説明

エアバッグ付給放水タンクシステム。

【課題】通常は水道管路として作用し、震動を感じると直ちに水道本管から遮断され、独立した給水タンクとなり、消火用にも生活用水供給用にも用いることができ、放水中あるいは給水中にタンクの残水量を簡単に検知することができる給水タンクシステムを開発する。
【解決手段】震動を感じると感震遮断弁の働きでタンクが独立した貯水タンクとなり、タンク内にはガスボンベに接続された複数のエアバッグが設けられており、エアバッグを順次膨張させることによりタンク内の水を放水あるいは給水し、未膨張のエアバッグの個数によりタンク内の残水量を検知できるエアバッグ付給放水タンクシステムを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水道本管に接続されたタンクを有する給放水用のタンクシステムにおいて、内部に複数のエアバッグを有し、災害時等には複数のエアバッグに独立して送気されるガスの圧力によって放水あるいは給水を行うことのできるエアバッグ付給放水タンクシステムに関するものであって、さらに詳しくは、次の構成を有するに関するものである。
<構成1>
タンクと、
水道本管と、
水道本管からの水をタンク内に導くタンク入水管と、
タンク内の水を水道本管に送水するタンク出水管と、
タンク出水管とは別系統でタンク内の水をタンク外に供給できる給水管を有し、
タンク内には複数のエアバッグが設けられており、
複数のエアバッグの夫々は、独立した圧力調整器と送気管を介してガスボンベに接続されており、
タンク入水管とタンク出水管には夫々一定以上の震動を感じると閉鎖される感震遮断弁が設けられている、
ことを特徴とするエアバッグ付給放水タンクシステム。
<構成2>
タンク内に設けられた複数のエアバッグが上下方向に重ねられており、下位のエアバッグにガスを供給する送気管が、上位のエアバッグの内部に挿通され、上位のエアバッグが畳まれている際には該送気管の上位のエアバッグの内部に挿通された部分も畳まれた状態であり、上位のエアバッグが膨張されると該送気管の上位のエアバッグの内部に挿通された部分も展開延伸されるように構成されていることを特徴とする構成1に記載のエアバッグ付給放水タンクシステム。
<構成3>
タンク入水管とタンク出水管の夫々に設けられた感震遮断弁がガス圧の変化によって作動する空圧式であり、夫々の感震遮断弁が感震センサと送気管を介してガスボンベに連結されていることを特徴とする構成1あるいは構成2に記載のエアバッグ付給放水タンクシステム。
<構成4>
タンク出水管とは別系統でタンク内の水をタンク外に供給できる給水管に、消火用ノズルが接続されていることを特徴とする、構成1あるいは構成2あるいは構成3に記載のエアバッグ付給放水タンクシステム。
<構成5>
タンク出水管とは別系統でタンク内の水をタンク外に供給できる給水管に、生活用水の給水用の蛇口が接続されていることを特徴とする構成1あるいは構成2あるいは構成3あるいは構成4に記載のエアバッグ付給放水タンクシステム。
<構成6>
タンク出水管とは別系統でタンク内の水を止水弁を介してタンク外に供給できる給水管が、水道本管に接続されていることを特徴とする構成1あるいは構成2あるいは構成3あるいは構成4あるいは構成5に記載のエアバッグ付給放水タンクシステム。
【背景技術】
【0002】
従来、平時からの貯水を災害時等に給水可能な貯水タンクは広く知られているところである。その一例として、下記特許文献1、2を掲げる。
下記特許文献1の「貯湯式電気温水器」は、電気温水器の貯湯タンクを災害時等の給水タンクとして用いるという発想であり、また下記特許文献2の「災害用貯水タンク」は、平時は水道水がタンク内を通って給水される給水タンクとして機能しているが、災害時等には平時の通水経路が遮断されて貯水タンクとなり、タンク内の水は、別系統の管路より外部に供給されるという構成を開示している。
【0003】
しかしながら、災害時においては、水道、電気、ガスの供給が全て停止される可能性もあり、たしかにタンクの下方に給水口を設ければ、タンク内の水圧によって供給は可能になるものの、例えばタンク内の水を消火用に利用したい場合などには、タンク内の水圧のみでは放水圧力が不足して実効性がないものとなる可能性が高い。さらには、給水圧は、タンク内の水量とともに変化し、当初は比較的高い水圧が得られても、タンク内の水量の減少とともに給水圧も減じる。また、円滑な給水を得るためには、タンクの上方に空気の流入孔を設けて、給水口を開くと同時に、この空気の流入孔も開かねばならないという面倒さがある。特に消火用に用いる場合には、複雑な操作が必要なく、瞬時に高圧の放水を要する場合が多いと考えられる。
【0004】
上記事状に鑑み、緊急時にはタンク内にガスボンベから高圧ガスを放出し、そのガス圧にて高圧の給水を得るという方法が考えられた。この方法によれば、ガス圧の調整次第で消火用の放水にも充分に使用可能な放水圧を得ることができるし、さらに十分な量のガスを用意すれば、給水の開始から終了まで、給水圧一定にて給水が可能となる。この方法そのものではないが、近い技術内容が、下記特許文献3に開示されている。
【0005】
しかしながら、タンク内に高圧ガスを放出した場合には、タンク内に残留するガスを抜くための手段をタンク本体に設けなければならない。さらには、タンク内の水が少なくなると給水装置からガスの混入された水が放出されるおそれもある。また、タンク内のガスを完全に抜くためには手間がかかり、タンク内にガスが残留する可能性もある。このような事態を回避するために、タンク内にガスを直接放出するのではなく、タンク内にエアバッグを設けておき、エアバッグ内にガスを放出してエアバッグを膨張させることにより、タンク内にガスを直接放出する場合と同等の効果を得ようとする試みがなされた。この場合には、エアバッグへの送気管にガス抜き口を設ければ、エアバッグ内のガスを抜くのは簡単であるし、タンク内にはガスや空気は一切入らないので、上記問題点は解決される。
【0006】
下記特許文献4に記載の「地震災害用スプリンクラーと飲料水の貯留与圧タンク」においては、ガスボンベは有しないが、蛇腹式のエアバックを有し、平時は水道水圧によって圧縮されているエアバッグ内の空気が、災害時等に水道水の供給が停止されると膨張を開始し、その圧力によってタンクから給水しようというもので、理論的にはエアバッグが膨張し終えるまで水道水圧に等しい水圧にて供給が可能である。また、下記特許文献5には、排水ではあるが、同様にエアバッグを用いる技術内容が開示されている。但し、こちらの場合には、排水圧送はポンプに行わせている。
【特許文献1】特開平9‐60970号公報
【特許文献2】実用新案登録第3036888号公報
【特許文献3】実用新案登録第3120282号公報
【特許文献4】特開2007−111465号公報
【特許文献5】特開2006−9414号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記エアバッグを用いる給水方法においても、なお解決のなされていない問題が存した。すなわち、エアバッグを用いる給水方法における利点は前述のように最初から最後まで給水圧が変化しないという点である。ところが、このように最初から最後まで給水圧が変化しない場合、使用者の側にはタンク内の水量が、現在どれくらいになっているのか見当がつかないという問題である。
