説明

ウェブに基づく物品の在庫管理

ウェブの検査およびこれに続く当該ウェブの一種以上の製品への加工を制御する技術を記載している。システムは例えば、撮像装置と、解析用コンピュータと、加工制御システムと、を含んでいる。撮像装置は、ウェブの一連の部分を撮像してデジタル情報を提供する。解析用コンピュータは、初期アルゴリズムを用いてデジタル情報を処理し、異常を含むウェブ上の領域を識別する。加工制御システムは、ウェブを製品に加工すべく複数の加工拠点の一つを選択し、少なくとも一つの後続アルゴリズムを用いてデジタル情報の少なくとも一部を解析して、製品向けウェブにおいてどの異常が実際の欠陥を表わすかを決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシステムの自動検査に関し、より具体的には、連続的に移動するウェブの光学的検査に関する。
【背景技術】
【0002】
移動するウェブ材を解析するための検査システムは、近代的な製造工程において必須であることがわかっている。金属加工、紙、不織布、およびフィルム等の広範な産業では、製品保証およびオンライン工程監視の両面から、これらの検査システムに依存している。産業界における主要な問題の一つは、現在の製造工程に追随するために必要とされる極めて高いデータ処理速度に関係している。商業的に競争力のある幅、通常用いられるウェブ速度、および通常必要とされるピクセル・サイズを有するウェブ用に、検査システムには毎秒数十ないし数百メガバイトのデータ取得速度が要求される。このようなデータ速度で画像を処理して欠陥の検知を正確に行なうことは永続的な課題である。
【0003】
当分野ではこのジレンマに対し、画像処理を極めて簡単なアルゴリズムに限定することにより、検知アルゴリズムの範囲および複雑さを制限することにより、および各々がデータストリームの一部に作用する特注電子ハードウェアまたは専用プリプロセッサを組み込んだ特注検査システム・アーキテクチャを用いることにより応えてきた。このようなシステムは、移動するウェブの検査に要求されるデータ速度を実現することはできるものの、新規な製造工程およびウェブ材にシステムを適合させることは極めて困難である。また、処理アルゴリズムは、専用処理モジュールの能力に制約される。最後に、画像処理アルゴリズムが複雑になるにつれて、要求される処理の実行に必要なハードウェアの管理が急激に困難になる。
【0004】
製造業では、製品を「ジャストインタイム」に生産できることの重要性が、在庫圧縮という明らかな利点と合わせて認識されている。しかし、この目標を実現するには往々にして、製造業者が、多様な製品の加工を迅速に行なえるシステムおよび装置の開発に注力しなければならない。製品の迅速な加工は、移動するウェブの光学検査技術によって現在必要とされている専用の信号処理ハードウェアとは相容れない。
【0005】
所与の製品が後で多くの用途に利用され、その多くの用途で各々異なる品質水準が要求されるような場合に、別のジレンマが生じる。問題は、製造期間中は、どの品質水準が要求されるかが不明な点である。従って、現在の技術は、抽出された欠陥の空間的特徴に基づいて、各種の欠陥分類技術を用いて欠陥を検知した後で品質水準の等級付けを試みる。これは、異なる品質要求に対する欠陥水準同士に顕著な相違がある場合には時として十分であるが、欠陥同士の微妙な相違に対応して異なる画像処理や欠陥抽出アルゴリズムが必要なより厳密な状況には適していない。このように、分類するために欠陥が抽出されるまで待ったならば、情報が失われて分類が不可能になる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は移動するウェブの自動検査技術に関する。検査システムは、例えば、光学的取得装置を用いてウェブの異常情報を取得し、第一の、通常は荒削りなアルゴリズムを用いて予備検査を実行する。異常を含むウェブの領域に関する画像情報が後続する処理のために保存されるが、その際に、異常のあるものは欠陥であるが多くの場合は「偽陽性」、すなわち欠陥ではない異常である可能性を受容している。実際、ウェブを特定の製品用途に使用する場合、ある異常領域は最終的に欠陥として分類されるが、ウェブを別の用途で使用する場合には欠陥でないと見なされる可能性がある。
【0007】
原異常情報は、都合の良い時間、たとえ検査済みのウェブがロールに巻き取られた後で利用できない場合であっても、再検討して完全に解析することができる。その結果、ウェブの表面全体に詳細な解析を施す場合よりも、検査中のウェブの移動速度をはるかに速めることができる。
【0008】
さらに、加工決定は、元の異常情報を取得して保存した後に、オフラインで行なうことができる。例えば、加工制御システムは、その後でウェブを1種類以上の製品に加工することの加工拠点を選択する。加工制御システムは、地理的に分散した複数の利用可能な加工拠点の中から、各種の加工拠点における現在の製品在庫水準等、1個以上の「拠点選択パラメータ」に基づいて、加工拠点を選択することができる。
【0009】
拠点選択処理に影響を与えるべく用いることができる拠点選択パラメータの他の例として、各種の加工拠点における各製品に関連付けられた注文情報、加工拠点の地理的領域内で生じている現在の製品需要水準、加工拠点の各々に関連付けられた出荷コストおよび輸送オプション、および加工拠点における任意の時間制約的な注文等が含まれる。
【0010】
他の例として、各加工拠点に関連付けられた顧客を記述する情報、例えばどの加工拠点サービスが好まれるか、または新規顧客に関する情報が含まれる。別の例として、異なる加工拠点における工程ラインの現在の設備能力を記述する情報、および異なる加工拠点においてウェブを加工するために要する工程時間が含まれる。加工制御システムはこれらの、または別の拠点選択パラメータの任意のものを個別にまたは組み合わせて用いることにより、ウェブロールを加工する加工拠点を選択することができる。
【0011】
加工制御システムは、続いて原画像情報を再検討して、異常から真の欠陥を効果的に分離すべく、画像情報に対し各種のより詳細な画像処理および欠陥抽出アルゴリズムのうち少なくとも一つを施す。加工制御システムは次いで欠陥情報を用いて、選択された加工拠点においてウェブを最終的に製品に加工する仕方を制御する。
【0012】
具体的には、加工制御システムは画像処理および欠陥抽出アルゴリズムを適用して、指定された製品、すなわちウェブを加工することができる製品に関する欠陥情報を生成する。加工制御システムは次いで、ウェブロールの指定製品への加工に用いるべく欠陥情報を選択された加工拠点へ伝達する。
【0013】
一実施形態におけるシステムは、撮像装置、解析用コンピュータ、および加工制御システムを含んでいる。撮像装置は、ウェブの一連の部分を撮像してデジタル情報を提供する。解析用コンピュータは、初期アルゴリズムによりデジタル情報を処理して、異常を含むウェブ上の領域を識別する。加工制御システムは、複数の加工拠点の中から1個を選択してウェブを製品に加工し、少なくとも一つの後続アルゴリズムにより少なくとも一部のデジタル情報を解析して、製品向けのウェブにおいてどの異常が実際の欠陥を表わすかを決定する。
【0014】
