エレベータかごの出入口安全装置
【課題】反射型光電式センサに対する季節ごとでの面倒な調整処理を不要とし、年間を通して安定してドア装置付近の障害物を適正に検知して安全を図ることができるエレベータかごの出入口安全装置を提供する。
【解決手段】左右に移動可能なドアパネル2a,2bを有し、そのドアパネル2a,2bがかごの出入口1を閉鎖する戸閉位置と出入口1の側方の戸袋部4との間を移動することで前記出入口1を開閉するドア装置を備え、ドアパネル2a,2bが戸閉位置にある状態もとで、戸袋部4側から出入口1の側部の出入口柱3aとドアパネル2aとの間の隙間を通して、ドアパネル2aの内側表面の出入口柱3aの近傍部分に、障害物検知用のセンサビームを照射することが可能な反射型光電式センサが設けられている。
【解決手段】左右に移動可能なドアパネル2a,2bを有し、そのドアパネル2a,2bがかごの出入口1を閉鎖する戸閉位置と出入口1の側方の戸袋部4との間を移動することで前記出入口1を開閉するドア装置を備え、ドアパネル2a,2bが戸閉位置にある状態もとで、戸袋部4側から出入口1の側部の出入口柱3aとドアパネル2aとの間の隙間を通して、ドアパネル2aの内側表面の出入口柱3aの近傍部分に、障害物検知用のセンサビームを照射することが可能な反射型光電式センサが設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明の実施形態は、エレベータかごの出入口に設置されたドア装置の動作による危険を防止するエレベータかごの出入口安全装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータのかごには、かごの出入口を開閉するドア装置が設けられている。このドア装置は、左右に移動可能なドアパネルを有し、そのドアパネルがかごの出入口を閉鎖する戸閉位置と出入口の側方の戸袋部との間を移動することで出入口が開閉される。
【0003】
ところで、例えばかごに乗った乗客がドア装置のドアパネルの戸袋側に立ち、そのドアパネルに手や衣服を接触させるような状況のもとで、ドアパネルが戸袋側に移動して戸開すると、その乗客の手や衣服が戸袋側に引き込まれる危険がる。
【0004】
そこで、ドア装置に、光学センサを設け、ドアパネルに接近している乗客がいるときに、その乗客を光学センサで障害物として検知し、その検知に応じて乗客に注意を促して安全を図ることが行なわれるようになってきている。
【0005】
光学式センサとしては、反射型光電式センサが用いられ、ドア装置の上部に配設され、センサビームをドア装置の上部から下方に向けて照射することで障害物を検知するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−29583号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
反射型光電式センサは、その周辺の環境温度に応じてセンサビームの照射有効距離が変化する。したがって、夏と冬とではセンサビームの照射有効距離が変化して検知能力に差異が生じ、このためその季節ごとに、センサの出力を調整したり、センサビームの反射光を受ける受光器の向きなどを調整したりする調整処理が必要となるという面倒な点がある。
【0008】
この発明の実施形態は、このような課題に着目し、反射型光電式センサに対する季節ごとでの面倒な調整処理を不要とし、年間を通して安定してドア装置付近の障害物を適正に検知して安全を図ることができるエレベータかごの出入口安全装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような課題を解決するために、請求項1の発明は、左右に移動可能なドアパネルを有し、そのドアパネルがかごの出入口を閉鎖する戸閉位置と前記出入口の側方の戸袋部との間を移動することで前記出入口を開閉するドア装置を備え、前記ドアパネルが戸閉位置にある状態もとで、前記戸袋部側から前記出入口の側部の出入口柱と前記ドアパネルとの間の隙間を通して、前記ドアパネルの内側表面の前記出入口柱の近傍部分に、障害物検知用のセンサビームを照射することが可能な反射型光電式センサが設けられていることを特徴としている。
【0010】
請求項2の発明は、前記反射型光電式センサが複数設けられていることを特徴としている。
【0011】
請求項3の発明は、前記複数の反射型光電式センサによるセンサビームの照射方向が互いに交わる方向となっていることを特徴としている。
【0012】
請求項4の発明は、前記反射型光電式センサが前記出入口柱から前記戸袋部側に離れて配置されていることを特徴としている。
【0013】
