説明

エチレンの共重合方法

a) 式(I):(ここで、Mはジルコニウム、チタニウムまたはハフニウムであり;Xは同一か異なって、水素原子、ハロゲン原子または炭化水素であり;R1は、炭化水素基であり;R2、R3、R4、R5およびR6は、水素原子または炭化水素基であり;Qは、記号*を付した位置でインデニルに結合している式(II)の基であり;((II)中;T1、T2、T3、T4およびT5は、炭素原子(C)または窒素原子(N)であり;m1、m2、m3、m4およびm5は0または1であり;R7、R8、R9、R10およびR11は、水素原子または炭化水素基である))のメタロセン化合物;およびb) アルモキサンまたはアルキルメタロセンカチオンを形成できる化合物;を接触させて得ることができる触媒系の存在下で、重合条件下、エチレンと1以上のアルファ-オレフィン類とを、接触させることからなる式CH2=CHA (ここで、AはC2〜C20-アルキル基である)の1以上のアルファ-オレフィン類の誘導単位0.1〜99モル%を含有するエチレンのコポリマーの製造方法。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エチレンと式CH2=CHA(ここで、AはC2〜C20アルキル基である)の1以上のアルファ-オレフィン類とのメタロセン触媒の存在下での共重合方法に関する。
【0002】
ポリエチレンが、重合反応中に、少量のアルファ-オレフィン類、一般に1-ブテン、1-ヘキセンまたは1-オクテンを添加して改質できることが知られている。この改質は、アルファ-オレフィンコモノマーに由来した単位による主鎖に沿って短い分枝を有するエチレンコポリマー類を与える。この分枝は結晶度、従ってコポリマーの密度がポリエチレンホモポリマーのものより低いものを作り出す効果がある。一般に、エチレンコポリマー類は、特にフィルムの製造で有利な機械特性に関連する0.915〜0.940 g/cm3のオーダの密度を有する。
【0003】
コポリマー類の結晶度と密度の低下は、導入されたアルファ-オレフィンのタイプと量に依存する。一般に、導入されたアルファ-オレフィンの量が多ければ多い程、結晶度と密度の低い値のものが得られる。
【0004】
導入されたアルファ-オレフィンコモノマーのタイプと量の他に、コポリマーの性質は、ポリマー鎖に沿う分枝の分布に依存する。特に分枝の均一な分布は、コポリマーの性質に関連がある効果を与える。実際、導入されたアルファ-オレフィンの同じタイプと量で、分布のより高い均一性は、より低い結晶度と密度が得られるのを可能にする。
【0005】
2つの橋状シクロペンタジエニル基を有するメタロセン化合物は、エチレンのホモ-および共-重合反応の触媒成分として知られている。メタロセン触媒の使用の欠点は、コモノマーの取込み能がかなり低く、したがって、所望のコモノマー含量のコポリマーを得るために、大過剰のコモノマーを用いる必要があることである。その上、コポリマー中のコモノマー含量を調整することが、しばしば困難である。
【0006】
置換フェニル基で4位が置換されたインデニル部分を有するビスインデニルメタロセン化合物は、例えばWO 98/40331で公知であるが、それらはエチレンコポリマーを得るために、いまだかつて用いられていない。
【0007】
したがって、改善された特性のバランス、すなわち、反応器中で小過剰のコモノマーを使用できるように、良好なコモノマー取り込み能を有し、同時により低いTgを有するポリマーを実現するように、分枝鎖中に良好なコモノマーの分布を維持するメタロセン触媒を見出すことが所望される。その上、メタロセン触媒は同時に、高分子量を有するコポリマーを生じるべきである。
【0008】
本発明の一つの観点によれば、
a) 式(I):
【化1】

