説明

インスタント食品の調理時間表示方法および調理時間計測方法

【課題】携帯端末のQRコード認識機能を利用して、インスタント食品をより簡単かつ手軽に調理できるようにする調理時間表示方法および調理時間計測方法を提供する。
【解決手段】インスタント食品の調理時間表示方法は、インスタント食品の調理時間を、携帯電話のタイマー機能を呼び出すための識別子とともにバーコードまたは二次元コードにエンコードし、得られたバーコードまたは二次元コードを当該インスタント食品のパッケージに表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インスタント食品の調理時間表示方法および調理時間計測方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カップラーメン等のインスタント食品においては、例えば容器の蓋を開けて熱湯を注ぎ、所定の調理時間そのまま放置することによって調理を完成する調理方法が広く採用されている。また、インスタント食品によっては所定の調理時間だけ鍋の中で煮たり、電子レンジで加熱するものもある。インスタント食品の種類やメーカーによって調理時間は様々であり、インスタント食品を利用するユーザはパッケージに記載された加熱時間を確認してから調理を行うことが通常である。
【0003】
一方、近時における携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)のような携帯端末には、内蔵カメラによりバーコードや2次元コード(2次元バーコード)の画像を取得して解読する機能を備えたものが登場している。例えば、2007年の現時点において日本国内で販売されている携帯電話の大部分は2次元コードの一種であるQRコードに対応しており、内蔵カメラをコードリーダーとして起動してQRコードを撮影し、撮影されたQRコードを解読することで種々の処理を行うサービスが実現されている。
【0004】
QRコードを利用した既存のサービスとしては、電話帳登録機能、メール連係機能、ブックマーク登録機能を挙げることができる。これらの機能は、QRコードを解読することで得られたデータ中に各機能に対応した識別子が含まれている場合に実行される。例えば、電話帳登録機能は、電話帳登録機能に対応した識別子とともに、名前、電話番号、メールアドレス、住所等のデータをQRコードにエンコードし、これを携帯端末の内蔵カメラで撮影して解読することにより名前、電話番号、メールアドレスおよび住所等を認識するとともに、アドレス帳のプログラムを起動して認識されたデータを登録するものである。
【0005】
また、メール連係機能は、宛先、標題、本文等のデータをQRコードにエンコードし、これを携帯端末で認識することにより宛先、標題、本文等の内容を認識するとともに、メーラーを起動して認識されたデータに沿ってメールを作成するものである。さらに、ブックマーク登録機能は、サイト名とタイトルを同じくQRコードにエンコードして、これを認識した携帯端末がブラウザを起動してブックマークに登録するものである。
【特許文献1】特開2003−330831
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
まず、インスタント食品の分野では、インスタント食品の種類によって異なる調理時間を確認することが煩雑であるという問題があった。また、熱湯を容器に注いで放置している間に調理時間を忘れた場合には、パッケージを見直して調理時間を確認しなければならなかった。一方、携帯端末におけるQRコード認識機能は電話帳登録機能、メール連係機能、ブックマーク登録機能で利用されているものの、携帯端末間でデータを仲介するために使用されているケースがほとんどであり、他の用途に使用されるケースはあまり多くないのが実情である。
【0007】
上記事情に鑑み、本発明は、携帯端末のQRコード認識機能を有効に利用して、インスタント食品をより簡単かつ手軽に調理できるようにするインスタント食品の調理時間表示方法および調理時間計測方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の第1の観点は、インスタント食品の調理時間を、携帯端末のタイマー機能を呼び出すための識別子とともにバーコードまたは二次元コードにエンコードし、得られたバーコードまたは二次元コードを当該インスタント食品のパッケージに表示することを特徴とするインスタント食品の調理時間表示方法を提供する。
【0009】
本発明の第1の観点においては、前記バーコードまたは二次元コードは、さらに前記インスタント食品に関する文字列または画像をともにエンコードした構成とすることができる。また、前記バーコードまたは二次元コードは、さらに調理が終了したことを通知するためのサウンドデータをともにエンコードした構成としてもよい。
【0010】
