説明

エスカレータ監視装置

【課題】監視カメラを、下から覗かれているという不信感を乗客に与えず、かつ、乗客の邪魔にならない位置に設けることができ、また、監視カメラに接続される電線の露出を容易に抑えることができるエスカレータ監視装置を提供すること。
【解決手段】建物の天井とエスカレータの移動手摺との間に形成された狭角部、または、互いに交差する2つのエスカレータのうちの一方のエスカレータの底部と、他方のエスカレータの移動手摺との間に形成された狭角部に、挟まれ防止用の固定保護体及び可動警告体と、筒体10を設け、筒体10内に、監視カメラ11とこの監視カメラ11に接続される電線部材20に含まれる第1電線部材21を収容し、第1電線部材21のケーブル21cは、筒体10の上下方向に設けられるスリットを通して延設され、この第1電線部材21を含む電線部材20は、筒体10と外デッキボード6間に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視カメラによりエスカレータを監視するエスカレータ監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
建物にエスカレータが単独で設置されると、移動手摺と天井との間に狭角部(三角部)が形成されることになる。また、エスカレータの設置構造には、上下階床間に上りエスカレータと下りエスカレータとがその側面視において交差して併設されたものもある。この設置構造の場合には、エスカレータの移動手摺ともう一方のエスカレータの底部との間に狭角部が形成される。これらの狭角部には、乗客が挟まれることを防ぐための保護体が設けられるのが一般的である。
【0003】
特許文献1に開示されたマンコンベアの安全装置においては、保護体としてのガード板の手前に、天井から筒状の検出体が吊り下げられている。この検出体の下端部は弾性体を介して欄干に繋がれている。上りエスカレータの乗客は保護体に接触する前に検出体に接触することによって、保護体に接触する前に狭角部の接近に気付かされる。
【0004】
特許文献2に開示されたエスカレータの監視装置は、下階床側で保護体としての狭角部保護板に対向して位置する建屋の柱に、乗客の状況を撮影可能に設けられた監視カメラと、狭角部保護板の揺れを検出するセンサとを備えている。そして、センサが狭角部保護板の揺れを検出した時点の前後所定時間内で監視カメラにより撮影された影像を記録するようになっている。これにより、狭角部近傍における乗客の転倒、転落、あるいは挟まれる事故の状況を保存することができる。
【0005】
監視カメラを設ける従来の技術としては、特許文献3に開示されたものがある。この従来の技術においては、上下階床のそれぞれの乗場に設けられた誘導柵に、監視カメラが設けられている。この監視カメラは、誘導柵の支柱に収容され、その支柱に設けられた監視窓からエスカレータ側を覗いて撮影を行うようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開昭61−154278号公報
【特許文献2】特開2002−114475号公報
【特許文献3】特開2006−206283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献2に開示されたエスカレータの監視装置において、監視カメラにおいては、ガード板(保護体)の揺れを検出するセンサと、監視カメラが撮影した映像を表示するモニタと、その映像を記録する記録装置とが電線で接続されている。電線の配線には、その電線の露出を抑えるために配線モールが用いられる。その配線モールは天井、梁、床などに設けられ、電線を覆う。天井、梁、床などに設けられた配線モールは建物の美観を損なわせる、という問題がある。さらに、建屋側の配線工事による設置費用が掛かるという問題もある。
【0008】
監視カメラは、特許文献2に開示されているように建屋の柱に設置されるものの他、建屋の天井に設置されるもの、建屋の壁に設置されるものがある。このように建屋の構造部に監視カメラを設置しようとする場合、建屋が吹き抜け構造であること、壁面がガラス仕上げであること、天井が特殊仕上げであることなどによって、監視カメラの設置箇所が制限される。または監視カメラを設置できない、という問題が生じる。
【0009】
特許文献3に開示された技術は、誘導柵の支柱を設けるために、建屋の床の掘削、支柱の床への固定、配線ダクトの床下への埋設等、建屋工事期間や費用が掛かるという問題がある。さらに、欄干よりも低い誘導柵の支柱に監視カメラを設けるため、下から覗かれているという不信感を乗客に与える虞もある。
【0010】
