ウォッシャノズル付きワイパ
【課題】アームヘッドの右ハンドル仕様と左ハンドル仕様の共用化ができ、チューブの保持を簡単かつ確実に行うウォッシャノズル付きワイパを提供する。
【解決手段】基端部１８ａがワイパシャフト１５に固定されるアームヘッド１１と、アームヘッド１１に円筒部１１ａと先端部１１ｂに払拭面を払拭するワイパブレード２０が連結しウォッシャノズル２１が設けられたワイパアーム１７と、ウォッシャノズルにウォッシャ液Ｗを供給するチューブ２２を備えたウォッシャノズル付きワイパ１０において、アームヘッド１１の裏面１１ｃに、ワイパシャフト１５の周囲に円筒部１１ａと該円筒部１１ａの側面１１ｆの対向した位置に一対の突起１４ａ，１４ｂと、円筒部１１ａの側面１１ｆと一対の突起１４ａ，１４ｂとで交差状に形成された一対の長溝部１２，１３とを形成し、一対の長溝部１２，１３にチューブ２２を選択的に圧入して保持した。
【解決手段】基端部１８ａがワイパシャフト１５に固定されるアームヘッド１１と、アームヘッド１１に円筒部１１ａと先端部１１ｂに払拭面を払拭するワイパブレード２０が連結しウォッシャノズル２１が設けられたワイパアーム１７と、ウォッシャノズルにウォッシャ液Ｗを供給するチューブ２２を備えたウォッシャノズル付きワイパ１０において、アームヘッド１１の裏面１１ｃに、ワイパシャフト１５の周囲に円筒部１１ａと該円筒部１１ａの側面１１ｆの対向した位置に一対の突起１４ａ，１４ｂと、円筒部１１ａの側面１１ｆと一対の突起１４ａ，１４ｂとで交差状に形成された一対の長溝部１２，１３とを形成し、一対の長溝部１２，１３にチューブ２２を選択的に圧入して保持した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、例えば、車両のウインドシールドガラス等の汚れをウォッシャノズルよりウォッシャ液を噴射して払拭するウォッシャノズル付きワイパに関する。
【背景技術】
【０００２】
この種のウォッシャノズル付きワイパとして、図５に示すものがある（例えば、特許文献１参照。）。
【０００３】
このウォッシャノズル付きワイパ１は、図５に示すように、基端部２ａが図示しないピボット軸に固定されるアームヘッド２と、基端部４ａがアームヘッド２の先端部２ｂに支軸６を介して払拭面方向に回動自在に支持されると共に、先端部に払拭面を払拭するワイパブレード（いずれも図示しない）が連結されたワイパアーム３と、このワイパアーム３に設けられてウォッシャ液を払拭面に噴射させる一対のウォッシャノズル７，８と、アームヘッド２及びワイパアーム３に沿って配索されると共に、各ウォッシャノズル７，８に連結されてウォッシャ液を供給するチューブ９とを備えている。
【０００４】
このワイパアーム３は、基端部４ａがアームヘッド２の先端部２ｂに支軸６を介して払拭面方向に回動自在に支持されたリテーナ４と、このリテーナ４の先端部４ｃに固着されたアームピース５とで構成されている。このリテーナ４の中途部４ｂに一方のウォッシャノズル７を配置してあると共に、該リテーナ４の先端部４ｃに他方のウォッシャノズル８を配置してある。また、アームピース５の先端部に図示しないワイパブレードを連結してある。
【０００５】
また、アームヘッド２の裏面２ｃには、断面凹状で平面Ｗ状の長溝部２ｄを形成してある。そして、このアームヘッド２の裏面２ｃの長溝部２ｄ内にチューブ９を圧入すると共に、長溝部２ｄより突出したチューブ保持手段としての一対の突起２ｅ，２ｅにより該チューブ９を長溝部２ｄから抜けないように保持させている。これにより、アームヘッド２の裏面２ｃにチューブ９が配索されるようになっている。
【０００６】
【特許文献１】特開２００２−２８３９７２号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
