説明

エポキシ化合物とアミノシランのコポリマーによって処理される改善された湿潤強度を持つ布

本発明は、e)少なくとも二つのオキシランもしくはオキセタン基を含有するオキシランもしくはオキセタン化合物とf)式:N(H)(R)RSi(OR3−a−b−c(OR(RSi(OR(R〔式中、Rは、H、または1から20個の炭素からなる、一価のもしくは二価の、直鎖もしくは分岐の炭化水素ラジカルからなる群より選択され;RおよびRは、酸素、または1から60個の炭素からなる、二価の、直鎖のもしくは分岐の炭化水素ラジカルからなる群より独立して選択され;Rは3から200個の炭素原子を含有する炭化水素ラジカルであり;R、R、RおよびRはそれぞれ、1から200個の炭素原子を持つ一価の、直鎖のもしくは分岐の炭化水素ラジカルからなる群より独立して選択され;下付文字bはゼロもしくは正の数字であり、そして0から3の範囲の値を持ち;下付文字aおよびcはゼロもしくは正であり、そして0から3の範囲の値を持ち、ただし(a+b+c)≦3という限定に従い;下付文字dおよびeはゼロもしくは正であり、そして0から3の範囲の値を持ち、ただし(d+e)≦3という限定に従う〕を持つアミノ酸物との反応産物によって処理された布を提供し、ここで処理された布は改善された湿潤強度を持つ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連する出願への相互参照
本出願は2007年11月2日に出願された米国仮特許出願連続番号60/984,753への優先権を主張する。
【0002】
本発明の分野
本発明は、改善された湿潤強度を持つ布(textile)を提供するエポキシ化合物とアミノシランとの反応産物として形成されるコポリマーによって処理される新規の布に関する。
【背景技術】
【0003】
米国特許4,062,999Aは、布繊維をアミノ官能性シランとエポキシ官能性シリコーンとの混合物によって処理するプロセスを記載する。反応していない混合物が繊維へと塗布され、そしてオーブン中で熱処理される。
【0004】
米国特許4,359,545Aは、アミノ官能性シリコーンとエポキシ官能性シリコーンとを布表面で反応させるプロセスを記載する。混合物が布へと塗布され、そしてオーブン中で熱処理される。
【0005】
米国特許5,384,340は、湿気硬化性もしくは光硬化性のコートシステムの使用を記載する。プロセスは、エポキシもしくはメタクリル官能性シランと過剰のアミノ官能性シリコーンとを最初に反応させることを含む。残った反応していないアミノ基はその後にエポキシもしくはイソシアノ官能性ビニル含有分子と反応する。生じる物質は湿気硬化性のアルコキシシラン基とフリーラジカル硬化性ビニル基との両方を含有する。
【0006】
欧州特許1,116,813A1は、エポキシおよびグリコール官能性を持つシロキサン、ならびにアミノシランもしくはシリコーン第四級アンモニウム化合物のいずれか一方を含有する布処理組成物を記載する。好ましくは、組成物は水性のエマルションとして配合される。エマルションは布表面へと塗布され、混合物を硬化させるための熱処理が後に続く。
【0007】
米国特許5,102,930Aは、例えばウールのようなケラチンの繊維を含有する繊維物質の仕上げに好適なシリコーン系の繊維仕上げ剤を記載する。繊維仕上げ剤は、アミノ官能性アルコキシシランもしくはそれらの加水分解産物と無水のエポキシ官能性アルコキシシランおよび硬化触媒との反応産物とコロイド状シリカの混合物と、ヒドロキシ含有オルガノポリシロキサンを混合した水性エマルションである。
【0008】
米国特許6,475,568B1は、シランもしくは反応基を含有しない、非架橋性シリコーンポリエーテルの非(AB)nである物質の合成を記載する。改良されたシリコーンは様々な物理特性を示し得る。ポリマーを、有機置換基の性質に基づいて、親水性、脂溶性および疎水性へと改良できる。近年、直鎖の交互コポリマーおよび直鎖ランダムコポリマーが、アルキルもしくはポリエーテルならびにポリジメチルシロキサン単位を用いて製造されている。これらの物質は、パーソナルケア(ヘアコンディショナー、スキンケアおよびカラー化粧品)、布処理、硬表面改良剤、農業補助剤などを含むさまざまな用途を示す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
残念ながらこれらの物質は液体であり、表面に塗布されるとき、特に湿潤において、限定された堅牢性を示す。すなわち、上述の技術において記載される物質によって処理される不織布は、限定された堅牢性を示すだけでなく、それが塗布される布へ優れた湿潤強度をもたらす。本発明の主題はこれらの欠点を克服し、そして改善された湿潤強度を持つ不織布をもたらすことであり、以下の章により詳細に記載される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は組成物および組成物によって処理される布を提供し、組成物は
a)少なくとも二つのオキシランもしくはオキセタン基を含有するオキシランもしくはオキセタン化合物と
b)式:N(H)(R)RSi(OR3−a−b−c(OR(RSi(OR(R
〔式中、Rは、H、または1から20個の炭素原子からなる、一価の炭化水素ラジカルからなる群より選択され;
は、1から60個の炭素からなる、二価の、直鎖のもしくは分岐の炭化水素ラジカルからなる群より選択され;
は3から200個の炭素原子を含有する炭化水素ラジカルであり;
は、酸素、または1から60個の炭素からなる、二価の、直鎖のもしくは分岐の炭化水素ラジカルからなる群より選択され;
、R、RおよびRはそれぞれ、1から200個の炭素原子を持つ一価の、直鎖のもしくは分岐の炭化水素ラジカルからなる群より独立して選択され;
下付文字bはゼロもしくは正の数字であり、そして0から3の範囲の値を持ち;
下付文字aおよびcはゼロもしくは正であり、そして0から3の範囲の値を持ち、ただし(a+b+c)≦3という限定に従い;
下付文字dおよびeはゼロもしくは正であり、そして0から3の範囲の値を持ち、ただし(d+e)≦3という限定に従う〕を持つアミノシランとの反応産物を含有し、ここで組成物によって処理された布は改善された湿潤強度を持つ。
【発明の効果】
【0011】
特に、本発明は、ティッシュペーパーのようなセルロース繊維からなる、ここに記載される組成物によってコートされる不織布を志向する。本発明の一つの目的は、乾燥状態においてきわめて強く、そして水に浸される際にもその強さを失わない処理された不織布を提供することである。すなわち、目的は、熱、物理的もしくは化学的方法によって共に結合した、本発明の組成物の少なくとも一つによって改善された湿潤強度を持つようにコートされるセルロース、ポリエステル、ポリプロピレンおよびナイロンより一般に製造されるティッシュペーパー、医療用ガウン、床の敷物、布、おむつ裏地および他の不織布を提供することである。
【0012】
本発明の他の目的は、本発明の組成物の恩恵を求めて、ティッシュペーパーのような不織布の堅牢な処理を作成するための簡単な方法を提供することである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、
a)少なくとも二つのオキシランもしくはオキセタン基を含有するオキシランもしくはオキセタン化合物と
b)式:N(H)(R)RSi(OR3−a−b−c(OR(RSi(OR(R
〔式中、Rは、H、または1から20個の炭素原子を含有する、一価の炭化水素ラジカルからなる群より選択され;
は、1から60個の炭素からなる、二価の、直鎖のもしくは分岐の炭化水素ラジカルからなる群より選択され;
は3から200個の炭素原子を含有する炭化水素ラジカルであり;
は、酸素、または1から60個の炭素からなる、二価の、直鎖のもしくは分岐の炭化水素ラジカルからなる群より選択され;
、R、RおよびRはそれぞれ、1から200個の炭素原子を持つ一価の、直鎖のもしくは分岐の炭化水素ラジカルからなる群より独立して選択され;
下付文字bはゼロもしくは正の数字であり、そして0から3の範囲の値を持ち;
下付文字aおよびcはゼロもしくは正であり、そして0から3の範囲の値を持ち、ただし(a+b+c)≦3という限定に従い;
下付文字dおよびeはゼロもしくは正であり、そして0から3の範囲の値を持ち、ただし(d+e)≦3という限定に従う〕を持つアミノシランとの反応産物を含有する組成物によって処理される、改善された湿潤強度を持つ布を提供する。
【0014】
本発明は、オキシランもしくはオキセタン化合物がシロキサン、炭化水素およびポリエーテルからなる群より選択されるような反応産物組成物によって処理された不織布をさらに提供し、特にここでオキシランもしくはオキセタン化合物が式:
PEPEPE
〔式中、
M=R1011SiO1/2
=R1213HSiO1/2
PE=R1213(−CHCH(R14)(R15O(R16(CO)(CO)(CO)17)SiO1/2
=R1213(R)SiO1/2
D=R1819SiO2/2
=R20HSiO2/2
PE=R20(−CHCH(R14)(R15O(R16(CO)(CO)(CO)17)SiO2/2
=R20SiO2/2
T=R21SiO3/2
=HSiO3/2
PE=(−CHCH(R14)(R15O(R16(CO)(CO)(CO)17)SiO3/2
=RSiO3/2;および
Q=SiO4/2
であり、ここでR、R10、R11、R12、R13、R18、R19、R20およびR21はそれぞれ独立して1から60個の炭素原子を持つ一価の炭化水素ラジカルの群より選択され;
14はHまたは1から6個の炭素原子のアルキル基であり;
15は1から6個の炭素の二価のアルキルラジカルであり;
16は、−CO−、−CO−および−CO−からなる二価のラジカルの群より選択され;
17は、H、1から6個の炭素の単官能性の炭化水素ラジカルもしくはアセチルであり;
は、独立して、オキシランもしくはオキセタン部分の一つもしくはそれ以上を含有する1から60個の炭素原子を持つ一価の炭化水素ラジカルであり;
下付文字fはゼロもしくは正であり、下付文字fがゼロであるときhが正である必要があるという制限に従い;
下付文字hはゼロもしくは正であり、hがゼロであるとき、下付文字fが正である必要があるという制限に従い、そして下付文字h、lおよびpの合計はは正であるという制限に従い;
下付文字kはゼロもしくは正であり、そして約0から約1,000の範囲の値を持ち;
下付文字lはゼロもしくは正であり、そして約0から約400の範囲の値を持ち、下付文字h、lおよびpの合計が正であるという制限に従い;
下付文字oはゼロもしくは正であり、そして0から約50の範囲の値を持ち;
下付文字pはゼロもしくは正であり、そして0から約30の範囲の値を持ち、下付文字h、lおよびpの合計は正であるという制限に従い;
下付文字sはゼロもしくは正であり、そして0から約20の範囲の値を持ち;
下付文字iはゼロもしくは正であり、そして0から約20の範囲の値を持ち;
下付文字mはゼロもしくは正であり、そして0から約200の範囲の値を持ち;
下付文字qはゼロもしくは正であり、そして0から約30の範囲の値を持ち;
下付文字jはゼロもしくは正であり、そして0から約2の範囲の値を持ち;
下付文字nはゼロもしくは正であり、そして0から約20の範囲の値を持ち;
下付文字rはゼロもしくは正であり、そして0から約30の範囲の値を持ち;
下付文字tはゼロもしくは1であり;
下付文字uはゼロもしくは1であり;
下付文字vはゼロもしくは正であり、0から約100の範囲の値を持ち、(v+w+x)>0という制限に従い;
下付文字wはゼロもしくは正であり、そして0から約100の範囲の値を持ち、(v+w+x)>0という制限に従い;
下付文字xはゼロもしくは正であり、そして0から約100の範囲の値を持ち、(v+w+x)>0という制限に従う〕を持つシロキサンであるか、または代替的にここでオキシランもしくはオキセタン化合物は式:
22(R23(R24α)(R25β
〔式中、R22およびR25は、独立して、オキシランもしくはオキセタン部分の一つもしくはそれ以上を含有する3から12個の炭素原子を持つ一価の炭化水素ラジカルであり;
23およびR24は、H、または1から200個の炭素の、直鎖のもしくは分岐の、一価の炭化水素ラジカルからなる群よりそれぞれ選択され;
下付文字y、z、α、βはゼロもしくは正であり、ゼロから4の範囲であり、(y+β)>2という制限に従う〕を持つ炭化水素であるか、または代替的にここでオキシランもしくはオキセタン化合物は式:
26O(R27γ(CO)δ(CO)ε(CO)ζ28
〔式中、R26およびR28は、独立して、オキシランもしくはオキセタン部分の一つもしくはそれ以上を含有する3から12個の炭素原子を持つ一価の炭化水素ラジカルであり;
27は、−CO−、−CO−および−CO−からなる二価のラジカルの群より選択され;
下付文字γはゼロもしくは1であり;
下付文字δはゼロもしくは正であり、そして0から約100の範囲の値を持ち、(δ+ε+ζ)>0という制限に従い;
下付文字εはゼロもしくは正であり、そして0から約100の値の範囲を持ち、(δ+ε+ζ)>0という制限に従い;
下付文字ζはゼロもしくは正であり、そして0から約100の値の範囲を持ち、(δ+ε+ζ)>0という制限に従う〕を持つポリエーテルである。
【0015】
本発明はまた、
式:
29(R30κSi(OR313−η−θ(R32η(OR33θ
〔式中、R29は、オキシランもしくはオキセタン部分の一つもしくはそれ以上を含有する3から12個の炭素原子を持つ一価の炭化水素ラジカルであり;
30は、1から60個の炭素からなる二価の炭化水素ラジカルであり、そして下付文字κはゼロもしくは1の値を持ち;
31およびR32は、独立して、1から60個の炭素原子を持つ、一価の、直鎖もしくは分岐の炭化水素ラジカルの群より選択され;
下付文字ηはゼロもしくは正であり、そして0から3の範囲の値を持ち;
下付文字θは0よりも大きく、そして3より小さいかもしくは3と等しく、3−η−θはゼロより大きいかもしくはゼロと等しいという条件に従い;
33は3から200個の炭素原子を含有する炭化水素ラジカルである〕を持つ化合物の反応産物をさらに含有する、エポキシ化合物およびアミノシランの反応産物によって処理された改善された湿潤強度を持つ布を提供する。
【0016】
ここで用いられるとき、炭化水素ラジカルという表現は、特に窒素、酸素および硫黄であるヘテロ原子によって任意選択で置換されていても良いか、オキシラン及びオキセタン基のような環状構造を任意選択で含有してもいて良い、炭化水素ラジカルを含む。
【0017】
好ましい実施態様
好ましい実施態様は、オキシランもしくはオキセタン化合物をアミノ含有化合物と反応させて製造した少なくとも一つの組成物によって処理された布を含み、ここでオキシランもしくはエポキシ基のアミノ基に対するモル比は、好ましくは約1から約4であり、より好ましくは約1.1よりも大きくそして約3.9よりも小さく、そしてもっとも好ましくは約1.2よりも大きく、そして約3.8よりも小さい。Rは好ましくは1から約10の炭素原子もしくは水素の、より好ましくは1から約5の炭素原子もしくは水素の一価の炭化水素ラジカルであり、もっとも好ましくはRはHである。Rは好ましくは1から約10の炭素原子の、より好ましくは2から約8の炭素原子の、そしてもっとも好ましくは3から約5の炭素原子の一価の炭化水素ラジカルである。Rは好ましくは3から約10の炭素原子の、より好ましくは3から約8の炭素原子の、もっとも好ましくは3から約5の炭素原子の一価の炭化水素ラジカルである。R、R、RおよびRはそれぞれ好ましくは1から約20の炭素原子の、より好ましくは1から約15の炭素原子の、そしてもっとも好ましくは2から約8の炭素原子の一価の炭化水素ラジカルである。下付文字aは0から約3の、好ましくは約1から約3の、より好ましくは約2から約3の、もっとも好ましくは0から約1の範囲にある。下付文字bは0から約25の、より好ましくは0から約15の範囲にあり、そしてもっとも好ましくは3である。下付文字cは0から約3の、より好ましくは0から約2の、そしてもっとも好ましくは0から約1の範囲にある。R、R10、R11、R12、R13、R18、R19、R20およびR21はそれぞれ、好ましくは1から約4の炭素原子の、より好ましくは1から約3の炭素原子の、そしてもっとも好ましくは1の炭素原子の一価の炭化水素ラジカルである。下付文字f、l、m、n、o、p、q、r、sはそれぞれ0から約200の、より好ましくは0から約100の、そしてもっとも好ましくは0から約50の範囲である。下付文字kは、0から約500の、より好ましくは5から約250の、そしてもっとも好ましくは5から約150の範囲にある。下付文字v、wおよびxはそれぞれ、0から約50の、より好ましくは0から約35の、そしてもっとも好ましくは0から約25の範囲にある。R23およびR24はそれぞれ、好ましくは5から約100の炭素原子の、より好ましくは10から約500の炭素原子の、そしてもっとも好ましくは10から約300の炭素原子の一価の炭化水素ラジカルである。下付文字δ、ε、ζは0から約50の、より好ましくは0から約30の、そしてもっとも好ましくは0から約15の範囲にある。R31およびR32はそれぞれ、好ましくは1から約10の炭素原子の、より好ましくは1から約8の炭素原子の、そしてもっとも好ましくは1から約4の炭素原子の一価の炭化水素ラジカルである。R33は、好ましくは3から約100の炭素原子の、より好ましくは3から約50の炭素原子の、もっとも好ましくは3から約10の炭素原子の一価の炭化水素ラジカルである。
