説明

ウイルス感染および腫瘍性疾患を処置するためのサイトカイン生合成の調節因子としての1−置換ピラゾロ(3,4−c)環状化合物

1位が置換されている式(I)のピラゾロ[3,4−c]環状化合物、例えば、ピラゾロ[3,4−c]ピリジン、ピラゾロ[3,4−c]キノリン、6,7,8,9−テトラヒドロピラゾロ[3,4−c]キノリン、およびピラゾロ[3,4−c]ナフチリジン、該化合物を含有する医薬品組成物、中間体、これらの化合物を製造する方法、ならびに免疫賦活剤として、動物におけるサイトカイン生合成の誘導のため、ウイルス性および腫瘍性疾患を含む疾患の治療において、これらの化合物を使用する方法が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本願は、2005年4月1日に出願された米国仮出願第60/667,869号、および2005年11月3日に出願された米国仮出願第60/667,869号(これらの両方は、参考として本明細書に援用される)への優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
(背景)
いくつかの化合物が、さまざまな障害の治療にそれらを役立つようにする免疫反応修飾因子(IRM)として役立つことが見出されている。しかしながら、サイトカイン生合成またはその他のメカニズムの誘導によって免疫反応を調節する能力を有する化合物に対する関心および必要性は引き続き存在している。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
(概要)
本発明は、動物におけるサイトカイン生合成を誘導するのに役立つ新たな種類の化合物を提供する。当該化合物は、次の式I:
【0004】
【化33】

(式中、R、R、R、R、X、Z,およびmは、以下で定義するものである)のものである。
【0005】
式Iの化合物は、動物に投与したときサイトカインの生合成を誘導し(例えば、少なくとも1つのサイトカインの合成を誘導する)、さもなければ免疫反応を調節するそれらの能力のために免疫反応修飾因子として役立つ。このことが該化合物を上記免疫反応の変化に対応するウイルス性疾患および腫瘍などのさまざまな状態の治療に役立つものにしている。
【0006】
本発明は、さらに、式Iの化合物の有効量を含有する医薬品組成物ならびに式Iの化合物の有効量を動物に投与することによって、動物におけるサイトカインの生合成を誘導する方法、ウイルス感染または疾患を治療する方法および/または動物における腫瘍性疾患を治療する方法を提供する。
【0007】
加えて、式Iの化合物およびこれらの化合物の合成に役立つ中間体を合成する方法が提供される。
【0008】
本明細書で使用される「a」、「an」、「the」、「少なくとも1つの」、および「1つまたは複数の」は、互換的に使用される。
【0009】
用語「含む(comprise)」およびその変形は、記述および特許請求の範囲の中で現れる場合限定する意味は有さない。
【0010】
本発明の上記概要は、本発明のそれぞれの開示された実施形態またはすべての実施について記述することを意図したものではない。次に続く記述は、具体的実施形態をより詳しく例示する。記述を通したいくつかの場所において実施例のリストによってガイダンスが提供され、その実施例はさまざまな組み合わせで使用することができる。どの場合においても、列挙されたリストは、典型的な群としての役目を果たすのみであり、排他的なリストと解釈すべきではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(本発明の例示的な実施形態の詳細な説明)
本発明は、次式I:
【0012】
【化34】

の化合物およびさらに具体的には次式II、III、IV、V、VI、VII、VIII、XIII、およびXIV:
【0013】
【化35】

【0014】
【化36】

【0015】
【化37】

の化合物(式中、R、R、RA’、RB’、R、R、R、m、n、p、X、Z、G、およびGは以下で定義するものである)、および薬剤的に許容できるそれらの塩を提供する。
【0016】
1実施形態において、本発明は、式Iの化合物
【0017】
【化38】

[式中、
Zは、
【0018】
【化39】

からなる群から選択され;
Xは、結合、−C2〜3アルキレン−、および−O−C2〜3アルキレン−からなる群から選択され;
は、
水素、
ヒドロキシ、
フッ素、
アルコキシ、
−N(R
−NH−Q−R
−S(O)0〜2−アルキル、
−S(O)−NH−R
−C(R)−N(R)−R
−O−C(R)−N(R)−R
−C(R)−O−アルキル、
−O−C(R)−R、および
【0019】
【化40】

からなる群から選択され;
但し、Zが結合、C1〜5アルキレン、
【0020】
【化41】

であり、Xが結合である場合には、
は水素以外であることを条件とし;
mは、1から5までの整数であり;
およびRは、それぞれ独立に、
水素、
ハロゲン、
アルキル、
アルケニル、
アルコキシ、
アルキルチオ、および
−N(R
からなる群から選択され;
または一緒になったとき、RとRは、縮合アリール環もしくはNおよびSからなる群から選択された1個のヘテロ原子を含有するヘテロアリール環を形成し、ここで該アリールもしくはヘテロアリール環は、非置換であるか1個もしくは複数のR基により置換されており;
または一緒になったとき、RとRは、NおよびSからなる群から選択された1個のヘテロ原子を場合によって含有し、非置換であるか1個もしくは複数のR基により置換されている飽和縮合5〜7員環を形成しており;
Rは、
ハロゲン、
ヒドロキシ、
アルキル、
ハロアルキル、
アルコキシ、および
−N(R
からなる群から選択され;
は、
水素、
アルキル、
アルコキシアルキレニル、
ヒドロキシアルキレニル、
ハロアルキレニル、および
−C(R)−O−C1〜4アルキレニル
からなる群から選択され;
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキレニル、アリールオキシアルキレニル、アルキルアリーレニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキレニル、ヘテロアリールオキシアルキレニル、アルキルヘテロアリーレニル、およびヘテロシクリルからなる群から選択され、ここでアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキレニル、アリールオキシアルキレニル、アルキルアリーレニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキレニル、ヘテロアリールオキシアルキレニル、アルキルヘテロアリーレニル、およびヘテロシクリル基は、非置換であるか、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、シアノ、アリール、アリールオキシ、アリールアルキレンオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアルキレンオキシ、ヘテロシクリル、アミノ、アセチルアミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、(ジアルキルアミノ)アルキレンオキシ、またアルキル、アルケニル、アルキニル、およびヘテロシクリルの場合はオキソからなる群から独立に選択される1つまたは複数の置換基により置換されていることができ;
は、=Oおよび=Sからなる群から選択され;
は、水素、アルキル、アルコキシアルキレニル、およびアリールアルキレニルからなる群から選択され;
は、水素およびアルキルからなる群から選択され;
11は、水素、アルキル、ハロゲン、およびトリフルオロメチルからなる群から選択され;
Aは、−O−、−C(O)−、−S(O)0〜2−、−CH−、および−N(R)−からなる群から選択され;
Qは、結合、−C(R)−、−C(R)−C(R)−、−S(O)−、−C(R)−N(R)−W−、−S(O)−N(R)−、−C(R)−O−、および−C(R)−N(OR)−からなる群から選択され;
Vは、−C(R)−、−O−C(R)−、−N(R)−C(R)−、および−S(O)−からなる群から選択され;
Wは、結合、−C(O)−、および−S(O)−からなる群から選択され;
aおよびbは、独立に、a+bが≦7であることを条件として1から6までの整数である]
または薬学的に受容可能なその塩を提供する。
【0021】
別の実施形態において、本発明は、式IIの化合物
【0022】
【化42】

(式中、
Z、X、R、R、およびmは、式Iで定義した通りであり、
A’およびRB’は、それぞれ独立に、
水素、
ハロゲン、
アルキル、
アルケニル、
アルコキシ、
アルキルチオ、および
−N(R
からなる群から選択される)
または薬学的に受容可能なその塩を提供する。
【0023】
別の実施形態において、本発明は、式IIIの化合物
【0024】
【化43】

(式中、
Z、X、R、R、Rおよびmは、式Iで定義した通りであり、
nは、0から4までの整数である)
または薬学的に受容可能なその塩を提供する。
【0025】
別の実施形態において、本発明は、式IVの化合物
【0026】
【化44】

(式中、
Z、X、R、R、Rおよびmは、式Iで定義した通りであり、
nは、0から4までの整数である)
または薬学的に受容可能なその塩を提供する。
【0027】
別の実施形態において、本発明は、式V、VI、VII、およびVIIIからなる群から選択される化合物
【0028】
【化45】

(式中、
Z、X、R、R、Rおよびmは、式Iで定義した通りであり、
pは、0から3までの整数である)
または薬学的に受容可能なその塩を提供する。
【0029】
別の実施形態において、本発明は、式IX、X、XI、およびXIIからなる群から選択される化合物
【0030】
【化46】

(式中、
Z、X、R、R、Rおよびmは、式Iで定義した通りであり、
pは、0から3までの整数である)
または薬学的に受容可能なその塩を提供する。
【0031】
別の実施形態において、本発明は、式XIIIの化合物
【0032】
【化47】

[式中、
、R、R、R、X、Zおよびmは、式Iで定義した通りであり、
は、
−C(O)−R’、
α−アミノアシル、
α−アミノアシル−α−アミノアシル、
−C(O)−O−R’、
−C(O)−N(R”)R’、
−C(=NY’)−R’、
−CH(OH)−C(O)−OY’、
−CH(OC1〜4アルキル)Y
−CH、および
−CH(CH)Y
からなる群から選択され;
R’およびR”は、C1〜10アルキル、C3〜7シクロアルキル、フェニル、およびベンジルからなる群から独立に選択され、そのそれぞれは、非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、C1〜6アルキル、C1〜4アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、アリール−C1〜4アルキレニル、ヘテロアリール−C1〜4アルキレニル、ハロ−C1〜4アルキレニル、ハロ−C1〜4アルコキシ、−O−C(O)−CH、−C(O)−O−CH、−C(O)−NH、−O−CH−C(O)−NH、−NH、および−S(O)−NHからなる群から独立に選択される1つまたは複数の置換基によって置換されていてもよく、但し、R”は、水素であることもでき;
α−アミノアシルは、ラセミ体のアミノ酸、D−アミノ酸およびL−アミノ酸からなる群から選択されたアミノ酸から誘導されたα−アミノアシル基であり;
Y’は、水素、C1〜6アルキル、およびベンジルからなる群から選択され;
は、C1〜6アルキル、カルボキシ−C1〜6アルキレニル、アミノ−C1〜4アルキレニル、モノ−N−C1〜6アルキルアミノ−C1〜4アルキレニル、およびジ−N,N−C1〜6アルキルアミノ−C1〜4アルキレニルからなる群から選択され;
は、モノ−N−C1〜6アルキルアミノ、ジ−N,N−C1〜6アルキルアミノ、モルホリン−4−イル、ピペリジン−1−イル、ピロリジン−1−イル、および4−C1〜4アルキルピペラジン−1−イルからなる群から選択される]
または薬学的に受容可能なその塩を提供する。
【0033】
別の実施形態において、本発明は、式XIVの化合物
【0034】
【化48】

[式中、
、R、R、Zおよびmは、式Iで定義した通りであり、
は、
−X−C(O)−R’、
α−アミノアシル、
α−アミノアシル−α−アミノアシル、
−X−C(O)−O−R’、
−C(O)−N(R”)R’、および
−S(O)−R’
からなる群から選択され;
は、結合、−CHO−、−CH(CH)−O−、−C(CH−O−からなる群から選択され、−X−C(O)−O−R’の場合は−CH−NH−であり;
R’およびR”は、C1〜10アルキル、C3〜7シクロアルキル、フェニル、およびベンジルからなる群から独立に選択され、そのそれぞれは、非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、C1〜6アルキル、C1〜4アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、アリール−C1〜4アルキレニル、ヘテロアリール−C1〜4アルキレニル、ハロ−C1〜4アルキレニル、ハロ−C1〜4アルコキシ、−O−C(O)−CH、−C(O)−O−CH、−C(O)−NH、−O−CH−C(O)−NH、−NH、および−S(O)−NHからなる群から独立に選択される1つまたは複数の置換基によって置換されていてもよく、但し、R”は、水素であることもでき;
α−アミノアシルは、ラセミ体のアミノ酸、D−アミノ酸およびL−アミノ酸からなる群から選択されたアミノ酸から誘導されたα−アミノアシル基である]
または薬学的に受容可能なその塩を提供する。
【0035】
本明細書で使用されるとき、用語「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」および接頭辞「アルキ(ケ)−(alk−)」は、直鎖基および分枝鎖基の両方ならびに環状基、例えばシクロアルキルおよびシクロアルケニルを含む。他に特に規定がなければ、これらの基は、1個から20個までの炭素原子を含有し、アルケニル基では2個から20個までの炭素原子を含有し、アルキニル基では、2個から20個までの炭素原子を含有する。実施形態によって、これらの基は、合計最大10個の炭素原子、最大8個の炭素原子、最大6個の炭素原子、または最大4個の炭素原子を有する。環状基は、単環式または多環式であり、3から10個までの環炭素原子を好ましくは有する。典型的な環状基としては、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アダマンチル、ならびに置換および非置換ボルニル、ノルボルニルおよびノルボルネニルが挙げられる。
【0036】
他に特に規定がなければ、「アルキレン」、「−アルキレン−」、「アルケニレン」、「−アルケニレン−」、「アルキニレン」、および「−アルキニレン−」は、上で定義した「アルキル」、「アルケニル」、および「アルキニル」基の二価の形である。用語「アルキレニル」、「アルケニレニル」、および「アルキニレニル」は、「アルキレン」、「アルケニレン」、および「アルキニレン」がそれぞれ置換されているときに使用される。例えば、アリールアルキレニル基は、アリール基が結合している「アルキレン」部分を含む。
【0037】
用語「ハロアルキル」は、1つまたは複数のハロゲン原子によって置換されている基を含み、ペルフルオロ基を含む。これはまた、接頭辞[ハロ−」を含むその他の基にも当てはまる。適当なハロアルキル基の例は、クロロメチル、トリフルオロメチルなどである。
【0038】
用語「アリール」は、本明細書で用いられるときは、炭素環式芳香環または環系を含む。アリール基の例としては、フェニル、ナフチル、ビフェニル、フルオレニルおよびインデニルが挙げられる。
【0039】
他に特に規定がなければ、用語「ヘテロ原子」は、原子O、S、またはNを表す。
【0040】
用語「ヘテロアリール」は、少なくとも1個の環へテロ原子(例えば、O、S、Nを)含有する芳香環または環系を含む。実施形態によっては用語「ヘテロアリール」は、2〜12個の炭素原子、1〜3個の環、1〜4個のヘテロ原子、およびヘテロ原子としてO、S、またはNを含有する環または環系を含む。典型的なヘテロアリール基としては、フリル、チエニル、ピリジル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、イソインドリル、トリアゾリル、ピロリル、テトラゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、カルバゾリル、ベンズオキサゾリル、ピリミジニル、ベンズイミダゾリル、キノキサリニル、ベンゾチアゾリル、ナフチリジニル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、プリニル、キナゾリニル、ピラジニル、1−オキシドピリジル、ピリダジニル、トリアジニル、テトラジニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリルなどが挙げられる。
【0041】
用語「ヘテロシクリル」は、少なくとも1個のヘテロ原子(例えば、O、S、N)を含有し、上記ヘテロアリール基の完全に飽和したおよび部分的に不飽和の誘導体のすべてを含む非芳香環または環系を含む。実施形態によっては用語「ヘテロシクリル」は、2〜12個の炭素原子、1〜3個の環、1〜4個のヘテロ原子、およびヘテロ原子としてO、S、またはNを含有する環または環系を含む。典型的なヘテロシクリル基としては、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、1,1−ジオキソチオモルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、チアゾリジニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリジニル、テトラヒドロピラニル、キヌクリジニル、ホモピペリジニル(アゼパニル)、1,4−オキサゼパニル、ホモピペラジニル(ジアゼパニル)、1,3−ジオキソラニル、アジリジニル、アゼチジニル、ジヒドロイソキノリン−(1H)−イル、オクタヒドロイソキノリン(1H)−イル、ジヒドロキノリン−(2H)−イル、オクタヒドロイソキノリン(2H)−イル、ジヒドロ−1H−イミダゾリル、3−アザビシクロ[3.2.2]ノン−3−イルなどが挙げられる。
【0042】
用語「ヘテロシクリル」は、二環式および三環式ヘテロシクリル環系を含む。かかる環系は、縮合および/または架橋した環ならびにスピロ環を含む。縮合環は、飽和したまたは部分的に飽和した環に加えて、芳香環、例えば、ベンゼン環を含むことができる。スピロ環としては、1個のスピロ原子によって連結している2環および2個のスピロ原子によって連結している3環が挙げられる。
【0043】
「ヘテロシクリル」が窒素原子を含有する場合、ヘテロシクリル基の連結点は、その窒素原子であり得る。
【0044】
用語「アリーレン」、「ヘテロアリーレン」、および「ヘテロシクリレン」は、上で定義した「アリール」、「ヘテロアリール」、および「ヘテロシクリル」基の二価の形である。用語「アリーレニル」、「ヘテロアリーレニル」、および「ヘテロシクリレニル」は、「アリーレン」、「ヘテロアリーレン」、および「ヘテロシクリレン」がそれぞれ置換されている場合に用いられる。例えば、アルキルアリーレニル基は、アルキル基が連結しているアリーレン部分を含む。
【0045】
用語「縮合アリール環」は、縮合した芳香族炭素環または環系を含む。縮合アリール環の例としては、ベンゾ、ナフト、フルオレノ、およびインデノが挙げられる。
【0046】
用語「縮合ヘテロアリール環」は、SおよびNから選択される1個のヘテロ原子を含有する5員または6員の芳香環の縮合した形を含む。
【0047】
用語「5〜7員縮合飽和環」は、環が縮合している結合以外は完全に飽和している環を含む。
【0048】
基(または置換基または変化するもの)が本明細書に記載されているいずれかの式に複数回存在する場合、各基(または置換基または変化するもの)は、明記されていてもいなくても独立に選択される。例えば、式−N(R)−に対して、各R基は、独立に選択される。別の例で、RおよびZ基が共にR基を含有する場合、各R基は、独立に選択される。
【0049】
本発明は、本明細書に記載されている化合物(中間体を含む)の、異性体(例えばジアステレオマーおよび鏡像異性体)、塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグなどを含めた薬学的に受容可能な任意の形のものを含む。とりわけ、化合物が光学的に活性である場合、本発明は、特にその化合物の鏡像異性体ならびにその鏡像異性体のラセミ混合物を含む。当然のことながら、用語「化合物」は、明記されていてもいなくても(時々「塩」は明記されるけれども)、任意のまたはすべての上記の形を含む。
【0050】
用語「プロドラッグ」とは、インビボで変換して免疫反応を修飾する化合物を生ずることができる、上記の任意の塩、溶媒和物、多形体、または異性体の形を含めた化合物を意味する。プロドラッグは、それ自体、上記の任意の塩、溶媒和物、多形体、または異性体の形を含めた免疫反応修飾化合物であり得る。その変換は、化学的(例えば、例として血液中の加溶媒分解または加水分解)または酵素による生体内変換を経るなど、さまざまなメカニズムによって起こり得る。プロドラッグの使用についての議論は、T. HiguchiおよびW. Stella、「Pro−drugs as Novel Delivery Systems」、the A. C. S. Symposium Seriesの14巻により、およびBioreversible Carriers in Drug Design、Edward B. Roche編、American Pharmaceutical Association and Pergamon Press、1987年、において提供されている。
【0051】
本発明の化合物(中間体を含む)は、種々の互変異性形態で存在することができ、すべてのそのような形態は、本発明の範囲に包含される。用語「互変異性体」または「互変異性形態」は、低エネルギーバリアによって転換することができる異なるエネルギーの構造異性体を表す。例えば、プロトン互変異性体(プロトトロピー性互変異性体)は、ケト−エノールおよびイミン−エナミン異性化などのプロトンの移動による相互変換を含む。本発明の化合物が2位に水素原子を有する場合、2位と3位の間でプロトンの移動が起こり得る。
【0052】
本発明の化合物は、水、エタノールなどの薬学的に受容可能な溶媒と非溶媒和の形ならびに溶媒和した形で存在することができる。本発明は、溶媒和したおよび非溶媒和の形の両方を包含する。
【0053】
本明細書に提示される化合物のいずれに対しても、その実施形態のいずれかにおける次の変数(例えば、R、R、RA’、RB’、R、R、R、m、n、p、A、Q、X、Zなど)のそれぞれは、それらの実施形態のいずれかにおける任意の1つまたは複数の他の変数と組み合わせることができ、当業者には当然のことであろうが、本明細書に記載されている式のいずれかと関連付けることができる。得られた変数の組み合わせのそれぞれは、本発明の実施形態である。
【0054】
特定の実施形態(例えば式Iの)において、RおよびRは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、および−N(Rからなる群から選択され;
または一緒になったとき、RとRは、縮合アリール環もしくはNおよびSからなる群から選択された1個のヘテロ原子を含有するヘテロアリール環を形成し、ここで該アリールもしくはヘテロアリール環は、非置換であるか1個もしくは複数のR基により置換されており;
または一緒になったとき、RとRは、NおよびSからなる群から選択された1個のヘテロ原子を場合によって含有し、非置換であるか1個もしくは複数のR基により置換されている飽和縮合5〜7員環を形成する。
【0055】
特定の実施形態(例えば式Iの)において、RおよびRは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、および−N(Rからなる群から選択される。
【0056】
特定の実施形態(例えば式Iの)において、RおよびRは、縮合アリールまたはヘテロアリール環を形成している。
【0057】
特定の実施形態(例えば式Iの)において、RおよびRは、縮合アリール環を形成している。特定の実施形態において、その縮合アリール環は、ベンゾである。
【0058】
特定の実施形態(例えば式Iの)において、RおよびRは、縮合ヘテロアリール環を形成している。特定の実施形態において、その縮合ヘテロアリール環は、ピリドまたはチエノである。特定の実施形態において、その縮合ヘテロアリール環は、ピリドである。これらの実施形態のいくつかにおいて、そのピリド環は、
【0059】
【化49】

であり、式中、強調表示されている結合は環が縮合している位置を示す。
【0060】
特定の実施形態(例えば式I)において、RおよびRは、5〜7員の飽和縮合環を形成している。特定の実施形態において、その環はシクロヘキセン環である。
【0061】
特定の実施形態(例えば式I)において、RおよびRは、NおよびSからなる群から選択された1個のヘテロ原子を含有する5〜7員の飽和縮合環を形成している。特定の実施形態において、その環はテトラヒドロピリドまたはジヒドロチエノである。特定の実施形態において、そのヘテロ原子はNである。特定の実施形態において、その環はテトラヒドロピリドである。特定の実施形態において、その環は、
【0062】
【化50】

であり、式中、強調表示されている結合は環が縮合している位置を示す。
【0063】
特定の実施形態(例えば式IIの)において、RA’およびRB’は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、および−N(Rからなる群から選択される。
【0064】
特定の実施形態(例えば式IIの)において、RA’およびRB’は、独立に、水素またはアルキルである。
【0065】
特定の実施形態(例えば式IIの)において、RA’およびRB’は、共にメチルである。
【0066】
特定の実施形態(例えば式IXからXIIのいずれかの)において、Rは、アルキルおよびハロアルキルからなる群から選択される。
【0067】
特定の実施形態(例えばRが存在する式I、IIIからVIII、XIII、およびXIVの上記実施形態のいずれかの)において、Rは、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、およびヒドロキシからなる群から選択される。
【0068】
特定の実施形態(例えばRが存在する式I、IIIからVIII、XIII、およびXIVの上記実施形態のいずれかの)において、Rは、ヒドロキシである。
【0069】
特定の実施形態(例えば式IIIまたはIVの)において、nは、0である。
【0070】
特定の実施形態(例えば式VからXIIのいずれかの)において、pは、0である。
【0071】
特定の実施形態において、式V、VI、VII、およびVIIIからなる群から選択される化合物または塩は、式Vまたは式VIII:
【0072】
【化51】

の化合物または薬学的に受容可能なその塩である。
【0073】
特定の実施形態(例えば式IからXIVのいずれか1つの)において、mは、1から5までの整数である。
【0074】
上記実施形態のいずれか1つを含む特定の実施形態において、mは、1から3までの整数である。特定の実施形態において、mは1である。
【0075】
特定の実施形態(例えば式IからXIIIのいずれか1つの)において、Xは、結合、−C2〜3アルキレン−、および−O−C2〜3アルキレン−からなる群から選択される。
【0076】
上記実施形態のいずれか1つを含む特定の実施形態において、Xは、結合である。
【0077】
特定の実施形態(例えば式IからXIIIのいずれか1つの)において、Rは、水素、ヒドロキシ、フッ素、アルコキシ、−N(R、−NH−Q−R−、−S(O)0〜2−アルキル、−S(O)−NH−R、−C(R)−N(R)−R、−O−C(R)−N(R)−R、−C(R)−O−アルキル、−O−C(R)−R、および
【0078】
【化52】

からなる群から選択され;但し、Zが結合、C1〜5アルキレン、
【0079】
【化53】

であり、Xが結合である場合には、Rは水素以外であることを条件とする。
【0080】
が存在する上記実施形態のいずれか1つを含む特定の実施形態において、Rは、ヒドロキシおよびメトキシからなる群から選択される。
【0081】
が存在する上記実施形態のいずれか1つを含む特定の実施形態において、Rが別に定義されている場合を除いて、Rはフルオロである。
【0082】
が存在する上記実施形態のいずれか1つを含む特定の実施形態において、Rが、別に定義されている場合を除いて、Rは、−NH、−NH−Q−R、−C(O)−NH、および−C(O)−N(R)−Rからなる群から選択され、ここでQは、−C(O)−、−S(O)−、−C(O)−O−、および−C(O)−NH−からなる群から選択され、Rは、水素およびアルキルからなる群から選択され、Rは、アルキルおよびアルコキシアルキレニルからなる群から選択される。
【0083】
特定の実施形態(例えば式IからXIVのいずれか1つの)において、Zは、
【0084】
【化54】

