説明

エネルギー供給システムの運転方法

【課題】 複数のエネルギー供給機器を備えたエネルギー供給システムにおいて、システム全体を構成する各エネルギー供給機器の発停を制御することにより省エネルギーを図る。
【解決手段】 ある時刻において各エネルギー供給機器を運転するか停止するかの情報の組み合わせからなる発停パターンを複数作成し、各発停パターンを属性パラメータの組み合わせからなる設定属性パターンと関連付ける。そして、エネルギー供給システムの運転時における属性パラメータの組み合わせからなる運転時属性パターンと同一の設定属性パターンを選択し、この選択した設定属性パターンに対応する発停パターンにしたがって各エネルギー供給機器の発停を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物等のエネルギー供給システムの管理を行って省エネルギーを図るためのエネルギー供給システムの運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建物のエネルギー供給システムは、図10に示すように、冷凍機、ボイラ、発電機などの各種エネルギー供給機器(以下、単に機器ということもある)から構成されているが、各機器は個々に独立して運転されるのではなく、同一のエネルギー種類で結合されたネットワークで運転される。つまり、エネルギー供給システムは、一つの機器の運転が他の機器の運転に影響を与えるシステムとなっている。また、エネルギー種類も多く、供給エネルギーとしては商用電力の他、都市ガス、油、用水などがあり、一方、需要エネルギーは電力の他、空調用冷温水、給湯用温水、蒸気など多様である。
【0003】
したがって、エネルギー供給機器の運転制御は、エネルギー需要を満たすという条件下で、相互に影響を与える各機器の運転方法を考慮しながら、エネルギー供給量の最小化などを目的として制御しなければならないという、非常に困難な制御が求められる。このようなネットワークを対象に、エネルギー供給量の最小化などを図るための最適運転方法の解を求める方法として、数理計画法を用いた手法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特許第3027809号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前述した数理計画法を用いた手法で得られた解をそのままシステムの制御に用いた場合には、制御の応答性の問題、急激な出力調整における機器動作の追随性(安定性)の問題が生じることに加え、機器自体に運転制御システムがあることから、算出によって得られた解どおりの出力を行うことができないなどの問題が存在している。そのため、前記数理計画法を用いた手法による算出解をそのまま制御情報として用いることはできない。
【0006】
以上のことから、現状におけるエネルギー供給システムの最適制御は、エネルギー供給システム全体ではなく、機器単独の制御や単一のエネルギー需要に対する機器の台数制御など、限られた範囲での制御システムが提案されているのみである。また、この限られた範囲での最適制御がシステム全体での最適性を保障してはいない。
【0007】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたもので、エネルギー供給システム全体を構成する各エネルギー供給機器の発停(オンオフ)を制御することにより、省エネルギーを図ることができるようにしたエネルギー供給システムの運転方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前記目的を達成するため、複数のエネルギー供給機器を備えたエネルギー供給システムの運転方法であって、ある時刻において各エネルギー供給機器を運転するか停止するかの情報の組み合わせからなる発停パターンを複数作成し、各発停パターンを属性パラメータの組み合わせからなる設定属性パターンと関連付けるとともに、エネルギー供給システムの運転時における属性パラメータの組み合わせからなる運転時属性パターンと同一の設定属性パターンを選択し、この選択した設定属性パターンに対応する発停パターンにしたがって各エネルギー供給機器の発停を制御することを特徴とするエネルギー供給システムの運転方法を提供する。
【0009】
本発明では、エネルギー供給システム全体を構成する各エネルギー供給機器について、ある時刻においてその機器を運転するか停止するかの情報を取得するとともに、それらの情報の組み合わせからなる発停パターンを複数作成し、エネルギー供給システムの運転時の属性に適合した発停パターンにしたがって各エネルギー供給機器の発停を制御する。そのため、本発明によれば、エネルギー供給システム全体を構成する各エネルギー供給機器の発停を制御することにより、省エネルギーを図ることが可能となる。
