インクジェット印刷ヘッド
【課題】ウェブウィーブの影響を回避しつつライン合体を良好とするシングルパス方式インクジェットプリンタにおける印刷ヘッドを提供することにある。
【解決手段】第1の方向に移動する印刷ヘッドは複数の直線アレイモジュールを備える。各直線アレイモジュールは第1の方向と垂直な第2の方向に沿って延び、各直線アレイモジュール上の各オリフィスは第1の方向に沿って延びる印刷ライン140に沿った方向にインクを被印刷物上に吐出するよう配置されている。複数の直線アレイモジュールのオリフィスは、隣接する印刷ライン140上のオリフィスが前記第1の方向に沿って交互に食い違うパターンに配置されている。第1のオリフィスから吐出されるインクの体積は、間隙のない一様な印刷領域を達成するために追加の広がりを必要としない滴はね直径を有するインク滴を被印刷物上に形成する。
【解決手段】第1の方向に移動する印刷ヘッドは複数の直線アレイモジュールを備える。各直線アレイモジュールは第1の方向と垂直な第2の方向に沿って延び、各直線アレイモジュール上の各オリフィスは第1の方向に沿って延びる印刷ライン140に沿った方向にインクを被印刷物上に吐出するよう配置されている。複数の直線アレイモジュールのオリフィスは、隣接する印刷ライン140上のオリフィスが前記第1の方向に沿って交互に食い違うパターンに配置されている。第1のオリフィスから吐出されるインクの体積は、間隙のない一様な印刷領域を達成するために追加の広がりを必要としない滴はね直径を有するインク滴を被印刷物上に形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット印刷ヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
通常のインクジェット印刷では、印刷ヘッドが滴状のインクを、オリフィスから、密接して離れたピクセル位置の行と列から成るグリッド内のピクセル位置へまで搬送する。
オリフィスはよく行と列に配列される。ヘッドの行と列は通常ピクセル位置グリッド中の全部の行や全部の列には及ばないため、ヘッドは、像が印刷される被印刷物(例えば紙)を横切って走査しなければならない。
【0003】
全面を印刷するために、印刷ヘッドはヘッド走査方向に紙を横切って走査され、紙は位置を変えるために長さ方向に移動され、ヘッドは新しい位置で再び走査される。オリフィスが走査中に印刷を施すピクセル位置のラインは、印刷ラインと呼ばれる。
【0004】
低解像度印刷に適した単純な機構の場合、印刷ヘッドの1回の走査中、ヘッドに隣接するオリフィスは、ピクセルグリッドの隣接した行を表わす一縞の印刷ラインに沿って印刷する。複数のラインから成る縞が印刷された後、紙は縞を超えて進められ、次の複数のラインから成る縞が次の走査で印刷される。
【0005】
高解像度印刷は、ピクセルグリッド中の1インチ(約2.54cm)当たりに何百もの行と列を提供する。印刷ヘッドは通常、必要な印刷解像度を満足するよう十分に離された複数のオリフィスから成る1つのラインにより構成することができない。
【0006】
高解像度走査印刷を達成するためには、印刷ヘッドの異なる列におけるオリフィスをオフセット又は傾斜させたり、印刷ヘッド走査を重ね合わせたり、連続する印刷ヘッド走査の間にオリフィスを選択的に作動させたりすることが可能である。
【0007】
ここまで説明したシステムでは、ヘッドは紙に対して2次元に移動する(紙の幅に沿った走査運動と、走査間のその長さに沿った紙の運動)。
インクジェットヘッドは、いわゆるシングルパス走査を許容すべく、印刷領域と同じくらいに広げることが可能である。シングルパス走査では、紙が意図した印刷方向へその長さに沿って移動されている間、ヘッドは固定位置に保持される。紙の長さに沿ったすべての印刷ラインが、1回のパス(用紙搬送)で印刷することができる。
【0008】
シングルパスヘッドは、複数のオリフィスの直線状配列(アレイ)から構成され得る。直線状アレイの各々は、印刷領域の全体幅より短く、アレイは印刷幅全体に及ぶようにオフセットされる。各アレイのオリフィス密度が必要とされる印刷解像度より小さい場合、紙の幅に沿った有効なオリフィス密度を増加させるために、連続するアレイがアレイの長さ方向に少量だけ食い違い状にずらされる。印刷ヘッドを被印刷物の全幅に及ぶように十分に広くすることにより、何度も前後にパスする必要性がなくなる。被印刷物を、印刷ヘッドを越えてシングルパスで、その長さに沿って移動させるだけでよい。シングルパス方式の印刷は複数パス方式の印刷よりも速くて機構が単純である。
【0009】
理論上、被印刷物が幅広い限り、1つの一体型印刷ヘッドは、1行のオリフィスを有し得る。しかしそれは実際には少なくとも2つの理由から可能ではない。
第1の理由は、高解像度印刷(例えば600dpi)の場合、オリフィスの間隔が非常に小さく、少なくとも現在の技術では、1行に構成するのが機械的に不可能であることである。第2の理由は、オリフィスプレートの製造効率が、プレート中のオリフィスの数の増加につれて急速に下落することである。これが生じる理由は、所定のオリフィスに製造中の欠陥が生じたり使用中の欠陥が生じたりする可能性が無視できないほどにあるためである。解像度が600dpiで10インチ(約25.4cm)の被印刷物の幅に及ばなければならない印刷ヘッドの場合、もしオリフィスがすべて1つのオリフィスプレートに存在しなければならないとすれば、その製造効率はきわめて低くなるだろう。
(概要)
一般に、1態様において、本発明は所定の解像度で印刷被印刷物の目標幅をカバーするのに十分なインクジェット出口のアレイを有する、シングルパス方式インクジェット印刷ヘッドをその特徴とする。複数のオリフィスプレートの各々が、複数のオリフィスを有する。オリフィスプレートの各々は、印刷領域の全体ではなく一部に働きかける。アレイ中の前記オリフィスは、印刷媒体上の隣接する平行ラインが、印刷ライン方向に対して垂直方向に隣接するオリフィス間の距離より少なくとも1桁は大きい距離によって隔てられた、アレイ中の印刷ラインの方向に沿った異なる位置をとるオリフィスによって取り扱われるようなパターンに配置される。
【0010】
本発明の実施は、1又は複数の以下の特徴を有し得る。各オリフィスプレートは、被印刷物に沿ってスワス(swath)を印刷する印刷ヘッドモジュールと連結し得る。スワスは、被印刷物の目標幅より狭い。各オリフィスプレート中のオリフィスの数は、250〜4000の範囲内、好ましくは1000と2000の間、最も好ましくは約1500である。目標幅全体をカバーするために、スワスアレイは5つ以下(例えば3つ)であり得る。
【0011】
他の利点及び特徴は、以下の説明と特許請求の範囲から明らかになるだろう。
(説明)
シングルパス方式インクジェット印刷ヘッドによって生成される印刷の質は、隣接した印刷ラインを印刷するために使用されるオリフィスのパターンの選択により向上することが可能である。パターンの適切な選択は、ウェブウィーブの影響と、ライン合体不良により起こる印刷間隙の可能性との間に、良好なトレードオフを提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ウェブウィーブの影響を回避しつつライン合体を良好とするシングルパス方式インクジェットプリンタにおける印刷ヘッドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、被印刷物に対する印刷ヘッドの1回のパスで印刷が完了される、第1の方向に移動する被印刷物上に印刷を行うための、インクジェット印刷ヘッドであって、