【0018】
最初に接触するか、その場(in situ)で形成されるか、混ぜられるか、または一つもしくはそれ以上の物質、成分もしくは含有物と混合される直前の、本開示による物質、成分もしくは含有物について述べる。反応産物、生じる混合物などとして認識される物質、成分もしくは含有物は、当業者(例えば化学者)の一般常識と通常の技能と本開示に沿って実施されるなら、接触、その場での形成、混ぜることもしくは混合操作の過程における化学反応もしくは転換を通じて、固有性、特性もしくは性質を得る。化学反応物もしくは開始物質から化学産物もしくは最終物質への転換は、それが起こる速さに依存せずに連続して起こるプロセスである。従って、そのような転換プロセスが起こっている際、開始及び最終物質の混合ならびに中間体種が存在し、それは、それらの動的な寿命、当業者に公知の現在の分析技法を用いる検出の容易さもしくは困難さに依存する。
【0019】
明細書もしくはその請求項において化学名もしくは式によって言及される、単数もしくは複数として述べられる反応物および化合物は、化学名もしくは化学型によって言及される他の物質(たとえば他の反応物もしくは溶媒)との接触する前に存在するとして認識される。生じる混合物、溶液反応媒体において起こる、初期のおよび/もしくは過渡的な化学変化、転換または反応は、もし起こるなら、中間体種、マスターバッチなどとして認識され、反応産物もしくは最終物質の実用性とは異なる実用性を持つ。他の続いて起こる変化、転換もしくは反応は、特定の反応物および/もしくは化合物を一緒に本開示に従うとされる条件へと持ち込まれることによって生じる。それらの他の続いて起こる変化、転換もしくは反応において、一緒に持ち込まれる反応物、含有物もしくは成分は反応産物もしくは最終物質を識別するかまたは反応産物もしくは最終物質を示す。
【0020】
開始物質の反応産物としての本発明の不織布をコートするのに用いられる組成物/エマルションを記載するに際して、引用される開始種に対して言及され、そして追加の物質が合成前駆体の開始混合物へと添加されることは注目すべきである。それらの添加物質は反応性もしくは非反応性であってよい。本発明の特徴は、反応産物が少なくとも開示されるように列挙される成分の反応により得られるということである。非反応性の成分は、希釈物として反応混合物へと添加されても良いし、反応産物として調製される組成物の性質と関連しない追加的な性質を授けるために添加されても良い。このように、例えば顔料のような非反応性の成分を追加的に含有する反応産物の組成物を産生するための前、最中、もしくは後に、たとえば、顔料のような細かく微粉化した固体を反応混合物へと分散しても良い。追加の反応性の成分もまた添加しても良く、そのような成分は最初の反応物と反応するか、またはそれらは反応産物と反応してもよい。「反応産物」という表現は、それらの可能性ならびに非反応性成分の添加を含むことを意図されている。
【0021】
任意選択で、成分Aと成分Bの反応は、反応性アルコキシシラン部分を持っているかもしくは持っていない第一級もしくは第二級アミンの存在下で実施できる。結果はA、Bならびに第一級もしくは第二級アミンの反応産物となるであろう。それらの第一級アミンの例は;メチルアミン、エチルアミン、プロピレンアミン、エタノールアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、ヘキシルアミン、ドデシルアミン、オレイルアミン、アニリンアミノプロピルトリメチルシラン、アミノプロピルトリエチルシラン、アミノモルホリン、アミノプロピルジエチルアミンベンジルアミン、ナフチルアミン3−アミノ−9−エチルカルバゾール、1−アミノヘプタフロロヘキサン、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロ−1−オクタンアミンなどである。第二級アミンの例は;メチルエチルアミン、メチルオクタデシルアミン、ジエタノールアミン、ジベンジルアミン、ジヘキシルアミンジシクロヘキシルアミン、ピペリジン、ピロリジンフタルイミドなどである。ポリマーアミンもまたそのように用いられ得る。
【0022】
本発明の実施態様の適用
A、すなわち分子当たり二つもしくはそれ以上のオキシランもしくはオキセタンを含有するオキシランもしくはオキシタン化合物と、B、すなわちアミノシランとの反応による産物は、改善された湿潤強度及び柔軟性のような布の所望の性質を向上させるために不織布の処理に用いることの出来る、ポリマー鎖へと共有結合するアルコキシシラン官能性部分を含有するポリマーをもたらす。それらのアルコキシシラン基は特に加水分解によって活性化され、架橋ネットワークを導くさらなる反応を起こす。シランの架橋のメカニズムは通常2ステップのプロセスである。第一のステップは通常シラノールを形成するアルコキシシランの加水分解を含む。第二のステップはそれ自身で作られるシラノール基の縮合もしくは他の反応性有機基との縮合を含む。二つのシラノール基の間の反応は熱的に安定なシロキサン結合を導く。シラノール基はまた、アルコール、カルボン酸、アミン、メルカプタンおよびケトン(他の反応性基)のような有機部分と可逆的に縮合し得る。形成される結合はシロキサン結合よりも安定性が低い。しかしながら架橋ネットワークが形成されると逆反応は大幅に減少するかもしくは止まりさえもする。
【0023】
本発明の組成物を、ティッシュペーパー、紙などのような不織布の処理のために、純粋な成分、混合物もしくはエマルションとして利用できる。一般的に知られるように、エマルションは一つが連続性で他のものが非連続性の少なくとも二つの不混和な層を含有する。さらにエマルションは、さまざまな粘度の液体もしくは気体または固体であり得る。さらにエマルションの粒径はそれをマイクロエマルションにも出来、十分に小さいとき、マイクロエマルションは透明にもなり得る。さらもエマルションのエマルションを作成することも可能であり、そしてそれらは多重エマルションとして一般に知られている。これらのエマルションは:
1)不連続相が水を含有し、そして連続相が本発明の組成物を含有する水性エマルション;
2)不連続相が本発明の組成物を含有し、そして連続相が水を含有する水性エマルション;
3)不連続相が非水性ヒドロキシ溶媒を含有し、そして連続相が本発明の組成物を含有する非水性エマルション;そして、
4)連続相が非水性ヒドロキシ有機溶媒を含有し、そして不連続相が本発明の組成物を含有する非水性エマルション、
のようであろう。
【0024】
成分Aと成分Bの選択によって、生じる反応産物の親水性もしくは脂溶性の性質を変化させ得る。従って、上述の成分AとBによってコートされる布もまた、それらの成分の改善された親水性もしくは脂溶性の性質を持ち得る。このように、親水性と脂溶性のバランスによって、生じる反応産物は極性の水もしくはヒドロキシ溶媒に可溶性であり得るか、またはオイル、低分子量シロキサンもしくはシリコーンなどの非極性の溶媒において可溶性であり得る。
【0025】
それらが布上へと一度コートされると、布はまた同じ性質を持つ。すなわち、生じる反応産物の親水性と脂溶性のバランスは、反応産物の親水性と脂溶性のバランスに応じて、それらが塗布される処理された布へと異なった性質を授ける。たとえば、より親水性の反応産物は、布のような製造品の表面の一つもしくはそれ以上に親水性の性質を授けるであろう。逆により脂溶性の反応産物は、布のような製造品の表面の一つもしくはそれ以上に脂溶性の性質を授けるであろう。これらの親水性もしくは脂溶性の性質は標準的なテストにより容易に測定される。ここで用いられるとき、単語、布は、天然繊維および人造繊維より織られた布および不織の布の両方へと拡大される。このように、本発明の反応産物による織られた布および不織の布の処理は、標準的なテストによって測定されるように処理される布の親水性もしくは疎水性のいずれかを向上させて、処理された布の水への改善された反応性をもたらす。
【0026】
親水性の性質のテスト
本発明の反応産物の不織布への塗布および硬化に際して、AATCCテスト方法79−1995によって測定されると隣接する処理されない不織布への浸透時間が300秒以上を示すように、物質をコートする反応産物が移動しない。
【0027】
本発明の反応産物の不織布への塗布および硬化に際して、生じる処理された不織布は、Inda Standard Test IST 80.4が実施されると、0.5cm未満の、より好ましくは0.4cm未満の、そしてもっとも好ましくは0.1cm未満の水の高さを示す。
【0028】
本発明の反応産物の不織布への塗布および硬化に際して、生じる処理された物質は、Edana Strike Through Time 150.3−96が実施されると、100秒未満の、より好ましくは50秒未満の、そしてもっとも好ましくは10秒未満の浸透時間を示した。
【0029】
本発明の反応産物の布への塗布および硬化に際して、処理された布はAATCCテスト方法79−1992が実施されるとき、50秒未満の、より好ましくは30秒未満の、そしてもっとも好ましくは20秒未満の湿潤(Wet−out)時間を示した。
【0030】
本発明の反応産物の布への塗布および硬化に際して、処理された布は、ASTM D−5237テストプロトコールが実施されるとき、10mm以上の、より好ましくは12mm以上の、そしてもっとも好ましくは15mm以上のウィッキング(Wicking)値を示した。
【0031】
脂溶性の性質のテスト
本発明の反応産物の不織布への塗布および硬化に際して、AATCCテスト方法79−1995に記載されるように測定されると300秒以上の隣接する処理されない不織布への浸透時間であるように、コートは移動しない。
【0032】
本発明の反応産物の不織布への塗布および硬化に際して、処理された物質はInda Standard Test IST 80.4が実施されるとき、1.0cm以上の、より好ましくは1.2cm以上の、そしてもっとも好ましくは1.5cm以上の水の高さを示す。
【0033】
本発明の反応産物の不織布への塗布および硬化に際して、不織布は、Edana Strike Through Time 150.3−96が実施されると、300秒以上の、より好ましくは350秒以上の、そしてもっとも好ましくは400秒以上の浸透時間を示した。
【0034】
本発明の反応産物の布への塗布および硬化に際して、処理された布はAATCCテスト方法79−1992が実施されるとき、50秒以上の、より好ましくは100秒以上の、そしてもっとも好ましくは200秒以上の湿潤(Wet−out)時間を示した。
【0035】
本発明の反応産物の布への塗布および硬化に際して、処理された布は、ASTM D−5237テストプロトコールが実施されるとき、10mm未満の、より好ましくは5mm未満の、そしてもっとも好ましくは2mm未満のウィッキング(Wicking)値を示した。
【0036】
本発明の反応産物の布への塗布および硬化に際して、処理された布は、AATCCテスト方法22−1989が実施されるとき、5回の洗剤洗浄の後の50以上の評価値、より好ましくは10回の洗浄の後の50以上の評価値、そしてもっとも好ましくは20回の洗浄の後の50以上の評価値を示す。
【0037】
湿潤強度のテスト
処理された物質もしくは処理されない物質の湿潤強度は、Thwing Albert Tissue Burst Tester(EJA Vantage Series)を用いて測定できる。少なくとも10.2センチメートル×12.7 センチメートル(4インチ×5インチ)のサイズのサンプルがこのテストに必要とされる。ティッシュペーパーの層が、ティッシュペーパーの二つの短い寸法で手によって持たれ、ティッシュペーパーの中央部分を脱イオン水の容器で5秒間ちょっと浸すかもしくは、それが完全に浸されるまで浸されるかのいずれかのより早い方にされる。そのティッシュペーパーはその後取り出され、過剰な水は搾り取られ、Burst testerのクランプ間に配置される。調節できる速度を持つ移動するクロスヘッドは60cm/sの速さでセットできた。一度始動すると、その装置は、湿潤状態のティッシュペーパー/紙の層を裂くのに必要な最大負荷を測定するのに用いられる。
【0038】
本発明の反応産物の不織のセルロース系基質への塗布および硬化に際して、処理された基質は、上述の方法によって測定されるとき、少なくとも20%、より好ましく200%以上の、そしてもっとも好ましくは1500%以上の湿潤強度における向上を示す。
【0039】
柔軟性のパネルテスト
ティッシュペーパーのような布の柔軟性を測定するのに柔軟性のパネルテスト(Panel Softness Test)を用いることが出来る。柔軟性を測定する前に、ティッシュペーパーのサンプルは少なくとも1週間、標準大気条件にて保管された。保管中の温度を約22〜25℃に、相対湿度を約60〜70%に調節した。対照を含む全てのサンプルは同一の保管条件に置かれた。処理されたティッシュペーパーのサンプルおよび対照は柔軟性の主観的なテストによって評価された。これは評価のためのティッシュペーパーのペアを提示された柔軟性の判定者のパネルを用いて達成された。それぞれのペアは正確にAおよびBとラベルされ、ここでAおよびBは処理されたティッシュペーパーおよび処理されていないティッシュペーパーのためにランダムに選択されたラベルであり、xはそれぞれの布に対する固有の数字コードであった。判定者は、彼らの手によって柔軟性を測定するときには彼らの目をつぶるようすすめられた。それぞれのペアに対して、判定者はA対Bの柔軟性の評価をたずねられた。結果は集められ、投票集計され、布の柔軟性ファクターとなる。平均柔軟性ファクターは以下の方程式を用いて得られる:
柔軟性格付け=(処理されたティッシュペーパーの総格付け − 処理されていないティッシュペーパーの総格付け)/サンプルの数。
【0040】
本発明の反応産物の不織のセルロース系基質への塗布および硬化に際して、処理された基質は、上述の方法によって測定されるとき、1〜2の、より好ましくは2〜3の、そしてもっとも好ましくは3〜4の格付けの柔軟性を示す。0は非処理の基質の格付けであり、格付けが高くなると基質の柔軟性がより高くなる。
【0041】
水吸収
水の吸収は、約2秒から約30秒まで脱イオン水を含有する容器へと浸したときの乾燥ティッシュペーパーの層による水の吸収量を測定することによって測定される。浸す時間は布の湿潤の容易さと正比例する。布を水から取り出した後、布からの表面の水は拭い取られ、布は湿潤重量を得るために計測された。
【0042】
本発明の反応産物の不織のセルロース系基質への塗布および硬化に際して、処理された基質は、上述の方法によって測定されるとき、基質のg当たり少なくとも2gの、より好ましくは基質のg当たり3〜5gの、そしてもっとも好ましくはは基質のg当たり5g以上の水吸収値を示す。
【0043】
水の吸収性
水の吸収性は標準的なTAPPI T432テスト方法によって測定された。10μlの脱イオン水の水滴は布上に置かれた。水滴が布に吸収されるのに必要な時間が、処理された布および処理されていない布の両方のために測定された。
