説明

インクタンク及びインクジェット記録装置並びにインクタンクの製造方法

【課題】 記録ヘッドの発熱によるインクの温度上昇を抑える。
【解決手段】 インクタンク24は、ライン単位で画像を記録するラインヘッドであり、記録ヘッドの上方に取り付けられる。インクタンク24は、インクを収納する容器本体61と、この容器本体61の上部開口を封止する蓋部材62とからなる。容器本体61は、インク収納室64が形成された内容器66と、この内容器66を収容する外容器67とからなる。内容器66の外周面と、外容器67の内周面との間には空間71が形成される。この空間71は、インク収納室64の周囲に配置されている。この空間71は、外部からの放熱を遮断する断熱層であり、インク収納室64内のインクの温度上昇を抑える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吐出方式の記録ヘッドに供給されるインクを収納するインクタンク及びこれを用いたインクジェット記録装置並びにインクタンクの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
インクを吐出する吐出口が設けられたインク吐出方式の記録ヘッドを備え、この記録ヘッドからインクを液滴として吐出しこれを用紙に付着させて画像を記録する、いわゆるインクジェット記録装置が知られている。インクジェット記録装置には、インクを収納するインクタンクが設けられており、このインクタンクからインク供給路を通じて記録ヘッドへインクが供給される。このインクタンクは、例えば、記録ヘッドが設けられたヘッドユニットの上方に配置される(例えば、下記特許文献1参照)。
【0003】
記録ヘッドには、吐出口が形成された複数のノズル及び圧力室と、各圧力室に対応して圧電素子によって駆動される振動板とが設けられており、この振動板の振動による圧力室の体積変化により、ノズルから液滴が噴射される。
【特許文献1】特開2000−33715号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ヘッドユニットにインクタンクを取り付ける場合には、記録ヘッドの駆動部(例えば、圧電素子)の発熱によってインクタンク内のインクの温度が上昇することにより、粘度変化が生じて吐出特性が悪化したり、インクの蒸発によってインクが無駄に消費されてしまうという問題があった。特に、記録ヘッドが、ライン単位で画像を記録するラインヘッドの場合には、ノズルの数が多いため発熱も大きく、そうした問題が顕著になる。
【0005】
本発明は、記録ヘッドの発熱によるインクの温度上昇を抑えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のインクタンクは、吐出方式の記録ヘッドへ供給されるインクを収納するインク収納室を有する容器本体と、前記インク収納室の底部に設けられ前記容器本体外へインクを取り出して前記記録ヘッドへ供給するインク取出部とを備えたインクタンクにおいて、
前記インク収納室の周囲に配置され、外部からの放熱を遮断する断熱層を前記容器本体に設けたことを特徴とする。
【0007】
前記容器本体は、例えば、前記インク収納室が形成された内容器と、この内容器を収容する外容器とからなり、前記断熱層は、前記内容器の外周面と前記外容器の内周面との間の空間である。この空間は、例えば、真空にされたり、断熱材料が収容される。
【0008】
前記インク収納室には、毛管力によってインクを吸収して保持するとともに前記インク収納室内に負圧を発生させるインク吸収体が収納される吸収体収納室と、前記インク吸収体によって吸収されるインクを貯留する貯留室と、これら吸収体収納室と貯留室とを仕切る隔壁と、この隔壁に形成され前記貯留室と前記吸収体収納室とをそれらの床面付近で連通させ、前記吸収体収納室に前記容器本体外部から導入された大気と前記貯留室内のインクとを交換する連通口とが設けられている。
【0009】
前記隔壁には、前記連通口の上方に配置され、前記吸収体収納室から前記貯留室に大気を取り入れる大気取入口を設けることが好ましい。
【0010】
前記インク吸収体は、前記吸収体収納室内に上下に並べて配置された第1及び第2のインク吸収体からなり、前記大気取入口は、これら各インク吸収体の境界付近に設けられることが好ましい。
【0011】
使用初期に前記大気取入口を封止するとともに、前記インク収納室内のインクの液面が前記大気取入口に下降するまでの間に、その封止が解除される封止部材を設けてもよい。
【0012】
前記封止部材は、前記貯留室側から大気取り入れ口に着脱自在に取り付けられた封止キャップであり、インク消費による前記貯留室の圧力低下によって、前記大気取り入れ口から取り外されることが好ましい。
【0013】
前記記録ヘッドの上方に配置された装着部に着脱自在に取り付けられるカートリッジタイプであることが好ましい。
