インクジェットプリンタのインクカートリッジ
本実用新案は光検出部を有するインクジェットプリンタのインクカートリッジを提供する。光検出部には、光透過材料により構成され、プリンタにおける発光素子からの光線を受光又は反射、屈折するための第1の三角柱と第2の三角柱が設置され、第2の三角柱の2つの面がインクカートリッジにおけるインクに接触される。インクカートリッジがプリンタに装着され且つその中にインクがある時、発光素子からの光線は第1の三角柱での全反射と第2の三角柱での屈折によって、プリンタにおける受光素子に受光されることなく、インクに入射される。インクカートリッジにおけるインクがなくなった時、光線は第2の三角柱での全反射によって第1の三角柱に入射され、そして反射により受光素子に入射され、この時、プリンタはインクがなくなったことを検出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実用新案はインクジェットプリンタに用いられるインクカートリッジに関し、特に、光学検出素子が装着されたインクジェットプリンタのインクカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のインクジェットプリント技術において、一部のインクジェットプリンタは光学機構を用いてインクカートリッジにおけるインクがなくなったかどうかを検出する。これによって、インクがなくなった時に、一方においてプリンタは依然としてプリントを行うので、プリンタに回復できない損害を与え、且つユーザーに無駄な時間と紙の浪費をもたらすことを防止できる。米国特許公開US2005195225には、プリンタに1つの発光素子と1つの受光素子が設置され、これに応じて、そのインクカートリッジの中に1つの梃子が設置され、この梃子の両端に1つのフローティングマークと1つの遮光素子が設けられ、且つ真ん中の支持体がインクカートリッジのインク貯蔵チャンバの底面に固定される実施形態が開示されている。インクカートリッジは光透過材料により構成され且つ外へ突出する1つの検出部を備え、前記検出部の内部の空間は遮光素子を収納することができる。インクカートリッジをプリンタに装着する時に、前記検出部が発光素子と受光素子との間に位置される。インクカートリッジにおけるインクの量が十分である場合に、フローティングマークは浮力の作用により水面に浮かび、検出部に位置される遮光素子は発光素子からの光を遮断し、これにより受光素子が光線を受光することができなくなる。インクカートリッジにおけるインクがなくなった時に、浮力がなくなるため、フローティングマークは下へ落ち、遮光素子は上へ移動することによって、受光素子が発光素子からの光線を受光する。これによりプリンタはインクがなくなったという情報を獲得し、さらにユーザーに注意信号を発信する。この実施形態はインクがなくなった時点を効率的に検出することができるが、梃子の設計、及びフローティングマークの実装プロセスが比較的に複雑であるという欠点があり、インクカートリッジの生産効率を低下させる。また、インクカートリッジにおけるインクの量の変更に伴って移動する遮光素子の材料は光を透過させない材料である必要があり、上記した実施形態には黒色のポリプロピレン(Polypropylene)材料が採用されるため、射出成形する時に、黒色の色材とポリプロピレン材料を均一に調製する必要があり、均一ではない場合や均一性が不十分である場合には、インクカートリッジがプリンタに装着されたことを識別できないことがある。遮光素子はインクカートリッジにおけるインクの量の変更に伴って移動するため、大量の部品が必要とされ、これにより生産プロセスが複雑になる。
【発明の概要】
【0003】
本実用新案の目的は、生産プロセスがより簡単なインクジェットプリンタのインクカートリッジ提供することである。
【0004】
本実用新案の上記目的は、以下のように、実現される。
【0005】
インクジェットプリンタのインクカートリッジは、インク供給口と、吸気穴と、プリンタに供給されるインクを収納するインク貯蔵チャンバと、光検出部とを含み、上記光検出部は光透過材料により構成される第1の三角柱と第2の三角柱を含み、上記三角柱の2つの側面はプリンタにおける発光素子からの光線を反射又は屈折することを特徴とする。
【0006】