該印刷ヘッドは複数の直線アレイモジュールを備え、
各直線アレイモジュールは前記第1の方向と垂直な第2の方向に沿って延び、各直線アレイモジュールは印刷領域の全体ではなく一部に働き、各直線アレイモジュール上の各オリフィスは前記第1の方向に沿って延びる印刷ラインに沿った方向にインクを被印刷物上に吐出するよう配置されており、
前記複数の直線アレイモジュールのオリフィスは、第1の印刷ラインで作用する第1の直線アレイモジュールの第1のオリフィスと、前記第1の印刷ラインに隣接する第2の印刷ラインで作用する第2の直線アレイモジュールの第2のオリフィスと、第2のオリフィスとは反対側で第1のオリフィスに隣接する前記第3の印刷ラインで作用する第3の直線アレイモジュールの第3のオリフィスとが、前記第1の方向に沿って互いに離れるように、隣接する印刷ライン上のオリフィスが前記第1の方向に沿って交互に食い違うパターンに配置されており、
前記第2の直線アレイモジュールと第3の直線アレイモジュールは、第1の直線アレイモジュールに対していずれも前記第1の方向に沿って上流または下流に存在し、
前記第1のオリフィスから吐出されるインクの体積は、間隙のない一様な印刷領域を達成するために追加の広がりを必要としない滴はね直径を有するインク滴を被印刷物上に形成する、
印刷ヘッドを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】ウェブウィーブを示す略図。
【図2】ウェブウィーブを示す略図。
【図3】ウェブウィーブを示す略図。
【図4】ラインの合体を示す略図。
【図5】ラインの合体を示す略図。
【図6】ウェブウィーブとラインの合体との相互作用を示す略図。
【図7】距離の関数としてのラインの広がりのグラフ。
【図8】シングルパス方式印刷ヘッド下で移動するページの略図。
【図9】スワスモジュールの略図。
【図10】オリフィスの食い違い配列の略図。
【図11】オリフィスの食い違い配列のグラフ。
【図12】オリフィス位置の表。
【図13】オリフィスの食い違い配列のグラフ。
【図14】スワスモジュールを描いた分解組立斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1及び2に示すように、印刷の間、その長さに沿って移動される紙10は、いわゆる「ウェブウィーブ」を受ける。ウェブウィーブとは、ウェブ(例えば紙)が意図した方向12に沿って完全には軌跡を辿らず、代わりに意図した印刷方向12に対して垂直な方向14へ前後に動く傾向である。ウェブウィーブは、インクジェット印刷の質を低下させる可能性がある。
【0016】
ウェブウィーブはミル/インチで測定することが可能である。0.2ミル/インチのウィーブは、意図した方向へのウェブ1インチの移動ごとに、ウェブが一側又は他側に0.2ミル移動し得ることを意味する。図2,3に示すように、インクジェットオリフィスが紙幅に沿って1つの直線に配列されないが、その代りウェブ運動の意図した方向に沿って別々に間隔を置かれるとき、ウェブウィーブは、意図した隣接距離15と比較して、滴の配置についての隣接誤差17を生じる。例えば、ウェブウィーブが0.2ミル/インチで、ウェブ運動方向の隣接オリフィス間の感覚が1.5インチだとすると、運動の主方向に垂直な方向の0.3ミルの隣接誤差が、結果として生じる隣接印刷ライン間の距離に導入され得る。
【0017】
ウェブウィーブの影響を回避することが唯一の関心事だとすると、良好なパターンでは、隣接する印刷ラインを形成するオリフィス間の、印刷ライン方向に沿った間隔が最小となるだろう。そのような配置では、隣接したラインがほぼ同時に印刷され、ウェブウィーブはほとんど影響を与えないだろう。しかし、印刷ライン方向に沿って離間して配置された12個のモジュールを有するヘッド(図10を参照)の場合、隣接する印刷ラインを印刷するオリフィスがたった1つのモジュールだけしか離れていない(例えば、モジュール1、2、…11、12、1、2…)繰り返しパターンを持つことは良くない。その場合、パターン内の最終オリフィスは、パターンの2回目の繰り返しにおいてやはり第1モジュールにある第1オリフィスから11モジュール離れた12番目のモジュールにある。
【0018】
図2に示すように、ウェブウィーブの影響を回避する目的で2つのモジュールの間隔dを最大にしたパターンは、うまくいくだろう。ウェブの意図した運動に垂直な方向へ連続ピクセルを印刷するモジュールは、モジュール1、3、5、7、9、11、12、10、8、6、4、であり、それから1に戻り得る。しかしながら、以下に説明されるように、ライン合体不良の影響も考慮する場合、このパターンは理想的ではない。他方、図3に示すように、隣接するラインが例えば5つだけ離れたモジュールによってウェブ運動の意図した方向に沿って印刷される場合、ウェブウィーブの影響はより重要となる。
【0019】
図4に示すように、所与領域16のピクセルのすべてが、いくつかの連続的な隣接するライン18の印刷により満たされることになっている場合、インクジェット印刷の質を不良にする別の原因が生じ得る。連続するラインの各々を印刷する際に、一連の滴20は、ライン22を形成するよう急速に合体する。ライン22は、紙面を横切って側方24,26に(印刷ライン方向に垂直な2つの反対方向に)広がる。理想的には、広がる隣接するラインは、最終的に互いに届き、ライン方向に沿った方向とライン方向と垂直な方向の両方に延びる二次元領域(縞)を満たすよう合体(28)する。
【0020】
非吸収性のウェブ材の場合、ライン縁部の広がりは、接触角により制限されていると言われている(断面図で見て、接触角は、インクがウェブ表面に遭遇する縁部での、ウェブ表面とインク表面との間の角度である。)ラインが広がるとともに、接触角はより小さくなる。接触角が下限(例えば10度)に達すると、ラインの広がりは停止する。
【0021】
隣接するラインが合体すると、ライン縁部の接触角は低下する。接触角の減小により粘性の遅延力が大きくなると共に界面張力駆動力が低くなるため、合体した縞の側方への広がり速度は低下する。側方への広がりの低下は、間隙とは反対側で隣りと各々合体した隣接するライン間の、白い間隙30を生じ得る。
【0022】
1又は複数の合体した印刷ラインの側方への広がり速度は、合体したラインの本数の第3の力に逆比例して変化する。この規則によって、2本のライン(あるいは縞)が合体して1本の縞になったとき、合体したストライプの縁部が側方に広がる速度は、構成要素であるライン又は縞が広がる速度よりも8倍遅くなる。しかし、広がりが接触角により制限されるとき、合体の影響により広がりが止まる。従って、印刷が進行するにつれて、種々の対の隣接するライン及び/又は縞が、隣接する縁部の距離と構成部分である元のラインの本数によって表される広がり速度とに従って合体したり合体しなかったりする。隣接するライン及び/又は縞の一部の対に関して、広がり速度は停止するか、これまで充填されてきた間隙を排除するのに十分小さくなる。その結果、インクが固まった後でも望ましくない永続的な印刷されていない間隙30が、充填されずに残る。
【0023】