しかしながら、前記従来のウォッシャノズル付きワイパ１では、アームヘッド２の裏面２ｃに長溝部２ｄが一箇所だけしか形成されていないため、チューブ９をアームヘッド２の一方の側面２ｆ側だけ（例えば右ハンドル仕様の場合）にしか配索することができないので、左ハンドル仕様の場合には、長溝部２ｄが右ハンドル仕様と対称に形成されたアームヘッド２を成形しなければならなかった。そのため、左右それぞれの仕様に対応したアームヘッド２が必要であった。
【０００８】
そこで、本発明は、前記した課題を解決すべくなされたものであり、アームヘッドの右ハンドル仕様と左ハンドル仕様の共用化ができると共に、チューブの保持を簡単かつ確実に行うことができるウォッシャノズル付きワイパを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
請求項１の発明は、基端部がワイパシャフトに固定されるアームヘッドと、このアームヘッドの先端部に基端部が連結されると共に、先端部に払拭面を払拭するワイパブレードが連結されたワイパアームと、前記ワイパアームに設けられウォッシャ液を噴射するウォッシャノズルと、前記アームヘッドと前記ワイパアームに配索され前記ウォッシャノズルに前記ウォッシャ液を供給するチューブを備えたウォッシャノズル付きワイパにおいて、前記アームヘッドの裏面には、前記ピボット軸の周囲に円筒部と該円筒部の側面の対向した位置に一対の突起とを形成し前記円筒部の側面と前記一対の突起とで一対の長溝部を交差状に形成し前記長溝部に選択的に前記チューブを圧入して保持させたことを特徴とする。
【００１０】
請求項２の発明によれば、請求項１に記載のウォッシャノズル付きワイパであって、前記一対の突起間の中央にチューブ保持手段を設けたことを特徴とする。
【００１１】
請求項３の発明によれば、請求項２に記載のウォッシャノズル付きワイパにおいて、前記チューブ保持手段がプッシュナットであることを特徴とする。
【発明の効果】
【００１２】
以上説明したように、請求項１の発明によれば、アームヘッドの裏面に、ピボットシャフトの周囲に円筒部と、該円筒部の側面の対向した位置に突起とを形成し、円筒部と一対の突起とで一対の長溝部を交差状に形成したことにより、右ハンドル仕様と左ハンドル仕様のどちらの仕様の場合でも、それぞれの仕様に合わせて選択的にチューブを長溝部に配索できるため、１つのウォッシャノズル付きワイパを右ハンドル仕様と左ハンドル仕様の両方の仕様に対処させることができる。また長溝部にチューブを圧入することで、チューブを容易に固定することができる。
【００１３】
請求項２の発明によれば、一対の突起間の中央にチューブを保持固定するチューブ保持手段を設けたことにより、右ハンドル仕様及び左ハンドル仕様のどちらの仕様にも同様のチューブ保持手段を使用できるため、確実にチューブを固定することができる。
【００１４】
請求項３の発明によれば、チューブ保持手段をプッシュナットにしたことにより、チューブを配策した後にプッシュナットでチューブを固定するので、チューブの長溝部への配索性が良くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１５】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【００１６】
図１は本発明の一実施形態のウォッシャノズル付きワイパを示す底面図、図２は同ワイパのアームヘッドの要部の拡大底面図、図３はチューブを左ハンドル用としてアームヘッドに配索した状態を示す要部の拡大底面図、図４はチューブを右ハンドル用としてアームヘッドに配索した状態を示す要部の拡大底面図である。
【００１７】
