説明

エチレン性不飽和化合物からニトリル化合物を製造する方法

本発明は、エチレン性不飽和有機化合物をヒドロシアン化してニトリル官能基を少なくとも1つ含有する化合物にするための方法に関する。本発明は、炭化水素をベースとし且つエチレン性不飽和を少なくとも1つ有する化合物を、液状媒体中で遷移金属から選択される金属元素及び有機リンリガンドを含む触媒の存在下でシアン化水素と反応させることによってヒドロシアン化するための方法であって、前記有機リンリガンドが単座有機リン化合物であることを特徴とする前記方法を提供する。本発明は、ブタジエンからのアジポニトリルの合成に特に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エチレン性不飽和有機化合物をヒドロシアン化してニトリル官能基を少なくとも1つ含有する化合物にするための方法に関する。
【0002】
より特定的には、本発明は、ブタジエンのようなジオレフィンのヒドロシアン化又はアルケンニトリルのような置換オレフィン(例えばペンテンニトリル)のヒドロシアン化に関する。
【背景技術】
【0003】
フランス国特許第1599761号明細書には、ニッケル触媒及び亜リン酸トリアリールの存在下でエチレン性二重結合を少なくとも1つ有する有機化合物にシアン化水素酸を付加させることによるニトリルの調製方法が記載されている。この反応は、溶媒の存在下でも不在下でも実施することができる。
【0004】
従来技術のこの方法において溶媒を用いる場合には、これはベンゼンやキシレンのような炭化水素又はアセトニトリルのようなニトリルであるのが好ましい。
【0005】
用いられる触媒は、ホスフィン、アルシン、スチビン、ホスファイト、アルセナイト又はアンチモナイトのようなリガンドを含有するニッケルの有機錯体である。
【0006】
この特許明細書には、該触媒を活性化するための促進剤、例えばホウ素化合物や金属塩、一般的にはルイス酸を存在させることも、推奨されている。
【0007】
フランス国特許第2338253号明細書には、エチレン性不飽和を少なくとも1つ有する化合物のヒドロシアン化を、スルホン化ホスフィン及び遷移金属(特にニッケル、パラジウム又は鉄)の化合物の水溶液の存在下で実施することが提唱されている。
【0008】
この特許明細書に記載されたスルホン化ホスフィンは、スルホン化トリアリールホスフィン、より特定的にはスルホン化トリフェニルホスフィンである。
【0009】
この方法に依れば、正確なヒドロシアン化、特にブタジエン及びペンテンニトリルのヒドロシアン化が可能であると共に、単純なデカンテーションによって触媒溶液を容易に分離することが可能であり、従って触媒として用いた金属を含有する廃物や廃液の放出が可能な限り回避される。
【0010】
しかしながら、触媒活性及び安定性の点でより一層高い性能を与える新たな触媒系を見出すために、研究が行われている。
【特許文献1】フランス国特許第1599761号明細書
【特許文献2】フランス国特許第2338253号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の1つの目的は、既知の系と比較して改善された活性を示す触媒系を遷移金属と共に形成することができる新規の類のリガンドを提唱することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
そのために、本発明は、炭化水素をベースとし且つエチレン性不飽和を少なくとも1つ有する化合物を、液状媒体中で、遷移金属から選択される金属元素及び有機リンリガンドを含む触媒の存在下で、シアン化水素と反応させることによってヒドロシアン化するための方法であって、前記有機リンリガンドが下記の一般式(I):
【化1】