【0044】
親水性について、本発明の反応産物の不織のセルロース系基質への塗布および硬化に際して、処理された基質は、上述の方法によって測定されるとき、少なくとも80秒の、より好ましくは15〜35秒の、そしてもっとも好ましくは15秒未満の水吸収性値を示した。
【0045】
疎水性について、本発明の反応産物の不織のセルロース系基質への塗布および硬化に際して、処理された基質は、上述の方法によって測定されるとき、100秒以上の、より好ましくは200秒以上の、そしてもっとも好ましくは500〜1000秒の水吸収性値を示した。
【0046】
共界面活性剤
ここで有用な共界面活性剤は、非イオン性、カチオン性、アニオン性、両性、両性イオン性、ポリマーの界面活性剤もしくはそれらの任意の組み合わせを含む。界面活性剤は典型的には、炭化水素系、シリコーン系もしくはフッ化炭素系である。
【0047】
さらに、参照によりここに組み入れる米国特許第5,558,806号に記載されるような超拡散と緩衝しないような短鎖疎水性物質を持つような他の共界面活性剤もまた有用である。また、上述の組成物は、塩化アルキル、ヨウ化アルキルおよび臭化アルキル類似体、ならびにHCL、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸などとの酸性対としても有用である。当業者なら、溶解性を向上させ、そして非イオン性およびアニオン性共界面活性剤との相互作用する可能性の潜在性をもたらす四級化の利点を理解するであろう。
【0048】
有用な界面活性剤は、アルコキシラート、特にエトキシラートであって、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドおよびそれらの混合物を含むブロックコポリマーを含有するもの;アルキルアリールアルコキシラート、特にエトキシラートもしくはプロポキシラートならびにそれらの誘導体であって、アルキルフェノールエトキシラートを含むもの;アリールアリールアルコキシラート、特にエトキシラートもしくはプロポキシラートならびにそれらの誘導体;アミンアルコキシラート、特にアミンエトキシラート;脂肪酸アルコキシラート;脂肪アルコールアルコキシラート;アルキルスルホナート;アルキルベンゼンおよびアルキルナフタレンスルホナート;硫酸化脂肪アルコール、アミンもしくは酸アミド;イセチオン酸ナトリウムの酸エステル;スルホコハク酸ナトリウムのエステル;硫酸化もしくはスルホン酸化脂肪酸エステル;石油スルホナート;N−アシルサルコシン;アルキルポリグリコシド;アルキルエトキシ化アミンなどを含む。
【0049】
具体例は、アルキルアセチレンジオール(SURFONYL−Air Products)、ピリロドン系界面活性剤(例えばSURFADONE−LP100−ISP)、2−エチルヘキシルサルファート、イソデシルアルコールエトキシラート(例えばRHODASURF DA 530−Rhodia)、エチレンジアミンアルコキシラート(TETRONICS−BASF)、エチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマー(PLURONICS−BASF)、ジェミニ型界面活性剤(Rhodia)およびジフェニルエーテルジェミニ型界面活性剤(例えばDOWFAX−Dow Chemical)を含む。
【0050】
好ましい界面活性剤は、エチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマー(EO/PO);アミンエトキシラート;アルキルポリグリコシド;オキソトリデシルアルコールエトキシラートなどを含む。
【0051】
コート
典型的なコート配合物は、乳化、成分の相溶化、平滑化、流れおよび表面欠陥の減少の目的のために湿潤剤もしくは界面活性剤を必要とする。さらに、それらの添加剤は、硬化したもしくは乾燥したフィルムに、耐摩耗性、ブロッキング防止、カイゼンされた湿潤強度の親水性の性質、および疎水性の性質のような改善をもたらす。コート配合物は溶剤型コート、水溶型コートおよび粉状コートとして存在し得る。
【0052】
コート組成物は、建築コート、自動車コートおよびコイルコートのようなOEM産物コート;工場整備コートおよび船舶コートのような特別な目的のコートとして利用される。
【0053】
典型的な樹脂の型は、ポリエステル、アルキド、アクリルおよびエポキシを含む。
【0054】
一般的に知られるように、エマルションは一つが連続性で他のものが非連続性の少なくとも二つの不混和な層を含有する。さらにエマルションは、さまざまな粘度の液体もしくは固体であり得る。さらにエマルションの粒径はそれをマイクロエマルションにも出来、十分に小さいとき、マイクロエマルションは透明にもなり得る。さらもエマルションのエマルションを作成することも可能であり、そしてそれらは多重エマルションとして一般に知られている。これらのエマルションは:
1)不連続相が水を含有し、そして連続相が本発明のエポキシアミノシランコポリマーを含有する水性エマルション;
2)不連続相が本発明のエポキシアミノシランコポリマーを含有し、そして連続相が水を含有する水性エマルション;
3)不連続相が非水性ヒドロキシ溶媒を含有し、そして連続相が本発明のエポキシアミノシランコポリマーを含有する非水性エマルション;そして、
4)連続相が非水性ヒドロキシ有機溶媒を含有し、そして不連続相が本発明のエポキシアミノシランコポリマーを含有する非水性エマルション、
のようであろう。
【0055】
シリコーン層を含有する非水性のエマルションは、参照によりその開示をこれによってここに組み入れる、米国特許第6,060,546号および米国特許第6,271,295号に記載される。
【0056】
ここで用いられるとき、表現「非水性ヒドロキシ有機化合物」は、アルコール、グリコール、多価アルコールおよびポリマーグリコールならびにそれらの混合物によって例示される、例えば約25℃の室温で約1気圧において液体であるヒドロキシ含有有機化合物を意味する。非水性の有機ヒドロキシ溶媒は、例えば約25℃の室温で約1気圧において液体であるアルコール、グリコール、多価アルコールおよびポリマーグリコールならびにそれらの混合物を含有するヒドロキシ含有有機化合物からなる群より選択される。好ましくは、非水性のヒドロキシ有機溶媒は、エチレン、グリコール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ブチレングリコール、イソブチレングリコール、メチルプロパンジオール、グリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンコポリマーおよびそれらの混合物からなる群より選択される。
【0057】
シリコーンのみの相、シリコーン相を含有する無水の混合物、シリコーン相を含有する水和の混合物、油中水滴型エマルション、もしくは二つの非水性エマルションのいずれか一方、またはそれらの変形として、望ましいフォームが一度得られると、それは改善された湿潤強度ならびに他の沈着性能および優れた触感をもたらすために不織布を処理する配合物へと混合できる。
【0058】
パルクおよび紙
有機修飾されたシリル化界面活性剤の発明の組成物は、板紙の消泡剤およびパルプ化プロセスのための湿潤剤のようなパルプおよび紙の用途に有用である。さらに有機修飾されたシリル化組成物を、不織布の表面を処理して湿潤強度を向上させるのに用いても良い。
【実施例】
【0059】
具体例
ポリマー1の合成
アミノプロピルトリイソプロポキシシラン(12.44g)および平均構造CH(O)CHCHOCHCHCHSi(CHO[Si(CHO]Si(CHCHCHCHOCHCH(O)CHのエポキシキャップ化ポリシロキサン(19.8g)と2−プロパノール(10ml)とが、250mlのフラスコで混合された。物質は85℃で8時間還流された。2−プロパノールは92℃で真空下での蒸発により除去された。
【0060】
ポリマー2の合成
アミノプロピルトリイソプロポキシシラン(5.61g)、平均構造CH(O)CHCHOCHCHCHSi(CHO[Si(CHO]Si(CHCHCHCHOCHCH(O)CHのエポキシキャップ化ポリシロキサン(20.4g)、平均構造CH(O)CHCHO(CHCHO)14CHCH(O)CHのエポキシキャップ化ポリエーテル(15.4g)および2−プロパノール(35g)が250mlのフラスコ内で混合された。物質は85℃で8時間還流された。2−プロパノールは92℃で真空下での蒸発により除去された。
【0061】
ポリマー3の合成
アミノプロピルトリイソプロポキシシラン(14.97g)および平均構造CH(O)CHCHOCHCHCHSi(CHO[Si(CHO]Si(CHCHCHCHOCHCH(O)CHのエポキシキャップ化ポリシロキサン(46.33g)と2−プロパノール(20g)とが、250mlのフラスコで混合された。物質は85℃で12時間還流された。2−プロパノールは92℃で真空下での蒸発により除去された。
【0062】
ポリマー4の合成
アミノプロピルトリイソプロポキシシラン(22.43g)、平均構造CH(O)CHCHOCHCHCHSi(CHO[Si(CHO]Si(CHCHCHCHOCHCH(O)CHのエポキシキャップ化ポリシロキサン(30.8g)、平均構造CH(O)CHCHO(CHCHO)14CHCH(O)CHのエポキシキャップ化ポリエーテル(29.3g)および2−プロパノール(65g)が250mlのフラスコ内で混合された。物質は85℃で4時間還流された。2−プロパノールは92℃で真空下での蒸発により除去された。
【0063】
ポリマー5の合成
アミノプロピルトリイソプロポキシシラン(25.64g)、平均構造CH(O)CHCHOCHCHCHSi(CHO[Si(CHO]Si(CHCHCHCHOCHCH(O)CHのエポキシキャップ化ポリシロキサン(7.76g)、平均構造CH(O)CHCHO(CHCHO)14CHCH(O)CHのエポキシキャップ化ポリエーテル(58.61g)および2−プロパノール(60g)が250mlのフラスコ内で混合された。物質は81℃で6時間還流された。2−プロパノールは92℃で真空下での蒸発により除去された。
【0064】
ポリマー6の合成
アミノプロピルトリイソプロポキシシラン(9.6g)、平均構造CH(O)CHCHOCHCHCHSi(CHO[Si(CHO]Si(CHCHCHCHOCHCH(O)CHのエポキシキャップ化ポリシロキサン(29.1g)、平均構造CH(O)CHCHO(CHCHO)14CHCH(O)CHのエポキシキャップ化ポリエーテル(2.2g)および2−プロパノール(25g)が250mlのフラスコ内で混合された。物質は85℃で8時間還流された。2−プロパノールは92℃で真空下での蒸発により除去された。
【0065】
ポリマー7の合成
アミノプロピルトリイソプロポキシシラン(10.7g)、平均構造CH(O)CHCHO(CHCHO)14CHCH(O)CHのエポキシキャップ化ポリエーテル(14.65g)および2−プロパノール(10g)が250mlのフラスコ内で混合された。物質は85℃で8時間還流された。2−プロパノールは92℃で真空下での蒸発により除去された。
【0066】
ポリマー8の合成
平均構造CH(O)CHCHO(CHCHO)14CHCH(O)CHのエポキシキャップ化ポリエーテル(197.04g)、アミノプロピルトリイソプロポキシシラン(87.96g)および2−プロパノール(15g)が500mlの丸底フラスコ内で混合された。溶液は還流するまで加熱されマグネチックスターラーで攪拌された。反応は全てのエポキシ基が消費されると滴定により測定されるまで還流し続けるようにされた。生じる物質は暗い淡黄色を示した。物質はロータリーエバポレーターへと移され、2−プロパノールを取り除くために70℃、533パスカル(4torr)で2時間蒸発された。
【0067】
ポリマー9の合成
アミノプロピルトリイソプロポキシシラン(6.91g)、平均構造CH(O)CHCHOCHCHCHSi(CHO[Si(CHO]Si(CHCHCHCHOCHCH(O)CHのエポキシキャップ化ポリシロキサン(1.94g)、平均構造CH(O)CHCHO(CH(CH)CHO)11CHCH(O)CHのエポキシキャップ化ポリエーテル(19.72g)および2−プロパノール(25g)が250mlのフラスコ内で混合された。物質は85℃で8時間還流された。2−プロパノールは92℃で真空下での蒸発により除去された。
【0068】
処理例
シラン[AB]の処理のために、トイレットペーパー、ペーパータオル、セルロース繊維紙および再生紙のような様々な基質を対照物質として用いて良い。シラン[AB]の処理の基質の性質への効果を示すために、過剰の添加物を含有していない対照の不織物を用いるのが望ましい。大部分において、他の特定されない限り、Pertトイレットペーパーがモデル基質として利用された。
【0069】
シラン[AB]溶液:シラン[AB]の溶液は、4gのポリマーを796gの水に溶解して調製された。pHは酢酸を加える事によって4へと調整され、溶液は塗布前に1日間攪拌された。ポリマーは2、4、5、7および8はこの方法によって調製された。
【0070】
ポリマー1マイクロエマルション:4gのポリマー1は2gのテルギトールTMN6と混合された。最初に、水が液滴により添加され、グリース相を形成するよう混合された。その後、それは全重量が800gになるまで一定の攪拌で徐々に加えられた。pHは酢酸を用いて4に調整された。
【0071】
ポリマー3マイクロエマルション:4gのポリマー1は2gのレネックス36と混合された。最初に、水が液滴により添加され、グリース相を形成するよう混合された。その後、それは全重量が800gになるまで一定の攪拌で徐々に加えられた。pHは酢酸を用いて4に調整された。
【0072】
ポリマー6マイクロエマルション:4gのポリマー1は1gのルテンソルTO6および1gのルテンソルTO10と混合された。最初に、水が液滴により添加され、グリース相を形成するよう混合された。その後、それは全重量が800gになるまで一定の攪拌で徐々に加えられた。pHは酢酸を用いて4に調整された。
【0073】
ポリマー9マイクロエマルション:4gのポリマー1は1.28gのレネックス36および0.32gのレネックス30と混合された。最初に、水が液滴により添加され、グリース相を形成するよう混合された。その後、それは全重量が800gになるまで一定の攪拌で徐々に加えられた。pHは酢酸を用いて4に調整された。
【0074】
以下はこの作業において用いられる処理手順のうちのいくつかのものである。
a)浸漬処理:この方法はトイレットペーパー、化粧紙、紙およびセルロース繊維紙の処理に用いることができる。例として、計量したPertトイレットペーパーの層が、層の最小限のオーバーラップがあるように穴のあいたステンレススチールトレイに配置された。他のステンレススチールトレイにおいて800gのシラン[AB]溶液/マイクロエマルションが配置され、ここでティッシュペーパーを含有する穴のあいたトレイが浸漬された。ティッシュペーパーがシラン[AB]溶液に30分間濡らされて、その後、ティッシュペーパーを含有するトレイが溶液より取り出され、過剰の溶液は排出され、そして、トレイは100℃で2時間オーブンに配置された。熱硬化の後、ティッシュペーパーの層は室温へと冷やされ、そしてシラン[AB]の取り込みをみるために計量された。
b)スプレー処理:この方法は、トイレットペーパー、化粧紙および紙の処理に用いることが出来る。10mlのポリマー溶液もしくはマイクロエマルションは、スプレーノズル(Qosmedix#29717)を備える瓶へと充填された。Pertティッシュペーパーの6層もしくは化粧紙の4層は溶液によって、左上から左から右へとスプレーしながら下へと下がりつつスプレーされた。湿っている事は目で観察され、ティッシュペーパーのすべての乾燥スポットはスプレーされた。層は1時間風乾され、そして続いて100℃で2時間オーブンの中で乾燥された。
【0075】
表1は浸漬方法によるPertトイレットペーパーへのシラン[AB]の処理を示し、そして表2は化粧紙およびセルロース繊維紙への処理を示す。
【0076】
【表1】

