説明

エレクトロスプレー用途のための改良した装置および方法

装置および方法が提供される。この装置は、導電性ホルダ内に配置した導電性ユニオンと、ホルダと接続し、導電性ユニオンと流体連通できる第1のフィッティングと、このフィッティング内に配置してあり、軸線に沿って導電性ユニオンと連通しているスプレー・チップとを含む。装置は、また、第2のホルダに接続し、第2の導電性ユニオンと連通できるフェルールおよびフィッティングと、フェルール内に配置してあり、軸線に沿って第1の導電性ユニオンおよびスプレー・チップと流体連通している管とを含む。アセンブリは、また、第1、第2の導電性ユニオンに着脱自在に固定してあり、これら第1、第2の導電性ユニオンが、それぞれ、第1、第2の電圧レベルに電気的に接続したときに第1、第2の導電性ユニオンを電気的に絶縁する絶縁部材を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2003年5月29日に出願した米国仮特許出願通し番号第64/474,007号の優先権を主張するものである。この米国仮特許出願は参照によって本明細書に加入する。
【0002】
本発明は、液体クロマトグラフィや質量分析法のような分析システムおよび方法で使用されるエレクトロスプレー用途および他の技術において便利に使用できる装置および方法に関する。より詳しくは、本発明は、エレクトロスプレー用途のための液体流に電圧を印加する際に有用な導電性液絡部アセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
エレクトロスプレー技術は、液体クロマトグラフィ(LC)や質量分析法(MS)のような用途およびシステムで試料溶液の分析を行うために使用することがある。このような技術においては、試料溶液(たとえば、LCシステムからの溶出液)をエレクトロスプレー装置で霧化してから質量分析計で分析することがある。このような技術は、生物学的検体またはサンプルの分析を行うためにもしばしば使用される。
【0004】
エレクトロスプレーとは、一般的に、電荷を液体または溶出液に与えて、溶出液の非常に細いエアゾールを生成するのに使用する方法と言われている。分析用途で使用される在来のエレクトロスプレー技術は種々の装置を必要とする。或る在来方法では、鋭い先端を持つかテーパの付いた中空管(たとえば、注射針)を使用することがある。高圧電源をこの中空管に取り付け、この中空管を通して溶出液を圧送し、溶出液を非常に細いエアゾール形態で中空管の端から噴霧できる。溶出液エアゾールの液滴は、分析用のコレクタとして使用される対向電極に向かって飛翔する。別のいくつかの在来方法では、出口オリフィスのところかまたはその近くに設けた、導電性材料(たとえば、金属または黒鉛)でコーティングしたスプレー・チップ管に溶出液を通し、この管のコーティングを電圧源に接続することによって電圧を導入する。この方法での問題の1つは、コロナ放電によってコーティング材料が徐々に剥離し、コーティングの効果が低下し、スプレーが不安定になる可能性があるということにある。コーティングされたスプレー・チップが導電性材料でコーティングされていないものよりも高価であるという問題もある。
【0005】
エレクトロスプレー技術および装置の1例が、Caprioliの米国特許第5,572,023号(1996年11月5日出願)に記載されている。この米国特許は参考資料として本明細書に援用する。Caprioli特許は、帯電した毛管スプレー針の使用を記載している。Caprioli特許においては、溶出液は、この針を通過する前に電圧源に接続した鋼製フィッティングを通過して電荷を付与される。次いで、流体はフィッティングから非電導性針を通過する。実際には、この方法では、フィッティングのところでシステムに死空間を加えることになり、電荷を流体流に付与するのに使用するフィッティングを針の上流側に位置させなければならない。
【0006】
エレクトロスプレー用途のための装置および方法の別の例が、Smith等に1989年6月27日に発行された米国特許第4,842,701号に記載されている。この米国特許は参照により本明細書に加入する。Smith特許は、試料の化学分析のためのエレクトロスプレー用途を記載している。
【0007】
ナノ・スプレー用途では、分析しようとしている試料のサイズや溶液の体積をもっと小さくしなければならない。このような用途においては、溶出液の流量は、代表的には、毎分5ナノリットルまたはもっと少ないオーダーである。このようなナノ・スプレー用途では、電圧を溶出液流に導入する必要があるが、これは、実際の内部容積が最小となる流体給送用の閉じたシステムを使用するミクロ流体用途から複雑となる。電圧源を溶出液流に適用する部位は、普通、「液絡部」と呼ぶ。さらに、このような試料の縮小サイズは、代表的には、より伝統的エレクトロスプレー用途から見ると1桁またはそれ以上も小さいものであり、過度に扱いにくくもなく、壊れやすくもない正確かつ精密な装置を得るのを難しくしている。
【0008】
電圧を溶出液流に印加するための在来方法の1つでは、「T字形」の構成要素または液絡部を含み、その3番目のポートが導電性ワイヤを固定し、吊り下げている。この付加的な構成要素はシステムの内部容積を増大させ、分析能力を低下させる。さらに、このような在来用途における吊り下げられたワイヤは、しばしば、流体の流れに乱流を生じさせ、溶出液の乱れのない(direct)層流と干渉し、望ましくない遅延を引き起こす。
【0009】
このような在来の液絡部の保守では、しばしば、詰まりが生じたり、導電性ワイヤが無効果レベルまで劣化したりしたときに構成要素または液絡部全体を交換しなければならない。この交換には、通常、フィッティングおよび配管の分解が必要であり、したがって、かなりの労力や作業時間が必要となることがある。
【0010】
わずかに異なった液絡部の使用例が、Henion等に1996年12月24日に発行された米国特許第5,587,582号に見いだされる。この米国特許は参考資料として本明細書で援用する。Henion特許では、電荷を流体流に導入するのに「T」字形の液絡部を使用することを記載している。Henion特許においては、T字形の液絡部を設けることによって毛管電気泳動システムからの流体を反対端に針を有する毛管に導入している。これら2つの毛管の液絡部のところで、第3の管が溶媒を液絡部に導入する。針を備えた管の末端に電極を取り付けることによって電荷を与える。Henion特許のアセンブリでは、死空間ならびに流体の流れへ乱流を導入する可能性を最小限に抑えるために管の精密な配置および構成を必要とする。
【0011】