本発明は、前述の事情を考慮してなされたものであり、その目的は、エスカレータの乗客の状況を撮影する監視カメラを、下から覗かれているという不信感を乗客に与えず、かつ、乗客の邪魔にならない位置に設けることができ、また、監視カメラに接続される電線の露出を容易に抑えることができるエスカレータ監視装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述の目的を達成するために、本発明は、天井とエスカレータの移動手摺との間に形成された狭角部、または、交差した状態で隣接する2つのエスカレータのうちの一方のエスカレータの底部と、他方のエスカレータの移動手摺との間に形成された狭角部と、狭角部に設けられ前記エスカレータの上昇運転時に乗客が狭角部に挟まれるのを防止するための保護体とを有する建物に設けられるエスカレータ監視装置において、エスカレータおよび乗客を撮影する監視カメラと、監視カメラを外部装置に電気的に接続する電線部材と、エスカレータの上り方向を前方向とした場合の保護体の後端側に上下方向に延びた姿勢で設けられた筒体であって、監視カメラが収容されたカメラ収容筒と、エスカレータの上り方向を前方向とした場合の保護体の後端側に上下方向に延びた姿勢で設けられた筒体であって、電線部材の一部が収容された配線筒と、エスカレータの欄干の基部の外側に設けられ、電線部材の前記一部とは別の一部が収容される外デッキボードとを有し、電線部材は、配線筒の下端から出されて外デッキボードの内側に導かれた状態で配線され、配線筒の上下方向にスリットを有し、電線部材をスリットに通すことを特徴としている。
【0012】
このように構成した本発明によれば、監視カメラは、狭角部において保護体と共に設けられるカメラ収容部に収容されるので、監視カメラを、下から覗かれているという不信感を乗客に与えず、かつ、乗客の邪魔にならない位置に設けることができる。また、電線部材は配線筒の上下方向に設けられるスリットを通して、配線筒と外デッキボード間に配線されるので、天井や梁など、あるいはこれらの周囲の空間に配線する必要が無くなり、配線の露出を抑えることができる。
【0013】
また、本発明においては、配線筒のスリットにおける内面側のスリット幅は電線部材の幅より狭く、かつ、配線筒のスリットにおける外面側のスリット幅は電線部材の幅以上としても良い。この構成によれば、電線部材が筒体内において動くことが防止されるので、電線部材を確実にスリット内に位置決めすることができる。
【0014】
また、本発明においては、カメラ収容筒と配線筒を兼ねる筒体を有し、筒体にスリットを有するようにしても良い。この構成によれば、監視カメラと電線部材が同じ筒体に収容されるので、配線長が短くなり、配線の露出を抑えることができる。
【0015】
また、本発明においては、カメラ収容筒と配線筒を兼ねる筒体を有し、筒体にスリットを有し、筒体内に反射防止シートを備え、電線部材におけるスリット内に位置する部分が反射防止シートと接着されるようにしても良い。この構成によれば、電線部材と反射防止シートとを接着することで、反射防止シートと電線部材が動きにくくなり、両者の位置ずれが起こりにくく、この両者を確実に位置決めすることができる。
【0016】
また、本発明においては、筒体のスリットにおける内面側のスリット幅は電線部材の幅より狭くし、かつ、筒体のスリットにおける外面側のスリット幅は電線部材の幅以上とし、さらに筒体のスリットにおける内面側のスリット幅は電線部材と反射防止シートとの接続部の幅より広くしても良い。この構成によれば、電線部材が反射防止シートを接着した状態で電線部材をスリットに容易に通すことができるので、組立を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、前述したように、監視カメラの位置は下から覗かれているという不信感を乗客に与えず、かつ、乗客の邪魔にならない。さらに、監視カメラに接続される電線の露出を配線筒により容易に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態であるエスカレータ監視装置を備えるエスカレータであり、交差して設置された複数のエスカレータの側面図である。
【図2】本発明の一実施形態であるエスカレータ監視装置を、図1に示したエスカレータの設置構造に適用した場合におけるカメラ収容筒と配線筒とを兼ねる筒体を示す部分破断側面図である。
【図3】図2に示した筒体内の状態および筒体の吊下げ構造を示す図であり、(a)は筒体の部分断面図、(b)は筒体の吊下げに用いられるベース部材およびリング部材の斜視図、(c)は第1電線部材の斜視図である。
【図4】図3に示した第1電線部材が広げられた状態の拡大図である。
【図5】図4に示した第1電線部材のA−A断面を示す図である。
【図6】図3に示した(a)の断面図である。
【図7】図3に示した筒体の部分断面の他の例を示す図である。
【図8】可動警告体に設けた筒部にカメラと配線を収容する実施形態を示す図である。
【図9】カメラ収容筒と配線筒を別の筒体とする実施形態を示す図である。