【0077】
【表2】

【0078】
紙の処理:シラン[AB]は紙パルプの処理において用いられた。Arnold Grummerの製紙キットが紙を作製するのに用いられた。22.6センチメートル×28センチメートル(8.5インチ×11インチ)のサイズで75g/mの基本重量の白いプリンター用紙のシートは、8つの断片に切断され、そして、400mlの水道水と共にブレンダーへと配置された。それはブレンダー中で30秒間破壊された。微細なメッシュを備え、14センチメートル×20センチメートル(5.5インチ×8インチ)の内部寸法を持つ手動金型が2100mlのポリマー5の水性溶液を含有する水槽中へと配置された。ポリマーの最終濃度は0.25%であった。パルプは金型中へと注がれ、手によって均一に広げられた。2〜3分後、金型は水槽より出され、過剰の水は排出され、そして乾燥したトレイへと配置された。トレイ上の微細なメッシュ上にパルプを残して金型は取り除かれた。他のメッシュはパルプ上に配置され、過剰の水はスポンジによって取り除かれた。メッシュは注意深く取り除かれ、紙は2つのカウチシートの間に配置された。プレスバーはカウチシート上へと押し付けるのに用いられた。上のカウチシートが取り除かれ、新しいシートがゆっくりと剥ぎ取られ、上部の布によってアイロンされた。紙の厚さはキャリパーにより計測された。
【0079】
水の吸収性:水の吸収性は10μlの脱イオン水の水滴ををティッシュペーパー上へと配置する事で測定された。水滴がティッシュペーパーへと吸収されるのに必要な時間が測定された。表3はシラン[AB]によって処理されたPertティッシュペーパーの水の吸収性を秒によって示す。
【0080】
【表3】

【0081】
表3から、Pertトイレットペーパーの表面を、シロキサンとエチレンオキシド単位のモル比に基づいて親水性もしくは疎水性で作製できることは明らかである。もっとも重要なことは、この性質は湿潤と乾燥とのサイクルの後でさえ持ちこたえる。
【0082】
水の吸収:水の吸収は、脱イオン水を含有する容器中に2〜30秒間漬けたときの乾燥ティッシュペーパーの層による水の吸収量を測定する事によって測定された。浸す時間はティッシュペーパーの湿潤の容易さに依存した。水から取り出した後、ティッシュペーパーの表面の水は、叩き取られ、湿潤質量をみるためにティッシュペーパーが計量された。処理されたものおよび処理されていないPertティッシュペーパーの水の吸収は表4に示される。
【0083】
【表4】

【0084】
非処理のPertティッシュペーパーの水吸収はティッシュのグラム当たり5.8gである。処理によって水の吸収を、低くて18.45%まで、そして高くて45%まで減少させることができる。
【0085】
処理された化粧紙およびセルロース繊維紙の水の吸収能は表5に示される。
【0086】
【表5】

【0087】
Pertトイレットペーパーと同様に、化粧紙の水吸収はシラン[AB]処理によって減少した。ポリマー5によって処理されたセルロース紙については、水吸収は13.6%のみ減少した。
【0088】
処理もしくは非処理の物質の湿潤強度はThwing Albert Tissue Burst Tester(EJA Vantage Series)を用いて測定された。10.2センチメートル×12.7 センチメートル(4インチ×5インチ)のサンプルサイズがこのテストに必要とされた。ティッシュペーパーの層が、ティッシュペーパーの二つの短い寸法で手によって持たれ、ティッシュペーパーの中央部分を脱イオン水の容器で5秒間ちょっと浸すかもしくは、それが完全に浸されるまで浸されるかのいずれかのより早い方にされた。そのティッシュペーパーはその後取り出され、過剰な水は搾り取られ、Burst testerのクランプ間に配置された。移動するクロスヘッドが60cm/sの速さでセットされた。装置は湿潤状態のティッシュペーパーの層を破裂するのに必要とされる最大負荷を測定した。Pertティッシュペーパーの湿潤強度は表6に示された。化粧紙、フィルター紙および手製の紙のような他の基質の結果は表7および表8に示される。
【0089】
【表6】

【0090】
表6に示されるように、非処理のティッシュペーパーは2.73gfという非常に低い湿潤強度を持つ。シラン[AB]処理によって、湿潤強度は少なくとも3倍は向上できる。ポリマー5によって、湿潤強度における少なくとも17倍の向上を見出した。
【0091】
【表7】

【0092】
ポリマー4の処理によって化粧紙の湿潤破裂強度は約5倍向上した。セルロース繊維紙の湿潤強度における有意な向上はポリマー5処理によって観察された。
【0093】
【表8】

【0094】
手製の紙では、頂点破裂力が紙の厚さによってまちまちであり、厚さの違いを説明する。中のポリマー5を持つパルプのトイレットペーパーでは、より強い紙を作製できる。市販の白いプリンター用紙はポリマー5によって処理され、湿潤強度における向上はこの後から処理された紙でも同様に得られた。
【0095】
柔軟性パネルテスト:柔軟性を測定する前に、すべてのティッシュペーパーサンプルは少なくとも1週間、通常の大気条件にて保管された。保管中の温度は22〜25℃であり、相対湿度は60〜70%であった。対照を含む全てのサンプルは同一の保管条件に置かれた。それぞれシラン[AB]処理されたティッシュペーパーおよび対照を含有する9ペアのティッシュペーパーのサンプルは、主観的な柔軟性のテストによって表かされた。8人の柔軟性判定者のパネルは、評価のための8ペアのティッシュペーパーを提示された。