本実用新案の一実施形態のインクカートリッジは、通常のインクカートリッジのいずれにも含まれるインク供給口と、吸気穴と、インク貯蔵チャンバとを備え、インクカートリッジの外部の光検出部には、インクと接触しなく且つ光線を全反射するための第1の三角柱が設置され、この三角柱の下に光反射紙が貼り付けられない第2の三角柱が設置され、この第2の三角柱がインクカートリッジの内部において、インクと接触することができ、且つ光線を屈折、反射する。上記2つの三角柱はいずれも光透過可能な材料により構成される。インクカートリッジをプリンタに装着する場合に、第1と第2の三角柱はプリンタの発光素子と受光素子との間に位置される。インクカートリッジにおけるインクの量が十分である場合に、インクカートリッジをプリンタに装着してプリントを行い、第1の三角柱の第1の表面はプリンタの発光素子からの光を第2の三角柱の第3の表面へ全反射し、この時、第2の三角柱の下にインクが満ちるため、光の屈折の原理に基づき、光がプリンタの受光素子に受光されることなく、直接にインクに入射する。これによって、プリンタはインクカートリッジにインクがあることを識別できる。インクカートリッジにおけるインクがなくなる場合に、インクカートリッジにおける第2の三角柱でのインクが消費される。第1の三角柱の第1の表面はプリンタの発光素子からの光を第2の三角柱の第3の表面へ全反射し、光が第3の表面を通過して第2の三角柱の第1の表面に入射し、光の全反射の原理に基づき、光が第2の三角柱の第2の表面へ反射され、そして第1の三角柱の第2の表面へ反射され、さらに受光素子へ反射される。これによって、プリンタはインクがなくなったという情報を示し、そして、インクカートリッジを取り替える信号をユーザーに発信する。
【0007】
本実用新案のほかの実施形態によれば、直角に交差される2つの平面のみにより光反射面を構成することができる。直角の2つの辺はインクカートリッジの検出部にあり、且つ外へ突出する。
【0008】
本実用新案のさらにほかの実施形態によれば、光反射面として2つの円弧面を用い、その中の1つの円弧面に光反射材料が貼り付けられる。これにより検出機能を実現することもできる。詳細は後述の実施形態を参照する。
【0009】
本実用新案のさらにほかの実施形態によれば、光反射面として、第1の三角柱の代わりに、1つの金属製の光反射部材を用い、これにより検出機能を実現することもできる。詳細は後述の実施形態を参照する。
【0010】
本実用新案のさらにほかの実施形態によれば、三角柱を中実状態にし、且つ2つの側面に光反射紙が貼り付けられ、これにより検出機能を実現することもできる。詳細は後述の実施形態を参照する。
【0011】
本実用新案は既存のインクジェット装置に対し、生産プロセスがより簡単なインクカートリッジ構造を提案する。このインクカートリッジ構造は前記遮光素子とフローティングマークの代わりに、光の反射と屈折などの原理により検出機能を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実用新案の第1の実施例の構造模式図である。
【図2】図1の実施例の1つの光路図である。
【図3】図1の実施例のほかの光路図である。
【図4】本実用新案の第2の実施例の構造模式図である。
【図5】図4に示す実施例の1つの光路図である。
【図6】図4に示す実施例のほかの光路図である。
【図7】本実用新案のほかの実施例の構造模式図である。
【図8】図7の実施例の1つの光路図である。
【図9】図7に示す実施例のほかの光路図である。
【図10】本実用新案のさらにほかの実施例の構造模式図である。
【図11】本実用新案のさらにほかの実施例の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面に基づいて本実用新案の実施形態をさらに説明する。
【0014】
第1の実施例:
図1は本実施例のインクカートリッジの構造模式図であり、その構造は底殻3と、表面カバー4と、底殻の側辺における吸気穴にある気体導入フィルム6、側面封止フィルム7と、インク供給口に装着されるバネ8、バルブコア9、シールリング10、パラフィルム11と、第1の三角柱1と、第2の三角柱2と、封止フィルム5とを含む。
【0015】
インクカートリッジは、底殻に光透過可能な材料により構成される第1の三角柱1と第2の三角柱2が設置され、それらの間の距離が1〜12mmである。第1の三角柱1の第1の表面14と第2の表面15により囲まれるスペースは中空であり、その中には空気又はプラスチックより密度が小さいほかの物質が満たされている。