【図10】上下階床間に設置された単独のエスカレータにエスカレータ監視装置を備える実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係るエスカレータ監視装置の実施の形態を図に基づいて説明する。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態であるエスカレータ監視装置を備えるエスカレータであり、交差して設置された複数のエスカレータの側面図である。
【0021】
図1に示す3階建ての建物内において、1階床と2階床との間に設置された第1上りエスカレータ1Aと、2階床と3階床との間に設置された第2上りエスカレータ1Bとは、第1上りエスカレータ1Aの降り場と第2上りエスカレータ1Bの乗場とが踊り場を形成し、側面視において屈曲形状を成すように併設されている。これと同様に、1階床と2階床との間に設置された第1下りエスカレータ2Aと、2階床と3階床との間に設置された第2下りエスカレータ2Bとは、第1下りエスカレータ2Aの乗場と第2下りエスカレータ2Bの降り場とが踊り場を形成し、側面視において第1上りエスカレータ1Aと第2上りエスカレータ1Bの場合とは逆向きに屈曲形状を成すように併設されている。建物内のスペースを有効に利用するため、第1上りエスカレータ1Aと第2下りエスカレータ2Bは、上下方向において重なって配置されている。これと同様に第2上りエスカレータ1Bと第1下りエスカレータ2Aも上下方向に重なって配置されている。
【0022】
このように第1上りエスカレータ1A、第2上りエスカレータ1B、第1下りエスカレータ2Aおよび第2下りエスカレータ2Bが設置されているため、第1上りエスカレータ1Aの移動手摺5と第1下りエスカレータ2Aの底部2aとの間、第1下りエスカレータ2Aの移動手摺5と第1上りエスカレータ1Aの底部2aとの間、第1上りエスカレータ1Aの移動手摺5と第2上りエスカレータ1Bの底部2aとの間、第1下りエスカレータ2Aの移動手摺5と第2下りエスカレータ2Bの底部2aとの間、第2上りエスカレータ1Bの移動手摺5と第2下りエスカレータ2Bの底部2aとの間、第2下りエスカレータ2Bの移動手摺5と第2上りエスカレータ1Bの底部2aとの間のそれぞれには、狭角部7が形成されている。
【0023】
第1上りエスカレータ1Aは、1階床から2階床に架け渡されて第1上りエスカレータ1Aの骨組みを成したフレーム3と、このフレーム3に無端状に移動可能に設けられた複数の踏段(図示していない)と、これらの踏段のうち乗客を運搬する踏段の軌道を挟んで対向して位置する1対の欄干4と、1対の欄干4のそれぞれを、その外側すなわち踏段の軌道側とは反対側から支持する外デッキボード6とを備えている。移動手摺5は、欄干4周りを無端状に移動するようになっている。フレーム3の内側には、図示していないが、モータと、このモータの出力を踏段および移動手摺5に伝達する伝達装置、モータを制御する制御盤などが設けられている。フレーム3は外デッキボード6などの板部材に覆われていて、これにより、前述のモータ、伝達装置および制御盤などを格納する格納部2が形成されている。格納部2の下面が第1上りエスカレータ1Aの底部2aである。
【0024】
第2上りエスカレータ1B、第1下りエスカレータ2Aおよび第2下りエスカレータ2Bも、第1上りエスカレータ1Aと同様に構成されている。なお、第2上りエスカレータ1Bの底部2aには、第1下りエスカレータ2Aを照らす照明装置(図示していない)が設けられている。第2下りエスカレータ2Bの底部2aには、第1上りエスカレータ1Aを照らす照明装置(図示していない)が設けられている。それらの照明装置に電力を供給する電線部材(図示していない)は、その照明装置が設けられたエスカレータの格納部2内に配置されている。
【0025】
図1において、互いに交差するエスカレータ間に形成される狭角部7には、乗客が挟まれるのを防ぐための保護体が設けられている。例えば、第1上りエスカレータ1Aの移動手摺5と第1下りエスカレータ2Aの底部2aとによって形成された狭角部7には、その保護体として、第1下りエスカレータ2Aの底部2aに対し固定された台形状の板部材から成る固定保護体8が設けられている。さらに、第1上りエスカレータ1Aの上り方向(矢印U方向)を前方向とした場合の固定保護体8の後側には、第1下りエスカレータ2Aの底部2aに吊り下げられた台形状の板部材から成る可動警告体9が設けられている。この可動警告体9も保護体の一種である。固定保護体8および可動警告体9は互いに同一材質の部材、例えば透明アクリル製の部材である。固定保護体8および可動警告体9は外デッキボード6の上方に配置されている。
【0026】
可動警告体9の後端に、上下方向に延びた透明アクリル製の筒部9aが可動警告体9と一体に設けられている。この筒部9aは、固定保護体8や可動警告体9の板厚寸法よりも大きな外径寸法の円筒状である。すなわち、乗客が可動警告体9に接触したときの衝撃を拡散しやすくすることで、乗客の可動警告体9への接触時の安全性を高めている。乗客は固定保護体8に接触する前に可動警告体9に接触することによって、固定保護体8に接触する前に狭角部7の接近に気付かされる。
