説明

イメージング及び治療用のイメージング及び治療のエンドキットにおけるシュタウディンガーライゲーションの使用

ターゲッティグされた分子のイメージング及び分子治療における、シュタウディンガーライゲーションのような共有結合的なライゲーションを提供する選択的な化学の且つバイオ直交性の反応の使用が、より具体的には、予めターゲッティグされたイメージング又は治療用の興味深い用途と共に、与えられる。現行の予めターゲッティグされたイメージングは、それが、単独で天然の/生物学的なターゲッティングの構築物(即ち、ビオチン/ストレプタビジン)に頼るという事実によって、阻害される。それらの内因性の性質と関連した大きさの考慮及び限定は、用途の数をひどく限定する。本発明は、生理学的な条件の下で安定な付加物を形成する非生物的なバイオ直交性の反応の使用が、小さい又は検出不能な結合によって、どのようにこれらの限定を克服することができるかを記載する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療のイメージング及び治療に用いる、新規な化合物、キット及び方法に関する。本発明は、また、予めターゲッティングされたイメージング及び/又は治療のための新規な化合物及びキットに並びにそれらの生産及び使用の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[Kohn&Breinbauer(2004)Angew.Chem.Int.Ed.43,3106−3116(非特許文献1)において概説された]細胞の表面のグリコシル化を研究するための、アジドとホスフィンとの間の古典的なシュタウディンガー(Staudinger)反応(図1のスキーム1)に基づいた、化学選択的なライゲーションは、Bertozzi及び共同研究者によって適用された。
【0003】
さらなる変更は、トレースレスシュタウディンガーライゲーションと呼ばれ、且つ、図2に描かれる。シュタウディンガーライゲーションを使用して、Bertozzi及び共同研究者は、N−アジドアセチルマンノサミン(N-azidoacetylmannosamine)(ManNAz)が、対応するシアル酸へ代謝で転換され、且つ、細胞の表面の複合糖質の中へ組み込まれたことを立証してきた。アジドは、外因性のホスフィン試薬とのシュタウディンガーライゲーションについて細胞の表面で利用可能であった。対照実験は、(グルタチオンのような)内因性のモノチオール類によるアジドの還元もホスフィンプローブによる細胞の表面におけるジスルフィド類の還元もいずれも決して起こらないことを明らかにした。
【0004】
この技術(“代謝の干渉”)の適用は、細胞における新しいグリコシル化のパターンを化学的に構築すること(グリコシル化の機能をプローブすること)による細胞の表面の組成の工学技術を含む。また、反応は、細胞の環境内でタギングするために使用されてきた。たとえば、アジド類は、不自然なアミノ酸類を介してタンパク質の中へ組み込まれ、且つ、これらのタンパク質は、細胞の溶解産物内の共有結合的な変性のためにターゲッティングされる[Kiick et al.(2002)Proc,Natl.Acad.Sci.99,19−24(非特許文献2)]。アジドホモアラニンは、タンパク質が、メチオニンで枯渇された菌液において発現されたとき、大腸菌のメチオニル−t−RNAシンターゼ及び入れ替えられたメチオニンによって活性化された。一つの用途は、シュタウディンガーライゲーションによって活性化された前蛍光性のクマリン色素でのタンパク質の変成であり、細胞内で取引するタンパク質のイメージングを可能にする[Lemieux et al.(2003)J.Am.Chem.Soc.125,4708−4709(非特許文献3)]。
【0005】
シュタウディンガーライゲーションは、ペプチドのライゲーション、ラクタムの合成、バイオ共役体、細胞内のタギング、代謝細胞工学技術、及び、マイクロアレイの生産のような、非常に多数の目標のために首尾良く使用されてきた。シュタウディンガーライゲーションが、生体内(ラット)において同様にして進行することが、示されてきて、且つ、アジド及びホスフィン誘導体は、試験管内において及び生体内において無毒性であることを証明した[Prescher et al.(2004)Nature 430,873−877(非特許文献4)]。分子のイメージングのためのこの反応の一般的な有用性は、たいてい未調査のままできた。
【0006】
医療のイメージングの様相において、造影剤(例えば、異なる器官若しくは組織の間における又は正常な組織と異常な組織との間における画像のコントラストを向上させる材料)の使用は、良好に確立される。疾患と関連させられる特異的な分子のターゲットのイメージングは、より早期の診断及び疾患のより良好な管理を可能にする。従って、特に関心のあるものは、活性なターゲッティングのおかげで、別個の身体のサイト、例えば、腫瘍細胞に優先して分布する造影剤である。このような活性なターゲッティングは、ターゲッティングの構築物へのコントラストを向上させる部位の直接的な又は間接的な共役によって、達成される。ターゲッティングの構築物は、細胞の表面若しくはターゲットのサイトにおける他の表面に結び付くか、又は、細胞によって捕縛される。
【0007】
生存する人間及び動物に用いる成功したイメージングの薬品についての重要な判断基準は、それが、ターゲットでない組織からの及び血液からの(腎臓の系及び/又は肝胆道の系を通じた)急速な浄化を示す一方で、高いターゲットの取り込みを示すことであり、そのようにしてターゲットと取り巻く組織との間の高いコントラストを得ることができる。しかしながら、これは、しばしば、問題のあることである。例えば、人間におけるイメージングの研究は、腫瘍のサイトでの抗体の最大の濃度が、24時間以内に達成可能であるが、数日より多くの日が、循環でラベリングされた抗体の濃度が、成功したイメージングが行われるための十分に低い水準まで減少する前に、要求されることを示してきた。これは、特に核のプローブのための挑戦であるが、その理由は、これらが、減衰することによって一定に信号を生じるためである。その結果として、背景の水準に対する十分な信号が、トレーサーの数半減期の内に到達される必要がある。MRIのプローブについては、人は、イメージングの前に背景の信号が減るのに十分に長く待つことができるであろう。また、活性化可能なプローブ又は“スマートなプローブ”は、MRIのアプローチのために存在する;これらは、それらが、ターゲット又は酵素と相互作用するときのみ、信号を生じる(米国特許第6,770,261号明細書(特許文献1)参照のこと)。しかしながら、内因性の受容体の密度は、しばしば、MRIについての十分な信号の累積のためには低すぎる。
【0008】
ターゲットの組織における遅い又は不十分な累積、ターゲットでないエリアからの遅い浄化及び(特にMRIについて)低い造影剤の濃度を伴ったこれらの問題は、予めのターゲッティングのスキームの適用に至ってきた。図3は、典型的な予めのターゲッティングのスキームを示す。予めのターゲッティングのステップにおいては、関心のある受容体のような、一次のターゲットは、一次のターゲッティング部位によって、選択的に識別される。結び付きの後の検出を可能にするためには、一次のターゲッティング部位は、二次のターゲットをもまた担持する、予めのターゲッティングの足場へ連結される。第二のターゲッティングのステップにおいて、予めのターゲッティングの足場における二次のターゲットに結び付くことになる、二次のターゲッティング部位は、投与される。この二次のターゲッティング部位は、それ自体、コントラストを提供するユニットを保持する、二次のターゲッティングの足場へ結び付けられる。二次のターゲット/二次のターゲッティング部位の対の典型的な例は、ビオチン/ストレプタビジンの系又は抗原/抗体の系である。
【0009】
現行の(予め)ターゲッティングされたイメージングと関連した数個の問題及び不都合がある。主要な問題点は、ターゲッティングが、天然の/生物学的なターゲッティングの構築物(即ち、内因性の受容体、ビオチン/ストレプタビジン)に単独で頼ることである。これは、特に大きさ及びそれらの内因性の性質に関して、ある範囲の欠点に至る。
【0010】
生物学において高度に選択的な相互作用を実行する実体は、(抗体−抗原のような)一般に、及び、特に(ビオチン−ストレプタビジン、二次のターゲッティング部位としてのオリゴヌクレオチド)予めのターゲッティングにおいて、非常に大きい。その大きさのおかげで、予めのターゲッティングの概念は、今までのところ基本的に、血管系内の用途に限定される。結果として、代謝のイメージング及び細胞内のターゲットのイメージングのみならず、ペプチド及び一次の配位子のような小さい有機のターゲッティングデバイスでの予めのターゲッティングは、二次のターゲッティング部位の大きさが、小さい一次の配位子の使用を予め排除するので、手の届かないところにあるままできた。嵩高な二次のターゲッティング部位は、イメージングプローブのみならず予めのターゲッティングの構築物の性質(即ち、輸送、除去、ターゲットの親和性/相互作用)に影響を及ぼす。また、イメージングプローブのコントラストを提供するユニットは、二次のターゲッティング部位の性質に影響を及ぼすことができる(即ち、アビジンについてのビオチンの共役体の親和性の喪失)。
【0011】
さらには、予めのターゲッティングのために使用される多くの化合物は、身体によって劣化させられる。ビオチンは、内因性の分子であり、且つ、それの共役体を、血清の酵素ビオチニダーゼによって開裂させることができる。アンチセンスの予めのターゲッティングが、使用されるとき、オリゴヌクレオチドは、RNAゼ及びDNAゼによる攻撃にさらされる。タンパク質及びペプチドは、また、天然の分解の経路にさらされる。
【0012】
それぞれの相手の間の相互作用が、それらの非共有結合性の且つ動的な性質によってさらに害され得る。また、内因性のビオチンは、ストレプタビジンを結び付けるためのビオチンの共役体と競争する。ストレプタビジンは、免疫反応を誘起することができる。及び、最後に、細胞の表面の受容体のような天然に生ずるターゲットは、必ずしも常に、イメージングの間にコントラストを作り出すための十分な量で存在するものではない。
【0013】
予めのターゲッティングの技術は、それらの薬物速度論が、通常、それらの抗原についての高い選択性及び特異性にもかかわらず、イメージングの用途のためには遅すぎるので、抗体に基づいたイメージングに非常に有用なことを証明してきた[Sung et al.(1992),Cancer Res.52,377−384(非特許文献5);Juweid et al.(1992)Cancer Res.52,5144−5153(非特許文献6)]。抗体のフラグメント、ペプチド及び有機分子のようなより小さいターゲッティングの構築物が、より適切な薬学速度論を有するとはいえ、それらは、これらの構築物が、なお、(即ち、密な組織において、若しくは、細胞内のイメージングで)遅いターゲッティング及び浄化又は不十分な累積(低い受容体の密度、遅い成長若しくは小さい腫瘍)を欠点としてもつので、同様に、予めのターゲッティングのアプローチから利益を得ることができるであろう。さらには、肝胆道又は腎臓のような、浄化の経路における累積は、関心のある組織を覆い隠し得る。
【0014】
イメージングの分野における最近の発展は、ラベリングの化学が、たいてい変化していないままである一般化されたトレーサーに向かった動きであるが、しかし、根底にある分子の構造を、新しい分子のターゲットをイメージングするために、容易に変更することができる。これは、新しいイメージングの薬品についての現像の時間/費用における低減を与えるであろう。予めのターゲッティングのアプローチは、コントラストを提供する群が、異なる用途について常に同じに留まると、多数のターゲットに対するこのような一般化を可能にする。その結果として、予めのターゲッティングの群のみが、FDAの認可を必要とすると、新しい分子のイメージングの用途のより速いFDAの認可を、期待することができる。
【特許文献1】米国特許第6,770,261号明細書
【非特許文献1】Kohn&Breinbauer(2004)Angew.Chem.Int.Ed.43,3106−3116
【非特許文献2】Kiick et al.(2002)Proc,Natl.Acad.Sci.99,19−24
【非特許文献3】Lemieux et al.(2003)J.Am.Chem.Soc.125,4708−4709
【非特許文献4】Prescher et al.(2004)Nature 430,873−877
【非特許文献5】Sung et al.(1992),Cancer Res.52,377−384
【非特許文献6】Juweid et al.(1992)Cancer Res.52,5144−5153
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、プローブ及び前駆体、プローブ及び前駆体のキット、このようなプローブ及び前駆体を生産する方法、並びに、医療のイメージング及び治療の情況におけるプローブ及び前駆体を適用する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
それの最も広い態様において、本発明は、安定な共有結合的なバイオ直交性の結合を形成するために相互に相互作用する二つの構成成分に関する。これらの構成成分は、医療のイメージング及び治療、より詳しくは、ターゲッティングされた及び予めターゲッティングされたイメージング及び治療に用いるものである。
【0017】
本発明の特定の実施形態に従って、共有結合的なバイオ直交性の結合は、シュタウディンガーライゲーションによって得られ、且つ、本発明の構成成分の各々は、シュタウディンガーライゲーション用の反応の相手、即ち、それぞれ、ホスフィン及びアジド基を含む。
【0018】
本発明の第一の態様は、例えばキットに存在するような、二つの構成成分に関する。本発明のキットは、一次のターゲッティング部位及び二次のターゲットを含む、少なくとも一つのターゲッティングプローブ、並びに、二次のターゲッティング部位及びラベルを含む、イメージングプローブである少なくとも一つのさらなるプローブを含む。あるいは、第二の構成成分は、二次のターゲッティング部位及び薬学的に活性な化合物を含む、治療のプローブである。本発明に従って、ターゲッティングプローブ又はイメージング若しくは治療のプローブの一方は、それぞれ二次のターゲット及び二次のターゲッティング部位として、少なくとも一つのアジド基のいずれかを含み、且つ、他方のプローブは、少なくとも一つのホスフィン基を含み、前記のホスフィン基及び前記のアジド基は、シュタウディンガーライゲーション用の反応の相手である。
【0019】
本発明の特定の実施形態は、ターゲッティングプローブに関し、ここで、一次のターゲッティング部位は、血管系内の又はその外側のいずれかの構成成分に、又は、具体的には、介在性の空間における構成成分若しくは細胞内の構成成分のいずれかに、結び付く。
【0020】
本発明のキットに用いる適切な一次のターゲッティング部位の特定の実施形態は、ここに記載され、且つ、ペプチド及び抗体を結び付ける受容体を含む。本発明の特定の実施形態は、細胞浸透性のターゲッティングプローブを得るために、ペプチドのような、小さいターゲッティング部位の使用に関する。
【0021】
本発明のさらなる態様は、本発明の情況に用いるターゲッティングプローブを現像するための方法に関する。本発明のこの態様の特定の実施形態は、コンビナトリアルケミストリーによって受容体をターゲッティングし、それによって、アジド基が、化合物のライブラリの合成の間に導入されるためのターゲッティングプローブの生産に関する。より詳しくは、本発明は、ターゲットについての最適な結び付きの親和性及びイメージング又は治療のプローブとの最適な反応を備えたターゲッティングプローブを現像する方法であって、前記のターゲッティングプローブのターゲッティング部位の化合物のライブラリを作り、それによって、二次のターゲットが、前記のターゲッティング部位における異なるサイトに導入されること、及び、ターゲットに及びイメージング及び/又は治療のプローブに結び付くためのそのように得られた化合物のライブラリをスクリーニングすることを含む方法に関する。このように、本発明は、また、同じ又は異なるアミノ酸における少なくとも一つのアジド基で変性させられたリードをターゲッティング部位のライブラリを提供する。本発明は、誘導体が、前記のペプチドのアミノ酸の鎖における異なるアミノ酸の位置においてアジド基で変性させられるという点で特徴付けられた特異的なペプチドの誘導体又は変形物のライブラリをさらに提供する。
【0022】
本発明のさらなる特定の実施形態は、上に記載したターゲッティングプローブ及び一つ以上のイメージングプローブ及び/又は治療のプローブのキット並びにそれらの使用に関する。このようなイメージングプローブは、本発明のバイオ直交性の反応における反応の相手である二次のターゲッティング部位に加えて、検出可能なラベル、特に、MRI−イメージング可能な薬品、スピンラベル、例えば、発光性の、バイオ発光性の、及び、化学発光性のラベル、FRET−タイプのラベル及びラマンタイプのラベル、超音波応答性の薬品、X線応答性の薬品、SPECT(単一光子放射型コンピュータ断層撮影法)(single photon emission computed tomography)及びPET(陽電子放射形コンピューター断層撮影法)(positron emission tomography)用の放射性核種からなる群より選択された、伝統的なイメージングシステムにおいて使用された造影剤を含むことになり、それらの適切な例は、当業者に知られ、且つ、ここに提供される。
【0023】
本発明の特定の実施形態は、検出可能なラベルとしての小さい大きさの有機PET及びSPECTラベルの使用に関し、それらラベルは、細胞浸透性のイメージングプローブを提供する。
【0024】
本発明の別の特定の実施形態は、検出可能なラベルとしてのMRI用の“スマートな”又は“応答性の”造影剤を含むイメージングプローブ、並びに、本発明のキット及び方法におけるそれらの使用に関する。より詳しくは、本発明は、MRI用のイメージングの薬品及びホスフィン基を含むイメージングプローブに関し、そのホスフィン基は、シュタウディンガーライゲーションにおいてアジドと反応することができ、それによって、イメージングの薬品の金属の原子は、ホスフィン基を含有する連結を介して、単数又は複数のカルボン酸で配位される。
【0025】
本発明のさらなる特定の実施形態は、上に記載したターゲッティングプローブ及び治療のプローブのキット、並びに、ターゲッティングされた治療におけるそれの使用に関する。
【0026】
本発明のイメージングプローブは、自由選択でまた、治療学的に活性な化合物を含むことができ、その化合物は、例えば、薬物又は放射性同位体であることができる。あるいは、イメージングプローブは、検出可能なラベルに加えて、治療学的に活性な化合物を含むことができる。
【0027】
本発明の別の態様は、特に医療のイメージングに適合させられたプローブを提供する。このように、本発明は、二次のターゲッティング部位及びラベルを含むイメージングプローブを提供し、それによって、イメージングプローブは、二次のターゲッティング部位として、少なくとも一つのアジド基又は少なくとも一つのホスフィン基を含み、ホスフィン基又はアジド基は、シュタウディンガーライゲーション用の適切な反応の相手であり、且つ、ラベルは、MRI、X線、超音波及び同様のものを含む古典的な技術を使用するイメージングに適切なイメージングラベルである。
【0028】
本発明のさらなる態様は、一次のターゲッティング部位及び検出可能なラベル又は薬学的に活性な化合物を含み、それによって、ターゲッティング部位は、アミド結合又はトリフェニルホスフィンオキシドの部位を介して、検出可能なラベルに接続される、医療のイメージング及び/又は治療用の組み合わせられたプローブに関する。本発明のこの態様の特定の実施形態において、一次のターゲッティング部位は、ペプチドである。
【0029】
本発明は、さらに、ホスフィンを含む検出可能なラベルを、アジドを含む一次のターゲッティング部位と反応させるか、又は、アジドを含む検出可能なラベルを、ホスフィンを含む一次のターゲッティング部位と反応させるステップを含む、一次のターゲッティング部位及び検出可能なラベル又は薬学的に活性な化合物を含む、組み合わせられたターゲッティング及びイメージング又は治療のプローブを試験管内で調製する方法に関する。
【0030】
本発明は、さらに、ターゲットについて最適な結び付きの親和性及び最適なイメージング又は治療の効率を備えた医療のイメージング又は治療用の組み合わせられたプローブを現像する方法に関し、その方法は、組み合わせられたプローブのターゲッティング部位の化合物のライブラリを作り、それによって、二次のターゲットが、前記のターゲッティング部位における異なるサイトに導入されること、前記のライブラリの化合物をラベル又は薬学的に活性な化合物へ連結させること、及び、ターゲットに結び付くために及び/又は治療の効率のためにそのように得られた化合物のライブラリをスクリーニングすることを含む。この方法は、特に、化合物のプローブに適合させられ、ここで、一次のターゲッティング部位は、ペプチド又はタンパク質である。
【0031】
本発明のさらなる態様において、バイオ直交性の共有結合的な反応において相互作用する二つの構成成分は、一方ではターゲットの代謝の前駆体であり、且つ、他方ではイメージング又は治療のプローブである。
【0032】
このように、特定の実施形態において、本発明は、二次のターゲットを含む少なくとも一つのターゲットの代謝の前駆体、並びに、二次のターゲッティング部位及びラベルを含むイメージングプローブ又は二次のターゲッティング部位及び薬学的に活性な化合物を含む治療のプローブのいずれかより選択された少なくとも一つのさらなるプローブを含み、それによって、ターゲットの代謝の基質又はイメージング若しくは治療のプローブの一方が、それぞれ二次のターゲット及び二次のターゲッティング部位として、少なくとも一つのアジド基のいずれかを含み、且つ、イメージング又は治療のプローブは、少なくとも一つのホスフィン基を含み、ホスフィン基及びアジド基が、シュタウディンガーライゲーション用の反応の相手である、ターゲッティングされた医療のイメージング又は治療用のキットを提供する。
【0033】
本発明のこの態様の特定の実施形態は、上に記載したキットに関し、ここで、ターゲットの代謝の前駆体は、少なくとも一つのアジド基を含み、且つ、イメージング又は治療のプローブは、少なくとも一つのホスフィン基を含む。
【0034】
本発明のさらに特定の実施形態は、糖質、アミノ酸、核酸塩基、及び、コリンからなる群より選択される代謝の前駆体を含むキットに関する。
【0035】
本発明のさらなる特定の実施形態は、代謝の前駆体及びイメージングプローブ、より詳しくは、伝統的なイメージングシステムにおいて使用された造影剤である検出可能なラベルを含むイメージングプローブを含むキットに関する。このような検出可能なラベルは、MRIイメージング可能な薬品、スピンラベル、光学的なラベル、超音波応答性の薬品、X線応答性の薬品、放射性核種、及び、FRET−タイプの色素からなる群より選択されたラベルであることができるが、しかし、それに限定されない。
【0036】
本発明の特定の実施形態において、レポータープローブの使用が、なされる。このようなレポータープローブは、酵素の基質、より詳しくは、細胞に対して内因性のものではないが、しかし、遺伝子治療又は外来の因子の感染によって導入されてしまった酵素であることができる。ここで細胞又は組織における遺伝子を参照するような非内因性のものが、遺伝子が、天然に存在するものではなく、及び/又は、その細胞若しくは組織において発現されたものでもないことを示唆するために、使用される。あるいは、このようなレポータープローブは、受容体又はポンプによって細胞の中へ導入される分子であり、その分子は、内因性のものであることができるか、又は、遺伝子治療若しくは外来の因子の感染によって細胞の中へ導入されることができる。あるいは、レポータープローブは、細胞又は組織の環境内のある一定の(変化する)条件に反応する分子である。
【0037】
本発明は、このように、医療のイメージング及び治療に用いるプローブ及びキットを提供する。さらには、本発明は、本発明の二つの構成成分を使用するイメージングの方法及び処置の方法に関する。特定の実施形態に従って、本発明は、ターゲッティングされた及び予めターゲッティングされたイメージング及び治療に用いるプローブ及びキットを提供する。それに応じて、本発明は、シュタウディンガーライゲーションのようなバイオ直交性の反応における相手である少なくとも二つの構成成分の使用によって、細胞、組織、器官、外来の構成成分をイメージングする方法に関する。二つの構成成分は、一方では、ターゲッティングプローブ、ターゲットの代謝の前駆体、又は、レポータープローブ、及び、他方では、イメージングプローブである。さらには、本発明は、シュタウディンガーライゲーションのようなバイオ直交性の反応における相手である少なくとも二つの構成成分の使用による、ターゲッティング細胞、組織、器官、外来の構成成分の予防又は処置の方法に関する。二つの構成成分は、一方では、ターゲッティングプローブ、ターゲットの代謝の前駆体、又は、レポータープローブ、及び、他方では、治療のプローブである。本発明は、さらに、本発明のイメージング及び治療に使用された道具の製造の方法に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
本発明を、特定の実施形態に関して、且つ、ある一定の図面を参照して、記載することにするが、しかし、本発明は、それらに限定されずに、特許請求の範囲のみによって限定される。特許請求の範囲におけるいずれの符号も、その範囲を限定するように解釈されないものとする。記載された図面は、単に概略的なものにすぎず、且つ、限定しないものである。図面において、要素のいくつかの大きさは、誇張されることもあり、且つ、図示の目的のために縮尺で描かれない。用語“を含む”が、本記載及び特許請求の範囲において使用される場合には、それは、他の要素又はステップを排除しない。単数の名詞を参照するとき不定冠詞又は定冠詞、例えば、“ある”又は“その”が使用される場合には、これは、何か他のものが具体的に述べられない限り、複数のその名詞を含む。
【0039】
さらには、本記載において及び特許請求の範囲において使用された用語“を含む”が、その後に列挙された手段に制限されるように解釈されるべきではないことは、注意されることである;それは、他の要素又はステップを排除しない。このように、表現“手段A及びBを含むデバイス”の範囲は、構成要素A及びBのみからなるデバイスに限定されるべきではない。それは、本発明に関して、デバイスの関連性のある構成要素のみが、A及びBであることを意味する。
【0040】
本発明は、共有結合的なライゲーション、特に生物学に基づいた相互作用の代わりに生体適合性の共有結合的なライゲーション、例えば、選択的な化学的な且つバイオ直交性の反応である、シュタウディンガーライゲーション[Saxon & Bertozzi(2000)Science 287,2007−2010;Saxon et al.(2002)J.Am.Chem.Soc.124,14893−14902]を使用する、現行の(予め)ターゲッティングされたイメージングの上に述べた限定に対する解決手段を提供する。
【0041】
二つの分子の間における生体適合性の直接的な共有結合的な反応の使用は、その使用が、自然には生じないが、異なる用途における非共有結合的な反応に基づいた認識の機構で遭遇された欠点を解決する。より詳しくは、それは、予めのターゲッティングにおける特定の関心のあるものの多くの利点を表し、且つ、分子のイメージングにおける有力な新しい道具を表す。
【0042】
本発明の実施形態は、化学反応を提供し、ここで、二つの関係のある官能基が、現行の予めのターゲッティングの組み合わせにおけるそれらの生物学的な対応物よりも大幅に小さい。本発明の方法と共に、二つの関係のある官能基は、例えば、アジド及びホスフィンは、使用され、それらの官能基は、抗体−抗原の結び付きのような、多数の生物学的な過程において生じる非共有結合的な認識の事象の非凡な選択性に等しい。本発明の態様に従って、微細に調整された反応性を有する二つの関係のある官能基は、共存する官能性との干渉が、回避されるように、選択される。本発明のさらなる態様に従って、非生物的であり、生理学的な条件の下で安定な付加物を形成し、且つ、それらの細胞の/生理学的な周囲を無視する一方で相互のみを認識する、反応の相手が、選択される、即ち、それらが、バイオ直交性である。生物学的な環境によって押しつけられた選択性に対する需要は、大部分の他の従来の反応の使用を予め除外する。シュタウディンガーライゲーションは、細胞の環境において行われる本発明の方法に好適な反応である。本発明の方法及び化合物について、非トレースレス及びトレースレスシュタウディンガーライゲーションの両方を使用することができる。
【0043】
本発明の方法及び化合物を使用して、イメージングプローブは、それらの小さい大きさのおかげで、例えば、腎臓を通じて、身体から急速に排出させられることができ、且つ、所望の高い腫瘍の累積に相対的に低いターゲットでないものの累積を提供することができる。核医療のイメージングにおいては、予めのターゲッティングの概念は、二次のターゲッティング部位を含む小さいアジド又はホスフィンに結合させられた、放射性同位体を使用する二次のターゲッティングのステップが、より速く実行されることができる一方で、時間を消費する予めのターゲッティングのステップが、放射性同位体を使用することなく、実行されることができると、好都合である。後者は、例えば、患者への放射線量を最小化し且つSPECT即ち単一光子放射型コンピュータ断層撮影法(single photon emission computerized tomography)の薬品の代わりにPET即ち陽電子放射型コンピュータ断層撮影法(positron emission tomography)の薬品の扱いを可能にするという利点と共により短い寿命の放射性核種の使用を可能にする。超音波イメージングにおいて、従来の造影剤は、バブルに基づいてきており、且つ、造影剤の寿命を限定してきた。本発明に従った予めのターゲッティングの概念は、限定された造影剤の寿命の問題を回避すると共に全般的な造影剤の使用を可能にすることができる。さらには、本発明は、自由選択で同じターゲットを可視化するための異なるイメージングの薬品を使用して、多様式のイメージングにおける使用に、特に適切である。
【0044】
本発明のさらなる態様に従って、予めのターゲッティングのアプローチは、デンドリマー、ポリマー、又は、リポソームのような、多数の鋸歯状の配位子の系との組み合わせで、使用され、そのような結果、ターゲットのサイトでの信号、例えばMRI信号の増幅は、成し遂げられることができる。
【0045】
分子のイメージングにおけるシュタウディンガーライゲーションの適用は、全てのタイプ及び大きさのターゲッティングの構築物に対する予めのターゲッティングを開拓する。これは、細胞内の及び代謝のイメージングが、予めのターゲッティングの増強を通じて達成可能な、高いターゲットの累積及び低い背景から利益を得ることを、可能にする。同様にして、予めターゲッティングされた信号の増幅スキーム、例えば、ポリアジド及び/又はポリホスフィンのデンドリマー又はリポソームは、より小さい及びより多様なターゲッティングデバイスについて利用可能になる。反応の相手が、ビオチンのもの及びバイオ直交性のものであると、シュタウディンガーライゲーションでの予めのターゲッティングは、内因性の競争及び代謝/分解によって阻害されず、且つ、安定な共有結合を与える。ターゲットの代謝経路を、及び、対応するアジドの代謝物質の誘導体を、例えば正常な細胞に対して比較された腫瘍細胞における、それの高い流動率によって、選ぶことは、高い密度の人工的なアジドの受容体の据え付け、又は、ターゲットの細胞の表面における他の化学物質の取り扱いを与え、時々低い水準にあり得る内因性の細胞の表面の受容体の使用を回避する。
【0046】
最後に、シュタウディンガーライゲーションの直交の性質は、それを、予めのターゲッティングのスキームの一般化における選択の反応、又は、広い範囲のターゲッティングデバイスに対する及び/又は多種多様な官能基を備えたイメージングの薬品の共役の化学にする。
【0047】
本発明は、生体適合性であり且つ人間又は動物の身体において使用されることができる、共有結合する系の一つの例としての、シュタウディンガーライゲーションの新規な用途を与える。それは、バイオ直交性であることが信じられる。本発明において参照されるような“シュタウディンガーライゲーション”は、シュタウディンガーライゲーションの変性を指す。“シュタウディンガーライゲーション”において、反応は、アザ−イリド(aza-ylide)を生産するために、ホスフィンとアジドとの間で生じる(図1,スキーム1)。水の存在においては、この中間体は、第一級アミン及び対応するホスフィンオキシドを生じさせるために、自然に加水分解する。ホスフィン及びアジドは、高い収率で、室温における水中で急速に相互に反応する。
【0048】
シュタウディンガーライゲーションにおいて、シュタウディンガーライゲーションは、アザ−イリドの中間体の加水分解を回避するために、変更されてきた。この目的のために、加水分解が機会を獲得する前に安定な付加物への不安定な求核性のアザ−イリドの中間体の分子内の転位を可能とする、求電子性のトラップ、例えばメチルエステルを持つホスフィンが、設計された。このように、シュタウディンガーライゲーションは、アジドの共役体との、この変性された且つバイオ共役されたトリアリールホスフィンの反応によって、進行し、その後で、分子内の環化は、アミド結合及びホスフィンオキシドを与える。このライゲーションは、ライゲーションの生産物が、添付されたトリフェニルホスフィンオキシドの残基を含有すると、“非トレースレス”シュタウディンガーライゲーションと呼ばれる(図1,スキーム2)。図1において、シュタウディンガーライゲーションが、例示される。そこで指定されたアリール基は、好適な例であるが、しかし、あるいは、これらは、いずれのアルキル又はシクロアルキル基によっても置き換えられることもある。
【0049】
図1のスキーム2において、Rは、a)ターゲッティングプローブの場合における一次のターゲッティング部位、b)イメージングプローブの場合における検出可能なラベル、又は、c)治療のプローブの場合における治療の化合物である。R’は、a)ターゲッティングプローブの場合における一次のターゲッティング部位、b)イメージングプローブの場合における検出可能なラベル、又は、c)治療のプローブの場合における治療の化合物である。スキーム1及び2において、R’は、アリール基の一つに連結される。R’が、また、ホスフィンの分子のいずれの他の適切な部分へ付けられることもあることは、認識されると思われる。
【0050】