さらに別の方法としては、スプレーを発生させるための折れた管の使用がある。2000年10月31日にWittmer等に発行された米国特許第6,140,640号に、このような管の使用が記載されている。Wittmer特許(参照により本願明細書に加入する)においては、折れ部は非電導性管に設けてあり、針または管の出口オリフィスから隔たった選定位置にあり、カラーが折れ部付近で管を取り囲んでいる。折れ部付近に位置したワイヤまたは電極によって電圧が流体に導入される。
【0012】
これらの在来方法は、代表的には、多くの問題点を含んでいる。管を折るということは、明らかに、管を弱くするし、流れに電荷を導入するために針およびワイヤの充分近くに折れ部を位置させるにはかなりの労力と時間が必要となる。T字形の液絡部を使用している在来方法では、しばしば、システムに望ましくない死空間を与え、保守および交換のためになおかなりの時間を必要とする可能性がある。このような在来の用途においては、流れに電圧を印加するのに使用するワイヤまたは電極の位置からさらに他の問題が生じる。安全性を侵したり、電弧を発生させたりする可能性のある露出ワイヤを設けることは望ましくない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、電荷を流体流に導入するために導電性液絡部アセンブリを使用する装置および方法を提供する。一実施形態において、カラム・ホルダ、「ホット」ユニオン、「アース」ユニオンおよびこれらのユニオンのための導電性ホルダからなるアセンブリを、ホット・ユニオンとアース・ユニオンとの間で電気絶縁部材に設けた溶融シリカ製毛管および流体のスプレーを行うための針先端付き管に流体流を運ぶ管を着脱自在に取り付けるのに使用する。導電性ホット・ユニオンを経て電圧を流体に印加し、導電性アース・ユニオンを経てアース電圧を流体に印加できる。一実施形態においては、適切な材料で溶融シリカ製毛管をパッキングすることによってカラムを得ることができる。本発明の一実施形態においては、エレクトロスプレー用途のための溶出液流体の流れに電圧を与える方法が提供される。ここで使用している「ホット」なる用語は、このような状況における通常の普遍的な意味を有する(すなわち、その構成要素が印加された電圧を有するということ)。
【0014】
本発明の目的は、エレクトロスプレー用途で使用される流体に電圧を印加するための新規なアセンブリを提供することにある。
【0015】
本発明の別の目的は、エレクトロスプレーを行い、流体に電荷を付与するための配管に第1のシステムからの配管を作業者が容易に接続できるアセンブリを提供することにある。
【0016】
本発明の別の目的は、エレクトロスプレー用途のための流体に電圧を導入するアセンブリであって、保守を容易に行うことのできるアセンブリを提供することにある。
【0017】
本発明のまた別の目的は、エレクトロスプレー用途のための流体に電圧を導入するアセンブリであって、もしシステムに死空間が導入された場合にその死空間を最小限に抑えるアセンブリを提供することにある。
【0018】
本発明のこれらおよび他の目的、利点は、当業者であれば図面および以下の詳細な説明から明らかとなろう。
【0019】
添付図面において、図1は、本発明の一実施形態のアセンブリを接続状態で示している図であり、図2は、図1に示すアセンブリのA−A線に沿った断面図であり、図3A、3B、3C、3D、3E、3F、3Gは、本発明の一実施形態で役に立つカラム・ホルダの補助的な図であり、図4A、4B、4Cは、本発明の一実施形態において役に立つ「ホット」液絡部の補助的な図である。図5A、5B、5C、5Dは、本発明の一実施形態において役に立つ「アース」液絡部の補助的な図であり、図6A、6B、6C、6Dは、本発明の一実施形態において役に立つ導電性ユニオンの補助的な図であり、図7A、7B、7C、7D、7E、7Fは、本発明の一実施形態において役に立つ導電性ユニオンの補助的な図であり、図8A、8Bは、本発明において役に立つ、図6A〜6Dに示す導電性ユニオンの補助的な図であり、図9は、本発明の別の実施形態において役に立つ導電性ユニオンの別の実施形態の断面図であり、図10は、本発明の別の実施形態の分解図であり、図11Aは、本発明の別の実施形態の図であり、図11Bは、図11AのA−A線に沿った、図11Aの別の実施形態の断面図である。
【課題を解決するための手段】
【0020】
たとえば、図1に示すような導電性ユニオン・アセンブリ1は、電圧を流れに印加する非侵襲性方法を創り出す新規な解決策を提供する。この導電性ユニオン・アセンブリ1は、在来の液絡部よりもかなり小さい内部容積を有し、在来の種々の液絡部におけるように流体流内にワイヤを吊り下げることによって生じる乱流を導入することはない。様々な方法によってアセンブリ1の導電性ホルダ40に電圧を印加でき、これは次いでアセンブリ1を通って流れている流体に該電圧を伝える。導電性ユニオン22は、従来の方法と比較して容易に交換可能であり、電圧ワイヤを保持するのにねじ付きのフィッティングを使用する必要がない。導電性ユニオン22を使用して電圧を印加するこの方法によれば、多様な流体配給システムにアセンブリ1を容易に適応させることができる。さらにまた、導電性ユニオン・アセンブリ1を経てカラムを流体系に直接接続できる。この直結性により、最低限可能な内部容積を有するアセンブリが出来上がる。
【0021】
図1に示すように、アセンブリ1は、導電性ユニオン20と、ホルダ10と接続させ、導電性ユニオン20と連通させることのできる第1のフィッティング15と、第1の指でしっかり締めたフィッティング15内に配置してあり、軸線に沿って導電性ユニオン20と連通している管25とを含む。アセンブリ1は、また、ホルダ10と接続させ、導電性ユニオン20と連通させることのできるフェルール27と、フェルール27内に配置してあり、軸線に沿って導電性ユニオン22および管25と連通しているマイクロボア管5とを含む。アセンブリ1は、また、ユニオン22と接続していて管25と溶融シリカ製毛管30とを流体連通させることのできる第2のフィッティング17を含む。この第2のフィッティング17は、軸線に沿って内部に配置したマイクロボア管25を有する。
【0022】
図1に示すように、管25はテーパを付けた末端部を有する。これにより、管25の末端部から排出されたときに流体のスプレーが形成される。管25は、市販されている在来の溶融シリカ・タイプのものであってもよく、たとえば、マサチューセッツ州ウォーバーンのNew Objective, Inc.からエレクトロスプレー用途で市販されているものであってもよい。さらに、アセンブリ1は、ホルダ10と第2のホルダ40との間に設置した絶縁体35を含む。フィッティング17は、アセンブリ1内に管25を着脱自在に密封、固定するように設けてある。
