説明

エレベータかごのデザイン検討システムおよびそのプログラム

【課題】 エレベータかごのデザイン検討結果を、さまざまな形態で出力可能な後段側のシステムと連携できるデザイン検討手段を提供すること。
【解決手段】 エレベータかごを構成する部品から所望の部品を選択可能に作成され、部品の画像を取得すると、エレベータかご内部の意匠を表示する画面表示を作成する表示部12と、部品の選択に使用されるポインタの位置を入力する入力部13と、部品に一意に付された部品コードに対応させて、各部品の画像を記憶している情報記憶部15と、選択された部品の画像を検索して、この画像を表示部12に受け渡し、エレベータかごの部品の組合せを、部品コードを組合せた部品組合せコードとして出力する制御部11と、制御部11が出力した組合せコードを第2のシステムに送信する通信部14とを含んで構成されるエレベータかごのデザイン検討システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータかごのデザインの検討結果を、さまざまな形態で出力可能とするエレベータかごのデザイン検討システムおよびそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ビルなどの大型物件のエレベータの新設またはリニューアルにおいて、その意匠設計を担当する設計担当者にとってエレベータデザインは、他の意匠設計と共に重要なプロセスの一つである。このとき、施主の意向を反映しつつ、ビル全体の設計・デザインとの兼ね合いを考慮し、エレベータのデザインを決定していく作業が必要となる。
【0003】
従来、このような作業において、設計担当者は、エレベータメーカが発行した各種カタログを見ながら、おおよそのイメージを作り上げ、模型やパース(透視図)などの作成といった表現技術を使ってイメージデザインを行って来た。しかしながら、デザインの打合せ途中で作成されるパースは、設計担当者、施主の意向に応じて変更されることが多く、何度もパース作成のやり直しを行うため、そのたびに時間が必要となり、デザイン決定までに多くの時間を要していた。
【0004】
また、最近では、設計担当者がエレベータメーカに依頼して、エレベータメーカが、エレベータのパースを作成することが多くなってきており、エレベータメーカでは、このような要望に対応できる技術を開発している。この技術の例として、携帯性の良いノートブックタイプのコンピュータを使用して、設計担当者や施主などの客先に出向き、意向に応じてデザイン検討のできるデザイン検討システムが開発、実現されている。例えば、特許文献1には、コンピュータが表示する画面上においてエレベータかごの部品を選択することで、コンピュータグラフィックによりかご意匠が表示され、意匠仕様の検討を迅速に行なえるデザイン検討システムが開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示されたデザイン検討システムでは、デザイン検討システムに接続された印刷装置からデザイン検討結果を出力することしかできないため、さらに詳細なデザイン検討の際に必要となる展開図や意匠図などの出力形態に対応することができないという問題点があった。また、改修工事などでは納期の短縮が課題となるが、従来のデザイン検討システムでは、デザインの検討結果を迅速に生産工程に伝達することができないという問題点もあった。
【0005】
また、インターネットの普及とともに、エレベータメーカのWebページ上においてデザイン検討を実施できるシステムも開発されている。このシステムも、前記したデザイン検討システムと基本的に同様のものであるが、インターネットに接続された多くのコンピュータで使用可能なように、表示画像のダウンサイジングを行い、インターネットの伝送に適した形態に改良されている。
【0006】
このようなインターネットを用いたデザイン検討システムは、基本的にブラウザ画面上で検討するだけのもので、検討結果を、ユーザが画面のハードコピーとして記録として手元に残すことは可能であるが、やはり、検討結果のデータを処理する機能を有していないという問題点があった。