【0027】
可動警告体9の筒部9aの後方には、第1上りエスカレータ1Aの乗場1aの周辺およびそこにいる乗客を撮影するための監視カメラ11が配置されている。この監視カメラ11は、第1下りエスカレータ2Aの底部2aに吊り下げられている。
【0028】
可動警告体9の筒部9aの後方には、上下方向に延びた筒体10が配置されている。この筒体10は、その上部内に監視カメラ11を収容した状態で、第1下りエスカレータ2Aの底部2aに吊り下げられている。つまり、筒体10は、監視カメラ11を収容するカメラ収容筒として機能している。なお、筒体10の外径寸法(図2に示すφD)は、可動警告体9の筒部9aと同様に、固定保護体8や可動警告体9の板厚寸法よりも大きな値に設定される。また、筒体10の内径寸法は、監視カメラ11を収容できる値に設定される。
【0029】
図2に示すように、監視カメラ11には、電線部材20が接続されている。この電線部材20は監視カメラ11への電力供給、および、監視カメラ11外部への映像データの伝送などのためのケーブルである。
【0030】
電線部材20の一部は筒体10に収容された状態で配線されている。つまり、筒体10は電線部材20の一部を収容する配線筒としても機能している。
【0031】
監視カメラ11の電源、および、監視カメラ11の映像データが伝送される外部装置としての映像記録装置24は、格納部2内に設けられている。電線部材20はそれら電源および映像記録装置24に格納部2内で接続されている。なお、映像記録装置24は建物の管理室に設けられることもあり、この場合、電線部材20は管理室から格納部2まで引き回された電線部材を介して映像記録装置24に接続される。
【0032】
電線部材20は、第1電線部材21、第2電線部材22および第3電線部材23が一筋に接合されて構成された部分を有する。第1電線部材21は一端が監視カメラ11に接続されるコネクタ21aを有し、もう一端に接続端子を含む雌型コネクタ21bをそれぞれ有する。第2電線部材22はその両端に接続端子を含む雄型コネクタ22b,22cをそれぞれ有する。第3電線部材23はその一端に接続端子を含む雌型コネクタ23cを有し、その他端が直接または間接的に映像記録装置24に接続されている。
【0033】
第1電線部材21の他端の接続端子と第2電線部材22の一端の接続端子とは、雌型コネクタ21bと雄型コネクタ22bとの結合によって接続されている。第2電線部材22の他端の接続端子と第3電線部材23の一端の接続端子とは、雄型コネクタ22cと雌型コネクタ23cとの結合によって接続されている。雌型コネクタ21b、雄型コネクタ22b、雄型コネクタ22cおよび雌型コネクタ23cのそれぞれのハウジングは、絶縁材料(合成樹脂)の成形物である。
【0034】
雌型コネクタ21bと雄型コネクタ22bとが結合した状態において、第1電線部材21の他端の接続端子および第2電線部材22の一端の接続端子は、雌型コネクタ21bのハウジングと雄型コネクタ22bのハウジングとにより覆われて外部と電気的に絶縁された状態となる。雄型コネクタ22cと雌型コネクタ23cとが結合した状態において、第2電線部材22の他端の接続端子および第3電線部材23の一端の接続端子は、雄型コネクタ22cのハウジングと雌型コネクタ23cのハウジングとにより覆われて外部と電気的に絶縁された状態となる。
【0035】
前述したように、電線部材20の一部は筒体10に収容されているが、その一部とは主に第1電線部材21である。
【0036】
第3電線部材23は、雌型コネクタ23cが外デッキボード6から露出した状態で、残りの部分が格納部2内に位置するように配置されている。
【0037】
また、図1に示すように、固定保護体8の下縁、可動警告体9の下縁、筒部9aの下端および筒体10の下端は、移動手摺5よりも下方に位置する。特に、筒部9aの下端および筒体10の下端は、移動手摺5よりも200mm以上下方に位置する。
【0038】
図2,3に示すように、監視カメラ11は、円筒状のケース11aと、このケース11aから突出して設けられたレンズ(図示していない)と、このレンズを覆うドーム型のカバー11bとを有する。この監視カメラ11は、ケース11aが上側に位置しカバー11bが下側に位置するように第1下りエスカレータ2Aの底部2aに吊り下げられている。監視カメラ11のレンズの画角αは、1階床の乗場1aの周辺および狭角部7(図1参照)が撮影範囲として含まれるように設定されている。
【0039】