【0008】
例えば、災害時にタンク内の水を飲料用として給水する場合を考えてみる。仮に、タンクの容量を1000lとし、一人当たり2l(大きな飲料用のペットボトル1本分)の給水を行う場合、タンク内には500人分の水量が貯水されているという計算になる。
【0009】
災害時等に給水車に並ぶ人の列は報道番組などで良く目にする光景であるが、給水タンクの容量から500人にしか給水できない場合、給水ごとに人数をチェックしていけば良いが、それは、現場にては中々面倒な作業となる。また、最初から500人を数えて並んでもらうという方法もあるが、その場合にも500人を数えるという作業が現場ではなかなか大変な作業である。
【0010】
給水タンクの水量が少なくなってきた場合には、給水中になんらかの方法でそのことが検知される手段が設けてあると非常に便利である。さらには、およその残水量がわかるような構成になっていればさらに便利であるといえる。すなわち、先の例でいうなら、例えばある時点にて残水量が100lであることが検知されるような仕組みがあれば、直ちに給水可能人数が残り50人と計算できるので、その時点から50人を数え、それ以上の人には別の給水施設に廻ってもらうように予め配慮が可能となる。500人を数えるのは大変でも、50人を数えるのははるかに楽なので、これは、現場においては大変実効性の高い方法であると言い得る。
【0011】
また、給水タンクの残水量が検知できない場合には、次のような不都合も生じる。すなわち、予め人数を数えてタンクの全容量を一人分の給水量で割って、その人数分だけ給水しようとする場合、一人分の給水量を正確に一定量に限定しないと、計算が途中で狂ってくるという問題である。そして、この問題はタンクの容量が大となり、給水対象人数が増えれば増えるほど顕著に顕われてくるものであることは明白である。しかし、一人分の給水量を正確に限定するということは、災害現場での給水時には特に困難が予想される。すなわち、給水対象者全員同一容量の容器を持って並んでくれれば良いが、そういうことはまずありえない。さらには、給水時の水のロス(地面にこぼれる等)も当然考えなければならなし、給水担当者が一定量の給水を正確に行えるように訓練を受けた者ばかりであるというケースも考えられない。このような不確定要素が余りにも多すぎるので、予め人数を数えて給水するという方法は、全く現実的ではなくなる。したがって、ある時点での残水量が正確にわかる仕組みの導入はやはり重要となる。
【0012】
したがって、本発明の課題としては給水タンクの水量が残り少なくなったことを検知し、かつおよその残量を知ることのできる、エアバッグ付給放水タンクシステムを開発するという点に設定した。さらになお、地震災害の際に、震動を感じると直ちに水道本管からタンクへの給水、及びタンクからの配水が停止されるという点にも配慮して開発することとした。この点を欠いた場合、震動で水道本管に漏水を生じると、タンク内の水もその漏水箇所から流出することとなり、災害時の給水タンクとしての用を果たせなくなるからである。あるいはまた、水道本管に水質の悪い水が入り込んだ場合、そのような水がタンク内に流れ込んでタンク内の水の水質悪化につながる惧れがあるためでもある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、以下に掲げる解決手段を提供するものである。
<解決手段1>
タンクと、
水道本管と、
水道本管からの水をタンク内に導くタンク入水管と、
タンク内の水を水道本管に送水するタンク出水管と、
タンク出水管とは別系統でタンク内の水をタンク外に供給できる給水管を有し、
タンク内には複数のエアバッグが設けられており、
複数のエアバッグの夫々は、独立した圧力調整器と送気管を介してガスボンベに接続されており、
タンク入水管とタンク出水管には夫々一定以上の震動を感じると閉鎖される感震遮断弁が設けられている、
ことを特徴とするエアバッグ付給放水タンクシステム。
<解決手段2>
タンク内に設けられた複数のエアバッグが上下方向に重ねられており、下位のエアバッグにガスを供給する送気管が、上位のエアバッグの内部に挿通され、上位のエアバッグが畳まれている際には該送気管の上位のエアバッグの内部に挿通された部分も畳まれた状態であり、上位のエアバッグが膨張されると該送気管の上位のエアバッグの内部に挿通された部分も展開延伸されるように構成されていることを特徴とする解決手段1に記載のエアバッグ付給放水タンクシステム。
<解決手段3>
タンク入水管とタンク出水管の夫々に設けられた感震遮断弁がガス圧の変化によって作動する空圧式であり、夫々の感震遮断弁が感震センサと送気管を介してガスボンベに連結されていることを特徴とする解決手段1あるいは解決手段2に記載のエアバッグ付給放水タンクシステム。
<解決手段4>
タンク出水管とは別系統でタンク内の水をタンク外に供給できる給水管に、消火用ノズルが接続されていることを特徴とする、解決手段1あるいは解決手段2あるいは解決手段3に記載のエアバッグ付給放水タンクシステム。
<解決手段5>
タンク出水管とは別系統でタンク内の水をタンク外に供給できる給水管に、生活用水の給水用の蛇口が接続されていることを特徴とする解決手段1あるいは解決手段2あるいは解決手段3あるいは解決手段4に記載のエアバッグ付給放水タンクシステム。
<解決手段6>
タンク出水管とは別系統でタンク内の水を止水弁を介してタンク外に供給できる給水管が、水道本管に接続されていることを特徴とする解決手段1あるいは解決手段2あるいは解決手段3あるいは解決手段4あるいは解決手段5に記載のエアバッグ付給放水タンクシステム。
【発明の効果】
【0014】
本発明の解決手段1の発明によれば、タンクと、水道本管と、水道本管からの水をタンク内に導くタンク入水管と、タンク内の水を水道本管に送水するタンク出水管と、タンク出水管とは別系統でタンク内の水をタンク外に供給できる給水管を有しているので、平時においては、水道水を、タンクを介さずに直接送水することも、あるいはタンクを介して送水することも、どちらも可能である。この際、タンクを介して送水すれば、タンクは水道管と同様の作用を持つ単なる管となり、タンク内の水は常に入れ替わるので、タンク内の水を清浄な状態に保持し得る。
【0015】
また同じく本発明の解決手段1の発明によれば、タンク内には複数のエアバッグが設けられており、複数のエアバッグの夫々は、独立した圧力調整器と送気管を介してガスボンベに接続されているので、複数のエアバッグを、時間差を設けて順次膨張させることができる。したがって、一つのエアバッグが膨張し終えたときに一旦給水が停止されるような構成にすることにより、タンク内の使用水量及び残存水量を簡単に検知することが可能となる。さらに、最後のエアバッグの容量がわかっていれば、最後のエアバッグを膨張させる時点にて残存水量を的確に知ることができるので、給水可能人数の割り出しにも大いに役立つものである。さらに、タンクの容量が大きい場合には、エアバッグの数が1個しかないとエアバッグの容量も大きなものとなり、膨張や折畳みが円滑に行われない可能性も出てくるが、エアバッグを複数に分割することにより、1個のエアバッグの容量を小さくできるので、より円滑な膨張や折畳みが可能となる。