【0016】
インクカートリッジにインクがある場合に、それをプリンタに装着してプリントを行う。図2はこの時の光路図である。図において、12はプリンタの発光素子であり、13は受光素子であり、矢印は光の伝送経路を表す。第1の三角柱1の第1の表面14はプリンタの発光素子12からの光を第2の三角柱2の第3の表面16に反射し、反射された光が第2の三角柱2の第1の表面17に入射する。この時、第2の三角柱2の下にインク19(側面封止フィルム7を貼り付けることによりこの部分を封止する)が満たされているため、光の屈折の原理に基づき、光がプリンタの受光素子13に受光されることなく、直接にインク19に入射する。これによって、プリンタはインクカートリッジにインクがあることを識別できる。
【0017】
プリントをしている間に、インクカートリッジにおけるインクの量は低減しつつある。インクカートリッジにおけるインクがなくなった時に、インクカートリッジにおける第2の三角柱2でのインクは消費される。図3はインクがなくなった時の光路図であり、矢印は光の伝送経路を表す。図3に示すように、第1の三角柱1の第1の表面14はプリンタの発光素子12からの光を第2の三角柱2の第3の表面16に反射し、反射された光が第3の表面16を通過して第2の三角柱2の第1の表面17に入射し、光の全反射の原理に基づき、光が第2の三角柱2の第2の表面18へ反射され、そして第1の三角柱1の第2の表面15へ反射され、さらに受光素子13へ反射される。これによって、プリンタはインクがなくなったという情報を示し、そして、インクカートリッジを取り替える信号をユーザーに発信する。
【0018】
第2の実施例:
図4は第2の実施例の模式図であり、本実施例は第1の実施例に比べ、底殻における検出部には、第1の実施例における第1の三角柱1と第2の三角柱2の代わりに、光透過可能な材料により構成される第1の直角21と第2の直角22が設置される点が異なり、検出の原理がほぼ同じである。前記2つの直角は検出部の中心線に沿って45度に設置され、それらの間の距離が1〜15mmである。第1の直角21の第1の外表面23と第2の外表面24、及び第2の直角22の第1の内面25と第2の内面26にはそれぞれ光反射紙20が貼り付けられている。2つの直角の間のスペースの外部は側面封止フィルム7を貼り付けることにより封止され、その内部に収納されるインクはインクカートリッジにおけるインクに連通される。
【0019】
図5はインクカートリッジをプリンタに装着した後、インクカートリッジにインクがある場合の光の伝送状況を示す。図5に示すように、第1の直角21の第1の外表面23は発光素子12からの光をインク19に入射させ、インクに吸収されるため、光がプリンタの受光素子13に届かず、これによって、プリンタはインクカートリッジにインクがあることを識別できる。
【0020】
図6はインクカートリッジにおけるインクがなくなった時の光線の進行方向を示し、この進行方向は矢印に示す通りである。プリントをしている間に、インクカートリッジにおけるインクはなくなり、第1の直角と第2の直角との間のインクは消費され、発光素子からの光が第1の直角の第1の外表面により第2の直角の第1の内面に直接に入射され、そして第2の直角の第2の内面へ反射され、さらに第1の直角の第2の外表面へ反射され、最後にプリンタの検出位置にある受光素子へ反射される。これによって、プリンタはインクがなくなったという情報を示し、且つインクカートリッジを取り替える信号をユーザーに発信する。
【0021】
第2の実施例によれば、上記した2つの直角は2つの円弧面(図7参照)に設けられてもよく、第1の円弧面27と第2の円弧面28との間の距離が1〜15mmである。第1の円弧面27と第2の円弧面28にそれぞれ光反射紙20が貼り付けられ、且つそれらの間にインクがある場合に(図8参照)、発光素子12からの光は第1の円弧面29に入射され、光散乱が発生し、散乱した光がインク19に入射され、プリンタの検出部にある受光素子13に届かず、これによって、プリンタはインクカートリッジにインクがあると識別し、インクがなくなったという情報を示さない。第1の円弧面と第2の円弧面との間のインクがなくなった時に(図9参照)、散乱した光の一部は第2の円弧面30に入射され、光散乱が再び発生した後、一部の光が第1の円弧面に入射され、再度に光散乱が発生し、その後、一部の光がプリンタの検出位置にある受光素子に入射される。これによって、プリンタはインクがなくなったという状態を識別できる。
