説明

インモールド成型容器およびその製造方法

【課題】優れた断熱性を備えるとともに軽量であるインモールド成型容器と、このような容器を製造するための方法を提供する。
【解決手段】ブランク板またはラベルを配置した金型内に熱可塑性樹脂を射出してブランク板やラベルと樹脂成型部とが一体化されたインモールド成型容器であって、上記のブランク板やラベルが、融点が110℃以上である発泡樹脂シートからなるものとし、このようなインモールド成型容器は、熱可塑性樹脂の溶融温度Yを、発泡樹脂シートの融点Xとの間に(Y−X)≦50℃の関係が成立し、かつ、溶融した熱可塑性樹脂のメルトインデックス(MI)が7g/10分以上となるように設定してインモールド成型することにより製造することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インモールド成型容器に係り、特にインモールド成型されたピラード容器およびインモールドラベル容器とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、カップ麺を収納する容器等のように、高温の内容物からの熱を遮断して手で保持可能な断熱性を備えた容器が種々使用されている。このような断熱性を備えた容器としては、ポリスチレンペーパー(PSP)を用いて真空成型した樹脂容器(例えば、どんぶり型容器)、発泡性ビーズを用いてビーズ成型した樹脂容器(例えば、縦型カップ麺容器)等が使用されている。
【0003】
しかし、PSPを真空成型した樹脂容器は、真空成型時にPSPが引き伸ばされることにより歪が発生するため、容器の部位によって肉厚にバラツキがあり、強度および断熱性の不十分な箇所が生じるという問題があった。また、PSPを真空成型した樹脂容器では、シャープな形状の成型が困難であるため、開口部の形状がラウンドしたものとなり、所謂平坦かつ薄肉状のフランジ形状とすることができず、また、耐熱性、剛性も低いため、蓋材を精密に嵌合させたり、熱融着することができず、ホットメルトによる接合等の限られた手法のみが許されるものであった。さらに、PSPの真空成型容器は、電子レンジで使用できず、また、容器の高さと開口径の比が1以上であるような縦型容器の成型が困難であった。また、PSPを真空成型した樹脂容器に対して印刷を行なう場合、多色で高精細な印刷は困難であった。一方、予め印刷を行なったPSPを用いて真空成型することは可能であるが、上述のように真空成型時の引き伸ばしにより絵柄等に歪みが生じるため、高精細な多色絵柄やバーコード等を備えた樹脂容器の成型は困難であった。
【0004】
また、発泡性ビーズを用いてビーズ成型した樹脂容器は、肉厚のバラツキという問題はなく、また、縦型容器やフランジを備えた形状の容器とすることが可能であるものの、耐熱性は不十分であり、蓋材の固着手法には制限があった。さらに、ビーズ成型では、バリア性のあるシートで成型できないので、ビーズ成型した樹脂容器はバリア性、特に酸素バリア性の点で劣り、また、ビーズ成型した樹脂容器に対して印刷を行なう場合、PSPを真空成型した樹脂容器と同様、多色で高精細な印刷は困難であった。
【0005】
上述のような問題を解消するために、複数の縦リブを備えた容器本体の胴部外側にシュリンクラベルを装着した構造のラベル付き容器(特許文献1)、フィラー入り樹脂の成形品からなるカップ状の容器本体と、断熱空間を介して容器本体の外側に配設された外筒と、外筒の下部の内カール部に配設され容器本体を保持するための底メンコと、を備えた断熱容器(特許文献2)が開発されている。
【0006】
しかし、特許文献1のようなラベル付き容器は、表面に位置するシュリンクラベル面に、容器本体の縦リブ模様が現れてしまい、外観を損ねるという問題、シュリンクラベルを装着するための後加工や、シュリンクラベルが容器本体から脱落しないような加工(粘着加工やメルト接着加工等)が必要であり、工程が煩雑で製造コストが高くなるという問題があった。
また、上記の特許文献2のような断熱容器は、製造段階でカップ状の容器本体の成型工程、外筒の成型工程、底メンコの仮止め工程、容器本体と外筒との接着工程とがあり、工程が煩雑で製造コストが高いという問題があった。
【0007】
一方、インモールド成型容器として、ブランク板を配置した金型内に熱可塑性樹脂を射出して成型したピラード容器、ラベルを配置した金型内に熱可塑性樹脂を射出して成型したインモールドラベル容器が使用されている。これらのインモールド成型容器は、縦型容器やフランジを備えた形状の容器とすることが可能であり、また、ブランク板やラベルに多色高精細な印刷を施しておくことにより、上述のような印刷に関する問題は解消される。
しかし、断熱性の点では、上述のPSPを真空成型した樹脂容器やビーズ成型した容器に劣るものであり、また、容器の軽量化にも限界があった。
【特許文献1】特開2001−294282号公報
【特許文献2】特開平6−227538号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、PSPを真空成型した樹脂容器やビーズ成型した容器が備える断熱性や軽量性と、インモールド成型容器が備える多色高精細な印刷と剛性と、を兼ね備えた容器が要望されているが、未だこのような容器は開発されていない。