[式中、
Mはジルコニウム、チタニウムまたはハフニウムであり;好ましくは、Mはジルコニウムまたはハフニウムであり;更に好ましくはMはジルコニウムである;
Xは、互いに等しいか異なって、水素原子、ハロゲン原子、R、OR、OR'O、OSO2CF3、OCOR、SR、NR2またはPR2基(ここで、R置換基は、元素周期表の13〜17族に属する1以上のヘテロ原子を任意に含んでもよい直鎖もしくは分枝鎖状、飽和もしくは不飽和のC1〜C20-アルキル、C3〜C20-シクロアルキル、C6〜C20-アリール、C7〜C20-アルキルアリール、C7〜C20-アリールアルキル基であり;そしてR'置換基はC1〜C40-アルキリデン、C6〜C40-アリーリデン、C7〜C40-アルキルアリーリデンまたはC7〜C40-アリールアルキリデンである)であり;好ましくは、Xはハロゲン原子、R、OR'OまたはOR基であり;更に好ましくはXは塩素またはメチルであり;
【0009】
R1は、互いに等しいか異なって、直鎖もしくは分枝鎖状C1〜C20-アルキル基であり;好ましくはR1は直鎖状C1〜C10-アルキル基、更に好ましくはメチルまたはエチルであり;
R2は、互いに等しいか異なって、水素原子または直鎖もしくは分枝鎖状、飽和もしくは不飽和のC1〜C20-アルキル基であり;
【0010】
R3およびR4は、互いに等しいか異なって、水素原子または元素周期表の13〜17族に属する1以上のヘテロ原子を任意に含んでもよい直鎖もしくは分枝鎖状、飽和もしくは不飽和のC1〜C20-アルキル、C3〜C20-シクロアルキル、C6〜C20-アリール、C7〜C20-アルキルアリールまたはC7〜C20-アリールアルキル基であるか;あるいはそれらは一緒になって、元素周期表の13〜16族に属する1以上のヘテロ原子を任意に含んでもよい縮合した飽和もしくは不飽和の5または6員環を形成でき、該環は1以上の置換基を任意に有していてもよく;好ましくはR3およびR4は水素原子、メチル基であるか、あるいはそれらは縮合した飽和もしくは不飽和の5または6員環を形成し;
【0011】
R5およびR6は、互いに等しいか異なって、水素原子または元素周期表の13〜17族に属する1以上のヘテロ原子を任意に含んでもよい直鎖もしくは分枝鎖状、飽和もしくは不飽和のC1〜C20-アルキル、C3〜C20-シクロアルキル、C6〜C20-アリール、C7〜C20-アルキルアリール、またはC7〜C20-アリールアルキル基であるか;あるいはそれらは一緒になって、元素周期表の13〜16族に属する1以上のヘテロ原子を任意に含んでもよい縮合した飽和もしくは不飽和の5または6員環を形成でき、該環は1以上の置換基を任意に有していてもよく;好ましくは、R5およびR6は、C1〜C20-アルキルまたはC6〜C20-アリール基であり;さらに好ましくは、それらはメチルまたはフェニルであり;
【0012】
Qは、記号*を付した位置でインデニルに結合している式(II):
【化2】

[式中、
T1、T2、T3、T4およびT5は、互いに等しいか異なって、 炭素原子(C)または窒素原子(N)であり;
【0013】
m1、m2、m3、m4およびm5は0または1であり;さらに正確には、対応するT1、T2、T3、T4およびT5が窒素原子であるときは、m1、m2、m3、m4およびm5の各々は0であり、対応するT1、T2、T3、T4およびT5が炭素原子であるときは、1であり;
R7、R8、R9、R10およびR11は、互いに等しいか異なって、水素原子または元素周期表の13〜17族に属する1以上のヘテロ原子を任意に含んでもよい直鎖もしくは分枝鎖状、飽和もしくは不飽和のC1〜C20-アルキル、C3〜C20-シクロアルキル、C6〜C20-アリール、C7〜C20-アルキルアリールまたはC7〜C20-アリールアルキル基であるか;あるいはそれらは一緒になって、元素周期表の13〜16族に属する1以上のヘテロ原子を任意に含んでもよい縮合した飽和もしくは不飽和の5または6員環を形成でき;該環は1以上の置換基を有することができるが;但し、R7、R8、R9、R10およびR11の少なくとも一つは水素原子と異なり、T1、T2、T3、T4およびT5の2以下が窒素原子である]
の基である]
のメタロセン化合物;
【0014】
b)アルモキサンまたはアルキルメタロセンカチオンを形成できる化合物;
および任意の、
c)有機アルミニウム化合物;
を接触させて得ることができる触媒系の存在下で、重合条件下、エチレン、1以上のアルファ-オレフィン類と、任意のポリエンとを接触させることからなる式CH2=CHA (ここで、AはC2〜C20-アルキル基である)の1以上のアルファ-オレフィン類の誘導単位0.1〜99モル%と任意に5モル%に至るまでのポリエンを含有するエチレンのコポリマーの製造方法を提供する。
【0015】
好ましい態様において、R9は直鎖もしくは分枝鎖状、飽和もしくは不飽和のC1〜C20-アルキル、C3〜C20-シクロアルキル、C6〜C20-アリール、C7〜C20-アルキルアリールまたはC7〜C20-アリールアルキル基であり;そしてR7、R8、R10およびR11は水素原子である。
【0016】
もう一つの好ましい態様において、R8およびR10は直鎖もしくは分枝鎖状、飽和もしくは不飽和のC1〜C20-アルキル、C3〜C20-シクロアルキル、C6〜C20-アリール、C7〜C20-アルキルアリール、C7〜C20-アリールアルキル基であり;そしてR7、R9およびR11は水素原子である。
【0017】
式(II)に属する好ましい基は、記号*を付した位置でインデニルに結合している式(IIa)を有する:
【化3】

[式中、
R9は、分枝鎖状で、飽和もしくは不飽和のC1〜C20-アルキルまたはC6〜C20-アリール基であり;さらに好ましくは、R9は、1以上のC1〜C10 アルキル基で任意に置換していてもよいフェニル基であるか、または式C(R12)3 (ここで、R12は、同一か異なって、直鎖もしくは分枝鎖状、飽和もしくは不飽和のC1〜C6-アルキル基である)の基であり;好ましくは、R12はメチルである]。
【0018】
式(II)に属するさらに好ましい基は、記号*を付した位置でインデニルに結合している式(IIb)を有する:
【化4】