それぞれのペアはAおよびBとラベルされ、ここでAおよびBは処理されたティッシュペーパーおよび処理されていないティッシュペーパーのためにランダムに選択されたラベルであり、xはそれぞれの処理ポリマーのために1〜8より選択されるユニークな数字コードであった。判定者は、彼らの手によって柔軟性を測定するときには彼らの目をつぶるようすすめられた。それぞれのペアに対して、判定者はA対Bの柔軟性の評価をたずねられた。これは全ての8サンプルペアにおいて、一度に1ペアで実施された。ティッシュペーパーサンプルは以下の基準に沿って格付けされた:
a. もしAがBより少し柔軟であれば、+1ポイントがAへと与えられる;もしBがAより少し柔軟であれば、+1ポイントがBへと与えられる。
b. もしAがBよりも確かに柔軟であれば、+2ポイントがAへと与えられる;もしBがAよりも確かに柔軟であれば、+2ポイントがBへと与えられる。
c. もしAがBよりもかなり柔軟であれば、+3ポイントがAへと与えられる;もしBがAよりもかなり柔軟であれば、+3ポイントがBへと与えられる。
d. もしAがBよりも完全に柔軟であれば、+4ポイントがAへと与えられる;もしBがAよりもかなり柔軟であれば、+4ポイントがBへと与えられる。
e. もしAとBの柔軟性が同じであれば、0ポイントがAとBの両方へと与えられる。

【0096】
判定者から全てのサンプルの格付けが得られた後、それぞれの処理されたティッシュペーパーの格付けは合計された。対応する非処理のティッシュペーパーの格付けが合計され、それぞれの処理されたティッシュペーパーの合計された格付けより差し引かれた。最終的な平均格付けは方程式1:
柔軟性格付け=(処理されたティッシュペーパーの総格付け − 処理されていないティッシュペーパーの総格付け)/8 (1)
より得られた。異なるシラン[AB]によって処理されたティッシュペーパーの平均柔軟性格付けは表9に列挙される。
【0097】
【表9】

【0098】
表9に見られるようにシラン[AB]n処理によってPertティッシュペーパーの柔軟性は有意に向上する。
【0099】
さらなる実施例が以下に続く
実施例A
平均構造CH(O)CHCHO(CHCHO)22CHCH(O)CHのエポキシキャップ化ポリエーテル(148.28g)、アミノプロピルトリイソプロポキシシラン(51.72g)およびイソプロパノール(60.00g)が500ml丸底フラスコで混合された。溶液は還流するまで加熱され、マグネチックスターラーで攪拌された。反応は全てのエポキシ基が消費されると滴定により測定されるまで還流し続けるようにされた。生じる物質は暗い淡黄色を示した。物質はロータリーエバポレーターへと移され、イソプロパノールを取り除くために70℃、533パスカル(4torr)で2時間蒸発された。
【0100】
実施例B
アミノプロピルトリイソプロポキシシラン(51.72g)、平均構造CH(O)CHCHO(OCHCH7.3OCHCH(O)CHのエポキシキャップ化ポリエーテル(148.28g)およびイソプロパノール(60.0g)が500mlフラスコ内で混合された。物質は還流され、オーバーヘッドスターラーにて攪拌された。還流は全てのエポキシ基が消費されると滴定により測定されるまで24時間続けられた。物質はロータリーエバポレーターへと移され、イソプロパノールを取り除くために70℃、533パスカル(4torr)で2時間蒸発された。
【0101】
実施例C
アミノプロピルトリイソプロポキシシラン(40.3g)、平均構造CH(O)CHCHOCHCHCHSi(CHO[Si(CHO]50Si(CHCHCHCHOCHCH(O)CHのエポキシキャップ化ポリシロキサン(206.12g)および平均構造CH(O)CHCHO(CH(CH)CHO)CHCH(O)CHのエポキシキャップ化ポリエーテル(18.67g)ならびにイソプロパノール(88.48g)が500mlフラスコ内で混合された。物質は還流され、オーバーヘッドスターラーにて攪拌された。還流は全てのエポキシ基が消費されると滴定により測定されるまで15.5時間続けられた。物質はロータリーエバポレーターへと移され、イソプロパノールを取り除くために70℃、533パスカル(4torr)で2時間蒸発された。
【0102】
実施例D
アミノプロピルトリイソプロポキシシラン(54.27g)、平均構造CH(O)CHCHOCHCHCHSi(CHO[Si(CHO]50Si(CHCHCHCHOCHCH(O)CHのエポキシキャップ化ポリシロキサン(185.70g)および平均構造CH(O)CHCHO(CH(CH)CHO)CHCH(O)CHのエポキシキャップ化ポリエーテル(49.74g)ならびにイソプロパノール(507.39g)が1lフラスコ内で混合された。物質は還流され、オーバーヘッドスターラーにて攪拌された。還流は全てのエポキシ基が消費されると滴定により測定されるまで16時間続けられた。物質はロータリーエバポレーターへと移され、イソプロパノールを取り除くために70℃、533パスカル(4torr)で2時間蒸発された。
【0103】
実施例E
アミノプロピルトリイソプロポキシシラン(53.94g)、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(48.09g)およびイソプロパノール(25.01g)が250mlフラスコ内で混合された。物質は還流され、オーバーヘッドスターラーにて攪拌された。還流は全てのエポキシ基が消費されると滴定により測定されるまで24時間続けられた。物質はロータリーエバポレーターへと移され、イソプロパノールを取り除くために70℃、533パスカル(4torr)で2時間蒸発された。
【0104】
実施例F
アミノプロピルトリイソプロポキシシラン(59.22g)、1,7−ジエポキシオクタン(20.40g)、平均構造CH(O)CHCHOCHCHCHSi(CHO[Si(CHO]50−Si(CHCHCHCHOCHCH(O)CHのエポキシキャップ化ポリシロキサン(20.41g)およびイソプロパノール(25.01g)が250mlフラスコ内で混合された。物質は還流され、オーバーヘッドスターラーにて攪拌された。還流は全てのエポキシ基が消費されると滴定により測定されるまで16時間続けられた。物質はロータリーエバポレーターへと移され、イソプロパノールを取り除くために70℃、533パスカル(4torr)で2時間蒸発された。
【0105】
実施例G
アミノプロピルトリイソプロポキシシラン(41.48g)、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(29.43g)、平均構造CH(O)CHCHOCHCHCHSi(CHO[Si(CHO]50−Si(CHCHCHCHOCHCH(O)CHのエポキシキャップ化ポリシロキサン(29.26g)およびイソプロパノール(110.01g)が500mlフラスコ内で混合された。物質は還流され、オーバーヘッドスターラーにて攪拌された。還流は全てのエポキシ基が消費されると滴定により測定されるまで24時間続けられた。物質はロータリーエバポレーターへと移され、イソプロパノールを取り除くために70℃、533パスカル(4torr)で2時間蒸発された。
【0106】
実施例H
アミノプロピルトリイソプロポキシシラン(34.07g)、水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル(32.98g)、平均構造CH(O)CHCHOCHCHCHSi(CHO[Si(CHO]50−Si(CHCHCHCHOCHCH(O)CHのエポキシキャップ化ポリシロキサン(32.96g)およびイソプロパノール(110.08g)が500mlフラスコ内で混合された。物質は還流され、オーバーヘッドスターラーにて攪拌された。還流は全てのエポキシ基が消費されると滴定により測定されるまで24時間続けられた。物質はロータリーエバポレーターへと移され、イソプロパノールを取り除くために70℃、533パスカル(4torr)で2時間蒸発された。
【0107】
実施例I
アミノプロピルトリイソプロポキシシラン(12.94g)、平均構造CH(O)CHCHOCHCHCHSi(CHO[Si(CHO]25−Si(CHCHCHCHOCHCH(O)CHのエポキシキャップ化ポリシロキサン(87.06g)およびイソプロパノール(30.0g)が250mlフラスコ内で混合された。物質は還流され、オーバーヘッドスターラーにて攪拌された。還流は全てのエポキシ基が消費されると滴定により測定されるまで16時間続けられた。物質はロータリーエバポレーターへと移され、イソプロパノールを取り除くために70℃、533パスカル(4torr)で2時間蒸発された。得られた物質は透明の淡黄色の液体であった。
【0108】
実施例J
アミノプロピルトリイソプロポキシシラン(27.00g)、平均構造CH(O)CHCHOCHCHCHSi(CHO[Si(CHO]50−Si(CHCHCHCHOCHCH(O)CHのエポキシキャップ化ポリシロキサン(92.70g)、平均構造CH(O)CHCHO(CHCHO)CHCH(O)CHのエポキシキャップ化ポリエーテル(27.69g)およびイソプロパノール(253.43g)が500mlフラスコ内で混合された。物質は還流され、オーバーヘッドスターラーにて攪拌された。還流は全てのエポキシ基が消費されると滴定により測定されるまで16時間続けられた。物質はロータリーエバポレーターへと移され、イソプロパノールを取り除くために70℃、533パスカル(4torr)で2時間蒸発された。
【0109】
実施例K
アミノプロピルトリイソプロポキシシラン(11.20g)、ポリブタジエンジグリシジルエーテル(Mw 3150g/モル)およびイソプロパノール(100.0g)が500mlフラスコ内で混合された。物質は還流され、オーバーヘッドスターラーにて攪拌された。還流は全てのエポキシ基が消費されると滴定により測定されるまで23時間続けられた。物質はロータリーエバポレーターへと移され、イソプロパノールを取り除くために70℃、533パスカル(4torr)で2時間蒸発された。得られた物質は粘性のある透明の淡黄色の液体であった。
【0110】
実施例L
アミノプロピルトリイソプロポキシシラン(75.22g)、平均構造CH(O)CHCH(OCHCH6.9OCHCH(O)CHのエポキシキャップ化ポリエーテル(124.81g)およびイソプロパノール(60.00g)が500mlフラスコ内で混合された。物質は還流され、オーバーヘッドスターラーにて攪拌された。還流は全てのエポキシ基が消費されると滴定により測定されるまで24時間続けられた。物質はロータリーエバポレーターへと移され、イソプロパノールを取り除くために70℃、533パスカル(4torr)で2時間蒸発された。得られた物質は粘性のある透明の淡黄色の液体であった。
【0111】
実施例M
アミノプロピルトリイソプロポキシシラン(71.31g)、平均構造CH(O)CHCH(OCHCH11.7OCHCH(O)CHのエポキシキャップ化ポリエーテル(128.69g)およびイソプロパノール(60.00g)が500mlフラスコ内で混合された。物質は還流され、オーバーヘッドスターラーにて攪拌された。還流は全てのエポキシ基が消費されると滴定により測定されるまで24時間続けられた。物質はロータリーエバポレーターへと移され、イソプロパノールを取り除くために70℃、533パスカル(4torr)で2時間蒸発された。
【0112】
実施例N
アミノプロピルトリイソプロポキシシラン(40.34g)、平均構造CH(O)CHCHOCHCHCHSi(CHO[Si(CHO]−Si(CHCHCHCHOCHCH(O)CHのエポキシキャップ化ポリシロキサン(40.34g)、平均構造CH(O)CHCHO(CHCHO)7.7CHCH(O)CHのエポキシキャップ化ポリエーテル(50.00g)およびイソプロパノール(21.01g)が500mlフラスコ内で混合された。物質は還流され、オーバーヘッドスターラーにて攪拌された。還流は全てのエポキシ基が消費されると滴定により測定されるまで24時間続けられた。物質はロータリーエバポレーターへと移され、イソプロパノールを取り除くために70℃、533パスカル(4torr)で2時間蒸発された。
【0113】
実施例O
アミノプロピルトリイソプロポキシシラン(42.90g)、構造CH(O)CHCHOCHCHCHSi(CHOSi(CHOSi(CHCHCHCHOCHCH(O)CHのエポキシキャップ化ポリシロキサン(7.1g)、平均構造CH(O)CHCHO(CHCHO)7.7CHCH(O)CHのエポキシキャップ化ポリエーテル(50.02g)およびイソプロパノール(21.01g)が500mlフラスコ内で混合された。物質は還流され、オーバーヘッドスターラーにて攪拌された。還流は全てのエポキシ基が消費されると滴定により測定されるまで24時間続けられた。物質はロータリーエバポレーターへと移され、イソプロパノールを取り除くために70℃、533パスカル(4torr)で2時間蒸発された。
【0114】
実施例P
アミノプロピルトリイソプロポキシシラン(27.00g)、構造CH(O)CHCHOCHCHCHSi(CHO[Si(CHO]50−Si(CHCHCHCHOCHCH(O)CHのエポキシキャップ化ポリシロキサン(52.14g)、平均構造CH(O)CHCHO(CHCHO)CHCH(O)CHのエポキシキャップ化ポリエーテル(48.60g)およびイソプロパノール(200.00g)が500mlフラスコ内で混合された。物質は還流され、オーバーヘッドスターラーにて攪拌された。還流は全てのエポキシ基が消費されると滴定により測定されるまで24時間続けられた。物質はロータリーエバポレーターへと移され、イソプロパノールを取り除くために70℃、533パスカル(4torr)で2時間蒸発された。
【0115】
実施例Q
アミノプロピルトリイソプロポキシシラン(27.00g)、構造CH(O)CHCHOCHCHCHSi(CHO[Si(CHO]50−Si(CHCHCHCHOCHCH(O)CHのエポキシキャップ化ポリシロキサン(13.90g)、平均構造CH(O)CHCHO(CHCHO)7.7CHCH(O)CHのエポキシキャップ化ポリエーテル(53.69g)およびイソプロパノール(200.01g)が500mlフラスコ内で混合された。物質は還流され、オーバーヘッドスターラーにて攪拌された。還流は全てのエポキシ基が消費されると滴定により測定されるまで24時間続けられた。物質はロータリーエバポレーターへと移され、イソプロパノールを取り除くために70℃、533パスカル(4torr)で2時間蒸発された。
【0116】
実施例R
アミノプロピルトリイソプロポキシシラン(71.31g)、平均構造CH(O)CHCH(OCHCH11.7OCHCH(O)CHのエポキシキャップ化ポリエーテル(128.69g)およびイソプロパノール(60.00g)が500mlフラスコ内で混合された。物質は還流され、オーバーヘッドスターラーにて攪拌された。還流は全てのエポキシ基が消費されると滴定により測定されるまで24時間続けられた。物質はロータリーエバポレーターへと移され、イソプロパノールを取り除くために70℃、533パスカル(4torr)で2時間蒸発された。
【0117】
実施例S
アミノプロピルトリイソプロポキシシラン(15.02g)、構造CH(O)CHCHOCHCHCHSi(CHO[Si(CHO]100Si(CHCHCHCHOCHCH(O)CHのエポキシキャップ化ポリシロキサン(98.42g)、平均構造CH(O)CHCHO(CHCHO)21.7CHCH(O)CHのエポキシキャップ化ポリエーテル(36.56g)およびイソプロパノール(150.01g)が500mlフラスコ内で混合された。物質は還流され、オーバーヘッドスターラーにて攪拌された。還流は全てのエポキシ基が消費されると滴定により測定されるまで24時間続けられた。物質はロータリーエバポレーターへと移され、イソプロパノールを取り除くために70℃、533パスカル(4torr)で2時間蒸発された。
【0118】
実施例T
平均構造CH(O)CHCHO(CHCHO)11.2CHCH(O)CHのエポキシ末端キャップポリエーテル(59.37g)、アミノプロピルトリイソプロポキシシラン(24.38g)、アミノプロピルトリエチルシラン(12.65g)およびイソプロパノール(100g)が500ml丸底フラスコ内で混合された。溶液は還流するまで加熱され、マグネチックスターラーにて攪拌された。反応は全てのエポキシ基が消費されると滴定により測定されるまで還流し続けるようにされた。生じる物質は暗い淡黄色を示した。物質はロータリーエバポレーターへと移され、イソプロパノールを取り除くために70℃、533パスカル(4torr)で2時間蒸発された。
【0119】
実施例U
平均構造CH(O)CHCHO(CHCHO)11.2CHCH(O)CHのエポキシ末端キャップポリエーテル(34.56g)、アミノプロピルトリイソプロポキシシラン(14.75g)、オレイルアミン(0.70g)およびイソプロパノール(50g)が250ml丸底フラスコ内で混合された。溶液は還流するまで加熱され、マグネチックスターラーにて攪拌された。反応は全てのエポキシ基が消費されると滴定により測定されるまで還流し続けるようにされた。生じる物質は暗い淡黄色を示した。物質はロータリーエバポレーターへと移され、イソプロパノールを取り除くために70℃、533パスカル(4torr)で2時間蒸発された。
【0120】
実施例V
平均構造CH(O)CHCHO(CHCHO)11.2CHCH(O)CHのエポキシ末端キャップポリエーテル(34.92g)、アミノプロピルトリイソプロポキシシラン(14.58g)、エチルヘキシルアミン(0.49g)およびイソプロパノール(50g)が250ml丸底フラスコ内で混合された。溶液は還流するまで加熱され、マグネチックスターラーにて攪拌された。反応は全てのエポキシ基が消費されると滴定により測定されるまで還流し続けるようにされた。生じる物質は暗い淡黄色を示した。物質はロータリーエバポレーターへと移され、イソプロパノールを取り除くために70℃、533パスカル(4torr)で2時間蒸発された。
【0121】
コートの塗布の実施例
実施例1〜4のための基質のコート
合成実施例A、B、CおよびDからの産物は以下の方法を用いて作製された。実施例A、B、CもしくはD(5g)は20gの蒸留水へと添加された。溶液はマグネチックスターラーにより混合され、酢酸によってpH7へと中和された。生じる配合物は以下の表に列挙される。実施例配合物1〜4は、クリーンで乾燥された非処理のスチールプレートへとコートされた。コートは0.075mm(3ミル)のワイヤを巻きつけたロッドを用いて実施された。5mlのそれぞれの配合物はロッドの最前部で基質へと添加された。ロッドは一定の強さと速度で基質を横切って引っ張られた。コートは4日間室温にて硬化された。
【0122】
【表10】

