説明

エアバッグ装置及びエアバッグ装置の製造方法

【課題】エアバッグの外部からの操作を通じてリテーナに対するインフレータの変位が規制されるようにすることができ、且つこれに伴うエアバッグの意図しない強度低下についてもこれを抑制することができる。
【解決手段】エアバッグ装置のインフレータ2を保持するリテーナ3は、フレームに対して固定されるボルト34,35と、自身がかしめられることを通じてリテーナ3内のインフレータ2が押圧される状態とすることでリテーナ3に対するインフレータ2の変位を規制するかしめ部32とを有している。エアバッグ1は、エアバッグ1内にリテーナ3を挿入するためのスリット12と、リテーナ3のボルト34,35が挿通されるボルト孔14,15と、ボルト孔14,15にボルト34,35が挿通された状態においてかしめ部32に対応する位置に形成された開口部13とが設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載されるエアバッグ装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のエアバッグ装置としては例えば特許文献1に記載されるエアバッグ装置がある。特許文献1に記載のエアバッグ装置は、車両のシートの背もたれ部の側部に埋設されるサイドエアバッグ装置である。このエアバッグの基端部にはエアバッグを膨脹展開させるための円柱状のインフレータを収容するための収容部と、この収容部に外部からインフレータを挿入するための挿入口とが設けられている。インフレータは筒状のリテーナにより保持された状態で収容部に収容される。そして、インフレータ及びリテーナが収容された状態で舌片を折り曲げてこれを縫製糸によって縫い合わせられることにより上記挿入口が閉塞される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005―104176号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、エアバッグに形成された挿入口を通じてエアバッグ内にリテーナを予め挿入し、このリテーナを芯としてエアバッグを折り畳んだものをサブアッセンブリとすることが考えられる。この場合、インフレータを含まないサブアッセンブリを流通させることが可能となる。また、その後のインフレータを組み付ける工程では、エアバッグの挿入口を通じてエアバッグ内のリテーナの内部にインフレータを挿入し、例えばエアバッグの外部からリテーナに設けられたかしめ部をかしめることにより、リテーナに対してインフレータを固定することが考えられる。
【0005】
ところが、このようにエアバッグの外部からリテーナのかしめ部を変形させる操作を行なうと、かしめ部と共にエアバッグをかしめることとなるため、エアバッグが傷つけられてエアバッグの意図しない部位の強度低下を招くおそれがある。
【0006】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、エアバッグの外部からの操作を通じてリテーナに対するインフレータの変位が規制されるようにすることができ、且つこれに伴うエアバッグの意図しない強度低下についてもこれを抑制することができるエアバッグ装置及びエアバッグ装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
(1)請求項1に記載の発明は、エアバッグと、前記エアバッグの内部に収容される筒状のリテーナであってその内部に前記エアバッグを膨脹展開させるためのインフレータを保持するリテーナとを備えるエアバッグ装置であって、前記リテーナは、車両に対して固定されるボルトと、自身が操作されることを通じて同リテーナ内の前記インフレータが押圧される状態とすることで同リテーナに対する前記インフレータの変位を規制する規制部とを有してなり、前記エアバッグは、同エアバッグ内に前記リテーナを挿入するための挿入口と、前記リテーナのボルトが挿通されるボルト孔と、同ボルト孔に前記ボルトが挿通された状態において前記規制部に対応する位置に形成された開口部とが設けられてなることをその要旨としている。
【0008】
同構成によれば、エアバッグの挿入口を通じてその内部にリテーナが挿入され、エアバッグのボルト孔にリテーナのボルトが挿通されることでエアバッグの開口部に対してリテーナの規制部の位置合わせを行なうことができる。そして、この開口部を通じて外部からリテーナの規制部を操作することができるため、規制部を操作する際にエアバッグが傷つけられることを抑制することができる。従って、エアバッグの外部からの操作を通じてリテーナに対するインフレータの変位が規制されるようにすることができ、且つこれに伴うエアバッグの意図しない強度低下についてもこれを抑制することができる。
【0009】
(2)請求項1に記載の発明は、前記開口部は前記挿入口よりも開口幅が小さくされてなるといった態様をもって具体化することができる。この場合、エアバッグの外部から規制部を操作するための開口部の形状を的確に小さくすることができる。従って、開口部を通じたガスの漏出を好適に抑制することができる。
【0010】
(3)請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のエアバッグ装置において、前記規制部は前記リテーナの本体と一体形成されるかしめ部とされ、同かしめ部を変形させる操作を通じて前記リテーナの内周面により前記インフレータが押圧されるように構成されていることをその要旨としている。
