説明

エスカレータ駆け下り警報装置

【課題】乗客がエスカレータを所定の速度以上で駆け下りていることを簡易に判定し、その乗客に直接警報を発報するエスカレータ駆け下り警報装置を提供する。
【解決手段】エスカレータ13の追従レール9に発生する振動の加速度を計測する加速度センサ2a,2b,2cと、試験的に人が下りのエスカレータ13を複数の速度で駆け下りた際に、追従レール9に発生する振動特性を記憶する振動特性記憶部3と、乗客が下りのエスカレータ13を移動しているか否かを把握する乗客移動把握部4と、計測された振動特性と記憶された振動特性とを比較し、乗客が下りのエスカレータ13を所定の速度以上で駆け下りているか否かを判定する振動源判定部5と、音声発生器6によりその乗客に警告を発報させる警報発報部7と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エスカレータ駆け下り警報装置に係り、特に、乗客が所定の速度以上でエスカレータを駆け下りている場合にその乗客に警報を発報して危険であることを報知するエスカレータ駆け下り警報装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エスカレータの乗客が下りのエスカレータを所定の速度以上で駆け下りる場合は、乗客がエスカレータのステップ(踏段)を踏み外すなどにより転倒する危険性がある。また、エスカレータの一方の側に静止して乗車している乗客の横を所定の速度以上で駆け下りることで、駆け下りる乗客が静止している乗客の身体や所持物を引っ掛けて事故が発生し、静止している乗客に迷惑を及ぼす場合がある。
【0003】
エスカレータには乗客に対してアナウンスをする音声発生器が備えられている場合があり、この場合には、エスカレータの駆け下り事故を防止するために、乗客に対してエスカレータの駆け下りが危険であるとの注意を定期的に行っている場合がある。
【0004】
一方、特許文献1には、マンコンベアの安全装置が開示されている。ここでは、検出手段である、マンコンベアおよびその周辺の状況を撮影する撮影手段により危険状態の予兆を検出すると、案内手段により注意を促す案内を行い、停止手段によりマンコンベアを停止させることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−60132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本来、エスカレータは、静止して乗車する、或いは、ゆっくりとステップを上り下りする乗客を輸送する手段であり、乗客がエスカレータを所定の速度以上で駆け下りる危険な動作を想定していない。従って、エスカレータには、乗客がエスカレータを所定の速度以上で駆け下りてもその安全を確保する手段を備えていない。
【0007】
また、エスカレータに乗車する乗客に対して定期的なアナウンスにより注意を促しても、実際に駆け下りている乗客に直接アナウンスするのではないため、その効果はあまり期待できない。
【0008】
本願の目的は、かかる課題を解決し、乗客がエスカレータを所定の速度以上で駆け下りていることを簡易に判定し、その乗客に直接警報を発報するエスカレータ駆け下り警報装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係るエスカレータ駆け下り警報装置は、エスカレータの追従レールに設けられ、追従レールに発生する振動の加速度を計測する加速度センサと、試験的に人が下りのエスカレータを複数の速度で駆け下りた際に、加速度センサにより計測された追従レールに発生するそれぞれの振動特性を記憶する振動特性記憶部と、乗客が下りのエスカレータを下りているか否かを把握する乗客移動把握部と、乗客移動把握部が、乗客が下りのエスカレータを下りていると把握すると、加速度センサが計測した振動特性と、振動特性記憶部が記憶する振動特性と、を比較して乗客が下りのエスカレータを所定の速度以上で駆け下りているか否かを判定する振動源判定部と、エスカレータの近傍に設けられた音声発生器と、振動源判定部が下りのエスカレータを所定の速度以上で駆け下りていると判定すると、その乗客に対して音声発生器により警告を発報させる警報発報部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
