説明

インク吐出方法、インク循環方法、及びインク吐出装置

【課題】本発明は、インクの吐出不良やインクの濃度変動等を防ぐことができ、インク吐出装置内でインクを循環させる時間を短縮することができるインク吐出方法、インク循環方法、及びインク吐出装置を提供する。
【解決手段】インク吐出装置1は、インクヘッド2の一面に形成してある複数のノズル21の開口部22からインク20を押出し、開口部22をインク20で覆う遮蔽部23を形成し、インクヘッド2にインク20を取入れ、インクヘッド2からインク20を排出することでインクヘッド2の内部経路2cにインクを流動させて、内部経路2cでのインク20の流動を停止した後、インクヘッド2の一面に形成された遮蔽部23を拭き取り、インクヘッド2の複数のノズル21からインク20を吐出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクヘッドのノズルからインクを吐出して印刷するインク吐出装置で用いるインク吐出方法、インク循環方法、及びインク吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インクヘッドのノズルからインクを吐出して印刷するインク吐出装置は、インクが液体成分に粒子成分(顔料、金属粒子等)を分散した構成である場合、インクヘッド内でインクの粒子成分が沈降し、粒子成分同士が凝集することがあった。
【0003】
特許文献1及び2に開示してあるインク吐出装置では、インクの液体成分に分散した粒子成分が沈降し、粒子成分同士が凝集するのを防止し、インクヘッドのノズルからインクを吐出するときに、インクの吐出不良、インクの濃度変動等を防ぐためにインク吐出装置内でインクを循環させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2007/097154号
【特許文献2】特開2009−196207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1及び2に開示してあるインク吐出装置では、インクヘッドとインクタンクとの間でインクを循環させているが、インクを循環させている間、印刷することができないので、インクを循環させる時間をできるだけ短縮することが望ましい。
【0006】
インクを循環させる時間を短縮するためには、インクヘッドとインクタンクとの間で循環させているインクの流れを速くする必要がある。しかし、インク吐出装置は、インクの流れを速くした場合、ノズルのインク循環経路に近い側とノズルの開口部側とで圧力差が生じ、ノズルの開口部から空気を吸い込むため、インクヘッドのノズルからインクを吐出して印刷するときに、インクの吐出不良、インクの濃度変動等が生じるという問題があった。
【0007】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、インクの吐出不良、インクの濃度変動等を防ぐことができ、インク吐出装置内でインクを循環させる時間を短縮することができるインク吐出方法、インク循環方法、及びインク吐出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために第1発明に係るインク吐出方法は、複数のノズルを有するインクヘッドからインクを吐出するインク吐出方法であって、前記インクヘッドの一面に形成してある複数の前記ノズルの開口部からインクを押出し、前記開口部をインクで覆う遮蔽部を形成する第1ステップと、前記インクヘッドにインクを取入れ、前記インクヘッドからインクを排出することで前記インクヘッドの内部経路にインクを流動させる第2ステップと、前記内部経路でのインクの流動を停止した後、前記インクヘッドの一面に形成された前記遮蔽部を拭き取る第3ステップと、前記インクヘッドの複数の前記ノズルからインクを吐出する第4ステップとを含む。
【0009】
第1発明では、インクヘッドの一面に形成してある複数のノズルの開口部からインクを押出し、開口部をインクで覆う遮蔽部を形成した後、インクヘッドにインクを取入れ、インクヘッドからインクを排出することでインクヘッドの内部経路にインクを流動させるので、インク吐出装置内で循環させるインクの流れを速くしても、インクヘッドのノズルの開口部から空気を吸い込むことがなく、インクの吐出不良やインクの濃度変動等を防ぐことができ、インク吐出装置内でインクを循環させる時間を短縮することができる。また、内部経路でのインクの流動を停止した後、インクヘッドの一面に形成された遮蔽部を拭き取るので、ノズルからインクを吐出するインクヘッドの一面が清掃され、異物や乾燥したインク残留物等がインクヘッドの一面に付着することで生じるインクの吐出不良を防ぐことができる。
【0010】
上記目的を達成するために第2発明に係るインク循環方法は、インクを吐出する複数のノズルと、インクを取入れるインク取入口と、インクを排出するインク排出口と、複数の前記ノズル、前記インク取入口及び前記インク排出口を連通する内部経路とを有するインクヘッドと、前記インク取入口と、前記インク排出口とを配管で繋ぐインク循環経路と、該インク循環経路と接続され、前記インク循環経路内のインクを押圧することで、前記インクヘッドの一面に形成してある複数の前記ノズルの開口部からインクを押出し、前記開口部をインクで覆う遮蔽部を形成するインク押圧機構と、前記インク循環経路内に配置され、前記インクヘッドの前記内部経路及び前記インク循環経路にインクを循環させるポンプとを備えるインク吐出装置で用いるインク循環方法であって、前記インク押圧機構が、前記インク循環経路内のインクを押圧することで、前記インクヘッドの一面に形成してある複数の前記ノズルの開口部からインクを押出し、前記遮蔽部を形成した後、前記ポンプが、前記インクヘッドの前記内部経路及び前記インク循環経路にインクを循環させる。