【0011】
同構成によれば、エアバッグの開口部を通じて外部からリテーナのかしめ部を変形させる操作を行なうことができる。このため、かしめ部をかしめる際にエアバッグが傷つけられることを抑制することができる。
【0012】
(4)請求項4に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のエアバッグ装置において、前記規制部は前記リテーナの本体に形成された取付孔に取り付けられた規制ボルトとされ、同規制ボルトの締め付け操作を通じて同規制ボルトの先端により前記インフレータが押圧されるように構成されていることをその要旨としている。
【0013】
同構成によれば、エアバッグの開口部を通じて外部からリテーナの取付孔に取り付けられた規制ボルトを締め付ける操作を行なうことができる。このため、規制ボルトを締め付ける上でエアバッグが傷つけられることを抑制することができる。
【0014】
(5)請求項5に記載の発明は、エアバッグと、前記エアバッグの内部に収容される筒状のリテーナであってその内部に前記エアバッグを膨脹展開させるためのインフレータを保持するリテーナとを備えるエアバッグ装置であって、前記リテーナは、車両に対して固定されるボルトと、同リテーナ内の前記インフレータを押圧することで同リテーナに対する前記インフレータの変位を規制する規制部材が挿通される取付孔とを有してなり、前記エアバッグは、同エアバッグ内に前記リテーナを挿入するための挿入口と、前記リテーナのボルトが挿通されるボルト孔と、同ボルト孔に前記ボルトが挿通された状態において前記取付孔に対応する位置に形成された開口部とが設けられてなることをその要旨としている。
【0015】
同構成によれば、エアバッグの挿入口を通じてその内部にリテーナが挿入され、エアバッグのボルト孔にリテーナのボルトが挿通されることでエアバッグの開口部に対してリテーナの取付孔の位置合わせを行なうことができる。そして、この開口部を通じて外部からリテーナの取付孔に対して規制部材を挿通して取り付けることができるため、リテーナの取付孔に対して規制部材を取り付ける際にエアバッグが傷つけられることを抑制することができる。従って、エアバッグの外部からの操作を通じてリテーナに対するインフレータの変位が規制されるようにすることができ、且つこれに伴うエアバッグの意図しない強度低下についてもこれを抑制することができる。
【0016】
(6)請求項5に記載の発明は、前記開口部は前記挿入口よりも開口幅が小さくされてなるといった態様をもって具体化することができる。この場合、エアバッグの外部から規制部を操作するための開口部の形状を的確に小さくすることができる。従って、開口部を通じたガスの漏出といった不都合を好適に抑制することができる。
【0017】
(7)請求項7に記載の発明は、請求項5又は請求項6に記載のエアバッグ装置において、前記規制部材は前記取付孔に取り付けられる規制ボルトとされ、同規制ボルトの締め付け操作を通じて同規制ボルトの先端により前記インフレータが押圧されるように構成されていることをその要旨としている。
【0018】
同構成によれば、エアバッグの開口部を通じて外部からリテーナの取付孔に対して規制ボルトを挿通して締め付ける操作を行なうことができる。
(8)請求項8に記載の発明は、請求項5又は請求項6に記載のエアバッグ装置において、前記規制部材は前記取付孔に取り付けられる留め具とされてなることをその要旨としている。
【0019】
同構成によれば、エアバッグの開口部を通じて外部からリテーナの取付孔に対して留め具を挿通する操作を行なうことができる。
(9)請求項9に記載の発明は、請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載のエアバッグ装置において、前記挿入口は前記ボルトが固定される車両の固定部位に対向する位置に形成されてなることをその要旨としている。
【0020】
同構成によれば、エアバッグ装置が車両に固定された状態においてエアバッグの挿入口がボルトが挿通されるボルト孔と共に車両の固定部位に対向配置される。このため、挿入口を通じたガスの漏出を好適に抑制することができる。
【0021】
(10)請求項10に記載の発明は、エアバッグと、前記エアバッグを膨脹展開させるためのインフレータと、前記エアバッグの内部に収容される筒状のリテーナであってその内部に前記インフレータを保持するリテーナとを備えるエアバッグ装置の製造方法であって、前記リテーナは、車両に対して固定されるボルトと、自身が操作されることを通じて同リテーナ内の前記インフレータが押圧される状態とすることで同リテーナに対する前記インフレータの変位を規制する規制部とを有してなり、前記エアバッグに形成された挿入口を通じて同エアバッグ内に前記リテーナを挿入する工程と、前記エアバッグに形成されたボルト孔に前記リテーナのボルトを挿通するとともに前記エアバッグに形成された開口部に対して前記リテーナの規制部の位置合わせを行なう工程と、前記リテーナの内部に前記インフレータを挿入する工程と、前記エアバッグの外部から前記開口部を通じて前記リテーナの規制部を操作する工程と、を備えることをその要旨としている。
【0022】