本発明は、上記のような実情に鑑みてなされたものであり、優れた断熱性を備えるとともに軽量であるインモールド成型容器と、このような容器を製造するための方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような目的を達成するために、本発明は、ブランク板またはラベルを配置した金型内に熱可塑性樹脂を射出して前記ブランク板や前記ラベルと樹脂成型部とが一体化されたインモールド成型容器において、前記ブランク板や前記ラベルは、融点が110℃以上である発泡樹脂シートであるような構成とした。
【0010】
本発明の他の態様として、前記ブランク板としての発泡樹脂シートは、発泡倍率が1.5〜4.0倍の範囲、厚みが0.4〜3.0mmの範囲、厚みのバラツキが20%以下であり、前記ラベルとしての発泡樹脂シートは、発泡倍率が1.2〜3.5倍の範囲、厚みが0.2〜2.0mmの範囲、厚みのバラツキが30%以下であるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記ブランク板や前記ラベルは、前記発泡樹脂シートの少なくとも一方の面にバリアー性フィルムがラミネートされたものであるような構成とした。
本発明の他の態様として、容器開口部に樹脂成型部からなるフランジを有するような構成とした。
【0011】
本発明の他の態様として、前記発泡樹脂シートと前記樹脂成型部とは、同じ樹脂系であるような構成とし、前記発泡樹脂シートと前記樹脂成型部とは、ポリプロピレン系樹脂からなるもの、または、ポリエチレン系樹脂からなるものであるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記発泡樹脂シートと前記樹脂成型部とが異なる樹脂系であり、前記発泡樹脂シートは、容器内側となる面に前記樹脂成型部と同じ樹脂系のフィルムを備えるような構成とし、前記発泡樹脂シートと前記樹脂成型部とは、一方がポリプロピレン系樹脂からなり、他方がポリエチレン系樹脂からなるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記発泡樹脂シートは、容器外側となる面に印刷絵柄を備えるような構成とした。
【0012】
また、本発明は、金型内に予めブランク板またはラベルを配置し、溶融した熱可塑性樹脂を前記金型内に射出して前記ブランク板や前記ラベルと樹脂成型部とが一体化された容器を成型するインモールド成型容器の製造方法において、前記ブランク板や前記ラベルとして融点Xが110℃以上である発泡樹脂シートを使用し、熱可塑性樹脂の溶融温度Yを、前記発泡樹脂シートの融点Xとの間に(Y−X)≦50℃の関係が成立し、かつ、溶融した熱可塑性樹脂のメルトインデックス(MI)が7g/10分以上となるように設定するような構成とした。
【0013】
本発明の他の態様として、前記ブランク板用として、発泡倍率が1.5〜4.0倍の範囲、厚みが0.4〜3.0mmの範囲、厚みのバラツキが20%以下である発泡樹脂シートを使用し、前記ラベル用として、発泡倍率が1.2〜3.5倍の範囲、厚みが0.2〜2.0mmの範囲、厚みのバラツキが30%以下である発泡樹脂シートを使用するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記発泡樹脂シートと同じ樹脂系である熱可塑性樹脂を使用するような構成とした。
【0014】
本発明の他の態様として、前記発泡樹脂シートは少なくとも容器内側となる面にバリアー性を有する樹脂フィルムを備えたものを使用し、該樹脂フィルムと同じ樹脂系である熱可塑性樹脂を使用するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記発泡樹脂シートは容器外側となる面に印刷絵柄を備えるものを使用するような構成とした。
【発明の効果】
【0015】
本発明のインモールド成型容器は、良好な断熱性を備えた軽量、高剛性の容器であり、また、電子レンジで使用することができ、さらに、発泡樹脂シートと樹脂成型部を同じ樹脂系とした場合には、資源再回収における分別が不要となり、また、容器の高さと開口径の比が1以上であるような縦型形状も可能であり、さらに、多色高精細な絵柄を有することも可能である。また、ブランク板やラベルを、発泡樹脂シートにバリアー性フィルムがラミネートされたものとすることにより、本発明のインモールド成型容器は優れたバリアー性を具備したものとなる。さらに、開口部をフランジ形状とした場合、蓋材を精密に嵌合することが可能であり、また、フィルム状の蓋材で開口部を封止した場合には、蓋材の剥離が容易である。
【0016】
