説明

インパルスノイズ除去方法及びインパルスノイズ除去回路

【課題】単発的なインパルスノイズのみならず、連続的に発生するインパルスノイズをも精度良く除去することが可能なインパルスノイズ除去方法及びインパルスノイズ除去回路を提供する。
【解決手段】受信信号の時間経過に伴う電力推移を電力算出31で求め、得られた受信電力値系列に対して移動平均区間毎の移動平均を移動平均電力算出301で求め、得られた移動平均電力値系列中のノイズ閾値よりも大なる区間をインパルスノイズ重畳区間としてインパルスノイズ検出で検出し、受信電力値系列中のインパルスノイズ重畳区間の電力値を一定の置換電力値に電力置換304で置換したものを新たな受信電力値系列とする一連の処理を実行する。受信電力値系列の平均電力値に基づきノイズ閾値及び置換電力値を閾値・置換電力算出33で算出しつつ、受信信号中において、検出されたインパルスノイズ重畳区間のレベルに対して消失処理をノイズ除去35で施す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信装置において受信して得られた受信信号中に重畳している突発的ノイズ成分としてのインパルスノイズを除去するインパルスノイズ除去方法及びインパルスノイズ除去回路に関する。
【背景技術】
【0002】
受信信号中にインパルスノイズが重畳していることを検出した場合に、その検出した区間での受信信号のレベルを強制的に”0”に置換することにより、インパルスノイズを除去するようにした受信装置が提案されている(例えば、特許文献1の図2参照)。かかる受信装置では、先ず、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex:直交周波数分割多重)方式の放送波を受信して得られた複素基底域信号(I、Q)の振幅の平均を求め、この振幅平均よりも所定値だけ高い値を、インパルスノイズが発生したか否かを判別する為の閾値とする。そして、複素基底域信号の振幅がこの閾値を超えた時点を中心とする所定幅の区間をインパルスノイズの重畳区間として検出するようにしている。
【0003】
ところで、インパルスノイズは、そのノイズ発生源の特長により、単発的に表れる場合と連続的に表れる場合とがある。例えば、受信装置の近傍において静電気が発生した場合、または電気機器の電源投入時には、単発的なインパルスノイズが発生する可能性がある。又、受信装置の近傍にパルスモータを備えた機器が設置されている場合には、複数のインパルスノイズが連続して発生する可能性がある。
【0004】
この際、上記した受信装置では、インパルスノイズが発生したか否かを判別する為の閾値を複素基底域信号の振幅の平均値に基づいて算出している。よって、インパルスノイズが連続して発生する場合にはこの閾値自体も高くなるので、このようなインパルスノイズの連続発生区間を精度良く検出することが困難になるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−152613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、単発的なインパルスノイズのみならず、連続的に発生するインパルスノイズをも精度良く除去することが可能なインパルスノイズ除去方法及びインパルスノイズ除去回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載によるインパルスノイズ除去方法は、受信した受信信号に重畳されているインパルスノイズを除去するインパルスノイズの除去方法であって、前記受信信号の受信電力を算出して時間経過に伴う電力推移を表す受信電力値系列を得る電力算出行程と、受信電力値系列に対して移動平均区間長毎に移動平均を算出して移動平均電力値系列を得る移動平均算出行程と、前記移動平均電力値系列中においてノイズ閾値よりも大なる区間をインパルスノイズ重畳区間として検出するインパルスノイズ検出行程と、前記受信電力値系列中において前記インパルスノイズ重畳区間における電力値の各々を一定の置換電力値に置換したものを新たな受信電力値系列とする電力置換行程と、所定期間毎に前記移動平均算出行程、前記インパルスノイズ検出行程、及び前記電力置換行程からなるノイズ重畳区間検出処理をN回(Nは自然数)実行させる行程と、前記電力置換行程において得られた前記受信電力値系列の平均を算出して平均電力値を得る平均電力算出行程と、前記平均電力値に基づき、前記ノイズ閾値及び前記置換電力値を夫々算出する閾値・置換電力算出行程と、前記受信信号中において、前記N回の前記ノイズ重畳区間検出処理の前記インパルスノイズ検出行程において検出された前記インパルスノイズ重畳区間のレベルに対して消失処理を施すノイズ除去行程と、を有する。
【0008】
請求項7記載によるインパルスノイズの除去回路は、受信した受信信号に重畳されているインパルスノイズを除去するインパルスノイズ除去回路であって、前記受信信号の受信電力を算出して時間経過に伴う電力推移を表す受信電力値系列を得る電力算出部と、受信電力値系列に対して移動平均区間長毎に移動平均を算出して移動平均電力値系列を得る移動平均算出部と、前記移動平均電力値系列中においてノイズ閾値よりも大なる区間をインパルスノイズ重畳区間として検出するインパルスノイズ検出部と、前記受信電力値系列中において前記インパルスノイズ重畳区間における電力値の各々を一定の置換電力値に置換したものを新たな受信電力値系列としてこれを次段の前記電力算出部及び前記移動平均算出部各々に供給する電力置換部と、を各々が含むN(Nは2以上の整数)個の互いに直列接続されたノイズ重畳区間検出処理部と、前記電力置換部にて得られた前記受信電力値系列の平均を算出して平均電力値を得る平均電力算出部と、前記平均電力値に基づき、前記ノイズ閾値及び前記置換電力値を夫々算出して前記ノイズ重畳区間検出処理部の各々に供給する閾値・置換電力算出部と、前記受信信号中において、直列接続された前記N個の前記ノイズ重畳区間検出処理部各々の前記インパルスノイズ検出部にて検出された前記インパルスノイズ重畳区間のレベルに対して消失処理を施すノイズ除去部と、を有する。
【0009】
請求項13記載によるインパルスノイズの除去回路は、受信した受信信号に重畳されているインパルスノイズを除去するインパルスノイズ除去回路であって、前記受信信号の受信電力を算出して時間経過に伴う電力推移を表す受信電力値系列を得る電力算出部と、受信電力値系列に対して移動平均区間長毎に移動平均を算出して移動平均電力値系列を得る移動平均算出部と、前記移動平均電力値系列中においてノイズ閾値よりも大なる区間をインパルスノイズ重畳区間として検出するインパルスノイズ検出部と、前記受信電力値系列中において前記インパルスノイズ重畳区間における電力値の各々を一定の置換電力値に置換したものを新たな受信電力値系列としてこれを次段の前記電力算出部及び前記移動平均算出部各々に供給する電力置換部と、を含むノイズ重畳区間検出処理部と、前記電力置換部にて得られた前記受信電力値系列の平均を算出して平均電力値を得る平均電力算出部と、前記平均電力値に基づき、前記ノイズ閾値及び前記置換電力値を夫々算出して前記ノイズ重畳区間検出処理部に供給する閾値・置換電力算出部と、前記受信信号中において、前記ノイズ重畳区間検出処理部の前記インパルスノイズ検出部にて検出された前記インパルスノイズ重畳区間のレベルに対して消失処理を施すノイズ除去部と、を有する。