【0014】
前記記録ヘッドは、複数のノズルが配列された吐出面が画像の幅方向の長さに対応する長さを持ちライン単位で画像を記録するラインヘッドであり、前記インク収納室は、前記ラインヘッドの長さにほぼ対応した長さを持っている。
【0015】
前記インク供給部は前記吸収体収納室の下方に設けられており、前記インク供給部が、前記ラインヘッドの吐出面の長手方向のほぼ中央に対応する位置に配置されるように前記吸収体収納室を前記容器本体の中央に配置し、この吸収体収納室を挟み込むようにその両側に前記貯留室を配置することが好ましい。
【0016】
本発明のインクジェット記録装置は、吐出方式の記録ヘッドを用いて用紙に画像を記録するインクジェット記録装置であり、上記インクタンクを使用することを特徴とする。
【0017】
本発明のインクタンクの製造方法は、吐出方式の記録ヘッドへ供給されるインクを収納するインク収納室を有する容器本体と、前記インク収納室の周囲に配置され外部からの熱を遮断する断熱層と、前記インク収納室の上部開口を覆って前記インク収納室を封止する蓋部材とからなり、前記インク収納室は、毛管力によってインクを吸収して保持するとともに前記インク収納部内に負圧を発生させるインク吸収体が収納される吸収体収納室と、前記インク吸収体によって吸収されるインクを貯留する貯留室と、これら吸収体収納室と貯留室とを仕切る隔壁と、この隔壁に形成され前記貯留室と前記吸収体収納室とをそれらの床面付近で連通させ、前記吸収体収納室に前記容器本体外部から導入された大気と前記貯留室内のインクとを交換する連通口とを有しており、前記蓋部材は、前記貯留室に対応する位置に前記貯留室へインクを充填するためのインク充填口を有しているインクタンクの製造方法において、前記吸収体収納室に前記インク吸収体を収納するインク吸収体収納工程と、前記インク吸収体収納工程の後、前記吸収体収納室へ前記上部開口からインクを注入し前記インク吸収体にインクを吸収させながら前記吸収体収納室へインクを充填する第1インク充填工程と、前記第1インク充填工程の後、前記容器本体に前記蓋部材を取り付けて前記インク収納室を封止する蓋部材取り付け工程と、前記蓋部材取り付け工程の後、前記インク充填口から前記貯留室へインクを充填する第2インク充填工程と、前記第2インク充填工程の後、前記インク充填口に栓をして封止するインク充填口封止工程と、前記インク充填口封止工程の後、前記インク充填口と、前記蓋部材に形成され前記吸収体収納室へ大気を導入する導入口とを覆うシール部材を前記蓋部材の上面に貼り付けるシール貼り付け工程とを含むことを特徴とする。
【0018】
前記第1インク充填工程の前に、前記隔壁の前記連通口の上方位置に形成され前記吸収体収納室から前記貯留室に大気を取り入れる大気取入口に、封止部材を取り付けてもよい。
【0019】
前記容器本体を、前記インク収納室が形成された内容器と、この内容器を収容する外容器とから構成し、これら各容器の間に空間を生じさせることにより前記断熱層が形成されている場合には、前記蓋部材取り付け工程の前に、前記内容器を前記外容器に収容する内容器収容工程が含まれる。
【0020】
前記空間を真空にする場合には、前記蓋部材取り付け工程を真空環境で実行する。前記空間に断熱部材を収納する場合には、前記内容器収納工程の後、前記蓋部材取り付け工程の前に、断熱部材を収納する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1に示すインクジェット記録装置10には、長尺の用紙11が巻芯に巻き付けられた記録紙ロール12がセットされており、インクジェット記録装置10は、給紙ローラ13によって記録紙ロール12から用紙11を搬送路に引き出す。搬送路にはカッタ14が配置されており、このカッタ14によって用紙11が所定長さにカットされる。このカットされたシート15に対して画像が記録され、画像記録後、排紙トレイ16に排紙される。搬送路には、用紙11を搬送する複数の搬送ローラ対17〜20と、記録済みのシート15を排紙トレイ16に排紙する排紙ローラ対21が配置されている。これら給紙ローラ13,搬送ローラ対17〜20,排紙ローラ対21は、図示しない駆動モータによって駆動される。この駆動モータとしては、例えば、パルスモータが使用される。インクジェット記録装置10のコントローラ(図示せず)は、その駆動パルスをカウントすることにより、用紙11の搬送速度及び搬送量を制御する。
【0022】
搬送路内のプリントステージには、Y,M,C,Kの4色の画像をそれぞれ記録する記録ヘッドユニット22が配置されている。各記録ヘッドユニット22は、吐出口が形成された複数のノズルを備えたインク吐出方式の記録ヘッド23と、各記録ヘッド23へそれぞれ各色のインクを供給するインクタンク24とからなる。インクタンク24は、記録ヘッドユニット22に着脱自在に取り付けられるカートリッジタイプのインクタンクである。