【特許文献1】特開平8−263537号公報(段落0009〜0012、図1、図2、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記のような問題点に鑑み、本発明の目的は、エレベータかごのデザイン検討結果を、さまざまな形態で出力可能な後段側のシステムと連携できるエレベータかごのデザイン検討手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記した課題を解決するためになされた、本発明に係るデザイン検討システムは、エレベータかごを構成する複数の部品から所望の部品を選択可能に作成され、選択された部品の画像を取得すると、この部品画像を層状に重ね合わせてエレベータかご内部の意匠を表示する画面表示を作成する表示部と、この画面表示において、部品の選択に使用されるポインタの位置を入力する入力部と、複数の部品ごとに一意に付された部品コードに対応させて、少なくとも各部品の画像を記憶している情報記憶部と、この情報記憶部から、画面表示において選択された部品の画像を検索して、この検索した画像を表示部に受け渡し、エレベータかごの部品の組合せを、部品コードを組合せた部品組合せコードとして出力する制御部と、制御部が出力した組合せコードを、ネットワークを介して接続される第2のシステムに送信する通信部とを含んで構成されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、エレベータかごのデザインの検討結果をコード化した部品組合せコードとして、後段側のシステムに送信することにより、デザインの検討結果を出力するさまざまな後段側のシステムと連携することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の実施の形態を、添付した図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0011】
(デザイン検討システムの構成)
図1は、本実施の形態のデザイン検討システムの機能ブロック図の例である。図1に示すように、デザイン検討システム1は、デザイン検討システム1を統括して制御する制御部11と、GUI(Graphical User Interface)を用いて入力操作(GUI操作)が可能な画面表示を作成して出力する表示部12と、画面表示上のポインタを操作するマウスなどのポインティングデバイスのインターフェイスである入力部13と、エレベータかごの部品の組合せを表す部品組合せコードを図示しないネットワークを介して後段側のシステムに送信する通信部14と、エレベータかごを構成する部品に関する情報を記憶した情報記憶部15とが、内部バス16により相互に接続されて構成される。なお、デザイン検討システム1の制御部11についての詳しい動作は後記して説明する。
【0012】
ここで、デザイン検討システム1の情報記憶部15に記憶された情報について詳しく説明する。情報記憶部15にはエレベータかごを構成する部品に関する情報として、各部品に一意に付された部品コードに、その部品の画像である部品画像を示す情報を含んで対応させて格納した部品情報と、天井や床板などの部品の種類ごとに部品画像を格納した画像フォルダとが含まれている。表1は、情報記憶部15に記憶された部品情報が集約された部品情報テーブルを例示している。表1に示した部品情報テーブルは、エレベータかごを構成する部材ごとに、複数種類の部品情報が格納されたテーブルデータである。そして、この部品情報テーブルの1レコードごとに格納された部品情報は、一意に付された部品コード、部品名称、エレベータかご前面およびエレベータかご背面の部品画像を示す情報、および備考に関する情報から構成されていることがわかる。
【表1】

【0013】
なお、本実施の形態のデザイン検討システム1は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、およびハードディスクドライブなどを含んで構成されるコンピュータにより具現化され、このハードディスクドライブには、情報記憶部15として割り当てられた領域のほかに、このコンピュータをデザイン検討システム1として動作させるプログラムが格納される領域を有している。このプログラムをRAMに展開して、CPUが実行することで、コンピュータはデザイン検討システム1として動作する。
【0014】
(デザイン検討システムの動作)
前記したデザイン検討システム1を用いて、GUI操作により決定されたエレベータかごの部品の組合せを示す部品組合せコードを送信するまでの手順を、図2に示したフローチャートを参照しつつ説明する(適宜、図1参照のこと)。
【0015】
デザイン検討システム1を利用するユーザは、図示しないログイン画面において、ユーザに予め割り当てられたユーザIDなどのユーザ情報を入力する。これにより、デザイン検討システム1は、ユーザ情報を取得する(ステップS201)。