また、本発明の第2の観点は、携帯端末の制御部で実行することによってインスタント食品の調理時間を計測するためのタイマー機能を実現するタイマープログラムを、当該タイマープログラムを呼び出すための識別子とともにバーコードまたは二次元コードにエンコードし、得られたバーコードまたは二次元コードを当該インスタント食品のパッケージに表示することを特徴とするインスタント食品の調理時間表示方法を提供する。
【0011】
さらに、本発明の第3の観点は、タイマー機能とバーコードまたは二次元コードを認識する機能とを備えた携帯端末によって、インスタント食品のパッケージに表示されたバーコードまたは二次元コードを認識するステップと、
前記バーコードまたは二次元コードを認識することにより得られた識別子に応じて前記携帯電話のタイマー機能を呼び出すステップと、
前記バーコードまたは二次元コードを認識することにより得られた調理時間を前記携帯端末のタイマー機能によって計測するステップと、を含むことを特徴とするインスタント食品の調理時間計測方法を提供する。
【0012】
本発明の第3の観点においては、前記携帯端末は文字列または画像を表示する機能をさらに有し、前記バーコードまたは二次元コードを認識することにより得られた文字列または画像を表示するステップを表示するステップをさらに含む構成とすることが可能である。また、前記携帯端末はサウンドデータを再生する機能をさらに有し、前記タイマー機能によって前記調理時間が経過したことを計測すると、前記バーコードまたは二次元コードを認識することにより得られたサウンドデータを再生する構成としてもよい。
【0013】
さらにまた、本発明の第4の観点は、バーコードまたは二次元コードを認識する機能とを備えた携帯端末によって、インスタント食品のパッケージに表示されたバーコードまたは二次元コードを認識し、当該携帯端末の制御部で実行することにより当該インスタント食品の調理時間を計測するためのタイマー機能を実現するタイマープログラムと、当該タイマープログラムを呼び出すための識別子とを取得するステップと、
前記識別子に基づいて、前記携帯端末の制御部で前記タイマープログラムを実行することにより、前記インスタント食品の調理時間を計測するステップと、を含むことを特徴とするインスタント食品の調理時間計測方法を提供する。
【0014】
本発明の第4の観点においては、さらに、前記携帯端末に前記タイマープログラムがインストールされていない場合にはインストールを行うステップを含む構成とすることが可能である。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、インスタント食品の調理時間を、携帯端末のタイマー機能を呼び出すための識別子とともにバーコードまたは二次元コードにして当該インスタント食品のパッケージに表示する。したがって、インスタント食品を利用する際に、タイマー機能およびコード認識機能に対応した携帯端末でパッケージに表示されたバーコードまたは2次元コードを認識させ、得られた識別子によって携帯端末のタイマー機能を呼び出し、呼び出されたタイマー機能で同時に得られた調理時間を計測することによって、記憶や煩雑な操作に依存することなくインスタント食品の調理時間を自動的に計測することが可能となる。これによりインスタント食品の利用をより簡便化することができる。また、インスタント食品を利用する際に、パッケージに表示されたバーコードまたは2次元コードに、さらに前記インスタント食品に関する文字列または画像や、調理が終了したことを通知するためのサウンドデータをともにエンコードすれば、タイマー機能によって調理時間を計測している間にインスタント食品の商品名や商品画像を表示したり、調理時間が経過したことをインスタント食品に固有のサウンドデータで通知することも可能となり、商品広告的な効果を追加することも可能となる。さらにまた、インスタント食品に関するキャンペーン情報を含んだWebページへのURLをエンコードすれば、よりインタラクティブ性の高いサービスを提供することも可能である。さらにまた、携帯端末の制御部で実行することによりタイマー機能を実現するプログラムをバーコードまたは二次元コードにエンコードすれば、別途ダウンロードすることなくプログラムを取得することが可能となるので、より利用しやすい形態でサービスを実現することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は、本発明にかかるインスタント食品の調理時間表示方法を適用したインスタント食品100を示す図面であり、図2はインスタント食品100の断面図である。このインスタント食品100は、剥離可能な蓋部101で開口部を覆われたカップ状の容器102に麺103を収容した構成となっている。このように構成されたインスタント食品100は、容器102に麺103を収容したまま蓋部101を途中まで剥離させた状態で所定量の熱湯を注ぎ、蓋部101を戻して所定の調理時間を経過させることにより調理を完成し、そのまま食べることの可能なものである。