説明

インクジェットプリンタ

【課題】インク循環路を有するインクジェットプリンタにおいて、放熱部材によって不必要にインクの熱が放熱されることを防止したインクジェットプリンタを提供する。
【解決手段】インクヘッドにインクを循環させるインク循環経路2を有するインクジェットプリンタ1であって、インク循環経路2を流れるインクの温度を検出する温度検出手段14と、温度検出手段14の検出結果に基づいて、インク循環経路2を流れるインクを加熱する加熱手段42と、インク循環経路2を流れるインクの熱を放熱し、インクを冷却する放熱部材35と、インクを加熱する際は、放熱部材35を外気から遮断した密閉状態にし、インクを冷却する際は、放熱部材35を外気と通気した開放状態にする断熱カバー102と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体にインクを吐出して画像を記録するインクジェットプリンタに関し、より詳細には、インクの温度調整に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から複数のノズルを有するインクヘッドを備え、入力画像データに応じて、各ノズルからインクを吐出することによって記録媒体上に所望の画像を記録するインクジェットプリンタが知られている。
【0003】
このようなインクジェットプリンタは、一般的に、インクヘッドから吐出されるインク吐出量に温度依存性があり、環境温度等によって記録濃度が変動してしまうという問題がある。これは、インクの物性値、特にインク粘度が温度の影響により変化することによる。低温ではインク粘度が増加してインクは吐出しにくくなり、逆に高温ではインク粘度が減少してインクは吐出しやすくなる。そのため、インク吐出量を適正にするために、インクの温度を保証範囲内に制御する必要がある。
【0004】
例えば、特許文献1のようにインクを循環させるインク循環型のインクジェットプリンタでは、インクを温めるヒータと、インクを冷やすヒートシンク及びファンで構成されたインク冷却器と、を備えている。そして、インクの温度が保証範囲より低い時は、ヒータでインクを温め、インクの温度が保証範囲より高い時は、インク冷却器でインクを冷やしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−137164号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述した特許文献1のように、インクの熱を奪うことでインクの温度を下げる、例えば、ヒートシンクのような放熱部材を有するインク冷却器では、インクの温度に拘わらず、放熱部材が常にインクの熱を放熱してしまう。つまり、インクの冷却を行う必要がない場合においても、放熱部材は、インクの熱を奪い、インクの温度を下げてしまう。そのため、例えば、インク温度が低いときにインクを加熱しても、放熱部材によりインクの熱が放熱されてしまうため、加熱効率が低下してしまう。
【0007】
そこで本発明は、放熱部材によって不必要にインクの熱が放熱されることを防止したインクジェットプリンタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に従う実施形態は、インクヘッドにインクを循環させるインク循環経路を有するインクジェットプリンタであって、インク循環経路を流れるインクの温度を検出する温度検出手段と、温度検出手段の検出結果に基づいて、インク循環経路を流れるインクを加熱する加熱手段と、インク循環経路を流れるインクの熱を放熱し、インクを冷却する放熱部材と、インクを加熱する際は、放熱部材を外気から遮断した密閉状態にし、インクを冷却する際は、放熱部材を外気と通気した開放状態にする断熱カバーと、を有するインクジェットプリンタを提供する。
【0009】
また、上記目的を達成するために、本発明に従う実施形態は、インクヘッドにインクを循環させるインク循環経路を有するインクジェットプリンタであって、インク循環経路を流れるインクの温度を検出する温度検出手段と、温度検出手段の検出結果に基づいて駆動し、インク循環経路を流れるインクを加熱する加熱手段と、インク循環経路を流れるインクの熱を放熱し、インクを冷却する放熱部材と、温度検出手段の検出結果に基づいて駆動し、放熱部材に向けてエアーを吹き付ける冷却ファンと、によって構成された冷却手段と、加熱手段の駆動時、少なくとも放熱部材を外気から遮断した密閉状態にし、冷却ファンの駆動時、少なくとも放熱部材を外気と通気した開放状態にする断熱手段と、を有するインクジェットプリンタを提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、放熱部材によって不必要にインクの熱が放熱されることを防止したインクジェットプリンタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、第1の実施形態に係る温度調整機構を搭載したインクジェットプリンタにおけるインク経路の概念的な構成例を示すブロック図である。
【図2】図2(a)は、温度調整機構の外観構成を示す斜視図であり、図2(b)は、断熱カバーとカバーを取り外した温度調整機構の外観構成を示す斜視図である。