【0022】
第1の実施例によれば、金型に問題が生じることにより生産効率が低すぎるのを防止するために、第1の三角柱の代わりに、金属製の光反射部材31を用いてもよく、生産する場合に、金属製の光反射部材29を位置決め柱32に嵌めれば光線の反射を実現でき、その機能は三角柱と同じである。
【0023】
第1の実施例によれば、第1の三角柱1の2つの側面の間を中実状態にしてもよく、その2つの側面に光反射紙20が貼り付けられ、第2の三角柱2の2つの側面がインクに接触される。インクがある場合に、光線は光反射紙の反射により第2の三角柱に伝送され、そしてインクへ屈折される。これによって、プリンタはインクがあるという情報を示す。インクが第2の三角柱の下まで消費された場合に、光線は第2の三角柱へ反射され、第2の三角柱の側面17で全反射が発生した後、第2の三角柱の側面18へ反射され、且つ第1の三角柱の側面15へ反射され、その後、光接受装置13へ反射される。これによって、プリンタはインクがなくなったという情報を示す。
【符号の説明】
【0024】
1…第1の三角柱、2…第2の三角柱、3…底殻、4…表面カバー、5…封止フィルム、6…気体導入フィルム、7…側面封止フィルム、8…バネ、9…バルブコア、10…シールリング、11…パラフィルム、12…発光素子、13…受光素子、14…第1の三角柱の第1の表面、15…第1の三角柱の第2の表面、16…第2の三角柱の第1の表面、17…第2の三角柱の第2の表面、18…第2の三角柱の第3の表面、19…インク
【技術分野】
【0001】
本実用新案はインクジェットプリンタに用いられるインクカートリッジに関し、特に、光学検出素子が装着されたインクジェットプリンタのインクカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のインクジェットプリント技術において、一部のインクジェットプリンタは光学機構を用いてインクカートリッジにおけるインクがなくなったかどうかを検出する。これによって、インクがなくなった時に、一方においてプリンタは依然としてプリントを行うので、プリンタに回復できない損害を与え、且つユーザーに無駄な時間と紙の浪費をもたらすことを防止できる。米国特許公開US2005195225には、プリンタに1つの発光素子と1つの受光素子が設置され、これに応じて、そのインクカートリッジの中に1つの梃子が設置され、この梃子の両端に1つのフローティングマークと1つの遮光素子が設けられ、且つ真ん中の支持体がインクカートリッジのインク貯蔵チャンバの底面に固定される実施形態が開示されている。インクカートリッジは光透過材料により構成され且つ外へ突出する1つの検出部を備え、前記検出部の内部の空間は遮光素子を収納することができる。インクカートリッジをプリンタに装着する時に、前記検出部が発光素子と受光素子との間に位置される。インクカートリッジにおけるインクの量が十分である場合に、フローティングマークは浮力の作用により水面に浮かび、検出部に位置される遮光素子は発光素子からの光を遮断し、これにより受光素子が光線を受光することができなくなる。インクカートリッジにおけるインクがなくなった時に、浮力がなくなるため、フローティングマークは下へ落ち、遮光素子は上へ移動することによって、受光素子が発光素子からの光線を受光する。これによりプリンタはインクがなくなったという情報を獲得し、さらにユーザーに注意信号を発信する。この実施形態はインクがなくなった時点を効率的に検出することができるが、梃子の設計、及びフローティングマークの実装プロセスが比較的に複雑であるという欠点があり、インクカートリッジの生産効率を低下させる。また、インクカートリッジにおけるインクの量の変更に伴って移動する遮光素子の材料は光を透過させない材料である必要があり、上記した実施形態には黒色のポリプロピレン(Polypropylene)材料が採用されるため、射出成形する時に、黒色の色材とポリプロピレン材料を均一に調製する必要があり、均一ではない場合や均一性が不十分である場合には、インクカートリッジがプリンタに装着されたことを識別できないことがある。遮光素子はインクカートリッジにおけるインクの量の変更に伴って移動するため、大量の部品が必要とされ、これにより生産プロセスが複雑になる。