【0010】
請求項14記載によるプログラムは、受信した受信信号に重畳されているインパルスノイズを除去すべく制御部によって実行されるプログラムであって、前記受信信号の受信電力を算出して時間経過に伴う電力推移を表す受信電力値系列を得る第1ステップと、
受信電力値系列に対して移動平均区間長毎に移動平均を算出して移動平均電力値系列を得る第2ステップと、前記移動平均電力値系列中においてノイズ閾値よりも大なる区間をインパルスノイズ重畳区間として検出する第3ステップと、前記受信電力値系列中において前記インパルスノイズ重畳区間における電力値の各々を一定の置換電力値に置換したものを新たな受信電力値系列とする第4ステップと、所定期間毎に前記第2〜第4ステップからなる一連の処理をN回(Nは2以上の整数)繰り返し実行させつつ、後段の処理ほど前記ノイズ閾値及び前記置換電力値を小さくすると共に前記移動平均区間長を大きくする第5ステップと、前記受信信号中において、前記N回の処理の前記第3ステップにおいて検出された前記インパルスノイズ重畳区間のレベルに対して消失処理を施す第6ステップと、を有する。
【0011】
請求項17記載によるプログラムは、受信した受信信号に重畳されているインパルスノイズを除去すべく制御部によって実行されるプログラムであって、前記受信信号の受信電力を算出して時間経過に伴う電力推移を表す受信電力値系列を得る第1ステップと、受信電力値系列に対して移動平均区間長毎に移動平均を算出して移動平均電力値系列を得る第2ステップと、前記移動平均電力値系列中においてノイズ閾値よりも大なる区間をインパルスノイズ重畳区間として検出する第3ステップと、前記受信電力値系列中において前記インパルスノイズ重畳区間における電力値の各々を一定の置換電力値に置換したものを新たな受信電力値系列とする第4ステップと、所定期間毎に前記第2〜第4ステップからなる一連の処理を実行させつつ、前記第3ステップにおいて検出された前記インパルスノイズ重畳区間のレベルに対して消失処理を施すステップと、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明によるインパルス除去回路を備えたディジタル放送受信装置の概略構成を示す図である。
【図2】図1に示されるインパルス除去回路3の内部構成の一例を示す図である。
【図3】図2に示される平均電力算出部34における平均電力算出処理フローを示す図である。
【図4】インパルス除去回路3の内部動作を示す図である。
【図5】インパルス除去回路3の他の内部構成を示す図である。
【図6】ROM39に記憶されているプログラムとしてのインパルスノイズ除去処理フローを示す図である。
【図7】本発明によるインパルス除去回路を備えたディジタル放送受信装置の概略構成の他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
受信信号の時間経過に伴う電力推移を表す受信電力値系列に対して移動平均区間長毎に移動平均を算出して移動平均電力値系列を得て、この移動平均電力値系列中においてノイズ閾値よりも大なる区間をインパルスノイズ重畳区間として検出し、上記受信電力値系列中においてインパルスノイズ重畳区間の電力値を一定の置換電力値に置換したものを新たな受信電力値系列として、上記した如き一連の処理を繰り返し実行する。そして、上記受信電力値系列の平均電力値に基づきノイズ閾値及び置換電力値を夫々算出しつつ、受信信号中において、各段の処理で検出されたインパルスノイズ重畳区間のレベルに対して消失処理を施す。
【実施例】
【0014】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明によるインパルスノイズ除去回路を搭載したディジタル放送受信装置の概略構成を示す図である。
【0016】
図1に示すように、かかるディジタル放送受信装置は、アンテナ1、チューナ2、インパルスノイズ除去回路3、及び復調回路4から構成される。
【0017】
アンテナ1は、放送局側から無線送信されてきた放送波を受信して得られたRF(Radio Frequency)信号をチューナ2に供給する。
【0018】
チューナ2は、かかるRF信号中から所望帯域の信号を抽出し、この信号を中間周波帯域の信号にダウンコンバートすることによりIF(Intermediate Frequency )信号を得る。チューナ2は、かかるIF信号を所定サンプリングタイミング毎にサンプリングして得られたサンプル値の系列からなる受信信号RSをインパルスノイズ除去回路3に供給する。
【0019】
インパルスノイズ除去回路3は、受信信号RS中にインパルスノイズが生じているか否かを検出する。この際、インパルスノイズ除去回路3は、インパルスノイズが生じていない区間に対しては受信信号RSをそのままノイズ除去受信信号NCRとして復調回路4に供給する一方、インパルスノイズが生じている区間に対してはその信号レベルを例えば0レベルに置換したものをノイズ除去受信信号NCRとして復調回路4に供給する。
【0020】
復調回路4は、かかるノイズ除去受信信号NCRに対して、受信した放送波の方式に対応した各種復調処理を施す。例えば、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex:直交周波数分割多重)方式の放送波を受信した場合、復調回路4は、ノイズ除去受信信号NCRに対して、直交検波、ガードインバール除去等を施した後にFFT(Fast Fourier Transform)処理を施すことにより、周波数領域における受信サブキャリア複素振幅を求める。そして、復調回路4は、かかる受信サブキャリア複素振幅に対してデマッピング処理、リードソロモン復号等の処理を施すことにより放送された情報データを復元する。
【0021】
次に、インパルスノイズ除去回路3の詳細な動作について説明する。
【0022】
図2は、インパルスノイズ除去回路3の内部構成の一例を示す図である。
【0023】
図2に示すインパルスノイズ除去回路3は、論理和ゲート30、電力算出部31、ノイズ重畳区間検出処理部32〜32、閾値・置換電力算出部33、平均電力算出部34、ノイズ除去部35及び遅延部36から構成される。
【0024】
電力算出部31は、チューナ2から供給された受信信号RSにおける各サンプル値毎に受信電力の算出を行うことにより時間経過に伴う受信電力の推移を表す受信電力サンプル値系列Wを生成してこれをノイズ重畳区間検出処理部32に供給する。
【0025】
ノイズ重畳区間検出処理部32〜32は夫々同一の内部構成、つまり移動平均電力算出部301、インパルスノイズ検出部302、遅延部303及び電力置換部304を備えている。
【0026】
