エアゾール用ボタン
【課題】噴射口の詰まりを容易に解消することができるエアゾール用ボタンを提供する。
【解決手段】２つの噴射口と、１つ又は２つの針状凸部を有する密閉用部材とを備えるエアゾール用ボタンであって、該密閉用部材の針状凸部を該噴射口の一方に嵌挿して密閉するように構成したエアゾール用ボタンである。
【解決手段】２つの噴射口と、１つ又は２つの針状凸部を有する密閉用部材とを備えるエアゾール用ボタンであって、該密閉用部材の針状凸部を該噴射口の一方に嵌挿して密閉するように構成したエアゾール用ボタンである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、噴射口の詰まりを容易に解消することができるエアゾール用ボタンに関する。
【背景技術】
【０００２】
制汗剤、消臭剤、接着剤、塗料等を充填したエアゾール容器においては、エアゾール内容物中に含まれる粉体やポリマー等がエアゾール残留物として噴射口に蓄積するため、噴射口が詰まり易いという問題がある。そのため、エアゾール容器の噴射口の詰まり防止手段が提案されている。
【０００３】
例えば、特許文献１には、噴霧用予備ノズルを保護キャップ内部に収納できるスプレー缶が開示されている。しかしながら、この予備ノズルは噴射口が詰まったときに交換するためのもので、噴射口の詰まりを解消するものではない。また、予備ノズルを設けると部材点数が増えるため製造上不利であり、噴射ボタンが大型である場合は、保護キャップ内に複数のボタンを収納することが難しいこともある。更に、保護キャップの脱着時等に予備ノズルが脱落して紛失したり、落下時に予備ノズルの先端が破損したりするおそれがあった。
【０００４】
【特許文献１】特開平９−１９３９７９号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
本発明は、噴射口の詰まりを容易に解消することができるエアゾール用ボタンを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明者らは、噴射口に嵌挿しうる針状凸部を有する密閉用部材を用いることにより上記課題を解決しうることを見出した。
すなわち、本発明は、２つの噴射口と、１つ又は２つの針状凸部を有する密閉用部材とを備えるエアゾール用ボタンであって、該密閉用部材の針状凸部を該噴射口の一方に嵌挿して密閉するように構成したエアゾール用ボタンを提供する。
【発明の効果】
【０００７】
本発明のエアゾール用ボタンは、予備の噴射口を備えると共に、閉塞した噴射口の詰まりを簡便に除去することができるため、繰り返して使用することができる。また、構造が簡単であるため、製造上有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００８】
本発明のエアゾール用ボタンは、２つの噴射口と、１つ又は２つの針状凸部を有する密閉用部材とを備えるエアゾール用ボタンであって、該密閉用部材の針状凸部を該噴射口の一方に嵌挿して密閉するように構成されている。以下、図面を参照しつつ、本発明を詳細に説明する。
図１は、本発明のエアゾール用ボタンの一態様を示す縦断面図であり、図３は、別の態様を示す縦断面図である。図１及び図３において、１はボタン本体であり、ボタン本体１の中央下部のステム嵌合部８にはエアゾール容器（図示せず）のステム（図示せず）が接続される。このステムは、例えば、固形粉末成分、油性成分、噴射剤等を含むエアゾール内容物を充填したエアゾール容器のバルブ機構（図示せず）に接続される。そして、ボタン本体１を押圧することによって、ステムに接続するバルブ機構を開弁し、エアゾール内容物を、ステムからボタン本体１の流通路２に導入することができるようになっている。
【０００９】
流通路２は、ボタン本体１の側面に設けた２つの噴射口３、３’に連通している。
噴射口３、３’は、ボタン本体１に設けられた空孔であり、エアゾール内容物の吐出口となる。噴射口３、３’は、それぞれ別の方向に向けて設けられている。これらの噴射方向は、例えば、流通路２を中心とした水平面上において、互いに逆方向（１８０°の方向）に設けられる。