別の実施形態における方法は、ウェブの一連の部分を撮像してデジタル情報を提供し、少なくとも一つの初期アルゴリズムによりデジタル情報を処理して、異常を含むウェブ上の領域を識別するステップを含んでいる。本方法は更に、ウェブを製品に加工すべく複数の加工拠点の一つを選択するステップと、デジタル情報の少なくとも一部を複数の後続アルゴリズムにより解析して、複数の異なる製品向けのウェブにおいてどの異常が実際の欠陥を表わすかを決定するステップと、決定された実際の欠陥に基づいて、選択された加工拠点においてウェブを製品に加工するステップとを含んでいる。
【0015】
別の実施形態における加工制御システムは、規則の組を規定するデータを保存するデータベースと、解析機から異常情報を受信するインターフェースと、を含んでいる。異常情報は、異常を含むウェブの領域を識別する。当該加工制御システムは、ウェブを製品に加工すべく複数の加工拠点の一つを選択する加工制御エンジンを含んでいる。当該加工制御エンジンは、少なくとも一つの後続アルゴリズムによりデジタル情報の少なくとも一部を解析して、製品向けのウェブにおいてどの異常が実際の欠陥を表わすかを決定する。
【0016】
別の実施形態におけるコンピュータ可読媒体は、プロセッサに指示して、規則の組を規定するデータを保存させ、製造工場内に配置された解析機から異常情報、すなわち異常を含むウェブの領域を識別する異常情報を受信させ、規則を適用してウェブを製品に加工すべく複数の加工拠点の一つを選択させる命令を含んでいる。
【0017】
本発明は、一つ以上の利点をもたらす。例えば、後続する解析のために異常情報を取得して保存することにより、用途固有の欠陥検知方法を適用できるため、欠陥検知能力を向上させることができる。更に、当該技術により所与のロールまたはウェブの加工決定を1個以上のパラメータ、例えば可能な加工拠点における在庫水準、加工拠点における製品需要、出荷コスト、出荷オプション、未着手の注文、拠点および工程ライン使用率、加工時間、顧客情報その他のパラメータに基づいて行なうことができる。
【0018】
本発明の一つ以上の実施形態の詳細を、添付の図面および以下の記述により開示する。本発明の他の特徴、目的、および利点は、記述および図面、並びに特許請求の範囲から明らかになる。
【0019】
定義
本発明の目的を達成するために、本出願で使用する以下の用語を以下の通りに定義する。
「ウェブ」とは、一方向へ固定された寸法を有し、これと直交する方向へ所定の、または未定の長さを有する材料のシートを意味する。
「連続的」とは、画像が単一のラインの連なりにより、またはセンサ要素(ピクセル)の単一の行に光学的にマッピングされるウェブの領域により形成されることを意味する。
「ピクセル」とは、1個以上のデジタル値により表現される画素を意味する。
「ブロブ」とは、バイナリ画像内で連結したピクセルの集合を意味する。
「欠陥」とは、製品における望ましくない事象を意味する。
「異常」または「異常群」とは、正常な製品からの逸脱であって、その特徴と重大性に応じて欠陥であるかまたは欠陥ではないものを意味する。
「グレイスケール」とは、複数の可能な値、例えば256個のデジタル値を有するピクセル群を意味する。
「2値化」とは、ピクセルをバイナリ値に変換する演算である。
「フィルタ」とは、入力画像を所望の出力画像への数学的変換であり、フィルタは通常、画像内で望まれる特性のコントラストを強調するために用いる。
「用途固有の」とは、ウェブの意図する利用に基いて要件、例えば等級水準を規定することを意味する。
「歩留まり」は、材料の百分率、製品の単位数量やその他何らかの方法で表わされるウェブの使用率を表現する。
「基準マーク」とは、ウェブ上の特定の物理的位置を規定すべく用いられる基準点または表記である。
「製品」とは、ウェブから生産される個々のシート(部品とも呼ぶ)であり、例えば携帯電話のディスプレイまたはテレビ画面用の長方形フィルムのシートである。
「加工」とは、ウェブを物理的に切断して製品にする工程である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は、加工制御システム4がウェブ材の加工を制御する大域的ネットワーク環境2を示すブロック図である。より具体的には、ウェブ製造工場6A〜6Nは、ウェブ材をウェブロール10の形状で生産して出荷する製造拠点を表わす。ウェブ製造工場6A〜6Nは、地理的に分散していてもよい。
【0021】
製造されたウェブ材は、一方向へ固定された寸法を有し、これに直交する方向へ所定または未定の長さを有する任意のシート状の材料も含んでいてよい。ウェブ材の例として、金属、紙、織布、不織布、ガラス、ポリマーフィルム、フレキシブル回路、またはこれらの組合せが含まれるがこれに限定されない。金属は、鉄またはアルミニウム等の材料を含んでいてよい。織布には、一般に各種の布地が含まれる。不織布には、紙、フィルタ媒体、または絶縁材料等の材料が含まれる。フィルムには、例えば、ラミネートおよびコーティング処理フィルムを含む透明および不透明なポリマーフィルムが含まれる。
【0022】
多くの用途向けに、ウェブロール10のウェブ材にはコーティングが施されており、これらは一般にベース・ウェブ材の露出面に施されている。コーティングの例として、接着剤、光学密度コーティング、低接着性裏面コーティング、金属コーティング、光学活性コーティング、導電性または非導電性コーティング、あるいはこれらの組合せが含まれる。コーティングは、ウェブ材の少なくとも一部にまたはベースとなるウェブ材の表面全体を覆うように施されていてよい。更に、ウェブ材はパターン化されていても、あるいはパターン化されていなくてもよい。
【0023】
ウェブロール10は加工拠点8A〜8Nへ出荷される。これらの拠点は異なる国に地理的に分散していてもよい。加工拠点8A〜8N(「加工拠点8」)は、各ウェブロール10を一種以上の製品に加工する。具体的には、加工拠点8の各々は、所与のウェブロール10のウェブを、製品12A〜12Nとして示す多くの個別シート、個別部品、または多数のウェブロールに物理的に切断する1個以上の工程ラインを含んでいる。一例として、加工拠点8Aは、フィルムのウェブロール10を携帯電話のディスプレイやコンピュータのモニタ用途向けに、個々のシートに加工することができる。同様に、ウェブ材の他の形状は、顧客14A〜14Nが意図する用途に応じて、異なる形状や大きさの製品12に加工することができる。各々の加工拠点8は異なる種類のウェブロール10を受け入れることができ、各々の加工拠点は加工拠点の位置および顧客14の特定のニーズに応じて異なる製品12を生産することができる。
【0024】
加工制御システム4は、自動的または半自動的に、各種の加工拠点における現在の製品在庫水準等、1個以上の拠点選択パラメータに基づいて、ウェブロール10を加工する加工拠点8を選択する。加工制御システム4は、各種の加工拠点8における各製品12に関連付けられた注文情報、加工拠点がサービスを行なう地理的領域内で生じている現在の製品需要、各加工拠点に関連付けられた出荷コストや輸送オプション、および加工拠点で未着手の時間制約のある注文等、他の拠点選択パラメータを利用することができる。
【0025】
加工制御システム4が用いることができる拠点選択パラメータの他の例として、各加工拠点8に関連付けられた顧客14を記述する、例えばどの加工拠点サービスが好まれるか、または新規顧客に関するパラメータが含まれる。別の例として、加工拠点8における工程ラインの現在の設備能力、異なる加工拠点でウェブロール10の加工に要する工程時間が含まれる。加工制御システム14は、これらまたは他の拠点選択パラメータの任意のものを独立にまたは組み合わせて用いて、ウェブロール10の加工に特定の加工拠点8を選択することができる。
【0026】