同構成によれば、エアバッグの挿入口を通じてその内部にリテーナを挿入し、エアバッグのボルト孔にリテーナのボルトを挿通することでエアバッグの開口部に対してリテーナの規制部の位置合わせを行なうことができる。そして、この開口部を通じて外部からリテーナの規制部を操作することができるため、規制部を操作する際にエアバッグが傷つけられることを抑制することができる。従って、エアバッグの外部からの操作を通じてリテーナに対するインフレータの変位が規制されるようにすることができ、且つこれに伴うエアバッグの意図しない強度低下についてもこれを抑制することができる。
【0023】
(11)請求項11に記載の発明は、エアバッグと、前記エアバッグを膨脹展開させるためのインフレータと、前記エアバッグの内部に収容される筒状のリテーナであってその内部に前記インフレータを保持するリテーナとを備えるエアバッグ装置の製造方法であって、前記リテーナは、車両に対して固定されるボルトと、同リテーナ内の前記インフレータを押圧することで同リテーナに対する前記インフレータの変位を規制する規制部材が挿通される取付孔とを有してなり、前記エアバッグに形成された挿入口を通じて同エアバッグ内に前記リテーナを挿入する工程と、前記エアバッグに形成されたボルト孔に前記リテーナのボルトを挿通するとともに前記エアバッグに形成された開口部に対して前記取付孔の位置合わせを行なう工程と、前記リテーナの内部に前記インフレータを挿入する工程と、前記エアバッグの外部から前記開口部を通じて前記リテーナの取付孔に前記規制部材を挿通する工程と、を備えることをその要旨としている。
【0024】
同構成によれば、エアバッグの挿入口を通じてその内部にリテーナを挿入し、エアバッグのボルト孔にリテーナのボルトを挿通することでエアバッグの開口部に対してリテーナの取付孔の位置合わせを行なうことができる。そして、この開口部を通じて外部からリテーナの取付孔に対して規制部材を挿通して取り付けることができる。このため、リテーナの取付孔に対して規制部材を取り付ける際にエアバッグが傷つけられることを抑制することができる。従って、エアバッグの外部からの操作を通じてリテーナに対するインフレータの変位が規制されるようにすることができ、且つこれに伴うエアバッグの意図しない強度低下についてもこれを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1実施形態に係るエアバッグ装置について、エアバッグの基端部を中心とした平面構造を示す平面図。
【図2】図1のA−A線に沿った断面構造を示す断面図。
【図3】本発明の第2実施形態に係るエアバッグ装置について、(a)リテーナに保持されている状態のインフレータの平面構造を示す平面図、(b)(a)のB−B線に沿った断面構造を示す断面図、(c)(a)のD−D線に沿った断面構造を示す断面図。
【図4】同実施形態に係るエアバッグ装置について、エアバッグの基端部を中心とした平面構造を示す平面図。
【図5】本発明の第3実施形態に係るエアバッグ装置について、(a)リテーナ内に挿入された状態のインフレータの平面構造を示す平面図、(b)(a)のE−E線に沿った断面構造を示す断面図、(c)(a)のF−F線に沿った断面構造を示す断面図。
【図6】同実施形態に係るエアバッグ装置について、エアバッグの基端部を中心とした平面構造を示す平面図。
【図7】本発明の第4実施形態に係るエアバッグ装置について、(a)リテーナ内に挿入された状態のインフレータの平面構造を示す平面図、(b)クリップの斜視構造を示す斜視図。
【図8】同実施形態に係るエアバッグ装置について、エアバッグの基端部を中心とした平面構造を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[第1実施形態]
以下、図1及び図2を参照して、本発明に係るエアバッグ装置及びその製造方法を車両のサイドエアバッグ装置(以下、エアバッグ装置と略称する)として具体化した第1実施形態について説明する。
【0027】
図1に、本実施形態のエアバッグ装置におけるエアバッグ1の基端部11を中心とした平面構造を示す。また、図2に、図1のA−A線に沿った断面構造を示す。
図1に示すように、エアバッグ装置は、袋状をなすエアバッグ1と、このエアバッグ1を膨脹展開させるガス発生源であるインフレータ2と、このエアバッグ1の内部に収容される筒状のリテーナ3とを備えている。
【0028】
エアバッグ1は例えばナイロン製の織布からなる基布が半折りとされ、その外周縁が縫製糸によって縫製されることで袋状をなしている。
インフレータ2は、略円柱状の本体21と、この本体21の基端部(図1の上端部)に接続されるワイヤハーネス22とを有している。インフレータ2は電子制御装置からの電気信号によってエアバッグ1を膨脹展開させるガスを発生する。
【0029】
リテーナ3は、略円筒状をなす本体31と、この本体31の基端部(図1の上端部)に形成されたかしめ部32と、かしめ部32の先端側(図1の下側)に隣接して形成された切欠部33とを有している。ここで、図2に示すように、かしめ部32は他の部位に比べて外周側に突出している。また、リテーナ3の本体31の周壁には、2つのボルト34,35がリテーナ3の軸線方向C1において互いに離間して設けられている。これら2つのボルト34,35を車両のシートの背もたれ部を構成するフレームに対して固定することによってリテーナ3が車両に固定される。
【0030】