ライン合体不良の影響を最良に減小させるオリフィス印刷パターンは、ウェブウィーブの否定的な影響を増加させる傾向がある。
図5に示すように、理想的には、ライン合体不良の影響を減らすために、各ライン40,42,44,46は同時に印刷され、合体されずに広がる。一連の平行な間隙41,43,45は満たされずに残る。できるだけ長い時間が経った後、残った間隙はできるだけ狭くなり、残りのラインは、図に示すように滴が紙に当たるときに滴がはねる結果として達成される滴はねの直径を考慮しながら介入する滴流を用いて間隙を橋渡しすることにより、満たされる。その結果、追加の広がりを要することなく、間隙のない一様な印刷領域が達成される。滴はね直径とは、噴出したインク滴が被印刷物に当たった後で滴の噴出に関連する慣性が消えるまでの、数分の1秒の間に生成されるインクスポットの直径を意味する。その期間の間、滴の広がりは、慣性(滴を広げる傾向がある)及び粘性(広がりを阻止する傾向がある)の相対的な影響によって支配される。介入する滴流を置く前にできるだけ時間を経過させることは、ウェブウィーブの影響を減らすのに最良な方向とちょうど反対方向に印刷ライン方向に沿って可能な限り離して離間させたオリフィスによって隣接ラインが配置される、オリフィス印刷パターンを意味するだろう。
【0024】
印刷ライン方向に沿った、隣接ラインを印刷するオリフィス間の有効距離は、ウェブウィーブと、ライン拡散要因とを交互に妥協させるだろう。図6に示すように、しばしオリフィスが隣接オリフィスを有する2つのライン50,52に配置されていると仮定する(この必要条件は後に緩和する)。ライン間の良好な距離54を求めたい。また、ウェブウィーブはウェブをライン印刷方向に一定速度(少なくとも短い距離を考慮する)W(ミル/インチウェブ運動)で左側に移動させると仮定する。また、ライン縁部60は、印刷したラインの中心から低下関数S(d)(ミル/インチ)で表される速度で離れて広がると仮定する。ここでdは、滴が紙上に噴出された箇所からの距離である。図7は拡散速度推算値の3つの同様な曲線81,82,83対3つの異なるはね直径の噴出以後のウェブに沿った距離である。
【0025】
例において、滴62(図6)の印刷に関して考慮すべき重要な点が生じる。滴62は図面では(ウェブウィーブのために)右側に有効に移動し、ライン60の縁部の動きは有効に右側に移動する。始めに、ラインが噴出された一連の滴から形成されると、ライン縁部はウェブに沿った距離に関して、滴62の位置よりも右側に急速に移動する。従って、滴はねと拡散ラインの重複部が増加する。しかしながら、ウェブウィーブの速度が短距離の間低下しない間にラインの拡散速度が減少すると、その結果、重複部の量がピークになり、低下し始める。重複部が最大になる滴62の位置を求める。拡散速度がウェブウィーブの速度と等しい場合に、最大の重複が起こる。
【0026】
図7において、水平線はウェブウィーブ速度を表わすために引くことができる。ライン68,69によって表わされる0.1〜0.2ミル/インチのウェブウィーブ速度の場合、曲線81,82,83との交差は、0.8〜2.2インチの範囲に独立して生じる。
【0027】
図8に示すように、図7に示した範囲内にあるオリフィス印刷パターンを使用して作動可能な印刷ヘッドは、概略的に示した3つのスワスモジュール0,1及び2を有する。3つのスワスモジュールは、紙を矢印によって示した方向へ移動させると、紙の長さに沿って、それぞれ3つの隣接するスワス108,110,112を印刷する。
【0028】
図9に示すように、各スワスモジュール130は、平行に配置された12個の直線アレイモジュールを有する。各アレイモジュールは、紙の幅を横切る向きに、600ピクセル/インチの解像度で印刷するために12/600インチの間隔を有する、128個のオリフィス134の並びを備えている。(オリフィスの数及び形状は、図では概略的に示している。)
図10に示すように、紙の幅を横切る各ピクセル位置が、紙の長さに沿った必要な印刷ライン140の1つを印刷するオリフィスによってカバーされると仮定すると、12個の同一のアレイモジュールがアレイの長さ方向に食い違い状に食い違わせて配列される(図9ではこの食い違い状態は見えない)。従って、図に示されるように、各モジュールにおける第1オリフィス(大きな黒いドットで印を付けている)は、必要な印刷ラインの1つに対応する紙の幅に沿った位置を固有に占める。
【0029】
図に示したいちばん下のアレイモジュールにおいて、第2オリフィスの位置がドットによって示されているが、そのアレイ中及び他のアレイ中の後続のオリフィス位置は示さない。さらに、図10は3つのスワスモジュールのうちの1つのための食い違いパターンを示すが、他の2つのスワスモジュールは以下に示すような別の異なる食い違いパターンを有する。
【0030】
図11には、3つすべてのスワスモジュールの食い違いパターンをグラフで示す。パターンはぎざぎざのプロファイルを有する。各オリフィスは、スワスモジュール0とスワスモジュール1の間の推移で、ただ1つの例外を除いて、隣接オリフィス両方の印刷方向に沿って上流又は下流に存在する。各スワスモジュールのグラフは、そのスワスモジュールによってカバーされた最初の12個のピクセルのうちのどれが各アレイモジュールの第1のオリフィスにより取り扱われるかを示すためにドットを有する。各スワスモジュールのグラフは食い違いパターンを単に示すが、モジュールのオリフィスのすべてを示しているわけではない。パターンは、各スワスモジュールのために示されたパターンを右へ127回繰り返す。そのため、各シリーズの12番目のピクセルは、次のシリーズの0番目のピクセルとされる。同様に、スワスモジュール1で12と番号付けられたモジュールアレイは、スワスモジュール0及び2ではY軸に沿って0の位置を占める(明瞭にするために、図面ではそのように示さないが)。
【0031】
図12は、ピクセル1の位置に対して、スワスモジュール0を形成する各アレイモジュールの第1オリフィスのX及びY位置(インチ)を与える表である。図12は、アレイモジュールの食い違いパターンを実証する。スワスモジュール0に関して、第1オリフィスのピクセル位置は、「ピクセル」とラベルされた列に列挙される。そのピクセルを印刷する第1オリフィスが属するアレイモジュールのモジュール番号は、「モジュール番号」とラベルされた列で示される。ピクセルのX位置(インチ)は「Xの位置」とラベルされた列で示される。ピクセルのY位置は「Y位置」と印された列で示される。スワス2モジュールは、スワス0モジュールと同一に配置され、スワス1モジュールは、他の2つのモジュールと(180度回転して)同一に配置される(他の2つのモジュールに一致する)。
【0032】
スワス0モジュールの最終オリフィス(番号1536)とスワス1モジュールの最初のオリフィス(番号1537)の間のY方向の間隙である0.989インチは、隣接するオリフィス両方の印刷方向に沿って各オリフィスが上流か下流にあるという規則を破る。他方、スワス1モジュールの最終オリフィス(番号3072)とスワス2モジュールの第1オリフィス(番号3073)の間のY方向の間隙は4.19インチであり、これはライン合体には良いが、ウェブウィーブには良くない。
【0033】