【0016】
また同じく本発明の解決手段1の発明によれば、タンク入水管とタンク出水管には夫々一定以上の震動を感じると閉鎖される感震遮断弁が設けられているので、地震災害時には瞬時に水道本管からの入水管及び水道本管への出水管を閉鎖できる。この瞬間にタンクは水道本管とは関連を持たない独立した閉鎖系となるので、水道本管においていかなる故障が生じようと、その影響を蒙ることがない。また、水道本管に濁り水や不純物の混じった水等、飲料用としての水質基準を満たさない水が混入された場合にても、タンク内の水はその影響を一切受けず、飲料用としての水質基準を満たした水を貯水できるものである。
【0017】
本発明の解決手段2の発明によれば、タンク内に設けられた複数のエアバッグが上下方向に重ねられており、下位のエアバッグにガスを供給する送気管が、上位のエアバッグの内部に挿通され、上位のエアバッグが畳まれている際には該送気管の上位のエアバッグの内部に挿通された部分も畳まれた状態であり、上位のエアバッグが膨張されると該送気管の上位のエアバッグの内部に挿通された部分も展開延伸されるように構成されているので、複数のエアバッグの順次且つ円滑な膨張が保証されるものである。
【0018】
本発明の解決手段3の発明によれば、タンク入水管とタンク出水管の夫々に設けられた感震遮断弁がガス圧の変化によって作動する空圧式であり、夫々の感震遮断弁が感震センサと送気管を介してガスボンベに連結されているので、その作動が確実に保証される。すなわち、電気式ではないので停電時においても確実に作動する。また、感震遮断弁にガスを供給しているガスボンベは、エアバッグにガスを供給するガスボンベと共通のものを用いることができるので、システム全体の簡素化を図ることができる。
【0019】
本発明の解決手段4の発明によれば、タンク出水管とは別系統でタンク内の水をタンク外に供給できる給水管に、消火用ノズルが接続されているので、災害時の緊急消火用に、すぐに役立つものである。なお、消火用には高圧の放水が必要とされるが、必要とされる水圧は、複数のエアバッグにガスを供給する送気管に設置された圧力調整器の調整により簡単に得ることができる。
【0020】
本発明の解決手段5の発明によれば、タンク出水管とは別系統でタンク内の水をタンク外に供給できる給水管に、生活用水の給水用の蛇口が接続されているので、生活用水の給水を簡単に行うことができる。すなわち、使用者は通常の水道操作の感覚で蛇口を捻れば水が出るので、使い勝手が極めて良い。また、蛇口の数を複数にすることにより、一度に複数の人に水を供給可能である。なお、複数のエアバッグが設けてあることにより、残水量が一定に達すると感知される仕組みになっているので、複数の蛇口をどのように使用しても良いという自由度が生ずる。
【0021】
本発明の解決手段6の発明によれば、タンク出水管とは別系統でタンク内の水をタンク外に供給できる給水管が、水道本管に接続されているので、必要に応じてタンク内に貯水されている水を水道本管に給水することが可能となる。すなわち、タンク内に貯水されている水を水道本管に給水することにより、水道本管に水道水が流れない場合においても、通常どおりの使い勝手で建物内外の蛇口等を用いることができる。
【0022】
この点は、通常の状態にて建物内外にて水洗トイレを使用している場合などにおいて、とくに大きな効果を有する。すなわち、水洗トイレは水道水の供給が停止されると直ちに無用の長物と化するものであるが、本発明の解決手段6の発明によってタンク内の水が水道本管に供給されることにより、通常どおり水洗トイレが使用できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【実施例1】
【0024】
<実施例1の構成>
本発明の実施例1のエアバッグ付給放水タンクシステムT1は、図1に示すように、水密的に密閉されたタンク1と、止水弁B3、B4を有する水道本管2と、水道本管2からの水を止水弁B1を介してタンク1内に導くタンク入水管3と、タンク1内の水を止水弁B2を介して水道本管2に送水するタンク出水管4と、タンク出水管4とは別系統でタンク1内の水をタンク1外に供給できる給水管5を有している。
【0025】
タンク1内には2個のエアバッグ6、7が設けられており、2個のエアバッグ6、7の夫々は、圧力調整器C1、C2を介して送気管81、82によりガスボンベ8に接続され、2個のエアバッグ6、7を、時間差を設けて順次膨張させることができる構成となっている。なお、圧力調整器C1には封止弁B7が付属されていて送気管81を遮断でき、圧力調整器C2には封止弁B8が付属されていて送気管82を遮断できる構成となっている。また、ガスボンベ8の後段には封止弁B6が設けられている。止水弁B1、B2、B3、B4はボール弁で良いが、封止弁B6、B7、B8には高圧がかかるので、高圧に耐えられるグローブ弁等を用いる。また、タンク入水管3とタンク出水管4には夫々一定以上の震動を感じると閉鎖される感震遮断弁D1、D2が設けられている。なお、81aは封止弁B81を介して送気管81に付設されたガス抜き口、82aは封止弁B82を介して送気管82に付設されたガス抜き口である。封止弁B81、B82も高圧に耐えられるグローブ弁等を用いる。
【0026】
タンク1内に設けられた複数のエアバッグ6、7は上下方向に重ねられており、下位のエアバッグ7にガスを供給する送気管7aが、上位のエアバッグ6の内部に挿通され、上位のエアバッグ6が畳まれている際には該送気管7aも畳まれた状態であり、上位のエアバッグ6が膨張されると該送気管7aも延伸されるように構成されている。
【0027】
感震遮断弁D1、D2はガス圧の変化によって作動する空圧式であり、感震センサ9を介し、送気管83、83a、83bによりガスボンベ8に連結されている。感震遮断弁D1はタンク入水管3を遮断できる止水弁DB1を有し、感震遮断弁D2はタンク出水管4を遮断できる止水弁DB2を有している。また、感震センサ9とガスボンベ8の間には、封止弁B9を有する圧力調整器C3が設けられている。止水弁DB1、DB2は通常のボール弁でよいが、封止弁B9は高圧がかかるので、高圧に耐えられるグローブ弁等を用いる。なお、感震遮断弁D1は、図1の位置ではなく、水道本管2において、タンク入水管3を分岐させる直前の位置に設けてもよい。この場合には、タンク1に流入する水も、水道本管2の端末2aに流れる水も、両方同時に1箇所で止めることができるという効果を有する。
【0028】
タンク1の底部には、前述のように、タンク出水管4とは別系統でタンク1内の水をタンク1外に供給できる給水管5が設けられている。給水管5は分岐する給水管51と給水管52を含んでおり、給水管51には止水弁B51を介して消火用ノズル53が接続され、給水管52には止水弁B52を介して蛇口54、55、56が接続されている。止水弁B51、B52は通常給水にのみ用いる場合にはボール弁でよいが、エアバッグ6あるいはエアバッグ7を高圧で膨張させる可能性がある場合には、高圧に耐えられるグローブ弁等を用いる。
【0029】
