説明

インクジェットプリンターおよびインクジェット印刷プロセス

本発明は、水または揮発性溶剤を含む印刷インキを連続したウエブ基体上に印刷するための、ドロップ・オン・デマンドインクジェット印刷装置であって、印字ヘッド、印字ヘッドの近くに水または溶剤蒸気を保持するための部屋であって、連続したウエブ基体のための入口および印刷された連続したウエブ基体のための出口を有する部屋、該部屋の入口を通って部屋内にへ連続したウエブ基体を供給し、印字ヘッドを過ぎて、部屋出口から取り出すための手段、を有する印刷装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェットプリンターおよびインクジェット印刷プロセスに関する。本発明は特には、たとえば水および/または有機溶剤のような揮発性成分を含むインクジェットインキを使用するのに好適なインクジェットプリンター、および該プリンターで印刷する方法に関するが、これに限定されるものではない。
【背景技術】
【0002】
食品および他の商品用包装材料の印刷は、フレキソ印刷のような伝統的な印刷方式を使用して、伝統的に行われていた。典型的には、包装材料のフレキソ印刷において使用されるインキは、エタノールおよび酢酸エチルのような揮発性の有機溶剤に基づく。したがってこのようなインキは非常に速く乾燥し、比較的高速で稼働する印刷ラインを許容する。
【0003】
インクジェット印刷は伝統的な印刷方式に比較して多くの長所を有しており、たとえばセットアップ時間が短く、版下または他の印刷要素を調製する必要なしに、コンピュータに貯蔵されたイメージから印刷する能力を有する。しかしながら、ドロップ・オン・デマンドインクジェット印刷においては、速乾性の溶剤ベースのインキの使用は、ノズルの詰まりを引き起こすことがあり、それは定期的な印字ヘッドメンテナンスを必要とし、印字ヘッドに復元不能な損傷をもたらすことがある。その理由により、工業的なドロップ・オン・デマンドインクジェット印刷のための溶剤ベースのインキは、よりゆっくり乾燥するように設計されている。したがって、印刷後の加熱工程が、合理的な時間でインキを乾燥するために必要とされる。水および溶剤を含まない放射線硬化可能なインクジェットインキは公知であり、例えば紫外線を使用して非常に速く乾燥できる。しかしながら、これらのインキは包装、特に食品包装においてはあまり用途がない。なぜなら硬化されていない単量体が印刷された包装材料からマイグレートする可能性のためである。
【0004】
速乾性インキは、連続的なインクジェット印刷では使用されていた。なぜなら、連続的なインクジェット印刷では印刷ノズルが絶え間なく使用され、したがって、ノズル中のインキの乾燥により引き起こされる詰まりは恐らく生じないからである。しかしながら、連続的なインクジェット印刷は、バッチと日付コードのような高解像度が必要でない印刷用途で典型的に使用され、包装において一般に要求される高品質イメージを生産するのにふさわしくなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、印刷された媒体上で迅速に乾燥するが、印字ヘッドノズル中でのインキの乾燥により引き起こされるノズル詰まりの課題を生じない、溶剤ベースのインクジェットインキを使用できるインクジェットプリンター、およびインクジェット印刷方法についての必要がある。
【0006】
家庭用、オフィスおよび他の用途での、水性インキは公知である。水は比較的揮発性で、もしグリセリン、ジエチレングリコールおよび他のグリコール類のような保湿剤の存在により揮発性が低減されなければ、不適当なレベルのノズル詰まりに結びつく速度で蒸発する。それらの保湿剤は、しばしば最大で30重量%の量で存在し、ノズル中のインキが完全に乾燥することを防ぐ。しかしながら、それらは同じ理由でポリマーフィルムおよびその他の非多孔性の基体上での乾燥特性も妨害するため、低減された量の保湿剤を含むかまたは全く保湿剤を含まない水性インキが使用でき、許容しがたいノズル詰まりを起こさない印刷プロセスを提供することは望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
それらのニーズのため、本発明は水または揮発溶剤を含む印刷インキを連続するウエブ基体上に印刷するためのドロップ・オン・デマンド印刷装置であって、印字ヘッドおよび、印字ヘッドの近くに水または溶剤蒸気を保持するための部屋を備え、該部屋は連続したウェブ基体のための入口、印刷された連続したウェブ基体のための出口を備え、さらに連続したウェブ基体を該入口から部屋の中に供給し、印字ヘッドを通過させ、部屋出口から取り出す手段を備えた装置を提供する。