本発明のインモールド成型容器の製造方法では、従来にない断熱性と軽量性と剛性を兼ね備えた容器の製造が可能であり、所望の印刷を施した発泡樹脂シートを使用しても、印刷絵柄の形状、寸法をそのまま維持した容器とすることができ、意匠性の高い容器の製造が可能であるとともに、バーコード等の機能性印刷を備えた容器の製造も可能である。また、熱可塑性樹脂として、発泡樹脂シートと同じ樹脂系のもの、あるいは、発泡樹脂シートが容器内側となる面に備える樹脂フィルムと同じ樹脂系のものを使用することにより、熱可塑性樹脂と発泡樹脂シートとの接着前加工が不要となり、工程が簡便で製造コストの低減が可能となる。さらに、発泡樹脂シートとして、少なくとも容器内側となる面にバリア性を有する樹脂フィルムを備えたものを使用することにより、優れたバリアー性を具備したインモールド成型容器の製造が可能となり、また、共押出しにより成形され両面に樹脂フィルムを備えた発泡樹脂シートを使用することにより、カール発生が防止され、作業性の高いインモールド成型が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[インモールド成型容器]
図1および図2は、本発明のインモールド成型容器であるピラード容器の一例を示す斜視図である。図1および図2において、インモールド成型容器1は、樹脂成型部6とブランク板11とが一体となり胴部2、底部3、開口部4が構成されているピラード容器である。
【0018】
インモールド成型容器1の胴部2は、樹脂成型部6のピラー部7、フランジ部8と、ブランク板11の胴部用部材12とで構成され、フランジ部8により開口部4が形成されている。また、インモールド成型容器1の底部3は、樹脂成型部6の下端部9とブランク板11の底部用部材13とからなっている。
【0019】
図3は、図1および図2に示されるインモールド成型容器1に使用されるブランク板11の例を示す平面図である。図2において、ブランク板11は、折り曲げ部材14を介して連設された胴部用部材12と底部用部材13とを一体的に備えたものである。そして、このブランク板11の胴部用部材12の端部12a,12aとが対向した部分、および胴部用部材12の端部12bと底部用部材13の端部13aとが対向した部分に、それぞれ樹脂成型部6のピラー部7、下端部9とが位置して継ぎ合わされている。また、樹脂成型部6のフランジ部8は、ピラー部7に連設され、ブランク板11の胴部用部材12の上端部12cに形成されている
【0020】
本発明のインモールド成型容器1では、ブランク板11が融点110℃以上、好ましくは130℃以上の発泡樹脂シートである。ブランク板11(発泡樹脂シート)の融点が110℃未満であると、製造工程での変形、溶解を生じ、また、電子レンジ対応が難しくなる。このようなブランク板11(発泡樹脂シート)としては、例えば、発泡ポリプロピレンシート、発泡ポリエチレンテレフタレートシート、発泡ポリカーボネート、発泡ABS樹脂、発泡生分解性樹脂(ポリ乳酸樹脂)等を挙げることができる。
【0021】
ブランク板11(発泡樹脂シート)の厚みは、例えば、0.4〜3.0mmの範囲で設定することができ、発泡倍率は、例えば、1.5〜4.0倍程度とすることができる。厚みが0.4mm未満であると、充分な剛性と断熱性が得られず、3.0mmを超えると、材料コストの増大、加工性低下、嵩の増大による欠点が大きくなり好ましくない。また、発泡倍率が1.5倍未満であると、単位厚みの断熱性が低く、また、4.0倍を超えると、強度が不十分となり好ましくない。さらに、ブランク板11(発泡樹脂シート)の厚みのバラツキ[(最大厚みと最小厚みの差/平均厚み)×100]の範囲は20%以下、好ましくは10〜15%の範囲とすることができる。厚みのバラツキが20%を超える、容器の部位による断熱性の差が大きくなり、良好な断熱性を備えた容器とすることが困難となる。尚、本発明における上記の厚み測定は、マイクロメータ(ミツトヨ(株)製)を用いて、一定間隔で3点測定するラインを平行に3本設定し、計9点の測定を行なうものとする。また、インモールド成型容器のフランジ部は形状の精度が要求され、底部はゲートの位置にあたり高温高圧となるため、フランジ部と底部は樹脂のみとすることが望ましく、このため、成型後のブランク板11の厚みのバラツキ測定は、胴部2を構成する胴部用部材12の略中央部位にて、容器高さ上下方向で3点測定するラインを設定し、このラインを容器周方向に平行に3本設定し、計9点で測定する。ただし、測定点の間隔は30mmとするが、被測定物の面積が小さく必要な測定点数を得られない場合は、最小間隔5mmまでの修正を可能とする。
【0022】
また、ブランク板11(発泡樹脂シート)は、少なくとも一方の面にバリアー性フィルムをラミネートしたものであってもよい。バリアー性フィルムとしては、ポリアミド樹脂フィルム、珪素酸化物等の無機蒸着膜を形成した樹脂フィルム等を用いることができる。無機蒸着膜を形成する樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂等の耐熱性を有する延伸フィルムが好ましい。尚、共押出しにより成形され両面にフィルムを備えたブランク板11(発泡樹脂シート)を使用することにより、カール発生が防止され、また、後述する本発明のインモールド成型容器の製造方法における作業性が向上する。
【0023】
