説明

インクジェット記録装置

【課題】コストの増加を極力抑えた単純な構成で、クリーニング後の廃液を廃液タンクに確実に流し、廃液経路内のインクの滞留をなくす。
【解決手段】ノズルからインクを吐出するインクヘッドを有する画像記録部と、インクパンを有し、ノズルからのインク吐出機能を維持回復するためのクリーニング動作により回収された廃液をインクパンに収容するクリーニング部と、画像記録される記録媒体を搬送する搬送部と、画像記録部、クリーニング部又は搬送部の少なくとも1つを移動させる移動機構と、を具備するインクジェット記録装置であって、廃液を収集する廃液タンクと、インクパンと廃液タンクとを接続している廃液経路と、移動機構によって画像記録部、クリーニング部又は搬送部の少なくとも1つの移動させることで圧力を発生させる圧力発生手段と、圧力発生手段と廃液経路を接続している配管と、を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクヘッドのクリーニングを行うためのクリーニング部を備えたインクジェット記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット記録装置は、搬送される記録媒体にインクヘッドからインクを吐出して画像形成を行うものであり、インクヘッドが主走査方向に移動しながらインクを吐出して記録媒体に画像を形成するシリアル型インクジェット記録装置と、1つ、又は複数のインクヘッドからなるラインヘッドを有し、インクヘッドが移動しない状態でインク液滴を吐出して記録媒体に画像を形成するライン型インクジェット記録装置とがある。
【0003】
このようなインクジェット記録装置において、インクヘッドは、ノズルからのインクの揮発や蒸発によるインク粘度の上昇、インクの固化、塵埃の付着、さらには気泡の混入などに起因してインク吐出不良状態となり、記録不良を起こすことがある。これに対処するために、このようなインクジェット記録装置には、インクヘッドの性能を維持回復するためのクリーニング部が設けられている。クリーニング部は、インクヘッドのノズルのクリーニングなどのクリーニング動作を行う機構であり、この動作によりインクヘッドからインクが排出される。排出されたインクは廃液となり、装置内に設置された廃液タンクに回収される。
【0004】
例えば、特許文献1に開示されているインクジェット記録装置では、クリーニング部の動作によりインクヘッドから吸引されたインクが、廃液として装置内に設置された廃液タンクにポンプで送液される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4394231号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の特許文献1に記載のインクジェット記録装置では、クリーニング動作により生じた廃液を廃液タンクに送液するためにポンプを設けている。しかし、このような手段を別途設けることは、コストアップにつながる。
【0007】
そこで、例えば、クリーニング部と廃液タンクとを廃液経路としてのチューブで直接接続して、廃液が自重により落下するような構成にすれば、ポンプ等が不要となり、コストを低減することができる。この場合、クリーニング部のクリーニング位置と退避位置との両方で廃液が廃液タンクに効率よく流れるためには、クリーニング部と廃液タンクとの高低差を大きくする必要があるが、高低差を大きくすると装置が大型化するというデメリットがある。一方、装置高さを抑えるために高低差を小さくすると、廃液の流れが悪くなり、廃液がチューブ内に滞留して凝固や詰まりが発生してしまう。
【0008】
本発明は、上述の問題を解決するものであり、コストの増加を極力抑えた単純な構成で、クリーニング動作により生じた廃液を廃液タンクに確実に流せるインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態は、複数のノズルが形成され、これらノズルからインクを吐出するインクヘッドを有する画像記録部と、インクパンを有し、前記インクヘッドのインク吐出機能を維持回復するためにインクヘッドのクリーニング動作を行い、クリーニング動作により前記インクヘッドから回収された廃液を前記インクパンに収容するクリーニング部と、前記クリーニング部を、前記インクヘッドに対向しているクリーニング位置と、前記インクヘッドから退避している退避位置とに移動させるクリーニング部移動機構と、画像記録される記録媒体を搬送する搬送部と、を具備するインクジェット記録装置において、前記廃液を収集する廃液タンクと、前記クリーニング部のインクパンと前記廃液タンクとを接続している廃液経路と、前記クリーニング部移動機構による前記クリーニング部の移動によって圧力を発生させる圧力発生手段と、前記圧力発生手段と前記廃液経路とを接続している配管と、を有するインクジェット記録装置である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、コストの増加を極力抑えた単純な構成で、クリーニング動作により生じた廃液を廃液タンクに確実に流せるインクジェット記録装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、第1の実施形態のインクジェットプリンタにおいて、画像記録部が画像記録位置にあり、クリーニング部が退避位置にあるときの概略的な正面図である。
【図2】図2は、第1の実施形態のインクジェットプリンタにおいて、画像記録部が退避位置にあるときの概略的な正面図である。
【図3】図3は、第1の実施形態のインクジェットプリンタにおいて、クリーニング部がクリーニング位置に向かっている途中を示す概略的な正面図である。
【図4】図4は、第1の実施形態のインクジェットプリンタにおいて、画像記録部及びクリーニング部がクリーニング位置にあるときの概略的な正面図である。
【図5】図5は、画像記録部の斜視図である。
【図6】図6は、画像記録部の底面図である。
【図7】図7は、クリーニング部の斜視図である。
【図8】図8は、クリーニング部の上面図である。
【図9】図9は、排出ポート及び弁を示す概略図である。
【図10】図10は、蛇腹の断面図である。
【図11】図11は、第2の実施形態のインクジェットプリンタにおいて、画像記録部及びクリーニング部がクリーニング位置にあるときの概略的な正面図である。
【図12】図12(a)は、第3の実施形態のインクジェットプリンタにおいて、画像記録部が画像記録位置にあるときの概略的な正面図であり、図12(b)は、画像記録部及びクリーニング部がクリーニング位置にあるときの概略的な正面図である。
【図13】図13(a)は、図12(a)に対応し、画像記録時の蛇腹を示す斜視図であり、図13(b)は、図12(b)に対応し、クリーニング時の蛇腹を示す斜視図である。
【図14】図14(a)並びに(b)は、排出ポート及び弁を示す概略図である。
【図15】図15は、第4の実施形態のインクジェットプリンタにおいて、画像記録部及びクリーニング部がクリーニング位置にあるときの概略的な正面図である。
【図16】図16は、第5の実施形態のインクジェットプリンタにおいて、画像記録部が画像記録位置にあり、クリーニング部が退避位置にあるときの概略的な正面図である。
【図17】図17は、第5の実施形態の画像記録部と蛇腹との接続を示す図である。
【図18】図18は、第5の実施形態のインクジェットプリンタにおいて、画像記録部が退避位置にあるときの概略的な正面図である。
【図19】図19は、第6の実施形態の画像記録部と蛇腹との接続を示す図である。
【図20】図20は、第6の実施形態のインクジェットプリンタにおいて、画像記録部が画像記録位置にあり、クリーニング部が退避位置にあるときの概略的な正面図である。
【図21】図21は、第6の実施形態のインクジェットプリンタにおいて、画像記録部が退避位置にあるときの概略的な正面図である。
【図22】図22は、第7の実施形態のインクジェットプリンタにおいて、搬送部が画像記録位置にあるときの概略的な正面図である。
【図23】図23は、第7の実施形態のインクジェットプリンタにおいて、搬送部が退避位置にあるときの概略的な正面図である。
【図24】図24は、第7の実施形態のインクジェットプリンタにおいて、クリーニング部がクリーニング位置に向かっている途中を示す概略的な正面図である。
【図25】図25は、搬送部の上面図である。
【図26】図26は、搬送部を媒体排出部側から見た図である。
