Array ( [harmful] => 0 [next] => Array ( [id] => A,2011-52338 [meishou] => 抗菌繊維製品およびその製造方法 ) [prev] => Array ( [id] => A,2011-52336 [meishou] => 耐アルコール性に優れた皮革様シート及びその製造方法 ) ) エレクトロスピニング装置

エレクトロスピニング装置

【課題】繊維の生産効率を飛躍的に向上でき、しかも、得られる繊維集合体の目付け分布を大幅に改善できるエレクトロスピニング装置を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】繊維を紡出する紡糸ノズル1と紡出された繊維を捕集するターゲット4との間に大きな電位差を付与して強電界場を形成した雰囲気中に荷電した紡糸液を紡出して極細繊維からなる集合体を前記ターゲット上に形成するためのエレクトロスピニング装置において、前記紡糸液を拡幅して薄膜状に吐出するワイパー2と、前記吐出孔から吐出された紡糸液に高電荷を集中させる紡糸ノズル表面の凹凸部と、前記紡糸ノズルに対して垂直に延在した方向に前記紡糸ノズルと平行かつ対向して設けられたターゲット2とを備え、前記紡糸ノズルから流下する紡糸液から極細繊維を紡出してターゲット上に捕集することを特徴とするエレクトロスピニング装置とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレクトロスピニグ用ノズル及びそれを用いて溶液(融液)エレクトロスピニングにより微細熱可塑性樹脂繊維を製造するエレクトロスピニング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ナノファイバーと呼ばれる繊維径がナノオーダーの微細繊維は表面積が非常に大きく、電池セパレーター、電磁波シールド材、フィルター、人工皮革、人工血管、細胞培養基材、I
C チップ、有機E L 、太陽電池等の用途に期待されている。しかし、ナノファイバーは繊維径がナノオーダーと非常に細いため、普通の繊維を製造する紡糸方法では製造することができないので、最近、エレクトロスピニング法により製造することが盛んに研究されている。
【0003】
エレクトロスピニング法としては、溶液エレクトロスピニング法が最も一般的であり、図 に示したように、保存タンクに熱可塑性樹脂を溶媒に溶解した熱可塑性樹脂溶媒溶液を収納し、保存タンクの底部に設けられたノズル
から、熱可塑性樹脂溶媒溶液をターゲット に向けて垂らすと共にノズル がプラス電極になり、ターゲット がマイナス電極になるように高電圧発生器 から5 〜 1 0
0 k V の高電圧を印加する方法が知られている( 例えば、非特許文献1 、2 参照) 。
【0004】
上記溶液エレクトロスピニング法において、ノズルの先端から1 本の熱可塑性樹脂溶媒溶液をスプレーするのでは生産性が低いので、ノズル先端に多数の孔を形成し、多数本の熱可塑性樹脂溶媒溶液をスプレーして、一度に多数の微細繊維を製造することも検討されている。しかしながら、ノズルの先端付近に形成した多数の孔から熱可塑性樹脂溶媒溶液をスプレーする場合、孔の形状、大きさが同一であっても、スプレーされた熱可塑性樹脂溶媒溶液の大きさがばらつき、その結果エレクトロスピニングされて得られた微細熱可塑性樹脂繊維の直径のばらつきがあるという欠点があった。
【0005】
なお、このエレクトロスピニングは、米国特許第1975504号明細書(特許文献1)に現れたのが最初と言われている。また、このエレクトロスピニングは、従来、「静電場紡糸」、「静電紡糸」、あるいは「電荷誘導紡糸」などと様々な名称で呼ばれ、古くから行われてきた紡糸方法である。したがって、我が国においても、例えば、下記の特許文献2〜特許文献9等において、その様々な応用技術が提案されている。このように、エレクトロスピニングの歴史は古いが、得られるウェブの製造速度が遅いという大きな問題を有している。このため、工業的な規模でウェブを製造できない故に、近年まで工業的な規模の紡糸方法としては使用されてこなかった。
【0006】