【発明の概要】
【0003】
本実用新案の目的は、生産プロセスがより簡単なインクジェットプリンタのインクカートリッジ提供することである。
【0004】
本実用新案の上記目的は、以下のように、実現される。
【0005】
インクジェットプリンタのインクカートリッジは、インク供給口と、吸気穴と、プリンタに供給されるインクを収納するインク貯蔵チャンバと、光検出部とを含み、上記光検出部は光透過材料により構成される第1の三角柱と第2の三角柱を含み、上記三角柱の2つの側面はプリンタにおける発光素子からの光線を反射又は屈折することを特徴とする。
【0006】
本実用新案の一実施形態のインクカートリッジは、通常のインクカートリッジのいずれにも含まれるインク供給口と、吸気穴と、インク貯蔵チャンバとを備え、インクカートリッジの外部の光検出部には、インクと接触しなく且つ光線を全反射するための第1の三角柱が設置され、この三角柱の下に光反射紙が貼り付けられない第2の三角柱が設置され、この第2の三角柱がインクカートリッジの内部において、インクと接触することができ、且つ光線を屈折、反射する。上記2つの三角柱はいずれも光透過可能な材料により構成される。インクカートリッジをプリンタに装着する場合に、第1と第2の三角柱はプリンタの発光素子と受光素子との間に位置される。インクカートリッジにおけるインクの量が十分である場合に、インクカートリッジをプリンタに装着してプリントを行い、第1の三角柱の第1の表面はプリンタの発光素子からの光を第2の三角柱の第3の表面へ全反射し、この時、第2の三角柱の下にインクが満ちるため、光の屈折の原理に基づき、光がプリンタの受光素子に受光されることなく、直接にインクに入射する。これによって、プリンタはインクカートリッジにインクがあることを識別できる。インクカートリッジにおけるインクがなくなる場合に、インクカートリッジにおける第2の三角柱でのインクが消費される。第1の三角柱の第1の表面はプリンタの発光素子からの光を第2の三角柱の第3の表面へ全反射し、光が第3の表面を通過して第2の三角柱の第1の表面に入射し、光の全反射の原理に基づき、光が第2の三角柱の第2の表面へ反射され、そして第1の三角柱の第2の表面へ反射され、さらに受光素子へ反射される。これによって、プリンタはインクがなくなったという情報を示し、そして、インクカートリッジを取り替える信号をユーザーに発信する。
【0007】
本実用新案のほかの実施形態によれば、直角に交差される2つの平面のみにより光反射面を構成することができる。直角の2つの辺はインクカートリッジの検出部にあり、且つ外へ突出する。
【0008】
本実用新案のさらにほかの実施形態によれば、光反射面として2つの円弧面を用い、その中の1つの円弧面に光反射材料が貼り付けられる。これにより検出機能を実現することもできる。詳細は後述の実施形態を参照する。
【0009】
本実用新案のさらにほかの実施形態によれば、光反射面として、第1の三角柱の代わりに、1つの金属製の光反射部材を用い、これにより検出機能を実現することもできる。詳細は後述の実施形態を参照する。
【0010】
本実用新案のさらにほかの実施形態によれば、三角柱を中実状態にし、且つ2つの側面に光反射紙が貼り付けられ、これにより検出機能を実現することもできる。詳細は後述の実施形態を参照する。
【0011】
本実用新案は既存のインクジェット装置に対し、生産プロセスがより簡単なインクカートリッジ構造を提案する。このインクカートリッジ構造は前記遮光素子とフローティングマークの代わりに、光の反射と屈折などの原理により検出機能を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実用新案の第1の実施例の構造模式図である。
【図2】図1の実施例の1つの光路図である。
【図3】図1の実施例のほかの光路図である。
【図4】本実用新案の第2の実施例の構造模式図である。
【図5】図4に示す実施例の1つの光路図である。
【図6】図4に示す実施例のほかの光路図である。
【図7】本実用新案のほかの実施例の構造模式図である。
【図8】図7の実施例の1つの光路図である。
【図9】図7に示す実施例のほかの光路図である。
【図10】本実用新案のさらにほかの実施例の構造模式図である。