【0023】
次に図2を参照して、ここには、図1のA−A線に沿ったアセンブリ1の断面図が示してある。(参照容易なように、種々の図の種々の構成要素に同じ参照符号を使用している)。図2に示すように、このアセンブリ1もフェルール27および導電性ユニオン20を含む。図2において、管5は、溶融シリカ製毛管30と密封流体接続するように着脱自在に固定されている。フィッティング15により、作業者は、フィッティング15を締めることによって管5を所定位置に固定することができ、それによって、ユニオン20の第1端部に対してフェルール27および管5を押圧できる。これにより、作業者は、管5の通路から管30の一端までの流体連通を可能にする確実な密封接続を容易に行うことができる。管30は、50ミクロンほどの内径を有する溶融シリカ製毛管であるが、当業者であれば、管30を他の材料、サイズで作ることができることは明らかであろう。
【0024】
図1、2に示すように、ホルダ40およびユニオン22は「ホット」であると言うことができる。一実施形態において、電圧(たとえば、+3000ボルト直流)を任意の在来手段によってホルダ40に印加する。たとえば、絶縁クランプを使用して、電圧源からホルダ40にワイヤを安全かつ着脱自在に取り付けてもよい。この場合、作業者は、ワイヤ、クランプまたはホルダ40に触れる必要がない。本発明者として、電圧源(0ボルトまたはアース電圧を含む)からホルダ10、40に電位を与えるヒューズクリップを使用するのが好ましいと思っている。たとえば、ミズーリ州セントルイスのCooper Industries, Bussman Divisionから市販されているヒューズクリップが好ましい。このようなヒューズクリップは、作業者がホルダ10、40にしっかりと取り付けることができ、しかも作業者が手作業で容易に取り外すことができる選定サイズのものであるとよい。このようなヒューズクリップは、ベリリウム銅のような種々の材料で作ることができる。同時に、ユニオン20はアース接続する。これは、たとえば、アース接続した或る装置にホルダ10を電気的に接続することによって行う。一実施形態において、ホルダ40およびユニオン22は、316ステンレス鋼で作ってある。同様に、ホルダ10およびユニオン20も316ステンレス鋼で作ってある。他の導電性金属を使用してもよいが、導電率、耐久性を含む多くの理由および生物学的材料に対して比較的不活性であってアセンブリ1を生物学的に適合させ得るという理由のために316ステンレス鋼が有利である。さらに、絶縁体35は、フィッティング15、17およびフェルール27と同様に、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)で作ってある。当業者であれば明らかなように、或る特定の用途で使用される溶媒および試料に応じて種々の電圧を使用できる。代表的には、アセンブリ1で使用される電圧は、約+3,000ボルト直流程度から約+8,000ボルト直流までの範囲にある。
【0025】
次に図3A〜3Gを参照して、ここには、絶縁体35の補助的な図が示してある。図3Aに示すように、絶縁体35は2つの端部を有する。各端部は突出部分301を有する。突出部分301は、先細となるように円錐形となっている。絶縁体35の各端部にある突出部分301と絶縁体35の本体部分との間にはねじ付き部分305がある。図3A、3B、3Cに示すように、ねじ付き部分305は絶縁体35の外面に設けてある。また、図3Aに示すように、絶縁体35の本体部分には溝310が設けてあり、絶縁体35の内部に配置した管30に作業者が容易にアクセスできるようにしている。絶縁体35の本体部分は、また、作業者が容易に観察できるように外面に設けた目に見える矢印記号320を含む。この矢印320により、絶縁体35をたとえばアセンブリ1に示すように接続したときに、システムの流体流に対する絶縁体35の適切な向きを作業者が迅速かつ容易に決定できる。
【0026】
次に図3Eを参照して、ここには、図3AのA−A線に沿った絶縁体35の断面図が示してある。図3Eに示すように、絶縁体35は、その各端部からその本体の内部まで延びる通路310を有する。これらの通路310は、各々、管30のような配管を受け入れ、絶縁体35を貫く流体連通を可能にする。図1、2に示した実施形態においては、溶融シリカ製毛管30は通路310を含めて絶縁体35を貫いて延びている。図2に示すように、管30の端部の一部は絶縁体35の円錐形端部301を越えて延びている。しかしながら、当業者には明らかなように、管30は、その一部が絶縁体35の端部のどちらからも突出しないようなサイズであってもよい。たとえば、当業者には明らかなように、絶縁体35は、配管およびフィッティングまたはフィッティング/フェルール組み合わせを受け入れるように内向きにテーパの付いた凹所(図示せず)を備えていてもよい。管30は、カラムとして役立つようにパッキング材料(図示せず)を含んでいてもよい。管30は、数多くのパッキング材料のうちのいずれか1種のパッキング材料を含んでいてもよく、たとえば、ワシントン州オークハーバーのUpchurch Scientificから市販されている、毛管試料トラップ・カラム内に配置したC18相材料を含んでいてもよい。当業者には明らかなように、数多くの異なった材料のうちのいずれか1種の材料を管30に使用し、或る特定の用途で分析しようとしている溶媒および試料に応じて所望の特性を有するカラムとしてもよい。
【0027】
図4A、4B、4Cを次に参照して、ここには、「ホット」液絡部40の補助的な図が示してある。図4Bは、図4AのA−A線に沿った液絡部40の断面図である。図4A、4Bに示すように、液絡部40は2つの端部401、402を有する。一方の端部401は、作業者が液絡部40をより容易に把持して回転させることができるように、目の粗い刻みを備える。液絡部40は本体部分410も有する。図4Bに示すように、液絡部40は、液絡部40の本体部分全体および液絡部410の両端部401、402を貫いて延びる通路を備えた内側部分を有する。液絡部410は、たとえば、図2に示すように、導電性ユニオン22を受け入れるようになっている内側部分420も有する。図4Bにも示すように、液絡部40はねじを切った内側部分405、406を有する。ねじを切った部分405、406は、たとえば図2に示すように、それぞれ、絶縁体35の一端部305およびフィッティング17の一部をしっかりと受け入れ、保持するようになっている。ねじを切った部分405、406を使用することで、作業者がアセンブリ1を組み立てるのがより容易になると共に、たとえば、管30を交換する必要のあるときやアセンブリ1の一部が部分的または完全に詰まったときにアセンブリ1を分解するのがより容易になる。