[式中、
R8およびR10は、分枝鎖状で、飽和もしくは不飽和のC1〜C20-アルキルまたはCF3基であり;さらに好ましくはそれらは式C(R12)3 (ここで、R12は上記のとおりである)の基であり;
R9は水素原子、または元素周期表の13〜17族に属する1以上のヘテロ原子を任意に含んでもよい直鎖もしくは分枝鎖状、飽和もしくは不飽和のC1〜C20-アルキルまたはC6〜C20-アリールであり;好ましくは、R9は水素原子である]。
【0019】
式(II)に属するさらに好ましい基は、記号*を付した位置でインデニルに結合している式(IIc)を有する:
【化5】

[式中、
R8、R9、R10およびR11のうち、少なくとも一つは水素原子と異なり;好ましくは、R10およびR11は水素原子であり;好ましくは、R8およびR9は直鎖もしくは分枝鎖状、飽和もしくは不飽和のC1〜C20-アルキル基であるか、またはそれらは、元素周期表の13〜16族に属する1以上のヘテロ原子を任意に含んでもよい縮合した飽和もしくは不飽和の5または6員環を形成し、該環は1以上の置換基を任意に有していてもよく;さらに好ましくは、R8およびR9は、周期表の15〜16族に属する1以上のヘテロ原子を任意に含んでいてもよい、縮合した飽和もしくは不飽和の5または6員環を形成する]。
【0020】
式(II)に属するさらに好ましい基は、記号*を付した位置でインデニルに結合している式(IId)を有する:
【化6】

[式中、
R10およびR11は、直鎖もしくは分枝鎖状、飽和もしくは不飽和のC1〜C20-アルキル基であるか、またはそれらは、元素周期表の13〜16族に属する1以上のヘテロ原子を任意に含んでもよい、縮合した飽和もしくは不飽和の5または6員環を形成し、該環は1以上の置換基を任意に有していてもよく;さらに好ましくは、R10およびR11は、周期表の15〜16族に属する1以上のヘテロ原子を任意に含んでいてもよい縮合した飽和もしくは不飽和の、フェニル環、ピロール環、ピリジン環のような5または6員環を形成する];
該触媒系はさらに含む。
【0021】
好ましい式(I)のメタロセン化合物は、ラセミ型である。
式(I)の化合物の非限定的な例は:
【化7】

【0022】
【化8】

[式中、WおよびW'はメチルまたはエチル基である]
である。
【0023】
式(I)の化合物は、当該技術分野で周知である。これらは、例えばWO 98/40331に記載のように製造することができる。
【0024】
成分b)として使用されるアルモキサンは、式HjAlU3-jまたはHjAl2U6-j (ここで、U置換基は、同一か異なって、水素原子、ハロゲン原子、または任意にシリコンもしくはゲルマニウム原子を含有してもよいC1〜C20-アルキル、C3〜C20-シクロアルキル、C6〜C20-アリール、C7〜C20-アルキルアリールまたはC7〜C20-アルキルであるが、但し、少なくとも1つのUはハロゲンとは異なり、jは0〜1の範囲であり、非整数でもある)の有機アルミニウム化合物と水とを反応させて得ることができる。この反応において、Al/水のモル比は、好ましくは1:1〜100:1の間に含まれる。
【0025】
アルミニウムとメタロセンの金属との間のモル比は、一般に約10:1〜約30000:1の間、好ましくは約100:1〜約5000:1の間に含まれる。
【0026】
本発明による触媒に使用されるアルモキサン類は、タイプ:
【化9】

[式中、置換基Uは、同一か異なって、上記のとおりである]
の少なくとも1つの基を含有する直鎖、分枝鎖状または環状化合物であると考えられる。
【0027】
特に、式:
【化10】

[式中、n1は0または1〜40の整数であり、置換基Uは上記で定義されたとおりである]
のアルモキサン類は、直鎖状化合物の場合に使用され、また式:
【0028】
【化11】