上記構成により、エスカレータ駆け下り警報装置は、乗客がエスカレータを駆け下りた場合に、追従レールに発生する振動を加速度センサにより検知してその乗客に対して直接警報を発報することができる。すなわち、エスカレータを駆け下りる乗客は、その体重や所持物の重量により、エスカレータのステップに振動を発生させる。この振動は、エスカレータのステップが支持される追従レールに伝達される。特に、追従レールはステップの先端部が受ける振動が直接伝達されるために、その振動を的確に拾うことができる。従って、追従レール上に加速度センサを設けることでこの振動の加速度が検知できる。また、エスカレータを駆け下りる乗客により発生する振動特性には特徴があり、試験的に人が下りのエスカレータを駆け下りた際に加速度センサにより計測された振動特性と比較することで判定できる。さらに、その振動特性から乗客がエスカレータを駆け下りる速度が検知でき、危険な駆け下りかどうかが判定できる。
【0011】
また、エスカレータ駆け下り警報装置は,加速度センサが、追従レールがエスカレータのトラスに支持されている位置の略中央部に複数個設けられることが好ましい。これにより、乗客がエスカレータを駆け下りることにより発生する振動を追従レールの振動の振幅が大きな位置で計測でき、複数の加速度センサを用いることで乗客がエスカレータを駆け下りることにより発生する振動であることを的確に捉えられる。
【0012】
また、エスカレータ駆け下り警報装置は,乗客移動把握部が、エスカレータ制御装置からの信号によりエスカレータが下り運転であることを把握し、複数個の加速度センサの計測により特定される振動源の移動方向から、乗客がエスカレータを下りていると把握することが好ましい。これにより、エスカレータが下りであるか上りであるか、乗客が下りているのか上がっているのかが把握できる。特に、危険性が高い乗客による下りのエスカレータの駆け下りが的確に把握できる。
【0013】
また、エスカレータ駆け下り警報装置は,振動特性記憶部が、加速度センサが計測した周期的な加速度のピーク値及びその周期から追従レールに発生する振動特性を評価して記憶し、振動源判定部は、加速度センサが計測した振動特性のうち周期的な加速度のピーク値及びその周期が、振動特性記憶部が記憶する所定の振動特性であると判断し、加速度の周期から算出された乗客の速度から、乗客が所定の速度以上でエスカレータを駆け下りていると判定することが好ましい。これにより、乗客がエスカレータを駆け下りている場合の振動特性のうち周期的な加速度のピーク値及びその周期に着目することで、乗客がエスカレータを所定の速度以上で駆け下りていることを的確に判定できる。
【0014】
また、エスカレータ駆け下り警報装置は,振動特性記憶部が、乗客の年代、性別の組合せのパターンごとに計測した周期的な加速度のピーク値及びその周期を記憶し、振動源判定部は、加速度センサが計測した振動特性のうち周期的な加速度のピーク値及びその周期が、振動特性記憶部が記憶するいずれかの振動特性のパターンの所定の範囲内であり、加速度の周期から算出された乗客の速度から、その年代及び性別に属する乗客が所定の速度以上でエスカレータを駆け下りることにより発生する振動であると判定することが好ましい。これにより、体重や運動量の異なる子供、大人などの乗客の年代、或いは男女の性別の違いにより、それぞれの周期的な加速度のピーク値及びその周期のパターンが類型化され、幅広い乗客層に対してエスカレータの駆け下りを警報できる。
【0015】
また、エスカレータ駆け下り警報装置は,加速度センサが、エスカレータの左右の追従レールに対になって設けられ、振動源判定部は、左右の加速度センサが検知した加速度のピーク値の比較から、乗客がエスカレータの幅方向のいずれの位置を駆け下りているかを判定することが好ましい。これにより、乗客がエスカレータの幅方向の端部或いは中央部のいずれかを駆け下りているのかが判断できる。
【0016】
