説明

エレクトロルミネセンスデバイスのためのジベンゾフランポリマー

式(I)の繰り返し構造単位に基づくホモポリマーを含むエレクトロルミネセンス材料が開示される(ただし、式(I)において、R9、R9’、R9’’、R11、R13、R14、R11’、R13’、R14’は独立して、Hまたは有機置換基であり、この場合、R9、R9’、R9’’、R11、R13、R14、R11’、R13’、R14’のうちの少なくとも1つが、式−(Sp)x10−[PG’]<[式中、Spは二価の有機スペーサーであり、PG’は、重合可能な基に由来する基であり、かつ、x10は0または1である]の基R10を含み、置換基およびスペーサーは、請求項1において定義される通りである)。さらに、このクラスのいくつかの新規なポリマー、ならびに、それらの製造のためのモノマーが開示される。本発明のホモポリマーは、リン光性金属錯体および蛍光性ドーパントから通常の場合には選択される発光性成分をさらに含むデバイスにおいてホスト材料として都合よく使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、いくつかの新規なエレクトロルミネセンス材料、それらの製造のためのいくつかの新規な材料(特に、ポリマー)、いくつかの新規なエレクトロルミネセンス材料を製造するための方法、同様にまた、新規なエレクトロルミネセンス材料またはポリマーを含有するエレクトロルミネセンスデバイス、および、対応する使用に関連する。
【0002】
いくつかのジベンゾフランホモポリマーが、とりわけ、光伝導性材料として、英国特許第601568号、米国特許第3294763号、フランス国特許第1441442号および英国特許第1077085号において述べられている。国際公開WO08/029652は、とりわけ、カルバゾールユニットおよびジベンゾフランユニットを組み合わせるいくつかのオリゴマーおよびポリマーを開示する。
【0003】
今回、ある種の側鎖ジベンゾフランポリマーが、OLEDにおけるホスト材料としての一般に使用されるポリビニルカルバゾール(PVK)、特に、イリジウム系の三重項発光体(TE)のための一般に使用されるポリビニルカルバゾール(PVK)に取って代わり得ること、そして、高い量子収率および量子効率を与え得ることが見出された。
【0004】
従って、本発明は、式I
【化1】

[式中、
9、R9'、R9''、R11、R13、R14、R11'、R13'、R14'は独立して、Hまたは有機置換基であり、ただし、R9、R9'、R9''、R11、R13、R14、R11'、R13'、R14'のうちの少なくとも1つが、下記の式:
−(Sp)x10−[PG’]<
[式中、Spは二価の有機スペーサーであり、PG’は、重合可能な基に由来する基であり、かつ、x10は0または1である]の基R10を含む]の繰り返し構造単位に基づくホモポリマーを含むエレクトロルミネセンス材料を関連する。
【0005】
式Iにおける有機置換基はどれも、存在するならば、通常、ハロゲン;OH;C1〜C24アルコキシ;Eによって置換され、および/もしくは、Dによって中断されるC2〜C24アルコキシ;C1〜C24アルキル;Eによって置換され、および/もしくは、Dによって中断されるC1〜C24アルキル;C1〜C24ハロアルキル;C2〜C24アルケニル;C2〜C24アルキニル;C1〜C24アルキルチオ;C1〜C24アシル;C5〜C24アリール;Gによって置換されるC6〜C24アリール;C1〜C20ヘテロアリール;Gによって置換されるC2〜C20ヘテロアリール;C7〜C25アラルキル;C3〜C12シクロアルキル;C1〜C24アシルオキシ;C5〜C10アリールオキシ;C3〜C12シクロアルキルオキシ;COR;CH=NR;CH=N−OH;CH=N−OR;COOR;OCOR;CONHR;NHCOR;CONRR’;CONH−NHR;CONH−NRR’;SR;SO2R;SO3R;SO2NHR;SO2NRR’;SO2NH−NHR;SO2NH−NRR’;S(O)R;S(O)OR;S(O)NHR;S(O)NRR’;S(O)NH−NHR;S(O)NH−NRR’;SiRR’R’’;GeRR’R’’;PRR’;PORR’;PO(OR)R’;PO(OR)2;PO(NHR)2;PO(NRR’)2;CN;NO2;NHR;NRR’;NH−NHR;NH−NRR’;CONROHから選択され;
ただし、R、R’およびR’’は独立して、C1〜C12アルキル、C1〜C12ハロアルキル、C5〜C10アリール、C3〜C12シクロアルキルから選択され;かつ、Rはまた、水素である場合があるか;
あるいは、R9、R11、R13、R14、R9’、R11’、R13’およびR14’のうちの2つの置換基は、それらが互いに隣接する場合、一緒になって、下記の基
【化2】

を形成し、
105、R106、R107、R108、R105’、R106’、R107’およびR108’は互いに独立して、H、C1〜C18アルキル、Eによって置換され、および/もしくは、Dによって中断されるC1〜C18アルキル、C1〜C18アルコキシ、または、Eによって置換され、および/もしくは、Dによって中断されるC1〜C18アルコキシであり;
Dは、−CO−;−COO−;−S−;−SO−;−SO2−;−O−;−NR25−;−SiR3031−;−POR32−;−CR23=CR24−;または−C≡C−であり;かつ
Eは、−OR29;−SR29;−NR2526;−COR28;−COOR27;−CONR2526;−CN;またはハロゲンであり;
Gは、E、C1〜C18アルキル、C3〜C12シクロアルキル、Dによって中断されるC2〜C18アルキル、C1〜C18ペルフルオロアルキル、または、Eによって置換され、および/もしくは、Dによって中断されるC1〜C18アルコキシであり、上記式において、
23、R24、R25およびR26は互いに独立して、H;C6〜C18アリール;C6〜C18アリールアルキル;C3〜C12シクロアルキル;C1〜C18アルキルおよび/もしくはC1〜C18アルコキシによって置換されるC6〜C18アリールもしくはC6〜C18アリールアルキル;C1〜C18アルキル;または、−O−によって中断されるC2〜C18アルキルであるか;あるいは、
25およびR26は一緒になって、5員環または6員環を形成し;
27およびR28は互いに独立して、H;C6〜C18アリール;C6〜C18アリールアルキル;C1〜C18アルキルおよび/もしくはC1〜C18アルコキシによって置換されるC6〜C18アリールもしくはC6〜C18アリールアルキル;C1〜C18アルキル;C3〜C12シクロアルキル;または、−O−によって中断されるC2〜C18アルキルであり;
29は、H;C6〜C18アリール;C6〜C18アリールアルキル;C1〜C18アルキルおよび/もしくはC1〜C18アルコキシによって置換されるC6〜C18アリールもしくはC6〜C18アリールアルキル;C1〜C18アルキル;C2〜C18アルキルカルボニル;C3〜C12シクロアルキル;または、−O−によって中断されるC2〜C18アルキルもしくはC2〜C18アルキルカルボニルであり;
30およびR31は互いに独立して、C1〜C18アルキル、C3〜C12シクロアルキル、C6〜C18アリール、または、C1〜C18アルキルによって置換されるC6〜C18アリールであり、かつ、
32は、C1〜C18アルキル、C6〜C18アリール、または、C1〜C18アルキルによって置換されるC6〜C18アリールであり、
R、R’およびR’’は独立して、C1〜C12アルキル、C1〜C12ハロアルキル、C5〜C10アリール、C3〜C12シクロアルキルから選択され、好ましくは、C1〜C6アルキル、フェニル、シクロペンチル、シクロヘキシルから選択され;かつ
Arは独立して、C5〜C10アリール、または、C1〜C18アルキルによって置換されるC5〜C10アリールから選択され;
かつ、R9、R9’、R9’’、R11、R13、R14、R11’、R13’、R14,、R105、R106、R107、R108、R105’、R106’、R107’、R108’のうちの1つが、下記の式:
−(Sp)x10−[PG’]<
[式中、Spは二価の有機スペーサーであり、PG’は、重合可能な基に由来する基であり、かつ、x10は0または1である]の基R10である。
【0006】
基R10に存在し得るスペーサーユニットSpは、典型的には、下記の式:
(X3−D)x11−X2
[式中、x11は0または1であり;X3、X2は独立して、O、C1〜C4アルキレン−O、CH2−CHOH−CH2−O、S、C1〜C4アルキレン−S、NR22、C1〜C4アルキレン−NR22、COO、C1〜C4アルキレン−COOもしくはC1〜C4アルキレン−OCO、CONR22、C1〜C4アルキレン−CONR22もしくはC1〜C4アルキレン−NR22CO、NR22CONR22、C1〜C4アルキレン−NR22CONR22、C1〜C4アルキレン、CH2CHOHCH2または直接の結合であり、かつ
Dは、C1〜C24アルキレン、中断されたC3〜C24アルキレン、C2〜C24アルケニレン、C2〜C24アルキニレン、C6〜C10アリーレンである]である。好ましいスペーサーユニットSpはX2(すなわち、x11が0である上記スペーサーユニット)であり、この場合、X2は、直接の結合、O、C1〜C4アルキレン−O、CH2−CHOH−CH2−O、COO、CONR22、C1〜C4アルキレンまたはCH2CHOHCH2である。
【0007】
PG’は、重合可能な基に由来する基である。PG’は、Sp(または、式Iにおけるその結合位置)に留まるので三価であり、かつ、本発明のポリマー鎖または架橋ポリマーネットワークに組み込まれる。従って、成分PG’の典型的な基は、エチレン性不飽和モノマーまたはひずみのある酸素環系に由来し、そのような基には、下記の式
【化3】