【図27】図27は、ヘッドホルダの底面図である。
【図28】図28(a)は、クリーニング部の上面図であり、図28(b)は、クリーニング部の底面図である。
【図29】図29(a)並びに(b)は、排出ポート及び弁を示す概略図である。
【図30】図30は、第7の実施形態のインクジェットプリンタにおいて、クリーニング部がクリーニング位置にあるときの概略的な正面図である。
【図31】図31は、第8の実施形態のインクジェットプリンタにおいて、搬送部が画像記録位置にあるときの概略的な正面図である。
【図32】図32は、搬送部を媒体排出部側から見た図である。
【図33】図33は、第8の実施形態のインクジェットプリンタにおいて、搬送部が退避位置にあるときの概略的な正面図である。
【図34】図34は、第8の実施形態のインクジェットプリンタにおいて、クリーニング部がクリーニング位置に向かっている途中を示す概略的な正面図である。
【図35】図35は、第8の実施形態のインクジェットプリンタにおいて、クリーニング部がクリーニング位置にあるときの概略的な正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について、図1乃至図10を参照して説明する。
図1乃至図4は、インクジェット記録装置1の構成を概略的に示す正面図である。
インクジェット記録装置1は、大別すると、媒体供給部10と、搬送部20と、画像記録部30と、クリーニング部40と、インク供給部50と、廃液タンク70と、媒体排出部80と、により構成されている。これら構成部は、媒体排出部80の後述する媒体排出トレイ82を除き、インクジェット記録装置1のフレームを構成している筐体2内に収容されている。また、これら構成部は、パーソナルコンピュータやCPU等の演算処理部を備えた不図示の制御部により制御される。この制御部は、必要なプログラムやデータ等を記憶するメモリを有している。
【0013】
媒体供給部10は、本実施形態では筐体2の最下部に位置している。この媒体供給部10は、所定の大きさにカットされた用紙、フィルム等の記録媒体(カット媒体)90を収納する媒体供給トレイ11と、媒体供給トレイ11内に収納された記録媒体90を1枚ずつ取り出すピックアップローラ12と、を有している。媒体供給トレイ11からピックアップローラ12により供給された記録媒体90は、搬送部(搬送経路)20へと搬送される。
【0014】
搬送部20は、搬送ローラ対21と、ローラ22と、ドラム23と、剥離爪24と、を有している。搬送ローラ対21は、ピックアップローラ12によって1枚ずつ取り出された記録媒体90を挟持し、下流側の搬送経路へと搬送する。ローラ22は、搬送ローラ対21の下流側の搬送経路に、ドラム23に対向して設けられている。このローラ22は、搬送ローラ対21により搬送された記録媒体90をドラム23の外周面に案内する。ドラム23は、ドラム23の回転軸23aによって、筐体2に回転可能に軸支されている。このドラム23は、回転軸23aに連結された不図示の駆動モータの駆動により、一定速度で、時計回り方向に回転し、記録媒体90を画像記録部30(詳細は後述する)の直下を通過させて、下流側の搬送経路へと搬送する。剥離爪24は、画像記録部30の下流側の搬送経路に、ドラム23の外周面の近傍に配置されている。この剥離爪24は、記録媒体90をドラム23から剥離するとともに、媒体排出部80へ案内する。
【0015】
媒体排出部80は、媒体排出ローラ81と、媒体排出トレイ82と、を有している。媒体排出ローラ81は、搬送部20により搬送された記録媒体90を媒体排出トレイ82へと受け渡す。媒体排出トレイ82は、媒体排出ローラ81により受け渡された記録媒体90を整列収納する。
【0016】
次に、画像記録部30について、図5並びに図6を参照して説明する。
図5は、画像記録部30の斜視図である。画像記録部30は、ローラ22と剥離爪24との間の搬送経路中で、ドラム23と対向して配置されている。この画像記録部30は、例えば、搬送方向上流から下流に向けてシアン(C)、ブラック(K)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の4色のインクを吐出するラインヘッド(インクヘッド)31(31C、31K、31M、31Y)と、このインクヘッド31を保持している箱状のヘッドホルダ32と、を有している。インクヘッド31は、記録媒体90の搬送方向に直交する方向(主走査方向)に、記録媒体幅に対応した長さを有している。
【0017】
図6は、画像記録部30の底面図である。インクヘッド31は、インクを吐出する複数のノズル孔が形成されたノズル面31aを有している。また、ヘッドホルダ32の底面には、インクヘッド31(31C、31K、31M、31Y)にそれぞれ対応して4つの開口部33が形成されている。そして、各インクヘッド31(31C、31K、31M、31Y)は、開口部33に挿入され、位置決め固定される。なお、インクヘッド31のノズル面31aは、それぞれ、開口部33からヘッドホルダ32の下側に露出している。
【0018】
ヘッドホルダ32におけるインクヘッド31より上流側には、2つのガイド部32Aが設けられている。このガイド部32Aには、ガイド穴32Bが形成されており、このガイド穴32Bには、筐体2に固定され鉛直方向に延びたガイドシャフト3が摺動可能に挿通されている。また、ヘッドホルダ32におけるインクヘッド31Yより下流側には、ガイド部32Cが設けられている。このガイド部32Cには、ねじ部32Dが形成されており、このねじ部32Dには、筐体2に回転可能な状態で支持され鉛直方向に延びたリードスクリュ4が螺合されている。リードスクリュ4の上端部には、第1のギヤ34が取り付けられている。この第1のギヤ34には、昇降モータ35の軸35Aに取り付けられた第2のギヤ36が噛合しており、昇降モータ35の駆動によって第2のギヤ36が回転すると、第1のギヤ34が回転し、リードスクリュ4が回転する構成となっている。このように構成された画像記録部移動機構により、昇降モータ35の駆動によってリードスクリュ4が回転すると、リードスクリュ4と螺合されたガイド部32Cが上下動し、ヘッドホルダ32は、ガイドシャフト3に案内されながら昇降する。
【0019】
ヘッドホルダ32は、上記画像記録部移動機構によってドラム23から最も離間した図2並びに図3に示す退避位置、クリーニング部40によってクリーニングを行う図4に示すクリーニング位置、及び記録媒体90に画像記録を行う図1に示す画像記録位置の3つの位置を取るように移動する。その際、画像記録部移動機構は、図示しないセンサによってこれら3つのいずれかの位置に停止するよう制御される。
【0020】
さらに、ヘッドホルダ32には、クリーニング部40をインクヘッド31に対して位置決めするための係合穴32E、32Fが設けられている。この位置決めについては、後述する。
【0021】
次に、インク供給部50について説明する。
インク供給部50は、インクカートリッジ51と、供給電磁弁52と、サブタンク53と、インク供給チューブ54と、を有している。インクカートリッジ51は、サブタンク53よりも鉛直方向上方に配置されており、また、インクカートリッジ51とサブタンク53とは、供給電磁弁52を介して接続されている。さらに、サブタンク53は、インク供給チューブ54により所定のインクヘッド31と接続されている。
【0022】
画像記録やクリーニングなどでインクが消費されると、インクを補給するため、供給電磁弁52が開放されて、インクカートリッジ51内のインクをサブタンク53に供給する。サブタンク53は、不図示の液面検出機構を備えており、インクジェット記録装置1の不図示の制御部は、この液面検出機構によって液面を検出することにより、サブタンク53内の液面を監視し、液面の高さを一定の範囲に維持する。インクヘッド31は、インク供給部50から供給されたインクを記録媒体90に吐出して画像を記録する。なお、図1乃至図4では、インク供給部50が1組しか描かれていないが、インク供給部50は、インクの色毎にそれぞれ設けられている。本実施形態では、4色のインクを使用するため、インク供給部50は、4つ設けられている。
【0023】
次に、クリーニング部40について、図7並びに図8を参照して説明する。
