説明

インクジェットヘッド、インクジェット記録装置およびインクジェットヘッドの製造方法

【課題】インクジェットヘッドの製造時や使用時においてインクが配線基板の内部に流入するのを防止する。
【解決手段】インクジェットヘッドは、インクを吐出するノズル11aと、ノズル11aからインクを吐出するための駆動源となるアクチュエータ15とを、有するノズル基板10と、アクチュエータ15に対して給電するための配線を有する配線基板20と、を備える。配線基板20は、貫通孔21aを有する基板本体21と、基板本体21の下面に形成された下部配線25と、基板本体21の上面から貫通孔21aの内壁に沿って形成され、下部配線25と導通された上部配線23と、を有している。上部配線23,下部配線25には、貫通孔21aに連通する開口部23a,25aが形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はインクジェットヘッド、インクジェット記録装置およびインクジェットヘッドの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の高密度インクジェットヘッドでは、インクを貯留するインク室とヘッド基板との間に、アクチュエータに給電するための配線基板が設けられている。
配線基板の構成を簡単に説明すると、図8(a)に示すとおり、配線基板200はSi製の基板本体202を有している。基板本体202の端部にはインク流路204が形成されている。基板本体202の上部には絶縁膜206を介して上部配線208が形成され、基板本体202の下部には絶縁膜210を介して下部配線212が形成されている。下部配線212にははんだバンプ214が形成され、ヘッド基板との間で電気的に接続される。
このような構成を具備する基板本体202では、基板本体202を貫通する貫通孔220が形成され、貫通孔220を通じて上部配線208と下部配線212とが導通されている。絶縁膜206や上部配線208の上部には樹脂製のパシベーション230が形成され、パシベーション230上にインク室が設置される。
【0003】
従来の配線基板では、その製造自体を容易とするため、貫通孔の内部が導電材料などで充填されることがあり、そのような例が特許文献1や特許文献2に開示されている。具体的に、特許文献1の配線基板では、基板に対し配線と電極とを接続するための貫通孔が形成され当該貫通孔が導電性ペースト(87)で充填されている(段落0040〜0042,図7など参照)。特許文献2の配線基板(電気配線構造)では、基板に対し電極同士を接続するための貫通孔が形成され当該貫通孔もまた導電性ペースト(104)で充填されている(段落0071,図5など参照)。ただ、貫通孔の内部を導電性材料で充填すると、配線基板の製造に時間がかかり、さらには導電性材料を多く使用し製造コストが増大する。
そこで、近年では、図8(a)に示すとおり、貫通孔220の内壁面に金属をめっきして上部配線208を形成しており、これにより製造時間の短縮と製造コストの低減を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−220523号公報
【特許文献2】特開2008−34719号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、この場合に、貫通孔220の上方がパシベーション230で覆われ貫通孔220の内部が空洞のまま封止されてしまうため、インクジェットヘッドの製造時(特に配線基板の製造時)や、製造後におけるインクジェットヘッドの使用時において、貫通孔220やその近傍に熱が加わると、貫通孔220の内部で空気の膨張,収縮が繰り返される。その結果、図8(b)に示すとおり、貫通孔220の上方のパシベーション230が破れるという事態が発生し、インク室に貯留されたインクが貫通孔220の内部に流入してしまう。
【0006】
したがって、本発明の主な目的は、インクジェットヘッドの製造時や使用時においてインクの配線基板の内部への流入を防止することができるインクジェットヘッド、インクジェット記録装置およびインクジェットヘッドの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため本発明の一態様によれば、
インクを吐出するノズルと、前記ノズルからインクを吐出するための駆動源となるアクチュエータとを、有するノズル基板と、
前記アクチュエータに対して給電するための配線を有する配線基板と、
を備えるインクジェットヘッドにおいて、
前記配線基板が、
貫通孔を有する基板本体と、
前記基板本体の一方の面に形成された第1の配線と、