【0028】
次に図5A〜5Dを参照して、ここには、ホルダ10の補助的な図が示してある。図5Bは、図5AのA−A線に沿ったホルダ10の断面図である。図5A、5Bに示すように、ホルダ10は、第1端部501と、本体部分510と、第2端部502とを有する。ホルダ10は、また、ホルダ10の本体部分の全長にわたって延びている内部通路を含む。ホルダ10は、さらに、内ねじを切った部分505、506を有する。内ねじを切った部分505、506は、たとえば図2に示すように、それぞれ、絶縁体35の一端305およびフィッティング15にしっかりと着脱自在に取り付けられるようになっている。ホルダ10を貫いて延びている通路は、たとえば図2に示すように、導電性ユニオン20を受け入れて保持するようになっている内側部分520を含む。通路は、さらに、たとえば図2に示すように、アセンブリ1を組み立てたときに管30の一端と管5の一端との間を密封接続できるようになっている。図1に示すように、ホルダ10の端部502が目の粗い刻み部分を有してもよく、これによって、作業者がホルダ10をより容易に把持して回転させ、アセンブリ1を組み立てるかまたは分解できる。液絡部40と同様に、ホルダ10は、本発明の一実施形態においては、316ステンレス鋼で作ってある。液絡部40に関して上述したように、316ステンレス鋼は、導電率、耐久性および生体適合性を含めて数多くの理由により有用である。
【0029】
図6A〜6Dにおいて、ここには、導電性ユニオン20の補助的な図が示してある。導電性ユニオン20は、それを貫いて延びている通路を有し、たとえば図2に示すように、管5の一端と管30の一端とを流体連通できるようになっている。ユニオン20は、本発明の一実施形態においては316ステンレス鋼で作ってある。316ステンレス鋼は、その耐久性、導電率、更には生体適合性による利点を有する。図示はしていないが、ユニオン20の通路に他の導電性金属、たとえば、ゴールド、プラチナ等の電気メッキを施してあってもよいことは明らかであろう。所望により、ユニオン20全体をゴールド、プラチナまたは別の選定した導電材料でメッキしてもよい。
【0030】
次に図7A〜7Fを参照して、ここには、ユニオン22の補助的な図が示してある。図7Eは、図7AのA−A線に沿ったユニオン22の断面図である。ユニオン20と同様に、ユニオン22はそれを貫いて延びている通路を有する。この通路は、アセンブリ1を組み立てたとき、たとえば図2に示すように、管30の一端と管25の一端とを流体連通できるようにするために設けてある。ユニオン20と同様に、ユニオン22は316ステンレス鋼で作ってあるが、所望に応じて他の導電性材料、たとえばゴールド、チタン、プラチナその他の材料でメッキしたり、このような材料で作ったりしてもよい。図7Eに示すように、ユニオン22は、一端にテーパ付きの内側部分701を有し、他端にテーパ付きの内側部分730を有する。テーパ付きの部分701、730は、それぞれ、フィッティング17の一端および絶縁体35の一端301と取り外し可能な密封接続を行えるようになっている。ユニオン22は、さらに、内側部分710、720を有し、これらの内側部分710、720は、アセンブリ1を組み立てたときに、たとえば図2に示すように、それぞれ、管25の一端および管30の一端を密封接続状態で着脱自在に保持できるようになっている。内側部分715は、互いに接触させる必要がないように管30と管25とを流体連通させることができる。内側部分715は、超低体積、たとえば、約10〜15ナノリットルの体積を備えていて死空間の量を最小限に抑えることができる。図7Fは、ユニオン22の内側部分710、715、720の詳細図を示している。図7Fに示すように、内側部分715の幅は約1/100インチである。
【0031】
次に図8A、8Bを参照して、ここには、ユニオン20に関する補助的な詳細が示してある。図8Aはユニオン20の断面図を示している。図8Aに示すように、ユニオン20は、テーパ付きの内側部分810、830を有する。さらに、ユニオン20は内側部分805、815、820を有する。これらの内側部分は、フィッティング(図示せず)および絶縁体35の一端301をしっかりした密封状態で受け入れ、保持するようになっている。内側部分805、815、820は、ユニオン20を貫いて流体連通を行い、死空間を最小限にし、流体の流れに加えられるいかなる乱流をも最小限にしている。
【0032】
当業者には明らかなように、ここに示してはいないが、ユニオン20は、ユニオン22に関して図示し、説明したものと同じまたは類似している内部構成を備えていてもよい。さらに、当業者には明らかなように、ユニオン20、22の内側部分は、本明細書に図示し、説明したもの、たとば図2に示したもの以外の形態でフェルールおよび/またはフィッティングを受け入れ、しっかりと密封状態で保持するように変更可能である。
【0033】
次に図9を参照して、ここには、別の導電性ユニオン900の断面図が示してある。図9に示すように、ユニオン900は、互いにしっかりと係合するようになっている第1部材901および第2部材902を含む。部材901および902は、各々、それを貫く通路を有し、それを貫く流体連通を可能にしている。図9に示すように、部材901、902の各々は、それぞれ、管(図示せず)およびフィッティング(またはフェルールとフィッティングの組み合わせ)(図示せず)を着脱自在に取り付けることができるように、テーパ付きの内側部分920、910を有する。さらに、部材901、902の各々は、それぞれ、内部通路925、915を有する。また、フリット903も図9に示してある。フリット903は在来タイプのものであってもよく、当業者には明らかなように、フリット903は部材901または902のいずれかに設けた凹所または着座部内にしっかり保持されるようになっている。フリット903は適切な材料で作ってあるとよく、このような材料は、通常、分析しようとしている溶出液および試料の性質および特性に基づいて選ぶ。フリット903は、透過性または多孔性の材料、たとえば、焼結ステンレス鋼またはチタンで作り、フィルタ機能を与えながら溶出液が通過できるようにする。一実施形態において、部材901は316ステンレス鋼で作ってあり、溶出液が通路925を通過するときに部材901に与えられた電圧が溶出液にも与えられる。さらに、部材902は、絶縁材料、たとえば、ポリエーテルエーテルケトンで作る。フリット903は導電性金属材料で作ってあり、部材901に印加された電圧がフリット903にも印加され、そして、溶出液がフリット903を通過するときに、同様に溶出液にも印加される。フリット903は、それを受け入れるようになっている部材902にある着座部内に圧入するとよい。