監視カメラ11が第1下りエスカレータ2aの底部2Aに吊り下げられた状態において、ケース11aの上面にケーブルとのコネクタを有し、第1電線部材21のコネクタ21aが接続されている。また、ケース11aの上面には、上方向に突出して、ケース11aの径方向に並んだ吊り部12,13が設けられている。これらの吊り部12,13の上端部には、ケース11aの径方向に貫通した吊り孔12a,13aがそれぞれ形成されている。吊り孔12aの位置と吊り孔13aの位置は、第1下りエスカレータ2Aの底部2aの傾斜角度に対応するよう高さが異なっている。これら吊り孔12a,13aのそれぞれにはリング部材14,15のそれぞれが挿通されている。第1下りエスカレータ2Aの底部2aには板状のベース部材16がネジ止めされている。このベース部材16には環状支持部16a,16bが形成されている。これら環状支持部16a,16bのそれぞれにもリング部材14,15がそれぞれ挿通されている。つまり、監視カメラ11は吊り部12,13、リング部材14,15、ベース部材16を介して第1下りエスカレータ2Aの底部2aに吊り下げられている。
【0040】
このようにして第1下りエスカレータ2Aの底部2aに吊り下げられた監視カメラ11は、筒体10に収容されている。この筒体10は、その上端部において吊り部12にネジ17によって締結されている。吊り部13に対してもネジ18によって締結されている。つまり、筒体10は、吊り部12,13、リング部材14,15、ベース部材16を介して第1下りエスカレータ2Aの底部2aに吊り下げられている。
【0041】
また、筒体10の下端部と外デッキボード6との間には、第1下りエスカレータ2Aの底部2aに対する筒体10の振れを抑える振れ止め部材として、振れ止めワイヤ30が張られている。筒体10の下端部には、筒体10内に径方向に架け渡された第1取付棒31と、この第1取付棒31の上方で、この第1取付棒31と十字状に交差した状態で筒体10内に径方向に架け渡された第2取付棒(図示していない)とが設けられている。第1取付棒31の一端には筒体10の外周側からネジ32が螺合している。第1取付棒31の他端にも筒体10の外周側からネジ33が螺合している。ネジ32,33のそれぞれの頭部の両方により第1取付棒31の筒体10に対する径方向の移動が規制されて、第1取付棒31は筒体10に対して抜け止めされている。これと同様にして第2取付棒も筒体10に対して抜け止めされている。34は第2取付棒の抜け止めのための一方のネジである。
【0042】
振れ止めワイヤ30の筒体10側の端部に設けられた環状部に第1取付棒31と第2取付棒との両方が挿通された状態になっていることによって、振れ止めワイヤ30の一端が第1取付棒31と第2取付棒との交差部に保持されている。筒体10の下方に位置する外デッキボード6の部分には、取付部材36が設けられている。この取付部材36には挿通孔36aが設けられている。振れ止めワイヤ30の外デッキボード6側の端部には、挿通孔36aに挿通された環状部が設けられていることにより、外デッキボード6に結合している。なお、振れ止め部材はワイヤではなくチェーンであってもよい。
【0043】
第2電線部材22のうち、筒体10の下端と外デッキボード6との間に位置する部分は、バインド線40,41により振れ止めワイヤ30に留められている。
【0044】
第1電線部材21は、反射防止シート21d上に配置したケーブル21cと、ケーブル21cの両端にそれぞれ設けられた前述のカメラ接続用のコネクタ21aおよび雌型コネクタ21bとを有する。ケーブル21cにおいては、そのインピーダンスが第2電線部材22の特性インピーダンスと合致するように設定されている。
【0045】
図2に示すように、筒体10の下端から内部には、建物の照明の光Cが入射される。光Cの入射角βが臨界角より大きい角度であると全反射が発生する。全反射した光Cは筒体10の内壁面での反射を繰り返しながら監視カメラ11の方向に進み、監視カメラ11の画角α内に入る。この結果、映像に光Cが入り込む現象、いわゆる写り込みが発生する。
【0046】
その写り込みの対策として、図3に示すように、反射防止シート21dは、筒体10の内壁面を覆って監視カメラ11への不要な光Cの入射を低減する手段として機能する寸法、形状となるように設定されている。この反射防止シート21dは上下方向の長さ寸法は、監視カメラ11のケース11aの上端から筒体10の下端までの長さよりも若干短い長さ寸法Laに設定されている。反射防止シート21dの幅寸法は、筒体10の内周の略半周分と同じ寸法に設定されている。
【0047】
また、第1電線部材21はさらに目隠し部21eを有する。この目隠し部21eの上下方向の長さ寸法は、筒体10内に位置する吊り部12,13の部分全体を覆い隠すことができる長さ寸法Lbに設定されている。第1電線部材21の上下方向の長さ寸法Lは、反射防止シート21dの長さ寸法Laと目隠し部21eの長さ寸法Lbとを合計したものに設定されている。目隠し部21eの幅寸法Wは、筒体10の内周と略同寸法に設定されている。
【0048】