前記基板本体の他方の面から前記貫通孔の内壁に沿って形成され、前記第1の配線と導通された第2の配線と、
前記貫通孔の開口端を被覆するパシベーションと、
を有し、
前記第1配線と第2の配線とには、前記貫通孔に連通する開口部が形成されていることを特徴とするインクジェットヘッドが提供される。
【0008】
本発明の他の態様によれば、
被記録材を支持するためのステージと、
請求項1または2に記載の前記インクジェットヘッドと、
前記ステージまたは前記インクジェットを移動させるための移動機構と、
を備えることを特徴とするインクジェット記録装置が提供される。
【0009】
本発明の他の態様によれば、
インクを吐出するノズルと、前記ノズルからインクを吐出するための駆動源となるアクチュエータとを、有するノズル基板と、
前記アクチュエータに対して給電するための配線を有する配線基板と、
を備えるインクジェットヘッドの製造方法において、
前記配線基板の基板本体の一方の面に対し第1の配線を形成する工程と、
前記基板本体に対し貫通孔を形成する工程と、
前記基板本体の他方の面から前記貫通孔の内壁に沿って第2の配線を形成し、前記第1の配線と前記第2の配線とを導通させる工程と、
前記第1の配線と前記第2の配線とに対し前記貫通孔に連通する開口部を形成する工程と、
前記貫通孔の開口端をパシベーションで被覆する工程と、
を備えることを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、第1の配線および第2の配線には貫通孔に連通する開口部がそれぞれ形成されている(または形成される)から、インクジェットヘッドの製造時や使用時において、貫通孔やその近傍に熱が加わっても、貫通孔の内部の空気は当該開口部を通じて外部に開放され、パシベーションの破裂によりインクが配線基板の内部(貫通孔の内部)に流入するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】インクジェットヘッドの概略構成を示す断面図である。
【図2】図1の一部を拡大分解した断面図である。
【図3】(a)図1のA−A線に沿う平面図であり、(b)特定部位の拡大図である。
【図4】インクジェットヘッドの製造方法を概略的に説明するための図面である。
【図5】インクジェットヘッドの製造方法を概略的に説明するための図面である。
【図6】インクジェットヘッドの製造方法を概略的に説明するための図面である。
【図7】インクジェット記録装置の概略構成を示す斜視図である。
【図8】従来の配線基板の構造を概略的に説明するための図面である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態について説明する。
【0013】
図1,図2に示すとおり、インクジェットヘッド1は、ヘッド基板10と配線基板20とが、接着樹脂層30によって積層一体化されている。配線基板20の上面には箱型形状のマニホールド40が設けられ、配線基板20との間で、内部にインクが貯留される共通インク室41を形成している。
【0014】
ヘッド基板10は、図1中下層側から、Si(シリコン)基板によって形成されたノズルプレート11、ガラス基板によって形成された中間プレート12、Si(シリコン)基板によって形成された圧力室プレート13、SiO薄膜によって形成された振動板14を有している。ノズルプレート11には下面にノズル11aが開口している。
【0015】
圧力室プレート13には、吐出のためのインクを収容する圧力室13aが形成されており、その上壁が振動板14によって構成され、下壁が中間プレート12によって構成されている。中間プレート12には、圧力室13aの内部とノズル11aとを連通する連通路12aが貫通形成されている。
【0016】
アクチュエータ15は、薄膜PZTからなるアクチュエータ本体15aが上部電極15bと下部電極15cとで挟まれてなる。下部電極15cは振動板14の表面に形成されており、この下部電極15c上に、圧力室13aに1対1に対応するように個別にアクチュエータ本体15aとその上面の上部電極15bとが積層されていると共に、上部電極15b上に金スタッドバンプ16(融点1063℃)が配線基板20に向けて突出形成されている。
【0017】
配線基板20は、Si基板からなる基板本体21の上面に、SiOからなる絶縁膜22を介して上部配線23が形成されている。この上部配線23には、配線基板20の端部において、駆動IC27が実装されたFPC28(フレキシブルプリント回路基板)がACF(異方性導電フィルム)によって電気的に接続されている。
【0018】