【0008】
本発明は、さらにドロップ・オン・デマンドインクジェット印刷プロセスであって、印字ヘッドを備えた部屋の入口を連続するウエブ基体を通過させる工程、該基体上にインクジェットインキをインクジェット印刷する工程、および該部屋の出口を通して印刷された基体を部屋から取り出す工程を含むプロセスを提供する。
【0009】
部屋は水または溶剤の蒸気を印字ヘッドの近くに保持し、特には水または溶剤の蒸気を印字ヘッドノズルの近くに維持し、それにより印字ヘッドノズル中のインキからの水または溶剤の蒸発を防止し、インキ乾燥速度およびノズル詰まりの低減を支援する。部屋の内側の雰囲気は、水または溶剤蒸気で90%飽和され、好ましくは水または溶剤蒸気で飽和される。部屋は任意の好適な形および配置でありえる。好ましくは、入口、印字ヘッドおよび出口が、容易に部屋に入り、通り、出て行くことができるように配置される。連続したウエブ基体を部屋の入口から供給し、印字ヘッドを通過して部屋出口から取り出す手段は、任意の好適なアレンジメントであることができ、たとえばコンベヤーベルト、ドライブローラー、ニップローラー等であることができる。
【0010】
コンティニアスインクジェット印刷と異なり、ドロップ・オン・デマンドインクジェット印刷では、印字ヘッドノズルと基体の間のギャップは非常に狭く、対応してインキ液滴が移動する距離が非常に小さいことが、インキ液滴が基体に向かって移動する時のインキ小滴のゆがみによって引き起こされる解像度の低下を最小限にするために望ましい。包装材料で典型的に要求されるもののような高品質イメージを印刷する場合、それは特に当てはまる。本発明の装置およびプロセスでは、基体は部屋内へ運ばれ、したがって、印刷箇所では印字ヘッドに非常に接近できる。好ましくは、プリンターのアレンジメントは、印刷時の連続するウエブ基体と印字ヘッドの間の距離は、1mm未満であり、より好ましくは0.75mm未満、特に好ましくは0.5mm以下である。
【0011】
1つの実施態様では、印字ヘッドの近くの水または溶剤蒸気は、印刷の間に、インキからの水または溶剤の蒸発によって生成される。任意に、印刷装置には、特にはインキ中に存在するものと同じ揮発性成分もしくは成分混合物の蒸気である、水または溶剤蒸気を生成する手段、または部屋に水または溶剤蒸気を導入するためのさらなる手段が提供される。例えば、印刷装置には、部屋内に水または溶剤の受容器が提供され、受容器内の水または溶剤からの蒸発によって水または溶剤蒸気を生成することができる。受容器内の溶剤または溶剤混合物は、典型的にはインキ中に存在するものと同じ溶剤または溶剤混合物である。受容器には、その溶剤の蒸発を促進するために受容器の溶剤を暖めるための加熱手段を提供できる。本発明の印刷手段には、任意に水または溶剤蒸気を生成し、その後水または溶剤蒸気を前記のヘッドを取り囲む部屋内に導入する手段が提供される。例えば、水または溶剤蒸気は、水または溶剤を蒸気生成部屋の中で暖めるか又はスプレーすることにより生成することができ、次いで、1本以上の導管によって印字ヘッドノズルを囲む部屋へ転送されることができる。水または溶剤蒸気は、任意にポンプまたはファンを使用して、部屋へ移動される。
【0012】
部屋の入口および出口は任意の好適な形および配置であることができる。好ましくは、部屋からの蒸気の損失を低減するために、基体と、入口または出口の周囲との間の距離を最小限にする。入口はスロットであることができる。好ましくは、基体のための入口には1ペアのニップローラーが提供される。ローラーは駆動されることができ、またはアイドルローラーであってもよい。好ましくは、ぬれたインキを汚さないようにするために、基体が部屋を去る時に、基体の印刷された面がスロット周囲と接触しないように、基体の出口が配置される。1つの実施態様では、基体の出口は基体が通り抜けるスロットである。
【0013】
インクジェットインキは、水または有機溶剤のような少なくとも1つの揮発性成分を含む。任意に、インキは、典型的な印刷条件下において周囲温度で連続したウエブ基体上に印刷された時、蒸発によって急速に乾燥するようにされる。例えば、インキがインクジェット印刷により連続したウエブ基体上に印刷された場合、周囲温度において、すなわち加熱することなく、2分未満で、好ましくは60秒未満で、任意に30秒未満で乾燥するようにされることができる。1つの実施態様では、インクジェットインキは1つ以上の有機溶剤を含む。任意に、インキは少なくとも50重量%、任意に少なくとも70重量%、そしてある場合には少なくとも80重量%の、140℃未満の沸点を有する揮発性有機溶剤またはその混合物を含む。1つの実施態様では、インクジェットインキは少なくとも50重量%、任意に少なくとも70重量%、そしてある場合には少なくとも80重量%の、110℃未満の沸点を有する揮発性有機溶剤またはその混合物を含む。
