説明

ウレタン塗膜防水用トップコート組成物

【課題】ウレタン防水材との接着性に優れ、かつ、耐候性の良好なウレタン塗膜防水用トップコート組成物を提供すること。
【解決手段】1分子中に1個以上のアロファネート結合および2個以上のイソシアネート基を含むポリイソシアネート(A1−a)を30質量%以上含むポリイソシアネート(A1)を、ポリオール(A2)と反応させて得られたポリイソシアネート樹脂(A)を含むウレタン塗膜防水用トップコート組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウレタン塗膜防水用トップコート組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ビルの屋上、ベランダ、バルコニー、開放廊下等の防水施工方法として塗膜防水工法が広く行われている。
この工法では、コンクリートやモルタルなどの基材表面にプライマー層を形成し、その上にウレタン系防水材層を形成し、さらにその上にトップコート層を形成することで、多層防水構造体とすることが一般的である。
【0003】
この場合、トップコートは、ウレタン系防水材層の保護と美観向上とを目的として施工さるものであり、アクリルウレタン系塗料が汎用されている(特許文献1〜3参照)。
防水材層を長期に亘って保護するためには、トップコート層の耐候性、および防水材層に対する接着性が重要となる。
しかし、防水材層は可塑剤を含んでいるため、トップコートとの接着性においてしばしば問題が生じている。特に、最近の防水材は、環境負荷の低減のためその成分も限定されており、より一層トップコートとの接着が困難になってきている。
また、超速乾タイプの防水材も、トップコートとの接着性が低いことが知られている。
【0004】
この点に鑑み、トップコートの成分としては、従来、ウレタン防水材との接着性に優れたトリレンジイソシアネート(TDI)などをベースとした芳香族系のイソシアネートが使用されているが、この場合は、十分な耐候性が得られない。
一方、耐候性を向上させるためには、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)などの無黄変イソシアネートを用いることが有効であるが、この場合は、下地防水材に対する接着性が不十分となってしまう。
以上のように、ウレタン系防水材に対する接着性および耐候性を両立することは難しく、これら両性能を兼ね備えたトップコートの開発が望まれている。
【0005】
【特許文献1】特開2002−309156号公報
【特許文献2】特開2004−263121号公報
【特許文献3】特開2007−720号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ウレタン防水材との接着性に優れ、かつ、耐候性の良好なウレタン塗膜防水用トップコート組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、アロファネート結合を含むポリイソシアネートを所定量以上含むポリイソシアネートとポリオールとを反応させて得られたポリイソシアネート樹脂をトップコート用組成物の一成分として用いることで、得られるトップコートのウレタン防水材に対する接着性が著しく向上するとともに、その耐候性も良好になることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は、
1. 1分子中に1個以上のアロファネート結合および2個以上のイソシアネート基を含むポリイソシアネート(A1−a)を30質量%以上含むポリイソシアネート(A1)を、ポリオール(A2)と反応させて得られたポリイソシアネート樹脂(A)を含むことを特徴とするウレタン塗膜防水用トップコート組成物、
2. 前記ポリイソシアネート(A1−a)が、脂肪族ポリイソシアネートおよび脂環式ポリイソシアネートから選ばれる少なくとも1種のアロファネート変性体である1のウレタン塗膜防水用トップコート組成物、
3. 前記ポリイソシアネート(A1)が、非芳香族ポリイソシアネートである1のウレタン塗膜防水用トップコート組成物、
4. 前記脂肪族ポリイソシアネートおよび脂環式ポリイソシアネートが、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添化キシリレンジイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート、およびノルボルナンジイソシアネートから選ばれる少なくとも1種である2のウレタン塗膜防水用トップコート組成物、
5. 前記ポリオール(A2)が、平均官能基数2〜4、数平均分子量200〜3000のポリオールである1〜4のいずれかのウレタン塗膜防水用トップコート組成物、
6. 前記ポリオール(A2)が、非芳香族ポリオールである1〜5のいずれかのウレタン塗膜防水用トップコート組成物、