【0023】
記録ヘッド23は、ノズルの吐出口が配列された吐出面がその吐出面が用紙11の幅方向(主走査方向)に延びた長尺状をしており、副走査方向に搬送されるシート15に対して、吐出面からインク滴を吐出して画像を記録するラインヘッドである。各記録ヘッドユニット22は、その吐出面がシート15と対面するように配置される。搬送路には、複数枚のシート15が連続的に給紙されて、記録ヘッド23は、給紙された順番に各シート15に対して順次印画を行う。シート15は、各記録ヘッドユニット22の記録タイミングに合わせて搬送されて、1画面分の画像が記録される。印画が終了したシート15は、排紙トレイ16に排紙される。このように、搬送路へ複数枚のシート15を連続的に給紙しながら印画を行うので、処理速度が速い。
【0024】
プリントステージには、各記録ヘッドユニット22と対向する位置に、吸引チャンバ26が配置されている。吸引チャンバ26の吸引面と用紙11の間には、多孔質ベルト27が配置されており、吸引チャンバ26は、この多孔質ベルト27を介して用紙11をその背面から吸引する。この吸引により、用紙11の記録面と各記録ヘッドユニット22の吐出面との間に一定のクリアランスが保たれて、ノズルから吐出されるインク滴の着弾位置の精度が確保される。また、吸引チャンバ26によって用紙11の搬送姿勢が安定するので、用紙11のジャミングも防止される。
【0025】
図2に示すように、記録ヘッドユニット22は、底部に記録ヘッド23が配置されたヘッドユニット本体31を備えており、インクタンク24は、ヘッドユニット本体31の記録ヘッド23の上方に設けられた装着部32に装着される。装着部32には、インクタンク24の底部に設けられたインク取出部34と嵌合する嵌合部36が設けられている。嵌合部36は、フイルタとその周囲に配置され前記インク取出部34と嵌合するリング状の弾性部材からなる。この嵌合部36とインク取出部34とが接続されると、インクタンク24から記録ヘッド23へのインク供給路が確立される。
【0026】
図3に示すように、嵌合部36は、記録ヘッド23の吐出面46の長手方向のほぼ中央に対応する位置に配置されている。吐出面46には、ノズルの吐出口47が複数個配列されている。吐出口47は、例えば、搬送方向に沿って6個ずつ配列されている。各ラインの吐出口47は、例えば、隣接するラインの各吐出口47と所定ピッチずつずらして配列されており、こうすることで、1ラインの画像に含まれる画素の間隔を細かくして、高解像度の画像を記録できるようにしている。
【0027】
各ノズルには、インク取出部34から嵌合部36に供給されたインクが、幹線流路48及び支線流路49とを通って供給される。幹線流路48は、吐出面46の幅方向のほぼ中央を、長手方向と略平行に配設されている。各支線流路49は、この幹線流路48から分岐しており、各ノズルに接続される。
【0028】
嵌合部36は、吐出面46の長手方向の中央に配置されている。ラインヘッドの場合には、吐出面46が細長になるため、嵌合部36から各ノズルまでの距離が長くなりがちである。特に、吐出面46の長手方向の一端に寄せて嵌合部36を配置してしまうと、他端に配置されたノズルまでの距離が長くなってしまう。そこで、嵌合部36を長手方向の中央に配置することで、嵌合部36から吐出面46の両端までの距離を均等にしている。これにより、嵌合部36と各ノズルまでの距離の差が小さくなるので、各ノズルにインクが均等に行き渡りやすくなる。
【0029】
嵌合部36の近傍には、インクタンク24内のインク残量の有無を調べてインク切れを検出するインク切れ検出センサ37が設けられている。インク切れ検出センサ37は、例えば、発光素子と受光素子とからなり、その投光面及び受光面がインクタンク24の底面と対面するように配置される。インク切れ検出センサ37は、インクタンク24に向けて投光し、その反射光を受光してその光量に応じたレベルの電気信号を出力する反射型フォトセンサであり、その信号レベルに基づいてインク残量の有無を検出する。
【0030】
また、ヘッドユニット本体31の底面には、搬送路に給紙された用紙11の幅を検出する用紙幅検出センサ39が設けられている。用紙幅検出センサ39としても、例えば、反射型フォトセンサが使用される。用紙幅検出センサ39は、例えば、異なる幅の2種類の用紙を識別することができるように、幅方向に4つのセンサを並べて配置している。幅広の用紙が給紙された場合には、4つのセンサから検出信号が出力され、幅が狭い用紙が給紙された場合には、中央よりの2つのセンサから検出信号が出力される。こうして、広狭2種類の用紙が識別される。これら用紙幅検出センサ39は、記録ヘッド23の吐出面よりも搬送方向上流側に配置される。また、この用紙幅検出センサ39は、用紙11の斜行を検出するセンサとしても利用可能である。
【0031】