[式中、n2は2〜40の整数であり、置換基Uは上記で定義したとおりである]
のアルモキサン類は、環状化合物の場合に使用される。
【0029】
本発明による使用に好適であるアルモキサン類の例は、メチルアルモキサン(MAO)、テトラ-(イソブチル)アルモキサン(TIBAO)、テトラ-(2,4,4-トリメチル-ペンチル)アルモキサン(TIOAO)、テトラ-(2,3-ジメチルブチル)アルモキサン(TDMBAO)およびテトラ-(2,3,3-トリメチルブチル)アルモキサン(TTMBAO)である。
【0030】
特別に興味あるアルモキサン類は、アルキルおよびアリール基が特定の分枝パターンを有するWO 99/21899およびWO 01/21674に記載されたものである:
WO 99/21899およびWO01/21674に記載のアルミニウム化合物の非限定的な例は:
トリス(2,3,3-トリメチル-ブチル)アルミニウム、トリス(2,3-ジメチル-ヘキシル)アルミニウム、トリス(2,3-ジメチル-ブチル)アルミニウム、トリス(2,3-ジメチル-ペンチル)アルミニウム、
【0031】
トリス(2,3-ジメチル-ヘプチル)アルミニウム、トリス(2-メチル-3-エチル-ペンチル)アルミニウム、トリス(2-メチル-3-エチル-ヘキシル)アルミニウム、トリス(2-メチル-3-エチル-ヘプチル)アルミニウム、トリス(2-メチル-3-プロピル-ヘキシル)アルミニウム、トリス(2-エチル-3-メチル-ブチル)アルミニウム、トリス(2-エチル-3-メチル-ペンチル)アルミニウム、トリス(2,3-ジエチル-ペンチル)アルミニウム、トリス(2-プロピル-3-メチル-ブチル)アルミニウム、
【0032】
トリス(2-イソプロピル-3-メチル-ブチル)アルミニウム、トリス(2-イソブチル-3-メチル-ペンチル)アルミニウム、トリス(2,3,3-トリメチル-ペンチル)アルミニウム、トリス(2,3,3-トリメチル-ヘキシル)アルミニウム、トリス(2-エチル-3,3-ジメチル-ブチル)アルミニウム、トリス(2-エチル-3,3-ジメチル-ペンチル)アルミニウム、トリス(2-イソプロピル-3,3-ジメチル-ブチル)アルミニウム、トリス(2-トリメチルシリル-プロピル)アルミニウム、トリス(2-メチル-3-フェニル-ブチル)アルミニウム、トリス(2-エチル-3-フェニル-ブチル)アルミニウム、トリス(2,3-ジメチル-3-フェニル-ブチル)アルミニウム、トリス(2-フェニル-プロピル)アルミニウム、
【0033】
トリス[2-(4-フルオロ-フェニル)-プロピル]アルミニウム、トリス[2-(4-クロロ-フェニル)-プロピル]アルミニウム、トリス[2-(3-イソプロピル-フェニル)-プロピル]アルミニウム、トリス(2-フェニル-ブチル)アルミニウム、トリス(3-メチル-2-フェニル-ブチル)アルミニウム、トリス(2-フェニル-ペンチル)アルミニウム、トリス[2-(ペンタフルオロフェニル)-プロピル]アルミニウム、トリス[2,2-ジフェニル-エチル]アルミニウムおよびトリス[2-フェニル-2-メチル-プロピル]アルミニウム、ならびに、ヒドロカルビル基の1つが水素原子で置換された対応する化合物、およびヒドロカルビル基の1つまたは2つがイソブチル基で置換されたものである。
【0034】
上記のアルミニウム化合物の中で、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)、トリス(2,4,4-トリメチル-ペンチル)アルミニウム(TIOA)、トリス(2,3-ジメチルブチル)アルミニウム(TDMBA)およびトリス(2,3,3-トリメチルブチル)アルミニウム(TTMBA)が好ましい。
【0035】
アルキルメタロセンカチオンを形成し得る化合物の限定されない例は、式D+E- (ここで、D+は、プロトンを供給できかつ式(I)のメタロセンの置換基Xと不可逆的に反応し得るブロンステット酸であり、そしてE-は、2つの化合物の反応に由来する活性な触媒を安定化できかつオレフィン系モノマーにより除去され得るのに十分に活性である混合しても化学反応を起こさないアニオンである)の化合物である。好ましくは、アニオンE-は1以上のホウ素原子を含む。さらに好ましくは、アニオンE-は、式BAr4(-) (ここで、置換基Arは、同一または異なって、フェニル、ペンタフルオロフェニルまたはビス(トリフルオロメチル)フェニルのようなアリール基である)のアニオンである。
【0036】
テトラキス-ペンタフルオロフェニルボレートが、WO 91/02012に記載されているこれらの化合物の特に好ましい例である。その上、式BAr3の化合物は、便利に使用できる。このタイプの化合物は、例えば公開国際特許出願WO 92/00333に記載されている。アルキルメタロセンカチオンを形成し得る化合物の他の例は、式BAr3P (ここで、Pは置換または非置換のピロール基である)の化合物である。これらの化合物は、WO 01/62764に記載されている。助触媒の他の例は、EP 775707とDE 19917985に見出すことができる。ホウ素原子を含有する化合物は、WO 01/47635とWO 01/48035の記載に従って便利に担持され得る。ホウ素原子を含有する全てのこれらの化合物は、ホウ素とメタロセンの金属との間のモル比が約1:1〜約10:1の間、好ましくは1:1〜2:1の間、より好ましくは約1:1で使用できる。
【0037】
式D+E-の化合物の限定されない例は:
トリエチルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ酸塩、
トリブチルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ酸塩、
トリメチルアンモニウムテトラ(トリル)ホウ酸塩、
トリブチルアンモニウムテトラ(トリル)ホウ酸塩、
トリブチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩、
【0038】
トリブチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)アルミン酸塩、
トリプロピルアンモニウムテトラ(ジメチルフェニル)ホウ酸塩、
トリブチルアンモニウムテトラ(トリフルオロメチルフェニル)ホウ酸塩、
トリブチルアンモニウムテトラ(4-フルオロフェニル)ホウ酸塩、
【0039】
N,N-ジメチルベンジルアンモニウム-テトラキスペンタフルオロフェニル ホウ酸塩、
N,N-ジメチルヘキシルアンモニウム-テトラキスペンタフルオロフェニル ホウ酸塩、
N,N-ジメチルアニリニウムテトラ(フェニル)ホウ酸塩、
N,N-ジエチルアニリニウムテトラ(フェニル)ホウ酸塩、
N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩、
N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミン酸塩、
N,N-ジメチルベンジルアンモニウム-テトラキスペンタフルオロフェニルホウ酸塩、
N,N-ジメチルヘキシルアンモニウム-テトラキスペンタフルオロフェニルホウ酸塩、
【0040】
ジ(プロピル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩、
ジ(シクロヘキシル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩、
トリフェニルホスホニウムテトラキス(フェニル)ホウ酸塩、
トリエチルホスホニウムテトラキス(フェニル)ホウ酸塩、
ジフェニルホスホニウムテトラキス(フェニル)ホウ酸塩、
トリ(メチルフェニル)ホスホニウムテトラキス(フェニル)ホウ酸塩、
トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムテトラキス(フェニル)ホウ酸塩、
【0041】
トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩、
トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミン酸塩、
トリフェニルカルベニウムテトラキス(フェニル)アルミン酸塩、
フェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩、
フェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミン酸塩、
トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩、および
N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩
である。
【0042】
化合物c)として使用される有機アルミニウム化合物は、上記した式HjAlU3-jまたはHjAl2U6-jのものである。
【0043】
本発明の方法で使用される触媒系は、不活性担体上に担持されることもできる。これは、メタロセン化合物a)、もしくはそれと成分b)との反応生成物、または成分b)と次いでメタロセン化合物a)を、例えばシリカ、アルミナ、Al-Si、Al-Mg混合酸化物、ハロゲン化マグネシウム、スチレン/ジビニルベンゼンコポリマー、ポリエチレンまたはポリプロピレンのような不活性担体上に沈積させて達せられる。担持方法は、炭化水素のような不活性溶剤(例えばトルエン、ヘキサン、ペンタンまたはプロパン)中、0℃〜100℃の範囲の温度で、好ましくは25℃〜90℃の範囲の温度で行われる。