また、エスカレータ駆け下り警報装置は,振動源判定部が、乗客がエスカレータの幅方向の端部を所定の速度以上で駆け下りていると判断すると、警報発報部に対して音声発生器に危険である旨の警告を発報させ、乗客がエスカレータの幅方向の中央部を所定の速度以上で駆け下りていると判断すると、警報発報部に対して音声発生部により危険である旨の警告を発報させることが好ましい。一般的に、中央部を駆け下りている場合は、端部を駆け下りている場合に比較して危険度が高いため、これにより、下りのエスカレータの駆け下りに対する危険度に合わせて警告できる。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、本発明に係るエスカレータ駆け下り警報装置によれば、乗客がエスカレータを所定の速度以上で駆け下りていることを簡易に判定し、その乗客に直接警報を発報することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係るエスカレータ駆け下り警報装置の1つの実施形態の概略構成を示す説明図及びブロック図である。
【図2】エスカレータのステップ及びその周辺を示す斜視図である。
【図3】乗客のエスカレータの幅方向での駆け下り位置を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、図面を用いて本発明に係るエスカレータ駆け下り警報装置の実施形態につき、詳細に説明する。
【0020】
図1にエスカレータ駆け下り警報装置の1つの実施形態の概略構成を示す。エスカレータ駆け下り警報装置1は、加速度センサ2、振動特性記憶部3、乗客移動把握部4、振動源判定部5、音声発生器6、及び警報発報部7から構成される。
【0021】
図2に、エスカレータ13のステップ20及びその支持部を示す。エスカレータ13の各ステップ20には、駆動ローラ21及び追従ローラ10が取付けられる。そして、各ステップ20は、駆動ローラ21を介して駆動レール22に支持され、追従ローラ10を介して追従レール9に支持される。また、駆動装置(図示せず)により踏段チェーン23が駆動されてステップ20が駆動する。
【0022】
加速度センサ2a,2b,2cは、エスカレータ13の追従レール9に設けられ、追従レール9に発生する振動の加速度を計測する。これは、追従ローラ10は、ステップ20の先端部の下方に配置されるため、ステップ20を駆け下りる乗客による衝撃が追従ローラ10を介して追従レール9に伝達され易いことによる。また、加速度センサ2a,2b,2cは、追従レール9がエスカレータトラス11に支持されている位置の略中央部に複数個設けられる。追従レール9は、エスカレータトラス11に所定のピッチで支持される梁である。従って、乗客による衝撃によりトラス支持点14の略中央部で最大のたわみが発生し易い。つまり、乗客の衝撃により追従レール9に発生する振動の加速度は、トラス支持点14の略中央部で測定するのが望ましい。
【0023】
振動特性記憶部3は、測定員などが試験的に下りのエスカレータ13を駆け下りた際に、加速度センサ2a,2b,2cにより追従レール9に発生する振動特性を記憶する。すなわち、振動特性記憶部3は、下りのエスカレータ13を駆け下りた際に、加速度センサ2a,2b,2cにより追従レール9に発生する加速度を測定し、その振動特性をモデル化して事前に記憶しておく。振動特性とは、加速度のピーク値及びその周期をいう。すなわち、下りのエスカレータ13を駆け下りる乗客は、ほぼ一定のリズムによりステップ20を踏む。従って、加速度センサ2a,2b,2cには、周期的な加速度のピークが計測される。そして、エスカレータ13の始点から終点に至る時間内に発生する加速度のピーク値及びその周期には振動特性がみられる。振動特性記憶部3はこの振動特性をモデル化して記憶する。
【0024】
乗客移動把握部4は、乗客が下りのエスカレータ13を移動しているか否かを把握する。すなわち、乗客移動把握部4は、エスカレータ13の運行を制御する制御装置8からの信号によりエスカレータ13が下り運転であることを把握する。そして、複数個の加速度センサ2a,2b,2cの計測により特定される振動源の移動方向から、乗客がエスカレータ13を上っているか或いは下っているかを把握する。このように、乗客移動把握部4により、乗客が下りのエスカレータ13を下っているか否かが把握でき、乗客が下りのエスカレータ13を下っている場合に限って警告を発報することができる。
【0025】
振動源判定部5は、加速度センサ2が計測した振動特性のうち周期的な加速度のピーク値及びその周期が、振動特性記憶部3が記憶する振動特性であるか否かを判断する。すなわち、朝のラッシュ時では、静止した乗客の列と、ゆっくりとエスカレータ13を下る列とに分かれる場合がある。この場合には、下りのエスカレータ13を下ることに危険性は余りない。このことは、速度センサ2が計測した振動特性のうち周期的な加速度のピーク値及びその周期は、乗客が下りのエスカレータ13を駆け下りる場合とは明らか異なる振動特性となる。また、振動源判定部5は、加速度の周期から算出された乗客の速度から、乗客が所定の速度以上でエスカレータ13を駆け下りているか否かを判定する。
