクリメント(−1)するとともに、所定の周期でアドレスによるラッチのリセット信号TXADD_RESETが所定時間だけ「H」レベルにする(時刻t4〜t5)。これにより、転送信号TXが1行分ずつ「L」レベルにされ、メカシャッタと同様のタイミングで電子シャッタが駆動される。
【0151】
時刻t6〜t7において行選択アドレス信号AdN〜Ad0を順次デクリメントして全RST用デコード部の個別ラッチ回路を順次リセットする。これにより、全行のリセット信号RSTが「L」レベルに非活性化される。時刻t8〜t9において、メカシャッタが閉じられてハイブリッド電子シャッタによる静止画の撮影(露光)が終了する。
【0152】
本実施の形態3では、1行単位で動作が可能となる。その結果、メカシャッタの閉動作に対して各行のシャッタ動作のタイミングを正確に合わせることができ、画質の向上を図ることができる。
【0153】
(可変アドレス縮退機能)
また、本実施の形態3では、制御回路60のプリデコーダ61に可変アドレス縮退機能を持たせたことを特徴としている。図20に示したように、可変アドレス縮退機能付きプリデコーダ61には、下位2ビットを除くアドレスAdN〜Ad2と縮退数制御信号UNI_REG<k:0>が入力され、縮退されたプリデコード信号AdB<3:0>,AdC<3:0>,…が出力される。
【0154】
図26(a)(b)は、プリデコーダ61の動作を説明するための表である。図26(a)に示すように、アドレス信号Ad3,Ad2がそれぞれ0,0である場合、プリデコード信号AdB<3:0>のうちのプリデコード信号AdB<0>のみが1になる。アドレス信号Ad3,Ad2がそれぞれ0,1である場合、プリデコード信号AdB<3:0>のうちのプリデコード信号AdB<1>のみが1になる。アドレス信号Ad3,Ad2がそれぞれ1,0である場合、プリデコード信号AdB<3:0>のうちのプリデコード信号AdB<2>のみが1になる。アドレス信号Ad3,Ad2がそれぞれ1,1である場合、プリデコード信号AdB<3:0>のうちのプリデコード信号AdB<3>のみが1になる。
【0155】
また図26(b)に示すように、縮退数制御信号UNI_REG<4:0>がそれぞれ0,0,0,0である場合は、上位縮退数は1であり、縮退アドレスはない。この場合は、全行が1行ずつ順次選択される。
【0156】
縮退数制御信号UNI_REG<4:0>がそれぞれ0,0,0,1である場合は、上位縮退数は2であり、縮退アドレスは最上位のアドレス信号Ad11である。この場合、プリデコード信号XF<3>,XF<1>はアドレス信号Ad10に一致し、プリデコード信号XF<2>,XF<0>はアドレス信号Ad10の反転信号に一致する。この場合は、全行が2つのブロックに分割され、各ブロックにおいて1行ずつ順次選択される。したがって、2つの行が同時に選択される。
【0157】
縮退数制御信号UNI_REG<4:0>がそれぞれ0,0,1,0である場合は、上位縮退数は4であり、縮退アドレスは最上位のアドレス信号Ad11,Ad10である。この場合、プリデコード信号XF<3:0>はそれぞれ1,1,1,1に固定される。この場合は、全行が4つのブロックに分割され、各ブロックにおいて1行ずつ順次選択される。したがって、4つの行が同時に選択される。同様にして、縮退数制御信号UNI_REG<4:0>を変えることにより、同時に選択する行の数を増やすことができる。
【0158】
図27(a)〜(g)は、可変アドレス縮退機能を用いたハイブリッド電子シャッタ方式を示すタイムチャートであって、図25(a)〜(d)と対比される図である。図27(a)〜(g)において、時刻t0〜t3,t6〜t7では、縮退数制御信号UNI_REG<4:0>をそれぞれ0,0,0,1として上位縮退数を2とし、全行を2つのブロックに分割する。また、時刻t4〜t5では、縮退数制御信号UNI_REG<4:0>をそれぞれ0,0,0,0として上位縮退数を1とし、ブロック分割を行なわない。
【0159】
時刻t0〜t1において行選択アドレス信号AdN〜Ad0を順次インクリメントし、2つのブロックの各々においてRST用デコード部の個別ラッチ回路を1つずつ順次セットする。これにより、図25(a)〜(d)の場合の2分の1の時間で全行のリセット信号RSTが「H」レベルに活性化(アサート)される。転送信号TXの活性化および非活性化(ネゲート)は、3つのステップS81〜S83に分けて行なわれる。
【0160】
ステップS81では、行選択アドレス信号AdN〜Ad0を順次インクリメント(+1)して、2つのブロックの各々において全個別ラッチ回路L<n>を順次セットする(時刻t2〜t3)。これにより、図25(a)〜(d)の場合の2分の1の時間で全行の転送信号TXが「H」レベルに活性化される。ステップS82では、全個別ラッチ回路L<n>をセット状態に維持する。
【0161】
ステップS83では、行選択アドレス信号AdN〜Ad0を所定の周期で順次デクリメント(−1)するとともに、所定の周期でアドレスによるラッチのリセット信号TXADD_RESETが所定時間だけ「H」レベルにする(時刻t4〜t5)。これにより、転送信号TXが1行分ずつ「L」レベルにされ、メカシャッタと同様のタイミングで電子シャッタが駆動される。
【0162】
時刻t6〜t7において行選択アドレス信号AdN〜Ad0を順次デクリメントし、2つのブロックの各々において全RST用デコード部の個別ラッチ回路を順次リセットする。これにより、図25(a)〜(d)の場合の2分の1の時間で全行のリセット信号RSTが「L」レベルに非活性化される。時刻t8〜t9において、メカシャッタが閉じられてハイブリッド電子シャッタによる静止画の撮影(露光)が終了する。
【0163】
本実施の形態3では、アドレス縮退を行なわない場合と比較して、信号TXをアサートさせるのに必要な動作時間を2分の1に短縮することができる。
【0164】
また、本実施の形態3では、アドレス縮退数を調整することにより、電源電圧のIRドロップ量の増大による不具合が発生しない範囲内で、信号TXをアサートさせるのに必要な動作時間を最短時間に設定することができる。
【0165】
(ローリング電子シャッタ方式)
図28(a)〜(h)は、実施の形態1,3におけるローリング電子シャッタを模式的に示すタイムチャートである。実施の形態1では、図28(b)(c)に示すように、同じ行グループの複数行の画素回路10をリセットする場合、各行ごとにアクセスする必要がある。また、1水平期間ごとに1信号ずつ「アドレスによるラッチのセット」(図28(b)(c)における上向きの矢印)と「全ラッチのリセット信号による全ラッチのリセット」(図28(b)(c)における上向きの矢印)を繰り返す必要があるため、動作時間と動作電流が大きくなる。
【0166】
これに対して本実施の形態3では、図28(d)(e)に示すように、ラッチ回路のセットを保持できるため、「アドレスによるラッチのセット」(図28(d)(e)における上向きの矢印)と「アドレスによるラッチのリセット」(図28(d)(e)における下向きの矢印)は1回ずつで済むので、無駄な動作時間と動作電流が発生しない。
【0167】
(信号のオーバーラップ動作)
図29(a)〜(x)は、転送信号TXのオーバーラップ動作を示すタイムチャートである。図29(a)〜(x)において、オーバーラップ動作時には、成形信号TX_DRVは「H」レベルに固定される。図29(a)〜(k)では、時刻t1において転送信号TX<0>が「H」レベルである状態が示されている。
【0168】
たとえば時刻t1〜t2のステップS91では、リセット信号TXALL_RESET1を「L」レベルにして全行選択デコード回路71のトランジスタQ8を非導通にする。これにより、共用ラッチ回路のリセットが解除される。
【0169】
ステップS92では、第1行を示す行選択アドレス信号AdN〜Ad0を与えるとともに、アドレスによるラッチのセット信号TXADD_SETをイネーブルにする。これにより、下位2ビットを除くアドレス信号AdN〜Ad2によって選択されている行グループの共用ラッチ回路がセットされてノードN3が「H」レベルにされる。また、下位2ビットのアドレス信号Ad1,Ad0によって選択されている行の個別ラッチ回路L<1>がセットされる。個別ラッチ回路L<1>がリセットされると、成形回路37の論理積回路AND5<1>の一方入力ノードが「H」レベルとなり、転送信号TX<1>が「L」レベルから「H」レベルに立ち上げられる。
【0170】
ステップS93では、第0行を示す行選択アドレス信号AdN〜Ad0を与えるとともに、アドレスによるラッチのリセット信号TXADD_RESETをイネーブルにする。これにより、下位2ビットのアドレス信号Ad1,Ad0によって選択されている行の個別ラッチ回路L<0>がリセットされる。個別ラッチ回路L<0>がセットされると、成形回路37の論理積回路AND5<0>の一方入力ノードが「L」レベルとなり、転送信号TX<0>が「H」レベルから「L」レベルに立ち下げられる。したがって、図29(x)のオーバーラップ期間T1では、転送信号TX<0>,TX<1>がともに「H」レベルになる。
【0171】
ステップS94では、リセット信号TXALL_RESET1を「H」レベルにして全行選択デコード回路71のトランジスタQ8を導通させる。これにより、共用ラッチ回路がリセットされる。そして、次の行の動作に備える。以上の4つのステップS91〜S94を、行選択アドレス信号AdN〜Ad0をインクリメント(−1)して、行ごとに繰り返す。
【0172】
具体例としては、選択信号SELのオーバーラップ動作が挙げられる。図3で示したように、選択信号SELを活性化レベルの「H」レベルにすると、ノードN12の電圧に応じたレベルの電流が垂直信号線LVに流れる。全行の選択信号SELが非活性化レベルの「L」レベルにされると、垂直信号線LVに電流が流れず、垂直信号線LVの電圧が接地電圧GNDまで低下してしまい、次の動作に悪影響が発生する。しかし、本実施の形態3では、選択信号SELのオーバーラップが可能となり、全行の選択信号SELのうちのいずれか1つの選択信号SELを必ず活性化レベルにすることができる。したがって、垂直信号線LVの電圧が接地電圧GNDまで低下してしまうことを防止することができる。
【0173】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0174】
1 画素アレイ、2 垂直走査部、3 水平走査部、4 タイミングジェネレータ、5 出力回路、10,40〜43 画素回路、11 フォトダイオード、12 転送トランジスタ、13 リセットトランジスタ、14 増幅トランジスタ、15 選択トランジスタ、20,50,60 制御回路、21,26,61,62 プリデコーダ、22,51 成形信号生成回路、23〜25,27,63〜66 電圧レベルシフト回路、30 信号発生回路、31,52,70 TXデコード部、32 RST用デコード部、33 SEL用デコード部、35,53,71 行選択デコード回路、36 レベルシフタ、37 成形回路、38 出力バッファ、A,B,C 領域、AND 論理積回路、BUF バッファ、FF 記憶素子、INV インバータ、L 個別ラッチ回路、LR,LT,LS 水平信号線、LV 垂直信号線、OR 論理和回路、P PチャネルMOSトランジスタ、Q NチャネルMOSトランジスタ。
【技術分野】
【0001】
この発明はイメージセンサに関し、特に、複数行複数列に配置された複数の画素回路を備えたイメージセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来は一般にカメラといえばフィルム型のものが主流であったが、現在はデジタル型のカメラがそれに取って代わっている。また、デジタルカメラにおける画質の向上は著しく、最新型のデジタルカメラでは、フィルムカメラをしのぐ性能になっている。デジタルカメラには、CCD方式やCMOS方式のイメージセンサが搭載されている。
【0003】
一般に、イメージセンサは、画素アレイ部、垂直走査回路、電圧レベルシフト回路、カラム回路、水平走査回路、出力回路、タイミングジェネレータを備える(たとえば、特許文献1参照)。画素アレイ部は、マトリックス状に配置された複数の画素を含む。各画素は、入射光を電気信号に変換する。タイミングジェネレータからの制御信号に従って走査回路が各画素を選択し、各画素で生成された電気信号はカラム回路を介して読み出され、出力回路によって外部へ出力される。
【0004】
垂直走査回路は、アドレスデコーダなどによって構成され、タイミングジェネレータから与えられるアドレス信号に基づいて、画素アレイ部の画素を行単位で選択走査し、その選択行に対して論理回路レベルの複数の制御信号(転送信号、リセット信号、および選択信号)を出力する。電圧レベルシフト回路は、垂直走査回路から出力される論理回路レベルの各制御信号を画素駆動レベルの電圧にシフトした後、制御信号線を介して選択行の複数の画素に供給する。
【0005】
このCMOS方式のイメージセンサでは、動画撮影時にローリング電子シャッタ方式が採用されている。ローリング電子シャッタ方式では、互いに異なる読出行とシャッタ行(画素リセット行)を同じ1水平期間で選択する必要がある(図8参照)。また、画素に貯まった電荷(電子)を十分に吐き出すために画素リセットを複数回行なうことがあり、複数のアドレスを選択しなけれなならないことがある。このため、垂直走査回路は、読出アドレスデコーダと複数のリセットアドレスデコーダを含む。
【0006】
各アドレスデコーダは、行選択デコーダおよび成形回路を含む。行選択デコーダは、タイミングジェネレータから与えられるアドレスに対応する行を選択する。成形回路は、選択された行を示す行選択信号と、アクティブにするタイミングを設定する成形信号とに基づいて制御信号を発生する。
【0007】