【0011】
第2発明では、インク押圧機構が、インク循環経路内のインクを押圧することで、インクヘッドの一面に形成してある複数のノズルの開口部からインクを押出し、遮蔽部を形成した後、ポンプが、インクヘッドの内部経路及びインク循環経路にインクを循環させるので、インク吐出装置内で循環させるインクの流れを速くしても、インクヘッドのノズルの開口部から空気を吸い込むことがなく、インクの吐出不良やインクの濃度変動等を防ぐことができ、インク吐出装置内でインクを循環させる時間を短縮することができる。
【0012】
上記目的を達成するために第3発明に係るインク吐出装置は、インクを吐出する複数のノズルと、インクを取入れるインク取入口と、インクを排出するインク排出口と、複数の前記ノズル、前記インク取入口及び前記インク排出口を連通する内部経路とを有するインクヘッドと、前記インク取入口と、前記インク排出口とを配管で繋ぐインク循環経路と、該インク循環経路と接続され、前記インク循環経路内のインクを押圧することで、前記インクヘッドの一面に形成してある複数の前記ノズルの開口部からインクを押出し、前記開口部をインクで覆う遮蔽部を形成するインク押圧機構と、前記インク循環経路内に配置され、前記インクヘッドの前記内部経路及び前記インク循環経路にインクを循環させるポンプと、前記インクヘッドの一面に形成された前記遮蔽部を拭き取る拭き取り手段とを備える。
【0013】
第3発明では、インク循環経路と接続されたインク押圧機構が、インク循環経路内のインクを押圧することで、インクヘッドの一面に形成してある複数のノズルの開口部からインクを押出し、開口部をインクで覆う遮蔽部を形成し、インク循環経路内に配置されたポンプが、インクヘッドの内部経路及びインク循環経路にインクを循環させるので、インク吐出装置内で循環させるインクの流れを速くしても、インクヘッドのノズルの開口部から空気を吸い込むことがなく、インクの吐出不良やインクの濃度変動等を防ぐことができ、インク吐出装置内でインクを循環させる時間を短縮することができる。また、拭き取り手段が、インクヘッドの一面に形成された遮蔽部を拭き取るので、ノズルからインクを吐出するインクヘッドの一面が清掃され、異物や乾燥したインク残留物等がインクヘッドの一面に付着することで生じるインクの吐出不良を防ぐことができる。
【0014】
また、第4発明に係るインク吐出装置は、第3発明において、前記インク押圧機構は、インクを貯留するインクタンクと、該インクタンクに圧縮ガスを供給するガス供給経路と、圧縮ガスの供給を制御する制御手段とを有し、前記インクタンクに圧縮ガスを供給することで、前記インク循環経路内のインクを押圧し、前記インクヘッドの一面に形成してある複数の前記ノズルの前記開口部からインクを押出して前記開口部をインクで覆う遮蔽部を形成する。
【0015】
第4発明では、インク押圧機構は、インクを貯留するインクタンクと、該インクタンクに圧縮ガスを供給するガス供給経路と、圧縮ガスの供給を制御する制御手段とを有し、インクタンクに圧縮ガスを供給することで、インク循環経路内のインクを押圧し、インクヘッドの一面に形成してある複数のノズルの開口部からインクを押出して開口部をインクで覆う遮蔽部を形成するので、開口部からインクを押出すために、別途ポンプ等の装置を設けることなく、インクタンクに圧縮ガスを供給する簡単な機構でインク循環経路内のインクを押圧することができる。
【0016】
上記目的を達成するために第5発明に係るインク吐出装置は、インクを吐出する複数のノズルと、インクを取入れるインク取入口と、インクを排出するインク排出口と、複数の前記ノズル、前記インク取入口及び前記インク排出口を連通する内部経路とを有するインクヘッドと、インクを貯留するインクタンクと、前記インクタンクと前記インク取入口とを接続する第1配管と、前記インクタンクと前記インク排出口とを接続する第2配管とを有するインク循環経路と、前記第1配管及び前記第2配管と接続され、前記インク循環経路内のインクを押圧することで、前記インクヘッドの一面に形成してある複数の前記ノズルの開口部からインクを押出し、前記開口部をインクで覆う遮蔽部を形成するインク押圧機構と、前記第1配管又は前記第2配管内に配置され、前記インクタンク、前記インクヘッドの前記内部経路及び前記インク循環経路にインクを循環させるポンプと、前記インクヘッドの一面に形成された前記遮蔽部を拭き取る拭き取り手段とを備える。
【0017】