２つの噴射口３、３’を設けることで、一方の噴射口を、他方の噴射口が詰まった場合の予備とすることができる。そして、使用中の噴射口３が詰まった場合は、他方の噴射口３’に切り換えて使用することができる。
噴射口３、３’の外方にはエアゾール内容物の導出路４、４’が設けられている。エアゾール内容物の詰まり防止の観点から、導出路４、４’の直径は、噴射口３、３’の直径よりも大きく形成することが好ましい。
【００１０】
エアゾール内容物を噴射する場合は、ボタン本体１を押圧して、エアゾール容器のバルブ機構を開放し、ステムを介してエアゾール内容物を流通路２に導入する。この流通路２に導入されたエアゾール内容物は、流通路２と連通する２つの噴射口３、３’のうち、開放されている噴射口３から導出路４内に噴射される。噴射口３から噴射されたエアゾール内容物は、導出路４の周壁面に当たって拡散を抑制され、導出路４内を外方向に向かって直線状に噴射される。
このように、拡散を規制しながら噴射することにより、エアゾール内容物を目標に向けて確実に噴霧することができるため、エアゾール内容物の効率的な使用が可能となる。
【００１１】
密閉用部材５は、１つ又は２つの針状凸部７、７’を備え、この針状凸部７、７’が、２つの噴射口３、３’のうちの一方、例えば噴射口３’に嵌挿されることで噴射口３’が密閉され、噴射口３’からエアゾール内容物が漏出するのを防ぐことができる。
密閉用部材５は、針状凸部７を噴射口３に嵌挿したり、固定することができればよく、その形状や大きさに特に制限はない。例えば、ボタン本体１の外部に取付けて取り外し可能（図１参照）としてもよいし、ボタン本体１の内部に取付けてスライド可能（図３参照）としてもよい。
【００１２】
針状凸部７、７’は、噴射口３、３’を完全に密閉できる形状とする。詰まり防止の観点から、例えば、噴射口３、３’が円筒状である場合、針状凸部７、７’は噴射口３、３’とほぼ同径の針状であることが好ましく、針状凸部７、７’の長さは噴射口３、３’の導管の長さ以上であることが好ましい。
使用中の噴射口３が詰まった場合には、詰まった噴射口３に針状凸部７を嵌挿することにより、噴射口３内のエアゾール残留物等を除去して、容易に詰まりを解消することができる。そして、エアゾール容器の噴射口３の詰まりが解消され、エアゾール内容物が噴射口３を通過できるようになり、再使用できるため経済的である。
【００１３】
図１に示す態様では、ボタン本体１は２つの噴射口３、３’の外方にそれぞれ密閉用部材装着部６、６’を備え、密閉用部材５は、図２に示す針状凸部７を１つ備えている。密閉用部材装着部６は、ボタン本体１の側面であって２つの噴射口３、３’の外方にそれぞれ設けられ、密閉用部材５の一部又は全体を受容する凹部形状となっている。密閉用部材５を密閉用部材装着部６又は６’のいずれかに装着すると、その内方の噴射口３又は３’に針状凸部７が嵌挿される。
密閉用部材５は、単に嵌め込むことで密閉用部材装着部６に装着するように構成してもよいし、リブ、ねじ切り、嵌合溝等を設けて脱落防止を強化するように構成することもできる。
【００１４】
使用中の噴射口３が詰まった場合には、密閉用部材５を一方の密閉用部材装着部６’より取り外し、詰まった噴射口３の外方の密閉用部材装着部６に嵌挿するように取付けると、針状凸部７が噴射口３の外部や内部に蓄積した残留物を除去したり内方に押し込むことになり、閉塞した噴射口３が貫通され密閉される。また、同時に、他方の噴射口３’が使用可能となる。
図１の態様では、密閉用部材５を外部から取付けることで、噴射口３だけでなく、導出路４等も埃等による汚れ等から保護できる点で好ましい。
【００１５】
図３は、本発明のエアゾール用ボタンの別の態様を示し、図４に示す平面図のＡ−Ａ’線における縦断面図であり、図４は、図３のエアゾール用ボタンの平面図であり、図５は、図３のエアゾール用ボタンの密閉用部材を示す縦断面図であり、図６は、図３のエアゾール用ボタンの図４に示すＢ−Ｂ’線における縦断面図である。