また特許文献2では、撮像センサにおいて、画素配列における複数の行の制御を並行して行なうための駆動部の回路規模を抑制している。具体的には、記憶部に記憶されたデコード信号における複数のアクティブレベルのビットに応じて複数の行制御信号を生成し、複数の行制御信号を画素配列における複数の行へ並行して出力する。これにより、1系統の駆動部(垂直走査回路)を用いて、複数の行の制御を並行して行なうことができ、駆動部の回路規模を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−13245号公報
【特許文献2】特開2010−183458号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来のイメージセンサでは回路面積削減について検討されているものの、イメージセンサでは低面積化の要求は高く、さらなる回路面積の削減が必要である。
【0010】
それゆえに、この発明の主たる目的は、回路面積が小さなイメージセンサを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明に係るイメージセンサは、複数行複数列に配置され、各々が、複数の制御信号によって制御され、入射光を電気信号に変換する複数の画素回路と、各行に対応して設けられ、それぞれ複数の制御信号を伝達するための複数の水平信号線と、それぞれ複数列に対応して設けられた複数の垂直信号線とを含む画素アレイと、複数行のうちのいずれかの行を選択する選択回路と、各制御信号に対応して設けられ、選択回路によって選択された行の対応の水平信号線を介して、その行の複数の画素回路の各々に対応の制御信号を与える制御信号発生回路と、選択回路によって選択された行の複数の画素回路から複数の垂直信号線に出力された複数の電気信号を読み出す読出回路とを備えたものである。制御信号発生回路は、各行に対応して設けられ、選択回路によって対応の行が選択されている場合は第1の信号を選択レベルにし、選択回路によって対応の行が選択されていない場合は第1の信号を非選択レベルにする論理回路と、各行に対応して設けられ、対応の第1の信号が選択レベルにされた場合にセットされて第2の信号を活性化レベルにし、リセット信号によってリセットされて第2の信号を非活性化レベルにするラッチ回路と、選択回路に同期して成形信号を発生する成形信号発生回路と、各行に対応して設けられ、対応の第2の信号が活性化レベルにされている場合に成形信号を対応の制御信号として対応の行の水平信号線に与えるゲート回路とを含む。第1の信号の選択レベルは第1の電源電圧であり、第2の信号の活性化レベルは第1の電源電圧よりも高い第2の電源電圧である。ラッチ回路は、第1の信号の電圧レベルを第1の電源電圧から第2の電源電圧に変換して第2の信号として出力する電圧レベルシフト回路を兼ねている。
【発明の効果】
【0012】
この発明に係るイメージセンサでは、各行に対応してラッチ回路を設けたので、複数のラッチ回路をセットすることにより、複数行を選択することができる。その結果、ローリング電子シャッタを実現する場合でも、複数の行選択デコーダが不要となる。しかも、ラッチ回路が電圧レベルシフト回路を兼ねるので、素子数を減らすことができ、回路面積の縮小化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明の実施の形態1によるイメージセンサの構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した画素アレイの構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示した画素回路の構成を示す回路図である。
【図4】図1に示した垂直走査部の構成を示すブロック図である。
【図5】図4に示した制御回路の構成を示す回路ブロック図である。
【図6】図4に示したTX用デコード部の構成を示す回路図である。
【図7】図5および図6に示した制御回路およびTX用デコード部の読出動作を示すタイムチャートである。
【図8】ローリング電子シャッタ方式を説明するためのタイムチャートである。
【図9】図1〜図7で示したイメージセンサにおけるローリング電子シャッタ動作を示すタイムチャートである。
【図10】ハイブリッド電子シャッタ方式を説明するためのタイムチャートである。
【図11】図1〜図7で示したイメージセンサにおけるハイブリッド電子シャッタ動作を示すタイムチャートである。
【図12】実施の形態1の変更例を示す図である。
【図13】図12に示した画素アレイにおけるアドレスと信号の対応関係を示す表である。
【図14】図12および図13で示したイメージセンサの読出動作を示すタイムチャートである。
【図15】この発明の実施の形態2によるイメージセンサの制御回路の構成を示す回路ブロック図である。
【図16】図15で説明したイメージセンサのTX用デコード部の構成を示す回路図である。
【図17】図15および図16に示した制御回路およびTX用デコード部の読出動作を示すタイムチャートである。
【図18】ハイブリッド電子シャッタの画素リセット終了時の転送信号を示すタイムチャートである。
【図19】図15〜図18で示したイメージセンサにおけるハイブリッド電子シャッタ動作を示すタイムチャートである。
【図20】この発明の実施の形態3によるイメージセンサの制御回路の構成を示す回路ブロック図である。
【図21】図20で説明したイメージセンサのTX用デコード部の構成を示す回路図である。
【図22】図21に示した個別ラッチ回路の構成を示す回路図である。
【図23】図20〜図22に示した制御回路およびTX用デコード部の読出動作を示すタイムチャートである。
【図24】ハイブリッド電子シャッタの画素リセット終了時の転送信号を示すタイムチャートである。
【図25】図20〜図24で示したイメージセンサにおけるハイブリッド電子シャッタ動作を示すタイムチャートである。
【図26】図20〜図24で示したイメージセンサにおける可変アドレス縮退機能を示す表である。
【図27】図26で示した可変アドレス縮退機能を用いたハイブリッド電子シャッタ動作を示すタイムチャートである。
【図28】図20〜図24で示したイメージセンサの効果を説明するためのタイムチャートである。
【図29】図20〜図24で示したイメージセンサの信号オーバーラップ機能を説明するためのタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[実施の形態1]
この発明の本実施の形態1によるイメージセンサは、図1に示すように、画素アレイ1、垂直走査部2、水平走査部3、タイミングジェネレータ4、および出力回路5を備える。画素アレイ1は、図2に示すように、複数行複数列に配置された複数の画素回路10と、各行に対応して設けられた3本の水平信号線LR,LT,LSと、それぞれ複数列に対応して設けられた複数の垂直信号線LVとを含む。
【0015】
3本の水平信号線LR,LT,LSは、それぞれ垂直走査部2からのリセット信号RST、転送信号TX、および選択信号SELを伝達するために設けられている。垂直信号線LVは、対応の列の画素回路10から出力された電気信号を水平走査部3に伝達するために設けられている。
【0016】
各画素回路10は、図3に示すように、フォトダイオード11、転送トランジスタ12、リセットトランジスタ13、増幅トランジスタ14、および選択トランジスタ15を含む。フォトダイオード11は、入射光の強度に応じた量の負電荷を蓄える。フォトダイオード11のアノードは接地電圧GNDを受け、そのカソードは転送トランジスタ12を介して増幅トランジスタ14のゲート(ノードN12)に接続される。転送トランジスタ12のゲートは、対応の水平信号線LTに接続され、転送信号TXを受ける。
【0017】
増幅トランジスタ14および選択トランジスタ15は、電源電圧VCCのラインと対応の垂直信号線LVとの間に直列接続される。選択トランジスタ15のゲートは、対応の水平信号線LSに接続され、選択信号SELを受ける。リセットトランジスタ13は、電源電圧VCCのラインと増幅トランジスタ14のゲートとの間に接続される。リセットトランジスタ13のゲートは、対応の水平信号線LRに接続され、リセット信号RSTを受ける。
【0018】
シャッタ(リセット)動作時は、転送信号TXおよびリセット信号RSTを「H」レベルにしてトランジスタ12,13をオンさせ、フォトダイオード11に蓄えられた負電荷をリセットする。転送信号TXおよびリセット信号RSTを「L」レベルにしてトランジスタ12,13をオフさせると、入射光の強度に応じた量の電荷がフォトダイオード11に蓄えられる。
【0019】
読出動作時は、選択信号SELを「H」レベルにして選択トランジスタ15をオンさせる。次に、リセット信号RSTを所定時間だけ「H」レベルにしてリセットトランジスタ13をオンさせ、ノードN12を、電源電圧VCCよりもリセットトランジスタ13のしきい値電圧だけ低い電圧にリセットする。このときトランジスタ14,15に流れる電流に基づいて、暗信号(基準信号)が生成される。次いで、転送信号TXを所定時間だけ「H」レベルにして転送トランジスタ12をオンさせ、フォトダイオード11のカソードをノードN12に接続する。このときトランジスタ14,15に流れる電流に基づいて、光信号が生成される。光信号は、暗信号によって補正される。
【0020】
図1に戻って、タイミングジェネレータ4は、垂直走査部2に行選択アドレス信号および制御信号を与えるとともに、水平走査部3に列選択アドレス信号および制御信号を与える。垂直走査部2は、垂直走査回路および電圧レベルシフト回路の機能を有し、行選択アドレス信号および制御信号に従って、画素アレイ1の複数行を順次選択し、選択した行の水平信号線LR,LT,LSを介して、その行の各画素回路10にリセット信号RST、転送信号TX、および選択信号SELを与える。
【0021】
水平走査部3は、カラム回路および水平走査回路の機能を有し、垂直走査部2によって選択された行の複数の画素回路10から複数の垂直信号線LVに出力された電流を複数の光信号(または複数の暗信号)に変換する。出力回路5は、水平走査部3で生成された複数の光信号および複数の暗信号を外部に出力する。
【0022】
図4は、垂直走査部2の構成を示すブロック図である。図4において、垂直走査部2にはタイミングジェネレータ4から、行選択アドレス信号AdN〜Ad0、アドレスによるラッチのセット信号TXADD_SET,RSTADD_SET,SELADD_SET、全ラッチのリセット信号TXADD_RESET_n,RSTADD_RESET_n,SELADD_RESET_nおよび成形信号TX_DRV,RST_DRV,SEL_DRVが供給される。画素アレイ1の複数行は、4行ずつ予め複数の行グループに分割されている。
【0023】
垂直走査部2は、制御回路20および信号発生回路30を備える。制御回路20は、プリデコーダ21、成形信号生成回路22、および電圧レベルシフト回路23〜25を含む。信号発生回路30は、各行グループに対応して設けられたTX用デコード部31、RSTデコード部32、およびSEL用デコード部33を含む。
【0024】
ここで、画素アレイ1とタイミングジェネレータ4を含む周辺回路では電源電圧を異なる値としている。画素アレイ1では性能に関係した飽和電子量を確保するため高い電源電圧が必要であり、周辺回路では電源電圧を低くすることで微細プロセスを使うことができる。これによって、消費電力と面積の削減が可能となる。そのため、垂直走査部2では電圧レベルシフタ回路が必要となる。
【0025】
プリデコーダ21は、行選択アドレス信号AdN〜Ad2をプリデコードして、プリデコード信号AdB<3:0>〜AdF<3:0>,…を生成する。たとえば、4つのプリデコード信号AdF<3:0>のうちの1つの信号(たとえばAdF<3>)のみが「H」レベルになり、残りの3つの信号AdF<2:0>はともに「L」レベルになる。
【0026】
各行グループには、信号AdB<3:0>のうちの1つの信号AdB、信号AdC<3:0>のうちの1つの信号AdC、信号AdD<3:0>のうちの1つの信号AdDなど(以下同様である)が予め割り当てられている。つまり、各行グループには、固有の行選択アドレス信号AdN〜Ad2が予め割り当てられている。ある行選択アドレス信号AdN〜Ad2が入力されると、その行選択アドレス信号AdN〜Ad2が割り当てられた行グループのプリデコード信号AdB〜AdF,…が全て「H」レベルになり、その行グループが選択される。
【0027】
成形信号生成回路22は、成形信号TX_DRV,RST_DRV,SEL_DRVとアドレス信号のうちの下位2ビットの信号Ad1,Ad0をプリデコードした4信号との論理積信号をアドレス成形信号TX_DRV_AdA<3:0>,RST_DRV_AdA<3:0>,SEL_DRV_AdA<3:0>としてそれぞれデコード部31〜33に供給する。信号Ad1,Ad0をプリデコードした4信号のうちの1信号のみが「H」レベルとなるので、アドレス成形信号TX_DRV_AdA<3:0>のうちの1信号のみが駆動され、アドレス成形信号RST_DRV_AdA<3:0>のうちの1信号のみが駆動され、アドレス成形信号SEL_DRV_AdA<3:0>のうちの1信号のみが駆動される。
【0028】
電圧レベルシフト回路23は、全ラッチのリセット信号TXADD_RESET_nの電圧をレベルシフトしてTX用デコード部31に与える。電圧レベルシフト回路24は、全ラッチのリセット信号RSTADD_RESET_nの電圧をレベルシフトしてRST用デコード部32に与える。電圧レベルシフト回路25は、全ラッチのリセット信号SELADD_RESET_nの電圧をレベルシフトしてSEL用デコード部33に与える。
【0029】
