説明

インターホン装置の親機、及びオンターホン装置

【課題】 留守中に異常検知センサが動作した場合や、管理人から呼び出しがあったことを、専用の通知手段を設けることなく帰宅した居住者に通知することができるインターホン装置の親機を提供する。
【解決手段】 モニタ21に表示するためのアイコン画像を記憶するアイコン記憶部28を親機2に設け、親機CPU30は親機2に接続された異常検知センサ3から検知信号を受信したら、映像記憶部27に録画されるカメラ12の撮像映像と同一の時系列でアイコン記憶部28から検知信号に関連付けられた特定のアイコン画像を読み出して映像記憶部27へ録画する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像を表示するモニタ及び映像を録画する機能を備えたインターホン装置の親機、及びこの親機を備えたインターホン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、住戸内に設置された親機に火災感知器等の異常検知センサが接続されて、異常を検知したら親機が警報を発するよう構成されたインターホン装置がある(例えば、特許文献1参照)。
また、集合住宅に設置されたインターホン装置は、集合玄関に設置された集合玄関機や個々の住戸に設置された親機に加えて、管理室に管理室親機が設置されている。この場合、管理室親機から親機を呼び出して通話することが可能となっており、居住者が留守の親機に呼び出しをした場合、親機のメッセージランプを点灯させることで、帰宅した居住者が管理人から呼び出しを受けたことを認識できるようにしている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−258818号公報
【特許文献2】特開平8−251300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしなが、居住者が留守の間に異常検知センサが異常を検知して親機で警報を発しても、警報発報が終了した後で居住者が帰宅した場合は、異常検知センサが動作したことに気づかない。
一方、上記集合住宅に設置されたインターホン装置においては、管理人から呼び出しがあったことを居住者に通知するためには、親機にメッセージランプを備えなければならないし、管理人による管理室親機操作も必要であった。また、メッセージランプでは、いつ呼び出しがあったのかを把握することができなかった。
【0005】
そこで、本発明はこのような問題点に鑑みなされたもので、留守中に異常検知センサが動作した場合や、管理人から呼び出しがあったことを、専用の通知手段を設けることなく帰宅した居住者に通知することができるインターホン装置の親機、及びインターホン装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する為に、請求項1の発明は、カメラを備えた子機からの呼び出しを受けて応答する機能、及びカメラの撮像映像を表示するモニタ、更に撮像映像を録画する映像記憶部を備えたインターホン装置の親機であって、モニタに表示するためのアイコン画像を記憶するアイコン記憶部と、映像記憶部への録画を実施する録画制御部とを有し、録画制御部は、親機に接続された機器から所定の信号が送信されたら、アイコン記憶部から所定の信号に関連付けられた特定のアイコン画像を読み出して、映像記憶部に録画されるカメラの撮像映像に連続する時系列で映像記憶部へ録画することを特徴とする。
この構成によれば、接続機器から例えばガス漏れ等の異常を検知した信号を受信したら、それを認識できるアイコン画像がカメラ撮像映像と同じ時系列で記憶される。そのため、帰宅した居住者が留守の間に訪問者があったか確認する操作により、録画映像に連続してアイコン画像も表示されるので、居住者は留守中に親機がどのような信号を受信したかモニタを見て認識することができ、別途表示手段が必要無くなる。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の構成において、録画制御部は、アイコン画像を録画する際に録画する時刻情報を画像に添付して録画することを特徴とする。