【0010】
本発明では、発停パターンを作成するに当たり、過去のエネルギー需要データに基づいて、例えば数学的手法により各エネルギー供給機器のある時刻における最適な出力値を求め、この最適な出力値に基づいて、ある時刻において各エネルギー供給機器を運転するか停止するかの情報を作成することができる。
【0011】
また、本発明では、発停パターンを設定属性パターンとともにデータベースとして蓄積し、エネルギー供給システムの運転時における属性パラメータの組み合わせからなる運転時属性パターンを検索情報としてデータベースの検索を行うことにより、運転時属性パターンと同一の設定属性パターンを選択し、この選択した設定属性パターンに対応する発停パターンにしたがって各エネルギー供給機器の発停を制御することができる。
【0012】
さらに、本発明では、上述したデータベースの更新を逐次または随時行うことが適当である。
【0013】
また、本発明では、発停パターンにしたがって各エネルギー供給機器の発停を制御する運転方法による最適性の指標値として、熱源システムのCOP(エネルギー需要量とエネルギー消費量との比)、エネルギー需要当たりのエネルギー費用、またはエネルギー需要当たりのCO排出量などを用いることができる。
【0014】
本発明に係るエネルギー供給システムの運転方法は、業務用建物の他、同じようなエネルギー供給システムを有する地域熱供給プラント、工場、家庭などにも適用可能である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、エネルギー供給システム全体を構成する各エネルギー供給機器の発停を制御することにより省エネルギーを図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明するが、本発明は下記例に限定されるものではない。図1は本発明に係るエネルギー供給システムの運転方法の一実施形態を示す概念図、図2は同実施形態のフローチャートである。本実施形態は、例えば、図10に示したような複数のエネルギー供給機器を備えたエネルギー供給システムの運転に適用される。
【0017】
本実施形態では、まず、ある条件下でエネルギー供給システム全体を構成する各機器をそれぞれ運転するか停止するかの情報の組み合わせからなる発停パターンを複数作成する。発停パターンを作成するに当たっては、例えば、過去のエネルギー需要データを対象に特徴的なエネルギー需要を抽出し、抽出したエネルギー需要を対象に数理計画法などで各時刻における各機器の最適な運転方法(各機器の最適な出力値)を求める。
【0018】
上記の特徴的なエネルギー需要を抽出する方法としては、例えば、特開2001−336805号に示された方法を使用することができる。この方法は、設定期間中に多様に変化する、建物熱源システムのエネルギー需要を算出するもので、第1の工程で、日々のシステムの日間総エネルギー需要量およびその概数を算出する。第2の工程で、日間総エネルギー需要量を設定エネルギーカテゴリ毎に区分して、設定エネルギーカテゴリ毎のエネルギー需要量の概数を算出し、設定エネルギーカテゴリ毎のエネルギー需要量の概数および日間総エネルギー需要量の概数からなる数値列を作成し、得た数値列を日々のエネルギー需要パターンとして規定し、同じパターンを有する日同士を集めて複数のパターン・グループにする。第3の工程では、各パターン・グループの外気条件を代表する日を代表日として決定し、代表日のパターンをパターン・グループのパターンとする。第4の工程では、複数個の代表日のパターンによって、システムのエネルギー需要を規定する。
【0019】
次に、得られた前記の算出結果は時刻毎における各機器の最適な出力値であるが、機器自体に運転制御システムがあり、得られた解どおりの出力を行うことができないことから、各機器の最適な出力値を基に当該時刻に各機器を運転するか停止するかの情報(発停情報)を生成する。つまり、各機器の最適な出力値情報から各機器の発停の組み合わせパターン情報(発停パターン)を作成する。
【0020】
なお、上述した特徴的なエネルギー需要は、建物等によって相違するが、一般的に15〜30種類得られることから、発停パターンは一例として(15〜30)×24時間分得られる。ただし、現実的には内容の同じ発停パターンが複数得られる可能性があるため、発停パターンの数は少なくなる。
【0021】