第5発明では、インクタンクとインク取入口とを接続する第1配管と、インクタンクとインク排出口とを接続する第2配管とを有するインク循環経路を備え、第1配管及び第2配管と接続されたインク押圧機構が、インク循環経路内のインクを押圧することで、インクヘッドの一面に形成してある複数のノズルの開口部からインクを押出し、開口部をインクで覆う遮蔽部を形成し、第1配管又は第2配管内に配置されたポンプが、インクタンク、インクヘッドの内部経路及びインク循環経路にインクを循環させるので、インクタンクを含むインク吐出装置内で循環させるインクの流れを速くしても、インクヘッドのノズルの開口部から空気を吸い込むことがなく、インクの吐出不良やインクの濃度変動等を防ぐことができ、インクタンクを含むインク吐出装置内でインクを循環させる時間を短縮することができる。また、拭き取り手段が、インクヘッドの一面に形成された遮蔽部を拭き取るので、ノズルからインクを吐出するインクヘッドの一面が清掃され、異物や乾燥したインク残留物等がインクヘッドの一面に付着することで生じるインクの吐出不良を防ぐことができる。
【0018】
また、第6発明に係るインク吐出装置は、第5発明において、前記インク押圧機構は、前記インクタンクに圧縮ガスを供給するガス供給経路と、圧縮ガスの供給を制御する制御手段とを有し、前記インクタンクに圧縮ガスを供給することで、前記インク循環経路内のインクを押圧し、前記インクヘッドの一面に形成してある複数の前記ノズルの前記開口部からインクを押出して前記開口部をインクで覆う遮蔽部を形成する。
【0019】
第6発明では、インク押圧機構は、インクタンクに圧縮ガスを供給するガス供給経路と、圧縮ガスの供給を制御する制御手段とを有し、インクタンクに圧縮ガスを供給することで、インク循環経路内のインクを押圧し、インクヘッドの一面に形成してある複数のノズルの開口部からインクを押出して開口部をインクで覆う遮蔽部を形成するので、開口部からインクを押出すために、別途ポンプ等の装置を設けることなく、インクタンクに圧縮ガスを供給する簡単な機構でインク循環経路内のインクを押圧することができる。
【発明の効果】
【0020】
上記構成によれば、インクヘッドの一面に形成してある複数のノズルの開口部からインクを押出し、遮蔽部を形成した後、インクヘッドにインクを取入れ、インクヘッドからインクを排出することでインクヘッドの内部経路にインクを流動させるので、インク吐出装置内で循環させるインクの流れを速くしても、インクヘッドのノズルの開口部から空気を吸い込むことがなく、インクの吐出不良やインクの濃度変動等を防ぐことができ、インク吐出装置内でインクを循環させる時間を短縮することができる。また、内部経路でのインクの流動を停止した後、インクヘッドの一面に形成された遮蔽部を拭き取るので、ノズルからインクを吐出するインクヘッドの一面が清掃され、異物や乾燥したインク残留物等がインクヘッドの一面に付着することで生じるインクの吐出不良を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態1に係るインク吐出装置の構成を示す概略図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係るインク吐出装置のインク循環方法を示す概略図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係るインク吐出装置において、インク膜を形成したインクヘッドを下方から見た概略図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係るインク吐出装置における、質量比と循環時間との関係を示すグラフである。
【図5】本発明の実施の形態1に係るインク吐出装置の拭き取り手段の別の構成を示す概略図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係るインク吐出装置の拭き取り手段のさらに別の構成を示す概略図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係るインク吐出装置の別の構成を示す概略図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係るインク吐出装置の構成を示す概略図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係るインク吐出装置の別の構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るインク吐出装置の構成を示す概略図である。図1に示すインク吐出装置1は、インクヘッド2、インクタンク3、インク循環経路4、ポンプ5、拭き取り手段6、インク補充経路7を備えている。インクヘッド2は、インク20を吐出する複数のノズル21の開口部22を一面に形成してあり、圧電素子等によりノズル21内のインク20を押出すことで、ノズル21の開口部22からインク20を吐出する。インクヘッド2のサイズは、例えば、長さが略120mm、幅が略10mm、高さが略100mmである。ノズル21の数は、インク20を吐出して印刷する対象物により異なり数十本〜数百本程度であり、ノズル21のピッチは広くて1mm程度である。なお、ノズル21の開口部22の配列は、一列であっても、複数列であっても良い。また、複数のノズル21の開口部22の全てが連続して配列されている必要はない。さらに、インクヘッド2は、インク循環経路4からインクを取入れるインク取入口2aと、インクをインク循環経路4に排出するインク排出口2bと、複数のノズル21、インク取入口2a及びインク排出口2bを連通する内部経路2cとを有している。
【0024】