この構成によれば、表示されたアイコン画像に時刻も表示されるので、何時信号を受信したか正確な時刻を把握できる。
【0008】
請求項3の発明は、来訪者を撮像するためのカメラ及び居住者を呼び出して通話する機能を備えた子機と、カメラの撮像映像を表示するモニタ及び子機からの呼び出しに応答する機能を備えた親機と、親機に接続されたガス検知器等の異常検知手段とを備えたインターホン装置において、親機が請求項1又は2に記載の親機であり、親機のアイコン記憶部は異常検知手段の種類に応じたアイコン画像を記憶し、親機の録画制御部は、異常検知手段の動作信号である所定の信号を受けたら異常検知手段の種類に対応するアイコン画像をアイコン記憶部から読み出して親機の映像記憶部に録画することを特徴とする。
この構成によれば、録画映像を再生することで、ガス漏れ等の異常が発生したことを認識でき、別途そのための表示手段が必要無い。
【0009】
請求項4の発明は、集合住宅のエントランスに設置されて来訪者を撮像するためのカメラ及び居住者を呼び出して通話する機能を備えた集合玄関機と、集合住宅の個々の住戸に設置されてカメラの撮像映像を表示するモニタ及び集合玄関機からの呼び出しに応答する機能を備えた住戸親機と、集合玄関機、住戸親機と通話路を形成する機能を備えた管理室親機と、集合玄関機、住戸親機及び管理室親機を制御する制御機とを有するインターホン装置において、住戸親機が請求項1又は2に記載の親機であり、住戸親機のアイコン記憶部は管理室親機から送信された所定の信号に対応するアイコン画像を記憶し、住戸親機の録画制御部は、管理室親機から所定の信号を受信したら対応するアイコン画像をアイコン記憶部から読み出して住戸親機の映像記憶部に録画することを特徴とする。
この構成によれば、管理室親機が呼出操作した住戸親機から応答が無い場合等に、管理室親機から所定の信号を送信すれば、関連するアイコン画像を住戸親機の映像記憶部に録画させることができる。そのため、帰宅した居住者は、録画映像を再生した段階で、管理人から呼び出し等があったことを認識でき、別途そのための表示手段が必要無い。
【0010】
請求項5の発明は、請求項4に記載の構成において、管理室親機は、呼出操作した住戸親機から応答が無かった場合に、通常、緊急、返信必要等の所定の信号の種類を選択する呼出内容選択手段を有する一方、アイコン記憶部は、所定の信号の種類に対応する複数のアイコン画像を記憶し、録画制御部は、呼出内容選択手段により選択された所定の信号を受けたら、対応するアイコン画像を映像記憶部に録画することを特徴とする。
この構成によれば、管理室親機から呼出操作された住戸親機から応答が無い場合に、住戸親機に録画させるアイコン画像を管理室親機から選択することができる。そのため、応答を必要とする内容であるか、緊急な内容であるか録画を選択して録画させることができ、録画を再生した居住者は適切な対応をとることができる。
【0011】
請求項6の発明は、請求項5に記載の構成において、住戸親機は、モニタに設けられたタッチパネルから成る操作部を有する一方、アイコン記憶部には返信ボタンが設けられた返信必要を示すアイコン画像が記憶され、モニタに表示されたアイコン画像の返信ボタンがタッチされると、管理室親機に対して呼出信号を送信する親機呼出制御部を有することを特徴とする。
この構成によれば、返信が必要なアイコン画像にはタッチ操作で管理人を呼び出すことができる返信ボタンが表示されるので、ワンタッチで応答操作でき便利である。
【0012】
請求項7の発明は、集合住宅のエントランスに設置されて来訪者を撮像するためのカメラ及び居住者を呼び出して通話する機能を備えた集合玄関機と、集合住宅の個々の住戸に設置されてカメラの撮像映像を表示するモニタ及び集合玄関機からの呼び出しに応答する機能を備えた住戸親機と、集合玄関機、住戸親機と通話路を形成する機能を備えた管理室親機と、集合玄関機、住戸親機及び管理室親機を制御する制御機とを有するインターホン装置において、住戸親機が請求項1又は2に記載の親機あり、住戸親機のアイコン記憶部は管理室親機から呼び出しがあったことを表示するアイコン画像を記憶し、住戸親機の録画制御部は、管理室親機から呼出信号を受信した後、応答操作が無く呼出終了信号を受けたら、アイコン記憶部からアイコン画像を読み出して住戸親機の映像記憶部に録画することを特徴とする。