また、ブランク板11(発泡樹脂シート)は、容器外側となる面に印刷絵柄を備えるものであってもよい。この印刷絵柄は、多色高精細な絵柄、バーコード等の機能性を有する絵柄等であり、特に制限はない。また、ブランク板11(発泡樹脂シート)は、例えば、絵柄等を印刷した樹脂フィルムを、容器外側となる面に備えるものであってもよい。
【0024】
上述のようなブランク板11(発泡樹脂シート)と一体化されてインモールド成型容器1を構成する樹脂成型部6は、例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレン、生分解性樹脂(ポリ乳酸樹脂)、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂を用いて形成することができる。この樹脂成型部6とブランク板11(発泡樹脂シート)とは、同じ樹脂系とすることが好ましい。また、樹脂成型部6とブランク板11(発泡樹脂シート)とが異なる樹脂系であってもよく、この場合、例えば、ブランク板11(発泡樹脂シート)の容器内側となる面に、樹脂成型部6と同じ樹脂系の樹脂フィルムをラミネートしたもの使用することが好ましい。
【0025】
上述のようなインモールド成型容器1は、容器の高さと開口径の比が1以上である縦型形状であるが、本発明のインモールド成型容器はこれに限定されるものではなく、容器の高さと開口径の比が1未満であるような横型形状であってもよい。また、フランジ部8がなく、胴部2がそのまま開口部4に達しているような形状であってもよい。
【0026】
図4および図5は、本発明のインモールド成型容器であるインモールドラベル容器の一例を示す斜視図である。図4および図5において、インモールド成型容器21は、胴部22、底部23、開口部24を有するものであり、胴部27とフランジ部28と底部29を有する容器形状の樹脂成型部26と、この樹脂成型部26の胴部27表面に一体化されたラベル31とを備えたインモールドラベル容器である。
インモールド成型容器21の胴部22は、樹脂成型部26の胴部27と、この胴部27の表面に一体化されたラベル31からなる。また、インモールド成型容器21の底部23は、樹脂成型部26の底部29で構成され、樹脂成型部26のフランジ部28により開口部24が形成されている。
【0027】
図6は、図4および図5に示されるインモールド成型容器21に使用されるラベル31の例を示す平面図である。図6において、ラベル31は、樹脂成型部26の胴部27を展開した形状に対応するものである。そして、このラベル31の端部31a,31aとが隣りあった状態で、樹脂成型部26の胴部27表面に固着一体化されており、ラベル31の上端部31b、下端部31cは、それぞれ樹脂成型部26のフランジ部28、底部29の近傍に位置している。
【0028】
本発明のインモールド成型容器21では、ラベル31が融点110℃以上、好ましくは130℃以上の発泡樹脂シートである。ラベル31(発泡樹脂シート)の融点が110℃未満であると、製造工程での変形、溶解を生じ、また、電子レンジ対応が難しくなる。このようなラベル31(発泡樹脂シート)としては、上述のブランク板11(発泡樹脂シート)で挙げた材質のものを使用することができる。
【0029】
ラベル31(発泡樹脂シート)の厚みは、例えば、0.2〜2.0mmの範囲で設定することができ、発泡倍率は、例えば、1.2〜3.5倍程度とすることができる。ラベル31の厚みが0.2mm未満であると、ラベル31の腰が弱すぎ、型内に挿入しにくくなり、2.0mmを超えると、材料コストの増大、加工性低下、嵩の増大による欠点が大きくなり好ましくない。また、発泡倍率が1.2倍未満であると、単位厚みの断熱性が不十分となり、また、3.5倍を超えると、加工性が低下し好ましくない。さらに、ラベル31(発泡樹脂シート)の厚みのバラツキ[(最大厚みと最小厚みの差/平均厚み)×100]の範囲は30%以下、好ましくは10〜20%の範囲とすることができる。厚みのバラツキが30%を超えると、容器に触ったときの風合いの違いが発生し、また、容器の部位による断熱性の差が大きくなり、良好な断熱性を備えた容器とすることが困難となる。
【0030】
また、ラベル31(発泡樹脂シート)は、少なくともバリアー性フィルムをラミネートしたものであってもよい。バリアー性フィルムとしては、ポリアミド樹脂フィルム、珪素酸化物等の無機蒸着膜を形成した樹脂フィルム等を用いることができる。無機蒸着膜を形成する樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂等の耐熱性を有する延伸フィルムが好ましい。尚、共押出しにより成形され両面にフィルムを備えたラベル31(発泡樹脂シート)を使用することにより、カール発生が防止され、また、後述する本発明のインモールド成型容器の製造方法における作業性が向上する。
【0031】
また、ラベル31(発泡樹脂シート)は、容器外側となる面に印刷絵柄を備えるものであってもよい。この印刷絵柄は、多色高精細な絵柄、バーコード等の機能性を有する絵柄等であり、特に制限はない。また、ラベル31(発泡樹脂シート)は、例えば、絵柄等を印刷した樹脂フィルムを、容器外側となる面に、かつ、印刷面がラベル側となるように備えるものであってもよい。