請求項5の発明は、前記反射型光電式センサのセンサビーム出射面に対向して光拡散用の凹レンズが設けられていることを特徴としている。
【0014】
請求項6の発明は、前記反射型光電式センサが前記出入口柱の内部に設けられ、その出入口柱に形成された開口から前記出入口柱と前記ドアパネルとの間の隙間を通して、前記ドアパネルの内側表面の前記出入口柱の近傍部分にセンサビームを照射することが可能なことを特徴としている。
【0015】
請求項7の発明は、左右に移動可能な低速のドアパネル及び高速のドアパネルを有し、その各ドアパネルがかごの出入口を閉鎖する戸閉位置と前記出入口の側方の戸袋部との間を、低速のドアパネルが低速で、高速のドアパネルが高速で移動することにより前記出入口を開閉する多段速式構造のドア装置を備え、前記各ドアパネルが戸閉位置にある状態のもとで、前記低速のドアパネル側からその低速のドアパネルと前記高速のドアパネルとの間の隙間を通して、前記高速のドアパネルの内側表面の前記低速のドアパネルの戸当り側端部の近傍部分に、障害物検知用のセンサビームを照射することが可能な反射型光電式センサが設けられていることを特徴としている。
【0016】
請求項8の発明は、前記反射型光電式センサが前記低速のドアパネルの戸当り側端部の内部に設けられ、その戸当り側端部に形成された開口から前記低速のドアパネルと前記高速のドアパネルとの間の隙間を通して、前記高速のドアパネルの内側表面の前記低速のドアパネルの戸当り側端部の近傍部分にセンサビームを照射することが可能なことを特徴としている。
【0017】
請求項9の発明は、左右に移動可能な低速のドアパネル及び高速のドアパネルを有し、その各ドアパネルがかごの出入口を閉鎖する戸閉位置と前記出入口の側方の戸袋部との間を、低速のドアパネルが低速で、高速のドアパネルが高速で移動することにより前記出入口を開閉する多段速構造のドア装置を備え、前記出入口の前記戸袋部側の側部に設けられた出入口柱の内部に、前記各ドアパネルが戸閉位置にある状態のもとで、前記出入口柱と前記低速のドアパネルとの間の隙間を通して、前記低速のドアパネルの内側表面の前記出入口柱の近傍部分に、障害物検知用のセンサビームを照射することが可能な反射型光電式センサが設けられ、前記低速のドアパネルの戸当り側端部の内部に、前記各ドアパネルが戸閉位置にある状態のもとで、前記低速のドアパネルと前記高速のドアパネルとの間の隙間を通して、前記高速のドアパネルの内側表面の前記低速のドアパネルの戸当り側端部の近傍部分に、障害物検知用のセンサビームを照射することが可能な反射型光電式センサが設けられていることを特徴としている。
【0018】
請求項10の発明は、左右に移動可能な複数のドアパネルを有し、その各ドアパネルがかごの出入口を閉鎖する戸閉位置と前記出入口の両側方の戸袋部との間を、互いに逆の方向に向って移動することにより前記出入口を開閉する両開き式構造のドア装置を備え、
前記ドアパネルが戸閉位置にある状態もとで、前記両戸袋部側から前記出入口の両側部の出入口柱と前記ドアパネルとの間の隙間を通して、前記ドアパネルの内側表面の前記両出入口柱の近傍部分に、障害物検知用のセンサビームを照射することが可能な反射型光電式センサがそれぞれ設けられていることを特徴としている。
【0019】
請求項11の発明は、左右に移動可能なドアパネルを有し、そのドアパネルがかごの出入口を閉鎖する戸閉位置と前記出入口の側方の戸袋部との間を移動することで前記出入口を開閉するドア装置を備え、前記ドアパネルが戸閉位置にある状態もとで、前記ドアパネルの下方部から前記ドアパネルの内側表面の前記出入口柱の近傍部分に、障害物検知用のセンサビームを照射することが可能な反射型光電式センサが設けられていることを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】この発明の第1の実施形態に係る出入口安全装置を示す正面図。
【図2】この発明の第1の実施形態に係る出入口安全装置を示す平面図。
【図3】その安全装置の制御回路の構成を示すブロック図。
【図4】この発明の第2の実施形態に係る出入口安全装置を示す正面図。
【図5】この発明の第3の実施形態に係る出入口安全装置を示す正面図。
【図6】この発明の第4の実施形態に係る出入口安全装置を示す正面図。
【図7】この発明の第5の実施形態に係る出入口安全装置を示す正面図。
【図8】この発明の第6の実施形態に係る出入口安全装置を示す平面図。
【図9】この発明の第7の実施形態に係る出入口安全装置を示す正面図。
【図10】この発明の第8の実施形態に係る出入口安全装置を示す正面図。
【図11】この発明の第9の実施形態に係る出入口安全装置を示す正面図。
【図12】この発明の第10の実施形態に係る出入口安全装置を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0022】