エアバッグ1の基端部11には、エアバッグ1内にリテーナ3及びインフレータ2を挿入するための挿入口であるスリット12が形成されている。このスリット12は略X字状に形成されている。また、この基端部11には、リテーナ3の2本のボルト34,35をそれぞれ挿通するためのボルト孔14,15が形成されている。また、基端部11には、これらボルト孔14,15にボルト34,35がそれぞれ挿通された状態において、リテーナ3のかしめ部32に対応する位置に、開口部13が形成されている。ここで、開口部13はスリット12よりも開口幅が小さくされており、より詳細には、この開口部13の開口幅はインフレータ2の外径の最大値よりも小さくされている。
【0031】
次に、本実施形態の作用について説明する。
エアバッグ1のスリット12を通じてその内部にリテーナ3が挿入され、エアバッグ1のボルト孔14,15にリテーナ3のボルト34,35が挿通されることでエアバッグ1の開口部13に対してリテーナ3のかしめ部32の位置合わせを行なうことができる。そして、この開口部13を通じて外部からリテーナ3のかしめ部32をかしめて変形させることができるため、かしめ部32をかしめる際にエアバッグ1が傷つけられることを抑制することができる。
【0032】
次に、エアバッグ装置の組み付け方法について説明する。
エアバッグ装置の組み付けに際しては、まず、エアバッグ1に形成されたスリット12を通じてエアバッグ1内にリテーナ3を挿入する。次に、エアバッグ1のボルト孔14,15にリテーナ3のボルト34,35を挿通するとともにエアバッグ1の開口部13に対してリテーナ3のかしめ部32の位置合わせを行なう。次に、リテーナ3を芯としてエアバッグ1を折り畳むことによりサブアッセンブリとする。
【0033】
その後、このサブアッセンブリに対してインフレータ2を組み付ける際には、エアバッグ1のスリット12を通じてエアバッグ1内のリテーナ3の内部にインフレータ2を挿入する。次に、エアバッグ1の外部からリテーナ3のかしめ部32をかしめることにより、リテーナ3の内周面によりインフレータ2が押圧される状態となる。こうして、リテーナ3に対してインフレータ2が固定される。
【0034】
尚、かしめ部32が本発明に係る規制部に相当する。
以上説明した本実施形態に係るエアバッグ装置及びエアバッグ装置の製造方法によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
【0035】
(1)エアバッグ装置は、エアバッグ1と、エアバッグ1の内部に収容される筒状のリテーナ3であってその内部にエアバッグ1を膨脹展開させるためのインフレータ2を保持するリテーナ3とを備えている。リテーナ3は、シートの背もたれ部を構成するフレームに対して固定されるボルト34,35と、自身が操作されることを通じてリテーナ3内のインフレータ2が押圧される状態とすることでリテーナ3に対するインフレータ2の変位を規制するかしめ部32とを有している。エアバッグ1は、エアバッグ1内にリテーナ3を挿入するためのスリット12と、リテーナ3のボルト34,35が挿通されるボルト孔14,15と、ボルト孔14,15にボルト34,35が挿通された状態においてかしめ部32に対応する位置に形成された開口部13とが設けられている。
【0036】
こうした構成によれば、エアバッグ1の外部からの操作を通じてリテーナ3に対するインフレータ2の変位が規制されるようにすることができ、且つこれに伴うエアバッグ1の意図しない強度低下についてもこれを抑制することができる。
【0037】
(2)開口部13はスリット12よりも開口幅が小さくされている。こうした構成によれば、エアバッグ1の外部からかしめ部32をかしめるための開口部13の形状を的確に小さくすることができる。従って、開口部13を通じたガスの漏出を好適に抑制することができる。
【0038】
(3)スリット12はボルト34,35が固定されるシートの背もたれ部を構成するフレームに対向する位置に形成されている。こうした構成によれば、エアバッグ装置がフレームに固定された状態においてエアバッグ1のスリット12がボルト34,35が挿通されるボルト孔14,15と共にフレームに対向配置される。このため、フレームが障壁となることでスリット12を通じたガスの漏出を好適に抑制することができる。
【0039】
[第2実施形態]
以下、図3及び図4を参照して、本発明に係るエアバッグ装置及びその製造方法の第2実施形態について説明する。
【0040】
図3(a)に、リテーナ203に保持されている状態のインフレータ2の平面構造を示す。また、図3(b)に、図3(a)のB−B線に沿った断面構造を示す。また、図3(c)に、図3(a)のD−D線に沿った断面構造を示す。また、図4に、エアバッグ201の基端部211を中心とした平面構造を示す。
【0041】
また、先の第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付すとともに、対応する符号については「200」を加算した符号を付すことにより重複する説明を割愛する。
図3(a)〜(c)に併せ示すように、リテーナ203は略円筒状をなす本体231を有している。この本体231の周壁には2つのボルト234,235がリテーナ3の軸線方向C2において互いに離間して設けられている。これら2つのボルト234,235を車両のシートの背もたれ部を構成するフレームに対して固定することによってリテーナ203が車両に固定される。
【0042】
ここで、リテーナ203の先端側(図3(a)の下側)に設けられたボルト235は本体231に対して固設されている。一方、リテーナ203の基端側(図3(a)の上側)に設けられた規制ボルト234は本体231の周壁に形成された取付孔232に取り付けられており、規制ボルト234の締め付け操作を通じて本体231の内部に突出可能とされている。