図7は、クリーニング部40の斜視図である。また、図8は、クリーニング部40の上面図である。クリーニング部40は、クリーニング時にインクヘッド31から排出されたインクを回収するインク受け部材としてのインクパン41を有している。インクパン41の側部には、位置決めピン42a、42bが設けられており、これら位置決めピン42a、42bは、前述したヘッドホルダ32の係合穴32E、32Fに係合することにより、クリーニング部40をインクヘッド31に対して位置決めする。
【0024】
インクパン41は、支持部43の一端側によって支持されている。この支持部43の他端側は、ドラム23の回転軸23aと係合している。そして、支持部43は、インクパン41をドラム23の回転軸23aを中心にドラム23の外周面に沿って回動させる。詳細には、支持部43の他端側には、回動ギヤ5が設置され、駆動モータ7の駆動ギヤ6aと噛合している。そして、クリーニング部40(インクパン41)は、駆動モータ7が駆動することによって、図1に示す退避位置と、図4に示すクリーニング位置と、に移動する。なお、回動ギヤ5と、駆動モータ7とでクリーニング部移動機構を構成している。
【0025】
また、インクパン41には、内部にクリーニング部材としてのワイプ機構44が設けられている。ワイプ機構44は、ワイパ45と、ホルダ46と、リードスクリュ47と、を有している。ワイパ45は、各インクヘッド31のノズル面31aのインクを除去するように、ホルダ46に取り付けられている。リードスクリュ47は、インクヘッド31の主走査方向に沿って設けられ、両端がインクパン41の側面に回転可能に支持されている。このリードスクリュ47は、ホルダ46に設けられたねじ部(図示せず)と螺合している。そして、リードスクリュ47は、図示しないモータにより回転する。つまり、モータを駆動させてリードスクリュ47を回転させることにより、ホルダ46はインクパン41上をインクヘッド31の主走査方向に移動する。
【0026】
インクパン41には、排出ポート48が取り付けられており、この排出ポート48に廃液チューブ61の一端が接続されている。排出ポート48のこの一端には、図9に示す弁49が取り付けられている。弁49には、例えば、ゴム、薄板等を使用し、微小な圧力で動作するように構成されている。弁49は、図9の矢印方向に圧力が加わると、この方向に開いて経路を開放し、逆向きに圧力が加わると経路を遮断する。
廃液チューブ61の他端は、筐体2内の下部に設置された廃液タンク70に接続されている。廃液タンク70の上面には、大気開放口71が設けられている。
【0027】
また、インクパン41には、蛇腹60が取り付けられている。図10は、蛇腹60の形状を示す断面図である。蛇腹60の一端部60Aは、密閉された形状であり、また、他端部60Bには、ポート60Cが設けられている。一端部60Aは、図7に示すように、インクパン41の固定部41aに固定されており、また、他端部60Bは、図1乃至図4に示すように、保持部材8aにより筐体2に固定されている。他端部60Bのポート60Cには、チューブ62の一端が接続されており、このチューブ62の他端は、廃液チューブ61の途中に接続されている。チューブ62と廃液チューブ61との接続位置としては、廃液チューブ61内における廃液インクの流れの上流となる排出ポート48に近い位置が好ましい。
【0028】
次に、インクジェット記録装置1における画像記録動作について説明する。
まず、媒体供給トレイ11内の記録媒体90がピックアップローラ12によって1枚取り出される。取り出された記録媒体90は、搬送部20へと搬送され、搬送ローラ対21、ローラ22を経由して、ドラム23の外周面に、例えば静電吸着のような吸着手段(図示しない)により巻き付けられて搬送される。そして、画像記録部30の直下を通過したとき、不図示の制御部等からの画像データに基づき、インクヘッド31からインクが吐出されて、記録媒体90に画像が記録される。画像記録が終了した記録媒体90は、搬送経路の下流側の剥離爪24によりドラム23から引き剥がされ、媒体排出ローラ81を経由して媒体排出トレイ82内に排出される。
【0029】
次に、インクジェット記録装置1の画像記録部30のクリーニング動作及びクリーニング後の廃液処理動作について説明する。
画像記録時には、ヘッドホルダ32は、図1に示す画像記録位置にある。クリーニング時には、昇降モータ35を駆動させることにより第2のギヤ36が回転し、これに噛合している第1のギヤ34及びリードスクリュ4も回転する。リードスクリュ4が回転すると、リードスクリュ4に螺合されたガイド部32Cが鉛直方向上方に移動するため、ヘッドホルダ32は、ガイドシャフト3に案内されながら上昇し、図示しない上限センサが位置を検出して昇降モータ35の駆動を停止する。かくして、ヘッドホルダ32は、ドラム23から最も離間した図2及び図3に示す退避位置となる。
【0030】
次に、図3に示すように、駆動モータ7を駆動させて、支持部43に支持されたインクパン41をドラム23の回転軸23aを中心として画像記録部30に向けて回動させる。そして、図示しないセンサが、インクパン41がクリーニング位置に達したことを検出すると、駆動モータ7の動作を停止させる。かくして、クリーニング部40は、クリーニング位置となる。
【0031】
ここで、蛇腹60は、一端部60Aがインクパン41に固定され、他端部60Bは保持部材8aに固定されている。そのため、蛇腹60は、インクパン41が退避位置からクリーニング位置に向けて回動すると圧縮された状態から伸長する。つまり、クリーニング部40がクリーニング位置にある時、蛇腹60は、伸びた状態となる。
【0032】
この状態で昇降モータ35を再び駆動させて、ヘッドホルダ32を下降させる。そして、図示しないセンサが、ヘッドホルダ32がクリーニング位置に達したことを検出すると、昇降モータ35の駆動を停止させる。このようにして、ヘッドホルダ32、及びクリーニング部40は、図4に示すクリーニング位置となる。
【0033】
なお、ヘッドホルダ32がクリーニング位置まで下降する過程で、インクパン41に設けられた位置決めピン42a、42bが、ヘッドホルダ32の係合穴32E、32Fに挿入される。つまり、ヘッドホルダ32の下降によってクリーニング部40がインクヘッド31に接近すると、インクパン41の位置決めピン42a、42bがヘッドホルダ32の係合穴32E、32Fに挿入され、インクヘッド31とクリーニング部40の位置が決まり、クリーニング位置を確実にする。
【0034】
この状態で、インクヘッド31のインク供給側の経路に接続された加圧機構(図示しない)の動作によりインクヘッド31からインクが吐出される。その後、インクパン41内部のワイプ機構44を動作させる。すなわち、ワイパ45をインクヘッド31の主走査方向に移動させて、インクヘッド31のノズル面31aのインクをワイピングすることにより、クリーニング動作が行われる。
加圧機構によって吐出されたインク、及びワイパ45によりインクヘッド31のノズル面31aから除去されたインクは、廃液インクとしてインクパン41内に落下し、インクパン41から排出ポート48へ流れる。排出ポート48に集められた廃液インクは、弁49を開放することにより廃液チューブ61に流れる。さらに、廃液インクは、廃液チューブ61から廃液タンク70へと流れる。
【0035】
クリーニング動作が終了すると、昇降モータ35を駆動させ、ヘッドホルダ32を上昇させて、図2及び図3に示す退避位置に戻す。次に、駆動モータ7を駆動させ、クリーニング部40をドラム23の回転軸23aを中心として図1及び図2に示す退避方向に回動させる。
【0036】
ここで、蛇腹60は、インクパン41がクリーニング位置にある時、伸長している。この状態からインクパン41が退避位置に向けた回動すると、蛇腹60は、伸長した状態から圧縮される。そして、蛇腹60が圧縮されることによって正圧を発生し、発生した圧力は、チューブ62を通して廃液チューブ61内に作用する。このとき、廃液チューブ61内に作用した正圧によって、弁49は封止される。これにより、廃液チューブ61内にかかった正圧は、廃液タンク70が大気開放されているため廃液タンク70の方向に作用し、廃液チューブ61内のインクが廃液タンク70へ強制的に排出される。このように、インクパン41の移動によって伸縮する蛇腹60を設けることで、クリーニング後に廃液チューブ61内に溜まった廃インクを強制的に廃液タンク70に流すことができる。
【0037】
なお、本実施形態では、クリーニング部40がクリーニング位置に移動する際、蛇腹60が伸長することにより負圧が発生し、発生した圧力がチューブ62を通して廃液チューブ61内に作用するが、廃液タンク70が大気開放され、かつ廃液チューブ62内には前述したようにクリーニング位置から退避位置に戻る過程ですべての廃インクが廃液タンク70に排出されているため、チューブ62に廃インクが流れることはない。