本明細書で詳述するように、各々のウェブ製造工場6は、生成されたウェブの異常情報を取得する一つ以上の検査システム(図1に示さない)を含んでいる。ウェブ製造工場6の検査システムは、第一の、通常は余り洗練されていないアルゴリズムを用いて製造過程で生じた異常を識別し、異常のあるものは欠陥であると判明するものの、多くは「偽陽性」すなわち欠陥ではない異常であり得る可能性を受容しながら、ウェブの予備検査を実行する。実際に、製品12は、品質水準とも呼ばれる異なる等級水準を有し、製造異常に対して異なる許容度を有する。その結果、異常領域のあるものは、対応するウェブロール10が特定の製品12に加工された場合は最終的に欠陥として分類されるが、ウェブロールが異なる製品に加工された場合には欠陥ではないとされる。
【0027】
ウェブ製造工場6は、後続する処理のためにネットワーク9を介して加工制御システム4へ異常を含んでいるウェブの領域に関する画像情報を伝達する。加工制御システム4は、アプリケーション固有すなわち製品12に固有である一つ以上の欠陥検知アルゴリズムを適用して、各々のウェブロール10の加工計画すなわちウェブロールを加工すべく規定された命令を生成する。加工制御システム4は、ウェブロールを製品12へ加工する際に用いるべく、ネットワーク9を介して適切な加工拠点8へウェブロール10の加工計画を伝達する。
【0028】
このように、加工制御システム4は、1個以上のパラメータに基づいて加工拠点8を選択し、ウェブロール10を最終的に製品12に加工するよう指示する。以下に示すように、これらの拠点選択パラメータはユーザー選択可能であっても、または重み付き関数その他の技術を用いて独立に、または集合的に適用してもよい。
【0029】
図2は、図1のウェブ製造工場6Aの例証的な実施形態を示すブロック図である。本実施形態において、ウェブ20の部分が2個の支持ロール22、24の間に配置されている。
【0030】
画像取得装置26A〜26Nが連続的に移動するウェブ20に近接して配置されている。画像取得装置26は、連続的に移動するウェブ20の一連の部分を走査して画像データを取得する。取得用コンピュータ27は、画像取得装置26から画像データを収集し、予備解析のために画像データを解析用コンピュータ28へ送信する。
【0031】
画像取得装置26は、移動するウェブ20の一連の部分を読み込んで、デジタル・データ・ストリームの形式で出力を提供することが可能な従来の撮像装置であってよい。図2に示すように、撮像装置26は直接デジタル・データ・ストリームを提供するカメラであっても、あるいはアナログ/デジタル変換器を追加したアナログ・カメラであってもよい。例えばレーザスキャナ等の他のセンサを撮像装置として用いてもよい。ウェブの一連の部分は、データが連続する単一ライン群により取得されたことを示す。単一ライン群は連続的に移動するウェブの領域で、センサ要素またはピクセルの単一の行に光学的にマッピングするものを含んでいる。画像の取得に適した装置の例として、カリフォルニア州サニーヴェール(Sunnyvale,Calif.)のパーキン・エルマー社(Perkin Elmer)のModel#LD21、カナダ、オンタリオ州、ウォータールー(Waterloo,Ontario,Canada)のダルサ社(Dalsa)のPiranha Models、あるいはニュージャージー州トタワ(Totawa,N.J.)のトンプソン−CSF社(Thompson−CSF)のModel#TH78H15等のライン走査カメラが含まれる。その他の例として、アナログ/デジタル変換器と組み合わせた、ドイツ、ミュンヘン(Munich,Germany)のサーフェイス・インスペクション・システムズ(Surface Inspection Systems)GmbHのレーザスキャナが含まれる。
【0032】
画像は、画像の取得を支援する光学アセンブリの利用を通じて、任意に取得することができる。これらのアセンブリは、カメラのいずれの一部でもあっても、あるいはカメラとは別のものであってもよい。光学アセンブリは、撮像処理を行なう間、反射光、透過光、または透過反射光を利用する。反射光は多くの場合、例えば、表層かき傷等、ウェブ表面の変形により生じた欠陥の検知に適している。
【0033】
バーコード・コントローラ30は、バーコード・リーダー29を制御してウェブ20からのロールおよび位置情報を入力する。バーコード・コントローラ30は、ロールおよび位置情報を解析用コンピュータ28へ伝達する。
【0034】
解析用コンピュータ28は、取得用コンピュータ27からの画像ストリームを処理する。解析用コンピュータ28は、一種以上の初期アルゴリズムによりデジタル情報を処理して、最終的に欠陥と見なされ得る異常を含むウェブ20の任意の領域を識別する異常情報を生成する。各々の識別された異常に対して、解析用コンピュータ28は画像データから、異常および恐らくはウェブ20の周囲部分を包含する画素データを含む異常画像を抽出する。
【0035】
解析用コンピュータ28は、ロール情報、位置情報、および異常情報をデータベース32内に保存する。データベース32は、データ保存ファイルまたは1個以上のデータベース・サーバ上で稼動している1個以上のデータベース管理システム(DBMS)を含む多くの異なる形式の任意のものにより実装されていてよい。データベース管理システムは例えば、関係型(RDBMS)、階層型(HDBMS)、多次元(MDBMS)、オブジェクト指向(ODBMSまたはOODBMS)、あるいはオブジェクト関係型(ORDBMS)データベース管理システムであってよい。一例として、データベース32はマイクロソフト社のSQL Server(登録商標)により提供される関係型データベースとして実装されている。
【0036】
解析用コンピュータ28は、ロール情報と共に異常情報および各々の部分画像を、後続するオフラインによる詳細解析のために加工制御システム4へ伝達する。例えば、情報はデータベース32と加工制御システム4の間でデータベース同期化により伝達されてもよい。
【0037】
図3は、ウェブ製造工場6Aの例証的な動作を示すフロー図である。最初に、画像取得装置26および取得用コンピュータ27が、移動するウェブ20から画像データを取得する(40)。画像データは、例えばデジタル・ビデオ・カメラによりデジタル的に形成されても、あるいはデジタル情報に加工されてもよい(42)。いずれの場合、取得用コンピュータ27は、解析用コンピュータ28へデジタル画像情報のストリームを出力する(44)。
【0038】
解析用コンピュータ28は、異常を含むウェブ領域を識別すべく、初期異常検知アルゴリズムを適用する(46)。いくつかの好都合な実施形態において、初期異常検知アルゴリズムは、たとえ移動するウェブ20のライン速度が速くても、汎用計算装置によりリアルタイムに実行できるよう、極めて高速である。その結果、異常を含むと識別された領域のあるものは「偽陽性」を含んでいる場合がある。たとえ多くの偽陽性が出現するにせよ、初期アルゴリズムは好適には、「見逃し」すなわち真の欠陥が異常として検知されないことが極めて稀であるように設計されている。
【0039】