{ここで、X1及びX2は同一であっても異なっていてもよく、酸素原子又は二価基NR2を表わし、ここで、R2は水素原子又はアルキル、アリール、スルホニル、シクロアルキル若しくはカルボニル基を表わし、
3は共有結合、酸素原子又は二価基NR2を表わし、ここで、R2は水素原子又はアルキル、アリール、スルホニル、シクロアルキル若しくはカルボニル基を表わし、
基R1は1〜12個の炭素原子を有し且つヘテロ原子を含有していてもよい直鎖状若しくは分枝鎖状アルキル基、又は置換若しくは非置換の芳香族若しくは環状脂肪族基(これらは、ヘテロ原子を含有していてもよく、また、1個の環を含有するものであってもよく、2個以上の縮合若しくは非縮合形態の環を含有するものであってもよい)を表わし、
Lは1〜12個の炭素原子を有し且つヘテロ原子を含有していてもよい直鎖状若しくは分枝鎖状二価アルキル基、又は置換若しくは非置換の芳香族若しくは環状脂肪族二価基(これらは、ヘテロ原子を含有していてもよく、また、1個の環を含有するものであってもよく、2個以上の縮合若しくは非縮合形態の環を含有するものであってもよい)を表わす}
に相当するものであることを特徴とする、前記方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
好ましい具体例において、X1及びX2は異なるものであって、同様に酸素原子又は二価基NR2を表わす。
【0014】
好ましくは、前記の二価基の結合は、芳香族基の場合にはこれらの結合がオルト位にあり、非環状又は環状アルキル基の場合には同一の炭素又は互いに対してα位にある2個の炭素がこれらの結合を有する。
【0015】
さらに、本発明の好ましい具体例においては、X3は酸素を表わす。
【0016】
さらに、Lは以下のものを表わすのが有利である:
・サリチルアミドの誘導体、随意に芳香環上を官能化されたもの及び/又は脂肪族若しくは芳香族第2級アミド(例えばサリチルアニリド若しくはNaphtol AS)の形成によるもの;
・アントラニル酸の、芳香環上を置換された誘導体及び/又は脂肪族若しくは芳香族第2級アミン(例えばN−フェニルアントラニル酸若しくはN−メチルアントラニル酸)の形成による誘導体;
・α−アミノ酸、より一層好ましくは窒素原子が脂肪族、芳香族、アリールスルホニル又はカルボニル基で一置換された中性アミノ酸誘導体。
【0017】
これらの化合物は、塩基の存在下で下記の式(II):
13
の化合物Aと下記の式(III):
【化2】

の好適なハロリン(より特定的にはクロロリン)誘導体とを反応させることによって得ることができる。
【0018】
このハロリン誘導体は、PCl3と下記の式(IV):
【化3】

の化合物とを反応させることによって得ることができる。
【0019】
かかる式(IV)の構造の内の好ましいものは、次式の化合物に相当することができる。
【化4】

【0020】
式(I)の化合物は、特にX3が共有結合を表わす場合、別の方法によって得ることもできる。
【0021】
一般式(I)の化合物の例としては、下に挙げた化合物を挙げることができる(これらの式中、記号Meはメチル基を表わし、記号tBuはt−ブチル基を表わす):
【化5】