本実施形態においては、このようなインスタント食品100のパッケージである蓋部101および容器102のいずれかに、インスタント食品100の調理時間を後述する携帯電話のタイマー機能を呼び出すための識別子とともにエンコードした二次元コード104を表示する。図1(a)は蓋部101に二次元コード104を表示した態様を示し、図1(b)は容器102の側部に二次元コード104を表示した態様を示す。このように2次元コードを表示するには、例えば、二次元コード101を印刷したシールを蓋部101または容器102に貼り付けてもよいし、蓋部101または容器102に直接印刷してもよく、蓋部101または容器102をコーティングする樹脂シートにシールを貼り付けるか或いは印刷しても構わない。また、図3は、二次元コード104をQRコードとした場合の例を示す図面である。
【0017】
図4は、インスタント食品100に表示された二次元コード104を利用して、本発明にかかるインスタント食品の調理時間測定方法を実施するために用いる携帯端末としての携帯電話200の機能ブロック図である。図4に示すように、この携帯電話200は、主として、カメラ部201と、コード認識部202と、記憶部203と、制御部205と、通信部206と、キー入力部207と、表示部208と、サウンド部209と、から構成されている。
【0018】
カメラ部201は、所定の光学系および受像素子を有し、携帯電話200にデジタル画像を撮影する機能を提供する。携帯電話200でデジタル画像を撮影する際には、ユーザがキー入力部207で所定の操作を行うことに応じて制御部205によってカメラ部201が起動される。起動されたカメラ部201は、光学系の取得した被写体像から所定露光時間で受像素子が得たデータを制御部205へ返す処理を所定時間間隔で繰り返し、当該データを制御部205が表示部208に表示することによりライブビュー機能を実現する。そして、その状態でユーザがさらにキー入力部207で所定の操作を行うことにより、カメラ部201は光学系の取得した被写体像から設定された撮影条件で画像データを生成し、生成された画像データは制御部205によって記憶部203に保存される。また、カメラ部201は、取得された画像データをコード認識部202に認識させるためのコードリーダとして利用するためのモードを持っていても良い。
【0019】
コード認識部202は、カメラ部201によって取得された2次元コードの画像データを認識してデコードし、2次元コードにエンコードされている元のデータを得る機能を提供する。コード認識部202が対応する2次元コードについて特に制限はないが、ここでは図3に示すようなQRコードに対応している場合を示す。このようなコード認識部202は、後述する制御部205上で所定のプログラムを実行することにより仮想的に構成される機能ブロックである。
【0020】
記憶部203は、所定の情報を後述する制御部205の制御下で記憶し、また制御部205に記憶している情報を提供するための読み書き可能なメモリである。記憶部203は、タイマーアプリケーション204を格納しており、このタイマーアプリケーション204を制御部205で読み出して実行することにより、所定時間の経過を計測するためのタイマー機能が実現される。
【0021】
制御部205は、不図示のCPU上で所定のプログラムを実行することにより仮想的に構成される機能ブロックであって、携帯電話200のカメラ部201、コード認識部202、記憶部203、通信部206、キー入力部207、表示部208およびサウンド部209といった各機能ブロックとの間でデータおよび制御信号をやり取りすることにより、携帯電話200の各種機能を実現するものである。
【0022】
通信部206は、制御部205の制御下で動作することにより、移動体通信網と接続し、別のノードとの通信を行う機能を提供する。ここでの通信としては、例えば、他の携帯電話や固定電話と通信接続して行う回線交換型通信、他の携帯電話またはサーバと接続して行うパケット交換型通信等が挙げられる。前述したように、記憶部203にはタイマーアプリケーション204が記憶されているが、タイマーアプリケーション204は例えば移動体通信網上のサーバから通信部206を介してダウンロードすることにより取得されたものであっても構わない。
【0023】
キー入力部207は、携帯電話200の筐体に設けられたキーパッド、ならびにその他ボタン等の入力装置であり、ユーザが操作することにより各キーまたはボタンに応じた信号であるキーイベントが制御部205に通知され、種々の操作ないしは制御に利用される。
【0024】
表示部208は、液晶表示装置または有機液晶表示装置であって、携帯電話200の動作状態、携帯電話200を操作するためのユーザインターフェイス等を制御部205の制御下で表示するものである
サウンド部209は、制御部205の制御下で動作することにより、所定フォーマットのメロディデータに従って鳴動し、所望のサウンドを生成する機能を提供する。このようなサウンド部209は、例えば音源チップおよびスピーカーから構成することが可能である。
【0025】