なお、本実施の形態では、デザイン検討システム1は、ユーザ情報を取得する機能のみを有することとするが、ネットワークに接続された認証サーバなどにより、ユーザIDやパスワードなどを用いた認証を行なって、認証に成功した場合にのみ、次の手順に進むこととしてもよい。
【0016】
次に、ユーザ情報を取得したデザイン検討システム1の制御部11は、所定の初期値に部品組合せコードを設定する(ステップS202)。なお、部品組合せコードとは、エレベータかごを構成する部品の種類を示す部品コード(表1参照)を列記して構成されたコードである。そして、制御部11は、表示部12から、この初期値に設定された部品組合せコードに対応させて、GUI操作により、エレベータかごを構成する部品を選択可能に作成されたかご意匠作成画面を、図示しないディスプレイ装置に表示させる(ステップS203)。
【0017】
ここで、図3は、ステップS203において表示されるかご意匠作成画面の例を示している。図3に示したかご意匠作成画面3において、画面の左側は、かご内の出入口側の意匠を表す前面かご意匠表示部306であり、初期状態の部品の組合せで、エレベータかごの前側が表示されている。また、中央下側には、背面かご意匠表示部307があり、同様に、初期状態の部品の組合せで、エレベータかご内の入口に向かって奥側の意匠が表示されている。この前面かご意匠表示部306および背面かご意匠表示部307の表示は、部品組合せコードに基づいて、各部品の部品画像を層状に重ね合わせることで作成される。
【0018】
また、かご意匠作成画面3の右側には、GUI操作により、エレベータかごを構成する部品を選択する各選択部が表示されている。本実施の形態のかご意匠作成画面3では、天井の形状および照明を選択する天井選択部301、エレベータかごの側板を選択する側板選択部302、エレベータかごの床板を選択する床板選択部303、エレベータの入口上部の階数表示に用いられるインジケータを選択するインジケータ選択部304、および、エレベータの入口右側に設置される操作盤を選択する縦型操作盤選択部305から構成されている。なお、これら以外にもエレベータの機種や、かごの大きさに応じて、手摺や、かごの側面に設けられる横型操作盤などを選択する選択部を設けることも可能である。
【0019】
さらに、かご意匠作成画面3の下側には、前面かご意匠表示部306および背面かご意匠表示部307に表示された部品の組合せを部品組合せコードに記憶する保存ボタン308、この部品組合せコードを後記する展開図作成システムに送信する作成依頼ボタン309、必要に応じて保存ファイルにメモなどを記載することができる備考記入欄310、そしてシステムを強制終了する終了ボタン311が含まれ、GUI操作により各ボタンを押下することができる。
【0020】
次に、デザイン検討システム1は、前記したかご意匠作成画面3においてユーザのGUI操作により、所望の部品が選択されるまで待機する(ステップS204)。そして、ユーザが、かご意匠作成画面3において、GUI操作により、各選択部から所望の部品を選択すると、この選択された部品に対応する部品コードを、デザイン検討システム1の制御部11は取得する(ステップS205)。制御部11は、取得した部品コードおよび部品情報(表1参照)から、情報記憶部15に記憶された選択された部品の前面および背面の部品画像を検索して(ステップS206)、抽出することで表示部12に受け渡す。
【0021】
次に、選択された部品画像を受け取った表示部12は、かご意匠作成画面3(図3参照)において、層状に重ね合わされた前面かご意匠表示部306および背面かご意匠表示部307の画像のうち、選択された部品の部品画像と、現在表示されている選択された部品に該当する部品の画像とを置換する(ステップS207)。これにより、前面かご意匠表示部306および背面かご意匠表示部307には、ユーザが選択した部品が反映されて表示されることになる。そして、制御部11は、ステップS205において取得したユーザが選択した部品の部品コードと、現在保持している部品組合せコードの該当する部品コードとを置換する(ステップS208)。
【0022】