ヘッドユニット本体31の長手方向の両端部には、インクジェット記録装置10のシャーシに固定するための取り付け部41,42が設けられている。また、一方の端部には、記録ヘッド23に駆動信号を送信して記録ヘッド23を制御するためのフレキシブルケーブル43の一端が取り付けられている。また、他方の端部には、インクタンク24と係合する係合穴44が形成されている。
【0032】
インクタンク24は、略長方形をしており、その一方の端部には、装着部32に装着されたときに係合穴44と係合する係合爪51aを含む係合部材51が設けられている。係合部材51は、弾性を備えており、装着部32への装着の際に弾性変形しながら装着部32内に進入し、係合爪51aが係合穴44の位置までくると、その弾性力によって係合爪51aを係合穴44に進入させて、装着部32と係合する。また、インクタンク24の上面には、後述する大気導入溝86の大半を覆うためのシール53が貼り付けられており、その大気導入溝86の一端86bが外部に露呈される。
【0033】
図4及び図5に示すように、インクタンク24は、インクを収納する容器本体61と、この容器本体61の上部開口を閉じる蓋部材62とからなる。容器本体61は、インクを収納するインク収納室64が形成された内容器66と、この内容器66を収容する外容器67とからなる。内容器66の外周のサイズは、外容器67の内周のサイズよりも一回り小さく形成されている。また、内容器66の底面には、外容器67の床面と当接して、両者の間に間隔を空けるためのリブ68が設けられている。これにより、内容器66を外容器67に収容したときに、内容器66の外周面と、外容器67の内周面との間には、空間71が形成されるようになっている。
【0034】
この空間71は、インク収納室64に対する外部からの放熱を遮断する断熱層として機能する。インクタンク24は、ヘッドユニット本体31の記録ヘッド23の上方に配置されるため、記録ヘッド23の発熱によってインクタンク24内のインクが加熱される。しかも、記録ヘッド23は、ラインヘッドであるため、そのノズルの数が多く発熱も大きい。インクが加熱されると、その温度上昇によってインク粘度が変化して吐出不良の原因となったり、蒸発によってインクが無駄に消費されてしまう。また、加熱によってインク収納室64の温度が上昇すると、その内部の圧力が上昇して、インクへの酸素の溶解量が多くなる。インク内の溶存酸素量が増加すると、インク内に気泡が発生して吐出不良の原因となったり、酸素とインクの化学反応によってインクの変質が生じるおそれもある。
【0035】
そのため、インク収納室64の周囲に断熱層となる空間71を設けることで、記録ヘッド23の発熱によるインク温度の上昇が抑えられるようにしている。また、容器本体61を透過して酸素がインク収納室64に進入するおそれもあるので、それを防止するために、空間71は、真空状態にしておくことが好ましい。また、空間71に、断熱材料を収容してもよい。断熱材料としては、例えば、気体であれば、窒素ガス,二酸化炭素ガスなどが使用される。液体であれば、水やシリコンオイルなどが使用される。また、ウレタンやシリコンなどの固体を使用してもよい。
【0036】
内容器66及び外容器67は、例えば、透明なプラスチックで形成されており、外部から中のインク残量を目視で確認できるようにしている。プラスチック材料としては、軽量で耐久性に富むポリプロピレンなどが好ましい。内容器66及び外容器67は、それぞれ、例えば、金型を用いた射出成形などの樹脂成形法によって製造される。後述するように、内容器66は、その内部が複数の部屋に別れており、それらの間には間仕切りが設けられる。このように内容器66は、その形状が複雑であるため、間仕切りと本体とを別々に成形し、それらを成形後接着してもよい。こうすれば金型を簡略化することができる。しかし、接着剤などがインクに対して悪影響を及ぼすおそれもある。そのような場合には、金型が複雑化することになるが、一体成型することが好ましい。こうすれば、工程数が減るため製造時間の短縮にもつながる。
【0037】
内容器66のインク収納室64は、毛管力によってインクを吸収して保持する第1及び第2のインク吸収体73,74を収納する吸収体収納室76と、各インク吸収体73,74が吸収するインクを貯留する貯留室77とからなる。吸収体収納室76と、貯留室77とは、隔壁79によって仕切られている。貯留室77は、その水平方向の断面が略コの字形をしており、インク収納室64の長手方向の中央に配置された吸収体収納室76を両側から挟み込むように配置される。吸収体収納室76の底部には、インク取出部34を構成する排出管82が形成されており、この排出管82内には、インクを濾過するフイルタ83が設けられている。
【0038】