【0038】
以上のように、本実施形態によれば、クリーニング部の移動によって圧力を発生させ、クリーニングで排出されたチューブ内の廃インクを廃液タンクに確実に流すことができる。なお、本実施形態では、インクパン41の排出ポート48に弁49を用いているが、代わりに電磁弁を設けて制御することも可能である。
【0039】
以下、本発明の第2乃至第8の実施形態について説明する。以下では、第1の実施形態と同等の部材には同じ参照符号を付して、その説明は省略する。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態について、図11を参照して説明する。以下では、主に、第1の実施形態と異なる構成及び動作について説明する。
【0040】
本実施形態の駆動モータ7の駆動ギヤ6bは、第1の実施形態の駆動ギヤ6aの一部の歯を削除した形状である。また、筐体2には、インクパン41がクリーニング位置に移動した際、インクパン41の端面に押圧されて圧縮状態となる圧縮ばね9が取り付けられている。
【0041】
クリーニング時には、インクパン41をクリーニング位置に移動させて、図示しないセンサがインクパン41の位置を検知してクリーニング位置で停止させる。クリーニング終了後、昇降モータ35を駆動させることにより、ヘッドホルダ32を退避位置に上昇させ、インクパン41を退避位置へ移動させる。その際、駆動モータ7を同一方向にさらに回転させると、駆動ギヤ6bの歯のない部分が回動ギヤ5に位置し、ギヤの噛み合いが解除される。そして、圧縮ばね9の作用で退避方向にインクパン41が押圧されて、クリーニング部40は自重で回動する。
【0042】
本実施形態によれば、駆動モータの回転方向を一方向のみにすることができ、制御が容易になる。また、退避動作時に駆動モータを駆動し続ける必要がなく、電力消費を抑えることができる。
【0043】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態について、図12乃至図14を参照して説明する。以下では、主に、第1の実施形態と異なる構成及び動作について説明する。
【0044】
本実施形態では、クリーニング部40を回転移動させる回動ギヤ5にアーム63が取り付けられている。このアーム63は、インクパン41の回動に追従して、回転軸23aを中心として回動する。
また、筐体2には、スライド部材64が設けられている。スライド部材64は、筐体2に設けられたガイド溝2aに案内されて横方向(水平方向)に移動する。スライド部材64の突起64aは、アーム63に設けられた溝63aと係合している。
蛇腹60の一端部60Aは、スライド部材64に固定されており、蛇腹60の他端部60Bは、筐体2に保持部材8aを介して固定されている。蛇腹60のポート60Cにはチューブ62の一端が接続されており、チューブ62の他端は廃液タンク70に接続されている。
【0045】
廃液タンク70の上面には、大気開放口71が設けられている。大気開放口71には、図14に示す弁72が取り付けられている。弁72には、例えば、ゴム、薄板等を使用し、微小な圧力で動作するように構成されている。この弁72は、通常は大気開放口71を開放する状態に保持され、図14の矢印方向に圧力が加わると、この方向に閉じて経路を遮断し、逆向きに圧力が加わると開放状態を維持する。
【0046】
次に、クリーニング動作及びクリーニング後の廃液処理動作について説明する。
画像記録時には、ヘッドホルダ32は、図12に示す画像記録位置にある。クリーニング時には、まず、昇降モータ35を駆動させることによりヘッドホルダ32をドラム23から最も離間した退避位置に移動させる。次に、駆動モータ7を駆動させて、支持部43に支持されたインクパン41をドラム23の回転軸23aを中心として画像記録部30に向けて回動させる。
【0047】
このとき、アーム63が移動し、アーム63と係合するスライド部材64がガイド溝2aに案内されて移動する。この移動により、蛇腹60は、図13(a)に示すように伸長した状態から図13(b)に示すように圧縮された状態となる。これによって、廃液タンク70には、チューブ62を介して正圧が加わるが、前述したように廃液タンク70の大気開放口71に取り付けられた弁72によって蛇腹60が圧縮されることによって発生した正圧は大気に逃げる。
【0048】
その後、クリーニング部40によってインクヘッド31のクリーニングが行われる。クリニーニングによって生じた廃インクは、インクパン41内に落下し、図8と同様に、排出ポート48へ流れる。排出ポート48に集められた廃インクは、弁49を開放することにより廃液チューブ61に流れる。さらに、廃インクは、廃液チューブ61から廃液タンク70へと流れる。
【0049】
クリーニングが終わると、ヘッドホルダ32を退避位置に移動させ、クリーニング部40を退避位置に移動させる。
このクリーニング部の回動によって、アーム63が移動し、アーム63と係合するスライド部材64がガイド溝2aに案内されて移動する。この移動により、蛇腹60は、図13(b)に示すように圧縮された状態から図13(a)に示すように伸長された状態となる。そして、蛇腹60が伸長されることによって、チューブ62を介して廃液タンク70内には、負圧がかかる。このとき、廃液タンク70内に作用した負圧によって、大気開放口71の弁72は封止される。つまり、廃液タンク70は、密閉状態となる。これにより、廃液タンク70内にかかった負圧は、廃液チューブ61に作用し、廃液チューブ61内のインクが廃液タンク70へ強制的に排出される。
【0050】
以上のように、本実施形態では、クリーニング部をクリーニング位置から退避位置に移動させ、蛇腹60を伸長させることで、廃液タンク70内を負圧状態にする。そして、廃液タンク70を負圧状態にすることで、廃液チューブ61内の廃インクを確実に廃液タンク70へと流すことができる。なお、クリーニング部40が退避位置からクリーニング位置に移動する時は、廃液タンク70は大気開放状態となっているため、蛇腹60が圧縮されても廃液タンク70は圧力変化の影響を受けない。
【0051】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態について、図15を参照して説明する。以下では、主に、第3の実施形態と異なる構成及び動作について説明する。
【0052】
本実施形態の駆動モータ7の駆動ギヤ6bは、第3の実施形態の駆動ギヤ6aの一部の歯を削除した形状である。また、筐体2には、インクパン41がクリーニング位置に移動した際、インクパン41の端面に押圧されて圧縮状態となる位置に、圧縮ばね9が取り付けられている。
【0053】
クリーニング時には、インクパン41をクリーニング位置に移動させて、図示しないセンサがインクパン41の位置を検知してクリーニング位置で停止させる。クリーニング終了後、昇降モータ35を駆動することにより、ヘッドホルダ32を退避位置に上昇させ、その後、インクパン41を退避位置へ移動させる。その際、駆動モータ7を同一方向にさらに回転させると、駆動ギヤ6bの歯のない部分が回動ギヤ5に位置し、ギヤの噛み合いが解除される。そして、圧縮ばね9の作用で退避方向にインクパン41が押圧され、クリーニング部40は自重で回動する。
【0054】
本実施形態によれば、駆動モータの回転方向を一方向のみにすることができ、制御が容易になる。また、退避動作時に駆動モータを駆動し続ける必要がなく、電力消費を抑えることができる。
【0055】
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態について、図16乃至図18を参照して説明する。以下では、主に、第1の実施形態と異なる構成及び動作について説明する。
【0056】
本実施形態では、ヘッドホルダ32の端部に保持部32Gを設け、蛇腹60の一端部60Aを保持部32Gに固定している。蛇腹60の他端部60Bは、筐体2に保持部材8bを介して固定されている。蛇腹60のポート60Cに接続されたチューブ66は、廃液タンク70に接続されている。クリーニング部40には、蛇腹60は取り付けられていない。廃液タンク70は、第3の実施形態と同様に、大気開放口71に弁72を取り付けた構造である。
【0057】
次に、クリーニング動作及びクリーニング後の廃液処理動作について説明する。