7. 前記ポリイソシアネート(A1)およびポリオール(A2)の反応モル比が、[NCO]/[OH]=1.2以上である1〜6のいずれかのウレタン塗膜防水用トップコート組成物、
8. 2液型である1〜7のいずれかのウレタン塗膜防水用トップコート組成物、
9. 1分子中に1個以上のアロファネート結合および2個以上のイソシアネート基を含むポリイソシアネート(A1−a)を30質量%以上含むポリイソシアネート(A1)を、ポリオール(A2)と反応させて得られたポリイソシアネート樹脂(A)を含むことを特徴とするウレタン塗膜防水用トップコート組成物用の硬化剤
を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明のウレタン塗膜防水用トップコート組成物は、アロファネート結合を含むポリイソシアネートを所定量以上含むポリイソシアネートを一成分としているため、ウレタン防水材との接着性に優れ、かつ、耐候性も良好である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
本発明に係るウレタン塗膜防水用トップコート組成物は、1分子中に1個以上のアロファネート結合および2個以上のイソシアネート基を含むポリイソシアネート(A1−a)を30質量%以上含むポリイソシアネート(A1)を、ポリオール(A2)と反応させて得られたポリイソシアネート樹脂(A)を含むものである。
【0011】
本発明において、ポリイソシアネート(A1−a)は、1分子中に1個以上のアロファネート結合および2個以上のイソシアネート基を含むものであれば任意であり、ポリイソシアネートと、アルコールとを、イソシアネート基が過剰な状態でウレタン化およびアロファネート化させて得ることができる。このウレタン化およびアロファネート化は同時に進行させてもよく、ウレタン化させた後、アロファネート化させてもよい。
【0012】
ここで、アロファネート化用のポリイソシアネートとしては、従来公知の各種ポリイソシアネートから適宜選択して用いることができ、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート;イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水添化トリレンジイソシアネート、水添化キシレンジイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート、水添化テトラメチルキシレンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート;2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,4′−ジイソシアネート、2,2′−ジフェニルプロパン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルプロパンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、3,3′−ジメトキシジフェニル−4,4′−ジイソシアネート等の芳香族イソシアネート;キシリレン−1,4−ジイソシアネート、キシリレン−1,3−ジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート等を用いることができる。これらのポリイソシアネートは、単独で用いても、2種以上混合して用いてもよい。
これらの中でも、トップコートの耐候性をより高めることを考慮すると、脂肪族イソシアネート、脂環式ジイソシアネートが好適であり、特に、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添化キシリレンジイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネートが好ましい。
【0013】
一方、アルコールとしても特に限定されるものではなく、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、t−ブタノール等のモノオール類;エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−n−ヘキサデカン−1,2−エチレングリコール、2−n−エイコサン−1,2−エチレングリコール、2−n−オクタコサン−1,2−エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド付加物、水添化ビスフェノールA、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル−3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピオネート等のジオール類;トリメチロールプロパン、グリセリン等のトリオール類などが挙げられる。これらは、単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0014】
