説明

イメージセンサ

【課題】 受光部の部位によって計測値にバラつきが生じにくいイメージセンサを提供する。
【解決手段】 金属層3を含む上面を有している配線基板1と、受光部2aを有しており、複数の金属部材6によって金属層3に接合されているセンサ素子2とを備えており、複数の金属部材6が、平面視において受光部2aに重なる第1領域5aに設けられた第1金属部材6aと、第1領域5aの周囲の第2領域5bに設けられた第2金属部材6bとを含んでおり、第1金属部材6aが、第2金属部材6bよりも広く設けられているイメージセンサである。受光部2aの中央領域とその周囲領域とで、受光部2aの温度の差を低減して、受光部2aの感度のばらつきを低減する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサ素子を配線基板内に封止したイメージセンサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、センサ素子が内部に封止されたイメージセンサにおいては、上記のセンサ素子の特性を高めるため、センサ素子の封止空間内に存在する気体分子の量を少なくしたものが知られている。
【0003】
上記のセンサ素子として、例えば赤外線センサ素子は、測定対象物から発せられる赤外線の熱エネルギーを受光部でとらえ、温度変化を電気信号に変換して出力する電子部品素子である。このような赤外線センサ素子は、高い分解能を得るためには、受光部へ入射した赤外線エネルギーの拡散による損失を低下させるため、素子構造を断熱構造としたり、素子を収納する配線基板中の雰囲気を真空としたりすることで熱伝導率を抑制している。一般的に熱伝導率の抑制は、封止空間の内部の圧力を低くし、真空度を10-1Pa程度以下にすることが知られている(特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−88088号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、センサ素子は赤外線の熱エネルギーを吸収すると、センサ素子の温度が上昇しやすく、特にセンサ素子の中央領域は中央領域の周りの周囲領域よりも温度が上昇しやすかった。このように、中央領域とその周囲領域とでセンサ素子の温度が異なっていると、センサ素子の受光部の部位によって感度にばらつきが生じ、中央領域と周囲領域とで同じ温度を測定しても計測値が異なって、センサ素子による計測の精度を低下させてしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、受光部の部位によって計測値にバラつきが生じにくいイメージセンサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のイメージセンサは、金属層を含む上面を有している配線基板と、受光部を有しており、複数の金属部材によって前記金属層に接合されているセンサ素子とを備えており、前記複数の金属部材が、平面視において前記受光部に重なる第1領域に設けられた第1金属部材と、前記第1領域の周囲の第2領域に設けられた第2金属部材とを含んでおり、前記第1金属部材が、前記第2金属部材よりも広く設けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明のイメージセンサによれば、複数の金属部材が、平面視において受光部に重なる第1領域に設けられた第1金属部材と、第1領域の周囲の第2領域に設けられた第2金属部材とを含んでおり、第1金属部材が、第2金属部材よりも広く設けられていることから、金属部材を介して配線基板に伝わるセンサ素子の熱量のうち、第1領域から伝わる熱量が、第2領域から伝わる熱量よりも多いので、第1領域と第2領域とで、センサ素子の受光部の温度差を低減して、受光部の感度のばらつきを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】(a)は、本発明の第1の実施形態におけるイメージセンサの平面図であり、(b)は(a)のA−A線断面を示す断面図である。
【図2】(a)は、本発明の第1の実施形態におけるイメージセンサの配線基板を示す平面図であり、(b)は(a)のA−A線断面を示す断面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態におけるイメージセンサの平面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態におけるイメージセンサの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のいくつかの例示的な実施形態について、添付の図面を参照しつつ説明する。