初期異常検知アルゴリズムが適用されたならば、解析用コンピュータ28は、識別された領域に関する異常データを集めて、データベース32内に当該異常データを保存する(48)。このデータは通常、ウェブ内における異常の開始位置および識別された各々の領域に対応するピクセル領域を含んでいる。この処理を行なう間、解析用コンピュータ28は、異常を含む各々の識別された領域に対する画像データの部分を抽出する(50)。具体的には、加工制御システム4による更により高度な解析を行なうために、原デジタル画像情報の一部だけを抽出すればよい。識別された領域は通常、例えば、バイト単位のファイル・サイズ等の任意の好都合な尺度で表わすデジタル情報よりも少なくとも1桁小さい情報を含んでいる。いくつかの用途において、本発明は実際にデータ量が3〜8桁の範囲で削減されることを示した。
【0040】
抽出された異常画像は、データベース32またはファイル・サーバ(図示せず)に保存され(52)、続いて異常およびロール情報と共に加工制御システム4へ伝達されてよい(54)。あるいは、ロール情報、異常情報、および異常画像は、加工制御システム4へ直接転送されて処理されてもよい。
【0041】
図4は、加工制御システム4の例証的な実施形態をより詳細に示すブロック図である。例証的な実施形態において、アプリケーション・サーバ58はソフトウェア・モジュール61の動作環境を提供する。ソフトウェア・モジュールには、複数の欠陥処理モジュール60A〜60M、ユーザー・インターフェース・モジュール62、および加工制御エンジン64が含まれている。
【0042】
ソフトウェア・モジュール61は、データベース70と対話してデータ72にアクセスする。データ72には、異常データ72A、ロール・データ72B、画像データ72C、製品データ72D、加工拠点データ72E、欠陥マップ72F、合成欠陥マップ72G、加工制御規則72H、および加工計画72Iが含まれていてよい。
【0043】
データベース70は、1個以上のデータベース・サーバで稼動しているデータ保存ファイルまたは1個以上のデータベース管理システム(DBMS)を含む多くの異なる形式の任意のものにより実装されていてよい。一例として、データベース32はマイクロソフト社のSQL Server(登録商標)により提供される関係型データベースとして実装されている。
【0044】
異常データ72A、ロール・データ72B、および画像データ72Cは、ウェブ製造工場6(図1)から受信したロール情報、異常情報、および各々の異常画像を表わす。製品データ72Dは、製品12(図1)に関連付けられたデータを表わす。より具体的には、製品データ72Dは、各々の加工拠点8により生産可能な製品12の各種類を規定する。各製品12に対して、製品データ72Dは、所与のウェブロール10が特定の製品の品質要求を満たすか否かを決定するために必要な1個以上の欠陥処理モジュール60を指定する。換言すれば、製品データ72Dは、各製品12について異常データ72Aおよび画像データ72Cを解析するために用いる1個以上の欠陥処理モジュール60を指定する。
【0045】
また、製品データ72Dは製品12に関連する他の情報を保存し、これを加工制御システム4がウェブロール10に対して加工拠点8を選択して加工計画を作成する際に利用できる。例えば、製品データ72Dは更に、各製品12の単位当たりの推定売上を指定するデータを含んでいてよい。製品データ72Dはまた、各製品12の単位当たり推定収入、ウェブロールの各製品への加工に要する推定加工時間、各製品の業界需要の現在の水準、あるいは加工計画の選択に役立つ他のデータを含んでいてよい。
【0046】
加工拠点データ72Eは、加工拠点8に関連付けられたデータを表わす。例えば、加工拠点データ72Eは、加工拠点8の各々について拠点位置、工程ラインの数、および各工程ラインの現在利用可能な能力を保存することができる。加工拠点データ72Eは他のデータを保存することができ、当該データには各加工拠点8における各製品12の現在の在庫水準、各加工拠点へのウェブロールの出荷に関連付けられた出荷コスト、各加工拠点で利用可能な出荷オプション、各加工拠点で受信した顧客14からの現在の注文情報、各加工拠点にとっての新規または好適な顧客を指定するデータ、および加工計画の選択に役立ち得る他のデータが含まれるがこれに限定されない。
【0047】
加工制御エンジン64は加工拠点データ72Eを用いて、各々のウェブロール10の加工に使用する各加工拠点8を、加工制御規則72Hに従い選択する。例えば、加工制御エンジン64は加工制御規則72Hに基づいて、現在の在庫水準その他の拠点選択パラメータに基づいて、加工拠点8を選択することができる。加工制御規則72Hは、加工制御エンジン64が加工拠点8を選択する際に考慮すべき1個以上の拠点選択パラメータを指定する。加工制御エンジン64は、指定された拠点選択パラメータに基づいて、加工拠点データ72Eから適切なデータを検索して、加工拠点8を選択する。
【0048】
欠陥処理モジュール60は、異なる製品12について、どの異常が実際の欠陥であると見なせるかを指定する欠陥マップ72Fを出力する。換言すれば、各々の欠陥マップ72Fは、特定のウェブロール10および特定の製品12に対応する。各々の欠陥マップ72Fは、対応する製品12の製品固有な要件に基づいて特定のウェブロール10の特定の欠陥位置を指定する。
【0049】
加工制御エンジン64は欠陥マップ72Fを解析して、ウェブロール10の各々を加工する最終製品または製品群を選択する。所与のウェブロール10に対して特定の拠点8および製品または製品の組を選択したならば、加工制御エンジン64は各々の加工計画72Iを作成する。各々の加工計画72Iは、各々のウェブロールを出荷および処理すべく正確な指示を与える。より具体的には、各々の加工計画72Iは、特定の加工拠点8を識別して、ウェブを個々の製品シートに物理的に裁断する工程レーンの構成を識別する。加工制御システム4は、加工計画に基づいて、各々の宛先加工拠点8へ向けて各々のウェブロール10を出荷する旨の出荷命令を出力する。更に、加工制御システム4は、ウェブロールを選択された製品の加工する際に利用すべく、ネットワーク9を介して加工計画72Iを適切な加工拠点8へ伝達する。
【0050】
ユーザー・インターフェース・モジュール62は、加工制御エンジン64が用いる拠点選択パラメータをユーザーが設定できるインターフェースを提供する。例えば、以下に示すように、ユーザー・インターフェース・モジュール62により、各種の拠点選択パラメータの1個以上を考慮するよう、ユーザーが加工制御エンジン64に指示することができる。そのような例として、各加工拠点8に関連付けられた現在の在庫水準、注文情報、製品需要、出荷コスト、および輸送オプション、加工拠点で未着手の時間制約のある全ての注文を指定するデータ、好ましいまたは新規顧客を記述するデータ、現在の設備および拠点能力および工程時間等が含まれる。
【0051】
図5は、ユーザーが加工制御エンジン64を設定すべく対話するユーザー・インターフェース・モジュール62が提示する例証的なユーザー・インターフェース80である。例証的なインターフェース80として、ユーザーがウェブロールの一意な識別子を入力する入力機構82が含まれる。ドロップダウン・メニュー、検索機能、最近製造されたロールの選択可能なリスト等、ロールを選択するための他の機構を用いてもよい。
【0052】
また、ユーザー・インターフェース80は、加工制御エンジン64が加工拠点8を選択して推奨加工計画を作成する際に考慮すべき1個以上の拠点選択パラメータをユーザーが選択できる複数の入力機構86〜92を提供する。本例では、ユーザー・インターフェース80は、加工拠点における現在の在庫水準に基づいて加工拠点8を選択するよう加工制御エンジン64に指示する第一の入力選択機構86を含んでいる。
【0053】