【0022】
本発明の好ましい特徴に従えば、金属元素はニッケル、コバルト、鉄、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、銅、銀、金、亜鉛、カドミウム及び水銀を含む群から選択される。これらの金属の中では、ニッケルが好ましい金属である。
【0023】
本発明に従えば、触媒は次の一般式(V)に相当するものであるのが有利である。
M[Lf]t (V)
{ここで、Mは遷移金属であり、
fは式(I)の有機リンリガンドを表わし、
tは1〜6の範囲(境界を含む)の数を表わす。}
【0024】
式(I)の化合物を含有する有機金属錯体は、選択した金属の化合物の溶液を式(I)の化合物の溶液と接触させることによって調製することができる。
【0025】
該金属の化合物は、溶媒中に溶解させることができるものである。
【0026】
用いる化合物中の金属は、有機金属錯体中においてそれが有する予定の酸化状態又はそれより高い酸化状態にあることができる。
【0027】
例として、本発明の有機金属錯体中において、ロジウムは酸化状態(I)にあり、ルテニウムは酸化状態(II)にあり、白金は酸化状態(0)にあり、パラジウムは酸化状態(0)にあり、オスミウムは酸化状態(II)にあり、イリジウムは酸化状態(I)にあり、そしてニッケルは酸化状態(0)にあることを示すことができる。
【0028】
有機金属錯体の調製の際により高い酸化状態にある金属を用いる場合には、その場で還元してもよい。
【0029】
式(I)の化合物を含む有機金属錯体は、オレフィンのヒドロシアン化反応又は例えばニトリル官能基を含有する不飽和化合物のヒドロシアン化における触媒として用いることができる。
【0030】
遷移金属としては、遷移金属の化合物、より特定的にはニッケル、パラジウム、鉄又は銅の化合物を用いるのが好ましい。
【0031】
上記の化合物の中で最も好ましい化合物は、ニッケルのものである。
【0032】
非限定的な例として、以下のものを挙げることができる:
・ニッケルの酸化状態が0である化合物、例えばテトラシアノニッケル酸カリウムK4[Ni(CN)4]、ビス(アクリロニトリル)ニッケル0、ビス(シクロオクタ−1,5−ジエン)ニッケル(Ni(cod)2とも称される)、及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル0のようなリガンドを含有する誘導体;
・カルボン酸塩(特に酢酸塩)、炭酸塩、重炭酸塩、ホウ酸塩、臭化物、塩化物、クエン酸塩、チオシアン酸塩、シアン化物、ギ酸塩、水酸化物、亜リン酸水素塩、亜リン酸塩、リン酸塩及び誘導体、ヨウ化物、硝酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、アリール−及びアルキルスルホン酸塩のようなニッケル化合物。
【0033】
ニッケルの酸化状態が0より大きいニッケル化合物を用いる場合には、反応条件下においてニッケルと優先的に反応するニッケル還元剤を反応媒体に添加する。この還元剤は、有機物であっても無機物であってもよい。非限定的な例としては、BH4Na若しくはBH4Kのようなホウ水素化物、Zn粉末、マグネシウム又は水素を挙げることができる。
【0034】
ニッケルの酸化状態が0であるニッケル化合物を用いる場合にも、上記のタイプの還元剤を添加することができるが、かかる添加は強制的なものではない。
【0035】
鉄化合物を用いる場合には、同じ還元剤が好適である。
【0036】
パラジウムの場合、還元剤はさらに反応媒体の成分(ホスフィン、溶媒、オレフィン)であることができる。
【0037】
本発明の方法において用いられるエチレン性二重結合を少なくとも1つ有する有機化合物は、より一層特定的には、ジオレフィン類、例えばブタジエン、イソプレン、ヘキサ−1,5−ジエン、シクロオクタ−1,5−ジエン;エチレン性不飽和脂肪族ニトリル類、特に3−ペンテンニトリル又は4−ペンテンニトリルのような直鎖状ペンテンニトリル類;スチレン、メチルスチレン、ビニルナフタレン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキセンのようなモノオレフィン類;及びこれらの化合物の内のいくつかのものの混合物である。
【0038】
前記ペンテンニトリル類は特に、2−メチル−3−ブテンニトリル、2−メチル−2−ブテンニトリル、2−ペンテンニトリル、バレロニトリル、アジポニトリル、2−メチルグルタロニトリル、2−エチルスクシノニトリル又はブタジエンのようなその他の化合物(例えばブタジエンを不飽和ニトリルにするための先のヒドロシアン化反応から由来するもの)を所定量、一般的に少量含有していてもよい。
【0039】
実際問題として、ブタジエンのヒドロシアン化には、直鎖状ペンテンニトリルと共に取るに足らない量ではない量の2−メチル−3−ブテンニトリル及び2−メチル−2−ブテンニトリルの生成が伴われる。
【0040】
本発明の方法に従うヒドロシアン化のために用いられる触媒系は、反応帯域に導入する前に、例えば、単独の又は溶媒中に溶解させた式(I)の化合物に適量の選択した遷移金属化合物及び随意としての還元剤を添加することによって、調製することができる。また、ヒドロシアン化反応媒体にヒドロシアン化すべき化合物を添加する前又は後に式(I)の化合物及び遷移金属化合物を単純に添加することによって、現場で触媒系を調製することもできる。
【0041】
ニッケルの化合物又は別の遷移金属の化合物の使用量は、ヒドロシアン化又は異性化すべき有機化合物1モル当たりのニッケル又はその他の遷移金属の濃度が10-4〜1モルの範囲、好ましくは0.005〜0.5モルの範囲になるように選択される。
【0042】
触媒を形成させるために用いられる式(I)の化合物の量は、遷移金属1モルに対するこの化合物のモル数が0.5〜500、好ましくは2〜100になるように選択される。
【0043】
この反応は溶媒なしで実施するのが一般的であるが、不活性有機溶媒を添加することが有利な場合もある。この溶媒は、前記触媒に対する溶媒であってヒドロシアン化温度においてヒドロシアン化すべき化合物を含む相と混和性のものであってよい。かかる溶媒の例としては、芳香族、脂肪族又は環状脂肪族炭化水素を挙げることができる。
【0044】
ヒドロシアン化反応は、一般的に10℃〜200℃の温度、好ましくは30℃〜120℃の温度において実施する。この反応は、単一相媒体中で実施することもでき、二相媒体中で実施することもできる。
【0045】
本発明の方法は、連続式で実施することもでき、バッチ式で実施することもできる。
【0046】
用いるシアン化水素は、金属シアン化物、特にシアン化ナトリウムから、又はシアノヒドリン類、例えばアセトンシアノヒドリンから調製することもでき、他の任意の既知の合成方法によって調製することもできる。
【0047】
シアン化水素は、ガス状又は液体状で反応器中に導入される。また、前もって有機溶媒中に溶解させてもよい。
【0048】
バッチ式の実施に関しては、前もって不活性ガス(例えば窒素やアルゴン)でパージしておいた反応器に、ヒドロシアン化すべき化合物、式(I)の化合物、遷移金属化合物、随意としての還元剤及び溶媒のような各種成分の全部又は一部を含有させた溶液を装填することもでき、また、これら成分を別々に装填することもできる。一般的には、次いで反応器を所定の温度にする。次いでシアン化水素を単独で、好ましくは連続的に且つ一様に導入する。
【0049】
反応(その進行はサンプルを分析することによって監視することができる)の終わりに、反応混合物を冷却後に取り出し、反応生成物を例えば蒸留によって単離する。
【0050】
本発明に従うエチレン性不飽和化合物のヒドロシアン化方法の拡張版は特に、シアン化水素との反応によるエチレン性不飽和ニトリル化合物のヒドロシアン化に関し、本発明に従う触媒系を少なくとも1種のルイス酸から成る助触媒と共に用いることから成る。
【0051】