【0034】
図1、2を次に参照して、アセンブリ1の組み立て、分解をより詳しく説明する。エレクトロスプレー用途で使用するためにアセンブリ1を組み立てるには、作業者は、管5を溶出液源に接続する必要がある。当業者には明らかなように、管5は、従来手段によって分析用途のための液体クロマトグラフィ・システムその他のシステムに接続することもできるし、任意在来タイプの注入弁のような源に接続することもできる。作業者は、次いで、管5の自由端をフィッティング15にある通路およびフェルール27に通す(ここでは、作業者がすでに管5の他端を溶出液源に接続していると仮定するが、当業者には明らかなように、作業者は、最初にアセンブリ1を組み立ててから管5の一端を溶出液源に接続してもよい)。当業者には明らかなように、フィッティング15およびフェルール27は異なったタイプおよび材料のものであってもよいが、最良の結果を得るには、本発明者としては、ワシントン州オークハーバーのUpchurch Scientificから市販されているF−331−01およびF−113がそれぞれ好ましいと考えている。同様に、フィッティング17にF−124Sフィッティングを使用すると好ましい。F−124Sもまたワシントン州オークハーバーのUpchurch Scientificから市販されている。
【0035】
ここでなお図2を参照して、作業者は、ユニオン10にある凹所内にユニオン20を置く。次いで、作業者は、ユニオン20の第2端部(すなわち、図2に示すように管5から離れた方の端部)を絶縁体35の第1端部に付き合わせて置く。図2に示すように、ホルダ10の第2端部および絶縁体35の第1端部は、互いを螺合するようになっているねじを切った部分を有する。ユニオン20をホルダ10に挿入し、ホルダ10の第2端部を絶縁体35の第1端部に取り付け、次いでホルダ10を絶縁体35に対して回転させる(またはホルダ10に対して絶縁体35を回転させる)ことによって、作業者はねじを切った部分を螺合させることができ、その結果、ホルダ10および絶縁体35をしっかりと取り付けて管30の第1端部とユニオン20の内部通路とを流体連通させることができる。
【0036】
次に、作業者は、管5、フェルール27およびフィッティング15の組合わせを、このような組み合わせを受け入れるようになっているホルダ10の第1端部に入れる。管5の端部をホルダ10の内部に位置するユニオン20の第1端部に突き合わせた後、作業者は次いでフィッティング15を回転させてフィッティング15のねじを切った部分をホルダ10のねじを切った部分に螺合させるだけでよい。フィッティング15をホルダ10に対して回転させることによって、作業者は、フィッティング15を所定位置に螺合させ、管5からユニオン20の内部通路までの流体連通を行える密封接続部を形成する。
【0037】
同様にして、作業者は、管25の一端をフィッティング17に通し、管25のこの端をユニオン22の着座部に対してしっかりと突き合わせた後にフィッティング17を回転させ、フィッティング17のねじを切った部分をホルダ40のねじを切った部分に螺合させることによってアセンブリ1を完成させることができる。ホルダ40に対してフィッティング17を回転させることによって、作業者は、管25の端部をユニオン22にしっかりと取り付けることができる。同様にして、作業者は、管30の第2端部をユニオン22の他端に突き合わせ、次いで、絶縁体35に対してホルダ40を回転させ、ホルダ40および絶縁体35のねじを切った部分を互いに螺合させることによって、絶縁体35の第2端部をホルダ40に固定できる。前述のように、作業者は、最初に絶縁体35の第2端部をホルダ40の第1端部に接続してから管25およびフィッティング17をホルダ40の第2端部に接続するのを好むかもしれない。
【0038】
作業者は、アセンブリ1を分解したいときには、容易にそれを行うことができる。たとえば、作業者がアセンブリ1を異なった溶出液源に接続したい場合には、作業者は、単にフィッティング15を回転させてそれを緩めるだけでよい。こうすることで、作業者は、管5、フィッティング15およびフェルール27の組み合わせをホルダ10から取り外すことができる。作業者がこれを行うのに、アセンブリ1の残りの部分を分解することはない。次いで、作業者は、アセンブリ1の残りの部分を異なった溶出液源に容易に取り付けることができる。あるいは、管30がカラムとして役立つように或る材料でパックされており、管30が詰まるか、または、その性能が経時低下した場合には、作業者は、ホルダ10を絶縁体35に対して回転させてホルダ10および絶縁体35のねじを切った部分を分離させ、ホルダ10を絶縁体35から容易に外すことによってアセンブリ1を迅速かつ容易に分解できる。同様にして、作業者は、絶縁体35に対してホルダ40を回転させ、絶縁体35およびホルダ40のねじを切った部分を分離させ、ホルダ40を絶縁体35から容易に外すことができる。次に、作業者は、管25をホルダ40から外したり、ホルダ10から管5を外したりする必要なしにホルダ40および10を新しい絶縁体35に簡単に再取り付けることができる。こうすることによって、作業者は、管30をより容易かつ迅速に交換できる。同様にして、管25が破断するかまたはなんらかの理由によって交換する必要がある場合には、作業者は、単にホルダ40に対してフィッティング17を回転させ、フィッティング17のねじを切った部分からホルダ40のねじを切った部分を外し、フィッティング17および管25をホルダ40から取り外すだけでよい。次に、新しい管25をフィッティング17に通し、管25のテーパのない端部をホルダ40内でユニオン22の第2端部に突き合わせ、次いで、ホルダ40に対してフィッティング17を回転させ、そのねじを切った部分をホルダ40のねじを切った部分に螺合させることによって、新しい管25を迅速かつ容易に再取り付けすることができる。
【0039】