図4〜図7により、タンク1の口部10の構成を詳細に説明する。なお、タンク入水管3、タンク出水管4、給水管5のタンク1との接続部分については公知技術の範囲内であるので詳細な説明は省略する。
【0030】
口部10は、タンク1の本体1aの上端の円形状の開口部1bと、開口部1bに嵌着された蓋体11から構成され、蓋体11にはジョイントJ1により送気管81が、ジョイントJ2により送気管82が、夫々装着されている。タンク1の本体1aの上端の円形状の開口部1bの周囲は、本体1aと一体に形成された垂直のフランジ1cによって囲繞されており、この部分にシールS1を介して蓋体11が嵌着されている。
【0031】
蓋体11は全体が円盤状であり、中心部分をなす凹部11aと、周辺部分をなす水平のフランジ11bが一体として構成され、凹部11aがタンク1の本体1aの上端の円形状の開口部1bに嵌着され、フランジ11bはシールS1を介してタンク1のフランジ1cの上部に載上されている。タンク1の本体1aとフランジ1cの間には、6個の固定片1d、1d、……が本体1aとフランジ1cに両端部を溶着により固着されて配設されており、6個の固定片1d、1d、……と蓋体11のフランジ11bは6組のボルトナットBN1、BN1、……によって螺着固定されている。したがって、蓋体11は、6個の固定片1d、1d、……と6組のボルトナットBN1、BN1、……によってタンク1の本体1aに螺着固定されている。
【0032】
次に、蓋体11の凹部11aの中央近傍には円孔H1、H2が穿設されており、円孔H1にジョイントJ1が、円孔H2にジョイントJ2が夫々挿通固着されて、送気管81とエアバッグ6を、送気管82とエアバッグ7(図8、図9参照)の送気管7aを、夫々連結している。以下、図4と図6によってジョイントJ1の構成を、図4と図7によってジョイントJ2の構成を、夫々詳細に説明する。
【0033】
ジョイントJ1は、蓋体11の凹部11aに円孔H1に挿通固着されたソケットSC1、ソケットSC1の上端部に螺入されたニップルN1、ニップルN1の上端部にシールJS1を介して接続されたホースジョイントHJ1、ニップルN1、ホースジョイントHJ1を固着するカップリングCP1より構成され、ホースジョイントHJ1の上端部に送気管81の下端部が嵌着されている。なお、R1は結束用のリングである。
【0034】
ソケットSC1は、図6に見るように上端部にフランジSC1aを、下端部にフランジSC1bを有し、上端部と下端部には内壁に夫々ネジ溝が設けられている。ソケットSC1の下端部は開放状態であるが、上端部にはニップルN1がシールJS2を介して螺入されている。ニップルN1は上端部外周にネジ山を有するフランジN1aが設けられている。また、ホースジョイントHJ1は下端部外周にネジ山を有するフランジHJ1aが設けられていて、フランジHJ1aとフランジN1aはリング状のシールJS1を介して対向されている。ホースジョイントHJ1の上端部には断面が三角形状の複数の抜け止め用の段部HJ1bが設けられていて、この部分に弾性体からなる送気管81の下端部が嵌着固定され、結束用のリングR1により結束されている。なお、シールJS1、JS2の素材としては、ブタチレンゴムやテフロン(登録商標)等を用いることができる。
【0035】
図4に見るように、蓋体11の凹部11aの底面には円板状のシールS2が当接させられ、シールS2に穿設された円孔H3(図6参照)にジョイントJ1のソケットSC1が挿通固定されている。また、6aはエアバッグ6の端部であり、端部6aは上面を円板状のシールS2に、下面をリング状のシールS3に挟着され、さらにシールS3の下面には金属製のリング状の抑え板SB1が当接させられて、蓋体11の凹部11a、シールS2、エアバッグ6の端部6a、シールS3、抑え板SB1の全体はボルトナットBN2により螺着固定されている。ボルトナットBN2は図4に見るように複数箇所を同上の構成にて螺着固定しており、その数は実施例1のエアバッグ付き給放水タンクシステムT1においては6組程度である。これにより、エアバッグ6の端部6aは蓋体11に安定的且つ気密的に固着され、また、送気管81とエアバッグ6の内部を接続する気道が安定的に確保される。また、このような構成により、エアバッグ6をタンク1の口部10に組付ける際にも、組付け工程はすべてエアバッグ6の外側から行うことができる。なお、シールS1、S2、S3の素材としては、ブタチレンゴムやテフロン(登録商標)等を用いることができる。
【0036】
次に、ジョイントJ2の説明に移る(図4、図7参照)。ジョイントJ2は、蓋体11の凹部11aの円孔H2(図7参照)に挿通固着されたソケットSC2、ソケットSC2の上端部に螺入されたニップルN2、ニップルN2の上端部にシールJS3を介して接続されたホースジョイントHJ2、ニップルN2、ホースジョイントHJ2を固着するカップリングCP2、ソケットSC2の下端部に螺入されたニップルN3、ニップルN3の下端部にシールJS5を介して接続されたホースジョイントHJ3、ニップルN3、ホースジョイントHJ3を固着するカップリングCP3より構成され、ホースジョイントHJ3の下端部にエアバッグ7(図8、図9参照)の送気管7aの上端部が嵌着されている。なお、R2、R3は結束用のリングである。
【0037】
ソケットSC2は上端部にフランジSC2aを、下端部にフランジSC2bを有し、上端部と下端部の内壁には夫々ネジ溝が設けられている。ソケットSC2の上端部にはニップルN2がシールJS4を介して螺入され、下端部にはニップルN3がシールJS6を介して螺入されている。ニップルN2は上端部外周にネジ山を有するフランジN2aが設けられている。また、ニップルN3は下端部外周にネジ山を有するフランジN3aが設けられている。ホースジョイントHJ2の下端部には外周にネジ山を有するフランジHJ2aが設けられ、フランジHJ2aとフランジN2aはリング状のシールJS3を介して対向されている。ホースジョイントHJ2の上端部には断面が三角形状の複数の抜け止め用の段部HJ2bが設けられていて、この部分に弾性体からなる送気管82の下端部が嵌着固定され、結束用のリングR2により結束されている。
【0038】
また、ニップルN3は下端部外周にネジ山を有するフランジN3aが設けられている。ホースジョイントHJ3は上端部外周にネジ山を有するフランジHJ3aが設けられていて、フランジN3aとフランジHJ3aはリング状のシールJS5を介して対向されている。ホースジョイントHJ3の下端部には断面が三角形状の複数の抜け止め用の段部HJ3bが設けられていて、この部分に弾性体からなる送気管7aの上端部が嵌着固定され、結束用のリングR3により結束されている。また、蓋体11の凹部11aの底面に当接させられた円板状のシールS2に穿設された円孔H4にジョイントJ2のソケットSC2が挿通固定されている。さらに、エアバッグ6の端部6aは前述のようにボルトナットBN2により蓋体11に安定的且つ気密的に固着され、また、送気管82と送気管7aの気道が連通されて安定的に確保される。なお、シールJS3、JS4、JS5、JS6の素材としては、ブタチレンゴムやテフロン(登録商標)等を用いることができる。
【0039】