【図3】図3は、温度調整機構の流路部におけるインク流入部材の周辺の外観構成を拡大して示す図である。
【図4】図4は、流路部の内部のインク流路を示した断面構成を図である。
【図5】図5(a)は、断熱カバーが閉じた非放熱状態の温度調整機構の断面図であり、図5(b)は断熱カバーが開いた放熱状態の温度調整機構の断面図である。
【図6】図6(a)は、第1の変形例に係るブラインドとなる羽根板が閉じた非放熱状態の温度調整機構の断面構成を示す図であり、図6(b)は、羽根板が開いた放熱状態の温度調整機構の断面構成を示す図である。
【図7】図7(a)は、第2の変形例に係るシャッタが閉じた非放熱状態の温度調整機構の断面構成を示す図であり、図7(b)は、シャッタが開いた放熱状態の温度調整機構の断面構成を表す図である。
【図8】図8(a)は、第2の実施形態に係る断熱カバーが閉じた状態の温度調整機構を上から見た構成を示す図であり、図8(b)は、温度調整機構を流路部側の斜め上から見た外観構成を示す斜視図であり、図8(c)は、断熱カバーが閉じた非放熱状態の温度調整機構の断面構成を示す図であり、図8(d)は、放熱状態の温度調整機構の断面構成を表す図である。
【図9】図9(a)は、第3の実施形態に係る断熱カバーが閉じた非放熱状態の温度調整機構の断面構成を示す図であり、図10(b)は、放熱状態の温度調整機構の断面構成を表す図である。
【図10】図10(a)は、第4の実施形態に係る断熱カバーが閉じた非放熱状態の温度調整機構の断面構成を示す図であり、図10(b)は、放熱状態の温度調整機構の断面構成を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、第1の実施形態に係る温度調整機構を備えるインクジェットプリンタ1におけるインク経路の概念的な構成例を示すブロック図である。尚、図示しないが、このインクジェットプリンタ1は、記録媒体を供給する供給部、供給された記録媒体を搬送する搬送機構、画像記録された記録媒体を排出する排出部、インクヘッドのクリーニングを行うクリーニング部、及びインク吐出制御を始めとしてプリンタ全体を制御する制御部等、通常のインクジェットプリンタが備えている構成を有している。
【0013】
インクジェットプリンタ1は、インク色毎に独立したインク経路を有している。本実施形態では、例えば、4色(シアン:C、マゼンタ:M、イエロー:Y、ブラック:K)のインクによる独立4系統のインク経路を有しているが、図1には、代表的にある1色のインクに係わるインク経路のみを示している。
【0014】
図1に示すように、インクジェットプリンタ1は、大別すると、記録媒体に画像を記録する記録ヘッド部11と、記録ヘッド部11にインクを循環させるインク循環経路としてのインク循環部2と、インク循環部2にインクを補給するインク補充部5と、を有している。
【0015】
まず、インク補充部5について説明する。
インク補充部5は、メインタンク(又は、着脱可能なインクカートリッジ)24と、補充チューブ26と、電磁バルブ25と、で構成されている。メインタンク24には、所定色のインクが貯留されている。このメインタンク24は、補充チューブ26を介して第2のタンク17と接続されている。
【0016】
電磁バルブ25は、メインタンク24と第2のタンク17とを接続する補充チューブ26に設けられている。この電磁バルブ25は、インク循環部2内のインク量に基づいて開閉動作が制御される。つまり、インク循環部2内のインク量が所定量以下の場合、電磁バルブ25が開放されて第2のタンク17にインクが供給され、インク循環部2内のインク量が所定量以上の場合、電磁バルブ25が閉じられる。尚、本実施形態では、インク補充部5が第2のタンク17と接続されているが、インク補充部5を第1のタンク12と接続してもよい。
【0017】
次に、記録ヘッド部11について説明する。
記録ヘッド部11は、インクヘッドを有し、外部装置から入力された画像信号に基づいてインクヘッドに形成された複数のノズルからインクを吐出し、記録媒体上に画像を記録する。このインクヘッド内は、画像記録時(インク循環時)に、画像記録動作に適した負圧(本実施形態では、ゲージ圧で約−1kPa)に保たれている。
【0018】
これにより、ノズル内には、内側に球面上に凹んだメニスカスが形成される。本実施形態の記録ヘッド部11は、記録媒体の幅(搬送方向に直交する方向)に満たない短尺なインクヘッドを複数用い、これらインクヘッドを記録媒体の幅方向に、例えば千鳥状に配列してフレーム等に固定し、ラインヘッドを構成している。もちろん、記録ヘッド部11は、ラインタイプ(ラインヘッド)に限らず、記録媒体上を走査しながら記録を行うシリアルタイプ(シリアルヘッド)であってもよい。
【0019】
また、記録ヘッド部11は、温度検出手段としての温度センサ14を有している。この温度センサ14は、記録ヘッド部11内を流れるインクの温度を検出する。そして、温度センサ14で検出したインク温度に基づいて後述する温度調整機構100が制御される。尚、本実施形態では、記録ヘッド部11に温度センサ14を設けたが、これに限らず、温度センサ14は、インク循環部2内を流れるインクの温度を検出することができれば、どこに設けてもよい。