ノイズ重畳区間検出処理部32の移動平均電力算出部301は、受信電力サンプル値系列Wにおいて、所定の移動平均区間長Lにて示される区間毎の移動平均を移動平均電力値として算出する。例えば、移動平均区間長Lが2サンプル区間に相当する長さを示す場合には、移動平均電力算出部33は、受信電力サンプル値系列W中において連続する2つの受信電力サンプル値毎にその平均値を求め、これを移動平均電力値とする。又、移動平均区間長Lが5サンプル区間に相当する長さを示す場合には、移動平均電力算出部301は、受信電力サンプル値系列W中において連続する5つの受信電力サンプル値毎にその平均値を求め、これを移動平均電力値とする。そして、移動平均電力算出部301は、移動平均区間長Lにて示される区間毎に算出した移動平均電力値の系列を、移動平均電力サンプル値系列WMV1としてインパルスノイズ検出部302に供給する。ノイズ重畳区間検出処理部32のインパルスノイズ検出部302は、移動平均電力サンプル値系列WMV1がノイズ閾値αよりも大であるか否かを判定し、小であると判定された区間を非ノイズ区間、大であると判定された区間をノイズ重畳区間として検出する。尚、ノイズ閾値αは、後述するが如き閾値・置換電力算出部33にて算出される。そして、インパルスノイズ検出部302は、上記した非ノイズ区間では論理レベル0、ノイズ重畳区間では論理レベル1となるノイズ検出信号NDを生成し、これを電力置換部304及び論理和ゲート30に供給する。ノイズ重畳区間検出処理部32の遅延部303は、電力算出部31から供給された受信電力サンプル値系列Wを、上記した移動平均電力算出部301及びインパルスノイズ検出部302にて費やされる処理時間分だけ遅延させてから電力置換部304に供給する。ノイズ重畳区間検出処理部32の電力置換部304は、遅延部303を介して供給された受信電力サンプル値系列W中において、ノイズ検出信号NDが論理レベル0となる区間、つまり非ノイズ区間では、この受信電力サンプル値系列Wをそのまま受信電力サンプル値系列WC1として、次段のノイズ重畳区間検出処理部32に供給する。一方、受信電力サンプル値系列W中において、ノイズ検出信号NDが論理レベル1となる区間、つまりノイズ重畳区間では、電力置換部304は、この受信電力サンプル値系列Wにおける受信電力サンプル値の各々を置換電力値Pに置換したものを上記受信電力サンプル値系列WC1として、次段のノイズ重畳区間検出処理部32に供給する。尚、置換電力値Pは、後述するが如き閾値・置換電力算出部33にて算出されるものである。
【0027】
ノイズ重畳区間検出処理部32の移動平均電力算出部301は、前段のノイズ重畳区間検出処理部32から供給された受信電力サンプル値系列WC1において、所定の移動平均区間長Lにて示される区間毎の移動平均を移動平均電力値として算出する。尚、移動平均区間長Lは、上記した移動平均区間長Lよりも長い期間長を有する。よって、ノイズ重畳区間検出処理部32の移動平均電力算出部301では、受信電力サンプル値系列WC1に対して、ノイズ重畳区間検出処理部32の移動平均電力算出部301での移動平均電力算出区間よりも長い区間長で移動平均を求め、各区間毎の移動平均電力値の系列を、移動平均電力サンプル値系列WMV2としてインパルスノイズ検出部302に供給する。ノイズ重畳区間検出処理部32のインパルスノイズ検出部302は、上記移動平均電力サンプル値系列WMV2がノイズ閾値αよりも大であるか否かを判定し、小であると判定された区間を非ノイズ区間、大であると判定された区間をノイズ重畳区間として検出する。そして、インパルスノイズ検出部302は、上記した非ノイズ区間では論理レベル0、ノイズ重畳区間では論理レベル1となるノイズ検出信号NDを生成し、これを電力置換部304及び論理和ゲート30に供給する。尚、ノイズ閾値αは、上記したノイズ閾値αと同様に閾値・置換電力算出部33にて算出されるものであり、ノイズ閾値αよりも小なる値を有する。よって、ノイズ重畳区間検出処理部32のインパルスノイズ検出部302では、ノイズ重畳区間検出処理部32のインパルスノイズ検出部302に比して低いノイズ閾値にて、移動平均電力サンプル値系列WMV2におけるノイズ重畳区間の判定を行うのである。ノイズ重畳区間検出処理部32の遅延部303は、前段のノイズ重畳区間検出処理部32から供給された受信電力サンプル値系列WC1を、上記した移動平均電力算出部301及びインパルスノイズ検出部302にて費やされる処理時間分だけ遅延させてから電力置換部304に供給する。ノイズ重畳区間検出処理部32の電力置換部304は、遅延部303を介して供給された受信電力サンプル値系列WC1中において、ノイズ検出信号NDが論理レベル0となる区間、つまり非ノイズ区間では、この受信電力サンプル値系列WC1をそのまま受信電力サンプル値系列WC2として、次段のノイズ重畳区間検出処理部32に供給する。一方、受信電力サンプル値系列WC1中において、ノイズ検出信号NDが論理レベル1となる区間、つまりノイズ重畳区間では、電力置換部304は、この受信電力サンプル値系列WC1における電力サンプル値の各々を置換電力値Pに置換したものを上記受信電力サンプル値系列WC2として、次段のノイズ重畳区間検出処理部32に供給する。尚、置換電力値Pは、後述するが如き閾値・置換電力算出部33にて算出されるものであり、上記した置換電力値Pよりも小なる値を有する。よって、ノイズ重畳区間検出処理部32の電力置換部304では、ノイズ重畳区間に対して、ノイズ重畳区間検出処理部32の電力置換部304に比べて小なる電力値にて電力の置換が為される。
【0028】
以下、同様にして、ノイズ重畳区間検出処理部32〜32は、夫々の前段のノイズ重畳区間検出処理部32から供給された受信電力サンプル値系列WC2〜WC(N−1)に対して、移動平均電力算出部301、インパルスノイズ検出部302及び電力置換部304にて前述した如き処理を施す。
【0029】
この際、ノイズ重畳区間検出処理部32〜32各々の移動平均電力算出部301には、以下の如き大小関係からなる移動平均区間長L〜Lが夫々固定供給される。
【0030】
<L<L<L<L・・・・<L(N−1)<L
【0031】
又、ノイズ重畳区間検出処理部32〜32各々のインパルスノイズ検出部302には、閾値・置換電力算出部33にて算出されたノイズ閾値α〜αが夫々供給される。
【0032】
更に、ノイズ重畳区間検出処理部32〜32各々の電力置換部304には、閾値・置換電力算出部33にて算出された置換電力値P〜Pが夫々供給される。
【0033】
そして、上記ノイズ重畳区間検出処理部32〜32の内で最終段のノイズ重畳区間検出処理部32を除く32〜32(N−1)は、移動平均電力算出部301、インパルスノイズ検出部302及び電力置換部304による処理にて得られた受信電力サンプル値系列WC3〜WC(N−1)を夫々の後段のノイズ重畳区間検出処理部32に供給する。
【0034】
尚、最終段のノイズ重畳区間検出処理部32は、その前段のノイズ重畳区間検出処理部32(N−1)から供給された受信電力サンプル値系列WC(N−1)に対して、前述した如き処理を施して得られた受信電力サンプル値系列WCNを平均電力算出部34に供給する。更に、ノイズ重畳区間検出処理部32〜32は、この間、インパルスノイズ検出部302から出力されたノイズ検出信号ND〜NDを論理和ゲート30に供給する。
【0035】
論理和ゲート30は、上記したノイズ検出信号ND〜NDの論理和を求めその論理和結果を表す信号をノイズ除去部35に供給する。
【0036】
平均電力算出部34は、ノイズ重畳区間検出処理部32から供給された受信電力サンプル値系列WCNに基づき、図3に示す如き平均電力算出処理フローに従って平均電力を求める。
【0037】