図1〜図3には、この発明の第1の実施形態を示してある。かごの出入口1にはドア装置2が設けられている。このドア装置2は、例えば前後に位置をずらして左右に並ぶ一対のドアパネル2a,2bを備え、その一対のドアパネル2a,2bが同じ方向に異なる速度で移動することにより出入口1が開閉される多段速式構造となっている。
【0023】
出入口1の両側部には出入口柱3a,3bが設けられ、その一方の出入口柱3aの外方側が戸袋部4となっている。一対のドアパネル2a,2bが左右に並んで出入口1を閉鎖する戸閉状態から戸開するときには、各ドアパネル2a,2bがそれぞれ戸袋部4側に向って移動する。この移動の際、他方のドアパネル2bは一方のドアパネル2aのほぼ2倍の速度で移動し、この速度差で両方のドアパネル2a,2bが戸袋部4に達するときに、その両ドアパネル2a,2bが前後に重なって戸袋部4に収納される。すなわち、一対のドアパネル2a,2bは、出入口1を閉鎖する戸閉位置と、出入口1の側方の戸袋部4との間を移動することで出入口1が開閉される。
【0024】
ドアパネル2a,2bが戸閉位置に配置するときには、一方の出入口柱3aとドアパネル2aとの間に隙間aが生じている。戸袋部4には、出入口柱3aの近傍で、ドアパネル2aの上下の中間より下方の位置において反射型光電式センサ5が設けられている。
【0025】
反射型光電式センサ5は照射器5aと受光器5bとを備え、照射器5aからは、戸袋部4側から前記隙間aを通して、ドアパネル2aの内側表面で、かつ出入口柱3aの近傍の部分に、障害物検知用のセンサビーム(赤外線)を照射することが可能となっている。そして、その照射部分に障害物が存在するときに、センサビームがその障害物に当って反射し、その反射光が受光器5bに入射し、受光される。受光器5bが反射光を受光したときには、反射型光電式センサ5から所定の検知信号を出力される。
【0026】
反射型光電式センサ5から出力される検知信号は、図3に示すように、制御手段10に送られ、その制御手段10による制御でかご内の音声発生装置11が駆動され、所定の注意を促すアナウンスがかご内に放送される。
【0027】
次に、この実施形態の作用について説明する。
【0028】
かごに乗った乗客がドアパネル2aの内側表面に接近し、かつ出入口柱3aの近傍の位置に立ってその乗客の手や衣服がドアパネル2aに接触するようなとき、つまりドアパネル2aが戸開したときにその手や衣服が戸袋部4側に引き込まれる恐れがあるときには、その手や衣服が反射型光電式センサ5から照射されるセンサビームに対する障害物となる。すなわち、反射型光電式センサ5の照射器5aから照射されるセンサビームがその障害物である手や衣服に当って反射し、その反射光が受光器5bに入射し、受光される。そしてこの受光に応じる検知信号が制御手段10に送られ、音声発生装置11によりかご内に例えば『ドアへの引き込まれに注意してください。ドアから少し離れてください。』などという注意を促すアナウンスが流れる。このアナウンスで乗客はドアパネル2aから離れるようになり、したがってドアパネル2a,2bの戸開時に手や衣服が引き込まれるような危険が回避され、安全が保たれる。
【0029】
ところで、乗客の手や衣服がドアパネル2aの出入口柱3aの近傍位置以外の部分で接触しているような場合には、反射型光電式センサ5でそれを検知することはできないが、その出入口柱3aの近傍位置以外の部分は出入口柱3aから十分に離れているから、隙間aにその手や衣服が引き込まれるようなことがない。
【0030】
一方、反射型光電式センサ5は、環境温度に応じてセンサビームの照射有効距離が変化するが、この実施形態の反射型光電式センサ5は、戸袋部4側の出入口柱3aの近傍の位置に設けられ、ドアパネル2aの内側表面の出入口柱3aの近傍部分にセンサビームを照射する構成であるから、そのセンサビームの照射距離がごく短く、このため環境温度に応じてセンサビームの照射有効距離が変化してもその変化幅がごく小さく、障害物を検知する検知性能にはほとんど影響が及ばない。したがって、夏と冬との季節ごとで、反射型光電式センサ5の出力を調整したり受光器5bの向きを調整したりする調整処理が不要で、年間を通して安定して障害物を適正に検知して安全を図ることができる。
【0031】
また、従来のようにドア装置の上部からその下方に向けてセンサビームを長い距離に渡って照射する構成であると、そのセンサビームの光軸の角度の小さなズレがその照射部分では大きな距離のズレとなり、その調整がシビアなものとなるが、この実施形態においては、照射距離が短くなるから、ズレの発生がほとんどなく、したがって調整が不要か、調整が必要であってもその調整を容易に行なうことができる。