本実施形態では、次に、各発停パターンを複数の属性パラメータの組み合わせからなる設定属性パターンと関連付ける。例えば、前述した特徴的なエネルギー需要を季節、曜日、時刻、時刻帯、最高気温、外気エンタルピ、建物のイベントなどの属性パラメータで分類し、各発停パターンを複数の属性パラメータの組み合わせからなる設定属性パターンと関連付ける。また、得られた発停パターンおよび設定属性パターンをその建物等における最適運転方法の組み合わせとしてデータベース化を行う。ここで、属性パラメータの一例を表1に示し、属性パターンと関連付けられた発停パターンの一例を表2に示す。
【0022】
【表1】

【0023】
【表2】

【0024】
表1、表2では、属性パラメータとして曜日、時刻帯、外気エンタルピの3種を採用し、これらをそれぞれA〜Dの4区分に分類するとともに、これらの属性パラメータの組み合わせからなる設定属性パターンと発停パターンとを関連付けている。例えば、発停パターン1はABCという設定属性パターンと関連付けられ、発停パターン2はAABという設定属性パターンと関連付けられている(発停パターン3〜7も同様)。なお、1つの発停パターンは複数の設定属性パターンと関連付けられる可能性がある。
【0025】
本実施形態では、さらに、エネルギー供給システムの運転時における属性パラメータの組み合わせからなる運転時属性パターンと同一の設定属性パターン(同一と見なせる設定属性パターンを含む)を選択し、この選択した設定属性パターに対応する発停パターンにしたがって各エネルギー供給機器の発停を制御することにより、エネルギー供給システムの最適運転を行う。例えば、運転を実施しようとする該当日の属性パラメータ(例えば、曜日がA:平日、時刻帯がB:8−12時、外気エンタルピがC:30kJ/kg未満という属性パラメータ)を得た後、該当日の属性パラメータの組み合わせからなる運転時属性パターン(ABCという運転時属性パターン)と同一の設定属性パターン(表2のABCという設定属性パターン)をデータベースから検索し、その設定属性パラメータと関連付けられた発停パターン(表2の発停パターン1)を呼び出し、この発停パターンに基づいた機器の運転を実施する。
【0026】
ここで、基本的には時刻毎に発停パターンが変化する可能性があり、制御の応答性や安定性に問題が生じる可能性があることから、発停パターンと関連付ける時刻情報は、午前、午後、夕方、夜間などのような長い時刻帯の情報としてもよい。ただし、発停パターンと関連付ける時刻帯の長さを長くすると、制御性はよくなるが、最適性が損なわれる可能性があるため、上記時刻帯の長さは、エネルギー供給システムの特性(例えば建物等の種類)や発停パターンの数などに応じて適宜選定することが好ましい。具体的には、一定の時刻帯(午前中など)における時刻毎の発停パターンの中で、出現率が多いパターンや最適性が最も得られやすい発停パターンを選択して、その時刻帯の発停パターンとする方法が考えられる。
【0027】
本実施形態による現実的な最適運転方法は、作成した発停パターンを中央監視装置などに予め機器の運転スケジュール機能として登録しておき、データベースから検索によって得られた発停パターンをオペレータが確認し、その発停パターンに対応した機器の運転スケジュールを実施することである。ただし、オペレータは介さなくてもよい。また、中央監視装置に運転スケジュール機能がない場合は、検索によって得られた発停パターンをオペレータが確認し、マニュアルで各機器の発停を制御してもよい。
【0028】
なお、本実施形態では、前述の抽出したエネルギー需要パターンは例えば毎日あるいは所定日数毎に更新することができ、また、発停パターンと設定属性パターンのデータベースも例えば毎日あるいは所定日数毎に更新することができる。また、発電機、燃料電池(コージェネレーション含む)はガバナによる出力制御が可能であるため、発停パターンに出力制御情報を組み込んでもよい。
【実施例】
【0029】
前記実施形態の発停パターンによる運転方法を使用した実験を行った。具体的には、建物を対象に夏季および中間期において最適運転による省エネルギー効果を検証した。また、熱源COPを指標値として運転の最適性や省エネルギー効果を評価した。
【0030】
実施建物の概要は以下の通りである。
1.竣工年:平成11年
2.建物用途:事務所ビル
3.延床面積:47246m(地下3階・地上23階)
4.熱源システム概要
・業務用電力6kV受電
・コージェネレーション×3台(500kW、2543MJ/h)
・ガス焚吸収冷温水発生機×2台(冷房400USRt、暖房3596MJ/h)
・温水焚冷温水冷凍機×1台(冷房360USRt)
・水冷式氷蓄熱×1台(冷房120USRt)
【0031】