図3において、平均電力算出部34は、先ず、所定の平均電力初期値を前回平均電力値Pavg_lastとして設定する(ステップS1)。次に、平均電力算出部34は、最終段のノイズ重畳区間検出処理部32から供給された受信電力サンプル値系列WCNにおける各受信電力サンプル値を順次取り込んで内蔵メモリ(図示せぬ)に記憶する(ステップS2)。次に、平均電力算出部34は、所定の固定区間長Lavgに該当する数の受信電力サンプル値が取り込まれたか否かの判定を行う(ステップS3)。ステップS3において、固定区間長Lavgに該当する数の受信電力サンプル値が取り込まれていないと判定された場合、平均電力算出部34は、上記ステップS2の実行に戻って受信電力サンプル値の取り込みを継続する。ここで、上記ステップS3において固定区間長Lavgに該当する数の受信電力サンプル値が取り込まれたと判定された場合、平均電力算出部34は、内蔵メモリに記憶されている固定区間長Lavgに該当する数の受信電力サンプル値にてその平均値を求め、これを平均電力値Pavg_Lとする(ステップS4)。すなわち、ステップS2〜S4の実行により、平均電力算出部34は、最終段のノイズ重畳区間検出処理部32から供給された受信電力サンプル値系列WCNにおける受信電力サンプル値の数が固定区間長Lavgに該当する数となる度に平均電力値Pavg_Lを算出する。次に、平均電力算出部34は、固定区間長Lavg毎の平均電力値Pavg_Lに対数変換処理を施したものを平均電力値Pavg_L_logとして得ると共に、前回算出した前回平均電力値Pavg_lastに対数変換処理を施したものを前回平均電力値Pavg_last_logとして得る(ステップS5)。次に、平均電力算出部34は、上記した平均電力値Pavg_L_logと、前回平均電力値Pavg_last_logとの差分値を差分電力Pd_logとして求める(ステップS6)。次に、平均電力算出部34は、かかる差分電力Pd_logが、所定の電力制限値Plimit_logよりも大であるか否かを判定する(ステップS7)。ステップS7において、差分電力Pd_logが、所定の電力制限値Plimit_logよりも大であると判定された場合、平均電力算出部34は、差分電力Pd_logの値を電力制限値Plimit_logの値に置換する(ステップS8)。かかるステップS8の終了後、又は、上記ステップS7にて差分電力Pd_logが電力制限値Plimit_logよりも大ではないと判定された場合、平均電力算出部34は、平均電力値Pavg_L_logが前回平均電力値Pavg_last_logよりも大であるか否かを判定する(ステップS9)。ステップS9において平均電力値Pavg_L_logが前回平均電力値Pavg_last_logよりも大であると判定された場合、平均電力算出部34は、上記差分電力Pd_logに所定の固定係数Aavg_logを乗算して得られた乗算結果を、前回平均電力値Pavg_last_logに加算したものを平均電力値Pavg_logとする(ステップS10)。一方、上記ステップS9において平均電力値Pavg_L_logが前回平均電力値Pavg_last_logよりも大ではないと判定された場合、平均電力算出部34は、差分電力Pd_logに上記固定係数Aavg_logを乗算して得られた乗算結果を、前回平均電力値Pavg_last_logから減算したものを平均電力値Pavg_logとする(ステップS11)。上記ステップS10又はS11の実行後、平均電力算出部34は、対数変換された平均電力値Pavg_logを真数に戻したものを平均電力値Pavgとして閾値・置換電力算出部33に供給する(ステップS12)。ステップS12の実行後、平均電力算出部34は、かかる平均電力値Pavgを前回平均電力値Pavg_lastとして置き換える(ステップS13)。かかるステップS13の実行後、平均電力算出部34は、上記ステップS2の実行に戻って前述した如き動作を繰り返し実行する。
【0038】
要するに、平均電力算出部34は、先ず、最終段のノイズ重畳区間検出処理部(32)から供給された電力サンプル値系列(WCN)に対して、所定の固定区間長(Lavg)毎に平均電力値(Pavg_L)を求める(ステップS4)。次に、かかる平均電力値(Pavg_L)、及び前回算出した平均電力値(Pavg_last)に夫々対数変換処理を施してから、両者の差分値(Pd_log)を算出する(ステップS6)。そして、平均電力算出部34は、このような平均電力値の変動分である差分値(Pd_log)の上限を所定値(Plim_log)に制限しつつ、かかる差分値(Pd_log)に所定係数(Aavg_log)を乗算した結果を、前回算出した平均電力(Pavg_last)に加算することにより、新たな平均電力(Pavg)を得て、これを閾値・置換電力算出部33に供給する。この際、平均電力(Pavg_L)を対数変換(ステップS5)することにより、インパルスノイズの重畳による平均電力の変動を抑制している。これにより、インパルスノイズがインパルスノイズ重畳の判定に用いるノイズ閾値(α)に与える影響を低減させている。
【0039】
閾値・置換電力算出部33は、平均電力算出部34から供給された平均電力値Pavgに基づき、以下の如くノイズ閾値α〜α及び置換電力値P〜Pを算出する。
【0040】
先ず、閾値・置換電力算出部33は、以下に示す数式に従って、平均電力値Pavgに固定係数β,β,β,・・・,β(N-1)を乗算することにより、ノイズ閾値α,α,α,・・・,α(N-1)を夫々得る。
αk=βk×Pavg (kは、1〜Nの自然数)
【0041】
尚、固定係数β〜βの各々は、以下の如き大小関係を有する。
β>β>β>β>β・・・・>β(N−1)>β
【0042】
よって、ノイズ閾値α〜αの各々も以下の如き大小関係を有するものとなる。
α>α>α>α>α・・・・>α(N−1)>α
【0043】
次に、閾値・置換電力算出部33は、上記の如く算出したノイズ閾値α〜α各々の値を、置換電力値P〜Pとする。
k=αk (kは、1〜Nの自然数)
【0044】
従って、上記の如く算出された置換電力値P〜Pの各々は、以下の如き大小関係を有するものとなる。
>P>P>P>P・・・・>P(N−1)>P
閾値・置換電力算出部33は、上記の如く算出したノイズ閾値α〜αを、図2に示す如くノイズ重畳区間検出処理部32〜32各々のインパルスノイズ検出部302に供給する。更に、閾値・置換電力算出部33は、上記の如く算出した置換電力値P〜Pを、図2に示す如く、ノイズ重畳区間検出処理部32〜32各々の電力置換部304に供給する。従って、ノイズ重畳区間検出処理部32〜32において、後段のノイズ重畳区間検出処理部32ほど小なる値を有する置換電力値P及びノイズ閾値αが供給されることになる。
【0045】
ノイズ除去部35は、論理和ゲート30から供給された、ノイズ検出信号ND〜NDの論理和を表す信号に基づき、遅延部36を介して供給された受信信号RSに対して以下の如きインパルスノイズ除去処理を行う。尚、遅延部36は、チューナ2から供給された受信信号RSを、上記電力算出部31及びノイズ重畳区間検出処理部32〜32各々による処理の合計時間分だけ遅延させてからノイズ除去部35に供給する。
【0046】
すなわち、ノイズ除去部35は、遅延部36を介して供給された受信信号RS中において、ノイズ重畳区間検出処理部32〜32から送出されたノイズ検出信号ND〜NDの論理和が論理レベル0となる区間、つまりインパルスノイズが重畳していないと判定された非ノイズ区間では、受信信号RSをそのままノイズ除去受信信号NCRとして復調回路4に供給する。一方、ノイズ検出信号ND〜NDの論理和が夫々論理レベル1となる区間、つまりインパルスノイズが重畳していると判定されたノイズ重畳区間では、遅延部36を介して供給された受信信号RSに対して消失処理を施す。すなわち、受信信号RS中において、ノイズ検出信号NDが論理レベル1となる区間では、その信号レベルを強制的に「0」に置き換えたものをノイズ除去受信信号NCRとして復調回路4に供給する。