インク循環経路4は、インクヘッド2のインク取入口2aとインク排出口2bとを配管で繋ぎ、インク20を循環させる経路である。本発明の実施の形態1では、インク循環経路4及びインクヘッド2の内部経路2cで構成される環状経路にインク20を循環させる。特に、金属粒子等の粒子成分を含むインク20の場合、印刷を停止している間、インクヘッド2内でインク20の粒子成分が沈降し、粒子成分同士が凝集するのを防止する必要があるため、環状経路にインク20を循環させている。インク循環経路4には、例えば、径が略2mm〜略3mm、長さが略800mmのシリコン系配管を用いている。
【0025】
ポンプ5は、インク循環経路4内のインクヘッド2のインク取入口2a側に配置され、インクヘッド2及びインク循環経路4にインク20を供給する。インクヘッド2及びインク循環経路4にインク20を供給して、環状経路にインク20を循環させることで、インクヘッド2の内部経路2cのインク20が流動し、インクヘッド2内でインク20の粒子成分が沈降し、粒子成分同士が凝集するのを防止することができる。ポンプ5は、例えばペリスタルティックポンプであり、ポンプ流量は略700mL/h以下であり、特に、ポンプ流量が略100mL/h以下のポンプを使用することが好ましい。なお、ポンプ5の動作は、制御装置37で制御している。
【0026】
インクタンク3は、インク20を貯留する。インク吐出装置1で使用するインク20は、例えば、顔料系インク、金属粒子(電極材料であるAu、Ag、Cu、Pd、Ni)、又は導電性粒子を含むインクであり、液体成分に粒子成分(顔料、金属粒子等)を分散した構成である。なお、インク20に、金属粒子等に加えてセラミックや樹脂を含んでも良い。また、インク20の粘度は、略40mPa・S以下の低粘度が好ましく、特に略10mPa・S〜略25mPa・Sの粘度が好ましい。インクタンク3の容量は、例えば略50mLである。
【0027】
インク補充経路7は、インクタンク3のインク20をインク循環経路4へ供給するための経路であり、ポンプ5の吸入側にあるインク循環経路4に接続してある。インクヘッド2のノズル21から吐出するインク20や、後述するノズル21の開口部22を覆うインク膜(開口部22をインク20で覆う遮蔽部)を形成するインク20は、インク補充経路7を通ってインク循環経路4に必要な量が補充される。インク補充経路7には、例えば、径が略2mm〜略3mm、長さが略800mmのシリコン系配管を用いている。
【0028】
インクタンク3の上方には、真空引きするための真空経路31と、圧縮空気(圧縮ガス)を供給するためのガス供給経路32とが接続されている。定常的にノズル21からインク20が垂れ落ちないように、密閉されたインクタンク3内を真空引してある。一方、インク20をノズル21から吐出時に比べて多量に排出させるとき(パージ時)、真空経路31に設けてある真空用の開閉弁33を閉じて、ガス供給経路32に設けてある圧縮空気用の開閉弁34を開き、インクタンク3内に圧縮空気を供給する。インクタンク3内に圧縮空気を供給することにより、インクタンク3内のインク20が、インク補充経路7を介してインク循環経路4内のインク20を押圧し、ノズル21の開口部22からインク20を押出して、インク20をノズル21から吐出時に比べて多量に排出させる(パージ動作)。なお、真空用の開閉弁33は、圧力調整弁35を介して真空ポンプに接続してある。また、圧縮空気用の開閉弁34は、圧力調整弁36を介して圧縮空気供給源に接続してある。さらに、真空用の開閉弁33及び圧縮空気用の開閉弁34の開閉は、制御装置37で制御している。
【0029】
本発明の実施の形態1では、インク20を貯留するインクタンク3と、インクタンク30に圧縮空気を供給するガス供給経路32と、圧縮空気の供給を制御する制御手段である開閉弁34及び制御装置37とにより、インク循環経路4内のインク20を押圧するインク押圧機構を構成している。インク押圧機構を、インクタンク3と、ガス供給経路32と、制御手段である開閉弁34及び制御装置37とで構成することで、別途ポンプ等の装置を設けることなく、インク循環経路4内のインク20を押圧することができる。なお、インク押圧機構は、上述の構成に限定されるものではなく、インク循環経路4内のインク20を押圧することができればいずれの構成であっても良い。
【0030】
拭き取り手段6は、インクヘッド2の一面のインク20を拭き取る。拭き取り手段6は、例えば、インクヘッド2の一面を、回転しながら移動してインク20を拭き取るワイプローラである。ワイプローラは、周面に不織布ウエスを備え、汚れた面でインク20を拭き取らないように、周長(円周)がインクヘッド2の一面の長さ(ワイプローラの進行方向の長さ)となっている。拭き取り手段6は、一軸ロボット61に取り付けられ、水平方向に移動可能である。なお、一軸ロボット61による拭き取り手段6の水平方向への移動は、制御装置37で制御している。
【0031】
インクヘッド2の下方に、被印刷物63を載置したステージ62を配置してある。被印刷物63は、ステージ62に吸着され、ステージ62に対して移動しないように固定されている。ステージ62は、三軸方向に移動可能で、インクヘッド2のノズル21から吐出するインク20の位置に合わせて、載置した被印刷物63を移動させる。なお、ステージ62の移動は、制御装置37で制御している。パージ動作を行うとき、インク回収箱64をインクヘッド2の下に配置し、ノズル21から排出されたインク20を回収する。