ウレタン化およびアロファネート化反応は、ポリイソシアネートとアルコールとを有機溶剤の存在下または非存在下、50〜150℃程度に加熱して行うことができる。
ウレタン化とアロファネート化とを同時に行う場合、アロファネート化触媒の存在下で反応を行えばよく、ウレタン化後にアロファネート化を行う場合、アロファネート化触媒の非存在下で、所定時間ウレタン化反応を行った後、アロファネート化触媒を添加してアロファネート化反応を行えばよい。
【0015】
アロファネート化触媒としては、公知の触媒から適宜選択して用いることができ、例えば、有機カルボン酸の金属塩を用いることができる。
有機カルボン酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプロン酸、オクチル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、2−エチルヘキサン酸等の飽和脂肪族カルボン酸;シクロヘキサンカルボン酸、シクロペンタンカルボン酸等の飽和脂環式カルボン酸;ビシクロ(4.4.0)デカン−2−カルボン酸等の飽和複環カルボン酸;オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、大豆油脂肪酸、トール油脂肪酸等の不飽和脂肪族カルボン酸;ジフェニル酢酸等の芳香脂肪族カルボン酸;安息香酸、トルイル酸等の芳香族カルボン酸等が挙げられる。
また、カルボン酸の金属塩を構成する金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;マグネシウム、カルシウム、バリウム等のアルカリ土類金属;マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ジルコニウム等の遷移金属等が挙げられる。
中でも、アルキルカルボン酸のジルコニウム、亜鉛、鉛等の金属塩が好ましく、特に、オクチル酸ジルコニウム、2−エチルヘキサン酸ジルコニウム等のアルキルカルボン酸のジルコニウム塩が好ましい。
なお、アロファネート化触媒の使用量は、ポリイソシアネートとアルコールとの合計質量に対して0.0005〜1質量%が好ましく、0.001〜0.1質量%がより好ましい。
【0016】
有機溶媒の存在下で反応を行う場合、反応に影響を与えない各種有機溶媒、例えば、n−ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等のエステル類、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート等のグリコールエーテルエステル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、塩化メチル、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、臭化メチル、ヨウ化メチレン、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホニルアミド等の極性非プロトン溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。
反応後は、リン酸、酸性リン酸エステル等の公知の反応停止剤にてアロファネート化反応を停止させ、薄膜蒸留等の公知の手法により未反応成分を除去して目的とするアロファネート結合を有するポリイソシアネート(A1−a)を得ることができる。
【0017】
本発明において、ポリイソシアネート(A1−a)の官能基数は、特に限定されるものではないが、ポリオール(A2)との反応時のゲル化の抑制や、主剤との相溶性を良好にするということを考慮すると、2〜4が好ましく、特に2〜2.5が好適である。
また、ポリイソシアネート(A1−a)の粘度は特に限定されるものではないが、主剤と硬化剤との混合性等を考慮すると、25℃で50〜900mPa・sが好ましく、100〜700mPa・sがより好ましい。
【0018】
本発明において、ポリイソシアネート(A1)中には、アロファネート結合を有するポリイソシアネート(A1−a)が30質量%以上含まれる。
この値が、30質量%未満であると、ウレタン防水材に対する接着性が低下する。一方、その上限については、特に制限はないが、上述したアロファネート化反応では、一般的にヌレート体などが副生してくるため、ポリイソシアネート(A1−a)100質量%のポリイソシアネートを得ることは困難であり、通常、90〜99質量%程度である。
【0019】
上述したアロファネート化反応の結果得られたポリイソシアネートには、アロファネート結合を有するポリイソシアネート(A1−a)以外に、ヌレート体やその他のイソシアネート成分が少量含まれているが、通常は30質量%以上のアロファネート結合を有するポリイソシアネートが含まれているため、アロファネート化反応で得られたポリイソシアネートを、そのままポリイソシアネート(A1)として用いることができる。