【0026】
さらに、振動特性記憶部3は、乗客の年代、性別の組合せのパターンごとに計測した周期的な加速度のピーク値及びその周期を記憶する。すなわち、例えば、子供、成人、老年といった乗客の年代、及び男女差により振動特性である周期的な加速度のピーク値及びその周期が異なる傾向がある。そこで、事前に乗客の年代、性別の組合せのパターンごとに計測した周期的な加速度のピーク値及びその周期をモデル化して振動特性記憶部3に記憶させておく。
【0027】
そして、振動源判定部5は、加速度センサ2が計測した振動特性のうち周期的な加速度のピーク値及びその周期が、振動特性記憶部3が記憶するいずれかの振動特性のパターンの所定の範囲内であれば、その年代及び性別に属する乗客が所定の速度以上でエスカレータ13を駆け下りることにより発生する振動であると判定する。
【0028】
図1に示すように、音声発生器6は、エスカレータ13の近傍、例えば、エスカレータ13の上面に設けられる。そして、警報発報部7は、振動源判定部5が下りのエスカレータ13を所定の速度以上で駆け下りていると判定すると、その乗客に対して音声発生器6により、例えば、「駆け下りると危険です」といった警告を発報させる。この場合、振動源判定部5は、加速度センサ2a,2b,2cの計測から、エスカレータ13を駆け下りている乗客の位置を認識し、最も乗客の位置に近い音声発生器6に警告を発報させる。
【0029】
図3に、乗客のエスカレータ13の幅方向での駆け下り位置を示す。一対の加速度センサ2及び2a´は、エスカレータ13の左右の追従レール9の対となる位置にそれぞれ設けられる。振動源判定部5は、左右の加速度センサ2及び2a´が検知した加速度のピーク値の比較から、乗客がエスカレータ13の幅方向のいずれの位置を駆け下りているかを判定する。
【0030】
すなわち、振動源判定部5は、左右の加速度センサ2及び2a´が測定した加速度のピーク値の差が所定の値以上であると判断した場合は、乗客がエスカレータ13の幅方向の左右いずれかの端部を駆け下りていると判断する。この場合には、エスカレータ13には他の乗客15が一方の列に静止して乗車している可能性が高く、通常はゆっくりと下る他方の列が空いているため客16は、エスカレータ13の他方の列である端部を駆け下りる。
【0031】
一方、振動源判定部5は、左右の加速度センサ2及び2a´が測定した加速度のピーク値の差が所定の値の範囲内であると判断した場合は、乗客16がエスカレータ13の幅方向の中央部を駆け下りていると判断する。この場合には、エスカレータ13には他の乗客15がほとんどいないため、乗客16は、エスカレータ13の中央部を勢い良く駆け下りることができる。
【0032】
振動源判定部5は、図3に示すように乗客がエスカレータ13の幅方向の端部を所定の速度以上で駆け下りていると判断すると、警報発報部7に対して音声発生器6に危険である旨の警告を発報させる。すなわち、また、乗客がエスカレータ13の幅方向の中央部を所定の速度以上で駆け下りていると判断すると、警報発報部7に対して音声発生部6により危険である旨の警告を発報させる。このように、一般的に、中央部を駆け下りている場合は、端部を駆け下りている場合に比較して危険度が高いため、警報発報部7はその危険度に合わせて所定の速度以上で駆け下りる乗客に対して警告できる。
【符号の説明】
【0033】
1 エスカレータ駆け下り警報装置、2a,2a´,2b,2c 加速度センサ、3 振動特性記憶部、4 乗客移動把握部、5 振動源判定部、6 音声発生器、7 警報発報部、8 制御装置、9 追従レール、10 追従ローラ、11 エスカレータトラス、13 エスカレータ、14 トラス支持点、15 静止乗客、16 駆け下り乗客、20 ステップ、21 駆動ローラ、22 駆動レール、23 踏段チェーン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エスカレータの追従レールに設けられ、追従レールに発生する振動の加速度を計測する加速度センサと、