図１に示すように、ウォッシャノズル付きワイパ１０は、円筒部１１ａがピボット軸（ワイパシャフト）１５に固定されたアルミニウム製のアームヘッド１１と、基端部１８ａがアームヘッド１１の先端部１１ｂに支軸１６を介して払拭面方向に回動自在に支持されると共に、先端部１９ｂに図示しない車両のウインドシールドガラス等の払拭面を払拭するワイパブレード２０が連結されたワイパアーム１７と、このワイパアーム１７に設けられてウォッシャ液Ｗを図示しない払拭面に噴射させるウォッシャノズル２１と、アームヘッド１１及びワイパアーム１７に沿って配索されると共に、ウォッシャノズル２１に連結されてウォッシャ液Ｗを供給するチューブ２２と、このチューブ２２をアームヘッド１１に保持させるプッシュナット（チューブ保持手段）２３とを備えている。
【００１８】
図１〜図４に示すように、アームヘッド１１の裏面１１ｃには、円筒部１１ａと円筒部１１ａの側面１１ｆの対向した位置に一対の突起１４ａ，１４ｂが形成され、この一対の突起１４ａ，１４ｂの間の中央には凸部１４ｃが形成されている。これら円筒部１１ａの側面１１ｆと一対の突起１４ａ，１４ｂならびに凸部１４ｃとで一対の長溝部１２，１３を交差状に形成し、チューブ２２の中途部２２ｃを選択的に圧入して保持している。即ち、一対の長溝部１２，１３のうちの一方の長溝部１２はアームヘッド１１の先端部１１ｂの他方の側面１１ｅ側から円筒部１１ａの一方の側面１１ｄに抜けるように円筒部１１ａの側面１１ｆに沿って湾曲形成され、他方の長溝部１３はアームヘッド１１の先端部１１ｂの一方の側面１１ｄ側から円筒部１１ａの他方の側面１１ｅに抜けるようにけるように円筒部１１ａの側面１１ｆとで湾曲形成してある。そして、一対の突起１４ａ，１４ｂ間の中央の凸部１４ｃにプッシュナット２３が取り付けられている。
【００１９】
図１に示すように、ワイパアーム１７は、基端部１８ａがアームヘッド１１の先端部１１ｂに支軸１６を介して払拭面に対して接近及び離反する方向に所定角度回動自在に支持されたリテーナ１８と、このリテーナ１８の先端部１８ｂに基端部１９ａが固着されたアームピース１９とで構成されている。このアームピース１９の中途部１９ｃにウォッシャノズル２１を配置してある。また、アームピース１９の先端部１９ｂに払拭面を払拭するワイパブレード２０を連結してある。さらに、リテーナ１８とアームヘッド１１との間には引っ張りコイルスプリング２４を掛け渡してある。この引っ張りコイルスプリング２４の付勢力によりリテーナ１８は払拭面側へ押圧付勢されるようになっている。そして、この引っ張りコイルスプリング２４の中を通るようにチューブ２２は配索されている。
【００２０】
尚、チューブ２２の一端２２ａはウォッシャノズル２１に連結されると共に、該チューブ２２の他端２２ｂはチューブ接続部２５に連結されている。このチューブ接続部２５は、図示しないウォッシャタンクにウォッシャポンプを介して接続されている。
【００２１】
以上実施形態のウォッシャノズル付きワイパ１０によれば、図３に示すように、左ハンドル仕様の場合に、引っ張りコイルスプリング２４の中を通ったチューブ２２の中途部２２ｃは、アームヘッド１１の裏面１１ｃに形成した一対の長溝部１２，１３のうちの一方の長溝部１２内に圧入されてアームヘッド１１の円筒部１１ａ側の一方の側面１１ｄに抜けるように配索される。そして、この左ハンドル仕様のチューブ２２の配索状態はプッシュナット２３により確実に保持されて固定される。
【００２２】
また、図１及び図４に示すように、右ハンドル仕様の場合に、引っ張りコイルスプリング２４の中を通ったチューブ２２の中途部２２ｃは、アームヘッド１１の裏面１１ｃに形成した一対の長溝部１２，１３のうちの他方の長溝部１３内に圧入されてアームヘッド１１の円筒部１１ａ側の他方の側面１１ｅに抜けるように配索される。そして、この右ハンドル仕様のチューブ２２の配索状態はプッシュナット２３により確実に保持されて固定される。
【００２３】