送気管7aは、図2、図3に見るように展開された状態にては螺旋状で、エアバッグ6の内部に挿通されてエアバッグ7に連結されているが、エアバッグ6が畳まれた状態においては図1のようにやはり小さく畳まれて、圧縮されたコイルバネのような外観となっている。
【0040】
次に、図8、図9によって、送気管7aの下端部がエアバッグ7の上端部に連結される部分であるジョイントJ3の構成を詳細に説明する。図8、図9はエアバッグ6、7が共に膨張させられた状態を示しており、エアバッグ6の側壁6cとタンク1の本体1aは当接し、エアバッグ7の側壁7cとタンク1の本体1aは当接し、さらにエアバッグ6の底面6dとエアバッグ7の上面7dも当接した状態にある。
【0041】
ジョイントJ3は、エアバッグ6の下方の端部6bとエアバッグ7の上方の端部7bに挿通固着されたソケットSC3、ソケットSC3の上端部に螺入されたニップルN4、ニップルN4の上端部にシールJS7を介して接続されたホースジョイントHJ4、ニップルN4、ホースジョイントHJ4を固着するカバーリングCP4より構成され、ホースジョイントHJ4の上端部に送気管7aの下端部が嵌着されている。なお、R4は結束用のリングである。
【0042】
ソケットSC3は上端部にフランジSC3aを、下端部にフランジSC3bを有し、上端部と下端部の内壁には夫々ネジ溝が設けられている。ソケットSC3の下端部は開放状態であるが、上端部にはニップルN4がシールJS8を介して螺入されている。ニップルN4は上端部外周にネジ山を有するフランジN4aが設けられている(図9参照)。また、ホースジョイントHJ4は下端部外周にネジ山を有するフランジHJ4aが設けられていて、フランジN4aとフランジHJ4aはリング状のシールJS7を介して対向されている。ホースジョイントHJ4の上端部には断面が三角形状の複数の抜け止め用の段部HJ4bが設けられていて、この部分に弾性体からなる送気管7aの下端部が嵌着固定され、結束用のリングR4により結束されている。なお、シールJS7、JS8の素材としては、ブタチレンゴムやテフロン(登録商標)等を用いることができる。
【0043】
エアバッグ6とエアバッグ7は、以下に説明する構成によりジョイントJ3によって連結されている。図8、図9にて、12は中心に円孔H5を有する円形の金属板であり、円孔H5にはソケットSC3が挿通固定されている。また、金属板12の上面にはリング状のシールS5が、下面にはリング状のシールS6が当接されている。さらに、シールS5の上面にはエアバッグ6の底面の端部6bが位置し、端部6bの上にはリング状のシールS4が重ねられ、さらにその上にはリング状の金属製の抑え板SB2が重ねられている。また、シールS6の下面にはエアバッグ7の端部7bが位置し、端部7bの下にはリング状のシールS7が重ねられ、さらにその下にはリング状の金属製の抑え板SB3が重ねられている。そして、この全体が、複数箇所にてボルトナットBN3、BN3、……にて挟着固定されている。 ボルトナットBN3、BN3、……は、実施例1のエアバッグ付給放水タンクシステムT1においては6組程度である。なお、シールS4、S5、S6、S7の素材としては、ブタチレンゴムやテフロン(登録商標)等を用いることができる。
【0044】
すなわち、エアバッグ6の底面の端部6bはシールS4、S5を介して金属板12、抑え板SB2に挟着固定され、エアバッグ7の端部7bはシールS6、S7を介して金属板12、抑え板SB3に挟着固定されることにより、エアバッグ6とエアバッグ7は連結されている。このように構成することにより、エアバッグ6とエアバッグ7の組付け工程は、すべてエアバッグ6とエアバッグ7の外側から行うことができる。また、ジョイント3の中心に挿通されているソケットSC3により送気管7aとエアバッグ7の内部は連通されているが、前述のように送気管7aはタンク1の口部10において送気管82に連通されているので、結局エアバッグ7の内部は送気管7aを介して送気管82に連通されており、この状態は、エアバッグ6、7が両方共に畳まれている状態(図1)でも、エアバッグ6が膨張させられてエアバッグ7が畳まれている状態(図2)でも、エアバッグ6、7が両方共に膨張させられた状態(図3)でも不変である。
【0045】
<実施例1の作用>
実施例1のエアバッグ付給放水タンクT1は、平時には図1に示すように、エアバッグ6、7は畳まれた状態で使用される。このとき、エアバッグ6、7はタンク1内の水圧により、タンク1の上部に張り付いた状態で畳まれている。図1は模式図であるからエアバッグ6内に若干空隙があるように描かれているが、実際にはエアバッグ6、7は、水圧によって内部に殆ど空隙を残さない状態で畳まれている。
【0046】
このとき、止水弁B1、B2は閉じられていても開かれていてもどちらでも良いが、止水弁B1、B2が閉じられた状態であるとタンク1内の水が入れ替わらず、水質変化により、飲料等にふさわしくない状態となることも考えられるので、基本的には止水弁B1、B2は開かれた状態とする。この場合、タンク1は管路として作用することになる。また、止水弁B3、B4も開いていても閉じていてもどちらでも良いが、タンク1が管路として作用する場合には、止水弁B3、B4の間の水道本管2は必要がないので、止水弁B3、B4は基本的に閉状態とする。この状態で、水道本管2の端末2aには、通常どおり水道水が送水される。また、給水管5の止水弁B51、B52は閉じられているので、タンク1内の水の出口は、タンク出水管4に限定されている。
【0047】
また、ガスボンベ8の後段の封止弁B6、圧力調整器C3の直前の封止弁B9は開かれているが、圧力調整器C1の直前の封止弁B7、圧力調整器C2の直前の封止弁B8は閉じられた状態にある。すなわち、ガスボンベ8からの高圧ガスは、圧力調整器C3を介して感震センサ9に送られているが、封止弁B7、B8の封止作用により、送気管81、82には送られていない状態である。また、感震センサ9は、通常は高圧ガスを感震遮断弁D1、D2に送っているが、一定以上の震動を感じるとガスをシステム外に放出し、感震遮断弁D1、D2への高圧ガスの供給を瞬時に停止する仕組みになっている。したがって、通常の状態にては、感震センサ9から先の送気管83a、83bには高圧ガスが常に供給され、このガス圧によって感震遮断弁D1の止水弁DB1、感震遮断弁D2の止水弁DB2は開状態に保持され、タンク入水管3、タンク出水管4の水の流れは確保された状態にある。なお、感震センサ9として、揺れを感じたときに高圧ガスを感震遮断弁D1、D2に送る状態のものを用いることも可能であるが、この場合には、感震遮断弁D1、D2は、ガス圧を受けて止水弁DB1、DB2を閉鎖する種類のものを用いる。ただし、高圧ガスの供給が停止されたときに止水弁DB1、DB2が閉鎖される仕組のものの方が反応が早いので、通常はそちらの方式のものを用いる。なお、感震センサ9、感震遮断弁D1、D2はすべて公知技術の市販品を用いることができる。
【0048】
この状態で、実施例1のエアバッグ付給放水タンクシステムT1が強い揺れに見舞われると、感震センサ9から送気管83a、83bへ供給されていた高圧ガスがシステム外部に放出され、送気管83a、83bへの高圧ガスの供給が瞬時に停止される。すると高圧ガスの圧力を失った感震遮断弁D1、D2が瞬時に作動し、感震遮断弁D1の止水弁DB1、感震遮断弁D2の止水弁DB2が閉鎖されてタンク入水管3、タンク出水管4が瞬時に遮断される。すなわち、水道本管2からの水をタンク1に供給していたタンク入水管3が封止され、タンク1の水を水道本管2に供給していたタンク出水管4が封止されるので、タンク1は水道本管2から切り離されて、独立した貯水タンクとなる。