また、得られたポリイソシアネートに、上述した各種ポリイソシアネート等のその他のポリイソシアネートを、アロファネート結合を有するポリイソシアネート(A1−a)が30質量%以上となる適宜な量で配合し、ポリイソシアネート(A1)とすることもできる。
【0020】
ポリオール(A2)としては、特に限定されるものではなく、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等に代表される従来公知の各種ポリオールが挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロオルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、トリメット酸等のポリカルボン酸、酸エステル、または酸無水物の1種以上と、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の低分子ポリオール類の1種類以上との脱水縮合で得られるポリエステルポリオール、また、低分子ポリオール、低分子ポリアミン、低分子アミノアルコールを開始剤として、ε−カプロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステルモノマーの開環重合で得られるラクトン系ポリエステルポリオールが挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、低分子ポリオール、低分子ポリアミン、低分子アミノアルコールを開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフラン等を開環重合して得られる、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等、およびこれらの共重合体等が挙げられる。
なお、これらのポリオールは、単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、耐候性に優れるトップコートを与え得る無黄変(非芳香族)ポリオールが好ましく、特に、ポリテトラメチレングリコールが好適である。
【0021】
本発明において、ポリオール(A2)の平均官能基数は、特に限定されるものではないが、ポリイソシアネート(A1)との反応時のゲル化の抑制や、主剤との相溶性を良好にするということを考慮すると、2〜4が好ましい。
また、その数平均分子量も特に限定されるものではないが、適度なウレタン結合間距離を確保してトップコートの硬度を適切にし、耐汚染性などを向上させることを考慮すると、数平均分子量200〜3000が好ましい。
なお、数平均分子量は、示差屈折率計検出によるゲルパーミェーションクロマトグラフィー(以下、GPCと略称する)測定による測定値(ポリスチレン換算値)である。
【0022】
ポリイソシアネート樹脂(A)は、上述したポリイソシアネート(A1)と、ポリオール(A2)とを、溶媒の存在下または非存在下で反応させて得ることができる。
ポリイソシアネート(A1)と、ポリオール(A2)との反応条件は特に限定されるものではなく、例えば、必要に応じてウレタン化触媒の存在下、20〜150℃で過剰量のポリイソシアネート(A1)と、ポリオール(A2)とを反応させる手法が挙げられる。
【0023】
この際、ポリイソシアネート(A1)の[NCO]と、ポリオール(A2)の[OH]のモル比は、[NCO]が過剰であれば特に限定されるものではないが、主剤との相溶性を高め、かつ、架橋密度を高めて塗膜性能を高めることを考慮すると、[NCO]/[OH]=1.2以上が好ましく、1.5以上がより好ましく、1.7以上がより一層好ましい。
なお、必要に応じて用いられるウレタン化触媒は公知のものから適宜選択することができ、例えば、ジブチル錫ラウレート、ジオクチル錫ラウレートなどを用いることができる。
【0024】
ポリイソシアネート(A1)とポリオール(A2)との反応は、無溶媒でも、溶媒の存在下でも行うことができる。
溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば任意であり、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、シクロヘキサン、シクロペンタン等の脂肪族または脂環族炭化水素;トルエン、キシレン、エチルベンゼン、低沸点芳香族ナフサ、高沸点芳香族ナフサ等の芳香族炭化水素;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸n−アミル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のエステル類;メタノール、エタノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノn−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノn−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルn−アミルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のエーテル類;N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、エチレンカーボネート等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0025】