しかしながら、アジドの試薬及びホスフィンの試薬から単純なアミド結合を発生させるための“トレースレス”シュタウディンガーライゲーションは、より後期に発展させられた(図2)。この反応は、転移可能なアシル基を持つホスフィンを利用する。アジドとの反応は、中間体のアザ−イリドの転位及び加水分解の後で、アミドで連結された生産物及び遊離させられたホスフィンオキシドを発生させる。図2において、アリール基は、いずれのアルキル又はシクロアルキル基で置き換えられることもある好適な例である。図2において、“X”は、酸素又は硫黄のような異種の原子を表す。R’は、a)ターゲッティングプローブの場合における一次のターゲッティング部位、b)イメージングプローブの場合における検出可能なラベル、又は、c)治療のプローブの場合における治療の化合物である。“トレースレス”シュタウディンガーライゲーションにおいて、R’は、求電子性のトラップに付けられる。Rは、a)ターゲッティングプローブの場合における一次のターゲッティング部位、b)イメージングプローブの場合における検出可能なラベル、又は、c)治療のプローブの場合における治療の化合物である。“非トレースレス”及び“トレースレス”の両方の使用は、本発明の情況内で予見される。
【0051】
本発明に使用されるような“一次のターゲット”は、イメージングによって検出されるものであるターゲットに関する。例えば、一次のターゲットは、生体、組織、又は細胞に存在するいずれの分子であることもできる。イメージング用のターゲットは、細胞の表面のターゲット、例えば、受容体、糖タンパク質;構造タンパク質、例えば、アミロイドプラーク;細胞内のターゲット、例えば、ゴルジ(Golgi)体の表面、ミトコンドリアの表面、RNA、DNA、酵素、細胞の信号伝達の経路の構成成分;及び/又は、異物、例えば、ウイルス、細菌、菌類、酵母菌、又は、それらの部分のような病原体を含む。一次のターゲットの例は、その存在又は発現の水準がある一定の組織若しくは細胞のタイプと相関させられるか、又は、その発現の水準がある一定の障害において上方に調節されるか若しくは下方に調節される、タンパク質のような化合物を含む。本発明の特定の実施形態に従って、一次のターゲットは、受容体のようなタンパク質である。あるいは、一次のターゲットは、代謝経路であることもあり、その経路は、DNA合成、タンパク質合成、膜合成、及び、糖類の摂取のような、疾患、例えば、感染又は癌の間に、上方に調節される。罹患した組織において、上に述べたマーカーは、健康な組織と異なり且つ早期の検出、特定の診断、及び、治療、特にターゲッティングされた治療についての唯一の可能性を呈示することができる。
【0052】
ここで使用されるような“ターゲッティングプローブ”は、一次のターゲットへ結び付くプローブを指す。ターゲッティングプローブは、“一次のターゲッティング部位”及び“二次のターゲット”を含む。
【0053】
本発明において使用されるような“一次のターゲッティング部位”は、一次のターゲットに結び付くターゲッティングプローブの部分に関する。一次のターゲッティング部位の特定の例は、受容体に結び付くペプチド又はタンパク質である。一次のターゲッティング部位の他の例は、細胞の化合物と反応する、抗体又はそれらのフラグメントである。抗体は、タンパク質又はペプチドへのみならず非タンパク質性の化合物へ上昇させられることができる。他の一次のターゲッティング部位は、ペプチド及び有機薬物の化合物のみならず、アプタマー、オリゴペプチド、オリゴヌクレオチド、オリゴ糖で作り上げられることができる。一次のターゲッティング部位は、好ましくは、高い特異性で、高い親和性で結び付き、且つ、一次のターゲットとの結合は、好ましくは、身体内で安定である。
【0054】
本発明において使用されるような“二次のターゲット”は、以下に記載されたイメージング又は治療のプローブの二次のターゲッティング部位に存在する、共有結合的なライゲーション、例えば、シュタウディンガーライゲーション用の反応の相手を提供するターゲッティングプローブの部分と関係付ける。具体的な実施形態において、二次のターゲットは、一つ以上のアジド基であることになる。しかしながら、他の特定の実施形態においては、二次のターゲットが一つ以上のホスフィン基であることになる用途は、予見される。
【0055】
ここで使用されるような“ターゲットの代謝の前駆体”は、即ち、二次のターゲットとしての、共有結合的なライゲーション、例えば、シュタウディンガーライゲーション用の反応の相手を含む代謝経路の基質を指し、その反応の相手は、本発明に従って、以下に記載されたイメージング又は治療のプローブの二次のターゲッティング部位と反応する。代謝経路は、(DNA−、タンパク質−、及び膜−合成のような)各々の細胞に生じる経路であることができ、且つ、例えば、癌又は炎症/感染の間に上方へ調節されることができる。あるいは、代謝経路は、特定の細胞のタイプ、例えば、癌細胞に特異的であることができる。
【0056】
“イメージングプローブ”は、“二次のターゲッティング部位”及び、例えば、コントラストを提供するユニットのような、検出可能なラベルを含む。
【0057】
“二次のターゲッティング部位”は、共有結合的なライゲーション、例えば、シュタウディンガーライゲーション用の反応の相手を含むイメージングプローブの部分に関し、その反応の相手は、一次のターゲッティングプローブにおいて二次のターゲットと反応する。特定の実施形態において、二次のターゲッティング部位は、一つ以上のホスフィン基を含むことになる。
【0058】
ここで使用されるような“検出可能なラベル”は、例えば、細胞、組織、又は生体に存在するとき、プローブの検出を可能にするイメージングプローブの部分に関する。本発明の情況内で予見された一つのタイプの検出可能なラベルは、コントラストを提供する薬品である。異なるタイプの検出可能なラベルは、本発明の情況内で予見され、且つ、ここに記載される。
【0059】
ここで使用されるような“治療のプローブ”は、二次のターゲッティング部位及び、治療の化合物のような、しかし、それに限定されない、薬学的に活性な化合物を含むプローブを指す。薬学的に活性な化合物の例は、ここに提供される。治療のプローブは、自由選択で、また、検出可能なラベルを含むことができる。
【0060】
ここで使用されるような“組み合わせられたプローブ”、即ち、“組み合わせられたターゲッティング及びイメージングプローブ”若しくは“組み合わせられたターゲッティング及び治療のプローブ”又は“組み合わせられたターゲッティング及びイメージング及び治療のプローブ”は、イメージングプローブの二次のターゲッティング部位、例えば、それぞれ、ホスフィン又はアジドとの、ターゲッティングプローブの二次のターゲット、例えば、アジド又はホスフィンの結び付きから結果として生じる化合物を指す。この結び付きは、試験管内にあることができる。このように、このような組み合わせられたプローブは、一次のターゲッティング部位及び検出可能なラベルを含む。
【0061】
ここで使用されるような用語“単離された”は、身体の外側に又は細胞若しくは細胞のフラクション、例えば、細胞可溶化物の外側に存在する化合物を指す。本発明の情況において、単離されたプローブ又は組み合わせられたプローブ、例えば、一次のターゲッティングプローブ、イメージングプローブ、若しくは、治療のプローブ、若しくはそれらの組み合わせに帰せられた特定の特徴に関しては、これは、人間又は動物の身体、組織、又は細胞の外側に存在するようなプローブを指す。それは、身体、組織、又は細胞内に、前記の身体の組織又は細胞への前記の共役体の構成要素の化合物の連続的な付加の後で、形成される共役体を指すものではない。
【0062】
第一の態様において、本発明は、共有結合的なライゲーション、例えば、シュタウディンガーライゲーションにおいて反応する化合物を使用する予めのターゲッティングのための方法に関する。
【0063】
予めのターゲッティングの一般的な概念は、図3におけるイメージングについて概略が述べられる。関心のあるマーカーは、例えば、ある一定の罹患した組織の細胞の表面に、存在する。このマーカーは、“一次のターゲット”とも呼ばれる。第一の予めのターゲッティングのステップにおいて、ターゲッティングプローブは、一次のターゲッティング部位を介して、一次のターゲットに結び付く。ターゲッティングプローブは、また、二次のターゲットを担持し、その二次のターゲットは、イメージングプローブに対する特異的な共役を可能にすることになる。自由選択で、一度、ターゲッティングプローブが、一次のターゲットに到達してしまい、且つ、それに結び付けられる、例えば、そうするために24時間かかると、自然な洗浄が十分でないとすれば、洗浄剤は、組織又は生体から過剰なターゲッティングプローブを取り除くために、使用されることができる。第二の温置のステップにおいて、例えば、1−6時間の持続時間、イメージングプローブは、そのイメージングプローブが、イメージングの様相のために検出可能なラベルを提供するが、(予め)結び付けられたターゲッティングプローブに、それの二次のターゲッティングの基を介して、結び付く。
【0064】
予めのターゲッティングの方針におけるシュタウディンガーライゲーションの使用をする利点は、ホスフィン及びアジドの両方が、アビオチンのものであり、且つ、細胞の内側における又は細胞の表面における生体分子及び血清などのような全ての他の領域に向かって本質的に非反応性であることである。このように、本発明の化合物及び方法は、生存する細胞、組織、又は生体において使用されることができる。さらには、アジド基は、小さいものであり且つ生物学的な大きさを顕著に変えることなく生物学的な試料又は生存する生体において導入されることができる。シュタウディンガーライゲーションを使用して、一次のターゲッティング部位を、それら部位は、大きさにおいて大きいものであるが、例えば、抗体を、小さい反応の相手、例えば、アジド及びホスフィンを使用して、ラベル又は他の分子と結び付くことは、可能である。よりいっそう都合良くは、相対的に小さいものである、一次のターゲッティング部位、例えば、ペプチドは、(調和させられた)小さい反応の相手、例えば、アジド及びホスフィンを使用して、ラベル又は他の分子と、結び付けられることができる。ターゲッティングプローブ及びイメージングプローブの大きさ及び性質は、二次のターゲット及び二次のターゲッティング部位によって、必ずしも大いに影響を及ぼされるものではなく、(予め)のターゲッティングのスキームが、小さいターゲッティング部位に使用されることを可能にする。これのために、他の組織は、ターゲッティングされることができる、即ち、プローブの目標は、抗体−ストレプタビジンで現行の予めのターゲッティングための事例であるように、血管系及び介在性の空間に限定されない。
【0065】
一つの実施形態に従って、本発明は、ターゲッティングされたイメージングに使用される。この実施形態に従って、特異的な一次のターゲットのイメージングは、ターゲッティングプローブの一次のターゲッティング部位の特異的な結び付き及び検出可能なラベルを使用してこの結び付きの検出によって達成される。
【0066】
本発明に従って、一次のターゲットは、人間若しくは動物の身体内の、又は、病原体若しくは寄生体における、いずれの適切なターゲット、例えば、細胞膜及び細胞壁のような細胞、細胞膜の受容体のような受容体、ゴルジ体又はミトコンドリアのような細胞内の構造、酵素、受容体、DNA、RNA、ウィルス又はウィルス粒子、抗体、タンパク質、炭水化物、単糖類、多糖類、サイトカイン、ホルモン、ステロイド、ソマトスタチン受容体、モノアミンオキシダーゼ、ムスカリン受容体、心筋の交換神経系、例えば、白血球における、ロイコトリエン受容体、ウロキナーゼプラスミノーゲン活性化因子受容体(urokinase plasminogen activator receptor)(uPAR)、葉酸塩又はエステル受容体、細胞消滅マーカー、(抗)血管形成マーカー、ガストリン受容体、ドーパミン作動性の系、セロトニン作動性の系、GABA作動性の系、アドレナリン作動性の系、コリン作動性の系、オポイド受容体、GPIIb/IIIa受容体及び他の血栓に関係付けられた受容体、繊維素、カルシトニン受容体、タフトシン受容体、インテグリン受容体、VEGF/EGF受容体、マトリックス金属蛋白分解酵素(matrix metalloproteinase)(MMP)、P/E/L−セレクチン受容体、LDL受容体、P−糖タンパク質、ニューロテンシン受容体、ニューロペプチド受容体、物質P受容体、NK受容体、CCK受容体、シグマ受容体、インターロイキン受容体、単純疱疹ウィルスチロシンキナーゼ、ヒトチロシンキナーゼを含む群、からも選択されることができる。
【0067】
上に列挙された一次のターゲットの特異的なターゲッティングを可能にするためには、ターゲッティングプローブの一次のターゲッティング部位は、抗体、抗体のフラグメント、例えば、Fab2、Fab、scFV、ポリマー(EPR効果のおかげで腫瘍をターゲッティングすること)、タンパク質、ペプチド、例えば、オクトレオチド及び誘導体、VIP、MSH、LHRH、走化性のペプチド、ボンベジン、エラスチン、ペプチドの擬態、炭水化物、単糖類、多糖類、ウィルス、薬物、化学療法剤、受容体作動薬及び拮抗薬、サイトカイン、ホルモン、ステロイドを含むが、しかし、それらに限定されない化合物を含むことができる。本発明の情況内で予見された有機化合物の例は、エストロゲン、例えば、エストラジオール、アンドロゲン、プロゲスチン、コルチコステロイド、パクリタキセル、エトポシド、ドキソルビシン、メトトレキサート、葉酸、及び、コレステロールであるか、又は、それらから誘導される。
【0068】
本発明の特定の実施形態に従って、一次のターゲットは、受容体であり、且つ、適切な一次のターゲッティング部位は、このような受容体の配位子又は受容体になお結び付くそれの一部、例えば、受容体を結び付けるタンパク質の配位子の場合における受容体を結び付けるペプチドを含むが、それには限定されない。
【0069】
タンパク質の性質の一次のターゲッティング部位の他の例は、インターフェロン、例えばアルファ、ベータ、及び、ガンマインターフェロン、インターロイキン、及び、腫瘍成長因子、例えば、アルファ、ベータ腫瘍成長因子のような、タンパク質成長因子、血小板から誘導された成長因子(platelet-derived growth factor)(PDGF)、uPARをターゲッティングするタンパク質、アポリポタンパク質、LDL、アネキシンV、エンドスタチン、及び、アンギオスタチンを含む。
【0070】
一次のターゲッティング部位の代替の例は、例えば、一次のターゲットに対して相補的であるDNA、RNA、PNA、及びLNAを含む。
【0071】
本発明の特定の実施形態に従って、細胞内の位置のターゲットに結び付くことができる、小さい親油性の一次のターゲッティング部位が、使用される。
【0072】
本発明のさらなる特定の実施形態に従って、一次のターゲット及び一次のターゲッティング部位は、癌、炎症、感染、心臓血管の疾患、例えば、血栓、アテローム硬化の病変、低酸素のサイト、例えば、卒中、腫瘍、心臓血管の障害、脳の障害、細胞消滅、血管形成、器官、及びレポーター遺伝子/酵素のような、特異的な又は増加したターゲッティングの組織又は疾患に帰着するように、選択される。これは、組織の、細胞の、又は疾患の特異的な発現を備えた一次のターゲットを選択することによって、達成されることができる。例えば、膜の葉酸受容体は、葉酸塩又はエステル及び、メトトレキサートのような、それの類似物の細胞内の累積を媒介する。発現は、正常な組織において限定されるが、しかし、受容体は、様々な腫瘍細胞のタイプで過剰に発現する。
【0073】
一つの実施形態に従って、ターゲッティングプローブ及びイメージングプローブは、複数の一次の及び/又は二次のターゲット及び/又は二次のターゲッティング部位を含む、多量体の化合物であることができる。これらの多量体の化合物は、ポリマー、デンドリマー、リポソーム、ポリマーの粒子、又は、他の実施形態の構築物であることができる。検出の信号を増幅するために特に関心のあるものは、一つよりも多い二次のターゲットを備えたターゲッティングプローブであり、そのプローブは、数個のイメージングプローブの結び付きを可能にする。
【0074】
本発明の特定の実施形態に従って、本発明の化合物及び方法は、イメージング、特に医療のイメージングに使用される。一次のターゲットを識別するためには、一つ以上の検出可能なラベルを含むイメージングプローブの使用が、なされる。イメージングプローブの検出可能なラベルの特定の例は、MRIのイメージング可能な薬品、スピンラベル、光学的なラベル、超音波応答性の薬品、X線応答性の薬品、放射性核種、(バイオ)発光性の色素、及び、FRET−タイプの色素のような、伝統的なイメージングシステムにおいて使用された造影剤である。本発明の情況内で予見された例示的な検出可能なラベルは、蛍光性の分子、例えば、自己蛍光性の分子、試薬などとの接触で蛍光を発する分子、放射性のラベル;例えばビオチン及びアビジンの反応を通じて検出されるものである、ビオチン;蛍光性のタグ、常磁性の金属を含むMRI用のイメージングの薬品、イメージングの試薬、例えば、米国特許第4,741,900号及び第5,326,856号明細書に記載されたもの、並びに、同様のものを含み、且つ、それらに必ずしも限定されない。
【0075】
イメージングに使用された放射性核種は、例えば、H、11C、13N、15O、18F、51Cr、52Fe、52mMn、55Co、60Cu、61Cu、62Zn、62Cu、63Zn、64Cu、66Ga、67Ga、68Ga、70As、71As、72As、74As、75Se、75Br、76Br、77Br、80mBr、82mBr、82Rb、86Y、88Y、89Sr、89Zr、97Ru、99mTc、110In、111In、113mIn、114mIn、117mSn、120I、122Xe、123I、124I、125I、166Ho、167Tm、169Yb、193mPt、195mPt、201Tl、203Pbからなる群より選択された同位体であることができる。治療に使用されるもののような、他の元素及び同位体が、また、ある一定の用途におけるイメージングに適用されることもある。
【0076】
MRIイメージング可能な薬品は、常磁性のイオン又は超常磁性の粒子であることができる。常磁性のイオンは、Gd、Fe、Mn、Cr、Co、Ni、Cu、Pr、Nd、Yb、Tb、Dy、Ho、Er、Sm、Eu、Ti、Pa、La、Sc、V、Mo、Ru、Ce、Dy、Tlからなる群より選択された元素であることができる。本発明の特定の実施形態は、以後により詳細に記載されるような、“スマートな”又は“応答性の”MRIの造影剤の使用に関する。
【0077】
超音波応答性の薬品は、マイクロバブルを含むことができ、そのマイクロバブルの殻は、リン脂質、及び/又は、(生分解性の)ポリマー、及び/又は、人間の血清のアルブミンからなる。マイクロバブルは、フッ素化された気体又は液体で充填されることができる。
【0078】
X線応答性の薬品は、ヨウ素、バリウム、硫酸バリウム、ガストログラフィン(Gastrografin)を含むが、しかし、それに限定されないか、又は、小胞、リポソーム、又は、ヨウ素の化合物及び/又は硫酸バリウムで充填されたポリマーのカプセルを含むことができる。
【0079】
さらには、本発明の情況内で予見された検出可能なラベルは、また、抗体の結び付きによって、例えば、検出可能なラベリングされた抗体の結び付きによって、又は、サンドイッチタイプの分析を通じた結び付けられた抗体の検出によって、検出されることができるペプチド又はポリペプチドを含む。
【0080】
一つの実施形態において、検出可能なラベルは、18F、11C、又は、123Iのような、小さい大きさの有機PET及びSPECTのラベルである。それらの小さい大きさのおかげで、有機PET又はSPECTのラベル、例えば、18F、11C、又は、123Iは、理想的には、それらが、一般にターゲッティングするデバイスの性質に及び特にそれ膜輸送に必ずしも大いに影響を及ぼすのではないような細胞内の事象を監視することに適合させられる。同様に、アジドの部位は、小さいものであり、且つ、タンパク質、mRNA、信号伝達する経路などの細胞内のイメージング用のラベルとして使用されることができる。PETラベル及び二次のターゲッティング部位としてのトリフェニルホスフィンを含むイメージングプローブは、親油性であり、且つ、それが、それの結び付く相手を見出すまで、細胞内で及び細胞の外へ受動的に拡散することができる。さらには、両方の構成成分は、血液脳関門の横断を予め排除せず、且つ、脳における領域のイメージングを可能にする。
【0081】
別の実施形態に従って、本発明の化合物及び方法は、ターゲッティングされた治療に使用される。これは、二次のターゲッティング部位及び一つ以上の薬学的に活性な薬品(即ち、薬物又は放射線治療用の放射性同位体)を含む治療のプローブの使用をすることによって、達成される。ターゲッティングされた薬物の送出の情況に用いるための適切な薬物は、当技術において知られる。自由選択で、治療のプローブは、また、一つ以上のイメージングの薬品のような、検出可能なラベルを含むことができる。治療に使用された核種は、24Na、32P、33P、47Sc、59Fe、67Cu、76As、77As、80Br、82Br、89Sr、90Nb、90Y、103Ru、105Rh、109Pd、111Ag、121Sn、127Te、131I、140La、141Ce、142Pr、143Pr、144Pr、149Pm、149Tb、151Pm、153Sm、159Gd、161Tb、165Dy、166Dy、166Ho、169Er、172Tm、175Yb、177Lu、186Re、188Re、198Au、199Au、211At、211Bi、212Bi、212Pb、213Bi、214Bi、223Ra、225Acからなる群より選択された同位体であることができる。
【0082】
現在知られた多くの治療の化合物は、すでに、アジドを含有し、且つ、このように、それらの効率を改善するために、ターゲッティングされた治療用のターゲッティングプローブとの組み合わせで使用されることができる有用な治療のプローブを表す。例えば、光力学的な癌の治療用のアジドタイプの共役体(WO03/003806を参照のこと。)は、予めターゲッティングする方針を使用して、罹患した組織に対してより効率的にターゲッティングされることができる。
【0083】
本発明のさらに別の実施形態において、ターゲッティングプローブの使用は、ターゲットの細胞又は組織の中へ本発明の二次のターゲットを選択的に組み込むことによって、置き換えられる。これは、二次のターゲット、例えば、細胞の代謝によって生体分子の中へ組み込まれることができるアジド反応の相手を含む、代謝の前駆体の分子のような、細胞における経路に伴われる分子を使用することによって、達成される。細胞における経路において伴われる分子は、また、ビルディングブロックとも呼ばれる。この方式でターゲッティングされた代謝経路は、DNA合成、タンパク質合成、及び膜合成のような、全ての細胞に共通である経路であることができる。自由選択で、これらは、癌又は炎症/感染のような疾患の条件において上方に調節される代謝経路である。あるいは、ターゲッティングされた代謝経路は、特定のタイプの細胞又は組織に特異的である。本発明の情況において使用されることができるターゲットの代謝の前駆体は、アミノ酸及び核酸、アミノ糖類、脂質、脂肪酸、及び、コリンのような、しかし、それらに限定されない、代謝の前駆体の分子を含む。アミノ酸のような、これらの化合物のイメージングは、アミノ酸の摂取における及び/又はタンパク質の合成における差異を反映することができる。いろいろな糖質が、炭水化物の構造のラベリングのために使用されることができる。脂肪酸は、例えば細胞膜における、脂質のラベリングのために使用されることができる。
【0084】
さらには、代謝の前駆体の類似体の多くは、当技術において知られ、それら類似体は、本発明の情況における使用について特定の利点を提供することができる。代謝経路、並びに、アジド又はホスフィンによってラベリングされることができる、対応する代謝の前駆体の例の非限定列挙は、以下に提供される。これらのいくつかは、他のものが、生物学的な巨大分子の中へ組み込まれる一方で、細胞の中へ一時的に累積されたものになる。
【0085】
チミジンホスホリラーゼは、チミン及びデオキシリボース−1−ホスファートへのチミジンの加水分解に触媒作用を及ぼす酵素である。チミジンホスホリラーゼの発現の高い水準は、報告によれば、結腸直腸の、頭部の、又は、頸の、膀胱の、及び、頸部の、癌における減少した生存と、及び、また、腫瘍の血管形成の活性と、関連させられてきた。酵素が、逆反応(即ち、チミジンへのチミンの転換)にもまた触媒作用を及ぼすので、それは、フルオロウラシルへ転換される、カペシタビンのような、チミンの治療の類似体の細胞内のトラッピングの手段として役に立つことができる。
【0086】
増殖でターゲッティングされたイメージングの薬品は、好ましくは、悪性腫瘍について高い特異性を有し、且つ、高い等級の病変から良性の又は低い等級の腫瘍を区別するために、低い等級の腫瘍における高い等級の変形を検出するために、又は、診断上の生体組織検査、外科的な切除術、又は、放射線治療について最適なアプローチを計画するために、使用されることができる。FDG及びメチオニンは、すでに、この目的のための使用にある。大部分の調査は、DNAの類似体に焦点を集め、その類似体は、チミジン又はブロモデオキシウリジン(bromodeoxyuridine)(BrdU)のような、複製されたDNAのストランドの中へ組み込まれる。ブロモ−2’−フルオロ−2’−デオキシウリジン(bromo-2’-flioro-2’-deoxyuridine)(BFU)は、劣化に対してより耐性のある且つ高い組み込みの率を有する類似体である。短い血漿の半減期は、薬品の腎臓の除去を阻害するためのシメチジンを使用することによって、改善されることができる。他の適切なヌクレオシドの類似体は、1’−フルオロ−5−(C−メチル)−1−ベータ−D−アラビノフラノシルウラシル(1’-fluoro-5-(C-methyl)-1-beta-D-arabinofuranosyluracil)(FNAU)、デオキシウリジン;及び、5−ヨード−1−(2−フルオロ−2−デオキシ−ベータ−D−アラビノフラノシル)−ウラシル(5-iodo-1-(2-fluoro-2-deoxy-beta-D-arabinofuranosyl)-uracil)(FIAU)を含む。
【0087】
本発明の特定の実施形態は、レポータープローブ、即ち、細胞の過程におけるそれらの同伴によって過程又は細胞のタイプの可視化を可能にする分子の使用に関する。このようなプローブは、細胞の内因性の機構、例えば、基質が提供される内因性の酵素の使用をすることができる。あるいは、このようなプローブは、レポーター遺伝子と呼ばれた、外来の遺伝子によって、機能する。レポーター遺伝子の生産物は、細胞内で選択的にトラップされる代謝物へレポータープローブを転換する酵素であることができる。あるいは、レポーター遺伝子は、受容体又は輸送体若しくはポンプをコード化することができ、それは、細胞の中へのプローブの累積に帰着する。
【0088】
フルオロチミジンは、チミジンキナーゼ−1(TK1)によってリン酸化されるチミジンの類似体であり、そのチミジンキナーゼ−1は、レポーター遺伝子として使用されることができ、その遺伝子は、細胞のトラッピングに帰着する。細胞培養において、摂取は、TK−1の活性及び細胞の増殖と相関する。
【0089】
本発明のさらなる実施形態に従って、レポータープローブは、細胞又は組織における特定の環境に対応する分子である。組織の低酸素は、脳血管疾患、虚血性心疾患、末梢血管疾患、及び、炎症性関節炎の病因の中心となる。それは、また、悪性の固形腫瘍の成長の偏在性の特徴であり、ここで、それは、腫瘍の病原力に対して陽性の関連性をもち、且つ、化学療法又は放射線治療に対する応答の尤度と負に相関する。最近の研究は、これらの設定の各々において低酸素に対する応答の共通の経路があることを提案してきた。2−ニトロイミダゾールの化合物は、低減され、且つ、低酸素の細胞にトラップされ、且つ、虚血性の心筋及び腫瘍における酸素緊張のセンサーとして使用されることができる。例は、フルオロミソニダゾール、フルオロエリスロニトロイミダゾール、アゾマイシン−アラビノシド、ビニルミソニダゾールのRP−170(1−[2−ヒドロキシ−1−(ヒドロキシメチル)−エトキシ]メチル−2−ニトロイミダゾール)及びSR4554(N−(2−ヒドロキシ−3,3,3−トリフルオロプロピル)−2−(2−ニトロ−1−イミダゾリル)アセトアミド)を含む。HL91は、腫瘍の摂取を有する非ニトロイミダゾール化合物である。別の適切な化合物は、ジアセチル−ビス(N4−メチルチオセミカルバゾン)−銅(II)(ATSM)である。
【0090】
自由選択で、ターゲッティングプローブ又は代謝の前駆体又はビルディングブロック又はレポータープローブは、すでに、検出可能なラベルを含む。好ましくは、このラベルは、シュタウディンガーライゲーションを使用して次のステップで導入されることもあるラベルと異なる。二つのイメージングラベルの組み合わせは、潜在的な利点として、より良好なターゲットの局在化、アーチファクトの除去、関連性のない(浄化)経路の描写を有する。
【0091】
本発明に従って、一方におけるターゲッティングプローブ若しくはターゲットの代謝の前駆体の分子又は他方におけるイメージングプローブ若しくは治療のプローブは、それぞれ、二次のターゲット又は二次のターゲッティング部位としてのホスフィン又はアジド基を含むことができ、それらの基は、シュタウディンガーライゲーションによってこれらのプローブの結び付きを可能にする。
【0092】
本発明の実施形態に従って、ホスフィンは、一般的な構造:
Y−Z−PR
によって表されることができ、
ここで、Zは、アルキル基、シクロアルキル基、及び、Rで置換されたアリール基より選択され、且つ、好ましくは、Rで置換されたアリール基であり、ここで、Rは、好ましくは、PRに相対してアリール環におけるオルトの位置にあり;且つ、ここで、Rは、トラップに対して求電子性の基であり、例えば、カルボン酸、エステル、例えば、低級アルキルエステル、例えば、1個から4個までの炭素原子を有するアルキルのようなアルキルエステル、ベンジルエステル、アリールエステル、置換されたアリールエステル、アルデヒド、アミド、例えば、低級アルキルアミド、例えば、1個から4個までの炭素原子を有するアルキルアミドのようなアルキルアミド、アリールアミド、低級ハロゲン化アルキル、例えば、1個から4個までの炭素原子を有するハロゲン化アルキルのようなハロゲン化アルキル、チオエステル、スルホニルエステル、低級アルキルケトン、例えば、1個から4個までの炭素原子を有するアルキルケトンのようなアルキルケトン、アリールケトン、置換されたアリールケトン、ハロスルホニル、ニトリル、ニトロ、及び同様のものを含むが、しかし、それらに必ずしも限定されない、アザ−イリド基を安定化させ;
及びRは、一般に、置換されたアリール基を含む、アリール基又はシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基であり、ここで、R及びRは、同じもの又は異なるものであってもよく、好ましくは同じものであり;且つ、
Yは、a)ターゲッティングプローブの場合における一次のターゲッティング部位、b)イメージングプローブの場合における検出可能なラベル、又は、c)治療のプローブの場合における治療の化合物の一つに対応する。Yは、アリール基Zにおけるいずれの位置、例えば、パラ、メタ、オルトにおいても水素又は別の反応性の基でホスフィンへ連結されることができる;例示的な反応性の基は、カルボキシル、アミン、例えば、例えば1個から4個までの炭素原子を含む、低級アルキルアミンのようなアルキルアミン、アリールアミン、エステル、例えば、例えば1個から4個までの炭素原子を含む、低級アルキルエステルのようなアルキルエステル、ベンジルエステル、アリールエステル、置換されたアリールエステル、チオエステル、ハロゲン化スルホニル、アルコール、チオール、スクシンイミジルエステル、イソチオシアナート、ヨードアセトアミド、マレイミド、ヒドラジン、及び同様のものを含むが、しかし、それらに限定されない。あるいは、Yは、連鎖を通じてホスフィンの構成成分へ連結されることもある。図1及び2において、Yは、R’によって表される。
【0093】
Yは、Zへ、又は、ホスフィンのいずれの他の適切な部分へも、連結されることもある。
【0094】
あるいは、ターゲッティングプローブ又はイメージングプローブに存在するホスフィンは、開裂可能な連鎖を含むように変性させられた構造を有し、且つ、一般式:
Y−X−R−PR
のものであり、
ここで、Xは、求電子体、好ましくは、開裂可能な連鎖として作用するカルボニル又はチオカルボニルであり;且つ、一般にXとRとの間に、酸素又は硫黄のような異種の原子が存在する。
【0095】
は、求電子体への連鎖であり、且つ、アルキル又は置換された若しくは置換されてないアリール基であることもあり;且つ
Y、R、及び、Rは、上に記載したようなものである。
【0096】
このようなホスフィン基は、‘トレースレス’シュタウディンガーライゲーションにおいてアジドと反応することになる。トレースレスシュタウディンガーライゲーションにおいて、Yは、求電子性のトラップへ連結される。
【0097】
−PRの例は、米国特許第2003/0199084号明細書に開示される。この出願は、また、ホスフィン誘導体を調製するための数個の合成方法を開示し、且つ、参照によって組み込まれる。
【0098】
本発明における使用に適切なアジドを含む分子を生産するための方法のみならず、アジドを含み且つ本発明における使用に適切な分子は、当技術において知られる。
【0099】
イメージングプローブの生産用の合成経路の一般的なスキームは、それによって、アミン又はカルボン酸を含むイメージングの薬品が、ホスフィン又はアジドの部位へ連結されるが、図7に提供される。類似の合成経路は、アミン又はカルボキシル基をもつ、ターゲッティングプローブ、治療のプローブ、又は、それぞれ、適切なターゲッティング部位、薬学的な化合物、若しくは、代謝の前駆体から開始するターゲットの代謝の前駆体の生産に適用可能である。
【0100】
本発明の別の実施形態に従って、治療のプローブは、イメージングプローブとの組み合わせで使用される。この実施形態において、治療の化合物及び二次のターゲッティング部位を含む、治療のプローブは、直接的に、例えばターゲッティングプローブ無しに、投与され、且つ、二次のターゲッティング部位は、イメージングプローブでの検出に使用される。このように、この実施形態に従って、事実上は二次のターゲットとして機能する、治療プローブの二次のターゲッティング部位、及び、イメージングプローブの二次のターゲッティング部位は、シュタウディンガーライゲーションにおける相手である。この実施形態は、例えばAZT(アジドチミジン)(azidothymidine)治療の計画及び監視に用いるのである。AZT(1)は、抗レトロウィルスの薬物及びHIVに対する使用に認可されるものである最初の抗ウィルスの処置である。それは、すでに、糖の部位に据え付けられたアジドを有する。このアジドは、ラベリングされたシュタウディンガーホスフィンプローブを結び付けるためのハンドルとして使用されることができ、患者におけるAZTイメージングを可能にする。
【0101】
【化1】