ここで、図4は、ステップS205ないしステップS207の手順をさらに詳しく説明するための図面である。図4を参照して、例えば、ステップS205において、かご意匠作成画面3の床板選択部303から、ユーザがポインティングデバイスを用いて、破線で囲まれた床材('格子ライトグレー')を選択すると、制御部11は、この床材の部品コード'Y02'を取得する(表1参照)。そして、制御部11は、表1に示した部品情報テーブルを参照して、この部品コード'Y02'を有する部品の部品画像'Y02.jpg'を情報記憶部15に記憶された床板画像フォルダから検索する。そして、制御部11は、この検索された部品画像'Y02.jpg'を情報記憶部15から抽出して、ステップS207として、現在、前面かご意匠表示部306に表示されている床板画像と、抽出した部品画像'Y02.jpg'とを置換することで、前面かご意匠表示部306の表示は、ステップS205において、ユーザにより選択された床板('格子ライトグレー')が反映された表示となる。
同様に、背面かご意匠表示部307の表示も、ユーザが選択した床材の画像に置換される。
【0023】
そして、図3に示した、かご意匠作成画面3において、ユーザのGUI操作により、保存ボタン308または作成依頼ボタン309が選択されると(ステップS209において'Yes'の場合)、保存ボタン308が選択された場合には、このとき保持している部品組み合わせコードを情報記憶部15に記憶し、作成依頼ボタン309が選択された場合には、通信部14から、ネットワークを介して、このとき保持している部品組合せコードにステップS201で取得したユーザを識別するユーザ情報を付加して、後記する展開図作成システムに送信する(ステップS210)。
【0024】
また、保存ボタン308または作成依頼ボタン309が選択されない場合は(ステップS209において'No'の場合)、ステップS204に戻って、かご意匠作成画面3においてGUI操作により部品が選択されるまで待機する。
【0025】
以上、説明した本実施の形態のデザイン検討システム1により、ユーザが検討したエレベータかごの部品の組合せをコード化して、部品組合せコードとして、後段側のシステムに送信することができる。
【0026】
(展開図作成システムの構成)
次に、前記したデザイン検討システム1とネットワークを介して接続された後段側のシステムである展開図作成システムについて詳しく説明する。本実施の形態の展開図作成システムは、デザイン検討システム1から受信した部品組合せコードに基づいて、エレベータかごの展開図を作成し、展開図作成システムに接続されたプロッタに、この展開図を印刷・裁断させてペーパークラフトとして組立可能に出力させることができる。
ここで、図5は本実施の形態の展開図作成システムの機能ブロック図の例である。図5に示すように、展開図作成システム5は、展開図作成システム5を統括して制御する第2制御部51と、部品組合せコードに応じたエレベータかごの展開図を、図示しないディスプレイ装置に出力する第2表示部52と、図示しないネットワークを介して、デザイン検討システム1から送信された部品組合せコードを受信する第2通信部53と、部品組合せコードに応じたエレベータかごの展開図を印刷させ、ペーパークラフトとして作成可能に、裁断および折れ線を入れるプロッタの制御信号を出力する出力部54と、部品組合せコードに対応して、展開図を作成するための情報を記憶した展開図情報記憶部55とが、第2内部バス56により相互に接続されて構成される。なお、展開図作成システム5の第2制御部51についての詳しい動作は後記して説明する。
【0027】
ここで、展開図作成システム5の展開図情報記憶部55に記憶された情報について詳しく説明する。展開図情報記憶部55には、エレベータかごの展開図を作成するための情報として、部品組合せコードに対応させて、展開図を構成する部品の部品画像を示す情報を格納した部品組合せ情報と、天井や床板などの部品の種類ごとに展開図用の部品画像を含んで格納した画像フォルダとが含まれている。この画像フォルダには、展開図をペーパークラフトとして出力した際に、切り取り線となる画像および折れ線となる画像の情報も含まれて格納されている。例えば、表2は、展開図情報記憶部55に記憶された部品組合せ情報を示している。表2に示した部品組合せ情報は、エレベータかごを構成する天井の種類ごとに、その切り取り線および折れ線の画像を示す情報と、エレベータかごを構成する複数種類の部品の部品コードおよびその部品画像を示す情報とが格納されたテーブルデータである。
なお、この部品組合せ情報において、天井の部品ごとに、対応する各部品の情報を格納した構成を有している理由は、天井照明が異なると、天井の模様だけでなくその形状が変わってしまうことがあり、その天井を含んだ展開図の切り取り線と折れ線の形状が異なることがあるためである。