【0032】
図2は、本発明の実施の形態1に係るインク吐出装置1のインク循環方法を示す概略図である。まず、図2(a)に示すように、複数のノズル21の開口部22からインク20を押出し、複数のノズル21の開口部22を覆うインク膜(遮蔽部)23を形成する。インク膜23の形成は、インク吐出装置1がインク20を吐出して印刷を終了してから行う。複数のノズル21の開口部22からインク20を押出す動作は、例えば、パージ動作を利用する。本発明の実施の形態1では、パージ動作を利用して、インク循環経路4内のインク20を押圧することで、インクヘッド2の一面に形成してある複数のノズルの開口部22からインク20を押出し、開口部22をインク20で覆うことで遮蔽している。
【0033】
図3は、本発明の実施の形態1に係るインク吐出装置1において、インク膜23を形成したインクヘッド2を下方から見た概略図である。図3に示すように、インクヘッド2は、複数のノズル21の開口部22を一面に形成してあり、複数のノズル21の開口部22を覆うインク膜(遮蔽部)23が形成されている。つまり、インクヘッド2の一面には、隣接するノズル21の開口部22から押出されたインク20が繋がって、複数のノズル21の開口部22を覆うインク膜23が形成されている。なお、インク膜23は、隣接するノズル21の開口部22から押出されたインク20同士が繋がる程度の大きさが好ましいが、少なくとも複数のノズル21の開口部22を覆う大きさがあれば良い。例えば、4本のノズル21の開口部22のうち、2本のノズル21の開口部22を覆う1つのインク膜23と、残りの2本のノズル21の開口部22をそれぞれ覆う2つのインク膜23とが形成されていても良い。なお、インク膜23を形成するためにノズル21の開口部22から押出すインク20の量は、インクヘッド2の一面からインク20が滴下してノズル21の開口部22が露出しない程度の量に制限する必要がある。
【0034】
次に、図2(b)に示すように、ポンプ5が、インク循環経路4へのインク20の供給を開始して、環状経路にインク20を循環させる。具体的に、矢印の示す方向、すなわち、ポンプ5−インク循環経路4−インクヘッド2−インク循環経路4の方向にインク20を循環させている。従来のインク吐出装置では、インクの流れを速くした場合、ノズルのインク循環経路に近い側とノズルの開口部側とで圧力差が生じ、ノズルの開口部から空気を吸い込むため、インクヘッドのノズルからインクを吐出して印刷するときに、インクの吐出不良、インクの濃度変動等が生じていた。しかし、本発明の実施の形態1に係るインク吐出装置1では、インク20の流れを速くして、ノズル21のインク循環経路4に近い側とノズル21の開口部22側とで圧力差が生じた場合であっても、複数のノズル21の開口部22をインク20で覆う遮蔽部(インク膜23)が形成してあるので、ノズル21の開口部22から空気を吸い込むことがなく、インクヘッド2のノズル21からインク20を吐出して印刷するときに、インク20の吐出不良、インク20の濃度変動等を防ぐことができる。
【0035】
図4は、本発明の実施の形態1に係るインク吐出装置1における、質量比と循環時間との関係を示すグラフである。図4に示す横軸は環状経路にインク20を循環させる時間を示し、縦軸はインクヘッド2のノズル21からインク20を吐出して正常な状態(インク20の粒子成分が沈降しておらず、粒子成分同士が凝集していない状態)で印刷した場合のインク20の質量と、それぞれの時間循環後にインクヘッド2のノズル21からインク20を吐出して印刷した場合のインク20の質量との比を示している。なお、正常な状態で印刷する用紙及び印刷パターンは、それぞれの時間循環後に印刷する用紙及び印刷パターンと同じである。データAは、インク膜23を形成し、ポンプ流量を40mL/hにして環状経路にインク20を循環させた場合の質量比と循環時間との関係を示している。データBは、インク膜23を形成せず、ポンプ流量を10mL/hにして環状経路にインク20を循環させた場合の質量比と循環時間との関係を示している。データCは、インク膜23を形成せず、ポンプ流量を40mL/hにして環状経路にインク20を循環させた場合の質量比と循環時間との関係を示している。
【0036】
データBとデータAとを比較すると、ポンプ流量を10mL/hから40mL/hにしてインク吐出装置1内で循環させるインク20の流れを速くすることで、短い循環時間で質量比を100%にすることができることが分かる。データBでは質量比を100%にするのに略63秒の循環時間が必要であったが、データAでは、略38秒の循環時間で質量比を100%にすることができる。つまり、環状経路にインク20を循環させる時間を略25秒短縮することができる。
【0037】
また、データAとデータCとを比較すると、ポンプ流量を40mL/hにしてインク吐出装置1内で循環させるインク20の流れを速くした場合、複数のノズル21の開口部22を覆うインク膜23が形成されていないと、循環時間略10秒以降で質量比が急激に低下することが分かる。質量比が急激に低下するのは、複数のノズル21の開口部22を覆うインク膜23が形成されていないため、ノズル21の開口部22から空気を吸い込んだからであると推測される。
【0038】