TX用デコード部31は、プリデコード信号AdB<3:0>〜AdF<3:0>,…によって対応の行グループが選択され、かつセット信号TXADD_SETが活性化レベルの「H」レベルにされたことに応じてセットされ、アドレス成形信号TX_DRV_AdA<3:0>をレベルシフトして4行分の転送信号TX<3:0>を生成する。TX用デコード部31は、リセット信号TXADD_RESET_nが活性化レベルの「L」レベルにされたことに応じてリセットされる。
【0030】
RST用デコード部32は、プリデコード信号AdB<3:0>〜AdF<3:0>,…によって対応の行グループが選択され、かつセット信号RSTADD_SETが活性化レベルの「H」レベルにされたことに応じてセットされ、アドレス成形信号RST_DRV_AdA<3:0>をレベルシフトして4行分のリセット信号RST<3:0>を生成する。RST用デコード部32は、リセット信号RSTADD_RESET_nが活性化レベルの「L」レベルにされたことに応じてリセットされる。
【0031】
SEL用デコード部33は、プリデコード信号AdB<3:0>〜AdF<3:0>,…によって対応の行グループが選択され、かつセット信号SELADD_SETが活性化レベルの「H」レベルにされたことに応じてセットされ、アドレス成形信号SEL_DRV_AdA<3:0>をレベルシフトして4行分の選択信号SEL<3:0>を生成する。SEL用デコード部33は、リセット信号SELADD_RESET_nが活性化レベルの「L」レベルにされたことに応じてリセットされる。
【0032】
図5は、制御回路20のうちの転送信号TXの生成に関連する部分を示す回路ブロック図である。図5において、制御回路20は、プリデコーダ21、成形信号生成回路22、および電圧レベルシフト回路23を備える。成形信号生成回路22は、記憶素子FF0<1:0>、プリデコーダ26、論理積回路AND1<3:0>、および電圧レベルシフト回路27を含む。
【0033】
また、制御回路20には、タイミングジェネレータ4より、行選択アドレス信号AdN〜Ad0(ただし、Nは正の整数である)、アドレスによるラッチのセット信号TXADD_SET、全ラッチのリセット信号TXADD_RESET_n、および成形信号TX_DRVが供給される。
【0034】
このイメージセンサでは、アドレス信号のビット数が多いため、ブロック分割方式とアドレス信号のプリデコード方式が使用される。プリデコーダ21は、行選択アドレス信号AdN〜Ad0のうちの下位2ビットの信号Ad1,Ad0を除く上位のアドレス信号AdN〜Ad2を2ビットずつプリデコードして、プリデコード信号AdB<3:0>,AdC<3:0>,AdD<3:0>,…を生成する。
【0035】
成形信号生成回路22の記憶素子FF0<1:0>は、アドレス信号の下位2ビットの信号Ad1,Ad0をアドレスによるラッチのセット信号TXADD_SETの立ち上り時に記憶する。アドレス信号の下位2ビットの信号Ad1,Ad0が供給される時間(アドレスによるラッチのセット信号TXADD_SETのイネーブル時)と必要な時間(成形信号TX_DRVのイネーブル時)が異なるため、記憶素子FF0<1:0>が必要となる。
【0036】
プリデコーダ26は、記憶素子FF0<1:0>に取り込まれたアドレス信号の下位2ビットの信号Ad1,Ad0をプリデコードして4つのプリデコード信号AdA<3:0>を生成する。論理積回路AND1<3:0>は、それぞれプリデコード信号AdA<3:0>と成形信号TX_DRVとの論理積信号を生成する。電圧レベルシフト回路27は、論理積回路AND1<3:0>の出力信号を電圧変換して、4つのアドレス成形信号TX_DRV_AdA<3:0>を生成する。プリデコード信号AdA<3:0>のうちの1信号のみが「H」レベルになるので、4つアドレス成形信号TX_DRV_AdA<3:0>のうちの1信号のみが駆動される。
【0037】
また、タイミングジェネレータ4から供給される行選択アドレス信号AdN〜Ad0、アドレスによるラッチのセット信号TXADD_SET、全ラッチのリセット信号TXADD_RESET_n、および成形信号TX_DRVの各々の「H」レベルは電源電圧VDDがあり、各々の「L」レベルは接地電圧GNDである。電圧レベルシフト回路23は、全ラッチのリセット信号TXADD_RESET_nの「H」レベルを電源電圧VDDから、電源電圧VDDよりも高い電源電圧VTXHに変換して、全ラッチのリセット信号TXADD_RESET_G_nを生成する。
【0038】
電圧レベルシフト回路27は、論理積回路AND1<3:0>の出力信号の「H」レベルを電源電圧VDDから電源電圧VTXHに変換するとともに、論理積回路AND1<3:0>の出力信号の「L」レベルを接地電圧GNDから、接地電圧GNDよりも低い負電圧VTXLに変換して、4つのアドレス成形信号TX_DRV_AdA<3:0>を生成する。
【0039】
図6は、TX用デコード部31の構成を示す回路図である。図5において、TX用デコード部31は、行選択デコード回路35、レベルシフタ36、成形回路37、および出力バッファ38を含む。行選択デコード回路35は、論理積回路AND2〜AND4、NチャネルMOSトランジスタQ0,Q1、PチャネルMOSトランジスタP0、およびインバータINV0,INV1を含む。
【0040】
各行グループには、信号AdF<3:0>のうちの1つの信号AdFと、信号AdE<3:0>のうちの1つの信号AdEと、信号AdD<3:0>のうちの1つの信号AdDと、信号AdC<3:0>のうちの1つの信号AdCと、信号AdB<3:0>のうちの1つの信号AdBとが予め割り当てられている。
【0041】
各行グループには、信号AdB<3:0>のうちの1つの信号AdB、信号AdC<3:0>のうちの1つの信号AdC、信号AdD<3:0>のうちの1つの信号AdDなど(以下同様である)が予め割り当てられている。つまり、各行グループには、固有の行選択アドレス信号AdN〜Ad2が予め割り当てられている。ある行選択アドレス信号AdN〜Ad2が入力されると、その行選択アドレス信号AdN〜Ad2が割り当てられた行グループのプリデコード信号AdB〜AdF,…が全て「H」レベルになり、その行グループが選択される。
【0042】
論理積回路AND2は、予め割り当てられた信号AdD,AdE,AdF,…の全てが「H」レベルにされた場合に、ブロック選択信号BSを選択レベルの「H」レベルにする。論理積回路AND3は、ブロック選択信号BSと、予め割り当てられた信号AdBと、アドレスによるラッチのセット信号TXADD_SETとの論理積信号を出力する。論理積回路AND4は、ブロック選択信号BSと、予め割り当てられた信号AdCとの論理積信号を出力する。
【0043】
NチャネルMOSトランジスタQ0,Q1は、ノードN1と接地電圧GNDのラインとの間に直列接続され、それらのゲートはそれぞれ論理積回路AND3,AND4の出力信号を受ける。PチャネルMOSトランジスタP0は、電源電圧VTXHのラインとノードN1との間に接続され、そのゲートは電圧レベルシフト回路23の出力信号TXADD_RESET_G_nを受ける。
【0044】
インバータINV0は、ノードN1とN2の間に接続され、ノードN1に現れる信号の反転信号をノードN2に出力する。インバータINV1は、ノードN2とN1の間に接続され、ノードN2に現れる信号の反転信号をノードN1に出力する。インバータINV0,INV1の各々は、電源電圧VTXHおよび接地電圧GNDによって駆動される。トランジスタQ0,Q1,P0およびインバータINV0,INV1は、セットおよびリセットが可能なラッチ回路を構成する。
【0045】
論理積回路AND3,AND4の出力信号がともに「H」レベルにされると、NチャネルMOSトランジスタQ0,Q1が導通してノードN1が「L」レベル(接地電圧GND)にされる。これにより、ラッチ回路がセットされ、ノードN2が「H」レベル(電源電圧VTXH)にされる。
【0046】
NチャネルMOSトランジスタQ0,Q1が非導通にされている場合にリセット信号TXADD_RESET_G_nが「L」レベルにされると、PチャネルMOSトランジスタP0が導通してノードN1が「H」レベルにされる。これにより、ラッチ回路がリセットされ、ノードN2が「L」レベル(接地電圧GND)にされる。したがって、ラッチ回路は、信号の「H」レベルを電源電圧VDDから電源電圧VTXHに変換する電圧レベルシフト回路を兼ねている。
【0047】
レベルシフタ36は、インバータINV2、PチャネルMOSトランジスタP1,P2、およびNチャネルMOSトランジスタQ2〜Q5を含む。トランジスタP1,Q2,Q3は、電源電圧VTXHのラインと負電圧VTXLのラインとの間に直列接続される。トランジスタP2,Q4,Q5は、電源電圧VTXHのラインと負電圧VTXLのラインとの間に直列接続される。ノードN2に現れる信号は、トランジスタP1,Q2のゲートに直接与えられるとともに、インバータINV2によって反転されてトランジスタP2,Q4のゲートに与えられる。インバータINV2は、電源電圧VTXHおよび接地電圧GNDによって駆動される。トランジスタP1,Q2間のノードは、トランジスタQ5のゲートに接続される。トランジスタP2,Q4の間のノードN3は、トランジスタQ3のゲートに接続される。ノードN3は、レベルシフタ36の出力ノードとなる。
【0048】
ノードN2が「L」レベルである場合は、トランジスタP1,Q4,Q5が導通するとともに、トランジスタP2,Q2,Q3が非導通となり、ノードN3は「L」レベル(負電圧VTXL)となる。ノードN2が「H」レベルである場合は、トランジスタP2,Q2,Q3が導通するとともに、トランジスタP1,Q4,Q5が非導通となり、ノードN3は「H」レベル(電源電圧VTXH)となる。
【0049】
レベルシフタ36を設けたのは、転送信号TXではフォトダイオード11の暗電流を減少させるために、転送トランジスタ12のゲートに負電圧を与えて転送トランジスタ12を非導通状態にしてゲート下よりの暗電流の発生を抑える必要があるからである。リセット信号RSTおよび選択信号SELの各々については負電圧にする必要がないので、RST用デコード部32およびSEL用デコード部33ではレベルシフタ36は不要である。
【0050】
成形回路37は、4つの論理積回路AND5<3:0>を含む。論理積回路AND5<3:0>の各々は、電源電圧VTXHおよび負電圧VTXLによって駆動される。論理積回路AND5<3:0>は、レベルシフタ36の出力信号(ノードN3に現れる信号)と成形信号生成回路22で生成された成形信号TX_DRV_AdA<3:0>との論理積信号を生成する。
【0051】
出力バッファ38は、4つのバッファBUF1<3:0>を含む。バッファBUF1<3:0>の各々は、電源電圧VTXHおよび負電圧VTXLによって駆動される。論理積回路AND2<3:0>の出力信号は、バッファBUF1<3:0>によって増強されて転送信号TX<3:0>となる。転送信号TX<3:0>は、対応の行グループの4本の水平信号線LTに与えられる。
【0052】
なお、図6の点線の四角形で囲まれている領域A,B,Cの各々は、電源電圧が同一の領域である。領域Aの回路は、電源電圧VDDおよび接地電圧GNDによって駆動される。領域Bの回路は、電源電圧VTXHおよび接地電圧GNDによって駆動される。領域Cの回路は、電源電圧VTXHおよび負電圧VTXLによって駆動される。
【0053】
図7は、読出動作時における転送信号TX<3:0>を示すタイムチャートである。図7において、読出動作は、インバータINV0,INV1を含むラッチ回路をセットするステップS1と、信号TXを成形するステップS2と、そのラッチ回路をリセットするステップS3とを含む。
【0054】
ステップS1では、アドレスによるラッチのセット信号TXADD_SETをイネーブルにして、下位2ビットを除くアドレス信号AdN〜Ad2によって選択している行グループのラッチ回路をセットする(ラッチ回路を選択状態にする)。同時に、成形信号生成回路22の記憶素子FF0<1:0>では、下位2ビットのアドレス信号Ad1,Ad0を記憶する。ラッチ回路をセットすると、成形回路37の4つの論理積回路AND5<3:0>の一方の入力ノードN3が「H」レベルとなる。
【0055】
ステップS2では、成形信号TX_DRVをアサート/ネゲートすることでアドレスで選択された転送信号の1信号(0行目の読出しではTX<0>)が駆動される。成形信号生成回路22の記憶素子FF0<1:0>で記憶した下位2ビットのアドレス信号Ad1,Ad0が選択している成形信号TX_DRV_AdA<3:0>の1信号が成形信号TX_DRVと同相で動作し、成形回路37および出力バッファ38を介して対応の水平信号線LTに出力される。
【0056】
ステップS3では、全ラッチのリセット信号TXADD_RESET_nをイネーブルにして、選択している行グループのラッチ回路をリセットする(ラッチ回路を非選択状態にする)。そして、次の行の動作に備える。以上の3つのステップS1〜S3を、行選択アドレス信号AdN〜Ad0をインクリメント(+1)して、行ごとに繰り返す。
【0057】
RST用デコード部32およびSEL用デコード部33の各々も、TX用デコード部31と同様の構成である。ただし、RST用デコード部32およびSEL用デコード部33では、レベルシフタ36は不要であり、ノードN2に現れる信号がそのまま成形回路37に与えられる。また、成形回路37および出力バッファ38の各々は、電源電圧VTXHおよび接地電圧GNDによって駆動される。
【0058】
(ローリング電子シャッタ方式)
図8は、このイメージセンサにおけるローリング電子シャッタ方式を示すタイムチャートである。図8において、ローリングシャッタ方式では、たとえば時刻t0から全画素行が1行ずつ順次リセットされる。全画素行がリセットされる前の時刻t1から全画素行の電気信号を1行分ずつ順次読み出す。時刻t0から時刻t1までの時間が露光時間となる。
【0059】