このように、アームヘッド１１の裏面１１ｃに円筒部１１ａと該円筒部１１ａの側面１１ｆの対向した位置に一対の突起１４ａ，１４ｂを形成し、円筒部１１ａの側面１１ｆと突起１４ａ，１４ｂならびに凸部１４ｃとで交差状の一対の長溝部１２，１３を形成したことにより、チューブ２２の中途部２２ｃをいずれか一方の長溝部１２（１３）内に圧入する簡単な配索作業でチューブ２２をアームヘッド１１の裏面１１ｃ側に保持することができる。また、アームヘッド１１の裏面１１ｃに一対の長溝部１２，１３を形成したことにより、一つのウォッシャノズル付きワイパ１０を例えば右ハンドル仕様と左ハンドル仕様の両方の仕様に対処させることができ、その分、低コスト化を図ることができる。また、交差状に一対の長溝部１２，１３を形成することにより、チューブ２２を過度に折り曲げることなく、配策することができる。
【００２４】
さらに、一対の長溝部１２，１３を円筒部１１ａの側面１１ｆに沿って円弧状にそれぞれ湾曲形成すると共に交差状に配設し、一対の突起１４ａ，１４ｂ間の中央の凸部１４ｃにチューブ保持手段としてのプッシュナット２３を取り付け自在にしたことにより、右ハンドル仕様と左ハンドル仕様のどちらの仕様においても、同様のチューブ固定手段を使用できるとともに、チューブ２２を長溝部１２（１３）に配索した後に、プッシュナット２３で固定するため、チューブ２２の配索性が良くなると共に、一対の長溝部１２，１３のうちのいずれか一方の長溝部１２（１３）内に保持されたチューブ２２を該長溝部１２（１３）の円弧状の部分とプッシュナット２３とにより簡単かつ確実に保持することができる。また、チューブ２２は長溝部１２（１３）を形成する円筒部１１ａと一対の突起１４ａ，１４ｂと凸部１４ｃにより摩擦力が増すため、ワイパアーム１７のロックバック時（起立時）や揺動時にチューブ２２にテンションがかかっても滑り（擦れ）を確実に防止することができ、チューブ２２の耐久性を向上させることができる。しかも、一対の長溝部１２，１３を交差状に配設することで、軸長を長くすることなく、チューブ２２を複数箇所で保持することができる。
【００２５】
尚、前記実施形態によれば、チューブ保持手段としてプッシュナットを用いたが、プッシュナットを取り付ける凸部に直接チューブ保持手段をしてチューブを保持しても良い。
【図面の簡単な説明】
【００２６】
【図１】本発明の一実施形態のウォッシャノズル付きワイパを示す底面図である。
【図２】上記ウォッシャノズル付きワイパのアームヘッドの要部の拡大底面図である。
【図３】チューブを左ハンドル用としてアームヘッドに配索した状態を示す要部の拡大底面図である。
【図４】チューブを右ハンドル用としてアームヘッドに配索した状態を示す要部の拡大底面図である。
【図５】従来のウォッシャノズル付きワイパを示す底面図である。
【符号の説明】
【００２７】
１０ ウォッシャノズル付きワイパ
１１ アームヘッド
１１ａ 円筒部
１１ｂ 先端部
１１ｃ 裏面
１１ｆ 円筒部の側面
１２，１３ 一対の長溝部
１４ｃ 凸部
１５ ピボット軸（ワイパシャフト）
１６ 支軸
１７ ワイパアーム
１８ａ 基端部
１９ｂ 先端部
２０ ワイパブレード
２１ ウォッシャノズル
２２ チューブ
２３ プッシュナット（チューブ保持手段）
Ｗ ウォッシャ液
【技術分野】
【０００１】
本発明は、例えば、車両のウインドシールドガラス等の汚れをウォッシャノズルよりウォッシャ液を噴射して払拭するウォッシャノズル付きワイパに関する。
【背景技術】
【０００２】
この種のウォッシャノズル付きワイパとして、図５に示すものがある（例えば、特許文献１参照。）。
【０００３】
このウォッシャノズル付きワイパ１は、図５に示すように、基端部２ａが図示しないピボット軸に固定されるアームヘッド２と、基端部４ａがアームヘッド２の先端部２ｂに支軸６を介して払拭面方向に回動自在に支持されると共に、先端部に払拭面を払拭するワイパブレード（いずれも図示しない）が連結されたワイパアーム３と、このワイパアーム３に設けられてウォッシャ液を払拭面に噴射させる一対のウォッシャノズル７，８と、アームヘッド２及びワイパアーム３に沿って配索されると共に、各ウォッシャノズル７，８に連結されてウォッシャ液を供給するチューブ９とを備えている。
