説明

ウエハ搬送方法およびウエハ搬送装置

【課題】たとえばワイヤソーによる切断の後に、人手を介することなく半導体ウエハを1枚ずつ分離することが可能なウエハ搬送方法およびウエハ搬送装置を提供すること。
【解決手段】積み上げられた複数枚のウエハWfを搬送するウエハ搬送方法であって、液体Lq中に置かれた複数枚のウエハWfのうち最上位にあるものを吸着した状態で、このウエハWfをその面内方向にスライドさせる吸着スライド手段としての吸着コンベア2によって、最上位のウエハWfから順に搬送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば太陽電池の材料に用いられる半導体ウエハを1枚ずつ搬送するウエハ搬送方法およびウエハ搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図7は、半導体ウエハの製造におけるワイヤソー装置を用いた切断工程を示している(たとえば特許文献1参照)。同図に示されたワイヤソー装置Xは、4つのガイドローラ93およびワイヤ94を備えており、半導体材料92をウエハ状に切断する装置である。ワイヤ94は、たとえばメッキが施されたピアノ線であり、4つのガイドローラ93に掛け回されており、図示された矢印の方向に送られる。半導体材料92は、たとえばガラスからなる保持部材91に接着剤によって接合された状態で、ワイヤ94に押し付けられる。ワイヤ94が半導体材料92を超えて保持部材91に到達すると、半導体材料92の切断が完了する。この切断により、保持部材91に各々の端縁が接合された状態で、複数枚のウエハが得られる。
【0003】
しかしながら、切断を終えた後には、最終的に上記ウエハを1枚1枚分離した状態にする必要がある。この分離作業に先立って、切断粉の洗浄や、保持部材91からの剥離を目的として、上記ウエハは、洗浄液や接着剤を溶解する溶液に漬けられる。これらの液体によって上記ウエハがウエットの状態になると、となり合う上記ウエハどうしが張り付いてしまいやすい。このようなことでは、上記ウエハを1枚1枚分離した状態とすることは容易ではなく、たとえば作業者が手作業によって上記半導体ウエハを1枚ずつ取り上げるといった作業が強いられていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−160431号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、たとえばワイヤソーによる切断の後に、人手を介することなく半導体ウエハを1枚ずつ分離することが可能なウエハ搬送方法およびウエハ搬送装置を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の側面によって提供されるウエハ搬送方法は、積み上げられた複数枚のウエハを搬送するウエハ搬送方法であって、液中に置かれた上記複数枚のウエハのうち最上位にあるものを吸着した状態で、このウエハをその面内方向にスライドさせる吸着スライド手段によって、上記最上位のウエハから順に搬送することを特徴としている。
【0007】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記吸着スライド手段として、互いに離間した1対のローラと、上記1対のローラに掛け回されており、複数の孔が設けられた吸着区間を有する無端ベルトと、上記無端ベルトに囲まれた空間を減圧しうる減圧手段と、を備えた吸着コンベアを用い、上記吸着区間を上記最上位のウエハに押し当てた状態で、上記無端ベルトに囲まれた空間を減圧し、かつ上記無端ベルトを回動させる。
【0008】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記吸着コンベアが、上記最上位のウエハを吸着する吸着位置と、吸着した上記ウエハの少なくとも一部を液面から露出させうる上端位置と、をとる。
【0009】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記液外の上記吸着コンベア下流側に中継コンベアをさらに設け、上記吸着コンベアによって吸着されたウエハを上記中継コンベアに受け渡す。
【0010】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記吸着スライド手段によって吸着された上記ウエハをスライドさせる際に、上記ウエハに対して抵抗力を付与しうる抵抗力付与手段をさらに用いる。
【0011】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記抵抗力付与手段は、その表面部分がスポンジによって構成されている。
【0012】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記吸着スライド手段によって上記最上位のウエハを吸着する際に、超音波発生手段を用いて少なくとも上記最上位のウエハに超音波を作用させる。