【表2】

【0028】
なお、本実施の形態の展開図作成システム5は、デザイン検討システム1と同様の構成を有するコンピュータにより具現化することが可能であり、このコンピュータのハードディスクドライブには、展開図情報記憶部55として割り当てられた領域のほかに、このコンピュータを展開図作成システム5として動作させるプログラムが格納される領域を有している。このプログラムをRAMに展開して、CPUが実行することで、コンピュータは展開図作成システム5として動作する。
【0029】
(展開図作成システムの動作)
前記した展開図作成システム5を用いて、ペーパークラフトとして組立可能に加工されたエレベータかごの展開図を出力するまでの手順を、図6に示したフローチャートを参照しつつ説明する(適宜、図5参照)。
【0030】
はじめに、展開図作成システム5は、図示しないネットワークを介して、デザイン検討システム1から、ユーザが所望する部品の組合せを示す部品組合せコードを受信する(ステップS601)。次に、展開図作成システム5の第2制御部51は、展開図情報記憶部55から、表2に示した部品組合せ情報を用いて、受信した部品組合せコードに対応する部品画像を検索する(ステップS602)。次に、第2制御部51は、第2表示部52に検索した部品画像を受け渡し、第2表示部52は、受け取った部品画像を層状に重ね合わせて展開図を作成し(ステップS603)、図示しないディスプレイ装置に、この展開図を表示する(ステップS604)。
ステップS603において、第2表示部52が第2制御部51から受け取った部品画像には、展開図の切り取り線および折れ線の画像も含まれており、これらの画像には、展開図をペーパークラフトとして組み立てる際に、のり代となる部分の画像も含まれている。
【0031】
ここで、例えば、図7は、ステップS603において、ディスプレイ装置に展開図を表示した展開図表示画面を表している。図7に示した展開図表示画面7には、エレベータかごの展開図とあわせて、画面右下に、この表示された展開図のペーパークラフトを作成する場合に選択する作成ボタン71と、ペーパークラフトを作成せずに終了する場合に選択する中止ボタン72とが含まれている。
【0032】
そして、ユーザにより、展開図表示画面7の作成ボタン71が選択されると、第2制御部51は、第2表示部52が部品画像を重ね合わせて作成した展開図の情報に基づいて、出力部54から、図示しないプロッタに、ペーパークラフトを作成させる出力信号を送信する(ステップS605)。
【0033】
ここで、ステップS605における出力部54からの出力信号の送信過程を詳しく説明すると、はじめに、第2制御部51は出力部54から、プロッタに対して展開図の印刷させる情報を送信し、展開図の印刷が終了すると、ペン先を折れ線用に交換されたプロッタに、折れ線の画像データに基づいて、印刷された展開図に折れ線を付す情報を送信する。そして、最後に、ペン先を切抜きカッターに交換されたプロッタに、切り取り線の画像データに基づいて、折れ線の付された展開図を裁断する信号を送信する。これにより、ペーパークラフトとして組立可能なエレベータかごの展開図が出力される。
【0034】
(後段側のシステムの他の実施形態)
本実施の形態のデザイン検討システム1の通信部14から送信される部品組合せコードは、前記した展開図作成システム5以外にも、さまざまなシステムと連動して使用することができる。例えば、前記した展開図作成システム5の展開図情報記憶部55に、より高精細の部品画像を格納し、プロッタに替えて高精細プリンタによりパースを出力することで、エレベータかごの高精細画像を出力することができる。これにより、より臨場感のある細かい画像に基づいてエレベータかごの意匠の打合せを行なうことができる。
また、前記した展開図作成システム5の展開図情報記憶部55に記憶された部品画像を、各部品のCADデータとすることで、エレベータかごの意匠図を出力することも可能である。これにより、ユーザが所望したエレベータかごの意匠図を迅速に出力することができる。
さらに、デザイン検討システム1が送信する部品組合せコードを、エレベータかごの生産管理を行うエレベータ生産システムに受け渡すことも考えられる。これにより、ユーザが決定したエレベータかごの組合せに基づいて、生産準備に入ることができるため、エレベータの納期を短縮することができる。
【0035】