次に、本実施形態において、インスタント食品100の調理時間を携帯電話200を利用して計測する第1から第3の動作について、図5から図7のフローチャートを参照しながら説明する。
最初に図5のフローチャートを参照しながら、第1の動作について説明する。まず、インスタント食品100のパッケージに表示された2次元コード104を携帯電話200のカメラ部201で撮影する(ST101)。ここでの撮影は、携帯電話200がカメラ部201をバーコードリーダーとして利用するためのモードを持っている場合には、当該モードに設定した上で行われる。次に、撮影された2次元コード104の画像データをコード認識部202で認識し、エンコードされている識別子およびインスタント食品100の調理時間の値を取得する(ST102)。
【0026】
次に、制御部205によって、取得された識別子がタイマー機能を呼び出すためのものであるかが判断される(ST103)。ここで、取得された識別子がタイマー機能を呼び出すための識別子であると判断された場合には、制御部205がタイマーアプリケーション204を起動する(ST104)。この際、ST102で取得された調理時間の値が、タイマーアプリケーション204にパラメータとして渡される。なお、ST103において、取得された識別子がタイマー機能を呼び出すための識別子であると判断されなかった場合には、タイマーアプリケーション204は起動されず、携帯電話200は他の処理を行うことになるが説明は省略する。
【0027】
ST104において調理時間をパラメータとして渡されたタイマーアプリケーション204は、続いて表示部208に調理時間を表示し、カウントダウンを開始する(ST105)。その後、周期的に調理時間が経過したかの判断が行われ(ST106)、調理時間が経過したと判断されると制御部205はサウンド部209を制御してアラーム音を鳴らしてユーザに通知し(ST107)、これにより調理時間を計測する一連の動作を終了する。
【0028】
このような第1の動作によれば、インスタント食品100の調理を行うユーザは、インスタント食品の調理時間や調理を開始した時刻を記憶することなく、携帯電話100を利用して2次元コード104を認識させるだけの動作でインスタント食品100に固有の調理時間が経過することを計測することが可能である。
【0029】
次に、図6のフローチャートを参照しながら第2の動作について説明する。この動作は、2次元コード104に、携帯電話のタイマー機能を呼び出すための識別子と、インスタント食品の調理時間と、グラフィックスと、メロディデータとがエンコードされており、これらを利用する点で第1の動作と相違するが、動作の概略は同様である。まず、インスタント食品100のパッケージに表示された2次元コード104を携帯電話200のカメラ部201で撮影し(ST201)、撮影された2次元コード104の画像データをコード認識部202で認識することによりエンコードされている識別子、インスタント食品の調理時間、グラフィックスおよびメロディデータを取得する(ST202)。
【0030】
次に、取得された識別子がタイマー機能を呼び出すためのものであるかが判断され(ST203)、識別子がタイマー機能を呼び出すための識別子であると判断された場合には、調理時間の値をパラメータとして渡しつつタイマーアプリケーション204を起動する(ST204)。ST203において、取得された識別子がタイマー機能を呼び出すための識別子であると判断されなかった場合の説明は省略する。
【0031】
ST204で起動されたタイマーアプリケーション204は、調理時間を表示し、カウントダウンを開始する(ST205)。その後、調理時間が経過したかの判断が行われ(ST206)、調理時間が経過したと判断されると制御部205は2次元コード104から取得されたグラフィックスを表示し(ST207)、サウンド部209で2次元コードから得られたサウンドデータを再生し(ST208)、これにより調理時間を計測する一連の動作を終了する。
【0032】
このような第2の動作によれば、携帯電話100を利用して2次元コード104を認識させるだけの動作でインスタント食品100に固有の調理時間が経過することを計測することが可能なばかりでなく、調理時間が経過した時点で商品の広告宣伝にかかるグラフィックスと、コマーシャルソング等のサウンドとを、インスタント食品100を調理して食べる直前のユーザに提供することが可能となるので、極めて効果的にインスタント食品100に関する広告宣伝を行うことができる。なお、2次元コード104にインスタント食品100に関するURLをエンコードすることにより、携帯電話100からネットワークを介して当該URLにアクセスして同様にグラフィックスやサウンドデータを取得することも可能であるが、この第2の動作では2次元コード104からグラフィックスやサウンドデータを取得できるためネットワークにアクセスする必要がないという利点を有している。
【0033】