【0032】
上述のようなラベル31(発泡樹脂シート)と一体化されてインモールド成型容器21を構成する樹脂成型部26は、上述のインモールド成型容器1を構成する樹脂成型部6で挙げた熱可塑性樹脂を用いて形成することができる。樹脂成型部26の胴部27、フランジ部28、底部29の肉厚は、使用する熱可塑性樹脂等を考慮して設定することができ、例えば、1.0〜1.5mmの範囲で設定することができる。樹脂成型部26の肉厚が大きすぎると、充分な軽量化が達成されず好ましくない。
【0033】
この樹脂成型部26とラベル31(発泡樹脂シート)とは、同じ樹脂系とすることが好ましい。また、樹脂成型部26とラベル31(発泡樹脂シート)とが異なる樹脂系であってもよく、この場合、例えば、ラベル31(発泡樹脂シート)の容器内側となる面に、樹脂成型部26と同じ樹脂系の樹脂フィルムをラミネートしたもの使用することが好ましい。
【0034】
上述のようなインモールド成型容器21は、容器の高さと開口径の比が1以上である縦型形状であるが、本発明のインモールド成型容器はこれに限定されるものではなく、容器の高さと開口径の比が1未満であるような横型形状であってもよい。また、フランジ部28がなく、胴部22がそのまま開口部24に達しているような形状であってもよい。また、容器形状も、図示例のような円形テーパーカップ形状に限定されず、任意の形状を設定することができる。
【0035】
[インモールド成型容器の製造方法]
本発明のインモールド成型容器の製造方法を、上述のインモールド成型容器であるピラード容器1を例として説明する。
本発明では、まず、図3に示されるようなブランク板11を準備する。次に、このブランク板11を折り曲げ部材14で折り曲げ、胴部用部材12を湾曲させて金型内に配設する。そして、胴部用部材12の端部12a,12aを対向させた部分、および胴部用部材12の端部12bと底部用部材13の端部13aとを対向させた部分に、溶融した熱可塑性樹脂を射出して、ピラー部7、下端部9とを形成する。また、同時に、ピラー部7に連設されフランジ部8を胴部用部材12の上端部12cに形成する。
【0036】
本発明では、ブランク板11として、融点が110℃以上である発泡樹脂シートを使用する。そして、このブランク板11の融点をXとしたときに、射出する熱可塑性樹脂の溶融温度Yを、(Y−X)≦50℃、好ましくは(Y−X)≦30℃の関係が成立し、かつ、溶融した熱可塑性樹脂のメルトインデックス(MI)が7g/10分以上、好ましくは10〜30g/10分以上となるように設定する。融点Xと熱可塑性樹脂の溶融温度Yの関係が(Y−X)≦50℃を満足しない場合、ブランク板11の変形、溶解が生じることがあり好ましくない。また、溶融した熱可塑性樹脂のメルトインデックス(MI)が7g/10分未満である場合、金型内の樹脂の回り込みが不十分となり、樹脂成型部6に欠陥が発生し易くなり好ましくない。
【0037】
次に、本発明のインモールド成型容器の製造方法を、上述のインモールド成型容器であるインモールドラベル容器21を例として説明する。
まず、図6に示されるようなラベル31を準備する。次に、ラベル31を湾曲させ、ラベル31の端部32a,32aが隣りあった状態で金型内に配設する。そして、溶融した熱可塑性樹脂を射出して、胴部27とフランジ部28と底部29を有する容器形状の樹脂成型部26を成型するとともに、この樹脂成型部26の胴部27表面にラベル31を固着一体化してインモールドラベル容器21を得る。
【0038】
この実施形態でも、ラベル31として、融点が110℃以上である発泡樹脂シートを使用する。そして、このラベル31の融点Xと、射出する熱可塑性樹脂の溶融温度Yとの関係を、(Y−X)≦50℃、好ましくは(Y−X)≦30℃が成立するように、かつ、溶融した熱可塑性樹脂のメルトインデックス(MI)が7g/10分以上、好ましくは10〜30g/10分以上となるように設定する。融点Xと熱可塑性樹脂の溶融温度Yの関係が(Y−X)≦50℃を満足しない場合、ラベル31の変形、溶解が生じることがあり好ましくない。また、溶融した熱可塑性樹脂のメルトインデックス(MI)が7g/10分未満である場合、金型内の樹脂の回り込みが不十分となり、樹脂成型部26に欠陥が発生し易くなり好ましくない。
【0039】
上述のような本発明の製造方法では、溶融状態で射出する熱可塑性樹脂として、ブランク板11、ラベル31と同じ樹脂系のものを使用することが好ましい。これにより、接着前加工が不要となり、工程が簡便で製造コストの低減が可能となる。また、溶融状態で射出する熱可塑性樹脂がブランク板11、ラベル31と異なる樹脂系であってもよく、この場合、例えば、ブランク板11、ラベル31の容器内側となる面に、熱可塑性樹脂と同じ樹脂系の樹脂フィルムをラミネートしたもの使用することにより、接着前加工が不要となり、工程が簡便で製造コストの低減が可能となる。
上述の実施形態は例示であり、本発明はこれらの限定されるものではない。
【実施例】
【0040】
次に、実施例を示して本発明を更に詳細に説明する。
[実施例1]