この拡張版において用いることができるエチレン性不飽和化合物は、一般的には上記の基本方法について挙げたものである。しかしながら、より特定的には、エチレン性不飽和脂肪族ニトリル(特に3−ペンテンニトリル又は4−ペンテンニトリル及びそれらの混合物のような直鎖状ペンテンニトリル)をヒドロシアン化してジニトリルにすることから成る反応にこの拡張版を適用するのが有利である。
【0052】
これらのペンテンニトリルは、先のブタジエンのヒドロシアン化反応及び/又は2−メチル−3−ブテンニトリルのペンテンニトリルへの異性化から由来するその他の化合物(例えば2−メチル−3−ブテンニトリル、2−メチル−2−ブテンニトリル、2−ペンテンニトリル、バレロニトリル、アジポニトリル、2−メチルグルタロニトリル、2−エチルスクシノニトリル又はブタジエン)を所定量(一般的には少量)含有していてもよい。
【0053】
ルイス酸を助触媒として用いることによって、エチレン性不飽和脂肪族ニトリルのヒドロシアン化の場合に、得られるジニトリルの直鎖度、即ち生成する全ジニトリルに対する直鎖状ジニトリルの百分率を向上させ且つ/又は触媒の活性及び耐用寿命を高めることが特に可能になる。
【0054】
本明細書において用語「ルイス酸」とは、通常の定義に従い、電子対を受け取る化合物を意味するものとする。
【0055】
特に、G. A. Olah編集「Friedel-Crafts and related Reactions」、第1巻、第191〜197頁(1963)に挙げられたルイス酸を用いることができる。
【0056】
本発明の方法において助触媒として用いることができるルイス酸は、元素周期表第Ib、IIb、IIIa、IIIb、IVa、IVb、Va、Vb、VIb、VIIb及びVIII族の元素の化合物から選択される。これらの化合物は、大抵の場合は塩、特にハロゲン化物(例えば塩化物若しくは臭化物)、硫酸塩、スルホン酸塩、ハロアルキルスルホン酸塩、ペルハロアルキルスルホン酸塩(特にフルオロアルキルスルホン酸塩若しくはペルフルオロアルキルスルホン酸塩)、ハロアルキル酢酸塩、ペルハロアルキル酢酸塩、カルボン酸塩及びリン酸塩である。
【0057】
かかるルイス酸の非限定的な例としては、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、塩化マンガン、臭化マンガン、塩化カドミウム、臭化カドミウム、塩化第一錫、臭化第一錫、硫酸第一錫、酒石酸第一錫、トリフルオロメチルスルホン酸インジウム、トリフルオロメチル酢酸インジウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ハフニウム、エルビウム、タリウム、イッテルビウム及びルテチウムのような希土類元素の塩化物又は臭化物、並びに塩化コバルト、塩化第一鉄及び塩化イットリウムを挙げることができる。
【0058】
ルイス酸としてはまた、トリフェニルボラン又はチタンイソプロポキシドのような有機金属化合物を用いることもできる。
【0059】
もちろん、数種のルイス酸の混合物を使用することもできる。
【0060】
ルイス酸の中では、塩化亜鉛、臭化亜鉛、塩化第一錫、臭化第一錫、トリフェニルボラン及び塩化亜鉛/塩化第一錫混合物が特に好ましい。
【0061】
用いるルイス酸助触媒は、一般的には遷移金属化合物(より特定的にはニッケル化合物)1モル当たりに0.01〜50モルを占め、好ましくは1〜10モル/モルを占める。
【0062】
本発明の基本方法の実施についての場合と同様に、ルイス酸の存在下におけるヒドロシアン化のために用いられる触媒溶液も、反応帯域に導入する前に調製しておいてもよく、その場で例えば触媒系の各種成分を反応媒体に添加することによって調製してもよい。
【0063】
また、シアン化水素の不在下で、本発明のヒドロシアン化方法の条件下において、特に少なくとも1種の式(I)の化合物及び少なくとも1種の遷移金属化合物を含む上記の触媒の存在下で操作することによって、2−メチル−3−ブテンニトリルのペンテンニトリルへの異性化、より一般的には分枝鎖状不飽和ニトリルの直鎖状不飽和ニトリルへの異性化を実施することもできる。
【0064】
本発明に従って異性化に付される2−メチル−3−ブテンニトリルは、単独で用いることもでき、別の化合物との混合物として用いることもできる。
【0065】
かくして、2−メチル−3−ブテンニトリルは、2−メチル−2−ブテンニトリル、4−ペンテンニトリル、3−ペンテンニトリル、2−ペンテンニトリル、ブタジエン、アジポニトリル、2−メチルグルタロニトリル、2−エチルスクシノニトリル又はバレロニトリルとの混合物として用いることができる。
【0066】
ブタジエンのヒドロシアン化から由来する反応混合物を、少なくとも1種の式(I)の化合物及び少なくとも1種の上で定義したような遷移金属化合物(より一層好ましくは、酸化状態0のニッケルの化合物)の存在下においてHCNで処理するのが、特に有利である。
【0067】
この好ましい別態様においては、触媒をすでにブタジエンのヒドロシアン化反応のために存在させてあるので、異性化反応を起こさせるためにはシアン化水素の導入を停止するだけで充分である。
【0068】
この別態様においては、適宜に、依然として存在するかも知れないシアン化水素酸を追い出すために、例えば窒素やアルゴンのような不活性ガスによって反応器を穏やかにパージすることができる。
【0069】
異性化反応は、一般的に10℃〜200℃の温度、好ましくは60℃〜180℃の温度において実施する。
【0070】
ブタジエンのヒドロシアン化反応の直後に異性化を行う好ましい場合においては、ヒドロシアン化を実施した温度において操作を行うのが有利である。
【0071】
エチレン性不飽和化合物のヒドロシアン化方法についての場合と同様に、異性化のために用いられる触媒系も、すでに媒体中に存在しているものであってもよく、すでに上に記載した調製方法に従って調製してもよい。
【0072】
異性化反応は溶媒なしで実施するのが一般的であるが、不活性有機溶媒を添加するのが有利な場合もあり、この不活性有機溶媒は、その後の抽出溶媒であってもよい。これは特に、異性化反応に付される媒体を調製するのに役立つような溶媒をブタジエンのヒドロシアン化反応に用いた場合のことである。かかる溶媒は、ヒドロシアン化について上に挙げたものから選択することができる。
【0073】
しかしながら、上記の不飽和ニトリルの生成工程及び上記の異性化工程のための本発明に従う触媒系を用いて、ブタジエンのようなオレフィンをヒドロシアン化することによるジニトリル化合物の調製を実施することができ、その際、不飽和ニトリルをヒドロシアン化してジニトリルにすることから成る反応は、本発明に従う触媒系を用いて実施してもよく、また、この反応のためにすでに周知の任意のその他の触媒系を用いて実施してもよい。
【0074】
同様に、オレフィンをヒドロシアン化して不飽和ニトリルにすることから成る反応及びそれらの異性化を本発明の触媒系とは異なる触媒系を用いて実施し、不飽和ニトリルをヒドロシアン化してジニトリルにすることから成る工程を本発明に従う触媒系を用いて実施することもできる。
【実施例】
【0075】
以下、実施例によって本発明を例示する。
【0076】
これら実施例において用いた略号は、以下に示す意味を持つ。
cod:1,5−シクロオクタジエン
eq:当量
3PN:3−ペンテンニトリル
4PN:4−ペンテンニトリル
3+4PN:3PN+4PN
DC(Y):ヒドロシアン化すべき物質(Y)の転化度であり、転化したYのモル数対初期のYのモル数の比に相当する
直鎖度(L):生成したアジポニトリル(AdN)のモル数対生成したジニトリルのモル数(AdN、エチルスクシノニトリル(ESN)及びメチルグルタロニトリル(MGN)の合計モル数)の比
GC:ガスクロマトグラフィー
ml:ミリリットル
mol:モル
mmol:ミリモル
Ph:フェニル。
【0077】
例1:下記の式のリガンドAの合成
【化6】