第1及び第2の各インク吸収体73,74は、毛管力を発生する微細な空隙を含むスポンジ状の部材である。具体的には、ウレタンフォームなどを発泡させた発泡材料や、フエルトなどの繊維材料などの多孔質材料が使用される。これら各インク吸収体73,74は、その毛管力によって大気に対してインク収納室64内を負圧に保つ負圧発生部材である。インクタンク24が装着部32に装着されると、インク収納室64は、その下方に配置された記録ヘッド23と供給路を通じて連通する。インク収納室64を負圧にすることで、記録ヘッド23のノズル内圧が負圧に維持される。これにより、ノズルから不用意にインクが漏れ出ないようにしている。
【0039】
これら各インク吸収体73,74は、それぞれの上面と下面とを圧接させた状態で収納される。第1のインク吸収体73の毛管力は、第2のインク吸収体74の毛管力よりも高い。このような毛管力が異なる2種類のインク吸収体73,74を設けることで、インクタンク24の姿勢が変化したときに、吸収体収納室76の上方からインクが漏れ出てしまうことを防止している。
【0040】
というのは、蓋部材62には、吸収体収納室76に対応する位置に、大気導入口84が形成されている。このため、例えば、インクタンク24の姿勢が図に示す正姿勢の状態から傾くと、吸収体収納室76内のインクが蓋部材62に向けて流れ込み、大気導入口84を通じて、インクが外部に漏れ出てしまうおそれがある。しかし、第1のインク吸収体73の毛管力を、第2のインク吸収体74の毛管力よりも高くすれば、インクタンク24の姿勢が傾いた場合でも、第2のインク吸収体74が吸収しているインクを第1のインク吸収体73が吸引するので、第2のインク吸収体74から大気導入口84へのインクの流入を抑制することができる。なお、本例では、2種類のインク吸収体を設けた例で説明しているが、インク吸収体は1つでもよい。
【0041】
蓋部材62は、例えば、容器本体61に充填されたインクが上部開口から漏れることがないように容器本体61に熱溶着される。大気導入口84は、インク収納室64内のインクが消費されるのに応じて、空気を吸収体収納室76内に導入する。蓋部材62の上面には、曲がりくねった溝86が形成されている。この溝86の一端86aは、大気導入口84と接続されており、そこから他端86bに向かう途上には液溜め部87が設けられている。この溝86のうち、他端86b以外の部分は、その上方がシール53によって覆われて、他端86bだけが外部に露呈される。なお、インクタンク24の製造時には、他端86bも別のシールによって覆われている。ユーザーは、インクタンク24を使用する際に、このシールを剥がして他端86bを露呈させ、その状態でヘッドユニット本体31に装着する。
【0042】
この溝86は、吸収体収納室76内のインクが大気導入口84から漏れ出た場合に、そのインクを液溜め部87に導いて、インクタンク24の外部へのインク漏れを防止するとともに、インクタンク24内のインクの乾燥を防止する。大気は、他端86bから進入して大気導入口84に導かれる。また、蓋部材62の上面には、インク収納室64へインクを注入するインク充填口88が設けられている。インク充填口88は、インク充填後、栓89が取り付けられて封止される。
【0043】
また、蓋部材62の下面には、下方に突出する複数のリブ91が設けられている。各リブ91は、吸収体収納室76に対応する位置に配置されている。各リブ91は、蓋部材62が容器本体61に取り付けられると、吸収体収納室76内に進入して、第2のインク吸収体74の上面と当接して、第2のインク吸収体74を第1のインク吸収体73に圧接させる。また、これら各リブ91によって第2のインク吸収体74を押さえつけてその位置決めを行うことで、第2のインク吸収体74と蓋部材62との間に空間が確保される。これにより、第2のインク吸収体74が位置ずれして大気導入口84を塞いでしまうことを防止している。
【0044】
記録ヘッド23は、記録時には、インク収納室64の負圧に抗する吸引力を発生して、吸収体収納室76からインクを吸引してノズルの吐出口47から噴射する。この記録ヘッド23のインク吸引によって吸収体収納室76の圧力が減少して、大気導入口84から吸収体収納室76内に大気が導入される。また、隔壁79の下方には、貯留室77と吸収体収納室76とをそれらの床面付近で連通する連通口93が形成されている。インク収納室64に収納されたインクは、吸収体収納室76に充填されたインクから消費され、吸収体収納室76には、消費された分のインクが連通口93を通じて貯留室77から補充される。貯留室77は、インクが減少するとその内部の圧力が低下するので、連通口93を通じて大気を取り込む。気液交換動作を繰り返しながら、記録ヘッド23へのインク供給が行われる。
【0045】