ローリング電子シャッタ方式では、読出し行とシャッタ行(画素リセット行)すなわち異なる2つの行を同じ1水平期間で選択する必要がある。図8では、時刻t4に当たる1水平期間において、読出し行1とシャッタ(画素リセット)行2を選択する必要がある。また、画素に貯まった電荷(電子)を十分吐き出すために画素リセットを複数回行なうことがある。この場合、複数のシャッタ行を選択する必要がある。
【0060】
図9は、図1〜図7で示したイメージセンサにおけるローリング電子シャッタ方式を示すタイムチャートである。図9において、1水平期間内において、読出し行とシャッタ行(画素リセット行)が同じ1水平期間で選択される。1水平期間におけるローリング電子シャッタ方式は、5つのステップS11〜S15に分けられる。
【0061】
ステップS11では、読出アドレスXRに対応する行のラッチ回路をセットする。すなわち図9(a)〜(d)に示すように、読出アドレスXRを示す行選択アドレス信号AdN〜Ad0を与えるとともに、セット信号TXADD_SET,RSTADD_SET,SELADD_SETを所定時間だけ「H」レベルにして、読出アドレスXRに対応する行のラッチ回路をセットする(時刻t1)。
【0062】
ステップS12では、読出しに対応する各信号を成形する。すなわち図9(h)〜(m)に示すように、読出用の成形信号TX_DRV,RST_DRV,SEL_DRVを生成して、転送信号TX<XR>、リセット信号RST<XR>、選択信号SEL<XR>を出力する。選択信号SEL<XR>は、時刻t2〜t7で「H」レベルにされる。リセット信号RST<XR>は、時刻t3〜t4で「H」レベルにされる。転送信号TX<XR>は、時刻t5〜t6で「H」レベルにされる。
【0063】
選択信号SEL<XR>が「H」レベルにされると(時刻t2)、図3で示した画素回路10の選択トランジスタ15が導通する。リセット信号RST<XR>が「H」レベルにされと(時刻t3)、画素回路10のリセットトランジスタ13が導通してノードN12が電源電圧VCCにリセットされる。リセット信号RST<XR>が「L」レベルにされると(時刻t4)、リセットトランジスタ13が非導通になり、電源電圧VCCのラインからトランジスタ14,15を介して垂直信号線LVに暗電流が流れ、暗信号が読み出される。
【0064】
転送信号TX<XR>が「H」レベルにされると(時刻t5)、転送トランジスタ12が導通し、フォトダイオード11に発生した電荷に応じた電圧がノードN12に現れる。転送信号TX<XR>が「L」レベルにされると(時刻t6)、転送トランジスタ12が非導通になり、ノードN12の電圧に応じた値の光電流が電源電圧VCCのラインからトランジスタ14,15を介して垂直信号線LVに流れ、光信号が読み出される。選択信号SEL<XR>が「L」レベルにされると(時刻t7)、選択トランジスタ15が非導通になり、読出動作が終了する。
【0065】
ステップS13では、シャッタアドレスXSに対応する転送信号TXおよびリセット信号RST用のラッチ回路をセットする。すなわち図9(a)〜(c)に示すように、シャッタアドレスXSを示す行選択アドレス信号AdN〜Ad0を与えるとともに、セット信号TXADD_SET,RSTADD_SETを所定時間だけ「H」レベルにして、シャッタアドレスXSに対応する行のラッチ回路をセットする(時刻t8)。
【0066】
ステップS14では、転送信号TXとリセット信号RSTを成形する。すなわち図9(h)(i)(n)(o)に示すように、シャッタ動作用の成形信号TX_DRV,RST_DRVを生成して、転送信号TX<XS>およびリセット信号RST<XS>を出力する。リセット信号RST<XS>は、時刻t9〜t12で「H」レベルにされる。転送信号TX<XS>は、時刻t10〜t11で「H」レベルにされる。
【0067】
リセット信号RST<XS>および転送信号TX<XS>が「H」レベルにされと(時刻t9,t10)、画素回路10のトランジスタ12,13が導通してフォトダイオード11に発生した負電荷が除去されてフォトダイオード11がリセットされる。リセット信号RST<XS>および転送信号TX<XS>が「L」レベルにされと(時刻t11,t12)、画素回路10のトランジスタ12,13が非導通になり、フォトダイオード11において負電荷の蓄積が再開される。
【0068】
ステップS15では、各信号のラッチ回路をリセットする。すなわち図9(e)〜(g)に示すように、リセット信号TXADD_RESET_n,RSTADD_RESET_n,SELADD_RESET_nを「L」レベルにして、全ラッチ回路をリセットする(時刻t14)。
【0069】
なお、図9(k)(l)に示すように、ステップS14において転送信号TXとリセット信号RSTの各々を読出し行においても駆動しているが、既に読出動作を終了しているので問題ない。
【0070】
(ハイブリッド電子シャッタ方式)
CMOS方式のイメージセンサでは、露光期間を決める方式として、メカシャッタ方式、ローリング電子シャッタ方式、両方式を組み合わせたハイブリッド電子シャッタ方式が存在する。ハイブリッド電子シャッタ方式は、露光開始を電子シャッタで実施し、露光終了をメカシャッタで実施する方式である。一般に、メカシャッタ方式は静止画の撮影に使用され、ローリング電子シャッタ方式は動画の撮影に使用されるが、ローリング電子シャッタ方式でも静止画の撮影は可能である。静止画の撮影において、ハイブリッド電子シャッタ方式は、メカシャッタ方式およびローリング電子シャッタ方式にない利点がある。
【0071】
図10(a)〜(c)は、それぞれハイブリッド電子シャッタ、通常メカシャッタ、およびローリング電子シャッタによる静止画の撮影方法を示すタイムチャートである。ハイブリッド電子シャッタでは、露光の開始を電子シャッタで実施するので、露光開始前にメカシャッタを開けておく。各行の露光時間を一定にするため、電子シャッタによる露光開始である画素リセットの終了をメカシャッタを閉める動作に合わせる。ハイブリッド電子シャッタは、ライブビューモードから静止画を撮影する場合に使用することができる。
【0072】
ファインダーではなく背面の液晶画面で構図を確認しながら撮影する場合に、液晶画面に動作を写すことをライブビューという。一般に、ライブビューでは、ローリング電子シャッタ機能を用いた動画の撮影を繰返し行なう。ライブビューモードから静止画を撮影する場合、通常のメカシャッタによる静止画撮影と比較して、ハイブリッド電子シャッタによる静止画撮影では、メカシャッタの開閉動作を省略することができるので高速に撮影できる。また、ローリング電子シャッタによる静止画撮影と比較して、ハイブリッド電子シャッタによる静止画撮影では、メカシャッタを閉じるので光を当て続けることによるブルーミングの発生を防ぐことができ、画質が向上する。なお、ブルーミングとは、あるフォトダイオード11に強い光が照射された場合、そのフォトダイオード11から電荷が溢れて周辺の他のフォトダイオード11に供給されることを言う。
【0073】
図11(a)〜(d)は、図1〜図7で示したイメージセンサにおけるハイブリッド電子シャッタ方式を示すタイムチャートである。ハイブリッド電子シャッタ方式を実施する場合は、下位2ビットのアドレス信号Ad1,Ad0をプリデコードした信号AdA<3:0>はともに「H」レベルに維持される。
【0074】
図11(a)〜(d)において、時刻t0〜t1において行選択アドレス信号AdN〜Ad2を順次インクリメントして全RST用デコード部32のラッチ回路を順次セットする。これにより、全行のリセット信号RSTが「H」レベルに活性化(アサート)される。転送信号TXの活性化および非活性化(ネゲート)は、3つのステップS21〜S23に分けて行なわれる。
【0075】
ステップS21では、行選択アドレス信号AdN〜Ad2を順次インクリメント(+1)して全TX用デコード部31のラッチ回路を順次セットする(時刻t2〜t3)。これにより、全行の転送信号TXが「H」レベルに活性化される。
【0076】
ステップS22では、全ラッチのリセット信号TXADD_RESET_nを「L」レベルにして、全TX用デコード部31のラッチ回路をリセットする。これにより、全行の転送信号TXが一旦、「L」レベルに非活性化される。
【0077】
ステップS23では、行選択アドレス信号AdN〜Ad2を所定の周期で順次デクリメント(−1)するとともに、所定の周期で全ラッチのリセット信号TXADD_RESET_nを「L」レベルにする(時刻t4〜t5)。これにより、全行の転送信号TXが所定時間ずつ「H」レベルにされ、メカシャッタと同様のタイミングで電子シャッタが駆動される。
【0078】
時刻t6において、全ラッチのリセット信号RSTADD_RESET_nが「L」レベルにされて、全行のリセット信号RSTが「L」レベルに非活性化される。時刻t7〜t8において、メカシャッタが閉じられてハイブリッド電子シャッタによる静止画の撮影が終了する。
【0079】
以上のように、この実施の形態1では、行選択デコード回路35に「H」レベル側の電圧レベルシフト機能を持たせたので、「H」レベル側の電圧レベルシフト回路を別途設ける場合に比べ、素子数の低減化、回路面積の縮小化を図ることができる。
【0080】
また、複数(本実施の形態1では4つ)の行で1つの電圧レベルシフト機能付き行選択デコード回路35を共用するので、回路面積の縮小化を図ることができる。特に、TX用デコード部31では、画素性能に関係した暗電流を小さくするために転送信号TXの「L」レベルを負電圧にする場合、接地電圧GNDを負電圧にレベルシフトするレベルシフタ36が必要であり、そのレベルシフタ36も複数の行で共用できるので、さらに、回路面積の縮小化を図ることができる。
【0081】
また、行選択デコード回路35にラッチ回路を設けたので、アドレスによるラッチ回路のセットを読出し行とリセット行で繰り返すことで、2つの行を容易に選択することができる。その結果、読出動作とリセット動作に対する1つの行選択デコード回路35の共用が可能となり、回路面積の縮小化を図ることができる。
【0082】
なお、本実施の形態1では、4つの行で行選択デコード回路35を共用したが、2のK乗個(ただし、Kは正の整数である)のうちの所望の数の行で行選択デコード回路35を共用することが可能である。また、1つの行に行選択デコード回路35を設けることも可能である。
【0083】
また、本実施の形態1では、1つのフォトダイオード11に対して4つのトランジスタ12〜15を設けた4Tr型の画素回路10を備えたイメージセンサについて説明したが、画素の開口率を拡大するために、画素共用型の構造(2.5Tr型画素、1.75Tr型画素)を持つ画素が存在する。転送トランジスタ12を除く他の3つのトランジスタ13〜15を2つの画素で共用したのが2.5Tr型画素であり、4つの画素で共用したのが1.75Tr型画素である。Trの数字は1画素に対応するトランジスタ数を示している。2.5Tr型画素では、転送信号TXの本数に対するリセット信号RSTと選択信号SELの本数が4Tr型画素の1/2になる。1.75Tr型画素では、転送信号TXの本数に対するリセット信号RSTと選択信号SELの本数が4Tr型画素の1/4になる。
【0084】
本実施の形態1では、全種類の信号TX,RST,SELに対して、電圧レベルシフト機能付き行選択デコード回路の共用化を行なっているが、2.5Tr型画素や1.75Tr型画素の場合、転送信号TXのみに対して電圧レベルシフト機能付き行選択デコード回路35の共用化を図ることで、アドレス系統の簡略化を行なうことができる。2.5Tr型画素の場合はアドレスの下位1ビット、1.75Tr型画素の場合はアドレスの下位2ビット分を多く共用化することで、共用化部分の上位のアドレスをリセット信号RSTおよび選択信号SELと同じにすることができる。
【0085】
次に、1.75Tr型画素回路を用いたイメージセンサにおいて行選択デコード回路35にラッチを持たせていることで、回路を単純化できる例を示す。図12は、複数組の1.75Tr型画素回路40〜43を含む画素アレイを示す図である。図12において、この画素アレイでは、同じ組の4つの画素回路40〜43でトランジスタが共用される。各組の画素回路40〜43は、列方向に一列に配列されている。
【0086】
この1.75Tr型画素回路では、素子を効率よく詰め込むために、偶数列と奇数列で、画素回路40〜43が2画素分だけ列方向にずれている。このため、偶数列と奇数列で異なる選択信号SELおよびリセット信号RSTを用いる必要がある。偶数列では選択信号SELRおよびリセット信号RSTRが使用され、奇数列では選択信号SELBおよびリセット信号RSTBが使用される。図12では、偶数列では選択信号SELR<0>およびリセット信号RSTR<0>が使用され、奇数列では選択信号SELB<0>およびリセット信号RSTB<0>が使用される。
【0087】
このような場合に、ラッチ回路を設けずに論理回路で対応する場合、行をまたがったOR回路のような複雑な回路構成が必要である。しかし、本実施の形態1では、ラッチ回路を設けたので、複雑な回路構成は不要である。
【0088】
図13は、図12に示した画素アレイにおけるアドレスAdと信号TX,SELR,RSTR,SELB,RSTBの対応関係を示す表である。図13から分かるように、転送信号TXの番号は、アドレス”Ad”がインクリメントされる毎に増大し、選択信号SELBおよびリセット信号RSTBの各々の番号は、アドレス”Ad”が0から4だけ増加する毎に1だけ増加する。これに対して選択信号SELRおよびリセット信号RSTRの各々の番号は、アドレス”Ad”が2から4だけ増加する毎に1だけ増加する。したがって、アドレス”Ad”をデコードして信号TX,SELB,RSTBを選択し、アドレス”Ad−2”をデコードして信号SELR,RSTRを選択すればよい。
【0089】