からなる群から選択される。
【0085】
上記実施形態のいずれか1つを含む特定の実施形態において、Zは、結合およびC1〜3アルキレンからなる群から選択される。
【0086】
上記実施形態のいずれか1つを含む特定の実施形態において、Zが別に定義されている場合を除いて、Zは、
【0087】
【化55】

からなる群から選択される。これらの実施形態のいくつかにおいて、Zは、
【0088】
【化56】

である。
【0089】
Xが結合であり、Zが
【0090】
【化57】

である上記実施形態のいずれか1つを含む特定の実施形態において、Rは、水素である。
【0091】
nが0である式IIIの実施形態、およびpが0である式V、VI、VII、またはVIIIの実施形態、およびpが0である式IX、X、XI、またはXIの実施形態を含む特定の実施形態において、Zは、
【0092】
【化58】

であり、Xは、結合であり、Rは、水素である。
【0093】
上記実施形態のいずれか1つを含む特定の実施形態において、Zが別に定義されている場合を除いて、Zは、
【0094】
【化59】

である。
【0095】
Qが存在する上記実施形態のいずれか1つを含む特定の実施形態において、Qは、−C(O)−、−C(O)−O−、−S(O)−および−C(R)−N(R)−からなる群から選択される。
【0096】
が存在する上記実施形態のいずれか1つを含む特定の実施形態において、Rは、アルキル、アリール、アリールアルキレン、ヘテロアリール、およびヘテロシクリルからなる群から選択され、ここでアリール基は、非置換であるか、アセチルアミノ、アルキル、アルコキシ、シアノ、およびハロゲンからなる群から独立に選択された1つまたは複数の置換基によって置換されていてもよい。
【0097】
特定の実施形態(例えば、式IからXIVのいずれか1つの)において、Rは、水素、アルキル、アルコキシアルキレニル、ヒドロキシアルキレニル、ハロアルキレニル、およびR−C(R)−O−C1〜4アルキレニルからなる群から選択される。
【0098】
上記実施形態のいずれか1つを含む特定の実施形態において、Rは、C1〜4アルキル、C1〜4アルキル−O−C2〜4アルキレニル、およびヒドロキシC2〜4アルキレニルからなる群から選択される。
【0099】
上記実施形態のいずれか1つを含む特定の実施形態において、Rは、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、2−メトキシエチル、および2−ヒドロキシエチルからなる群から選択される。
【0100】
特定の実施形態に対して、Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキレニル、アリールオキシアルキレニル、アルキルアリーレニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキレニル、ヘテロアリールオキシアルキレニル、アルキルヘテロアリーレニル、およびヘテロシクリルからなる群から選択され、ここでそのアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキレニル、アリールオキシアルキレニル、アルキルアリーレニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキレニル、ヘテロアリールオキシアルキレニル、アルキルヘテロアリーレニル、およびヘテロシクリル基は、非置換であるか、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、シアノ、アリール、アリールオキシ、アリールアルキレンオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアルキレンオキシ、ヘテロシクリル、アミノ、アセチルアミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、(ジアルキルアミノ)アルキレンオキシ、ならびにアルキル、アルケニル、アルキニル、およびヘテロシクリルの場合はオキソからなる群から独立に選択された1つまたは複数の置換基によって置換されていてもよい。
【0101】
特定の実施形態に対して、Rは、アルキルおよびアルコキシアルキレニルからなる群から選択される。
【0102】
特定の実施形態に対して、Rは、アルキル、アリール、アリールアルキレン、ヘテロアリール、およびヘテロシクリルからなる群から選択され、ここでそのアリール基は、非置換であるか、アセチルアミノ、アルキル、アルコキシ、シアノ、およびハロゲンからなる群から独立に選択された1つまたは複数の置換基によって置換されていてもよい。
【0103】
特定の実施形態に対して、Rは、=Oおよび=Sからなる群から選択される。特定の実施形態において、Rは、=Oである。特定の実施形態において、Rは、=Sである。
【0104】
特定の実施形態に対して、Rは、水素、アルキル、アルコキシアルキレニル、およびアリールアルキレニルからなる群から選択される。特定の実施形態において、Rは、水素およびアルキルからなる群から選択される。特定の実施形態において、Rは、水素である。特定の実施形態において、Rは、アルキルである。
【0105】
特定の実施形態に対して、Rは、水素およびアルキルからなる群から選択される。特定の実施形態においてRは、アルキルである。特定の実施形態においてRは、水素である。
【0106】
特定の実施形態に対して、R11は、水素、アルキルハロゲン、およびトリフルオロメチルからなる群から選択される。
【0107】
特定の実施形態に対して、Aは、−O−、−C(O)−、−S(O)0〜2−、−CH−、および−N(R)−からなる群から選択される。特定の実施形態に対して、Aは、−O−である。
【0108】
特定の実施形態に対して、Qは、結合、−C(R)−、−C(R)−C(R)−、−S(O)−、−C(R)−N(R)−W−、−S(O)−N(R)−、−C(R)−O−、および−C(R)−N(OR)−からなる群から選択される。特定の実施形態に対して、Qは、−C(O)−、−S(O)−、−C(O)−O−、および−C(O)−NH−からなる群から選択される。特定の実施形態に対して、Qは、−C(O)−、−C(O)−O−、−S(O)−、および−C(R)−N(R)−からなる群から選択される。特定の実施形態に対して、Qは、結合である。
【0109】
特定の実施形態に対して、Vは、−C(R)−、−O−C(R)−、−N(R)−C(R)−、および−S(O)−からなる群から選択される。特定の実施形態において、Vは、−C(R)−である。特定の実施形態においてVは、−N(R)−C(R)−である。
【0110】
特定の実施形態に対して、Wは、結合、−C(O)−、および−S(O)−からなる群から選択される。特定の実施形態において、Wは、結合および−C(O)−からなる群から選択される。特定の実施形態において、Wは、結合である。
【0111】
特定の実施形態に対して、aとbは、独立に1から6までの整数であり、但しa+bは≦7であることを条件とする。特定の実施形態に対して、aとbは、それぞれ整数2である。
【0112】
特定の実施形態に対して、Gは、−C(O)−R’、α−アミノアシル、α−アミノアシル−α−アミノアシル、−C(O)−O−R’、−C(O)−N(R”)R’、−C(=NY’)−R’、−CH(OH)−C(O)−OY’、−CH(OC1〜4アルキル)Y、−CH、および−CH(CH)Yからなる群から選択される。
【0113】
特定の実施形態に対して、Gは、−X−C(O)−R’、α−アミノアシル、α−アミノアシル−α−アミノアシル、−X−C(O)−O−R’、−C(O)−N(R”)R’、および−S(O)−R’からなる群から選択される。
【0114】
特定の実施形態に対して、R’は、C1〜10アルキル、C3〜7シクロアルキル、フェニル、およびベンジルからなる群から選択され、そのそれぞれは非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、C1〜6アルキル、C1〜4アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、アリール−C1〜4アルキレニル、ヘテロアリール−C1〜4アルキレニル、ハロ−C1〜4アルキレニル、ハロ−C1〜4アルコキシ、−O−C(O)−CH、−C(O)−O−CH、−C(O)−NH、−O−CH−C(O)−NH、−NH、および−S(O)−NHからなる群から独立に選択された1つまたは複数の置換基によって置換されていてもよい。
【0115】
特定の実施形態に対して、R”は、水素、C1〜10アルキル、C3〜7シクロアルキル、フェニル、およびベンジルからなる群から選択され、そのそれぞれは非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、C1〜6アルキル、C1〜4アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、アリール−C1〜4アルキレニル、ヘテロアリール−C1〜4アルキレニル、ハロ−C1〜4アルキレニル、ハロ−C1〜4アルコキシ、−O−C(O)−CH、−C(O)−O−CH、−C(O)−NH、−O−CH−C(O)−NH、−NH、および−S(O)−NHからなる群から独立に選択された1つまたは複数の置換基によって置換されていてもよい。
【0116】
特定の実施形態に対して、Xは、結合、−CH−O−、−CH(CH)−O−、−C(CH−O−、および−X−C(O)−O−R’の場合は、−CH−NH−からなる群から選択される。
【0117】
特定の実施形態に対して、α−アミノアシルは、ラセミ体のアミノ酸、D−アミノ酸およびL−アミノ酸からなる群から選択されたアミノ酸から誘導されたα−アミノアシル基である。これらの実施形態のいくつかに対して、そのアミノ酸は、天然素材のアミノ酸である。
【0118】
特定の実施形態に対して、Y’は、水素、C1〜6アルキル、およびベンジルからなる群から選択される。
【0119】
特定の実施形態に対して、Yは、C1〜6アルキル、カルボキシ−C1〜6アルキレニル、アミノ−C1〜4アルキレニル、モノ−N−C1〜6アルキルアミノ−C1〜4アルキレニル、およびジ−N,N−C1〜6アルキルアミノ−C1〜4アルキレニルからなる群から選択される。
【0120】
特定の実施形態に対して、Yは、モノ−N−C1〜6アルキルアミノ、ジ−N,N−C1〜6アルキルアミノ、モルホリン−4−イル、ピペリジン−1−イル、ピロリジン−1−イル、および4−C1〜4アルキルピペラジン−1−イルからなる群から選択される。
【0121】
式XIIIの上記実施形態のいずれか1つを含む特定の実施形態に対して、Gは、−C(O)−R’、αーアミノアシル、および−C(O)−O−R’からなる群から選択される。これらの実施形態のいくつかに対して、R’は、1〜10個の炭素原子を含有する。これらの実施形態のいくつかに対して、αーアミノアシルは、合計少なくとも2個の炭素原子および合計最大10個までの炭素原子を含有し、またO、S、およびNからなる群から選択された1つまたは複数のヘテロ原子を含んでもよいラセミ体のアミノ酸、D−アミノ酸およびL−アミノ酸からなる群から選択されたアミノ酸から誘導されたα−C2〜11アミノアシル基である。
【0122】
式XIVの上記実施形態のいずれか1つを含む特定の実施形態に対して、Gは、−C(O)−R’およびαーアミノアシルからなる群から選択され、ここでR’は、非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、C1〜6アルキル、C1〜4アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、アリール−C1〜4アルキレニル、ヘテロアリール−C1〜4アルキレニル、ハロ−C1〜4アルキレニル、ハロ−C1〜4アルコキシ、−O−C(O)−CH、−C(O)−O−CH、−C(O)−NH、−O−CH−C(O)−NH、−NH、および−S(O)−NHからなる群から独立に選択された1つまたは複数の置換基によって置換されているC1〜6アルキルまたはフェニルである。
【0123】
式XIVの上記実施形態のいずれか1つを含む特定の実施形態に対して、Gは、α−アミノ−C2〜5アルカノイル、C2〜6アルカノイル、C1〜6アルコキシカルボニル、およびC1〜6アルキルカルバモイルからなる群から選択される。
【0124】
α−アミノアシル基を含む上記実施形態のいずれか1つを含む特定の実施形態に対して、α−アミノアシルは、ラセミ体のアミノ酸、D−アミノ酸およびL−アミノ酸からなる群から選択された天然素材のα−アミノ酸から誘導されたα−アミノアシル基である。
【0125】
α−アミノアシル基を含む上記実施形態のいずれか1つを含む特定の実施形態に対して、α−アミノアシルは、タンパク質中に見出されるα−アミノ酸から誘導されたα−アミノアシル基であり、そのアミノ酸はラセミ体のアミノ酸、D−アミノ酸およびL−アミノ酸からなる群から選択される。
【0126】
特定の実施形態において、本発明は、薬学的に受容可能な担体と組み合わせた式I、II、III、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、XI、XII、XIII、XIVのいずれか1つ、または上記実施形態のいずれか1つの化合物または塩の治療効果のある量を含む医薬品組成物を提供する。
【0127】
特定の実施形態において、本発明は、動物に、式I、II、III、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、XI、XII、XIII、XIVのいずれか1つ、または上記実施形態のいずれか1つの化合物または塩の有効量を投与すること、すなわち上記医薬品組成物のいずれか1つを投与すること含む動物におけるサイトカインの生合成を誘導する方法を提供する。特定のこれら実施形態に対して、該サイトカインは、IFN−α、TNF−α、IL−6、IL−10、およびIL−12からなる群から選択される。特定のこれら実施形態に対して、該サイトカインは、IFN−αまたはTNF−αである。
【0128】
特定の実施形態において、本発明は、動物に、式I、II、III、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、XI、XII、XIII、XIVのいずれか1つ、または上記実施形態のいずれか1つの化合物または塩の治療効果のある量を投与すること、すなわち上記医薬品組成物のいずれか1つを投与すること含む動物におけるウイルス性疾患を治療する方法を提供する。
【0129】
特定の実施形態において、本発明は、動物に、式I、II、III、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、XI、XII、XIII、XIVのいずれか1つ、または上記実施形態のいずれか1つの化合物または塩の治療効果のある量を投与すること、すなわち上記医薬品組成物のいずれか1つを投与すること含む動物における腫瘍性疾患を治療する方法を提供する。
【0130】
化合物の調製
本発明の化合物は、特に本明細書に包含されている記述の観点からの化学技術においては周知のものと類似した過程を含む合成経路によって合成することができる。その出発物質は、Aldrich Chemicals社(米国ウィスコンシン州ミルウォーキー)などの販売元から一般に入手可能であり、当業者には周知の方法を用いて容易に調製される(例えば、Louis F. FieserおよびMary Fieser、Reagents for Organic Synthesis、1〜19巻、Wiley社、ニューヨーク、(1967〜1999年編);Alan R. Katritsky、Otto Meth−Cohn、Charles W. Rees、Comprehensive Organic Functional Group Transformations、1〜6巻、Pergamon Press社、英国、オックスフォード、(1995年);Barry M. TrostおよびIan Fleming、Comprehensive Organic Synthesis、1〜8巻、Pergamon Press社、英国、オックスフォード、(1991年);または追加を含めたBeilsteins Handbuch der organischen Chemie、4巻、Aufl. Ed. Springer出版、ベルリン、ドイツ、(Beilsteinオンラインデータベースによっても入手可能)にほとんど記載されている方法により調製される)。
【0131】
以下に描いた反応スキームは、説明に役立つことを目的として本発明の化合物ならびに重要な中間体を合成するための可能な経路を提供する。個々の反応ステップのより詳細な説明は、以下の実施例の欄を参照されたい。当業者であれば他の合成経路を用いて本発明の化合物を合成することができることを敏感に察するであろう。特定の出発物質および試薬が反応スキーム中に描かれており以下で論じられているが、その他の出発物質および試薬を、さまざまな誘導体および/または反応条件を提供するために容易に代用することができる。さらに下記の方法によって調製された化合物の多くは、当業者には周知の従来の方法を用い、この開示に照らしてさらに修正することができる。
【0132】
本発明の化合物の調製においては、中間体に他の官能基を反応させる間に特定の官能基を保護することが時々必要となり得る。かかる保護の必要性は、特定の官能基の性質および反応ステップの条件によって変化する。適当なアミノ保護基としては、アセチル、トリフルオロアセチル、t−ブトキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル、および9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)が挙げられる。適当なヒドロキシ保護基としては、アセチルおよびt−ブチルジメチルシリル基などのシリル基が挙げられる。保護基およびそれらの使用についての一般的な記述は、T, W. GreeneおよびP. G. M. Wuts、Protective Groups in Organic Synthesis、John Wiley & Sons、ニューヨーク、米国、1991年、を参照されたい。
【0133】
分離および精製の従来の方法および技術を、本発明の化合物、ならびにそれらと関連するさまざまな中間体を単離するために使用することができる。かかる技術としては、例えば、すべてのタイプのクロマトグラフィー(高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、シリカゲルなどの通常の吸収剤を使用するカラムクロマトグラフィー、および薄層クロマトグラフィー)、再結晶、および微分(すなわち、液−液)抽出技術が挙げられる。
【0134】
実施形態によっては、本発明の化合物は、R、R、Z、nおよびmが、上で定義した通りであり、Bocは、t−ブトキシカルボニルである反応スキームIに従って調製することができる。
【0135】
反応スキームIのステップ(1)において、式XXのインドールは、アシル化されて式XXIのシュウ酸インドールを与える。その反応は、ピリジンが存在するジエチルエーテルなどの適当な溶媒中の式XXのインドールの溶液中にクロロオキソ酢酸エチルを加えることにより行うことができる。この反応は、0℃などの周囲温度より低い温度で行うことができる。式XXの多くのインドールが知られている。いくつかは市販されており、その他は、既知の合成方法を用いて容易に調製することができる。
【0136】
反応スキームIのステップ(2)においては、式XXIのシュウ酸インドールが式XXIIのピラゾロ[3,4−c]キノリン−4−オンに転位される。この反応は、式RNHNHのヒドラジンを、塩酸の存在するエタノール/酢酸などの溶媒または溶媒混合物中の式XXIのシュウ酸インドールの溶液に加えることにより行うことができる。この反応は、還流温度などの高温で行うことができる。
【0137】
ステップ(2)が、ヒドラジンを用いて行われる場合、得られるRが水素である式XXIIのピラゾロ[3,4−c]キノリン−4−オンは既知の合成方法を用いてさらに変化させることができる。例えば、Rが水素である式XXIIのピラゾロ[3,4−c]キノリン−4−オンは、アルキル化することができる。そのアルキル化は、Rが水素である式XXIIのピラゾロ[3,4−c]キノリン−4−オンの溶液をナトリウムエトキシドなどの塩基で処理し、続いてハロゲン化アルキルを添加することによって都合よく行うことができる。この反応は、エタノールなどの適当な溶媒中で行うことができ、高温、例えば溶媒の還流温度で、または周囲温度で行うことができる。別法では、Rが水素である式XXIIのピラゾロ[3,4−c]キノリン−4−オンは、ハロゲン化アリールまたはハロゲン化ヘテロアリールによるブーフバルト(Buchwald)アミノ化反応を受けさせることができる。多数のハロゲン化アルキル、ハロゲン化アリール、およびハロゲン化ヘテロアリールが市販されており、その他は、既知の合成方法を用いて調製することができる。
【0138】
反応スキームIのステップ(3)において、式XXIIのピラゾロ[3,4−c]キノリン−4−オンは塩素化されて式XXIIIの4−クロロピラゾロ[3,4−c]キノリンを与える。この反応は、式XXIIのピラゾロ[3,4−c]キノリン−4−オンをオキシ塩化リンと混合し、加熱することによって行うことができる。
【0139】
反応スキームIのステップ(4)において、式XXIIIの4−クロロピラゾロ[3,4−c]キノリンのクロロ基は、置き換えられて式XXIVのピラゾロ[3,4−c]キノリン−4−アミンを与える。この反応は、式XXIIIの化合物をメタノール中のアンモニアの溶液と混合し、その混合物を密閉した反応器中で加熱することにより行うことができる。
【0140】
反応スキームIのステップ(5)において、式XXIVのピラゾロ[3,4−c]キノリン−4−アミンは、従来の方法を用いて2つのBoc基により保護する。
【0141】
反応スキームIのステップ(6)において、式XXVの化合物は、リチオ化置換反応を受けて式XIIIの亜属である式XXVIの化合物を与える。この反応は、式XXVの化合物をt−ブチルリチウムで処理し、その後環状ケトンを添加することにより行うことができる。他の有機リチウム試薬を使用してもよい。その反応は、ジエチルエーテル、THF,またはt−ブチルメチルエーテルなどの適当な溶媒中で室温より下で行うことができる。都合よく、その反応は−78℃で行うことができる。この変換に有用な多数の環状ケトン、例えば、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、テトラヒドロ−4H−ピラン−4−オン、および1−Boc−4−ピペリドンなどが市販されている。その他のものは既知の方法によって製造することができる。
【0142】
反応スキームIのステップ(7)において、式XXVIのBocで保護されたピラゾロ[3,4−c]キノリン−4−アミンは、酸が介在してBoc基を取り除く開裂を受けて式IおよびIIIの亜属である式XXVIIの化合物を与える。
【0143】
反応スキームI
【0144】
【化60】

実施形態によっては、本発明の化合物は、反応スキームIIに従って調製することができ、式中、R、R、Z、nおよびmは、上で定義した通りである。
【0145】
反応スキームIIにおいて、式XXIXの化合物は、式XXVIIIの7−アザインドールから反応スキームIのステップ(1)から(7)までの方法を用いて調製する。
【0146】
反応スキームII
【0147】
【化61】

実施形態によっては、本発明の化合物は、また、反応スキームIIIに従って調製することができ、式中、R、R、X、Z、およびmは、上で定義した通りであり、RA2およびRB2は、一体となって縮合ベンゼン環または縮合ピリジン環を形成しており、ここでそのベンゼン環またはピリジン環は、非置換であるか1つまたは複数のR基によって置換されている。
【0148】
反応スキームIIIのステップ(1)において、式XXXのケトンは、クライゼン縮合条件下でシュウ酸ジエチルと縮合して式XXXIのケトエステルを与える。この反応は、周囲温度のシュウ酸ジエチルおよび式XXXのケトンの溶液にナトリウムt−ブトキシドを添加することによって行うことができる。
【0149】
反応スキームIIIのステップ(2)において、式XXXIのケトエステルは、式RNHNHのヒドラジンと反応して式XXXIIのカルボン酸ピラゾールを与える。この反応は、式XXXIの化合物の酢酸などの適当な溶媒中の溶液にヒドラジンをゆっくり添加することによって都合よく行われる。この反応は、周囲温度で行うことができる。
【0150】
反応スキームIIIのステップ(3)において、式XXXIIのカルボン酸ピラゾールのエステル基は、アミドに変換される。そのアミノ化は、メタノールなどの適当な溶媒中の式XXXIIのカルボン酸ピラゾールに水酸化アンモニウムを添加し、100℃などの高温で加熱することにより行うことができる。その反応は圧力容器中で行うことができる。
【0151】
別法では、ステップ(3)は、最初に式XXXIIのカルボン酸ピラゾールを加水分解してカルボン酸とし、次にそのカルボン酸をアミドに変換することができる。そのエステルの加水分解は、式XXXIIのカルボン酸ピラゾールを水中およびメタノールまたはエタノールなどの適当な溶媒中で水酸化リチウムまたは水酸化ナトリウムと組み合わせることにより、塩基性条件下で行うことができる。この反応は、周囲温度で行うことができ、カルボン酸生成物は、従来の方法を用いて単離することができる。該カルボン酸の式XXXIIIのピラゾールカルボキサミドへの変換は、最初に該カルボン酸を、ジクロロメタンなどの適当な溶媒中、周囲温度で塩化オキサリルにより処理して酸塩化物を生成させ、それを次に0℃などの周囲より下の温度で水酸化アンモニウムにより処理することによって行うことができる。別法では、該カルボン酸の式XXXIIIのピラゾールカルボキサミドへの変換は、1−ヒドロキシベンゾチアゾールおよび1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩を該カルボン酸のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)などの適当な溶媒中の周囲温度の溶液に加え、次に濃水酸化アンモニウムを加えることによるカップリング条件下で行うことができる。
【0152】
反応スキームIIIのステップ(4)において、式XXXIIIのピラゾールカルボキサミドは、脱水して式XXXIVのピラゾールカルボニトリルとする。適当な脱水剤としては、塩化チオニル、無水トリフルオロ酢酸、およびオキシ塩化リンが挙げられる。この反応は、式XXXIIIのピラゾールカルボキサミドをオキシ塩化リンで処理し、反応物を90℃などの高温で加熱することによって都合よく行われる。この反応は、また、式XXXIIIのピラゾールカルボキサミドを、トリエチルアミンなどの塩基の存在下およびジクロロメタンなどの適当な溶媒中で無水トリフルオロ酢酸と混合することによって行うことができる。この反応は、周囲温度または0℃などの周囲より下の温度で行うことができる。
【0153】
反応スキームIIIのステップ(5)においては、式XXXIVのピラゾールカルボニトリルを臭素化して、式XXXVの臭素置換ピラゾールカルボニトリルを与える。この臭素化は、酢酸中の式XXXIVのピラゾールカルボニトリルおよび酢酸カリウムの溶液に臭素を加えることにより都合よく行われる。この反応は周囲温度で行うことができる。
【0154】
反応スキームIIIのステップ(6)においては、式XXXVの臭素置換ピラゾールが、式XXXVIの試薬との遷移金属が触媒作用をするクロスカップリング反応を受ける。Mが、例えば、−B(OH)、−B(O−アルキル)、−Sn(アルキル)、および−Zn−ハロゲン化物である式XXXVIの試薬は、カップリング反応をすることが知られている。式XXXVIの、例えば、2−アミノフェニルボロン酸、2−アミノフェニルボロン酸塩酸塩、および(2,2−ジメチル−N−[3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−4−イル]プロパンアミドを含むいくつかの試薬またはそれらの保護されている類似物は市販されており、その他のものは、既知の合成方法を用いて調製することができる。例えば、t−ブトキシカルボニル(Boc)で保護されたアニリンは、ブチルリチウム試薬の存在下でオルト位に向けたメタル化を受ける。得られた有機リチウム中間体は、Boc保護基が除去された後、B(O−アルキル)およびClSn(アルキル)などの求電子試薬と反応して、Mがそれぞれ−B(O−アルキル)または−B(OH)および−Sn(アルキル)である式XXXVIの化合物を与える。
【0155】
ステップ(6)においては、鈴木カップリング反応が、式XXXの臭素置換ピラゾール、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)およびMが−B(OH)または−B(O−アルキル)である式XXXVIのホウ素試薬の混合物を、炭酸カリウムなどの塩基の存在下で加熱することにより都合よく行われる。この反応は、1,2−ジメトキシエタンなどの適当な溶媒中で行われ、75〜95℃などの高温で加熱することができる。
【0156】
反応スキームIIIのステップ(7)においては、式XXXVIIのピラゾールのアミンおよびニトリル官能基が酸性条件下で反応して、式XXXVIIIのピラゾロ[3,4−c]キノリンまたはピラゾロ[3,4−c]ナフチリジンを形成する。この分子内付加は、エタノール中の塩化アセチルを撹拌し、得られた酸性溶液を式XXXVIIIのピラゾールに加えることによって都合よく行われる。この反応物を、次に加熱して還流させ、式XXXVIIIのピラゾロ[3,4−c]キノリンまたはピラゾロ[3,4−c]ナフチリジンを与える。
【0157】
反応スキームIII
【0158】
【化62】