最適運転は、図3に示した手順で行った。図3における各機器の最適な出力値の算出では、熱源機器とエネルギー需要および購入エネルギーとで構成した実施建物の熱源システムを図4に示すようにモデル化し、このモデルに混合整数計画法を適用して出力値を算出した。また、算出するためのデータとして各熱源機器のCOPと電力、冷水、給湯の時刻別需要パターンを与える必要があるが、各熱源機器のCOPは中央監視盤で取得しているデータを用いたり、新たに熱源機器を直接計測して求めたりした。一方、エネルギー需要データは、季節毎の各機器の最適な出力値を算出するために、実施建物における季節毎の代表的なエネルギー需要パターンを抽出した。抽出方法は、一日のエネルギー需要量と一日の熱電比が同じと見なせる日を類型化して求めた。
【0032】
図5に、各時刻における本発明による最適運転方法のうち、冷房需要に対する最適運転方法を冷房需要の大きさ順に並び替えたグラフを示す。図5より、冷房需要における最適運転は、氷蓄熱の放熱および温水吸収冷凍機をベース供給熱源として優先的に運転し、冷房需要の増加にともない氷蓄熱の追いかけが運転される。しかし、冷房需要が氷蓄熱の放熱量と温水吸収冷凍機および氷蓄熱の追いかけ能力を超えた場合には、氷蓄熱の追いかけ運転に変わりガス吸収式冷温水機が運転される。
【0033】
ただし、図5の冷房需要が小さい領域においては、ガス吸収式冷温水機や氷蓄熱の追いかけが運転されているが、これは休日など、電力を含めたエネルギー需要が小さい時間帯の運転方法であり、最適運転を実施する平日の業務時間帯ではこのような小さな冷房需要は発生しない。また、電力需要に関しては3台のコージェネレーションシステムが定格運転し、電力の不足分を商用電力が供給するのが最適であるという結果となった。したがって、実施建物の最適運転は冷房供給における発停パターンによる熱源機器の運転方法とした。
【0034】
最適運転は、冷房期における実証を目的として9月および10月に実施した。実証期間中、最適運転を行なったのは8日である。最適運転はオペレータが冷房需要を冷水二次ポンプの戻り温度で判断し、最適運転方法に基づいて冷水需要量に応じた熱源機器の選択と制御を行なった。
【0035】
実施建物の熱源システムはコージェネレーションシステムを含む複合熱源システムであり、冷房供給の運転は電力需要にも影響を与える。したがって、冷房供給の最適運転方法であっても、最適運転の評価は熱源システム全体で行なうのが妥当である。そこで、運転の最適性を判断する基準として、熱源システム全体の成績係数である熱源COPを定義し、判断基準とした。
【0036】
熱源COPは、エネルギー需要量とエネルギー消費量を熱量に換算し、電力および冷房のエネルギー需要をエネルギー消費量である商用電力と都市ガス消費量で除した値で算出した。エネルギー需要の算出においては、電力需要は商用電力とコージェネレーションシステム発電電力の総和とし、冷房需要は各熱源機器が出力した冷水熱量の総和とした。ただし、蓄熱機器の放熱熱量は夜間の電力消費によって製造された冷熱であるため、熱源COPの算出においては冷水需要から差し引いた。式(1)に算出式を示すが、電力の熱量換算原単位は電力需要では3.60MJ/kWh、商用電力は10.26MJ/kWh、都市ガスは46.05MJ/mを用いた。
熱源COP=
(電力需要量+冷房需要量)/(商用電力消費量+都市ガス消費量)…(1)
【0037】
図6に9月1日〜10月31日における各日のエネルギー需要量と熱源COPの推移を示す。ここで、エネルギー需要量は最適運転を実施した12時〜18時までの電力および冷房需要量の総和であり、熱源COPは同様に12時〜18時までの平均値を表している。なお、エネルギー需要の小さな土日曜・祝日のデータは除外している。
【0038】
図6から分かるように、各日のエネルギー需要量は59.1〜117.7GJ/日と大きく変動しているとともに、熱源COPも0.672〜0.431と大きく変動している。また、エネルギー需要の増減とともに熱源COPも増減する傾向が見られるが、これはエネルギー需要が小さくなると補機動力を含めた熱源機器のシステムCOPが小さくなるためであると考えられる。一方、エネルギー需要量が大きくても熱源COPが大きくなっていない日も確認できる。これは、熱源システムの運転方法が適切でなかった日と考えられる。エネルギー需要量と熱源COPの関係を図7に示す。図7より、エネルギー需要量と熱源COPとは高い相関性があることが分かる。
【0039】
最適運転の実施日と非最適運転実施日の9時〜18時における時間毎のエネルギー需要および熱源COPを図8に示す。各時刻においても熱源COPは変動しているが、最適運転を実施した日の熱源COPは最適運転を実施していない日の熱源COPよりも高い値で推移していることが分かる。
【0040】