入力機構88は、各加工拠点8に関連付けられた注文情報(例:バックオーダーの数量)に基づいて、加工拠点8の一つを加工制御エンジン64に選択させる。同様に、入力機構90は、各加工拠点が担当する地理的領域内で生じている現在の製品需要に基づいて、加工制御エンジン64に加工拠点8の一つを選択させる。入力機構92は、出荷および処理時間を含む、ウェブロールの加工に要する合計時間を最短にすべく、加工制御エンジン64に加工拠点8の1つを選択させる。
【0054】
ユーザーは、1個以上のパラメータを選択したならば、送信ボタン98を選択することにより、加工制御システム4に指示して、選択された拠点選択パラメータに基づいて加工拠点8の一つを選択させ、選択されたウェブロールを欠陥処理モジュール60により処理して対応する加工計画を出力させる。
【0055】
このように、ユーザー・インターフェース80は、加工制御エンジン64が1個以上の拠点選択パラメータを用いるようにユーザーが設定できる仕方を簡潔に説明する。ユーザー・インターフェース80は、ユーザーに対し、入力機構86〜92のうち1個、且つ1個だけを選択することを求めるようにできる。あるいは、ユーザー・インターフェース80は、ユーザーに対し、入力機構86〜92の1個以上を組み合わせて用いるべく選択することを求めてもよい。
【0056】
図6に、ユーザー・インターフェース・モジュール62が提示する別の例証的なユーザー・インターフェース100を示す。本例では、例証的なインターフェース100は、ユーザーが各々のパラメータに対して各々の重み付け関数を入力する入力機構102〜108を含んでいる。具体的には、本例では入力機構102〜108により、ユーザーは各々のパラメータに対して0〜100の範囲の重み付け関数を入力することができ、ここに0は加工制御エンジン64にパラメータを除外するように指示し、100は可能な最大の重みを表わす。
【0057】
所与のウェブロール10に対して加工拠点8を選択する際に、加工制御エンジン64は拠点データ72Eを変換して、各々の拠点選択パラメータ、すなわち各々の候補加工拠点における在庫水準、現在の注文、需要水準および加工時間の値を決定する。下記により詳しく述べるように、加工制御エンジン64は次いで、各加工拠点8向けの各々の拠点選択パラメータの計算結果を正規化し、次いで正規化された結果から重み付きの値を計算することができる。最後に、加工制御エンジン64は、重み付き値の関数(例:合計)として加工拠点8を選択する。加工制御システム4がウェブロール10に対する加工拠点8を選択する際に複数のパラメータを用いる、他の技術を利用してもよい。
【0058】
図7は、加工制御システム4による異常情報の処理をより詳細に示すフロー図である。特に、図7は、欠陥処理モジュール60による異常データ72Aおよび画像データ72Cの処理を示す。
【0059】
加工制御システム4は、簡単な第一の検知アルゴリズムを用いて、ウェブ製造工場6に配置された解析用コンピュータ28により最初にウェブ20から抽出された画像144、146等の画像および異常データを受信する。
【0060】
図7に示すように、欠陥処理モジュール60は、製品12に対して、最大N種の異なる要件150の必要に応じて、「M」個の異なるアルゴリズム(図7にA1〜Am158で示す)を適用する。図7の相互参照表152を用いて、要件150と欠陥処理モジュール60の間のマッピングを示す。具体的には、相互参照表152は、所与の要件150に対して各々の異常が欠陥であるか擬陽性であるかの決定にどの欠陥処理モジュール60を使用しているかを示す。
【0061】
いくつかの実施形態において、多くのより簡単なアルゴリズムが並行して好都合に用いられている。特に、後続の欠陥処理モジュール60の少なくとも1個が、各々の異常と組合せ閾値−ピクセル・サイズ基準との比較を含むアルゴリズムを適用すれば好都合なことが多い。例えば、光学フィルム等の実際の使用に際して、面積が大きい場合、目標と明度値の差異がごく僅かしかなくてもその異常は受容できず、たとえ面積が極めて小さい場合でも、明度の目標値との差異が大きい異常も受容できない。
【0062】
さらに、欠陥処理モジュール60が適用するアルゴリズムは、近隣平均化、近隣ランク付け、コントラスト拡張、各種の単項および2項画像操作、ラプラシアン・フィルタ等のデジタル・フィルタリング、ソーベル演算子、高域通過フィルタリングおよび低域通過フィルタリング、テクスチャ解析、フラクタル解析、フーリエ処理およびウェーブレット変換等の周波数処理、畳み込み、形態素処理、閾値化、連結成分解析、ブロブ処理、ブロブ分類またはこれらの組合せを含むがこれに限定されない、極めて複雑な画像処理および欠陥抽出を組み込んでいてよい。欠陥検知の所望の精度水準を達成すべく、特定のウェブおよび欠陥種類に基づく他のアルゴリズムを適用してもよい。
【0063】
N種の製品要件150の各々は、個々の欠陥処理アルゴリズム158の選択された組合せを用いて実現することができる。これらのアルゴリズムは、極めて簡単な閾値および最小限のブロブ処理を用いても、あるいは空間フィルタ、形態素演算、周波数フィルタ、ウェーブレット処理または他の任意の公知の画像処理アルゴリズム等のより複雑なアルゴリズムを用いてもよい。この例証的な相互参照表152において、製品要件R1はアルゴリズムA2、A4、およびAMの組合せを用い、その各々をどの異常がR1における実際の欠陥であるかを決定すべく全ての異常画像に適用する。大多数の好都合な実施形態において、単純なOR論理、すなわちA2、A4、およびAMのいずれかが当該異常を実際の欠陥として指摘したならば、ウェブ20の当該部分は製品要件R1を満たさない。指定された用途において、製品要件150が満たされているか否かの決定に後続のアルゴリズム158の指摘を組み合わせた論理は単純なOR論理よりも複雑であってよい。同様に、製品要件R2は、A2、A3、およびA4等を用いる。このように、R2における欠陥として識別された異常は、R1における欠陥と類似している場合も、あるいは大幅に異なっている場合もある。
【0064】
相互参照表152を用いてどの異常が実際の欠陥であると見なされるかを決定した後で、加工制御エンジン64は、当該ロールの各種の製品要件に対応する実際の欠陥位置の欠陥マップ72Fをつくる。ある状況において、加工制御エンジン64は、欠陥マップ72Fの1個以上の部分を継ぎ合わせることにより1個以上の合成欠陥マップ72Gを作成することができる。この図に示す例において、加工制御エンジン64は、第一の製品要件向けに欠陥マップから継ぎ合わせた第一の部分160(MAP−R1)および第二の製品要件向けに欠陥マップから継ぎ合わせた第二の部分162(MAP−R2)を有する合成マップ72G作成する。このように、加工制御エンジン64は、ウェブの特定部分が異なる製品に加工されるならば当該ウェブが最適に利用できるものと決定することができる。これが実現すれば、必要な記憶媒体を最小限に抑えるべく部分画像情報を廃棄できる場合が多い。
【0065】
欠陥処理モジュール60により適用される画像処理および異常検知アルゴリズムの後続する適用の更なる詳細は、本明細書に全文を引用している同一出願人による、同時係属の米国特許出願第10/669,197号明細書(2003年4月24日出願、代理人整理番号58695US002)「自動化されたウェブ検査装置および方法(APPARATUS AND METHOD FOR AUTOMATED WEB INSPECTION)」に記載されている。
【0066】