本発明のウレタン塗膜防水用トップコート組成物は、上述したポリイソシアネート成分に特徴があるため、これと反応硬化させるもう一方の成分としては、当該用途に一般に用いられているものから適宜選択すればよい。
具体例としては、アクリル系ポリオール、フッ素系ポリオール等が挙げられ、これらの中でも、耐候性とコスト面のバランスからアクリル系ポリオールが好適である。
【0026】
アクリル系ポリオールとしては、水酸基を有するアクリルモノマーと、不飽和二重結合を有するその他の重合性モノマーとをラジカル共重合して得られる各種アクリルポリオールを用いることができる。
水酸基を有するアクリルモノマーの具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、N−メチロール化アクリルアミド、ε−カプロラクトン変性ヒドロキシ(メタ)アクリレート、カーボネート変性メタクリレート(ダイセル化学工業株式会社製、HEMAC)等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0027】
不飽和二重結合を有する重合性モノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のカルボン酸基含有モノマー、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有モノマー、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有モノマー、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デカニル(メタ)アクリレート、ウンデカニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のC1〜C24のアルキル(メタ)アクリレートモノマー、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族炭化水素系モノマー、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のビニルエーテル系モノマー、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、(メタ)アクリロニトリル、N−ビニルピロリドン等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。特に、不飽和二重結合を有する重合性モノマーとして、アルキル(メタ)アクリレートモノマーを用いることが好ましい。
【0028】
上記ラジカル共重合は、無溶媒または適当な有機溶媒存在下、重合開始剤を用いて行われる。
有機溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば任意である。その具体例としては、ポリイソシアネート(A1)とポリオール(A2)との反応で例示したものが挙げられる。
重合開始剤としては、公知のラジカル重合開始剤から適宜選択することができ、例えば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
反応温度は、通常、60〜150℃程度である。反応時間は、通常、1〜12時間程度である。
【0029】
また、アクリル系ポリオール、フッ素系ポリオールは、それぞれ市販品を用いることもできる。
アクリル系ポリオールの市販品としては、エクセロール290、エクセロール170(以上、亜細亜工業(株)製)、アクリディックA−801−P、アクリディックA−823(以上、大日本インキ化学工業(株)製)等が挙げられる。
フッ素系ポリオールの市販品としては、ルミフロンLF−100,ルミフロンLF−200(以上、旭硝子(株)製)等が挙げられる。
【0030】
本発明のウレタン塗膜防水用トップコート組成物において、ポリイソシアネート成分とポリオール成分との配合割合は特に限定されるものではないが、架橋密度を高めてトップコートの塗膜性能を十分に発揮させることを考慮すると、ポリイソシアネート成分中のイソシアネート基およびポリオール成分中の水酸基のモル比が[NCO]/[OH]=0.8以上となる割合が好ましい。特に、過剰のイソシアネート基と、水分との反応による発泡を考慮すると、好ましくは、[NCO]/[OH]=0.8〜5.0、より好ましくは、[NCO]/[OH]=1.0〜3.5である。
【0031】