発泡倍率3倍、厚み0.6mm、融点130℃である発泡ポリプロピレンシートを準備し、この発泡ポリプロピレンシートの一方の面に幅500μmの細線を10mmピッチで碁盤目状にグラビア印刷にて印刷した。次いで、この発泡ポリプロピレンシートを図3に示されるような形状に打ち抜いてブランク板とした。
【0041】
次に、上記のブランク板を、印刷面が容器外側となるようにして射出金型のキャビティー内に配設した後、180℃で溶融したポリプロピレン樹脂(MI=24g/10分)を用いて射出成型を行い、図1および図2に示されるようなピラード容器を作製した。この容器は高さ80mm、開口径60mmの縦型容器であり、内容積は200ccであった。また、このピラード容器のブランク板の厚みを、周方向に30mmピッチで3点測定するラインを、高さ方向に平行に3本(30mmピッチ)設定し、計9点で測定したところ0.58〜0.61mmの範囲であり、厚みのバラツキは5%以下であった。
尚、上記のブランク板の厚みの測定は、ミツトヨ(株)製のマイクロメータを用いて行なった。以下の実施例、比較例においても同様である。
【0042】
[実施例2]
発泡倍率2.8倍、厚み0.8mm、融点200℃である発泡ポリエチレンテレフタレートシートを準備し、この発泡ポリエチレンテレフタレートシートの一方の面に、実施例1と同様にして印刷を施した。次いで、この発泡ポリエチレンテレフタレートシートを図3に示されるような形状に打ち抜いてブランク板とした。
【0043】
次に、上記のブランク板を、印刷面が容器外側となるようにして実施例1と同様の射出金型のキャビティー内に配設した後、250℃で溶融したポリエチレンテレフタレート樹脂(MI=25g/10分)を用いて射出成型を行い、図1および図2に示されるようなピラード容器を作製した。この容器は高さ80mm、開口径60mmの縦型容器であり、内容積は200ccであった。また、このピラード容器のブランク板の厚みを実施例1と同様に測定したところ、0.78〜0.83mmの範囲であり、厚みのバラツキは7%以下であった。
【0044】
[実施例3]
実施例2と同様の発泡ポリエチレンテレフタレートシートを準備し、この発泡ポリエチレンテレフタレートシートの一方の面に、ポリプロピレン樹脂シート(厚み30μm)をラミネートし、他方の面に、実施例1と同様にして印刷を施した。次いで、この発泡ポリエチレンテレフタレートシートを図3に示されるような形状に打ち抜いてブランク板とした。
【0045】
次に、上記のブランク板を、印刷面が容器外側となるようにして実施例1と同様の射出金型のキャビティー内に配設した後、180℃で溶融したポリプロピレン樹脂(MI=24g/10分)を用いて射出成型を行い、図1および図2に示されるようなピラード容器を作製した。この容器は高さ80mm、開口径60mmの縦型容器であり、内容積は200ccであった。また、このピラード容器のブランク板の厚みを実施例1と同様にして測定したところ、0.79〜0.85mmの範囲であり、厚みのバラツキは8%以下であった。
【0046】
[比較例1]
発泡倍率5倍、厚み2mm、融点100℃である発泡ポリスチレンシートを準備し、この発泡ポリスチレンシートの一方の面に、実施例1と同様にして印刷を施した。次いで、この発泡ポリスチレンシートを図3に示されるような形状に打ち抜いてブランク板とした。
【0047】
次に、上記のブランク板を、印刷面が容器外側となるようにして実施例1と同様の射出金型のキャビティー内に配設した後、180℃で溶融したポリエチレン樹脂(MI=20g/10分)を用いて射出成型を行なった。しかし、金型内でブランク板の溶融変形が生じて、容器成型が不可能であった。
【0048】
[実施例4]
発泡倍率2.8倍、厚み0.6mm、融点130℃である発泡ポリプロピレンシートを準備し、この発泡ポリプロピレンシートに、実施例1と同様にして印刷を施した。次いで、この発泡ポリプロピレンシートを図6に示されるような形状に打ち抜いてラベルとした。
【0049】
次に、上記のラベルを、印刷面が容器外側となるようにして射出金型のキャビティー内に配設した後、180℃で溶融したポリプロピレン樹脂(MI=20g/10分)を用いて射出成型を行い、図4および図5に示されるようなインモールドラベル容器を作製した。この容器は高さ80mm、開口径60mmの縦型容器であり、内容積は200ccであった。また、このインモールドラベル容器のラベル厚みを実施例1と同様にして測定したところ、0.58〜0.62mmの範囲であり、厚みのバラツキは7%以下であった。
【0050】
[実施例5]
発泡倍率2.2倍、厚み0.8mm、融点200℃である発泡ポリエチレンテレフタレートシートを準備し、この発泡ポリエチレンテレフタレートシートの一方の面に、実施例1と同様にして印刷を施した。次いで、この発泡ポリエチレンテレフタレートシートを図6に示されるような形状に打ち抜いてラベルとした。
【0051】