[式中、星印(*)は、Spまたは式Iの成分に対するその結合位置を示しており、Rは、上記において定義される通りであり、さらに、2つのさらなる空いている結合により、ポリマー鎖内への組み込みがもたらされる]の基が含まれる。これらの成分は、所望される官能性を本発明の最終的なポリマーに側鎖として導入するために特に好適であるか、または、架橋成分として特に好適である。対応する重合可能な基PGには、ビニル、アリル、1−メチルビニル(イソプロペニル)、(メタ)アクリロイル、ビニルフェニル(スチリル)、オキシラニル、グリシジル、オキセタニルなどが含まれる。他の成分PG’が、上記でさらに記載される成分PGに由来する成分であり、例えば、所望される官能性を本発明のポリマーの主鎖に導入する成分である。
【0008】
本発明のエレクトロルミネセンス材料において使用されるホモポリマーはアイソタクチックまたはシンジオタクチックまたは通常的にはアタクチックであり得る。
【0009】
本発明のエレクトロルミネセンス材料はさらに、この技術分野において知られているようなリン光性金属錯体および蛍光性ドーパントから通常の場合には選択される発光性成分を含む。
【0010】
本発明のポリマーは、特に良好な結果を、(例えば、非架橋ポリマーの場合には)溶液処理または印刷に関して、エレクトロルミネセンスデバイスの長期安定性(例えば、移動/偏析/結晶化に対する抵抗性、同様にまた、酸化/熱に対する抵抗性)に関して、同様にまた、その輝度および効率に関して示す。
【0011】
用語「配位子」は、金属イオンの配位圏に結合する分子、イオンまたは原子を意味することが意図される。「単座配位子」はただ1つの配位部位を含有し、一方で、「二座配位子」は2つの配位部位を含有し、この場合、それらの両方が金属中心に結合する。用語"complex"(錯体/錯体形成する)は、名詞として使用されるとき、少なくとも1つの金属イオンと、少なくとも1つの配位子とを有する化合物を意味することが意図される。用語「基」または用語「成分」は、化合物の一部分(例えば、有機化合物における置換基または錯体における配位子など)を意味することが意図される。用語「置換された(される)」は、有機基または有機化合物における水素原子が(典型的には有機)置換基によって置き換わることを意味することが意図される。
【0012】
用語「有機置換基」は、有機基(すなわち、C、Hを含有する基)または(ヘテロ)官能基(これは、例えば、ヘテロ原子と、場合によりCまたはHのどちらかとからなる)を表す;通常、有機置換基はどれも、存在するならば、化合物の小さい部分を構成する;有機置換基の例には、1個〜20個の炭素原子と、場合により、さらなる(例えば、1個〜10個の)ヘテロ原子とを含有する有機基、1個〜5個のヘテロ原子を典型的には含むヘテロ官能基がある。
【0013】
有機基またはヘテロ官能基におけるヘテロ原子は通常、そのような基を構成するO、S、N、P、Si、B、ならびに、ハロゲン(すなわち、F、Cl、Br、Iのいずれか;本発明のエレクトロルミネセンス材料では、特に、フルオロ)から選択される。
【0014】
有機置換基は、存在するならば、多くの場合、ハロゲン、OH、C1〜C24アルコキシ、C1〜C24アルキル、C1〜C24ハロアルキル、C2〜C24アルケニル、C2〜C24アルキニル、C1〜C24アルキルチオ、C1〜C24アシル、C5〜C10アリール、C1〜C10ヘテロアリール、C3〜C12シクロアルキル、C1〜C24アシルオキシ、C5〜C10アリールオキシ、C3〜C12シクロアルキルオキシから選択されるか、あるいは、残基COR(すなわち、アルデヒド基またはケト基)、CH=NR、CH=N−OH、CH=N−OR、COOR、OCOR、CONHR、NHCOR、CONRR’、CONH−NHR、CONH−NRR’、SR、SO2R、SO3R、SO2NHR、SO2NRR’、SO2NH−NHR、SO2NH−NRR’、S(O)R、S(O)OR、S(O)NHR、S(O)NRR’、S(O)NH−NHR、S(O)NH−NRR’、シリル基またはゲルマニル基(SiRR’R’’、GeRR’R’’)、PORR’、PO(OR)R’、PO(OR)2、PO(NHR)2、PO(NRR’)2、シアノ(CN)、NO2、NHR、NRR’、NH−NHR、NH−NRR’、CONROHから選択され;
ただし、R、R’およびR’’は独立して、C1〜C12アルキル、C1〜C12ハロアルキル、C5〜C10アリール、C3〜C12シクロアルキルから選択され、好ましくは、C1〜C6アルキル、フェニル、シクロペンチル、シクロヘキシルから選択され;
かつ、Rはまた、水素である場合がある。一般的な置換基は多くの場合、C1〜C12アルキル、ヒドロキシル基、メルカプト基、C1〜C12アルコキシ、C1〜C12アルキルチオ、ハロゲン、ハロ−C1〜C12アルキル、シアノ基、アルデヒド基、ケトン基、カルボキシル基、エステル基、カルバモイル基、アミノ基、ニトロ基またはシリル基から選択される。
【0015】
有機架橋基としての2つの隣接する残基(例えば、Q1およびQ2、または、2つの残基R41(下記参照)など)、ならびに、それらの足場原子によって形成される何らかの縮合環または環系は、典型的には環原子が合計で5個〜7個である炭素環式または複素環式の非芳香族環または好ましくは芳香族環を形成し、多くの場合、下記において説明されるようなアリール成分、ヘテロアリール成分、シクロアルキル成分または脂環式不飽和成分から選択される。
【0016】
用語「ハロアルキル」は、上記アルキル基をハロゲンにより部分置換または完全置換することによってもたらされる基を意味し、この用語には、分岐型または非分岐型であるC1〜C24ペルフルオロアルキルが含まれ、例えば、−CF3(トリフルオロメチル)、−CF2CF3、−CF2CF2CF3、−CF(CF32、−(CF23CF3および−C(CF33などが含まれる。
【0017】
「アルデヒド基、ケトン基、エステル基、カルバモイル基およびアミノ基」には、C1〜C24アルキル基、C4〜C18シクロアルキル基、C6〜C30アリール基、C7〜C24アラルキル基または複素環式基によって置換されるアルデヒド基、ケトン基、エステル基、カルバモイル基およびアミノ基が含まれ、この場合、これらのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基および複素環式基は非置換であり得るか、または、置換され得る。
【0018】
用語「シリル基」は、より具体的には、式−SiR105106107[式中、R105、R106およびR107は互いに独立して、C1〜C8アルキル基(特に、C1〜C4アルキル基)、C6〜C24アリール基またはC7〜C12アラルキル基である]の基を意味し、例えば、トリメチルシリル基などを意味する。
【0019】
置換基が基において2回以上存在するならば、置換基はそれぞれの存在において異なることができる。
【0020】
アルキルは、いずれかの非環式の飽和した一価ヒドロカルビル基を表す;アリケニルは、(アリルなどにおいて)少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含有することを除いてそのような基を示す;同様に、アルキニルは、(プロパルギルなどにおいて)少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含有することを除いてそのような基を示す。アルケニル基またはアルキニル基が2つ以上の二重結合を含有する場合、これらの結合は通常の場合には累積せず、しかし、交互順で配置される場合があり、例えば、−[CH=CH−]nまたは−[CH=C(CH3)−]n[式中、nは、例えば、2〜50の範囲に由来し得る]などで配置される場合がある。別途定義されない場合、好ましいアルキルは1個〜22個の炭素原子を含有する;好ましいアルケニルおよびアルキニルはそれぞれが2個〜22個の炭素原子を含有し、特に3個〜22個の炭素原子を含有する。
【0021】
アルキルの用語は、使用される場合は常に、例えば、主として、特に、中断されていない、かつ、適する場合には置換されたC1〜C22アルキルを包含し、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、2−エチルブチル、n−ペンチル、イソペンチル、1−メチルペンチル、1,3−ジメチルブチル、n−ヘキシル、1−メチルヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、1−メチルヘプチル、3−メチルヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、1,1,3−トリメチルヘキシル、1,1,3,3−テトラメチルペンチル、ノニル、デシル、ウンデシル、1−メチルウンデシル、ドデシル、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルヘキシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシルなどを包含する。アルコキシはアルキル−O−である;アルキルチオはアルキル−S−である。
【0022】
アルケニルの用語は、使用される場合は常に、例えば、主として、特に、中断されていない、かつ、適する場合には置換されたC2〜C22アルケニルを包含し、例えば、ビニル、アリルなどを包含する。
【0023】
2-24アルキニルを含めて、アルキニルは直鎖または分岐型であり、好ましいものがC2-8アルキニルである。例えば、エチニル、1−プロピン−3−イル、1−ブチン−4−イル、1−ペンチン−5−イル、2−メチル−3−ブチン−2−イル、1,4−ペンタジイン−3−イル、1,3−ペンタジイン−5−イル、1−ヘキシン−6−イル、cis−3−メチル−2−ペンテン−4−イン−1−イル、trans−3−メチル−2−ペンテン−4−イン−1−イル、1,3−ヘキサジイン−5−イル、1−オクチン−8−イル、1−ノニン−9−イル、1−デシン−10−イルまたは1−テトラコシン−24−イル。
【0024】
中断されるとして示される場合、炭素原子が2個以上(特に、3個以上)であるアルキル成分またはアルキレン成分はどれも、あるいは、別の成分の一部分であるそのようなアルキル成分またはアルキレン成分は、下記において定義されるような非芳香族環状成分または芳香族環状成分(アリーレンまたはヘテロアリーレン)によって、および/あるいは、好ましくは、ヘテロ機能(例えば、O、S、CO、COO、OCNR22、OCOO、OCONR22、NR22CNR22またはNR22[式中、R22は、H、C1〜C12アルキル、C3〜C12シクロアルキル、フェニルである]など)によって中断され得る。それらはこれらのスペーサー基の1つまたは複数によって中断され得るが、それぞれの場合において1つの基が一般には1つの炭素−炭素結合に挿入され、ヘテロ−ヘテロ結合(例えば、O−O、S−S、NH−NHなど)が生じない;中断されたアルキルがさらに置換されるならば、その置換基は一般に、ヘテロ原子のα位ではない。−O−、−NR22−、−S−のタイプの2つ以上の中断基が1つの基に存在するならば、それらは多くの場合、同一である。
【0025】
アシルは、形式的には酸OHを取り去ることによって導かれ得る、有機カルボン酸の残基を表す;例が、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ベンゾイルである。一般に、C1〜C18アシルは基X’−R21[式中、X’はCOまたはSO2であり、R21は、通常の場合には300に至るまでの分子量に由来する一価の脂肪族有機残基または芳香族有機残基から選択される]を表す;例えば、R21は、C1〜C18アルキル、C2〜C18アルケニル、非置換であり得るか、または、C1〜C8アルキルもしくはハロゲンもしくはC1〜C8アルコキシによって置換され得るC5〜C10アリール、非置換であり得るか、または、C1〜C8アルキルもしくはハロゲンもしくはC1〜C8アルコキシによって芳香族部分において置換され得るC6〜C15アリールアルキル、C4〜C12シクロアルキルから選択することができ、また、X’がCOである場合には、R21はまた、Hである場合がある。アシルは好ましくは、通常の場合には炭素原子が1個〜30個である、有機酸の脂肪族残基または芳香族残基−CO−R21[式中、R21は、アリール、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキルを包含し、ただし、これらのそれぞれが、とりわけアルキル残基についてどこか他のところで記載されるように置換もしくは非置換および/または中断され得るか、あるいは、R’がHであり得る(すなわち、COR’はホルミルである)]である。従って、好ましいものは、アリール、アルキルなどについて記載される通りである;より好ましいアシル残基が、置換または非置換のベンゾイル、置換または非置換のC1〜C17アルカノイルまたはアルケノイル(例えば、アセチルまたはプロピオニルまたはブタノイルまたはペンタノイルまたはヘキサノイルなど)、置換または非置換のC5〜C12シクロアルキルカルボニル(例えば、シクロヘキシルカルボニルなど)である。
【0026】
アラルキルは、示された定義の範囲内において通常の場合、置換され得るC7〜C24アラルキル基(好ましくは、C7〜C15アラルキル基)、例えば、ベンジル、2−ベンジル−2−プロピル、β−フェネチル、α−メチルベンジル、α,α−ジメチルベンジル、ω−フェニルブチル、ω−フェニルオクチル、ω−フェニルドデシルなど;あるいは、1個〜3個のC1〜C4アルキル基によってフェニル環において置換されるフェニル−C1〜C4アルキル、例えば、2−メチルベンジル、3−メチルベンジル、4−メチルベンジル、2,4−ジメチルベンジル、2,6−ジメチルベンジルもしくは4−tert−ブチルベンジル、または、3−メチル−5−(1’,1’,3’,3’−テトラメチルブチル)ベンジルなどから選択される。
【0027】
非芳香族環状(すなわち、脂環族)成分には、シクロアルキル、脂肪族複素環式成分、ならびに、それらの不飽和変化体(例えば、シクロアルケニルなど)が含まれる。C3〜C18シクロアルキルなどのシクロアルキルは、好ましくは、C3〜C12シクロアルキル、または、1個〜3個のC1〜C4アルキル基によって置換される前記シクロアルキルであり、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、メチルシクロペンチル、ジメチルシクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、ジメチルシクロヘキシル、トリメチルシクロヘキシル、tert−ブチルシクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロドデシル、1−アダマンチルまたは2−アダマンチルを包含する。シクロヘキシル、1−アダマンチルおよびシクロペンチルが最も好ましい。C3〜C12シクロアルキルには、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル、シクロドデシルが含まれる;これらの残基の中で好ましいものが、C3〜C6シクロアルキル、同様にまた、シクロドデシルであり、特にシクロヘキシルである。存在するさらなる環構造が、5個〜7個の環構成原子を通常の場合には含有する複素環式の脂肪族環であり、中でも、O、S、NR22[式中、R22は、中断させるNR22基について上記において説明される通りである]から通常の場合には選択される少なくとも1個のヘテロ成分(特に、1個〜3個のヘテロ成分)を含有する複素環式の脂肪族環である;例には、S、OまたはNR22によって中断されるC4〜C18シクロアルキルが含まれ、例えば、ピペリジル、テトラヒドロフラニル、ピペラジニルおよびモルホリニルなどが含まれる。不飽和変化体が、2つの隣接する環構成原子における水素原子を取り去り、二重結合をそれらの間で形成することによってこれらの構造に由来し得る;そのような成分についての一例がシクロヘキセニルである。
【0028】
「アリール」が使用される場合は常に(例えば、C5〜C10アリール、C1〜C14ヘテロアリールにおいては)、アリールは、可能な限り最大数の二重結合を含有する芳香族環または多環式環系を示し、例えば、好ましくは、フェニル、ナフチル、アントラキニル、アントラセニル、フェナントレニルまたはフルオレニルなどを示す。アリールの用語は主として、炭化水素芳香族環を包含し、例が、主として、フェニル、ナフチル、アントラキニル、アントラセニル、フェナントレニル、フルオレニルを含むC6〜C18アリールである。ヘテロ芳香族環(例えば、C1〜C18ヘテロアリール成分など)は、O、NおよびSから主として選択される1個または複数個のヘテロ原子を環構造の一部として含有する;ヘテロアリール(例えば、C4〜C18ヘテロアリールなど)は、少なくとも1個のヘテロ原子を、特に、N、O、Sから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を、芳香族環を形成する原子の中に含有するアリール基を表す;例には、ピリジル、ピリミジル、ピリダジル、ピラジル、チエニル、ベンゾチエニル、ピリル、フリル、ベンゾフリル、インジル、カルバゾリル、ベンゾトリアゾリル、チアゾリル、キノリル、イソキノリル、トリアジニル、テトラヒドロナフチル、チエニル、ピラゾリル、イミダゾリルが含まれる。好ましいものが、C6〜C10アリールまたはC4〜C18ヘテロアリールであり、例えば、フェニル、ナフチル、ピリジル、テトラヒドロナフチル、フリル、チエニル、ピリル、キノリル、イソキノリル、アントラキニル、アントラセニル、フェナントレニル、ピレニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾチエニルから選択されるC6〜C10アリールまたはC4〜C18ヘテロアリールであり、特にC6〜C10アリールである;最も好ましいものが、フェニル、ナフチルである。「アリーレン」はどれも、対応する二価の「アリール」を表す。
【0029】
例が、1つまたは複数の重合可能な基(PG)を含有するモノマーであり、例えば、エチレン性不飽和成分またはひずみのある環系などを含有するモノマーである。PGは多くの場合、−C(R44)=CH2、−NHC(O)−C(R45)=CH2、−OCH2CH2OC(O)−C(R45)=CH2、−OC(O)−C(R45)=CH2、−C(O)−C(R46)=CH2、−C≡C−、−C≡CR46、−N≡C、−O−CH(CH2CH2CH=CH22;C5〜C8シクロアルケニル、ビシクロアルケニル(5個〜30個の炭素原子を有する置換または非置換のビシクロアルケニル基);
【化4】