【0043】
図4に示すように、エアバッグ201の基端部211には、エアバッグ201内にリテーナ203及びインフレータ2を挿入するための挿入口であるスリット212が形成されている。また、この基端部211には、リテーナ203の2本のボルト234,235をそれぞれ挿通するためのボルト孔214,215が形成されている。
【0044】
次に、エアバッグ装置の組み付け方法について説明する。
エアバッグ装置の組み付けに際しては、まず、エアバッグ201に形成されたスリット212を通じてエアバッグ201内にリテーナ203を挿入する。次に、エアバッグ201のボルト孔214,215にリテーナ203のボルト234,235を挿通する。次に、リテーナ203を芯としてエアバッグ201を折り畳むことによりサブアッセンブリとする。
【0045】
その後、このサブアッセンブリに対してインフレータ2を組み付ける際には、エアバッグ201のスリット12を通じてエアバッグ201内のリテーナ3の内部にインフレータ2を挿入する。次に、エアバッグ201の外部から規制ボルト234の締め付け操作を行なうことにより、規制ボルト234の先端とリテーナ203の本体231の内周面とでインフレータ2が押圧される状態とする(図3(b)参照)。こうして、リテーナ203に対してインフレータ2が固定される。
【0046】
尚、ボルト孔214が本発明に係る開口部に相当する。
以上説明した本実施形態に係るエアバッグ装置及びエアバッグ装置の製造方法によれば、上記効果(3)に加え、以下に示す効果が得られるようになる。
【0047】
(4)リテーナ203は、シートの背もたれ部を構成するフレームに対して固定されるボルト235と、自身が締め付け操作されることを通じてリテーナ203内のインフレータ2が押圧される状態とすることでリテーナ203に対するインフレータ2の変位を規制する規制ボルト234とを有している。具体的には、リテーナ203の本体231に形成された取付孔232には規制ボルト234が取り付けられている。また、規制ボルト234の締め付け操作を通じて規制ボルト234の先端によりインフレータ2が押圧されるように構成されている。また、エアバッグ201は、エアバッグ201内にリテーナ203を挿入するためのスリット212と、リテーナ203のボルト235が挿通された状態において規制ボルト234に対応する位置に形成されたボルト孔214とが設けられている。
【0048】
こうした構成によれば、エアバッグ201のボルト孔214を通じて外部からリテーナ203の取付孔232に取り付けられた規制ボルト234を締め付ける操作を行なうことができる。このため、規制ボルト234を締め付ける上でエアバッグ201が傷つけられることを抑制することができる。
【0049】
(5)ボルト孔214はスリット212よりも開口幅が小さくされている。こうした構成によれば、エアバッグ201の外部から規制ボルト234を操作するためのボルト孔214の形状を的確に小さくすることができる。従って、ボルト孔214を通じたガスの漏出を好適に抑制することができる。
【0050】
[第3実施形態]
以下、図5及び図6を参照して、本発明に係るエアバッグ装置及びその製造方法の第3実施形態について説明する。
【0051】
図5(a)に、リテーナ303に挿入された状態のインフレータ2の平面構造を示す。また、図5(b)に、図5(a)のE−E線に沿った断面構造を示す。また、図5(c)に、図5(a)のF−F線に沿った断面構造を示す。また、図6に、エアバッグ301の基端部311を中心とした平面構造を示す。
【0052】
また、先の第2実施形態と同一の構成については同一の符号を付すとともに、対応する符号については「100」を加算した符号を付すことにより重複する説明を割愛する。
図5(a)〜(c)に併せ示すように、リテーナ303は略円筒状をなす本体331を有している。この本体331の周壁には2つの孔332,333がリテーナ3の軸線方向C3において互いに離間して設けられている。
【0053】
ここで、リテーナ203の先端側(図5(a)の下側)に位置する孔333にはボルト335が固設されている。一方、リテーナ303の基端側(図5(a)の上側)に位置する孔(以下、取付孔332)には先の第2実施形態とは異なり、リテーナ203に対してインフレータ2を固定する操作を行なうまでは規制ボルト334が挿通されていない。
【0054】
図6に示すように、エアバッグ301は先の第2実施形態のエアバッグ201と同一の形状を有している(図4参照)。
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0055】
エアバッグ301のスリット312を通じてその内部にリテーナ303が挿入され、エアバッグ301のボルト孔315にリテーナ303のボルト335が挿通されることでエアバッグ301のボルト孔314に対してリテーナ303の取付孔332の位置合わせを行なうことができる。そして、このボルト孔314を通じて外部からリテーナ303の取付孔332に対して規制ボルト334を挿通して取り付けることができるため、リテーナ303の取付孔332に対して規制ボルト334を取り付ける際にエアバッグ301が傷つけられることを抑制することができる。
【0056】
次に、エアバッグ装置の組み付け方法について説明する。