図14(a)〜(u)は、図12および図13で示したイメージセンサにおける読出動作を示すタイムチャートである。図14(a)〜(u)において、1水平期間における読出動作は、3つのステップS31〜S33に分けられる。
【0090】
ステップS31では、読出アドレスXRに対応する行のラッチ回路をセットする。すなわち図14(a)〜(d)に示すように、読出アドレスXRを示す行選択アドレス信号AdN〜Ad0を与えるとともに、セット信号TXADD_SET,RSTBADD_SET,SELBADD_SETを所定時間だけ「H」レベルにして、読出アドレスXRに対応する行のラッチ回路をセットする(時刻t1)。
【0091】
また、読出アドレスXR−2を示す行選択アドレス信号AdN〜Ad0を与えるとともに、セット信号RSTRADD_SET,SELRADD_SETを所定時間だけ「H」レベルにして、読出アドレスXR−2に対応する行のラッチ回路をセットする(時刻t2)。
【0092】
ステップS32では、読出しに対応する各信号を成形する。すなわち図14(l)〜(p)に示すように、読出用の成形信号TX_DRV,RSTR_DRV,RSTB_DRV,SELR_DRV,SELB_DRVを生成して、転送信号TX<XR>、リセット信号RSTR<XR>,RSTB<XR>、選択信号SELR<XR>,SELB<XR>を出力する。選択信号SELR<XR>,SELB<XR>は、時刻t3〜t8で「H」レベルにされる。リセット信号RSTR<XR>,RSTB<XR>は、時刻t4〜t5で「H」レベルにされる。転送信号TX<XR>は、時刻t6〜t7で「H」レベルにされる。
【0093】
たとえば偶数列において、選択信号SELR<XR>が「H」レベルにされると(時刻t3)、画素回路40〜43の選択トランジスタ15が導通する。リセット信号RSTR<XR>が「H」レベルにされと(時刻t4)、画素回路40〜43のリセットトランジスタ13が導通してノードN12が電源電圧VCCにリセットされる。リセット信号RSTR<XR>が「L」レベルにされると(時刻t5)、リセットトランジスタ13が非導通になり、電源電圧VCCのラインからトランジスタ14,15を介して垂直信号線LVに暗電流が流れ、暗信号が読み出される。
【0094】
転送信号TX<XR>が「H」レベルにされると(時刻t6)、選択された画素回路(たとえば40)の転送トランジスタ12が導通し、フォトダイオード11に発生した電荷に応じた電圧がノードN12に現れる。転送信号TX<XR>が「L」レベルにされると(時刻t7)、転送トランジスタ12が非導通になり、ノードN12の電圧に応じた値の光電流が電源電圧VCCのラインからトランジスタ14,15を介して垂直信号線LVに流れ、光信号が読み出される。選択信号SELR<XR>が「L」レベルにされると(時刻t8)、選択トランジスタ15が非導通になる。
【0095】
ステップS33では、各信号のラッチ回路をリセットする。すなわち図14(g)〜(k)に示すように、リセット信号TXADD_RESET_n,RSTRADD_RESET_n,RSTBADD_RESET_n,SELRADD_RESET_n,SELBADD_RESET_nを「L」レベルにして、全ラッチ回路をリセットする(時刻t9)。このように、行選択デコード回路にラッチ回路を持たせていることで、アドレスによるラッチのセットを1回多く実施するだけで、1.75Tr型画素回路を用いたイメージセンサにおける読出動作を容易に行なうことができる。
【0096】
[実施の形態2]
図15は、この発明の実施の形態2によるイメージセンサの制御回路50の構成を示す回路ブロック図であって、図5と対比される図である。図15において、制御回路50が制御回路20と異なる点は、電圧レベルシフト回路23が除去され、成形信号生成回路22が成形信号生成回路51で置換されている点である。成形信号生成回路51は、成形信号生成回路22に論理和回路OR1<3:0>を追加したものである。
【0097】
論理和回路OR1<3:0>は、プリデコーダ26の出力信号AdA<3:0>と成形信号TXALL_DRVとの論理和信号を生成し、生成した4つの論理和信号を論理積回路AND1<3:0>に与える。成形信号TXALL_DRVが「H」レベルにされると、論理和回路OR1<3:0>の4つの出力信号がともに「H」レベルになり、成形信号TX_DRV_AdA<3:0>がともに「H」レベルになる。
【0098】
図16は、このイメージセンサの制御回路50およびTX用デコード部52の構成を示す回路ブロック図であって、図6と対比される図である。図16において、TX用デコード部52がTX用デコード部31と異なる点は、行選択デコード回路35が行選択デコード回路53で置換されている点である。行選択デコード回路53は、行選択デコード回路35のPチャネルMOSトランジスタP0を論理積回路AND6およびNチャネルMOSトランジスタQ6,Q7で置換したものである。
【0099】
NチャネルMOSトランジスタQ6,Q7は、ノードN2と接地電圧GNDのラインとの間に直列接続される。論理積回路AND6は、ブロック選択信号BSと、プリデコード信号AdB<3:0>のうちの、対応の行グループに予め割り当てられたプリデコード信号(たとえばAdA3)と、アドレスによるラッチのリセット信号TXADD_RESETとの論理積信号を生成し、その論理積信号をトランジスタQ6のゲートに与える。トランジスタQ7のゲートは、論理積回路AND4の出力信号を受ける。
【0100】
行選択アドレス信号AdN〜Ad0によって対応の行グループが選択され、かつアドレスによるラッチのリセット信号TXADD_RESETが「H」レベルにされると、NチャネルMOSトランジスタQ6,Q7が導通し、ノードN2が「L」レベルになり、インバータINV0,INV1を含むラッチ回路がリセットされる。
【0101】
RST用デコード部およびSEL用デコード部の各々も、TX用デコード部52と同様の構成である。ただし、RST用デコード部およびSEL用デコード部の各々では、負電圧は不要であり、レベルシフタ36は設けられない。また、成形回路37および出力バッファ38の各々は、電源電圧VTXHおよび接地電圧GNDによって駆動される。
【0102】
図17(a)〜(o)は、読出動作時における転送信号TX<3:0>を示すタイムチャートであって、図7(a)〜(o)と対比される図である。図7(a)〜(o)のステップS3では、全ラッチのリセット信号TXADD_RESET_nをイネーブルにして、選択している行グループのラッチ回路をリセットした。これに対して図17(a)〜(o)のステップS3では、アドレスによるラッチのリセット信号TXADD_RESETをイネーブルにして、選択している行グループのラッチ回路をリセットする。したがって、本実施の形態2では、行グループ単位でラッチ回路をリセットできる。
【0103】
図18(a)〜(k)は、ハイブリッド電子シャッタの画素リセット終了時の転送信号TXを示すタイムチャートである。本実施の形態2では、行選択デコード回路53にアドレスによるラッチのセット機能(トランジスタQ0,Q1)とリセット機能(トランジスタQ6,Q7)を設けたので、全行グループのラッチ回路をセットした状態から、全ラッチ回路を1つずつ順次リセットすることができる。
【0104】
ラッチ回路をセット状態に保持するとともに、成形信号TX_DRVおよび信号TXALL_DRVを「H」レベルに固定する。これにより、アドレス成形信号TX_DRV_AdA<3:0>も全て「H」レベルに固定され、ラッチ回路の状態(セットまたはリセット)で転送信号TXのレベルが決まる。
【0105】
アドレスによるラッチのリセット信号TXADD_RESETをイネーブルにして下位2ビットを除くアドレス信号AdN〜Ad2を順次デクレメント(−1)することによって、順番に4信号ごとに転送信号TXのレベルを「H」レベルから「L」レベルに変える。
【0106】
図18(a)〜(k)において、ハイブリッド電子シャッタの画素リセット終了時では、アドレスによるラッチのセット信号TXADD_SETは「L」レベルに固定され、ラッチ回路のセットが禁止される。また、成形信号TX_DRVおよび信号TXALL_DRVが「H」レベルに固定され、アドレス成形信号TX_DRV_AdA<3:0>も全て「H」レベルに固定される。
【0107】
図18(a)〜(k)では、時刻t0において転送信号TX<7:4>,TX<3:0>が「H」レベルである状態が示されている。時刻t0〜t2において4〜7行を示す行選択アドレス信号AdN〜Ad2が与えられ、時刻t1においてアドレスによるラッチのリセット信号TXADD_RESETが所定時間だけ「H」レベルにされる。これにより、4〜7行に対応する行選択デコード回路53のトランジスタQ6,Q7が導通し、ラッチ回路がリセットされてノードN1,N3がそれぞれ「H」レベルおよび「L」レベルになり、転送信号TX<7:4>が「L」レベルになる。
【0108】
時刻t2〜t4において0〜3行を示す行選択アドレス信号AdN〜Ad2が与えられ、時刻t3においてアドレスによるラッチのリセット信号TXADD_RESETが所定時間だけ「H」レベルにされる。これにより、0〜3行に対応する行選択デコード回路53のトランジスタQ6,Q7が導通し、ラッチ回路がリセットされてノードN1,N3がそれぞれ「H」レベルおよび「L」レベルになり、転送信号TX<3:0>が「L」レベルになる。
【0109】
図19(a)〜(d)は、本実施の形態2のイメージセンサにおけるハイブリッド電子シャッタ方式を示すタイムチャートであって、図11(a)〜(d)と対比される図である。図19(a)〜(d)において、時刻t0〜t1において行選択アドレス信号AdN〜Ad2を順次インクリメントして全RST用デコード部のラッチ回路を順次セットする。これにより、全行のリセット信号RSTが「H」レベルに活性化(アサート)される。転送信号TXの活性化および非活性化(ネゲート)は、3つのステップS41〜S43に分けて行なわれる。
【0110】
ステップS41では、行選択アドレス信号AdN〜Ad2を順次インクリメント(+1)して全TX用デコード部52のラッチ回路を順次セットする(時刻t2〜t3)。これにより、全行の転送信号TXが「H」レベルに活性化される。ステップS42では、全ラッチ回路をセット状態に維持する。
【0111】
ステップS43では、行選択アドレス信号AdN〜Ad2を所定の周期で順次デクリメント(−1)するとともに、所定の周期でアドレスによるラッチのリセット信号TXADD_RESETが所定時間だけ「H」レベルにする(時刻t4〜t5)。これにより、転送信号TXが4行分ずつ「L」レベルにされ、メカシャッタと同様のタイミングで電子シャッタが駆動される。
【0112】
時刻t6において、全行のリセット信号RSTが「L」レベルに非活性化される。時刻t7〜t8において、メカシャッタが閉じられてハイブリッド電子シャッタによる静止画の撮影が終了する。
【0113】
以上のように、本実施の形態2では、実施の形態1と同じ効果が得られる。
また、本実施の形態2では、実施の形態1と異なり、全行(信号)の同時ネゲート動作を実施していない。すなわち、各行選択デコード回路53にラッチ回路のセット機能とリセット機能を設けたので、ハイブリッド電子シャッタ方式において全行の同時動作を実施する必要がない。このため、実施の形態1よりも動作電流が減少して電源電圧および接地電圧GNDのIRドロップ量も小さくなり、IRドロップ量の増加による不具合が発生しない。
【0114】
また、ハイブリッド電子シャッタ方式を行なう際に、各ラッチ回路のセット/リセット動作は1回しか発生しない。したがって、実施の形態1と比較して、制御の簡単化、制御回路の面積および動作電流の低減化を図ることができる。
【0115】
[実施の形態3]
図20は、この発明の実施の形態3によるイメージセンサの制御回路60の構成を示す回路ブロック図であって、図5と対比される図である。図20において、制御回路60は、可変アドレス縮退機能付きプリデコーダ61、プリデコーダ62、論理積回路AND7<3:0>,AND8<3:0>、論理和回路OR2および電圧レベルシフト回路63〜66を含む。
【0116】
プリデコーダ61は、行選択アドレス信号AdN〜Ad0のうちの下位2ビットの信号Ad1,Ad0を除く上位のアドレス信号AdN〜Ad2を2ビットずつプリデコードして、プリデコード信号AdB<3:0>,AdC<3:0>,AdD<3:0>,…を生成する。可変アドレス縮退機能については、後述する。
【0117】
プリデコーダ62は、アドレス信号の下位2ビットの信号Ad1,Ad0をプリデコードして4つのプリデコード信号AdA<3:0>を生成する。論理積回路AND7<3:0>は、それぞれプリデコード信号AdA<3:0>とセット信号TXADD_SETとの論理積信号を生成する。電圧レベルシフト回路63は、論理積回路AND7<3:0>の出力信号を電圧変換して、4つのセット信号TX_SET_AdA<3:0>を生成する。プリデコード信号AdA<3:0>のうちの1信号のみが「H」レベルになるので、4つセット信号TX_SET_AdA<3:0>のうちの1信号のみが駆動される。
【0118】
論理積回路AND8<3:0>は、それぞれプリデコード信号AdA<3:0>とリセット信号TXADD_RESETとの論理積信号を生成する。電圧レベルシフト回路64は、論理積回路AND8<3:0>の出力信号を電圧変換して、4つのリセット信号TX_RESET_AdA<3:0>を生成する。
【0119】
プリデコード信号AdA<3:0>のうちの1信号のみが「H」レベルになるので、4つリセット信号TX_RESET_AdA<3:0>のうちの1信号のみが駆動される。論理和回路OR2は、セット信号TXADD_SETとリセット信号TXADD_RESETの論理和信号TXADD_BOTH_Gを出力する。
【0120】