【0049】
この作動には高圧ガスが用いられるので、タンク1の切り離しは揺れと同時に瞬時に行われる。また、電気系統を一切用いていないので、停電時にても確実に作動する。したがって、揺れによって水道本管2が崩壊し、あるいは亀裂が入り、水道水に不純物が混入する事態になっても、そのような汚染された水道水がタンク入水管3に入る前に管路が封鎖されるので、汚染水の影響を受けることは全くない。また、やはり揺れが起きた瞬間にタンク出水管4が封鎖されるので、タンク1内の水が無駄に水道本管2に漏洩されることもない。なお、ガスボンベ8の高圧ガスとしては、窒素ガスや炭酸ガス等の不活性ガスを用いることができる。
【0050】
上記の経過で、タンク1は通常の管路の状態から清浄な水道水の貯水タンクとなるわけであるが、この時点で付近に火災が発生している場合には、タンク1に貯水された水を、消火用水として用いることができる。すなわち、消火用ノズル53を消火対象に向け、止水弁B51を開き(止水弁B52は閉鎖状態)、圧力調整器C1を高圧放水用に設定して封止弁B7を開くとガスボンベ8から送気管81に高圧ガスが送気される。送気された高圧ガスはジョイントJ1を通過してエアバッグ6内に噴射され、ガスの圧力によってエアバッグ6は急速に膨張する。ただし、この際には封止弁B8は閉じられたままなので、送気管82にはガスは送られず、エアバッグ7は畳まれたままである。すなわち、エアバッグ6は底面に畳まれたエアバッグ7を密着させたままの状態で、急速に膨張する。すると、エアバッグ6内部に畳まれた状態で挿通されているエアバッグ7の送気管7aも、コイル状に展開されて延びていく。なお、この際の圧力調整器C1の設定は、通常の水道水圧からその2.5倍程度の間にするのが適切であろうと考えられる。
【0051】
このようにエアバッグ6が膨張すると、タンク1内の水は給水管51しか出口がないので、給水管51を通って消火用ノズル53から高圧で放水される。すなわち、感震遮断弁D1、D2の働きによってタンク入水管3、タンク出水管4が閉鎖状態であり、また止水弁B52が閉鎖状態であるので、タンク1内の水は、給水管51にしか供給されない。このようにしてエアバッグ6が膨張し切ると(図2参照)消火用ノズル53から放水される水の水圧が急激に弱くなるので、封止弁B7を閉鎖すると同時に封止弁B8を開く。すると高圧ガスは送気管82に供給されるので、送気管82からジョイントJ2、送気管7a、ジョイントJ3を通ってエアバッグ7内に高圧ガスが供給され、エアバッグ7が急激に膨張する。これによりタンク1内に残留していた水には再び高圧がかかることになり、消火用ノズル53からは水が再度高圧で放水されるようになる。しかしながら、図2に見るように、残水量が僅かであるということがこの時点で判断されるので、消火用ノズル53からの放水が続いているうちに、次の消火手段を用意する。なお、図3は、エアバッグ6、7が両方とも膨張しきって、タンク1内の水がすべて放水されてしまった状態を表すものである。
【0052】
エアバッグ6あるいはエアバッグ7が膨張中に鎮火し、それ以上の放水が必要なくなった場合には封止弁B7、あるいは封止弁B8を閉鎖状態とする。これにより、エアバッグ6あるいはエアバッグ7の膨張は停止されるので、消火用ノズル53からの放水も停止される。後は、止水弁B51を閉鎖すれば、タンク1内の水は完全に独立し、タンク1は清浄な水の貯水タンクとなる。なお、タンク1内に残った水は、その後、再び消火用水として用いることもできるし、また、給水管52を介して生活用水として用いることも可能である。あるいは、震災後、近辺の水道の断水が続くことが予想される場合には、消火用水として放水する水はエアバッグ6を膨張させて放水される量を限度とし、残水、つまりエアバッグ7を膨張させて放水される量の水は生活用水用として残しておくという使い分けも、可能となる。
【0053】
次に、タンク1内の水を最初から生活用水として用いる場合について述べる。この場合も、揺れを感じて感震遮断弁D1、D2が作動し、タンク1が水道本管2から切り離されて、独立した貯水タンクとなるところまでは同じである。生活用水として給水する場合には、止水弁B52を開き(止水弁B51は閉鎖状態)、圧力調整器C1を低圧(水道水圧程度)に設定して封止弁B7を開くとガスボンベ8から送気管81に低圧でガスが送気される。送気された低圧ガスはジョイントJ1を通過してエアバッグ6内に噴射され、ガスの圧力によってエアバッグ6は徐々に膨張する。ただし、この際には封止弁B8は閉じられたままなので、送気管82にはガスは送られず、エアバッグ7は畳まれたままである。すなわち、エアバッグ6は底面に畳まれたエアバッグ7を密着させたままの状態で、徐々に膨張する。すると、エアバッグ6内部に畳まれた状態で挿通されているエアバッグ7の送気管7aも、コイル状に展開されて延びていく。
【0054】
このようにエアバッグ6が膨張すると、タンク1内の水は給水管52しか出口がないので、給水管52を通って蛇口54、55、56に送水される。すなわち、感震遮断弁D1、D2の働きによってタンク入水管3、タンク出水管4が閉鎖状態であり、また止水弁B51が閉鎖状態であるので、タンク1内の水は、給水管52にしか供給されない。このようにしてエアバッグ6が膨張し切ると(図2参照)蛇口54、55、56から放水される水の水圧が急激に弱くなるので、この時点で、残水量は略エアバッグ7の体積相当量に減少しているということがわかる。したがって、この時点にて、およその給水可能人数の判定等が可能となるので、その後の給水活動を極めて円滑に行うことができる。
【0055】
この時点からさらに給水を継続する場合には、封止弁B7を閉鎖し、封止弁B8を開く。すると低圧ガスは送気管82に供給されるので、送気管82からジョイントJ2、送気管7a、ジョイントJ3を通ってエアバッグ7内に低圧ガスが供給され、エアバッグ7が徐々に膨張する。これによりタンク1内に残留していた水には再び水道水圧程度の低圧がかかることになり、蛇口54、55、56から再度給水が可能となる。
【0056】
なお、上水道が復旧して、水道本管2から再び清浄な水道水が供給される事態となれば、止水弁B1、B2を開いてタンク1を再び管路として使用するわけであるが、この際にはエアバッグ6、7内のガスを抜く必要がある。したがって、送気管81に付属する封止弁B81及び送気管82に付属する封止弁B82を開いてエアバッグ6、7内のガスをガス抜き口81a、82aから放出できる状態とする。そして、感震センサ9をリセットすれば高圧ガスが感震遮断弁D1、D2に送られ、止水弁DB1、DB2が開くので、水道本管2の水道水がタンク入水管3を通ってタンク1に供給され、タンク1の水はタンク出水管4を通って水道本管2に供給され、平時の状態が回復される。
【実施例2】
【0057】