この構成によれば、応答が無かった場合は自動的にそれを認識できるアイコン画像が録画されるので、録画映像を再生した居住者は、管理人から呼び出しがあったことを認識でき、別途表示手段を必要としない。また、呼出操作に加えて別途アイコン画像選択操作や記憶操作を行う必要が無く、管理人の負担を軽減できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明のインターホン装置の親機によれば、接続機器から例えばガス漏れ等の異常を検知した信号を受信したら、それを認識できるアイコン画像がカメラ撮像映像と同じ時系列で記憶される。そのため、留守の間に訪問者があったか確認する操作により、録画映像に連続してアイコン画像も表示されるので、居住者は留守中に親機がどのような信号を受信したかモニタを見て認識することができ、別途表示手段を必要としない。
また、本発明のインターホン装置によれば、管理室親機が呼出操作した住戸親機から応答が無い場合等に、関連するアイコン画像を住戸親機の映像記憶部に録画させることができるので、帰宅した居住者は管理人から呼び出し等があったことをモニタを見て認識でき、別途表示手段を必要としない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の親機を備えた戸建て住戸向けのインターホン装置の一例を示す構成図である。
【図2】図1の親機の回路ブロック図である。
【図3】アイコン記憶部に記憶されているアイコン画像であり、(a)は火災感知器が動作した場合の画像、(b)はガス漏れ検知器が動作した場合の画像、(c)は緊急呼出ボタンが操作された場合の画像を夫々示している。
【図4】録画映像を再生した場合にモニタに表示される映像の流れを示す画像説明図である。
【図5】本発明に係る集合住宅向けのインターホン装置の一例を示す構成図である。
【図6】図5の住戸親機の回路ブロック図である。
【図7】アイコン記憶部に記憶されている管理人からの呼び出しを通知するためのアイコン画像であり、(a)は基本画像、(b)は緊急な呼び出しである場合の画像、(c)は返信を必要とする場合の画像、(d)は返信を必要としない場合の画像を夫々示している。
【図8】図5の管理室親機の回路ブロック図である。
【図9】録画映像を再生した場合にモニタに表示される映像の流れを示す画像説明図である。
【図10】アイコン画像の他の例である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を具体化した実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係る親機及び戸建て住宅向けのインターホン装置を示す図であり、1は来訪者が居住者を呼び出すために玄関に設置された子機、2は住戸内に設置されて玄関子機1からの呼び出しに応答するための親機である。双方は伝送線L1により接続され、親機2には、火災感知器3a、ガス漏れ検知器3b等の異常検知センサ3が夫々伝送線L2,L3を介して接続され、更に緊急呼出ボタン5が伝送線L4により接続されている。この緊急呼出ボタン5は、トイレや浴室等に設置され、居住者に異常が発生した場合に操作され、親機2において警報が報音される。
【0016】
子機1は、呼出操作する呼出ボタン11、来訪者を撮像するカメラ12、居住者と通話するためのマイク13及びスピーカ14を備えている。
【0017】
親機2は図2の回路ブロック図に示すように構成され、カメラ12の撮像映像を表示するためのモニタ21、モニタ21に表示するために復調等の処理を行う映像処理部22、来訪者と通話するためのマイク23及びスピーカ24、マイク23及びスピーカ24を制御する通話回路25、応答操作や録画/再生操作、その他各種設定操作をおこなうための操作部26、映像を記憶する映像記憶部27、後述するアイコン画像を記憶するアイコン記憶部28、子機1や異常検知センサ3、更には緊急呼出ボタン5と通信するための親機IF29、親機2内の各部を制御する親機CPU30等を備えている。