【0123】
塗布実施例1 光沢
ASTM標準テスト方法(D4039−87)が用いられた。20°と60°の両方の鏡面光沢度がとられ、下の表に示される。2つのパネルがコートされ、光沢度が測定された。

【0124】
【表11】

【0125】
塗布実施例2 鉛筆硬度
鉛筆テストによるフィルム硬度のための標準的な試験方法(ASTM D3363−74)からの手順が続いて行われた。処理されたスチールのパネルへと様々な硬度の鉛筆を用いた複数の引っかきがなされた。結果は以下の表に示される。評価は引っかき硬度もしくはフィルムを破裂させられないかもしくは引っき傷をつけられなかったもっとも硬い鉛筆に基づく。
【0126】
【表12】

【0127】
塗布実施例3 クロスハッチ接着
テープテストによる接着の測定のための標準的な試験方法(ASTM D3359−87)からの手順を用いてクロスハッチ接着性能が評価された。実施例の配合物は非処理のスチールへとコートされ、室温で4日間硬化された。試験方法Bが用いられ、そこではフィルムが格子パターンで引っかかれた。テープが引っかき傷表面へと適用され、その後取り除かれた。生じるコートはフィルムのはがれた部分もしくは失われた部分で評価された。4つ全ての実施例配合物が試験されたとき、そのような欠陥は検出されなかった。
【0128】
塗布実施例4 溶液耐性
メチルエチルケトン(MEK)耐性測定の標準的な試験方法(ASTM D4752−87)が採用された。コートされたスチール基質はまず脱イオン水にて洗浄され、そしてすぐにハンマーヘッドとMEKで飽和したチーズクロスを備える自動装置が適用された。サンプルは15回擦られ、そして傷が調べられた。プロセスは120振動を用いて繰り返され、そして再び傷が調べられた。結果は以下の表に示される。
【0129】
【表13】

【0130】
塗布実施例5 衝撃耐性
急送変形の影響に対する有機コートの耐性を測定するための標準的な試験方法(衝撃、ASTM D2794−69)が用いられた。この試験のための全スケールは1から5である。5はダメージ無しを示し、1は明白に傷ついている。4の評価は、衝撃の中心におけるピンポイントの変色もしくは円の辺縁部における傷のみを示す。コートされたスチールパネルは、コートされた側(直接)および非コートサイド(逆側)であった。結果は以下に示される。
【0131】
【表14】

【0132】
硬表面の実施例の抗染み剤の塗布
以下の実施例は硬表面保護のための抗染み剤としてシランABnを持ちいる用途を例示する。
【0133】
コート配合物を作製する手順
合成実施例C、J、LおよびMは、20%の水性配合物へと希釈され、酢酸によって中和された(pH7)。この用途において試験される硬表面は、テラコッタおよび大理石であった(7.62センチメートル×7.62センチメートル(3’’×3’’))。それぞれのタイルの半分はそれぞれのタイルに対して0.5mlの配合物を添加する事によって処理された。コートはそれぞれのタイルの半分が均一のコートを持つように塗布器を用いて平滑化された。タイルは周囲温度において一晩硬化された。対照の配合物はHG internationalから市販の硬表面封止剤であった。これに続く日それぞれにタイルは染み溶液を2滴ずつもたらされた。染みは以下の表に列挙される。染みは周囲温度で16時間、表面に配置された。そののち、タイルは湿ったスポンジとDawn皿洗い洗剤で洗浄された。乾燥したら、タイルは視覚的に評価され、0〜10の間のスコアが与えられ、0は残余がまったくあとに残らなく、一方、濃い染みが明らかにあるとき10が与えられた。非処理のタイルと比較して、染み防御において、市場性のある改善がある。
【0134】
様々な基質における染みの結果
【表15】


【表16】


【表17】


【表18】

【0135】
配合物は下のテーブルに従って作成された。すべての配合物は酢酸でpH7へと中和された。それぞれの実施例の配合は、100%のピックアップへの0.5%添加で100%ポリプロピレン(PP)不織のカバーストック(スパンボンデッド(Spunbond)のポリプロピレン22g/m)へと塗布された。不織の最終物はPad方法でPPおむつのカバーストックへと適用され、105℃90秒間のWerner Mathis AGドライヤーでの乾燥条件で乾燥された。

【0136】
【表19】

【0137】
流れ出し用途
流れ出し実験はEdana152.0−99に従って実施された。25°の角度で配置された、紡がれたポリプロピレンの処理されたものの断片へと塗布されたときの0.9%塩化ナトリウム溶液の流れ出し%が表に与えられる。二つの異なる対の処理が選ばれた。実施例配合物11および12は疎水性の処理であり、一方実施例13および14は親水性である。ポリプロピレンの非処理のシートは比較として用いられた。
【0138】
【表20】

【0139】
貫通
流れ出し実験はEdena150.3−96に従って実施された。25°の角度で配置された、紡がれたポリプロピレンの処理されたものの断片へと塗布されたときの0.9%塩化ナトリウム溶液の流れ出し%が表に与えられる。実施例配合物11および12は疎水性の処理であり、一方実施例13および14は親水性である。ポリプロピレンの非処理のシートは比較として用いられた。
【0140】
【表21】

【0141】
静水圧試験Inda標準試験IST80.4
静水圧試験は水柱が表面上に置かれたときの水の貫通に対する耐性を試験するために、処理されたポリプロピレン上で実施された。処理されたポリプロピレンは、両方に5.08センチメートル(2インチ)の円形の孔を持つ二つのプラスチックの断片の間に挟まれた。上側の断片は上昇する柱へと接続された。水はPP物質の真上のはめ込みを通じて渦巻きができる事の無いような速さで導入された鏡が装置の下に配置され、水が柱へと添加された。水滴が形成され、装置の底から落ちるときの水の高さが記録された。データは下の表に示される。配合物13および14において、積み重ねがまったく起こらず、水はすぐに貫通し、ポリプロピレンを通じて流れ始めた。
【0142】
【表22】

【0143】
移動
処理されたポリプロピレンおむつのカバーストックの移動の効果が調べられた。非処理のポリプロピレンと隣接する疎水性のコートに対する移動はもっとも望ましくない。乾燥した移動は最終産物の漏れが生じる。以下の手順がコートされたポリプロピレンの移動への耐性を調べるために用いられた。非処理の100%のspunbondのSMS (Spunbond Meltblown Spundbond)のポリプロピレンの網目が、実施例配合物13もしくは14のいずれか一方によって処理された100%spunbondのポリプロピレンの不織の網目の上および下に配置された。保管を模擬するために重量(8.9kg/m(0.5lb./in))が不織の布へと1週間50℃で置かれ、全ての層が親水性について調べられた(AATCC試験方法79−1995)。所望の結果は、頂部と底部の層が疎水性を残し、そして処理された不織布が親水性を残していることである。ポリプロピレンの頂部もしくは底部の層のいずれかの親水性における任意の変化は移動と考えられた。試験は測定当たり300秒で終了した。
【0144】
【表23】

【0145】
親水性処理のいずれかが用いられた時、移動はまったく見られなかった。比較のためにプロセスが非硬化の市販のおむつカバーストック処理で繰り返された。頂部および底部層は90〜100秒の貫通時間を示した。明らかに親水性の処理は処理されたPPから非処理のPPへと移動した。
【0146】
【表24】