【0020】
次に、インク循環部2について説明する。
インク循環部2は、インク供給経路部3と、インク帰還経路部4とで構成される。
インク供給経路部3は、第1のタンク12と、供給チューブ13と、第2のタンク17と、排出チューブ18と、で構成されている。第1のタンク12は、記録ヘッド部11より重力方向上方に配置されている。この第1のタンク12には、該第1のタンク12内を大気に開放する、又は密閉する大気開放弁(電磁弁)23と、第1のタンク12内に貯留されたインクのインク量を検出するための不図示の液面検出器が設けられている。
【0021】
大気開放弁23は、画像記録時(インク循環時)に開放され、待機時(非インク循環時)に閉じられている。また、液面検出器は、第1のタンク12内に貯留されているインク量を検出し、後述するポンプ22の駆動を制御する。すなわち、液面検出器によって第1のタンク12のインク量が十分足りていると検出された場合は、ポンプ22を停止し、逆に、液面検出器によって第1のタンク12のインク量が不足していると検出された場合は、ポンプ22を駆動する。この動作により、第2のタンク17からインクが第1のタンク12に汲み上げられ、第1のタンク12の液面高さが所望の範囲に維持されている。
【0022】
そして、第1のタンク12内のインクは、画像記録時、供給チューブ13を介して記録ヘッド部11へ供給される。この時、第1のタンク12内のインクは、第1のタンク12と記録ヘッド部11との高低差(水頭差)によって自重で第1のタンク12から記録部11に供給される。
【0023】
ここで、第1のタンク12から記録ヘッド部11に供給されるインク量は、記録ヘッド部11で吐出されるインク量を上回るように設定されている。そのため、記録ヘッド部11から吐出されなかったインクは、排出チューブ18を経由して第2のタンク17に回収される。
【0024】
第2のタンク17は、記録ヘッド部11より重力方向下方に配置されている。そのため、記録ヘッド部11で吐出されなかったインクは、第2のタンク17と記録ヘッド部11との高低差(水頭差)によって自重で排出チューブ18を介して第2のタンク17に流れ落ちる。
【0025】
この第2のタンク17には、タンク内を大気に開放する、又は密閉する大気開放弁(電磁弁)19と、第2のタンク17内に貯留されたインクのインク量を検出するための不図示の液面検出器が設けられている。
【0026】
大気開放弁19は、画像記録時(インク循環時)及び待機時(非インク循環時)共に開放されている。また、液面検出器は、第2のタンク17内に貯留されているインク量を検出し、電磁バルブ25の駆動を制御する。すなわち、液面検出器によって第2のタンク17のインク量が十分足りていると検出された場合は、電磁バルブ25を閉じ、逆に、液面検出器によって第2のタンク17のインク量が不足していると検出された場合は、電磁バルブ25を開放する。この動作により、インク補充部5から第2のタンク17にインクが補充され、第2のタンク17の液面高さが所望の範囲に維持されている。
【0027】
尚、本実施形態では、画像記録時、第1のタンク12と記録ヘッド部11との高低差(水頭差)、及び第2のタンク17と記録ヘッド部11との高低差(水頭差)によって記録ヘッド部11に所定の負圧をかけている。また、待機時は、第2のタンク17と記録ヘッド部11との高低差(水頭差)によって記録ヘッド部11に所定の負圧をかけている。
【0028】
インク帰還経路部4は、温度調整手段としての温度調整機構100と、ポンプ22と、帰還チューブ20とで構成されている。
温度調整機構100は、詳細は後述するがインク循環部2内を流れるインクの温度を調整する。尚、本実施形態では、4色のインクを用いているが、温度調整機構100は、4色のインクに対して共用している。
【0029】
ポンプ22は、第2のタンク17内のインクを第1のタンク12へと送液(帰還)させる。尚、ポンプ22の送液能力は、第2のタンク17内に流入してくるインク量よりも多くのインクを第1のタンク12へと送液可能に設定されている。帰還チューブ20は、温度調整機構100とポンプ22を介して第2のタンク17と第1のタンク12とを接続している。
【0030】
このようなインクジェットプリンタ1において、インク循環部2は、少なくとも画像記録時はインクを循環させている。つまり、第1のタンク12のインクは、記録部11に供給される。そして、記録部11で吐出されなかったインクは、第2のタンク17で回収され、ポンプ22によって温度調整機構100を経て、第1のタンク12に帰還する。
【0031】
次に、本実施形態における温度調整機構100について説明する。
図2(a)は、温度調整機構の外観構成を示す斜視図であり、図2(b)は、断熱カバーとカバーを取り外した温度調整機構の外観構成を示す斜視図である。
【0032】
さらに、図3は、温度調整機構の流路部におけるインク流入部材の周辺の外観構成を拡大して示す図である。図4は、流路部の内部のインク流路を示した断面構成を図である。図5(a)は、断熱カバーが閉じた非放熱状態の温度調整機構の断面図であり、図5(b)は断熱カバーが開いた放熱状態の温度調整機構の断面図である。
【0033】