特定の実施形態において、本発明の化合物は、反応スキームIVに従って調製することができ、式中、R、R、X、Z、およびmは、上で定義した通りであり、RA1およびRB1は、以下で定義される通りである。
【0159】
反応スキームIVのステップ(1)において、式XXXVの臭素置換ピラゾールカルボニトリルは、(トリメチルシリル)アセチレンとのソノガシラ(Sonogashira)カップリング反応を受けて式XXXIXのピラゾールカルボニトリルを与える。この反応は、文献の手順、Sonogashira, K.、Tohda, Y.、Hagihara, N.、Tetrahedron Lett.、4467号、(1975年)に従って行うことができる。
【0160】
別法では、反応スキームIVに対する出発物質として、ヨード類似物を使用することができる。そのヨード類似物は、反応スキームIIIに示されている式XXIVのピラゾールカルボニトリルから調製することができる。そのヨウ素化反応は、式XXXIVのピラゾールカルボニトリルを、炭酸カリウムなどの塩基が存在するジクロロメタンなどの適当な溶媒中で、一塩化ヨウ素により処理することによって行うことができる。この反応は、周囲温度で行うことができる。
【0161】
反応スキームIVのステップ(2)において、式XXXIXのピラゾールのトリメチルシリル基は、除去されて式XLのピラゾールを与える。その変換を行うためにはメタノール中の炭酸カリウムまたはテトラヒドロフラン中のフッ化テトラブチルアンモニウムを使用することができる。
【0162】
反応スキームIVのステップ(3)において、式XLのピラゾールのアセチレンは、Organic Reactions, 5, 1、(1949年)におけるJacobs, T. L.の従来の合成方法を用いてアルキル化し、式XLIのピラゾールを与える。この反応は、塩基による式XLの化合物の脱プロトン化および得られたカルバニオンの式RB1−ハロゲン化物の求電子試薬、例えば、ヨードメタンとの反応により行うことができる。RB1が水素である場合、ステップ(3)は、省略することができる。
【0163】
実施形態によっては、反応スキームIVのステップ(1)から(3)は、ソノガシラカップリング反応を用いるヨード類似物からの1ステップに置き換えることができる。そのカップリングは、式RB1−C≡C−Hのアルキン、ヨウ化銅(I)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、およびトリエチルアミンをアセトニトリルなどの適当な溶媒中で混合し、次に溶媒の還流温度などの高温で加熱することにより行うことができる。
【0164】
反応スキームIVのステップ(4)においては、式XLIのピラゾールは、アンモニアと反応して式XLIIのピラゾロ[3,4−c]ピリジン−4−アミンを与える。この反応は、メタノール中のアンモニアの溶液を式XLIのピラゾールに加え、150℃などの高温で加熱することにより行うことができる。この反応は、圧力容器中で行うことができる。
【0165】
ステップ(5)および(6)は、RA1が水素以外である式XLIVの化合物を与えるために行うことができる。反応スキームIVのステップ(5)において、式XLIIのピラゾロ[3,4−c]ピリジン−4−アミンは、従来の臭素化条件下で臭素化して式XLIIIの臭素置換ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−4−アミンを与える。この反応は、反応スキームIIIのステップ(5)に記載されているものと同様に行うことができる。
【0166】
反応スキームIVのステップ(6)において、式XLIIIの臭素置換ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−4−アミンは、RA1が、アルケニル、アルコキシ、および−N(Rである式RA1−Mの試薬との遷移金属触媒の作用を受けたカップリング反応を受けて式XLIVのピラゾロ[3,4−c]ピリジン−4−アミンを与える。Mが、例えば、−B(OH)、−B(O−アルキル)、−Sn(アルキル)、および−Zn−ハロゲン化物である式RA1−Mの試薬は、カップリング反応を受けることが知られている。この変換は、最初に式XLIIIの化合物のアミノ基を保護し、その保護した化合物を、反応スキームIIIのステップ(6)に記載の条件を用いて遷移金属触媒の存在下で式RA1−Mの試薬で処理し、アミンを脱保護して式IIの亜属である式XLIVのピラゾロ[3,4−c]ピリジン−4−アミンを与える。別法では、ステップ(6)は、式XLIIIの化合物を、本反応スキームのステップ(1)に記載のソノガシラ条件下でアルキンとカップリングすることにより行うことができる。得られたアルキンは、従来の水素化条件下で還元して、RA1がアルケニルまたはアルキルである式XLIVの化合物を与えることができる。ステップ(6)は、また、(i)式XLIIIの化合物のアミノ基を、例えばBoc基で保護し、(ii)リチウム−ハロゲンの交換を実施し、(iii)式RA1−ハロゲン化物の求電子試薬、例えばヨードメタンで処理し、(iv)アミンを脱保護して式XLIVの化合物を与えることにより行うことができる。
【0167】
反応スキームIV
【0168】
【化63】

実施形態によっては、本発明の化合物は、反応スキームVに従って調製することができ、式中、R1bおよびR2bは、この反応の酸性の水素化条件下で還元されやすいような置換基を含まない上で定義したRおよびRの一部であり、R、X、Z、およびnは、上で定義した通りである。
【0169】
反応スキームVにおいて、式XLVのピラゾロ[3,4−c]キノリンは、還元されて式IVの亜属である式XLVIの6,7,8,9−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリンを与える。この反応は、酸化白金(IV)をトリフルオロ酢酸などの適当な溶媒中の式XLVのピラゾロ[3,4−c]キノリンの溶液または懸濁液に加え、その反応物を水素ガス圧力の下に置くことによる不均一系水素化条件下で行うことができる。
【0170】
別法では、この還元は、合成経路の初期段階で行うことができる。
【0171】
反応スキームV
【0172】
【化64】

本発明のピラゾロ[3,4−c]ナフチリジンは、反応スキームIにおける出発物質としてアザインドールを使用することにより調製することができる。アザインドールは既知の化合物である。いくつかは市販されており、その他は既知の合成方法を用いて調製することができる。別法では、本発明のピラゾロ[3,4−c]ナフチリジンは、反応スキームIIIにおいてアミノピリジンボロン酸を使用することによって調製することができる。アミノピリジンボロン酸は、既知の、例えば、Boc保護されたアミノピリジンのオルト位に向けたメタル化およびその後の求電子置換反応による方法を用いて調製することができる。別法では、いくつかの異性体に対して、ハロゲン−リチウム交換およびその後の求電子置換反応を用いることができる。例えば、ハロゲン−リチウム交換は、3位に保護されたアミノ基を有する2−ブロモピリジンについて行うことができ、その後の塩化トリブチルスズによる求電子置換およびアミノ基の脱保護により3−アミノ−2−トリ−n−ブチルスタンニルピリジンが与えられる。
【0173】
6,7,8,9−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[3,4−c]ナフチリジンは、ピラゾロ[3,4−c]ナフチリジンを反応スキームVの方法を用いて還元することにより調製することができる。
【0174】
実施形態によっては、化合物は従来の合成方法を用いてさらに変化させることができる。例えば、スキームVIに示されているように、式XLVIIの化合物は、ステップ(1)において酸が介在するBoc基の開裂を受けて、ステップ(2)において式RC(O)Clの酸塩化物、式(RC(O))Oの酸無水物、式ROC(O)Clのアルキルクロロホルメート、式RS(O)Clの塩化スルホニル、式(RS(O)Oのスルホン酸無水物、式RNCOのイソシアネート、または式RNCSのイソチオシアネートにより官能化することができる第二級アミンを生じ、Rが上で定義した通りであり、Qが、−C(O)−、−C(O)O−、−S(O)−、−C(O)NH−、または−C(S)NH−である式XLIXの化合物を与えることができる。多数の、酸塩化物、アルキルクロロホルメート、塩化スルホニル、スルホン酸無水物、イソシアネート、およびイソチオシアネートが市販されており、その他は既知の合成方法を用いて容易に調製することができる。この反応は、酸塩化物、アルキルクロロホルメート、塩化スルホニル、スルホン酸無水物、イソシアネート、またはイソチオシアネートを、クロロホルムなどの適当な溶媒中の式XLVIIIのアミンの溶液または懸濁液に加えることによって都合よく行うことができる。この反応は、周囲温度で行うことができる。
【0175】
さらに、反応スキームVIにおける式XLVIIIの化合物は、その第二級アミンのアルキル化を受けることができる。ステップ(3)において、式XLVIIIの化合物は、アルデヒド、ハロゲン化アルキルまたはアルキルトリフレートと反応してRが、上で定義したものである式Lの化合物を与えることができる。例えば、式XLVIIIの化合物をメタノールなどの適切な溶媒中で、ホルムアルデヒド水溶液およびシアノホウ化水素ナトリウムなどの還元剤で処理することにより、Rがメチル基である式Lの化合物が生じる。
【0176】
反応スキームVI
【0177】
【化65】

式LIIIの中間体は反応スキームVIIに従って調製することができ、式中、R、X、およびZは、上で定義した通りである。
【0178】
反応スキームVIIのステップ(1)において、式LIのケトンは、(2−オキソプロピル)ホスホン酸ジエチルと反応して式LIIのオレフィンを与える。この反応は、エタノールおよび水などの適当な溶媒または溶媒混合物中の水酸化カリウムなどの塩基の溶液に、式LIのケトンおよび(2−オキソプロピル)ホスホン酸ジエチルを加えることによって行うことができる。この反応は、周囲温度より下の温度、例えば0℃で行うことができる。
【0179】
反応スキームVIIのステップ(2)において、式LIIのオレフィンは、従来の方法を用いて誘導体化する。Xが結合であり、Rが水素である式LIIの化合物は、そのオレフィンを従来の不均一系水素化条件を用いて還元することにより調製することができる。また、式LIIの化合物は、四塩化チタンの存在下で、ピバロニトリルで処理することができ、得られたニトリル置換化合物は、通常の方法によりXが結合であり、Rが−C(O)−NHである式LIIIの化合物に変換することができる。式LIIの化合物は、また、水酸化アンモニウム、続いてジカルボン酸ジ−t−ブチルにより処理して、Xが結合であり、Rが−NHBocである式LIIIの化合物を与えることができ、これは脱保護して反応スキームVIの方法に従って処理し、さまざまなその他の化合物を提供することができる。
【0180】
反応スキームVII
【0181】
【化66】

実施形態によっては、本発明の化合物は、反応スキームVIIIに従って調製することができ、式中、RA2、RB2、R、およびZは、上で定義した通りである。
【0182】
反応スキームVIIIのステップ(1)において、式LIIのオレフィンは、シュウ酸ジエチルと縮合して、式LIVのケトエステルを与える。この反応は、反応スキームIIIのステップ(1)に記載のようにして行うことができる。
【0183】
反応スキームVIIIのステップ(2)において、式LIVのケトエステルは、式RNHNHのヒドラジンと反応して式LVのカルボン酸ピラゾールを与える。この反応は、反応スキームIIIのステップ(2)に記載のようにして行うことができる。
【0184】
反応スキームVIIIのステップ(3)において、式LVのカルボン酸ピラゾールは、式LVIのピラゾールカルボキサミドに変換させる。この反応は、反応スキームIIIのステップ(3)に記載のようにして行うことができる。
【0185】
反応スキームVIIIのステップ(4)において、式LVIの化合物中のオレフィン結合は、酸化して式LVIIのエポキシドを与える。この反応は、式LVIのクロロホルムなどの適当な溶媒中の懸濁液を3−クロロペルオキシ安息香酸で処理することにより行うことができる。この反応は、周囲温度で行うことができる。
【0186】
反応スキームVIIIのステップ(5)において、式LVIIの化合物中のエポキシド環は、開裂して式LVIIIのヒドロキシ置換ピラゾールカルボキサミドを与える。この反応は、式LVIIの化合物のエタノールなどの適当な溶媒中の溶液を、パラジウム炭素およびギ酸アンモニウムで処理することにより行うことができる。この反応は、周囲温度で行うことができる。
【0187】
反応スキームVIIIのステップ(6)において、式LVIIIのピラゾールカルボキサミドは、脱水されて式LIXのピラゾールカルボニトリルとなる。この反応は、反応スキームIIIのステップ(4)に記載のようにして行うことができる。
【0188】
反応スキームVIIIのステップ(7)から(9)において、式LIXのピラゾールカルボニトリルは、式LXのピラゾール[3,4−c]キノリンまたはピラゾール[3,4−c]ナフチリジンに変換される。この変換は、反応スキームIIIのステップ(5)から(7)に記載の方法を用いて行うことができる。
【0189】
反応スキームVIII
【0190】
【化67】

実施形態によっては、本発明の化合物は、反応スキームIXに従って調製することができ、式中、RA2、RB2、R、およびZは、上で定義した通りである。
【0191】
反応スキームIXのステップ(1)において、式LIXのピラゾロカルボニトリル中のヒドロキシ基は、フルオロ基と置換されて式LXIのピラゾロカルボニトリルを与える。この反応は、式LIXの化合物のジクロロメタンなどの適当な溶媒中の溶液を[ビス(2−メトキシエチル)アミノ]硫黄トリフルオリドで処理することにより行うことができる。このトリフルオリドは、管理された方法の中で例えば0℃といった周囲より低い温度で加える。
【0192】
反応スキームIXのステップ(2)から(4)において、式LXIのピラゾールカルボニトリルは、式LXIIのピラゾロ[3,4−c]キノリンまたはピラゾロ[3,4−c]ナフチリジンに変換される。この変換は、反応スキームIIIのステップ(5)から(7)に記載の方法を用いて行うことができる。
【0193】
反応スキームIX
【0194】
【化68】

本発明の化合物は、また、当業者には明らかであろうが、反応スキームIからIXに示した経路の変形を用いて調製することもできる。例えば、Zが−N(Boc)−である式LIIの化合物は、反応スキームVIIのステップ(1)の方法に従って1−Boc−4−ピペリジノンから容易に調製することができる。次に反応スキームVIIIのステップ(1)から(6)を使用して、Zが−N(Boc)−である式LIXの化合物を調製することができる。そのBoc基は、次いで開裂することができ、得られたアミンを、反応スキームVIのステップ(1)および(2)に記載の方法に従って、酸塩化物、アルキルクロロホルメート、塩化スルホニル、スルホン酸無水物、イソシアネート、またはイソチオシアネートで処理することができる。これらのBoc除去およびアミン官能化のステップは、反応スキームVIIIのステップ(7)における臭素化後、または反応スキームIXのステップ(1)および(2)の後で都合よく行うことができる。最後に、反応スキームVIIIのステップ(8)および(9)または反応スキームIXのステップ(3)および(4)のカップリングおよび閉環方法を使用して、Zが−N(Q−R)−である式LXおよびLXIIの化合物をそれぞれ与えることができる。
【0195】
実施形態によっては、本発明の化合物は、反応スキームXに従って調製することができ、式中、R、R、R、R、G、Z、およびmは、上で定義した通りである。式Iのピラゾロ化合物のアミノ基は、従来の方法によって、アミド、カルバメート、尿素、アミジン、または別の加水分解できる基などの官能基に変換することができる。このタイプの化合物は、アミノ基中の水素原子を、−C(O)−R’、α−アミノアシル、α−アミノアシル−α−アミノアシル、−C(O)−O−R’、−C(O)−N(R”)−R’、−C(=NY’)−R’、−CH(OH)−C(O)−OY’、−CH(OC1〜4アルキル)Y、−CH,または−CH(CH)Yなどの基により置換することによって製造することができ、ここでR’およびR”は、それぞれ独立に、C1〜10アルキル、C3〜7シクロアルキル、フェニル、またはベンジルであって、それぞれ非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、C1〜6アルキル、C1〜4アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、アリールC1〜4アルキレニル、ヘテロアリールC1〜4アルキレニル、ハロC1〜4アルキレニル、ハロC1〜4アルコキシ、−O−C(O)−CH、−C(O)−O−CH、−C(O)−NH、−O−CH−C(O)−NH、−NH、および−S(O)−NHからなる群から独立に選択された1つまたは複数の置換基によって置換されていてもよく、但し、R”は、水素であってもよく;各α−アミノアシル基は、ラセミ体のアミノ酸、D−アミノ酸およびL−アミノ酸から独立に選択され;Y’は、水素、C1〜6アルキル、またはベンジルであり;Yは、C1〜6アルキル、カルボキシC1〜6アルキレニル、アミノC1〜4アルキレニル、モノ−N−C1〜6アルキルアミノC1〜4アルキレニル、またはジ−N,N−C1〜6アルキルアミノC1〜4アルキレニルであり;Yは、モノ−N−C1〜6アルキルアミノ、ジ−N,N−C1〜6アルキルアミノ、モルホリン−4−イル、ピペリジン−1−イル、ピロリジン−1−イル、または4−C1〜4アルキルピペラジン−1−イルである。特に有用な式XIIIの化合物は、1〜10個の炭素原子を含有するカルボン酸から誘導されたアミド、アミノ酸から誘導されたアミド、および1〜10個の炭素原子を含有するカルバメートである。この反応は、例えば、式Iの化合物を、クロロギ酸エチルまたは塩化アセチルなどのクロロギ酸エステルまたは酸塩化物と、トリエチルアミンなどの塩基が存在するジクロロメタンなどの適当な溶媒中で、室温で混合することにより行うことができる。
【0196】
反応スキームX
【0197】
【化69】

実施形態によっては、本発明の化合物は、反応スキームXIに従って調製することができ、式中、R、R、R、G、Z、およびmは、上で定義した通りである。式LXIIIのアルコール基の水素原子は、従来の方法を用いてC1〜6アルカノイルオキシメチル、1−(C1〜6アルカノイルオキシ)エチル、1−メチル−1−(C1〜6アルカノイルオキシ)エチル、C1〜6アルコキシカルボニルオキシメチル、N−(C1〜6アルコキシカルボニル)アミノメチル、スクシノイル、C1〜6アルカノイル、α−アミノC1〜4アルカノイル、アリールアシル、−P(O)(OH)、−P(O)(O−C1〜6アルキル)、C1〜6アルコキシカルボニル、C1〜6アルキルカルバモイル、およびα−アミノアシルまたはα−アミノアシル−α−アミノアシルなどの基で置き換えることができ、ここで各α−アミノアシル基は、ラセミ体のアミノ酸、D−アミノ酸およびL−アミノ酸から独立に選択される。特に有用な式XIVの化合物は、1〜6個の炭素原子を含有するカルボン酸、非置換または置換安息香酸エステル、または天然素材のアミノ酸から製造されるエステルである。
【0198】
反応スキームXI
【0199】
【化70】