[式中、
sは1〜6の整数であり、m1は1〜6の整数であり、
6は水素またはC1〜C20アルキルであり、
44は水素またはC1〜C4アルキルまたはハロゲンであり、
45は、水素、C1〜C4アルキルまたはハロゲンであり、かつ、
46は、水素、C1〜C4アルキルまたはC6〜C12アリールである]から選択される重合可能な基であり、あるいは、
PGは、下記の重合可能な基
【化5】

[式中、
AHGは、必要に応じて置換され得る芳香族残基またはヘテロ芳香族残基であり、例えば、下記の残基
【化6】

[式中、それぞれの点線はPG’の結合位置を表す;
211およびR212は互いに独立して、ハロゲン、−C≡CH、ボロン酸またはボロン酸エステル、−Mg−Hal、−Zn−Hal、−Sn(R2133[式中、Halはハロゲンであり、かつ、R213はC1〜C18アルキルである]であり、
214およびR214’は互いに独立して、H、C1〜C18アルキル、Dによって中断されるC1〜C18アルキル、C1〜C18ペルフルオロアルキル、C1〜C18アルコキシ、Dによって中断されるC1〜C18アルコキシ、または、C7〜C25アラルキルである]である]に由来する基である。好ましい基PGの例が、ビニル、アリル、(メタ)アクリロイル、スチリル、オキセタニル、オキシラニル、グリシジルである。
【0030】
PGが、下記の重合可能な基
【化7】

であるならば、下記の方法をポリマーの製造のために使用することができる:
ジハロ官能性の反応物のみを伴う重合方法を、ニッケルによるカップリング反応を使用して行うことができる。1つのそのようなカップリング反応が、Colon他によって、J.Pol.Sci.,Part A、Polymer Chemistry、Edition 28(1990)、367に記載され、また、Colon他によって、J.Org.Chem.、51(1986)、2627に記載された。この反応は典型的には、触媒量のニッケル塩、実質的な量のトリフェニルホスフィンおよび大過剰の亜鉛末を用いて極性の非プロトン性溶媒(例えば、ジメチルアセトアミド)において行われる。この方法の変法が、Ioyda他によって、Bull.Chem.Soc.Jpn、63(1990)、80に記載される。この場合には、有機可溶性のヨウ化物が促進剤として使用された。
【0031】
ニッケルによる別のカップリング反応が、Yamamotoによって、Progress in Polymer Science、17(1992)、1153に開示された。この場合には、ジハロ芳香族化合物の混合物が、不活性溶媒中で、過剰量のニッケル(1,5−シクロオクタジエン)錯体により処理された。ニッケルによるすべてのカップリング反応は、2つ以上の芳香族ジハリドの反応物混合物に対して適用されたとき、本質的にはランダムポリマーをもたらす。そのような重合反応は、少量の水を重合反応混合物に加えることによって停止させることができ、これにより、末端のハロゲン基が水素基により置き換わる。代替として、モノ官能性のアリールハリドをそのような反応における連鎖停止剤として使用することができ、これにより、末端アリール基の形成がもたらされる。
【0032】
一般に、関連した技術分野において知られている重合方法および処理手順を、Heck反応、Sonogashira反応、Kumada反応として知られている反応を含めて、本発明のポリマーのために同様に適用することができる;様々な反応を、例えば、国際公開WO07/090773(21頁12行〜26頁17行の部分を参照のこと)または国際公開WO06/097419(41頁12行〜44頁10行および45頁15行〜34行の部分を参照のこと)と同様に行うことができる;言及された後者の2つの文書からの引用部分が参照によってここに組み込まれる。
【0033】
一般に、本発明のポリマーのジベンゾフラン成分は、ポリマーの主鎖に対する側鎖として結合する。この構造様式は、所望される官能性をグラフト化反応により付け加える可能性を広げ、また、所望されるポリマーのいくらかのその場形成を、例えば、光開始剤の添加の有無にかかわらず、基板を好適なモノマー混合物により被覆し、その混合物を放射線(例えば、UV、電子ビームなど)および/または温度への暴露により重合することによって単純化するので、いくつかの利点を、例えば、化合物の合成においてもたらす。
【0034】
本発明のポリマーは線状であり得るか、または、架橋され得る。架橋されたポリマーの場合、本発明のポリマーを構成するモノマーの一定の割合が、2つ以上の重合可能な基を通常の場合には含有する架橋剤(橋かけ剤)である。
【0035】
従って、本発明では、式II
【化8】

[式中、
9、R9’、R11、R11’、R13、R14、R13’およびR14’のうちの1つが、基−(Sp)x10−[PG]であるR10’であり、
PGが、重合可能な基であり、特に、ビニル、アリル、1−メチルビニル、(メタ)アクリロイル、ビニルフェニル、オキシラニル、グリシジル、オキセタニル、ジメチルマレイミジルから選択される重合可能な基である;
x10が0または1である;
9、R9’がさらに、H、C1〜C18アルキル、Eによって置換され、および/もしくは、Dによって中断されるC1〜C18アルキル、C1〜C18ペルフルオロアルキル、C6〜C24アリール、Gによって置換されるC6〜C24アリール、C2〜C20ヘテロアリール、Gによって置換されるC2〜C20ヘテロアリール、C2〜C18アルケニル、C2〜C18アルキニル、C1〜C18アルコキシ、Eによって置換され、および/もしくは、Dによって中断されるC1〜C18アルコキシ、C7〜C25アラルキル、SiRR’R’’、GeRR’R’’、POAr2、PAr2、−CO−R28から選択される;
11およびR11’がさらに、水素、ハロゲン、C1〜C18アルキル、Eによって置換され、および/もしくは、Dによって中断されるC1〜C18アルキル、C1〜C18ペルフルオロアルキル、C2〜C18アルケニル、C2〜C18アルキニル、C1〜C18アルコキシ、Eによって置換され、および/もしくは、Dによって中断されるC1〜C18アルコキシ、CN、−CO−R28、SiRR’R’’、GeRR’R’’、POAr2、PAr2から選択される;
13、R14、R13’およびR14’がさらに、H、ハロゲン、C1〜C18アルキル、Eによって置換され、および/もしくは、Dによって中断されるC1〜C18アルキル、C1〜C18ペルフルオロアルキル、C6〜C24アリール、Gによって置換されるC6〜C24アリール、C2〜C20ヘテロアリール、Gによって置換されるC2〜C20ヘテロアリール、C2〜C18アルケニル、C2〜C18アルキニル、C1〜C18アルコキシ、Eによって置換され、および/もしくは、Dによって中断されるC1〜C18アルコキシ、C7〜C25アラルキル、CN、−CO−R28から選択され、
かつ、R13、R14、R13’およびR14’はまた、SiRR’R’’、GeRR’R’’、POAr2、PAr2である場合がある;
あるいは、R9、R11、R13、R14、R9’、R11’、R13’およびR14’のうちの2つの置換基は、それらが互いに隣接する場合、一緒になって、下記の基
【化9】

を形成する;
かつ、すべての他の記号は、上記において定義される通りである]の化合物のホモ重合によって得ることができるポリマーが含まれる。
【0036】
本発明の好ましいポリマーは、ガラス転移温度が100℃を超える。
【0037】
本発明の別の局面が、1パーセント〜99パーセントの本発明の少なくとも1つのポリマーを含有するポリマーブレンド混合物に関する。ブレンド混合物の残り1パーセント〜99パーセントが、連鎖成長ポリマー、例えば、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリ(メタクリル酸メチル)およびポリ(エチレンオキシド)など;逐次成長ポリマー、例えば、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタンおよびポリイミドなど;ならびに、架橋ポリマー、例えば、架橋エポキシ樹脂、架橋フェノール樹脂、架橋アクリレート樹脂および架橋ウレタン樹脂などの中から選択される1つまたは複数のポリマー物質から構成される。これらのポリマーの例が、Preparative Methods of Polymer Chemistry(W.R.SorensonおよびT.W.Campbell、第2版、Interscience Publishers(1968))に見出され得る。同様にまた、ブレンド混合物において使用され得るものが共役ポリマーであり、例えば、ポリ(フェニレンビニレン)、置換されたポリ(フェニレンビニレン)、置換されたポリフェニレンおよびポリチオフェンなどである。これらの共役ポリマーの例が、GreenhamおよびFriendによって、Solid State Physics、第49巻、1頁〜149頁(1995)に示される。
【0038】
上記において定義されるようなホモポリマーを含むエレクトロルミネセンス材料はさらに、通常の場合にはリン光性金属錯体(「三重項発光体」)および蛍光性ドーパントから選択される発光性成分を含有する。そのようなエレクトロルミネセンス材料は多くの場合、1つまたは複数のさらなる成分を含有し、特に、電子輸送体、正孔輸送体、不活性ポリマー、粘度調節剤、開始剤、有機塩および安定剤(例えば、酸化防止剤およびUV吸収剤など)から選択される1つまたは複数のさらなる成分を含有する。
【0039】
従って、本発明はさらに、少なくとも1つのさらなる成分、特に、三重項発光体(TE)、電子輸送体、正孔輸送体、不活性ポリマー(例えば、ポリスチレンのような芳香族ホモポリマーまたは芳香族コポリマー、あるいは、例えば、粘度調節剤として上記で列挙されるさらなるポリマーなど)、開始剤、有機塩(特に、マトリックスに可溶性であるならば、例えば、有機アンモニウム塩)から選択される少なくとも1つのさらなる成分を含有するエレクトロルミネセンス材料に関連する。従って、本発明のエレクトロルミネセンス材料は多くの場合、1パーセント〜99パーセントの本発明の少なくとも1つのポリマーと、99パーセント〜1パーセントの、上記で列挙されるさらなる付加的(補助的)成分の1つまたは複数(これは多くの場合、材料の残部を構成する)とを含有する。
【0040】
線状ポリマーを製造するためのモノマーは通常、モノマーユニットあたり1種類だけの重合可能な基および1つだけのPG(すなわち、1つの基R10)を含有するか、あるいは、グラフト化のために、1つまたは複数のさらなる種類のPGを含有する。ポリマーの架橋および/またはその場製造のために、同じタイプの2つ以上の基PG(すなわち、2つ以上の基R10)を含有するモノマーを使用することができる。
【0041】
本発明のポリマーは好ましくは、重量平均分子量が2,000ダルトン以上であり、特に2,000ダルトン〜1,000,000ダルトンであり、より好ましくは10,000ダルトン〜1,000,000ダルトンであり、最も好ましくは20,000ダルトン〜500,000ダルトンである。分子量は、ポリスチレン標準物および/または光散乱検出器を使用してゲル浸透クロマトグラフィーに従って求められる。
【0042】
本発明のポリマーは、この技術分野において知られている技術に従って、例えば、線状ポリマーまたは架橋ポリマーを縮合重合法および/または付加重合法によって製造するための技術に従って製造することができる。多くの場合、基本的なポリマーネットワークが、エチレン性不飽和成分をPGとして含有する好適なモノマーの付加重合によって形成され、例えば、ラジカルを生成させ、かつ、反応を開始させるための化学的なラジカル開始剤、光開始剤、化学線および/または熱を使用するラジカル共重合によって形成される。第1の製造工程において形成される(コ)ポリマーはさらに、例えば、1つまたは複数のさらなるモノマーおよび/または官能基をポリマー骨格にグラフト化することによって修飾することができる。反応条件および方法は、例えば、国際公開WO06/097419または同WO07/090773に記載される反応条件および方法に従うことができる。上記で述べられるように、本発明のポリマーはまた、上記で記載されるような架橋可能なモノマーの存在下では特に、基板上においてその場形成させることができる。例えば、その場重合を、エチレン性不飽和基PGを含有するモノマー(ある割合またはすべて(例えば、1%〜100%)のモノマーがこのタイプの2つまたは3つの基PGを有する)を使用して、そして、そのようなモノマーに化学線(例えば、UVまたは電子ビームなど)を(UV放射線の場合には、時には光開始剤の存在下で)照射して効果的に行うことができる。
【0043】
本発明の材料に存在する式Iの好ましいポリマーが、下記のように定義されるポリマーである:
9、R9’が、H、C1〜C18アルキル、C3〜C12シクロアルキル、ハロゲン、R10、Eによって置換され、および/もしくは、Dによって中断されるC1〜C18アルキル、C1〜C18ペルフルオロアルキル、C6〜C24アリール、Gによって置換されるC6〜C24アリール、C2〜C20ヘテロアリール、Gによって置換されるC2〜C20ヘテロアリール、C2〜C18アルケニル、C2〜C18アルキニル、C1〜C18アルコキシ、Eによって置換され、および/もしくは、Dによって中断されるC1〜C18アルコキシ、C7〜C25アラルキル、SiRR’R’’、GeRR’R’’、POAr2、PAr2から選択されるか、または、−CO−R28であり;
11およびR11’が、水素、ハロゲン(特に、フッ素)、C1〜C18アルキル、Eによって置換され、および/もしくは、Dによって中断されるC1〜C18アルキル、C1〜C18ペルフルオロアルキル、C2〜C18アルケニル、R10、C2〜C18アルキニル、C1〜C18アルコキシ、Eによって置換され、および/もしくは、Dによって中断されるC1〜C18アルコキシ、CN、または、−CO−R28、SiRR’R’’、GeRR’R’’、POAr2、PAr2から選択され;
13、R14、R13’およびR14’が、H、ハロゲン(特に、フッ素)、C1〜C18アルキル、R10、Eによって置換され、および/もしくは、Dによって中断されるC1〜C18アルキル、C1〜C18ペルフルオロアルキル、C6〜C24アリール、Gによって置換されるC6〜C24アリール、C2〜C20ヘテロアリール、Gによって置換されるC2〜C20ヘテロアリール、C2〜C18アルケニル、C2〜C18アルキニル、C1〜C18アルコキシ、Eによって置換され、および/もしくは、Dによって中断されるC1〜C18アルコキシ、C7〜C25アラルキル、CNまたは−CO−R28から選択され、かつ、R13、R14、R13’およびR14’はまた、SiRR’R’’、GeRR’R’’、POAr2、PAr2である場合があるか;
あるいは、R9、R11、R13、R14、R9’、R11’、R13’およびR14’のうちの2つの置換基は、それらが互いに隣接する場合、一緒になって、下記の基
【化10】