次に、上記のラベルを、印刷面が容器外側となるようにして実施例4と同様の射出金型のキャビティー内に配設した後、250℃で溶融したポリエチレンテレフタレート樹脂(MI=25g/10分)を用いて射出成型を行い、図4および図5に示されるようなインモールドラベル容器を作製した。この容器は高さ80mm、開口径60mmの縦型容器であり、内容積は200ccであった。また、このインモールドラベル容器のラベル厚みを実施例1と同様にして測定したところ、0.77〜0.82mmの範囲であり、厚みのバラツキは7%以下であった。
【0052】
[実施例6]
実施例5と同様の発泡ポリエチレンテレフタレートシートを準備し、この発泡ポリエチレンテレフタレートシートの一方の面に、ポリプロピレン樹脂シート(厚み60μm)をラミネートし、他方の面に、実施例1と同様にして印刷を施した。次いで、この発泡ポリエチレンテレフタレートシートを図6に示されるような形状に打ち抜いてラベルとした。
【0053】
次に、上記のラベルを、印刷面が容器外側となるようにして、実施例4と同様の射出金型のキャビティー内に配設した後、180℃で溶融したポリプロピレン樹脂(MI=20g/10分)を用いて射出成型を行い、図4および図5に示されるようなインモールドラベル容器を作製した。この容器は高さ80mm、開口径60mmの縦型容器であり、内容積は200ccであった。また、このインモールドラベル容器のラベル厚みを実施例1と同様にして測定したところ、0.77〜0.86mmの範囲であり、厚みのバラツキは11%以下であった。
【0054】
[比較例2]
発泡倍率3倍、厚み3mm、融点100℃である発泡ポリスチレンシートを準備し、この発泡ポリスチレンシートの一方の面に、実施例1と同様にして印刷を施した。次いで、この発泡ポリスチレンシートを図6に示されるような形状に打ち抜いてラベルとした。
次に、上記のラベルを、印刷面が容器外側となるようにして実施例4と同様の射出金型のキャビティー内に配設した後、180℃で溶融したポリエチレン樹脂(MI=20g/10分)を用いて射出成型を行なった。しかし、金型内でラベルの溶融変形が生じて、容器成型が不可能であった。
【0055】
[比較例3]
比較例2と同様の発泡ポリスチレンシートを準備し、この発泡ポリスチレンシートの一方の面に、実施例1と同様にして印刷を施した。
次に、この発泡ポリスチレンシートを真空成型することにより容器を作製した。この真空成型容器は、高さ30mm、開口径100mmの横型容器であり、内容積は200ccであった。また、この真空成型容器の厚みを実施例1と同様にして測定したところ、2.8〜3.5mmの範囲であり、厚みのバラツキは24%以下であった。
【0056】
[比較例4]
厚み12μmのポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(東レ(株)製 ルミラー)を準備し、この樹脂フィルムの一方の面に、実施例1と同様にして印刷を施した。次いで、この樹脂フィルムを図6に示されるような形状に打ち抜いてラベルとした。
次に、上記のラベルを、印刷面が容器外側となるようにして、実施例4と同様の射出金型のキャビティー内に配設した後、250℃で溶融したポリエチレンテレフタレート樹脂(MI=25g/10分)を用いて射出成型を行い、インモールドラベル容器を作製した。この容器は高さ80mm、開口径60mmの縦型容器であり、内容積は200ccであった。
【0057】
[評 価]
上述のように作製した各容器(実施例1〜6、比較例3〜4)に沸騰したお湯190mlを注入し、1分、2分、3分経過後の容器内湯温(測定位置=湯の中心部)を棒温度計で測定し、容器外側面の温度(測定位置=湯温測定位置に対応した高さにある1点)を熱反射計(オプテックス(株)製 サーモハンター)で測定した(測定点数10点)。このように測定した容器内湯温と容器外側面の温度との差の平均を算出し、下記の表1に示した。
【0058】
さらに、各容器(実施例1〜6、比較例3〜4)について、碁盤目状の印刷の歪みを観察し、下記の基準で印刷適性を評価して結果を表1に示した。
(印刷適性の評価基準)
○ : 成型後の碁盤目1個当たりの面積変化が10mm2以下である
× : 成型後の碁盤目1個当たり10mm2以上の面積変化がみられる
【0059】
【表1】

【0060】
表1に示されるように、本発明のインモールド成型容器(実施例1〜6)は、従来の真空成型容器(比較例3)に比べて印刷適性が良好であり、断熱性はやや劣るものの、実用上充分な断熱性を有する縦型容器が実現できることが確認された。また、従来のインモールドラベル容器(比較例4)に比べて約35%軽量であり、かつ、良好な断熱性を有するものであることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は軽量でありながら断熱性を備えることが要望される種々の容器の製造に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明のインモールド成型容器であるピラード容器の一例を示す斜視図である。
【図2】本発明のインモールド成型容器であるピラード容器の一例を示す斜視図である。
【図3】図1、図2に示されるインモールド容器に使用されるブランク板を示す平面図である。
【図4】本発明のインモールド成型容器であるインモールドラベル容器の一例を示す斜視図である。