【0013】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記液に、界面活性剤を混入させる。
【0014】
本発明の第2の側面によって提供されるウエハ搬送装置は、積み上げられた複数枚のウエハを搬送するウエハ搬送装置であって、液中に置かれた上記複数枚のウエハのうち最上位にあるものを吸着した状態で、このウエハをその面内方向にスライドさせる吸着スライド手段を備えることを特徴としている。
【0015】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記吸着スライド手段は、互いに離間した1対のローラと、上記1対のローラに掛け回されており、複数の孔が設けられた吸着区間を有する無端ベルトと、上記無端ベルトに囲まれた空間を減圧しうる減圧手段と、を備えており、かつ、上記吸着区間を上記最上位のウエハに押し当てた状態で、上記無端ベルトに囲まれた空間を減圧し、かつ上記無端ベルトを回動させるように構成された吸着コンベアである。
【0016】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記吸着コンベアが、上記最上位のウエハを吸着する吸着位置と、吸着した上記ウエハの少なくとも一部を液面から露出させうる上端位置と、をとる。
【0017】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記液外の上記吸着コンベア下流側に位置し、上記吸着コンベアによって吸着されたウエハを受けうる中継コンベアをさらに備える。
【0018】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記吸着スライド手段によって吸着された上記ウエハをスライドさせる際に、上記ウエハに対して抵抗力を付与しうる抵抗力付与手段をさらに備える。
【0019】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記抵抗力付与手段は、その表面部分がスポンジによって構成されている。
【0020】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記吸着スライド手段によって上記最上位のウエハを吸着する際に、少なくとも上記最上位のウエハに超音波を作用させるうる超音波発生手段をさらに備える。
【0021】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記液に、界面活性剤が混入されている。
【0022】
このような構成によれば、積み上げられた上記複数枚のウエハは、まず上記吸着スライド手段によって上記液中において吸着された後に、スライドされる。上記液中においては、その前の洗浄工程や溶解工程で上記複数枚のウエハが濡れていても、隣り合う上記ウエハが互いに強固に張り付きにくい。吸着した上記ウエハをその面内方向にスライドさせれば、吸着を解いてしまうような抵抗力をほとんど受けることなく、積み上げられた上記複数枚のウエハから最上位にある1枚の上記ウエハを離脱させることが可能である。したがって、上記複数枚のウエハを1枚ずつに分離するのに適している。
【0023】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係るウエハ搬送装置の一例を示す全体概略図である。
【図2】図1に示すウエハ搬送装置を示す要部断面図である。
【図3】本発明に係るウエハ搬送方法において、ウエハを吸着する工程を示す要部断面図である。
【図4】本発明に係るウエハ搬送方法において、ウエハをスライドさせる工程を示す要部断面図である。
【図5】本発明に係るウエハ搬送方法において、吸着コンベアを旋回させる工程を示す要部断面図である。
【図6】本発明に係るウエハ搬送方法において、ウエハを中継コンベアに受け渡す工程を示す要部断面図である。
【図7】ワイヤソー装置を用いた半導体材料の切断工程を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0026】
図1は、本発明に係るウエハ搬送装置の一例を示している。本実施形態のウエハ搬送装置Aは、ウエハ槽1、吸着コンベア2、スポンジローラ3、超音波発生手段4、中継コンベア5、装填コンベア6、およびスタッカ7を備えている。
【0027】
ウエハ槽1は、鉛直方向上方が開口する容器状とされており、複数枚のウエハWfを、所定の液体Lqに浸した状態で収容するためのものである。複数枚のウエハWfは、鉛直方向に積み上げられた状態で液体Lq内につけられている。液体Lqは、たとえば水に適量の界面活性剤が混入されたものである。これらウエハWfの枚数は、たとえば1000枚程度である。ウエハWfの寸法の一例を挙げると、外形が156mm角であって、厚さが0.14〜0.18mmである。
【0028】