を形成し、
105、R106、R107、R108、R105’、R106’、R107’およびR108’が互いに独立して、H、C1〜C18アルキル、Eによって置換され、および/もしくは、Dによって中断されるC1〜C18アルキル、C1〜C18アルコキシ、または、Eによって置換され、および/もしくは、Dによって中断されるC1〜C18アルコキシ、または、R10であり、
Dが、−CO−;−COO−;−S−;−SO−;−SO2−;−O−;−NR25−;−SiR3031−;−POR32−;−CR23=CR24−;または−C≡C−であり;かつ
Eが、−OR29;−SR29;−NR2526;−COR28;−COOR27;−CONR2526;−CN;またはハロゲンであり;
Gが、E、C1〜C18アルキル、C3〜C12シクロアルキル、Dによって中断されるC2〜C18アルキル、C1〜C18ペルフルオロアルキル、または、Eによって置換され、および/もしくは、Dによって中断されるC1〜C18アルコキシであり、上記式において、
23、R24、R25およびR26が互いに独立して、H;C6〜C18アリール;C6〜C18アリールアルキル;C3〜C12シクロアルキル;C1〜C18アルキルおよび/もしくはC1〜C18アルコキシによって置換されるC6〜C18アリールもしくはC6〜C18アリールアルキル;C1〜C18アルキル;または、−O−によって中断されるC2〜C18アルキルであるか;あるいは、
25およびR26が一緒になって、5員環または6員環を形成し、特に、
【化11】

を形成する;
27およびR28が互いに独立して、H;C6〜C18アリール;C6〜C18アリールアルキル;C1〜C18アルキルおよび/もしくはC1〜C18アルコキシによって置換されるC6〜C18アリールもしくはC6〜C18アリールアルキル;C1〜C18アルキル;C3〜C12シクロアルキル;または、−O−によって中断されるC2〜C18アルキルであり;
29が、H;C6〜C18アリール;C6〜C18アリールアルキル;C1〜C18アルキルおよび/もしくはC1〜C18アルコキシによって置換されるC6〜C18アリールもしくはC6〜C18アリールアルキル;C1〜C18アルキル;C2〜C18アルキルカルボニル;C3〜C12シクロアルキル;または、−O−によって中断されるC2〜C18アルキルもしくはC2〜C18アルキルカルボニルであり;
30およびR31が互いに独立して、C1〜C18アルキル、C3〜C12シクロアルキル、C6〜C18アリール、または、C1〜C18アルキルによって置換されるC6〜C18アリールであり、かつ、
32が、C1〜C18アルキル、C6〜C18アリール、または、C1〜C18アルキルによって置換されるC6〜C18アリールであり、
R、R’およびR’’が独立して、C1〜C12アルキル、C1〜C12ハロアルキル、C5〜C10アリール、C3〜C12シクロアルキルから選択され、好ましくは、C1〜C6アルキル、フェニル、シクロペンチル、シクロヘキシルから選択され;かつ
Arが独立して、C5〜C10アリール、または、C1〜C18アルキルによって置換されるC5〜C10アリールから選択され;
式Iが1つの基R10を含有する場合には、また、
10は、基−(Sp)x10−[PG’]<[式中、Spは二価の有機スペーサーであり、PG’は、重合可能な基に由来する基であり、かつ、x10は0または1である]である。
【0044】
例えば、本発明のエレクトロルミネセンス材料は、式III
【化12】

[式中、
nは2から10000にまで及び;
Lは、CH2、COまたは直接の結合であり;
9、R11、R13、R14は、H、C1〜C18アルキル、ハロゲン、Eによって置換され、および/もしくは、Dによって中断されるC1〜C18アルキル、C6〜C24アリール、Gによって置換されるC6〜C24アリール、C2〜C20ヘテロアリール、Gによって置換されるC2〜C20ヘテロアリール、C2〜C18アルケニル、C2〜C18アルキニル、C1〜C18アルコキシ、Eによって置換され、および/もしくは、Dによって中断されるC1〜C18アルコキシ、C7〜C25アラルキル、SiRR’R’’、GeRR’R’’、POAr2、PAr2から選択されるか、または、−CO−R28であり;
残基R9’のそれぞれが独立して、R9について定義される残基から選択され、
RxはHまたはメチルであり、かつ、すべての他の記号は、上記において定義される通りである]のポリマーを含むことができ;
このクラスの好ましい材料は、下記のように定義される式IIIのポリマーを含む:
nが5から5000にまで及び、特に、10から1000にまで及ぶ;
x10が0である;
9、R9’’、R11、R13、R14が、H、C1〜C8アルキル、フルオロ、Eによって置換されるC1〜C8アルキル、Dによって中断されるC2〜C18アルキル、フェニル、Gによって置換されるフェニル、C4〜C18ヘテロアリール、Gによって置換されるC4〜C18ヘテロアリール、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C1〜C8アルコキシ、Eによって置換されるC1〜C8アルコキシ、Dによって中断されるC2〜C18アルコキシ、C7〜C25フェニルアルキル、SiRR’R’’、GeRR’R’’、POAr2、PAr2から選択されるか、または、−CO−R28であり;
Dが、−CO−;−COO−;−S−;−SO−;−SO2−;−O−;−NR25−;−SiR3031−;−POR32−であり;かつ
Eが、−OR29;−NR2526;−COR28;−COOR27;−CONR2526;−CN;またはハロゲンであり;
Gが、E、C1〜C8アルキル、シクロヘキシル、Dによって中断されるC2〜C18アルキル、C1〜C8ペルフルオロアルキル、Eによって置換されるC1〜C18アルコキシ、Dによって中断されるC2〜C18アルコキシであり、上記式において、
25およびR26が互いに独立して、H;フェニル;C7〜C12フェニルアルキル;シクロヘキシル;C1〜C8アルキルもしくはC1〜C8アルコキシによって置換されるフェニルもしくはC7〜C12フェニルアルキル;C1〜C18アルキル;または、−O−によって中断されるC2〜C18アルキルであるか;あるいは
25およびR26が一緒になって、
【化13】

から選択される5員環または6員環を形成し;
27およびR28が互いに独立して、H;フェニル;C7〜C12フェニルアルキル;C1〜C8アルキルおよび/もしくはC1〜C8アルコキシによって置換されるフェニルもしくはC7〜C12フェニルアルキル;C1〜C8アルキル;シクロヘキシル;または、−O−によって中断されるC2〜C18アルキルであり;
29が、H;フェニル;C7〜C12フェニルアルキル;C1〜C8アルキルおよび/もしくはC1〜C8アルコキシによって置換されるフェニルもしくはC7〜C12フェニルアルキル;C1〜C8アルキル;C2〜C8アルキルカルボニル;シクロヘキシル;または、−O−によって中断されるC2〜C18アルキルもしくはC2〜C18アルキルカルボニルであり;
30およびR31が互いに独立して、C1〜C8アルキル、フェニル、または、C1〜C8アルキルによって置換されるフェニルであり、かつ
32が、C1〜C8アルキル、フェニル、または、C1〜C8アルキルによって置換されるフェニルであり、
R、R’およびR’’が独立して、C1〜C6アルキル、フェニル、シクロペンチル、シクロヘキシルから選択され;かつ
Arが、フェニル、または、C1〜C8アルキルによって置換されるフェニルである。
【0045】
式IIIにおける星印は、ポリマー鎖が進行していることを示しており、一般的な末端基が通常、水素、上記において定義されるようなアルキル(例えば、C1〜C8)、アリール(例えば、フェニル)もしくはアリールアルキル(例えば、ベンジル)、および/または、連鎖停止剤、あるいは、「反応していない」単結合したモノマーユニットIV:
【化14】

[式中、RxはHまたはメチルであり、Ryがポリマー鎖への結合であるか、あるいは、RyはHまたはメチルであり、Rxがポリマー鎖への結合であり、かつ、すべての他の記号は、上記において定義される通りである]から選択される。
【0046】
本発明による一般に好ましいエレクトロルミネセンス材料は、式Iまたは式IIIにおいて、
x10が0であり;
9、R9’、R9’’、R11、R13、R14、R11’、R13’、R14’のどれもが独立して、H、C1〜C8アルキル、フルオロ、Eによって置換されるC1〜C8アルキル、Dによって中断されるC2〜C18アルキル、フェニル、Gによって置換されるフェニル、C4〜C18ヘテロアリール、Gによって置換されるC4〜C18ヘテロアリール、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C1〜C8アルコキシ、Eによって置換されるC1〜C8アルコキシ、Dによって中断されるC2〜C18アルコキシ、C7〜C25フェニルアルキル、SiRR’R’’、GeRR’R’’、POAr2、PAr2から選択されるか、または、−CO−R28であり;
Dが、−CO−;−COO−;−O−;−NR25−;−SiR3031−である;かつ
Eが、−OR29;−NR2526;−COR28;−COOR27;−CONR2526;またはフルオロであり;
GがEまたはC1〜C8アルキルであり;
25およびR26が互いに独立して、H;C1〜C8アルキル;シクロヘキシルであり;
27およびR28が互いに独立して、H;フェニル;ベンジル;C1〜C8アルキルおよび/もしくはC1〜C8アルコキシによって置換されるフェニルもしくはベンジル;C1〜C8アルキルであり;
29が、H;フェニル;ベンジル;C1〜C8アルキルおよび/もしくはC1〜C8アルコキシによって置換されるフェニルもしくはベンジル;C1〜C8アルキル;アセチル;シクロヘキシル;または、−O−によって中断されるC2〜C12アルキルであり;
30およびR31が互いに独立して、メチルまたはフェニルであり、かつ
R、R’およびR’’が独立して、メチル、エチル、フェニルから選択され;かつ
Arがフェニルであり;
特に、R9、R9’、R9’’、R11、R13、R14、R11’、R13’、R14’のどれもが独立して、H、C1〜C8アルキル、SiRR’R’’である、
式Iまたは式IIIの10個〜1000個の構造単位を含有するポリマーを含む。
【0047】
本発明はさらに、新規なポリマー、すなわち、式III’
【化15】

[式中、
nは5から10000にまで及び;
9、R9’’、R11、R13、R14の残基のうちの少なくとも1つが、C1〜C18アルキル、ハロゲン、Eによって置換され、および/もしくは、Dによって中断されるC1〜C18アルキル、C6〜C24アリール、Gによって置換されるC6〜C24アリール、C2〜C20ヘテロアリール、Gによって置換されるC2〜C20ヘテロアリール、C2〜C18アルケニル、C2〜C18アルキニル、C1〜C18アルコキシ、Eによって置換され、および/もしくは、Dによって中断されるC1〜C18アルコキシ、C7〜C25アラルキル、SiRR’R’’、GeRR’R’’、POAr2、PAr2、−CO−R28から選択され、
特に、ハロゲン、C2〜C18アルキニル、C1〜C18アルコキシ、SiRR’R’’、GeRR’R’’、POAr2、PAr2から選択され;さらに、残りの残基はまた、水素である場合があり;
Dは、−CO−;−COO−;−S−;−SO−;−SO2−;−O−;−NR25−;−SiR3031−;−POR32−であり;かつ
Eは、−OR29;−NR2526;−COR28;−COOR27;−CONR2526;−CN;またはハロゲンであり;
Gは、E、C1〜C8アルキル、シクロヘキシル、Dによって中断されるC2〜C18アルキル、C1〜C8ペルフルオロアルキル、Eによって置換されるC1〜C18アルコキシ、Dによって中断されるC2〜C18アルコキシであり、上記式において、
25およびR26は互いに独立して、H;フェニル;C7〜C12フェニルアルキル;シクロヘキシル;C1〜C8アルキルもしくはC1〜C8アルコキシによって置換されるフェニルもしくはC7〜C12フェニルアルキル;C1〜C18アルキル;または、−O−によって中断されるC2〜C18アルキルであるか;あるいは
25およびR26は一緒になって、
【化16】