試験的に人が下りのエスカレータを複数の速度で駆け下りた際に、加速度センサにより計測された追従レールに発生するそれぞれの振動特性を記憶する振動特性記憶部と、
乗客が下りのエスカレータを下りているか否かを把握する乗客移動把握部と、
乗客移動把握部が、乗客が下りのエスカレータを下りていると把握すると、加速度センサが計測した振動特性と、振動特性記憶部が記憶する振動特性と、を比較して乗客が下りのエスカレータを所定の速度以上で駆け下りているか否かを判定する振動源判定部と、
エスカレータの近傍に設けられた音声発生器と、
振動源判定部が下りのエスカレータを所定の速度以上で駆け下りていると判定すると、その乗客に対して音声発生器により警告を発報させる警報発報部と、
を備えることを特徴とするエスカレータ駆け下り警報装置。
【請求項2】
請求項1に記載のエスカレータ駆け下り警報装置であって、加速度センサは、追従レールがエスカレータのトラスに支持されている位置の略中央部に複数個設けられることを特徴とするエスカレータ駆け下り警報装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のエスカレータ駆け下り警報装置であって、乗客移動把握部は、エスカレータ制御装置からの信号によりエスカレータが下り運転であることを把握し、複数個の加速度センサの計測により特定される振動源の移動方向から、乗客がエスカレータを下りていると把握することを特徴とするエスカレータ駆け下り警報装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1に記載のエスカレータ駆け下り警報装置であって、振動特性記憶部は、加速度センサが計測した周期的な加速度のピーク値及びその周期から追従レールに発生する振動特性を評価して記憶し、振動源判定部は、加速度センサが計測した振動特性のうち周期的な加速度のピーク値及びその周期が、振動特性記憶部が記憶する所定の振動特性であると判断し、加速度の周期から算出された乗客の速度から、乗客が所定の速度以上でエスカレータを駆け下りていると判定することを特徴とするエスカレータ駆け下り警報装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1に記載のエスカレータ駆け下り警報装置であって、振動特性記憶部は、乗客の年代、性別の組合せのパターンごとに計測した周期的な加速度のピーク値及びその周期を記憶し、振動源判定部は、加速度センサが計測した振動特性のうち周期的な加速度のピーク値及びその周期が、振動特性記憶部が記憶するいずれかの振動特性のパターンの所定の範囲内であり、加速度の周期から算出された乗客の速度から、その年代及び性別に属する乗客が所定の速度以上でエスカレータを駆け下りることにより発生する振動であると判定することを特徴とするエスカレータ駆け下り警報装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1に記載のエスカレータ駆け下り警報装置であって、加速度センサは、エスカレータの左右の追従レールに対になって設けられ、振動源判定部は、左右の加速度センサが検知した加速度のピーク値の比較から、乗客がエスカレータの幅方向のいずれの位置を駆け下りているかを判定することを特徴とするエスカレータ駆け下り警報装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1に記載のエスカレータ駆け下り警報装置であって、振動源判定部は、乗客がエスカレータの幅方向の端部を所定の速度以上で駆け下りていると判断すると、警報発報部に対して音声発生器に危険である旨の警告を発報させ、乗客がエスカレータの幅方向の中央部を所定の速度以上で駆け下りていると判断すると、警報発報部に対して音声発生部により危険である旨の警告を発報させることを特徴とするエスカレータ駆け下り警報装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−269902(P2010−269902A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−123652(P2009−123652)
【出願日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)
【Fターム(参考)】