このように、図10〜12の例では、図7のX軸に相当するウェブ方向に沿った距離が、スワスモジュール間の推移にまたがる対を除いた印刷ラインオリフィスのすべての隣接対に対して1.2〜2.0インチ(これは、任意のアレイモジュールにおけるオリフィス間隔である1/50インチよりも1桁は大きく、ほとんど2桁大きい)である。異なるオリフィス対に対するウェブ方向距離にはいくらか相違があるが、上述の原理から最大の利益を引き出すために、最小距離対最大距離の比を1に近く維持することが望ましい。図11及び12の場合、比は1.67(2つの推移対以外)である。
【0034】
上に論じたウェブ方向に沿った距離の範囲は、印刷方向に沿ったウェブ運動の速度に依存した、インク滴が被印刷物に当たったときと次の隣接インク滴が被印刷物に当たったときの間の遅延時間の範囲を意味する。ウェブ速度が20インチ/秒の場合、1.2〜2.0インチの距離の範囲が、0.06〜0.1秒の一連の持続時間に移動する。
【0035】
各スワスモジュールは、アレイモジュールのオリフィス面に隣接しているオリフィスプレートを有する。オリフィスプレートは、上述したパターンに一致する孔の食い違いパターンを有する。図7の表のパターンの1つの利点は、スワスモジュール0,1,2のオリフィスプレートが、スワスモジュール1用のオリフィスプレートが他の2つと比べて180度回転しているという点を除いて、同一であるということである。単に1種類しかオリフィスプレートを設計、製作する必要がないため、製造コストが減小する。
【0036】
図13において、スワス1と2モジュールは、図11の位置に比べて、2ピクセルぶんの位置だけ左へ移動されている。モジュール0の第12ピクセル(1536)及びモジュール1の第1ピクセル(1537)は無効になる。その結果、印刷方向に沿った距離が4.589インチに増加する。この距離は、ウェブウィーブに関しては悪いが、ライン合体に関しては良い。
【0037】
図14は、各スワスモジュール130の構成を示す。スワスモジュールは、一連の12個の直線状アレイモジュールアセンブリ204のためのハウジングを共に提供するマニホルド/オリフィスプレートアセンブリ200とサブフレーム202とを有している。各モジュールアセンブリは、圧電体アセンブリ206、振動トラップ材207、導線アセンブリ208、クランプ棒210及び取付ワッシャー213,214、ねじ215を備えている。モジュールアセンブリは3つのグループに取り付けられる。該グループは、ねじ222を使用して取り付けられた補剛材220によって分離される。2つの電気ヒータ230,232がサブフレーム202に取付けられる。インク入口取付部240は、外部タンク(図示略)からサブフレーム202を通じてマニホルドアセンブリ200の通路へとインクを運ぶ。そこから、インクは12個の直線状アレイモジュールアセンブリ204に分配され、マニホルド200に戻り、サブフレーム202を通り、取付部242から出て、最終的にはタンクに戻る。ねじ244はマニホルドをサブフレーム200に組み立てるために使用される。止めねじ246はヒータ232を固定するために使用される。Oリング250は、インク漏れを防ぐシールを提供する。
【0038】
各スワスアレイ中のスワスアレイの数及びオリフィスの数は、使用不可能なオリフィスプレートの廃棄に関する廃棄コスト(より多くのオリフィスを有するより少数のプレートを使用する場合によく行われる)と、ヘッドにおける多数のスワスアレイの組立及び整列コスト(プレートの数と共に増える)との間のよいトレードオフを提供するように選択される。理想的トレードオフは、製造工程の成熟とともに推移し得る。
【0039】
スワスを与えるオリフィスプレート中のオリフィスの数は、250〜4000の範囲内、より好ましくは1000〜2000の範囲内、最も好ましくは約1500である。1つの例において、ヘッドは3つのスワスアレイを有し、その各々がオリフィスが食い違いに配置された12個の直線アレイを有し、7.5インチ印刷領域を横切って600ライン/インチを提供する。このとき、各スワスアレイを与えるプレートは、1536個のオリフィスを有する。
【0040】
他の実施形態が特許請求の範囲内に含まれる。
例えば、印刷ヘッドはオリフィスの単一の二次元アレイであってもよいし、あるいは任意の数のオリフィスを備えたアレイモジュール又はスワスアレイの任意の組み合せであってもよい。例えば、スワスアレイの数は1,2,3又は5であり得る。隣接した印刷ラインを印刷するオリフィス間の印刷ライン方向に沿った分離を良好にするには、オリフィスの数及び間隔、アレイモジュールのサイズ、ウェブウィーブの相対的重要性、ライン合体、及び任意の用途における製造コスト及び他の要因が影響するであろう。
【0041】
許容可能なウェブウィーブの量は、低解像度印刷用には高くされる。インク粘性及び界面張力はライン合体の程度に影響を与えるが、異なるインクを使用することが可能である。
【0042】
主な関心事がウェブウィーブであるか、主な関心事がライン合体である場合、他のオリフィスのパターンを使用することが可能である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット印刷ヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
通常のインクジェット印刷では、印刷ヘッドが滴状のインクを、オリフィスから、密接して離れたピクセル位置の行と列から成るグリッド内のピクセル位置へまで搬送する。
オリフィスはよく行と列に配列される。ヘッドの行と列は通常ピクセル位置グリッド中の全部の行や全部の列には及ばないため、ヘッドは、像が印刷される被印刷物(例えば紙)を横切って走査しなければならない。
【0003】
全面を印刷するために、印刷ヘッドはヘッド走査方向に紙を横切って走査され、紙は位置を変えるために長さ方向に移動され、ヘッドは新しい位置で再び走査される。オリフィスが走査中に印刷を施すピクセル位置のラインは、印刷ラインと呼ばれる。
【0004】
低解像度印刷に適した単純な機構の場合、印刷ヘッドの1回の走査中、ヘッドに隣接するオリフィスは、ピクセルグリッドの隣接した行を表わす一縞の印刷ラインに沿って印刷する。複数のラインから成る縞が印刷された後、紙は縞を超えて進められ、次の複数のラインから成る縞が次の走査で印刷される。
【0005】
高解像度印刷は、ピクセルグリッド中の1インチ(約2.54cm)当たりに何百もの行と列を提供する。印刷ヘッドは通常、必要な印刷解像度を満足するよう十分に離された複数のオリフィスから成る1つのラインにより構成することができない。
【0006】
高解像度走査印刷を達成するためには、印刷ヘッドの異なる列におけるオリフィスをオフセット又は傾斜させたり、印刷ヘッド走査を重ね合わせたり、連続する印刷ヘッド走査の間にオリフィスを選択的に作動させたりすることが可能である。
【0007】
ここまで説明したシステムでは、ヘッドは紙に対して2次元に移動する(紙の幅に沿った走査運動と、走査間のその長さに沿った紙の運動)。
インクジェットヘッドは、いわゆるシングルパス走査を許容すべく、印刷領域と同じくらいに広げることが可能である。シングルパス走査では、紙が意図した印刷方向へその長さに沿って移動されている間、ヘッドは固定位置に保持される。紙の長さに沿ったすべての印刷ラインが、1回のパス(用紙搬送)で印刷することができる。
【0008】