【0011】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態におけるイメージセンサは、図1に示す例のように配線基板1とセンサ素子2とを備えている。配線基板1は、図2に示す例のように絶縁基板1と配線導体1dと金属層3とを含む上面を有している。センサ素子2は、受光部2aを有しており、複数の金属部材6によって金属層3に接合されている。
【0012】
配線基板1は、例えば、セラミックスからなる絶縁基体1の表面や内部に外部端子1eや配線導体1dが形成されたものである。また、絶縁基体1は、酸化アルミニウム質焼結体(アルミナセラミックス),窒化アルミニウム質焼結体,ムライト質焼結体もしくはガラスセラミックス質焼結体等のセラミックスから成るものである。
【0013】
絶縁基体1が、例えば、酸化アルミニウム質焼結体からなる場合には、アルミナ(Al),シリカ(SiO),カルシア(CaO),マグネシア(MgO)等の原料粉末に適当な有機溶剤および溶媒等を添加混合して泥漿状となすとともに、これをドクターブレード法やカレンダーロール法等を採用してシート状に成形してセラミックグリーンシートを得た後、このセラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施すとともに必要に応じて複数枚積層して積層体とし、これを高温(約1500〜1800℃)で焼成することによって製作される。
【0014】
絶縁基体1は図1および図2に示す例においては、平面視で絶縁基体1の凹部1bの側壁とセンサ素子2との間に、センサ素子2を挟む位置に、凹部1bの開口に沿って全周に、凹部1bの底面よりも高い段差面を有するように、段差部1cが形成されている。また、段差部1cは絶縁基体1の凹部1bの側壁とセンサ素子2との間に、センサ素子2を挟む位置に対向するように形成されている。
【0015】
配線導体1dおよび外部端子1eは、タングステン(W),モリブデン(Mo),マンガン(Mn),銀(Ag)または銅(Cu)等の金属材料を用いることができる。このような配線導体1dおよび外部端子1eは、上記の金属粉末メタライズを含んだ導体ペーストを、絶縁基体1用のセラミックグリーンシートにスクリーン印刷法等によって所定形状に印刷して、絶縁基体1用のセラミックグリーンシートと同時に焼成することによって、絶縁基体1に形成される。配線導体1dのうち、セラミックグリーンシートを厚み方向に貫通する貫通導体は、セラミックグリーンシートに形成した貫通孔に、導体ペーストを印刷して充填することによって設ければよい。なお、図1および図2に示す例では、絶縁基体1の段差部1cの上面に露出するように配線導体1dを形成している。
【0016】
このような導体ペーストは、上記金属粉末に適当な有機溶剤および有機バインダーを加え、必要に応じて分散剤等を加えてボールミル,三本ロールミル,プラネタリーミキサー等の混練手段によって混合および混練することで適度な粘度に調整して作製する。また、
セラミックグリーンシートの焼結挙動に合わせたり、焼成後の絶縁基体1との接合強度を高めたりするためにガラスやセラミックスの粉末を添加してもよい。貫通導体用の導体ペーストは、有機バインダーや有機溶剤の種類や添加量によって、配線導体層用の導体ペーストよりも充填に適した高い粘度に調整される。
【0017】
配線導体1dおよび外部端子1eの露出する表面には、電解めっき法や無電解めっき法等のめっき法によって、めっき層が被着される。めっき層は、ニッケルおよび金等の耐蝕性や接続部材7等との接続性に優れる金属からなるものであり、例えば、厚さ1〜10μm程度のニッケルめっき層と厚さ0.1〜3μm程度の金めっき層とが順次被着される。これ
によって、配線導体1dおよび外部端子1eが腐食することを効果的に抑制することができる。また、接続部材7との接合および外部端子1eと外部電気回路基板の配線との接続を強固にすることができる。
【0018】
金属層3は、図2に示す例のように、配線基板1の凹部1bの底面に、平面視で外形が四角形状となるように形成されている。また、金属層3は、配線導体1dおよび外部端子1eと同様の材料を用いて、同様の方法で形成される。
【0019】
センサ素子2として例えば赤外線センサ素子を用いる場合は、上面に赤外線を受光するための受光部2aを有しており、配線基板1の凹部1bの底面に、金属部材6を介して接合されて配置されている。また、センサ素子2はボンディングワイヤからなる接続部材7によって配線導体1dに電気的に接続されている。
【0020】