【0047】
以下に、インパルスノイズ除去回路3によるインパルスノイズの除去動作について、受信信号RS中に図4に示す如きインパルスノイズQ1〜Q4が連続して重畳されている場合を例にとって説明する。尚、インパルスノイズ除去回路3に搭載されているノイズ重畳区間検出処理部32の段数Nは3、つまりノイズ重畳区間検出処理部32〜32にてノイズ重畳区間の検出を行うものとする。
【0048】
先ず、インパルスノイズ除去回路3の電力算出部31は、受信信号RSにおける各サンプル値毎に受信電力の算出を行って得られた図4に示す如き受信電力サンプル値系列Wを、第1段目のノイズ重畳区間検出処理部32に供給する。
【0049】
ノイズ重畳区間検出処理部32の移動平均電力算出部301は、かかる受信電力サンプル値系列Wに対して、移動平均区間長Lにて示される区間(例えば2サンプル区間)毎に平均値を求めて得られた図4に示す如き移動平均電力サンプル値系列WMV1をインパルスノイズ検出部302に供給する。
【0050】
ノイズ重畳区間検出処理部32のインパルスノイズ検出部302は、図4に示すように、かかる移動平均電力サンプル値系列WMV1がノイズ閾値αよりも小である区間(非ノイズ区間)では論理レベル0、大である区間(ノイズ重畳区間)では論理レベル1となるノイズ検出信号NDを電力置換部304及びノイズ除去部35に供給する。この際、ノイズ重畳区間検出処理部32のインパルスノイズ検出部302では、図4に示すように、受信信号RSに重畳されているインパルスノイズQ1〜Q4の内のQ1の一部及びQ3の各々をノイズ重畳区間(ND:論理レベル1)として判定するものの、インパルスノイズQ2及びQ4各々を非ノイズ区間(ND:論理レベル0)と判定している。
【0051】
ノイズ重畳区間検出処理部32の電力置換部304は、受信電力サンプル値系列W中においてノイズ検出信号NDが論理レベル0となる非ノイズ区間では、この受信電力サンプル値系列Wをそのまま受信電力サンプル値系列WC1として次段のノイズ重畳区間検出処理部32に供給する。一方、受信電力サンプル値系列W中において、ノイズ検出信号NDが論理レベル1となるノイズ重畳区間では、電力置換部304は、この受信電力サンプル値系列Wにおける受信電力サンプル値の各々を、図4に示す如く置換電力値Pに置換したものを上記受信電力サンプル値系列WC1としてノイズ重畳区間検出処理部32に供給する。 すなわち、ノイズ重畳区間検出処理部32の電力置換部304は、受信電力サンプル値系列W中において、平均電力値Pavgに基づいて算出されたノイズ閾値αによりインパルスノイズが重畳されていると判定されたノイズ重畳区間に含まれるサンプル値を、置換電力値Pに置換するのである。
【0052】
ノイズ重畳区間検出処理部32の移動平均電力算出部301は、前段のノイズ重畳区間検出処理部32から供給された受信電力サンプル値系列WC1に対して、移動平均区間長Lにて示される区間毎に平均値を求めて得られた図4に示す如き移動平均電力サンプル値系列WMV2をインパルスノイズ検出部302に供給する。尚、かかる移動平均区間長Lは、上記した移動平均区間長Lよりも大である。よって、ノイズ重畳区間検出処理部32の移動平均電力算出部301にて得られる移動平均電力サンプル値系列WMV2は、ノイズ重畳区間検出処理部32の移動平均電力算出部301にて得られる移動平均電力サンプル値系列WMV1よりも、時間経過に伴うレベル推移が緩やかになり、そのサンプル値系列波形によるパルス幅が広くなる。
【0053】
ノイズ重畳区間検出処理部32のインパルスノイズ検出部302は、図4に示す如く、移動平均電力サンプル値系列WMV2がノイズ閾値αよりも小である区間(非ノイズ区間)では論理レベル0、大である区間(ノイズ重畳区間)では論理レベル1となるノイズ検出信号NDを電力置換部304及びインパルスノイズ除去部35に供給する。この際、ノイズ閾値αは上記したノイズ閾値αよりも小であり、且つ、移動平均電力サンプル値系列WMV2は上記した移動平均電力サンプル値系列WMV1よりもそのサンプル値系列波形によるパルス幅が広い。これにより、ノイズ重畳区間検出処理部32のインパルスノイズ検出部302では、図4に示すように、受信信号RSに重畳されているインパルスノイズQ1〜Q4各々をノイズ重畳区間(ND:論理レベル1)として判定するようになる。
【0054】
ノイズ重畳区間検出処理部32の電力置換部304は、受信電力サンプル値系列WC1中においてノイズ検出信号NDが論理レベル0となる非ノイズ区間では、受信電力サンプル値系列WC1をそのまま受信電力サンプル値系列WC2として最終段のノイズ重畳区間検出処理部32に供給する。一方、受信電力サンプル値系列WC1中において、ノイズ検出信号NDが論理レベル1となるノイズ重畳区間では、電力置換部304は、この受信電力サンプル値系列WC1における電力サンプル値の各々を、図4に示す如く置換電力値Pに置換したものを上記受信電力サンプル値系列WC2として最終段のノイズ重畳区間検出処理部32に供給する。この際、置換電力値Pは、上記した置換電力値Pよりも小である。
【0055】
すなわち、ノイズ重畳区間検出処理部32の電力置換部304は、受信電力サンプル値系列WC1中において、ノイズ閾値αよりも小なるノイズ閾値αによって判定されたノイズ重畳区間(ND:論理レベル1)に含まれるサンプル値の全てを、図4に示す如く置換電力値Pよりも小なる置換電力値Pに置換するのである。
【0056】
最終段のノイズ重畳区間検出処理部32の移動平均電力算出部301は、前段のノイズ重畳区間検出処理部32から供給された受信電力サンプル値系列WC2に対して、移動平均区間長Lにて示される区間毎に平均値を求めて得られた図4に示す如き移動平均電力サンプル値系列WMV3をインパルスノイズ検出部302に供給する。尚、かかる移動平均区間長Lは、上記した移動平均区間長Lよりも大である。よって、ノイズ重畳区間検出処理部32の移動平均電力算出部301にて得られる移動平均電力サンプル値系列WMV3は、ノイズ重畳区間検出処理部32の移動平均電力算出部301にて得られる移動平均電力サンプル値系列WMV2よりも、時間経過に伴うレベル推移が緩やかになり、そのサンプル値系列波形によるパルス幅が広がる。
【0057】
ノイズ重畳区間検出処理部32のインパルスノイズ検出部302は、図4に示す如く、移動平均電力サンプル値系列WMV3がノイズ閾値αよりも小である区間(非ノイズ区間)では論理レベル0、大である区間(ノイズ重畳区間)では論理レベル1となるノイズ検出信号NDを電力置換部304及びノイズ除去部35に供給する。この際、ノイズ閾値αは上記したノイズ閾値αよりも小であり、且つ、移動平均電力サンプル値系列WMV3は上記した移動平均電力サンプル値系列WMV2よりもそのサンプル値系列波形によるパルス幅が広い。これにより、ノイズ重畳区間検出処理部32のインパルスノイズ検出部302では、図4に示すように、受信信号RS中において連続して重畳されているインパルスノイズQ1〜Q4の全てを含む範囲をノイズ重畳区間(ND:論理レベル1)として判定することになる。
【0058】