1つの実施態様では、インクジェットインキは少なくとも50重量%、任意に少なくとも70重量%、そしてある場合には少なくとも80重量%の、90℃未満の沸点を有する揮発性有機溶剤またはその混合物を含む。
【0014】
1つの実施態様では、インクジェットインキは少なくとも50重量%、任意に少なくとも70重量%、そしてある場合には少なくとも80重量%の、少なくとも1.0の蒸発速度(酢酸n−ブチルの蒸発速度を1.8とした時の相対値)を有する揮発性有機溶剤またはその混合物を含む。1つの実施態様では、インクジェットインキは少なくとも50重量%、任意に少なくとも70重量%、そしてある場合には少なくとも80重量%の、少なくとも0.5の蒸発速度を有する揮発性有機溶剤またはその混合物を含む。
【0015】
印刷業界において一般的に使用される多くの溶剤の沸点および蒸発速度が、以下の表に列記される。
【0016】
【表1】


* 酢酸N−ブチル=1.80との相対値
【0017】
好ましくは、インクジェットインキは、イソプロピルアルコール、酢酸n‐プロピル、酢酸イソプロピル、アセトン、酢酸エチル、エタノール、メチルエチルケトンおよびそれらの混合物から選ばれた1つ以上の溶剤を含む。任意に、インキは少なくとも50重量%、任意に少なくとも70重量%、そしてある場合には少なくとも80重量%の、イソプロピルアルコール、酢酸n‐プロピル、酢酸イソプロピル、アセトン、酢酸エチル、エタノール、メチルエチルケトンおよびそれらの混合物からなる群から選択された1つ以上の溶剤を含む。任意に、インキは実質的に水を含まず、たとえば1重量%未満の水しか含まない。
【0018】
別の実施態様では、インキは水性インキであり、例えば少なくとも40重量%、任意に少なくとも50重量%の水を含む。好ましくは、インキは10重量%以下の保湿剤、より好ましくは5重量%以下の保湿剤を含む。特に好ましくは、インキは実質的に保湿剤を含まず、たとえば1重量%未満の保湿剤しか含まない。水性のインキは任意に放射線硬化可能なインキ、例えばUV硬化可能なインキである。水は、わずか0.36の蒸発速度(酢酸n−ブチルの蒸発速度を1.8とした時の相対値)を有しているが、それにも拘わらず本発明においては目的のためには揮発性成分であると考えられる。
【0019】
連続したウエブ基体は、その上にイメージを印刷することが所望されるすべての連続したウエブ基体であることができる。例えば、連続したウエブ基体は紙であることができる。あるいは、連続したウエブ基体はポリマーフィルム材料であることができる。連続したウエブ基体は、ロールの形で印刷装置内に貯蔵されることができる。任意に、印刷装置はたとえば連続したウエブ基体のロールのような、連続したウエブ基体の蓄えを備えることができる。任意に、印刷装置は、印字ヘッドおよび部屋の下流に、連続したウエブ基体を切断するための手段を含む。任意に、印刷装置は、インクジェットインキの受容器を含む。
【0020】
任意に、本発明のプロセスは、その基体の蓄えから連続したウエブ基体を取り出し、入口を通して部屋の中に通し、基体上にインクジェット印刷し、次に出口を通して部屋から出す工程を含む。
【0021】
任意に、本発明のプロセスは、引き続いて印刷された基体を部分に切断する工程を含む。好ましくは、インキは切断の前に乾燥することが許容される。
【0022】
任意に、本発明のプロセスでは、インキは部屋の出口から出た後2分以内に、好ましくは60秒以内に、より好ましくは10秒以内に、乾燥する。任意に、本発明のプロセスは、インキを乾燥するための乾燥機の使用を含む。例えば、乾燥機は強制空気乾燥機であることができる。任意に、乾燥機は熱風乾燥機および/または放射線乾燥機であることができる。
【0023】
基体は紙基体であることができる。基体はポリマーフィルムであることができる。基体は、食品包装紙として使用される基体にであることができる。
【0024】
本発明の実施態様が、例示のみのために、図面を参照しつつ記載される:
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、本発明にかかる部屋内で取り囲まれた印字ヘッドの模式図である。