シングルパスヘッドは、複数のオリフィスの直線状配列(アレイ)から構成され得る。直線状アレイの各々は、印刷領域の全体幅より短く、アレイは印刷幅全体に及ぶようにオフセットされる。各アレイのオリフィス密度が必要とされる印刷解像度より小さい場合、紙の幅に沿った有効なオリフィス密度を増加させるために、連続するアレイがアレイの長さ方向に少量だけ食い違い状にずらされる。印刷ヘッドを被印刷物の全幅に及ぶように十分に広くすることにより、何度も前後にパスする必要性がなくなる。被印刷物を、印刷ヘッドを越えてシングルパスで、その長さに沿って移動させるだけでよい。シングルパス方式の印刷は複数パス方式の印刷よりも速くて機構が単純である。
【0009】
理論上、被印刷物が幅広い限り、1つの一体型印刷ヘッドは、1行のオリフィスを有し得る。しかしそれは実際には少なくとも2つの理由から可能ではない。
第1の理由は、高解像度印刷(例えば600dpi)の場合、オリフィスの間隔が非常に小さく、少なくとも現在の技術では、1行に構成するのが機械的に不可能であることである。第2の理由は、オリフィスプレートの製造効率が、プレート中のオリフィスの数の増加につれて急速に下落することである。これが生じる理由は、所定のオリフィスに製造中の欠陥が生じたり使用中の欠陥が生じたりする可能性が無視できないほどにあるためである。解像度が600dpiで10インチ(約25.4cm)の被印刷物の幅に及ばなければならない印刷ヘッドの場合、もしオリフィスがすべて1つのオリフィスプレートに存在しなければならないとすれば、その製造効率はきわめて低くなるだろう。
(概要)
一般に、1態様において、本発明は所定の解像度で印刷被印刷物の目標幅をカバーするのに十分なインクジェット出口のアレイを有する、シングルパス方式インクジェット印刷ヘッドをその特徴とする。複数のオリフィスプレートの各々が、複数のオリフィスを有する。オリフィスプレートの各々は、印刷領域の全体ではなく一部に働きかける。アレイ中の前記オリフィスは、印刷媒体上の隣接する平行ラインが、印刷ライン方向に対して垂直方向に隣接するオリフィス間の距離より少なくとも1桁は大きい距離によって隔てられた、アレイ中の印刷ラインの方向に沿った異なる位置をとるオリフィスによって取り扱われるようなパターンに配置される。
【0010】
本発明の実施は、1又は複数の以下の特徴を有し得る。各オリフィスプレートは、被印刷物に沿ってスワス(swath)を印刷する印刷ヘッドモジュールと連結し得る。スワスは、被印刷物の目標幅より狭い。各オリフィスプレート中のオリフィスの数は、250〜4000の範囲内、好ましくは1000と2000の間、最も好ましくは約1500である。目標幅全体をカバーするために、スワスアレイは5つ以下(例えば3つ)であり得る。
【0011】
他の利点及び特徴は、以下の説明と特許請求の範囲から明らかになるだろう。
(説明)
シングルパス方式インクジェット印刷ヘッドによって生成される印刷の質は、隣接した印刷ラインを印刷するために使用されるオリフィスのパターンの選択により向上することが可能である。パターンの適切な選択は、ウェブウィーブの影響と、ライン合体不良により起こる印刷間隙の可能性との間に、良好なトレードオフを提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ウェブウィーブの影響を回避しつつライン合体を良好とするシングルパス方式インクジェットプリンタにおける印刷ヘッドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、被印刷物に対する印刷ヘッドの1回のパスで印刷が完了される、第1の方向に移動する被印刷物上に印刷を行うための、インクジェット印刷ヘッドであって、
該印刷ヘッドは複数の直線アレイモジュールを備え、
各直線アレイモジュールは前記第1の方向と垂直な第2の方向に沿って延び、各直線アレイモジュールは印刷領域の全体ではなく一部に働き、各直線アレイモジュール上の各オリフィスは前記第1の方向に沿って延びる印刷ラインに沿った方向にインクを被印刷物上に吐出するよう配置されており、
前記複数の直線アレイモジュールのオリフィスは、第1の印刷ラインで作用する第1の直線アレイモジュールの第1のオリフィスと、前記第1の印刷ラインに隣接する第2の印刷ラインで作用する第2の直線アレイモジュールの第2のオリフィスと、第2のオリフィスとは反対側で第1のオリフィスに隣接する前記第3の印刷ラインで作用する第3の直線アレイモジュールの第3のオリフィスとが、前記第1の方向に沿って互いに離れるように、隣接する印刷ライン上のオリフィスが前記第1の方向に沿って交互に食い違うパターンに配置されており、
前記第2の直線アレイモジュールと第3の直線アレイモジュールは、第1の直線アレイモジュールに対していずれも前記第1の方向に沿って上流または下流に存在し、
前記第1のオリフィスから吐出されるインクの体積は、間隙のない一様な印刷領域を達成するために追加の広がりを必要としない滴はね直径を有するインク滴を被印刷物上に形成する、
印刷ヘッドを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】ウェブウィーブを示す略図。
【図2】ウェブウィーブを示す略図。
【図3】ウェブウィーブを示す略図。
【図4】ラインの合体を示す略図。
【図5】ラインの合体を示す略図。
【図6】ウェブウィーブとラインの合体との相互作用を示す略図。
【図7】距離の関数としてのラインの広がりのグラフ。
【図8】シングルパス方式印刷ヘッド下で移動するページの略図。
【図9】スワスモジュールの略図。
【図10】オリフィスの食い違い配列の略図。
【図11】オリフィスの食い違い配列のグラフ。
【図12】オリフィス位置の表。
【図13】オリフィスの食い違い配列のグラフ。
【図14】スワスモジュールを描いた分解組立斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1及び2に示すように、印刷の間、その長さに沿って移動される紙10は、いわゆる「ウェブウィーブ」を受ける。ウェブウィーブとは、ウェブ(例えば紙)が意図した方向12に沿って完全には軌跡を辿らず、代わりに意図した印刷方向12に対して垂直な方向14へ前後に動く傾向である。ウェブウィーブは、インクジェット印刷の質を低下させる可能性がある。
【0016】
ウェブウィーブはミル/インチで測定することが可能である。0.2ミル/インチのウィーブは、意図した方向へのウェブ1インチの移動ごとに、ウェブが一側又は他側に0.2ミル移動し得ることを意味する。図2,3に示すように、インクジェットオリフィスが紙幅に沿って1つの直線に配列されないが、その代りウェブ運動の意図した方向に沿って別々に間隔を置かれるとき、ウェブウィーブは、意図した隣接距離15と比較して、滴の配置についての隣接誤差17を生じる。例えば、ウェブウィーブが0.2ミル/インチで、ウェブ運動方向の隣接オリフィス間の感覚が1.5インチだとすると、運動の主方向に垂直な方向の0.3ミルの隣接誤差が、結果として生じる隣接印刷ライン間の距離に導入され得る。
【0017】
ウェブウィーブの影響を回避することが唯一の関心事だとすると、良好なパターンでは、隣接する印刷ラインを形成するオリフィス間の、印刷ライン方向に沿った間隔が最小となるだろう。そのような配置では、隣接したラインがほぼ同時に印刷され、ウェブウィーブはほとんど影響を与えないだろう。しかし、印刷ライン方向に沿って離間して配置された12個のモジュールを有するヘッド(図10を参照)の場合、隣接する印刷ラインを印刷するオリフィスがたった1つのモジュールだけしか離れていない(例えば、モジュール1、2、…11、12、1、2…)繰り返しパターンを持つことは良くない。その場合、パターン内の最終オリフィスは、パターンの2回目の繰り返しにおいてやはり第1モジュールにある第1オリフィスから11モジュール離れた12番目のモジュールにある。