エアバッグ装置の組み付けに際しては、まず、エアバッグ301に形成されたスリット312を通じてエアバッグ301内にリテーナ303を挿入する。次に、エアバッグ301のボルト孔315にリテーナ303のボルト335を挿通するとともにエアバッグ301のボルト孔314に対してリテーナ303の取付孔332の位置合わせを行なう。次に、リテーナ303を芯としてエアバッグ301を折り畳むことによりサブアッセンブリとする。
【0057】
その後、このサブアッセンブリに対してインフレータ2を組み付ける際には、エアバッグ301のスリット312を通じてエアバッグ301内のリテーナ303の内部にインフレータ2を挿入する。次に、エアバッグ301の外部からボルト孔314を通じてリテーナ303の取付孔332に規制ボルト334を挿通することにより、規制ボルト334の先端とリテーナ303の本体331の内周面とでインフレータ2が押圧される状態とする(先の図3(b)参照)。こうして、リテーナ303に対してインフレータ2が固定される。
【0058】
尚、ボルト孔314が本発明に係る開口部に相当する。
以上説明した本実施形態に係るエアバッグ装置及びエアバッグ装置の製造方法によれば、上記効果(3)に加え、以下に示す効果が得られるようになる。
【0059】
(6)リテーナ303は、シートの背もたれ部を構成するフレームに対して固定されるボルト334,335と、リテーナ303内のインフレータ2を押圧することでリテーナ303に対するインフレータ2の変位を規制する規制ボルト334が挿通される取付孔332とを有している。また、規制ボルト334の締め付け操作を通じて規制ボルト334の先端によりインフレータ2が押圧されるように構成されている。エアバッグ301は、エアバッグ301内にリテーナ303を挿入するためのスリット312と、リテーナ303のボルト335が挿通されるボルト孔315と、ボルト孔315にボルト335が挿通された状態において取付孔332に対応する位置に形成されたボルト孔314とが設けられている。
【0060】
こうした構成によれば、エアバッグ301の外部からリテーナ303の取付孔332に対して規制ボルト334を挿通して締め付ける操作を通じてリテーナ303に対するインフレータ2の変位が規制されるようにすることができ、且つこれに伴うエアバッグ301の意図しない強度低下についてもこれを抑制することができる。
【0061】
(7)ボルト孔314はスリット312よりも開口幅が小さくされている。こうした構成によれば、エアバッグ301の外部から規制ボルト334を操作するためのボルト孔314の形状を的確に小さくすることができる。従って、ボルト孔314を通じたガスの漏出を好適に抑制することができる。
【0062】
[第4実施形態]
以下、図7及び図8を参照して、本発明に係るエアバッグ装置及びその製造方法の第4実施形態について説明する。
【0063】
図7(a)に、リテーナ403内に挿入された状態のインフレータ2の平面構造を示す。また、図7(b)に、クリップ440の斜視構造を示す。また、図8に、エアバッグ401の基端部411を中心とした平面構造を示す。
【0064】
また、先の第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付すとともに、対応する符号については「400」を加算した符号を付すことにより重複する説明を割愛する。
図7(a)に示すように、リテーナ403は略円筒状をなす本体431を有している。この本体431の周壁において先端側(図7(a)の下側)にはボルト435が設けられている。このボルト435をシートの背もたれ部を構成するフレームに対して固定することによってリテーナ403が車両に固定される。
【0065】
また、本体431の周壁において基端側(図7(a)の上側)には図7(b)に示すクリップ440が挿通して取り付けられる取付孔432が形成されている。このクリップ440は板材を曲げ加工することで略M字状に形成されたものであり、その両端部がかえし部441とされている。
【0066】
図8に示すように、エアバッグ401の基端部411には、エアバッグ401内にリテーナ403及びインフレータ2を挿入するためのスリット412が形成されている。また、基端部411には、リテーナ403のボルト435を挿通するためのボルト孔415が形成されている。また、基端部411には、ボルト孔415にボルト35が挿通された状態において、リテーナ403の取付孔432に対応する位置に、開口部413が形成されている。ここで、開口部413はスリット412よりも開口幅が小さくされており、より詳細には、この開口部413の開口幅はインフレータ2の外径の最大値よりも小さくされている。
【0067】
次に、本実施形態の作用について説明する。
エアバッグ401のスリット412を通じてその内部にリテーナ403が挿入され、エアバッグ401のボルト孔415にリテーナ403のボルト435が挿通されることでエアバッグ401の開口部413に対してリテーナ403の取付孔432の位置合わせを行なうことができる。そして、この開口部413を通じて外部からリテーナ403の取付孔432に対してクリップ440を挿通して取り付けることができるため、リテーナ403の取付孔432に対してクリップ440を取り付ける際にエアバッグ401が傷つけられることを抑制することができる。
【0068】
次に、エアバッグ装置の組み付け方法について説明する。