図2に示すように、温度調整機構100は、流路部101と、加熱手段としてのヒータ42と、冷却手段としてのヒートシンク35及びファン36と、支持部材としてのカバー30と、断熱カバー102と、駆動モータ103と、で構成されている。
【0034】
流路部101には、インク色毎にインクを流入するためのインク流入部材33(33K,33C,33M,33Y)と、インク色毎にインクを流出するためのインク流出部材34(34K,34C,34M,34Y)が取り付けられている。このインク流入部材33とインク流出部材34は、同様な構成となっている。尚、インク流入部材33及びインク流出部材34は、流路部101と一体的に成型してもよい。
【0035】
また、図3及び図4に示すように、流路部101内部には、インク色毎に分離したインク流路38(38K、38C、38M、38Y)が形成されている。この流路部101は、金属で形成され、例えば、アルミニウムや銅等の熱伝導性のよい素材により形成されている。
このように、熱伝導性のよい素材で流路部101を形成することで、流路部101のそれぞれのインク流路38を流れるインクの放熱効率を向上させることができる。
【0036】
図4は、1色のインク流入部材33K及びインク流路38Kを代表的に示した図である。尚、図4においては、インク流入部材33Kから流入したインクの経路を示しているが、その他の色のインク流路についても同様な構成である。
【0037】
インク流路38Kは、内部がインク流入口部材33Kからインク流出口部材34Kに向かって平行に延びる複数の壁39Kにより仕切られている。
【0038】
この構成において、インク流入部材33Kから流入したインクは、分岐して広がり、複数の壁39Kで仕切られたインク流路38Kを通過する。そしてインクは、インク流出部材34Kで漏斗状に1つにまとまり、流出する。このインク流出部材34Kから流れ出たインクは、ポンプ22に吸い込まれ、第1のタンク12に送出される。このようにインク流路38Kは、複数の小流路に分割されているため、インクと触れる壁面の面積が大きくなり、熱を伝達しやすくなっている。尚、インク流路38は、インクと触れる面積が大きくなるような形状であれば、これに限定されるものではない。
【0039】
ヒータ42は、流路部101の一方の面に密着して取り付けられている。尚、図示しないが流路部101とヒータ42との接触部には、熱伝導率を良くするために、シリコン等の熱伝導性のよい部材等を介在させてもよい。
【0040】
このヒータ42は、インクの温度が画像記録に適した所定温度範囲より低い場合に駆動し、流路部101を加熱する。すなわち、ヒータ42は、流路部101を流れるインクを加熱することで、インクの温度を所定温度範囲にする。そのため、ヒータ42は、前述した温度センサ14に基づいて制御される。尚、本実施形態では、ヒータ42によって加熱手段を構成している。
【0041】
ヒートシンク35は、流路部101におけるヒータ42が設けられていない他方の面に密着して取り付けられている。このヒートシンク35は、流路部101を流れるインクから熱を奪い、インクの温度を下げる。すなわち、ヒートシンク35は、インクの熱を放熱する放熱部材である。
【0042】
また、ヒートシンク35の複数のフィンは、図2(b)及び図3に示すように、流路部101における各色のインク流路を横断する方向に延びている。これは、例えば、インク流路38Kのインクが他のインク流路38C,38M,38Yのインクより温度が高くなった場合、複数のフィンを介して他のインク流路38C,38M,38Yのインクによって、インク流路38Kのインクの温度をさらに効率よく下げるためである。すなわち、フィンを流路部101における各色のインク流路38を横断する方向に延設することで、各色のインク流路38の熱交換を効率よく行うことができる。
【0043】
尚、図示しないが流路部101とヒートシンク35との接触部には、熱伝導率を良くするために、シリコン等の熱伝導性のよい部材等を介在させてもよい。さらには、別体の流路部101とヒートシンク35とを組み付けるのではなく、流路部101とヒートシンク35とを1つの部材として一体的に成型してもよい。すなわち、流路部101に直接、複数のフィンを設けてもよい。これにより、接触箇所が無くなり、放熱効率が向上する。
【0044】
さらに、ヒートシンク35と対向する位置には、例えば、2つの冷却ファン36が設けられている。これらの冷却ファン36は、カバー30によってヒートシンク35の複数フィンと対向するように支持されている。
【0045】
冷却ファン36は、インクの温度が画像記録に適した所定温度範囲より高い場合に駆動し、ヒートシンク35に向けて空気を吹き付け、ヒートシンク35の冷却を行う。すなわち、冷却ファン36は、ヒートシンク35を冷却することによって、ヒートシンク35による放熱効率を向上させている。そのため、冷却ファン36は、前述した温度センサ14に基づいて制御される。
【0046】
このように、各色のインクの熱が流路部101からヒートシンク35へ熱伝導され、空気中に排熱されることでインクは冷却される。この時、冷却ファン36によって、ヒートシンク35に向けて空気を吹き付けることで、さらに放熱効率を高めている。尚、本実施形態では、放熱部材としてのヒートシンク35及び冷却ファン36によって冷却手段を構成している。