【0078】
リガンドAの調製のために用いられる出発原料は、o−t−ブチルフェノール及び下記式のホスホロクロリダイト{その調製方法は、R. A.?Sabirova、L. V.?Nesterov、A. E.?Arbuzovによる文献(Zh. Obshch. Khim.、1967年、37, 第732〜734頁)に記載されている}である。
【化7】

【0079】
リガンドAを調製するための手順は、次の通りである:
上記の式のホスホロクロリダイト1.1gをアルゴン雰囲気下で100ml丸底フラスコ中で無水テトラヒドロフラン5ml及び無水トルエン10ml中に溶解させる。この溶液を−10℃において撹拌する。o−t−ブチルフェノール600mg及びトリエチルアミン0.85mlを無水テトラヒドロフラン2ml中に含有させた溶液を滴下漏斗に装填し、この溶液を−10℃に保った反応媒体中に滴下する。白色沈殿が生成する。この懸濁液を25℃において18時間激しく撹拌し、次いで塩基性アルミナIの床の上でアルゴン雰囲気下において濾過する。トルエンで濯いだ後に、濾液を減圧下で濃縮して、濃厚な半透明オイルの形の粗生成物1.25gが得られた。NMR分析により、得られた生成物が上記の式に相当することが確認された。
【0080】
例2:下記の式のリガンドBの合成
【化8】