また、タイミングジェネレータ4から供給される行選択アドレス信号AdN〜Ad0、セット信号TXADD_SET、リセット信号TXADD_RESET、成形信号TX_DRV、およびリセット信号TXALL_RESET1の各々の「H」レベルは電源電圧VDDがあり、各々の「L」レベルは接地電圧GNDである。
【0121】
電圧レベルシフト回路63は、論理積回路AND7<3:0>の出力信号の「H」レベルを電源電圧VDDから電源電圧VTXHに変換するとともに、論理積回路AND7<3:0>の出力信号の「L」レベルを接地電圧GNDから負電圧VTXLに変換して、4つのセット信号TX_SET_AdA<3:0>を生成する。
【0122】
電圧レベルシフト回路64は、論理積回路AND8<3:0>の出力信号の「H」レベルを電源電圧VDDから電源電圧VTXHに変換するとともに、論理積回路AND8<3:0>の出力信号の「L」レベルを接地電圧GNDから負電圧VTXLに変換して、4つのリセット信号TX_RESET_AdA<3:0>を生成する。
【0123】
電圧レベルシフト回路65は、成形信号TX_DRVの「H」レベルを電源電圧VDDから電源電圧VTXHに変換するとともに、成形信号TX_DRVの「L」レベルを接地電圧GNDから負電圧VTXLに変換して、成形信号TX_DRV_Gを生成する。電圧レベルシフト回路66は、リセット信号TXALL_RESET1の「H」レベルを電源電圧VDDから電源電圧VTXHに変換して、リセット信号TXALL_RESET1_Gを生成する。
【0124】
図21は、このイメージセンサの制御回路60およびTX用デコード部70の構成を示す回路ブロック図であって、図6と対比される図である。図21において、TX用デコード部70がTX用デコード部31と異なる点は、行選択デコード回路35が行選択デコード回路71で置換され、個別ラッチ回路L<3:1>が追加されている点である。
【0125】
行選択デコード回路71は、行選択デコード回路35のPチャネルMOSトランジスタP0をNチャネルMOSトランジスタQ8で置換したものである。NチャネルMOSトランジスタQ8は、ノードN2と接地電圧GNDのラインとの間に接続され、そのゲートはリセット信号TXALL_RESET1_Gを受ける。リセット信号TXALL_RESET1_Gが「H」レベルにされると、全行選択デコード回路71のトランジスタQ8が導通してノードN2が「L」レベルになり、全行選択デコード回路71のラッチ回路がリセットされる。
【0126】
また、セット信号TXADD_SETの代わりにセット信号TXADD_BOTH_Gが論理積信号AND3に与えられる。これにより、行選択アドレス信号AdN〜Ad0によって対応の行グループが選択され、かつセット信号TXADD_BOTH_Gが「H」レベルにされると、NチャネルMOSトランジスタQ0,Q1が導通し、ノードN1が「L」レベルになり、インバータINV0,INV1を含むラッチ回路がセットされる。
【0127】
レベルシフタ36の出力ノードN3は、個別ラッチ回路L<3:0>の第1入力ノードX1<3:0>に接続される。セット信号TX_SET_AdA<3:0>は、個別ラッチ回路L<3:0>の第2入力ノードX2<3:0>にそれぞれ入力される。リセット信号TX_RESET_AdA<3:0>は、個別ラッチ回路L<3:0>の第3入力ノードX3<3:0>にそれぞれ入力される。
【0128】
個別ラッチ回路L<3:0>の出力ノードY2<3:0>は、それぞれ論理積回路AND5<3:0>の一方入力ノードに接続される。論理積回路AND<3:0>の他方入力ノードは、ともに成形信号TX_DRV_Gを受ける。
【0129】
個別ラッチ回路L<n>(ただし、nは0,1,2,または3である)は、図22に示すように、インバータINV3,INV4およびNチャネルMOSトランジスタQ11〜Q14を含む。インバータINV3は、ノードY1とY2<n>の間に接続され、ノードY1に現れる信号の反転信号をノードY2<n>に出力する。インバータINV4は、ノードY2<n>とY1の間に接続され、ノードY2<n>に現れる信号の反転信号をノードY1に出力する。インバータINV3,INV4の各々は、電源電圧VTXHおよび負電圧VTXLによって駆動される。
【0130】
NチャネルMOSトランジスタQ11,Q12は、ノードY1と負電圧VTXLのラインとの間に接続され、それらのゲートはそれぞれ入力ノードX1<n>,X2<n>に接続される。NチャネルMOSトランジスタQ13,Q14は、ノードY2<n>と負電圧VTXLのラインとの間に接続され、それらのゲートはそれぞれ入力ノードX1<n>,X3<n>に接続される。
【0131】
行選択デコード回路71のラッチ回路がセットされてノードN1が「L」レベルになり、ノードN3が「H」レベルになると、個別ラッチ回路L<n>のトランジスタQ11,Q13のゲートが「H」レベルになる。これにより、個別ラッチ回路L<n>のセットおよびリセットが可能になる。
【0132】
セット信号TX_SET_AdA<n>が「H」レベルにされると、トランジスタQ11,Q12が導通してノードY1が「L」レベルになり、個別ラッチ回路L<n>がセットされてノードY2<n>が「H」レベルになる。これにより、転送信号TX<n>の駆動が可能となる。
【0133】
また、リセット信号TX_RESET_AdA<n>が「H」レベルにされると、トランジスタQ13,Q14が導通してノードY2<n>が「L」レベルになり、個別ラッチ回路L<n>がリセットされる。この場合は、転送信号TX<n>は「L」レベルに固定される。
【0134】
行選択デコード回路71のラッチ回路がリセットされてノードN2が「L」レベルになり、ノードN3が「L」レベルになると、個別ラッチ回路L<n>のトランジスタQ11,Q13のゲートが「L」レベルになり、トランジスタQ11,Q13が非導通状態に固定される。これにより、個別ラッチ回路L<n>のセットまたはリセット状態が維持される。
【0135】
RST用デコード部およびSEL用デコード部の各々も、TX用デコード部52と同様の構成である。ただし、RST用デコード部およびSEL用デコード部の各々では、負電圧は不要であり、レベルシフタ36は設けられない。また、成形回路37および出力バッファ38の各々は、電源電圧VTXHおよび接地電圧GNDによって駆動される。
【0136】
図23(a)〜(x)は、読出動作時における転送信号TX<3:0>を示すタイムチャートである。図23(a)〜(x)において、読出動作は、共用ラッチ回路(行選択デコード回路71のラッチ回路)のリセットを解除するステップS51と、共用ラッチ回路および個別ラッチ回路L<n>をセットするステップS52と、信号TXを成形するステップS53と、個別ラッチ回路L<n>をリセットするステップS54と、共用ラッチ回路をリセットするステップSS55とを含む。
【0137】
ステップS51では、リセット信号TXALL_RESET1を「L」レベルにして全行選択デコード回路71のトランジスタQ8を非導通にする。これにより、共用ラッチ回路のリセットが解除される。
【0138】
ステップS52では、アドレスによるラッチのセット信号TXADD_SETをイネーブルにして、下位2ビットを除くアドレス信号AdN〜Ad2によって選択している行の共用ラッチ回路および個別ラッチ回路L<n>をセットする。個別ラッチ回路L<n>をセットすると、成形回路37の論理積回路AND5<n>の一方入力ノードが「H」レベルとなる。
【0139】
ステップS53では、成形信号TX_DRVをアサート/ネゲートすることでアドレスで選択された転送信号の1信号(n行目の読出しではTX<n>)が駆動される。
【0140】
ステップS54では、リセット信号TXADD_RESETをイネーブルにして、選択している行の個別ラッチ回路L<n>をリセットする。個別ラッチ回路L<n>をリセットすると、成形回路37の論理積回路AND5<n>の一方入力ノードが「L」レベルとなる。
【0141】
ステップS55では、リセット信号TXALL_RESET1を「H」レベルにして全行選択デコード回路71のトランジスタQ8を導通させる。これにより、共用ラッチ回路がリセットされる。そして、次の行の動作に備える。以上の5つのステップS51〜S55を、行選択アドレス信号AdN〜Ad0をインクリメント(+1)して、行ごとに繰り返す。
【0142】
(ハイブリッド電子シャッタ方式)
図24(a)〜(x)は、ハイブリッド電子シャッタの画素リセット終了時(転送信号TXの非活性化(ネゲート)時)の転送信号TXを示すタイムチャートである。本実施の形態3では、各行に個別ラッチ回路L<n>を設けたので、全行の個別ラッチ回路L<n>をセットした状態から、全個別ラッチ回路L<n>を1つずつ順次リセットすることができる。
【0143】
図24(a)〜(x)において、ハイブリッド電子シャッタの画素リセット終了時では、成形信号TX_DRVは「H」レベルに固定される。また、セット信号TX_SET_AdA<3:0>は「L」レベルに固定され、全個別ラッチ回路L<n>のセットが解除される。
【0144】
図24(a)〜(k)では、時刻t0において転送信号TX<1>,TX<0>が「H」レベルである状態が示されている。時刻t0〜t1において第1行を示す行選択アドレス信号AdN〜Ad0が与えられ、時刻t1〜t2において第0行を示す行選択アドレス信号AdN〜Ad0が与えられる。
【0145】
たとえば時刻t0〜t1のステップS61では、リセット信号TXALL_RESET1を「L」レベルにして全行選択デコード回路71のトランジスタQ8を非導通にする。これにより、共用ラッチ回路のリセットが解除される。
【0146】
ステップS62では、アドレスによるラッチのリセット信号TXADD_RSETをイネーブルにして、下位2ビットを除くアドレス信号AdN〜Ad2によって選択している行の個別ラッチ回路L<1>をリセットする。個別ラッチ回路L<1>をリセットすると、成形回路37の論理積回路AND5<1>の一方入力ノードが「L」レベルとなり、転送信号TX<1>が「H」レベルから「L」レベルに立ち下げられる。
【0147】
ステップS63では、リセット信号TXALL_RESET1を「H」レベルにして全行選択デコード回路71のトランジスタQ8を導通させる。これにより、共用ラッチ回路がリセットされる。そして、次の行の動作に備える。以上の3つのステップS61〜S63を、行選択アドレス信号AdN〜Ad0をデクリメント(−1)して、行ごとに繰り返す。
【0148】
図25(a)〜(d)は、本実施の形態3のイメージセンサにおけるハイブリッド電子シャッタ方式を示すタイムチャートであって、図19(a)〜(d)と対比される図である。図25(a)〜(d)において、時刻t0〜t1において行選択アドレス信号AdN〜Ad0を順次インクリメントして全RST用デコード部の個別ラッチ回路を順次セットする。これにより、全行のリセット信号RSTが「H」レベルに活性化(アサート)される。転送信号TXの活性化および非活性化(ネゲート)は、3つのステップS71〜S73に分けて行なわれる。
【0149】
ステップS71では、行選択アドレス信号AdN〜Ad0を順次インクリメント(+1)して全個別ラッチ回路L<n>を順次セットする(時刻t2〜t3)。これにより、全行の転送信号TXが「H」レベルに活性化される。ステップS72では、全個別ラッチ回路L<n>をセット状態に維持する。
【0150】
ステップS73では、行選択アドレス信号AdN〜Ad0を所定の周期で順次デクリメント(−1)するとともに、所定の周期でアドレスによるラッチのリセット信号TXADD_RESETが所定時間だけ「H」レベルにする(時刻t4〜t5)。これにより、転送信号TXが1行分ずつ「L」レベルにされ、メカシャッタと同様のタイミングで電子シャッタが駆動される。
【0151】
時刻t6〜t7において行選択アドレス信号AdN〜Ad0を順次デクリメントして全RST用デコード部の個別ラッチ回路を順次リセットする。これにより、全行のリセット信号RSTが「L」レベルに非活性化される。時刻t8〜t9において、メカシャッタが閉じられてハイブリッド電子シャッタによる静止画の撮影(露光)が終了する。
【0152】
本実施の形態3では、1行単位で動作が可能となる。その結果、メカシャッタの閉動作に対して各行のシャッタ動作のタイミングを正確に合わせることができ、画質の向上を図ることができる。
【0153】
(可変アドレス縮退機能)
また、本実施の形態3では、制御回路60のプリデコーダ61に可変アドレス縮退機能を持たせたことを特徴としている。図20に示したように、可変アドレス縮退機能付きプリデコーダ61には、下位2ビットを除くアドレスAdN〜Ad2と縮退数制御信号UNI_REG<k:0>が入力され、縮退されたプリデコード信号AdB<3:0>,AdC<3:0>,…が出力される。
【0154】
図26(a)(b)は、プリデコーダ61の動作を説明するための表である。図26(a)に示すように、アドレス信号Ad3,Ad2がそれぞれ0,0である場合、プリデコード信号AdB<3:0>のうちのプリデコード信号AdB<0>のみが1になる。アドレス信号Ad3,Ad2がそれぞれ0,1である場合、プリデコード信号AdB<3:0>のうちのプリデコード信号AdB<1>のみが1になる。アドレス信号Ad3,Ad2がそれぞれ1,0である場合、プリデコード信号AdB<3:0>のうちのプリデコード信号AdB<2>のみが1になる。アドレス信号Ad3,Ad2がそれぞれ1,1である場合、プリデコード信号AdB<3:0>のうちのプリデコード信号AdB<3>のみが1になる。
【0155】
また図26(b)に示すように、縮退数制御信号UNI_REG<4:0>がそれぞれ0,0,0,0である場合は、上位縮退数は1であり、縮退アドレスはない。この場合は、全行が1行ずつ順次選択される。
【0156】