複数枚のウエハWfは、たとえばウエハ槽1の図中左方において積み上げられた後に、コンベア82によってウエハ槽1の図中右方部分に送られてくる。送られてきた複数枚のウエハWfは、たとえばリフト81によって昇降可能にハンドリングされる。リフト81は、たとえばサーボモータ(図示略)によって、少なくともウエハWfの1枚分の厚さに相当する精度で昇降自在とされている。
【0029】
吸着コンベア2は、本発明で言う吸着スライド手段の一例に相当し、ウエハ槽1内においてその下方部分が液体Lqに漬かる位置に設けられている。図2に示すように、吸着コンベア2は、1対のローラ21、無端ベルト22、およびバキュームボックス23を備えている。
【0030】
1対のローラ21は、液体Lqの液面Lsに沿って互いに離間して平行配置されており、少なくともいずれかがサーボモータ(図示略)などの駆動源に連結されている。
【0031】
無端ベルト22は、環状とされたたとえばゴム製の帯状ベルトであり、1対のローラ21に掛け回されている。無端ベルト22のうちその周回方向の一部分である吸着区間22aには、複数の孔22bが形成されている。各孔22bは、無端ベルト22をその厚さ方向に貫通しており、液体Lqや空気が通過可能となっている。本実施形態においては、吸着区間22の周回方向寸法は、ウエハWfの周回方向寸法とほぼ同じとされている。
【0032】
バキュームボックス23は、無端ベルト22内の空間に配置されており、断面矩形状のたとえばSUS製の箱である。バキュームボックス23の高さ方向寸法は、無端ベルト22の内側どうしの間隔とほぼ同じとなっている。このため、バキュームボックス23の上下面に沿って、無端ベルト22が摺動する。バキュームボックス23には、複数の孔23bが形成されている。複数の孔23bは、バキュームボックス23の下側部分に設けられている。特に、本実施形態においては、バキュームボックス23の下側部分のほぼ全面に設けられている。バキュームボックス23には吸気口23aが設けられている。
【0033】
吸着コンベア2は、左方のローラ21の中心軸とほぼ一致する旋回軸Ot周りに旋回自在とされている。具体的には、図示しないサーボモータなどによって右方のローラ21を旋回端として、吸着コンベア2の下側部分が液体Lqに漬かる吸着位置と、後述する上端位置との間を自在に旋回する。
【0034】
吸気口23aには、ホース24、脱水槽25を介してポンプ26が接続されている。ホース24は、たとえば樹脂からなる可撓性を有する配管部品である。ホース24は、ポンプ26に繋がる配管経路が、吸着コンベア2の旋回によって破損することを防止するためのものである。脱水槽25は、バキュームボックス23を介して吸引した空気から液体Lqを分離するためのものである。ポンプ26は、吸着コンベア2によってウエハWfを吸着することが可能な程度に、無端ベルト22に収容された格好となっているバキュームボックス23内の空間を減圧するための減圧源である。
【0035】
スポンジローラ3は、表面部分がスポンジからなるローラであり、本発明で言う抵抗力付与手段の一例に相当する。スポンジローラ3は、吸着コンベア2の直下において、積み上げられた複数枚のウエハWfに対して図中右方に配置されている。スポンジローラ3は、図示しないたとえばモータに連結されており、回転可能とされている。本実施形態においては、スポンジローラ3は、ブラケットによって吸着コンベア2に対して固定されている。
【0036】
超音波発生手段4は、たとえばウエハ槽1の壁面付近に配置されており、超音波を生じうる加振源を有している。超音波発生手段4からの超音波は、液体Lqを媒体として積み上げられた複数枚のウエハWfの最上位のものや、吸着コンベア2、スポンジローラ3に作用する。
【0037】
中継コンベア5は、吸着コンベア2の下流側において、液面Lsの上方に配置されている。中継コンベア5は、後述する手順によって吸着されたウエハWfを吸着コンベア2から受け渡される。
【0038】
装填コンベア6は、中継コンベア5の下流側に配置されている。装填コンベア6は、中継コンベア5から受け取ったウエハWfを、スタッカ7へと装填するのに用いられる。
【0039】
スタッカ7は、複数枚のウエハWfを1枚ずつ格納するためのものであり、鉛直方向に互いに平行に配列された複数のポケット71を有している。装填コンベア6からウエハWfが送られてくると、このウエハWfがあるポケット71に装填される。すると、図示しない昇降手段によってスタッカ7はポケット71の一段分だけ上昇される。これにより、次のウエハWfを装填可能な状態となる。
【0040】
次に、本発明に係るウエハ搬送方法の一例について、図3〜図6を参照しつつ以下に説明する。
【0041】
まず、図3に示すように、吸着コンベア2を吸着位置で静止させておく。このとき、無端ベルト22の吸着区間22aを積み上げられたウエハWfの直上に位置させる。この吸着区間22aがこの位置にあるときは、バキュームボックス23の複数の孔23bのうち左側に位置するものが、吸着区間22aと重なっている。この状態で、リフト81によって複数枚のウエハWfを上昇させることにより、最上位のウエハWfを吸着コンベア2の下面に密着させる。そして、ポンプ26を運転することにより、無端ベルト22内の空間の圧力、すなわちバキュームボックス23内の圧力を減圧する。これにより、最上位のウエハWfが無端ベルト22の吸着区間22aに吸着される。