最適運転である日と最適運転ではない日の熱源COPを層別してエネルギー需要との関係を図9に示す。ただし、エネルギー需要量が80GJ/日以下である日は、冷房需要は氷蓄熱の放熱と温水吸収冷凍機で供給可能であり、最適運転の適用範囲外であるため除外した。図9より、最適運転日の熱源COPが高くなっており、エネルギー需要量が大きくなるほど熱源COPの差が大きくなることがわかる。
【0041】
表3、表4に最適運転日と非最適運転日の平均熱源COPを示す。表3、表4より、最適運転日の平均熱源COPが0.595であるのに対し、非最適運転日の平均熱源COPは0.551であり、最適運転を実施した場合には熱源COPが8%改善していることが分かる。したがって、9月および10月における省エネルギー効果は熱源COPの改善率である8%程度と考えることができる。
【0042】
【表3】

【0043】
【表4】

【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明に係るエネルギー供給システムの運転方法の一実施形態を示す概念図である。
【図2】同実施形態のフローチャートである。
【図3】最適運転の手順の一例を示す工程図である。
【図4】建物熱源システムの解析モデルの一例を示すブロック図である。
【図5】冷房需要に対する最適運転方法を冷房需要の大きさ順に並び替えたグラフである。
【図6】エネルギー需要量と熱源COPの推移を示すグラフである。
【図7】エネルギー需要量と熱源COPの関係を示すグラフである。
【図8】最適運転の実施日と非最適運転実施日における時間毎のエネルギー需要および熱源COPを示すグラフである。
【図9】最適運転である日と最適運転ではない日の熱源COPを層別してエネルギー需要との関係を示すグラフである。
【図10】建物のエネルギー供給システムの一例を示す概念図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のエネルギー供給機器を備えたエネルギー供給システムの運転方法であって、ある時刻において各エネルギー供給機器を運転するか停止するかの情報の組み合わせからなる発停パターンを複数作成し、各発停パターンを属性パラメータの組み合わせからなる設定属性パターンと関連付けるとともに、エネルギー供給システムの運転時における属性パラメータの組み合わせからなる運転時属性パターンと同一の設定属性パターンを選択し、この選択した設定属性パターンに対応する発停パターンにしたがって各エネルギー供給機器の発停を制御することを特徴とするエネルギー供給システムの運転方法。
【請求項2】
発停パターンを作成するに当たり、過去のエネルギー需要データに基づいて各エネルギー供給機器のある時刻における最適な出力値を求め、この最適な出力値に基づいて、ある時刻において各エネルギー供給機器を運転するか停止するかの前記情報を作成することを特徴とする請求項1に記載のエネルギー供給システムの運転方法。
【請求項3】
発停パターンを設定属性パターンとともにデータベースとして蓄積し、運転時属性パターンを検索情報として前記データベースの検索を行うことにより、運転時属性パターンと同一の設定属性パターンを選択し、この選択した設定属性パターンに対応する発停パターンにしたがって各エネルギー供給機器の発停を制御することを特徴とする請求項1または2に記載のエネルギー供給システムの運転方法。
【請求項4】
前記データベースの更新を逐次または随時行うことを特徴とする請求項3に記載のエネルギー供給システムの運転方法。
【請求項5】
前記発停パターンにしたがって各エネルギー供給機器の発停を制御する運転方法による最適性の指標値として、熱源システムのCOP、エネルギー需要当たりのエネルギー費用、またはエネルギー需要当たりのCO排出量を用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のエネルギー供給システムの運転方法。
【請求項6】
発停パターンと関連付ける時刻帯の長さを、エネルギー供給システムの特性および/または発停パターンの数に基づいて選定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のエネルギー供給システムの運転方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−85252(P2006−85252A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−266877(P2004−266877)
【出願日】平成16年9月14日(2004.9.14)
【出願人】(501436861)株式会社イーアンドイープラニング (12)
【Fターム(参考)】