貯留室77の床面には、連通口93の近傍位置に、インク切れ検出用のプリズム94が設けられている。プリズム94の尖頭は貯留室77の床面から上方に向けて突出している。インク切れ検出センサ37は、このプリズム94の下方から投光し、その反射光を受光することにより、インク切れを光学的に検知する。インク切れ検出センサ37は、プリズム94で反射した反射光の光量レベルに応じて、インク切れの有無を検知しているが、光量レベルに基づいて、残量の多寡を検知するようにしてもよい。このプリズム94の底部には、凹部(図6参照)が形成されており、これにより、成型時のプリズム94の歪みが防止されるとともに、受光素子へインク切れ検出の際にノイズとなる有害な拡散光が入射することが防止される。
【0046】
また、図6に示すように、連通口93の上部には、隔壁79の吸収体収納室76側の壁面に垂直方向に沿って複数本の溝を形成することにより、大気導入路93aが設けられている。この大気導入路93aは、第1インク吸収体73と隔壁79の壁面との間に空間を形成し、連通口93に大気を導入するための通路である。この大気導入路93aを設けることで、吸収体収納室76に導入された大気を連通口93に導入しやすくして、気液交換がスムーズに行われるようにしている。
【0047】
貯留室77は、その内部のインク減少による圧力低下を補うために連通口93を通じて大気を取り込む。しかし、連通口93は床面付近に形成されているため、貯留室77の圧力がかなり下がらないと貯留室77に大気が取り込まれない。そして、大気が取り込まれると、貯留室77の圧力は上昇するが、こうした圧力変動が激しいと、記録ヘッド23の吸引動作に影響を及ぼして、吐出の不安定化の原因となる。そこで、連通口93の上部に大気導入路93aを設けることで、気液交換動作による貯留室77の圧力変動の幅を小さくしている。
【0048】
また、隔壁79には、連通口93の上方位置に、連通口93とは別に、吸収体収納室76から貯留室77へ大気を取り入れる大気取入口96が形成されている。大気取入口96は、水平断面が略コの字形をしている隔壁79の三面にそれぞれ形成されている。この大気取入口96も、大気導入路93aと同様に、貯留室77の圧力変動の幅を小さくする目的で設けられる。大気取入口96は、連通口93よりも上方に配置されるので、貯留室77の圧力があまり下がりすぎない間に、大気を取り込むことができるので、より前記圧力変動が抑制される。
【0049】
この大気取入口96の上下方向の位置は、例えば、第1インク吸収体73と第2インク吸収体74の境界付近であり、より好ましくは、この境界近くで、かつ、第1インク吸収体73と対面する位置である。また、大気取入口96は、吸収体収納室76から貯留室77に向かってその口径が小さくなるように、内周面にテーパが付けられている。このように構成することで、吸収体収納室76から貯留室77への大気導入が容易になる。
【0050】
また、図7に示すように、大気取入口96には、製造時にキャップ99を取り付けてもよい。ヘッドユニット本体31へ装着前の未使用のインクタンク24は、インク収納室64がインクで満たされており、その液面LS(図6参照)は大気取入口96よりも高い位置にある。この状態で、大気取入口96が開放されていると、インクタンク24のハンドリング中にその姿勢が傾いた際に、大気導入口96を通じて気液交換動作が起こり、貯留室77内のインクが吸収体収納室76に流入し、吸収体収納室76内のインクが蓋部材62に向けて流れ込み、大気導入口84を通じてインクが外部に漏れ出てしまうおそれもある。こういった懸念がある場合には、キャップ99によって大気取入口96を封止する。もちろん、そうした懸念が無い場合には、キャップ99を設けなくてもよい。
【0051】
キャップ99は、貯留室77の圧力が低下して所定の負圧状態になったときに外れて、大気取入口96の封止が解除される。この封止の解除は、液面LSが大気取入口96の位置に下降するまでの間に行われる。大気取入口96の封止部材としては、キャップ99の他、インクに溶解する材料(例えば、染料や顔料の固形物)で形成されたシールや、所定の負圧値になると剥がれるシールなどでもよい。
【0052】
以下、上記構成による作用について説明する。プリント指示がなされると、記録紙ロール12から用紙11が給紙されて、ヘッドユニット22によって印画処理が開始される。記録ヘッド23がインクタンク24からインクを吸引して吐出口47からインク滴を吐出して用紙11に付着させることにより用紙11に画像が記録される。記録ヘッド23は、動作時間に応じて発熱が高くなり、上方のインクタンク24を加熱する。しかし、インクタンク24には、インク収納室64の周囲に断熱層が設けられているので、インク収納室64内のインク温度の上昇が抑制される。このため、インクの粘性変化による吐出不良や液滴量の変化も抑制される。また、蒸発によってインクが無駄に消費されてしまうこともない。
【0053】
また、インクタンク24の使用初期には、大気取入口96にキャップ99が取り付けられているが、インク消費によって貯留室77内のインク残量が減少すると、貯留室77内の負圧状態が高まり、キャップ99が外れる。そして、大気取入口96からの大気の取り込みが開始される。大気取入口96は、連通口93の大気導入路93aよりも上方に位置しているので、貯留室77の負圧がそれほど高まらないうちに大気の取り込みが開始される。そのため、貯留室77内の圧力変動の幅が小さくなり、記録ヘッド23の吐出が安定する。