【0042】
次いで、図4に示すように、吸着コンベア2を吸着位置に保持した状態で、ローラ21を駆動することにより無端ベルト22を反時計回りに周回させる。これにより、吸着されたウエハWfが図中右方にスライドされる。このとき、超音波発生手段4から超音波を発生させておく。また、スポンジローラ3を反時計回りに回転させておく。すると、スライドするウエハWfは、その先端から順にスポンジローラ3の上方をこれに接しながら通過する。これにより、ウエハWfにはスライド方向と反対方向に向けて抵抗力が付与される。仮に、最上位に位置していたウエハWfとその直下にあったウエハWfとが、誤って2枚取りされた場合、この抵抗力によって下方のウエハWfを取り除くことができる。超音波をウエハWfに作用すれば、2枚のウエハWfを分離するのに有利である。さらに、液体Lqに混入された界面活性剤は、2枚のウエハWfどうしの間に液体Lqが侵入することを好適に促進する。
【0043】
次いで、図5に示すように、無端ベルト22の周回を停止させた状態で、吸着コンベア2を旋回軸Ot周りに旋回させ、吸着コンベア2に上端位置をとらせる。この上端位置においては、吸着コンベア2の下面を右方に延長した付近に、中継コンベア5の上面がちょうど位置する。また、吸着コンベア2が上端位置をとると、吸着されたウエハWfの少なくとも右端が液面Lsよりも上方に位置する。
【0044】
そして、図6に示すように、吸着コンベア2に上端位置をとらせた状態で、無端ベルト22を再び反時計回りに周回させる。これにより、吸着されたウエハWfは、斜め右上方へとスライドし、中継コンベア5へと受け渡される。図4に示す状態から、図6に示す状態となるにしたがい、無端ベルト22の複数の孔22bとバキュームボックス23の複数の孔23bとのうち互いに重なりうるものの割合が減少する。しかし、図6に示す状態においても、いくつかの孔22b,23bどうしが重なり合っている。これらの孔22b,23bによって、ウエハWfを十分に保持しうる吸着力が発揮される。
【0045】
この後は、中継コンベア5、装填コンベア6を経由して、ウエハWfがスタッカ7に装填される。一方、吸着コンベア2は、無端ベルト22をさらに周回させつつ、吸着位置をとることにより、再び図3に示す状態となる。リフト81が積み上げられた複数枚のウエハWfを、その一枚分の厚さに相当する高さだけ上昇させることにより、次のウエハWfを吸着可能な状態となる。以上に述べた工程を順次繰り返すことにより、積み上げられた複数枚のウエハWfを1枚ずつ搬送し、スタッカ7へと装填できる。
【0046】
次に、本実施形態のウエハ搬送方法およびウエハ搬送装置Aの作用について説明する。
【0047】
複数枚のウエハWfは、たとえばワイヤソーを用いた切断工程の後に、洗浄工程や接着剤の溶解工程を経るために濡れた状態となる。これらの濡れたウエハWfを大気中におくと、互いに張り付いてしまい、1枚ずつに分離することは困難である。本実施形態によれば、積み上げられた複数枚のウエハWfは、まず吸着コンベア2によって液体Lq内において吸着された後に、スライドされる。液体Lq内においては、その前の洗浄工程や溶解工程で複数枚のウエハWfが濡れていても、隣り合うウエハWfが互いに強固に張り付きにくい。吸着したウエハWfをその面内方向にスライドさせれば、吸着を解いてしまうような抵抗力をほとんど受けることなく、積み上げられた複数枚のウエハWfから最上位にある1枚のウエハWfを離脱させることが可能である。したがって、複数枚のウエハWfを1枚ずつに分離するのに適している。
【0048】
吸着スライド手段として、吸着コンベア2を用いれば、吸着作業とスライド作業とを連続して、かつスムーズに行うことができる。吸着コンベア2を旋回することにより上端位置を取らせれば、吸着したウエハWfを容易に液体Lq外へと送り出すことができる。積み上げられた状態から1枚だけ吸着された状態となったウエハWfを搬送するには、液体Lq外の、たとえば大気中で搬送する方が格段に容易である。中継コンベア5にウエハWfを受け渡した後は、吸着コンベア2を次のウエハWfを吸着するための状態に速やかに復帰させることができる。
【0049】
抵抗力付与手段としてスポンジローラ3を用いれば、誤って2枚取りした場合に、2枚目のウエハWfを適切に除去することができる。超音波発生手段4によって超音波を作用させれば、2枚目のウエハWfの除去をより容易に行うことができる。液体Lqに界面活性剤を混入することは、2枚取りの予防や、2枚目のウエハWfの除去促進を図るのに好適である。
【0050】
本発明に係るウエハ搬送方法およびウエハ搬送装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係るウエハ搬送方法およびウエハ搬送装置の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【符号の説明】