【0018】
図2に示すように、ウェブウィーブの影響を回避する目的で2つのモジュールの間隔dを最大にしたパターンは、うまくいくだろう。ウェブの意図した運動に垂直な方向へ連続ピクセルを印刷するモジュールは、モジュール1、3、5、7、9、11、12、10、8、6、4、であり、それから1に戻り得る。しかしながら、以下に説明されるように、ライン合体不良の影響も考慮する場合、このパターンは理想的ではない。他方、図3に示すように、隣接するラインが例えば5つだけ離れたモジュールによってウェブ運動の意図した方向に沿って印刷される場合、ウェブウィーブの影響はより重要となる。
【0019】
図4に示すように、所与領域16のピクセルのすべてが、いくつかの連続的な隣接するライン18の印刷により満たされることになっている場合、インクジェット印刷の質を不良にする別の原因が生じ得る。連続するラインの各々を印刷する際に、一連の滴20は、ライン22を形成するよう急速に合体する。ライン22は、紙面を横切って側方24,26に(印刷ライン方向に垂直な2つの反対方向に)広がる。理想的には、広がる隣接するラインは、最終的に互いに届き、ライン方向に沿った方向とライン方向と垂直な方向の両方に延びる二次元領域(縞)を満たすよう合体(28)する。
【0020】
非吸収性のウェブ材の場合、ライン縁部の広がりは、接触角により制限されていると言われている(断面図で見て、接触角は、インクがウェブ表面に遭遇する縁部での、ウェブ表面とインク表面との間の角度である。)ラインが広がるとともに、接触角はより小さくなる。接触角が下限(例えば10度)に達すると、ラインの広がりは停止する。
【0021】
隣接するラインが合体すると、ライン縁部の接触角は低下する。接触角の減小により粘性の遅延力が大きくなると共に界面張力駆動力が低くなるため、合体した縞の側方への広がり速度は低下する。側方への広がりの低下は、間隙とは反対側で隣りと各々合体した隣接するライン間の、白い間隙30を生じ得る。
【0022】
1又は複数の合体した印刷ラインの側方への広がり速度は、合体したラインの本数の第3の力に逆比例して変化する。この規則によって、2本のライン(あるいは縞)が合体して1本の縞になったとき、合体したストライプの縁部が側方に広がる速度は、構成要素であるライン又は縞が広がる速度よりも8倍遅くなる。しかし、広がりが接触角により制限されるとき、合体の影響により広がりが止まる。従って、印刷が進行するにつれて、種々の対の隣接するライン及び/又は縞が、隣接する縁部の距離と構成部分である元のラインの本数によって表される広がり速度とに従って合体したり合体しなかったりする。隣接するライン及び/又は縞の一部の対に関して、広がり速度は停止するか、これまで充填されてきた間隙を排除するのに十分小さくなる。その結果、インクが固まった後でも望ましくない永続的な印刷されていない間隙30が、充填されずに残る。
【0023】
ライン合体不良の影響を最良に減小させるオリフィス印刷パターンは、ウェブウィーブの否定的な影響を増加させる傾向がある。
図5に示すように、理想的には、ライン合体不良の影響を減らすために、各ライン40,42,44,46は同時に印刷され、合体されずに広がる。一連の平行な間隙41,43,45は満たされずに残る。できるだけ長い時間が経った後、残った間隙はできるだけ狭くなり、残りのラインは、図に示すように滴が紙に当たるときに滴がはねる結果として達成される滴はねの直径を考慮しながら介入する滴流を用いて間隙を橋渡しすることにより、満たされる。その結果、追加の広がりを要することなく、間隙のない一様な印刷領域が達成される。滴はね直径とは、噴出したインク滴が被印刷物に当たった後で滴の噴出に関連する慣性が消えるまでの、数分の1秒の間に生成されるインクスポットの直径を意味する。その期間の間、滴の広がりは、慣性(滴を広げる傾向がある)及び粘性(広がりを阻止する傾向がある)の相対的な影響によって支配される。介入する滴流を置く前にできるだけ時間を経過させることは、ウェブウィーブの影響を減らすのに最良な方向とちょうど反対方向に印刷ライン方向に沿って可能な限り離して離間させたオリフィスによって隣接ラインが配置される、オリフィス印刷パターンを意味するだろう。
【0024】
印刷ライン方向に沿った、隣接ラインを印刷するオリフィス間の有効距離は、ウェブウィーブと、ライン拡散要因とを交互に妥協させるだろう。図6に示すように、しばしオリフィスが隣接オリフィスを有する2つのライン50,52に配置されていると仮定する(この必要条件は後に緩和する)。ライン間の良好な距離54を求めたい。また、ウェブウィーブはウェブをライン印刷方向に一定速度(少なくとも短い距離を考慮する)W(ミル/インチウェブ運動)で左側に移動させると仮定する。また、ライン縁部60は、印刷したラインの中心から低下関数S(d)(ミル/インチ)で表される速度で離れて広がると仮定する。ここでdは、滴が紙上に噴出された箇所からの距離である。図7は拡散速度推算値の3つの同様な曲線81,82,83対3つの異なるはね直径の噴出以後のウェブに沿った距離である。
【0025】
例において、滴62(図6)の印刷に関して考慮すべき重要な点が生じる。滴62は図面では(ウェブウィーブのために)右側に有効に移動し、ライン60の縁部の動きは有効に右側に移動する。始めに、ラインが噴出された一連の滴から形成されると、ライン縁部はウェブに沿った距離に関して、滴62の位置よりも右側に急速に移動する。従って、滴はねと拡散ラインの重複部が増加する。しかしながら、ウェブウィーブの速度が短距離の間低下しない間にラインの拡散速度が減少すると、その結果、重複部の量がピークになり、低下し始める。重複部が最大になる滴62の位置を求める。拡散速度がウェブウィーブの速度と等しい場合に、最大の重複が起こる。
【0026】
図7において、水平線はウェブウィーブ速度を表わすために引くことができる。ライン68,69によって表わされる0.1〜0.2ミル/インチのウェブウィーブ速度の場合、曲線81,82,83との交差は、0.8〜2.2インチの範囲に独立して生じる。
【0027】
図8に示すように、図7に示した範囲内にあるオリフィス印刷パターンを使用して作動可能な印刷ヘッドは、概略的に示した3つのスワスモジュール0,1及び2を有する。3つのスワスモジュールは、紙を矢印によって示した方向へ移動させると、紙の長さに沿って、それぞれ3つの隣接するスワス108,110,112を印刷する。
【0028】
図9に示すように、各スワスモジュール130は、平行に配置された12個の直線アレイモジュールを有する。各アレイモジュールは、紙の幅を横切る向きに、600ピクセル/インチの解像度で印刷するために12/600インチの間隔を有する、128個のオリフィス134の並びを備えている。(オリフィスの数及び形状は、図では概略的に示している。)