【0044】
担持体の好適なクラスは、活性水素原子を有する基で官能化された多孔性有機担持体で構成されている。有機支持体が部分架橋したスチレンポリマーであるものが特に適している。このタイプの支持体はヨーロッパ出願EP 633 272号に記載されている。
【0045】
本発明による使用に特に好適な不活性担持体のもう一つのクラスは、ポリオレフィン多孔性プレポリマー、特にポリエチレンのものである。
本発明による使用のための不活性担持体のさらに好適なクラスは、国際出願WO 95/32995に記載されているもののような多孔性ハロゲン化マグネシウムのものである。
【0046】
このようにして得られる化合物は、そのままか、または水と予備反応させたアルキルアルミニウム化合物と必要により組合せて、気相重合に有用に使用できる。
本発明によるオレフィン類の重合方法は、不活性炭化水素溶媒の存在下または非存在下に液相中か、または気相中で行うことができる。炭化水素溶媒は、トルエンのような芳香族か、またはプロパン、ヘキサン、ヘプタン、イソブタンもしくはシクロヘキサンのような脂肪族の何れでもよい。
【0047】
重合温度は、一般に-100℃〜+100℃の間、特に10℃〜+90℃の間に含まれる。重合圧力は、一般に0.5〜100バールの間に含まれる。
重合温度が低ければ低い程、得られるポリマーの分子量は高くなる。
【0048】
重合収率は、触媒系のメタロセン化合物の純度による。したがって、本発明の方法により得られるメタロセン化合物は、そのまま使用できるか、または精製処理に付すことができる。
【0049】
触媒系の成分は、重合前に、互いに接触させることができる。予備接触濃度は、一般にメタロセン化合物a)に対しては0.1〜10-8 mol/lの間であり、一方成分b)に対しては一般に2〜10-8 mol/lの間である。予備接触は、一般に炭化水素溶媒の存在下で、そして適当な場合には少量のモノマーの存在下で行われる。予備接触において、イソブテン、2-ブテンなどのような非重合性オレフィンを使用することもできる。
【0050】
分子量分布は、異なるメタロセン化合物の混合物を使用することにより、あるいは重合温度および/または分子量調節剤の濃度および/またはモノマー濃度に関して異なるいくつかの段階で重合を行うことにより変化させることができる。その上、2つの異なる式(I)のメタロセン化合物の組合せを用いる重合方法を行うことにより、幅広い分子量分布を持ったポリマーが生産される。
【0051】
本発明の方法により得ることができるコポリマーにおいて、エチレン誘導単位の含有率は、99.9モル%〜1モル%の間であり;好ましくは99 モル%〜70モル%の間であり;さらに好ましくは95モル%〜60モル%の間である。
アルファ-オレフィン類誘導単位の含有率は、0.1モル%〜99モル%の間であり;好ましくは1モル%〜30モル%の間であり;さらに好ましくは5モル%〜40モル%の間である。
【0052】
本発明の方法において、アルファ-オレフィン類として使用できる式CH2=CHAのアルファ-オレフィン類の非限定的な例は、1-ブテン、1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、4,6-ジメチル-1-ヘプテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセンおよび1-エイコセンである。好ましいコモノマーは1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテンである。
プロピレン誘導単位の含有率は、好ましくは0モル%〜5モル%の間、さらに好ましくは0モル%〜3モル%の間に含まれる。
【0053】
本発明によりコポリマー中コモノマーとして使用できるポリエン類は、次のクラス:
− 例えば、1,5-ヘキサジエン、1,6-ヘプタジエン、2-メチル-1,5-ヘキサジエンのような環化重合化し得る非共役ジオレフィン類;
− 不飽和モノマー単位を与え得るジエン、特に、例えば、ブタジエンまたはイソプレンのような共役ジエン、および例えばトランス 1,4-ヘキサジエン、シス 1,4-ヘキサジエン、6-メチル-1,5-ヘプタジエン、3,7-ジメチル-1,6-オクタジエンまたは11-メチル-1,10-ドデカジエンのような直鎖状非共役ジエン類、および5-エチリデン-2-ノルボルネンのような環状非共役ジエン類;
に含まれる。
【0054】
本発明の方法では、異なる特性の優れたバランスを達成することが可能である。事実、本発明の方法では、コモノマー類の取り込みが高く、これは反応器中でのより小過剰のコノマーの使用を可能にし、かつより調整可能な(tunable)方法を達成することを可能にする。同時にコノモノマーは、r1xr2値およびガラス転移温度により示されているように、十分に分布している。その上、本発明の方法で得られるコポリマー類は、本発明の方法の目的を工業的使用に好適にする高い分子量(I.V.)を有する。
【0055】
極限粘度値は、一般に0.5 dL/gより高く、好ましくは1.5〜10 dL/gの範囲であり、さらに好ましくは2〜4 dL/gの間である。
【0056】
次の実施例は、説明目的のためのものであり、本発明を限定することを意図しない。
【実施例】
【0057】
一般的手法
全ての操作は、通常のシュレンク-ライン技術を使用することにより窒素下で行った。ヘプタンとトルエンは、N2で脱気し、活性(8時間、N2パージ、300℃)Al2O3を通過させて精製し、窒素下に貯蔵した。1-ヘキセン(アルドリッチ)は、アルミナで乾燥し、LiAlH4上で蒸留した。重合グレードのエチレンは、バセルのフェラーラ工場から得た。MAO (メチルアルモキサン、ウィトコ(Witco))は、10重量%トルエン溶液として購入し、遊離のトリメチルアルミニウムの殆どを除去すべく真空下で乾燥し、1Mトルエン溶液として使用した。TIBA (Al(i-Bu)3、ウィトコ)は、1Mトルエン溶液として使用した。
【0058】
コポリマーの1H-NMRスペクトルは、フーリエ変換モードで、100.61 MHzで操作するブルッカーDPX-400スペクトルメータで、120℃で記録した。サンプルは、コポリマー10 mgを、1,1,2,2-テトラクロロエタン-d2 0.5mLに120℃で溶解して調製した。C2HDCl2のピーク(5.95 ppm)を内部標準として用いた。各スペクトルは、45°パルスおよびパルス間において20秒の緩和時間で獲得した。約16トラジエント(末端基分析を行うときは1K)を、16ppmのスペクトル領域を使用し32Kデータポイントで貯蔵した。
【0059】
コポリマー中の1-ヘキセン含量は、次の関係:
[C6] = IB/3
[C2] = (IA-3IB)/4
Σ= [C6] + [C2] = (IB/3) + (IA-3IB)/4
C6 copol (モル%) = 100×[C6] /Σ= 100×IB/3Σ
を適用して、メチレンとメチンピーク積分値(IA)とメチルピーク積分値(IB)から計算した。
【0060】
分子量分布は、次のクロマトグラフ条件を使用して、ウオーターズ150 Cで測定した。
カラム:3x SODEX AT 806 MS;1x SODEX UT 807;1x SODEX AT-G;
溶媒:1,2,4-トリクロロベンゼン(+0.025% 2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチル-フェノール)
流速:0.6〜1 mL/分
温度:135℃
検出器:λ=3.5μmにおける赤外
較正:PS-スタンダードでのユニバーサル較正。
【0061】
極限粘度(I.V.)は、デカリン(DHN)中135℃で測定した。
融点(Tm)とガラス転移点(Tg)は、冷却装置を備えたDSC30メトラー装置で、サンプルを25℃から200℃に、20℃/分で加熱し、200℃で10分間保持し、200℃から-140℃に冷却し、-140℃で2分間保持し、-140℃から200℃に、20℃/分で加熱して測定した。記載した値は、第2の加熱走査で測定したものである。
【0062】
結晶化現象がガラス転移と重なる場合において、Tg値のより良い測定のために、サンプルを200℃に20℃/分で加熱し、200℃/分でTmより低い温度に速やかに冷却し、この温度で720分間維持した。次いで、サンプルを200℃/分でさらに速やかに-140℃に冷却し、最後に20℃/分で200℃に再加熱した。全ての方法は、20 mL/分の窒素気流下で行った。
【0063】
液相組成物の決定
液相組成物は、リードリッヒ-クウォン-ソーブ(Redlich-Kwong-Soave)方程式から計算した。この熱力学方程式のセットは、実験結果との比較をベースとして、Aspen Plus((登録商標)、Aspen Technology Inc.から市販されている、Release 9)で入手できるものの中から選択した。かくしてコモノマー濃度を計算した。
【0064】
メタロセン化合物
ジメチルシリルビス(2-メチル-4-フェニル-1-インデニル)ジルコニウム 二塩酸塩 [C1]
【化12】