から選択される5員環または6員環を形成する;
27およびR28は互いに独立して、H;フェニル;C7〜C12フェニルアルキル;C1〜C8アルキルおよび/もしくはC1〜C8アルコキシによって置換されるフェニルもしくはC7〜C12フェニルアルキル;C1〜C8アルキル;シクロヘキシル;または、−O−によって中断されるC2〜C18アルキルであり;
29は、H;フェニル;C7〜C12フェニルアルキル;C1〜C8アルキルおよび/もしくはC1〜C8アルコキシによって置換されるフェニルもしくはC7〜C12フェニルアルキル;C1〜C8アルキル;C2〜C8アルキルカルボニル;シクロヘキシル;または、−O−によって中断されるC2〜C18アルキルもしくはC2〜C18アルキルカルボニルであり;
30およびR31は互いに独立して、C1〜C8アルキル、フェニル、または、C1〜C8アルキルによって置換されるフェニルであり、かつ
32は、C1〜C8アルキル、フェニル、または、C1〜C8アルキルによって置換されるフェニルであり、
R、R’およびR’’は独立して、C1〜C6アルキル、フェニル、シクロペンチル、シクロヘキシルから選択され;かつ
Arは、フェニル、または、C1〜C8アルキルによって置換されるフェニルであり;
Lは、CH2、COまたは直接の結合である;RxはHまたはメチルであり;
x10は0または1であり、かつ、
Spは、O、C1〜C4アルキレン−O、CH2−CHOH−CH2−O、COO、CONR22、C1〜C4アルキレンまたはCH2CHOHCH2である]のホモポリマーに関連する。
新規なポリマーの好ましい変化体および置換パターン、ならびに、製造のための方法は主として、本発明のエレクトロルミネセンス材料において使用されるポリマーについてさらに上記で記載される通りである。
【0048】
本発明のポリマーを製造するためのいくつかの有益なモノマーが、式V
【化17】