しかしながら、このような原理を使用したエレクトロスピニングが、一躍注目を浴びるようになったのは、最近において高分子溶融物、高分子溶液などの様々な種類の高分子が適用可能であって、数nm(ナノメートル)の直径を有する繊維からなるウェブの製造も可能であることが報告されたことによる。例えば、エレクトロスピニングによって製造されたウェブは、その特性から人工血管や人工臓器等の素材として応用できることがわかり、医療・バイオテクノロジー等へ応用が精力的に研究され始められた。また、1990年代初頭にアメリカで、生物兵器用のガスフィルターを製造するための軍事研究として取り上げられ、また、ガスタービンや自動車用の特殊エアフィルターとして実用化もされている。以上に説明したように、エレクトロスピニングによるウェブの製造は、様々な分野で大きな可能性を秘めているが、その製造速度の遅さに起因する生産効率の悪さに関しては依然として大きな問題として残されている。ただし、この問題を解決するために、紡糸液から繊維を形成するためのノズルを紡糸部に多数設けて、これらのノズルから一斉に繊維を紡出することにより生産性を向上させようとする試みもなされてきた。
【0007】
しかしながら、エレクトロスピニングのような静電界場での紡糸技術において、ノズルを多数設けると、ノズル間で電界干渉を起こすという不具合が発生する。そこで、この欠点を克服するための試みとして、特許文献16及び特許文献17などに見られるように、紡糸部と紡出された繊維を捕集するコレクターとの間に平板電極を設けたり、走査電極や静電四極子レンズを設けたりすることが提案されている。また、多数配列したノズルの中間に電荷分配板を用いることにより、加工速度を向上させることも提案されている。
【0008】
確かに、これらの従来技術によれば、同じ電荷を帯びた繊維(フィラメント)同士が互いにその斥力によって反発し合って広がってしまうという事態を防止することはできる。しかしながら、多数のノズルが並設された中央部では、隣り合うノズルの電界が互いに干渉する影響が大きくなって、紡出する繊維の量が減少し、場合によっては繊維が全く紡出されないといった事態も生じる。また、これとは逆に、ノズルの設置個数が少ない端部では、隣接するノズルから受ける電界の影響が小さくなって、中央部とは逆に多量の繊維が紡出されてしまうという事態を招く。そうすると、当然のことながら、得られたウェブの幅方向における目付け分布に関して言うと、中央部で目付けが小さくなり、端部へ行くに従って目付けが大きくなるという製品品質上の問題を惹起する。ところが、従来技術では、ウェブの生産性を向上させるために、どうしてもより多くのノズルを設けなければならず、それ故に、装置サイズが極端に大きくなる。しかも、このような技術では、得られるウェブに関する前述の目付け斑の悪化もより顕著になる。したがって、従来のエレクトロスピニングでは、生産速度を向上させようとしたときに生じる目付け斑が解消されず、そのために、生産効率が良いウェブの生産方法の確立という目標は未だに満足するレベルにまで達していないのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第1975504号明細書
【特許文献2】特公昭44−21817号公報
【特許文献3】特公昭53−28548号公報
【特許文献4】特公昭59−12781号公報
【特許文献5】特公昭62−18661号公報
【特許文献6】特公昭63−543号公報
【特許文献7】特開昭47−1943号公報
【特許文献8】特表昭56−501325号公報
【特許文献9】特開昭59−204957号公報
【特許文献10】米国特許第4044404号明細書
【特許文献11】米国特許第4323525号明細書
【特許文献12】米国特許第4552707号明細書
【特許文献13】米国特許第4842505号明細書
【特許文献14】米国特許第4904272号明細書
【特許文献15】米国特許第5866217号明細書
【特許文献16】特開2002−201559号公報
【特許文献17】特表2005−534828号公報
【非特許文献1】加工技術 V o l . 4 0 , N o . 2 ( 2 0 0 5 )1 0 1 〜 1 0 3
【非特許文献2】加工技術 V o l . 4 0 , N o . 3 ( 2 0 0 5 )1 6 7 〜 1 7 1