実施形態によっては、本発明の化合物は、以下の実施例に記載されている合成経路を用いて調製することができる。
【0200】
医薬品組成物および生物活性
本発明の医薬品組成物は、上記の化合物または塩の治療効果のある量を薬剤的に許容できる担体との組み合わせで含有する。
【0201】
用語「治療効果のある量」および「有効量」とは、サイトカインの誘導、免疫修飾、抗腫瘍活性、および/または抗ウイルス活性などの治療または予防効果を誘発するのに十分な該化合物または塩の量を意味する。本発明の医薬品組成物において使用される化合物または塩の正確な量は、その化合物または塩の物理的および化学的性質、担体の性質、および意図した投与方式など当業者には知られている要因に従って変化する。
【0202】
特定の実施形態において、本発明の組成物は、1キログラム当り約100ナノグラム(ng/kg)から1キログラム当り約50ミリグラム(mg/kg)、好ましくは1キログラム当り約10マイクログラム(μg/kg)から5mg/kgの該化合物または塩の投与量を患者に与えるために十分な有効成分またはプロドラッグを含有する。
【0203】
他の実施形態においては、本発明の組成物は、デュボアメソッド(Dubois method)により計算された、例えば、約0.01mg/mから約5.0mg/mの投与量を与えるのに十分な有効成分またはプロドラッグを含有する[患者の体の表面積(m)は患者の体重を用いて計算され、m=(体重kg0.425×身長cm0.725)×0.007184]が、特定の実施形態においてはこの方法はこの範囲外の投与量の化合物もしくは塩または組成物を投与することによって実施することができる。これらの実施形態のいくつかにおいて、該方法は、患者に約0.1mg/mから約2.0mg/mまでの投与量、例えば約0.4mg/mから約1.2mg/mまでの投与量を与えるのに十分な化合物を投与することを含む。
【0204】
さまざまな剤形、例えば、錠剤、ロゼンジ剤、カプセル剤、非経口製剤、シロップ剤、クリーム剤、軟膏剤、エアロゾル製剤、経皮貼布剤、経粘膜貼布剤などを使用することができる。これらの剤形は、従来の薬学的に受容可能な担体および添加剤と共に、有効成分を担体と結び付けるようにするステップを一般に含む従来の方法を用いて調製することができる。
【0205】
本発明の化合物または塩は、治療計画における単一の治療薬として投与することができ、あるいは本明細書に記載の化合物または塩は、互いの組み合わせまたはさらなる免疫反応修飾因子、抗ウイルス剤、抗生物質、抗体、タンパク質、ペプチド、オリゴヌクレオチドなどを含む他の活性因子との組み合わせで投与することもできる。
【0206】
本発明の化合物または塩は、以下に示す試験に従って実施した実験において一定のサイトカインの生成を誘導することを示している。これらの結果は、これらの化合物または塩が、多数の異なる様式で免疫反応を調節してそれらをさまざまな障害の治療に役立つようにするために有用であることを示している。
【0207】
本発明の化合物または塩の投与によって生成を誘導することができるサイトカインとしては、インターフェロン−α(IFN−α)および腫瘍壊死因子−α(TNF−α)ならびにいくつかのインターロイキン(IL)を一般に含む。本発明の化合物または塩によってその生合成が誘導されるサイトカインとしては、IFN−α、TNF−α、IL−1、IL−6、IL−10およびIL−12、ならびにさまざまなその他のサイトカインが挙げられる。他にいろいろの作用がある中でも特に、これらおよびその他のサイトカイン類は、ウイルスの産生および腫瘍細胞の増殖を阻止することができ、これらの化合物または塩をウイルス性疾患および腫瘍性疾患の治療に役立たせる。従って、本発明は、動物におけるサイトカインの生合成を誘導する方法であって、本発明の化合物または塩の有効量を動物に投与することを含む方法を提供する。サイトカインの生合成の誘導のために化合物または塩を投与される動物は、下記のような疾患、例えばウイルス性疾患または腫瘍性疾患を有していてもよく、該化合物または塩の投与によって治療上の処置を提供することができる。別法では、該化合物または塩は、動物が疾患に罹る前に該化合物または塩の投与が予防的治療を提供できるように動物に投与することができる。
【0208】
サイトカインの産生を誘導する能力に加えて、本明細書に記載の化合物または塩は、先天性免疫反応のその他の側面に影響を及ぼすことができる。例えば、ナチュラルキラー細胞活性を刺激することができ、これはサイトカインの誘導による効果であり得る。該化合物または塩は、また、マクロファージを活性化し、それは順に一酸化窒素の分泌およびさらなるサイトカインの産生を促す。さらにまた、該化合物または塩は、Bリンパ球の増殖および分化を引き起こすことができる。
【0209】
本明細書に記載の化合物または塩は、また、後天的免疫反応への効果も有することができる。例えば、ヘルパーT1型(T1)サイトカインIFN−γの産生を間接的に誘導することができ、ヘルパーT2型(T2)サイトカインIL−4、IL−5およびIL−13の産生を該化合物または塩の投与によって阻止することができる。
【0210】
疾患の予防上のまたは治療上の処置のためであれ、先天性免疫または後天的免疫を生じさせるためであれ、該化合物もしくは塩または組成物は、単独で、または1つまたは複数の活性成分例えばワクチンアジュバントなどと組み合わせて投与することができる。他の成分と共に投与する場合、該化合物もしくは塩または組成物および他の1つの成分または複数の成分は、別々に、同時にではあるが溶液中など単独で、あるいは同時に例えば(a)共有結合により一緒にするかまたは(b)非共有結合的に例えばコロイド懸濁液中で一緒にして投与することができる。
【0211】
本明細書で特定される化合物もしくは塩または組成物を処理剤として使用できる状態としては、
(a)ウイルス性疾患、例えば、アデノウイルス、ヘルペスウイルス(例えば、HSV−I、HSV−II、CMV、またはVZV)、ポックスウイルス(例えば、痘瘡もしくはワクシニア、または伝染性軟属腫などのオルトポックスウイルス)、ピコルナウイルス(例えば、ライノウイルスまたはエンテロウイルス)、オルトミクソウイルス(例えばインフルエンザウイルス)、パラミクソウイルス(例えば、パラインフルエンザウイルス、ムンプスウイルス、麻疹ウイルス、および呼吸器合胞体ウイルス(RSV))、コロナウイルス(例えばSARS)、パポーバウイルス(例えば、陰部疣贅、尋常性疣贅、または足底疣贅の原因となるものなどのパピローマウイルス)、ヘパドナウイルス(例えば、B型肝炎ウイルス)、フラビウイルス(例えば、C型肝炎ウイルスまたはデングウイルス)、またはレトロウイルス(例えば、HIVなどのレンチウイルス)による感染に由来する疾患など;
(b)細菌性疾患、例えば、細菌の属、例えばエシェリキア、エンテロバクター、サルモネラ、スタヒロコックス、赤痢菌、リステリア、アエロバクター、ヘリコバクター、クレブシエラ、プロテウス、シュードモナス、連鎖球菌、クラミジア、マイコプラズマ、肺炎球菌、ナイセリア、クロストリジウム、バシラス、コリネバクテリウム、マイコバクテリウム、カンピロバクター、ビブリオ、セラシア、プロビデンシア、クロモバクテリウム、ブルセラ、エルシニア、ヘモフィルス、またはボルデテラによる感染に由来する疾患など;
(c)その他の感染症、例えば、クラミジア感染症、真菌症(カンジダ症、アスペルギルス症、ヒストプラスマ症、クリプトコッカス髄膜炎を含むがこれらには限定されない)、または寄生虫症(マラリア、ニューモシスティスカリニ肺炎、リーシュマニア症、クリプトスポリジウム症、トキソプラズマ症、およびトリパノソーマ感染症を含むがこれらには限定されない)など;
(d)腫瘍性疾患、例えば、上皮内腫瘍、子宮頚部形成異常、光線角化症、基底細胞癌、扁平上皮細胞癌、腎細胞癌、カポジ肉腫、メラノーマ、急性骨髄性白血病、急性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、多発性骨髄腫、ヒジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞性リンパ腫、B細胞リンパ腫、およびヘアリー細胞白血病を含むがこれらには限定されない白血病、ならびにその他の癌など;
(e)T2媒介アトピー性疾患、例えば、アトピー性皮膚炎または湿疹、好酸球増加症、喘息、アレルギー、アレルギー性鼻炎、およびオーメン症候群など;
(f)一定の自己免疫疾患、例えば、全身性エリエリテマトーデス、本態性血小板血症、多発性硬化症、円板状ループス、円形脱毛症など;および
(g)創傷修復、例えば、ケロイド形成およびその他のタイプの瘢痕の阻止作用と関係する疾患(例えば、慢性の創傷を含む創傷治癒の増進)
を挙げられるが、これらには限定されない。
【0212】
さらに、本明細書で確認される化合物または塩は、例えば、BCG、コレラ、ペスト、腸チフス、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、A型インフルエンザ、B型インフルエンザ、パラインフルエンザ、ポリオ、狂犬病、麻疹、流行性耳下腺炎、風疹、黄熱病、破傷風、ジフテリア、ヘモフィルスインフルエンザb、結核、髄膜炎菌および肺炎球菌ワクチン、アデノウイルス、HIV、水疱、サイトメガロウイルス、デング熱、ネコ白血病、家禽ペスト、HSV−1およびHSV−2、ブタコレラ、日本脳炎、呼吸器合胞体ウイルス、ロタウイルス、パピローマウイルス、黄熱病、およびアルツハイマー病に関連して使用するために、体液性免疫反応および/または細胞性免疫反応のいずれかを高める任意の物質、例えば、生きているウイルス性、細菌性、または寄生性の免疫原;不活性化されたウイルス性、腫瘍由来、原生動物、有機体由来、真菌性、または細菌性の免疫原;トキソイド;毒素;自己抗原;多糖類;タンパク質;糖タンパク質;ペプチド;細胞ワクチン;DNAワクチン;自己ワクチン;組み換えタンパク質などと共に使用するワクチンアジュバントとして有用であり得る。
【0213】
本明細書で確認される化合物または塩は、免疫機能に障害のある個人において特に助けとなり得る。例えば、化合物または塩は、例えば臓器移植患者、癌患者およびHIV患者における細胞性免疫の抑制後に起こる日和見感染症および腫瘍を治療するために使用することができる。
【0214】
かくして、1つまたは複数の上記疾患もしくは疾患の種類、例えば、ウイルス性疾患または腫瘍性疾患は、それを必要とする(疾患を有する)動物において、本発明の化合物または塩の治療効果のある量をその動物に投与することによって処置することができる。
【0215】
動物は、また、本明細書に記載の化合物または塩の有効量をワクチンアジュバントとして投与することにより予防接種することができる。1実施形態においては、本明細書に記載の化合物または塩の有効量をワクチンアジュバントとして動物に投与するステップを含む動物への予防接種の方法が提供される。
【0216】
サイトカイン生合成を誘導するのに有効な化合物または塩の量は、単球、マクロファージ、樹枝状細胞およびB細胞などの1つまたは複数の細胞の種類が、1つまたは複数のサイトカイン、例えば、IFN−α、TNF−α、IL−1、IL−6、IL−10およびIL−12など、かかるサイトカインのバックグラウンドレベルを超えて増加する(誘導する)量を産生することを引き起こすのに十分な量である。その正確な量は、当該技術分野で知られている要因によって変動するであろうが、約100ng/kgから約50mg/kg、好ましくは約10μg/kgから約5mg/kgの投与量であることが予想される。他の実施形態においては、その量は、例えば約0.01mg/mから約5.0mg/m(上記のデュボアメソッドにより計算)の投与量であることが予想されるが、特定の実施形態においてはサイトカイン生合成の誘導または阻止はこの範囲の外の投与量で化合物または塩を投与することにより実施され得る。これらの実施形態のいくつかにおいて、該方法は、患者に約0.1mg/mから約2.0mg/mの投与量、例えば約0.4mg/mから約1.2mg/mの投与量を提供するのに十分な化合物もしくは塩または組成物を投与することを含む。
【0217】
本発明は、また、本発明の化合物または塩の有効量を動物に投与するステップを含む動物におけるウイルス感染を治療する方法および動物における腫瘍性疾患を治療する方法を提供する。ウイルス感染を治療または阻止するために有効な量は、未治療の対照動物と比較して、ウイルス傷害、ウイルス量、ウイルス産生の割合、および死亡率などのウイルス感染の1つまたは複数の徴候の減少をもたらす量である。上記治療に対して有効な正確な量は、当該技術分野で知られている要因によって変動するであろうが、約100ng/kgから約50mg/kg、好ましくは約10μg/kgから約5mg/kgの投与量であることが予想される。腫瘍性の状態を治療するために有効な化合物または塩の量は、腫瘍の大きさまたは腫瘍増殖巣の数の減少をもたらす量である。この場合もやはり、正確な量は、当該技術分野で知られている要因によって変動するであろうが、約100ng/kgから約50mg/kg、好ましくは約10μg/kgから約5mg/kgの投与量であることが予想される。他の実施形態においては、その量は、例えば約0.01mg/mから約5.0mg/m(上記のデュボアメソッドにより計算)の投与量であることが予想されるが、実施形態によってはこれらの方法のどちらもこの範囲の外の投与量で化合物または塩を投与することにより実施され得る。これらの実施形態のいくつかにおいて、該方法は、患者に約0.1mg/mから約2.0mg/mの投与量、例えば約0.4mg/mから約1.2mg/mの投与量を提供するのに十分な化合物または塩を投与することを含む。
【0218】
本明細書に特に記載されている製剤および用途に加えて、本発明の化合物に適するその他の製剤、用途、および投与装置が、例えば、国際公開第03/077944号および同第02/036592号、米国特許第6245776号、米国特許出願公開第2003/0139364号、同第2003/185835号、同第2004/0258698号、同第2004/0265351号、同第2004/076633号、および同第2005/0009858号に記載されている。
【0219】
本発明の目的および利点を以下の実施例によってさらに示すが、これらの実施例に列挙されている特定の物質およびその量、ならびにその他の条件および詳細は、本発明をあまり限定するものと解釈すべきではない。
【実施例】
【0220】
以下の実施例においてはシリカゲルに基づく自動フラッシュクロマトグラフィーを、HORIZON HPFCシステム(米国バージニア州シャーロッツビルのBiotage,Incから入手可能な自動化高性能フラッシュ精製用製品)またはINTELLIFLASHフラッシュクロマトグラフィーシステム(米国ウィスコンシン州バーリントンのAnaLogix,Incから入手可能な自動フラッシュ精製システム)を用いて行った。各精製のために用いた溶離液は、実施例中に示す。いくつかのクロマトグラフィー分離においては、クロロホルム/メタノール/濃水酸化アンモニウム(CMA)の80/18/2(v/v/v)の溶媒混合物を溶離液の極性成分として使用した。これらの分離においてはCMAをクロロホルムと指示されている比率で混合した。
【0221】
(実施例1)
1−[(4−アミノ−2−プロピル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−1−イル)メチル]シクロブタノール
【0222】
【化71】

パートA
シクロオキサ酢酸エチル(22.53g、0.165mol)のジエチルエーテル(100mL)中の溶液を、2−メチルインドール(19.7g、0.15mol)およびピリジン(14.2g、0.18mol)のジエチルエーテル(200mL)中の冷却(0℃)した溶液に15分間かけて加えた。この反応物を窒素雰囲気下、0℃で2時間撹拌した。ジエチルエーテルのほとんどが2時間の反応時間の終わりまでに蒸発し、固体がそこに残った。水(100mL)を加え、その固体を濾過により分離し、1:1のジエチルエーテル/ヘキサンで洗浄した。その固体(27.9g)を次に沸騰しているトルエン(250mL)に溶解し、6℃まで冷却して再結晶させた。その結晶を濾過して単離し、トルエンで洗浄し、真空濾過漏斗上で2時間かけて乾燥し、75℃の水を加えて5分間完全に粉砕し、濾過して単離し、濾過漏斗上で3時間かけて乾燥してさび色の粉末として17.8gの(2−メチル−1H−インドール−3−イル)(オキソ)酢酸エチルを得た。
【0223】
パートB
(2−メチル−1H−インドール−3−イル)(オキソ)酢酸エチル(6.94g、30.0mmol)およびプロピルヒドラジンオキサレート(10.8g、66.0mmol)を、塩化アセチル(5.18g、66.0mmol)の酢酸(5mL)およびエタノール(150mL)中の溶液に加え、その反応物を窒素下で、42.5時間加熱して還流させた。エタノールを減圧下で除去し、2Mの炭酸ナトリウム水溶液を加えた。その混合物を撹拌し、得られた固体を濾過して単離し、水で洗浄し、真空濾過漏斗上で90分間乾燥して暗色の半固体を得た。その粗生成物を、t−ブチルメチルエーテル(50mL)と共に撹拌し、濾過して単離し、t−ブチルメチルエーテルで洗浄し、真空濾過漏斗上で乾燥して6.10gのオレンジ色の固体を与え、それを沸騰しているアセトニトリル(50mL)と共に撹拌し、濾過して単離し、自動フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、白色固体として5.11gの1−メチル−2−プロピル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−4−オールを得た。
【0224】
パートC
1−メチル−2−プロピル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−4−オール(5.11g、21.2mmol)のオキシ塩化リン(50mL)中の溶液を30分間加熱して還流させ、そのまま室温まで冷却し、2日間撹拌した。その反応混合物を撹拌しながら氷水(500mL)中に注ぎ、濃水酸化アンモニウム(169mL)および氷を加えた。存在した固体を濾過して単離し、水で洗浄し、自動フラッシュクロマトグラフィー(クロロホルム中5%〜25%のCMAで溶離)により精製した。得られたオレンジ色の固体(5.5g)をアセトニトリル(25mL)から再結晶させた。その結晶をアセトニトリルで洗浄し、5時間乾燥して、3.85gの4−クロロ−1−メチル−2−プロピル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリンを融点145〜147℃の白色固体として得た。
分析 C1414Clに対する計算値:C,64.74;H,5.43;N,16.18。実測値:C,64.50;H,5.64;N,16.20。
この生成物を別の作業による物質と合体した。
【0225】
パートD
Parr社製容器に4−クロロ−1−メチル−2−プロピル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン(4.31g)およびアンモニアのメタノール中の溶液(7Nの50mL)を仕込んだ。この反応物を150℃で24時間加熱し、そのまま室温まで冷却した。大部分のメタノールを減圧下で除去し、水を加えた。形成された沈殿を濾過して単離し、水で洗浄し、真空濾過漏斗上で乾燥し、3.8gの1−メチル−2−プロピル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−4−アミンを白色固体として得た。
【0226】
パートE
1−メチル−2−プロピル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−4−アミン(3.78g、15.7mmol)、ジカルボン酸ジ−t−ブチル(8.6g、39.3mmol)、および4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)(96mg、0.79mmol)のテトラヒドロフラン(THF)(100mL)中の溶液を、14時間加熱して還流させ、そのまま室温まで冷却した。THFを減圧下で除去し、その残留物をHORIZON HPFCシステムを用いるクロマトグラフィーにより(ヘキサン中50%の酢酸エチルで溶離)、続いてt−ブチルメチルエーテル/ヘキサンから再結晶させて精製した。その結晶を、ヘキサンで洗浄し、真空濾過漏斗上で2時間乾燥して、6.46gの1−メチル−2−プロピル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−4−イルイミドジカルボン酸ジ(t−ブチル)をオフホワイトの固体として得た。
【0227】
パートF
1−メチル−2−プロピル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−4−イルイミドジカルボン酸ジ(t−ブチル)(1.32g、3.00mmol)の無水テトラヒドロフラン(THF)(30mL)中の溶液を、アルゴン雰囲気下で−78℃まで冷却した。t−ブチルリチウム(ペンタン中の1.7M溶液の7.06mL)を8分の時間をかけて加え、得られた暗色の溶液を、−78℃で40分間撹拌した。シクロブタノン(1.05g、15mmol)を2分の時間をかけて加え、−78℃の浴を0℃の浴と交換した。この反応混合物を10分間撹拌し、次いで塩化アンモニウムの飽和水溶液(30mL)を加えた。水層を分離し、t−ブチルメチルエーテルで3回抽出し、合わせた有機画分を硫酸マグネシウムによって乾燥し、濾過して減圧下で濃縮した。その残留物(1.3g)を、自動フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、次いで2Mの塩酸中で30分間煮沸させた。その溶液をそのまま一晩室温まで冷却し、次いで2Mの炭酸ナトリウム水溶液を加えて塩基性にした。得られた溶液をクロロホルムで4回抽出し、合わせた抽出物を硫酸マグネシウムによって乾燥し、濾過して減圧下で濃縮した。その残留物(1.2g)を自動フラッシュクロマトグラフィーにより2回精製し、アセトニトリルから再結晶させて、297mgの1−[(4−アミノ−2−プロピル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−1−イル)メチル]シクロブタノールを融点191〜193℃の白色固体として得た。
MS(APCI)m/z311(M+H)
分析 C1822Oに対する計算値:C,69.65;H,7.14;N,18.05。実測値:C,69.35;H,7.14;N,18.11。
【0228】
(実施例2)
4−[(4−アミノ−2−プロピル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−l−イル)メチル]テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール
【0229】
【化72】

1−メチル−2−プロピル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−4−イルイミドジカルボン酸ジ(t−ブチル)(1.32g、3.00mmol)の無水テトラヒドロフラン(THF)(30mL)中の溶液を、アルゴン雰囲気下で−78℃まで冷却した。t−ブチルリチウム(ペンタン中の1.7M溶液の4.4mL)を5分の時間をかけて加え、得られた暗色の溶液を、−78℃で30分間撹拌した。テトラヒドロ−4H−ピラン−4−オン(901mg、9.0mmol)を加え、反応混合物を10分間撹拌した。−78℃の浴を0℃の浴と交換し、次いで塩化アンモニウムの飽和水溶液(30mL)を加えた。水層を分離し、t−ブチルメチルエーテルで3回抽出し、合わせた有機画分を硫酸マグネシウムによって乾燥し、濾過して減圧下で濃縮した。その残留物(1.3g)を、自動フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチルで溶離)により精製し、還流するエタノール中1Mの塩酸(50mL)中で1時間加熱した。その溶液をそのまま室温まで冷却し、次いで2Mの炭酸ナトリウム水溶液を加えて塩基性にした。得られた溶液をクロロホルムで4回抽出し、合わせた抽出物を硫酸マグネシウムによって乾燥し、濾過して減圧下で濃縮した。その残留物(1.2g)を自動フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、アセトニトリルから再結晶させて、430mgの4−[(4−アミノ−2−プロピル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−1−イル)メチル]テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オールを融点209〜211℃の白色固体として得た。
MS(APCI)m/z341(M+H)
分析 C1924に対する計算値:C,67.04;H,7.11;N,16.46。実測値:C,66.98;H,7.17;N,16.39。
【0230】
(実施例3)
2−プロピル−l−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−4−アミン
【0231】
【化73】

パートA
水酸化カリウム(4.66g、83.1mmol)のエタノール(181mL)および水(45mL)中の溶液を、約0℃に冷却した。テトラヒドロ−4H−ピラン−4H−オン(7.56g、75.5mmol)および(2−オキソプロピル)ホスホン酸ジエチル(16.1g、83.1mmol)を順次加えた。その反応物を、そのまま室温まで温め、5時間撹拌した。その反応混合物をブラインで洗浄し、有機層を分離した。水層を、t−ブチルメチルエーテルで3回抽出した。合わせた有機画分を硫酸マグネシウムによって乾燥し、濾過して減圧下で濃縮した。その残留物を、ヘキサンおよびクロロホルム中の20%の酢酸エチル中に溶解し、再び硫酸マグネシウムによって乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、自動フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中35%〜45%の酢酸エチルで溶離)により精製した。得られた無色の油状物を窒素気流下で乾燥して、8.03gの1−テトラヒドロ−4H−ピラン−4−イリデンアセトンを得た。
【0232】
パートB
1−テトラヒドロ−4H−ピラン−4−イリデンアセトン(4.0g、28.5mmol)の酢酸エチル中の溶液を、Parr社製容器に加えた。その容器を窒素でパージし、10%パラジウム炭素(400mg)を加えた。その容器を水素ガス圧力下(50psi、3.4×10Pa)で約10分間振とうさせ、その反応混合物をセライト濾過助剤の層を通して濾過した。その濾過ケーキを酢酸エチルで洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、残留物を窒素の気流下で乾燥し、3.80gの1−テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアセトンを無色の油状物として得た。
【0233】
パートC
1−テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアセトン(3.80g、26.7mmol)およびシュウ酸ジエチル(4.30g、29.4mmol)のニート混合物を、ナトリウムt−ブトキシド(2.83g、29.4mmol)のエタノール(20mL)中の撹拌されている溶液に、一気に加え、続いてエタノール(10mL)で濯いだ。その混合物を1時間撹拌し、約0℃に冷却し、酢酸(30.0mL)で処理した。その混合物を5分間撹拌した後、シュウ酸プロピルヒドラジン(4.38g、26.7mmol)を一気に加えた。その反応物をそのままゆっくり室温まで温めて一晩撹拌した。大部分の揮発性物質を減圧下で除去し、2Mの炭酸ナトリウム水溶液を加えた。その混合物をt−ブチルメチルエーテルで4回抽出した。有機層を合わせ、硫酸マグネシウムによって乾燥し、濾過して濃縮し、8.5gの黄色の油状物を得た。その油状物を、自動フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中の酢酸エチルで溶離)により2回精製し、得られた黄白色の油状物を窒素の気流下で乾燥して6.43gの1−プロピル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)−1H−ピラゾロ−3−カルボキシエチルを得た。
【0234】
パートD
水酸化リチウム一水和物(3.8g、92mmol)を、1−プロピル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)−1H−ピラゾロ−3−カルボキシエチル(6.43g、22.9mmol)のメタノール(30mL)および水(10mL)の溶液に加えた。その混合物を20時間撹拌した。大部分の揮発物質を減圧下で除去し、水(100mL)および酢酸(52mL、910mmol)を順次加えた。その溶液をほぼ0℃まで冷却した。5分後、白色固体が形成され、水(100mL)をさらに加えた。その混合物を、30分間撹拌し、固体を濾過して単離し、水で洗浄し、真空濾過漏斗上で乾燥して、4.88gの1−プロピル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)−1H−ピラゾロ−3−カルボン酸を白色固体として得た。
【0235】
パートE
1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(4.06g、21.2mmol)を、1−プロピル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)−1H−ピラゾロ−3−カルボン酸(4.88g、19.3mmol)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(2.87g、21.2mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(24.4mL)中の室温の溶液に加えた。その混合物を2時間撹拌し、氷浴中で冷却し、濃水酸化アンモニウム(3.9mL)で処理した。沈殿が形成され、その混合物を0℃で30分撹拌した。水(100mL)を加え、その混合物をさらに10分間撹拌した。その沈殿を濾過して単離し、水で洗浄し、真空濾過漏斗上で乾燥して、4.05gの1−プロピル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)−1H−ピラゾロ−3−カルボキサミドを白色結晶として得た。
【0236】
パートF
無水トリフルオロ酢酸(2.50mL、17.7mmol)のジクロロメタン(32mL)中の溶液を、1−プロピル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)−1H−ピラゾロ−3−カルボキサミド(4.05g、16.1mmol)およびトリエチルアミン(4.89g、48.3mmol)のジクロロメタン(32mL)中の0℃の溶液に10分間にわたって加えた。その添加が完了した後、冷却浴を取り除き、その溶液を3時間撹拌した。その溶液を2Mの炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。その水層をt−ブチルメチルエーテルで3回抽出した。その有機層を合わせ、硫酸マグネシウムによって乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。その粗生成物を自動フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中の40%〜70%の酢酸エチルで溶離)により精製して、3.98gの1−プロピル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)−1H−ピラゾロ−3−カルボニトリルを黄白色油状物として得た。
【0237】
パートG
酢酸カリウム(3.93g、40.0mmol)および臭素(3.58g、22.4mmol)を、1−プロピル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)−1H−ピラゾロ−3−カルボニトリル(3.98g、16mmol)の酢酸(32mL)の溶液に順次加えた。その反応物を室温で40時間撹拌した。亜硫酸水素ナトリウムの飽和水溶液を、その反応物が無色になるまで加えた。大部分の酢酸を減圧下で除去し、2Mの炭酸ナトリウム水溶液を加えた。形成された沈殿を濾過して単離し、水で洗浄し、真空濾過漏斗上で乾燥して、4.91gの4−ブロモ−1−プロピル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)−1H−ピラゾロ−3−カルボニトリルを白色固体として得た。
【0238】
パートH
2−アミノフェニルボロン酸塩酸塩(1.39g、8.0mmol)およびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(140mg、0.20mmol)を、4−ブロモ−1−プロピル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)−1H−ピラゾロ−3−カルボニトリル(1.25g、4.00mmol)、炭酸カリウム(1.82g、13.2mmol)、1,2−ジメトキシエタン(DME)(15mL)、および水(7.5mL)の混合物に順次加えた。そのフラスコを真空下に置き、窒素の充填を4回繰り返した。その反応物を窒素雰囲気下で、95℃で1時間加熱した。その反応物をそのまま室温まで冷却し、水とt−ブチルメチルエーテルを加えた。水層を分離し、t−ブチルメチルエーテルで3回抽出した。有機画分を合わせ、硫酸マグネシウムによって乾燥し、濾過し、濃縮して褐色固体(1.75g)を得た。その粗生成物を自動フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中の酢酸エチルで溶離)により精製して薄オレンジ色の固体として1.10gの4−(2−アミノフェニル)−1−プロピル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)−1H−ピラゾロ−3−カルボニトリルを得た。
【0239】
パートI
塩化アセチル(50mmol)を無水エタノール(50ml)と共に撹拌し、得られた溶液をパートHからの物質に加えた。得られた溶液を、還流温度で16時間加熱した。炭酸ナトリウム水溶液(2Mの30mL)を加え、次いで大部分のエタノールを減圧下で除去した。水を加え、現れた固体を濾過して単離し、水で洗浄した。その粗生成物を、自動フラッシュクロマトグラフィー(クロロホルム中の5%〜25%のCMAで溶離)と、続いての酢酸エチルからの再結晶とにより精製した。その結晶を真空濾過漏斗上で2.5時間乾燥させて、853mgの2−プロピル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−4−アミンを融点218〜220℃の白色固体として得た。
MS(APCI)m/z325(M+H)
分析 C1924Oに対する計算値:C,70.34;H,7.46;N,17.27。実測値:C,70.11;H,7.72;N,17.28。
【0240】
(実施例4)
2−プロピル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)−2H−ピラゾロ[3,4−c][1,8]ナフチリジン−4−アミン
【0241】
【化74】