【0047】
断熱カバー102は、熱伝導性が低く断熱性の高い素材で構成されている。この断熱カバー102は、駆動モータ103によって少なくともヒートシンク35を大気から遮断し、覆った略密閉(非放熱)状態(図5(a))と、ヒートシンク35を大気と通気させた放熱状態(図5(b))と、に移動する。そのため、駆動モータ103は、前述した温度センサ14に基づいて制御される。尚、本実施形態では、断熱カバー102は、非放熱状態においてヒートシンク35及び冷却ファン36を覆っている。また、本実施形態では、断熱カバー102及び駆動モータ102によって断熱手段を構成している。
【0048】
次に、温度調整機構100の動作について説明する。
ここで、インクの温度は、画像記録に適した所定の温度範囲内に維持する必要がある。しかし、インクの温度は、記録ヘッド部11のインクヘッドの駆動等により発生した熱がインクに伝導することによって所定の温度範囲より高くなる場合がある。また、逆に、インクの温度は、長時間に亘る停止状態から起動させた時に、周囲温度(環境温度)によって所定の温度範囲より低くなる場合がある。
【0049】
そこで、本実施形態では、不図示の制御部は、温度センサ14の検出結果に基づいて、ヒータ42、冷却ファン36、及び駆動モータ103の駆動を制御している。温度センサ14によってインクの温度が所定の温度範囲より低いと検出された場合、制御部は、ヒータ42を駆動すると共に、駆動モータ103を駆動して断熱カバー102を図5(a)に示す位置(非放熱状態)まで移動させる。
【0050】
このように、断熱カバー102がヒートシンク35及び冷却ファン36を外気から遮断するように覆うことで、ヒートシンク35からインクの熱が放熱されても、放熱された熱を断熱カバー102内に閉じ込めておくことができる。換言すれば、ヒートシンク35から放熱された熱が外気と積極的に熱交換を行うことがない。よって、ヒータ42によるインクの加熱効率を高めることができる。そして、インクの温度が所定温度範囲になるまでヒータ42で加熱されると、ヒータ42の駆動が停止される。
【0051】
一方、温度センサ14によってインクの温度が所定の温度範囲より高いと検出された場合、制御部は、冷却ファン36を駆動すると共に、駆動モータ103を駆動して断熱カバー102を図5(b)に示す位置(放熱状態)まで移動させる。この時、本実施形態では、図5(b)に示すように、断熱カバー102は、下方を回動中心として開閉するように構成している。この構成は、温められた熱が上方に留まる性質を持っていることから、上方をより大きく開放することにより、放熱効率を高めるのに適しているからである。
【0052】
このように、断熱カバー102をヒートシンク35及び冷却ファン36から開放し、ヒートシンク35及び冷却ファン36を外気に対して通気(露出)させることで、ヒートシンク35から放熱された熱が断熱カバー102内に閉じ込められることなく、外気に排熱される。換言すれば、ヒートシンク35から放熱された熱が外気と積極的に熱交換を行うことができる。
【0053】
よって、ヒートシンク35及び冷却ファン36によるインクの放熱効率を高めることができ、インクを効率よく冷却することができる。そして、インクの温度が所定温度範囲になるまでヒートシンク35及び冷却ファン36で冷却されると、冷却ファン36の駆動が停止される。
【0054】
尚、インクの温度が所定温度範囲内にある場合、換言すれば、ヒータ42が駆動されていない、且つ冷却ファン36が駆動されていない場合、断熱カバー102は、図5(a)に示す状態と図5(b)に示す状態とのどちらの状態であってもよい。そのため、断熱カバー102の開閉駆動させる駆動モータ103は、冷却ファン36のON/OFFと連動して動作するように制御することもできるし、ヒータ42のON/OFFと連動して動作するように制御することもできる。
【0055】
すなわち、冷却ファン36のON/OFFに基づいて駆動モータ103を制御する場合は、冷却ファン36がON(駆動状態)の時、断熱カバー102を図5(b)に示すように放熱状態とし、冷却ファン36がOFF(非駆動状態)の時、断熱カバー102を図5(a)に示すように非放熱状態とする。ヒータ42のON/OFFに基づいて駆動モータ103を制御する場合は、ヒータ42がON(駆動状態)の時、断熱カバー102を図5(a)に示すように非放熱状態とし、ヒータ42がOFF(非駆動状態)の時、断熱カバー102を図5(b)に示すように非放熱状態とする。
【0056】
このように、駆動モータ103は、少なくともインクを加熱する時は、断熱カバー102を図5(a)に示す位置とし、インクを冷却する時は、断熱カバー102を図5(b)に示す位置とするように、制御されている。
【0057】
以上説明した本実施形態による温度調整機構100は、加熱手段によってインクを加熱している時は、断熱カバー102が閉じられ、ヒートシンク35を外気から遮断するように覆っているため、ヒートシンク35から放熱された熱を断熱カバー102内に閉じ込めておくことができる。一方、冷却手段によってインクを冷却している時は、断熱カバー102が開放され、ヒートシンク35を外気に露出しているため、ヒートシンク35から放熱された熱が外気に排熱させることができる。これによって、効率よくインクの温度調整を行うことができる。