上部配線23の一部は、絶縁膜22aを介して、基板本体21に形成された貫通孔21aの内壁に沿っている。基板本体21の下面にはSiOからなる絶縁膜24が形成されており、絶縁膜24の下面に下部配線25が形成されている。貫通孔21aの内壁に沿う上部配線23の一部が下部配線25と接続されており、上部配線23と下部配線25とは導通した状態となっている。下部配線25は第1の配線の一例であり、上部配線23は第2の配線の一例である。下部配線25はアクチュエータ15に向けて露出しており、その露出した下部配線25に、はんだバンプ26がヘッド基板10に向けて突出形成されている。はんだバンプ26は、ここではSn−Bi系共晶はんだ(融点139℃)によって形成されている。
【0019】
絶縁膜22および上部配線23の上部には樹脂製のパシベーション50が形成されており、基板本体21の貫通孔21aの上方(開口端)がパシベーション50で被覆されている。他方、貫通孔21aの内部に形成された上部配線23と下部配線25とには開口部23a,25aがそれぞれ形成されており、貫通孔21aの下方は開口部23a,25aを通じて大気開放されている。
【0020】
これらヘッド基板10と配線基板20とは、各々別々に作製された後、ヘッド基板10のアクチュエータ15側の面と配線基板20の下部配線25側の面とを対面させ、接着樹脂層30を介して積層一体化される。
【0021】
接着樹脂層30は、熱硬化性の感光性接着樹脂シート(ここでは硬化温度200℃とする。)であり、ヘッド基板10と配線基板20との間に該接着樹脂層30の厚み分の間隔を設けるべく、配線基板20の絶縁膜24の表面(下面)に対して予め貼着される。そして、この接着樹脂層30付きの配線基板20を、接着樹脂層30の貼着面がヘッド基板10側に向くようにして、ヘッド基板10の振動板14表面に形成されている下部電極15cの上面に対して積層した後、所定の硬化温度に加熱され及び圧着されることによって、ヘッド基板10と配線基板20とが接着樹脂層30を介して接着される。接着樹脂層30は、配線基板20への貼着後でヘッド基板10との積層前に、アクチュエータ15及びその周囲に相当する領域が露光、現像によって除去される。これにより、ヘッド基板10と配線基板20との間に、アクチュエータ15(アクチュエータ本体15aと上部電極15b)の収容空間31が形成される。
【0022】
接着樹脂層30には、予め上下に貫通する貫通孔32が同じく露光、現像によって形成されており、その一端(上端)は、配線基板20に形成されているインク供給路29と連通し、他端(下端)は、ヘッド基板10の振動板14に形成された開口14aを通して圧力室13aの内部と連通している。インク供給路29は配線基板20の上面に開口しており、その開口部29aから共通インク室41内のインクを流入させて圧力室13a内に供給可能としている。
【0023】
圧力室13a内に供給されたインクは、配線基板20の下部配線25を介して駆動IC27から与えられる駆動信号によってアクチュエータ15が変形し、振動板14が振動することで、吐出のための圧力が付与され、連通路12aを通ってノズル11aから微小液滴として吐出される。
【0024】
なお、図3に示すとおり、樹脂接着層30が貼着された配線基板20を平面視すると、樹脂接着層30の貫通孔32と、下部配線25の開口部25a(上部配線23の開口部23a)と、下部配線25に形成されたはんだバンプ26とは、直線状に配置されている。
【0025】
続いて、図4〜図6を参照しながら、配線基板20を中心としたインクジェットヘッド1の製造方法について説明する。
【0026】
図4(a),(b)に示すとおり、Si基板からなる基板本体21を準備し、その上面と下面とに対しSiOを蒸着して絶縁膜22,24をそれぞれ形成する。その後、図4(c)に示すとおり、絶縁膜24の下面に対し所定金属をスパッタリングし、公知のフォトリソグラフィ技術を用いた一連の操作(レジスト形成,露光,現像,金属層のエッチング,不要なレジストの剥離)をおこない、所定パターンの下部配線25を形成する。
その後再度、図4(d)に示すとおり、公知のフォトリソグラフィ技術を用いた一連の操作(レジスト形成,露光,現像,基板本体21のエッチング,不要なレジストの剥離)をおこない、貫通孔21aおよびインク供給路29を形成する。
【0027】
その後、図5(a)に示すとおり、貫通孔21aおよびインク供給路29に対しSiOを蒸着して絶縁膜22aを形成し、図5(b)に示すとおり、貫通孔21aの底部であって下部配線25上に形成された絶縁膜22aに対し公知のフォトリソグラフィ技術を用いた一連の操作(レジスト形成,露光,現像,絶縁膜22aのエッチング,不要なレジストの剥離)をおこない、貫通孔21aの底部で下部配線25を露出させる。