【図11】本実用新案のさらにほかの実施例の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面に基づいて本実用新案の実施形態をさらに説明する。
【0014】
第1の実施例:
図1は本実施例のインクカートリッジの構造模式図であり、その構造は底殻3と、表面カバー4と、底殻の側辺における吸気穴にある気体導入フィルム6、側面封止フィルム7と、インク供給口に装着されるバネ8、バルブコア9、シールリング10、パラフィルム11と、第1の三角柱1と、第2の三角柱2と、封止フィルム5とを含む。
【0015】
インクカートリッジは、底殻に光透過可能な材料により構成される第1の三角柱1と第2の三角柱2が設置され、それらの間の距離が1〜12mmである。第1の三角柱1の第1の表面14と第2の表面15により囲まれるスペースは中空であり、その中には空気又はプラスチックより密度が小さいほかの物質が満たされている。
【0016】
インクカートリッジにインクがある場合に、それをプリンタに装着してプリントを行う。図2はこの時の光路図である。図において、12はプリンタの発光素子であり、13は受光素子であり、矢印は光の伝送経路を表す。第1の三角柱1の第1の表面14はプリンタの発光素子12からの光を第2の三角柱2の第3の表面16に反射し、反射された光が第2の三角柱2の第1の表面17に入射する。この時、第2の三角柱2の下にインク19(側面封止フィルム7を貼り付けることによりこの部分を封止する)が満たされているため、光の屈折の原理に基づき、光がプリンタの受光素子13に受光されることなく、直接にインク19に入射する。これによって、プリンタはインクカートリッジにインクがあることを識別できる。
【0017】
プリントをしている間に、インクカートリッジにおけるインクの量は低減しつつある。インクカートリッジにおけるインクがなくなった時に、インクカートリッジにおける第2の三角柱2でのインクは消費される。図3はインクがなくなった時の光路図であり、矢印は光の伝送経路を表す。図3に示すように、第1の三角柱1の第1の表面14はプリンタの発光素子12からの光を第2の三角柱2の第3の表面16に反射し、反射された光が第3の表面16を通過して第2の三角柱2の第1の表面17に入射し、光の全反射の原理に基づき、光が第2の三角柱2の第2の表面18へ反射され、そして第1の三角柱1の第2の表面15へ反射され、さらに受光素子13へ反射される。これによって、プリンタはインクがなくなったという情報を示し、そして、インクカートリッジを取り替える信号をユーザーに発信する。
【0018】
第2の実施例:
図4は第2の実施例の模式図であり、本実施例は第1の実施例に比べ、底殻における検出部には、第1の実施例における第1の三角柱1と第2の三角柱2の代わりに、光透過可能な材料により構成される第1の直角21と第2の直角22が設置される点が異なり、検出の原理がほぼ同じである。前記2つの直角は検出部の中心線に沿って45度に設置され、それらの間の距離が1〜15mmである。第1の直角21の第1の外表面23と第2の外表面24、及び第2の直角22の第1の内面25と第2の内面26にはそれぞれ光反射紙20が貼り付けられている。2つの直角の間のスペースの外部は側面封止フィルム7を貼り付けることにより封止され、その内部に収納されるインクはインクカートリッジにおけるインクに連通される。
【0019】
図5はインクカートリッジをプリンタに装着した後、インクカートリッジにインクがある場合の光の伝送状況を示す。図5に示すように、第1の直角21の第1の外表面23は発光素子12からの光をインク19に入射させ、インクに吸収されるため、光がプリンタの受光素子13に届かず、これによって、プリンタはインクカートリッジにインクがあることを識別できる。
【0020】
図6はインクカートリッジにおけるインクがなくなった時の光線の進行方向を示し、この進行方向は矢印に示す通りである。プリントをしている間に、インクカートリッジにおけるインクはなくなり、第1の直角と第2の直角との間のインクは消費され、発光素子からの光が第1の直角の第1の外表面により第2の直角の第1の内面に直接に入射され、そして第2の直角の第2の内面へ反射され、さらに第1の直角の第2の外表面へ反射され、最後にプリンタの検出位置にある受光素子へ反射される。これによって、プリンタはインクがなくなったという情報を示し、且つインクカートリッジを取り替える信号をユーザーに発信する。