【0018】
アイコン記憶部28には、図3に示すようなアイコン画像が記憶されている。図3において、(a)は火災感知器3aが動作したことを表示するアイコン画像、(b)はガス漏れ検知器3bが動作したことを示すアイコン画像、(c)は緊急呼出ボタン5が操作されたことを示すアイコン画像となっている。
【0019】
このように構成されたインターホン装置の動作は以下のようである。但し、子機1からの呼び出し操作、及び呼び出しを受けた親機2からの応答操作は従来と同等であるため説明を省略し、ここでは親機2に接続された異常検知センサ3が動作したり緊急呼出ボタン5が操作された場合の動作について説明する。
【0020】
例えばガス漏れ検知器3bがガス漏れを感知すると、ガス漏れ検知信号が親機2に送信される。この信号を受信した親機2は、親機CPU30がスピーカ24から警報音を報音させる。更に親機CPU30は、ガス漏れ検知信号を受けて、アイコン記憶部28からガス漏れ検知画像を読み出して、時刻情報を添付して映像記憶部27に記憶させる。この記憶制御は映像の録画と同様の時系列で行われる。
その後、一定時間が経過したら或いは所定の復旧操作が成されると、警報音が停止して通常の待受け状態に戻る(従来と同様であるので詳述せず)。
【0021】
尚、火災感知器3aが動作した場合や、緊急呼出ボタン5が操作された場合も同様であり、火災感知画像及び非常通知画像がアイコン記憶部28から読み出されて時刻情報と共に映像記憶部27に記憶される。
【0022】
このような警報発生時に居住者が在宅であれば、警報により異常が発生したことを認識でき、必要な処置を講ずることができる。一方、留守にしている場合には居住者は気づかないが、帰宅した時に訪問者の有無を確認する操作がなされると、親機CPU30が再生制御を実施し、映像記憶部27に記憶された映像が読み出され、図4に示すように来訪者の映像が時系列で順次モニタ21に表示される。
図4は、(a)〜(d)と4種類の映像が表示される様子を示し、2人の訪問者があった後、ガス漏れ検知器3bが作動したことがその時刻と共に表示され、その後1人の訪問者があったことを表示する様子を示している。こうして、居住者はガス漏れを検知したことをその時刻と共に認識することができる。
【0023】
このように、親機2は、例えばガス漏れ等の異常を検知した信号を受信したら、それを認識できるアイコン画像がカメラ撮像映像と同じ時系列で映像記憶部27に記憶されるため、帰宅した居住者が留守の間に訪問者があったか確認する操作をおこなうと、録画映像に連続してアイコン画像も表示される。よって、留守中に親機2がどのような信号を受信したかモニタ21を見て認識することができ、別途表示手段が必要無くなる。
そして、表示されたアイコン画像に時刻も表示されるので、何時異常が発生したか正確な時刻を把握できる。特に、現状ではガス漏れの警報は誤報が発生し易いため、誤報があったことを記録に残すことができその後のメンテナンスに役立てることができる。
【0024】
図5は本発明のインターホン装置の他の例を示し、集合住宅に設置されたインターホン装置を示している。図5において、41は集合玄関機、42は住戸親機、43は管理室親機、44は制御機を示している。集合玄関機41は伝送線L5を介して制御機44に接続され、各住戸親機42,42,・・は親機幹線L6を介して制御機44に接続され、管理室親機43は伝送線L7を介して制御機44に接続されている。
【0025】
集合玄関機41は集合住宅のエントランスに設置され、来訪者が居住者を呼び出す機能を有し、来訪者を撮像するためのカメラ41aを備えている。住戸親機42は個々の住戸に設置され、集合玄関機41からの呼び出しを報知し、それを確認した居住者が通話するための機能を有し、カメラ41aが撮像した映像を表示するためのモニタ51を備えている。管理室親機43は、集合玄関機41及び住戸親機42と通話路を形成でき、来訪者や居住者と通話することができる。また制御機44は、集合玄関機41、住戸親機42、管理室親機43の夫々の間の通話を制御する。