図8は、加工制御エンジン64が単一の拠点選択パラメータを用いて所与のウェブロール10に対する加工拠点8を選択する一つの例証的な方法を示すフロー図である。本例では、加工制御エンジン64は拠点選択パラメータとして在庫水準を利用するが、他の拠点選択パラメータを同様の仕方で用いてもよい。
【0067】
最初に、加工制御エンジン64は、ウェブロール10を加工することができる候補製品12の組を識別する(200)。例えば、いくつかのウェブロール10は、製品12の部分集合だけに加工すべく適している場合がある。次に、加工制御エンジン64は、任意の1個以上の識別された製品12に対応する加工拠点8の組を決定する(201)。
【0068】
加工制御エンジン64は次いで、在庫水準に基づいて加工拠点8および加工拠点8の識別された組からの製品を選択する(202)。例えば、加工制御エンジン64は、加工拠点データ72Eにアクセスして、識別された加工拠点8について各々の候補製品の在庫データを検索することができる。加工制御エンジン64は次いで、候補製品用の在庫水準に基づいて、候補加工拠点8の組にランク付けすることができる。加工制御エンジン64は、在庫水準が最も低い候補加工拠点および製品を選択する。
【0069】
加工制御エンジン64は次に、データベース70の製品データ72Dにアクセスして選択された製品の製品要件を識別し、識別された要件に基づいて1個以上の欠陥処理モジュール60を選択する(203)。
【0070】
次に、加工制御エンジン64は、選択された欠陥処理モジュール60を起動することにより、ウェブ製造工場6から受信した異常データ72Aおよび画像データ72C各々の欠陥検知アルゴリズムが適用されて、選択された製品について欠陥情報が作成される。加工制御エンジン64は、欠陥処理モジュール60が識別した欠陥に基づいてウェブロールの欠陥マップ72Fを生成する(204)。加工制御エンジン64は、欠陥マップに従い加工計画72Iを作成する(216)。
【0071】
加工制御エンジン64は更に、加工計画を選択された加工拠点8に伝達して、選択された加工拠点へ特定のウェブロール10を出荷する旨の出荷命令を出力(例:表示または印刷)する(218)。このように、加工制御エンジン64は、拠点選択パラメータとして在庫水準を適用して加工拠点8を選択し、次いで選択された加工拠点および製品に基づいて欠陥処理モジュール60を適用する。
【0072】
図9は、複数の設定可能な拠点選択パラメータの重み付き平均に基づいて、加工制御エンジン64が所与のウェブロール10に対する加工拠点8を選択する例証的な方法を示すフロー図である。
【0073】
最初に、加工制御エンジン64は、ウェブロール10を加工することができる候補製品12の組を識別する(300)。次に、加工制御エンジン64は、任意の1個以上の識別された製品12に対応する加工拠点の組8を決定する(302)。
【0074】
次に、加工制御エンジン64は、指定された拠点選択パラメータ、例えば各加工拠点8における在庫水準、注文水準、製品需要、および加工時間の全てについて値を計算する(304)。加工制御エンジン64は次いで、各々のパラメータを共通の範囲、例えば0〜100に正規化する(308)。
【0075】
加工制御エンジン64は次いで、図6に示すような、ユーザー設定可能な重み付けに従い各々のパラメータを調整して(310)、各加工拠点の重み付き総平均を計算する(312)。加工制御エンジン64は、拠点選択パラメータの最大重み付き平均に対応する加工拠点および製品を選択する(314)。
【0076】
加工制御エンジン64は次いで、ウェブロール10を加工することができる選択された製品12用の少なくとも1個の欠陥モジュールを識別し(316)、欠陥処理モジュール60を起動して欠陥検知アルゴリズムを適用して、ウェブロールの欠陥マップ72Fを作成する(318)。
【0077】
加工制御エンジン64は、生成された欠陥マップに基づいて加工計画を作成する(320)。加工制御エンジン64は次いで、加工計画を適切な加工拠点8に伝達して、選択された加工拠点へ特定のウェブロール10を出荷する旨の出荷命令を出力(例:表示または印刷)する(322)。このように、加工制御エンジン64は、保存されている画像異常情報に基づいてウェブロール10を製品に加工すべく加工拠点8を選択する際に、複数の拠点選択パラメータを考慮することができる。
【0078】
図10は、加工拠点8Aの一実施形態を示すブロック図である。この例証的な実施形態において、加工拠点8Aは、装填されて加工の準備ができたウェブロール10Aを含んでいる。
【0079】
加工サーバ508は、加工制御システム4から加工マップを受信し、当該加工マップをデータベース506に保存する。ロール10Aからバーコードが読み込まれて、加工サーバ508にどのウェブ503であるかを指示することにより、加工サーバがデータベース506にアクセスして対応する加工マップを取り出すことができる。バーコードは、ウェブ503が移動すべく配置された際に入力装置500により、あるいは装填前に携帯バーコード装置により読み込まれてよい。
【0080】
加工サーバ508が加工計画を表示することにより、作業者が加工装置504を設定することができる。具体的には、加工装置504は、加工計画に従ってウェブ503を多数の個別シート(すなわち製品12A)に物理的に切断すべく設定される。
【0081】
ウェブ503がマーキング動作の間にシステムを通過する際に、入力装置500がバーコードを読んで、関連付けられた基準マークが定期的に検知される。バーコードと基準マークの組合せにより、加工計画において識別された欠陥にウェブ503の物理的な位置を正確に合わせることが可能になる。規則的な再位置合わせは、進行中の位置合わせの精度を保証する。当業者であれば、従来の物理的な座標変換技術による再位置合わせを実施することができる。ウェブ503が加工マップに位置合わせされたならば、特定の欠陥の物理的な位置がわかる。
【0082】
欠陥がウェブマーカー502の下を通過する際に、欠陥を視覚的に識別すべくウェブ503にマークが施される。具体的には、加工サーバ508はウェブマーカー502に対し一連の命令を出力し、ウェブマーカーは次いでウェブ503に位置特定マークを施す。本発明の多くの用途において、ウェブマーカー502は、各々の加工計画に従いウェブ503内の欠陥の上に、または隣接して、位置特定マークを配置する。しかし、いくつかの特定用途では、位置特定マーカーは、それらが位置を識別する異常から所定の仕方で間隔を置いて配置される。ウェブマーカー502は、例えば、各々が一連のジェットノズルを有する一連のインクジェット・モジュールを含んでいてよい。
【0083】
マークの種類、および欠陥の上または近くにあるマークの正確な位置は、ウェブ材、欠陥分類、欠陥への対処に必要なウェブ処理、およびウェブの意図された最終用途に基づいて選択することができる。配列されたインクマーカーの場合、欠陥がウェブの長さ方向に装置を通過する際に、マーカーはそれらのウェブの幅位置に応じて好適に噴射される。この方法により、生産速度が毎分150フィートを超える高速ウェブに対して1mm未満のマーク付け精度が規則的に得られた。しかし、毎分1000メートルを超える、より高速のウェブも本発明の許容範囲内にある。
【0084】
加工サーバ508は、加工計画に従い随時ウェブ503の加工を停止することにより、加工装置504の再設定が可能である。例えば、同等のウェブ503を異なる製品に加工する場合、加工サーバ508は、第一の製品が生産された後で加工過程を停止して、後続の製品向けに加工装置504を再設定できるようにする。例えば、切断装置およびその他の機構の位置決めを、第二の製品の生産における必要に応じて再設定することができる。