【図2】図2は、本発明の概念をテストするのに使用される装置の模式図である。
【0026】
図1は、本発明にかかる印刷装置の一部の模式図である。印刷装置は、部屋2に囲まれた印字ヘッド1を含む。部屋には入口3および出口4が備えられる。図1に示されたように、連続したウエブ基体5は入口3を通って部屋の中へ入り、印字ヘッド1に非常に近づき、その後出口4から出て行く。さらに、インキの中にあるのと同じ溶剤混合物を含んでいる受容器6も、部屋2内に囲まれて配置される。溶剤は受容器6から蒸発し、部屋2内の雰囲気を本質的に飽和状態にし、ノズル内のインキからの溶剤の蒸発を防止する。印刷中に、インキの小滴7は、印字ヘッドから基体上に発射され、基体上にイメージを形成する。その後、基体は出口4を通って部屋から出て行き、インキが乾燥する外部環境にさらされる。
【0027】
小さな実験室規模で発明概念をテストするために、図2に示される、単純化された装置が以下のようにセットアップされた:
1. 200cmのブリキ缶10に、速乾性溶剤11を3/4充填した。
2. ブリキ缶10は蓋12で密封され、およそ60分間放置され、缶の内部の雰囲気が溶剤で飽和されるようにした。
3. 別のブリキ製の蓋12に穴が開けられ、その穴に1本の糸13が通された。その糸には、速乾性溶剤ベースのインキの層が塗布された基体14の片が取り付けられた。
4. 最初のブリキ製の蓋が、基体14の取り付けられた蓋12と素早く取り替えられ、基体14がブリキ缶の中で、溶剤11の表面上につるし、ストップウォッチを作動させた。
5. 前もって決定した時間の後に、蓋12と基体14が取り出され、インキが乾燥したかどうかを調べた。インキが乾燥していなかった場合、周囲条件の中でインキが乾燥するまでの時間が調べられた。
【0028】
試験は、シアン染料、マレイン酸樹脂および84重量%のイソプロピルアルコールを含むインキを使用して行なわれた。ブリキ缶内に置かれた溶剤11はイソプロピルアルコールであった。ブリキ缶内におかれずに、空気中で乾燥された時には、乾燥するまでの時間は20秒であった。ブリキ缶内に置かれた時、60秒後であっても乾燥していなかった。ブリキ缶から取り出すと、およそ印刷物は2秒で乾燥した。自然に乾燥される対照実験での時間と比較して、ブリキ缶から印刷物を取り出した後に驚くほど速く乾燥する理由は、ブリキ缶内で溶剤の逸失があったが、乾燥を引き起こすに十分ではなかったからだと推察される。
【0029】
試験はメトキシプロパノールベースのインキを使用して、ブリキ缶内に溶剤12としてメトキシプロパノールを入れて繰り返された。対照実験としての空気中で自然に乾燥するための時間は、90秒であつた。上記の手続きに従ってブリキ缶内に置かれた時、印刷物は150秒後でさえ乾燥していなかった。ブリキ缶から取り出すと、印刷物はおよそ2秒で乾燥した。
【0030】
発明概念のさらなる試験として、ドロップ・オン・デマンド印字ヘッド(Dimatix Nova 256 ジェット)にシクロヘキサノンベースのインキが装填された。その後、印刷が始められ、インキが発射されたノズルの数が記録された。その後、印刷は止められ、印字ヘッドは所定時間休止された。その後、印刷は再び始められ、再びインキが発射されたノズルの数が記録された。その後、その手続きが異なる時間間隔で繰り返された。その後、全工程が再び行なわれた。しかし、この時、印字ヘッドは、印刷していない間には溶剤受容器を含む金属製の部屋で囲まれた。印刷すると決定された時、部屋はす速く撤去され、印刷が行われ、ノズルの数が記録され、印刷が止められ、また部屋が印字ヘッドのまわりにおかれた。
【0031】
大気に連続的に暴露された印字ヘッドで実行された実験については、10のジェットの列が調べられた。5分間印刷しないと1つのノズル(10%)が詰まり、11分間印刷しないと4つのノズル(40%)が詰まり、33分間印刷しないと7つのノズル(70%)が詰まった。これは、特に揮発性ではない溶剤(シクロヘキサノン)が使用された場合さえ、溶剤ベースのインキがドロップ・オン・デマンドインクジェットプリンターで使用される場合、ノズルが許容しがたいレベルに速く詰まることを実証する。速乾性のフレキソ印刷インキで使用されるタイプの揮発性溶剤ベースのインキでは、ノズル詰まりがさらに速く生じることが予想されるだろう。
【0032】