本発明のアジド又はホスフィンを含むターゲッティングする、イメージング、及び治療のプローブは、生体適合性であり、且つ、医療のイメージング又は治療において現行で使用される従来の分子と同一の又は類似の方式で投与されることができる。加えて、検出可能なラベルは、当業者に知られ、且つ、従来の方法論及び装置を要求する。
【0102】
本発明の特定の実施形態に従って、ここに記載された化合物及び方法は、動物又は人間の身体における組織又は細胞のタイプのイメージング又は検出ために生体内で使用される。あるいは、それらは、生検材料若しくは他の身体の試料の検査のために、又は、外科手術の後に取り除かれてしまった組織の検査のために、生体内で等しく使用されることができる。
【0103】
ここに記載されたように、本発明の特定の実施形態に従って、ターゲッティングプローブ及びイメージング又は治療のプローブは、連続して提供され、それの一次のターゲットへのターゲッティングプローブの結び付き、及び、自由選択で、ラベル又は治療の化合物を提供する前に過剰なターゲッティングプローブの取り除くことを可能にする。これは、イメージにおけるより高い信号対雑音比及び/又は治療のより高い効率を保証し、且つ、一般に、“予めのターゲッティング”又は“二つのステップの”ターゲッティングと呼ばれる。本発明の化合物は、二つのステップのターゲッティングの方法を可能にし、ここで、問題(ターゲットに対する過剰な長い拡散及び生体からの浄化、イメージングの化合物の減衰)は、伝統的に二次のターゲットの大きさに関係付けられ、且つ、(二つのステップの間での認識及び結び付きを保証する)二次のターゲッティング部位が、回避される。さらには、このような“二つのステップ”のターゲッティングは、‘全般的な’イメージングプローブの現像を可能にし、それらプローブは、関心のある‘ターゲッティングプローブ’との組み合わせで使用されることができる。
【0104】
さらなる実施形態に従って、本発明の方法及び化合物は、ターゲッティングされた信号の増幅及び/又は多価の据え付けに使用される。ここで、ターゲッティングプローブの一次のターゲッティング部位は、デンドリマー、ポリマー、又は、リポソームを含有する多重のトリフェニルホスフィン部位に共役される。それの一次のターゲッティング部位を通じたターゲッティングプローブの受容体の結び付きの後に、一つ以上のMRI造影剤、例えばGdキレートに、又は、超音波レポーター、例えば、マイクロバブルに、共役されたアジドを含むイメージングプローブは、注入される。ここで、前記の造影剤又はマイクロバブルは、二次のターゲッティング部位を含む。その後のシュタウディンガーライゲーションは、ターゲットの組織における高い濃度のMRI造影剤に帰着する。さらには、ターゲットのサイトにおける多価は、アジドのレポーターの共役体(イメージングプローブ)で反応速度論を増加させることになり、MRI造影剤又はマイクロバブルの効率的なターゲットの累積を与える。
【0105】
あるいは、アジドは、また、上で述べたようにターゲッティングプローブに、及び、レポーターに共役されたトリフェニルホスフィンは、イメージングプローブに、含まれることができる。
【0106】
別の態様の方法に従って、本発明の化合物は、一次のターゲッティング部位無しに使用されるが、しかし、細胞の代謝によって生体分子中へ組み込まれるものである前駆体に分子の中へ二次のターゲットを組み込む。この方式では、一般的な代謝経路は、ターゲッティングされることができる。上に記載したホスフィン又はアジドは、例えば、糖質、アミノ酸、又は、ヌクレオチドに連結され、次にそれらは、細胞又は生体へ投与されることができ、且つ、生体分子の中へ組み込まれる及び/又は正常な代謝によって細胞内にトラップされる。生存する生体、真核の培養された細胞、又は、組み替えタンパク質の発現系(細菌、酵母、より高次の真核生物)の中へのこのような組み込みの例は、当技術において記載されたものである[上で引用したLemieux et al 2003、Hang et al.(2003)Proc Natl.Acad Sci.USA 100,14846−14851;Wang et al.(2003)Bioconjugate Chem.14,697−701]。
【0107】
本発明のこの態様の特定の実施形態において、感染/炎症又は癌のような、疾患の間に上方に調節される、代謝経路は、ターゲッティングされる。疾患の条件において上方へ調節されることができる構成成分は、例えば、DNA、タンパク質、膜の合成、及び、糖類の摂取を含む。これらの経路をターゲッティングするための適切なビルディングブロックは、アジドでラベリングされたアミノ酸、糖質、核酸塩基、並びに、コリン、及びアセタートを含む。これらのアジドでラベリングされたビルディングブロックは、現行で使用された代謝のトレーサー[11C]−メチオニン、[18F]−フルオロデオキシグルコース(fluorodeoxyglucose)(FDG)、デオキシ−[18F]−フルオロチミジン(fluorothymidine)(FLT)、[11C]−アセタート、及び、[11C]−コリンに機能的に類似性のものである。高い代謝又は増殖を備えた細胞は、これらのビルディングブロックのより高い摂取を有する。アジド誘導体は、細胞の内及び/又は外で、これらの経路に入り且つ累積することができる。遊離のビルディングブロックの十分な増強及び浄化の後で、イメージングプローブ、例えば、放射性ラベル及び二次のターゲッティング部位としての(細胞浸透性の)シュタウディンガーホスフィンを含むプローブは、累積されたアジドの代謝産物を結び付けるために、中に送られる。正常なFDGタイプのイメージングを超えた利点は、放射性のものが結び付くこと、このように信号対雑音比を増加させることが、可能にされる前に、ターゲッティングプローブの高い増強を可能にするための豊富な時間があるというものである。あるいは、疾患について特異的である代謝経路及び/又は代謝産物は、ターゲッティングされることができるであろう。
【0108】
本発明の別の態様は、トレースレスシュタウディンガーライゲーションに基づいた、ターゲッティングされたイメージングにおける“スマートな”又は応答性のMRI造影剤の使用に関する。
【0109】
本発明のこの態様に従って、ホスフィン基を含むイメージングプローブ並びに低い緩和度及びその結果として低い信号強度を有する“スマートな”MRI造影剤は、ターゲッティングプローブに存在するアジド基と反応することにおける信号強度を達成する。例えば二次のターゲッティング部位としての、ホスフィン基を含むこのような“スマートな”MRIイメージングプローブは、以後の示されるような一般的な構造(2):
【0110】
【化2】