次に図10を参照して、ここには、本発明の別の実施形態の分解図が示してある。図10において、アセンブリ1は、2つの対向する部材1000、1010の間に示してある。部材1000、1010の本体部は、各々、アセンブリ1(組み立てられているものとする)の少なくとも一部を受け入れ、保持するようになっている。部材1000、1010は、一実施形態において、PEEKで作ってある。部材1000、1010の各々は、また、一端に細長い部分1040を有し、これには、テーパ付きの管25を受け入れる凹所が設けてある。さらに、部材1000は、部材1030に対向する面に設けた2つのヒューズクリップ1030を含む。上記のように、ヒューズクリップ1030は、或る選定サイズの導電性材料からなり、アセンブリ1のホルダ10および40を受け入れ、所定位置にしっかりと保持できるようになっている。ヒューズクリップ1030は、ホルダ10および40を対応するヒューズクリップ1030にスナップ連結させることによって、作業者が部材1000に関してアセンブリ1を所定位置に容易かつ迅速にスナップ連結できるように選定するとよい。
【0040】
さらに、図10は、部材1000が部材1010に対向する面に位置する案内ピン1020を有することを示している。部材1000に対向している部材1010の面は、部材1000のピン1020を受け入れて保持するように適切な場所に設けた開口または凹所を備えているとよい。したがって、ピン1020を設けたことにより、作業者はいつも注意深く目測する必要なしに2つの部材1000、1010を連結できる。ピン1020は、さらに、2つの対向する部材1000、1010を互いに対して適切な位置に固定する。図10に示すように、上になる部材1010は、さらに、電圧源に接続するようになっている延長コードを含む。図示していないが、当業者には明らかなように、部材1010を部材1000に連結したときに部材1010を経てヒューズクリップ1030の一方を電圧源に接続できる。あるいは、部材1000が電圧源に電気的に接続するコードを備えていてもよい。同様にして、2つのヒューズクリップ1030のみを示したが、当業者には明らかなように、ヒューズクリップがホルダ10および40を第1、第2の電圧に接続する有用で便利な方法を与えるので、所望に応じてもっと多くのヒューズクリップを使用してもよい。
【0041】
さらに当業者には明らかなように、部材1000、1010が絶縁材料、たとえばPEEKで作ってある場合、さらにアセンブリ1を作業者から遮断することによって、部材1000、1010が作業者に対してさらなる安全性を与えるのに役立つことになる。こうすることにより、たとえば、高電圧がアセンブリ1に接続してあるときにアセンブリ1の導電性部分に不注意に触れることによって作業者が電気ショックを受けるという可能性を減らすことができる。さらに、部材1000、1010は、作業者が偶発的にどこかにアセンブリ1をぶつけた場合などに生じる不注意な機械的衝撃からアセンブリ1を保護する。こうすることで、アセンブリに不注意で損傷を与える可能性が減る。
【0042】
次に図11A、11Bを参照して、ここには、本発明の別の実施形態が示してある。図11Aは、ハウジング1101(このハウジングから、電源または電圧源に電気的に接続するようになっているコード1103が延びている)を含むアセンブリ1100を示している。ハウジング1101はPEEKのような絶縁材料で作ってある。ハウジング1101は2つの端部を有する。一端のところで、ハウジング1101は、(図11Bに示すように)凹所1170に通じる開口を含む。ハウジング1101および開口・凹所1170は、液体クロマトグラフィのためのカラム(図示せず)を受け入れるようになっていてもよい。テーパ付きの端部(たとえば、シリンジまたは注射針形状)を有する管1130がハウジング1101の他端から突出している。この管1130は、上記の管25と同じ材料、サイズのものであってもよい。図11A、11Bに示すように、管1130は、フィッティング1120によってアセンブリ1100内に着脱自在に固定される。フィッティング1120および導電性ホルダ1140は、それぞれ、互いに着脱自在に螺合するようになっているねじを切った部分を有する。ホルダ1140の凹所内には導電性ユニオン1150が位置している。ユニオン1150およびホルダ1140は、たとえばホルダ10およびユニオン20に関して上述したものと同じタイプであってよく、同じ材料で作ってあってもよい。図11Bに示すように、管1160がハウジング1101の本体内に少なくとも部分的に位置している。管1160の一端はフェルール1155によって、ユニオン1150の一端に着脱自在に取り付けてあり、ユニオン1150はナットその他の適切な手段によってハウジング1101に着脱自在に固定してある。たとえば、フィッティング1165を受け入れるようになっている流体源のねじ付き端(図示せず)にフィッティング1165を螺合させることによって管1160の他端を流体源(図示せず)に着脱自在に取り付けてもよい。図11A、11Bに示すように組み立てたときに、アセンブリ1100は、ユニオン1150を通って、次いで管1130を通って管1160の第1端部(上記のように、液体クロマトグラフィ・カラムのような流体源または溶出液源に取り付けることができる)からの流体連通を可能にし、その結果、流体が管1130の針状先端または他の出口オリフィスから噴霧状に流出する。ハウジング1101は、コード1103から導電性ホルダ1140および導電性ユニオン1150までの電気接続を行う。これにより、流体がハウジング1101を通過し、電圧がホルダ1140およびユニオン1150を通って移動するにつれて、選定電位を流体に印加できる。ハウジング1101をPEEKで作ることによって、作業者は、ホルダ1140との接触を介してのみ、または、管1130が金属で作ってあるか、導電性のコーティングを有する場合には管1130との接触を介してのみ潜在的に電圧にさらされるだけである。したがって、ハウジング1101は電気ショックに対する保護手段となる。
【0043】
本発明は変更可能であり、異なってはいるが同様の方法で実施できることは、本明細書による利益を享受する当業者にとって明らかであるので、上記の特別な実施形態は単なる説明用のものである。さらに、特許請求の範囲に記載したものを除いて、ここに示した構成またはデザインの詳細に限定する意図はいっさいない。したがって、先に開示した特別な実施形態を変更、修正することは可能であり、すべての変更点が本発明の範囲、精神内にあると考えられることは明らかである。よって、ここで求められる保護は以下の特許請求の範囲に記載されている通りである。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の一実施形態のアセンブリを接続状態で示している図である。
【図2】図1に示すアセンブリのA−A線に沿った断面図である。
【図3A】本発明の一実施形態で役に立つカラム・ホルダの補助的な図である。
【図3B】本発明の一実施形態で役に立つカラム・ホルダの補助的な図である。
【図3C】本発明の一実施形態で役に立つカラム・ホルダの補助的な図である。