次に、図2(c)に示すように、ポンプ5が、インク循環経路4へのインク20の供給を停止した後(環状経路でのインク20の循環を停止した後)に、拭き取り手段6は、インク膜(遮蔽部)23を拭き取る。インク膜23を拭き取ることで、ノズル21からインク20を吐出するインクヘッド2の一面が清掃され、異物、乾燥したインク残留物等がインクヘッド2の一面に付着することで生じるインク20の吐出不良を防ぐことができる。なお、拭き取り手段6は、インク膜23により十分に濡らしてあるインクヘッド2の一面を清掃するので、インクヘッド2の一面に付着した異物、乾燥したインク残留物等を容易に取り除くことができる。
【0039】
拭き取り手段6は、インクヘッド2の一面を、回転しながら移動しインク20を拭き取るワイプローラに限定されるものではなく、別の構成の拭き取り手段であっても良い。
【0040】
図5は、本発明の実施の形態1に係るインク吐出装置1の拭き取り手段6の別の構成を示す概略図である。図5に示すインク吐出装置1は、拭き取り手段6として、インクヘッド2の一面に押し当てて、移動しながらインク20を拭き取る板状ワイプ6aを備えている。板状ワイプ6aは、インクヘッド2の一面に押し当てる側に不織布ウエスを備え、不織布ウエスでインク20を拭き取る。板状ワイプ6aは、不織布ウエスと、不織布ウエスを固定する板とを備える簡単な構成であり、インク吐出装置1の製造コストを安価にすることができる。
【0041】
また、図6は、本発明の実施の形態1に係るインク吐出装置1の拭き取り手段6のさらに別の構成を示す概略図である。図6に示すインク吐出装置1は、拭き取り手段6として、一方のローラから他方のローラへと不織布ウエス等の布を巻き取る巻き取り手段6bを備えている。巻き取り手段6bは、インクヘッド2の一面に一方のローラから引き出した布を押し当てて、押し当てた布を他方のローラに巻き取ることで不織布ウエス等の布でインク20を拭き取る。巻き取り手段6bは、一方のローラからインク20が付着していない布が供給されるので、常にきれいな布でインクヘッド2の一面のインク20を拭き取ることができる。
【0042】
以上のように、本発明の実施の形態1に係るインク吐出装置1は、インク循環経路4と接続されたインク押圧機構が、インク循環経路4内のインク20を押圧することで、インクヘッド2の一面に形成してある複数のノズル21の開口部22からインク20を押出し、開口部22を覆うインク膜(遮蔽部)23を形成し、インク循環経路4内に配置されたポンプ5が、インクヘッド2の内部経路2c及びインク循環経路4にインク20を循環させるので、インク吐出装置1内で循環させるインク20の流れを速くしても、インクヘッド2のノズル21の開口部22から空気を吸い込むことがなく、インク20の吐出不良やインク20の濃度変動等を防ぐことができ、インク吐出装置1内でインク20を循環させる時間を短縮することができる。また、拭き取り手段6が、インクヘッド2の一面に形成されたインク膜(遮蔽部)23を拭き取るので、ノズル21からインク20を吐出するインクヘッド2の一面が清掃され、異物や乾燥したインク残留物等がインクヘッド2の一面に付着することで生じるインク20の吐出不良を防ぐことができる。
【0043】
本発明の実施の形態1に係るインク吐出装置1は、インクヘッド2の一面に形成してある複数のノズル21の開口部22からインク20を押出し、開口部22を覆うインク膜23を形成し、インクヘッド2にインク20を取入れ、インクヘッド2からインク20を排出することでインクヘッド2の内部経路2cにインク20を流動させて、インクヘッド2の内部経路2cを含む環状経路にインク20を循環させ、環状経路でのインク20の循環を停止した後(内部経路2cでのインク20の流動を停止した後)、インクヘッド2の一面に形成されたインク膜(遮蔽部)23を拭き取り、インクヘッド2の複数のノズル21からインク20を吐出するインク吐出方法を実施することができる。また、本発明の実施の形態1に係るインク吐出装置1は、インク押圧機構が、インク循環経路4内のインク20を押圧することで、インクヘッド2の一面に形成してある複数のノズル21の開口部22からインク20を押出し、開口部22を覆うインク膜(遮蔽部)23を形成した後、ポンプ5が、インクヘッド2の内部経路2c及びインク循環経路4にインク20を循環させるインク循環方法を実施することができる。
【0044】
なお、インク吐出装置1は、図1に示すように、ポンプ5をインク循環経路4内のインク取入口2a側に配置する構成に限定されるものではなく、ポンプ5をインク循環経路4内のインク排出口2b側に配置する構成であっても良い。図7は、本発明の実施の形態1に係るインク吐出装置1の別の構成を示す概略図である。図7に示すインク吐出装置1は、ポンプ5aをインク循環経路4内のインク排出口2b側に配置してある以外、図1に示したインク吐出装置1と同じ構成であるため、同じ構成要素については、同じ符号を付して詳細な説明は省略する。但し、インク補充経路7は、ポンプ5をインク循環経路4内のインク排出口2b側に配置してあるため、ポンプ5の排出側にあるインク循環経路4に接続してある。