を有し、
ここで、Mは、Gd、Fe、Mn、Cr、Co、Ni、Cu、Pr、Nd、Yb、Tb、Dy、Ho、Er、Sm、Eu、Ti、Pa、La、Sc、V、Mo、Ru、Ce、Dy、Tlからなる群より選択された常磁性の金属イオンであり;
A、B、C、及びDは、単結合又は二重結合のいずれかであり;X、X、及びXは、−OH、−COO−、−CHOH−、−CHCOO−、C(O)Nであり;
−R10は、水素、アルキル、アリール、リンの部位であり、且つ、
ここで、Yは、二次のターゲッティング部位、より詳しくは、(CH−COO−CN(CHCOOH)−P−(Cのような置換されたトリフェニルホスフィン又は置換されたホスフィンと常磁性の金属との間における一つ以上の配位を許容する別の置換されたトリフェニルホスフィンである。
【0111】
この態様の実施形態は、図4に示される。二次のターゲットとしてのアジド基を含むターゲッティングプローブは、それのターゲット(2)に結び付くことが、可能にされる。その後、Gd−DOTAトリフェニルホスフィン共役体(1)からなるイメージングプローブが、投与される。この共役体において、二つの強調されたカルボン酸は、Gdキレート錯体の内圏における二つの水の配位の場所を遮断し、その錯体は、構築物の低い緩和度に至る。これは、MRIにおける低い信号強度に帰着することができる。ターゲッティングプローブのアジド基が、イメージングプローブのトリフェニルホスフィン部位と反応するとき、トレースレスライゲーションは、ターゲット(3)へ活性化されたMRIプローブを共役する一方で、添付されたカルボン酸の脱離に帰着する。結び付きの事象は、このように、水について利用可能な二つの配位の場所を作り、その情況は、結び付きについての信号の増加に至る。これは、構成成分1及び2が、介在性の空間内で速く拡散すると、組織内のマーカーのMRIイメージングを可能にする。
【0112】
本発明のさらに別の態様は、イメージング及び治療における使用のために、組み合わせられたターゲッティング及びイメージング又は治療のプローブの提供に関する。このように、この態様に従って、イメージングプローブ又は治療のプローブのターゲッティングプローブの二次のターゲット及び二次のターゲッティング部位は、細胞、組織、又は生体への投与の前に、試験管内で反応することが、可能にされる。シュタウディンガーライゲーション、最も詳しくは、トレースレスシュタウディンガーライゲーションを使用する本発明の、ターゲッティングプローブ及びイメージング又は治療のプローブを連結するとき、大きさにおけるどんな増加もほとんどなく、それは、それ自体、化学反応の典型的な特徴である。結果として、組み合わせられたターゲッティングプローブ及びイメージングプローブは、ターゲットへの迅速な拡散及び身体からの迅速な浄化を可能にするためには十分に小さいものであることができる。このように、シュタウディンガーライゲーションは、ターゲッティングの構築物に対するイメージングの薬品の共役について直交性の且つ一般的なルートとして、予見される。一般には、上に述べた一次のターゲッティング部位及び検出可能なラベルの全ての組み合わせは、試験管内で生産され且つこの用途について使用されることができる。生体内における最適な使用のために、一次のターゲッティング部位及びラベルの組み合わせられた大きさが、一次のターゲットへの十分に迅速な拡散及び身体からの浄化を可能にするはずであることは、理解されると思われる。
【0113】
本発明の上に記載した態様の特定の実施形態に従って、組み合わせられたターゲッティング及びイメージング/治療のプローブは、一次のターゲッティング部位として、レポーターのような別のタンパク質と相互作用するペプチドを含む。
【0114】
本発明の上に記載した態様の別の特定の実施形態に従って、検出可能なラベルは、有機PETでラベルで識別された補綴の基、PET、SPECT、又は、MRIについての金属錯体、超音波イメージングについてのマイクロバブル、及び、ヨウ素又はバリウムを含有する分子又は小胞の群より選択される。
【0115】
本発明の組み合わせられたターゲッティング及びイメージング又は治療のプローブの生産における重要な利点は、シュタウディンガーライゲーションの個々の試薬(即ち、二次のターゲットを含むターゲッティングプローブ及び二次のターゲッティング部位を含むイメージング又は治療のプローブ)が、安定であるということ、並びに、それらの間の反応が、水中で起こることである。
【0116】
このように、ペンダントのアジド部位を含むイメージングプローブ及びトリフェニルホスフィン誘導体を含むターゲッティングプローブは、又は、逆もまた同じであるが、生産され且つ別個に貯蔵される及び事前に生産の一部としてか又は最終使用者による使用の直前にかのいずれかで組み合わせられることができる。反応は、急速であり且つ高い収率を与え、且つ、組み合わせられた生産物は、精巧な精製を要求しない。
【0117】
このように、本発明は、また、組み合わせられたターゲッティングプローブ及びイメージング若しくは治療のプローブ又は一つ以上のイメージング若しくは治療のプローブと組み合わせるための一つ以上のターゲッティングプローブを含むキットを予見する。特定の実施形態に従って、二つの構成成分は、例えばイメージングの手順の直前に、試験管内で反応させられ、且つ、組み合わせられたプローブは、このようなものとして、使用される。実施形態に従って、組み合わせられたプローブは、トレースレスシュタウディンガーライゲーションにおけるホスフィン及びアジドの反応の結果であるアミド結合の存在によって特徴付けられる。非トレースレスライゲーションを使用して、一次のターゲッティング部位及び検出可能なラベルを含む組み合わせられたプローブは、ホスフィンオキシドを含むことになる。例えば、一次のターゲッティング部位及び検出可能なラベルは、トリフェニルホスフィンのフェニル基における置換基へ結び付けられることができる。シュタウディンガーのキットの用途は、核のイメージングの薬品について、特に予見される。
【0118】
さらなる態様において、本発明は、本発明に従ったイメージングプローブを含む薬学的な組成物に関する。
【0119】
本発明が、さらに、本発明に従ったイメージングプローブを使用することを含む、イメージング用の診断の組成物の調製のための方法に関する。
【0120】
本発明の別の態様は、コンビナトリアルペプチド合成を使用する、本発明の情況に用いる適切なターゲッティングプローブの生産に関する。ペプチドの場合には、アジド又はトリフェニルホスフィン基でのラベリングは、レポーターの親和の性質を乱し得る。その結果として、ターゲッティング部位のラベリングの後で、付加的な時間を消費する最適化のラウンドは、ターゲッティングプローブが、所望の薬学的な性質及びレセプターの親和性を有することを保証するために、必要であることもある。本発明のこの態様に従って、アジド又はトリフェニルホスフィンは、特異的なターゲットについての新しいリードの識別用のコンビナトリアルライブラリの設計に含まれる。このような方法論によって発生させられたリードは、付加的な変更を要求せずに、本発明の情況におけるターゲッティングプローブとして直接的に使用されることができる。特定の実施形態に従って、アジド残基(5)を担持するアミノ酸ビルディングブロック(図5)は、ペプチドライブラリ(6)のコンビナトリアルな調製の間にペプチド鎖におけるいずれの所望の位置でも組み込まれる。ペプチド−アジドプローブは、最適な受容体を結び付ける親和性についてスクリーニングされる。最適なペプチドのプローブは、このように、予めのターゲッティングにおける使用のために識別されることができる。
【0121】
本発明の別の態様は、ここに記載されたものの組み合わせられたプローブに対応する、ターゲッティングされたイメージング又は治療の薬品の調製におけるシュタウディンガーライゲーションの使用に関する。
【0122】
一般に、ターゲッティングされたイメージングの薬品は、放射性同位体、金属キレート、又は有機蛍光体のような、ラベルで、受容体−結び付きの部位、例えば、生理活性なペプチド又は有機の薬物様の構造のような、知られたターゲッティングする基をラベリングすることによって現像される。核の同位体は、通常、キレートの基、例えば、SPECTの薬品、又は、ハロゲンのラベリングのための芳香族性の補綴の基を介して、結び付けられる。同様に、ターゲッティングされた治療の化合物は、治療の化合物へ知られたターゲッティングする基を連結することによって、現像される。これらの付加されたラベリングの基又は治療の化合物は、ターゲッティング部位の性質及び受容体の親和性を顕著に変えることができ、準最適化のターゲッティングされたイメージングの薬品又は治療に至る。その結果として、各々ラベリングさられたターゲッティング部位について、薬学的な性質及びターゲットの親和性に関する共役体の付加的な時間を消費する最適化のラウンドは、必要である。本発明に従って、シュタウディンガーライゲーションは、このようなターゲッティングされたイメージング又は治療の薬品の現像を容易にするために、使用されることができる。異なる位置におけるアジド又はトリフェニルホスフィンの選択的な組み込みは、ターゲッティング部位として作用するペプチドの合成に含まれる。この最適化は、知られたペプチドの部位に基づいて、即ち、知られたペプチドの配列における異なる位置でアジド又はトリフェニルホスフィンを組み込んで、ターゲッティングされたプローブ又は治療のものの現像に適用されることができる。あるいは、これは、例えば特異的なターゲットについての新しいリードのコンビナトリアルライブラリの設計における含有によって、新しいターゲッティング部位の現像において適用されることができる。コンビナトリアルライブラリは、次に、シュタウディンガーライゲーションを使用して、所望のラベル又は治療のものに結び付けられ、且つ、ターゲットへの最適な結び付きの親和性及びラベル/治療の効率の両方についてスクリーニングされる。
【0123】
自由選択で、非放射性同位体、例えば、非放射性のF、I、などへ連結されたシュタウディンガーのホスフィンは、結び付きの親和性を研究するための全てのアジドで官能化されたライブラリのメンバーに結合させられる。“放射性の”類似体は、次に、対応する放射性の同位体でラベリングされたシュタウディンガーホスフィンへのアジド−ペプチドのカップリングによって、得られることができる。
【0124】
このような方法論によって発生させられたリードは、付加的な変更を要求せずに、提供された結び付きのサイトへのラベル又は治療の化合物の結び付きの後に、イメージング及び/又は治療の薬品として直接的に適用されることができる。
【0125】
特定の実施形態に従って、アジドの残基(5)を担持するアミノ酸のビルディングブロック(図5)は、ペプチドライブラリ(6)のコンビナトリアルな調製の間にペプチド鎖におけるいずれの所望の位置でも組み込まれる。最適な受容体の結び付きの親和性を備えた、ペプチド−アジド−ラベル又はペプチド−アジド−治療の共役体は、次に、それぞれ、ターゲッティングされたイメージング又はターゲッティングされた治療における使用について識別されることができる。このように得られたコンビナトリアルライブラリは、アジドの残基を担持するアミノ酸ビルディングブロックが、それのターゲットへのリードの結び付きとラベル/治療のものの最小の相互作用を表示する分子をスクリーニングすることによって識別するために、異なる位置に導入される、先に識別されたリードの分子のアレイを含むことができる。
【0126】
本発明のプローブ及びキットは、医療のイメージング及び治療、より詳しくは、‘ターゲッティングされた’イメージング及び治療における使用のものである。用語‘ターゲッティングされた’は、患者への投与の際のイメージングラベル又は薬学的に活性な化合物が、ターゲットの分子と特異的に相互作用するか又はターゲットの分子の中へ導入されるという事実に関する。これは、ターゲッティング部位を含むターゲッティングプローブの使用によって、又は、ターゲットの代謝の基質の使用によって、本発明に従って達成されることができる。あるいは、これは、組み合わせられたターゲッティング及びイメージング又は治療のプローブを提供すること(即ち、組み合わせられたプローブとしての本発明の二つの構成成分の投与)によって、得られることができる。このターゲットの分子は、特定のタイプの細胞若しくは組織に特異的であることができるか、又は、身体における全ての細胞若しくは組織に共通であることができる。本発明の特定の態様は、‘予めターゲッティングされた’イメージング又は治療に関する。この態様は、本発明の二つの構成成分の別個の使用を要求し、且つ、ターゲッティング部位を含むか又は特定の反応の基質であることによってターゲッティングすることを保証する構成成分の、及び、イメージ又は治療の効果を保証する構成成分の、患者への投与の時間における分離に関する。二つの構成成分の投与の間の時間は、変動することができるが、しかし、約10分から数時間又はさらに数日までの範囲にわたる。
【0127】
本発明のプローブは、静脈内注射、経口投与、直腸投与、及び、吸入を含む異なるルートを介して、投与されることができる。これらの異なるタイプの投与に適切な製剤は、当業者に知られる。
【0128】
本発明に従った薬学的な組成物を含む治療のプローブ又はイメージングプローブは、薬学的に許容可能な担体と一緒に投与されることができる。ここで使用されたような適切な薬学的な担体は、毒性又はそうでなければ許容不可能なものではない、医療の又は獣医学の目的に適切な担体に関する。このような担体は、当技術において周知であり、且つ、生理食塩水、緩衝された生理食塩水、デキストロース、水、グリセロール、エタノール、及びそれらの組み合わせを含む。製剤は、投与のモードに適合するべきである。
【実施例1】
【0129】
例:
例1:神経内分泌の腫瘍の予めターゲッティングされたイメージング
例えば、二次のターゲットとして、アジド基に連結された、例えば、図3に従った一次のターゲッティング部位を表す;ソマトスタチン受容体を結び付けるペプチドを含むターゲッティングプローブは、主体に注射される。例えば、神経内分泌の腫瘍に高い濃度で存在する、一次のターゲット、例えば、ソマトスタチン受容体へのターゲッティングプローブの結び付き、及び、結び付けられてないターゲッティングプローブの浄化の後、即ち二次のターゲッティング部位として作用するシュタウディンガーホスフィン基に連結された放射性の18F−ラベルを含むイメージングプローブは;それが、不動にされたアジドを結び付ける場合に、主体、例えば、動物又は人間へ注射される。神経内分泌の腫瘍の存在は、このように、コントラストを提供する放射性同位体によって、可視化されることができる。あるいは、イメージングプローブの二次のターゲッティング部位は、トリフェニルホスフィンが、ターゲッティングプローブにおける二次のターゲットである一方で、アジドを含有する。ホスフィン(3)で又はアジドでラベリングされたアミノ酸は、ターゲッティングプローブの生産用の受容体を結び付けるペプチドに組み込まれることができる。
【0130】
【化3】