【０００４】
このワイパアーム３は、基端部４ａがアームヘッド２の先端部２ｂに支軸６を介して払拭面方向に回動自在に支持されたリテーナ４と、このリテーナ４の先端部４ｃに固着されたアームピース５とで構成されている。このリテーナ４の中途部４ｂに一方のウォッシャノズル７を配置してあると共に、該リテーナ４の先端部４ｃに他方のウォッシャノズル８を配置してある。また、アームピース５の先端部に図示しないワイパブレードを連結してある。
【０００５】
また、アームヘッド２の裏面２ｃには、断面凹状で平面Ｗ状の長溝部２ｄを形成してある。そして、このアームヘッド２の裏面２ｃの長溝部２ｄ内にチューブ９を圧入すると共に、長溝部２ｄより突出したチューブ保持手段としての一対の突起２ｅ，２ｅにより該チューブ９を長溝部２ｄから抜けないように保持させている。これにより、アームヘッド２の裏面２ｃにチューブ９が配索されるようになっている。
【０００６】
【特許文献１】特開２００２−２８３９７２号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
しかしながら、前記従来のウォッシャノズル付きワイパ１では、アームヘッド２の裏面２ｃに長溝部２ｄが一箇所だけしか形成されていないため、チューブ９をアームヘッド２の一方の側面２ｆ側だけ（例えば右ハンドル仕様の場合）にしか配索することができないので、左ハンドル仕様の場合には、長溝部２ｄが右ハンドル仕様と対称に形成されたアームヘッド２を成形しなければならなかった。そのため、左右それぞれの仕様に対応したアームヘッド２が必要であった。
【０００８】
そこで、本発明は、前記した課題を解決すべくなされたものであり、アームヘッドの右ハンドル仕様と左ハンドル仕様の共用化ができると共に、チューブの保持を簡単かつ確実に行うことができるウォッシャノズル付きワイパを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
請求項１の発明は、基端部がワイパシャフトに固定されるアームヘッドと、このアームヘッドの先端部に基端部が連結されると共に、先端部に払拭面を払拭するワイパブレードが連結されたワイパアームと、前記ワイパアームに設けられウォッシャ液を噴射するウォッシャノズルと、前記アームヘッドと前記ワイパアームに配索され前記ウォッシャノズルに前記ウォッシャ液を供給するチューブを備えたウォッシャノズル付きワイパにおいて、前記アームヘッドの裏面には、前記ピボット軸の周囲に円筒部と該円筒部の側面の対向した位置に一対の突起とを形成し前記円筒部の側面と前記一対の突起とで一対の長溝部を交差状に形成し前記長溝部に選択的に前記チューブを圧入して保持させたことを特徴とする。
【００１０】
請求項２の発明によれば、請求項１に記載のウォッシャノズル付きワイパであって、前記一対の突起間の中央にチューブ保持手段を設けたことを特徴とする。
【００１１】
請求項３の発明によれば、請求項２に記載のウォッシャノズル付きワイパにおいて、前記チューブ保持手段がプッシュナットであることを特徴とする。
【発明の効果】
【００１２】
以上説明したように、請求項１の発明によれば、アームヘッドの裏面に、ピボットシャフトの周囲に円筒部と、該円筒部の側面の対向した位置に突起とを形成し、円筒部と一対の突起とで一対の長溝部を交差状に形成したことにより、右ハンドル仕様と左ハンドル仕様のどちらの仕様の場合でも、それぞれの仕様に合わせて選択的にチューブを長溝部に配索できるため、１つのウォッシャノズル付きワイパを右ハンドル仕様と左ハンドル仕様の両方の仕様に対処させることができる。また長溝部にチューブを圧入することで、チューブを容易に固定することができる。
【００１３】