実施例2のエアバッグ付給放水タンクシステムT2は、図10に示すように、実施例1のエアバッグ付給水タンクT1に給水管57を付加したもので、その他の部分の構成は、実施例1のエアバッグ付給水タンクT1と同一である。給水管57は給水管51から分岐され、止水弁B53を介して水道本管2の端末2aに接続されている。給水管57の作用は、タンク1内の水を水道本管2の端末2aに直接導くという点にあり、これにより、端末2aにはタンク1内の清浄な水が供給されるので、断水となった場合にても、水洗トイレや施設内、家庭内の各蛇口などの水道設備が通常どおりに使える状態となる。なお、この際は、給水管52から蛇口54、55、56に水を供給する際と同要領のプロセスをもって行えばよい。また、止水弁B53は、低圧用のボール弁でよい。
【0058】
実施例3のエアバッグ付給放水タンクシステムT3は、図11に示すように、タンク1内のエアバッグの数を3としたもので、タンク1内には、エアバッグ61、71、72が縦に重ねられて収納されており、100はタンク1の口部を表す。図11はエアバッグ61、71、72をすべて膨張させた状態を示しており、84はガスボンベ8から供給されるガスを封止弁B10と圧力調整器C4を介してエアバッグ61へ導く送気管、85はガスボンベ8から供給されるガスを封止弁B11と圧力調整器C5を介してエアバッグ71へ導く送気管、86はガスボンベ8から供給されるガスを封止弁B12と圧力調整器C6を介してエアバッグ72へ導く送気管である。また、84aは止水弁B84を介して送気管84に付設されたガス抜き口、85aは止水弁B85を介して送気管85に付設されたガス抜き口、86aは止水弁B86を介して送気管86に付設されたガス抜き口である。
【0059】
また、J4はエアバッグ61と送気管84を接続するジョイント、J5はエアバッグ71の送気管71aと送気管85を接続するジョイント、J6は送気管71aとエアバッグ71を接続するジョイント、J7はエアバッグ72の送気管72aと送気管86を接続するジョイント、J8はエアバッグ72の送気管72aと同じくエアバッグ72の送気管72bを接続するジョイント、J9はエアバッグ72の送気管72bとエアバッグ72を接続するジョイントである。なお、これ以外の構成は、実施例1のエアバッグ付給水タンクT1と同様である。
【0060】
送気管71aはエアバッグ61の内部を挿貫して送気管85とエアバッグ71を接続しており、エアバッグ61が畳まれた状態にては送気管71aも畳まれ、エアバッグ61が膨張させられた状態にては送気管71aも図11に示すように展開延伸される。送気管72aはエアバッグ61の内部を挿貫して送気管86と送気管72bを接続しており、エアバッグ61が畳まれた状態にては送気管72aも畳まれ、エアバッグ61が膨張させられた状態にては送気管72aも図11に示すように展開延伸される。送気管72bはエアバッグ71の内部を挿貫してエアバッグ72と送気管72aを接続しており、エアバッグ71が畳まれた状態にては送気管72bも畳まれ、エアバッグ71が膨張させられた状態にては送気管72bも図11に示すように展開延伸される。
【0061】
実施例3のエアバッグ付給放水タンクシステムT3の作用は、実施例1のエアバッグ付給水タンクT1の作用と略同一であるが、エアバッグが3基備えられているので、残水量を段階的に知ることができるという特性を有する。また、一つのエアバッグを容量は相対的に小にできるので、エアバッグの耐久性や作動の安定性を図ることができる。実施例3にてはエアバッグ数は3であるが、むろん理論的には4、5、6、……n(正の自然数)と増加させることは当然可能である。基本的に、タンク1の容量が大であればあるほどnを大にすることができる。
【0062】
図12に示す実施例4のエアバッグ付給放水タンクシステムT4は、タンク1の中央に縦に隔壁102を設けて、同形のエアバッグ62、73を並列したもので、図12はエアバッグ62が膨張させられ、エアバッグ73は畳まれた状態を示している。したがって、この状態にて、タンク1の残水量は略半分ということになる。
【0063】
隔壁102は、タンク1の中央部分を縦に2分するように、且つタンク1と一体に設けられているが、上部はタンク1の口部101には密着しておらず、また下部もタンク1の底面には密着されていない。エアバッグ62はジョイントJ9、送気管87、圧力調整器C7、封止弁B13、封止弁6を介してガスボンベ8と接続されており、エアバッグ73はジョイントJ10、送気管88、圧力調整器C8、封止弁B14、封止弁6を介してガスボンベ8と接続されている。また、87aは止水弁B87を介して送気管87に付設されたガス抜き口、88aは止水弁B88を介して送気管88に付設されたガス抜き口である。
【0064】
実施例4のエアバッグ付給放水タンクシステムT4の作用は、実施例1のエアバッグ付き給水タンクT1の作用と略同様であるが、エアバッグ62、73が横並びに配設されているために、実施例1のエアバッグ付給放水タンクT1における送気管7aのように上位のエアバッグの内部に折畳み式の送気管を挿通する必要がないので、その分エアバッグの製作手間は単純になる。図12ではエアバッグが2基の場合を示しているが、タンク1を3分するように隔壁を設ければ3基のエアバッグを配設できるし、隔壁の設け方次第でさらに多数のエアバッグを配設することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0065】
現在、日本列島は地震の活動期に入っているといわれており、連日のごとく報道されるように、各地で規模の大きな地震が多発している。また、地球温暖化の影響によるともいわれる天候異変が顕著で、各地で大雨や洪水による被害も頻発している。このような災害時に、まず緊急に問題になるのは「水の確保」であり、消火用水として、飲料水として、そして生活用水としての水の確保は、全国で切実な問題となりつつある。
【0066】
このような時代において、普段は水道水の管路として常に清潔な水道水を供給し、一旦ことがあれば独立した貯水タンクとして、消火用にも飲料用にも生活用水の配水用にも用いることのできる本発明の意義は、はかり知れないものがある。とくに、本発明はタンクシステムであるので、公共施設や学校や大規模小売店などの公益性の高い施設に設置しておけば、災害時には各種目的に利用できる貯水施設として大きな役割を果たす。また、小規模なものは家庭用としても充分に用いることができる。さらには、システムごと輸出することも充分に可能なので、世界各地において、災害現場のみならず、清浄な水の供給に事欠く場所に設置して、現地の人々の暮らしを守るためにも大いに役立つ発明である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施例1のエアバッグ付給放水タンクシステムの全体を模式的に示したシステム構成の説明図である。
【図2】本発明の実施例1のエアバッグ付給放水タンクシステムの作用を説明する説明図である。
【図3】本発明の実施例1のエアバッグ付給放水タンクシステムの作用を説明する説明図である。
【図4】本発明の実施例1のエアバッグ付給放水タンクシステムのタンクの口部とジョイントの構成を説明するための口部の縦断面を表した説明図である。
【図5】本発明の実施例1のエアバッグ付給放水タンクシステムのタンクの口部の外観斜視図である。