エアバッグ装置の組み付けに際しては、まず、エアバッグ401に形成されたスリット412を通じてエアバッグ401内にリテーナ403を挿入する。次に、エアバッグ401のボルト孔415にリテーナ403のボルト435を挿通するとともにエアバッグ401の開口部413に対してリテーナ403の取付孔432の位置合わせを行なう。次に、リテーナ403を芯としてエアバッグ401を折り畳むことによりサブアッセンブリとする。
【0069】
その後、このサブアッセンブリに対してインフレータ2を組み付ける際には、エアバッグ401のスリット412を通じてエアバッグ401内のリテーナ403の内部にインフレータ2を挿入する。次に、エアバッグ401の外部から開口部413を通じてリテーナ403の取付孔432にクリップ440を挿通することにより、クリップ440の先端とリテーナ403の本体431の内周面とによりインフレータ2が押圧される状態となる。こうして、リテーナ403に対してインフレータ2が固定される。尚、リテーナ403の取付孔432にクリップ440が挿通された後においてはかえし部441が本体431の内周面に係合することとなるため、取付孔432からクリップ440が外れることはない。
【0070】
以上説明した本実施形態に係るエアバッグ装置及びエアバッグ装置の製造方法によれば、上記効果(3)に加え、以下に示す効果が得られるようになる。
(8)リテーナ403は、シートの背もたれ部を構成するフレームに対して固定されるボルト435と、リテーナ403内のインフレータ2を押圧することでリテーナ403に対するインフレータ2の変位を規制するクリップ440が挿通される取付孔432とを有している。エアバッグ401は、エアバッグ401内にリテーナ3を挿入するためのスリット412と、リテーナ403のボルト435が挿通されるボルト孔415と、ボルト孔415にボルト435が挿通された状態において取付孔432に対応する位置に形成された開口部413とが設けられている。
【0071】
こうした構成によれば、エアバッグ401の外部からの操作を通じてリテーナ403に対するインフレータ2の変位が規制されるようにすることができ、且つこれに伴うエアバッグ401の意図しない強度低下についてもこれを抑制することができる。
【0072】
(9)開口部413はスリット412よりも開口幅が小さくされている。こうした構成によれば、エアバッグ401の外部からクリップ440を操作するための開口部413の形状を的確に小さくすることができる。従って、開口部413を通じたガスの漏出を好適に抑制することができる。
【0073】
尚、本発明に係るエアバッグ装置及びエアバッグ装置の製造方法は、上記実施形態にて例示した構成に限定されるものではなく、これを適宜変更した例えば次のような形態として実施することもできる。
【0074】
・上記各実施形態では、X字状のスリット12〜412が形成されるものについて例示した。しかしながら、本発明に係る挿入口は限られるものではなく、このスリットの内側、すなわちエアバッグの内面にスリットからのガスの漏出を抑制するための舌片を設けるようにしてもよい。
【0075】
・例えば第1実施形態によるように、スリット12がボルト34,35が固定されるシートの背もたれ部を構成するフレームに対向する位置に形成されるものとすることが、フレームが障壁となることでスリット12を通じたガスの漏出を好適に抑制する上では望ましい。しかしながら、本発明はこれに限られるものではなく、スリット(挿入口)をフレームに対向しない位置に形成することもできる。
【0076】
・本発明に係るかしめ部の形状は上記第1実施形態において例示したものに限らず、自身が塑性変形することを通じてリテーナの内周面によりインフレータが押圧されるように構成されるものであれば、その形状を適宜変更することができる。
【0077】
・本発明に係る規制部材は、上記第3実施形態において例示した規制ボルト334や第4実施形態において例示したクリップ440に限られない。要するに、リテーナの取付孔に挿通されるものであって、リテーナ内のインフレータを押圧することで同リテーナに対するインフレータの変位を規制するものであれば、その形状を適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0078】
1,201,301,401…エアバッグ、11,211,311,411…基端部、12,212,312,412…スリット、13,413…開口部、14,214,314…ボルト孔、15.215,315,415…ボルト孔、2…インフレータ、21…本体、22…ワイヤハーネス、3,203,303,403…リテーナ、31,231,331,431…本体、32…かしめ部、33…切欠部、34…ボルト、35,235,335,435…ボルト、232,332,432…取付孔、234,334…規制ボルト、333…孔、440…クリップ、441…かえし部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアバッグと、前記エアバッグの内部に収容される筒状のリテーナであってその内部に前記エアバッグを膨脹展開させるためのインフレータを保持するリテーナとを備えるエアバッグ装置であって、
前記リテーナは、車両に対して固定されるボルトと、自身が操作されることを通じて同リテーナ内の前記インフレータを押圧する状態とされることで同リテーナに対する前記インフレータの変位を規制する規制部とを有してなり、