【0085】
図11は、加工計画に従いウェブを処理する際における、図16の加工拠点8A等の加工拠点の例証的な動作を示すフロー図である。
【0086】
最初に、加工サーバ508は、加工制御システム4からロール情報および加工計画を受信して保存する(520)。これは、ウェブロールを受信する前または後のどちらでもよい。例えば、加工サーバ508は、物理的なウェブロールが加工拠点に到着する数週間前に特定のウェブロールのロール情報および加工計画を受信することができる。あるいは、加工サーバ508は、既に加工拠点における在庫に保存されたウェブロールのロール情報および加工計画を受信することができる。
【0087】
次に、加工サーバ508は、加工対象である特定のウェブロールのバーコード情報を受信することにより、加工サーバ508がデータベース506にアクセスして対応する加工マップを取り出す(522)。上記の通り、図17に示すようにバーコードは、装填の前に(例:携帯バーコード装置により)読み込まれても、あるいは加工のためにウェブ503が装填されて準備完了になった後で入力装置500により読み込まれてもよい。
【0088】
加工サーバ508は加工計画を表示して、作業者が加工計画に従いウェブ503を多数の個別シート(すなわち製品12A)に物理的に切断すべく加工装置504を設定することができる(526)。あるいは、加工装置504は、加工計画に従い自動化または半自動化すべく設定することができる。
【0089】
加工装置504が設定されたならば、ウェブ503は移動させられて、入力装置500がバーコードおよび関連付けられた基準のマークを読んで(528)、欠陥のある製品の視覚的認識を支援すべくウェブマーカー502を用いてウェブ503に視覚的にマーク付けする(530)。加工装置504は受信したウェブ503を加工して、製品12Aを形成する(532)。
【0090】
加工計画の任意の時点で、加工サーバ508は、計画により再設定が求められているものと決定することができる(534)。その場合、加工サーバ508は、加工装置504の再設定を指示する(536)。この処理は、加工計画12Aに従いウェブ503の全てが一種以上の製品に加工されるまで続く(538)。
【0091】
本発明の各種の実施形態について述べてきた。これらおよび他の実施形態は添付の特許請求の範囲内に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】加工制御システムが本発明に従ってウェブ材の加工を制御する大域的ネットワーク環境を示すブロック図である。
【図2】ウェブ製造工場の例証的な実施形態を示すブロック図である。
【図3】ウェブ製造工場の例証的な動作を示すフロー図である。
【図4】加工制御システムの例証的な実施形態を示すブロック図である。
【図5】ユーザーが加工制御システムを設定すべく対話するユーザー・インターフェース・モジュールが示すユーザー・インターフェースの例である。
【図6】ユーザー・インターフェース・モジュールが示す別のユーザー・インターフェースの例を提示する。
【図7】加工制御システムによる異常情報の例証的な処理を示すフロー図である。
【図8】加工制御エンジンが、所与のウェブロールを加工する加工拠点を選択すべく単一拠点選択パラメータを使用する例証的な一方法を示すフロー図である。
【図9】加工制御エンジンが、複数の設定可能な拠点選択パラメータの重み付き平均に基づいて、所与のウェブロールの加工拠点を選択する例証的な一方法を示すフロー図である。
【図10】加工拠点の一実施形態を示すブロック図である。
【図11】加工計画に従いウェブを処理する際の加工拠点の例証的な動作を示すフロー図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェブの一連の部分を撮像してデジタル情報を提供するステップと、
前記デジタル情報を少なくとも一つの初期アルゴリズムにより処理して、異常を含む前記ウェブ上の領域を識別するステップと、
前記ウェブを製品に加工すべく複数の加工拠点の一つを選択するステップと、
前記デジタル情報の少なくとも一部を一つ以上の後続アルゴリズムにより解析して、前記製品向けの前記ウェブにおいてどの異常が実際の欠陥を表わすかを決定するステップと、
前記決定された実際の欠陥に基づいて、前記選択された加工拠点において前記ウェブを前記製品に加工するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
複数の加工拠点の一つを選択するステップが、
前記ウェブを加工することができる製品の組を識別するステップと、
前記識別された製品の組を生産する加工拠点の組を識別するステップと、
前記識別された加工拠点の組から加工拠点を選択するステップと、
を含む、請求項1に記載に記載の方法。
【請求項3】
複数の加工拠点の一つを選択するステップが、
前記複数の加工拠点の各々について少なくとも1個の拠点選択パラメータの値を決定するステップと、
前記各々の加工拠点について決定された値に基づいて、前記複数の加工拠点から加工拠点を選択するステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記拠点選択パラメータが、前記複数の加工拠点の各々における前記製品の在庫水準、前記複数の加工拠点の各々における前記製品の受注残、前記複数の加工拠点の各々における前記製品の市場需要、または前記複数の加工拠点の各々における前記製品の加工時間の一つ以上を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
複数の加工拠点の一つを選択するステップが、
前記加工拠点の各々について第一の拠点選択パラメータの値を決定するステップと、
前記加工拠点の各々について第二の拠点選択パラメータの値を決定するステップと、
前記各々の加工拠点について決定された値に基づいて、前記複数の加工拠点から加工拠点を選択するステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
複数の加工拠点の一つを選択するステップが、
前記加工拠点の各々について複数の拠点選択パラメータの各々の重み付き平均を計算するステップと、
前記各々の計算された重み付き平均に基づいて、前記複数の加工拠点から加工拠点を選択するステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ウェブを加工するステップが、
前記決定された実際の欠陥に基づいて前記ウェブの加工計画を作成するステップと、
前記作成された加工計画に従い、前記選択された加工拠点において前記ウェブを加工するステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも一つの後続アルゴリズムが、前記ウェブの少なくとも一部を品質分類すべく特徴付ける、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
複数のユーザー選択可能な拠点選択パラメータの1個として拠点選択パラメータを表示するユーザー・インターフェースを提示するステップと、