【0058】
次に、第1の実施形態の第1の変形例について説明する。
図6(a)は、第2の変形例に係るブラインドとなる羽根板が閉じた非放熱状態の温度調整機構の断面構成を示す図であり、図6(b)は、羽根板が開いた放熱状態の温度調整機構の断面構成を示す図である。本変形例は、断熱カバー102がブラインド構造に変わったのみであり、他の構成は、前述した第1の実施形態と同等である。
【0059】
前述した第1の実施形態では、箱状の断熱カバー102でヒートシンク35及び冷却ファン36を覆い、回動により開閉する構成であったが、本第1の変形例では、断熱カバー102に変わってブラインド構造を採用する。
【0060】
本変形例は、ブラインドとなる連なる複数の羽根板111でヒートシンク35、及び冷却ファン36を覆うように構成される。各羽根板111は、ワイヤ又は細いバー部材112に接続され、例えば電気磁石等で駆動するアクチュエータ113からなる羽根板調整装置に連結されている。アクチュエータ113によるワイヤ又は細いバー部材112の押し引きにより、各羽根板111が支持部114を中心として少なくとも90度を回動し、任意の角度に傾斜する。ワイヤ又は細いバー部材112の先端部分は、バネ等の弾性部材114により牽引されるように、付勢されている。
【0061】
図6(a)に示すように、インク温度が所定の温度範囲より低い場合には、羽根板111が閉じると共に、ヒータ42を駆動して加熱を実施する。インク温度が所定の温度範囲より高い場合には、図6(b)に示すように、アクチュエータ113を駆動して、ワイヤ又は細いバー部材112を引き、羽根板111を開けると共に、冷却ファン36を駆動して、冷却を実施する。
【0062】
また、アクチュエータ113により羽根板111の傾斜の角度が調整できるため、密閉時に垂直(0度)であったとすると、対向配置された冷却ファン36による最大の冷却時には、水平方向(90度)まで回動させる。また傾斜角度により冷却ファン36による風量を調整できるため、冷却に対する調整が可能である。また、羽根板111の傾斜により冷却風の風量が調整できるため、固定回転数の安価な冷却ファンを採用しても、風量調整が可能となる。
【0063】
以上のように、本変形例によれば、前述した第1の実施形態と同等の作用効果を奏することができる。さらに、冷却時に羽根板111が開くのに必要なスペースが断熱カバー102よりも小さくなるため、冷却ファン36の前方にスペースが少ない場合に好適する。
【0064】
次に、第1の実施形態の第2の変形例について説明する。
図7(a)は、第2の変形例に係るシャッタが閉じた非放熱状態の温度調整機構の断面構成を示す図であり、図7(b)、シャッタが開いた放熱状態の温度調整機構の断面構成を表す図である。本変形例は、断熱カバー102がシャッタ構造に変わったのみであり、他の構成は、前述した第1の実施形態と同等である。
前述した第1の実施形態では、箱状の断熱カバー102でヒートシンク35及び冷却ファン36を覆い、回動により開閉する構成であったが、本第2の変形例では、断熱カバー102に変わってシャッタ構造を採用する。
【0065】
本変形例は、シャッタのスラット121でヒートシンク35及び冷却ファン36を覆うように構成される。
ヒートシンク35及び冷却ファン36の正面から上面部まで、シャッタガイド(ガイドレール)122が設けられる。スラット121は、一端が図示しないシャッタモータに連結されたシャフト123に接続されている。
【0066】
本変形例において、ヒートシンク35を外気に開放(放熱状態)する場合には、シャッタモータに駆動されたシャフト123は、スラット121を巻き取り、下部に設けられた収納ケース124内に収納する。また、ヒートシンク35を外気に対して略密閉(非放熱状態)にする場合には、シャッタモータを反転駆動させて、スラット121を収納ケースより巻き出し、先端部分をシャッタガイド122の上端に当接させる。
【0067】
本変形例において、図7(a)に示すように、インク温度が所定の温度範囲より低い場合には、スラット121を閉じると共に、ヒータ42を駆動し、インクの加熱を実施する。インク温度が所定の温度範囲より高い場合には、図7(b)に示すように、スラット121を巻き取り、ヒートシンク35を外気に露呈すると共に、冷却ファン36を駆動して、冷却を実施する。
【0068】
以上のように、本変形例にすれば、前述した第1の実施形態と同等の作用効果を奏することができる。さらに、小さいスペースでヒートシンク35を外気に対して開放、又は略密閉にすることができる。
【0069】
次に、第2の実施形態について説明する。
図8(a)は、第2の実施形態に係る断熱カバーが閉じた状態の温度調整機構を上から見た構成を示す図であり、図8(b)は、温度調整機構を流路部側の斜め上から見た外観構成を示す斜視図であり、図8(c)は、断熱カバーが閉じた非放熱状態の温度調整機構の断面構成を示す図であり、図8(d)は、放熱状態の温度調整機構の断面構成を表す図である。
【0070】