【0026】
図6は住戸親機42の回路ブロック図を示している。この図6に示すように、住戸親機42は、映像を表示するためのモニタ51、モニタ51にカメラ41aの撮像映像を表示するために復調等の処理を行う映像処理部52、来訪者と通話するためのマイク53及びスピーカ54、このマイク53及びスピーカ54を制御する通話回路55、通話操作や録画/再生操作、その他各種設定等の操作をおこなうためのボタン等から成る操作部56、映像を記憶する映像記憶部57、後述するアイコン画像を記憶するアイコン記憶部58、制御機44と通信するための親機IF59、住戸親機42内の各部を制御する親機CPU60等を備えている。
【0027】
アイコン記憶部58には、図7に示す複数のアイコン画像が記憶されている。何れも管理人から呼び出しがあったことを通知するための画像であり、(a)は基本画像、(b)は緊急な呼び出しである場合の画像、(c)は返信を必要とする場合の画像、(d)は返信を必要としない場合の画像を示している。
【0028】
図8は管理室親機43の回路ブロック図を示している。図8に示すように、管理室親機43は、通話するためのマイク65及びスピーカ66、このマイク65及びスピーカ66を制御する通話回路67、居室番号の入力等を行うためのテンキー68、呼出ボタンや各種設定、操作を行うための操作部69、制御機44と通信するための管理室親機IF70、管理室親機43内の各部を制御する管理室親機CPU71等を備えている。
【0029】
このように構成された集合住宅のインターホン装置の動作は以下のようである。先ず、集合玄関機41から来訪者が居住者を呼び出した場合を説明する。
集合玄関機41において、所定の操作により呼出先住戸が選択されて呼出操作されると、呼出信号が制御機44に送信され、制御機44から呼出先の住戸親機42に呼出信号が送信される。呼出先の住戸親機42では、呼出信号を受けてスピーカ54から呼出音が報音される。同時に集合玄関機41のカメラ41aが撮像を開始し、撮像した映像が制御機44を介して住戸親機42に送信される。住戸親機42では、受信した映像信号が映像処理部52にて適宜映像処理され、モニタ51に表示される。
【0030】
この呼出動作を受けて、居住者が在宅の場合は、操作部56からの所定の応答操作によりモニタ52に表示された来訪者映像を見ながら居住者と来訪者の間で通話が実施される。一方、留守にしている場合や応答しない場合、また通常状態でも映像の録画操作が行われたら、親機CPU60の制御で映像記憶部57にカメラ41aの撮像映像を記憶する制御が実施される。録画は、録画時刻が映像に添付されて記憶され、何時、誰が訪問したかを後で確認することができる。
【0031】
次に、管理室親機43から住戸親機42に呼び出しが成された場合を説明する。管理人により管理室親機43のテンキー68及び操作部69が操作されて、所望の住戸親機42が呼び出されると、呼出信号が制御機44を介して住戸親機42に送信される。この呼出信号を受信した住戸親機42では、スピーカ54から呼出音を報音する。
【0032】
このとき、不在等で居住者の応答がなければ、管理人により管理室親機4の操作部69が更に操作されて、呼び出しをしたことを居住者に知らせるための所定の操作が行われる。例えば、管理室親機43に、住戸親機42に記憶されているアイコン画像を選択する「通常呼び出し」、「緊急呼び出し」等のボタンが設けられ、ボタン操作で実施される。
この操作により、通知信号と共にアイコン画像選択信号が住戸親機42に送信される。この信号を受けた親機CPU60は、アイコン記憶部58に記憶されたアイコン画像から選択された画像を読み取り、映像の録画と同様に映像記憶部57にそのときの時刻情報を添付して録画する。例えば、返信を要求する信号である場合は、図7(c)の画像が選択されて記憶される。
【0033】