金属部材6は、第1金属部材6aと第2金属部材6bとを含んで複数設けられており、第1金属部材6aが、第2金属部材6bよりも広く設けられている。第1金属部材6aは平面視において受光部2aに重なる第1領域5aに設けられている。第2金属部材6bは平面視において第1領域5aの周囲の第2領域5bに設けられている。
【0021】
金属部材6は、金(Au),銀(Ag),亜鉛(Zn),錫(Sn),銅(Cu)およびこれらの合金を主成分とする金属を用いることができ、金属層3上にセンサ素子2を配置して接合するためのものである。このような金属部材6は、金属粉末メタライズを含んだ金属シートまたは金属ペーストを金属層3上に配置して、金属シートまたは金属ペーストの上にセンサ素子2を配置した後、金属部材6をガラス転移温度以上に加熱して、金属部材6を燒結することによってセンサ素子2と金属層3とを接合して形成される。なお、金属部材6として、銀または銅を用いると熱伝導率を高めるのに有効であり、特に銀を用いるとさらに接合強度を高める上でも有効である。
【0022】
このような金属部材6は、金属ペーストを用いる場合には上記した金属部材6用の材料を用いて、配線導体1dおよび外部端子1eと同様の方法で形成される。
【0023】
金属部材6は、平面視でセンサ素子2の受光部2aと重なる第1領域5aの中央部に設けられた第1金属部材6aが、第1領域5aの周囲の第2領域5bに設けられた第2金属部材6bよりも広く設けられている。すなわち、金属部材6は図2に示す例のように、平面視で第1金属部材6aの面積が第2金属部材6bの面積の合計に比べて大きく設けられていればよい。
【0024】
第2金属部材6bは複数設けられていてもよく、複数の第2金属部材6bが第1金属部材6aを囲むように少なくとも3箇所に設けられていると、センサ素子2が傾くことを抑制する。また、複数設けられた第2金属部材6bは、図2に示す例のように、平面視で受光部2aと重なる領域の中央部を対称点として点対称に設けられていると、第2領域5bと重なる受光部2aの温度差を低減する。なお、センサ素子2が矩形状である場合には、
第2金属部材6bはセンサ素子2の四つの角部に対応するように設けられているとセンサ素子2をより安定して支持する。
【0025】
なお、金属部材6は、平面視での面積がセンサ素子2の下面の面積の30〜70%程度として、平面視で円形状としておくと金属部材6から発生する気体を効率よく放出させる。また、焼結後の残留応力を低減できるため、接合信頼性を高める上でも有効である。
【0026】
配線基板1の上面には外周部が配線基板1に接合されてセンサ素子2を覆っている蓋体8が設けられている。蓋体8は、凹部1bを封止するように配線基板1上に配置されている。イメージセンサが赤外線センサである場合には、蓋体8は赤外線を透過する材料であればよく、例えば、ゲルマニウム(Ge),シリコン(Si),硫化亜鉛(ZnS)またはこれらを含む合金から作製される。
【0027】
また、このような蓋体8はその外周側で、ろう材またははんだ等の接合材8aを介して絶縁基体1と接合されている。接合材8aを介して絶縁基体1と蓋体8とを接合することによって、絶縁基体1と蓋体8との間を封止することができる。接合材8aとしては、金(Au),銀(Ag),亜鉛(Zn),すず(Sn),銅(Cu)およびこれらの合金を主成分とする金属を用いることができる。
【0028】
また、蓋体8の下面には図1に示す例のように、ゲッター材9が設けられていることが好ましい。ゲッター材9は、平面視で開口が受光部2aよりも大きく、開口の内側に受光部2aが位置するような貫通孔9aを有している。ゲッター材9を配置することによって、蓋体8で封止した後に、凹部1b内に存在する気体分子をゲッター材9によって吸着して、凹部1bを高真空状態とすることができる。
【0029】
ゲッター材9の材料としては、化学的に活性な部材を用いる。具体的には、チタン(Ti),ジルコニウム(Zr),鉄(Fe)およびバナジウム(V)を主成分とする金属を用いることができ、一般的な蒸着方法またはスパッタリング方法によって配置することができる。
【0030】
ゲッター材9の配置の方法としては、まず上記の金属の粉末をニトロセルロース樹脂およびエチルセルロース樹脂等の有機溶剤と混合して導体ペーストを作製し、この導体ペーストをスクリーン印刷法等の印刷法を用いて印刷する。その後、不活性ガス雰囲気中(例えばアルゴン(Ar)雰囲気中)や真空雰囲気中において250〜500℃で加熱して、有機溶剤を蒸発させて除去することによって、ゲッター材料を蓋体8の下面に配置してゲッター材9を配置する。または、ゲッター材料をタブレット状にして接着剤などを用いて封止空間内に接着させて配置しても良い。また、ゲッター材9は厚さが0.5〜1μmであること