ノイズ除去部35は、図4に示すように、ノイズ検出信号ND、ND、NDの論理和が論理レベル0となる非ノイズ区間では受信信号RSをそのままノイズ除去受信信号NCRとして復調回路4に供給する。一方、ノイズ検出信号ND、ND、NDの論理和が論理レベル1となるノイズ重畳区間では、ノイズ除去部35は、かかる受信信号RS中においてその信号レベルを強制的に「0」に置き換え(消失処理)たものをノイズ除去受信信号NCRとして復調回路4に供給する。
【0059】
従って、インパルスノイズ除去回路3によれば、図4に示す如く、受信信号RS中において連続して重畳された複数のインパルスノイズQ1〜Q4を全て含むインパルスノイズ重畳区間に対して消失処理を施すことが可能となる。
【0060】
尚、上記実施例においては、3個のノイズ重畳区間検出処理部32〜32を用いてノイズ重畳区間を検出す場合の動作について説明したが、2個のノイズ重畳区間検出処理部32及び32、あるいは、単一のノイズ重畳区間検出処理部32だけでノイズ重畳区間を検出するようにしても良い。
【0061】
又、上記実施例においては、インパルスノイズ除去回路3を図2に示す如き各機能モジュールからなるハードウェアにて実現するようにしているが、インパルスノイズ除去処理をソフトウェアで行うようにしても良い。
【0062】
図5は、かかる点に鑑みて為されたインパルスノイズ除去回路3の他の内部構成を示す図である。
【0063】
図5に示すインパルスノイズ除去回路3は、制御バス37に接続されている制御部38、ROM(Read Only Memory)39、RAM(Random Access Memory)40及び入出力ポート41から構成される。
【0064】
ROM39には、インパルスノイズ除去処理を行う為のプログラムが予め記憶されている。
【0065】
RAM40には、以下の如き大小関係からなる所定の移動平均区間長L〜L、ノイズ閾値α〜α、置換電力値P〜Pが予め記憶されている。
【0066】
>P>P>P>P・・・・>P(N−1)>P
α>α>α>α>α・・・・>α(N−1)>α
<L<L<L<L・・・・<L(N−1)<L
制御部38は、入出力ポート41を介して供給された受信信号RSに対して、ROM39に記憶されているプログラムに従ったインパルスノイズ除去処理を施すことにより、インパルスノイズの除去されたノイズ除去受信信号NCRを生成し、これを入出力ポート41を介して出力する。
【0067】
図6は、ROM39に記憶されているプログラムとしてのインパルスノイズ除去処理フローを示す図である。
【0068】
図6において、制御部38は、先ず、ノイズ重畳区間の検出処理回数として初期値「1」を表す検出処理回数KをRAM40に記憶する(ステップS21)。次に、制御部38は、受信信号RSにおける所定期間分の各サンプル値毎に受信電力の算出を行い、所定期間内での時間経過に伴う受信電力の推移を表す受信電力サンプル値系列を受信電力サンプル値系列WcとしてRAM40に上書き記憶する(ステップS22)。すなわち、ステップS22の実行により、図2に示す電力算出部31と同様な処理が為される。次に、制御部38は、RAM40に記憶されている受信電力サンプル値系列Wcに対して、RAM40に記憶されている移動平均区間長L(K:RAM40に記憶されている検出処理回数)毎に移動平均を算出し、これを移動平均電力サンプル値系列WMVとしてRAM40に上書きする(ステップS23)。すなわち、ステップS23の実行により、図2に示す移動平均電力算出部301と同様な処理が為される。次に、制御部38は、RAM40に記憶されている移動平均電力サンプル値系列WMV中においてサンプル値が、RAM40に記憶されているノイズ閾値α(K:RAM40に記憶されている検出処理回数)よりも小となる区間は論理レベル0、大となる区間は論理レベル1となるノイズ検出信号NDを生成し、RAM40に上書きする(ステップS24)。すなわち、ステップS24の実行により、図2に示すインパルスノイズ検出部302と同様な処理が為される。次に、制御部38は、RAM40に記憶されている受信電力サンプル値系列Wc中において、ノイズ検出信号NDが論理レベル1となる区間に限り、そのサンプル値の各々を置換電力値P(K:RAM40に記憶されている検出処理回数)に置換する(ステップS25)。すなわち、ステップS25の実行により、図2に示す電力置換部304と同様な処理が為される。次に、制御部38は、RAM40に記憶されている検出処理回数Kが所定の最終回数Nを超えていないか否かを判定する(ステップS26)。ステップS26において、検出処理回数Kが最終回数Nを超えていないと判定された場合、制御部38は、検出処理回数Kに「1」を加算したものを新たな検出処理回数KとしてRAM40に上書きする(ステップS27)。ステップS27の実行後、制御部38は、上記したステップS23の実行に戻って、前述した如きステップS23〜S25の動作を繰り返し実行する。つまり、所定期間分の受信信号RS毎に、ステップS23〜S25による動作がN回繰り返し実行されるのである。例えば、検出処理回数Kが「1」の際に実行されたステップS23〜S25により、図2に示すノイズ重畳区間検出処理部32と同様な処理が為され、検出処理回数Kが「2」の際に実行されたステップS23〜S25により、図2に示すノイズ重畳区間検出処理部32と同様な処理が為されるのである。
【0069】
この間、ステップS26において検出処理回数Kが最終回数N以上となったと判定された場合、制御部38は、受信信号RS中においてノイズ検出信号ND〜NDが夫々論理レベル1となる区間に限り消失処理、つまり受信信号RSの信号レベルを強制的に「0」に置き換えたものをノイズ除去受信信号NCRとし、これを入出力ポート41を介して出力する(ステップS28)。すなわち、検出処理回数Kが最終回数Nとなった際に実行されたステップS23〜S25により、図2に示すノイズ重畳区間検出処理部32と同様な処理が為される。そして、ステップS28の実行により、図2に示すノイズ除去部35と同様に、ノイズ検出信号ND〜NDの論理和結果に基づいて受信信号RSに対して消失処理を施したものが、ノイズ除去受信信号NCRとして出力されるのである。次に、制御部38は、RAM40に記憶されている受信電力サンプル値系列Wcに対して、図3に示す如き平均電力算出処理を施すことにより平均電力値Pavgを算出する(ステップS29)。すなわち、ステップS29の実行により、図2に示す平均電力算出部34と同様な処理が為される。次に、制御部38は、前述した如き閾値・置換電力算出部33と同様な方法で、上記平均電力値Pavgに基づきノイズ閾値α〜α、置換電力値P〜Pを算出して、夫々をRAM40に上書きする(ステップS30)。すなわち、ステップS30の実行により、図2に示す閾値・置換電力算出部33と同様な処理が為される。かかるステップS30の実行後、制御部38は、上記ステップS21の実行に戻って前述した如き動作を繰り返し実行する。
【0070】
上記した如きソフトウェアによるインパルスノイズ除去処理によっても、図2に示す如き構成を採用した場合と同様に、図4に示す如く、受信信号RS中において連続して重畳されているインパルスノイズの重畳区間を確実に検出することが可能となる。
【0071】