図10に示すように、紙の幅を横切る各ピクセル位置が、紙の長さに沿った必要な印刷ライン140の1つを印刷するオリフィスによってカバーされると仮定すると、12個の同一のアレイモジュールがアレイの長さ方向に食い違い状に食い違わせて配列される(図9ではこの食い違い状態は見えない)。従って、図に示されるように、各モジュールにおける第1オリフィス(大きな黒いドットで印を付けている)は、必要な印刷ラインの1つに対応する紙の幅に沿った位置を固有に占める。
【0029】
図に示したいちばん下のアレイモジュールにおいて、第2オリフィスの位置がドットによって示されているが、そのアレイ中及び他のアレイ中の後続のオリフィス位置は示さない。さらに、図10は3つのスワスモジュールのうちの1つのための食い違いパターンを示すが、他の2つのスワスモジュールは以下に示すような別の異なる食い違いパターンを有する。
【0030】
図11には、3つすべてのスワスモジュールの食い違いパターンをグラフで示す。パターンはぎざぎざのプロファイルを有する。各オリフィスは、スワスモジュール0とスワスモジュール1の間の推移で、ただ1つの例外を除いて、隣接オリフィス両方の印刷方向に沿って上流又は下流に存在する。各スワスモジュールのグラフは、そのスワスモジュールによってカバーされた最初の12個のピクセルのうちのどれが各アレイモジュールの第1のオリフィスにより取り扱われるかを示すためにドットを有する。各スワスモジュールのグラフは食い違いパターンを単に示すが、モジュールのオリフィスのすべてを示しているわけではない。パターンは、各スワスモジュールのために示されたパターンを右へ127回繰り返す。そのため、各シリーズの12番目のピクセルは、次のシリーズの0番目のピクセルとされる。同様に、スワスモジュール1で12と番号付けられたモジュールアレイは、スワスモジュール0及び2ではY軸に沿って0の位置を占める(明瞭にするために、図面ではそのように示さないが)。
【0031】
図12は、ピクセル1の位置に対して、スワスモジュール0を形成する各アレイモジュールの第1オリフィスのX及びY位置(インチ)を与える表である。図12は、アレイモジュールの食い違いパターンを実証する。スワスモジュール0に関して、第1オリフィスのピクセル位置は、「ピクセル」とラベルされた列に列挙される。そのピクセルを印刷する第1オリフィスが属するアレイモジュールのモジュール番号は、「モジュール番号」とラベルされた列で示される。ピクセルのX位置(インチ)は「Xの位置」とラベルされた列で示される。ピクセルのY位置は「Y位置」と印された列で示される。スワス2モジュールは、スワス0モジュールと同一に配置され、スワス1モジュールは、他の2つのモジュールと(180度回転して)同一に配置される(他の2つのモジュールに一致する)。
【0032】
スワス0モジュールの最終オリフィス(番号1536)とスワス1モジュールの最初のオリフィス(番号1537)の間のY方向の間隙である0.989インチは、隣接するオリフィス両方の印刷方向に沿って各オリフィスが上流か下流にあるという規則を破る。他方、スワス1モジュールの最終オリフィス(番号3072)とスワス2モジュールの第1オリフィス(番号3073)の間のY方向の間隙は4.19インチであり、これはライン合体には良いが、ウェブウィーブには良くない。
【0033】
このように、図10〜12の例では、図7のX軸に相当するウェブ方向に沿った距離が、スワスモジュール間の推移にまたがる対を除いた印刷ラインオリフィスのすべての隣接対に対して1.2〜2.0インチ(これは、任意のアレイモジュールにおけるオリフィス間隔である1/50インチよりも1桁は大きく、ほとんど2桁大きい)である。異なるオリフィス対に対するウェブ方向距離にはいくらか相違があるが、上述の原理から最大の利益を引き出すために、最小距離対最大距離の比を1に近く維持することが望ましい。図11及び12の場合、比は1.67(2つの推移対以外)である。
【0034】
上に論じたウェブ方向に沿った距離の範囲は、印刷方向に沿ったウェブ運動の速度に依存した、インク滴が被印刷物に当たったときと次の隣接インク滴が被印刷物に当たったときの間の遅延時間の範囲を意味する。ウェブ速度が20インチ/秒の場合、1.2〜2.0インチの距離の範囲が、0.06〜0.1秒の一連の持続時間に移動する。
【0035】
各スワスモジュールは、アレイモジュールのオリフィス面に隣接しているオリフィスプレートを有する。オリフィスプレートは、上述したパターンに一致する孔の食い違いパターンを有する。図7の表のパターンの1つの利点は、スワスモジュール0,1,2のオリフィスプレートが、スワスモジュール1用のオリフィスプレートが他の2つと比べて180度回転しているという点を除いて、同一であるということである。単に1種類しかオリフィスプレートを設計、製作する必要がないため、製造コストが減小する。
【0036】
図13において、スワス1と2モジュールは、図11の位置に比べて、2ピクセルぶんの位置だけ左へ移動されている。モジュール0の第12ピクセル(1536)及びモジュール1の第1ピクセル(1537)は無効になる。その結果、印刷方向に沿った距離が4.589インチに増加する。この距離は、ウェブウィーブに関しては悪いが、ライン合体に関しては良い。
【0037】
図14は、各スワスモジュール130の構成を示す。スワスモジュールは、一連の12個の直線状アレイモジュールアセンブリ204のためのハウジングを共に提供するマニホルド/オリフィスプレートアセンブリ200とサブフレーム202とを有している。各モジュールアセンブリは、圧電体アセンブリ206、振動トラップ材207、導線アセンブリ208、クランプ棒210及び取付ワッシャー213,214、ねじ215を備えている。モジュールアセンブリは3つのグループに取り付けられる。該グループは、ねじ222を使用して取り付けられた補剛材220によって分離される。2つの電気ヒータ230,232がサブフレーム202に取付けられる。インク入口取付部240は、外部タンク(図示略)からサブフレーム202を通じてマニホルドアセンブリ200の通路へとインクを運ぶ。そこから、インクは12個の直線状アレイモジュールアセンブリ204に分配され、マニホルド200に戻り、サブフレーム202を通り、取付部242から出て、最終的にはタンクに戻る。ねじ244はマニホルドをサブフレーム200に組み立てるために使用される。止めねじ246はヒータ232を固定するために使用される。Oリング250は、インク漏れを防ぐシールを提供する。
【0038】
各スワスアレイ中のスワスアレイの数及びオリフィスの数は、使用不可能なオリフィスプレートの廃棄に関する廃棄コスト(より多くのオリフィスを有するより少数のプレートを使用する場合によく行われる)と、ヘッドにおける多数のスワスアレイの組立及び整列コスト(プレートの数と共に増える)との間のよいトレードオフを提供するように選択される。理想的トレードオフは、製造工程の成熟とともに推移し得る。
【0039】
スワスを与えるオリフィスプレート中のオリフィスの数は、250〜4000の範囲内、より好ましくは1000〜2000の範囲内、最も好ましくは約1500である。1つの例において、ヘッドは3つのスワスアレイを有し、その各々がオリフィスが食い違いに配置された12個の直線アレイを有し、7.5インチ印刷領域を横切って600ライン/インチを提供する。このとき、各スワスアレイを与えるプレートは、1536個のオリフィスを有する。
【0040】
他の実施形態が特許請求の範囲内に含まれる。