例2:治療計画用の胸部の腫瘍組織の予めターゲッティングされたイメージング
アジド−エストロゲン誘導体で作り上げられたターゲッティングプローブは、胸部の癌の患者へ投与される。エストロゲン受容体の結び付きの後で、99mTcキレートへ共役されたシュタウディンガーホスフィン基は、イメージングプローブとして注射され、且つ、不動にされたアジドを結び付け且つ可視化する。アジドで官能化された数個の胸部の癌でターゲッティングされた構築物は、既に知られる。しかしながら、これらのいずれも、シュタウディンガーライゲーションに基づいたイメージング方法において使用されてきた。
【0131】
例3:骨格の腫瘍組織のイメージング
シュタウディンガーホスフィン基とのジホスホナートの共役体は、骨格の癌の患者へのターゲッティングプローブとして投与される。骨格の累積の後で、ペンダントのアジドで官能化された99mTcキレートは、イメージングプローブとして患者へ注射される。あるいは、骨格の癌の治療の情況において、キレート−アジドの共役体で作り上げられたイメージングプローブは、治療の核種をさらに担持する。あるいは、ターゲッティングプローブにおいて、ジホスホナートは、アジド(5)へ連結され、且つ、イメージングプローブにおいて、二次のターゲッティングの基は、そのラベル(Tcキレート)へ連結されるホスフィン基である。
【0132】
【化4】