要するに、インパルスノイズ除去回路3は、先ず、受信電力値系列(W、Wc)に対して所定の移動平均区間長(L)毎にその移動平均区間長(L)での移動平均値系列(WMV)を求め(移動平均電力算出処理)、この移動平均値系列(WMV)がノイズ閾値(α)よりも大となる区間をインパルスノイズ重畳区間として検出する(インパルスノイズ検出処理)。そして、受信電力系列(W、Wc)中における上記インパルスノイズ重畳区間での電力値を置換電力値(P)に置換(電力置換処理)したものを新たな受信電力系列(Wc)とし、上記した如き移動平均電力算出処理、インパルスノイズ検出処理及び電力置換処理からなるノイズ重畳区間検出処理(32又はS23〜S25)を少なくとも1回以上実行する。ここで、受信信号(RS)中において、ノイズ重畳区間検出処理(32〜32)で検出されたインパルスノイズ重畳区間に対して消失処理を施すことにより、インパルスノイズの除去されたノイズ除去受信信号(NCR)を出力する。
【0072】
尚、かかるノイズ重畳区間検出処理を繰り返し実行するにあたり、後段での処理ほど、上記した如き移動平均を行う移動平均区間長(L)を長くすると共に、ノイズ閾値(α)及び置換電力値(P)を段階的に低くするようにしている。これにより、図4に示すように、ノイズ重畳区間検出処理の初期段階(例えば、32)では、比較的大なる単発的なインパルスノイズ(例えば、Q1、Q3)が検出され、終盤の段階(例えば、32)では、連続する複数のインパルスノイズの重畳区間(例えば、TQ)が検出できるようになる。すなわち、単発的なインパルスノイズのみならず、連続する複数のインパルスノイズの重畳区間を検出することが可能となるのである。
【0073】
この際、各段階のノイズ重畳区間検出処理では、前段のノイズ重畳区間検出処理で検出されたインパルスノイズ重畳区間での値を強制的に固定の置換電力値(P)に置換してなる受信電力系列(Wc)に対して移動平均値(WMV)を算出するようにしている。このような電力置換処理により、大電力のインパルスノイズがノイズ閾値(α)に与える影響を低減させ、且つ比較的電力が小さく連続的に発生するインパルスノイズの検出精度を高めているのである。
【0074】
又、ノイズ閾値(α)を求める為のパラメータである平均電力値(Pavg)を算出する(34、S39)にあたり、前回算出した平均電力値(Pavg_last)と今回算出した平均電力値(Pavg_L)との差分、つまり平均電力の変動分(Pd)に所定係数(Aavg)を乗算したものを、前回算出した平均電力値(Pavg_last)に加算(S10、S11)している。この際、かかる平均電力の算出処理を対数空間で行い(S5、S6、S10、S11)つつ、平均電力の変動分(Pd)の上限を所定値(Plim_log)に制限している。これにより、大電力インパルスノイズが平均電力に著しく影響することを排除して、インパルスノイズ重畳判定の為のノイズ閾値(α)の精度を高めているのである。
【0075】
従って、インパルスノイズ除去回路3によれば、大電力のインパルスノイズのみならず、比較的電力が小さく連続的に発生するインパルスノイズに対してもそのノイズ重畳区間を精度良く検出して、ノイズ除去を行うことが可能となる。
【0076】
尚、上記実施例においては、チューナ2から出力されたIF信号としての受信信号RSに対して、インパルスノイズ除去回路3により前述した如きインパルスノイズ除去処理を施すようにしているが、アンテナ1からRF信号に対してインパルスノイズ除去処理を施すようにしても良い。
【0077】
図7は、かかる点に鑑みて為されたディジタル放送受信装置の概略構成を示す図である。
【0078】
図7に示す構成では、インパルスノイズ除去回路3は、アンテナ1から出力されたRF信号を受信信号RSとして取り込み、かかる受信信号RSに対して前述した如きインパルスノイズ除去処理を施して得られたノイズ除去受信信号NCRをチューナ2に供給する。チューナ2は、ノイズ除去受信信号NCR中から所望帯域の信号を抽出し、この信号を中間周波帯域の信号にダウンコンバートして得られたIF信号を復調回路4に供給する。
【符号の説明】
【0079】
3 インパルスノイズ除去回路
31 電力算出部
32〜32 ノイズ重畳区間検出処理部
33 閾値・置換電力算出部
34 平均電力算出部
35 ノイズ除去部
301 移動平均電力算出部
302 インパルスノイズ検出部
304 電力置換部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信した受信信号に重畳されているインパルスノイズを除去するインパルスノイズの除去方法であって、
前記受信信号の受信電力を算出して時間経過に伴う電力推移を表す受信電力値系列を得る電力算出行程と、
受信電力値系列に対して移動平均区間長毎に移動平均を算出して移動平均電力値系列を得る移動平均算出行程と、
前記移動平均電力値系列中においてノイズ閾値よりも大なる区間をインパルスノイズ重畳区間として検出するインパルスノイズ検出行程と、
前記受信電力値系列中において前記インパルスノイズ重畳区間における電力値の各々を一定の置換電力値に置換したものを新たな受信電力値系列とする電力置換行程と、
所定期間毎に前記移動平均算出行程、前記インパルスノイズ検出行程、及び前記電力置換行程からなるノイズ重畳区間検出処理をN回(Nは自然数)実行させる行程と、
前記電力置換行程において得られた前記受信電力値系列の平均を算出して平均電力値を得る平均電力算出行程と、
前記平均電力値に基づき、前記ノイズ閾値及び前記置換電力値を夫々算出する閾値・置換電力算出行程と、
前記受信信号中において、前記N回の前記ノイズ重畳区間検出処理の前記インパルスノイズ検出行程において検出された前記インパルスノイズ重畳区間のレベルに対して消失処理を施すノイズ除去行程と、を有することを特徴とするインパルスノイズの除去方法。
【請求項2】
前記Nが2以上である場合には前記ノイズ重畳区間検出処理各々において後段のノイズ重畳区間検出処理ほど、小なる前記置換電力値にて電力の置換が為されることを特徴とする請求項1記載のインパルスノイズの除去方法。
【請求項3】
前記Nが2以上である場合には前記ノイズ重畳区間検出処理各々において後段のノイズ重畳区間検出処理ほど、小なる前記ノイズ閾値にて前記インパルスノイズ重畳区間の検出が為されることを特徴とする請求項1又は2記載のインパルスノイズの除去方法。
【請求項4】
前記Nが2以上である場合には前記ノイズ重畳区間検出処理各々において後段のノイズ重畳区間検出処理ほど、大なる移動平均区間長にて前記移動平均の算出が為されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載のインパルスノイズの除去方法。
【請求項5】
前記平均電力算出行程は、前記Nが2以上である場合には前記ノイズ重畳区間検出処理各々の内で最終のノイズ重畳区間検出処理の前記電力置換行程において得られた前記受信電力値系列に対してのみに平均算出処理を施すことにより前記平均電力値を得ることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載のインパルスノイズの除去方法。
【請求項6】
前記平均電力算出行程は、前記受信電力値系列における平均値及び前回算出された前記平均電力値の各々に対数変換処理を施して両者の差分値を算出し、前記差分値の上限を所定値に制限すべき制限処理を前記差分値に施したものを前回算出された前記平均電力値に加算したものを新たな平均電力値とすることを特徴とする請求項5に記載のインパルスノイズの除去方法。
【請求項7】