本発明のウレタン塗膜防水用トップコート組成物には、必要に応じて有機溶剤を配合してもよい。有機溶剤としては、従来、トップコート組成物に用いられる各種溶剤を用いることができ、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶剤、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸n−アミル等のエステル溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン溶剤、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素溶剤、ミネラルスピリット等の石油系炭化水素溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、グリコールエーテルエステル類溶剤等が挙げられる。これらの溶剤は、単独で用いても、2種以上混合して用いてもよい。
また、本発明のウレタン塗膜防水用トップコート組成物には、必要に応じて、着色顔料、体質顔料、表面調整剤、消泡剤、増粘剤、沈降防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、触媒等の各種添加剤を配合してもよい。2液型の組成物の場合、これらの溶剤、各種添加剤は、ポリイソシアネート成分およびポリオール成分のどちらか一方に配合しても、両者に配合してもよい。
【0032】
本発明のウレタン塗膜防水用トップコート組成物は、2成分を現場で調合し、塗装する2液常温硬化型の組成物として好適に用いることができる。
この場合、塗布法は特に限定されるものではなく、刷毛塗り、ローラ塗りなどの公知の手法から適宜選択すればよい。また、塗布量、塗膜の厚み、乾燥時間などは、ウレタン防水材の種類などに応じて適宜設定すればよい。
【実施例】
【0033】
以下、合成例、製造例、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。以下の説明において、「部」は質量部を意味する。
なお、以下において、イソシアネート含量は中和滴定により求めた。また、粘度はB型回転粘度計(装置:芝浦システム(株)製VG−A1)を、遊離のヘキサメチレンジイソシアネート(フリーHDI)はガスクロマトグラフィー((株)島津製作所製、GC−14A、分離カラム:J&W scientific社製、DB−17)を、アロファネート基含有成分量はFT−IR(日本分光(株)製、FT/IR−460)、13C−NMR(日本電子(株)製、ECX−400)およびGPC(装置:東ソー(株)製HLC−8120GPC、分離カラム:東ソーTSKgel Super HM−Mのミックスカラム)を用いて測定した。
【0034】
[1]ポリイソシアネートの合成
[合成例1]ポリイソシアネートP−1の合成
温度計、攪拌機、冷却管および窒素ガス導入管を備えた反応器に、ヘキサメチレンジイソシアネート950部、イソプロパノール50部、2−エチルヘキサン酸ジルコニウムのミネラルスピリット溶液(ジルコニウム含有量:20質量%)0.5部を仕込み、攪拌しながら110℃まで昇温した。その後、同温度で2時間反応を行った。次いで、リン酸0.1部を仕込み、50℃で1時間停止反応を行った。停止反応後の反応生成物のイソシアネート含量は40.5質量%であった。
次に、得られた生成物を130℃、0.04kPaの条件下で薄膜蒸留を行い、イソシアネート含量19.4質量%、25℃粘度150mPa・s、フリーHDI0.2質量%、アロファネート基含有成分95質量%のアロファネート基含有ポリイソシアネートP−1を得た。
【0035】
[合成例2]ポリイソシアネートP−2の合成
表1に示される組成に変更した以外は、合成例1と同様にして、イソシアネート含量16.6質量%、25℃粘度240mPa・s、フリーHDI0.2質量%、アロファネート基含有成分92質量%のアロファネート基含有ポリイソシアネートP−2を得た。
【0036】
[合成例3]ポリイソシアネートP−3の合成
表1に示される組成に変更した以外は、合成例1と同様にして、イソシアネート含量10.4質量%、25℃粘度350mPa・s、フリーHDI0.2質量%、アロファネート基含有成分89質量%のアロファネート基含有ポリイソシアネートP−3を得た。
【0037】
[比較合成例1]ポリイソシアネートP−4の合成
温度計、攪拌機、冷却管および窒素ガス導入管を備えた反応器に、ヘキサメチレンジイソシアネート950部、1,3−ブタンジオール50部を仕込み、攪拌しながら80℃まで昇温した。その後、同温度で6時間反応を行った。反応後の反応生成物のイソシアネート含量は35.6質量%であった。
次に、得られた生成物を130℃、0.04kPaの条件下で薄膜蒸留を行い、イソシアネート含量19.7質量%、25℃粘度750mPa・s、フリーHDI0.2質量%、アロファネート基含有成分0質量%のポリイソシアネートP−4を得た。