をUSP 5,786,432にしたがって調製した。
【0065】
ジメチルシリルビス(2-メチル-4(4-tert-ブチル-フェニル)-1-インデニル)ジルコニウム 二塩酸塩 [A1]
【化13】

をWO 98/40331に従って調製した。
【0066】
重合実施例1〜6
一般的方法
エチレン/1-ヘキセンの共重合は、磁気撹拌器、熱電対、モノマー供給ラインを備え、窒素で精製し、サーモスタット浴に維持された260mLのビュッヒのガラス製オートクレーブ中で行った。ヘプタンと1-ヘキセン(全量150mL、1-ヘキセンの量は表1中に記載)およびトリイソブチルアルミニウム(TIBA) (0.5 mmol)を導入し、70℃に温め、次いでオートクレーブをエチレンでパージした。
【0067】
触媒系は、5mLのトルエン中、表1に記載したメタロセンの量とメチルアルモキサン(MAO) (MAO/Zr比500 mol/mol)を混合して別に調製した。
【0068】
室温で約30秒間撹拌後に、この溶液をエチレン気流下にオートクレーブに導入した。反応器を閉じ、4バール-gにエチレンで加圧し:温度を70℃に上げ、圧をエチレンの供給により一定に保持した。表1に示した時間後に、反応器からガス抜きし、メタノール2 mLを添加して、重合を停止させた。ポリマーを200 mLのアセトンで沈殿させ、濾過し、アセトンで洗浄し、減圧下に60℃で一夜乾燥した。
重合条件とポリマーのデータを表1に記載する。
【0069】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a) 式(I):
【化1】