反射防止シート21dの幅方向において、目隠し部21eと反射防止シート21dとの結合部は電線の筋21c1に偏った位置に設定されているため、図4に示すように第1電線部材21の形状はL字状を成している。なお、反射防止シート21dと目隠し部21eの結合部が幅方向において目隠し部21eの中央に設定されてT字状でもよい。
【0049】
第1電線部材21は、目隠し部21e側の縁の高さ位置が筒体10の上端の高さ位置に略一致した状態で筒体10に収容されている。反射防止シート21dは、筒体10に収容された状態において、監視カメラ11の画角α外に位置する筒体10の内壁面のうち画角αとは反対側で、内壁面に沿って半円筒状を成した状態で、筒体10の略半周に亘る領域を覆っている。
【0050】
半円筒の内周面である反射防止シート21dの一方の面は、明度の低い色、例えば黒色である。反射防止シート21dに対する黒色の着色は、シート部材に黒色のシート状のシールを貼付けることによって実現してもよいし、黒色の塗料を塗布して実現してもよい。
【0051】
反射防止シート21dの他方の面には、カメラ作動中であること、および、狭角部7への乗り出しの注意を喚起する文章、イラストおよびマークの少なくとも1つが、印刷またはシールの貼付けにより設けられている。これらの文章、イラストおよびマークなどではなく、単なる色柄のみが施されていてもよい。
【0052】
図4に示すように、第1電線部材21の目隠し部21eには第1留め孔21fと、第2留め孔21gが設けられている。筒体10に収容された目隠し部21eの状態は、一端側とその反対側の他端側とが当接して円筒状を成した状態である。この状態では、第1留め孔21fと第2留め孔21gとが径方向において対向して位置する。第1留め孔21fには、筒体10を吊り部12に締結するネジ17が挿通される。これと同様に、対向して位置する第2留め孔21gには、筒体10を吊り部13に締結しているネジ18が挿通される。なお、図3では、第1留め孔21fおよび第2留め孔21gの図示を省略してある。
【0053】
次に、図5に示すように、第1電線部材21のケーブル21cは反射防止シート21d上に被覆材21hにより接着されている。すなわち、第1電線部材21の断面は反射防止シート21dに対しケーブル21cが盛り上がった凸型をなし、かつ、反射防止シート21dとの接続部の幅D1はケーブル断面径φDcより小さくなっている。なお、図2,3,4では被覆材21hの図示を省略してある。
【0054】
図6に示すように、筒体10はスリット10aを有する。第1電線部材21のケーブル21cは、スリット10aに通され、このスリット10a内に位置する。従って、第1電線部材21のスリット10a内に位置する部分が、反射防止シート21dと接着されていることになる。スリット10aの外面側のスリット幅Dsoは内面側のスリット幅Dsiよりも広くなっている。また、内面側のスリット幅Dsiはケーブル21cと反射防止シート21dの接続部の幅D1(図5参照)より広く、外面側のスリット幅Dsoはケーブル断面径φDc(図5参照)以上となっている。すなわち、筒体10のスリット10aと第1電線部材21との寸法の関係は、次式(1)のようになる。
【0055】
Dso≧Dc>Dsi>D1・・・・(1)
である。さらに、ケーブル21cが装着される反射防止シート21dは筒体10の内面に配置されるが、ケーブル21cはスリット10aを通して筒体10の外側に沿って配置されている。
【0056】
なお、筒体10のスリット10aの寸法は、図6に示したものに限らず、図7に示すように、外面側のスリット幅Dsoと内面側のスリット幅Dsiとが略等しくても良い。
【0057】
上述したような実施形態によれば、次のような主要な効果を得られる。
【0058】
本実施形態に係るエスカレータ監視装置においては、保護体としての固定保護体8および可動警告体9の後端側で上下方向に延びた筒体10内に監視カメラ11が位置する。これにより、監視カメラ11の位置は下から覗かれているという不信感を乗客に与えず、かつ乗客の邪魔にならない。さらに、監視カメラ11に接続される電線部材20に含まれる第1電線部材21のケーブル21cを、筒体10のスリット10aを通して筒体10に沿わせるように配線することにより、配線の露出を抑えることができる。さらに、天井や梁等に配線しなくてもよく、配線モールを用いなくても配線の露出を抑えることができる。また、配線が露出する個所が、筒体10の下方端部と外デッキ間の短距離内となるため、筒体10の空間に配線を引き回すような空中配線となることを抑えることができる。
【0059】
さらに、電線部材20に含まれる第1電線部材21のケーブル21cが反射防止シート21dに接着されているので、ケーブル21cをスリット10aに通すことにより、反射防止シート21dが案内されながら筒体10内に挿入され得る。このため、筒体10内における反射防止シート21dの位置決めが容易であると共に、筒体10内における反射防止シート21dの位置ずれを防止することができる。また、第1電線部材21のケーブル21cが反射防止シート21dに接着されているので、反射防止シート21dが抵抗となって、第1電線部材21のケーブル21cがスリット10aから筒体10の外側へ抜け出ることが防止されるので、第1電線部材21のケーブル21cを確実にスリット10a内に位置させることができる。