上記合成例1〜3および比較合成例1のまとめを表1に示す。
【0038】
【表1】

【0039】
[2]ポリイソシアネート樹脂(A)の調製
[製造例1]ポリイソシアネート樹脂溶液K−1PPの調製
攪拌装置、温度計、冷却管および窒素ガス導入管を備えた反応器に、合成例1で得られたポリイソシアネートP−1 37.8部、ポリテトラメチレングリコール1000(保土谷化学(株)製、PTG1000SN、数平均分子量1000)42.2部、トルエン20部を仕込み、攪拌しながら80℃まで昇温した。同温度で6時間反応させ、固形分80質量%、イソシアネート含量3.8質量%のポリイソシアネート樹脂溶液K−1PPを得た。
【0040】
[製造例2〜7,比較製造例1〜5]
表2に示される組成に変更した以外は、製造例1と同様の方法でポリイソシアネート樹脂溶液K−2PP〜K−12PPを得た。
製造例1〜7,比較製造例1〜5のまとめを表2に示す。
【0041】
【表2】

【0042】
[3]ウレタン塗膜防水用トップコート組成物
[実施例1〜7,比較例1〜5]
(1)硬化剤の調製
上記製造例1〜7および比較製造例1〜5で得られたポリイソシアネート樹脂溶液K−1PP〜K−12PP 100部に対し、キシレン100部、酢酸ブチル100部、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100部を混合し、イソシアネート含量0.95質量%、固形分20.0質量%の硬化剤K−1〜K−12を得た。
【0043】
(2)トップコート組成物の調製
上記硬化剤K−1〜K−12と組み合わせる水酸基含有樹脂を使用した主剤は次のように調製した。
攪拌装置、温度計、冷却管および滴下装置を備えた反応器に、キシレン400部、酢酸ブチル200部を仕込み、攪拌しながら110℃まで昇温した。そこに、2−ヒドロキシエチルメタクリレート80部、スチレン100部、メチルメタクリレート320部、n−ブチルメタクリレート250部、n−ブチルアクリレート247部、アクリル酸3部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート18部、トルエン100部からなる混合物を4時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度で1時間反応させた。さらに、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート2部、トルエン100部からなる混合物を1時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度で3時間反応させ、固形分56.0質量%、粘度4000mPa・s(25℃)、水酸基価33.9mgKOH/g(固形分)、数平均分子量15,000、平均官能基数9.1の透明なアクリルポリオール樹脂溶液を得た。
続いて、このアクリルポリオール樹脂溶液256部、顔料CR−95(石原産業(株)製)88部、キシレン56部、ガラスビーズ400部を混合し、ペイントシェイカーで1時間分散を行った。分散終了後、ガラスビーズを取り除くことにより、固形分57.8質量%、水酸基価12.1mgKOH/gの白色塗料を調製し、これを主剤とした。
主剤/硬化剤=1/1(w/w)で調合し、よく混合した([NCO]/[OH]モル比=1.05)。得られたトップコート組成物の性能を、以下の方法に従って測定した。測定結果を表3に示す。
【0044】
〔耐候性(光沢保持率、色差)〕
耐候性試験は、JIS K5600−7−7促進耐候性(キセノンランプ法)に準拠し、キセノンウェザーメーター(スガ試験機(株)製、キセノンX75)を用いて行った。
試験片は、150×50×4mmのフレキシブルボードに湿気硬化プライマー(商品名:メンテプライマーOCM−10、亜細亜工業(株)製)を乾燥膜厚20μmになるように短毛ローラで塗装し、23℃,50%RHの条件下で24時間養生後、さらに乾燥膜厚2mmになるようにウレタン系塗膜防水材(商品名:サラセーヌK、AGCポリマー建材(株)製)をコテで塗布し、23℃,50%RHの条件下で24時間養生を行い、この上に、上記実施例および比較例で調製したトップコート組成物を乾燥膜厚50μmになるように、中毛ローラで塗装し、23℃,50%RHの条件下で168時間養生して作製した。
キセノンウェザーメーターの試験条件としては、ブラックパネル温度を65℃、120分間照射中に水の噴霧時間を18分間とし、1000時間の暴露試験を実施した。試験終了後、塗膜の初期60°鏡面光沢値に対する光沢保持率、および塗膜の初期の色に対する色差を求めた。
【0045】
〔初期接着性〕
初期接着性はJIS K5600−5−6付着性(クロスカット法)に準拠し、隙間間隔2mmのカッターガイドを用いて、碁盤目状(25マス;縦5分割×横5分割)に切り傷をつけ、この碁盤目の上にセロハン粘着テープをはり、テープの一端を持って塗面に直角方向に瞬間的に引き剥がし、塗膜の剥がれの面積を測定し、下記の分類にて評価した。