例4:脳の組織の予めターゲッティングされたイメージング
アジド−トロパン誘導体は、例えば、パーキンソン疾患を備えた主体へのターゲッティングプローブとして注射される。ドーパミン作動性の系におけるターゲットの結び付きの後で、18Fでラベリングされたシュタウディンガーホスフィンプローブは、イメージングプローブとして注射され、且つ、不動にされたアジドへ結び付く。
【0133】
例5:低酸素の組織の予めターゲッティングされたイメージング
アジドで官能化されたニトロイミダゾール誘導体は、低酸素の、例えば、以下に示した(6)、(7)をイメージングするためのプローブとして使用される。低酸素の細胞において、ニトロ部位は、ラジカルへ還元され、そのラジカルは、次に、細胞内の巨大分子との反応でトラップされる。その後、親油性の18Fでラベリングされたシュタウディンガーホスフィン基は、累積されたアジドを結び付けるための、例えば、イメージングプローブとして、注入される。
【0134】
【化5】

例6:予めターゲッティングされた信号の増幅及び/又は多価の据え付け
一次のターゲッティング部位は、多重のトリフェニルホスフィン部位を含有するデンドリマー又はポリマーへ共役される。それの一次のターゲット、例えば、受容体への一次のターゲッティング部位の結び付きの後に、一つ以上のMRI造影剤、例えば、Gdキレートへ、又は、超音波レポーター、例えば、マイクロバブルへ、共役されたアジドは、イメージングプローブとして注射される。その後のシュタウディンガーライゲーションは、ターゲットのサイトにおける高い濃度のMRI造影剤に帰着する。さらには、ターゲットのサイトにおける多価は、アジドレポーターの共役体との反応速度論を増加させることになり、MRI造影剤又はマイクロバブルの効率的なターゲットの累積を与える。あるいは、ターゲッティングプローブは、デンドリマーにおいてアジドを含み、且つ、トリフェニルホスフィンは、イメージングプローブにおけるラベルへ共役される。
【0135】
例7:トレースレスシュタウディンガーライゲーションを使用する“スマートな”又は応答性のMRI造影剤の予めターゲッティングすること
この例は、図4に図示される。アジド基を含むターゲッティングプローブは、それのターゲット(2)を結び付けることが、可能にされる。その後、Gd−DOTAのトリフェニルホスフィンの共役体1であるイメージングプローブが、投与される。二つのカルボン酸は、Gdキレート錯体の内圏における二つの水の配位の場所を遮断し、その錯体は、構築物のMRIにおいて、低い緩和度及び、よって、低い信号強度に至る。アジド基が、トリフェニルホスフィン部位と反応するとき、トレースレスシュタウディンガーライゲーションは、ターゲット(3)へ活性化されたMRIプローブを共役する一方で、添付されたカルボン酸の脱離に帰着する。結び付きの事象は、このように、水に利用可能な二つの配位の場所を作り、その事象は、結び付きの際の信号の増加に至る。さらには、この概念は、構成成分1及び2が、介在性の空間内で速く拡散することになると、組織内のマーカーのMRIイメージングを可能にする。
【0136】
例8:遺伝子治療の間にレポーター遺伝子をイメージングすること
この用途において、ベクターが、使用され、ここで、酵素HSV1−TK用のレポーター遺伝子のみならず治療の遺伝子が、両方とも、発現される。この酵素は、代謝で、細胞内のウラシルの類似体及びアシクログアノシンの類似体をトラップする。この実施形態においては、ウラシルの類似体及びアシクログアノシンの類似体が、アジド部位で官能化される。これらの分子は、レポーター遺伝子(及び、このように、また治療の遺伝子も)が、発現される組織において、代謝でトラップされる。その後、18Fでラベリングされたシュタウディンガーホスフィンプローブは、累積されたアジドを含むウラシルの類似体及びアシクログアノシンの類似体を結び付けるために、注射される。
【0137】
例9:遺伝子治療の間にレポーター遺伝子をイメージングすること
この例は、図6に図示される。レポーターの酵素は、細胞内の送出されたアジドの前駆体を活性化させ、その前駆体は、次には、シュタウディンガホスフィンプローブへ結び付く。マスクされたアジド誘導体4は、アジド部位(B)へ共役された膜内外のターゲッティングするペプチド(A)を含む。この部位は、エステル基によって保護され、その基は、[(2003)Angew.Chem.Int.Ed.,42,327−332において]Gopin et al.によって先に公開された、酵素に敏感なトリガーするデバイス(C)の一部である。レポーター遺伝子は、酵素ペニシリンアミダーゼに対応し、その酵素は、(C)においてベンジルアミド部位を開裂させる。結果として生じる一次アミンは、メチレンシクロヘキサジエンイミンへの転位及びアジドエステルの解放を果たす。自然の脱カルボキシル化は、活性なアジドを生じ、そのアジドは、次に、ラベリングされたシュタウディンガーホスフィンプローブをトラップする。
【0138】
例10:リポソームの表面に埋め込まれたGd−Dotam錯体の不動化におけるシュタウディンガーライゲーションの使用
それの添付されたステアロイル脂質の残基を備えた錯体8は、リン脂質の二層におけるステアロイル残基の挿入を介して、リポソームの表面を覆うことが、可能にされる。次に、添付されたアジド基は、多官能性のシュタウディンガーホスフィンプローブ9(トリペプチド)によって、分子間で架橋される。架橋されたGd錯体の回転は、脂質における遊離のGd錯体と比較すると、劇的に低減されることになり、MRIイメージングにおける増加した緩和度を与える。
【0139】
【化6】

例11:トリフェニルホスフィン−DOTAのイメージング/治療のプローブ26、28、及び29の合成
実験
以下に記載された化合物の合成は、オランダ国のEindhovenにおけるSyMO−Chemへ外注され且つそれによって行われた。
【0140】
機器:NMRスペクトルが、Brucker 400 MHz spectrometer、Varian Gemini 300 MHz spectrometer、及び、Varian Mercury 200 MHz spectrometerに記録された。赤外スペクトルが、Perkin Elmer 1600 FT−IRで測定された。MALDI−TOFスペクトルが、Perspective Biosystems Voyager DE−Pro MALDI−TOF mass spectrometer(加速電圧:20kV;グリッド電圧:74.0%,ガイドワイヤー電圧:0.030%,遅延:200ms,低質量ゲート900原子質量単位)で得られた。MALDI−TOF用の試料は、THF中のα−シアノ−4−ヒドロキシ経皮酸の溶液(10μl,c=20mg/ml)へTHF中のポリマーの溶液(20μl,c=1mg/ml)を加えること、及び、その後の徹底的に混合することによって、調製された。この混合物(0.3μl)が、試料プレートに持ってこられ、且つ、溶媒が、蒸発させられた。溶媒が、使用に先立ちモレキュラーシーブ上で乾燥させられた。吸湿性の化合物は、デシケーター内にP上で貯蔵された。全ての反応は、アルゴン雰囲気の下で実行された。
【0141】
以下に続く略語が使用される:DCM=ジクロロメタン、DMF=ジメチルホルムアミド、DIPEA=ジイソプロピルエチルアミン、TFA=トリフルオロ酢酸、HBTU=O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム=ヘキサフルオロホスファート、DCC=N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド。
【0142】
ホスフィンのビルディングブロック:
【0143】
【化7】

a).1)HCl,NaNO/HO;2)KI/H
b).HPPh,Pd(OAc),EtN(4当量),CHCN,80℃,3d
c).13についてBocO,ジオキサン及び15についてDCM,20℃
d).HBTU,DIPEA,DMF,RT,2時間
e).TFA,DCM,20℃,4時間
アミノ酸10は、ちょうどジアミン14のように、Aldrichから商業的に入手可能である。ヨウ素11は、Saxon等の米国特許第2003199084号明細書に従って、この特許においてまた報告されてきたホスフィン12用の前駆体が、収率を改善するために変性されてきた一方で、調製されてきた。
【0144】
化合物12
火炎で乾燥させられたフラスコへ添加されたものは、アセトニトリル(30mL)、トリエチルアミン(5.32g;52.3mmol)、化合物11(3.06g;10.0mmol)、及び、酢酸パラジウム(42mg;0.2mmol)であった。混合物は、真空で脱気された。アルゴンの雰囲気下で攪拌する一方で、ジフェニルホスフィン(2.16g;11.6mmol)が、シリンジを介して、フラスコへ添加された。結果として生じる溶液は、3日間80℃で加熱され、且つ、次に、室温まで冷却することを可能にされ、且つ、濃縮された。残留物は、DCM(175ml)中に溶解させられ、HO(175ml)及び1Mの塩酸(50ml,2回)で洗浄させられ、且つ、濃縮された。粗生産物は、熱MeOH(100mL)に溶解させられ、且つ、4℃まで冷却させられた。濾過は、やまぶき色の黄色の固体(2.87g;78%)として生産物を与えた、mp=206℃。H−NMR(400MHz,CDCl):δ10.8(br.s,1H),8.07(d,2H,J=1),7.67(d,1H,J=3.4),7.37−7.25(m,10H),3.75(s,3H)ppm。13C−NMR(100MHz,CDCl):δ170.58,166.68,141.46(d,J=29.5),138.90(d,J=19.1),136.89(d,10.0),135.56,133.83(d,J=10.0),131.90,130.56,129.70,129.02,128.65(d,J=7.1),52.35ppm。31P−NMR(80MHz,CDCl):δ−4.04ppm。FT−IR(ATR):ν2952,2846,2536,1726,1686,1434,1262,1244,1106,1057,743cm−1
【0145】
N−モノ(tert−ブチルオキシカルボニル)−エチレンジアミン(13)
ジ−tert−ブチル=ジカルボナート(40.77g;0.187mol)は、ジオキサン(200mL)中に溶解させられ、且つ、ジオキサン(500mL)中のエチレンジアミンの溶液(89.82g;1.49mol)へ滴の様式で添加された。30分後に、懸濁液が、乾燥まで蒸発させられ、且つ、HO(500mL)が、添加された。白色の固体は、濾過させられ、且つ、水性の層は、DCM(250mL,3回)で抽出された。組み合わせられた有機層は、NaSOで乾燥させられ、且つ、濃縮された。生産物は、無職の液体(23.75g;79%)として得られた。H−NMR(300MHz,CDCl):δ5.32(br.s,1H),3.17(q,2H,J=6.0),2.80(t,2H,J=6.0),1.45(s,9H),1.30(s,2H)ppm。13C−NMR(75MHz,CDCl):δ156.09,78.84,43.19,41.65,28.20ppm。FT−IR(ATR):ν3363,2975,2932,1689,1518,1364,1249,1166,873cm−1
【0146】
化合物15
商業的に入手可能なジアミン14(10.7g;72.2mmol)は、DCM(400mL)中に溶解させられ、且つ、溶液は、40−45℃まで油浴中で加熱され、且つ、アルゴン雰囲気下に保たれた。三つの部分において、ジ−tert−ブチル=ジカルボナート(合計で15.9g;72.8mmol)が、添加され、且つ、溶液は、アルゴン下で40−45℃において一晩中攪拌された。溶液は、冷却させられ、真空中で濃縮させられ、且つ、粗生産物は、油(7.8g;44%)として生産物を単離するためにクロロホルム/MeOH/イソプロピルアミン=20/2/1を使用して、シリカのカラムクロマトグラフィーによって精製された。H NMR(CDCl):δ=5.2(bs,1H),3.5−3.35(8H),3.2(q,2H),2.75(t,2H),1.35(s,9H),1.25(b,2H)。13C NMR(CDCl)δ=155.7(C=O),78.5(CCH),73.2及び69.9(CHO),41.5及び40.0(CHN),28.1(CCH)。
【0147】
化合物16
HBTU(3.64g;9.61mmol)は、乾燥DMF(40mL)及びDIPEA(2.48g;19.22mmol)中に溶解させられ、且つ、カルボン酸12(3.50g;9.61mmol)が、添加された。混合物は、10分間室温においてアルゴン下で攪拌され、且つ、次に、DMF(4mL)中のアミン13(1.69g;10.57mmol)の溶液が、添加された。混合物は、2時間攪拌され、その後、エーテル(500mL)で希釈され、且つ、飽和NaHCO3(400mL,3回)及び0.1MのHCl(400mL)で洗浄させられた。有機層は、NaSOで洗浄させられ、且つ、黄色の固体(4.59g;94%)を生じさせるために、濃縮された。H−NMR(300MHz,CDCl):δ8.07(dd,1H,J=3.3,7.8),7.75(dd,1H,J=1.8,8.1),7.38−7.27(m,11H),6.93(br.s,1H),4.85(br.s,1H),3.75(s,3H),3.44(q,2H,J=6.0),3.31(q,2H,J=6.0),1.42(s,9H)ppm。31P−NMR(80MHz,CDCl):δ−3.88ppm。FT−IR(ATR):ν3343,2974,1716,1708,1687,1637,1535,1435,1274,1255,1184,1165,1116,743,695cm−1
【0148】
化合物17
Bocで保護されたアミン16(4.59g;9.06mmol)が、DCM(20mL)及びTFA(20mL)中で溶解させられ、且つ、4時間室温で攪拌された。混合物は、濃縮され、DCM(100mL)中に再度溶解させられ、且つ、飽和NaCO(200mL)で洗浄された。水性の層は、DCM(50mL)で逆抽出され、且つ、組み合わせられた有機層は、NaSOで乾燥させられ、且つ、黄色の発泡体(3.51g;97%)を生じさせるために乾燥まで蒸発させられた。H−NMR(200MHz,CDCl):δ8.08(dd,1H,J=3.6,7.8),7.81(dd,1H,J=1.6,8.2),7.37−7.23(m,11H),6.57(br.s,1H),3.72(s,3H),3.33(q,2H,J=5.6),2.79(t,2H,J=5.9),1.14(br.s,2H)ppm。31P−NMR(80MHz,CDCl):δ−3.87ppm。FT−IR(ATR):ν3301,2949,1717,1641,1537,1433,1271,1251,1114,742,695cm−1
【0149】
化合物18
HBTU(2.08g;5.49mmol)が、乾燥DMF(25mL)及びDIPEA(1.42g;5.49mmol)中で溶解させられ、且つ、カルボン酸12(2.00g;5.49mmol)が、添加された。混合物は、10分間室温においてアルゴン下で攪拌され、且つ、DMF(2mL)中のアミン15の溶液(1.50g;6.04mmol)が、添加された。混合物は、2時間攪拌され、その後エーテル(300mL)で希釈され、且つ、飽和NaHCO(200mL,3回)及び0.1MのHCl(200mL)で洗浄された。有機層は、NaSOで乾燥させられ、且つ、黄色の発泡体(2.90g;89%)を生じさせるために濃縮された。H−NMR(200MHz,CDCl):δ8.08(1H),7.79(1H),7.33−7.27(11H),6.41(1H),4.94(1H),3.74(3H),3.59−3.51(10H),3.30(2H),1.43(9H)ppm。31P−NMR(80MHz,CDCl):δ−3.82ppm。FT−IR(ATR):ν3334,2896,1714,1648,1525,1271,1249,1166,1112,744,696cm−1
【0150】
化合物19
Bocで保護されたアミン18(2.90g;4.88mmol)は、DCM(15mL)及びTFA(15mL)中に溶解させられ、且つ、2時間室温で攪拌された。混合物は、濃縮され、DCM(50mL)中で再度溶解させられ、且つ、飽和NaCO(40mL)で洗浄させられた。水性の層は、DCM(50mL)で逆抽出され、且つ、組み合わせられた有機層は、NaSOで乾燥させられ、且つ、黄色の発泡体(2.27g;94%)を生じさせるために乾燥まで蒸発させられた。H−NMR(200MHz,CDCl):δ8.07(dd,1H),7.81(dd,1H),7.37−7.26(m,11H),6.74(br.s,1H),3.74(s,3H),3.59−3.46(m,10H),2.81(t,2H),1.68(s,2H)ppm。31P−NMR(80MHz,CDCl):δ−3.82ppm。FT−IR(ATR):ν3302,2866,1717,1648,1536,1433,1271,1251,1113,744,696cm−1
【0151】
DOTA−ビルディングブロック:
【0152】
【化8】