前記エアバッグは、同エアバッグ内に前記リテーナを挿入するための挿入口と、前記リテーナのボルトが挿通されるボルト孔と、同ボルト孔に前記ボルトが挿通された状態において前記規制部に対応する位置に形成された開口部とが設けられてなる
ことを特徴とするエアバッグ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のエアバッグ装置において、
前記開口部は前記挿入口よりも開口幅が小さくされてなる
ことを特徴とするエアバッグ装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のエアバッグ装置において、
前記規制部は前記リテーナの本体と一体形成されるかしめ部とされ、
同かしめ部を変形させる操作を通じて前記リテーナの内周面により前記インフレータが押圧されるように構成されている
ことを特徴とするエアバッグ装置。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載のエアバッグ装置において、
前記規制部は前記リテーナの本体に形成された取付孔に取り付けられた規制ボルトとされ、
同規制ボルトの締め付け操作を通じて同規制ボルトの先端により前記インフレータが押圧されるように構成されている
ことを特徴とするエアバッグ装置。
【請求項5】
エアバッグと、前記エアバッグの内部に収容される筒状のリテーナであってその内部に前記エアバッグを膨脹展開させるためのインフレータを保持するリテーナとを備えるエアバッグ装置であって、
前記リテーナは、車両に対して固定されるボルトと、同リテーナ内の前記インフレータを押圧することで同リテーナに対する前記インフレータの変位を規制する規制部材が挿通される取付孔とを有してなり、
前記エアバッグは、同エアバッグ内に前記リテーナを挿入するための挿入口と、前記リテーナのボルトが挿通されるボルト孔と、同ボルト孔に前記ボルトが挿通された状態において前記取付孔に対応する位置に形成された開口部とが設けられてなる
ことを特徴とするエアバッグ装置。
【請求項6】
請求項5に記載のエアバッグ装置において、
前記開口部は前記挿入口よりも開口幅が小さくされてなる
ことを特徴とするエアバッグ装置。
【請求項7】
請求項5又は請求項6に記載のエアバッグ装置において、
前記規制部材は前記取付孔に取り付けられる規制ボルトとされ、
同規制ボルトの締め付け操作を通じて同規制ボルトの先端により前記インフレータが押圧されるように構成されている
ことを特徴とするエアバッグ装置。
【請求項8】
請求項5又は請求項6に記載のエアバッグ装置において、
前記規制部材は前記取付孔に取り付けられる留め具とされてなる
ことを特徴とするエアバッグ装置。
【請求項9】
請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載のエアバッグ装置において、
前記挿入口は前記ボルトが固定される車両の固定部位に対向する位置に形成されてなる
ことを特徴とするエアバッグ装置。
【請求項10】
エアバッグと、前記エアバッグを膨脹展開させるためのインフレータと、前記エアバッグの内部に収容される筒状のリテーナであってその内部に前記インフレータを保持するリテーナとを備えるエアバッグ装置の製造方法であって、
前記リテーナは、車両に対して固定されるボルトと、自身が操作されることを通じて同リテーナ内の前記インフレータを押圧する状態とされることで同リテーナに対する前記インフレータの変位を規制する規制部とを有してなり、
前記エアバッグに形成された挿入口を通じて同エアバッグ内に前記リテーナを挿入する工程と、
前記エアバッグに形成されたボルト孔に前記リテーナのボルトを挿通するとともに前記エアバッグに形成された開口部に対して前記リテーナの規制部の位置合わせを行なう工程と、
前記リテーナの内部に前記インフレータを挿入する工程と、
前記エアバッグの外部から前記開口部を通じて前記リテーナの規制部を操作する工程と、を備える
ことを特徴とするエアバッグ装置の製造方法。
【請求項11】
エアバッグと、前記エアバッグを膨脹展開させるためのインフレータと、前記エアバッグの内部に収容される筒状のリテーナであってその内部に前記インフレータを保持するリテーナとを備えるエアバッグ装置の製造方法であって、
前記リテーナは、車両に対して固定されるボルトと、同リテーナ内の前記インフレータを押圧することで同リテーナに対する前記インフレータの変位を規制する規制部材が挿通される取付孔とを有してなり、
前記エアバッグに形成された挿入口を通じて同エアバッグ内に前記リテーナを挿入する工程と、
前記エアバッグに形成されたボルト孔に前記リテーナのボルトを挿通するとともに前記エアバッグに形成された開口部に対して前記取付孔の位置合わせを行なう工程と、
前記リテーナの内部に前記インフレータを挿入する工程と、
前記エアバッグの外部から前記開口部を通じて前記リテーナの取付孔に前記規制部材を挿通する工程と、を備える
ことを特徴とするエアバッグ装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−71553(P2013−71553A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−211186(P2011−211186)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000241463)豊田合成株式会社 (3,467)
【Fターム(参考)】