図16では、画像記録部30は、画像記録位置にある。この位置から、まず、昇降モータ35を駆動させて、ヘッドホルダ32を上昇させる。このとき、蛇腹60は、図18のように圧縮されて正圧が発生するが、廃液タンク70の弁72の構造により廃液タンク70が大気開放されているため、廃液タンク70は圧力変化の影響を受けない。
【0058】
そして、ヘッドホルダ32が退避位置に達すると、図示しないセンサがヘッドホルダ32の位置を検知して駆動を停止し、クリーニング部40の移動機構を動作させ、インクパン41を移動させる。インクパン41が停止すると、ヘッドホルダ32は、クリーニング位置まで下降されて、停止する。そして、この位置でクリーニングが実行される。クリーニングが終了すると、ヘッドホルダ32が退避位置に再び移動して停止し、クリーニング部40の移動機構を再び動作し、インクパン41を退避位置へ移動させる。その後、ヘッドホルダ32を下降させる。このヘッドホルダ32の下降動作によって、蛇腹60は伸長されていき、負圧が発生する。そして、この発生した圧力が、チューブ66を通して廃液タンク70内に作用する。このとき、廃液タンク70内に作用した負圧によって、大気開放口71の弁72は封止される。これにより、廃液タンク70内にかかった負圧は、廃液チューブ61に作用し、廃液チューブ61内のインクが廃液タンク70に排出される。
【0059】
本実施形態においても、画像記録部の移動によって圧力を発生させる動作により、クリーニング後の廃液を廃液タンクに確実に流すことができる。
なお、本実施形態では、ヘッドホルダ(画像記録部)の移動による圧力発生機構のみを作用させているが、上記実施形態のクリーニング部の移動による圧力発生機構を組み合わせた構成にすることも可能である。
【0060】
(第6の実施形態)
本発明の第6の実施形態について、図19乃至図21を参照して説明する。以下では、主に、第5の実施形態と異なる構成及び動作について説明する。
【0061】
本実施形態では、ヘッドホルダ32の端部に保持部32Hを設け、蛇腹60の一端部60Aを保持部32Hに固定している。蛇腹60の他端部60Bは、筐体2に保持部材8cを介して固定されている。蛇腹60のポート60Cに接続されたチューブ67は、廃液チューブ61に接続されている。廃液タンク70の上面には、大気開放口71が設けられている。クリーニング部40には、蛇腹60は取り付けられていない。
【0062】
次に、クリーニング動作及びクリーニング後の廃液処理動作について説明する。
図20では、画像記録部30は、画像記録位置にある。この位置から、まず、昇降モータ35を駆動させて、ヘッドホルダ32を上昇させる。このとき、蛇腹60は、図21に示すように伸長して負圧が発生するが、廃液タンク70が大気開放されているため、廃液チューブ61内のインクへの作用はない。
【0063】
そして、ヘッドホルダ32が退避位置に達すると、図示しないセンサがヘッドホルダ32の位置を検知して駆動を停止し、クリーニング部40の移動機構を動作させ、インクパン41を移動させる。インクパン41が停止すると、ヘッドホルダ32はクリーニング位置まで下降されて、停止する。そして、この位置でクリーニングが実行される。クリーニングが終了すると、ヘッドホルダ32が退避位置に再び移動して停止し、クリーニング部40の移動機構を再び動作し、インクパン41を退避位置へ移動させる。その後、ヘッドホルダ32を下降させる。このヘッドホルダ32の下降動作によって、蛇腹60は圧縮されていき、正圧が発生する。そして、この発生した圧力が、チューブ66を通して廃液チューブ61内に作用する。このとき、廃液チューブ61内に作用した正圧によって、インクパン41の排出ポート48の弁49は封止される。これにより、廃液チューブ61内にかかった正圧は、廃液タンク70の方向に作用し、廃液チューブ61内のインクが廃液タンク70へ強制的に排出される。
【0064】
本実施形態においても、画像記録部の移動によって圧力を発生させる動作により、クリーニング後の廃液を廃液タンクに確実に流すことができる。
なお、本実施形態においても、ヘッドホルダ(画像記録部)の移動による圧力発生機構のみを作用させているが、上記実施形態のクリーニング部の移動による圧力発生機構を組み合わせた構成にすることも可能である。
【0065】
(第7の実施形態)
本発明の第7の実施形態について、図22乃至図27を参照して説明する。
図22乃至図24は、本発明の第7の実施形態のインクジェット記録装置1の構成を概略的に示す正面図である。図25は、搬送部を上部から見た図で、図26は、搬送部を媒体排出部側から見た図である。図27は、ヘッドホルダ32を搬送部120側から見た図である。
【0066】
インクジェット記録装置100は、大別すると、媒体供給部110と、搬送部120と、画像記録部130と、クリーニング部140と、廃液タンク170と、媒体排出部180と、により構成されている。これら構成部は、不図示の筐体内に収容されている。また、これら構成部は、必要なプログラムやデータ等を記憶するメモリを有する不図示の制御部により制御される。
【0067】
媒体供給部110は、記録媒体90を積載する媒体供給トレイ111と、記録媒体90を1枚ずつピックアップして搬送部(搬送経路)120へ受け渡す媒体供給用のピックアップローラ112と、レジストローラ対113と、を有している。レジストローラ対113は、搬送される記録媒体90の搬送方向に対する傾き(斜行)を補正するためのローラである。レジストローラ対113は、ピックアップローラ112によって媒体供給された記録媒体90の先端をレジストローラ対113のニップ部に当接させ、記録媒体90の搬送方向に対する傾き(斜行)を補正してから、画像記録部130における画像記録タイミングに合わせて記録媒体90を搬送部120へと搬送する。
【0068】
搬送部120は、搬送フレーム121と、プラテン122と、搬送ベルト123と、駆動ローラ124と、従動ローラ125と、テンションローラ126と、吸引ファン127と、を有している。
【0069】
搬送ベルト123は、搬送される記録媒体90の幅寸法以上の幅を有して無端で帯状に形成され、かつその表面に多数の孔が設けられている。この搬送ベルト123は、搬送フレーム121に回転可能に保持された駆動ローラ124、従動ローラ125及びテンションローラ126に掛けられた状態で保持されている(図25)。
駆動ローラ124の軸端には、図示しないベルト駆動部が接続されている。このベルト駆動部を駆動することで駆動ローラ124が回転し、搬送ベルト123が所定方向に回転する。
【0070】
その際、従動ローラ125及びテンションローラ126も、搬送ベルト123の回転に従動して回転する。なお、従動ローラ125の軸端には、従動ローラ125の回転に基づく信号を出力するエンコーダ(不図示)が取り付けられている。このエンコーダから出力される信号に基づいて、画像記録部130は制御されている。また、テンションローラ126は、図示しないテンションばねにより搬送ベルト123に張力を与えている。
【0071】
搬送ベルト123の下方(裏面側)には、プラテン122が設けられている。このプラテン122も、搬送フレーム121によって保持されている。プラテン122は、少なくとも画像記録部130と対向する領域が平面となるように加工されており、多数の孔が形成されている。
また、吸引ファン127は、プラテン122に対して負圧を発生させる負圧発生手段であり、搬送ベルト123を介して記録媒体90を吸着保持するための吸引手段を構成している。
【0072】
搬送部120には、搬送部移動機構128が接続されている。搬送部移動機構128は、搬送部120を、画像記録部130に近接している画像記録位置(図22)と、画像記録位置から退避している退避位置(図23及び図24)と、クリーニング部140が画像記録部130をクリーニングするクリーニング位置(図30)と、に移動させる。搬送部移動機構128としては、例えば、ワイヤによる吊り上げ機構や、リンク機構等が適用される。
【0073】
図25並びに図26に示すように、プラテン122のリヤ側端部には凸部122aが設けられ、蛇腹160が接続されている。蛇腹160は、図10に示す蛇腹60と同様である。すなわち、蛇腹160の一端部160Aは、密閉された形状であり、また、他端部160Bには、ポート160Cが設けられている。一端部160Aは、プラテン122の凸部122aに固定されている。また、他端部160Bは、保持部材108aにより不図示の筐体に固定されている。他端部160Bのポート160Cには、チューブ162の一端が接続されており、このチューブ162の他端は、インクパン141の廃液チューブ161の途中に接続されている。