【0081】
このリガンドは、o−クレゾールを用い、リガンドAと同じ手順に従って調製される。ホスホロクロリダイト1.67g及びo−クレゾール0.65gから、これらの条件下で、上記の式に相当する生成物1.27gが得られた。
【0082】
例3:下記の式のリガンドCの合成
【化9】

【0083】
このリガンドは、m−クレゾールを用い、リガンドAと同じ手順に従って調製される。ホスホロクロリダイト1.67g及びm−クレゾール0.65gから、これらの条件下で、上記の式に相当する生成物1.57gが得られた。
【0084】
例4:下記の式のリガンドDの合成
【化10】

【0085】
このリガンドは、o−t−ブチルフェノールと下記式のホスホロクロリダイトとの反応によって得られる。
【化11】

【0086】
このホスホロクロリダイトは、次の手順に従って調製される。
【0087】
アルゴン雰囲気下で100ml丸底フラスコ中で、N−フェニルアントラニル酸10.7gにPCl315mlを添加し、次いで無水トルエン20mlを添加する。こうして得られた濃厚懸濁液を25℃において1時間撹拌し、次いで徐々に60℃にし、最後に3時間還流する。こうして得られた溶液を周囲温度まで冷まし、不活性雰囲気下において濾過し、減圧下において濃縮する。得られた赤色固体をペンタン中ですりつぶし、次いで不活性雰囲気下において濾過することによって精製する。純度約85%の赤色固体12.5gが回収された。
【0088】
リガンドDを調製するための手順は、次の通りである:
上記の式のホスホロクロリダイト1.1gをアルゴン雰囲気下で100ml丸底フラスコ中で無水テトラヒドロフラン5ml及び無水トルエン10ml中に溶解させる。この溶液を−10℃において撹拌する。o−t−ブチルフェノール600mg及びトリエチルアミン0.85mlを無水テトラヒドロフラン2ml中に含有させた溶液を滴下漏斗に装填し、この溶液を−10℃に保った反応媒体中に滴下する。最初に赤色溶液が色を失い、黄色沈殿が形成する。この懸濁液を25℃において18時間激しく撹拌し、次いで塩基性アルミナIの床の上でアルゴン雰囲気下において濾過する。トルエンで濯いだ後に、濾液を減圧下で濃縮して、濃厚な半透明オイルの形の粗生成物1.3gが得られた。NMR分析により、得られた生成物が上記の式に相当することが確認された。
【0089】
例5:下記の式のリガンドEの合成
【化12】

【0090】
このリガンドは、o−クレゾールを用い、リガンドDと同じ手順に従って調製される。ホスホロクロリダイト1.67g及びo−クレゾール0.65gから、これらの条件下で、上記の式に相当する生成物1.56gが得られた。
【0091】
例6:下記の式のリガンドFの合成
【化13】