例えば、印刷ヘッドはオリフィスの単一の二次元アレイであってもよいし、あるいは任意の数のオリフィスを備えたアレイモジュール又はスワスアレイの任意の組み合せであってもよい。例えば、スワスアレイの数は1,2,3又は5であり得る。隣接した印刷ラインを印刷するオリフィス間の印刷ライン方向に沿った分離を良好にするには、オリフィスの数及び間隔、アレイモジュールのサイズ、ウェブウィーブの相対的重要性、ライン合体、及び任意の用途における製造コスト及び他の要因が影響するであろう。
【0041】
許容可能なウェブウィーブの量は、低解像度印刷用には高くされる。インク粘性及び界面張力はライン合体の程度に影響を与えるが、異なるインクを使用することが可能である。
【0042】
主な関心事がウェブウィーブであるか、主な関心事がライン合体である場合、他のオリフィスのパターンを使用することが可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被印刷物に対する印刷ヘッドの1回のパスで印刷が完了される、第1の方向に移動する被印刷物上に印刷を行うための、インクジェット印刷ヘッドであって、
該印刷ヘッドは複数の直線アレイモジュールを備え、
各直線アレイモジュールは前記第1の方向と垂直な第2の方向に沿って延び、各直線アレイモジュールは印刷領域の全体ではなく一部に働き、各直線アレイモジュール上の各オリフィスは前記第1の方向に沿って延びる印刷ラインに沿った方向にインクを被印刷物上に吐出するよう配置されており、
前記複数の直線アレイモジュールのオリフィスは、第1の印刷ラインで作用する第1の直線アレイモジュールの第1のオリフィスと、前記第1の印刷ラインに隣接する第2の印刷ラインで作用する第2の直線アレイモジュールの第2のオリフィスと、第2のオリフィスとは反対側で第1のオリフィスに隣接する前記第3の印刷ラインで作用する第3の直線アレイモジュールの第3のオリフィスとが、前記第1の方向に沿って互いに離れるように、隣接する印刷ライン上のオリフィスが前記第1の方向に沿って交互に食い違うパターンに配置されており、
前記第2の直線アレイモジュールと第3の直線アレイモジュールは、第1の直線アレイモジュールに対していずれも前記第1の方向に沿って上流または下流に存在し、
前記第1のオリフィスから吐出されるインクの体積は、間隙のない一様な印刷領域を達成するために追加の広がりを必要としない滴はね直径を有するインク滴を被印刷物上に形成する、
印刷ヘッド。
【請求項2】
前記第1のオリフィス、前記第2のオリフィス、および前記第3のオリフィスにより吐出されるインクの体積は、前記第1のオリフィスにより吐出されるインクの体積が広がらなくても被印刷物上の間隙のない一様な印刷領域を提供する、請求項1に記載のインクジェット印刷ヘッド。
【請求項3】
前記直線アレイモジュールの総数は12個であり、前記第1の直線アレイモジュールは、4〜6個の介在する直線アレイモジュールの分だけ、第2の直線アレイモジュールと離間している、請求項1に記載のインクジェット印刷ヘッド。
【請求項4】
前記直線アレイモジュールの総数は12個であり、前記第1の直線アレイモジュールは、4〜6個の介在する直線アレイモジュールの分だけ、第3の直線アレイモジュールと離間している、請求項3に記載のインクジェット印刷ヘッド。
【請求項5】
前記複数の直線アレイモジュールは、各直線アレイモジュールが隣接する直線アレイモュールと前記第2の方向に交互に食い違うように、前記第1の方向に配列されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェット印刷ヘッド。
【請求項1】
被印刷物に対する印刷ヘッドの1回のパスで印刷が完了される、第1の方向に移動する被印刷物上に印刷を行うための、インクジェット印刷ヘッドであって、
該印刷ヘッドは複数の直線アレイモジュールを備え、
各直線アレイモジュールは前記第1の方向と垂直な第2の方向に沿って延び、各直線アレイモジュールは印刷領域の全体ではなく一部に働き、各直線アレイモジュール上の各オリフィスは前記第1の方向に沿って延びる印刷ラインに沿った方向にインクを被印刷物上に吐出するよう配置されており、
前記複数の直線アレイモジュールのオリフィスは、第1の印刷ラインで作用する第1の直線アレイモジュールの第1のオリフィスと、前記第1の印刷ラインに隣接する第2の印刷ラインで作用する第2の直線アレイモジュールの第2のオリフィスと、第2のオリフィスとは反対側で第1のオリフィスに隣接する前記第3の印刷ラインで作用する第3の直線アレイモジュールの第3のオリフィスとが、前記第1の方向に沿って互いに離れるように、隣接する印刷ライン上のオリフィスが前記第1の方向に沿って交互に食い違うパターンに配置されており、
前記第2の直線アレイモジュールと第3の直線アレイモジュールは、第1の直線アレイモジュールに対していずれも前記第1の方向に沿って上流または下流に存在し、
前記第1のオリフィスから吐出されるインクの体積は、間隙のない一様な印刷領域を達成するために追加の広がりを必要としない滴はね直径を有するインク滴を被印刷物上に形成する、
印刷ヘッド。
【請求項2】
前記第1のオリフィス、前記第2のオリフィス、および前記第3のオリフィスにより吐出されるインクの体積は、前記第1のオリフィスにより吐出されるインクの体積が広がらなくても被印刷物上の間隙のない一様な印刷領域を提供する、請求項1に記載のインクジェット印刷ヘッド。
【請求項3】
前記直線アレイモジュールの総数は12個であり、前記第1の直線アレイモジュールは、4〜6個の介在する直線アレイモジュールの分だけ、第2の直線アレイモジュールと離間している、請求項1に記載のインクジェット印刷ヘッド。
【請求項4】
前記直線アレイモジュールの総数は12個であり、前記第1の直線アレイモジュールは、4〜6個の介在する直線アレイモジュールの分だけ、第3の直線アレイモジュールと離間している、請求項3に記載のインクジェット印刷ヘッド。
【請求項5】
前記複数の直線アレイモジュールは、各直線アレイモジュールが隣接する直線アレイモュールと前記第2の方向に交互に食い違うように、前記第1の方向に配列されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェット印刷ヘッド。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−47013(P2013−47013A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−268691(P2012−268691)
【出願日】平成24年12月7日(2012.12.7)
【分割の表示】特願2011−45601(P2011−45601)の分割
【原出願日】平成12年3月23日(2000.3.23)
【出願人】(502122794)フジフィルム ディマティックス, インコーポレイテッド (73)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年12月7日(2012.12.7)
【分割の表示】特願2011−45601(P2011−45601)の分割
【原出願日】平成12年3月23日(2000.3.23)
【出願人】(502122794)フジフィルム ディマティックス, インコーポレイテッド (73)
【Fターム(参考)】
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