が好ましい。ゲッター材9の厚みが0.5μm以上である場合には、安定してガス吸着の効
果を得ることができる。また、ゲッター材9の厚みが1μm以下である場合には、ゲッター材9の熱容量が過度に大きくなることを抑制できるので、ゲッター材9を加熱したときに、ゲッター材9を均一に活性させるのに有効である。
【0031】
これは、ゲッター材9の表面に吸着したガスとの化合物による酸化膜のような皮膜が形成されている場合にはゲッター材9による気体分子を吸着する効果が小さくなるが、ゲッター材9を加熱することによって、ゲッター材9の表面に存在するガスとの化合物をゲッター材9の内部に拡散させることができるためである。このことによって、ゲッター材9の表面に新しい活性面を形成できるので、ゲッター材9による気体分子を吸着する効果を再び向上させることができる。なお、ゲッター材9の表面に新しい活性面を効率良く形成するためには、ゲッター材9は250〜500℃で加熱することが好ましい。
【0032】
次に、第1の実施形態におけるイメージセンサの製造方法について詳細に説明する。
【0033】
まず、主面上に凹部1bおよび段差部1cを有する絶縁基体1に配線導体1dを形成した配線基板1を準備する。具体的には、アルミナセラミックスまたはムライトセラミックス等のセラミックス材料を主成分とするセラミックグリーンシートを準備し、セラミックグリーンシートにW,Mo,Mn,AgまたはCu等の金属粉末メタライズから成る外部端子1eおよび配線導体1dならびに金属層3用の導体ペーストをスクリーン印刷法等によって所定形状に印刷する。その後、導体ペーストを印刷したセラミックグリーンシートを積層して、凹部1bおよび段差部1cならびに切り欠き1cを有するように積層体を作製する。そして、この積層体を焼成することによって、配線基板1を作製することができる。
【0034】
次に、凹部1bの底面に配置された金属層3上に、Au,Ag,Zn,Sn,Cuまたは、これらの合金を主成分とする金属からなる金属ペーストを設けて、この金属ペースト上にセンサ素子2を配置したのち加熱して金属部材6を焼結する。その後、センサ素子2は、段差部1c上に形成された配線導体1dにワイヤボンディングによって電気的に接続される。
【0035】
このような蓋体8を、絶縁基体1の主面上に配置して凹部1bを封止する。なお、蓋体8は、平面視でセンサ素子2の受光部2aがゲッター材9の貫通孔9a内に位置するように配置される。
【0036】
絶縁基体1と蓋体8とは接合材8aを用いて接合される。接合材8aは、例えば、蓋体8にクラッドされたもの、プリフォームされたものまたはペースト状のものを用いることができる。また、このような接合材8aは、絶縁基体1または蓋体8に金属ペーストを印刷して配置してもよいし、金属シートを配置してもよい。絶縁基体1と蓋体8との接合面に配置された接合材8aを、赤外線のランプヒータ,ヒータブロックまたはヒータープレート等を用いて加熱して溶融させることによって、絶縁基体1と蓋体8とを接合材8aを介して接合することができる。
【0037】
絶縁基板1と蓋体8とを接合して凹部1bを封止する工程は、大気圧よりも低い圧力の下で行なう。これは、センサ素子2の封止空間内の圧力を低くするためである。具体的には、真空チャンバーのような減圧装置を用いて、大気圧よりも低い圧力の中で凹部1bを封止する。このときの真空度は、要求されるセンサ素子2の封止空間の圧力に応じて適宜設定すればよい。
【0038】
なお、このようなイメージセンサを製造する過程において、ゲッター材9を加熱する工程を備えていることが好ましい。ゲッター材9を加熱することによって、ゲッター材9の表面に新しい活性面を形成できるので、ゲッター材9による気体分子を吸着する効果を向上させることができる。
【0039】
特に、蓋体8と絶縁基体1とを接合する工程において上記ゲッター材9を加熱することによって、ゲッター材9を活性化することが好ましい。蓋体8と絶縁基体1とを接合する工程においては、絶縁基体1および蓋体8を加熱することによって絶縁基体1と蓋体8とを接合するので、絶縁基体1、蓋体8、金属部材6および接合材8aから気体が発生しやすい。そのため、蓋体8と絶縁基体1とを接合する工程においてゲッター材9を活性化させることによって、ゲッター材9によって気体分子を吸着する効果を高めて、センサ素子2の封止空間の内圧をより小さくすることができるからである。
【0040】
以上のような製造方法によって、第1の実施形態のイメージセンサを製造できる。
【0041】