[式中、
9、R9’’、R11、R13、R14の残基のうちの少なくとも1つが、ハロゲン(例えば、ヨード)、C2〜C18アルキニル、C1〜C18アルコキシ、SiRR’R’’、GeRR’R’’、POAr2、PAr2から選択され;さらに、残りの残基はまた、水素である場合があり;
R、R’およびR’’は独立して、C1〜C6アルキル、フェニル、シクロペンチル、シクロヘキシルから選択され;かつ
Arは、フェニル、または、C1〜C8アルキルによって置換されるフェニルであり;
Lは、CH2、COまたは直接の結合であり;RxはHまたはメチルであり;
x10は0または1であり、かつ、Spは、O、C1〜C4アルキレン−O、CH2−CHOH−CH2−O、COO、CONR22、C1〜C4アルキレンまたはCH2CHOHCH2である]を有する新規な化合物である。
【0049】
残基R9’’のそれぞれが、例えば、式III、式III’、式IVおよび式Vにおいて存在する場合、示された意味から独立して選択され、従って、この残基は同一であり得るか、または、互いに異なり得る。
【0050】
本発明のポリマー化合物のためのモノマーの製造は、この技術分野において知られている方法に従うことができ、例えば、最初に引用された文献に記載されるような方法に従うことができる。重合可能な基の導入を、何らかのさらなる置換基(R9、R9’’、R11、R13、R14)の導入によるモノマーのさらなる誘導体化の前に完了することができる;しかしながら、多くの場合、置換基(R9、R9’’、R11、R13、R14)を含有する化合物が最初に提供され、その後、この製造物が、重合可能な基PGを含有するモノマーに第2の工程で変換される。置換基はまた、その後の工程で修飾することができ、例えば、反応性置換基(例えば、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシまたはヒドロキシアルキルなど)の最初の導入の後で修飾することができる。
【0051】
反応条件が、溶媒の使用、温度、触媒、保護処置、処理手順、単離手順および精製手順(これらに限定されない)を含めて、この技術分野において知られている方法に従って適合化される。さらなる詳細が本発明の実施例において説明される。
【0052】
本発明はまた、本発明のポリマーを含む電子デバイス、および、その製造方法に関する。本発明の電子デバイスは、2つの電気接点層の間に配置される少なくとも1つの有機活性材料を含むことができ、ただし、この場合、デバイスのそのような層の少なくとも1つが、リン光性ドーパント(通常、金属錯体(例えば、Ir系の三重項発光体など)または蛍光性化合物)であり得る発光するドーパント化合物を含む。電子デバイスは、陽極層(a)、陰極層(e)および活性層(c)を含むことができる。陽極層(a)に隣接して、必要に応じて使用される正孔注入/輸送(電子阻止)層(b)が存在し、また、陰極層(e)に隣接して、必要に応じて使用される電子注入/輸送(正孔阻止)層(d)が存在する。層(b)および層(d)は電荷輸送層の例である。
【0053】
活性層(c)は好ましくは、少なくともおよそ0.1質量パーセントのそのような発光性ドーパントを含む(多くの場合、1%を越えるか、または、0.1%〜10%)。
【0054】
デバイスは、陽極層(a)または陰極層(e)に隣接する支持体または基板を含むことができる。最も頻繁には、支持体が陽極層(a)に隣接する。支持体は、柔軟または剛直、有機物または無機物が可能である。一般に、ガラスまたは柔軟な有機薄膜が支持体として使用される。陽極層(a)は、陰極層(e)と比較して、正孔を注入するためにより効率的である電極である。陽極は、金属、混合金属、合金、金属酸化物または混合金属酸化物を含有する材料を含むことができる。陽極層(a)に含まれる好適な金属元素には、第4族、第5族、第6族の金属、ならびに、第8族〜第11族の遷移金属が含まれ得る。陽極層(a)が光透過性となるならば、第12族、第13族および第14族の金属の混合金属酸化物を使用することができ、例えば、インジウムスズ酸化物などを使用することができる。陽極層(a)のための材料のいくつかの限定されない具体的な例には、インジウムスズ酸化物(「ITO」)、アルミニウムスズ酸化物、金、銀、銅、ニッケルおよびセレンが含まれる。
【0055】
陽極層(a)を、化学蒸着プロセスまたは物理蒸着プロセス、あるいは、スピンキャストプロセス、インジェクト印刷プロセスまたはグラビア印刷プロセスによって形成することができる。化学蒸着をプラズマ強化化学蒸着(「PECVD」)または有機金属化学蒸着(「MOCVD」)として行うことができる。
【0056】
物理蒸着には、すべての形態のスパッタリング(例えば、イオンビームスパッタリング)、e−ビーム蒸発および抵抗蒸発が含まれ得る。
【0057】
物理蒸着の具体的な形態には、rfマグネトロンスパッタリングまたは誘導結合プラズマ物理蒸着(「ICP−PVD」)が含まれる。これらの蒸着技術は半導体製造の技術分野において広く知られている。
【0058】
正孔輸送層(b)を陽極に隣接させることができ;この層は、正孔を注入する層(b1)と、正孔を輸送する層(b2)とに分けることができる。正孔を輸送する小分子化合物ならびにポリマーを使用することができる。
【0059】
一般に使用される正孔輸送分子には、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(TPD)、1,1−ビス[(ジ−4−トリルアミノ)フェニル]シクロヘキサン(TAPC)、N,N’−ビス(4−メチルフェニル)−N,N’−ビス(4−エチルフェニル)−[1,1’−(3,3’−ジメチル)ビフェニル]4,4’−ジアミン(ETPD)、テトラキス−(3−メチルフェニル)−N,N,N’,N’−2,5−フェニレンジアミン(PDA)、a−フェニル−4−N,N−ジフェニルアミノスチレン(TPS)、p−(ジエチルアミノ)ベンズアルデヒドジフェニルヒドラゾン(DEH)、トリフェニルアミン(TPA)、ビス[4−(N,N−ジエチルアミノ)−2−メチルフェニル](4−メチルフェニル)メタン(MPMP)、1−フェニル−3−[p−(ジエチルアミノ)スチリル]−5−[p−(ジエチルアミノ)フェニル]ピラゾリン(PPRまたはDEASP)、1,2−trans−ビス(9H−カルバゾル−9−イル)シクロブタン(DCZB)、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(TTB)、4,4’−N,N−ジカルバゾール−ビフェニル(CBP)、N,N−ジカルバゾイル−1,4−ジメテン−ベンゼン(DCB)、N,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−ベンジジン(NPD)、1,3−ビス(9−カルバゾリル)ベンゼン(mCP)、ポルフィリン系化合物、フタロシアニン系化合物、および、それらの組合せが含まれる。この関連において有用なさらなる材料および方法が、米国特許出願公開第2007−0087219号(それにおける[0096]〜[0154]の部分を参照のこと)に記載される通りであり得る(そのような引用部分が参照によってここに組み込まれる)。
【0060】
一般に使用される正孔輸送ポリマーが、ポリビニルカルバゾール、(フェニルメチル)ポリシラン、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)、トリアリールアミンポリマー(例えば、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−co−(4,4’−(N−(4−sec−ブチルフェニル))ジフェニルアミン)][TFB])、ポリピロールおよびポリアニリンである。正孔輸送ポリマーを、正孔輸送分子(例えば、上記で述べられた分子など)をポリマー(例えば、ポリスチレンおよびポリカルボネートなど)にドープすることによって得ることができる。
【0061】
正孔注入/輸送層(b)を、スピンコーティング、キャスティングおよび印刷(例えば、グラビア印刷など)を含めて、いずれかの従来的手段を使用して形成することができる。この層はまた、インクジェット印刷、熱パターニング、あるいは、化学蒸着または物理蒸着によって施すことができる。
【0062】
通常、陽極層(a)および正孔注入/輸送層(b)(存在する場合)は、同じリソグラフィー操作の期間中にパターン化される。パターンは、所望に応じて変化し得る。これらの層は、例えば、第1の電気接点層材料を施す前に、パターン化されたマスクまたはレジストを第1の柔軟な複合材バリア構造物に置くことによって所定のパターンで形成することができる。代替として、これらの層は、(ブランケット堆積物とも呼ばれる)全体層として施すことができ、続いて、例えば、パターン化されたレジスト層、および、湿式の化学的技術または乾式のエッチング技術を使用してパターン化することができる。この技術分野において広く知られているパターン化のための他のプロセスもまた使用することができる。電子デバイスがアレイ内に置かれるとき、陽極層(a)および正孔注入/輸送層(b)は典型的には、実質的に同じ方向で延びる長さを有する実質的に平行な細片にされる。層(b)は架橋することができる。
【0063】
活性層(c)は、発光性ドーパントと、本発明のポリマーとを含む。選ばれる具体的な材料は、特定の用途、操作期間中に使用される電位、または、他の要因に依存し得る。活性層(c)は、電子、正孔および/または励起子を捕捉し得る光放射性材料がドープされ、その結果、励起子が光電子放出機構により光放射性材料から緩和するようになる、電子および/または正孔を輸送することができるさらなるホスト材料を含むことができる。活性層(c)は、輸送特性および光放射特性を兼ね備える1つの材料を含むことができる。光放射性材料がドーパントであろうとも、または、主要な構成成分であろうとも、活性層は他の材料を含むことができ、例えば、光放射性材料の放射を調節するドーパントなどを含むことができる。活性層(c)は、所望されるスペクトルの光を組合せにおいて放射することができる複数の光放射性材料を含むことができる。光放射性材料の例には、国際公開WO06000544、同WO06067074、同WO07074093、並びに、それらにおいて引用される刊行物に開示されるリン光性金属化合物;同様にまた、例えば、欧州特許出願公開EP−A−1138746、同EP−A−1245659に開示されるようなある種の蛍光性ポリアリールが含まれる。蛍光性の光放射性材料の例には、DCMおよびDMQAが含まれる。さらなるホスト材料の例には、Alq3、CBPおよびmCPが含まれる。光放射性材料およびホスト材料の様々な例が米国特許第6,303,238号(B)に開示される(これはその全体が参照によって組み込まれる)。
【0064】
活性層(c)を形成するための方法の例には、溶液処理による堆積が含まれる。溶液からの薄膜形成法の例には、様々な塗布方法が含まれ、例えば、スピンコーティング、キャスティング、マイクログラビアコーティング、ロールコーティング、ワイヤバーコーティング、浸漬コーティング、噴霧コーティング、スクリーン印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、グラビア印刷およびインクジェット印刷などが含まれる。
【0065】
活性層(c)を形成するために使用される組成物として、少なくとも1種類の本発明のポリマー、発光する化合物、および、少なくとも1つの溶媒が含有され、また、様々な添加物を加えることができ、例えば、正孔輸送材料、電子輸送材料、発光性材料、レオロジー調節剤または安定剤などを加えることができる。組成物における溶媒の量は組成物の総質量の1質量%〜99質量%であり、好ましくは60質量%〜99質量%であり、より好ましくは80質量%〜99質量%である。
【0066】
溶液処理法において使用される溶媒は特に限定されず、好ましいものが、材料を溶解することができるか、または、材料を均一に分散することができる溶媒である。好ましくは、材料を溶媒に溶解し、溶液を基板に置き、溶媒を除いて、固体の薄膜を残すことができる。不活性であり、そして、少なくともある程度の材料を溶解することができ、かつ、従来の乾燥手段(例えば、熱、減圧、気流などを加えること)によって基板から除くことができるならば、好適な溶媒はどれも、化合物を溶解するために使用することができる。好適な有機溶媒には、芳香族または脂肪族の炭化水素、ハロゲン化炭化水素(例えば、塩素化炭化水素など)、エステル、エーテル、ケトン、アミド、例えば、クロロホルム、ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジクロロベンゼン、クロロベンゼン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート(PGMEA)およびアルコール、ならびに、それらの混合物などが含まれるが、これらに限定されない。同様に、水、および、水混和性溶媒との混合物も可能である。層(c)は架橋することができる。
【0067】
必要に応じて使用される層(d)は、電子注入/輸送、正孔阻止を容易にするために、および、層境界での消光反応を防止するためのバッファー層または閉じ込め層としてもまた働くために、それらの両方で機能することができる。より詳細には、層(c)および層(e)がそれ以外の様式で直接に接触しているならば、層(d)は電子移動度を促進させるかもしれず、また、消光反応の可能性を低下させるかもしれない。必要に応じて使用される層(d)のための材料の例には、金属がキレートしたオキシノイド化合物(例えば、トリス(8−ヒドロキシキノラト)アルミニウム(Alq3)または同様な化合物);フェナントロリン系化合物(例えば、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(「DDPA」)、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(「DPA」)または同様な化合物);アゾール化合物(例えば、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(「PBD」)または同様な化合物、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(「TAZ」)または同様な化合物);他の類似する化合物;あるいは、それらのいずれか1つまたは複数の組合せが含まれる。この関連において有用なさらなる材料および方法が、米国特許出願公開第2006−0210830号(それにおける[0076]〜[0079]の部分を参照のこと)および同第2007−0042220号(それにおける[0110]〜[0114]の部分を参照のこと)に記載される通りであり得る(そのような引用部分は参照によってここに組み込まれる)。代替として、必要に応じて使用される層(d)は、無機である場合があり、BaO、LiFまたはLi2Oなどを含むことができる。層(d)は架橋することができる。
【0068】
電子注入/輸送層(d)を、スピンコーティング、キャスティングおよび印刷(例えば、グラビア印刷など)を含めて、いずれかの従来的手段を使用して形成することができる。この層はまた、インクジェット印刷、熱パターニング、あるいは、化学蒸着または物理蒸着によって施すことができる。
【0069】
陰極層(e)は、電子または負電荷キャリアを注入するために特に効率的である電極である。陰極層(e)は、第1の電気接点層(この場合には陽極層(a))よりも低い仕事関数を有する任意の金属または非金属が可能である。第2の電気接点層のための材料を、第1族のアルカリ金属(例えば、Li、Na、K、Rb、Cs)、第2族の(アルカリ土類)金属、第12族の金属、希土類、ランタニド(例えば、Ce、Sm、Euなど)およびアクチニドから選択することができる。アルミニウム、インジウム、カルシウム、バリウム、イットリウムおよびマグネシウム、ならびに、それらの組合せなどの材料もまた使用することができる。Li含有有機金属化合物、LiFおよびLi2Oもまた、作動電圧を低下させるために、有機層と、陰極層との間に置くことができる。陰極層(e)のための材料の具体的な限定されない例には、バリウム、リチウム、セリウム、セシウム、ユーロピウム、ルビジウム、イットリウム、マグネシウムまたはサマリウムが含まれる。
【0070】
陰極層(e)は通常、化学蒸着プロセスまたは物理蒸着プロセスによって形成される。一般に、陰極層は、陽極層(a)および必要に応じて使用される正孔注入層(b)に関連して上記で議論されるようにパターン化される。デバイスがアレイ内にあるならば、陰極層(e)は、陰極層細片の長さが、実質的に同じ方向で、かつ、陽極層細片の長さに対して実質的に直交して延びる実質的に平行な細片にパターン化することができる。
【0071】
電子素子と呼ばれるピクセルが、(アレイを平面図または上面図から見たとき、陽極層細片が陰極層細片と交差する)交点で形成される。
【0072】
他の実施形態において、さらなる層(1つまたは複数)が有機電子デバイスの内部には存在し得る。例えば、正孔注入層(b)と、活性層(c)との間の層は、正電荷輸送、これらの層のバンドギャップ整合、または、保護層としての機能などを容易にすることができる。同様に、電子注入層(d)と、陽極層(e)との間のさらなる層は、負電荷輸送、層間のバンドギャップ整合、または、保護層としての機能などを容易にすることができる。この技術分野において知られている層が一般に使用され得る。これらの層のいくつかまたはすべてを、電荷キャリア輸送効率を増大させるために表面処理することができる。成分層のそれぞれのための材料の選択が、高いデバイス効率を有するデバイスを提供するという目的を、製造コスト、製造の複雑性、または、潜在的には他の要因とバランスさせることによって決定され得る。
【0073】
電荷輸送層(b)および電荷輸送層(d)の材料は多くの場合、活性層(c)の材料と同じタイプである。より具体的には、活性層(c)が小分子化合物を含むならば、電荷輸送層(b)および電荷輸送層(d)は、どちらかまたは両方が存在するならば、多くの場合、異なる小分子化合物を含む。活性層(c)がポリマーを含有するならば、電荷輸送層(b)および電荷輸送層(d)は、どちらかまたは両方が存在するならば、多くの場合、同様にポリマーを含有する。それにもかかわらず、活性層(c)が小分子化合物を含有してもよく、かつ、その隣接層のいずれか(例えば、電荷輸送層)がポリマーであってもよい。
【0074】
それぞれの機能的な層が2つ以上の層から構成される場合がある。例えば、陰極層は、第I族金属の層と、アルミニウムの層とを含むことができる。第I族金属を活性層(c)のより近くに存在させることができ、アルミニウムは、第I族金属を環境混入物(例えば、水など)から保護することを助けることができる。
【0075】
限定するために意図されないが、これらの異なる層は下記の範囲の厚さを有することができる:無機の陽極層(a)は通常の場合には最大でもおよそ500nmであり、例えば、およそ50nm〜200nmであり;必要に応じて使用される正孔注入層(b)は通常の場合には最大でもおよそ100nmであり、例えば、およそ50nm〜200nmであり;活性層(c)は通常の場合には最大でもおよそ100nmであり、例えば、およそ10nm〜80nmであり;必要に応じて使用される電子注入層(d)は通常の場合には最大でもおよそ100nmであり、例えば、およそ10nm〜80nmであり;陰極層(e)は通常の場合には最大でもおよそ1000nmであり、例えば、およそ30nm〜500nmである。陽極層(a)または陰極層(e)が、少なくともある程度の光を透過する必要があるならば、そのような層の厚さはおよそ100nmを越えないかもしれない。
【0076】
デバイスにおける電子−正孔再結合域の存在位置、従って、デバイスの放射スペクトルが、各層の相対的な厚さによって影響され得る。従って、電子輸送層の厚さは、電子−正孔再結合域が発光層(すなわち、活性層(c))の中に位置するように選ばなければならない。層厚さの所望される比率は、使用された材料のまさにその性質に依存し得る。
【0077】
金属錯体を用いて作製されるデバイスの効率が、デバイスにおける他の層を最適化することによってさらに改善され得る。例えば、より効率的な陰極(例えば、Ca、Ba、Mg/AgまたはLiF/Alなど)を使用することができる。作動電圧における低下をもたらすか、または、量子効率を増大させる形状化された基板および正孔輸送材料もまた適用可能である。さらなる層はまた、様々な層のエネルギーレベルを目的に合わせて調節するために、また、エレクトロルミネセンスを容易にするために加えることができる。
【0078】
電子デバイスの用途に依存して、活性層(c)は、(例えば、発光ダイオードの場合などにおいて)シグナルによって作動させられる発光層であり得るか、あるいは、加えられた電位(例えば、検出器またはボルタ電池など)の存在下または非存在下で放射エネルギーに応答し、シグナルを生じさせる材料の層であり得る。放射エネルギーに応答し得る電子デバイスの例が、光導電セル、フォトレジスター、光スイッチ、フォトトランジスターおよび光電管、ならびに、光電池から選択される。当業者は、当業者の特定の用途のために好適な材料を選択することができる。
【0079】
本発明のエレクトロルミネセンスデバイスは、例えば、携帯電話、テレビおよびパーソナルコンピューター用スクリーンにおけるフルカラー・ディスプレー・パネルのために用いることができる。従って、本発明は、本発明による有機発光ダイオードを含有する据置き型および可動型のディスプレー(例えば、コンピューター、携帯電話、ラップトップコンピューター、携帯用情報端末(PDA)、TV受像機のためのディスプレー、また、プリンター、台所用品、掲示板、照明、情報板、ならびに、列車およびバスにおける行き先表示板におけるディスプレーなど)から選択されるデバイスにもまた関連する。
【0080】
OLEDにおいて、陰極層(e)および陽極層(a)から光活性層(c)にそれぞれ注入される電子および正孔が活性層(c)において負荷電ポーラロンおよび正荷電ポーラロンを形成する。これらのポーラロンは、加えられた電場の影響下で移動し、その結果、逆荷電種とのポーラロン励起子を形成し、その後、放射再結合を受ける。陽極と、陰極との間における十分な電位差(通常の場合にはおよそ20ボルト未満、場合によっては最大でもおよそ5ボルト)をデバイスに加えることができる。実際の電位差は、より大きい電子部品におけるデバイスの使用に依存し得る。多くの実施形態において、電子デバイスの作動期間中、陽極層(a)には、正電圧のバイアスがかけられ、陰極層(e)は、実質的に接地された電位またはゼロボルトである。電池または他の電源が回路の一部として電子デバイスに電気的に接続することができる。
【0081】
化合物は、効果的であるためには、層(b)、層(c)または層(d)において使用されるとき、固体マトリックス希釈剤(例えば、ホストの電荷輸送材料)に存在する必要はない。金属錯体化合物が層の総質量に基づいておよそ1質量パーセントを越え、かつ、本発明のポリマーが実質的に100%に至る層を、活性層(c)として使用することができる。さらなる材料を錯体化合物とともに活性層(c)に存在させることができる。例えば、蛍光性色素を、放射の色を変化させるために存在させることができる。
【0082】
希釈剤もまた加えることができる。希釈剤は、ポリマー材料が可能であり、例えば、ポリ(N−ビニルカルバゾール)およびポリシランなどが可能である。希釈剤はまた、小分子が可能であり、例えば、4,4’−N,N’−ジカルバゾールビフェニルまたは第三級芳香族アミンなどが可能である。希釈剤が使用されるとき、本発明のポリマーは一般には少量で存在し、層の総質量に基づいて、通常の場合には20質量%未満の少量で存在し、好ましくは10質量%未満の少量で存在する。
【0083】
下記の試験方法および実施例は例示目的のためだけであり、いかなる様式であろうとも、本発明を限定するために解釈してはならない。室温(r.t.)は20℃〜25℃の範囲における温度を示し;一晩は12時間〜16時間の範囲における期間を示す。百分率は、別途示されない限り、質量比である。
実施例またはどこか他で使用される略号:
AIBN アゾ−ビス−イソブチロニトリル
CIE 国際照明委員会に従う色定義
DMF ジメチルホルムアミド
EE 酢酸エチル
EtOH エタノール
HMPTA ヘキサメチル亜リン酸トリアミド
Ir(ppy)3 イリジウムトリス(2−フェニルピリジン)(Baldo他、Appl.Phys.Lett.、1999、75、4−6)
ITO インジウムスズ酸化物
Mw 重量平均分子量
Mn 数平均分子量
PBD 2−(p−tert.ブチルフェニル)−5−ビフェニリル−1,3,4−オキサジアゾール
PDI 多分散性指数(=[Mw]/[Mn]の比率)
PEDOT:PSS ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)ポリ(スチレンスルホネート)
PG 重合可能な基
QE 量子効率
TBME tert.−ブチルメチルエーテル
THF テトラヒドロフラン
TPD N,N’−ビフェニル−N,N’−ジ−m−トリル−ベンジジン
【実施例】
【0084】
実施例1
16.09g(0.259mol)の水酸化カリウム(86%)を、磁石式撹拌装置および還流冷却器を備える500mlの三口丸底フラスコに入れる。200mlのTHFおよび6.5mlのジクロロメタンを加える。混合物を還流する。1時間後、混合物を室温に冷却する。8g(37.74mmol)のジベンゾフラン−4−ボロン酸、0.8g(3.02mmol)のトリフェニルホスフィン、339mg(0.7mmol)の酢酸パラジウム(II)および200mlのメタノールからなる溶液を加える。反応混合物を60℃の内部温度に加熱する。2時間後、反応は完了しており、反応液を室温に冷却する。混合物をH2Oおよび酢酸エチルにより希釈する。有機相を水により2回抽出し、ブラインにより1回抽出する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒をエバポレーションする。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘプタン)によって精製する。4−ビニル−ジベンゾフランが42%の収率で単離される。
【0085】
【化18】