前記ユーザー選択可能な拠点選択パラメータの1個以上を選択する入力を受信するステップと、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記複数の加工拠点の各々について、前記選択された拠点選択パラメータの各々についてのそれぞれの値を決定するステップと、
前記決定された値に基づいて前記複数の加工拠点の一つを選択するステップと、
を更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
ウェブの一連の部分を撮像してデジタル情報を提供する撮像装置と、
前記デジタル情報を初期アルゴリズムにより処理して、異常を含む前記ウェブ上の領域を識別する解析用コンピュータと、
前記ウェブを製品に加工すべく複数の加工拠点の一つを選択して、前記デジタル情報の少なくとも一部を少なくとも一つの後続アルゴリズムにより解析し、前記製品向けの前記ウェブにおいてどの異常が実際の欠陥を表わすかを決定する加工制御システムと、
を含むシステム。
【請求項12】
前記加工制御システムが、前記製品を生産する加工拠点の組を識別して、前記識別された加工拠点の組から加工拠点を選択する、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記加工制御システムが、前記複数の加工拠点の各々について少なくとも1個の拠点選択パラメータの値を決定し、前記加工拠点の各々について決定された値に基づいて前記ウェブを加工すべく前記加工拠点の一つを選択する、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記拠点選択パラメータが、前記複数の加工拠点の各々における前記製品の在庫水準、前記複数の加工拠点の各々における前記製品の受注残、前記複数の加工拠点の各々における前記製品の市場需要、または前記複数の加工拠点の各々における前記製品の加工時間の一つ以上を含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記加工制御システムが、前記加工拠点の各々について複数の拠点選択パラメータの各々の重み付き平均を計算して、前記各々の計算された重み付き平均に基づいて前記複数の加工拠点から加工拠点を選択する、請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
前記解析用コンピュータが、前記ウェブを生産する製造工場内に配置されていて、前記加工制御システムがネットワークにより前記製造工場に接続されていて、前記製造工場から遠隔地に位置する、請求項11に記載のシステム。
【請求項17】
前記加工制御システムが、前記決定された実際の欠陥および前記選択された製品に基づいて前記ウェブの加工計画を作成する、請求項11に記載のシステム。
【請求項18】
加工拠点内に配置されていて、ネットワークにより前記加工制御システムに接続されている加工サーバを更に含むシステムであって、
前記加工制御システムが、前記加工拠点に配置されている前記加工サーバへ前記加工計画を電子的に伝達する、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記加工サーバが、前記ウェブを前記選択された製品に加工するための前記加工計画を表示する、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記解析用コンピュータが、前記初期アルゴリズムにより前記デジタル情報を処理し、前記識別された各々の領域について前記デジタル情報の一部を抽出して、前記加工制御システムが、前記デジタル情報の抽出された部分を解析して前記製品の実際の欠陥を決定する、請求項11に記載のシステム。
【請求項21】
前記加工制御システムが、
複数のユーザー選択可能な拠点選択パラメータの1個として拠点選択パラメータを表示するユーザー・インターフェースを提示するユーザー・インターフェース・モジュールと、
加工制御規則の組を規定するデータを保存するデータベースと、
各加工拠点について、ユーザーが選択した前記拠点選択パラメータの値を決定する前記加工制御規則を適用し、前記決定された値に基づいて加工拠点を選択する加工制御エンジンと、
を含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項22】
規則の組を規定するデータを保存するデータベースと、
解析機から異常情報、すなわち異常を含むウェブの領域を識別する異常情報を受信するインターフェースと、
前記ウェブを製品に加工すべく複数の加工拠点の一つを選択する加工制御エンジンとを含む加工制御システムであって、
前記加工制御エンジンが、少なくとも一つの後続アルゴリズムにより前記デジタル情報の少なくとも一部を解析して、前記製品向けの前記ウェブにおいてどの異常が実際の欠陥を表わすかを決定する加工制御システム。
【請求項23】
前記加工拠点が、前記加工拠点の各々における在庫水準を指定するデータ、前記加工拠点の各々における製品の注文情報、前記加工拠点の各々がサービスを提供する市場向けの前記製品の推定需要、および前記加工拠点の各々において前記ウェブを前記製品に加工するための推定加工時間を保存すると共に、
前記加工エンジンが、前記規則を適用する際に前記加工拠点データを利用する、請求項22に記載の加工制御システム。
【請求項24】
プロセッサに指示して、
規則の組を規定するデータを保存させ、
製造工場内に配置された解析機から異常情報、すなわち異常を含むウェブの領域を識別する異常情報を受信させ、そして
前記規則を適用して前記ウェブを製品に加工すべく複数の加工拠点の一つを選択させる、命令を含むコンピュータ可読媒体。
【請求項25】
前記命令が、前記プロセッサに指示して、前記複数の加工拠点の各々について少なくとも1個の拠点選択パラメータの値を決定させ、前記加工拠点の各々のついて決定された値に基づいて前記ウェブを加工すべく加工拠点の一つを選択させる、請求項24に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項26】
前記命令が、前記プロセッサに指示して、前記複数の加工拠点の各々における前記製品の在庫水準、前記複数の加工拠点の各々における前記製品の受注残、前記複数の加工拠点の各々における前記製品の市場需要、または前記複数の加工拠点の各々における前記製品の加工時間の一つ以上を計算させる、請求項24に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項27】
前記命令が、前記プロセッサに指示して、
前記決定された実際の欠陥に基づいて前記ウェブの加工計画を作成させ、
前記ウェブの加工を制御すべく前記選択された加工拠点に前記加工計画を伝達させ、
加工のため前記選択された加工拠点へ前記ウェブを出荷する旨の出荷命令を出力させる、請求項24に記載のコンピュータ可読媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2007−523810(P2007−523810A)
【公表日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−547467(P2006−547467)
【出願日】平成16年12月29日(2004.12.29)
【国際出願番号】PCT/US2004/043623
【国際公開番号】WO2005/065305
【国際公開日】平成17年7月21日(2005.7.21)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】