こうした操作があった後、帰宅した居住者により住戸親機42の操作部56が作されて、留守にしていた間の訪問者有無の確認が成されると、親機CPU60は映像記憶部57から録画した映像を時系列順に読み出してモニタ51に表示する。
図9は、この時表示される映像の一例を示し、(a)〜(c)と3種類の映像が表示される場合を示している。具体的に、1人の訪問者があった後、管理人から呼び出しがあったことがその時刻と共に表示され、その後また訪問者があった様子が表示される。この表示から、居住者は管理人からの呼び出しが、具体的に2009/10/17 12:52にあったことを認識することができる。更に、表示されたアイコン画像から返信が必要であることも認識できる。
【0034】
このように、管理室親機43が呼出操作した住戸親機42から応答が無い場合等に、管理室親機43から所定の信号である通知信号を送信することで、関連するアイコン画像を住戸親機42の映像記憶部57に録画させることができる。そのため、帰宅した居住者は、録画映像を再生した段階で、管理人から呼び出し等があったことを認識でき、別途そのための表示手段が必要無い。
また、アイコン画像選択信号を通知信号と共に住戸親機42に送信するので、録画させるアイコン画像を管理室親機43から選択することができ、応答を必要とする内容であるか、緊急な内容であるか等を選択して録画できる。そのため、録画を再生した居住者は適切な対応をとることができる。
【0035】
尚、住戸親機42も上記図1に示す親機2と同様に、各種異常検知センサ3等が接続されている場合は、アイコン記憶部58に図3に示すアイコン画像を記憶することで、上記戸建て住宅のインターホン装置の場合と同様に録画再生時にはアイコン画像の表示により異常検知センサの動作があったことを認識できる。
また、住戸親機42のモニタ51にタッチパネルが設けられている場合は、アイコン画像を図10に示すように返信ボタン72を設けた構成とすると良い。このように返信ボタン72を合わせて表示することで、ワンタッチで返信操作でき便利である。そして、この場合、一度返信ボタン72が操作された後は、返信ボタンの表示は行わないように制御しても良く、ボタン表示がないということは管理室親機43に返信済みであることが理解できるので、居住者の混乱を避けることができる。
【0036】
更に、上記実施形態では、管理人がアイコン画像を選択するが、応答がなく管理室親機43からの呼出操作を終了した場合に、自動でアイコン画像(例えば、上記図7(a)のアイコン画像)を録画するよう構成しても良い。その場合は、管理人による通知操作や選択操作が必要ないし、管理室親機43にアイコン画像を選択するボタンそのものを無くすことができる。
【符号の説明】
【0037】
1・・子機、2・・親機、3・・異常検知センサ(異常検知手段)、12・・カメラ、21・・モニタ、26・・操作部、27・・映像記憶部、28・・アイコン記憶部、30・・親機CPU(録画制御部)、41・・集合玄関機、41a・・カメラ、42・・住戸親機(親機)、43・・管理室親機、44・・制御機、51・・モニタ、56・・操作部、57・・映像記憶部、58・アイコン記憶部、60・・親機CPU(録画制御部、親機呼出制御部)、69・・操作部(呼出内容選択手段)、71・・管理室親機CPU、72・・返信ボタン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラを備えた子機からの呼び出しを受けて応答する機能、及び前記カメラの撮像映像を表示するモニタ、更に前記撮像映像を録画する映像記憶部を備えたインターホン装置の親機であって、
前記モニタに表示するためのアイコン画像を記憶するアイコン記憶部と、前記映像記憶部への録画を実施する録画制御部とを有し、
前記録画制御部は、親機に接続された機器から所定の信号が送信されたら、前記アイコン記憶部から前記所定の信号に関連付けられた特定のアイコン画像を読み出して、前記映像記憶部に録画される前記カメラの撮像映像に連続する時系列で前記映像記憶部へ録画することを特徴とするインターホン装置の親機。
【請求項2】