【図3D】本発明の一実施形態で役に立つカラム・ホルダの補助的な図である。
【図3E】本発明の一実施形態で役に立つカラム・ホルダの補助的な図である。
【図3F】本発明の一実施形態で役に立つカラム・ホルダの補助的な図である。
【図3G】本発明の一実施形態で役に立つカラム・ホルダの補助的な図である。
【図4A】本発明の一実施形態において役に立つ「ホット」液絡部の補助的な図である。
【図4B】本発明の一実施形態において役に立つ「ホット」液絡部の補助的な図である。
【図4C】本発明の一実施形態において役に立つ「ホット」液絡部の補助的な図である。
【図5A】本発明の一実施形態において役に立つ「アース」液絡部の補助的な図である。
【図5B】本発明の一実施形態において役に立つ「アース」液絡部の補助的な図である。
【図5C】本発明の一実施形態において役に立つ「アース」液絡部の補助的な図である。
【図5D】本発明の一実施形態において役に立つ「アース」液絡部の補助的な図である。
【図6A】本発明の一実施形態において役に立つ導電性ユニオンの補助的な図である。
【図6B】本発明の一実施形態において役に立つ導電性ユニオンの補助的な図である。
【図6C】本発明の一実施形態において役に立つ導電性ユニオンの補助的な図である。
【図6D】本発明の一実施形態において役に立つ導電性ユニオンの補助的な図である。
【図7A】本発明の一実施形態において役に立つ導電性ユニオンの補助的な図である。
【図7B】本発明の一実施形態において役に立つ導電性ユニオンの補助的な図である。
【図7C】本発明の一実施形態において役に立つ導電性ユニオンの補助的な図である。
【図7D】本発明の一実施形態において役に立つ導電性ユニオンの補助的な図である。
【図7E】本発明の一実施形態において役に立つ導電性ユニオンの補助的な図である。
【図7F】本発明の一実施形態において役に立つ導電性ユニオンの補助的な図である。
【図8A】本発明において役に立つ、図6A〜6Dに示す導電性ユニオンの補助的な図である。
【図8B】本発明において役に立つ、図6A〜6Dに示す導電性ユニオンの補助的な図である。
【図9】本発明の別の実施形態において役に立つ導電性ユニオンの別の実施形態の断面図である。
【図10】本発明の別の実施形態の分解図である。
【図11A】本発明の別の実施形態の図である。
【図11B】図11AのA−A線に沿った、図11Aの別の実施形態の断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレクトロスプレー用途のための流体に電圧差を与える装置であって、
第1の管と、
第1端部および第2端部を有する第1の導電性液絡部であって、その第1の導電性液絡部の第1端部が第1の管の一端と流体連通している第1の導電性液絡部と、
第1の導電性液絡部に第1の電圧を印加する手段と、
内部に少なくとも部分的に位置した毛管を有するコネクタであって、毛管が2つの端部を有し、その毛管の第1端部が第1の導電性液絡部の第2端部と流体連通しているコネクタと、
第1端部および第2端部を有する第2の導電性液絡部であって、その第2の導電性液絡部の第1端部が毛管の第2端部と流体連通している第2の導電性液絡部と、
第2の導電性液絡部に第2の電圧を印加する手段と、
第1端部および第2端部を有する第2の管であって、その管の第1端部が第2の導電性液絡部の第2端部と流体連通しており、その管の第2端部にテーパが付けてある第2の管と、
を含む上記の装置。
【請求項2】
毛管が試料溶液の成分を分離するカラムを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
第1の電圧が約0ボルトである、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
第2の電圧が少なくとも約3000ボルトである、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
第2の電圧が少なくとも約5000ボルトである、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
第2の電圧が約3000ボルト〜約8000ボルトの範囲にある、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
毛管が溶融シリカ製毛管を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
第1の導電性液絡部が導電性金属を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
第1の導電性液絡部がステンレス鋼を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
毛管と流体連通している第1の導電性液絡部の少なくとも一部がゴールドメッキされている、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
毛管と流体連通している第1の導電性液絡部の少なくとも一部がプラチナメッキされている、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
絶縁体がポリエーテルエーテルケトンを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
さらに、第1の管の一端を第1の導電性液絡部の第1端部に着脱自在に固定する手段と、
第1の導電性液絡部の第2端部を毛管の第1端部に着脱自在に固定する手段と、
毛管の第2端部を第2の導電性液絡部の第1端部に着脱自在に固定する手段と、
第2の導電性液絡部の第2端部をテーパ付き末端部を有する第2の管の一端に着脱自在に固定し、それによって、第1の管から第2の管のテーパ付きの末端部までのほぼ軸線に沿った流体連通を可能にする手段と、
を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
第1の液絡部が、第1の選定した電圧にある第1の導電性ホルダ内に位置しており、第1の液絡部が、第1の導電性ホルダに電気的に接続している、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
第2の液絡部が、第2の選定した電圧にある第2の導電性ホルダ内に位置しており、第2の液絡部が、第2の導電性ホルダに電気的に接続している、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
第1の導電性ホルダが一体片からなる、請求項14に記載の装置。
【請求項17】