縮退数制御信号UNI_REG<4:0>がそれぞれ0,0,0,1である場合は、上位縮退数は2であり、縮退アドレスは最上位のアドレス信号Ad11である。この場合、プリデコード信号XF<3>,XF<1>はアドレス信号Ad10に一致し、プリデコード信号XF<2>,XF<0>はアドレス信号Ad10の反転信号に一致する。この場合は、全行が2つのブロックに分割され、各ブロックにおいて1行ずつ順次選択される。したがって、2つの行が同時に選択される。
【0157】
縮退数制御信号UNI_REG<4:0>がそれぞれ0,0,1,0である場合は、上位縮退数は4であり、縮退アドレスは最上位のアドレス信号Ad11,Ad10である。この場合、プリデコード信号XF<3:0>はそれぞれ1,1,1,1に固定される。この場合は、全行が4つのブロックに分割され、各ブロックにおいて1行ずつ順次選択される。したがって、4つの行が同時に選択される。同様にして、縮退数制御信号UNI_REG<4:0>を変えることにより、同時に選択する行の数を増やすことができる。
【0158】
図27(a)〜(g)は、可変アドレス縮退機能を用いたハイブリッド電子シャッタ方式を示すタイムチャートであって、図25(a)〜(d)と対比される図である。図27(a)〜(g)において、時刻t0〜t3,t6〜t7では、縮退数制御信号UNI_REG<4:0>をそれぞれ0,0,0,1として上位縮退数を2とし、全行を2つのブロックに分割する。また、時刻t4〜t5では、縮退数制御信号UNI_REG<4:0>をそれぞれ0,0,0,0として上位縮退数を1とし、ブロック分割を行なわない。
【0159】
時刻t0〜t1において行選択アドレス信号AdN〜Ad0を順次インクリメントし、2つのブロックの各々においてRST用デコード部の個別ラッチ回路を1つずつ順次セットする。これにより、図25(a)〜(d)の場合の2分の1の時間で全行のリセット信号RSTが「H」レベルに活性化(アサート)される。転送信号TXの活性化および非活性化(ネゲート)は、3つのステップS81〜S83に分けて行なわれる。
【0160】
ステップS81では、行選択アドレス信号AdN〜Ad0を順次インクリメント(+1)して、2つのブロックの各々において全個別ラッチ回路L<n>を順次セットする(時刻t2〜t3)。これにより、図25(a)〜(d)の場合の2分の1の時間で全行の転送信号TXが「H」レベルに活性化される。ステップS82では、全個別ラッチ回路L<n>をセット状態に維持する。
【0161】
ステップS83では、行選択アドレス信号AdN〜Ad0を所定の周期で順次デクリメント(−1)するとともに、所定の周期でアドレスによるラッチのリセット信号TXADD_RESETが所定時間だけ「H」レベルにする(時刻t4〜t5)。これにより、転送信号TXが1行分ずつ「L」レベルにされ、メカシャッタと同様のタイミングで電子シャッタが駆動される。
【0162】
時刻t6〜t7において行選択アドレス信号AdN〜Ad0を順次デクリメントし、2つのブロックの各々において全RST用デコード部の個別ラッチ回路を順次リセットする。これにより、図25(a)〜(d)の場合の2分の1の時間で全行のリセット信号RSTが「L」レベルに非活性化される。時刻t8〜t9において、メカシャッタが閉じられてハイブリッド電子シャッタによる静止画の撮影(露光)が終了する。
【0163】
本実施の形態3では、アドレス縮退を行なわない場合と比較して、信号TXをアサートさせるのに必要な動作時間を2分の1に短縮することができる。
【0164】
また、本実施の形態3では、アドレス縮退数を調整することにより、電源電圧のIRドロップ量の増大による不具合が発生しない範囲内で、信号TXをアサートさせるのに必要な動作時間を最短時間に設定することができる。
【0165】
(ローリング電子シャッタ方式)
図28(a)〜(h)は、実施の形態1,3におけるローリング電子シャッタを模式的に示すタイムチャートである。実施の形態1では、図28(b)(c)に示すように、同じ行グループの複数行の画素回路10をリセットする場合、各行ごとにアクセスする必要がある。また、1水平期間ごとに1信号ずつ「アドレスによるラッチのセット」(図28(b)(c)における上向きの矢印)と「全ラッチのリセット信号による全ラッチのリセット」(図28(b)(c)における上向きの矢印)を繰り返す必要があるため、動作時間と動作電流が大きくなる。
【0166】
これに対して本実施の形態3では、図28(d)(e)に示すように、ラッチ回路のセットを保持できるため、「アドレスによるラッチのセット」(図28(d)(e)における上向きの矢印)と「アドレスによるラッチのリセット」(図28(d)(e)における下向きの矢印)は1回ずつで済むので、無駄な動作時間と動作電流が発生しない。
【0167】
(信号のオーバーラップ動作)
図29(a)〜(x)は、転送信号TXのオーバーラップ動作を示すタイムチャートである。図29(a)〜(x)において、オーバーラップ動作時には、成形信号TX_DRVは「H」レベルに固定される。図29(a)〜(k)では、時刻t1において転送信号TX<0>が「H」レベルである状態が示されている。
【0168】
たとえば時刻t1〜t2のステップS91では、リセット信号TXALL_RESET1を「L」レベルにして全行選択デコード回路71のトランジスタQ8を非導通にする。これにより、共用ラッチ回路のリセットが解除される。
【0169】
ステップS92では、第1行を示す行選択アドレス信号AdN〜Ad0を与えるとともに、アドレスによるラッチのセット信号TXADD_SETをイネーブルにする。これにより、下位2ビットを除くアドレス信号AdN〜Ad2によって選択されている行グループの共用ラッチ回路がセットされてノードN3が「H」レベルにされる。また、下位2ビットのアドレス信号Ad1,Ad0によって選択されている行の個別ラッチ回路L<1>がセットされる。個別ラッチ回路L<1>がリセットされると、成形回路37の論理積回路AND5<1>の一方入力ノードが「H」レベルとなり、転送信号TX<1>が「L」レベルから「H」レベルに立ち上げられる。
【0170】
ステップS93では、第0行を示す行選択アドレス信号AdN〜Ad0を与えるとともに、アドレスによるラッチのリセット信号TXADD_RESETをイネーブルにする。これにより、下位2ビットのアドレス信号Ad1,Ad0によって選択されている行の個別ラッチ回路L<0>がリセットされる。個別ラッチ回路L<0>がセットされると、成形回路37の論理積回路AND5<0>の一方入力ノードが「L」レベルとなり、転送信号TX<0>が「H」レベルから「L」レベルに立ち下げられる。したがって、図29(x)のオーバーラップ期間T1では、転送信号TX<0>,TX<1>がともに「H」レベルになる。
【0171】
ステップS94では、リセット信号TXALL_RESET1を「H」レベルにして全行選択デコード回路71のトランジスタQ8を導通させる。これにより、共用ラッチ回路がリセットされる。そして、次の行の動作に備える。以上の4つのステップS91〜S94を、行選択アドレス信号AdN〜Ad0をインクリメント(−1)して、行ごとに繰り返す。
【0172】
具体例としては、選択信号SELのオーバーラップ動作が挙げられる。図3で示したように、選択信号SELを活性化レベルの「H」レベルにすると、ノードN12の電圧に応じたレベルの電流が垂直信号線LVに流れる。全行の選択信号SELが非活性化レベルの「L」レベルにされると、垂直信号線LVに電流が流れず、垂直信号線LVの電圧が接地電圧GNDまで低下してしまい、次の動作に悪影響が発生する。しかし、本実施の形態3では、選択信号SELのオーバーラップが可能となり、全行の選択信号SELのうちのいずれか1つの選択信号SELを必ず活性化レベルにすることができる。したがって、垂直信号線LVの電圧が接地電圧GNDまで低下してしまうことを防止することができる。
【0173】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0174】
1 画素アレイ、2 垂直走査部、3 水平走査部、4 タイミングジェネレータ、5 出力回路、10,40〜43 画素回路、11 フォトダイオード、12 転送トランジスタ、13 リセットトランジスタ、14 増幅トランジスタ、15 選択トランジスタ、20,50,60 制御回路、21,26,61,62 プリデコーダ、22,51 成形信号生成回路、23〜25,27,63〜66 電圧レベルシフト回路、30 信号発生回路、31,52,70 TXデコード部、32 RST用デコード部、33 SEL用デコード部、35,53,71 行選択デコード回路、36 レベルシフタ、37 成形回路、38 出力バッファ、A,B,C 領域、AND 論理積回路、BUF バッファ、FF 記憶素子、INV インバータ、L 個別ラッチ回路、LR,LT,LS 水平信号線、LV 垂直信号線、OR 論理和回路、P PチャネルMOSトランジスタ、Q NチャネルMOSトランジスタ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数行複数列に配置され、各々が、複数の制御信号によって制御され、入射光を電気信号に変換する複数の画素回路と、各行に対応して設けられ、それぞれ前記複数の制御信号を伝達するための複数の水平信号線と、それぞれ前記複数列に対応して設けられた複数の垂直信号線とを含む画素アレイと、
前記複数行のうちのいずれかの行を選択する選択回路と、
各制御信号に対応して設けられ、前記選択回路によって選択された行の対応の水平信号線を介して、その行の複数の画素回路の各々に対応の制御信号を与える制御信号発生回路と、
前記選択回路によって選択された行の複数の画素回路から前記複数の垂直信号線に出力された複数の電気信号を読み出す読出回路とを備え、
前記制御信号発生回路は、
各行に対応して設けられ、前記選択回路によって対応の行が選択されている場合は第1の信号を選択レベルにし、前記選択回路によって対応の行が選択されていない場合は前記第1の信号を非選択レベルにする論理回路と、
各行に対応して設けられ、対応の第1の信号が選択レベルにされた場合にセットされて第2の信号を活性化レベルにし、リセット信号によってリセットされて前記第2の信号を非活性化レベルにするラッチ回路と、
前記選択回路に同期して成形信号を発生する成形信号発生回路と、
各行に対応して設けられ、対応の第2の信号が活性化レベルにされている場合に前記成形信号を対応の制御信号として対応の行の水平信号線に与えるゲート回路とを含み、
前記第1の信号の選択レベルは第1の電源電圧であり、
前記第2の信号の活性化レベルは前記第1の電源電圧よりも高い第2の電源電圧であり、
前記ラッチ回路は、前記第1の信号の電圧レベルを前記第1の電源電圧から前記第2の電源電圧に変換して前記第2の信号として出力する電圧レベルシフト回路を兼ねている、イメージセンサ。
【請求項2】
複数行複数列に配置され、各々が、複数の制御信号によって制御され、入射光を電気信号に変換する複数の画素回路と、各行に対応して設けられ、それぞれ前記複数の制御信号を伝達するための複数の水平信号線と、それぞれ前記複数列に対応して設けられた複数の垂直信号線とを含む画素アレイと、
前記複数行のうちのいずれかの行を選択する選択回路と、
各制御信号に対応して設けられ、前記選択回路によって選択された行の対応の水平信号線を介して、その行の複数の画素回路の各々に対応の制御信号を与える制御信号発生回路と、
前記選択回路によって選択された行の複数の画素回路から前記複数の垂直信号線に出力された複数の電気信号を読み出す読出回路とを備え、
前記複数行は、予めM行(ただし、Mは2以上の整数である)ずつ複数の行グループに分割され、
前記選択回路は、
前記複数の行グループのうちのいずれかの行グループを選択する第1の副選択回路と、
前記第1の副選択回路によって選択された行グループに属するM行のうちのいずれかの行を選択する第2の副選択回路とを含み、
前記制御信号発生回路は、
各行グループに対応して設けられ、前記第1の副選択回路によって対応の行グループが選択されている場合は第1の信号を選択レベルにし、前記第1の副選択回路によって対応の行が選択されていない場合は前記第1の信号を非選択レベルにする論理回路と、
各行グループに対応して設けられ、対応の第1の信号が選択レベルにされた場合にセットされて第2の信号を活性化レベルにし、リセット信号によってリセットされて前記第2の信号を非活性化レベルにするラッチ回路と、
それぞれM行に対応して前記複数の行グループに共通に設けられ、各々が、前記第2の副選択回路によって対応の行が選択された場合に成形信号を発生するM個の成形信号発生回路と、
それぞれ各行グループのM行に対応して設けられ、各々が、対応の第2の信号が活性化レベルにされている場合に、対応の成形信号発生回路で生成された前記成形信号を対応の制御信号として対応の水平信号線に与えるM個のゲート回路とを含み、
前記第1の信号の選択レベルは第1の電源電圧であり、
前記第2の信号の活性化レベルは前記第1の電源電圧よりも高い第2の電源電圧であり、
前記ラッチ回路は、前記第1の信号の電圧レベルを前記第1の電源電圧から前記第2の電源電圧に変換して前記第2の信号として出力する電圧レベルシフト回路を兼ねている、イメージセンサ。
【請求項3】
複数行複数列に配置され、各々が、複数の制御信号によって制御され、入射光を電気信号に変換する複数の画素回路と、各行に対応して設けられ、それぞれ前記複数の制御信号を伝達するための複数の水平信号線と、それぞれ前記複数列に対応して設けられた複数の垂直信号線とを含む画素アレイと、
前記複数行のうちのいずれかの行を選択する選択回路と、
各制御信号に対応して設けられ、前記選択回路によって選択された行の対応の水平信号線を介して、その行の複数の画素回路の各々に対応の制御信号を与える制御信号発生回路と、
前記選択回路によって選択された行の複数の画素回路から前記複数の垂直信号線に出力された複数の電気信号を読み出す読出回路とを備え、