【図6】本発明の実施例1のエアバッグ付給放水タンクシステムの送気管とエアバッグを接続するジョイントの構成を説明するための縦断面を表した説明図である。
【図7】本発明の実施例1のエアバッグ付給放水タンクシステムの送気管とエアバッグを接続するジョイントの構成を説明するための縦断面を表した説明図である。
【図8】本発明の実施例1のエアバッグ付給放水タンクシステムの送気管とエアバッグ及びエアバッグどうしを接続するジョイントの構成を説明するための縦断面を表した説明図である。
【図9】図8の要部の拡大図である。
【図10】本発明の実施例2のエアバッグ付給放水タンクシステムのシステム全体を模式的に示したシステム構成の説明図である。
【図11】本発明の実施例3のエアバッグ付給放水タンクシステムのシステム全体を模式的に示したシステム構成の説明図である。
【図12】本発明の実施例4のエアバッグ付給放水タンクシステムのシステム全体を模式的に示したシステム構成の説明図である。
【符号の説明】
【0068】
1 タンク
10 口部
100 口部
101 口部
11 蓋体
11a 凹部
11b フランジ
12 金属板
1a 本体
1b 開口部
1c フランジ
1d 固定片
2 水道本管
2a 端末
3 タンク入水管
4 タンク出水管
5 給水管
51 給水管
52 給水管
53 消火用ノズル
54 蛇口
55 蛇口
56 蛇口
6 エアバッグ
61 エアバッグ
62 エアバッグ
6a 端部
6b 端部
6c 側壁
6d 底面
7 エアバッグ
71 エアバッグ
72 エアバッグ
73 エアバッグ
7a 送気管
7b 端部
7c 側壁
7d 上面
81 送気管
81a ガス抜き口
82 送気管
82a ガス抜き口
83 送気管
83a 送気管
83b 送気管
84 送気管
84a ガス抜き口
85 送気管
85a ガス抜き口
86 送気管
86a ガス抜き口
87 送気管
87a ガス抜き口
88 送気管
88a ガス抜き口
9 感震センサ
B1 止水弁
B10 封止弁
B11 封止弁
B12 封止弁
B13 封止弁
B14 封止弁
B2 止水弁
B3 止水弁
B4 止水弁
B51 止水弁
B52 止水弁
B6 封止弁
B7 封止弁
B8 封止弁
B81 封止弁
B82 封止弁
B84 封止弁
B85 封止弁
B86 封止弁
B87 封止弁
B88 封止弁
B9 封止弁
BN1 ボルトナット
BN2 ボルトナット
BN3 ボルトナット
C1 圧力調整器
C2 圧力調整器
C3 圧力調整器
C4 圧力調整器
C5 圧力調整器
C6 圧力調整器
C7 圧力調整器
C8 圧力調整器
CP1 カップリング
CP2 カップリング
CP3 カップリング
CP4 カップリング
D1 感震遮断弁
D2 感震遮断弁
DB1 止水弁
DB2 止水弁
H1 円孔
H2 円孔
H3 円孔
H4 円孔
H5 円孔
HJ1 ホースジョイント
HJ1a フランジ
HJ1b 段部
HJ2 ホースジョイント
HJ2a フランジ
HJ2b 段部
HJ3 ホースジョイント
HJ3a フランジ
HJ3b 段部
HJ4 ホースジョイント
HJ4a フランジ
HJ4b 段部
J1 ジョイント
J2 ジョイント
J3 ジョイント
J4 ジョイント
J5 ジョイント
J6 ジョイント
J7 ジョイント
J8 ジョイント
J9 ジョイント
J10 ジョイント
JS1 シール
JS2 シール
JS3 シール
JS4 シール
JS5 シール
JS6 シール
JS7 シール
JS8 シール
N1 ニップル
N1a フランジ
N2 ニップル
N2a フランジ
N3 ニップル
N3a フランジ
N4 ニップル
N4a フランジ
R1 リング
R2 リング
R3 リング
R4 リング
S1 シール
S2 シール
S3 シール
S5 シール
S4 シール
S6 シール
S7 シール
SB1 抑え板
SB2 抑え板
SB3 抑え板
SC1 ソケット
SC1a フランジ
SC1b フランジ
SC2 ソケット
SC2a フランジ
SC2b フランジ
SC3 ソケット
SC3a フランジ
SC3b フランジ
T1 エアバッグ付給放水タンクシステム
T2 エアバッグ付給放水タンクシステム
T3 エアバッグ付給放水タンクシステム
T4 エアバッグ付給放水タンクシステム





























【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンクと、
水道本管と、
水道本管からの水をタンク内に導くタンク入水管と、
タンク内の水を水道本管に送水するタンク出水管と、
タンク出水管とは別系統でタンク内の水をタンク外に供給できる給水管を有し、
タンク内には複数のエアバッグが設けられており、
複数のエアバッグの夫々は、独立した圧力調整器と送気管を介してガスボンベに接続されており、
タンク入水管とタンク出水管には夫々一定以上の震動を感じると閉鎖される感震遮断弁が設けられている、
ことを特徴とするエアバッグ付給放水タンクシステム。
【請求項2】
タンク内に設けられた複数のエアバッグが上下方向に重ねられており、下位のエアバッグにガスを供給する送気管が、上位のエアバッグの内部に挿通され、上位のエアバッグが畳まれている際には該送気管の上位のエアバッグの内部に挿通された部分も畳まれた状態であり、上位のエアバッグが膨張されると該送気管の上位のエアバッグの内部に挿通された部分も展開延伸されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ付給放水タンクシステム。
【請求項3】
タンク入水管とタンク出水管の夫々に設けられた感震遮断弁がガス圧の変化によって作動する空圧式であり、夫々の感震遮断弁が感震センサと送気管を介してガスボンベに連結されていることを特徴とする請求項1あるいは請求項2に記載のエアバッグ付給放水タンクシステム。
【請求項4】
タンク出水管とは別系統でタンク内の水をタンク外に供給できる給水管に、消火用ノズルが接続されていることを特徴とする、請求項1あるいは請求項2あるいは請求項3に記載のエアバッグ付給放水タンクシステム。
【請求項5】
タンク出水管とは別系統でタンク内の水をタンク外に供給できる給水管に、生活用水の給水用の蛇口が接続されていることを特徴とする請求項1あるいは請求項2あるいは請求項3あるいは請求項4に記載のエアバッグ付給放水タンクシステム。
【請求項6】
タンク出水管とは別系統でタンク内の水をタンク外に供給できる給水管が、水道本管に接続されていることを特徴とする請求項1あるいは請求項2あるいは請求項3あるいは請求項4あるいは請求項5に記載のエアバッグ付給放水タンクシステム。





















【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−24439(P2009−24439A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−190509(P2007−190509)
【出願日】平成19年7月23日(2007.7.23)
【出願人】(507247759)株式会社兼美 (1)
【Fターム(参考)】