【0060】
また、筒体10の外面側のスリット幅Dso、内面側のスリット幅Dsi、ケーブル21cと反射防止シート21dの接続部の幅D1(図5参照)、ケーブル断面径φDc(図5参照)を上式(1)のように設定することにより(Dso≧Dc>Dsi>D1)、第1電線部材21のケーブル21cが反射防止シート21dを接着した状態でこのケーブル21cをスリット10aに容易に通すことができるので、組立が容易になる。また、上式(1)のようにDso≧Dc>Dsiと設定されるので、ケーブル21cが筒体10内に突出したり抜け出たりすることが防止される。このため、筒体10内における反射防止シート21dの位置決め、およびスリット10a内における第1電線部材21のケーブル21cの位置決めがより確実となる。
【0061】
上述したような実施形態によれば、さらに、次のような効果も得られる。
【0062】
本実施形態に係るエスカレータ監視装置において、カメラ収容筒である筒体10は可動警告体9と並んで設けられているので、監視カメラ11を設置するために特別に設けられたという違和感を与えにくくすることができる。
【0063】
また、本実施形態にあっては、筒体10がカメラ収容筒と配線筒を兼ね、第1電線部材21等を含む電線部材20は筒体10の下端から外デッキボード6の内側、すなわち格納部2内に配線されている。これにより、電線部材20の配線を、底部2a、建物の柱、天井などに配線しなくて済ませることができる。つまり、監視カメラ11と映像記録装置24とを接続する電線部材20の配線を配線モールを用いずに実現でき、また、電線部材20の配線作業に足場を組む必要がない。従って、エスカレータ監視装置の設置を短時間で行うことができ、また、設置に要する費用も低減できる。
【0064】
また、本実施形態にあっては、電線部材20は第1電線部材21、第2電線部材22、第3電線部材23が一筋に接合されて構成された部分を有するので、電線部材20の配線を円滑に行うことができる。
【0065】
また、本実施形態にあっては、反射防止シート21dが監視カメラ11への不要な光Cの入射を低減する。これにより、監視カメラ11により撮影された映像への光の写り込みを減少させることができる。
【0066】
また、本実施形態にあっては、第1電線部材21は反射防止シート21dに接着され、一体化される。これにより、部品点数を削減できる。
【0067】
また、本実施形態にあっては、第1電線部材21は、ケーブル21cを筒体10に設けられたスリット10aに通すことにより、反射防止シート21dを容易に所定の位置に取り付けることができる。また、反射防止シート21dが筒体10の内面から浮き上がることを防止することができる。
【0068】
また、本実施形態にあっては、筒体10が配線筒として機能し、その上端は上方のエスカレータの底部2aの近傍に位置し、その下端は上下方向において移動手摺5と外デッキボード6の間に位置する。これにより、底部2aと移動手摺5との間に位置する電線部材20の部分の全体または略全体を筒体10により覆うことができ、かつ、筒体10の下端から出された電線部材20の部分と乗客との間に欄干4を隔てることができる。この結果、電線部材20を悪戯による切断から守ることができる。
【0069】
また、本実施形態にあっては、第1電線部材21と第2電線部材22との接続、第2電線部材22と第3電線部材23との接続とに、接続端子同士を接続・離反可能にするコネクタ、すなわち雌型コネクタ21b、雄型コネクタ22b、雄型コネクタ22c、および雌型コネクタ23cが用いられているので、それらの接続を容易に行うことができ、監視カメラ11と電源および映像記録装置24など、監視カメラ11の設置に係る配線作業の効率を向上させることができる。
【0070】
本発明の実施形態は上述したものに限られず、本発明の技術的思想の範囲内で、種々の実施形態が可能である。
【0071】
例えば、上述した実施形態においては、筒体10がカメラ収容筒と配線筒との両方を兼ねていたが、図8に示すように、筒体10を設けずに、可動警告体9の筒部9aがカメラ収容筒と配線筒の両方を兼ねていてもよい。また、図示しないが、筒体10に加えて可動警告体9も設けず、固定保護体8に筒部を設け、この筒体がカメラ収容筒と配線筒との両方を兼ねたものでもよい。さらに、図9で示すように、筒体10がカメラ収容筒として機能し、可動警告体9の筒部9aが配線筒として機能するものでもよい。この場合、反射防止シート21dは筒体10に設けられ、電線部材20に含まれる第1電線部材21のケーブル21cを通すスリットは可動警告体9の筒部9aに設けられる。
【0072】