【0045】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態1では、インク循環経路4及びインクヘッド2の内部経路2cで構成される環状経路にインク20を循環させることで、インクヘッド2の内部経路2cのインク20が流動し、インクヘッド2内でインク20の粒子成分が沈降し、粒子成分同士が凝集するのを防止することができるインク吐出装置1について説明した。本発明の実施の形態2では、構成要素にインクタンク3を含めた環状経路にインク20を循環させることで、インクタンク3及びインクヘッド2の内部経路2cのインク20が流動し、インクタンク3及びインクヘッド2内でインク20の粒子成分が沈降し、粒子成分同士が凝集するのを防止することができるインク吐出装置について説明する。
【0046】
図8は、本発明の実施の形態2に係るインク吐出装置の構成を示す概略図である。図8に示すインク吐出装置11は、インクヘッド2、インクタンク3、インク循環経路4、ポンプ5、拭き取り手段6を備えている。インク吐出装置11は、インク循環経路4の構成以外、図1に示したインク吐出装置1と同じ構成であるため、同じ構成要素については、同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
【0047】
インク循環経路4は、インクタンク3とインク取入口2aとを接続する第1配管4aと、インクタンク3とインク排出口2bとを接続する第2配管4bとを有する。なお、第1配管4aは、インクタンク3の下方に接続され、第2配管4bは、第1配管4aがインクタンク3に接続された位置より上側に接続してある。インク循環経路4は、インクヘッド2とインクタンク3とを第1配管4a及び第2配管4bで繋ぎ、インク20を循環させる経路である。本発明の実施の形態2では、インクタンク3、インク循環経路4、及びインクヘッド2の内部経路2cで構成される環状経路にインク20を循環させる。特に、金属粒子等の粒子成分を含むインク20の場合、印刷を停止している間、インクタンク3内及びインクヘッド2内でインク20の粒子成分が沈降し、粒子成分同士が凝集するのを防止する必要があるため、環状経路にインク20を循環させている。第1配管4a及び第2配管4bは、例えば、径が略2mm〜略3mm、長さが略800mmのシリコン系配管を用いている。
【0048】
ポンプ5は、インク循環経路4の第1配管4a内に配置され、インクヘッド2及びインク循環経路4にインク20を供給する。ポンプ5は、インク循環経路4の第1配管4a内に配置してあるので、インク取入口2a側に配置してある。ポンプ5は、インクタンク3の下方にあるインク20を、インクヘッド2及びインク循環経路4に供給して、環状経路インク20を循環させている。そのため、インクヘッド2の内部経路2cのインク20が流動するとともに、インクタンク3内のインク20も流動するので、インクタンク3内、及びインクヘッド2内でインク20の粒子成分が沈降し、粒子成分同士が凝集するのを防止することができる。ポンプ5は、例えばペリスタルティックポンプであり、ポンプ流量は略700mL/h以下であり、特に、ポンプ流量が略100mL/h以下のポンプを使用することが好ましい。
【0049】
本発明の実施の形態2に係るインク吐出装置11でも、インクタンク3に圧縮空気を供給するガス供給経路32と、圧縮空気の供給を制御する制御手段である開閉弁34及び制御装置37とにより、インク循環経路4内のインク20を押圧するインク押圧機構を構成しているので、本発明の実施の形態1で説明したインク吐出方法及びインク循環方法を同様に実施することができる。
【0050】
以上のように、本発明の実施の形態2に係るインク吐出装置11は、インクタンク3とインク取入口2aとを接続する第1配管4aと、インクタンク3とインク排出口2bとを接続する第2配管4bとを有するインク循環経路4を備え、第1配管4a及び第2配管4bと接続されたインク押圧機構が、インク循環経路4内のインク20を押圧することで、インクヘッド2の一面に形成してある複数のノズル21の開口部22からインク20を押出し、開口部22を覆うインク膜(遮蔽部)23を形成し、第1配管4a内に配置されたポンプ5が、インクタンク3、インクヘッド2の内部経路2c及びインク循環経路4にインク20を循環させるので、インクタンク3を含むインク吐出装置11内で循環させるインク20の流れを速くしても、インクヘッド2のノズル21の開口部22から空気を吸い込むことがなく、インク20の吐出不良やインク20の濃度変動等を防ぐことができ、インクタンク3を含むインク吐出装置11内でインク20を循環させる時間を短縮することができる。
【0051】
なお、インク吐出装置11は、図8に示すように、ポンプ5をインク循環経路4の第1配管4a内に配置する構成に限定されるものではなく、ポンプ5をインク循環経路4の第2配管4b内に配置する構成であっても良い。図9は、本発明の実施の形態2に係るインク吐出装置11の別の構成を示す概略図である。図9に示すインク吐出装置11は、ポンプ5bをインク循環経路4の第2配管4b内に配置してある以外、図8に示したインク吐出装置11と同じ構成であるため、同じ構成要素については、同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
【符号の説明】
【0052】
1、11 インク吐出装置
2 インクヘッド
2a インク取入口
2b インク排出口
2c 内部経路
3 インクタンク
4 インク循環経路
4a 第1配管
4b 第2配管
5、5a、5b ポンプ
6 拭き取り手段
7 インク補充経路
20 インク