前記複数行は、予めM行(ただし、Mは2以上の整数である)ずつ複数の行グループに分割され、
前記選択回路は、
前記複数の行グループのうちのいずれかの行グループを選択する第1の副選択回路と、
前記第1の副選択回路によって選択された行グループに属するM行のうちのいずれかの行を選択する第2の副選択回路とを含み、
前記制御信号発生回路は、
各行グループに対応して設けられ、前記第1の副選択回路によって対応の行グループが選択されている場合は第1の信号を選択レベルにし、前記第1の副選択回路によって対応の行が選択されていない場合は前記第1の信号を非選択レベルにする論理回路と、
各行グループに対応して設けられ、対応の第1の信号が選択レベルにされた場合にセットされて第2の信号を活性化レベルにし、リセット信号によってリセットされて前記第2の信号を非活性化レベルにするラッチ回路と、
前記第2の副選択回路に同期して成形信号を発生する成形信号発生回路と、
それぞれ各行グループのM行に対応して設けられて対応の第2の信号が活性化レベルにされた場合に活性化され、各々が、副セット信号によってセットされ、副リセット信号によってリセットされるM個の副ラッチ回路と、
前記M個の副ラッチ回路のうちの前記第2の副選択回路によって選択された行に対応する副ラッチ回路に前記副セット信号または前記副リセット信号を与えるラッチ制御回路と、
各行に対応して設けられ、対応の副ラッチ回路がセットされている場合に、前記成形信号を対応の制御信号として対応の水平信号線に与えるゲート回路とを含み、
前記第1の信号の選択レベルは第1の電源電圧であり、
前記第2の信号の活性化レベルは前記第1の電源電圧よりも高い第2の電源電圧であり、
前記ラッチ回路は、前記第1の信号の電圧レベルを前記第1の電源電圧から前記第2の電源電圧に変換して前記第2の信号として出力する電圧レベルシフト回路を兼ねている、イメージセンサ。
【請求項4】
前記選択回路は、さらに、縮退モード時に前記複数の行グループをm個(ただし、mは2以上の整数である)ずつ複数のブロックに分割する縮退回路を含み、
前記第1の副選択回路は、前記縮退モード時には、前記複数のブロックの各々においてm個の行グループを順次選択する、請求項3に記載のイメージセンサ。
【請求項5】
前記第1の信号の非選択レベルおよび前記第2の信号の非活性化レベルの各々は基準電圧であり、
前記ラッチ回路は、
第1のノードと前記基準電圧のラインとの間に接続され、対応の第1の信号が選択レベルにされている場合に導通する第1のスイッチング素子と、
前記第1のノードと第2のノードとの間に接続された第1のインバータと、
前記第2のノードと前記第1のノード間に接続された第2のインバータとを含み、
前記第1および第2のインバータの各々は、前記第2の電源電圧および前記基準電圧によって駆動され、
前記第2の信号は前記第2のノードに現れる信号である、請求項1から請求項4までのいずれかに記載のイメージセンサ。
【請求項6】
前記ラッチ回路は、さらに、前記第2の電源電圧のラインと前記第1のノードとの間に接続され、前記リセット信号に応答して導通する第2のスイッチング素子を含む、請求項5に記載のイメージセンサ。
【請求項7】
前記ラッチ回路は、さらに、前記第2のノードと前記基準電圧のラインとの間に接続され、対応の第1の信号が選択レベルにされている場合は前記リセット信号に応答して導通し、対応の第1の信号が非選択レベルである場合は非導通になる第2のスイッチング素子を含む、請求項5に記載のイメージセンサ。
【請求項8】
前記ラッチ回路は、さらに、前記第2のノードと前記基準電圧のラインとの間に接続され、前記リセット信号に応答して導通する第2のスイッチング素子を含む、請求項5に記載のイメージセンサ。
【請求項9】
前記制御信号発生回路は、さらに、前記ラッチ回路と前記ゲート回路の間に設けられ、対応の第2の信号の非活性化レベルを前記基準電圧よりも低い第3の電源電圧にシフトさせる副電圧レベルシフト回路を含み、
前記副電圧レベルシフト回路および前記ゲート回路の各々は、前記第2および第3の電源電圧によって駆動される、請求項1から請求項8までのいずれかに記載のイメージセンサ。
【請求項1】
複数行複数列に配置され、各々が、複数の制御信号によって制御され、入射光を電気信号に変換する複数の画素回路と、各行に対応して設けられ、それぞれ前記複数の制御信号を伝達するための複数の水平信号線と、それぞれ前記複数列に対応して設けられた複数の垂直信号線とを含む画素アレイと、
前記複数行のうちのいずれかの行を選択する選択回路と、
各制御信号に対応して設けられ、前記選択回路によって選択された行の対応の水平信号線を介して、その行の複数の画素回路の各々に対応の制御信号を与える制御信号発生回路と、
前記選択回路によって選択された行の複数の画素回路から前記複数の垂直信号線に出力された複数の電気信号を読み出す読出回路とを備え、
前記制御信号発生回路は、
各行に対応して設けられ、前記選択回路によって対応の行が選択されている場合は第1の信号を選択レベルにし、前記選択回路によって対応の行が選択されていない場合は前記第1の信号を非選択レベルにする論理回路と、
各行に対応して設けられ、対応の第1の信号が選択レベルにされた場合にセットされて第2の信号を活性化レベルにし、リセット信号によってリセットされて前記第2の信号を非活性化レベルにするラッチ回路と、
前記選択回路に同期して成形信号を発生する成形信号発生回路と、
各行に対応して設けられ、対応の第2の信号が活性化レベルにされている場合に前記成形信号を対応の制御信号として対応の行の水平信号線に与えるゲート回路とを含み、
前記第1の信号の選択レベルは第1の電源電圧であり、
前記第2の信号の活性化レベルは前記第1の電源電圧よりも高い第2の電源電圧であり、
前記ラッチ回路は、前記第1の信号の電圧レベルを前記第1の電源電圧から前記第2の電源電圧に変換して前記第2の信号として出力する電圧レベルシフト回路を兼ねている、イメージセンサ。
【請求項2】
複数行複数列に配置され、各々が、複数の制御信号によって制御され、入射光を電気信号に変換する複数の画素回路と、各行に対応して設けられ、それぞれ前記複数の制御信号を伝達するための複数の水平信号線と、それぞれ前記複数列に対応して設けられた複数の垂直信号線とを含む画素アレイと、
前記複数行のうちのいずれかの行を選択する選択回路と、
各制御信号に対応して設けられ、前記選択回路によって選択された行の対応の水平信号線を介して、その行の複数の画素回路の各々に対応の制御信号を与える制御信号発生回路と、
前記選択回路によって選択された行の複数の画素回路から前記複数の垂直信号線に出力された複数の電気信号を読み出す読出回路とを備え、
前記複数行は、予めM行(ただし、Mは2以上の整数である)ずつ複数の行グループに分割され、
前記選択回路は、
前記複数の行グループのうちのいずれかの行グループを選択する第1の副選択回路と、
前記第1の副選択回路によって選択された行グループに属するM行のうちのいずれかの行を選択する第2の副選択回路とを含み、
前記制御信号発生回路は、
各行グループに対応して設けられ、前記第1の副選択回路によって対応の行グループが選択されている場合は第1の信号を選択レベルにし、前記第1の副選択回路によって対応の行が選択されていない場合は前記第1の信号を非選択レベルにする論理回路と、
各行グループに対応して設けられ、対応の第1の信号が選択レベルにされた場合にセットされて第2の信号を活性化レベルにし、リセット信号によってリセットされて前記第2の信号を非活性化レベルにするラッチ回路と、
それぞれM行に対応して前記複数の行グループに共通に設けられ、各々が、前記第2の副選択回路によって対応の行が選択された場合に成形信号を発生するM個の成形信号発生回路と、
それぞれ各行グループのM行に対応して設けられ、各々が、対応の第2の信号が活性化レベルにされている場合に、対応の成形信号発生回路で生成された前記成形信号を対応の制御信号として対応の水平信号線に与えるM個のゲート回路とを含み、
前記第1の信号の選択レベルは第1の電源電圧であり、
前記第2の信号の活性化レベルは前記第1の電源電圧よりも高い第2の電源電圧であり、
前記ラッチ回路は、前記第1の信号の電圧レベルを前記第1の電源電圧から前記第2の電源電圧に変換して前記第2の信号として出力する電圧レベルシフト回路を兼ねている、イメージセンサ。
【請求項3】
複数行複数列に配置され、各々が、複数の制御信号によって制御され、入射光を電気信号に変換する複数の画素回路と、各行に対応して設けられ、それぞれ前記複数の制御信号を伝達するための複数の水平信号線と、それぞれ前記複数列に対応して設けられた複数の垂直信号線とを含む画素アレイと、
前記複数行のうちのいずれかの行を選択する選択回路と、
各制御信号に対応して設けられ、前記選択回路によって選択された行の対応の水平信号線を介して、その行の複数の画素回路の各々に対応の制御信号を与える制御信号発生回路と、
前記選択回路によって選択された行の複数の画素回路から前記複数の垂直信号線に出力された複数の電気信号を読み出す読出回路とを備え、
前記複数行は、予めM行(ただし、Mは2以上の整数である)ずつ複数の行グループに分割され、
前記選択回路は、
前記複数の行グループのうちのいずれかの行グループを選択する第1の副選択回路と、
前記第1の副選択回路によって選択された行グループに属するM行のうちのいずれかの行を選択する第2の副選択回路とを含み、
前記制御信号発生回路は、
各行グループに対応して設けられ、前記第1の副選択回路によって対応の行グループが選択されている場合は第1の信号を選択レベルにし、前記第1の副選択回路によって対応の行が選択されていない場合は前記第1の信号を非選択レベルにする論理回路と、
各行グループに対応して設けられ、対応の第1の信号が選択レベルにされた場合にセットされて第2の信号を活性化レベルにし、リセット信号によってリセットされて前記第2の信号を非活性化レベルにするラッチ回路と、
前記第2の副選択回路に同期して成形信号を発生する成形信号発生回路と、
それぞれ各行グループのM行に対応して設けられて対応の第2の信号が活性化レベルにされた場合に活性化され、各々が、副セット信号によってセットされ、副リセット信号によってリセットされるM個の副ラッチ回路と、
前記M個の副ラッチ回路のうちの前記第2の副選択回路によって選択された行に対応する副ラッチ回路に前記副セット信号または前記副リセット信号を与えるラッチ制御回路と、
各行に対応して設けられ、対応の副ラッチ回路がセットされている場合に、前記成形信号を対応の制御信号として対応の水平信号線に与えるゲート回路とを含み、
前記第1の信号の選択レベルは第1の電源電圧であり、
前記第2の信号の活性化レベルは前記第1の電源電圧よりも高い第2の電源電圧であり、
前記ラッチ回路は、前記第1の信号の電圧レベルを前記第1の電源電圧から前記第2の電源電圧に変換して前記第2の信号として出力する電圧レベルシフト回路を兼ねている、イメージセンサ。
【請求項4】
前記選択回路は、さらに、縮退モード時に前記複数の行グループをm個(ただし、mは2以上の整数である)ずつ複数のブロックに分割する縮退回路を含み、
前記第1の副選択回路は、前記縮退モード時には、前記複数のブロックの各々においてm個の行グループを順次選択する、請求項3に記載のイメージセンサ。
【請求項5】
前記第1の信号の非選択レベルおよび前記第2の信号の非活性化レベルの各々は基準電圧であり、
前記ラッチ回路は、
第1のノードと前記基準電圧のラインとの間に接続され、対応の第1の信号が選択レベルにされている場合に導通する第1のスイッチング素子と、
前記第1のノードと第2のノードとの間に接続された第1のインバータと、
前記第2のノードと前記第1のノード間に接続された第2のインバータとを含み、
前記第1および第2のインバータの各々は、前記第2の電源電圧および前記基準電圧によって駆動され、
前記第2の信号は前記第2のノードに現れる信号である、請求項1から請求項4までのいずれかに記載のイメージセンサ。
【請求項6】
前記ラッチ回路は、さらに、前記第2の電源電圧のラインと前記第1のノードとの間に接続され、前記リセット信号に応答して導通する第2のスイッチング素子を含む、請求項5に記載のイメージセンサ。
【請求項7】
前記ラッチ回路は、さらに、前記第2のノードと前記基準電圧のラインとの間に接続され、対応の第1の信号が選択レベルにされている場合は前記リセット信号に応答して導通し、対応の第1の信号が非選択レベルである場合は非導通になる第2のスイッチング素子を含む、請求項5に記載のイメージセンサ。
【請求項8】
前記ラッチ回路は、さらに、前記第2のノードと前記基準電圧のラインとの間に接続され、前記リセット信号に応答して導通する第2のスイッチング素子を含む、請求項5に記載のイメージセンサ。
【請求項9】
前記制御信号発生回路は、さらに、前記ラッチ回路と前記ゲート回路の間に設けられ、対応の第2の信号の非活性化レベルを前記基準電圧よりも低い第3の電源電圧にシフトさせる副電圧レベルシフト回路を含み、
前記副電圧レベルシフト回路および前記ゲート回路の各々は、前記第2および第3の電源電圧によって駆動される、請求項1から請求項8までのいずれかに記載のイメージセンサ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【公開番号】特開2012−100219(P2012−100219A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−248648(P2010−248648)
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】
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