その後、図5(c)に示すとおり、絶縁膜22に対し公知のフォトリソグラフィ技術を用いた一連の操作(レジスト形成,露光,現像,金属めっき,不要なレジストの剥離)をおこない、絶縁膜22および貫通孔21aの内壁(詳しくは絶縁膜22aの内壁)に上部配線23を形成し、上部配線23と下部配線25とを導通させる。
この場合に、上部配線23の各部位のうち、貫通孔21aの内壁に形成される部位の上部配線23を構成する金属めっきの厚さTを、貫通孔21aの半径R(詳しくは貫通孔21aの絶縁膜22aの内径の1/2)より小さくする。これにより、貫通孔21aの内部に空洞が形成され、貫通孔21aが導電性材料で充填されることによる製造時間や製造コストの問題を回避することができる。
その後、図5(d)に示すとおり、貫通孔21aの底部の上部配線23や下部配線25に対し公知のフォトリソグラフィ技術を用いた一連の操作(レジスト形成,露光,現像,貫通孔21aの底部の上部配線23や下部配線25のエッチング,不要なレジストの剥離)をおこない、上部配線23には開口部23aを、下部配線25には開口部25aをそれぞれ形成する。
【0028】
その後、図6(a)に示すとおり、下部配線25に対しはんだをスクリーン印刷してこれをリフローし、はんだバンプ26を形成する。その後、図6(b)に示すとおり、すでに形成された絶縁膜22および上部配線23上にドライフィルムをラミネートして樹脂製のパシベーション50を形成し、パシベーション50を露光・現像して開口部29aを形成する。その結果、配線基板20の製造が完了する。
【0029】
その後、図6(c)に示すとおり、配線基板20の絶縁膜24の下面に対し熱硬化性の感光性接着樹脂シートをラミネートし、そのシート中でヘッド基板10のアクチュエータ15及びその周囲(収容空間31)に相当する領域と貫通孔32に相当する領域とを、露光,現像によって除去し、接着樹脂層30を形成する。
その後、図6(d)に示すとおり、接着樹脂層30付きの配線基板20を、接着樹脂層30の貼着面がヘッド基板10側に向くようにして、ヘッド基板10の振動板14表面に形成されている下部電極15cの上面に対して積層し、所定の硬化温度で加熱・圧着し、ヘッド基板10と配線基板20とを接着する。
その後、パシベーション50上にマニホールド40を積層してインクジェットヘッド1の製造が完了する。
【0030】
続いて、図7を参照しながら、かかるインクジェットヘッド1を搭載したインクジェット記録装置の一例について説明する。
【0031】
インクジェット記録装置100は、装置基台101上に、インクジェット記録を行うためのインクジェットヘッド1、上面に被記録材Wを載置して支持するためのステージ102、ステージ102をθ方向に回転移動させるためのθ回転機構103、ステージ102及びθ回転機構103を共にY方向に沿って直線移動させるY移動機構104、ステージ102及びθ回転機構103を共にX方向に沿って直線移動させるX移動機構105をそれぞれ備えている。X方向とY方向とは水平面上で互いに直交する方向である。
【0032】
インクジェットヘッド1は、装置基台101上の端部近傍においてX方向に沿って平行に架設されたガントリ106に、スライダ107及びθ回転機構108を介して、そのノズル面が下面となるように取り付けられ、その下方に配置されるステージ102上の被記録材Wの表面と平行に対向するように配置されている。インクジェットヘッド1は、スライダ107がガントリ106に沿ってスライド移動することによりX方向に沿って往復移動し、また、θ回転機構108によって、X、Y方向と直交する法線方向であるZ方向に沿う方向を軸としてθ方向に回転移動し、更に、Z移動機構109によってθ回転機構108と共にZ方向に昇降移動することができるようになっている。
【0033】
ステージ102は、X方向に沿って延びるX移動機構105上に、θ回転機構103を介して設けられた平面視矩形状の定盤であり、その上面は被記録材Wを載置するための水平な載置面とされ、該載置面がインクジェットヘッド1のノズル面に対して所定の高さ位置となるように配設されている。このステージ102は、θ回転機構103と共にX移動機構105に沿ってスライド移動することによってX方向に沿って直線移動し、このX移動機構105が、それぞれY方向に沿って延びるY移動機構104に沿ってスライド移動することによって、θ回転機構103と共にY方向に沿って直線移動し、更に、θ回転機構103によって、インクジェットヘッド1のノズル面に対して平行を維持したまま、Z方向に沿う方向を軸としてθ方向に回転移動することができるようになっている。
【0034】
インクジェット記録装置100は、インクジェットヘッド1とステージ102とを相対的に移動させ、そのときの各位置情報に応じて、所定の吐出パターンデータに基づいてインクジェットヘッド1からの液滴の吐出を制御し、ステージ102上の被記録材W表面に着弾させることで、所望の記録を行う。