パートA
t−ブチルN−(2−ピリジル)カルバメートは、文献の手順から得ることができ(Moraczewski, A. L.ら、J. Org. Chem.、1998年、63巻、7258頁)、または以下の方法により調製することができる。窒素雰囲気下、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(テトラヒドロフラン中の1.0M溶液の225mL)を、20分間にわたって2−アミノピリジン(10.61g、108.0mmol)の乾燥THF(150mL)中の溶液に加えた。その溶液を25分間撹拌し、次いで0℃まで冷却した。ジカルボン酸ジ−t−ブチル(24.60g、112.7mmol)のTHF(50mL)中の溶液をゆっくりと加え、その反応物をそのまま室温までゆっくりと温めて一晩撹拌した。THFを減圧下で除去し、その残留物を、酢酸エチル(500mL)と0.1Mの塩酸(250mL)の間で分配した。その有機層を分離し、0.1Mの塩酸(250mL)、水(250mL)、およびブライン(250mL)で順次洗浄し、硫酸マグネシウムによって乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。その粗生成物を自動フラッシュクロマトグラフィー(80:20のヘキサン/酢酸エチルで溶離)により精製して、17.43gのt−ブチルN−(2−ピリジル)カルバメートを白色固体として得た。
【0242】
パートB
窒素雰囲気下で、t−ブチルN−(2−ピリジル)カルバメート(15.71g、80.9mmol)およびN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)(25.3g、218mmol)のTHF(400mL)中の溶液を−78℃に冷却した。n−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5Mの溶液81mL)を20分間にわたって滴下して加えた。その溶液を10分間撹拌し、次いでその滴下漏斗をさらなるTHF(20mL)で濯いだ。その溶液を−6℃まで温め、2時間撹拌し、再び−78℃に冷却した。ホウ酸トリイソプロピル(57.7g、307mmol)を10分間にわたって加えた。得られた溶液を、0℃まで温め、次いで塩化アンモニウム飽和水溶液(500mL)中に注いだ。形成された黄色の固体をジエチルエーテル(300mL)と共に撹拌し、濾過して単離し、ジエチルエーテルと水により洗浄し、一晩空気乾燥して、2−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−ピリジルボロン酸を黄色固体として得た。
【0243】
パートC
塩酸(1Mの10mL)を、2−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−ピリジルボロン酸の溶液に加え、得られた混合物を、80℃で45分間加熱し、そのまま室温まで冷却した。炭酸カリウム(3.87g、27.95mmol)を撹拌しながら加え、次いでDME(20mL)、4−ブロモ−1−プロピル−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)−1H−ピラゾール−3−カルボニトリル(1.70g、5.44mmol)、およびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(190mg、0.27mmol)を加えた。そのフラスコを真空下に置き、窒素の充填を3回繰り返した。その反応物を窒素雰囲気下で、95℃で一晩加熱した。その反応物をそのまま室温まで冷却し、揮発性物質を減圧下で除去した。その残留物をクロロホルム(100mL)に溶解し、得られた溶液を水(100mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムによって乾燥し、濾過し、濃縮して黄白色の固体を得た。その粗生成物を、自動フラッシュクロマトグラフィー(クロロホルム中の0%〜30%のCMAで溶離)と、それに続くアセトニトリル(30mL)からの再結晶により精製した。その結晶を冷アセトニトリルで洗浄し、60℃の真空オーブン中で一晩乾燥して、0.43gの2−プロピル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)−2H−ピラゾロ[3,4−c][1,8]ナフチリジン−4−アミンを融点252〜255℃の白色針状結晶として得た。
分析 C1823Oに対する計算値:C,66.44;H,7.12;N,21.52。実測値:C,66.21;H,7.35;N,21.54。
【0244】
(実施例5)
2−(2−メトキシエチル)−l−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−4−アミン
【0245】
【化75】

パートA
実施例3のパートBで記載した方法を、l−テトラヒドロ−4H−ピラン−4−イリデンアセトン(4.0g、28.5mmol)で繰り返し、得られたl−テトラヒドロ−2H−ピラン−4H−イルアセトンをシュウ酸ジエチル(4.66g、31.9mmol)と混合し、ナトリウムt−ブトキシド(3.07g、31.9mmol)のエタノール(22mL)中の溶液に加えた。反応は、以下の修正をした実施例3のパートCに記載した方法に従って実施した。エチルヒドラジンシュウ酸塩の代わりにヒドロキシエチルヒドラジン(2.43g、31.9mmol)を使用した。抽出をクロロホルムで7回行い、粗生成物は、精製しなかった。1−(2−ヒドロキシエチル)−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシエチル(8.2g)を、粘稠な黄色の油状物として得た。
【0246】
パートB
パートAからの物質のTHF(50mL)中の溶液を、窒素下でほぼ0℃まで冷却し、ヨードメタン(4.12g、29mmol)を加えた。水素化ナトリウム(鉱物油中60%のもの1.16g)を、2分間にわたって加えた。その混合物を0℃で20分間撹拌し、そのまま室温まで温めて一晩撹拌した。塩化アンモニウムの飽和水溶液を加え、その混合物をt−ブチルメチルエーテルで4回抽出した。合わせた抽出液を硫酸マグネシウムによって乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して10gの黄色油状物を得た。その油状物を自動フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチルで溶離)により精製して、5.20gの1−(2−メトキシエチル)−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシエチルを黄白色の油状物として得た。
【0247】
パートC
水酸化リチウム一水和物(2.94g、70.2mmol)を、1−(2−メトキシエチル)−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシエチル(5.2g、17.5mmol)のメタノール(60mL)および水(20mL)中の溶液に加えた。その混合物を一晩撹拌した。大部分の揮発性物質を減圧下で除去し、酢酸(40mL)および水を加えた。その溶液をほぼ0℃まで冷却し、1時間撹拌した。揮発性物質を減圧下で除去し、その残留物を水とクロロホルムの間で分配した。その水層を分離し、クロロホルムで4回抽出し、次いで1Mの塩酸を加えてpH4に調節した。水性画分を再びクロロホルムで4回抽出した。合わせた有機画分を硫酸マグネシウムおよび硫酸ナトリウムによって乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残留物をヘプタンに2回溶解して濃縮し、トルエンに2回溶解して濃縮し、幾分かのトルエンと3モル%の酢酸を含有する1−(2−メトキシエチル)−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸を得た。
【0248】
パートD
1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(3.69g、19.3mmol)を、パートCからの物質および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(2.61g、19.3mmol)のDMF(27.1mL)中の室温の溶液に加えた。その混合物を1時間撹拌し、氷浴中で冷却し、濃水酸化アンモニウム(3.5mL)で処理した。沈殿が形成され、その混合物を0℃で15分間撹拌した。水(150mL)を加え、その混合物を撹拌した。その沈殿物を濾過して単離し、水で洗浄し、真空濾過漏斗上で乾燥して、1.44gの1−(2−メトキシエチル)−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミドを白色固体として得た。濾液をクロロホルムで6回抽出し、合わせた抽出液を硫酸ナトリウムによって乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残留物をキシレンに2回溶解して減圧下で濃縮し、次いでヘキサン中の50%酢酸エチルの混合物(50mL)および酢酸エチル(150mL)から再結晶化させた。その結晶を真空濾過漏斗上で一晩乾燥して、さらなる2.027gの1−(2−メトキシエチル)−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミドを白色板状物として得た。
分析 C1319に対する計算値:C,58.41;H,7.92;N,15.72。実測値:C,58.52;H,7.89;N,15.86。
【0249】
パートE
以下の修正をした実施例3のパートFに記載した方法を用いて、1−(2−メトキシエチル)−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(3.41g、12.7mmol)を、トリエチルアミン(3.86g、38.1mmol)の存在下で無水トリフルオロ酢酸(1.98mL、14.0mmol)により処理した。抽出は、クロロホルムで4回行い、自動フラッシュクロマトグラフィーカラムは、酢酸エチルで溶離した。1−(2−メトキシエチル)−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)−1H−ピラゾール−3−カルボニトリル(3.16g)を無色の油状物として得た。
【0250】
パートF
酢酸カリウム(3.12g、31.7mmol)および臭素(2.84g、17.7mmol)を、1−(2−メトキシエチル)−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)−1H−ピラゾール−3−カルボニトリル(3.16g、12.7mmol)の酢酸(25mL)中の溶液に加えた。その反応物を室温で16時間撹拌した。その反応物が無色になるまで亜硫酸水素ナトリウムの飽和水溶液を加えた。水を加え、形成された沈殿を濾過して単離し、水で洗浄し、真空濾過漏斗上で乾燥して、3.78gの4−ブロモ−1−(2−メトキシエチル)−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)−1H−ピラゾール−3−カルボニトリルを約2モル%の酢酸を含有する白色固体として得た。
【0251】
パートG
炭酸カリウム(1.82g、13.2mmol)、1,2−ジメトキシエタン(DME)(15mL)、水(7.5mL)、およびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(140mg、0.20mmol)を、2−アミノフェニルボロン酸塩酸塩(1.39g、8.0mmol)および4−ブロモ−1−(2−メトキシエチル)−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)−1H−ピラゾール−3−カルボニトリル(1.31g、4.00mmol)の混合物に加えた。そのフラスコを真空下に置き、窒素の充填を4回繰り返した。その反応物を窒素雰囲気下、95℃で90分間加熱した。水層を分離し、t−ブチルメチルエーテルで2回抽出した。有機画分を合わせ、硫酸マグネシウムによって乾燥し、濾過し、濃縮して、黒い油状物(2.2g)を得た。その粗生成物を、自動フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチルで溶離)により精製し、1.14gの4−(2−アミノフェニル)−1−(2−メトキシエチル)−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)−1H−ピラゾール−3−カルボニトリルを黄色のワックス状固体として得た。
【0252】
パートH
実施例3のパートIに記載の方法を続けた。酢酸エチル(40mL)からの再結晶化に続いて、その結晶を真空濾過漏斗上で19時間乾燥して、736mgの2−(2−メトキシエチル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−4−アミンを融点189〜190℃の白色結晶として得た。
MS(APCI)m/z341(M+H)
分析 C1924に対する計算値:C,67.04;H,7.11;N,16.46。実測値:C,67.03;H,7.22;N,16.55。
【0253】
(実施例6)
2−(2−メトキシエチル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)−2H−ピラゾロ[3,4−c][1,8]ナフチリジン−4−アミン
【0254】
【化76】

塩酸(1Mの10mL)を、2−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−ピリジルボロン酸(2.59g、10.9mmol)に加え、得られた混合物を、80℃で45分間加熱し、そのまま室温まで冷却した。炭酸カリウム(3.60g、26.0mmol)を撹拌しながら添加し、次いでDME(20mL)、4−ブロモ−1−(2−メトキシエチル)−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)−1H−ピラゾール−3−カルボニトリル(1.75g、5.33mmol)、およびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(190mg、0.27mmol)を加えた。その反応は、実施例4のパートCに記載したようにして行った。粗生成物を、熱濾過した後、自動フラッシュクロマトグラフィー(クロロホルム中の0%〜35%のCMAで溶離)と、続いてアセトニトリル(30mL)から再結晶させることにより精製した。その結晶を冷アセトニトリルで洗浄し、60℃の真空オーブン中で一晩乾燥させ、0.13gの2−(2−メトキシエチル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)−2H−ピラゾロ[3,4−c][1,8]ナフチリジン−4−アミンを融点230〜233℃の淡黄色針状結晶として得た。
分析 C1823に対する計算値:C,63.32;H,6.79;N,20.51。実測値:C,63.37;H,6.84;N,20.59。
【0255】
(実施例7)
l−[(4−フルオロテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル]−2−メチル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−4−アミン
【0256】
【化77】

パートA
2−オキソプロピルホスホン酸ジエチル(12.8mL、1.1当量)を、テトラヒドロピラン−4−オン(6.06g、1.0当量)の撹拌されたエタノール(148mL)中の溶液に加え、次いでその混合物を氷浴で0℃に冷却した。水酸化カリウム(3.74g、1.1当量)の水(38mL)溶液を、約2分間にわたって添加した。氷浴を取り外し、その反応混合物を3時間撹拌した。温度を20℃に維持してエタノールの大部分を減圧下で除去し、約32gの黄色の液体を得た。その液体を水(150mL)で希釈し、次いでジクロロメタンで抽出した(2×150mL)。合わせた有機物を硫酸マグネシウムによって乾燥し、次いで温度を20℃に維持しながら減圧下で濃縮し、12.05gの黄白色の液体を得た。この物質を、自動フラッシュクロマトグラフィー(2カラム体積に対してヘキサン中20%の酢酸エチルで、5カラム体積にわたってヘキサン中20〜40%の酢酸エチル勾配で、2カラム体積に対してヘキサン中40%の酢酸エチルで溶離)により精製して7.02gの1−テトラヒドロ−4H−ピラン−4−イリデンアセトンを得た。H NMRによる分析は、残留酢酸エチル(14%)を含むきれいな生成物を示した。
【0257】
パートB
ナトリウムt−ブトキシド(5.29g、1.1当量)のエタノール(51mL)中の溶液を、パートAからの物質(1.0当量)およびシュウ酸ジエチル(7.45mL、1.1当量)の混合物に加えた。パートAからの物質およびシュウ酸ジエチルを含有していた容器をさらなるエタノール(27mL)で濯ぎ、濯ぎ液を反応混合物に加えた。その反応混合物を2時間撹拌し、次いで0℃に冷却した。酢酸(57mL)を加え、その混合物を5分間撹拌した。メチルヒドラジン(2.64mL、1.0当量)を滴下して加えた。15分後氷浴を取り外し、その反応混合物を一晩撹拌した。その反応混合物を減圧下で濃縮し、残留物を炭酸ナトリウム50%水溶液(450mL)とジクロロメタン(250mL)の間で分配した。水層をジクロロメタン(100mL)で逆抽出した。合わせた有機物を硫酸マグネシウムによって乾燥し、次いで周囲温度において減圧下で濃縮し、11.76gの黄色油状物を得た。この物質を自動フラッシュクロマトグラフィー(1カラム体積に対してヘキサン中30%の酢酸エチルで、6カラム体積にわたってヘキサン中30〜70%の酢酸エチル勾配で、1カラム体積に対してヘキサン中70%の酢酸エチルで溶離)により精製して、4.99gの1−メチル−5−(テトラヒドロ−4H−ピラン−4−イリデンメチル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシエチルを黄色油状物として得た。HPLC、LCMS、TLC、およびH NMRによる分析は、残留酢酸エチル(14%)を含むきれいな生成物を示した。
【0258】
パートC
水酸化ナトリウム(1.99g、2.5当量)の水(5mL)中の溶液を、パートBからの物質(1.0当量)のエタノール(50mL)中の撹拌された溶液に加えた。その反応混合物を30分間撹拌し、次いで大部分のエタノールを減圧下で除去した。その残留物をジクロロメタン(250mL)と水(50mL)で希釈した。その水層を塩酸(1Mの50mL)により酸性(pH約1〜2)にした。層を分離し、水層をジクロロメタンで逆抽出した(4×125mL)。合わせた有機物を硫酸マグネシウムによって乾燥し、次いで減圧下で濃縮して4.82gの1−メチル−5−(テトラヒドロ−4H−ピラン−4−イリデンメチル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸を得た。
【0259】
パートD
1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(3.23g、1.2当量)および1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC、4.58g、1.2当量)を、パートCからの物質(1.0当量)のDMF(25mL)中の溶液に順次加えた。25分後EDCが溶解した。1時間後その反応混合物を0℃まで冷却し、濃水酸化アンモニウム(5.3mL、4.0当量)を加えた。数分遅れて固体が形成された。その反応混合物を30分間撹拌し、水(100mL)で希釈し、次いで20分間撹拌した。その固体を濾過して単離し、水で濯ぎ(2×25mL)、次いで乾燥して、3.69gの1−メチル−5−(テトラヒドロ−4H−ピラン−4−イリデンメチル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミドを白色粉末として得た。
【0260】
パートE
3−クロロペルオキシ安息香酸(4.51g、70%力価を基準として1.1当量)を、パートDからの物質(1.0当量)のクロロホルム(83ml)中の撹拌された懸濁液に加えた。数分後溶液が得られた。その溶液を一晩撹拌し、さらなるクロロホルム(275mL)で希釈し、次いで重炭酸ナトリウム:5%水酸化ナトリウムで洗浄した(20:1、1×150mL、次いで1×100mL)。有機層を硫酸ナトリウムによって乾燥し、次いで減圧下で濃縮して、かさばる白色の発泡体を得た。この物質をエタノールから濃縮し、3.94gの5−(1,6−ジオキサスピロ[2.5]オクト−2−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミドを白色固体として得た。
【0261】
パートF
パートEからの物質(1.0当量)のエタノール(170mL)中の懸濁液を、固体のほとんどが溶解するまで温め、次いで35℃まで冷却した。10%パラジウム炭素(400mg)およびギ酸アンモニウム(5.24g、5.0当量)を順次加えた。その反応混合物をそのまま周囲温度まで冷却し、4時間撹拌した。その反応混合物をセライト濾過助剤の層を通して濾過した。その濾過ケーキをエタノール(3×25mL)、メタノール(4×25mL)、および1:1メタノール:クロロホルムで順次濯いだ(全体で約500mL)。その濾液を減圧下で濃縮して5.74gの白色固体を得た。その物質をエタノール(45mL)と共に粉砕し、濾過して単離し、エタノールで濯ぎ(3×8mL)、次に乾燥して、3.13gの5−[(4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル]−1−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミドを白色結晶性固体として得た。
【0262】
パートG
トリエチルアミン(5.13mL、3.0当量)をパートFからの物質の一部(2.91g、1.0当量)の撹拌された懸濁液に加えた。その混合物を0℃まで冷却し、無水トリフルオロ酢酸(5.14mL、3.0当量)を5分間にわたって滴下して加えた。その反応混合物を2時間撹拌し、飽和炭酸ナトリウム(50mL)で失活させ、次いでそのまま周囲温度まで温めた。水(50mL)およびジクロロメタン(200mL)を順次加えた。有機層を分離し、硫酸マグネシウムによって乾燥し、減圧下で濃縮して黄色の油状物を得た。その油状物をメタノール(80mL)に溶解した。固体の炭酸カリウム(420mg、0.25当量)を加え、その混合物を30分間撹拌した。塩酸水(7Mの1.7mL、1.0当量)を加え、その溶液を10分間撹拌し、次いで大部分のメタノールを減圧下で除去した。その残留物を、ジクロロメタン(200mL)と水(50mL)の間で分配した。その水層のpHを、飽和重炭酸ナトリウムで7〜8に調節した。その層を分離し、水層をジクロロメタンで逆抽出した(2×75mL)。合わせた有機物を硫酸マグネシウムによって乾燥し、次いで減圧下で濃縮して、2.37gの淡黄色の半固体を得た。この物質を、5:95のメタノール:クロロホルム(10mL)と共に粉砕した。固体を濾過して単離し、5:95のメタノール:クロロホルムで濯ぎ(1×6mL、次いで1×2mL)536mgの5−[(4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル]−1−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボニトリルを白色固体(ロット1)として得た。その濾液を濃縮して粘稠な黄色の油状物を与え、それを温かなエタノール(約15mL)から結晶化させた。固体を濾過して単離し、エタノールで濯ぎ(2×5mL)、次いで乾燥させて、380mgの5−[(4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル]−1−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボニトリルを柱体(ロット2)として得た。濾液を半固体まで濃縮した。この物質を自動フラッシュクロマトグラフィー(8カラム体積にわたって5:95のメタノール:クロロホルムで溶離)により精製して、0.47gの5−[(4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル]−1−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボニトリル(ロット3)を白色固体として得た。
【0263】
パートH
パートGからの物質(ロット1および2、1.0当量)のジクロロメタン(41mL)中の溶液を、0℃まで冷却した。[ビス(2−メトキシエチル)アミノ]三フッ化硫黄(1.14mL、1.5当量)を滴下して加えた。その反応混合物を45分間撹拌し、飽和重炭酸ナトリウム(20mL)で失活させ、そのまま周囲温度まで温めた。飽和重炭酸ナトリウム(50mL)およびジクロロメタン(50mL)を順次加えた。層分離し、水層をジクロロメタン(30mL)で逆抽出した。合わせた有機物を、硫酸マグネシウムによって乾燥し、次いで周囲温度において減圧下で濃縮し、1.19gの淡いオレンジ色の油状物を得た。この物質を自動フラッシュクロマトグラフィー(2カラム体積に対して2:1のヘキサン:ジクロロメタン中10%の酢酸エチルで、8カラム体積にわたって2:1のヘキサン:ジクロロメタン中10〜30%の酢酸エチル勾配で、4カラム体積に対して2:1のヘキサン:ジクロロメタン中30%の酢酸エチルで溶離)により精製して、401mgの5−[(4−フルオロテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル]−1−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボニトリルを無色の油状物として与え、これを静置して結晶化させた。
【0264】
パートI
酢酸カリウム(437mg、2.5当量)を、パートHからの物質(1.0当量)の酢酸(4mL)中の溶液に加えた。酢酸カリウムが溶解した後、臭素(0.13mL、1.4当量)を滴下して加えた。得られた赤色の溶液を18時間撹拌した。さらなる酢酸カリウム(2当量)、酢酸(0.5mL)、および臭素(1.4当量)を順次加えた。その反応混合物を2.5時間撹拌し、次いで飽和チオ硫酸ナトリウムで無色になるまで加えて(約4mL)失活させた。その反応混合物を減圧下で濃縮し、次いで水(10mL)および飽和炭酸ナトリウム(10mLを滴下して添加)で希釈した。得られた泡状懸濁液をジクロロメタン(50mL)と混ぜ合わせた。その水層を、5%の水酸化ナトリウムにより約pH8に調節した。その層を分離し、水層をジクロロメタン(50mL)で逆抽出した。合わせた有機物を硫酸マグネシウムによって乾燥し、次いで減圧下で乾燥して0.59gの淡黄色固体を得た。大部分のその物質を10:90のメタノール:ジクロロメタン(40mL)に溶解し、シリカゲル上に装填し、次いで自動フラッシュクロマトグラフィー(3カラム体積に対してジクロロメタンで、5カラム体積にわたってはジクロロメタン中の0〜10%の酢酸エチル勾配で、次いで10カラム体積に対してはジクロロメタン中の10%の酢酸エチルで溶離)により精製して、474mgの4−ブロモ−5−[(4−フルオロテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル]−1−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボニトリルを白色固体として得た。
【0265】
パートJ
水(2.5mL)を、パートIからの物質(1.0当量)の1,2−ジメトキシエタン(7.5mL)中の撹拌された溶液に滴下して加えた。2−アミノフェニルボロン酸塩酸塩(460mg、1.7当量)および炭酸カリウム(712mg、3.3当量)を順次加えた。その反応混合物を窒素でパージし、次いでジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(22mg、0.02当量)を加えた。その反応混合物を75℃で9時間加熱し、そのまま週末にかけて周囲温度まで冷却した。その反応混合物を減圧下で濃縮し、残留物をジクロロメタン(50mL)と水(30mL)の間で分配した。有機層を分離し、硫酸マグネシウムによって乾燥させ、次いで減圧下で濃縮して2gの褐色の油状物を得た。この物質をエタノール(10mL)中に溶解させると沈殿が直ちに形成された。塩酸(7Mの0.90mL、4.0当量)を加え、得られた溶液を75℃で4時間加熱した。その反応混合物を周囲温度まで冷却し、減圧下で濃縮した。その残留物を、ジクロロメタン(75mL)と飽和重炭酸ナトリウム(25mL)および水(25mL)の水性混合物の間で分配した。水層を分離し、次いでジクロロメタンで抽出した(2×40mL)。合わせた有機物を硫酸マグネシウムによって乾燥し、次いで減圧下で濃縮して0.66gの褐色の発泡体を得た。この物質を自動フラッシュクロマトグラフィー(10カラム体積にわたってクロロホルム中0〜20%のCMA勾配で、3カラム体積に対してはクロロホルム中20%のCMAで溶離)により精製し、200mgの黄褐色固体を得た。この物質を熱エタノール(約8mL)と共に粉砕し、濾過して単離し、エタノールで濯ぎ(3×5mL)、次いで乾燥して(0.15トル(20Pa)、130℃、2時間)、143mgの1−[(4−フルオロテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル]−2−メチル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−4−アミンを融点252〜254℃の黄褐色粉末として得た。
【0266】
【化78】

(実施例8)
4−[(4−アミノ−2−メチル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−l−イル)メチル]テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール
【0267】
【化79】

パートA
酢酸カリウム(0.52g、2.5当量)を、5−[(4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル]−1−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボニトリル (実施例7、パートG、ロット3、0.47g、1.0当量)の酢酸(7mL)中の撹拌された溶液に加えた。この反応混合物を、すべての酢酸カリウムが溶解するまで撹拌した。臭素(0.15mL、1.4当量)を滴下して加え、その反応物を16時間撹拌した。その反応混合物を飽和チオ硫酸ナトリウム(4mL)により失活させ、次いで大部分の酢酸を減圧下で除去した。残留物を水(15mL)および飽和炭酸ナトリウム(約10〜12mL)で希釈し、次いでジクロロメタンで抽出した(3×25mL)。合わせた有機物を硫酸マグネシウムによって乾燥し、次いで減圧下で濃縮して、0.72gの黄色固体を得た。この物質を自動フラッシュクロマトグラフィー(7カラム体積に対してクロロホルム中の30%CMAで溶離)により精製して、528gの4−ブロモ−5−[(4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル]−1−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボニトリルを無色の粘着性の半固体として得た。
【0268】
パートB
パートAからの物質(1.0当量)を、2−アミノフェニルボロン酸塩酸塩(1.8当量)と結合させ、次いで実施例7パートJの一般的方法を用いて環化させた。その粗生成物を自動フラッシュクロマトグラフィー(3カラム体積に対してクロロホルム中の20%CMAで、10カラム体積にわたってクロロホルム中の20〜40%のCMA勾配で、および3カラム体積に対してクロロホルム中の40%CMAで溶離)により精製して、黄褐色の固体を得た。この物質を熱酢酸エチル(約8mL)と共に粉砕し、濾過して単離し、酢酸エチルで濯ぎ(3×5mL)、高真空下で乾燥して、106mgの4−[(4−アミノ−2−メチル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−l−イル)メチル]テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オールを融点260〜262(分解)℃の黄褐色粉末を得た。
【0269】
【化80】

(実施例9)
2−エチル−1−[(4−フルオロテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル]−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−4−アミン
【0270】
【化81】

2−エチル−1−[(4−フルオロテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル]−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−4−アミンを、実施例7のパートAからJの一般的方法に従い、パートBにおけるメチルヒドラジンの代わりに、1.3当量のシュウ酸エチルヒドラジンを使用して調製した。粗生成物を自動フラッシュクロマトグラフィー(5カラム体積にわたってクロロホルム中の0〜20%CMA勾配で、および5カラム体積に対してはクロロホルム中20%CMAで溶離)により精製して、170mgの黄褐色の固体を得た。この物質をメタノール(約12mL)と共に粉砕し、濾過して単離し、メタノールで濯ぎ(3×5mL)、高真空下で乾燥して、112mgの2−エチル−1−[(4−フルオロテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル]−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−4−アミンを融点275〜277℃の黄褐色粉末として得た。
【0271】
【化82】