[式中、
Mはジルコニウム、チタニウムまたはハフニウムであり;
Xは、互いに等しいか異なって、水素原子、ハロゲン原子、R、OR、OR'O、OSO2CF3、OCOR、SR、NR2またはPR2基であり(ここで、R置換基は、元素周期表の13〜17族に属する1以上のヘテロ原子を任意に含んでもよい直鎖もしくは分枝鎖状、飽和もしくは不飽和のC1〜C20-アルキル、C3〜C20-シクロアルキル、C6〜C20-アリール、C7〜C20-アルキルアリールまたはC7〜C20-アリールアルキル基であり;そしてR'置換基はC1〜C40-アルキリデン、C6〜C40-アリーリデン、C7〜C40-アルキルアリーリデンまたはC7〜C40-アリールアルキリデンである)であり;
R1は、互いに等しいか異なって、直鎖もしくは分枝鎖状C1〜C20-アルキル基であり;
R2は、互いに等しいか異なって、水素原子または直鎖もしくは分枝鎖状、飽和もしくは不飽和のC1〜C20-アルキル基であり;
R3およびR4は、互いに等しいか異なって、水素原子または元素周期表の13〜17族に属する1以上のヘテロ原子を任意に含んでもよい直鎖もしくは分枝鎖状、飽和もしくは不飽和のC1〜C20-アルキル、C3〜C20-シクロアルキル、C6〜C20-アリール、C7〜C20-アルキルアリールまたはC7〜C20-アリールアルキル基であるか;あるいはそれらは一緒になって、元素周期表の13〜16族に属する1以上のヘテロ原子を任意に含んでもよい縮合した飽和もしくは不飽和の5または6員環を形成でき、該環は1以上の置換基を任意に有していてもよく;
R5およびR6は、互いに等しいか異なって、水素原子または元素周期表の13〜17族に属する1以上のヘテロ原子を任意に含んでもよい直鎖もしくは分枝鎖状、飽和もしくは不飽和のC1〜C20-アルキル、C3〜C20-シクロアルキル、C6〜C20-アリール、C7〜C20-アルキルアリールまたはC7〜C20-アリールアルキル基であるか;あるいはそれらは一緒になって、元素周期表の13〜16族に属する1以上のヘテロ原子を任意に含んでもよい縮合した飽和もしくは不飽和の5または6員環を形成でき、該環は1以上の置換基を任意に有していてもよく;
Qは、記号*を付した位置でインデニルに結合している式(II):
【化2】