【図5】本発明のインモールド成型容器であるインモールドラベル容器の一例を示す斜視図である。
【図6】図4、図5に示されるインモールド容器に使用されるラベルを示す平面図である。
【符号の説明】
【0063】
1,21…インモールド容器
2,22…胴部
3,23…底部
4,24…開口部
6,26…樹脂成型部
7…ピラー部
27…胴部
8,28…フランジ部
9…下端部
29…底部
11…ブランク板
31…ラベル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブランク板またはラベルを配置した金型内に熱可塑性樹脂を射出して前記ブランク板や前記ラベルと樹脂成型部とが一体化されたインモールド成型容器において、
前記ブランク板や前記ラベルは、融点が110℃以上である発泡樹脂シートであることを特徴とするインモールド成型容器。
【請求項2】
前記ブランク板としての発泡樹脂シートは、発泡倍率が1.5〜4.0倍の範囲、厚みが0.4〜3.0mmの範囲、厚みのバラツキが20%以下であり、前記ラベルとしての発泡樹脂シートは、発泡倍率が1.2〜3.5倍の範囲、厚みが0.2〜2.0mmの範囲、厚みのバラツキが30%以下であることを特徴とする請求項1に記載のインモールド成型容器。
【請求項3】
前記ブランク板や前記ラベルは、前記発泡樹脂シートの少なくとも一方の面にバリアー性フィルムがラミネートされたものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインモールド成型容器。
【請求項4】
容器開口部に樹脂成型部からなるフランジを有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のインモールド成型容器。
【請求項5】
前記発泡樹脂シートと前記樹脂成型部とは、同じ樹脂系であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のインモールド成型容器。
【請求項6】
前記発泡樹脂シートと前記樹脂成型部とは、ポリプロピレン系樹脂からなるもの、または、ポリエチレン系樹脂からなるものであることを特徴とする請求項5に記載のインモールド成型容器。
【請求項7】
前記発泡樹脂シートと前記樹脂成型部とが異なる樹脂系であり、前記発泡樹脂シートは、容器内側となる面に前記樹脂成型部と同じ樹脂系のフィルムを備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のインモールド成型容器。
【請求項8】
前記発泡樹脂シートと前記樹脂成型部とは、一方がポリプロピレン系樹脂からなり、他方がポリエチレン系樹脂からなることを特徴とする請求項7に記載のインモールド成型容器。
【請求項9】
前記発泡樹脂シートは、容器外側となる面に印刷絵柄を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のインモールド成型容器。
【請求項10】
金型内に予めブランク板またはラベルを配置し、溶融した熱可塑性樹脂を前記金型内に射出して前記ブランク板や前記ラベルと樹脂成型部とが一体化された容器を成型するインモールド成型容器の製造方法において、
前記ブランク板や前記ラベルとして融点Xが110℃以上である発泡樹脂シートを使用し、熱可塑性樹脂の溶融温度Yを、前記発泡樹脂シートの融点Xとの間に(Y−X)≦50℃の関係が成立し、かつ、溶融した熱可塑性樹脂のメルトインデックス(MI)が7g/10分以上となるように設定することを特徴とするインモールド成型容器の製造方法。
【請求項11】
前記ブランク板用として、発泡倍率が1.5〜4.0倍の範囲、厚みが0.4〜3.0mmの範囲、厚みのバラツキが20%以下である発泡樹脂シートを使用し、前記ラベル用として、発泡倍率が1.2〜3.5倍の範囲、厚みが0.2〜2.0mmの範囲、厚みのバラツキが30%以下である発泡樹脂シートを使用することを特徴とする請求項10に記載のインモールド成型容器の製造方法。
【請求項12】
前記発泡樹脂シートと同じ樹脂系である熱可塑性樹脂を使用することを特徴とする請求項10または請求項11に記載のインモールド成型容器の製造方法。
【請求項13】
前記発泡樹脂シートとして、少なくとも容器内側となる面にバリアー性を有する樹脂フィルムを備えたものを使用し、該樹脂フィルムと同じ樹脂系である熱可塑性樹脂を使用することを特徴とする請求項10または請求項11に記載のインモールド成型容器の製造方法。
【請求項14】
前記発泡樹脂シートとして、容器外側となる面に印刷絵柄を備えるものを使用することを特徴とする請求項10乃至請求項13のいずれかに記載のインモールド成型容器の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−182411(P2006−182411A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−378956(P2004−378956)
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】