図３に示す態様では、密閉用部材５がボタン本体１の上部でスライドして左右に移動できるように組み込まれており、密閉用部材５には２つの針状凸部７、７’が互いに逆方向（１８０°の方向）に設けられている。図５に示す密閉用部材５をスライドさせることで、２つの針状凸部７、７’のいずれかが互いに逆方向（１８０°の方向）に設けられた２つの噴射口３、３’の一方に内方より嵌挿される。通常は、２つの噴射口３、３’のうちの一方、例えば噴射口３’に針状凸部７’が嵌挿されて噴射口３’が密閉され、噴射口３’からのエアゾール内容物の漏出を防止している。
【００１６】
使用中の噴射口３が詰まった場合には、密閉用部材５の上面を指で押圧してスライドさせて、針状凸部７を噴射口３に嵌挿することで、噴射口３の外部や内部に蓄積した残留物を除去したり外方に押し出したりして、閉塞した噴射口３が貫通され密閉される。また、同時に、他方の噴射口３’の使用が可能となる。
図３の態様では、密閉する噴射口３、３’の切り替えや噴射口３、３’の清掃をスライド操作のみで行うことができ、また密閉用部材５はボタン本体１から取り外しできないため、脱落したり紛失することがなく、操作が簡便である点で好ましい。
【００１７】
ボタン本体１の材質は特に制限はなく、各種のプラスチック、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリオキシメチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、スチレン系樹脂、ＡＢＳ樹脂等を用いて、公知の成形法により製造することができる。
密閉用部材５は、ボタン本体１と同様の素材又はその他の素材を用いて製造することができる。また、針状凸部７は密閉用部材５と同様の素材とすることができるが、機械的強度の点から、ステンレス等の金属等を用いて針状に形成することが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【００１８】
本発明のエアゾール用ボタンは、噴射口の詰まりを容易に解消することができ、しかも構造が簡単で製造上有利である。このため、制汗剤、消臭剤、接着剤、塗料等を充填したエアゾール容器のエアゾール用ボタンとして、特に有効に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【００１９】
【図１】本発明のエアゾール用ボタンの一態様を示す縦断面図である。
【図２】図１のエアゾール用ボタンの密閉用部材を示す縦断面図である。
【図３】本発明のエアゾール用ボタンの別の態様を示し、図４に示すＡ−Ａ’線における縦断面図である。
【図４】図３のエアゾール用ボタンの平面図である。
【図５】図３のエアゾール用ボタンの密閉用部材を示す縦断面図である。
【図６】図３のエアゾール用ボタンの図４に示すＢ−Ｂ’線における縦断面図である。
【符号の説明】
【００２０】
１：エアゾール用ボタン本体
２：流通路
３、３’：噴射口
４、４’：導出路
５：密閉用部材
６：密閉用部材装着部
７、７’：針状凸部
８：ステム嵌合部
【技術分野】
【０００１】
本発明は、噴射口の詰まりを容易に解消することができるエアゾール用ボタンに関する。
【背景技術】
【０００２】
制汗剤、消臭剤、接着剤、塗料等を充填したエアゾール容器においては、エアゾール内容物中に含まれる粉体やポリマー等がエアゾール残留物として噴射口に蓄積するため、噴射口が詰まり易いという問題がある。そのため、エアゾール容器の噴射口の詰まり防止手段が提案されている。
【０００３】
例えば、特許文献１には、噴霧用予備ノズルを保護キャップ内部に収納できるスプレー缶が開示されている。しかしながら、この予備ノズルは噴射口が詰まったときに交換するためのもので、噴射口の詰まりを解消するものではない。また、予備ノズルを設けると部材点数が増えるため製造上不利であり、噴射ボタンが大型である場合は、保護キャップ内に複数のボタンを収納することが難しいこともある。更に、保護キャップの脱着時等に予備ノズルが脱落して紛失したり、落下時に予備ノズルの先端が破損したりするおそれがあった。