請求項２の発明によれば、一対の突起間の中央にチューブを保持固定するチューブ保持手段を設けたことにより、右ハンドル仕様及び左ハンドル仕様のどちらの仕様にも同様のチューブ保持手段を使用できるため、確実にチューブを固定することができる。
【００１４】
請求項３の発明によれば、チューブ保持手段をプッシュナットにしたことにより、チューブを配策した後にプッシュナットでチューブを固定するので、チューブの長溝部への配索性が良くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１５】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【００１６】
図１は本発明の一実施形態のウォッシャノズル付きワイパを示す底面図、図２は同ワイパのアームヘッドの要部の拡大底面図、図３はチューブを左ハンドル用としてアームヘッドに配索した状態を示す要部の拡大底面図、図４はチューブを右ハンドル用としてアームヘッドに配索した状態を示す要部の拡大底面図である。
【００１７】
図１に示すように、ウォッシャノズル付きワイパ１０は、円筒部１１ａがピボット軸（ワイパシャフト）１５に固定されたアルミニウム製のアームヘッド１１と、基端部１８ａがアームヘッド１１の先端部１１ｂに支軸１６を介して払拭面方向に回動自在に支持されると共に、先端部１９ｂに図示しない車両のウインドシールドガラス等の払拭面を払拭するワイパブレード２０が連結されたワイパアーム１７と、このワイパアーム１７に設けられてウォッシャ液Ｗを図示しない払拭面に噴射させるウォッシャノズル２１と、アームヘッド１１及びワイパアーム１７に沿って配索されると共に、ウォッシャノズル２１に連結されてウォッシャ液Ｗを供給するチューブ２２と、このチューブ２２をアームヘッド１１に保持させるプッシュナット（チューブ保持手段）２３とを備えている。
【００１８】
図１〜図４に示すように、アームヘッド１１の裏面１１ｃには、円筒部１１ａと円筒部１１ａの側面１１ｆの対向した位置に一対の突起１４ａ，１４ｂが形成され、この一対の突起１４ａ，１４ｂの間の中央には凸部１４ｃが形成されている。これら円筒部１１ａの側面１１ｆと一対の突起１４ａ，１４ｂならびに凸部１４ｃとで一対の長溝部１２，１３を交差状に形成し、チューブ２２の中途部２２ｃを選択的に圧入して保持している。即ち、一対の長溝部１２，１３のうちの一方の長溝部１２はアームヘッド１１の先端部１１ｂの他方の側面１１ｅ側から円筒部１１ａの一方の側面１１ｄに抜けるように円筒部１１ａの側面１１ｆに沿って湾曲形成され、他方の長溝部１３はアームヘッド１１の先端部１１ｂの一方の側面１１ｄ側から円筒部１１ａの他方の側面１１ｅに抜けるようにけるように円筒部１１ａの側面１１ｆとで湾曲形成してある。そして、一対の突起１４ａ，１４ｂ間の中央の凸部１４ｃにプッシュナット２３が取り付けられている。
【００１９】
図１に示すように、ワイパアーム１７は、基端部１８ａがアームヘッド１１の先端部１１ｂに支軸１６を介して払拭面に対して接近及び離反する方向に所定角度回動自在に支持されたリテーナ１８と、このリテーナ１８の先端部１８ｂに基端部１９ａが固着されたアームピース１９とで構成されている。このアームピース１９の中途部１９ｃにウォッシャノズル２１を配置してある。また、アームピース１９の先端部１９ｂに払拭面を払拭するワイパブレード２０を連結してある。さらに、リテーナ１８とアームヘッド１１との間には引っ張りコイルスプリング２４を掛け渡してある。この引っ張りコイルスプリング２４の付勢力によりリテーナ１８は払拭面側へ押圧付勢されるようになっている。そして、この引っ張りコイルスプリング２４の中を通るようにチューブ２２は配索されている。
【００２０】
尚、チューブ２２の一端２２ａはウォッシャノズル２１に連結されると共に、該チューブ２２の他端２２ｂはチューブ接続部２５に連結されている。このチューブ接続部２５は、図示しないウォッシャタンクにウォッシャポンプを介して接続されている。