【0086】

【0087】
実施例2
【化19】

【0088】
22.7g(63.7mmol)のメチルトリフェニルホスホニウムブロミドおよび200mlの乾燥THFを、磁石式撹拌装置を備える乾燥した500mlの三口丸底フラスコに入れ、反応混合物をNaCl/氷浴により0℃の内部温度に冷却する。ヘキサンにおける1.6Mブチルリチウム溶液の41.8ml(66.9mmol)を、内部温度を3℃未満で保ちながら30分以内で加える。反応混合物を同じ温度で45分間撹拌し、その後、100mlの乾燥THFに溶解される47.2mmolのジベンゾフラン−2−カルボキサルデヒドを30分以内で加える。2時間後、反応混合物を室温に加温し、500mlの水に加え、500mlの酢酸エチルにより3回抽出する。一緒にした有機相を緩衝液(pH=1)およびブラインの1:1の混合物の500mlにより1回洗浄し、30mlのブラインにより1回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、エバポレーションする。粗生成物をジクロロメタンに溶解し、100gのシリカを加え、溶媒をエバポレーションする。得られた粉末を焼結ガラスロートにおける300gのシリカの上部に加え、生成物をヘキサン/酢酸エチル=8:1により溶出する。生成物を2−プロパノールから結晶化する。2−ビニル−ジベンゾフランが95%の収率で単離される。
【0089】

【0090】
実施例3
【化20】

【0091】
1gの4−ビニル−ジベンゾフラン(実施例1)と、0.01当量の上記スキームに示される開始剤とを0.5mlのクロロベンゼンに溶解し、脱気し、窒素下において120℃で24時間撹拌する。生成物をMeOHにおける多数回の沈殿化によって精製する。収率:70%。
GPC:Mn=13600、PDI=1.16。
【0092】
実施例4
【化21】

【0093】
1.24gの2−ビニル−ジベンゾフラン(実施例2)および1.5質量%のAIBNを5mlのトルエンに溶解し、脱気し、不活性雰囲気下において80℃で24時間重合する。ポリマーをメタノールにおける多数回の沈殿化によって精製する。収率:83%。GPC:Mn=19800、PDI=1.96。
【0094】
実施例5
【化22】

【0095】
16.8g(90.1mmol)のベンゾフラン、19.7g(80mmol)のヨウ素、7.7g(44mmol)のヨウ素酸を、200mlの酸性酸、15mlの水、2mlの硫酸および10mlの四塩化炭素に溶解し、65℃で30時間撹拌する。生成物をろ過して集め、熱トルエンに再溶解し、メタノールを加えることによって再び沈殿させる。2,8−ジヨードジベンゾフラン(5.1)が60.7%の収率で単離される。
【0096】

【0097】
4g(13.5mmol)の2,8−ジヨードジベンゾフランを100mlの乾燥THFに溶解する。ヘキサンにおける1.6M n−ブチルリチウム溶液の17.8mlを−78℃で滴下により加える。−78℃で1時間撹拌した後、8.8g(29.84mmol)のクロロトリフェニルシランを20mlのTHFに溶解した溶液を加える。反応混合物をRTに加温し、飽和塩化アンモニウム溶液により反応停止する。有機相をろ過し、生成物をTHFからの再結晶によって精製し、これにより、5.62g(60%)の2,8−ジ−(トリフェニルシリル)−ジベンゾフラン(5.2)を得る。
【0098】

【0099】
1g(1.46mmol)の2,8−ジ−(トリフェニルシリル)−ジベンゾフランを45℃で100mlの乾燥THFに溶解し、シクロヘキサンにおける1.4M sec−ブチルリチウム溶液の10mlを加える。45℃で15分間撹拌した後、2mlの乾燥DMFを加える;反応混合物を1時間撹拌する。100mlの0.5M HClを加えて、反応を停止させる。生成物を酢酸エチルにより抽出し、ヘプタン:酢酸エチル(3:1)を溶出液とするシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって精製する。2,8−ジ−(トリフェニルシリル)−ジベンゾフラン−4−カルボキサルデヒド(5.3)が30.2%の収率で得られる。
【0100】

【0101】
2,8−ジ−(トリフェニルシリル)−ジベンゾフラン−4−カルボキサルデヒドを実施例2の方法に従ってメチルトリフェニルホスホニウムブロミドと反応させて、4−ビニル−2,8−ジ−(トリフェニルシリル)−ジベンゾフラン(5.4)を37.8%の収率で得る。
【0102】

【0103】
ポリマー3を30%の収率で実施例4の方法に従って得る。GPC:Mn=6400、PDI=1.26。
【0104】
実施例6:実施例5に示される方法と同様にして、かつ、下記の反応スキームに従って、ポリマー4およびポリマー5を得る:
【化23】

【0105】
実施例7:実施例5に示される方法と同様にして、かつ、下記の反応スキームに従って、ポリマー6を得る:
【化24】

【0106】
適用例
ただ1つの有機層を有する有機ルミネセンスデバイスを下記の様式で製造する:ガラス基板上に、厚さ80nmのITO薄膜をスパッタリングによって形成し、続いてパターン化する。酸素プラズマ処理されたITO薄膜の上に、厚さ80nmの正孔注入層を、PEDOT:PSS(Baytron P)を使用してスピンコーティングし、その後、200℃で(10分)加熱することによって形成する。15mgの本発明のポリマー、1.25mgのTPD、7.5mgのPBDおよび1.25mgのIr(ppy)3を1.1mlのトルエンに溶解した溶液をスピンコーティング(3100rpm;40秒)によって塗布して、80nmの厚さを得る。この薄膜を、80℃で30分間、窒素雰囲気下で乾燥する。基板を真空蒸着チャンバーに入れ、2層構造を有する陰極を、バリウムの5nmの層を蒸着し、その後、アルミニウムの70nmの層を蒸着することによって形成する。作動効率およびデバイス効率の詳細が下記の表にまとめられる。
【0107】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】

[式中、
9、R9’、R11、R13、R14、R11’、R13’、R14,は独立して、Hであるか、または、ハロゲン;OH;C1〜C24アルコキシ;Eによって置換され、および/もしくは、Dによって中断されるC2〜C24アルコキシ;C1〜C24アルキル;Eによって置換され、および/もしくは、Dによって中断されるC1〜C24アルキル;C1〜C24ハロアルキル;C2〜C24アルケニル;C2〜C24アルキニル;C1〜C24アルキルチオ;C1〜C24アシル;C5〜C24アリール;Gによって置換されるC6〜C24アリール;C7〜C25アラルキル;C3〜C12シクロアルキル;C1〜C24アシルオキシ;C5〜C10アリールオキシ;C3〜C12シクロアルキルオキシ;COR;CH=NR;CH=N−OH;CH=N−OR;COOR;OCOR;CONHR;NHCOR;CONRR’;CONH−NHR;CONH−NRR’;SR;SO2R;SO3R;SO2NHR;SO2NRR’;SO2NH−NHR;SO2NH−NRR’;S(O)R;S(O)OR;S(O)NHR;S(O)NRR’;S(O)NH−NHR;S(O)NH−NRR’;SiRR’R’’;GeRR’R’’;PRR’;PORR’;PO(OR)R’;PO(OR)2;PO(NHR)2;PO(NRR’)2;CN;NO2;NHR;NRR’;NH−NHR;NH−NRR’;CONROHから選択される有機置換基であり;
ただし、R、R’およびR’’は独立して、C1〜C12アルキル、C1〜C12ハロアルキル、C5〜C10アリール、C3〜C12シクロアルキルから選択され;かつ、Rはまた、水素である場合があるか;
あるいは、R9、R11、R13、R14、R9’、R11’、R13’およびR14’のうちの2つの置換基は、それらが互いに隣接する場合、一緒になって、下記の基
【化2】

を形成し、
105、R106、R107、R108、R105’、R106’、R107’およびR108’は互いに独立して、H、C1〜C18アルキル、Eによって置換され、および/もしくは、Dによって中断されるC1〜C18アルキル、C1〜C18アルコキシ、または、Eによって置換され、および/もしくは、Dによって中断されるC1〜C18アルコキシであり;
Dは、−CO−;−COO−;−S−;−SO−;−SO2−;−O−;−NR25−;−SiR3031−;−POR32−;−CR23=CR24−;または−C≡C−であり;かつ
Eは、−OR29;−SR29;−NR2526;−COR28;−COOR27;−CONR2526;−CN;またはハロゲンであり;
Gは、E、C1〜C18アルキル、C3〜C12シクロアルキル、Dによって中断されるC2〜C18アルキル、C1〜C18ペルフルオロアルキル、または、Eによって置換され、および/もしくは、Dによって中断されるC1〜C18アルコキシであり、上記式において、
23、R24、R25およびR26は互いに独立して、H;C6〜C18アリール;C6〜C18アリールアルキル;C3〜C12シクロアルキル;C1〜C18アルキルおよび/もしくはC1〜C18アルコキシによって置換されるC6〜C18アリールもしくはC6〜C18アリールアルキル;C1〜C18アルキル;または、−O−によって中断されるC2〜C18アルキルであるか;あるいは、
25およびR26は一緒になって、5員環または6員環を形成し;
27およびR28は互いに独立して、H;C6〜C18アリール;C6〜C18アリールアルキル;C1〜C18アルキルおよび/もしくはC1〜C18アルコキシによって置換されるC6〜C18アリールもしくはC6〜C18アリールアルキル;C1〜C18アルキル;C3〜C12シクロアルキル;または、−O−によって中断されるC2〜C18アルキルであり;
29は、H;C6〜C18アリール;C6〜C18アリールアルキル;C1〜C18アルキルおよび/もしくはC1〜C18アルコキシによって置換されるC6〜C18アリールもしくはC6〜C18アリールアルキル;C1〜C18アルキル;C2〜C18アルキルカルボニル;C3〜C12シクロアルキル;または、−O−によって中断されるC2〜C18アルキルもしくはC2〜C18アルキルカルボニルであり;
30およびR31は互いに独立して、C1〜C18アルキル、C3〜C12シクロアルキル、C6〜C18アリール、または、C1〜C18アルキルによって置換されるC6〜C18アリールであり、かつ、
32は、C1〜C18アルキル、C6〜C18アリール、または、C1〜C18アルキルによって置換されるC6〜C18アリールであり、
R、R’およびR’’は独立して、C1〜C12アルキル、C1〜C12ハロアルキル、C5〜C10アリール、C3〜C12シクロアルキルから選択され、好ましくは、C1〜C6アルキル、フェニル、シクロペンチル、シクロヘキシルから選択され;かつ
Arは独立して、C5〜C10アリール、または、C1〜C18アルキルによって置換されるC5〜C10アリールから選択され;
かつ、R9、R9’、R11、R13、R14、R11’、R13’、R14'、R105、R106、R107、R108、R105’、R106’、R107’、R108’のうちの1つが、下記の式:
−(Sp)x10−[PG’]<
[式中、Spは二価の有機スペーサーであり、PG’は、重合可能な基に由来する基であり、かつ、x10は0または1である]の基R10であり、
かつ、Spは、下記の式:
(X3−Ds)x11−X2
[式中、x11は0または1であり;
3、X2は独立して、O、C1〜C4アルキレン−O、S、C1〜C4アルキレン−S、NR22、C1〜C4アルキレン−NR22、COO、C1〜C4アルキレン−COOもしくはC1〜C4アルキレン−OCO、CONR22、C1〜C4アルキレン−CONR22もしくはC1〜C4アルキレン−NR22CO、NR22CONR22、C1〜C4アルキレン−NR22CONR22、C1〜C4アルキレンまたは直接の結合であり;
R22は、H、C1〜C12アルキル、C3〜C12シクロアルキル、フェニルであり;
Dsは、C1〜C24アルキレン、中断されたC3〜C24アルキレン、C2〜C24アルケニレン、C2〜C24アルキニレン、C6〜C10アリーレンである]であり:かつ
PG’は好ましくは、エチレン性不飽和基またはひずみのある酸素環系に由来し、特に、下記の式:
【化3】