本実施形態の温度調整機構100は、図8(c)に示すように、断熱カバー131の下方に窓132を設け、上面に窓133を設けた構成である。下方の窓132の前方には、図示しない制御部に駆動制御される冷却ファン36を配置する。これらの窓132,133の開閉により外気に対して密閉(非放熱)状態と開通(放熱)状態を作り出している。
【0071】
図8(d)に示す冷却時には、冷却ファン36を駆動させて、窓132と窓133を開放させる。これらの窓132と窓133は、閉じられる方向に図示しない弾性部材により付勢され、インクの温度が所定範囲内にある通常状態又はインク加温時には、これらの窓は閉じられて密閉状態となる。しかし、この付勢力は、冷却ファン36が駆動すると、その風力によって、窓132と窓133が押し開けられて、ファン駆動中は、その開状態を維持させる程度とする。そのため、窓の開閉には、駆動モータ103等の個別の動力源を必要とせず、バネを用いるだけの簡易な構成となる。
【0072】
本実施形態では、気流の入出口となる窓132と窓133は、対角線上に位置するように配置され、ファンの風が流路部101全体を通過するように、できる限り離れるように配置している。また、ヒートシンク35のフィンにおける空気の流れをスムーズに流れるように、例えば、図8(a),(b)に示すように、冷却ファン36を配置する際に、インク流路38に平行な方向にフィン35を配置することが好ましい。
【0073】
以上説明したように、本実施形態によれば、前述した第1の実施形態と同等の効果を得ることができる。さらに、窓の開閉を冷却ファンの風力によって行うため、窓を開閉するために別途駆動源(モータ)を必要としないため、簡易な構成でコストを安価にすることができる。
【0074】
次に第3の実施形態について説明する。
図9(a)は、第3の実施形態に係る断熱カバーが閉じた非放熱状態の温度調整機構の断面構成を示す図であり、図9(b)は、放熱状態の温度調整機構の断面構成を表す図である。
【0075】
本実施形態は、断熱カバー141の下方に窓142と、上方に窓143を設けて、各窓142,143の前方に冷却ファン36a,36bを配置した構成である。これらの窓142,143は、前述した第2の実施形態と同様に、図示しない弾性部材により、通常時(冷却ファン停止時)は密閉(非放熱)状態であり、冷却ファン36a,36bの風力によりそれぞれに開(放熱)状態となる。
【0076】
この構成において、冷却ファン36aの風力(送風)により窓142は、断熱カバー141の内側に押し開かれる。一方、冷却ファン36bの風力(吸引)により窓143は、断熱カバー141の外側に引かれて開かれる。この構成において、冷却ファン36bの風力は、背圧となる。これらの冷却ファン36a,36bによって、窓142,143が開閉されて、フィン35bに対して密閉(非放熱)状態と開(放熱)状態を作り出している。
【0077】
以上説明したように、本実施形態によれば、前述した第1の実施形態と同等の効果を得ることができる。また、窓の開閉を冷却ファンの風力によって行うため、窓を開閉するために別途駆動源(モータ)を必要としないため、簡易な構成でコストを安価にすることができる。さらに、2つの冷却ファン36a,36bが、流路部101に対して、外部から空気を取り込み、且つ流路部101内に取り込まれた空気を外部に吸引するため、空気の通り道を作り、空気の循環をより円滑に行うことができる。
【0078】
次に第4の実施形態について説明する。
図10(a)は、第4の実施形態に係る断熱カバーが閉じた非放熱状態の温度調整機構の断面構成を示す図であり、図10(b)は、放熱状態の温度調整機構の断面構成を表す図である。
断熱カバー151の上方には、弾性部材に付勢された窓154が設けられている。また断熱カバー151の下方には、常温時には屈曲形状となる形状記憶合金により形成される窓153が設けられ、その窓153の斜め下方には、冷却ファン36が配置されている。この冷却ファン36は、開いた窓153の斜め下から外気を送風する。
【0079】
窓154は、前述した第2の実施形態の窓132と同様に、冷却ファン36の風力によって開閉する。また、窓153とヒータ42の間は、流路部101を通り抜ける又は回り込むように配置される、熱伝導性の高い介在部材152により接続され、ヒータ42の熱を窓153に熱伝導する。
【0080】
形状記憶合金からなる窓153は、ヒータ42の熱により変形する。本実施形態では、図10(a)に示すように、窓153は、ヒータ42がオンしている加熱時には、延伸状態となり、窓を閉じている。この時、冷却ファン36は停止しており、窓154も閉じているため、断熱カバー151は、略密閉状態となり、放熱を防ぐ形状となる。
【0081】
また、図10(b)に示すように、冷却時、即ち、ヒータ42がオフの場合には、窓153は、外側に向かって屈曲するように取り付けられており、外気に対して開放状態となる。冷却ファン36は、開放された窓153から外気を送風する。
【0082】
前述した第1の実施形態と同等の効果を得ることができる。また、窓の開閉を冷却ファンの風力によって行うため、窓を開閉するために別途駆動源(モータ)を必要としないため、簡易な構成でコストを安価にすることができる。
【0083】