【００２１】
以上実施形態のウォッシャノズル付きワイパ１０によれば、図３に示すように、左ハンドル仕様の場合に、引っ張りコイルスプリング２４の中を通ったチューブ２２の中途部２２ｃは、アームヘッド１１の裏面１１ｃに形成した一対の長溝部１２，１３のうちの一方の長溝部１２内に圧入されてアームヘッド１１の円筒部１１ａ側の一方の側面１１ｄに抜けるように配索される。そして、この左ハンドル仕様のチューブ２２の配索状態はプッシュナット２３により確実に保持されて固定される。
【００２２】
また、図１及び図４に示すように、右ハンドル仕様の場合に、引っ張りコイルスプリング２４の中を通ったチューブ２２の中途部２２ｃは、アームヘッド１１の裏面１１ｃに形成した一対の長溝部１２，１３のうちの他方の長溝部１３内に圧入されてアームヘッド１１の円筒部１１ａ側の他方の側面１１ｅに抜けるように配索される。そして、この右ハンドル仕様のチューブ２２の配索状態はプッシュナット２３により確実に保持されて固定される。
【００２３】
このように、アームヘッド１１の裏面１１ｃに円筒部１１ａと該円筒部１１ａの側面１１ｆの対向した位置に一対の突起１４ａ，１４ｂを形成し、円筒部１１ａの側面１１ｆと突起１４ａ，１４ｂならびに凸部１４ｃとで交差状の一対の長溝部１２，１３を形成したことにより、チューブ２２の中途部２２ｃをいずれか一方の長溝部１２（１３）内に圧入する簡単な配索作業でチューブ２２をアームヘッド１１の裏面１１ｃ側に保持することができる。また、アームヘッド１１の裏面１１ｃに一対の長溝部１２，１３を形成したことにより、一つのウォッシャノズル付きワイパ１０を例えば右ハンドル仕様と左ハンドル仕様の両方の仕様に対処させることができ、その分、低コスト化を図ることができる。また、交差状に一対の長溝部１２，１３を形成することにより、チューブ２２を過度に折り曲げることなく、配策することができる。
【００２４】
さらに、一対の長溝部１２，１３を円筒部１１ａの側面１１ｆに沿って円弧状にそれぞれ湾曲形成すると共に交差状に配設し、一対の突起１４ａ，１４ｂ間の中央の凸部１４ｃにチューブ保持手段としてのプッシュナット２３を取り付け自在にしたことにより、右ハンドル仕様と左ハンドル仕様のどちらの仕様においても、同様のチューブ固定手段を使用できるとともに、チューブ２２を長溝部１２（１３）に配索した後に、プッシュナット２３で固定するため、チューブ２２の配索性が良くなると共に、一対の長溝部１２，１３のうちのいずれか一方の長溝部１２（１３）内に保持されたチューブ２２を該長溝部１２（１３）の円弧状の部分とプッシュナット２３とにより簡単かつ確実に保持することができる。また、チューブ２２は長溝部１２（１３）を形成する円筒部１１ａと一対の突起１４ａ，１４ｂと凸部１４ｃにより摩擦力が増すため、ワイパアーム１７のロックバック時（起立時）や揺動時にチューブ２２にテンションがかかっても滑り（擦れ）を確実に防止することができ、チューブ２２の耐久性を向上させることができる。しかも、一対の長溝部１２，１３を交差状に配設することで、軸長を長くすることなく、チューブ２２を複数箇所で保持することができる。
【００２５】
尚、前記実施形態によれば、チューブ保持手段としてプッシュナットを用いたが、プッシュナットを取り付ける凸部に直接チューブ保持手段をしてチューブを保持しても良い。
【図面の簡単な説明】
【００２６】
【図１】本発明の一実施形態のウォッシャノズル付きワイパを示す底面図である。
【図２】上記ウォッシャノズル付きワイパのアームヘッドの要部の拡大底面図である。
【図３】チューブを左ハンドル用としてアームヘッドに配索した状態を示す要部の拡大底面図である。
【図４】チューブを右ハンドル用としてアームヘッドに配索した状態を示す要部の拡大底面図である。
【図５】従来のウォッシャノズル付きワイパを示す底面図である。
【符号の説明】
【００２７】