【0074】
次に、画像記録部130について説明する。
画像記録部130は、搬送部120の搬送経路中に、プラテン122に対向して配置されている。この画像記録部130は、例えば、シアン、ブラック、マゼンタ、イエローの4色のインクを吐出するラインヘッド131(131C、131K、131M、131Y)と、このラインヘッド131を保持しているヘッドホルダ132と、を有している。
【0075】
図27は、ヘッドホルダ132を搬送部120側から見た図である。ヘッドホルダ132には、複数の開口133が設けられており、これら開口133に短尺なインクヘッドを位置決めして固定している。これにより、記録媒体90の幅方向における画像記録が行われる記録領域と同等、又はそれ以上となるラインヘッド131を構成している。
【0076】
なお、本実施形態では、各色6つのインクヘッドを搬送方向と直交する方向に千鳥状に(互い違いに)配置し、記録媒体90の幅と同等、又はそれ以上となるラインヘッド131を構成しているが、もちろん、インクヘッドの数はこれに限定されず、1つの長尺なインクヘッドによってラインヘッド131を構成してもよい。
【0077】
ラインヘッド131は、不図示のインク供給部からそれぞれ供給された各色インクを、記録媒体90に吐出して画像を記録する。
【0078】
また、ヘッドホルダ132の四隅には、突き当て部133a、133bが設けられている。この突き当て部133a、133bは、搬送部120が上昇した時、プラテン122の表面に当接して、ラインヘッド131と記録媒体90との隙間が所定の値となるように規制している。そして、図22に示すように、突き当て部133a、133bとプラテン122とが当接した位置が画像記録位置となる。
【0079】
さらに、ヘッドホルダ132には、クリーニング部140を画像記録部130に対して位置決めするための係合穴132cが設けられている。搬送部120の上昇によってクリーニング部140が画像記録部130に接近すると、インクパン141の位置決めピン142a、142bがヘッドホルダ132の係合穴132cに挿入され、画像記録部130とクリーニング部140の位置が決まり、クリーニング位置を確実にする。
【0080】
次に、クリーニング部140について説明する。
クリーニング部140は、インクパン141と、スライドアーム143と、回動アーム144と、アームシャフト145と、アームシャフト145に連結される図示しない駆動部と、から構成されている。
【0081】
インクパン141は、樹脂などのインクを不透過で軽量な材料により形成されている。図28に示すように、インクパン141の内部には、インクヘッドのクリーニングを行うためのワイパや吸引機構等、第1の実施形態と同様のクリーニング部材が含まれている。また、インクパン141の側部には、位置決めピン142a、142bが設けられており、これら位置決めピン142a、142bは、前述したヘッドホルダ132の係合穴132cに係合する。
【0082】
さらに、インクパン141の搬送方向下流の端部には、両側面に軸146(146a、146b)が設けられており、軸146は、スライドアーム143に連結されている。スライドアーム143は、回動アーム144のガイド溝144aに係合し、スライド可能になっている。回動アーム144は、端部がアームシャフト145に固定されている。アームシャフト145は、不図示の筐体に回転可能に軸支され、図示しない駆動部が接続されている。この駆動部を駆動することでアームシャフト145が回転する。つまり、アームシャフト145が回転することで、回動アーム144が回動し、図23に示す状態から図24に示す状態となる。
【0083】
インクパン141の側面には、ガイドピン147が設けられており、このガイドピン147は、不図示の筐体に設けられたガイド部材に係合し、設定された軌跡通りに移動することができる。
【0084】
インクパン141には、排出ポート148が取り付けられており、この排出ポート148に廃液チューブ161の一端が接続されている。廃液チューブ161は、インクパン141の移動動作に支障がないように、全体又は一部が柔軟性(可撓性)を有している。排出ポート148のこの一端には、図29に示す弁149が取り付けられている。弁149には、例えば、ゴム、薄板等を使用し、微小な圧力で動作するように構成されている。弁149は、図29の矢印方向に圧力が加わると、この方向に開いて経路を開放し、逆向きに圧力が加わると経路を遮断する。
廃液チューブ161の他端は、廃液タンク170に接続されている。廃液タンク170の上面には、大気開放口171が設けられている。
【0085】
次に、媒体排出部180について説明する。
媒体排出部180は、搬送部120の搬送方向下流に配置され、画像記録部130により画像が記録された記録媒体90を排出する機構である。この媒体排出部180は、図22に示すように媒体排出ローラ対181、媒体排出トレイ182を有している。媒体排出ローラ対181は、画像記録済みの記録媒体90を搬送部120から排出する役目をなすものである。媒体排出トレイ182は、画像記録済みの記録媒体90を収納する。
【0086】
次に、インクジェット記録装置100における画像記録動作について説明する。
インクジェット記録装置100の図示されない操作パネルから画像形成の指示が入力操作される、又は信号線で接続された図示されないホスト機器から画像形成の指示信号が入力されると、搬送部120は搬送部移動機構128によって退避位置から上昇し、ヘッドホルダ132の突き当て部133a、133bにプラテン122が突き当てられた状態で停止する。
【0087】
その後、レジストローラ対113、駆動ローラ124、媒体排出ローラ対181が駆動された上で、ピックアップローラ112が駆動される。これにより、媒体供給トレイ111から最上部の1枚の記録媒体90が取り出される。そして、この記録媒体90は、レジストローラ対113のレジストローラ113aとレジストローラ113bとの対向部で形成されている把持部に達する。このとき、レジストローラ対113は、図示されないレジストクラッチによって回転が一時静止されている。これにより、レジストローラ対113に向けて搬送されてきた記録媒体90は、先端部が把持部に突き当たり、斜行があればその斜行が修正される。
【0088】
そして、所定時間後に、レジストクラッチによる回転制止が解除され、レジストローラ対113の回転を開始することにより、記録媒体90は、所定の速度で搬送部120の搬送ベルト123上へと送り出される。この搬送ベルト123上には、プラテン122に設けられた無数の孔と搬送ベルト123に設けられた無数の孔を介して吸引ファン127による吸引力が作用している。
そのため、レジストローラ対184から搬送ベルト123上に送り出された記録媒体90は、図22において時計回りに循環移動する搬送ベルト123上で、前述した吸引力によって吸着された状態になり、所定の搬送速度で搬送される。
【0089】
そして、搬送ベルト123によって記録媒体90が、各色に対応してヘッドホルダ132に配置されている各ラインヘッド131の下に搬送される。そして、画像形成位置にきたタイミングで、その記録媒体90上に、各ラインヘッド131からインク滴が吐出され、画像が記録される。
かくして、各色の画像が重ねて記録された記録媒体90は、媒体排出ローラ対181によって不図示の筐体の外側に排出され、媒体排出トレイ182内に収容される。そして、画像記録動作が終了して所定時間経過した後、搬送部120を画像記録位置から退避位置へと移動させる。
【0090】
次に、インクジェット記録装置100の画像記録部130のクリーニング動作及びクリーニング後の廃液処理動作について説明する。
まず、図示しない制御部により搬送部移動機構128を動作させると、搬送部120が下降し、図23に示す退避位置で停止する。この搬送部120の移動によって、搬送部120の凸部122aに接続された蛇腹160は圧縮されて、正圧を発生させる。発生された圧力は、チューブ162を通して廃液チューブ161内に作用する。このとき、廃液チューブ161内に作用した正圧によって、インクパン141の排出ポート148の弁149は封止される。これにより、廃液チューブ161内にかかった正圧は、廃液タンク170の方向に作用し、廃液チューブ161内のインクが廃液タンク170へ強制的に排出される。