21 ノズル
22 開口部
23 インク膜(遮蔽部)
31 真空経路
32 ガス供給経路
33、34 開閉弁
35、36 圧力調整弁
37 制御装置
61 一軸ロボット
62 ステージ
63 被印刷物
64 インク回収箱

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のノズルを有するインクヘッドからインクを吐出するインク吐出方法であって、
前記インクヘッドの一面に形成してある複数の前記ノズルの開口部からインクを押出し、前記開口部をインクで覆う遮蔽部を形成する第1ステップと、
前記インクヘッドにインクを取入れ、前記インクヘッドからインクを排出することで前記インクヘッドの内部経路にインクを流動させる第2ステップと、
前記内部経路でのインクの流動を停止した後、前記インクヘッドの一面に形成された前記遮蔽部を拭き取る第3ステップと、
前記インクヘッドの複数の前記ノズルからインクを吐出する第4ステップと
を含むことを特徴とするインク吐出方法。
【請求項2】
インクを吐出する複数のノズルと、インクを取入れるインク取入口と、インクを排出するインク排出口と、複数の前記ノズル、前記インク取入口及び前記インク排出口を連通する内部経路とを有するインクヘッドと、前記インク取入口と、前記インク排出口とを配管で繋ぐインク循環経路と、該インク循環経路と接続され、前記インク循環経路内のインクを押圧することで、前記インクヘッドの一面に形成してある複数の前記ノズルの開口部からインクを押出し、前記開口部をインクで覆う遮蔽部を形成するインク押圧機構と、前記インク循環経路内に配置され、前記インクヘッドの前記内部経路及び前記インク循環経路にインクを循環させるポンプとを備えるインク吐出装置で用いるインク循環方法であって、
前記インク押圧機構が、前記インク循環経路内のインクを押圧することで、前記インクヘッドの一面に形成してある複数の前記ノズルの開口部からインクを押出し、前記遮蔽部を形成した後、前記ポンプが、前記インクヘッドの前記内部経路及び前記インク循環経路にインクを循環させることを特徴とするインク循環方法。
【請求項3】
インクを吐出する複数のノズルと、インクを取入れるインク取入口と、インクを排出するインク排出口と、複数の前記ノズル、前記インク取入口及び前記インク排出口を連通する内部経路とを有するインクヘッドと、
前記インク取入口と、前記インク排出口とを配管で繋ぐインク循環経路と、
該インク循環経路と接続され、前記インク循環経路内のインクを押圧することで、前記インクヘッドの一面に形成してある複数の前記ノズルの開口部からインクを押出し、前記開口部をインクで覆う遮蔽部を形成するインク押圧機構と、
前記インク循環経路内に配置され、前記インクヘッドの前記内部経路及び前記インク循環経路にインクを循環させるポンプと、
前記インクヘッドの一面に形成された前記遮蔽部を拭き取る拭き取り手段と
を備えることを特徴とするインク吐出装置。
【請求項4】
前記インク押圧機構は、インクを貯留するインクタンクと、該インクタンクに圧縮ガスを供給するガス供給経路と、圧縮ガスの供給を制御する制御手段とを有し、
前記インクタンクに圧縮ガスを供給することで、前記インク循環経路内のインクを押圧し、前記インクヘッドの一面に形成してある複数の前記ノズルの前記開口部からインクを押出して前記開口部をインクで覆う遮蔽部を形成することを特徴とする請求項3に記載のインク吐出装置。
【請求項5】
インクを吐出する複数のノズルと、インクを取入れるインク取入口と、インクを排出するインク排出口と、複数の前記ノズル、前記インク取入口及び前記インク排出口を連通する内部経路とを有するインクヘッドと、
インクを貯留するインクタンクと、
前記インクタンクと前記インク取入口とを接続する第1配管と、前記インクタンクと前記インク排出口とを接続する第2配管とを有するインク循環経路と、
前記第1配管及び前記第2配管と接続され、前記インク循環経路内のインクを押圧することで、前記インクヘッドの一面に形成してある複数の前記ノズルの開口部からインクを押出し、前記開口部をインクで覆う遮蔽部を形成するインク押圧機構と、
前記第1配管又は前記第2配管内に配置され、前記インクタンク、前記インクヘッドの前記内部経路及び前記インク循環経路にインクを循環させるポンプと、
前記インクヘッドの一面に形成された前記遮蔽部を拭き取る拭き取り手段と
を備えることを特徴とするインク吐出装置。
【請求項6】
前記インク押圧機構は、前記インクタンクに圧縮ガスを供給するガス供給経路と、圧縮ガスの供給を制御する制御手段とを有し、
前記インクタンクに圧縮ガスを供給することで、前記インク循環経路内のインクを押圧し、前記インクヘッドの一面に形成してある複数の前記ノズルの前記開口部からインクを押出して前記開口部をインクで覆う遮蔽部を形成することを特徴とする請求項5に記載のインク吐出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−139949(P2012−139949A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−413(P2011−413)
【出願日】平成23年1月5日(2011.1.5)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】