【0147】
合成実施例O、P、RもしくはLはビーカー中で脱イオン水と混合され、オーバーヘッドスターラーで攪拌され、そして酢酸でpH5の酸性にされた。
【0148】
対照配合物2のマイクロエマルションの作製の配合および調製手順
Magnasoft Derma NTの20%エマルションは、25.0gの市販のポリシリコーンquat(Momentive Performance Materials)を使い捨てビーカー中の10.5グラムのTDA−6および1.8グラムのTDA−12(両方ともEthox製造の界面活性剤)へと添加する事で作製された。混合物はマグネチックスターラーで中庸の速さ(〜600rpm)で5分間攪拌された。別に、62.0グラムの脱イオン水、0.4グラムの酢酸および0.3グラムの酢酸ナトリウムが添加ロートで混合された。水、酢酸および酢酸ナトリウム溶液は液滴で30分間かけて添加された。最後の添加の終了後、エマルションはさらなる10分間攪拌された。
【0149】
Pad Bathでの処理のために20%のマイクロエマルションの希釈が必要とされた。機械的スターラーが用いられ、0.5%の活性濃度で全ての物質が均一に分散するまで脱イオン水が中庸の攪拌(〜600rpm)のもとで添加された。
【0150】
Pad Bathによる処理
希釈された処理液(0.5%活性、150g)が使い捨てのビーカーへと注がれた。非処理の繊維の断片が計量され、重量が記録された。繊維は30秒間もしくは完全に湿るまで処理用液へと浸された。飽和した布は11.43センチメートル(4.5インチ)のゴムのローラーを備えたWerner Mathis padderを通された。繊維は再び計量され、ローラー圧は100%湿潤のピックアップが達成されるよう調整された。処理に続いてすぐに、サンプルを乾かすために130℃で5分間、サンプルが繊維オーブンへと置かれた。
【0151】
繊維のコンディショニング
処理されたおよび非処理の繊維のすべての物理的評価の前にサンプルは、21℃、65%相対湿度にセットされた環境チャンバに最低24時間置かれた。
【0152】
湿潤
水滴が繊維の表面を貫通するのに必要な時間を増加させる(疎水性)もしくは減少させる(親水性)の処理による能力。この試験はAATCC試験方法79−1992に沿って実施された。処理されたもしくは非処理の綿のニット繊維の断片は、15センチメートル(6インチ)の刺しゅうリング中に固定された。繊維は伸びないが、繊維がぴんと張ってしわやひだが無いように注意が払われた。脱イオン水の水滴が繊維上にスポイドで適用され、タイマーが開始された。水滴が完全に繊維を貫く時にタイマーが止められ、秒単位で記録された。それぞれの繊維の異なる部位において、プロセスが6回繰り返された。報告される値はそれらの記録の平均であり、下の表に示されます。試験は600秒で終了した。600秒の値は水滴が決して繊維表面を通り抜けなかったことを示す。
【0153】
【表25】

【0154】
試験は疎水性処理実施例配合物15で繰り返された。表に示されるのは、綿のニット繊維が処理され洗浄された時の結果である。1、3、5、10および20回の洗浄の後、繊維が湿潤について試験された。洗浄/乾燥手順は下の堅牢性セクションに記載される。
【0155】
【表26】

【0156】
ウィッキング
処理がどれだけ繊維を通る水のウィッキングを高めるかもしくは阻むかを評価するためにウィッキング試験が実施された。この試験はASTM D−5237試験プロトコールに沿って実施された。5.08センチメートル×17.8センチメートル(2インチ×7インチ)の処理されたかもしくは非処理の繊維の細長い断片が様々なサンプルシートより切り取られた。繊維の一つの端の末端から15mm未満で鉛筆の線でマークされた。2つの標準的な金属のペーパークリップがサンプルの線と末端の間でとめられた。繊維の他の端が大きな(#100)バインダークリップを持つスタンドへと固定された。繊維が、色の付いた水のビーカー中で鉛筆の線まで浸された。6分の後、繊維サンプルは水から取り出され、鉛筆の線から吸い上げられた水の最終的な位置までの距離が定規で測定され、ミリメートルの単位で記録された。手順は4回繰り返され、測定は平均され、下の表に示される。
【0157】
【表27】

【0158】
堅牢性(機械洗浄/乾燥)
堅牢性試験は、繰り返しの洗浄および乾燥ののち、処理が綿のニット繊維状にどれだけ残るかを調べた。処理された28センチメートル×28センチメートル(11インチ×11インチ)の繊維のサンプルはトップローダー洗濯機へと置かれた。機械は、72リットル(19ガロン)の水量で、30.6℃(87F°)の温度で12分の洗浄ピリオドの通常の洗浄サイクルへとセットされた。用いられる洗剤は60gのAATCC標準的基準の洗剤であった。洗浄されると、繊維サンプルは高温で30分間で時間乾燥に設定されたフロントローダーの乾燥機中に置かれて乾燥された。プロセスは下の表に書かれているような示される数の洗浄/乾燥サイクルの間繰り返された。繊維サンプルはBF消化へとさらされ、そしてシリコーン含量がGCを用いて測定された。報告される値は、洗浄回数後に残るシリコーンのパーセントである。親水性の処理。
【0159】
【表28】

【0160】
試験は、50/50ポリエステル綿混合物、ダクロンおよびナイロン上における実施例配合物19で繰り返された。処理はポリエステル/綿混合物に対する20回の洗浄の後取り除かれなかった。処理された、ダクロンおよびナイロンに対してはシリコーン含量における減少があった。
【0161】
【表29】

【0162】
スプレー試験
堅牢性に対する代替的な試験が実施された。スプレー試験がAATCC試験方法22−1989に沿って実施された。処理された綿ニット繊維が上述の堅牢性セクションに記載されるのと同じ方法で1、3、5、10および20回の洗浄/乾燥サイクルで洗浄された。繊維は15.24センチメートル(6インチ)の刺繍リングに固定された。繊維は伸びないが、繊維がぴんと張ってしわやひだが無いように注意が払われた。集合体が、大きなロートとシャワーヘッドの下に45°の角度で配置される治具を保持するスタンドからなるスプレー試験装置へと置かれた。250mlの脱イオン水がロートおよびシャワーヘッドを通して試験サンプルへ注がれた。サンプル/リングは取り出され、そのスプレー試験の格付け標準の外観と比較して0〜100で視覚的に格付けされた。対照サンプルは綿のニットの非処理の断片であった。結果は下の表に示される。121−113の大きい数字は、表面が20回の洗浄の後でさえ疎水性を残している事を示す。
【0163】
【表30】

【0164】
(柔軟性/バルク/滑らかさ)
5人のパネルが、処理が綿のニット繊維に与える柔軟性およびバルクを測定するのに指名された。テストパネルが1から10までの繊維の柔軟性を格付けするように問われた。非処理の繊維のサンプルが1を示すのに用いられた。高い値はとても柔軟性が高く気持ちの良い感じを示す。試験された多くの配合物は、非処理の対象に対して良い結果を示した。
【0165】
【表31】