印字ヘッドが、印刷していない間には溶剤を含む部屋内に囲まれた繰り返し実験では、11分と30分間の印刷中止では詰まったノズルは一つもなく、210分間の印刷中止で1つのノズルのみが詰まった(10%)。これは、溶剤を飽和状態で含む部屋の中に印字ヘッドを閉じ込めることが、ノズル詰まりの速度を著しく低減することを示す。
【0033】
当業者は、本発明の範囲内で多くの変更を行うことができることを理解するであろう。
本発明の範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて決定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水または揮発性溶剤を含む印刷インキを連続したウエブ基体上に印刷するための、ドロップ・オン・デマンドインクジェット印刷装置であって、
印字ヘッド、
印字ヘッドの近くに水または溶剤蒸気を保持するための部屋であって、連続したウエブ基体のための入口および印刷された連続したウエブ基体のための出口を有する部屋、
該部屋の入口を通って部屋内にへ連続したウエブ基体を供給し、印字ヘッドを過ぎて、部屋出口から取り出すための手段、を有する印刷装置。
【請求項2】
水または溶剤蒸気を生成するか、または部屋内へ水または溶剤蒸気を導入するための手段が提供される、請求項1記載の印刷装置。
【請求項3】
水または溶剤蒸気を生成するための手段が、水または溶剤を保持でき、液体表面を部屋の内部に暴露させる受容器である、請求項2記載の印刷装置。
【請求項4】
基体のための入口が1対のニップローラーである、請求項1から3のいずれか1項記載の印刷装置。
【請求項5】
基体の出口がスロットである、請求項1から4のいずれか1項記載の印刷装置。
【請求項6】
印刷中に、連続したウエブ基体と印字ヘッドの間の距離がlmmより大きくならないように配置される、請求項1から5のいずれか1項記載の印刷装置。
【請求項7】
インクジェットインキが、沸点が140℃未満の揮発性有機溶剤またはそのような揮発性有機溶剤の混合物を少なくとも50重量%含む、請求項1から5のいずれか1項記載の印刷装置。
【請求項8】
水性インクジェットインキを含む、請求項1から5のいずれか1項記載の印刷装置。
【請求項9】
印字ヘッドを含む部屋への入口を通って連続したウエブ基体を通す工程、基体上にインクジェットインキをインクジェット印刷する工程、および部屋の出口を通して印刷された基体を取り出す工程を含む、ドロップ・オン・デマンドインクジェット印刷方法。
【請求項10】
インクジェットインキが、沸点が140℃以下の揮発性有機溶剤またはそのような揮発性有機溶剤の混合物を少なくとも50重量%含む、請求項9記載の方法。
【請求項11】
インクジェット印刷の間に、印字ヘッドと基体の間の雰囲気が揮発性の有機溶剤またはそれらの混合物の蒸気で少なくとも90%飽和されている、請求項10記載の方法。
【請求項12】
インクジェットインキが、少なくとも1.0の蒸発速度を有する揮発性有機溶剤またはそのような揮発性有機溶剤の混合物を少なくとも50重量%含む、請求項9から11のいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
インクジェットインキが、イソプロピルアルコール、酢酸n‐プロピル、酢酸イソプロピル、アセトン、酢酸エチル、エタノール、メチルエチルケトンおよびそれらの混合物からなる群から選択される溶剤を少なくとも50重量%含む、請求項9から12のいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
インキが水性のインクジェットインキである、請求項9記載の方法。
【請求項15】
印字ヘッドと基体の間の距離が1mmよりも大きくない、請求項9から13のいずれか1項記載の方法。
【請求項16】
基体が食品包装としての使用に適している、請求項9から13のいずれか1項記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2011−509849(P2011−509849A)
【公表日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−542675(P2010−542675)
【出願日】平成21年1月5日(2009.1.5)
【国際出願番号】PCT/GB2009/000015
【国際公開番号】WO2009/090369
【国際公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(506397202)サン ケミカル ビー.ブイ. (11)
【Fターム(参考)】