受信した受信信号に重畳されているインパルスノイズを除去するインパルスノイズ除去回路であって、
前記受信信号の受信電力を算出して時間経過に伴う電力推移を表す受信電力値系列を得る電力算出部と、
受信電力値系列に対して移動平均区間長毎に移動平均を算出して移動平均電力値系列を得る移動平均算出部と、前記移動平均電力値系列中においてノイズ閾値よりも大なる区間をインパルスノイズ重畳区間として検出するインパルスノイズ検出部と、前記受信電力値系列中において前記インパルスノイズ重畳区間における電力値の各々を一定の置換電力値に置換したものを新たな受信電力値系列としてこれを次段の前記電力算出部及び前記移動平均算出部各々に供給する電力置換部と、を各々が含むN(Nは2以上の整数)個の互いに直列接続されたノイズ重畳区間検出処理部と、
前記電力置換部にて得られた前記受信電力値系列の平均を算出して平均電力値を得る平均電力算出部と、
前記平均電力値に基づき、前記ノイズ閾値及び前記置換電力値を夫々算出して前記ノイズ重畳区間検出処理部の各々に供給する閾値・置換電力算出部と、
前記受信信号中において、直列接続された前記N個の前記ノイズ重畳区間検出処理部各々の前記インパルスノイズ検出部にて検出された前記インパルスノイズ重畳区間のレベルに対して消失処理を施すノイズ除去部と、を有することを特徴とするインパルスノイズ除去回路。
【請求項8】
前記閾値・置換電力算出部は、直列接続された前記N個の前記ノイズ重畳区間検出処理部各々において後段のノイズ重畳区間検出処理部ほど小なる前記置換電力値を供給することを特徴とする請求項7記載のインパルスノイズ除去回路。
【請求項9】
前記閾値・置換電力算出部は、直列接続された前記N個の前記ノイズ重畳区間検出処理部各々において後段のノイズ重畳区間検出処理部ほど小なる前記ノイズ閾値を供給することを特徴とする請求項7又は8記載のインパルスノイズ除去回路。
【請求項10】
前記移動平均区間長は、直列接続された前記N個の前記ノイズ重畳区間検出処理部各々において後段のノイズ重畳区間検出処理部ほど大であることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1に記載のインパルスノイズ除去回路。
【請求項11】
前記平均電力算出部は、直列接続された前記N個の前記ノイズ重畳区間検出処理部各々の内で最終段のノイズ重畳区間検出処理部の前記電力置換部にて得られた前記受信電力値系列に対してのみに平均算出処理を施すことにより前記平均電力値を得ることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1に記載のインパルスノイズ除去回路。
【請求項12】
前記平均電力算出部は、前記受信電力値系列における平均値及び前回算出された前記平均電力値の各々に対数変換処理を施して両者の差分値を算出する手段と、前記差分値の上限を所定値に制限すべき制限処理を前記差分値に施す手段と、前記制限処理の施された前記差分値を前回算出された前記平均電力値に加算したものを新たな平均電力値とすることを特徴とする請求項11に記載のインパルスノイズ除去回路。
【請求項13】
受信した受信信号に重畳されているインパルスノイズを除去するインパルスノイズ除去回路であって、
前記受信信号の受信電力を算出して時間経過に伴う電力推移を表す受信電力値系列を得る電力算出部と、
受信電力値系列に対して移動平均区間長毎に移動平均を算出して移動平均電力値系列を得る移動平均算出部と、前記移動平均電力値系列中においてノイズ閾値よりも大なる区間をインパルスノイズ重畳区間として検出するインパルスノイズ検出部と、前記受信電力値系列中において前記インパルスノイズ重畳区間における電力値の各々を一定の置換電力値に置換したものを新たな受信電力値系列としてこれを次段の前記電力算出部及び前記移動平均算出部各々に供給する電力置換部と、を含むノイズ重畳区間検出処理部と、
前記電力置換部にて得られた前記受信電力値系列の平均を算出して平均電力値を得る平均電力算出部と、
前記平均電力値に基づき、前記ノイズ閾値及び前記置換電力値を夫々算出して前記ノイズ重畳区間検出処理部に供給する閾値・置換電力算出部と、
前記受信信号中において、前記ノイズ重畳区間検出処理部の前記インパルスノイズ検出部にて検出された前記インパルスノイズ重畳区間のレベルに対して消失処理を施すノイズ除去部と、を有することを特徴とするインパルスノイズ除去回路。
【請求項14】
受信した受信信号に重畳されているインパルスノイズを除去すべく制御部によって実行されるプログラムであって、
前記受信信号の受信電力を算出して時間経過に伴う電力推移を表す受信電力値系列を得る第1ステップと、
受信電力値系列に対して移動平均区間長毎に移動平均を算出して移動平均電力値系列を得る第2ステップと、
前記移動平均電力値系列中においてノイズ閾値よりも大なる区間をインパルスノイズ重畳区間として検出する第3ステップと、
前記受信電力値系列中において前記インパルスノイズ重畳区間における電力値の各々を一定の置換電力値に置換したものを新たな受信電力値系列とする第4ステップと、
所定期間毎に前記第2〜第4ステップからなる一連の処理をN回(Nは2以上の整数)繰り返し実行させつつ、後段の処理ほど前記ノイズ閾値及び前記置換電力値を小さくすると共に前記移動平均区間長を大きくする第5ステップと、
前記受信信号中において、前記N回の処理の前記第3ステップにおいて検出された前記インパルスノイズ重畳区間のレベルに対して消失処理を施す第6ステップと、を有することを特徴とするプログラム。
【請求項15】
前記第5ステップでは、前記N回の処理各々の内で最終処理の前記第4ステップにおいて得られた前記受信電力値系列に対して平均算出処理を施すことにより平均電力値を得て、当該平均電力値に基づいて前記N回の各処理毎に前記ノイズ閾値及び前記置換電力値を夫々算出することを特徴とする請求項14記載のプログラム。
【請求項16】
前記第5ステップでは、前記受信電力値系列における平均値及び前回算出された前記平均電力値の各々に対数変換処理を施して両者の差分値を算出し、前記差分値の上限を所定値に制限すべき制限処理を前記差分値に施したものを前回算出された前記平均電力値に加算したものを新たな平均電力値とすることを特徴とする請求項15に記載のプログラム。
【請求項17】
受信した受信信号に重畳されているインパルスノイズを除去すべく制御部によって実行されるプログラムであって、
前記受信信号の受信電力を算出して時間経過に伴う電力推移を表す受信電力値系列を得る第1ステップと、
受信電力値系列に対して移動平均区間長毎に移動平均を算出して移動平均電力値系列を得る第2ステップと、
前記移動平均電力値系列中においてノイズ閾値よりも大なる区間をインパルスノイズ重畳区間として検出する第3ステップと、
前記受信電力値系列中において前記インパルスノイズ重畳区間における電力値の各々を一定の置換電力値に置換したものを新たな受信電力値系列とする第4ステップと、
所定期間毎に前記第2〜第4ステップからなる一連の処理を実行させつつ、前記第3ステップにおいて検出された前記インパルスノイズ重畳区間のレベルに対して消失処理を施すステップと、を有することを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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