１０ ウォッシャノズル付きワイパ
１１ アームヘッド
１１ａ 円筒部
１１ｂ 先端部
１１ｃ 裏面
１１ｆ 円筒部の側面
１２，１３ 一対の長溝部
１４ｃ 凸部
１５ ピボット軸（ワイパシャフト）
１６ 支軸
１７ ワイパアーム
１８ａ 基端部
１９ｂ 先端部
２０ ワイパブレード
２１ ウォッシャノズル
２２ チューブ
２３ プッシュナット（チューブ保持手段）
Ｗ ウォッシャ液
【特許請求の範囲】
【請求項１】
基端部がワイパシャフトに固定されるアームヘッドと、このアームヘッドの先端部に基端部が連結されると共に、先端部に払拭面を払拭するワイパブレードが連結されたワイパアームと、前記ワイパアームに設けられウォッシャ液を噴射するウォッシャノズルと、前記アームヘッドと前記ワイパアームに配索され前記ウォッシャノズルに前記ウォッシャ液を供給するチューブを備えたウォッシャノズル付きワイパにおいて、
前記アームヘッドの裏面に、前記ワイパシャフトの周囲に円筒部と、該円筒部の側面の対向した位置に一対の突起と、該一対の突起の間の中央に位置した凸部と、前記円筒部の側面と前記一対の突起と凸部とで交差状に形成された一対の長溝部とを形成し、前記一対の長溝部に前記チューブを選択的に圧入して保持させたことを特徴とするウォッシャノズル付きワイパ。
【請求項２】
請求項１に記載のウォッシャノズル付きワイパであって、
前記一対の突起間の中央にチューブ保持手段を設けたことを特徴とするウォッシャノズル付きワイパアーム。
【請求項３】
請求項２に記載のウォッシャノズル付きワイパにおいて、
前記チューブ保持手段がプッシュナットであることを特徴とするウォッシャノズル付きワイパ。
【請求項１】
基端部がワイパシャフトに固定されるアームヘッドと、このアームヘッドの先端部に基端部が連結されると共に、先端部に払拭面を払拭するワイパブレードが連結されたワイパアームと、前記ワイパアームに設けられウォッシャ液を噴射するウォッシャノズルと、前記アームヘッドと前記ワイパアームに配索され前記ウォッシャノズルに前記ウォッシャ液を供給するチューブを備えたウォッシャノズル付きワイパにおいて、
前記アームヘッドの裏面に、前記ワイパシャフトの周囲に円筒部と、該円筒部の側面の対向した位置に一対の突起と、該一対の突起の間の中央に位置した凸部と、前記円筒部の側面と前記一対の突起と凸部とで交差状に形成された一対の長溝部とを形成し、前記一対の長溝部に前記チューブを選択的に圧入して保持させたことを特徴とするウォッシャノズル付きワイパ。
【請求項２】
請求項１に記載のウォッシャノズル付きワイパであって、
前記一対の突起間の中央にチューブ保持手段を設けたことを特徴とするウォッシャノズル付きワイパアーム。
【請求項３】
請求項２に記載のウォッシャノズル付きワイパにおいて、
前記チューブ保持手段がプッシュナットであることを特徴とするウォッシャノズル付きワイパ。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【公開番号】特開２００７−２５３７４４（Ｐ２００７−２５３７４４Ａ）
【公開日】平成１９年１０月４日（２００７．１０．４）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００６−７９３２０（Ｐ２００６−７９３２０）
【出願日】平成１８年３月２２日（２００６．３．２２）
【出願人】（０００１４４０２７）株式会社ミツバ (2,083)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１９年１０月４日（２００７．１０．４）
【国際特許分類】
【出願日】平成１８年３月２２日（２００６．３．２２）
【出願人】（０００１４４０２７）株式会社ミツバ (2,083)
【Ｆターム（参考）】
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