[式中、
T1、T2、T3、T4およびT5は、同一か異なって、 炭素原子(C)または窒素原子(N)であり;
m1、m2、m3、m4およびm5は0または1であり;対応するT1、T2、T3、T4およびT5が窒素原子であるときは、m1、m2、m3、m4およびm5は0であり、対応するT1、T2、T3、T4およびT5が炭素原子であるときは、1であり;
R7、R8、R9、R10およびR11は、互いに等しいか異なって、水素原子または元素周期表の13〜17族に属する1以上のヘテロ原子を任意に含んでもよい直鎖もしくは分枝鎖状、飽和もしくは不飽和のC1〜C20-アルキル、C3〜C20-シクロアルキル、C6〜C20-アリール、C7〜C20-アルキルアリールまたはC7〜C20-アリールアルキル基であるか;あるいはそれらは一緒になって、元素周期表の13〜16族に属する1以上のヘテロ原子を任意に含んでもよい縮合した飽和もしくは不飽和の5または6員環を形成でき;該環は1以上の置換基を有することができるが;但し、R7、R8、R9、R10およびR11の少なくとも一つは水素原子と異なり、T1、T2、T3、T4およびT5の2以下が窒素原子である]
の基である]
のメタロセン化合物;および
b)アルモキサンまたはアルキルメタロセンカチオンを形成できる化合物;
を接触させて得ることができる触媒系の存在下で、重合条件下、エチレン、1以上のアルファ-オレフィン類と、任意のポリエンとを接触させることからなる式CH2=CHA (ここで、AはC2〜C20-アルキル基である)の1以上のアルファ-オレフィン類の誘導単位0.1〜99モル%と任意に5モル%に至るまでのポリエンを含有するエチレンのポリマーの製造方法。
【請求項2】
触媒系が、有機アルミニウム化合物をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
式(I)の化合物において、Xがハロゲン原子、R、OR'OまたはOR基(ここで、RおよびR'は請求項1に記載の意味を有す)であり;R3およびR4は、水素原子またはメチルであるか、あるいはそれらは縮合した飽和もしくは不飽和の5または6員環を形成し;R5およびR6は、C1〜C20-アルキルまたはC6〜C20-アリール基である請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
式(II)の基において、R9が直鎖もしくは分枝鎖状、飽和もしくは不飽和のC1〜C20-アルキル、C3〜C20-シクロアルキル、C6〜C20-アリール、C7〜C20-アルキルアリールまたはC7〜C20-アリールアルキル基であり;かつR7、R8、R10およびR11が水素原子である請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
【請求項5】
式(II)の基において、R8およびR10が直鎖もしくは分枝鎖状、飽和もしくは不飽和のC1〜C20-アルキル、C3〜C20-シクロアルキル、C6〜C20-アリール、C7〜C20-アルキルアリール、C7〜C20-アリールアルキル基であり;かつR7、R9およびR11が水素原子である請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
【請求項6】
式(II)に属する基が、記号*を付した位置でインデニルに結合している式(IIa):
【化3】

[式中、R9は分枝鎖状で、飽和もしくは不飽和のC1〜C20-アルキルまたはC6〜C20-アリール基である]
を有する請求項4に記載の方法。
【請求項7】
R9が、1以上のC1〜C10 アルキル基で任意に置換していてもよいフェニル基であるか、あるいは式C(R12)3 (ここで、R12は同一か異なって、直鎖もしくは分枝鎖状、飽和もしくは不飽和のC1〜C6-アルキル基である)の基である請求項6に記載の方法。
【請求項8】
式(II)に属する基が、記号*を付した位置でインデニルに結合している式(IIb):
【化4】

[式中、
R8およびR10は分枝鎖状で、飽和もしくは不飽和のC1〜C20-アルキルまたはCF3基であり;R9は水素原子、または元素周期表の13〜17族に属する1以上のヘテロ原子を任意に含んでもよい直鎖もしくは分枝鎖状、飽和もしくは不飽和のC1〜C20-アルキルまたはC6〜C20-アリール基である]
を有する請求項1に記載の方法。
【請求項9】
R8およびR10が、式C(R12)3 (ここで、R12は同一か異なって、直鎖もしくは分枝鎖状、飽和もしくは不飽和のC1〜C6-アルキル基であり、R9が水素原子である)の基である請求項8に記載の方法。
【請求項10】
式(II)に属する基が、記号*を付した位置でインデニルに結合している式(IIc):
【化5】

[式中、R8、R9、R10およびR11は、請求項1に記載している意味を有し、かつR8、R9、R10およびR11のうち、少なくとも一つは水素原子と異なる]
を有する請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
【請求項11】
R10およびR11が水素原子であり;R8およびR9が直鎖もしくは分枝鎖状、飽和もしくは不飽和のC1〜C20-アルキル基であるか、またはそれらが、元素周期表の13〜16族に属する1以上のヘテロ原子を任意に含んでもよい縮合した飽和もしくは不飽和の5または6員環を形成し、該環が1以上の置換基を任意に有していてもよい請求項10に記載の方法。
【請求項12】
式(II)に属する基が、記号*を付した位置でインデニルに結合している式(IId):
【化6】

[式中、R10およびR11は、直鎖もしくは分枝鎖状、飽和もしくは不飽和のC1〜C20-アルキル基であるか、またはそれらは、元素周期表の13〜16族に属する1以上のヘテロ原子を任意に含んでもよい、縮合した飽和もしくは不飽和の5または6員環を形成し、該環は1以上の置換基を任意に有していてもよい]
を有する請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
【請求項13】
アルファ-オレフィンが、1-ブテン、1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、4,6-ジメチル-1-ヘプテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセンまたは1-アイコセンである請求項1〜12のいずれか一つに記載の方法。
【請求項14】
アルファ-オレフィンが、1-ペンテン、1-ヘキセンまたは1-オクテンである請求項13に記載の方法。

【公表番号】特表2006−502260(P2006−502260A)
【公表日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−542345(P2004−542345)
【出願日】平成15年9月10日(2003.9.10)
【国際出願番号】PCT/EP2003/010107
【国際公開番号】WO2004/033510
【国際公開日】平成16年4月22日(2004.4.22)
【出願人】(502303902)バセル ポリオレフィン ジーエムビーエイチ (19)
【氏名又は名称原語表記】BASELL POLYOLEFINE GMBH
【住所又は居所原語表記】Bruhler Strasse 60,50389 Wesseling,Germany
【Fターム(参考)】