【非特許文献3】Fong et al., Polymer1999,40,4585.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、溶液(融液)エレクトロスピニング法によって均一な直径を有する微細熱可塑性樹脂繊維を得ることができるエレクトロスピニグ用ノズル部及びそれを用いた微細熱可塑性樹脂繊維の製造方法を提供することにある。 従来技術のように多数のノズルを立設して多数の繊維を紡出する生産効率の悪い技術に代えて、繊維の生産効率を飛躍的に向上でき、しかも、得られる繊維集合体の目付け分布を大幅に改善できるエレクトロスピニング装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を達成するための本発明として、下記(1)〜(7)に係るエレクトロスピニング装置が提供される。
(1)繊維を紡出する紡糸ノズルと繊維を捕集するターゲットとの間に大きな電位差を付与して強電界場を形成した雰囲気中に荷電した紡糸液を紡出して極細繊維からなる集合体を前記ターゲット上に形成するためのエレクトロスピニング装置において、前記紡糸液を吐出する吐出孔と、前記吐出孔から吐出された紡糸液を均一な膜厚液にするためのワイパーと、前記紡糸ノズルに対して垂直に延在した方向に前記紡糸ノズルと平行かつ対向して設けられたターゲットとを備え、前記紡糸ノズルから吐出された紡糸液から極細繊維を紡出してターゲット上に捕集することを特徴とするエレクトロスピニング装置。
(2)前記紡糸ノズル部から吐出された紡糸液を均一な膜厚にするためにワイパーの代わりに紡糸ノズル部を振動させることのできる、請求項1に記載のエレクトロスピニング装置。
(3)前記ターゲットが延在する方向へ凹凸に形成した突起を前記紡糸ノズル表面に多数形成した、請求項1に記載のエレクトロスピニング装置。
(4)前記凹凸の先端部が針状形状を有する、請求項1〜請求項3の何れかに記載のエレクトロスピニング装置。
(5)前記凹凸部が粒度換算で#20から#200の形状を有する、請求項1〜請求項4の何れかに記載のエレクトロスピニング装置。
(6)前記凹凸を有する紡糸ノズルの断面形状が、四角形、台形、楕円形、半円形からなる請求項1〜5の何れかに記載のエレクトロスピニング装置
(7)前記紡糸液を均一な膜厚にするめのワイパーの材質が樹脂、ゴム、セラミック、ブラシからなる、請求項1〜請求項5の何れかに記載のエレクトロスピニング装置。
(8)前記凹凸に紡糸液に電荷を付与するための高電圧電源を接続した、請求項1〜請求項6の何れかに記載のエレクトロスピニング装置。
【発明の効果】
【0012】
以上に述べた本発明によれば、紡糸ノズル部に設けられた微小凹凸部へ紡糸液を均一な厚みの溶液層を供給するためのワイパーと加振部により、強い静電界場中に均一な厚みの液面を形成させ、この液面から一斉に繊維をコレクターに向って紡出することができる。しかも、従来技術のように、強い電界を形成する先細ノズルを多数併設することが無いため、ノズル群が有する強い電界間の相互干渉を抑制することができ、しかも、紡糸ノズル部の繊維くずなどもワイパーにより同時に除去できるので,いつもクリーンな状態に紡糸ノズル部を保つことができる。
【0013】
したがって、従来のエレクトロスピニング装置によるウェブ(繊維集合体)の製造と比較すると、本発明のエレクトロスピニング装置によって得られる不織布ウェブなどの形態を有するナノファイバーの集合体の生産効率を飛躍的に向上させることができる。しかも、本発明のエレクトロスピニング装置では、従来のようにノズル間の強い電界の相互干渉を抑制することができる。このために、得られるナノファイバーからなる集合体の目付け分布を大幅に改善できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明のエレクトロスピニグ装置の一例を示す図である。
【図2】本発明のエレクトロスピニグ装置の紡糸ノズルの紡糸ノズルワイパーと紡糸ノズル振動の一例を示す原理図である。
【図3】図1 における紡糸ノズルの表面形状の模式図である。
【図4】図1における紡糸ノズルの断面形状の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明のエレクトロスピニングに使用可能な「高分子物質」には、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリアクリロニトリル−メタクリレート共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン−アクリレート共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン12、ナイロン−4,6などのナイロン系、アラミド、ポリベンズイミダゾール、ポリビニルアルコール、セルロース、酢酸セルロース、酢酸セルロースブチレート、ポリビニルピロリドン−酢酸ビニル、ポリ(ビス−(2−(2−メトキシ−エトキシエトキシ))ホスファゼン)、ポリプロピレンオキサイド、ポリエチレンイミド、ポリこはく酸エチレン、ポリアニリン、ポリエチレンサルファイド、ポリオキシメチレン−オリゴ−オキシエチレン、SBS共重合体、ポリヒドロキシ酪酸、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンオキサイド、コラーゲン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリD,L−乳酸−グリコール酸共重合体、ポリアリレート、ポリプロピレンフマラート、ポリカプロラクトンなどの生分解性高分子、ポリペプチド、タンパク質などのバイオポリマー、コールタールピッチ、石油ピッチなどのピッチ系などの溶融または適正溶媒に溶解可能な様々な高分子が適用可能である。それだけでなく、上記高分子にエマルジョンや有機、無機物の粉末状を混合して用いることも可能である。
【0016】
また、前記「高分子物質」を溶解する溶媒として「揮発性溶媒」を用いて「紡糸液」を製造するが、この「揮発性溶媒」は、揮発性が高い下記(a)群から選ばれた溶媒の少なくとも1種と、揮発性が相対的に低い下記(b)群から選ばれた少なくとも1種の溶媒との混合溶媒を使用することが好ましい。
【0017】
ここで、揮発性の高い前記(a)群の溶媒としては、アセトン、クロロホルム、エタノール、イソプロパノール、メタノール、トルエン、テトラヒドロフラン、水、ベンゼン、ベンジルアルコール、1,4−ジオキサン、プロパノール、四塩化炭素、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、塩化メチレン、フェノール、ピリジン、トリクロロエタン、酢酸を例示することができる。
【0018】
また、揮発性が相対的に低い前記(b)群の溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、アセトニトリル、N−メチルモルホリン−N−オキシド、ブチレンカーボネート、1,4−ブチロラクトン、ジエチルカーボネート、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジオキソラン、エチルメチルカーボネート、メチルホルマート、3−メチルオキサゾリジン−2−オン、メチルプロピオネート、2−メチルテトラヒドロフラン、スルホランを例示することができる。
【0019】
本発明で使用される「高分子物質」を「溶媒」で溶解した紡糸液の粘度は、得られる繊維の繊維径に影響し、一般に、粘度が低ければ繊維径が細くなり、高ければ太くなる。 熱可塑性樹脂溶媒溶液の濃度は、特に限定されないが、熱可塑性樹脂が溶媒に完全に溶解していないとエレクトロスピニングにより微細熱可塑性樹脂繊維が得られにくくなるので、一般に2
〜 2 0 重量% であり、好ましくは3 〜 1 0 重量% である。又、熱可塑性樹脂溶媒溶液の粘度は高くると熱可塑性樹脂溶媒溶液を微細流路から均一に溢流させにくくなるので、その粘度は1
0 〜 1 0 0 0 c p s が好ましく、より好ましくは5 0 〜 5 0 0 c ps である。これよりも粘度が高いと、エレクトロスピニングによって効率的に繊維を得ることが困難となり、生産性が極めて低下すると共に、細い繊維が得られ難くなり、逆に、粘度が低すぎると、紡糸液の流量制御が困難となる。また、エレクトロスピニングは、電荷の反発力が紡糸液の表面張力に打ち勝って生じるので、紡糸液の表面張力は、得られる繊維の繊維径に影響し、一般に表面張力が低ければ繊維径が細くなり、高ければ太くなる。また、紡糸液の表面張力は、大きすぎるとエレクトロスピン現象が生じ難くなって繊維径が大きくなるばかりか、液球の飛散を生じるため、70ダイン以下が好ましい。同様により好ましくは60ダイン以下、最も好ましくは50ダイン以下である。
【0020】
本発明で使用されるターゲットは、高電圧を印加する際にマイナス電極になり、製造された微細繊維がその表面に堆積されるのであるから、導電性を有する板状体が好ましく、例えば、銅板、鉄板、ステンレススチール板、金板、銀板、しんちゅう板、アルミニウム板、これらの導電性板とアルミニウム箔の積層板等が挙げられる。又、連続的に微細繊維を得るには、上記導電性板をベルト化し、ロールで回転するようにしてもよい。ターゲットはエレクトロスピニグ用ノズルの下方に設置されるが、ターゲットとエレクトロスピニグ用ノズルの間隔は近すぎると放電が起こり、微細流路4