【０００４】
【特許文献１】特開平９−１９３９７９号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
本発明は、噴射口の詰まりを容易に解消することができるエアゾール用ボタンを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明者らは、噴射口に嵌挿しうる針状凸部を有する密閉用部材を用いることにより上記課題を解決しうることを見出した。
すなわち、本発明は、２つの噴射口と、１つ又は２つの針状凸部を有する密閉用部材とを備えるエアゾール用ボタンであって、該密閉用部材の針状凸部を該噴射口の一方に嵌挿して密閉するように構成したエアゾール用ボタンを提供する。
【発明の効果】
【０００７】
本発明のエアゾール用ボタンは、予備の噴射口を備えると共に、閉塞した噴射口の詰まりを簡便に除去することができるため、繰り返して使用することができる。また、構造が簡単であるため、製造上有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００８】
本発明のエアゾール用ボタンは、２つの噴射口と、１つ又は２つの針状凸部を有する密閉用部材とを備えるエアゾール用ボタンであって、該密閉用部材の針状凸部を該噴射口の一方に嵌挿して密閉するように構成されている。以下、図面を参照しつつ、本発明を詳細に説明する。
図１は、本発明のエアゾール用ボタンの一態様を示す縦断面図であり、図３は、別の態様を示す縦断面図である。図１及び図３において、１はボタン本体であり、ボタン本体１の中央下部のステム嵌合部８にはエアゾール容器（図示せず）のステム（図示せず）が接続される。このステムは、例えば、固形粉末成分、油性成分、噴射剤等を含むエアゾール内容物を充填したエアゾール容器のバルブ機構（図示せず）に接続される。そして、ボタン本体１を押圧することによって、ステムに接続するバルブ機構を開弁し、エアゾール内容物を、ステムからボタン本体１の流通路２に導入することができるようになっている。
【０００９】
流通路２は、ボタン本体１の側面に設けた２つの噴射口３、３’に連通している。
噴射口３、３’は、ボタン本体１に設けられた空孔であり、エアゾール内容物の吐出口となる。噴射口３、３’は、それぞれ別の方向に向けて設けられている。これらの噴射方向は、例えば、流通路２を中心とした水平面上において、互いに逆方向（１８０°の方向）に設けられる。
２つの噴射口３、３’を設けることで、一方の噴射口を、他方の噴射口が詰まった場合の予備とすることができる。そして、使用中の噴射口３が詰まった場合は、他方の噴射口３’に切り換えて使用することができる。
噴射口３、３’の外方にはエアゾール内容物の導出路４、４’が設けられている。エアゾール内容物の詰まり防止の観点から、導出路４、４’の直径は、噴射口３、３’の直径よりも大きく形成することが好ましい。
【００１０】
エアゾール内容物を噴射する場合は、ボタン本体１を押圧して、エアゾール容器のバルブ機構を開放し、ステムを介してエアゾール内容物を流通路２に導入する。この流通路２に導入されたエアゾール内容物は、流通路２と連通する２つの噴射口３、３’のうち、開放されている噴射口３から導出路４内に噴射される。噴射口３から噴射されたエアゾール内容物は、導出路４の周壁面に当たって拡散を抑制され、導出路４内を外方向に向かって直線状に噴射される。
このように、拡散を規制しながら噴射することにより、エアゾール内容物を目標に向けて確実に噴霧することができるため、エアゾール内容物の効率的な使用が可能となる。
【００１１】
密閉用部材５は、１つ又は２つの針状凸部７、７’を備え、この針状凸部７、７’が、２つの噴射口３、３’のうちの一方、例えば噴射口３’に嵌挿されることで噴射口３’が密閉され、噴射口３’からエアゾール内容物が漏出するのを防ぐことができる。