本実施の形態のデザイン検討システム1を、コンピュータで実現するプログラムは、例えばインターネットを介して伝送することも可能である。これにより、ユーザは、このプログラムを保持した所定のサーバにアクセスすることで、プログラムをインターネットを介してダウンロードして、例えば、ユーザの所有するコンピュータをデザイン検討システム1として利用することも可能である。
【0036】
以上のように、本発明が属する技術分野の知識を有する者であれば、本発明をさまざまに変形した実施形態を実施可能であり、本発明は、前記した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された技術的思想により定められる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】デザイン検討システムの機能ブロック図である。
【図2】デザイン検討システムにおける部品組合せコードを出力する手順を説明するフローチャートである。
【図3】かご意匠作成画面を示す図面である
【図4】部品画像の置換手順を説明する説明図である。
【図5】展開図作成システムの機能ブロック図である。
【図6】展開図作成システムにおける展開図の出力手順を説明するフローチャートである。
【図7】展開図表示画面を示す図面である。
【符号の説明】
【0038】
1 デザイン検討システム
3 かご意匠作成画面
5 展開図作成システム
11 制御部
12 表示部
13 入力部
14 通信部
15 情報記憶部
306 前面かご意匠表示部
307 背面かご意匠表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータかごを構成する複数の部品から所望の部品を選択可能に作成され、選択された部品の画像を取得すると、この部品の画像を層状に重ね合わせてエレベータかご内部の意匠を表示する画面表示を作成する表示部と、
前記画面表示において、部品の選択に使用されるポインタの位置を入力する入力部と、
前記複数の部品ごとに一意に付された部品コードに対応させて、少なくとも各部品の画像を記憶している情報記憶部と、
前記情報記憶部から、前記画面表示において選択された部品の画像を検索して、この検索した画像を前記表示部に受け渡し、前記エレベータかごの部品の組合せを、前記部品コードを組合せた部品組合せコードとして出力する制御部と、
前記制御部が出力した前記組合せコードを、ネットワークを介して接続される第2のシステムに送信する通信部とを含んで構成されること、
を特徴とするエレベータかごのデザイン検討システム。
【請求項2】
前記画面表示に表示される前記エレベータかご内部の意匠は、前記エレベータの入口側およびその反対側の意匠であること、
を特徴とする請求項1に記載のエレベータかごのデザイン検討システム。
【請求項3】
前記第2のシステムは、前記エレベータかごの展開図用の各部品の画像を保持し、受信した前記部品組合せコードに応じて展開図用の各部品の画像を検索して、この検索した画像を重ね合わせて作成した展開図を出力する展開図作成システムであること、
を特徴とする請求項1に記載のエレベータかごのデザイン検討システム。
【請求項4】
前記第2のシステムは、前記情報記憶部に記憶された各部品の画像よりも高精細の画像を保持し、受信した前記部品組合せコードに応じて前記各部品の高精細の画像を検索して、この検索した高精細の画像を重ね合わせて作成した前記エレベータかごの高精細画像を出力する高精細画像出力システムであること、
を特徴とする請求項1に記載のエレベータかごのデザイン検討システム。
【請求項5】
前記第2のシステムは、前記エレベータかごの各部品のCADデータを保持し、受信した前記部品組合せコードに応じて各部品のCADデータを検索して、この検索したCADデータを重ね合わせて作成した意匠図を出力する意匠図制作システムであること、
を特徴とする請求項1に記載のエレベータかごのデザイン検討システム。
【請求項6】
前記第2のシステムは、受信した前記部品組合せコードに応じて、前記エレベータの生産管理を行うエレベータ生産システムであること、
を特徴とする請求項1に記載のエレベータかごのデザイン検討システム。
【請求項7】
コンピュータを、請求項1に記載のエレベータかごのデザイン検討システムとして機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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