(実施例10)
4−[(4−アミノ−2−エチル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−l−イル)メチル]テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール
【0272】
【化83】

パートA
2−エチル−1−メチル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−4−イルイミドジカルボン酸ジ(t−ブチル)を、実施例1のパートEの方法に従って、1−メチル−2−プロピル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−4−アミンの代わりに、2−エチル−1−メチル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−4−アミン(国際公開第2005/079195号、実施例35)を用いて調製した。その粗生成物をヘキサンと共に粉砕して、13.34gの2−エチル−1−メチル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−4−イルイミドジカルボン酸ジ(t−ブチル)を白色粒状の固体として得た。
【0273】
パートB
2−エチル−1−メチル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−4−イルイミドジカルボン酸ジ(t−ブチル)を、実施例2の方法に従い、1−メチル−2−プロピル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−4−イルイミドジカルボン酸ジ(t−ブチル)の代わりに2−エチル−1−メチル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−4−イルイミドジカルボン酸ジ(t−ブチル)を用いて、テトラヒドロ−4H−ピラン−4−オンと反応させた。粗生成物をアセトニトリルから再結晶させて、0.349gの4−[(4−アミノ−2−エチル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−l−イル)メチル]テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オールを融点253〜255℃のオフホワイトの結晶として得た。
MS(ESI)m/z327.28(M+H)
分析 C1822に対する計算値:C,66.24;H,6.79;N,17.16。実測値:C,66.45;H,7.05;N,17.24。
【0274】
(実施例11)
l−[(4−アミノ−2−エチル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−l−イル)メチル]シクロヘキサノール
【0275】
【化84】

l−[(4−アミノ−2−エチル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−l−イル)メチル]シクロヘキサノールを、実施例1パートFの方法に従い、1−メチル−2−プロピル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−4−イルイミドジカルボン酸ジ(t−ブチル)の代わりに2−エチル−1−メチル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−4−イルイミドジカルボン酸ジ(t−ブチル)を、シクロブタノンの代わりにシクロヘキサノンを使用して調製した。粗生成物をアセトニトリルから再結晶させて、0.560gの1−[(4−アミノ−2−エチル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−l−イル)メチル]シクロヘキサノールを、融点211.5〜213℃の白色粉末として得た。
MS(ESI)m/z325.23(M+H)
分析 C1924Oに対する計算値:C,70.34;H,7.46;N,17.27。実測値:C,70.19;H,7.57;N,17.35。
【0276】
(実施例12)
l−[(4−アミノ−2−エチル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−l−イル)メチル]シクロペンタノール
【0277】
【化85】

l−[(4−アミノ−2−エチル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−l−イル)メチル]シクロペンタノールを、実施例1パートFの方法に従い、1−メチル−2−プロピル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−4−イルイミドジカルボン酸ジ(t−ブチル)の代わりに2−エチル−1−メチル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−4−イルイミドジカルボン酸ジ(t−ブチル)と、シクロブタノンの代わりにシクロペンタノンを使用して調製した。粗生成物をアセトニトリルと共に粉砕し、濾過して単離し、0.414gの1−[(4−アミノ−2−エチル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−l−イル)メチル]シクロペンタノールを融点256〜259℃の白色粉末として得た。
MS(ESI)m/z311.32(M+H)
分析 C1822O・0.02CHClに対する計算値:C,69.20;H,7.10;N,17.91。実測値:C,68.95;H,6.79;N,17.83。
【0278】
(実施例13)
l−[(4−アミノ−2−エチル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−l−イル)メチル]シクロブタノール
【0279】
【化86】

l−[(4−アミノ−2−エチル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−l−イル)メチル]シクロブタノールを、実施例1パートFの方法に従い、1−メチル−2−プロピル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−4−イルイミドジカルボン酸ジ(t−ブチル)の代わりに2−エチル−1−メチル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−4−イルイミドジカルボン酸ジ(t−ブチル)を使用して調製した。粗生成物をアセトニトリルと共に粉砕し、濾過して単離し、0.396gの1−[(4−アミノ−2−エチル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−l−イル)メチル]シクロブタノールを融点245〜247℃の白色固体として得た。
MS(ESI)m/z297.26(M+H)
分析 C1720Oに対する計算値:C,68.90;H,6.80;N,18.90。実測値:C,68.66;H,6.72;N,18.83。
【0280】
(実施例14)
4−[(4−アミノ−2−エチル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−l−イル)メチル]テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−オール
【0281】
【化87】

4−[(4−アミノ−2−エチル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−l−イル)メチル]テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−オールを、実施例1パートFの方法に従い、1−メチル−2−プロピル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−4−イルイミドジカルボン酸ジ(t−ブチル)の代わりに2−エチル−1−メチル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−4−イルイミドジカルボン酸ジ(t−ブチル)と、シクロブタノンの代わりに4−オキソチアンを使用して調製した。粗生成物をアセトニトリルから再結晶させて、0.475gの4−[(4−アミノ−2−エチル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−l−イル)メチル]テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−オールを融点251.5〜255℃の白色粉末として得た。
MS(ESI)m/z343.29(M+H)
分析 C1822OSに対する計算値:C,63.13;H,6.48;N,16.36;S,9.36。実測値:C,63.02;H,6.67;N,16.37;S,9.36。
【0282】
(実施例15)
l−アセチル−4−[(4−アミノ−2−エチル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−l−イル)メチル]ピペリジン−4−オール
【0283】
【化88】

パートA
4−[(4−アミノ−2−エチル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−l−イル)メチル]ピペリジン−4−オールを、実施例1パートFの方法に従い、1−メチル−2−プロピル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−4−イルイミドジカルボン酸ジ(t−ブチル)の代わりに2−エチル−1−メチル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−4−イルイミドジカルボン酸ジ(t−ブチル)と、シクロブタノンの代わりに4−オキソピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルを使用して調製した。粗生成物をアセトニトリルから再結晶させて、1.09gの1−[(4−アミノ−2−エチル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−l−イル)メチル]ピペリジン−4−オールをオフホワイトの固体として得た。
【0284】
パートB
無水酢酸(88μL、0.922mmol)を、4−[(4−アミノ−2−エチル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−l−イル)メチル]ピペリジン−4−オール(0.300g、0.922mmol)のクロロホルム(10mL)中のスラリーに加えた。16時間後、その溶液を、クロロホルム中2〜25%直線勾配のCMAにより溶離する自動フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。その残留物をアセトニトリル中で粉砕し、濾過して単離し、0.209gのl−アセチル−4−[(4−アミノ−2−エチル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−l−イル)メチル]ピペリジン−4−オールを融点231〜232.5℃の白色固体として得た。
MS(ESI)m/z368.20(M+H)
分析 C2025に対する計算値:C,65.37;H,6.86;N,19.06。実測値:C,65.14;H,7.03;N,19.25。
【0285】
(実施例16)
4−[(4−アミノ−2−エチル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−l−イル)メチル]−1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−オール
【0286】
【化89】

無水メタンスルホン酸(0.160g、0.922mmol)を、4−[(4−アミノ−2−エチル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−l−イル)メチル]ピペリジン−4−オール(0.300g、0.922mmol)のクロロホルム(10mL)中のスラリーに加えた。16時間後、2Mの炭酸ナトリウム水溶液を加え、その2相の混合物を30分間撹拌して白色の沈殿を生じさせた。その混合物をジクロロメタン中10%のメタノールで抽出した。その溶液を濃縮した。その残留物を自動フラッシュクロマトグラフィーにかけ、アセトニトリルから再結晶化させて精製し、0.165gの4−[(4−アミノ−2−エチル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−l−イル)メチル]−1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−オールを融点268〜270℃の白色固体として得た。
MS(ESI)m/z404.30(M+H)
分析 C1925S・0.3HO・0.15CHCNに対する計算値:C,55.97;H,6.32;N,17.43;S,7.74。実測値:C,56.33;H,6.23;N,17.56;S,7.73。
【0287】
(実施例17)
4−[(4−アミノ−2−エチル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−l−イル)メチル]−4−ヒドロキシ−N−プロピルピペリジン−1−カルボキサミド
【0288】
【化90】

n−プロピルイソシアネート(86μL、0.922mmol)を、4−[(4−アミノ−2−エチル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−l−イル)メチル]ピペリジン−4−オール(0.300g、0.922mmol)のクロロホルム(10mL)中のスラリーに加えた。16時間後、その溶液を、クロロホルム中2〜25%直線勾配のCMAにより溶離する自動フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。その残留物をアセトニトリル中で粉砕し、濾過して単離し、0.277gの4−[(4−アミノ−2−エチル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−l−イル)メチル]−4−ヒドロキシ−N−プロピルピペリジン−1−カルボキサミドを融点208.5〜210℃の綿状白色固体として得た。
MS(ESI)m/z411.28(M+H)
分析 C2230・0.3HOに対する計算値:C,63.53;H,7.42;N,20.21。実測値:C,63.49;H,7.16;N,20.09。
【0289】
(実施例18)
2−エチル−l−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−4−アミン
【0290】
【化91】

2−エチル−l−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−4−アミンを、実施例3パートA−Iの方法に従って調製した。シュウ酸エチルヒドラジンを、パートCにおけるシュウ酸プロピルヒドラジンの代わりに使用した。粗生成物をアセトニトリルから再結晶化させて、0.371gの2−エチル−l−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−4−アミンを、融点226.0〜228.0℃の黄褐色結晶として得た。
MS(ESI)m/z311.29(M+H)
分析 C1822Oに対する計算値:C,69.65;H,7.14;N,18.05。実測値:C,69.81;H,7.26;N,18.29。
【0291】
(実施例19)
l−[(4−アミノ−2−エチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−l−イル)メチル]シクロヘキサノール
【0292】
【化92】

l−[(4−アミノ−2−エチル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−l−イル)メチル]シクロヘキサノール(0.226g、0.70mmol)および酸化白金(IV)(0.107g、0.47mmol)をトリフルオロ酢酸(10mL)中でスラリー化した。フラスコを3回脱気し、水素を50psi(3.45×10Pa)まで充填した。16時間後、触媒をセライト濾過助剤の吸着床を通してメタノールで濯ぎながら除去した。その濾液を濃縮した。油状残留物を6Nの塩酸(3mL)に溶解した。その酸性の混合物を、50%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH14にした。その混合物をジクロロメタン中10%のメタノールで抽出し、無水硫酸ナトリウムによって乾燥し、濃縮した。その物質を、クロロホルム中2〜20%直線勾配のCMAにより溶離する自動フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。得られた白色固体をアセトニトリル中で粉砕し、次いで濾過して単離し、0.085gの1−[(4−アミノ−2−エチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−l−イル)メチル]シクロヘキサノールを融点232〜234℃の白色固体として得た。
MS(ESI)m/z329.44(M+H)
分析 C1928Oに対する計算値:C,69.48;H,8.59;N,17.06。実測値:C,69.28;H,8.51;N,17.06。
【0293】
(実施例20)
1−{[4−フルオロ−1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]メチル}−2−メチル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−4−アミン
【0294】
【化93】

パートA
テトラヒドロ−4H−ピラン−4−オンの代わりに1−Boc−4−ピペリジノン(46.6g、0.234mol)を使用して実施例3のパートAに記載の方法に従った。その粗生成物を、シリカゲルに基づくカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の5%酢酸エチルにより溶離)により精製し、次いで酢酸エチル/ヘキサンから濃縮して、23.7gの4−(2−オキソプロピリデン)ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルを白色固体として得た。
【0295】
パートB
4−(2−オキソプロピリデン)ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル(20.0g、83.6mmol)およびシュウ酸ジエチル(24.9mL、2.2当量(eq.))のエタノール(15mL)中の溶液を、カリウムエトキシド(15.47g、2.2当量)のエタノール(170mL)中の溶液に室温で加えた。添加容器をエタノールで濯ぎ(2×5mL)、その濯ぎ液を反応物に加えた。その反応物を1時間撹拌し、次いで氷浴中で4℃まで冷却した。酢酸(100mL)を加え、その反応物を、数分間撹拌し、内温を4℃に戻した。メチルヒドラジン(19.4mL、4.4当量)を5分間にわたって滴下して加えた。15分後、氷浴を取り外し、反応混合物を1時間撹拌した。その反応混合物を減圧下で濃縮し、残留物を、水(300mL)とジクロロメタン(400mL)の間で分配した。炭酸ナトリウム飽和水溶液(100mL)を、分割して加え、続いて水酸化ナトリウムの50%水溶液(40mL)を加え、水酸化ナトリウムの5%水溶液(100mL)を加えてその混合物をpH8に調節した。その水層を分離し、ジクロロメタンで抽出した(2×300mL)。合わせた有機物を、硫酸マグネシウムによって乾燥し、次いで減圧下で濃縮して38gの褐色の油状物を得た。この物質を自動フラッシュクロマトグラフィー(t−ブチルメチルエーテルで溶離)により精製し、6.2gの4−[(5−エトキシカルボニル−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)メチレン]ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルを黄色油状物として得た。
【0296】
パートC
パートBからの物質(6.03g、17.2mmol)を、反応の終わりに反応混合物を0℃まで冷却し、塩酸(1Mの40mL)を滴下して加える修正をした実施例7のパートCの方法に従って処理した。ほぼ半分の溶媒を減圧下で除去し、形成された沈殿を濾過して集め、冷水で洗浄し(2×25mL)、高真空下で乾燥させて、3.71gの4−[(5−カルボキシ−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)メチレン]ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルを白色固体として得た。
【0297】
パートD
パートCからの物質を、実施例7のパートD、E、およびFの方法に従って処理した。パートFから得られた粗製固体を、ジクロロメタン(200mL)と水(100mL)の間で分配した。水溶液を分離し、クロロホルムで抽出した(3×100mL)。有機画分を合わせ、硫酸マグネシウムによって乾燥し、濾過した。その濾過ケーキをクロロホルムで洗浄した(5×60mL)。合わせた濾液を減圧下で濃縮し、6.33gの白色発泡体を与え、それをクロロホルム(125mL)中に懸濁させ、濾過して単離し、クロロホルムで洗浄し(2×10mL)、乾燥させて、3.8gの4−[(5−カルバモイル−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)メチル]−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルを白色固体として得た。その濾液を濃縮して乾燥させ、さらなる3.0gの生成物を生じさせた。固体は両方ともクロロホルムおよび微量不純物を含有した。
【0298】
パートE
パートDからの物質を、実施例7のパートGの方法に従って、トリエチルアミンおよび無水トリフルオロ酢酸により処理した。得られた粗製の黄色油状物を、自動フラッシュクロマトグラフィー(4カラム体積にわたってのt−ブチルメチルエーテル中の30%ヘキサンから100%t−ブチルメチルエーテルの勾配と、次いで3カラム体積に対しては100%t−ブチルメチルエーテルで溶離)により精製し、高真空下で乾燥させて、3.62の4−[(5−シアノ−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)メチル]−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルのトリフルオロ酢酸エステルを無色の油状物として得た。その油状物の一部(3.43g)を、メタノール(80mL)に溶解し、濃水酸化アンモニウム(1.6mL)を加えた。その反応物を1時間撹拌し、減圧下で濃縮した。残留物をクロロホルムから濃縮し(2×100mL)、自動フラッシュクロマトグラフィー(クロロホルム中20%CMAで溶離)により精製し、2.50gの4−[(5−シアノ−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)メチル]−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルを粘着性の白色固体として与え、それを実施例7のパートHおよびIの方法に従って、4−[(4−ブロモ−5−シアノ−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)メチル]−4−フルオロピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルに変換した。
【0299】
パートF
塩酸(6Mの0.55mL)を、4−[(4−ブロモ−5−シアノ−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)メチル]−4−フルオロピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル(446mg、1.11mmol)のエタノール(10mL)中の懸濁液に加え、その反応物を70℃で1.5時間加熱し、そのまま室温まで冷却し、減圧下で濃縮して、4−ブロモ−5−[(4−フルオロピペリジン−4−イル)メチル]−l−メチル−lH−ピラゾール−3−カルボニトリル塩酸塩を白色固体として得た。
【0300】
パートG
トリエチルアミン(0.62mL、4.0当量)を、パートFからの物質のジクロロメタン(11mL)中の撹拌された懸濁液に加え、その混合物を0℃まで冷却した。塩化メタンスルホニル(0.095mL、1.1当量)を加え、得られた溶液を1.5時間撹拌した。炭酸ナトリウム飽和水溶液(20mL)を加え、その混合物をそのまま室温まで温め、ジクロロメタン(75mL)で希釈した。その有機層を分離し、硫酸マグネシウムによって乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して0.43gの白色固体を得た。その固体を熱エタノール(15mL)と共に粉砕し、そのまま室温まで冷却し、濾過して単離し、エタノールで洗浄し(2×5mL)、高真空化で乾燥させて351mgの4−ブロモ−5−{[4−フルオロ−1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]メチル}−1−メチル−1H−ピペラゾール−3−カルボニトリルを白色固体として得た。
【0301】
パートH
実施例7のパートJに記載した反応条件および精製方法を用いて、パートGからの物質を処理した。1−{[4−フルオロ−1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]メチル}−2−メチル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−4−アミン(71mg)を融点283〜285℃の黄褐色粉末として得た。
【0302】
【化94】

(実施例21)
l−[(l−アセチル−4−フルオロピペリジン−4−イル)メチル]−2−メチル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−4−アミン
【0303】
【化95】

パートA
トリエチルアミン(3.4mL、3.0当量)を、4−ブロモ−5−[(4−フルオロピリジン−4−イル)メチル]−l−メチル−lH−ピラゾール−3−カルボニトリル塩酸塩(2.7g、8.0mmol)のジクロロメタン(80mL)の撹拌されている懸濁液に加え、その混合物を0℃まで冷却した。アセトニトリル(0.74mL、1.3当量)を加え、得られた溶液を1.5時間撹拌し、減圧下で濃縮した。その残留物をジクロロメタン(300mL)に溶解し、得られた溶液を水(100mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムによって乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して2.58gの白色の発泡体を得た。その発泡体を自動フラッシュクロマトグラフィー(8カラム体積にわたってクロロホルム中0〜20%のCMA勾配で溶離)により精製して、0.94gの5−[(l−アセチル−4−フルオロピペリジン−4−イル)メチル]−4−ブロモ−1−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボニトリルを与え、それを次のステップの前に1,2−ジメトキシエタン(75mL)から凝縮させた。
【0304】
パートB
実施例7のパートJに記載した反応条件および精製方法を用いて、パートAからの物質を処理した。l−[(l−アセチル−4−フルオロピペリジン−4−イル)メチル]−2−メチル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−4−アミン(176mg)を融点241〜243℃の白色粉末として得た。
【0305】
【化96】

(実施例22)
4−[(4−アミノ−2−メチル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−l−イル)メチル]−4−フルオロ−N−イソプロピルピペリジン−1−カルボキサミド
【0306】
【化97】

パートA
トリエチルアミン(1.5mL、1.5当量)を、4−ブロモ−5−[(4−フルオロピリジン−4−イル)メチル]−l−メチル−lH−ピラゾール−3−カルボニトリル塩酸塩(2.28g、6.75mmol)のジクロロメタン(67mL)の撹拌されている懸濁液に加え、得られた溶液にイソプロピルイソシアネート(1.34mL、2.0当量)を加えた。その反応物を1.5時間撹拌し、減圧下で濃縮した。その残留物をジクロロメタン(300mL)に溶解し、得られた溶液を水(100mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムによって乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して2.45gの白色発泡体を得た。その発泡体を自動フラッシュクロマトグラフィー(8カラム体積にわたってクロロホルム中0〜10%のCMA勾配で溶離)により精製して、1.39gの4−[(4−ブロモ−5−シアノ−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)メチル]−4−フルオロ−N−イソプロピルピペリジン−l−カルボキサミドを得た。
【0307】
パートB
実施例7のパートJに記載した反応条件および精製方法を用いて、パートAからの物質を処理した。4−[(4−アミノ−2−メチル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−l−イル)メチル]−4−フルオロ−N−イソプロピルピペリジン−1−カルボキサミド(0.14g)を融点241〜244℃の白色粉末として得た。
【0308】
【化98】

(実施例23)
2−エチル−l−{[4−フルオロ−l−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]メチル}−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−4−アミン
【0309】
【化99】

パートA
1−テトラヒドロ−4H−ピラン−4−イリデンアセトンの代わりに4−(2−オキソプロピリデン)ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル(25.0g、105mmol)およびメチルヒドラジンの代わりにシュウ酸エチルヒドラジン(69.0g、460mmol)により出発し、実施例7のパートBからFの一般的方法に従って4−[(5−カルバモイル−2−エチル−2H−ピラゾール−3−イル)メチル]−4−ヒドロキシピペリジン−l−カルボン酸t−ブチル(3.25g、9.22mmol)を与え、それを実施例7のパートGの方法に従ってトリエチルアミンおよび無水トリフルオロ酢酸で処理した。得られた粗製の黄色油状物をメタノール(50mL)に溶解し、濃水酸化アンモニウム(1.84mL)を加えた。その反応物を1時間撹拌し、減圧下で濃縮した。その残留物を、水(100mL)とクロロホルム(100mL)の間で分配した。水層を分離し、クロロホルムで抽出した(2×100mL)。合わせた有機画分を硫酸マグネシウムによって乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残留物を自動フラッシュクロマトグラフィー(4カラム体積に対してクロロホルムで、次いで6カラム体積にわたってはクロロホルム中0〜20%のCMA勾配で溶離)により精製し、高真空下で乾燥させて、2.56gの4−[(5−シアノ−2−エチル−2H−ピラゾール−3−イル)メチル]−4−ヒドロキシピペリジン−l−カルボン酸t−ブチルを黄色油状物として与え、それを実施例7のパートHおよびIの方法に従って4−[(4−ブロモ−5−シアノ−2−エチル−2H−ピラゾール−3−イル)メチル]−4−フルオロピペリジン−l−カルボン酸t−ブチルに変換した。
【0310】
パートB
4−[(4−ブロモ−5−シアノ−2−エチル−2H−ピラゾール−3−イル)メチル]−4−フルオロピペリジン−l−カルボン酸t−ブチル(3.3g、7.95mmol)のエタノール(80mL)中の懸濁液に、塩酸(6Mの2.64mL)を加え、その反応物を80℃で2時間加熱し、そのまま室温まで冷却させ、減圧下で濃縮して4−ブロモ−l−エチル−5−[(4−フルオロピペリジン−4−イル)メチル−lH−ピラゾール−3−カルボニトリル塩酸塩を白色固体として得た。
【0311】
パートC
パートBからの物質のジクロロメタン(80mL)中の混合物に、トリエチルアミン(11.1mL、79.5mmol)および塩化メタンスルホニル(1.24mL、15.9mmol)を加え、その反応物を5分間撹拌した。ブライン(40mL)を加え、水層を分離し、ジクロロメタンで抽出した(2×100mL)。合わせた有機画分を硫酸マグネシウムによって乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して褐色の発泡体を得た。その発泡体を自動フラッシュクロマトグラフィー(8カラム体積にわたってクロロホルム中0〜10%のCMA勾配で溶離)により精製し、1.9gの4−ブロモ−l−エチル−5−{[(4−フルオロ−1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル)メチル}−lH−ピラゾール−3−カルボニトリルを黄褐色発泡体として得た。
【0312】
パートD
実施例7のパートJに記載した一般的な反応条件および精製方法を用いて、パートCからの物質(1.0g)を処理した。2−エチル−l−{[4−フルオロ−l−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]メチル}−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−4−アミン(150mg)を融点269〜271℃の淡黄褐色固体として得た。
【0313】
【化100】

(実施例24)
l−[(l−アセチル−4−フルオロピペリジン−4−イル)メチル]−2−エチル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−4−アミン
【0314】
【化101】

パートA
4−ブロモ−l−エチル−5−[(4−フルオロピペリジン−4−イル)メチル−lH−ピラゾール−3−カルボニトリル塩酸塩(2.52g、8.0mmol)のジクロロメタン(80mL)中の撹拌されている懸濁液にトリエチルアミン(3.35mL、24.0mmol)を加え、得られた溶液を0℃まで冷却した。塩化アセチル(0.74mL、10.4mmol)を滴下して加え、1時間撹拌した。水(50mL)を加え、次いで水層を分離し、ジクロロメタンで抽出した(2×100mL)。合わせた有機画分を、硫酸マグネシウムによって乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して褐色の発泡体を得た。その発泡体を自動フラッシュクロマトグラフィー(8カラム体積にわたってクロロホルム中0〜10%のCMA勾配で溶離)により精製し、高真空下で乾燥させて、1.6gの5−[(l−アセチル−4−フルオロピペリジン−4−イル)メチル]−4−ブロモ−1−エチル−1H−ピラゾール−3−カルボニトリルを得た。
【0315】
パートB
実施例7のパートJに記載した反応条件を用いて、パートAからの物質を処理した。クロマトグラフィー精製(4カラム体積に対してクロロホルム、続いて6カラム体積にわたってクロロホルム中0〜40%のCMA勾配により、続いてクロロホルム中40%CMAにより溶離)に続いて、得られた油状物をアセトニトリルから再結晶化させた。その固体を濾過して単離し、アセトニトリルで洗浄し、高真空下で乾燥させて、121mgのl−[(l−アセチル−4−フルオロピペリジン−4−イル)メチル]−2−エチル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−4−アミンを融点228〜230℃の淡黄褐色の固体として得た。
【0316】
【化102】

(実施例25)
4−[(4−アミノ−2−エチル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−l−イル)メチル]−4−フルオロ−N−イソプロピルピペラジン−1−カルボキサミド
【0317】
【化103】