第2の導電性ホルダが一体片からなる、請求項15に記載の装置。
【請求項18】
エレクトロスプレー用途のための流体に電圧差を印加するためのアセンブリに第1の分析システムを着脱自在に接続する方法であって、
第1の管の少なくとも一部をフェルールを貫く通路内に設置し、ここで、フェルールの少なくとも一部をねじを切った部分を有するフィッティングの少なくとも一部内に配置する工程と、
内部を貫く通路を有する第1の導電性液絡部の第1端部に第1のフィッティングの少なくとも一部を着脱自在に取り付け、ここで、第1の液絡部の第1端部がねじを切った部分を有し、このねじを切った部分は第1のフィッティングのねじを切った部分を受け入れ、それと協働するようになっており、それによって、第1の管に設けた通路と第1の導電性液絡部を貫く通路との流体連通を可能にする工程と、
第1の導電性液絡部の第2端部の少なくとも一部を、絶縁性コネクタの第1端部に着脱自在に取り付け、ここで、この絶縁性コネクタが、そのコネクタの第1端部から延びる貫通路を有する毛管の第1端部を有し、それによって、第1の管と該毛管との流体連通を可能にする工程と、
毛管の第2端部が突出しているコネクタの第2端部の少なくとも一部を、貫通路を有する第2の導電性液絡部の第1端部に着脱自在に取り付け、それによって、第1の管から第2の導電性液絡部の第2端部までの流体連通を可能にする工程と、
貫通路を有する第2の管の第1端部を第2の導電性液絡部の第2端部に着脱自在に取り付け、ここで、第2の管の第2端部がテーパを有し、それによって、第1の管から第2の管のテーパ付きの端部までの流体連通を可能にする工程と、
を含む上記の方法。
【請求項19】
溶出液のエレクトロスプレーを行う方法であって、
分析しようとしている溶出液を第1の管を通して送る工程と、
第1の選定した電圧にある第1の導電性ユニオンに溶出液を通し、ここで、第1の導電性ユニオンが第1の管に着脱自在に接続し、そして、溶出液が第1の導電性ユニオンの通路を通過する工程と、
第2の選定した電圧にある第2の導電性ユニオンに溶出液を通し、ここで、第2の導電性ユニオンが第1の導電性ユニオンと流体連通しており、そして、溶出液が第2の導電性ユニオンの通路を通過する工程と、
テーパ付きの端部を有している第2の管に溶出液を通し、ここで、第2の管が第2の導電性ユニオンに着脱自在に接続してあり、そして、溶出液が管のテーパ付きの端部から噴霧される工程と、
を含む上記の方法。
【請求項20】
溶出液が、第1の導電性ユニオンから、これに着脱自在に接続した第1端部を有する電気絶縁コネクタ内にある第3の管の第1端部まで通過し、そして、溶出液が、第3の管の第2端部から第2の導電性ユニオンまで通過する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
第2の導電性ユニオンの通路を通過するときに溶出液が帯電する、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
第1の導電性ユニオンが、少なくとも部分的に、電気的にアースした第1の導電性ホルダ内に位置し、そして、第2の導電性ユニオンが、少なくとも部分的に、電源に電気的に接続した第2の導電性ホルダ内に位置する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
第3の管が、溶出液内の材料を分離するように選定した材料を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
溶出液のエレクトロスプレーを行う装置であって、
溶出液のための通路を備え、溶出液源と流体連通している第1端部を有する第1の管と、
第1の選定した電圧にある第1の導電性ホルダであって、この第1の導電性ホルダ内に第1の導電性ユニオンが設置してあり、この第1の導電性ユニオンが第1の導電性ホルダに電気的に接続してあり、また、第1端部および第2端部を有し、ここで、第1の管の第1端部が第1の導電性ホルダに着脱自在に取り付けてあり、それによって、第1の管から第1の導電性ユニオンを通る流体連通を可能にする第1の導電性ホルダと、
第1端部および第2端部を有し、内部に少なくとも部分的に配置した毛管を有する絶縁性コネクタであって、コネクタの第1端部が第1の導電性ホルダの第2端部に着脱自在に取り付けてあり、それによって、第1の導電性ユニオンから毛管を通る流体連通を可能にする絶縁性コネクタと、
第2の選定した電圧にある第2の導電性ホルダであって、第2の導電性ユニオンが少なくとも部分的に第2の導電性ホルダ内に位置しており、第2の導電性ホルダに電気的に接続しており、また、第1端部および第2端部を有し、さらに、第2の導電性ホルダの第1端部がコネクタの第2端部に着脱自在に取り付けてあり、それによって、毛管から第2の導電性ユニオンを通る流体連通を可能にする第2の導電性ホルダと、
第1端部および第2のテーパ付きの端部を有する第2の管であって、第2の管の第1端部が第2の導電性ホルダの第2端部に着脱自在に接続してあり、それによって、第2の導電性ユニオンから第2の管の第1端部までの流体連通を可能にしており、溶出液が第2の選定した電圧にある管のテーパ付きの端部から噴霧される第2の管と、
を含む上記の装置。
【請求項25】
請求項1の装置を使用して質量分析を実施する方法であって、溶出液を第2の管の第2端部からコレクタに噴霧して溶出液を分析する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図3F】
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【図3G】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図7F】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【公表番号】特表2007−511746(P2007−511746A)
【公表日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533525(P2006−533525)
【出願日】平成16年6月1日(2004.6.1)
【国際出願番号】PCT/US2004/017143
【国際公開番号】WO2005/042127
【国際公開日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【出願人】(505338475)アップチャーチ・サイエンティフィック・インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】