【0051】
A ウエハ搬送装置
Lq 液
Ls 液面
Ot 旋回軸
Wf ウエハ
1 ウエハ槽
2 吸着コンベア(吸着スライド手段)
3 スポンジローラ(抵抗力付与手段)
4 超音波発生手段
5 中継コンベア
6 装填コンベア
7 スタッカ
21 ローラ
22 無端ベルト
22a 吸着区間
22b 孔
23 バキュームボックス
23a 吸気口
23b 孔
24 ホース
25 脱水槽
26 ポンプ
71 ポケット
81 リフト
82 コンベア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
積み上げられた複数枚のウエハを搬送するウエハ搬送方法であって、
液中に置かれた上記複数枚のウエハのうち最上位にあるものを吸着した状態で、このウエハをその面内方向にスライドさせる吸着スライド手段によって、上記最上位のウエハから順に搬送することを特徴とする、ウエハ搬送方法。
【請求項2】
上記吸着スライド手段として、互いに離間した1対のローラと、上記1対のローラに掛け回されており、複数の孔が設けられた吸着区間を有する無端ベルトと、上記無端ベルトに囲まれた空間を減圧しうる減圧手段と、を備えた吸着コンベアを用い、
上記吸着区間を上記最上位のウエハに押し当てた状態で、上記無端ベルトに囲まれた空間を減圧し、かつ上記無端ベルトを回動させる、請求項1に記載のウエハ搬送方法。
【請求項3】
上記吸着コンベアが、上記最上位のウエハを吸着する吸着位置と、吸着した上記ウエハの少なくとも一部を液面から露出させうる上端位置と、をとる、請求項2に記載のウエハ搬送方法。
【請求項4】
上記液外の上記吸着コンベア下流側に中継コンベアをさらに設け、上記吸着コンベアによって吸着されたウエハを上記中継コンベアに受け渡す、請求項2または3に記載のウエハ搬送方法。
【請求項5】
上記吸着スライド手段によって吸着された上記ウエハをスライドさせる際に、上記ウエハに対して抵抗力を付与しうる抵抗力付与手段をさらに用いる、請求項1ないし4のいずれかに記載のウエハ搬送方法。
【請求項6】
上記抵抗力付与手段は、その表面部分がスポンジによって構成されている、請求項5に記載のウエハ搬送方法。
【請求項7】
上記吸着スライド手段によって上記最上位のウエハを吸着する際に、超音波発生手段を用いて少なくとも上記最上位のウエハに超音波を作用させる、請求項1ないし6のいずれかに記載のウエハ搬送方法。
【請求項8】
上記液に、界面活性剤を混入させる、請求項1ないし7のいずれかに記載のウエハ搬送方法。
【請求項9】
積み上げられた複数枚のウエハを搬送するウエハ搬送装置であって、
液中に置かれた上記複数枚のウエハのうち最上位にあるものを吸着した状態で、このウエハをその面内方向にスライドさせる吸着スライド手段を備えることを特徴とする、ウエハ搬送装置。
【請求項10】
上記吸着スライド手段は、
互いに離間した1対のローラと、上記1対のローラに掛け回されており、複数の孔が設けられた吸着区間を有する無端ベルトと、上記無端ベルトに囲まれた空間を減圧しうる減圧手段と、を備えており、かつ、
上記吸着区間を上記最上位のウエハに押し当てた状態で、上記無端ベルトに囲まれた空間を減圧し、かつ上記無端ベルトを回動させるように構成された吸着コンベアである、請求項9に記載のウエハ搬送装置。
【請求項11】
上記吸着コンベアが、上記最上位のウエハを吸着する吸着位置と、吸着した上記ウエハの少なくとも一部を液面から露出させうる上端位置と、をとる、請求項10に記載のウエハ搬送装置。
【請求項12】
上記液外の上記吸着コンベア下流側に位置し、上記吸着コンベアによって吸着されたウエハを受けうる中継コンベアをさらに備える、請求項10または11に記載のウエハ搬送装置。
【請求項13】
上記吸着スライド手段によって吸着された上記ウエハをスライドさせる際に、上記ウエハに対して抵抗力を付与しうる抵抗力付与手段をさらに備える、請求項9ないし12のいずれかに記載のウエハ搬送装置。
【請求項14】
上記抵抗力付与手段は、その表面部分がスポンジによって構成されている、請求項13に記載のウエハ搬送装置。
【請求項15】
上記吸着スライド手段によって上記最上位のウエハを吸着する際に、少なくとも上記最上位のウエハに超音波を作用させるうる超音波発生手段をさらに備える、請求項9ないし14のいずれかに記載のウエハ搬送装置。
【請求項16】
上記液に、界面活性剤が混入されている、請求項9ないし15のいずれかに記載のウエハ搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−165928(P2010−165928A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−7864(P2009−7864)
【出願日】平成21年1月16日(2009.1.16)
【出願人】(000153672)株式会社住友金属ファインテック (35)
【Fターム(参考)】