次に、図7のフローチャートを参照しながら第3の動作について説明する。この動作は、2次元コード104に、携帯電話100の制御部205で実行することによりタイマー機能を実現するタイマーアプリケーション204のプログラムを、タイマーアプリケーション204を呼び出すための識別子とともにエンコードしており、これらを利用する点で第1および第2の動作と相違するが、動作の概略は同様である。まず、インスタント食品100のパッケージに表示された2次元コード104を携帯電話200のカメラ部201で撮影し(ST301)、撮影された2次元コード104の画像データをコード認識部202で認識することによりエンコードされている識別子およびタイマーアプリケーション204のプログラムを取得する(ST302)。
【0034】
次に、取得された識別子がタイマー機能を呼び出すためのものであるかが判断され(ST303)、識別子がタイマー機能を呼び出すための識別子であると判断された場合には、ひき続いて、携帯電話100にタイマーアプリケーション204がインストール済みであるかが判断される(ST304)。なお、ST203において、取得された識別子がタイマー機能を呼び出すための識別子であると判断されなかった場合の説明は省略する。
【0035】
このST304で、タイマーアプリケーション204がインストール済みであると判断された場合には、調理時間の値をパラメータとして渡しつつタイマーアプリケーション204が起動される(ST306)。一方、ST304でタイマーアプリケーション204がインストール済みであると判断されなかった場合には、2次元コード104から取得されたタイマーアプリケーション204のプログラムが携帯電話100にインストールされ(ST305)、携帯電話100でタイマーアプリケーション204が実行可能な状態とされてから、同様にST306でタイマーアプリケーション204が起動される。
【0036】
以下、起動されたタイマーアプリケーション204で調理時間を表示し、カウントダウンを開始する(ST307)。その後、調理時間が経過したかの判断が行われ(ST308)、調理時間が経過したと判断されると制御部205がサウンド部209でアラームを鳴らし(ST308)、これにより調理時間を計測する一連の動作を終了する。
【0037】
このような第3の動作によれば、携帯電話100を利用して2次元コード104を認識させるだけの動作でインスタント食品100に固有の調理時間が経過することを計測することが可能なばかりでなく、タイマーアプリケーション204のインストールされていない携帯電話100においても2次元コード104を利用してインスタント食品の調理時間を計測することができる。また、このような動作ではインスタント食品100ごとにタイマーアプリケーション204を提供することもでき、これにより第2の動作と同様な広告宣伝的機能をタイマーアプリケーション204で実現することも可能である。
【0038】
なお、第3の動作では、2次元コード104にタイマーアプリケーション204のプログラムをエンコードすることが前提となるが、携帯電話100の制御部205は様々なCPU、OSおよびミドルウェア等により構成されるため、制御部205をJava(登録商標)実行環境等によって抽象化し、タイマーアプリケーション204のプログラムをJava(登録商標)アプリケーションの形態で提供することが好適である。
【0039】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の改良・変更が可能であることは勿論である。
例えば、上記実施形態においては、インスタント食品100として容器102に収容されたインスタント麺を示したが、これに限らず袋状の包装体からなるパッケージに収容されたものに本発明にかかるインスタント食品の調理時間表示方法を適用してもよい。また、電子レンジ等を利用して所定の調理時間加熱する冷凍食品やインスタント食品に本発明を適用することも可能である。
【0040】
また、図5から図7に示したフローチャートは、それぞれ本発明にかかる調理時間計測方法を例示したものに過ぎず、これらに限定されるものではない。例えば、起動されたタイマーアプリケーション204で調理時間の計測を開始する前にキー入力部207の操作を要求するようにしてもよいし、調理時間が経過する前にサウンドやグラフィックスを提供するようにしても構わない。また、2次元コード104には、タイマーアプリケーション204のプログラムをダウンロードするための情報をエンコードしておき、必要に応じてユーザにダウンロードさせるようにしても構わない。
【0041】
さらに、本発明にかかる調理時間計測方法は、PDAのような携帯電話以外の携帯端末で実施することも可能であり、2次元コード104にインスタント食品に関するキャンペーン情報を含んだWebページへのURLをエンコードすれば、よりインタラクティブ性の高いサービスを提供することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】(a),(b)本発明にかかるインスタント食品の調理時間表示方法を適用したインスタント食品を示す斜視図。