パートA
4−ブロモ−l−エチル−5−[(4−フルオロピペリジン−4−イル)メチル−lH−ピラゾール−3−カルボニトリル塩酸塩(2.52g、8.0mmol)およびジクロロメタン(40mL)の混合物にトリエチルアミン(2.23mL、16.0mmol)およびイソプロピルイソシアネート(1.01mL、10.4mmol)を順次加えた。その反応物を、1.5時間撹拌し、ジクロロメタン(250mL)で希釈し、水(100mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムによって乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して褐色の発泡体を得た。その発泡体を自動フラッシュクロマトグラフィー(8カラム体積にわたってクロロホルム中0〜10%のCMA勾配により溶離)により精製した。得られたオフホワイトの発泡体を1,2−ジクロロメタン(50mL)から濃縮し、高真空下で乾燥させて、1.6gの4−[(4−ブロモ−5−シアノ−2−エチル−2H−ピラゾール−3−イル)メチル]−4−フルオロ−N−イソプロピルピペラジン−l−カルボキサミドを得た。
【0318】
パートB
実施例7のパートJに記載の反応条件を用いてパートAからの物質を処理した。実施例24のパートBに記載の条件を用いてのクロマトグラフィー精製に続いて、得られた褐色の固体をエタノールから再結晶化し、乾燥して、93mgの4−[(4−アミノ−2−エチル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−l−イル)メチル]−4−フルオロ−N−イソプロピルピペラジン−1−カルボキサミドを融点205〜207℃の白色固体として得た。
【0319】
【化104】

(実施例26)
1−{[4−フルオロ−1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]メチル}−2−プロピル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−4−アミン
【0320】
【化105】

パートA
1−テトラヒドロ−4H−ピラン−4−イリデンアセトンの代わりに4−(2−オキソプロピリデン)ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル(20.0g、83.6mmol)およびメチルヒドラジンの代わりにシュウ酸プロピルヒドラジン(34.3g、2.5当量)により出発し、実施例7のパートBからFの一般的方法に従って4−[(5−カルバモイル−2−プロピル−2H−ピラゾール−3−イル)メチル]−4−ヒドロキシピペリジン−l−カルボン酸t−ブチル(6.20g、16.9mmol)を与え、それを実施例7のパートGの方法に従ってトリエチルアミンおよび無水トリフルオロ酢酸で処理した。得られた粗製の黄色油状物をメタノール(45mL)に溶解し、濃水酸化アンモニウム(3.4mL)を加えた。その反応物を1時間撹拌し、減圧下で濃縮した。その残留物を、水(150mL)とクロロホルム(200mL)の間で分配した。有機層を分離し、硫酸マグネシウムによって乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残留物を自動フラッシュクロマトグラフィー(最初に5カラム体積にわたってクロロホルム中0〜40%のCMA勾配で、2番目に5カラム体積にわたってクロロホルム中0〜50%の酢酸エチル勾配で溶離)により2回精製し、4.52gの4−[(5−シアノ−2−プロピル−2H−ピラゾリ−3−イル)メチル]−4−ヒドロキシピペリジン−l−カルボン酸t−ブチルを粘稠な半固体として与え、それを実施例7のパートHおよびIの方法に従って4−[(4−ブロモ−5−シアノ−2−プロピル−2H−ピラゾール−3−イル)メチル]−4−フルオロピペリジン−l−カルボン酸t−ブチルに変換した。
【0321】
パートB
4−[(4−ブロモ−5−シアノ−2−プロピル−2H−ピラゾール−3−イル)メチル]−4−フルオロピペリジン−l−カルボン酸t−ブチル(3.34g、7.78mmol)のエタノール(40mL)中の溶液に、塩酸(6Mの3.9mL)を加え、その反応物を70℃で1.5時間加熱し、そのまま室温まで冷却させ、減圧下で濃縮して2.9gの4−ブロモ−5−[(4−フルオロピペリジン−4−イル)メチル]−1−プロピル−lH−ピラゾール−3−カルボニトリル塩酸塩を得た。その塩をジクロロメタン(40mL)に懸濁させ、トリエチルアミン(4.9mL、4.5当量)を加えた。その混合物を10分間撹拌して0.2Mの4−ブロモ−5−[4−(フルオロピペリジン−4−イル)メチル]−1−プロピル−1H−ピラゾール−3−カルボニトリル酸溶液を得た。
【0322】
パートC
パートBからの溶液の一部(24mL)を、0℃まで冷却した。塩化メタンスルホニル(0.42mL、1.3当量)を滴下して加え、得られた溶液を1時間撹拌し、ジクロロメタン(150mL)で希釈し、そのまま室温まで温めた。その溶液を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(100mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムによって乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して白色の発泡体を得た。その発泡体を自動フラッシュクロマトグラフィー(クロロホルム中0〜15%のCMA勾配で溶離)により精製し、1.5gの4−ブロモ−5−{[4−フルオロ−1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]メチル}−1−プロピル−lH−ピラゾール−3−カルボニトリルを白色の発泡体として得た。その発泡体は、それをパートDにおいて使用する前に、1,2−ジメトキシエタン(40mL)から凝縮させた。
【0323】
パートD
実施例7のパートJに記載の反応条件および精製方法を用いてパートCからの物質を処理した。1−{[4−フルオロ−1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]メチル}−2−プロピル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−4−アミン(0.32g)を、融点268〜270℃(分解)の白色粉末として得た。
【0324】
【化106】

(実施例27)
4−[(4−アミノ−2−プロピル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−l−イル)メチル]−4−フルオロ−N−イソプロピルピペリジン−1−カルボキサミド
【0325】
【化107】

パートA
実施例26のパートBからの溶液の一部(21mL)にイソプロピルイソシアネート(0.46mL、1.3当量)を室温で滴下して加えた。得られた溶液を1時間撹拌し、ジクロロメタン(100mL)で希釈し、水(70mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムによって乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して1.48gの黄褐色の発泡体を得た。その発泡体を、自動フラッシュクロマトグラフィー(8カラム体積にわたってクロロホルム中0〜10%のCMA勾配で溶離)により精製して、1.05gの4−(4−ブロモ−5−シアノ−2−プロピル−2H−ピラゾール−3−イルメチル)−4−フルオロ−N−イソプロピルピペリジン−1−カルボキサミドを白色の発泡体として得た。
【0326】
パートB
実施例7のパートJに記載の反応条件および精製方法を用いてパートAからの物質を処理した。4−[(4−アミノ−2−プロピル−2H−ピラゾロ[3,4−c]キノリン−l−イル)メチル]−4−フルオロ−N−イソプロピルピペリジン−1−カルボキサミド(105mg)を融点227〜229℃(分解)の白色粉末として得た。
【0327】
【化108】

(典型的な化合物)
実施例において上で記載したもののいくつかを含む特定の典型的な化合物は、以下の式(III−1、IV−1、V−1、またはVIII−1)および以下のR、Z、R、およびmの置換基または変数を有しており、ここで表の各行は、式III−1、IV−1、V−1、またはVIII−1と符合して本発明の特定の実施形態を表す。
【0328】
【化109】

【0329】
【表1】

【0330】
【表2】

【0331】
【表3】

【0332】
【表4】

【0333】
【表5】

実施例において上で記載したもののいくつかを含む特定の典型的な化合物は、以下の式(III−2、IV−2、V−2、またはVIII−2)を有しており、式中、R、Q、R、R、およびmは、すぐ下の表に定義されている。この表の各行は、式III−2、IV−2、V−2、またはVIII−2と符合して本発明の特定の実施形態を表す。
【0334】
【表6】

【0335】
【表7】

【0336】
【表8】

【0337】
【表9】

【0338】
【表10】

【0339】
【表11】

【0340】
【表12】

【0341】
【表13】

【0342】
【表14】

【0343】
【表15】

実施例において上で記載したもののいくつかを含む特定の典型的な化合物は、以下の式(III−3、IV−3、V−3、またはVIII−3)を有しており、式中、R、Q、Z、R、およびmは、すぐ下の表に定義されている。この表の各行は、式III−3、IV−3、V−3、またはVIII−3と符合して本発明の特定の実施形態を表す。
【0344】
【化110】

【0345】
【表16】

【0346】
【表17】

【0347】
【表18】

【0348】
【表19】

【0349】
【表20】

【0350】
【表21】

【0351】
【表22】

実施例において上で記載したもののいくつかを含む特定の典型的な化合物は、以下の式(III−4、IV−4、V−4、またはVIII−4)を有しており、式中、Rおよびmは、すぐ下の表に定義されている。この表の各行は、式III−4、IV−4、V−4、またはVIII−4と符合して本発明の特定の実施形態を表す。
【0352】
【表23】

本発明の化合物は、下記の方法の1つを用いて試験したとき、ヒト細胞におけるインターフェロンαおよび/または腫瘍壊死因子αの産生を誘導することによってサイトカイン生合成を調節することが見出された。
【0353】
ヒト細胞におけるサイトカインの誘導
サイトカインの誘導を評価するには、インビトロのヒト血液細胞系を使用する。活性は、Testermanらが、「Cytokine Induction by the Immunomodulators Imiquimod and S−27609,」、Journal of Leukocyte Biology、58巻、365〜372頁(1995年9月)において記載している、培地中に分泌されたインターフェロン(α)および腫瘍壊死因子(α)(それぞれ、IFN−αおよびTNF−α)の測定に基づいている。
【0354】
培養のための血液細胞の調製
健康人ドナーからの全血を、EDTAを含有するバキュテイナ採血管またはシリンジ中に静脈穿刺によって採取する。末梢血単核細胞(PBMC)を、HISTOPAQUE−1077(Sigma社、米国ミズーリ州セントルイス)またはFicoll−Paque Plus(Amersham Biosciences社、米国ニュージャージー州ピスカタウェイ)を用いる密度勾配遠心分離法により全血から分離する。血液を、ダルベッコ燐酸緩衝食塩水(DPBS)またはハンクス平衡塩類溶液(HBSS)で1:1に希釈する。全血を、交互に、密度勾配培地を含有するAccuspin(Sigma社)またはLeucoSep(Greiner Bio−One, Inc.、米国フロリダ州ロングウッド)の遠心分離フリット管にセットする。PBMC層を収集し、DPBSまたはHBSSで2回洗浄し、RPMI完全培地中に4×10細胞/mLで再懸濁させる。そのPBMC懸濁液を、試験化合物を含有する等容積のRPMI完全培地を含有する96ウェルの平底無菌組織培養皿に加える。
【0355】
化合物の調製
化合物は、ジメチルスルホキシド(DMSO)に可溶化する。DMSO濃度は、培養ウェルへの添加に対して1%の最終濃度を超えてはならない。化合物は、30〜0.014μMの範囲の濃度で一般に試験する。コントロールとしては、培地のみを含む細胞試料、DMSOのみを含む細胞試料(化合物なし)、および対照化合物を含む細胞試料が挙げられる。
【0356】
インキュベーション
試験化合物の溶液を、RPMI完全培地を含有する最初のウェルに60μMで加え、連続3倍希釈液をウェル内に作る。PBMC懸濁液を、次に等容積のウェルに加え、試験化合物濃度を所望の範囲(通常30〜0.014μM)とする。PBMC懸濁液の最終濃度は、2×10細胞/mLである。プレートを無菌のプラスチック蓋で覆い、静かに混合し、次いで5%二酸化炭素雰囲気中37℃で、18時間〜24時間インキュベートする。
【0357】
分離
インキュベーションに続いて、プレートを1000rpm(ほぼ200×g)で、1分間4℃で遠心分離する。無細胞の培養液上澄み液を取り出して無菌のポリプロピレン管に移す。試料を分析するまで−30℃から−70℃で維持する。その試料をELSAによりIFN−αについて、およびIGEN/BioVerisアッセイによりTNF−αについて分析する。
【0358】
インターフェロン(α)および腫瘍壊死因子(α)の分析
IFN−α濃度は、米国ニュージャージー州ピスカタウェイのPBL Biomedical Laboratories社製のヒトマルチサブタイプ比色サンドイッチELISA(カタログ番号41105)により測定する。結果は、pg/mLで表す。
【0359】
TNF−α濃度は、米国メリーランド州ゲイサーズバーグのかつてはIGEN Internationalとして知られていたBioVeris Corporation社製のORIGEN Mシリーズイムノアッセイにより測定し、IGEN M−8アナライザーにより読み取る。このイムノアッセイは、米国カリフォルニア州カマリロのBiosource International社製のヒトTNF−α捕獲物と検出抗体の組み合わせを使用する。結果は、pg/mLで表す。
【0360】
アッセイのデータと分析
全体を通してアッセイデータのアウトプットは、化合物濃度(x軸)の関数としてのTNF−αおよびIFN−αの濃度値(y軸)からなる。
【0361】
データの分析は、2つのステップを有する。最初に、平均のDMSO(DMSOコントロールウェル)または実験のバックグラウンド値(通常IFN−αに対しては20pg/mLおよびTNF−αに対しては40pg/mL)の大きい方を各読みから差し引く。バックグラウンド値を差し引いて負の値が得られる場合はその読みを”*”として記録し、確実に検出できないものとして記す。その後の計算および統計において、”*”は、ゼロとして処理する。第2は、バックグラウンド値を差し引いたすべての値に単一の修正率を掛けて実験対実験のばらつきを減少させる。この修正率は、新たな実験における対照化合物の領域を過去61回の実験(修正なしの読み)に基づく対照化合物の期待領域で割ったものである。これにより新たなデータに対する読み(y軸)のスケーリングが、用量反応曲線の形状を変化させることなくもたらされる。使用する対照化合物は、2−[4−アミノ−2−エトキシメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−α,α−ジメチル−lH−イミダゾ[4,5−c]キノリン−l−イル]エタノール水和物(米国特許第5352784号、実施例91)であり、期待領域は、過去61回の実験からの投与量中央値の和である。
【0362】
最低有効濃度は、与えられた実験および化合物に対してバックグラウンド値を差し引き、対照により調整した結果に基づいて計算する。最低有効濃度(マイクロモル)は、試験したサイトカインについての一定のサイトカイン濃度に対して反応を誘導する試験化合物の最低の濃度(通常IFN−αについては20pg/mL,TNF−αについては40pg/mL)である。最大反応は、用量反応において産生されるサイトカインの最大量(pg/mL)である。
【0363】
ヒト細胞におけるサイトカイン誘導(ハイスループットスクリーン)
上記のヒト細胞におけるサイトカイン誘導試験方法を、ハイスループットスクリーニングのために以下のように修正した。
【0364】
培養のための血液細胞の調製
健康人ドナーからの全血を、EDTAを含有するバキュテイナ採血管またはシリンジ中に静脈穿刺によって採取する。末梢血単核細胞(PBMC)を、HISTOPAQUE−1077(Sigma社、米国ミズーリ州セントルイス)またはFicoll−Paque Plus(Amersham Biosciences社、米国ニュージャージー州ピスカタウェイ)を用いる密度勾配遠心分離法により全血から分離する。全血を、密度勾配培地を含有するAccuspin(Sigma社)またはLeucoSep(Greiner Bio−One, Inc.、米国フロリダ州ロングウッド)の遠心分離フリット管にセットする。PBMC層を収集し、DPBSまたはHBSSで2回洗浄し、RPMI完全培地中4×10細胞/mLで再懸濁させる(2倍の最終細胞密度)。そのPBMC懸濁液を、96ウェルの平底無菌組織培養皿に加える。
【0365】
化合物の調製
化合物は、ジメチルスルホキシド(DMSO)に可溶化する。化合物は、30〜0.014μMの範囲の濃度で一般に試験する。コントロールとしては、各プレートに、培地のみを含む細胞試料、DMSOのみを含む細胞試料(化合物なし)、および対照化合物2−[4−アミノ−2−エトキシメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−α,α−ジメチル−lH−イミダゾ[4,5−c]キノリン−l−イル]エタノール水和物(米国特許第5352784号、実施例91)を含む細胞試料が挙げられる。試験化合物の溶液を、投与プレートの最初のウェルに7.5mMで加え、7個のその後のDMSO中の濃度のために連続3倍希釈液を作る。RPMI完全培地を次に試験化合物希釈液に加えて最終試験濃度範囲より2倍高い(60〜0.028μM)最終化合物濃度に到達させる。
【0366】
インキュベーション
化合物溶液を次にPBMC懸濁液を含有するウェルに加え、試験化合物濃度を所望の範囲(通常は30μM〜0.014μM)に、DMSO濃度を0.4%にする。PBMC懸濁液の最終濃度は、2×10細胞/mLである。培養皿を無菌のプラスチック蓋で覆い、静かに混合し、次いで5%二酸化炭素雰囲気中37℃で、18時間〜24時間インキュベートする。
【0367】
分離
インキュベーションに続いて、培養皿を1000rpm(ほぼ200×g)で、1分間4℃で遠心分離する。4重のヒトパネルMSD MULTI−SPOT96ウェルプレートに、MesoScale Discovery,Inc.社(MSD社、米国メリーランド州ゲイサーズバーグ)による適切な捕獲抗体を予め塗布する。無細胞の培養液上澄み液を取り出してMSDプレートに移す。新鮮な試料を一般的には試験するが、それらは分析するまで−30℃から−70℃で維持してもよい。
【0368】
インターフェロン(α)および腫瘍壊死因子(α)の分析
MSD MULTI−SPOTプレートは、各ウェル中に特定のスポットに予め塗布されているヒトTNF−αおよびヒトIFN−αに対する捕獲抗体を含有する。各ウェルは、4つのスポット:1つのヒトTNF−α捕獲抗体(MSD社)スポット、1つのヒトIFN−α捕獲抗体(PBL Biomedical Laboratories社、米国ニュージャージー州ピスカタウェイ)スポット、および2つの不活性なウシ血清アルブミンのスポット、を含む。ヒトTNF−α捕獲および検出抗体の組み合わせはMesoScale Discovery社製である。ヒトIFN−αマルチサブタイプ抗体(PBL Biomedical Laboratories社)は、IFN−αF(IFNA21)を除くすべてのIFN−αのサブタイプを捕獲する。標準は、組み換え型ヒトTNF−α(R&D Systems社、米国ミネソタ州ミネアポリス)およびINF−α(PBL Biomedical Laboratories社)からなる。試料および個々の標準を分析時に各MSDプレートに加える。IFN−α濃度を測定するため、2つのヒトINF−α検出抗体(カタログ番号第21112号および第21100号、PBL社)を互いに対して2対1の比率(重量:重量)で使用する。サイトカイン特有の検出抗体は、SULFO−TAG試薬(MSD社)で標識化する。ウェルにSULFO−TAGで標識化検出抗体を添加した後、各ウェルの電気化学発光レベルをMSD社のSECTOR HTS READERを用いて読み取る。結果は、既知のサイトカイン標準による計算に基づいてpg/mLで表す。
【0369】
アッセイのデータと分析
全体を通してアッセイデータのアウトプットは、化合物濃度(x軸)の関数としてのTNF−αおよびIFN−αの濃度値(y軸)からなる。
【0370】
同じ実験の中でのプレート対プレートの変動を減少することを目的としてプレートに関するスケーリングを所定の実験の中で行う。最初に、平均のDMSO(DMSOコントロールウェル)または実験のバックグラウンド値(通常IFN−αに対しては20pg/mLおよびTNF−αに対しては40pg/mL)の大きい方を各読みから差し引く。バックグラウンドを差し引くことによって発生する負の値はゼロに設定する。所定の実験における各プレートは、コントロールとして寄与する対照化合物を有する。このコントロールは、アッセイにおいてすべてのプレートをつなぐ曲線のもとでの平均の期待領域を計算するために使用する。プレートのスケーリング因子は、各プレートについて、その特定のプレート上の対照化合物の領域対全体の実験に対する平均の期待領域の比として計算する。次にすべてのプレートについて、各プレートからのデータをプレートのスケーリング因子と掛け合わせる。0.5と2.0の間のスケーリング因子を有するプレートからのデータ(サイトカインIFN−α、TNF−αの両方について)のみ記録する。上記の間隔から外れたスケーリング因子を有するプレートからのデータは、それらが上記間隔内のスケーリング因子を持つまで再試験する。上記方法により、曲線の形状を変えることなくy値のスケーリングが形成される。使用する対照化合物は、2−[4−アミノ−2−エトキシメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−α,α−ジメチル−lH−イミダゾ[4,5−c]キノリン−l−イル]エタノール水和物(米国特許第5352784号、実施例91)である。平均期待領域は、所定の実験の要素であるすべてのプレートにわたる平均領域である。
【0371】
2番目のスケーリングもまた実験間の変動(複数の実験にわたる)を減少するために行うことができる。すべてのバックグラウンドを差し引いた値を、実験対実験の変動を減少させるために単一の修正率と掛け合わせる。その修正率は、新たな実験における対照化合物の領域を前の実験(未調整の読み)の平均に基づく対照化合物の期待領域で割ったものである。これにより新たなデータに対する読み(y軸)のスケーリングが、用量反応曲線の形状を変化させることなくもたらされる。使用する対照化合物は、2−[4−アミノ−2−エトキシメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−α,α−ジメチル−lH−イミダゾ[4,5−c]キノリン−l−イル]エタノール水和物(米国特許第5352784号、実施例91)であり、期待領域は、前の実験の平均からの投与量中央値の和である。
【0372】
最低有効濃度は、与えられた実験および化合物に対してバックグラウンド値を差し引き、対照により調整した結果に基づいて計算する。最低有効濃度(マイクロモル)は、試験したサイトカインについての一定のサイトカイン濃度に対して反応を誘導する試験した化合物の最低の濃度(通常IFN−αについては20pg/mL,TNF−αについては40pg/mL)である。最大反応は、用量反応において産生されるサイトカインの最大量(pg/mL)である。
【0373】
本明細書に引用した特許、特許文献、および出版物の完全な開示は、それぞれあたかも個別に組み込まれているかのように、参照によりそれら全体として組み込む。本発明に対するさまざまな修正および変更が当業者には明らかとなろうが、それは本発明の範囲および精神から逸脱するものではない。本発明は、本明細書に示した説明のための実施形態および実施例によって過度に限定されることを意図しておらず、かかる実施例および実施形態は、本明細書で以下に示す特許請求の範囲によってのみ限定されることを意図して、本発明の範囲のほんの1例として提供しているものと解釈すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】

の化合物、または薬学的に受容可能なその塩であって、ここで、
Zは、
【化2】

からなる群から選択され;
Xは、結合、−C2〜3アルキレン−、および−O−C2〜3アルキレン−からなる群から選択され;
は、
水素、
ヒドロキシ、
フッ素、
アルコキシ、
−N(R
−NH−Q−R
−S(O)0〜2−アルキル、
−S(O)−NH−R
−C(R)−N(R)−R
−O−C(R)−N(R)−R
−C(R)−O−アルキル、
−O−C(R)−R、および
【化3】

からなる群から選択され;
但し、Zが結合、C1〜5アルキレン、
【化4】

であり、Xが結合である場合には、
は水素以外であることを条件とし;
mは、1から5までの整数であり;
およびRは、それぞれ独立に、
水素、
ハロゲン、
アルキル、
アルケニル、
アルコキシ、
アルキルチオ、および
−N(R
からなる群から選択され;
または一緒になったとき、RとRは、縮合アリール環もしくはNおよびSからなる群から選択された1個のヘテロ原子を含有するヘテロアリール環を形成し、ここで該アリールもしくはヘテロアリール環は、非置換であるか1個もしくは複数のR基により置換されており;
または一緒になったとき、RとRは、NおよびSからなる群から選択された1個のヘテロ原子を場合によって含有し、非置換であるか1個もしくは複数のR基により置換されている飽和縮合5〜7員環を形成しており;
Rは、
ハロゲン、
ヒドロキシ、
アルキル、
ハロアルキル、
アルコキシ、および
−N(R
からなる群から選択され;
は、
水素、
アルキル、
アルコキシアルキレニル、
ヒドロキシアルキレニル、
ハロアルキレニル、および
−C(R)−O−C1〜4アルキレニル
からなる群から選択され;
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキレニル、アリールオキシアルキレニル、アルキルアリーレニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキレニル、ヘテロアリールオキシアルキレニル、アルキルヘテロアリーレニル、およびヘテロシクリルからなる群から選択され、ここで該アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキレニル、アリールオキシアルキレニル、アルキルアリーレニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキレニル、ヘテロアリールオキシアルキレニル、アルキルヘテロアリーレニル、およびヘテロシクリル基は、非置換であるか、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、シアノ、アリール、アリールオキシ、アリールアルキレンオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアルキレンオキシ、ヘテロシクリル、アミノ、アセチルアミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、(ジアルキルアミノ)アルキレンオキシ、またアルキル、アルケニル、アルキニル、およびヘテロシクリルの場合はオキソからなる群から独立に選択される1つまたは複数の置換基により置換されていることができ;
は、=Oおよび=Sからなる群から選択され;
は、水素、アルキル、アルコキシアルキレニル、およびアリールアルキレニルからなる群から選択され;
は、水素およびアルキルからなる群から選択され;
11は、水素、アルキル、ハロゲン、およびトリフルオロメチルからなる群から選択され;
Aは、−O−、−C(O)−、−S(O)0〜2−、−CH−、および−N(R)−からなる群から選択され;
Qは、結合、−C(R)−、−C(R)−C(R)−、−S(O)−、−C(R)−N(R)−W−、−S(O)−N(R)−、−C(R)−O−、および−C(R)−N(OR)−からなる群から選択され;
Vは、−C(R)−、−O−C(R)−、−N(R)−C(R)−、および−S(O)−からなる群から選択され;
Wは、結合、−C(O)−、および−S(O)−からなる群から選択され;
aおよびbは、独立に、a+bが≦7であることを条件として1から6までの整数である、
化合物または薬学的に受容可能なその塩。
【請求項2】
式II
【化5】