以上説明したように、本実施形態によれば、前述した第1の実施形態と同等の効果を得ることができる。また、窓の開閉をヒータのON/OFFによって行うため、窓を開閉するために別途駆動源(モータ)を必要としないため、簡易な構成でコストを安価にすることができる。
【0084】
前述した第1の実施形態及びその変形例と、第2乃至第4の実施形態においては、4色のインクが流れる1つの流路部101に設けられた1つのヒートシンク35、及び1つのヒータ42を設けた構成を一例として説明している。しかし、これらに限定されるものではなく、インクの色毎に個別にヒートシンク35及びヒータ42を分離して設けてもよい。また、第1の実施形態及びその変形例と、第2乃至第4の実施形態においては、加熱手段としてヒータを設けたが、これに限定されるものではなく、加熱手段として記録ヘッド部11のインクヘッドをノズルからインクが吐出しない程度に微振動させることによってインクを加熱してもよい。
【符号の説明】
【0085】
1…インクジェットプリンタ、2…インク循環部、3…インク排出経路部、4…インク帰還経路部、5…インク補充部、11…記録ヘッド部、12…第1のタンク、13…供給チューブ、14…温度センサ、17…第2のタンク、18…排出チューブ、19,23…大気開放弁(電磁弁)、20…帰還チューブ、22…ポンプ、24…メインタンク、25…電磁バルブ、26…補充チューブ、33,33K,33C,33M,33Y…インク流入部材、34,34K,34C,34M,34Y…インク流出部材、35…ヒートシンク、35a…基材、35b…フィン、36…冷却ファン、38,38K、38C、38M、38Y…インク流路、39…壁、42…ヒータ、100…温度調整機構、101…流路部、102…断熱カバー、103…駆動モータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクヘッドにインクを循環させるインク循環経路を有するインクジェットプリンタであって、
前記インク循環経路を流れる前記インクの温度を検出する温度検出手段と、
前記温度検出手段の検出結果に基づいて、前記インク循環経路を流れる前記インクを加熱する加熱手段と、
前記インク循環経路を流れる前記インクの熱を放熱し、前記インクを冷却する放熱部材と、
前記インクを加熱する際は、前記放熱部材を外気から遮断した密閉状態にし、前記インクを冷却する際は、前記放熱部材を外気と通気した開放状態にする断熱カバーと、を有することを特徴とするインクジェットプリンタ。
【請求項2】
前記温度検出手段の検出結果に基づいて駆動する冷却ファンをさらに有し、
前記断熱カバーは、開閉可能な窓を有し、前記窓は、前記冷却ファンが前記窓に向けて吹き付けるエアーよって開放し、前記放熱部材が外気と通気することを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項3】
前記温度検出手段の検出結果に基づいて駆動する冷却ファンをさらに有し、
前記断熱カバーは、開閉可能な第1の窓、及び第2の窓を有し、前記第1の窓は、前記冷却ファンが前記第1の窓に向けて吹き付けるエアーよって開放し、前記第2の窓は、前記第1の窓から前記断熱カバー内に取り込んだエアーによって開放することを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項4】
前記温度検出手段の検出結果に基づいて駆動する第1の冷却ファン、及び第2の冷却ファンをさらに有し、
前記断熱カバーは、前記第1の冷却ファンと対向する位置に設けられた開閉可能な第1の窓と、前記第2の冷却ファンと対向する位置に設けられた開閉可能な第2の窓と、を有し、
前記第1の窓、及び前記第2の窓は、前記第1の冷却ファン、及び前記第2の冷却が駆動することによって開放されることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項5】
インクヘッドにインクを循環させるインク循環経路を有するインクジェットプリンタであって、
前記インク循環経路を流れる前記インクの温度を検出する温度検出手段と、
前記温度検出手段の検出結果に基づいて駆動し、前記インク循環経路を流れる前記インクを加熱する加熱手段と、
前記インク循環経路を流れる前記インクの熱を放熱し、前記インクを冷却する放熱部材と、前記温度検出手段の検出結果に基づいて駆動し、前記放熱部材に向けてエアーを吹き付ける冷却ファンと、によって構成された冷却手段と、
前記加熱手段の駆動時、少なくとも前記放熱部材を外気から遮断した密閉状態にし、前記冷却ファンの駆動時、少なくとも前記放熱部材を外気と通気した開放状態にする断熱手段と、を有することを特徴とするインクジェットプリンタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−245737(P2011−245737A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−120856(P2010−120856)
【出願日】平成22年5月26日(2010.5.26)
【出願人】(000250502)理想科学工業株式会社 (1,191)
【出願人】(511050985)オルテック株式会社 (24)
【Fターム(参考)】