前記録画制御部は、前記アイコン画像を録画する際に録画する時刻情報を画像に添付して録画することを特徴とする請求項1記載のインターホン装置の親機。
【請求項3】
来訪者を撮像するためのカメラ及び居住者を呼び出して通話する機能を備えた子機と、前記カメラの撮像映像を表示するモニタ及び前記子機からの呼び出しに応答する機能を備えた親機と、前記親機に接続されたガス検知器等の異常検知手段とを備えたインターホン装置において、
前記親機が請求項1又は2に記載の親機であり、前記親機のアイコン記憶部は前記異常検知手段の種類に応じたアイコン画像を記憶し、
前記親機の録画制御部は、前記異常検知手段の動作信号である所定の信号を受けたら異常検知手段の種類に対応するアイコン画像を前記アイコン記憶部から読み出して前記親機の映像記憶部に録画することを特徴とするインターホン装置。
【請求項4】
集合住宅のエントランスに設置されて来訪者を撮像するためのカメラ及び居住者を呼び出して通話する機能を備えた集合玄関機と、集合住宅の個々の住戸に設置されて前記カメラの撮像映像を表示するモニタ及び前記集合玄関機からの呼び出しに応答する機能を備えた住戸親機と、前記集合玄関機、前記住戸親機と通話路を形成する機能を備えた管理室親機と、前記集合玄関機、前記住戸親機及び前記管理室親機を制御する制御機とを有するインターホン装置において、
前記住戸親機が請求項1又は2に記載の親機であり、前記住戸親機のアイコン記憶部は前記管理室親機から送信された所定の信号に対応するアイコン画像を記憶し、
前記住戸親機の録画制御部は、前記管理室親機から前記所定の信号を受信したら対応するアイコン画像を前記アイコン記憶部から読み出して前記住戸親機の映像記憶部に録画することを特徴とするインターホン装置。
【請求項5】
前記管理室親機は、呼出操作した前記住戸親機から応答が無かった場合に、通常、緊急、返信必要等の所定の信号の種類を選択する呼出内容選択手段を有する一方、
前記アイコン記憶部は、前記所定の信号の種類に対応する複数のアイコン画像を記憶し、
前記録画制御部は、前記呼出内容選択手段により選択された所定の信号を受けたら、対応するアイコン画像を前記映像記憶部に録画することを特徴とする請求項4記載のインターホン装置。
【請求項6】
前記住戸親機は、前記モニタに設けられたタッチパネルから成る操作部を有する一方、前記アイコン記憶部には返信ボタンが設けられた返信必要を示すアイコン画像が記憶され、
前記モニタに表示されたアイコン画像の前記返信ボタンがタッチされると、前記管理室親機に対して呼出信号を送信する親機呼出制御部を有することを特徴とする請求項5記載のインターホン装置。
【請求項7】
集合住宅のエントランスに設置されて来訪者を撮像するためのカメラ及び居住者を呼び出して通話する機能を備えた集合玄関機と、集合住宅の個々の住戸に設置されて前記カメラの撮像映像を表示するモニタ及び前記集合玄関機からの呼び出しに応答する機能を備えた住戸親機と、前記集合玄関機、前記住戸親機と通話路を形成する機能を備えた管理室親機と、前記集合玄関機、前記住戸親機及び前記管理室親機を制御する制御機とを有するインターホン装置において、
前記住戸親機が請求項1又は2に記載の親機あり、前記住戸親機のアイコン記憶部は前記管理室親機から呼び出しがあったことを表示するアイコン画像を記憶し、
前記住戸親機の録画制御部は、前記管理室親機から呼出信号を受信した後、応答操作が無く呼出終了信号を受けたら、前記アイコン記憶部からアイコン画像を読み出して前記住戸親機の映像記憶部に録画することを特徴とするインターホン装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−160105(P2011−160105A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−18896(P2010−18896)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【出願人】(000100908)アイホン株式会社 (777)
【Fターム(参考)】