さらに、上述した本実施形態においては、第1電線部材21と第2電線部材22との接続、第2電線部材22と第3電線部材23との接続に、雌型コネクタ21bと雄型コネクタ22b、および、雄型コネクタ22cと雌型コネクタ23cがそれぞれ用いられたが、本発明の実施形態はそれらの接続にコネクタを用いるものに限定されるものではなく、ネジや半田により接続を行って外部との電気的絶縁を確保してもよい。
【0073】
また、上述した実施形態においては、互いに交差するエスカレータ間に形成される狭角部7にエスカレータ監視装置を設けたが、図10に示すように、天井51とエスカレータの移動手摺5との間に形成された狭角部52にエスカレータ監視装置を設けても良い。図10では、建物内において、1階床から2階床に乗客を搬送する上りエスカレータ50が単独に設けられている。この上りエスカレータ50の移動手摺5と1階の天井51との間には、狭角部52が形成されている。この狭角部52に、固定保護体8、可動警告体9、および監視カメラ11が収容され、上述した電線部材20に含まれる第1電線部材21のケーブル21cが保持される筒体10が設けられている。
【符号の説明】
【0074】
1A 第1上りエスカレータ
1B 第2上りエスカレータ
2A 第1下りエスカレータ
2B 第2下りエスカレータ
2a 底部
5 移動手摺
6 外デッキボード
7 狭角部
8 固定保護体(保護体)
9 可動警告体(保護体)
10 筒体(カメラ収容筒)(配線筒)
10a スリット
11 監視カメラ
20 電線部材
21 第1電線部材
21c ケーブル
21d 反射防止シート
22 第2電線部材
23 第3電線部材
50 上りエスカレータ
51 天井
52 狭角部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井とエスカレータの移動手摺との間に形成された狭角部、または、交差した状態で隣接する2つのエスカレータのうちの一方のエスカレータの底部と、他方のエスカレータの移動手摺との間に形成された狭角部と、前記狭角部に設けられ前記エスカレータの上昇運転時に乗客が前記狭角部に挟まれるのを防止するための保護体とを有する建物に設けられるエスカレータ監視装置において、
前記エスカレータおよび乗客を撮影する監視カメラと、
前記監視カメラを外部装置に電気的に接続する電線部材と、
前記エスカレータの上り方向を前方向とした場合の前記保護体の後端側に上下方向に延びた姿勢で設けられた筒体であって、前記監視カメラが収容されたカメラ収容筒と、
前記エスカレータの上り方向を前方向とした場合の前記保護体の後端側に上下方向に延びた姿勢で設けられた筒体であって、前記電線部材の一部が収容された配線筒と、
前記エスカレータの欄干の基部の外側に設けられ、前記電線部材の前記一部とは別の一部が収容される外デッキボードとを有し、
前記電線部材は、前記配線筒の下端から出されて前記外デッキボードの内側に導かれた状態で配線され、
前記配線筒の上下方向にスリットを有し、前記電線部材を前記スリットに通すことを特徴とするエスカレータ監視装置。
【請求項2】
請求項1に記載のエスカレータ監視装置において、
前記配線筒の前記スリットにおける内面側のスリット幅は前記電線部材の幅より狭く、かつ、前記配線筒の前記スリットにおける外面側のスリット幅は前記電線部材の幅以上としたことを特徴とするエスカレータ監視装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のエスカレータ監視装置において、
前記カメラ収容筒と前記配線筒を兼ねる筒体を有し、前記筒体に前記スリットを有することを特徴とするエスカレータ監視装置。
【請求項4】
請求項1に記載のエスカレータ監視装置において、
前記カメラ収容筒と前記配線筒を兼ねる筒体を有し、前記筒体に前記スリットを有し、前記筒体内に反射防止シートを備え、前記電線部材における前記スリット内に位置する部分が前記反射防止シートと接着されることを特徴とするエスカレータ監視装置。
【請求項5】
請求項4に記載のエスカレータ監視装置において、
前記筒体の前記スリットにおける内面側のスリット幅は前記電線部材の幅より狭くし、かつ、前記筒体の前記スリットにおける外面側のスリット幅は前記電線部材の幅以上とし、さらに前記筒体の前記スリットにおける内面側のスリット幅は前記電線部材と前記反射防止シートとの接続部の幅より広くしたことを特徴とするエスカレータ監視装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−230874(P2011−230874A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−100967(P2010−100967)
【出願日】平成22年4月26日(2010.4.26)
【出願人】(000232955)株式会社日立ビルシステム (895)
【Fターム(参考)】