【0092】
このリガンドは、m−クレゾールを用い、リガンドDと同じ手順に従って調製される。ホスホロクロリダイト1.67g及びm−クレゾール0.65gから、これらの条件下で、上記の式に相当する生成物1.57gが得られた。
【0093】
例7:3−ペンテンニトリル(3PN)のアジポニトリル(AdN)へのヒドロシアン化
【0094】
セプタムストッパーを備えた60mlのショット(Shott)タイプのガラス管にアルゴン雰囲気下で以下のものを順次装填する:
・リガンド (2.5eq)、
・無水3PN 1.21g(15mmol;30eq)、
・Ni(cod)2 138mg(0.5mmol;1eq)、及び
・塩化亜鉛(II) 68mg(0.5mmol;1eq)。
【0095】
この混合物を撹拌しながら70℃にする。この反応媒体にシリンジポンプによってアセトンシアノヒドリンを0.45ml/時間の流量で注入する。3時間の注入の後に、シリンジポンプを停止する。この混合物を周囲温度まで冷まし、アセトンで希釈し、ガスクロマトグラフィーで分析する。
【0096】
これらの条件下で、以下の結果が得られた。
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭化水素をベースとし且つエチレン性不飽和を少なくとも1つ有する化合物を、液状媒体中で、遷移金属から選択される金属元素及び有機リンリガンドを含む触媒の存在下で、シアン化水素と反応させることによってヒドロシアン化するための方法であって、
前記有機リンリガンドが下記の一般式(I):
【化1】

に相当するものであることを特徴とする、前記方法。
(ここで、X1及びX2は同一であっても異なっていてもよく、酸素原子又は二価基NR2を表わし、ここで、R2は水素原子又はアルキル、アリール、スルホニル、シクロアルキル若しくはカルボニル基を表わし、
3は共有結合、酸素原子又は二価基NR2を表わし、ここで、R2は水素原子又はアルキル、アリール、スルホニル、シクロアルキル若しくはカルボニル基を表わし、
基R1は1〜12個の炭素原子を有し且つヘテロ原子を含有していてもよい直鎖状若しくは分枝鎖状アルキル基、又は置換若しくは非置換の芳香族若しくは環状脂肪族基を表わし、この芳香族又は環状脂肪族基は、ヘテロ原子を含有していてもよく、また、1個の環を含有するものであってもよく、2個以上の縮合若しくは非縮合形態の環を含有するものであってもよく、
Lは1〜12個の炭素原子を有し且つヘテロ原子を含有していてもよい直鎖状若しくは分枝鎖状二価アルキル基、又は置換若しくは非置換の芳香族若しくは環状脂肪族二価基を表わし、この芳香族又は環状脂肪族二価基は、ヘテロ原子を含有していてもよく、また、1個の環を含有するものであってもよく、2個以上の縮合若しくは非縮合形態の環を含有するものであってもよい。)
【請求項2】
1及びX2が異なるものであって、同様に酸素原子又は二価基NR2を表わすことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
3が酸素原子を表わすことを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
Lが、オルト位に結合がある芳香族若しくは環状脂肪族二価基又は同一の炭素が結合を有するアルキル二価基であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
一般式(I)の化合物が以下の式の化合物を含む群から選択されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【化2】