このような本発明の第1の実施形態におけるイメージセンサによれば、複数の金属部材6が、平面視において受光部2aに重なる第1領域5aに設けられた第1金属部材6aと、第1領域5aの周囲の第2領域5bに設けられた第2金属部材6bとを含んでおり、第1金属部材6aが、第2金属部材6bよりも広く設けられていることから、金属部材6を介して配線基板1に伝わる受光部2aの熱量のうち、第1領域5aから伝わる熱量が、第2領域5bから伝わる熱量よりも多いので、第1領域5aと第2領域5bとで、受光部2aの温度の差を低減して、受光部2aの感度のばらつきを低減できる。
【0042】
また、第1の実施形態のイメージセンサは、図2に示す例のように、複数設けられた第2金属部材6bが、平面視で受光部2aと重なる領域の中央部を対称点として点対称に設けられていることから、第2領域5bと重なる受光部2aの熱が第2金属部材6bに均等に伝わるので、第2領域5bと重なる部分においても受光部2aの温度差を低減して、受光部2aの感度のばらつきを低減できる。
【0043】
なお、第1の実施形態のイメージセンサは、センサ素子2を金属層3に接合する工程において、センサ素子2と金属層3との間に、平面視で複数の金属部材6が設けられているので、金属部材6を加熱したときに、金属部材6に含まれている気体成分を効率よく排出できる。したがって、例えばイメージセンサに蓋を接合する工程のように、イメージセンサを加熱したときに、金属部材6が再度加熱された場合でも、金属部材6から発生する気体の量を低減して、封止空間内の真空度を高めるのに有効である。
【0044】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態によるイメージセンサについて、図3および図4を参照しつつ説明する。
【0045】
本発明の第2の実施形態におけるイメージセンサにおいて、第1の実施形態と異なる部分は、図3に示す例のように、第1金属部材6aが複数設けられている点である。その他の構成については、第1の実施形態と同様である。
【0046】
このような第2の実施形態におけるイメージセンサは、第1金属部材6aが複数設けられているので、第1領域5aと重なる受光部2aにおいて温度の高い領域が複数ある場合に、温度の高い領域に対応するように第1金属部材6aを配置できるので、第1領域5aにおける受光部2aの温度の差を低減できる。
【0047】
また、第2の実施形態におけるイメージセンサは、図4に示す例のように金属部材6が格子状に設けられていてもよい。金属部材6が格子状に設けられている場合でも、第1領域に設けられた第1金属部材6aが第2金属部材6bよりも大きく設けられていればよい。
【0048】
なお、図3および図4に示す例のように、第1金属部材6aが複数設けられている場合には、平面視で第1金属部材6aの合計の面積が第2金属部材6bの合計の面積よりも大きければよい。
【0049】
なお、本発明は上述の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。例えば、金属部材6は接合材8aよりも焼結温度の高い材料を用いることが望ましい。金属部材6を加熱して焼結した後、接合材8aを加熱して焼結したときに、金属部材6が溶融または再焼結して金属部材6から気体が発生することを抑制するのに有効である。
【符号の説明】
【0050】
1・・・配線基板
1a・・・絶縁基体
1b・・・凹部
1c・・・段差部
1d・・・配線導体
1e・・・外部端子
2・・・センサ素子
2a・・・受光部
3・・・金属層
5a・・・第1領域
5b・・・第2領域
6・・・金属部材
6a・・・第1金属部材
6b・・・第2金属部材
7・・・接続部材
8・・・蓋体
8a・・・接合材
9・・・ゲッター材
9a・・・貫通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属層を含む上面を有している配線基板と、受光部を有しており、複数の金属部材によって前記金属層に接合されているセンサ素子とを備えており、
前記複数の金属部材が、平面視において前記受光部に重なる第1領域に設けられた第1金属部材と、前記第1領域の周囲の第2領域に設けられた第2金属部材とを含んでおり、前記第1金属部材が、前記第2金属部材よりも広く設けられていることを特徴とするイメージセンサ。
【請求項2】
前記金属層において、平面視で前記第2金属部材が前記第1領域の中央部を対称点として点対称に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−70249(P2013−70249A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−207507(P2011−207507)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】