【0091】
次に、アームシャフト145に接続された図示しない駆動部を駆動させることで、回動アーム144が回転する。この回転に追従して、スライドアーム143と連結されたインクパン141は、筐体の不図示のガイドレールに案内されながら搬送部120の上方に移動し、ラインヘッド131に対向した位置(図24)で停止する。
【0092】
次に、搬送部移動機構128により搬送部120が上昇すると、インクパン141の当接部141a、141bがプラテン122に当接し、図30に示すように、インクパン141は底部を下から持ち上げられて上昇する。このとき、スライドアーム143は、回動アーム144のガイド溝144aをスライドして上方へ引き出される。インクパン141が上昇すると、ヘッドホルダ132に位置決めピン143a、143bが係合して位置決めされ、所定のクリーニング位置に達すると、搬送部移動機構128が停止する。搬送部120の上昇によって、蛇腹160は伸長して負圧が発生するが、廃液タンク170が大気に開放されているため、廃液チューブ161内でのインクへの作用はない。
【0093】
次に、図示しないワイプ機構等を動作させて、ラインヘッド131のクリーニングが実行される。このクリーニング動作により、ラインヘッド131からインクが排出されて、インクパン141内に流出する。
【0094】
クリーニングが終了すると、インクパン141内に溜まったインクを廃液チューブ161へ流出させるために設定された時間だけ装置を待機させる。その後、インクパン141を退避させるために搬送部移動機構128が動作し、搬送部120を退避位置に移動させる。このとき、搬送部120の凸部122aに接続された蛇腹160は圧縮されて、正圧を発生させる。発生された圧力は、チューブ162を通して廃液チューブ161内に作用する。このとき、廃液チューブ161内に作用した正圧によって、インクパン141の排出ポート148の弁149は封止される。これにより、廃液チューブ161内にかかった正圧は、廃液タンク170方向に作用し、廃液チューブ161内のインクが廃液タンク170へ強制的に排出される。
【0095】
本実施形態では、搬送部の移動によって圧力を発生させる動作により、クリーニングで排出されたチューブ内のインクを廃液タンクに確実に流すことができる。
【0096】
(第8の実施形態)
本発明の第8の実施形態について、図31乃至図35を参照して説明する。以下では、主に、第7の実施形態と異なる構成及び動作について説明する。
【0097】
図31並びに図32に示すように、プラテン122のリヤ側端部には凸部122bが設けられ、蛇腹160が接続されている。蛇腹160の一端部160Aは、密閉された形状であり、他端部160Bには、ポート160Cが設けられている。一端部160Aは、プラテン122の凸部122bに固定されており、また、他端部160Bは、保持部材108bにより不図示の筐体に固定されている。他端部160Bのポート160Cには、チューブ163が接続されており、このチューブ163の他端は、廃液タンク170に接続されている。廃液タンク170は、第3の実施形態と同様に、大気開放部に弁を取り付けた構造である。クリーニング部140には、蛇腹160は取り付けていない。
【0098】
次に、クリーニング動作について説明する。
クリーニング実行までの動作は、第7の実施形態と同じである。搬送部120の移動によって、蛇腹160が圧縮されて正圧が発生するが、廃液タンク170の弁172の構造により廃液タンク170が大気に開放されるため、圧力変化の影響は受けない。
【0099】
クリーニングが終了すると、インクパン141内に溜まったインクを廃液チューブ161へ流出させるために設定された時間だけ装置を待機させる。その後、インクパン141を退避させるために搬送部移動機構128が動作し、搬送部120を退避位置に移動させる。この搬送部120の移動によって、搬送部120の凸部122bに接続された蛇腹160は伸長して、負圧を発生させる。発生された圧力は、チューブ163を通して廃液タンク170内に作用する。このとき、廃液タンク170内に作用した負圧によって、大気開放口171の弁172は封止される。これにより、廃液タンク170内にかかった負圧は、廃液チューブ161に作用し、廃液チューブ161内のインクが廃液タンク170に排出される。
【0100】
本実施形態においても、搬送部の移動によって圧力を発生させる動作によりクリーニング後の廃液を廃液タンクに確実に流すことができる。
また、第7及び第8の実施形態では、上下に昇降動作をする搬送部を示したが、片側のローラを回転中心として揺動移動する機構にも、移動動作で圧力が発生するような構成を入れて適用することができる。
【0101】
なお、上記各実施形態では、蛇腹を用いた構成を示しているが、これに限定されるものではなく、例えば、シリンダ及びピストンからなる構成でも可能である。
【0102】
また、本発明は、上述のいくつかの実施形態に限定されるものでなく、実施段階では、その要旨を変更しない範囲で種々変形することが可能である。
【符号の説明】
【0103】
1…インクジェット記録装置、2…筐体、3…ガイドシャフト、4…リードスクリュ、5…回動ギヤ、6a,6b…駆動ギヤ、7…駆動モータ、8a…保持部材、8b…ガイド溝、8c,8d…保持部材、9…圧縮ばね、10…媒体供給部、11…媒体供給トレイ、12…ピックアップローラ、20…搬送部、21…搬送ローラ対、22…ローラ、23…ドラム、23a…回転軸、24…剥離爪、30…画像記録部、31…インクヘッド、32…ヘッドホルダ、32A,32B,32C…ガイド部、32D…ねじ部、32E,32F…係合穴、32G,32H…保持部、33…開口部、34…第1のギヤ、35…昇降モータ、36…第2のギヤ、40…クリーニング部、41…インクパン、41a…固定部、42…支持部、43a,43b…位置決めピン、44…ワイプ機構、45…ワイパ、46…ホルダ、47…リードスクリュ、48…排出ポート、49…弁、50…インク供給部、51…インクカートリッジ、52…供給電磁弁、53…サブタンク、54…インク供給チューブ、60…蛇腹、60C…ポート、61…廃液チューブ、62…チューブ、63…アーム、64…スライド部材、66,67…チューブ、70…廃液タンク、71…大気開放口、72…弁、80…媒体排出部、81…媒体排出ローラ、82…媒体排出トレイ、90…記録媒体、100…インクジェット記録装置、110…媒体供給部、111…媒体供給トレイ、112…ピックアップローラ、113…レジストローラ対、120…搬送部、121…搬送フレーム、122…プラテン、123…搬送ベルト、124…駆動ローラ、125…従動ローラ、126…テンションローラ、127…吸引ファン、128…搬送部移動機構、130…画像記録部、131…インクヘッド、132…ヘッドホルダ、133…開口、140…クリーニング部、141…インクパン、142a,142b…位置決めピン、143…スライドアーム、144…回動アーム、145…アームシャフト、146…軸、147…ガイドピン、148…排出ポート、149…弁、160…蛇腹、160C…ポート、161…廃液チューブ、162,163…チューブ、170…廃液タンク、171…大気開放口、172…弁、180…媒体排出部、181…媒体排出ローラ対、182…媒体排出トレイ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のノズルが形成され、これらノズルからインクを吐出するインクヘッドを有する画像記録部と、
インクパンを有し、前記インクヘッドのインク吐出機能を維持回復するためにインクヘッドのクリーニング動作を行い、クリーニング動作により前記インクヘッドから回収された廃液を前記インクパンに収容するクリーニング部と、
画像記録される記録媒体を搬送する搬送部と、
前記クリーニング部を、前記インクヘッドに対向しているクリーニング位置と、前記インクヘッドから退避している退避位置とに移動させるクリーニング部移動機構と、
を具備するインクジェット記録装置において、
前記廃液を収集する廃液タンクと、
前記クリーニング部のインクパンと前記廃液タンクとを接続している廃液経路と、
前記クリーニング部移動機構による前記クリーニング部の移動によって圧力を発生させる圧力発生手段と、
前記圧力発生手段と前記廃液経路とを接続している配管と、
を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項2】