なお、試験片は、150×50×4mmのフレキシブルボードに湿気硬化プライマー(商品名:メンテプライマーOCM−10、亜細亜工業(株)製)を乾燥膜厚20μmになるように短毛ローラで塗装し、23℃,50%RHの条件下で24時間養生後、さらに乾燥膜厚2mmになるようにウレタン系塗膜防水材(商品名:サラセーヌK、AGCポリマー建材(株)製)をコテで塗布し、23℃,50%RHの条件下で72時間養生を行い、この上に、上記実施例および比較例で調製したトップコート組成物を乾燥膜厚50μmになるように、中毛ローラで塗装し、23℃,50%RHの条件下で1時間養生して作製した。
分類0:どの格子の目にもはがれがない。
分類1:剥離面積5%未満
分類2:剥離面積5%以上15%未満
分類3:剥離面積15%以上35%未満
分類4:剥離面積35%以上65%未満
分類5:剥離面積65%以上
【0046】
〔最終接着性〕
合成樹脂製の底板に剥離紙を、その上に不織布を敷き、乾燥膜厚2mmになるようにウレタン系塗膜防水材(商品名:サラセーヌK、AGCポリマー建材(株)製)をコテで塗布し、23℃,50%RHの条件下で72時間養生を行った。この上に、上記実施例および比較例で調製したトップコート組成物を、乾燥膜厚50μmになるように、中毛ローラで塗装し、23℃,50%RHの条件下で168時間養生を行った。さらに、トップコート組成物をしみ込ませた不織布を重ねて3層とし、23℃,50%RHの条件下で168時間養生を行った。その後、150mm×20mmサイズに切断し、試験片とした。この試験片について、物性試験機((株)島津製作所製、オートグラフAGS−J)を用いて、剥離角度180°、剥離速度200mm/分の条件で剥離強度を測定した。
【0047】
【表3】

【0048】
表3に示されるように、アロファネート結合を含むポリイソシアネート(A1−a)を30質量%以上含むポリイソシアネート(A1)を、ポリオール(A2)と反応させて得られたポリイソシアネート樹脂(A)を含む硬化剤を用いた実施例1〜7で得られた塗膜は、比較例1〜5の塗膜と比較し、耐候性(光沢保持率、色差)およびウレタン防水材との接着性(初期、最終)が良好であり、これら2つの特性が両立できていることがわかる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1分子中に1個以上のアロファネート結合および2個以上のイソシアネート基を含むポリイソシアネート(A1−a)を30質量%以上含むポリイソシアネート(A1)を、ポリオール(A2)と反応させて得られたポリイソシアネート樹脂(A)を含むことを特徴とするウレタン塗膜防水用トップコート組成物。
【請求項2】
前記ポリイソシアネート(A1−a)が、脂肪族ポリイソシアネートおよび脂環式ポリイソシアネートから選ばれる少なくとも1種のアロファネート変性体である請求項1記載のウレタン塗膜防水用トップコート組成物。
【請求項3】
前記ポリイソシアネート(A1)が、非芳香族ポリイソシアネートである請求項1記載のウレタン塗膜防水用トップコート組成物。
【請求項4】
前記脂肪族ポリイソシアネートおよび脂環式ポリイソシアネートが、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添化キシリレンジイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート、およびノルボルナンジイソシアネートから選ばれる少なくとも1種である請求項2記載のウレタン塗膜防水用トップコート組成物。
【請求項5】
前記ポリオール(A2)が、平均官能基数2〜4、数平均分子量200〜3000のポリオールである請求項1〜4のいずれか1項記載のウレタン塗膜防水用トップコート組成物。
【請求項6】
前記ポリオール(A2)が、非芳香族ポリオールである請求項1〜5のいずれか1項記載のウレタン塗膜防水用トップコート組成物。
【請求項7】
前記ポリイソシアネート(A1)およびポリオール(A2)の反応モル比が、[NCO]/[OH]=1.2以上である請求項1〜6のいずれか1項記載のウレタン塗膜防水用トップコート組成物。
【請求項8】
2液型である請求項1〜7のいずれか1項記載のウレタン塗膜防水用トップコート組成物。
【請求項9】
1分子中に1個以上のアロファネート結合および2個以上のイソシアネート基を含むポリイソシアネート(A1−a)を30質量%以上含むポリイソシアネート(A1)を、ポリオール(A2)と反応させて得られたポリイソシアネート樹脂(A)を含むことを特徴とするウレタン塗膜防水用トップコート組成物用の硬化剤。

【公開番号】特開2009−91474(P2009−91474A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−263976(P2007−263976)
【出願日】平成19年10月10日(2007.10.10)
【出願人】(000116301)亜細亜工業株式会社 (18)
【Fターム(参考)】