【図2】本発明にかかるインスタント食品の調理時間表示方法を適用したインスタント食品の断面図。
【図3】本実施形態における2次元コードの一例を示す図面。
【図4】本発明にかかるインスタント食品の調理時間測定方法を実施するために用いる携帯電話の機能ブロック図。
【図5】本発明の実施形態にかかる第1の動作のフローチャート。
【図6】本発明の実施形態にかかる第2の動作のフローチャート。
【図7】本発明の実施形態にかかる第3の動作のフローチャート。
【符号の説明】
【0043】
100 インスタント食品
101 蓋部
102 容器
103 麺
104 2次元コード
200 携帯電話
201 カメラ部
202 コード認識部
203 記憶部
205 制御部
206 通信部
207 キー入力部
208 表示部
209 サウンド部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インスタント食品の調理時間を、携帯電話のタイマー機能を呼び出すための識別子とともにバーコードまたは二次元コードにエンコードし、得られたバーコードまたは二次元コードを当該インスタント食品のパッケージに表示することを特徴とするインスタント食品の調理時間表示方法。
【請求項2】
前記バーコードまたは二次元コードは、さらに前記インスタント食品に関する文字列または画像をともにエンコードしていることを特徴とする請求項1に記載のインスタント食品の調理時間表示方法。
【請求項3】
前記バーコードまたは二次元コードは、さらに調理が終了したことを通知するためのサウンドデータをともにエンコードしていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインスタント食品の調理時間表示方法。
【請求項4】
携帯端末の制御部で実行することによってインスタント食品の調理時間を計測するためのタイマー機能を実現するタイマープログラムを、当該タイマープログラムを呼び出すための識別子とともにバーコードまたは二次元コードにエンコードし、得られたバーコードまたは二次元コードを当該インスタント食品のパッケージに表示することを特徴とするインスタント食品の調理時間表示方法。
【請求項5】
タイマー機能とバーコードまたは二次元コードを認識する機能とを備えた携帯端末によって、インスタント食品のパッケージに表示されたバーコードまたは二次元コードを認識するステップと、
前記バーコードまたは二次元コードを認識することにより得られた識別子に応じて前記携帯電話の前記タイマー機能を呼び出すステップと、
前記バーコードまたは二次元コードを認識することにより得られた調理時間を携帯端末のタイマー機能によって計測するステップとを含むことを特徴とするインスタント食品の調理時間計測方法。
【請求項6】
前記携帯端末は文字列または画像を表示する機能をさらに有し、
前記バーコードまたは二次元コードを認識することにより得られた文字列または画像を表示するステップをさらに含むことを特徴とする請求項5に記載のインスタント食品の調理時間計測方法。
【請求項7】
前記携帯端末はサウンドデータを再生する機能をさらに有し、
前記タイマー機能によって前記調理時間が経過したことを計測すると、前記バーコードまたは二次元コードを認識することにより得られた音声データを再生するステップをさらに含むことを特徴とする請求項5または請求項6に記載のインスタント食品の調理時間計測方法。
【請求項8】
バーコードまたは二次元コードを認識する機能とを備えた携帯端末によって、インスタント食品のパッケージに表示されたバーコードまたは二次元コードを認識し、当該携帯端末の制御部で実行することにより当該インスタント食品の調理時間を計測するためのタイマー機能を実現するタイマープログラムと、当該タイマープログラムを呼び出すための識別子とを取得するステップと、
前記識別子に基づいて、前記携帯端末の制御部で前記タイマープログラムを実行することにより、前記インスタント食品の調理時間を計測するステップとを含むことを特徴とするインスタント食品の調理時間計測方法。
【請求項9】
さらに、前記携帯端末に前記タイマープログラムがインストールされていない場合にはインストールを行うステップを含むことを特徴とする請求項8に記載のインスタント食品の調理時間計測方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−60263(P2009−60263A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−224427(P2007−224427)
【出願日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(394020376)株式会社アプリックス (51)
【出願人】(393011544)株式会社アイエスピー (7)
【Fターム(参考)】