【0021】
第2の実施例によれば、上記した2つの直角は2つの円弧面(図7参照)に設けられてもよく、第1の円弧面27と第2の円弧面28との間の距離が1〜15mmである。第1の円弧面27と第2の円弧面28にそれぞれ光反射紙20が貼り付けられ、且つそれらの間にインクがある場合に(図8参照)、発光素子12からの光は第1の円弧面29に入射され、光散乱が発生し、散乱した光がインク19に入射され、プリンタの検出部にある受光素子13に届かず、これによって、プリンタはインクカートリッジにインクがあると識別し、インクがなくなったという情報を示さない。第1の円弧面と第2の円弧面との間のインクがなくなった時に(図9参照)、散乱した光の一部は第2の円弧面30に入射され、光散乱が再び発生した後、一部の光が第1の円弧面に入射され、再度に光散乱が発生し、その後、一部の光がプリンタの検出位置にある受光素子に入射される。これによって、プリンタはインクがなくなったという状態を識別できる。
【0022】
第1の実施例によれば、金型に問題が生じることにより生産効率が低すぎるのを防止するために、第1の三角柱の代わりに、金属製の光反射部材31を用いてもよく、生産する場合に、金属製の光反射部材29を位置決め柱32に嵌めれば光線の反射を実現でき、その機能は三角柱と同じである。
【0023】
第1の実施例によれば、第1の三角柱1の2つの側面の間を中実状態にしてもよく、その2つの側面に光反射紙20が貼り付けられ、第2の三角柱2の2つの側面がインクに接触される。インクがある場合に、光線は光反射紙の反射により第2の三角柱に伝送され、そしてインクへ屈折される。これによって、プリンタはインクがあるという情報を示す。インクが第2の三角柱の下まで消費された場合に、光線は第2の三角柱へ反射され、第2の三角柱の側面17で全反射が発生した後、第2の三角柱の側面18へ反射され、且つ第1の三角柱の側面15へ反射され、その後、光接受装置13へ反射される。これによって、プリンタはインクがなくなったという情報を示す。
【符号の説明】
【0024】
1…第1の三角柱、2…第2の三角柱、3…底殻、4…表面カバー、5…封止フィルム、6…気体導入フィルム、7…側面封止フィルム、8…バネ、9…バルブコア、10…シールリング、11…パラフィルム、12…発光素子、13…受光素子、14…第1の三角柱の第1の表面、15…第1の三角柱の第2の表面、16…第2の三角柱の第1の表面、17…第2の三角柱の第2の表面、18…第2の三角柱の第3の表面、19…インク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インク供給口と、吸気穴と、プリンタに供給されるインクを収納するインク貯蔵チャンバと、光検出部とを含むインクジェットプリンタのインクカートリッジにおいて、
前記光検出部は光透過材料により構成される第1の三角柱と第2の三角柱を含み、前記三角柱の2つの側面はプリンタにおける発光素子からの光線を反射又は屈折し、且つ少なくとも1つの三角柱の2つの側面がインクカートリッジにおけるインクに接触されることを特徴とするインクジェットプリンタのインクカートリッジ。
【請求項2】
前記三角柱の光線を反射又は屈折するための2つの辺と第3の辺との夾角は40〜60度であり、前記第1の三角柱と第2の三角柱との間の距離が1〜12mmであり、且つそれに空気が満ちるように、又はそれに三角柱を構成する材料より密度が小さいものを入れられるように、第1の三角柱を中空状態にすることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタのインクカートリッジ。
【請求項3】
第1の三角柱と第2の三角柱の代わりに、2つの外へ突出する直角面を用い、前記2つの直角面の間の距離が1〜15mmであり、且つ少なくとも1つの直角面が光反射材料により覆われることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタのインクカートリッジ。
【請求項4】
第1の三角柱と第2の三角柱の代わりに、第1の円弧面と第2の円弧面を用い、且つ少なくとも第1の円弧面の凸面又は第2の円弧面の凹面が光反射材料により覆われ、前記2つの円弧面の間の距離が1〜15mmであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタのインクカートリッジ。