【0166】
上述の実施例は発明の例示に過ぎず、本発明の一部分のみの特徴を例示する。添付される請求項が、考えうる限り広く発明を請求することを意図し、ここで示される実施例はすべての可能な実施態様の多様なものから選択される実施態様の例示である。従って、出願者の意図は添付した請求項は本発明の特徴を説明するのに用いられた実施例の選択によって制限されるべきではないというものである。請求項で使われるとき、単語「含有する(comprises)」およびその文法的な類義語は論理的に例えば、「本質的に〜からなる(consisting essentially of)」および「からなる(consisting of)」のようなものであるがそれらに限定されない変化する範囲および異なる範囲のものを内在するかもしくは含む。必要なら、範囲が提供され、これらの範囲はそれらの間のすべてのサブ範囲(sub−range)を含む。そのような範囲はマーカッシュ群のように見られても良いし、異なるペア毎の数値限定からなるマーカッシュ群の集まりとして見られても良く、そのような群は下限および上限によって完全に限定されず、下限から上限までの数値的に規則正しい方法で増加する。それらの範囲における変動はそれらが一般的に広まってないとしても当業者ならそれらの変動は添付された請求項によって包含されると解釈出来るということを示唆すると期待されるべきである。科学技術の進歩が等価物および代替物を作り出す可能性があり、言語の不正確さの理由によって今はそうとは考えられなくても、添付される請求項によって包含されることが可能であると解釈されることが期待される。ここに引用されるすべての米国特許(および特許出願)は参照によってここでおよびこれによって全てが示されるようにそのすべてが明確に組み込まれる。
【0167】
上述に本発明の実施態様が説明のためにかなり詳細に開示されるが、当業者ならそのような詳細は本発明の精神および範囲を逸脱する事無く変更できることを理解するであろう。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
c)少なくとも二つのオキシランもしくはオキセタン基を含有するオキシランもしくはオキセタン化合物と
d)式:N(H)(R)RSi(OR3−a−b−c(OR(RSi(OR(R
〔式中、Rは、H、または1から20個の炭素原子からなる、一価の炭化水素ラジカルからなる群より選択され;
は、1から60個の炭素からなる、二価の、直鎖のもしくは分岐の炭化水素ラジカルからなる群より選択され;
は3から200個の炭素原子を含有する炭化水素ラジカルであり;
は、酸素、または1から60個の炭素からなる、二価の、直鎖のもしくは分岐の炭化水素ラジカルからなる群より選択され;
、R、RおよびRはそれぞれ、1から200個の炭素原子を持つ一価の、直鎖のもしくは分岐の炭化水素ラジカルからなる群より独立して選択され;
下付文字bはゼロもしくは正の数字であり、そして0から3の範囲の値を持ち;
下付文字aおよびcはゼロもしくは正であり、そして0から3の範囲の値を持ち、ただし(a+b+c)≦3という限定に従い;
下付文字dおよびeはゼロもしくは正であり、そして0から3の範囲の値を持ち、ただし(d+e)≦3という限定に従う〕を持つアミノシラン
との反応産物を含有する組成物によって処理された、処理された布。
【請求項2】
前記オキシランもしくはオキセタン化合物がシロキサン、炭化水素およびポリエーテルからなる群より選択される、請求項1に記載の処理された布。
【請求項3】
前記オキシランもしくはオキセタン化合物が、式:
PEPEPE
〔式中、
M=R1011SiO1/2
=R1213HSiO1/2
PE=R1213(−CHCH(R14)(R15O(R16(CO)(CO)(CO)17)SiO1/2
=R1213(R)SiO1/2
D=R1819SiO2/2
=R20HSiO2/2
PE=R20(−CHCH(R14)(R15O(R16(CO)(CO)(CO)17)SiO2/2
=R20SiO2/2
T=R21SiO3/2
=HSiO3/2
PE=(−CHCH(R14)(R15O(R16(CO)(CO)(CO)17)SiO3/2
=RSiO3/2;および
Q=SiO4/2
であり、ここでR、R10、R11、R12、R13、R18、R19、R20およびR21はそれぞれ独立して1から60個の炭素原子を持つ一価の炭化水素ラジカルの群より選択され;
14はHまたは1から6個の炭素原子のアルキル基であり;
15は1から6個の炭素の二価のアルキルラジカルであり;
16は、−CO−、−CO−および−CO−からなる二価のラジカルの群より選択され;
17は、H、1から6個の炭素の単官能性の炭化水素ラジカルもしくはアセチルであり;
は、独立して、オキシランもしくはオキセタン部分の一つもしくはそれ以上を含有する1から60個の炭素原子を持つ一価の炭化水素ラジカルであり;
下付文字fはゼロもしくは正であり、下付文字fがゼロであるときhが正である必要があるという制限に従い;
下付文字hはゼロもしくは正であり、hがゼロであるとき、下付文字fが正である必要があるという制限に従い、そして下付文字h、lおよびpの合計はは正であるという制限に従い;
下付文字kはゼロもしくは正であり、そして約0から約1,000の範囲の値を持ち;
下付文字lはゼロもしくは正であり、そして約0から約400の範囲の値を持ち、下付文字h、lおよびpの合計が正であるという制限に従い;
下付文字oはゼロもしくは正であり、そして0から約50の範囲の値を持ち;
下付文字pはゼロもしくは正であり、そして0から約30の範囲の値を持ち、下付文字h、lおよびpの合計は正であるという制限に従い;
下付文字sはゼロもしくは正であり、そして0から約20の範囲の値を持ち;
下付文字iはゼロもしくは正であり、そして0から約20の範囲の値を持ち;
下付文字mはゼロもしくは正であり、そして0から約200の範囲の値を持ち;
下付文字qはゼロもしくは正であり、そして0から約30の範囲の値を持ち;
下付文字jはゼロもしくは正であり、そして0から約2の範囲の値を持ち;
下付文字nはゼロもしくは正であり、そして0から約20の範囲の値を持ち;
下付文字rはゼロもしくは正であり、そして0から約30の範囲の値を持ち;
下付文字tはゼロもしくは1であり;
下付文字uはゼロもしくは1であり;
下付文字vはゼロもしくは正であり、0から約100の範囲の値を持ち、(v+w+x)>0という制限に従い;
下付文字wはゼロもしくは正であり、そして0から約100の範囲の値を持ち、(v+w+x)>0という制限に従い;
下付文字xはゼロもしくは正であり、そして0から約100の範囲の値を持ち、(v+w+x)>0という制限に従う〕
を持つシロキサンである、請求項2に記載の処理された布。
【請求項4】
前記オキシランもしくはオキセタン化合物が、式:
22(R23(R24α)(R25β
〔式中、R22およびR25は、独立して、オキシランもしくはオキセタン部分の一つもしくはそれ以上を含有する3から12個の炭素原子を持つ一価の炭化水素ラジカルであり;
23およびR24は、H、または1から1000個の炭素の、直鎖のもしくは分岐の、一価の炭化水素ラジカルからなる群よりそれぞれ選択され;
下付文字y、z、α、βはゼロもしくは正であり、ゼロから4の範囲であり、(y+β)>2という制限に従う〕
を持つ炭化水素である、請求項1に記載の処理された布。
【請求項5】
前記オキシランもしくはオキセタン化合物が、式:
26O(R27γ(CO)δ(CO)ε(CO)ζ28
〔式中、R26およびR28は、独立して、オキシランもしくはオキセタン部分の一つもしくはそれ以上を含有する3から12個の炭素原子を持つ一価の炭化水素ラジカルであり;
27は、−CO−、−CO−および−CO−からなる二価のラジカルの群より選択され;
下付文字γはゼロもしくは1であり;
下付文字δはゼロもしくは正であり、そして0から約100の範囲の値を持ち、(δ+ε+ζ)>0という制限に従い;
下付文字εはゼロもしくは正であり、そして0から約100の値の範囲を持ち、(δ+ε+ζ)>0という制限に従い;
下付文字ζはゼロもしくは正であり、そして0から約100の値の範囲を持ち、(δ+ε+ζ)>0という制限に従う〕
を持つポリエーテルである、請求項2に記載の処理された布。
【請求項6】
式:
29(R30κSi(OR313−η−θ(R32η(OR33θ
〔式中、R29は、オキシランもしくはオキセタン部分の一つもしくはそれ以上を含有する3から12個の炭素原子を持つ一価の炭化水素ラジカルであり;
30は、1から60個の炭素からなる二価の炭化水素ラジカルであり、そして下付文字κはゼロもしくは1の値を持ち;R31およびR32は、独立して、1から60個の炭素原子を持つ、一価の、直鎖もしくは分岐の炭化水素ラジカルの群より選択され;
下付文字ηはゼロもしくは正であり、そして0から3の範囲の値を持ち;
下付文字θは0よりも大きく、そして3より小さいかもしくは3と等しく、3−η−θはゼロより大きいかもしくはゼロと等しいという条件に従い;
33は3から200個の炭素原子を含有する炭化水素ラジカルである〕
を持つ化合物の反応産物をさらに含有する請求項1に記載の処理された布。
【請求項7】
が1から10個の炭素原子を持ち;
が1から10個の炭素原子を持ち;
が3から10個の炭素原子を持ち;
、R、RおよびRはそれぞれ独立して1から20個の炭素原子を持ち;
下付文字aが1から3の範囲であり;
下付文字bが0から25以上の範囲であり;
下付文字cが0から3の範囲であり;
、R10、R11、R12、R13、R18、R19、R20およびR21がそれぞれ独立して1から4個の炭素原子を持ち;
下付文字f、l、m、n、o、p、q、rのそれぞれが独立して0から200の範囲であり;
下付文字kが0〜500の範囲であり;
下付文字v、wおよびxがそれぞれ独立して0から50の範囲であり;
23およびR24がそれぞれ独立して5から1000個の炭素原子を持ち;
下付文字δ、ε、ζがそれぞれ独立して0から50の範囲であり;
31およびR32がそれぞれ独立して1から10個の炭素原子を持ち;そして
33が3から100個の炭素原子を持つ、請求項1に記載の処理された布。
【請求項8】
が1から5個の炭素原子を持ち;
が2から8個の炭素原子を持ち;
が3から8個の炭素原子を持ち;
、R、RおよびRはそれぞれ独立して1から15個の炭素原子を持ち;
下付文字aが2から3の範囲であり;
下付文字bが0から15以上の範囲であり;
下付文字cが0から2の範囲であり;
、R10、R11、R12、R13、R18、R19、R20およびR21がそれぞれ独立して1から3個の炭素原子を持ち;
下付文字f、l、m、n、o、p、q、rのそれぞれが独立して0から100の範囲であり;
下付文字kが5〜250の範囲であり;
下付文字v、wおよびxがそれぞれ独立して0から35の範囲であり;
23およびR24がそれぞれ独立して10から500個の炭素原子を持ち;
下付文字δ、ε、ζがそれぞれ独立して0から30の範囲であり;
31およびR32がそれぞれ独立して1から8個の炭素原子を持ち;そして
33が3から50個の炭素原子を持つ、請求項1に記載の処理された布。
【請求項9】
が水素であり;
が2から5個の炭素原子を持ち;
が3から5個の炭素原子を持ち;
、R、RおよびRはそれぞれ独立して2から8個の炭素原子を持ち;
下付文字aが0もしくは1であり;
下付文字bが3であり;
下付文字cが0もしくは1であり;
、R10、R11、R12、R13、R18、R19、R20およびR21がそれぞれ独立してメチルであり;
下付文字f、l、m、n、o、p、q、rのそれぞれが独立して0から50の範囲であり;
下付文字kが5〜150の範囲であり;
下付文字v、wおよびxがそれぞれ独立して0から25の範囲であり;
23およびR24がそれぞれ独立して5から1000個の炭素原子を持ち;
下付文字δ、ε、ζがそれぞれ独立して0から15の範囲であり;
31およびR32がそれぞれ独立して1から4個の炭素原子を持ち;そして
33が3から10個の炭素原子を持つ、請求項1に記載の処理された布。
【請求項10】
が1から10個の炭素原子を持ち;
が1から10個の炭素原子を持ち;
が3から10個の炭素原子を持ち;
、R、RおよびRはそれぞれ独立して1から12個の炭素原子を持ち;
下付文字aが1から3の範囲であり;
下付文字bが0から25以上の範囲であり;
下付文字cが0から3の範囲であり;
、R10、R11、R12、R13、R18、R19、R20およびR21がそれぞれ独立して1から4個の炭素原子を持ち;
下付文字f、l、m、n、o、p、q、rのそれぞれが独立して0から200の範囲であり;
下付文字kが0〜500の範囲であり;
下付文字v、wおよびxがそれぞれ独立して0から50の範囲であり;
23およびR24がそれぞれ独立して5から1000個の、より好ましくは10から500個の、もっとも好ましくは10から300個の炭素原子を持ち;
下付文字δ、ε、ζがそれぞれ独立して0から50の範囲であり;
31およびR32がそれぞれ独立して1から10個の炭素原子を持ち;そして
33が3から100個の炭素原子を持つ、請求項6に記載の処理された布。
【請求項11】
不連続相が水を含有し、そしてエマルションが請求項1に記載の組成物を含有する水性エマルションによって処理された、処理された布。
【請求項12】
不連続相が水を含有し、そしてエマルションが請求項2に記載の組成物を含有する水性エマルションによって処理された、処理された布。
【請求項13】
不連続相が水を含有し、そしてエマルションが請求項3に記載の組成物を含有する水性エマルションによって処理された、処理された布。
【請求項14】
不連続相が水を含有し、そしてエマルションが請求項4に記載の組成物を含有する水性エマルションによって処理された、処理された布。
【請求項15】
不連続相が水を含有し、そしてエマルションが請求項5に記載の組成物を含有する水性エマルションによって処理された、処理された布。
【請求項16】
不連続相が水を含有し、そしてエマルションが請求項6に記載の組成物を含有する水性エマルションによって処理された、処理された布。
【請求項17】
不連続相が水を含有し、そしてエマルションが請求項7に記載の組成物を含有する水性エマルションによって処理された、処理された布。
【請求項18】
不連続相が水を含有し、そしてエマルションが請求項8に記載の組成物を含有する水性エマルションによって処理された、処理された布。
【請求項19】
不連続相が水を含有し、そしてエマルションが請求項9に記載の組成物を含有する水性エマルションによって処理された、処理された布。
【請求項20】
不連続相が水を含有し、そしてエマルションが請求項10に記載の組成物を含有する水性エマルションによって処理された、処理された布。
【請求項21】
連続相が水を含有し、そしてエマルションが請求項1に記載の組成物を含有する水性エマルションによって処理された、処理された布。
【請求項22】
連続相が水を含有し、そしてエマルションが請求項2に記載の組成物を含有する水性エマルションによって処理された、処理された布。
【請求項23】
連続相が水を含有し、そしてエマルションが請求項3に記載の組成物を含有する水性エマルションによって処理された、処理された布。
【請求項24】
連続相が水を含有し、そしてエマルションが請求項4に記載の組成物を含有する水性エマルションによって処理された、処理された布。
【請求項25】
連続相が水を含有し、そしてエマルションが請求項5に記載の組成物を含有する水性エマルションによって処理された、処理された布。
【請求項26】
連続相が水を含有し、そしてエマルションが請求項6に記載の組成物を含有する水性エマルションによって処理された、処理された布。
【請求項27】
連続相が水を含有し、そしてエマルションが請求項7に記載の組成物を含有する水性エマルションによって処理された、処理された布。
【請求項28】
連続相が水を含有し、そしてエマルションが請求項8に記載の組成物を含有する水性エマルションによって処理された、処理された布。
【請求項29】
連続相が水を含有し、そしてエマルションが請求項9に記載の組成物を含有する水性エマルションによって処理された、処理された布。
【請求項30】
連続相が水を含有し、そしてエマルションが請求項10に記載の組成物を含有する水性エマルションによって処理された、処理された布。
【請求項31】
不連続相が非水性ヒドロキシ有機溶媒を含有し、そしてエマルションが請求項1に記載の組成物を含有する非水性エマルションによって処理された、処理された布。
【請求項32】
不連続相が非水性ヒドロキシ有機溶媒を含有し、そしてエマルションが請求項2に記載の組成物を含有する非水性エマルションによって処理された、処理された布。
【請求項33】
不連続相が非水性ヒドロキシ有機溶媒を含有し、そしてエマルションが請求項3に記載の組成物を含有する非水性エマルションによって処理された、処理された布。
【請求項34】
不連続相が非水性ヒドロキシ有機溶媒を含有し、そしてエマルションが請求項4に記載の組成物を含有する非水性エマルションによって処理された、処理された布。
【請求項35】
不連続相が非水性ヒドロキシ有機溶媒を含有し、そしてエマルションが請求項5に記載の組成物を含有する非水性エマルションによって処理された、処理された布。
【請求項36】
不連続相が非水性ヒドロキシ有機溶媒を含有し、そしてエマルションが請求項6に記載の組成物を含有する非水性エマルションによって処理された、処理された布。
【請求項37】
不連続相が非水性ヒドロキシ有機溶媒を含有し、そしてエマルションが請求項7に記載の組成物を含有する非水性エマルションによって処理された、処理された布。
【請求項38】
不連続相が非水性ヒドロキシ有機溶媒を含有し、そしてエマルションが請求項8に記載の組成物を含有する非水性エマルションによって処理された、処理された布。
【請求項39】
不連続相が非水性ヒドロキシ有機溶媒を含有し、そしてエマルションが請求項9に記載の組成物を含有する非水性エマルションによって処理された、処理された布。
【請求項40】
不連続相が非水性ヒドロキシ有機溶媒を含有し、そしてエマルションが請求項10に記載の組成物を含有する非水性エマルションによって処理された、処理された布。
【請求項41】
連続相が非水性ヒドロキシ有機溶媒を含有し、そしてエマルションが請求項1に記載の組成物を含有する非水性エマルションによって処理された、処理された布。
【請求項42】
連続相が非水性ヒドロキシ有機溶媒を含有し、そしてエマルションが請求項2に記載の組成物を含有する非水性エマルションによって処理された、処理された布。
【請求項43】
連続相が非水性ヒドロキシ有機溶媒を含有し、そしてエマルションが請求項3に記載の組成物を含有する非水性エマルションによって処理された、処理された布。
【請求項44】
連続相が非水性ヒドロキシ有機溶媒を含有し、そしてエマルションが請求項4に記載の組成物を含有する非水性エマルションによって処理された、処理された布。
【請求項45】
連続相が非水性ヒドロキシ有機溶媒を含有し、そしてエマルションが請求項5に記載の組成物を含有する非水性エマルションによって処理された、処理された布。
【請求項46】
連続相が非水性ヒドロキシ有機溶媒を含有し、そしてエマルションが請求項6に記載の組成物を含有する非水性エマルションによって処理された、処理された布。
【請求項47】
連続相が非水性ヒドロキシ有機溶媒を含有し、そしてエマルションが請求項7に記載の組成物を含有する非水性エマルションによって処理された、処理された布。
【請求項48】
連続相が非水性ヒドロキシ有機溶媒を含有し、そしてエマルションが請求項8に記載の組成物を含有する非水性エマルションによって処理された、処理された布。
【請求項49】
連続相が非水性ヒドロキシ有機溶媒を含有し、そしてエマルションが請求項9に記載の組成物を含有する非水性エマルションによって処理された、処理された布。
【請求項50】
連続相が非水性ヒドロキシ有機溶媒を含有し、そしてエマルションが請求項10に記載の組成物を含有する非水性エマルションによって処理された、処理された布。



【公表番号】特表2011−515591(P2011−515591A)
【公表日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−533073(P2010−533073)
【出願日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際出願番号】PCT/US2008/012314
【国際公開番号】WO2009/061364
【国際公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【出願人】(508229301)モメンティブ パフォーマンス マテリアルズ インコーポレイテッド (120)
【Fターム(参考)】