【0054】
図8は、インクタンク24の製造方法を示すフローチャートである。まず、内容器66の隔壁79にキャップ99を取り付けて、大気取入口96を封止する。次に、吸収体収納室76に、第1及び第2の各インク吸収体73,74を収納する。そして、吸収体収納室76の上部開口からインクを注入し、各インク吸収体73,74にインクを吸収させながらインクを吸収体収納室76にインクを充填する。この後、内容器66を外容器67に収容する。
【0055】
そして、容器本体61に蓋部材62を取り付けてインク収納室64を封止する。蓋部材62を取り付ける工程を、真空環境で行うと、空間71を真空にすることができる。空間71に断熱部材を収容する場合には、蓋部材62を取り付ける前に、断熱部材を空間71に挿入する。この後、蓋部材62のインク充填口88からインクを注入して貯留室77にインクを充填する。インク充填口88に栓89を取り付けて、インク充填口88を封止する。蓋部材62の上面にシール53を貼り付ける。
【0056】
上記実施形態では、インクタンクを、ヘッドユニット本体に着脱自在に取り付けられるカートリッジタイプの例で説明したが、着脱自在でなくてもよく、インクタンクをヘッドユニット本体に固定して、記録ヘッドと分離不能にしてもよい。
【0057】
上記実施形態では、記録ヘッドをライン単位で画像を記録するラインヘッドの例で説明したが、主走査方向への移動によってライン画像を記録するシリアル方式の記録ヘッドに本発明を適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】インクジェット記録装置の概略構成を示す説明図である。
【図2】記録ヘッドユニットの説明図である。
【図3】吐出面の説明図である。
【図4】インクタンクの分解斜視図である。
【図5】インクタンクの長手方向の断面図である。
【図6】インクタンクの幅方向の断面図である。
【図7】大気取入口のキャップの説明図である。
【図8】インクタンクの製造手順を示す説明図である。
【符号の説明】
【0059】
10 インクジェット記録装置
11 用紙
22 記録ヘッドユニット
23 記録ヘッド
24 インクタンク
31 ヘッドユニット本体
36 インク取出部
61 容器本体
66 内容器
67 外容器
73 第1インク吸収体
74 第2インク吸収体
76 吸収体収納室
77 貯留室
79 隔壁
93 連通口
93a 大気導入路
96 大気取入口
99 キャップ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
吐出方式の記録ヘッドへ供給されるインクを収納するインク収納室を有する容器本体と、前記インク収納室の底部に設けられ前記容器本体外へインクを取り出して前記記録ヘッドへ供給するインク取出部とを備えたインクタンクにおいて、
前記インク収納室の周囲に配置され、その外部からの熱を遮断する断熱層を前記容器本体に設けたことを特徴とするインクタンク。
【請求項2】
前記容器本体は、前記インク収納室が形成された内容器と、この内容器を収容する外容器とからなり、前記断熱層は、前記内容器の外周面と前記外容器の内周面との間の空間であることを特徴とする請求項1記載のインクタンク。
【請求項3】
前記空間を、真空にしたことを特徴とする請求項2記載のインクタンク。
【請求項4】
前記空間に、断熱材料を収容したことを特徴とする請求項2記載のインクタンク。
【請求項5】
前記インク収納室には、毛管力によってインクを吸収して保持するとともに前記インク収納室内に負圧を発生させるインク吸収体が収納される吸収体収納室と、前記インク吸収体によって吸収されるインクを貯留する貯留室と、これら吸収体収納室と貯留室とを仕切る隔壁と、この隔壁に形成され前記貯留室と前記吸収体収納室とをそれらの床面付近で連通させ、前記吸収体収納室に前記容器本体外部から導入された大気と前記貯留室内のインクとを交換する連通口とが設けられていることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載のインクタンク。
【請求項6】
前記隔壁には、前記連通口の上方に配置され、前記吸収体収納室から前記貯留室に大気を取り入れる大気取入口を設けたことを特徴とする請求項5記載のインクタンク。
【請求項7】
前記インク吸収体は、前記吸収体収納室内に上下に並べて配置された第1及び第2のインク吸収体からなり、前記大気取入口は、これら各インク吸収体の境界付近に設けられることを特徴とする請求項6記載のインクタンク。
【請求項8】