[式中、星印は、Spまたは式Iの成分に対するその結合位置を示しており、かつ、Rは、上記において定義される通りであり、さらに、2つのさらなる空いている結合により、コポリマー鎖内への組み込みがもたらされる]の基から選択される]の繰り返し構造単位に基づくホモポリマーを含むエレクトロルミネセンス材料。
【請求項2】
少なくとも3個(好ましくは少なくとも5個、特に少なくとも10個)の式Iの繰り返し構造単位を含有するホモポリマーを含む、請求項1に記載のエレクトロルミネセンス材料。
【請求項3】
式III
【化4】

[式中、
nは2から10000にまで及び;
Lは、CH2、COまたは直接の結合であり;
9、R11、R13、R14は、H、C1〜C18アルキル、ハロゲン、Eによって置換され、および/もしくは、Dによって中断されるC1〜C18アルキル、C6〜C24アリール、Gによって置換されるC6〜C24アリール、C2〜C18アルケニル、C2〜C18アルキニル、C1〜C18アルコキシ、Eによって置換され、および/もしくは、Dによって中断されるC1〜C18アルコキシ、C7〜C25アラルキル、SiRR’R’’、GeRR’R’’、POAr2、PAr2から選択されるか、または、−CO−R28であり;
残基R9’’のそれぞれが独立して、R9について定義される残基から選択され、
RxはHまたはメチルであり、かつ、すべての他の記号は、請求項1において定義される通りである]のポリマーを含む、請求項1または2に記載のエレクトロルミネセンス材料。
【請求項4】
式IIIにおいて、
nが5から5000にまで及び、特に、10から1000にまで及び;
x10が0であり;
9、R9’’、R11、R13、R14が、H、C1〜C8アルキル、フルオロ、Eによって置換されるC1〜C8アルキル、Dによって中断されるC2〜C18アルキル、フェニル、Gによって置換されるフェニル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C1〜C8アルコキシ、Eによって置換されるC1〜C8アルコキシ、Dによって中断されるC2〜C18アルコキシ、C7〜C25フェニルアルキル、SiRR’R’’、GeRR’R’’、POAr2、PAr2から選択されるか、または、−CO−R28であり;
Dが、−CO−;−COO−;−S−;−SO−;−SO2−;−O−;−NR25−;−SiR3031−;−POR32−であり;かつ
Eが、−OR29;−NR2526;−COR28;−COOR27;−CONR2526;−CN;またはハロゲンであり;
Gが、E、C1〜C8アルキル、シクロヘキシル、Dによって中断されるC2〜C18アルキル、C1〜C8ペルフルオロアルキル、Eによって置換されるC1〜C18アルコキシ、Dによって中断されるC2〜C18アルコキシであり、上記式において、
25およびR26が互いに独立して、H;フェニル;C7〜C12フェニルアルキル;シクロヘキシル;C1〜C8アルキルもしくはC1〜C8アルコキシによって置換されるフェニルもしくはC7〜C12フェニルアルキル;C1〜C18アルキル;または、−O−によって中断されるC2〜C18アルキルであるか;あるいは
25およびR26が一緒になって、
【化5】

から選択される5員環または6員環を形成し;
27およびR28が互いに独立して、H;フェニル;C7〜C12フェニルアルキル;C1〜C8アルキルおよび/もしくはC1〜C8アルコキシによって置換されるフェニルもしくはC7〜C12フェニルアルキル;C1〜C8アルキル;シクロヘキシル;または、−O−によって中断されるC2〜C18アルキルであり;
29が、H;フェニル;C7〜C12フェニルアルキル;C1〜C8アルキルおよび/もしくはC1〜C8アルコキシによって置換されるフェニルもしくはC7〜C12フェニルアルキル;C1〜C8アルキル;C2〜C8アルキルカルボニル;シクロヘキシル;または、−O−によって中断されるC2〜C18アルキルもしくはC2〜C18アルキルカルボニルであり;
30およびR31が互いに独立して、C1〜C8アルキル、フェニル、または、C1〜C8アルキルによって置換されるフェニルであり、かつ
32が、C1〜C8アルキル、フェニル、または、C1〜C8アルキルによって置換されるフェニルであり、
R、R’およびR’’が独立して、C1〜C6アルキル、フェニル、シクロペンチル、シクロヘキシルから選択され;かつ
Arが、フェニル、または、C1〜C8アルキルによって置換されるフェニルである、
式IIIのポリマーを含む、請求項1〜3に記載のエレクトロルミネセンス材料。
【請求項5】
10個〜1000個の式Iまたは式IIIの構造単位を含有するポリマーを含み、ただし、式Iまたは式IIIにおいて、
x10が0である;
9、R9’、R9’’、R11、R13、R14、R11’、R13’、R14’のどれもが独立して、H、C1〜C8アルキル、フルオロ、Eによって置換されるC1〜C8アルキル、Dによって中断されるC2〜C18アルキル、フェニル、Gによって置換されるフェニル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C1〜C8アルコキシ、Eによって置換されるC1〜C8アルコキシ、Dによって中断されるC2〜C18アルコキシ、C7〜C25フェニルアルキル、SiRR’R’’、GeRR’R’’、POAr2、PAr2から選択されるか、または、−CO−R28であり;
Dが、−CO−;−COO−;−O−;−NR25−;−SiR3031−であり;かつ
Eが、−OR29;−NR2526;−COR28;−COOR27;−CONR2526;またはフルオロであり;
GがEまたはC1〜C8アルキルであり;
25およびR26が互いに独立して、H;C1〜C8アルキル;シクロヘキシルであり;
27およびR28が互いに独立して、H;フェニル;ベンジル;C1〜C8アルキルおよび/もしくはC1〜C8アルコキシによって置換されるフェニルもしくはベンジル;C1〜C8アルキルであり;
29が、H;フェニル;ベンジル;C1〜C8アルキルおよび/もしくはC1〜C8アルコキシによって置換されるフェニルもしくはベンジル;C1〜C8アルキル;アセチル;シクロヘキシル;または、−O−によって中断されるC2〜C12アルキルであり;
30およびR31が互いに独立して、メチルまたはフェニルであり、かつ
R、R’およびR’’が独立して、メチル、エチル、フェニルから選択され;かつ
Arがフェニルである、
請求項1〜4のいずれかに記載のエレクトロルミネセンス材料。
【請求項6】
前記ポリマーにおいて、R9、R9’、R9’’、R11、R13、R14、R11’、R13’、R14’のどれもが独立して、H、C1〜C8アルキル、SiRR’R’’から選択される、請求項1〜5に記載のエレクトロルミネセンス材料。
【請求項7】
式II
【化6】

[式中、
9、R9’、R11、R11’、R13、R14、R13’およびR14’のうちの1つが、基−(Sp)x10−[PG]であるR10’であり、
PGが、重合可能な基であり、特に、ビニル、アリル、1−メチルビニル、(メタ)アクリロイル、ビニルフェニル、オキシラニル、グリシジル、オキセタニル、ジメチルマレイミジルから選択される重合可能な基である;
x10が0または1である;
かつ、すべての他の記号は、前記請求項(特に、請求項1)において定義される通りである]の化合物を重合する工程がその製造では含まれるエレクトロルミネセンス材料。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかにおいて定義されるようなホモポリマーと、リン光性金属錯体および蛍光性ドーパントから選択される発光性成分と、必要な場合には、1つまたは複数のさらなる成分、特に、電子輸送体、正孔輸送体、不活性ポリマー、粘度調節剤、開始剤、有機塩および安定剤(例えば、酸化防止剤およびUV吸収剤など)から選択される1つまたは複数のさらなる成分とを含むエレクトロルミネセンス材料。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載されるエレクトロルミネセンス材料の層を含む有機電子デバイス(特に、有機発光ダイオードまたは有機発光セル)。
【請求項10】
据置き型または可動型のディスプレー(例えば、コンピューター用のディスプレー、携帯電話用のディスプレー、ラップトップコンピューター用のディスプレー、携帯用情報端末(PDA)用のディスプレー、TV受像機用のディスプレー、プリンター、台所用品、掲示板、照明、情報板、ならびに、例えば、列車およびバスにおける行き先表示板におけるディスプレーなど)から選択される、請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
式III’
【化7】

[式中、
nは5から10000にまで及び;
9、R9’’、R11、R13、R14の残基のうちの少なくとも1つが、C1〜C18アルキル、ハロゲン、Eによって置換され、および/もしくは、Dによって中断されるC1〜C18アルキル、C6〜C24アリール、Gによって置換されるC6〜C24アリール、C2〜C18アルケニル、C2〜C18アルキニル、C1〜C18アルコキシ、Eによって置換され、および/もしくは、Dによって中断されるC1〜C18アルコキシ、C7〜C25アラルキル、SiRR’R’’、GeRR’R’’、POAr2、PAr2、−CO−R28から選択され、
特に、ハロゲン、C2〜C18アルキニル、C1〜C18アルコキシ、SiRR’R’’、GeRR’R’’、POAr2、PAr2から選択され;さらに、残りの残基はまた、水素である場合があり;
Dは、−CO−;−COO−;−S−;−SO−;−SO2−;−O−;−NR25−;−SiR3031−;−POR32−であり;かつ
Eは、−OR29;−NR2526;−COR28;−COOR27;−CONR2526;−CN;またはハロゲンであり;
Gは、E、C1〜C8アルキル、シクロヘキシル、Dによって中断されるC2〜C18アルキル、C1〜C8ペルフルオロアルキル、Eによって置換されるC1〜C18アルコキシ、Dによって中断されるC2〜C18アルコキシであり、上記式において、
25およびR26は互いに独立して、H;フェニル;C7〜C12フェニルアルキル;シクロヘキシル;C1〜C8アルキルもしくはC1〜C8アルコキシによって置換されるフェニルもしくはC7〜C12フェニルアルキル;C1〜C18アルキル;または、−O−によって中断されるC2〜C18アルキルであるか;あるいは
25およびR26は一緒になって、
【化8】

から選択される5員環または6員環を形成し;
27およびR28は互いに独立して、H;フェニル;C7〜C12フェニルアルキル;C1〜C8アルキルおよび/もしくはC1〜C8アルコキシによって置換されるフェニルもしくはC7〜C12フェニルアルキル;C1〜C8アルキル;シクロヘキシル;または、−O−によって中断されるC2〜C18アルキルであり;
29は、H;フェニル;C7〜C12フェニルアルキル;C1〜C8アルキルおよび/もしくはC1〜C8アルコキシによって置換されるフェニルもしくはC7〜C12フェニルアルキル;C1〜C8アルキル;C2〜C8アルキルカルボニル;シクロヘキシル;または、−O−によって中断されるC2〜C18アルキルもしくはC2〜C18アルキルカルボニルであり;
30およびR31は互いに独立して、C1〜C8アルキル、フェニル、または、C1〜C8アルキルによって置換されるフェニルであり、かつ
32は、C1〜C8アルキル、フェニル、または、C1〜C8アルキルによって置換されるフェニルであり、
R、R’およびR’’は独立して、C1〜C6アルキル、フェニル、シクロペンチル、シクロヘキシルから選択され;かつ
Arは、フェニル、または、C1〜C8アルキルによって置換されるフェニルであり;
Lは、CH2、COまたは直接の結合である;RxはHまたはメチルであり;
x10は0または1であり、かつ、Spは、O、C1〜C4アルキレン−O、CH2−CHOH−CH2−O、COO、CONR22、C1〜C4アルキレンまたはCH2CHOHCH2である]のホモポリマー。
【請求項12】
発光デバイス(特に、有機発光ダイオードまたは有機発光セル)を製造するための方法であって、請求項1〜7のいずれかに記載されるポリマー化合物を含有する有機物質層を基板上の1対の電極の間に施すことを含む方法。
【請求項13】
請求項1〜7または11のいずれかに記載されるポリマー化合物の、特に有機発光ダイオードまたは有機発光セルにおけるホスト材料としての、電子デバイスにおける使用。
【請求項14】
式V
【化9】

[式中、
9、R9’’、R11、R13、R14の残基のうちの少なくとも1つが、ハロゲン(例えば、ヨードなど)、C2〜C18アルキニル、C1〜C18アルコキシ、SiRR’R’’、GeRR’R’’、POAr2、PAr2から選択され;さらに、残りの残基はまた、水素である場合があり;
R、R’およびR’’は独立して、C1〜C6アルキル、フェニル、シクロペンチル、シクロヘキシルから選択され;かつ
Arは、フェニル、または、C1〜C8アルキルによって置換されるフェニルであり;
Lは、CH2、COまたは直接の結合である;RxはHまたはメチルであり;
x10は0または1であり、かつ、Spは、O、C1〜C4アルキレン−O、CH2−CHOH−CH2−O、COO、CONR22、C1〜C4アルキレンまたはCH2CHOHCH2である]の化合物。

【公表番号】特表2011−524086(P2011−524086A)
【公表日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−512063(P2011−512063)
【出願日】平成21年5月19日(2009.5.19)
【国際出願番号】PCT/EP2009/056037
【国際公開番号】WO2009/147011
【国際公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】