【請求項5】
第1の三角柱の代わりに、1つの金属製の光反射部材を用い、光反射部材と第1の三角柱との間の距離が1〜15mmであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタのインクカートリッジ。
【請求項6】
第1の三角柱を中実状態にし、その側面に光を反射する効果を達成するように光反射紙が貼り付けられることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタのインクカートリッジ。
【請求項1】
インク供給口と、吸気穴と、プリンタに供給されるインクを収納するインク貯蔵チャンバと、光検出部とを含むインクジェットプリンタのインクカートリッジにおいて、
前記光検出部は光透過材料により構成される第1の三角柱と第2の三角柱を含み、前記三角柱の2つの側面はプリンタにおける発光素子からの光線を反射又は屈折し、且つ少なくとも1つの三角柱の2つの側面がインクカートリッジにおけるインクに接触されることを特徴とするインクジェットプリンタのインクカートリッジ。
【請求項2】
前記三角柱の光線を反射又は屈折するための2つの辺と第3の辺との夾角は40〜60度であり、前記第1の三角柱と第2の三角柱との間の距離が1〜12mmであり、且つそれに空気が満ちるように、又はそれに三角柱を構成する材料より密度が小さいものを入れられるように、第1の三角柱を中空状態にすることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタのインクカートリッジ。
【請求項3】
第1の三角柱と第2の三角柱の代わりに、2つの外へ突出する直角面を用い、前記2つの直角面の間の距離が1〜15mmであり、且つ少なくとも1つの直角面が光反射材料により覆われることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタのインクカートリッジ。
【請求項4】
第1の三角柱と第2の三角柱の代わりに、第1の円弧面と第2の円弧面を用い、且つ少なくとも第1の円弧面の凸面又は第2の円弧面の凹面が光反射材料により覆われ、前記2つの円弧面の間の距離が1〜15mmであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタのインクカートリッジ。
【請求項5】
第1の三角柱の代わりに、1つの金属製の光反射部材を用い、光反射部材と第1の三角柱との間の距離が1〜15mmであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタのインクカートリッジ。
【請求項6】
第1の三角柱を中実状態にし、その側面に光を反射する効果を達成するように光反射紙が貼り付けられることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタのインクカートリッジ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2011−506134(P2011−506134A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−537241(P2010−537241)
【出願日】平成20年12月10日(2008.12.10)
【国際出願番号】PCT/CN2008/073408
【国際公開番号】WO2009/074112
【国際公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(510179353)ジュハイ ナインスター マネージメント カンパニー リミテッド (3)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月10日(2008.12.10)
【国際出願番号】PCT/CN2008/073408
【国際公開番号】WO2009/074112
【国際公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(510179353)ジュハイ ナインスター マネージメント カンパニー リミテッド (3)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]