【請求項6】
前記金属元素がニッケル、コバルト、鉄、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、銅、銀、金、亜鉛、カドミウム及び水銀を含む群から選択されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記反応を単一相媒体中で実施することを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記触媒が一般式(V)に相当するものであることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
M[Lf]t (V)
{ここで、Mは遷移金属であり、
fは式(I)の有機リンリガンドを表わし、
tは1〜6の範囲(境界を含む)の数を表わす。}
【請求項9】
前記反応の媒体が、前記触媒に対する溶媒であってヒドロシアン化温度においてヒドロシアン化すべき化合物を含む相と混和性の前記溶媒を含むことを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記の遷移金属の化合物がニッケルの化合物であって、以下のもの:
・ニッケルの酸化状態0である化合物、例えばテトラシアノニッケル酸カリウムK4[Ni(CN)4]、ビス(アクリロニトリル)ニッケル0、ビス(シクロオクタ−1,5−ジエン)ニッケル及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル0のようなリガンドを含有する誘導体;
・カルボン酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、ホウ酸塩、臭化物、塩化物、クエン酸塩、チオシアン酸塩、シアン化物、ギ酸塩、水酸化物、亜リン酸水素塩、亜リン酸塩、リン酸塩及び誘導体、ヨウ化物、硝酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、アリール−及びアルキルスルホン酸塩のようなニッケル化合物:
を含む群から選択されることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記のエチレン性二重結合を少なくとも1つ有する有機化合物がブタジエン、イソプレン、ヘキサ−1,5−ジエン、シクロオクタ−1,5−ジエンのようなジオレフィン類;エチレン性不飽和脂肪族ニトリル類、特に3−ペンテンニトリル又は4−ペンテンニトリルのような直鎖状ペンテンニトリル;スチレン、メチルスチレン、ビニルナフタレン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキセンのようなモノオレフィン類;及びこれらの化合物の内のいくつかのものの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
ニッケルの化合物又は別の遷移金属の化合物の使用量を、ヒドロシアン化又は異性化すべき有機化合物1モル当たりに10-4〜1モルの範囲のニッケル又はその他の遷移金属が存在するように選択すること、及び式(I)又は式(II)の化合物の使用量を、遷移金属1モルに対するこの化合物のモル数が0.5〜500になるように選択することを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
ヒドロシアン化反応を10℃〜200℃の温度において実施することを特徴とする、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
少なくとも1種の遷移金属化合物と少なくとも1種の式(I)の化合物と少なくとも1種のルイス酸から成る助触媒とを含む触媒系の存在下で操作を実施することを特徴とする、シアン化水素との反応によってエチレン性不飽和ニトリル化合物をヒドロシアン化してジニトリルにするための、請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記エチレン性不飽和ニトリル化合物が3−ペンテンニトリル、4−ペンテンニトリル及びそれらの混合物のような直鎖状ペンテンニトリルを含むエチレン性不飽和脂肪族ニトリルから選択されることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記の直鎖状ペンテンニトリルが2−メチル−3−ブテンニトリル、2−メチル−2−ブテンニトリル、2−ペンテンニトリル、バレロニトリル、アジポニトリル、2−メチルグルタロニトリル、2−エチルスクシノニトリル又はブタジエンを含む群から選択されるその他の化合物を所定量含有することを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
助触媒として用いられるルイス酸が、元素周期表第Ib、IIb、IIIa、IIIb、IVa、IVb、Va、Vb、VIb、VIIb及びVIII族の元素の化合物から選択されることを特徴とする、請求項14〜16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記ルイス酸がハロゲン化物、硫酸塩、スルホン酸塩、ハロアルキルスルホン酸塩、ペルハロアルキルスルホン酸塩、ハロアルキル酢酸塩、ペルハロアルキル酢酸塩、カルボン酸塩及びリン酸塩の群から選択される塩から選択されることを特徴とする、請求項14〜17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記ルイス酸が、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、塩化マンガン、臭化マンガン、塩化カドミウム、臭化カドミウム、塩化第一錫、臭化第一錫、硫酸第一錫、酒石酸第一錫、トリフルオロメチルスルホン酸インジウム、トリフルオロメチル酢酸インジウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ハフニウム、エルビウム、タリウム、イッテルビウム及びルテチウムのような希土類元素の塩化物又は臭化物、並びに塩化コバルト、塩化第一鉄及び塩化イットリウム並びにそれらの混合物、並びに有機金属化合物から選択されることを特徴とする、請求項14〜18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
用いるルイス酸が遷移金属化合物1モル当たりに0.01〜50モルを占めることを特徴とする、請求項14〜19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
ブタジエンのヒドロシアン化から由来する反応混合物中に存在する2−メチル−3−ブテンニトリルのペンテンニトリルへの異性化を、シアン化水素の不在下で、少なくとも1種の式(I)の化合物及び少なくとも1種の遷移金属化合物を含む触媒の存在下で操作することによって実施することを特徴とする、請求項1〜20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
異性化に付される2−メチル−3−ブテンニトリルが単独で、又は2−メチル−2−ブテンニトリル、4−ペンテンニトリル、3−ペンテンニトリル、2−ペンテンニトリル、ブタジエン、アジポニトリル、2−メチルグルタロニトリル、2−エチルスクシノニトリル若しくはバレロニトリルとの混合物として用いられることを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
異性化反応を10℃〜200℃の温度において実施することを特徴とする、請求項21又は22に記載の方法。
【請求項24】
2−メチル−3−ブテンニトリルのペンテンニトリルへの異性化を少なくとも1種の遷移金属化合物及び少なくとも1種の式(I)の有機リン化合物の存在下で実施することを特徴とする、請求項21〜23のいずれかに記載の方法。

【公表番号】特表2006−516543(P2006−516543A)
【公表日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−564272(P2004−564272)
【出願日】平成15年11月25日(2003.11.25)
【国際出願番号】PCT/FR2003/003475
【国際公開番号】WO2004/060855
【国際公開日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【出願人】(598051417)ロディア・ポリアミド・インターミーディエッツ (14)
【Fターム(参考)】