密閉用部材５は、針状凸部７を噴射口３に嵌挿したり、固定することができればよく、その形状や大きさに特に制限はない。例えば、ボタン本体１の外部に取付けて取り外し可能（図１参照）としてもよいし、ボタン本体１の内部に取付けてスライド可能（図３参照）としてもよい。
【００１２】
針状凸部７、７’は、噴射口３、３’を完全に密閉できる形状とする。詰まり防止の観点から、例えば、噴射口３、３’が円筒状である場合、針状凸部７、７’は噴射口３、３’とほぼ同径の針状であることが好ましく、針状凸部７、７’の長さは噴射口３、３’の導管の長さ以上であることが好ましい。
使用中の噴射口３が詰まった場合には、詰まった噴射口３に針状凸部７を嵌挿することにより、噴射口３内のエアゾール残留物等を除去して、容易に詰まりを解消することができる。そして、エアゾール容器の噴射口３の詰まりが解消され、エアゾール内容物が噴射口３を通過できるようになり、再使用できるため経済的である。
【００１３】
図１に示す態様では、ボタン本体１は２つの噴射口３、３’の外方にそれぞれ密閉用部材装着部６、６’を備え、密閉用部材５は、図２に示す針状凸部７を１つ備えている。密閉用部材装着部６は、ボタン本体１の側面であって２つの噴射口３、３’の外方にそれぞれ設けられ、密閉用部材５の一部又は全体を受容する凹部形状となっている。密閉用部材５を密閉用部材装着部６又は６’のいずれかに装着すると、その内方の噴射口３又は３’に針状凸部７が嵌挿される。
密閉用部材５は、単に嵌め込むことで密閉用部材装着部６に装着するように構成してもよいし、リブ、ねじ切り、嵌合溝等を設けて脱落防止を強化するように構成することもできる。
【００１４】
使用中の噴射口３が詰まった場合には、密閉用部材５を一方の密閉用部材装着部６’より取り外し、詰まった噴射口３の外方の密閉用部材装着部６に嵌挿するように取付けると、針状凸部７が噴射口３の外部や内部に蓄積した残留物を除去したり内方に押し込むことになり、閉塞した噴射口３が貫通され密閉される。また、同時に、他方の噴射口３’が使用可能となる。
図１の態様では、密閉用部材５を外部から取付けることで、噴射口３だけでなく、導出路４等も埃等による汚れ等から保護できる点で好ましい。
【００１５】
図３は、本発明のエアゾール用ボタンの別の態様を示し、図４に示す平面図のＡ−Ａ’線における縦断面図であり、図４は、図３のエアゾール用ボタンの平面図であり、図５は、図３のエアゾール用ボタンの密閉用部材を示す縦断面図であり、図６は、図３のエアゾール用ボタンの図４に示すＢ−Ｂ’線における縦断面図である。
図３に示す態様では、密閉用部材５がボタン本体１の上部でスライドして左右に移動できるように組み込まれており、密閉用部材５には２つの針状凸部７、７’が互いに逆方向（１８０°の方向）に設けられている。図５に示す密閉用部材５をスライドさせることで、２つの針状凸部７、７’のいずれかが互いに逆方向（１８０°の方向）に設けられた２つの噴射口３、３’の一方に内方より嵌挿される。通常は、２つの噴射口３、３’のうちの一方、例えば噴射口３’に針状凸部７’が嵌挿されて噴射口３’が密閉され、噴射口３’からのエアゾール内容物の漏出を防止している。
【００１６】
使用中の噴射口３が詰まった場合には、密閉用部材５の上面を指で押圧してスライドさせて、針状凸部７を噴射口３に嵌挿することで、噴射口３の外部や内部に蓄積した残留物を除去したり外方に押し出したりして、閉塞した噴射口３が貫通され密閉される。また、同時に、他方の噴射口３’の使用が可能となる。
図３の態様では、密閉する噴射口３、３’の切り替えや噴射口３、３’の清掃をスライド操作のみで行うことができ、また密閉用部材５はボタン本体１から取り外しできないため、脱落したり紛失することがなく、操作が簡便である点で好ましい。
【００１７】