a).BocO,EtN,CHCl,0℃
b).ベンジル=ブロモアセタート,DIPEA,アセトニトリル,65℃,18時間
c).TFA,DCM,20℃,4時間
d).tert−ブチル=ブロモアセタート,KCO,アセトニトリル,20℃,4時間
e).H,Pd/C,MeOH,HO,20℃,18時間
20の合成は、例えば、E.Kimura,J.Am.Chem.Soc.,1997,119,3068−3076において報告されてきた。化合物21は、以下に続く日本特許出願(日本語)において報告されてきた。Miyake,Muneharu;Kussama,Tadashi;Masuko,Takashi,NMDA受容体の阻害剤としての新規な窒素を含有する環式の化合物の調製,PCT国際出願,4月(2004),57ページ。化合物22−24は、A.Heppeler et al.,Chem.Eur.J.1999,5,7,1974−1981において報告されてきた。
【0153】
化合物20
JACS,1997,119,3068−3076に報告された手順は、この化合物を得るために後に続けられた。生産物は、溶離剤としてのヘキサン−エチル=アセタートの混合物を使用するシリカのカラムクロマトグラフィーによって単離された。H NMR(CDCl):δ=3.6(b,4H,CHN),3.35(b,1H,NH),3.25(b,8H,CHN),2.8(b,4H,CHN),1.4(s,9H,CH),1.4(s,18H,CH)。13C−NMR(CDCl):δ=156−155(多重の信号 C=O),79.8−79.1(多重の信号 C−CH),51.5−48.5及び46.5−44.5(多重の信号 CH−N),28.6(CH),28.4(CH)。MALDI−TOF−MS:[M+H]=473,[M+Na]=495,[M+K]=511。
【0154】
化合物21
トリ−Bocで保護された化合物20(15.2g;32.2mmol)は、20mLのアセトニトリルに溶解させられ、その後に、アセトニトリル(10mL)中にジイソプロピルエチルアミン(19mL)及びベンジル=ブロモアセタート(7.9g;34.5mmol)が、添加された。混合物は、溶媒の蒸発によって濃縮され、DCM中に溶解させられ、且つ、溶液は、1MのNaOHで洗浄させられた。有機層は、NaSOで乾燥させられ、且つ、その後、溶媒は、蒸発させられ、且つ、トルエンと同時に蒸発させられた。純粋な生産物は、溶離剤としてヘキサン/エチル=アセタート=1/1を使用するシリカのカラムクロマトグラフィーによって単離された。収率:およそ90%。H NMR(CDCl):δ=7.4(m,5H,Ph−H),5.15(s,2H,CHPh),3.6(s,2H,CHC(O)),3.6−3.2(発散 b,12H,CHN),2.9(b,4H,CHN),1.45(s,9H,CH),1.4(s,18H,CH)ppm。13C NMR (CDCl):δ=170.3(C=O エステル),156−155(多重の信号 C=O ウレタン類),135.5及び128.6−128.2(ベンゼン環の炭素),79.5−79.2(多重の信号 C−CH),66.2(CH−O),55.0,53.5,51.2,49.9及び47.4−46.9(CH−N),28.6(CH),28.4(CH)ppm。
【0155】
化合物22
トリ−Bocで保護されたモノベンジル=アセタートのシクレン21(5.4g;8.8mmol)は、トルエン(50mL)中に溶解させられ。且つ、溶媒は、存在するとすれば、僅少の水を取り除くために、蒸発させられた。生産物は、次に、新たに蒸留されたDCM(35mL)及びTFA(35mL)の混合物中に溶解させられ、且つ、約3時間窒素ガスの雰囲気下で攪拌された。(30℃以下での)溶媒の蒸発、TFA(30mL)中の再度の溶解、及び、別の2時間の攪拌することは、(30℃以下での)揮発分の蒸発によって、後に続けられた。単離されたものとして次のステップで使用された、生産物22を生産するために可能な限り多くのTFAを取り除くために、残留する塩は、トルエンで二回ストリップされた。H NMR(CDCl):δ=7.4(m,5H,Ph−H),5.1(s,2H,CHPh),3.5(s,2H,CHC(O)),3.05(b,4H,CHN),3.0(b, 4H,CHN),2.9(b,4H,CHN),2.8(b,4H,CHN)ppm。
【0156】
化合物23
粗生産物22、アセトニトリル(50mL)、及び炭酸カルシウム(10.6g;7.67mmol)が、混合され、且つ、15分間勢い良く磁気攪拌され、粒子の細かい懸濁液に帰着した。次に、アセトニトリル(20mL)中におけるtert−ブチル=ブロモアセタート(6.8g;34.9mmol)の溶液は、滴の様式で添加された。4から5時間攪拌した後、混濁した混合物が、真空で濃縮された。残留物は、クロロホルム(200mL)及び水(200mL)と共に分離ロートへ移された。クロロホルム層は、分離され且つ塩水で洗浄された。ろ過及びクロロホルムの蒸発は、tert−ブチル=ブロモアセタートのような汚染物質を取り除くためにDCMで最初に溶離すること、及び次に、白色の固体(5.35g,93%)として生産物を収集するためにDCM/EtOH=600/30で溶離することによるシリカのカラムクロマトグラフィーを使用して精製された、液体(およそ12g)を与えた。TLC;Rf=0.23(DCM/EtOH=8/1)、水性の10%のKI溶液におけるIでの着色法。H NMR(CDCl):δ=7.4−7.3(m,5H,Ph−H),5.10(s,2H,CHPh),3.6−2.0(広い,24H,シクレンの環のN−CH及びCHCOOR),1.45(s,9H,C(CH),1.40(s,18H,C(CH)ppm。13C NMR(CDCl):δ=173.5,172.9及び172.8(C=O),135.0,128.6,128.5及び128.3(ベンゼン環),81.9(C(CH),66.8(CHO),55.8,55.7及び54.9(CH−C(O)),52.3及び48.7(両方とも非常に広い,CHN),27.8(C(CH)ppm。FT−IR(cm−1):ν=2977−2830(w),1724(vs,C=O エステル),1368(vs),1227(vs),1157(vs),1105(vs)cm−1。MALDI−TOF−MS:[M+H]=663ダルトン及び[M+Na]=685ダルトン。
【0157】
化合物24
ベンジルエステル23(5.3g;7.99mmol)は、メタノール(100mL)及び脱塩水(50mL)中に溶解させられ、且つ、溶液は、厚い壁のあるParr水素化反応容器へ移された。窒素ガスは、溶液を通じて泡立たせられ、且つ、Pd/Cの10%触媒(305mg)が、添加された。混合物は、4時間の持続時間で70プサイの水素ガスの過圧力で振り動かされた。混合物は、ろ過され、且つ、ろ液は、真空中で濃縮された。残留する水は、アセトニトリル(40mL)との同時蒸発によって取り除かれた。生産物は、さらに乾燥させられ、且つ、真空のデシケーター内にP上で貯蔵され、泡沫の明るい黄色の固体(4.33g;95%)を生じた。生産物は、非常に吸湿性であった。H NMR(CDCl):δ=3.7−3.2,3.2−2.6及び2.6−2.0(全ての三つの非常に広い及び部分的に重なり合う,CHN),1.41(s,18H,(CH),1−39(s,9H,C(CH)ppm。13C NMR(CDCl):δ=174.2及び172.3(C=O),82.1及び81.9(C(CH),55.9,55.7及び55.3(CH−C(O)),53.5−50.5及び50.5−47.0(両方の非常に広い,CHN),27.9及び27.7(C(CH)ppm。FT−IR(cm−1)ν=2976(w,CH−伸縮),2824(w;CH−伸縮),1725(vs,C=O,伸縮 エステル及び酸)cm−1。MALDI−TOF−MS:[M+H]=573ダルトン及び[M+Na]=595ダルトン。
【0158】
【化9】

ホスフィン−DOTAプローブ26のアセンブリ:
f).HBTU,DIPEA,DMF,20℃,2時間
g).TFA,DCM,20℃
化合物25
HBTU(0.664g;1.75mmol)は、乾燥DMF(7mL)及びDIPEA(0.45g;3.50mmol)中に溶解させられ、且つ、カルボン酸24(1.00g;1.75mmol)が、添加された。混合物は、10分間室温においてアルゴン下で攪拌され、且つ、アミン17(0.85g;2.10mmol)は、添加された。混合物は、2時間攪拌され、その後エーテル(200mL)で希釈され、且つ、飽和NaHCO(100mL,3回)で洗浄された。有機層は、NaSOで乾燥させられ、且つ、濃縮された。粗生産物は、初期の溶離剤としてのCHCl、次に4%のCHCl中のMeOHでシリカ上のカラムクロマトグラフィーによって精製された。生産物は、黄色の発泡体(900mg;55%)として得られた。H−NMR(200MHz,CDCl):δ8.06(dd,1H),7.86(dd,1H),7.53(dd,1H),7.32(m,10H),7.02(br.t,1H),6.62(br.t,1H),3.73(s,3H),3.6−2.0(br.m,28H),1.46(s,9H),1.40(s,18H)ppm。31P−NMR(80MHz,CDCl3):δ−3.97ppm。FT−IR(ATR):ν3426,2978,2826,1724,1677,1524,1369,1228,1159,1107,837,734cm−1。MALDI−TOF:m/z[M+H] 961.4ダルトン;[M+Na] 983.4ダルトン。
【0159】
化合物26
トリ−t−Buで保護されたもの25は、DCM(6mL)中で溶解させられ、且つ、1時間室温において攪拌された。混合物は、濃縮され、且つ、再度、DCM(6mL)及びTFA(6mL)中に溶解させられ、且つ、付加的な2時間の間攪拌された。混合物は、濃縮され、且つ、2回CHClと同時に蒸発させられ、且つ。次に真空中で徹底的に乾燥させられた。生産物は、HO(30mL)中に溶解させられ、且つ、ふわふわの黄色の粉末(541mg,94%)を生じさせるために、親油化された。H−NMR(200MHz,MeOD):δ 8.05(dd,1H,J=3.6,8.2),7.84(dd,1H,J=1.6,8.2),7.51(dd,1H,J=3.6,1.6),7.37−7.23(m,10H),4.1−3.7(br.s,8H),3.67(s,3H),3.6−3.1(br.m,20H)ppm。31P−NMR(80MHz,MeOD):δ34.34(小さい,ホスフィンオキシド),−3.80(大きい,生産物),−15.20(t,HPO,J=953)ppm。FT−IR(ATR):ν3301,3073,2856,2541,1717,1667,1539,1435,1292,1188,1131,720,698cm−1。MALDI−TOF:m/z[M+H] 793.3ダルトン。
【0160】
PS:不純物ジフルオロリン酸(HPO)は、ヘキサフルオロホスファートの陰イオン(PF)に由来し、その陰イオンは、HBTUとのカップリング反応の後で、試料に部分的に存在したままである。酸の条件の下で、この作用は、ジフルオロリン酸へ転換される(Kolditz,L.Z.Anorg.Chem.1957,293,155−167)。
【0161】
ホスフィン−DOTAプローブ28のアセンブリ:
【0162】
【化10】

f).HBTU,DIPEA,DMF,20℃,2時間
g).TFA,DCM,20℃
化合物27
HBTU(1.32g;3.49mmol)は、乾燥DMF(15mL)中で溶解させられ、且つ、DIPEA(0.90g;6.98mmol)及びカルボン酸24(2.00g;3.49mmol)が、添加された。混合物は、10分間室温においてアルゴン下で攪拌され、且つ、DMF(5mL)中のアミン19の溶液(1.90g;3.84mmol)が、添加された。混合物は、2時間攪拌され、濃縮され、DCM(100mL)中に再度溶解させられ、且つ、その後、飽和NaHCO(50mL,3回)、HO(50mL,3回)及び1MのNaOH(50mL)で洗浄された。有機層は、NaSOで乾燥させられ、且つ、濃縮された。粗生産物は、初期の溶離剤としてのCHCl、次に5%のCHCl中のMeOHで、シリカ上のカラムクロマトグラフィーによって精製された。生産物は、黄色の発泡体(1.21g;33%)として得られた。H−NMR(200MHz,CDCl):δ 8.05(dd,1H),7.81(dd,1H),7.41−7.27(m,11H),6.52(br.m,2H),3.74(s,3H),3.60(m,10H),3.39(t,2H),3.3−2.0(br.m,24H),1.45(s,27H)ppm。31P−NMR(80MHz,CDCl):δ−3.82ppm。FT−IR(ATR):ν3424,2976,2827,1724,1674,1536,1369,1228,1161,1106,838,749cm−1.LC−MS:m/z[M+H] 計算値1049.2ダルトン,実測地1049.5ダルトン。
【0163】
化合物28
トリ−tBuで保護されたもの27は、DCM(7mL)及びTFA(5mL)に溶解させられ、且つ、1時間室温において攪拌された。混合物は、濃縮され、且つ、DCM(7mL)及びTFA(5mL)中に再度溶解させられ、且つ、付加的な2時間の間攪拌された。混合物は、濃縮され、且つ、2回CHClと同時に蒸発させられ、且つ、次に真空で徹底的に乾燥させられた。生産物は、H2O(30mL)に溶解させられ且つふわふわの黄色の粉末(1.16g,96%)を生じさせるために親油化された。H−NMR(200MHz,MeOD):δ 8.04(dd,1H,J=3.7,8.1),7.79(dd,1H,J=1.7,8.1),7.45(dd,1H,J=3.7,1.7),7.4−7.2(m,10H),4.05−3.7(br.m,8H),3.68(s,3H),3.6−3.1(br.m,28H)ppm。31P−NMR(80MHz,MeOD):δ 33.82(小さい,ホスフィンオキシド),−3.91(大きい,生産物),−15.19 (t,HPO,J=953)ppm。FT−IR(ATR):ν3287,3074,2872,2546,1718,1651,1547,1435,1292,1189,1130,745,720,698cm−1。MALDI−TOF:m/z [M+H] 881.4ダルトン。
【0164】
Eu(29)を備えたプローブ28の錯体の合成:
【0165】
【化11】

h)EuCl.6HO,NHOAc,HO,20℃,2時間
Eu3+−錯体29
化合物28(100mg;0.114mmol)及びアンモニウム=アセタート(87.9mg;1.14mmol)は、脱気された超純粋なHO(60mL)中に溶解させられた。EuCl・6HO(37.4mg;0.102mmol)は、添加され、且つ、わずかに混濁したものであった、混合物は、2時間室温においてAr下で攪拌された。次に、それは、ろ過され且つ黄色の固体(123mg)として錯体を生じさせるために親油化された。H−NMR(200MHz,HO):δ 7.8−7.0(br.m),3.6−2.4(br.m)ppm。31P−NMR(80MHz,DO):δ 37.02(小さい,ホスフィンオキシド),−5.30(大きい,生産物),−15.01(t,HPO,J=962)ppm。FT−IR(ATR):ν 3050,1664,1590,1403,1292,1128,721cm−1。MALDI−TOF: m/z [M+H] 1031.1ダルトン。
【0166】
例12:アジド官能性のターゲッティングプローブの合成用の活性なエステルを備えた水溶性のアジド(34)
【0167】
【化12】