から垂下された熱可塑性樹脂溶媒溶液に電荷を負荷できなくなり、遠すぎると微細化された熱可塑性樹脂繊維がターゲットに付着しなくなるので5 〜 1 5 c m が好ましい。
【0021】
本発明においては、熱可塑性樹脂溶媒溶液供給口5 から熱可塑性樹脂溶媒溶液貯留槽2に熱可塑性樹脂溶媒溶液が微細流路4
の底より高くなり、同一高さを維持するように熱可塑性樹脂溶媒溶液を供給する。そうすると、熱可塑性樹脂溶媒溶液は微細流路4 を通って微細流路4 ( リップ部3 )
の先端部から均一に溢流する。この時、エレクトロスピニグ用ノズルがプラス電極になり、エレクトロスピニグ用ノズルの下方に設置されたターゲットがマイナス電極になるように高電圧を印加することにより、溢流した熱可塑性樹脂溶媒溶液にプラスの高電圧を与えると、熱可塑性樹脂溶媒溶液はエレクトスピニングされ、マイナスに帯電したターゲット表面にスプレーされる過程で微細繊維化する。
印加電圧は、低いと熱可塑性樹脂溶媒溶液が微細繊維化せず、高すぎるとノズルとターゲットの間で放電して熱可塑性樹脂溶媒溶液が微細繊維化しなくなるので5
〜 1 0 0 k Vが好ましく、より好ましくは1 0 〜 5 0 k V である。
【0022】
本発明のエレクトロスピニグ装置の構成は上述の通りであり、熱可塑性樹脂溶媒溶液を複数の吐出口から溢流させ、各吐出口から溢流した熱可塑性樹脂溶媒溶液はワイパーや紡糸ノズルの振動により、均一の膜厚の紡糸液層が形成され、その結果、均一な太さの微細繊維を目付けのばらつきがなく生産性よく容易に製造することができる。
【0023】
次に本発明の実施例を説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0024】
1:紡糸ノズル
2:熱可塑性樹脂溶媒溶液貯留槽
3:リップ部
4:微細流路
5:熱可塑性樹脂溶媒溶液供給口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維を紡出する紡糸ノズルと繊維を捕集するターゲットとの間に大きな電位差を付与して強電界場を形成した雰囲気中に荷電した紡糸液を紡出して極細繊維からなる集合体を前記ターゲット上に形成するためのエレクトロスピニング装置において、前記紡糸液を吐出する吐出孔と、前記吐出孔から吐出された紡糸液を均一な膜厚液にするためのワイパーと、前記紡糸ノズルに対して垂直に延在した方向に前記紡糸ノズルと平行かつ対向して設けられたターゲットとを備え、前記紡糸ノズルから吐出された紡糸液から極細繊維を紡出してターゲット上に捕集することを特徴とするエレクトロスピニング装置。
【請求項2】
前記紡糸ノズル部から吐出された紡糸液を均一な膜厚にするためにワイパーの代わりに紡糸ノズル部を振動させることのできる、請求項1に記載のエレクトロスピニング装置。
【請求項3】
前記ターゲットが延在する方向へ凹凸に形成した突起を前記紡糸ノズル表面に多数形成した、請求項1に記載のエレクトロスピニング装置。
【請求項4】
前記凹凸の先端部が針状形状を有する、請求項1〜請求項3の何れかに記載のエレクトロスピニング装置。
【請求項5】
前記凹凸部が粒度換算で#20から#200の形状を有する、請求項1〜請求項4の何れかに記載のエレクトロスピニング装置。
【請求項6】
前記凹凸を有する紡糸ノズルの断面形状が、四角形、台形、楕円形、半円形からなる請求項1〜5の何れかに記載のエレクトロスピニング装置
【請求項7】
前記紡糸液を均一な膜厚にするめのワイパーの材質が樹脂、ゴム、セラミック、ブラシからなる、請求項1〜請求項5の何れかに記載のエレクトロスピニング装置。
【請求項8】
前記凹凸に紡糸液に電荷を付与するための高電圧電源を接続した、請求項1〜請求項6の何れかに記載のエレクトロスピニング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−52337(P2011−52337A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−201193(P2009−201193)
【出願日】平成21年9月1日(2009.9.1)
【出願人】(506158197)公立大学法人 滋賀県立大学 (29)
【Fターム(参考)】