ボタン本体１の材質は特に制限はなく、各種のプラスチック、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリオキシメチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、スチレン系樹脂、ＡＢＳ樹脂等を用いて、公知の成形法により製造することができる。
密閉用部材５は、ボタン本体１と同様の素材又はその他の素材を用いて製造することができる。また、針状凸部７は密閉用部材５と同様の素材とすることができるが、機械的強度の点から、ステンレス等の金属等を用いて針状に形成することが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【００１８】
本発明のエアゾール用ボタンは、噴射口の詰まりを容易に解消することができ、しかも構造が簡単で製造上有利である。このため、制汗剤、消臭剤、接着剤、塗料等を充填したエアゾール容器のエアゾール用ボタンとして、特に有効に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【００１９】
【図１】本発明のエアゾール用ボタンの一態様を示す縦断面図である。
【図２】図１のエアゾール用ボタンの密閉用部材を示す縦断面図である。
【図３】本発明のエアゾール用ボタンの別の態様を示し、図４に示すＡ−Ａ’線における縦断面図である。
【図４】図３のエアゾール用ボタンの平面図である。
【図５】図３のエアゾール用ボタンの密閉用部材を示す縦断面図である。
【図６】図３のエアゾール用ボタンの図４に示すＢ−Ｂ’線における縦断面図である。
【符号の説明】
【００２０】
１：エアゾール用ボタン本体
２：流通路
３、３’：噴射口
４、４’：導出路
５：密閉用部材
６：密閉用部材装着部
７、７’：針状凸部
８：ステム嵌合部
【特許請求の範囲】
【請求項１】
２つの噴射口と、１つ又は２つの針状凸部を有する密閉用部材とを備えるエアゾール用ボタンであって、該密閉用部材の針状凸部を該噴射口の一方に嵌挿して密閉するように構成したエアゾール用ボタン。
【請求項２】
２つの噴射口が互いに逆方向に設けられている請求項１に記載のエアゾール用ボタン。
【請求項３】
密閉用部材を取り外し可能に構成した請求項１又は２に記載のエアゾール用ボタン。
【請求項４】
密閉用部材をスライドさせることにより、該密閉用部材の針状凸部を２つの噴射口のいずれかに嵌挿可能に構成した請求項１又は２に記載のエアゾール用ボタン。
【請求項１】
２つの噴射口と、１つ又は２つの針状凸部を有する密閉用部材とを備えるエアゾール用ボタンであって、該密閉用部材の針状凸部を該噴射口の一方に嵌挿して密閉するように構成したエアゾール用ボタン。
【請求項２】
２つの噴射口が互いに逆方向に設けられている請求項１に記載のエアゾール用ボタン。
【請求項３】
密閉用部材を取り外し可能に構成した請求項１又は２に記載のエアゾール用ボタン。
【請求項４】
密閉用部材をスライドさせることにより、該密閉用部材の針状凸部を２つの噴射口のいずれかに嵌挿可能に構成した請求項１又は２に記載のエアゾール用ボタン。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【公開番号】特開２００８−１２７０６３（Ｐ２００８−１２７０６３Ａ）
【公開日】平成２０年６月５日（２００８．６．５）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００６−３１４１３７（Ｐ２００６−３１４１３７）
【出願日】平成１８年１１月２１日（２００６．１１．２１）
【出願人】（００００００９１８）花王株式会社 (8,290)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２０年６月５日（２００８．６．５）
【国際特許分類】
【出願日】平成１８年１１月２１日（２００６．１１．２１）
【出願人】（００００００９１８）花王株式会社 (8,290)
【Ｆターム（参考）】
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