実験
例11を参照のこと
化合物30
tert−BuOK(12.0g;107mol)は、ジエチレングリコール(27.0g;0.254mol)及びtert−ブタノール(110mL)の攪拌された混合物へ部分ごとに添加された。溶液は、アルゴン下に保たれ、且つ、カリウム塩を可溶化させるために、温水浴(およそ40℃)中で攪拌された。90分後に、溶液は、15℃まで冷却され、且つ、tert−ブチル=ブロモアセタート(26.8g;0.137mol)は、5分を超えて添加された。沈殿(KBr)が、形成され、且つ、混合物は、室温で一晩中攪拌された。溶媒は、蒸発させられ、混合物は、水中で溶解させられ、且つ、次に、水性の層が、汚染物質を取り除くためにエーテル/ペンタンで抽出された。DCM(3回)での抽出は、生産物を収集した。有機層は、NaSOで乾燥させられ、且つ、濃縮された。粗生産物は、ある勾配のヘキサン/ジメトキシエタンの混合物を使用するシリカのカラムクログラフィーによって、精製された。生産物は、無色の油(収率25%)として得られた。TLC(シリカ,ヘキサン/ジメトキシエタン1/1):Rf=0.30。1H NMR(CDCl):δ=3.95(s,2H,CHC(O)),3.7−3.6(6H),3.55(t,2H),2.75(t,1H,OH),1.4(s,9H,CH)ppm。13C NMR(CDCl):δ=169.5(C=O),81.5(CCH),72.5,70.7,70.2及び68.8(CHO),61.5(CHOH),27.9(CH) ppm。
【0168】
化合物31
トシル=クロリド(11.9g;62.4mmol)が、アルコール30(11.7g;52.9mmol)及び感想ピリジン(30mL)の攪拌された且つ氷で冷却された混合物へ部分ごとに添加された。溶液は、4℃においてアルゴン雰囲気の下で一晩中攪拌され、沈殿(ピリジニウム=クロリド)の発生に帰着した。氷水は、過剰のトシル=クロリドを加水分解するためにその後に5分間攪拌された混合物へ添加された。ジエチルエーテル(3回)での水性の層の抽出、冷HCl溶液での及び冷水での組み合わせられた有機層の洗浄は、NaSOでのエーテルの乾燥によって後に続けられた。溶媒の蒸発は、油性の生産物(16g,80%)を与えた。1H NMR(CDCl):δ=7.8(m,2H,Ar−H)及び7.3(m,2H,Ar−H),4.1(t,2H),3.95(s,2H,CHC(O)),3.7−3.5(6H),2.4(s,3H,Ar−CH)1.4(s,9H,CH)ppm。13C NMR(CDCl):δ=169.5(C=O),144.7,132.9,129.7及び127.9(ベンゼン環の炭素),81.5(CCH),70.6,70.5,69.1,68.9及び68.6(CHO),28.0(CH),21.5(Ar−CH)ppm。
【0169】
化合物32
トシラート31(15g;40.0mmol)は、ジメチルスルホキシド(90mL)中のNaNの溶液(3.20g;49.2mmol)へ添加された。混合物は、それをアルゴン雰囲気の下で保つ一方で、2日間攪拌された。水の添加、エーテルでの抽出(3回)、水での組み合わせられた有機層の洗浄、HaSOでの乾燥、及び濃縮は、油(9.9g;100%)としての生産物を与えた。H NMR(CDCl):δ=3.95(s,2H,CHC(O)),3.7−3.6(6H),3.4(t,2H,CH),1.4(s,9H,CH)ppm。13C NMR(CDCl):δ=169.5(C=O),81.5(CCH),70.7,70.6,69.9及び69.0(CHO),50.6(CH),28.0(CH)ppm。
【0170】
化合物33
アジド32(9.9g;40.0mmol)は、水(10mL)、MeOH(50mL)及びNaOH(2.05g;51.3mmol)の攪拌された溶液へ添加され、且つ、結果として生じる混濁した混合物は、室温において一晩中攪拌された。メタノールは、約7のpHを低下させるためのいくらかのHCl−溶液の添加の後で、蒸発させられた。水は、添加され、且つ、生産物は、DCMの数個の部分を使用して抽出された。組み合わせられた有機層は、少量の水で洗浄され、且つ、NaSOで乾燥させられた。溶液の濃度は、ほぼ無色の油性の生産物(7.3g;95%)を与えた。H NMR(CDCl):δ=10.0(b,1H,COOH),4.2(s,2H,CHC(O)),3.8−3.6(6H),3.4(t,2H,CH)ppm。13C NMR(CDCl):δ=174.5(C=O),71.1,70.4,70.0及び68.3(CHO),50.5(CH)ppm。
【0171】
化合物34
酸33(310mg;1.64mmol)、ナトリウム=N−ヒドロキシスルホ−スクシンイミド(316mg;1.46mmol)、DCC(640mg,3.11mmol)、及び、3mLの乾燥DMFは、混合され、且つ、結果として生じる懸濁液は、1時間50℃において水浴中で超音波処理され、且つ、次に、室温で三日間攪拌された。ガラスフィルターにわたるろ過並びに少しの乾燥DMF及びアセトニトリルでの洗浄の前に、混合物は、数時間4℃に保たれた。乾燥エチル=アセタート(30mL)及びエーテル(200mL)は、澄んだろ液へ添加され、乳状の懸濁液を生じた。遠心分離は、白色の粉末を与え、その粉末へエーテルが添加された;再度、懸濁液は、遠心分離された。粉末は、真空で乾燥させられた。収率:200mg(35%)。
【0172】
警告:化合物を、それが若干吸湿性であり且つ出発の化合物へ逆戻りに加水分解するので、乾燥に保つこと!
【図面の簡単な説明】
【0173】
【図1】図1は、スキーム1におけるシュタウディンガーライゲーション及びスキーム2におけるシュタウディンガーライゲーションを示す。
【図2】図2は、スキーム3:トレースレスシュタウディンガーライゲーションを示す。
【図3】図3は、予めのターゲッティングの概念の概略のスキームを与える。
【図4】図4は、ホスフィン基及び“スマートな”MRI造影剤を含むイメージングプローブ並びにそれのターゲットに結び付けられたターゲッティングプローブに存在するアジド基の反応を示し、そこで、信号強度が、達成される。
【図5】図5は、ラベル又は治療の化合物用の結び付きのサイトが、特異的なターゲット用の新しいリードの識別のためのコンビナトリアルライブラリの設計において、どのように含まれるかを示す。
【図6】図6は、レポーター遺伝子、例えば、遺伝子治療の間にペニシリンアミダーゼをコード化する遺伝子のイメージングの図示を提供する。
【図7】図7は、イメージングプローブの概略の合成経路を提供し、それによって、イメージングの薬品が、アミン又はカルボン酸を通じてアジド又はホスフィンの部位に共役される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲッティングされた医療のイメージング又は治療用のキットであって、
− 一次のターゲッティング部位及び二次のターゲットを含む少なくとも一つのターゲッティングプローブ;及び
− 二次のターゲッティング部位及びラベルを含むイメージングプローブ;又は
− 二次のターゲッティング部位及び薬学的に活性な化合物を含む治療のプローブ
のいずれか:から選択された少なくとも一つのさらなるプローブ
:を含む、キットにおいて、
前記ターゲッティングプローブ又は前記イメージング若しくは治療のプローブの一方は、それぞれ、二次のターゲット及び二次のターゲッティング部位として、少なくとも一つのアジド基のいずれかを含むこと、且つ、
前記他方のプローブは、少なくとも一つのホスフィン基を含み、前記ホスフィン基及び前記アジド基は、シュタウディンガーライゲーション用の反応の相手であること
を特徴とする、キット。
【請求項2】
前記ターゲッティングプローブは、少なくとも一つのアジド基を含み、且つ、前記イメージング又は治療のプローブは、少なくとも一つのホスフィン基を含む、請求項1に記載のキット。
【請求項3】
前記一次のターゲッティング部位は、血管系内の成分に結び付く、請求項1又は2に記載のキット。
【請求項4】
前記一次のターゲッティング部位は、受容体に結び付く、請求項1に記載のキット。
【請求項5】
前記一次のターゲッティング部位は、細胞内の成分に結び付く、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のキット。
【請求項6】
前記一次のターゲッティング部位は、抗体である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のキット。
【請求項7】
前記一次のターゲッティング部位は、細胞浸透性である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のキット。
【請求項8】
イメージングプローブを含む、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のキット。
【請求項9】
前記イメージングプローブは、MRIイメージング可能な薬品、スピンラベル、超音波応答性の薬品、X線応答性の薬品、放射性核種、及びFRET−タイプの色素からなる群より選択された、伝統的なイメージングシステムに使用された造影剤である検出可能なラベルを含む、請求項8に記載のキット。
【請求項10】
前記検出可能なラベルは、(バイオ)発光性又は蛍光性の分子又はタグ、放射性ラベル、ビオチン、常磁性の又は超磁性のイメージングの試薬からなる群より選択される、請求項8に記載のキット。
【請求項11】
前記ラベルは、H、11C、13N、15O、18F、51Cr、52Fe、52mMn、55Co、60Cu、61Cu、62Zn、62Cu、63Zn、64Cu、66Ga、67Ga、68Ga、70As、71As、72As、74As、75Se、75Br、76Br、77Br、80mBr、82mBr、82Rb、86Y、88Y、89Sr、89Zr、97Ru、99mTc、110In、111In、113mIn、114mIn、117mSn、120I、122Xe、123I、124I、125I、166Ho、167Tm、169Yb、193mPt、195mPt、201Tl、203Pbからなる群より選択された放射性核種を含む、請求項8に記載のキット。
【請求項12】
前記ラベルは、Gd、Fe、Mn、Cr、Co、Ni、Cu、Pr、Nd、Yb、Tb、Dy、Ho、Er、Sm、Eu、Ti、Pa、La、Sc、V、Mo、Ru、Ce、Dy、Tlからなる群より選択された常磁性のイオンを含む、請求項8に記載のキット。
【請求項13】
前記ラベルは、小さい大きさの有機PET(陽電子射出断層撮影法)又はSPECTラベルである、請求項8に記載のキット。
【請求項14】
前記イメージングプローブは、薬学的に活性な化合物をさらに含む、請求項8乃至13のいずれか一項に記載のキット。
【請求項15】
治療のプローブを含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のキット。
【請求項16】
二次のターゲッティング部位及びラベルを含むイメージングプローブにおいて、
当該イメージングプローブは、二次のターゲットとして、少なくとも一つのアジド基又は少なくとも一つのホスフィン基を含み、前記ホスフィン基又は前記アジド基は、シュタウディンガーライゲーション用の適切な反応の相手であること、且つ、前記ラベルは、イメージングラベルであることを特徴とする、イメージングプローブ。
【請求項17】
前記ラベルは、金属の粒子、有機PET又はSPECTでラベリングされた補綴の基、光学的なラベル、PET、SPECT、又はMRI用の金属錯体、マイクロバブル、又は、ヨウ素若しくはバリウムを含む分子若しくは小胞からなる群より選択される、請求項16に記載のイメージングプローブ。
【請求項18】
請求項16に記載のイメージングプローブを含む薬学的な組成物。
【請求項19】
請求項16に記載のイメージングプローブを使用することを含む、イメージングのための診断用組成物の調製のための方法。
【請求項20】
一次のターゲッティング部位及び二次のターゲットを含む、ターゲッティングプローブの使用において、前記ターゲッティングプローブは、前記二次のターゲットとして、少なくとも一つのアジド基又は少なくとも一つのホスフィン基を含み、前記ホスフィン基又は前記アジド基は、シュタウディンガーライゲーション用の適切な反応の相手であることを特徴とする、ターゲッティングされた医療のイメージングにおける道具としての、使用。
【請求項21】
一次のターゲッティング部位及び二次のターゲットを含む、ターゲッティングプローブの使用において、前記ターゲッティングプローブは、前記二次のターゲットとして、少なくとも一つのアジド基又は少なくとも一つのホスフィン基を含み、前記ホスフィン基又は前記アジド基は、シュタウディンガーライゲーション用の適切な反応の相手であることを特徴とする、医療のイメージング用の道具の製造における、使用。
【請求項22】
MRI用のイメージングの薬品及びシュタウディンガーライゲーションにおいてアジドと反応することができるホスフィン基を含むイメージングプローブにおいて、前記イメージングの薬品の金属の原子は、前記ホスフィン基を含有する連結を介して、単数又は複数のカルボン酸で配位されることを特徴とする、イメージングプローブ。
【請求項23】
PET又はSPECTラベル及び第二のターゲッティング部位としてトリフェニルホスフィンを含むイメージングプローブ。
【請求項24】
一般的な構造(6)
【化1】

を備え、Mは、Gd(III)、Fe(III)、Mn(II)、Yt(III)、Cr(III)、Eu(III)、Yb(III)、及びDy(III)からなる群より選択された常磁性の金属イオンであり;A、B、C、及びDは、単結合又は二重結合のいずれかであり;X、X、及びXは、−OH、−COO−、−CHOH−、CHCOO−であり;R−R10は、水素、アルキル、アリール、リンの部位であり、且つ、Yは、(CH−COO−CN(CHCOOH)−P−(Cのような置換されたトリフェニルホスフィン又は別の置換されたトリフェニルホスフィンであり、前記置換されたホスフィンと前記常磁性の金属との間における一つ以上の配位を可能にする、請求項22に記載のイメージングプローブ。
【請求項25】
前記常磁性の金属は、Gdである、請求項24に記載のイメージングプローブ。
【請求項26】
式(1)
【化2】

によって表された請求項24又は25に記載の化合物。
【請求項27】
一次のターゲッティング部位及び検出可能なラベルを含む医療のイメージング用の組み合わせられたプローブにおいて、前記ターゲッティング部位は、アミド結合又はトリフェニルホスフィンオキシド部位を介して、前記検出可能なラベルへ接続されることを特徴とする組み合わせられたプローブ。
【請求項28】
前記検出可能なラベルは、金属の粒子、有機PET又はSPECTでラベリングされた補綴の基、光学的なラベル、PET、SPECT、又はMRI用の金属錯体、マイクロバブル、及び、ヨウ素又はバリウムを含む分子又は小胞からなる群より選択されたイメージングの薬品である、請求項27に記載の組み合わせられたプローブ。
【請求項29】
一次のターゲッティング部位及び検出可能なラベル又は薬学的に活性な薬品を含む、組み合わせられたターゲッティング及びイメージング又は治療のプローブを試験管内で調製する方法であって、検出可能なラベルを含むホスフィンを、アジドを含む一次のターゲッティング部位と反応させるか、又は、アジドを含む検出可能なラベルを、ホスフィンを含む一次のターゲッティング部位と反応させるステップを含む、方法。
【請求項30】
前記イメージングの薬品は、有機PET又はSPECTでラベリングされた補綴の基、光学的なラベル、PET、SPECT、又はMRI用の金属錯体、マイクロバブル、及び、ヨウ素又はバリウムを含む分子又は小胞の群より選択される請求項29に記載の方法。
【請求項31】
ターゲットについて最適な結び付きの親和性及びイメージング又は治療のプローブで最適な反応を備えたターゲッティングプローブを現像する方法であって、
a)前記ターゲッティングプローブのターゲッティング部位の化合物のライブラリを作ることによって、第二のターゲットが、前記ターゲッティング部位における異なるサイトに導入されること、
b)前記ターゲットに及びイメージング及び/又はターゲッティングプローブに結び付くためのそのように得られたライブラリをスクリーニングすること
を含む方法。
【請求項32】
特異的なペプチドの誘導体のライブラリにおいて、
前記誘導体は、前記ペプチドのペプチド鎖における異なるアミノ酸の位置においてアジド基で変性させられることを特徴とするライブラリ。
【請求項33】
アジドを含有するペプチドの及び/又はアジドを含むペプチド及びホスフィンを含むイメージング又は治療のプローブの反応生産物の一次のターゲットへ結び付く性質を決定するための請求項32に記載のライブラリの使用。
【請求項34】
ターゲッティングされた医療のイメージング又は治療用のキットであって、
− 二次のターゲットを含む少なくとも一つのターゲットの代謝の前駆体;並びに
− 二次のターゲッティング部位及びラベルを含むイメージングプローブ、又は、
− 二次のターゲッティング部位及び薬学的に活性な化合物を含む治療のプローブ
のいずれかより選択された少なくとも一つのさらなるプローブ
:を含むキットにおいて、
前記ターゲットの代謝の基質又は前記イメージング若しくは治療のプローブの一方は、それぞれ、二次のターゲット及び二次のターゲッティング部位として、少なくとも一つのアジド基のいずれかを含むこと、且つ、
他方のプローブは、少なくとも一つのホスフィン基を含み、前記ホスフィン基及び前記アジド基は、シュタウディンガーライゲーション用の反応の相手であること
を特徴とする、キット。
【請求項35】
前記ターゲットの代謝の前駆体は、少なくとも一つのアジド基を含み、且つ、前記イメージング又は治療のプローブは、少なくとも一つのホスフィン基を含む、請求項34に記載のキット。
【請求項36】
前記代謝の前駆体は、糖質、アミノ酸、核酸塩基、及び、コリンからなる群より選択される、請求項34又は35に記載のキット。
【請求項37】
ターゲッティングされた医療のイメージング又は治療用のキットであって、
− 二次のターゲットを含む少なくとも一つのレポータープローブ;並びに
− 二次のターゲッティング部位及びラベルを含むイメージングプローブ、又は、
− 二次のターゲッティング部位及び薬学的に活性な化合物を含む治療のプローブ
のいずれかより選択された少なくとも一つのさらなるプローブ
:を含む方法において、
前記レポーター又は前記イメージング若しくは治療のプローブの一方は、それぞれ、二次のターゲット及び二次のターゲッティング部位として、少なくとも一つのアジド基のいずれかを含むこと、且つ、
他方のプローブは、少なくとも一つのホスフィン基を含み、前記ホスフィン基及び前記アジド基は、シュタウディンガーライゲーション用の反応の相手であること
を特徴とする、キット。
【請求項38】
イメージングプローブを含む、請求項34乃至37のいずれか一項に記載のキット。
【請求項39】
前記イメージングプローブは、MRIイメージング可能な薬品、スピンラベル、光学的なラベル、超音波応答性の薬品、X線応答性の薬品、放射性核種、及び、FRETタイプの色素からなる群より選択された、伝統的なイメージングシステムに使用された造影剤である検出可能なラベルを含む、請求項38に記載のキット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−515876(P2008−515876A)
【公表日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−535308(P2007−535308)
【出願日】平成17年10月4日(2005.10.4)
【国際出願番号】PCT/IB2005/053258
【国際公開番号】WO2006/038185
【国際公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】