の化合物または薬学的に受容可能なその塩であって、ここで、
Zは、
【化6】

からなる群から選択され;
Xは、結合、−C2〜3アルキレン−、−O−C2〜3アルキレン−からなる群から選択され;
は、
水素、
ヒドロキシ、
フッ素、
アルコキシ、
−N(R
−NH−Q−R
−S(O)0〜2−アルキル、
−S(O)−NH−R
−C(R)−N(R)−R
−O−C(R)−N(R)−R
−C(R)−O−アルキル、
−O−C(R)−R、および
【化7】

からなる群から選択され;
但し、Zが結合、C1〜5アルキレン、
【化8】

であり、Xが結合である場合には、
は水素以外であることを条件とし;
mは、1から5までの整数であり;
A’およびRB’は、それぞれ独立に、
水素、
ハロゲン、
アルキル、
アルケニル、
アルコキシ、
アルキルチオ、および
−N(R
からなる群から選択され;
は、
水素、
アルキル、
アルコキシアルキレニル、
ヒドロキシアルキレニル、
ハロアルキレニル、および
−C(R)−O−C1〜4アルキレニル
からなる群から選択され;
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキレニル、アリールオキシアルキレニル、アルキルアリーレニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキレニル、ヘテロアリールオキシアルキレニル、アルキルヘテロアリーレニル、およびヘテロシクリルからなる群から選択され、ここで該アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキレニル、アリールオキシアルキレニル、アルキルアリーレニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキレニル、ヘテロアリールオキシアルキレニル、アルキルヘテロアリーレニル、およびヘテロシクリル基は、非置換であるか、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、シアノ、アリール、アリールオキシ、アリールアルキレンオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアルキレンオキシ、ヘテロシクリル、アミノ、アセチルアミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、(ジアルキルアミノ)アルキレンオキシ、またアルキル、アルケニル、アルキニル、およびヘテロシクリルの場合はオキソからなる群から独立に選択される1つまたは複数の置換基により置換されていることができ;
は、=Oおよび=Sからなる群から選択され;
は、水素、アルキル、アルコキシアルキレニル、およびアリールアルキレニルからなる群から選択され;
は、水素およびアルキルからなる群から選択され;
11は、水素、アルキル、ハロゲン、およびトリフルオロメチルからなる群から選択され;
Aは、−O−、−C(O)−、−S(O)0〜2−、−CH−、および−N(R)−からなる群から選択され;
Qは、結合、−C(R)−、−C(R)−C(R)−、−S(O)−、−C(R)−N(R)−W−、−S(O)−N(R)−、−C(R)−O−、および−C(R)−N(OR)−からなる群から選択され;
Vは、−C(R)−、−O−C(R)−、−N(R)−C(R)−、および−S(O)−からなる群から選択され;
Wは、結合、−C(O)−、および−S(O)−からなる群から選択され;
aおよびbは、独立に、a+bが≦7であることを条件として1から6までの整数である、
化合物または薬学的に受容可能なその塩。
【請求項3】
式III
【化9】

の化合物または薬学的に受容可能なその塩であって、ここで
Zは、
【化10】

からなる群から選択され;
Xは、結合、−C2〜3アルキレン−、−O−C2〜3アルキレン−からなる群から選択され;
は、
水素、
ヒドロキシ、
フッ素、
アルコキシ、
−N(R
−NH−Q−R
−S(O)0〜2−アルキル、
−S(O)−NH−R
−C(R)−N(R)−R
−O−C(R)−N(R)−R
−C(R)−O−アルキル、
−O−C(R)−R、および
【化11】

からなる群から選択され;
但し、Zが結合、C1〜5アルキレン、
【化12】

であり、Xが結合である場合には、
は水素以外であることを条件とし;
mは、1から5までの整数であり;
Rは、
ハロゲン、
ヒドロキシ、
アルキル、
ハロアルキル、
アルコキシ、および
−N(R
からなる群から選択され;
nは、0から4までの整数であり;
は、
水素、
アルキル、
アルコキシアルキレニル、
ヒドロキシアルキレニル、
ハロアルキレニル、および
−C(R)−O−C1〜4アルキレニル
からなる群から選択され;
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキレニル、アリールオキシアルキレニル、アルキルアリーレニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキレニル、ヘテロアリールオキシアルキレニル、アルキルヘテロアリーレニル、およびヘテロシクリルからなる群から選択され、ここで該アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキレニル、アリールオキシアルキレニル、アルキルアリーレニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキレニル、ヘテロアリールオキシアルキレニル、アルキルヘテロアリーレニル、およびヘテロシクリル基は、非置換であるか、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、シアノ、アリール、アリールオキシ、アリールアルキレンオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアルキレンオキシ、ヘテロシクリル、アミノ、アセチルアミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、(ジアルキルアミノ)アルキレンオキシ、またアルキル、アルケニル、アルキニル、およびヘテロシクリルの場合はオキソからなる群から独立に選択される1つまたは複数の置換基により置換されていることができ;
は、=Oおよび=Sからなる群から選択され;
は、水素、アルキル、アルコキシアルキレニル、およびアリールアルキレニルからなる群から選択され;
は、水素およびアルキルからなる群から選択され;
11は、水素、アルキル、ハロゲン、およびトリフルオロメチルからなる群から選択され;
Aは、−O−、−C(O)−、−S(O)0〜2−、−CH−、および−N(R)−からなる群から選択され;
Qは、結合、−C(R)−、−C(R)−C(R)−、−S(O)−、−C(R)−N(R)−W−、−S(O)−N(R)−、−C(R)−O−、および−C(R)−N(OR)−からなる群から選択され;
Vは、−C(R)−、−O−C(R)−、−N(R)−C(R)−、および−S(O)−からなる群から選択され;
Wは、結合、−C(O)−、および−S(O)−からなる群から選択され;
aおよびbは、独立に、a+bが≦7であることを条件として1から6までの整数である、
化合物または薬学的に受容可能なその塩。
【請求項4】
式IV
【化13】

の化合物または薬学的に受容可能なその塩であって、ここで、
Zは、
【化14】

からなる群から選択され;
Xは、結合、−C2〜3アルキレン−、−O−C2〜3アルキレン−からなる群から選択され;
は、
水素、
ヒドロキシ、
フッ素、
アルコキシ、
−N(R
−NH−Q−R
−S(O)0〜2−アルキル、
−S(O)−NH−R
−C(R)−N(R)−R
−O−C(R)−N(R)−R
−C(R)−O−アルキル、
−O−C(R)−R、および
【化15】

からなる群から選択され;
但し、Zが結合、C1〜5アルキレン、
【化16】

であり、Xが結合である場合には、
は水素以外であることを条件とし;
mは、1から5までの整数であり;
Rは、
ハロゲン、
ヒドロキシ、
アルキル、
ハロアルキル、
アルコキシ、および
−N(R
からなる群から選択され;
nは、0から4までの整数であり;
は、
水素、
アルキル、
アルコキシアルキレニル、
ヒドロキシアルキレニル、
ハロアルキレニル、および
−C(R)−O−C1〜4アルキレニル
からなる群から選択され;
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキレニル、アリールオキシアルキレニル、アルキルアリーレニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキレニル、ヘテロアリールオキシアルキレニル、アルキルヘテロアリーレニル、およびヘテロシクリルからなる群から選択され、ここで該アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキレニル、アリールオキシアルキレニル、アルキルアリーレニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキレニル、ヘテロアリールオキシアルキレニル、アルキルヘテロアリーレニル、およびヘテロシクリル基は、非置換であるか、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、シアノ、アリール、アリールオキシ、アリールアルキレンオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアルキレンオキシ、ヘテロシクリル、アミノ、アセチルアミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、(ジアルキルアミノ)アルキレンオキシ、またアルキル、アルケニル、アルキニル、およびヘテロシクリルの場合はオキソからなる群から独立に選択される1つまたは複数の置換基により置換されていることができ;
は、=Oおよび=Sからなる群から選択され;
は、水素、アルキル、アルコキシアルキレニル、およびアリールアルキレニルからなる群から選択され;
は、水素およびアルキルからなる群から選択され;
11は、水素、アルキル、ハロゲン、およびトリフルオロメチルからなる群から選択され;
Aは、−O−、−C(O)−、−S(O)0〜2−、−CH−、および−N(R)−からなる群から選択され;
Qは、結合、−C(R)−、−C(R)−C(R)−、−S(O)−、−C(R)−N(R)−W−、−S(O)−N(R)−、−C(R)−O−、および−C(R)−N(OR)−からなる群から選択され;
Vは、−C(R)−、−O−C(R)−、−N(R)−C(R)−、および−S(O)−からなる群から選択され;
Wは、結合、−C(O)−、および−S(O)−からなる群から選択され;
aおよびbは、独立に、a+bが≦7であることを条件として1から6までの整数である、
化合物または薬学的に受容可能なその塩。
【請求項5】
式V、VI、VII、およびVIII
【化17】

からなる群から選択される化合物または薬学的に受容可能なその塩であって、ここで、
Zは、
【化18】

からなる群から選択され;
Xは、結合、−C2〜3アルキレン−、−O−C2〜3アルキレン−からなる群から選択され;
は、
水素、
ヒドロキシ、
フッ素、
アルコキシ、
−N(R
−NH−Q−R
−S(O)0〜2−アルキル、
−S(O)−NH−R
−C(R)−N(R)−R
−O−C(R)−N(R)−R
−C(R)−O−アルキル、
−O−C(R)−R、および
【化19】

からなる群から選択され;
但し、Zが結合、C1〜5アルキレン、
【化20】

であり、Xが結合である場合には、
は水素以外であることを条件とし;
mは、1から5までの整数であり;
Rは、
ハロゲン、
ヒドロキシ、
アルキル、
ハロアルキル、
アルコキシ、および
−N(R
からなる群から選択され;
pは、0から3までの整数であり;
は、
水素、
アルキル、
アルコキシアルキレニル、
ヒドロキシアルキレニル、
ハロアルキレニル、および
−C(R)−O−C1〜4アルキレニル
からなる群から選択され;
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキレニル、アリールオキシアルキレニル、アルキルアリーレニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキレニル、ヘテロアリールオキシアルキレニル、アルキルヘテロアリーレニル、およびヘテロシクリルからなる群から選択され、ここで該アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキレニル、アリールオキシアルキレニル、アルキルアリーレニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキレニル、ヘテロアリールオキシアルキレニル、アルキルヘテロアリーレニル、およびヘテロシクリル基は、非置換であるか、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、シアノ、アリール、アリールオキシ、アリールアルキレンオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアルキレンオキシ、ヘテロシクリル、アミノ、アセチルアミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、(ジアルキルアミノ)アルキレンオキシ、またアルキル、アルケニル、アルキニル、およびヘテロシクリルの場合はオキソからなる群から独立に選択される1つまたは複数の置換基により置換されていることができ;
は、=Oおよび=Sからなる群から選択され;
は、水素、アルキル、アルコキシアルキレニル、およびアリールアルキレニルからなる群から選択され;
は、水素およびアルキルからなる群から選択され;
11は、水素、アルキル、ハロゲン、およびトリフルオロメチルからなる群から選択され;
Aは、−O−、−C(O)−、−S(O)0〜2−、−CH−、および−N(R)−からなる群から選択され;
Qは、結合、−C(R)−、−C(R)−C(R)−、−S(O)−、−C(R)−N(R)−W−、−S(O)−N(R)−、−C(R)−O−、および−C(R)−N(OR)−からなる群から選択され;
Vは、−C(R)−、−O−C(R)−、−N(R)−C(R)−、および−S(O)−からなる群から選択され;
Wは、結合、−C(O)−、および−S(O)−からなる群から選択され;
aおよびbは、独立に、a+bが≦7であることを条件として1から6までの整数である、
化合物または薬学的に受容可能なその塩。
【請求項6】
式XIII
【化21】

の化合物または薬学的に受容可能なその塩であって、ここで、
Zは、
【化22】

からなる群から選択され;
Xは、結合、−C2〜3アルキレン−、および−O−C2〜3アルキレン−からなる群から選択され;
は、
水素、
ヒドロキシ、
フッ素、
アルコキシ、
−N(R
−NH−Q−R
−S(O)0〜2−アルキル、
−S(O)−NH−R
−C(R)−N(R)−R
−O−C(R)−N(R)−R
−C(R)−O−アルキル、
−O−C(R)−R、および
【化23】

からなる群から選択され;
但し、Zが結合、C1〜5アルキレン、
【化24】

であり、Xが結合である場合には、
は水素以外であることを条件とし;
mは、1から5までの整数であり;
およびRは、それぞれ独立に、
水素、
ハロゲン、
アルキル、
アルケニル、
アルコキシ、
アルキルチオ、および
−N(R
からなる群から選択され;
または一緒になったとき、RとRは、縮合アリール環もしくはNおよびSからなる群から選択された1個のヘテロ原子を含有するヘテロアリール環を形成し、ここで該アリールもしくはヘテロアリール環は、非置換であるか1個もしくは複数のR基により置換されており;
または一緒になったとき、RとRは、NおよびSからなる群から選択された1個のヘテロ原子を場合によって含有し、非置換であるか1個もしくは複数のR基により置換されている飽和縮合5〜7員環を形成しており;
Rは、
ハロゲン、
ヒドロキシ、
アルキル、
ハロアルキル、
アルコキシ、および
−N(R
からなる群から選択され;
は、
水素、
アルキル、
アルコキシアルキレニル、
ヒドロキシアルキレニル、
ハロアルキレニル、および
−C(R)−O−C1〜4アルキレニル
からなる群から選択され;
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキレニル、アリールオキシアルキレニル、アルキルアリーレニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキレニル、ヘテロアリールオキシアルキレニル、アルキルヘテロアリーレニル、およびヘテロシクリルからなる群から選択され、ここで該アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキレニル、アリールオキシアルキレニル、アルキルアリーレニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキレニル、ヘテロアリールオキシアルキレニル、アルキルヘテロアリーレニル、およびヘテロシクリル基は、非置換であるか、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、シアノ、アリール、アリールオキシ、アリールアルキレンオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアルキレンオキシ、ヘテロシクリル、アミノ、アセチルアミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、(ジアルキルアミノ)アルキレンオキシ、またアルキル、アルケニル、アルキニル、およびヘテロシクリルの場合はオキソからなる群から独立に選択される1つまたは複数の置換基により置換されていることができ;
は、=Oおよび=Sからなる群から選択され;
は、水素、アルキル、アルコキシアルキレニル、およびアリールアルキレニルからなる群から選択され;
は、水素およびアルキルからなる群から選択され;
11は、水素、アルキル、ハロゲン、およびトリフルオロメチルからなる群から選択され;
Aは、−O−、−C(O)−、−S(O)0〜2−、−CH−、および−N(R)−からなる群から選択され;
Qは、結合、−C(R)−、−C(R)−C(R)−、−S(O)−、−C(R)−N(R)−W−、−S(O)−N(R)−、−C(R)−O−、および−C(R)−N(OR)−からなる群から選択され;
Vは、−C(R)−、−O−C(R)−、−N(R)−C(R)−、および−S(O)−からなる群から選択され;
Wは、結合、−C(O)−、および−S(O)−からなる群から選択され;
aおよびbは、独立に、a+bが≦7であることを条件として1から6までの整数であり;
は、
−C(O)−R’、
α−アミノアシル、
α−アミノアシル−α−アミノアシル、
−C(O)−O−R’、
−C(O)−N(R”)R’、
−C(=NY’)−R’、
−CH(OH)−C(O)−OY’、
−CH(OC1〜4アルキル)Y
−CH、および
−CH(CH)Y
からなる群から選択され;
R’およびR”は、C1〜10アルキル、C3〜7シクロアルキル、フェニル、およびベンジルからなる群から独立に選択され、そのそれぞれは、非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、C1〜6アルキル、C1〜4アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、アリール−C1〜4アルキレニル、ヘテロアリール−C1〜4アルキレニル、ハロ−C1〜4アルキレニル、ハロ−C1〜4アルコキシ、−O−C(O)−CH、−C(O)−O−CH、−C(O)−NH、−O−CH−C(O)−NH、−NH、および−S(O)−NHからなる群から独立に選択される1つまたは複数の置換基によって置換されていてもよく、但し、R”は、水素であることもでき;
α−アミノアシルは、ラセミ体のアミノ酸、D−アミノ酸およびL−アミノ酸からなる群から選択されたアミノ酸から誘導されたα−アミノアシル基であり;
Y’は、水素、C1〜6アルキル、およびベンジルからなる群から選択され;
は、C1〜6アルキル、カルボキシ−C1〜6アルキレニル、アミノ−C1〜4アルキレニル、モノ−N−C1〜6アルキルアミノ−C1〜4アルキレニル、およびジ−N,N−C1〜6アルキルアミノ−C1〜4アルキレニルからなる群から選択され;
は、モノ−N−C1〜6アルキルアミノ、ジ−N,N−C1〜6アルキルアミノ、モルホリン−4−イル、ピペリジン−1−イル、ピロリジン−1−イル、および4−C1〜4アルキルピペラジン−1−イルからなる群から選択される、
化合物または薬学的に受容可能なその塩。
【請求項7】
式XIV
【化25】

の化合物または薬学的に受容可能なその塩であって、ここで
Zは、
【化26】

からなる群から選択され;
mは、1から5までの整数であり;
およびRは、それぞれ独立に、
水素、
ハロゲン、
アルキル、
アルケニル、
アルコキシ、
アルキルチオ、および
−N(R
からなる群から選択され;
または一緒になったとき、RとRは、縮合アリール環もしくはNおよびSからなる群から選択された1個のヘテロ原子を含有するヘテロアリール環を形成し、ここで該アリールもしくはヘテロアリール環は、非置換であるか1個もしくは複数のR基により置換されており;
または一緒になったとき、RとRは、NおよびSからなる群から選択された1個のヘテロ原子を場合によって含有し、非置換であるか1個もしくは複数のR基により置換されている飽和縮合5〜7員環を形成しており;
Rは、
ハロゲン、
ヒドロキシ、
アルキル、
ハロアルキル、
アルコキシ、および
−N(R
からなる群から選択され;
は、
水素、
アルキル、
アルコキシアルキレニル、
ヒドロキシアルキレニル、
ハロアルキレニル、および
−C(R)−O−C1〜4アルキレニル
からなる群から選択され;
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキレニル、アリールオキシアルキレニル、アルキルアリーレニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキレニル、ヘテロアリールオキシアルキレニル、アルキルヘテロアリーレニル、およびヘテロシクリルからなる群から選択され、ここで該アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキレニル、アリールオキシアルキレニル、アルキルアリーレニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキレニル、ヘテロアリールオキシアルキレニル、アルキルヘテロアリーレニル、およびヘテロシクリル基は、非置換であるか、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、シアノ、アリール、アリールオキシ、アリールアルキレンオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアルキレンオキシ、ヘテロシクリル、アミノ、アセチルアミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、(ジアルキルアミノ)アルキレンオキシ、またアルキル、アルケニル、アルキニル、およびヘテロシクリルの場合はオキソからなる群から独立に選択される1つまたは複数の置換基により置換されていることができ;
は、=Oおよび=Sからなる群から選択され;
は、水素、アルキル、アルコキシアルキレニル、およびアリールアルキレニルからなる群から選択され;
は、水素およびアルキルからなる群から選択され;
11は、水素、アルキル、ハロゲン、およびトリフルオロメチルからなる群から選択され;
Qは、結合、−C(R)−、−C(R)−C(R)−、−S(O)−、−C(R)−N(R)−W−、−S(O)−N(R)−、−C(R)−O−、および−C(R)−N(OR)−からなる群から選択され;
Wは、結合、−C(O)−、および−S(O)−からなる群から選択され;
は、
−X−C(O)−R’、
α−アミノアシル、
α−アミノアシル−α−アミノアシル、
−X−C(O)−O−R’、
−C(O)−N(R”)R’、および
−S(O)−R’
からなる群から選択され;
は、結合、−CHO−、−CH(CH)−O−、−C(CH−O−からなる群から選択され、−X−C(O)−O−R’の場合は−CH−NH−であり;
R’およびR”は、C1〜10アルキル、C3〜7シクロアルキル、フェニル、およびベンジルからなる群から独立に選択され、そのそれぞれは、非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、C1〜6アルキル、C1〜4アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、アリール−C1〜4アルキレニル、ヘテロアリール−C1〜4アルキレニル、ハロ−C1〜4アルキレニル、ハロ−C1〜4アルコキシ、−O−C(O)−CH、−C(O)−O−CH、−C(O)−NH、−O−CH−C(O)−NH、−NH、および−S(O)−NHからなる群から独立に選択される1つまたは複数の置換基によって置換されていてもよく、但し、R”は、水素であることもでき;
α−アミノアシルは、ラセミ体のアミノ酸、D−アミノ酸およびL−アミノ酸からなる群から選択されたアミノ酸から誘導されたα−アミノアシル基である、
化合物または薬学的に受容可能なその塩。
【請求項8】
A’およびRB’が独立に水素またはアルキルである、請求項2に記載の化合物または塩。
【請求項9】
A’およびRB’が共にメチルである、請求項8に記載の化合物または塩。
【請求項10】
Rがヒドロキシである、請求項3または請求項4に記載の化合物または塩。
【請求項11】
nが0である、請求項3または請求項4に記載の化合物または塩。
【請求項12】
式VおよびVIII:
【化27】

または薬学的に受容可能なその塩からなる群から選択される、請求項5に記載の化合物または塩。
【請求項13】
pが0である、請求項5または請求項12に記載の化合物または塩。
【請求項14】
mが1から3までの整数である、請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の化合物または塩。
【請求項15】
mが1である、請求項14に記載の化合物または塩。
【請求項16】
Zが、結合およびC1〜3アルキレンからなる群から選択される、請求項1から請求項15のいずれか一項に記載の化合物または塩。
【請求項17】
Zが、
【化28】

からなる群から選択される、請求項1から請求項15のいずれか一項に記載の化合物または塩。
【請求項18】
Zが、
【化29】

である、請求項17に記載の化合物または塩。
【請求項19】
Zが、
【化30】

である、請求項17に記載の化合物または塩。
【請求項20】
Qが、−C(O)−、−C(O)−O−、−S(O)−、および−C(R)−N(R)−からなる群から選択される、請求項1から15、17、または19のいずれか一項に記載の化合物または塩。
【請求項21】
が、アルキル、アリール、アリールアルキレニル、ヘテロアリール、およびヘテロシクリルからなる群から選択され、ここで該アリール基は、非置換であるかアセチルアミノ、アルキル、アルコキシ、シアノ、およびハロゲンからなる群から独立に選択された1つまたは複数の置換基によって置換されていることができる、請求項20に記載の化合物または塩。
【請求項22】
Xが結合である、請求項1から6、請求項8から13、または、請求項7による場合を除く請求項14から21のいずれか一項に記載の化合物または塩。
【請求項23】
がヒドロキシおよびメトキシからなる群から選択される、請求項1から6、請求項8から13、または請求項7による場合を除く請求項14から21、または請求項22のいずれか一項に記載の化合物または塩。
【請求項24】
がフルオロである、請求項1から6、請求項8から13、または請求項7による場合を除く請求項14から21、または請求項22のいずれか一項に記載の化合物または塩。
【請求項25】
が、−NH、−NH−Q−R、−C(O)−NH、および−C(O)−N(R)−Rからなる群から選択され、
ここで:
Qは、−C(O)−、−S(O)−、−C(O)−O−、および−C(O)−NH−からなる群から選択され、
は、水素およびアルキルからなる群から選択され、
は、アルキルおよびアルコキシアルキレニルからなる群から選択される
請求項1から6、請求項8から13、または請求項7による場合を除く請求項14から21、または請求項22のいずれか一項に記載の化合物または塩。
【請求項26】
Zが
【化31】

であり、Xが結合であり、Rが水素である、請求項1から6、請求項8から13、請求項7による場合を除く請求項14または請求項15のいずれか一項に記載の化合物または塩。
【請求項27】
Zが
【化32】

であり、Xが結合であり、Rが水素である、請求項13または請求項3による場合の請求項11に記載の化合物または塩。
【請求項28】
が、C1〜4アルキル、C1〜4アルキル−O−C2〜4アルキレニル、およびヒドロキシC2〜4アルキレニルからなる群から選択される、請求項1から27のいずれか一項に記載の化合物または塩。
【請求項29】
が、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、2−メトキシエチル、および2−ヒドロキシエチルからなる群から選択される、請求項28に記載の化合物または塩。
【請求項30】
薬学的に受容可能な担体と組み合わせて請求項1から29のいずれか一項に記載の化合物または塩の治療有効量を含む医薬品組成物。
【請求項31】
動物におけるサイトカイン生合成を誘導する方法であって、請求項1から29のいずれか一項に記載の化合物もしくは塩または請求項30に記載の医薬品組成物の有効量を該動物に投与するステップを含む方法。
【請求項32】
治療を必要とする動物におけるウイルス性疾患を治療する方法であって、請求項1から29のいずれか一項に記載の化合物もしくは塩または請求項30に記載の医薬品組成物の治療有効量を、該動物に投与するステップを含む方法。
【請求項33】
治療を必要とする動物における腫瘍性疾患を治療する方法であって、請求項1から29のいずれか一項に記載の化合物もしくは塩または請求項30に記載の医薬品組成物の治療有効量を、該動物に投与するステップを含む方法。

【公表番号】特表2008−538550(P2008−538550A)
【公表日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−504494(P2008−504494)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【国際出願番号】PCT/US2006/012263
【国際公開番号】WO2006/107851
【国際公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【出願人】(508147669)コーリー ファーマシューティカル グループ,インコーポレイテッド (24)
【Fターム(参考)】