使用初期に前記大気取入口を封止するとともに、前記インク収納室内のインクの液面が前記大気取入口に下降するまでの間に、その封止が解除される封止部材を設けたことを特徴とする請求項6又は7記載のインクタンク。
【請求項9】
前記封止部材は、前記貯留室側から大気取り入れ口に着脱自在に取り付けられた封止キャップであり、インク消費による前記貯留室の圧力低下によって、前記大気取り入れ口から取り外されることを特徴とする請求項8記載のインクタンク。
【請求項10】
前記記録ヘッドの上方に配置された装着部に着脱自在に取り付けられるカートリッジタイプであることを特徴とする請求項1〜9いずれか記載のインクタンク。
【請求項11】
前記記録ヘッドは、複数のノズルが配列された吐出面が画像の幅方向の長さに対応する長さを持ちライン単位で画像を記録するラインヘッドであり、前記インク収納室は、前記ラインヘッドの長さにほぼ対応した長さを持つことを特徴とする請求項1〜10いずれか記載のインクタンク。
【請求項12】
前記インク供給部は前記吸収体収納室の下方に設けられており、前記インク供給部が、前記ラインヘッドの吐出面の長手方向のほぼ中央に対応する位置に配置されるように前記吸収体収納室を前記容器本体の中央に配置し、この吸収体収納室を挟み込むようにその両側に前記貯留室を配置したことを特徴とする請求項11記載のインクタンク。
【請求項13】
吐出方式の記録ヘッドを用いて用紙に画像を記録するインクジェット記録装置であり、請求項1〜12いずれか記載のインクタンクを使用することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項14】
吐出方式の記録ヘッドへ供給されるインクを収納するインク収納室を有する容器本体と、前記インク収納室の周囲に配置され外部からの熱を遮断する断熱層と、前記インク収納室の上部開口を覆って前記インク収納室を封止する蓋部材とからなり、前記インク収納室は、毛管力によってインクを吸収して保持するとともに前記インク収納部内に負圧を発生させるインク吸収体が収納される吸収体収納室と、前記インク吸収体によって吸収されるインクを貯留する貯留室と、これら吸収体収納室と貯留室とを仕切る隔壁と、この隔壁に形成され前記貯留室と前記吸収体収納室とをそれらの床面付近で連通させ、前記吸収体収納室に前記容器本体外部から導入された大気と前記貯留室内のインクとを交換する連通口とを有しており、前記蓋部材は、前記貯留室に対応する位置に前記貯留室へインクを充填するためのインク充填口を有しているインクタンクの製造方法において、
前記吸収体収納室に前記インク吸収体を収納するインク吸収体収納工程と、
前記インク吸収体収納工程の後、前記吸収体収納室へ前記上部開口からインクを注入し前記インク吸収体にインクを吸収させながら前記吸収体収納室へインクを充填する第1インク充填工程と、
前記第1インク充填工程の後、前記容器本体に前記蓋部材を取り付けて前記インク収納室を封止する蓋部材取り付け工程と、
前記蓋部材取り付け工程の後、前記インク充填口から前記貯留室へインクを充填する第2インク充填工程と、
前記第2インク充填工程の後、前記インク充填口に栓をして封止するインク充填口封止工程と、
前記インク充填口封止工程の後、前記インク充填口と、前記蓋部材に形成され前記吸収体収納室へ大気を導入する導入口とを覆うシール部材を前記蓋部材の上面に貼り付けるシール貼り付け工程とを含むことを特徴とするインクタンクの製造方法。
【請求項15】
前記第1インク充填工程の前に、前記隔壁の前記連通口の上方位置に形成され前記吸収体収納室から前記貯留室に大気を取り入れる大気取入口に、封止部材を取り付ける封止部材取り付け工程を含むことを特徴とする請求項14記載のインクタンクの製造方法。
【請求項16】
前記容器本体は、前記インク収納室が形成された内容器と、この内容器を収容する外容器とからなり、これら各容器の間に空間を生じさせることにより前記断熱層が形成されており、前記蓋部材取り付け工程の前に、前記内容器を前記外容器に収容する内容器収容工程を含むことを特徴とする請求項14又は15記載のインクタンクの製造方法。
【請求項17】
前記蓋部材取り付け工程を真空環境で実行することを特徴とする請求項16記載のインクタンクの製造方法。
【請求項18】
前記内容器収納工程の後、前記蓋部材取り付け工程の前に、前記空間に断熱部材を収納する断熱部材収納工程を含むことを特徴とする請求項16記載のインクタンクの製造方法。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2006−272901(P2006−272901A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−99471(P2005−99471)
【出願日】平成17年3月30日(2005.3.30)
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】