前記圧力発生手段により発生される圧力は、正圧であり、
前記インクパンと前記廃液経路との接続部には、前記廃液経路を一方向にのみ開放する弁が設けられ、
前記圧力発生手段により発生された正圧が、前記廃液経路内に加えられることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
【請求項3】
前記クリーニング部移動機構は、駆動モータを有し、
前記クリーニング部移動機構による前記クリーニング部の退避位置への移動は、前記駆動モータの駆動を切断して行うことを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
【請求項4】
複数のノズルが形成され、これらノズルからインクを吐出するインクヘッドを有する画像記録部と、
インクパンを有し、前記インクヘッドのインク吐出機能を維持回復するためにインクヘッドのクリーニング動作を行い、クリーニング動作により前記インクヘッドから回収された廃液を前記インクパンに収容するクリーニング部と、
画像記録される記録媒体を搬送する搬送部と、
前記クリーニング部を、前記インクヘッドに対向しているクリーニング位置と、前記インクヘッドから退避している退避位置とに移動させるクリーニング部移動機構と、
を具備するインクジェット記録装置において、
前記廃液を収集する廃液タンクと、
前記クリーニング部のインクパンと前記廃液タンクとを接続している廃液経路と、
前記クリーニング部移動機構による前記クリーニング部の移動によって圧力を発生させる圧力発生手段と、
前記圧力発生手段と前記廃液タンクとを接続している配管と、
を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項5】
前記圧力発生手段により発生される圧力は、負圧であり、
前記廃液タンクには、一方向にのみ開放する弁を備えた大気開放部が設けられ、
前記圧力発生手段により発生された負圧が、前記廃液タンク内に加えられることを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録装置。
【請求項6】
前記クリーニング部移動機構は、駆動モータを有し、
前記クリーニング部移動機構による前記クリーニング部の退避位置への移動は、前記駆動モータの駆動を切断して行うことを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録装置。
【請求項7】
複数のノズルが形成され、これらノズルからインクを吐出するインクヘッドを有する画像記録部と、
インクパンを有し、前記インクヘッドのインク吐出機能を維持回復するためにインクヘッドのクリーニング動作を行い、クリーニング動作により前記インクヘッドから回収された廃液を前記インクパンに収容するクリーニング部と、
画像記録される記録媒体を搬送する搬送部と、
前記画像記録部を、前記搬送部に対向している画像記録位置と、前記搬送部から退避している退避位置とに移動させる画像記録部移動機構と、
を具備するインクジェット記録装置において、
前記廃液を収集する廃液タンクと、
前記クリーニング部のインクパンと前記廃液タンクとを接続している廃液経路と、
前記画像記録部移動機構による前記画像記録部の移動によって圧力を発生させる圧力発生手段と、
前記圧力発生手段と前記廃液経路とを接続している配管と、
を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項8】
前記圧力発生手段により発生される圧力は、正圧であり、
前記インクパンと前記廃液経路との接続部には、前記廃液経路を一方向にのみ開放する弁が設けられ、
前記圧力発生手段により発生された正圧が、前記廃液経路内に加えられることを特徴とする請求項7に記載のインクジェット記録装置。
【請求項9】
複数のノズルが形成され、これらノズルからインクを吐出するインクヘッドを有する画像記録部と、
インクパンを有し、前記インクヘッドのインク吐出機能を維持回復するためにインクヘッドのクリーニング動作を行い、クリーニング動作により前記インクヘッドから回収された廃液を前記インクパンに収容するクリーニング部と、
画像記録される記録媒体を搬送する搬送部と、
前記画像記録部を、前記搬送部に対向している画像記録位置と、前記搬送部から退避している退避位置とに移動させる画像記録部移動機構と、
を具備するインクジェット記録装置において、
前記廃液を収集する廃液タンクと、
前記クリーニング部のインクパンと前記廃液タンクとを接続している廃液経路と、
前記画像記録部移動機構による前記画像記録部の移動によって圧力を発生させる圧力発生手段と、
前記圧力発生手段と前記廃液タンクとを接続している配管と、
を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項10】
前記圧力発生手段により発生される圧力は、負圧であり、
前記廃液タンクには、一方向にのみ開放する弁を備えた大気開放部が設けられ、
前記圧力発生手段により発生された負圧が、前記廃液タンク内に加えられることを特徴とする請求項9に記載のインクジェット記録装置。
【請求項11】
複数のノズルが形成され、これらノズルからインクを吐出するインクヘッドを有する画像記録部と、
インクパンを有し、前記インクヘッドのインク吐出機能を維持回復するためにインクヘッドのクリーニング動作を行い、クリーニング動作により前記インクヘッドから回収された廃液を前記インクパンに収容するクリーニング部と、
画像記録される記録媒体を搬送する搬送部と、
前記搬送部を、前記画像記録部に近接している画像記録位置と、前記画像記録部から退避している退避位置とに移動させる搬送部移動機構と、
を具備するインクジェット記録装置において、
前記廃液を収集する廃液タンクと、
前記クリーニング部のインクパンと前記廃液タンクとを接続している廃液経路と、
前記搬送部移動機構による前記搬送部の移動によって圧力を発生させる圧力発生手段と、
前記圧力発生手段と前記廃液経路とを接続している配管と、
を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項12】
前記圧力発生手段により発生される圧力は、正圧であり、
前記インクパンと前記廃液経路との接続部には、前記廃液経路を一方向にのみ開放する弁が設けられ、
前記圧力発生手段により発生された正圧が、前記廃液経路内に加えられることを特徴とする請求項11に記載のインクジェット記録装置。
【請求項13】
複数のノズルが形成され、これらノズルからインクを吐出するインクヘッドを有する画像記録部と、
インクパンを有し、前記インクヘッドのインク吐出機能を維持回復するためにインクヘッドのクリーニング動作を行い、クリーニング動作により前記インクヘッドから回収された廃液を前記インクパンに収容するクリーニング部と、
画像記録される記録媒体を搬送する搬送部と、
前記搬送部を、前記画像記録部に近接している画像記録位置と、前記画像記録部から退避している退避位置とに移動させる搬送部移動機構と、
を具備するインクジェット記録装置において、
前記廃液を収集する廃液タンクと、
前記クリーニング部のインクパンと前記廃液タンクとを接続している廃液経路と、
前記搬送部移動機構による前記搬送部の移動によって圧力を発生させる圧力発生手段と、
前記圧力発生手段と前記廃液タンクとを接続している配管と、
を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項14】
前記圧力発生手段により発生される圧力は、負圧であり、
前記廃液タンクには、一方向にのみ開放する弁を備えた大気開放部が設けられ、
前記圧力発生手段により発生された負圧が、前記廃液タンク内に加えられることを特徴とする請求項13に記載のインクジェット記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2012−20523(P2012−20523A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−160925(P2010−160925)
【出願日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(000250502)理想科学工業株式会社 (1,191)
【出願人】(511050985)オルテック株式会社 (24)
【Fターム(参考)】