【0035】
以上の本実施形態によれば、配線基板21の貫通孔21aの内部に形成された上部配線23には開口部23aを、下部配線25の貫通孔21aに対応する部位には開口部25aをそれぞれ形成するから、インクジェットヘッド1の製造時や使用時において、貫通孔21aやその近傍に熱が加わっても、貫通孔21aの内部の空気は開口部23a,25aを通じて収容空間23に開放される。したがって、貫通孔21aを被覆するパシベーション50が破れることはなく、共通インク室41に貯留されたインクが配線基板20の内部(貫通孔21aの内部)に流入するのを防止することができる。
【符号の説明】
【0036】
1:インクジェットヘッド
10:ヘッド基板
11:ノズルプレート
11a:ノズル
12:中間プレート
12a:連通路
13:圧力室プレート
13a:圧力室
14:振動板
14a:開口部
15:アクチュエータ
15a:アクチュエータ本体
15b:上部電極
15c:下部電極
16:金スタッドバンプ(第1のバンプ)
20:配線基板
21:基板本体
21a:貫通孔
22,22a:絶縁膜
23:上部配線
23a:開口部
24:絶縁膜
25:下部配線
25a:開口部
26:はんだバンプ
27:駆動IC
28:FPC
29:インク供給路
29a:開口部
30:接着樹脂層
31:収容空間
40:マニホールド
41:共通インク室
50 パシベーション
100:インクジェット記録装置
101:装置基台
102:ステージ
103:θ回転機構
104:Y移動機構
105:X移動機構
106:ガントリ
107:スライダ
108:θ回転機構
109:Z移動機構
W:被記録材
200:配線基板
202:基板本体
204:インク流路
206:絶縁膜
208:上部配線
210:絶縁膜
212:下部配線
214:はんだバンプ
220:貫通孔
230:パシベーション

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクを吐出するノズルと、前記ノズルからインクを吐出するための駆動源となるアクチュエータとを、有するノズル基板と、
前記アクチュエータに対して給電するための配線を有する配線基板と、
を備えるインクジェットヘッドにおいて、
前記配線基板が、
貫通孔を有する基板本体と、
前記基板本体の一方の面に形成された第1の配線と、
前記基板本体の他方の面から前記貫通孔の内壁に沿って形成され、前記第1の配線と導通された第2の配線と、
前記貫通孔の開口端を被覆するパシベーションと、
を有し、
前記第1および第2の配線には、前記貫通孔に連通する開口部が形成されていることを特徴とするインクジェットヘッド。
【請求項2】
請求項1に記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記第2の配線の前記貫通孔の内壁に形成された部位の厚さが、前記貫通孔の半径より小さいことを特徴とするインクジェットヘッド。
【請求項3】
被記録材を支持するためのステージと、
請求項1または2に記載の前記インクジェットヘッドと、
前記ステージまたは前記インクジェットを移動させるための移動機構と、
を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項4】
インクを吐出するノズルと、前記ノズルからインクを吐出するための駆動源となるアクチュエータとを、有するノズル基板と、
前記アクチュエータに対して給電するための配線を有する配線基板と、
を備えるインクジェットヘッドの製造方法において、
前記配線基板の基板本体の一方の面に対し第1の配線を形成する工程と、
前記基板本体に対し貫通孔を形成する工程と、
前記基板本体の他方の面から前記貫通孔の内壁に沿って第2の配線を形成し、前記第1の配線と前記第2の配線とを導通させる工程と、
前記第1の配線と前記第2の配線とに対し前記貫通孔に連通する開口部を形成する工程と、
前記貫通孔の開口端をパシベーションで被覆する工程と、
を備えることを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−51110(P2012−51110A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−193143(P2010−193143)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(000001270)コニカミノルタホールディングス株式会社 (4,463)
【Fターム(参考)】