【0032】
なお、反射型光電式センサ5は出入口柱3aに取り付けたり、ドアパネル2aの戸袋部4側の端部に取り付けたりしてもよい。このような場合においても、第1の実施形態の場合と同様の効果を奏する。
【0033】
図4には第2の実施形態を示してある。この実施形態においては、ドアパネル2aの戸袋部4側に複数、例えば2つの反射型光電式センサ5,6が上下に並んで配設されている。これら反射型光電式センサ5,6はそれぞれ照射器5a,6aと受光器5b,6bを有し、その各照射器5a,6aからドアパネル2aと出入口柱3aとの間の隙間を通して、ドアパネル2aの内側表面の出入口柱3aの近傍部分に、障害物検知用のセンサビームを照射することが可能となっている。そして、その照射部分に障害物として手や衣服が存在するときに、センサビームがその手や衣服に当って反射し、その反射光が各反射型光電式センサ5,6の受光器5b,6bに入射し、受光される。そしてその受光に応じてかご内に注意を促すアナウンスが放送される。
【0034】
この実施形態の場合には、上下に位置して複数の反射型光電式センサ5,6が設けられ、その各照射器5a,6aからそれぞれドアパネル2aの内側表面の出入口柱3aの近傍部分に向ってセンサビームが照射されるから、その照射の範囲が上下に延び、このためより的確に障害物としての手や衣服を検知することができる。
【0035】
図5には第3の実施形態を示してある。この実施形態においては、ドアパネル2aの戸袋部4側に2つの反射型光電式センサ5,6が上下に並んで配設され、その各反射型光電式センサ5,6の照射部5a,6aからそれぞれドアパネル2aの内側表面の出入口柱3aの近傍部分に向ってセンサビームが照射されるが、一方の下側の反射型光電式センサ5のビーム照射方向が斜め下方で、他方の上側の反射型光電式センサ6のビーム照射方向が斜め上方で、その双方のビームの照射方向が互いに交わる方向となっている。そして、その双方のビームの照射範囲の一部がドアパネル2aの内側表面で互いに重なるようになっている。そしてその双方のビームの反射光を共通して受光することが可能な受光器7を備えている。
【0036】
この実施形態の場合には、双方の反射型光電式センサ5,6のセンサビームの照射範囲の一部が互いに重なるため、障害物をより明確に検知することができる。そして、双方のビームの反射光を共通して受光することが可能な受光器7を備えるから、受光器数を減らし、コストを削減することができる。
【0037】
図6には第4の実施形態を示してある。この実施形態においては、反射型光電式センサ5における照射器5aのビーム出射面に対向して光拡散用の凹レンズ8が設けられ、この凹レンズ8を通してドアパネル2aの内側表面の出入口柱3aの近傍部分に向ってセンサビームが照射される。
この実施形態の場合には、凹レンズ8でセンサビームが拡散され、したがってドアパネル2aの内側表面での照射範囲が拡がり、より広い範囲の障害物を検知することができる。
【0038】
図7には第5の実施形態を示してある。この実施形態においては、反射型光電式センサ5が出入口柱3aから戸袋部4側に比較的大きな距離で離れる位置に設けられている。そしてこの反射型光電式センサ5の照射器5aから出入口柱3aとドアパネル2aとの間の隙間を通してドアパネル2aの内側表面の出入口柱3aの近傍部分に向ってセンサビームが照射される。
【0039】
この実施形態の場合には、反射型光電式センサ5とセンサビームの照射部位であるドアパネル2aの内側表面との間の距離が比較的長くなるため、そのセンサビームのドアパネル2aの内側表面に対する照射範囲が広がり、その分、より広い範囲の障害物を検知することができる。
【0040】
図8には第7の実施形態を示してある。この実施形態においては、出入口柱3aの内部に反射型光電式センサ5が設けられている。出入口柱3aの壁面には、ドアパネル2aに対向して開口10が形成され、反射型光電式センサ5の照射器5aから出射されるセンサビームがその開口10から出入口柱3aとドアパネル2aとの間の隙間を通してそのドアパネル2aの内側表面の出入口柱3aの近傍部分に向けて照射される。そして、そのドアパネル2aの内側表面の出入口柱3aの近傍部分に乗客の手や衣服が障害物として存在してセンサビームが反射するときには、その反射光が前記隙間から開口10を通して出入口柱3aの内部の受光器5bに入射し、受光され、その受光に応じてかご内に注意を促すアナウンスが放送される。
【0041】
さらにこの実施形態では、ドアパネル2aにおける戸袋部4側の反対側である戸当り側の端部にも反射型光電式センサ12が設けられている。この反射型光電式センサ12の照射器12a及び受光器12bは、ドアパネル2aの上下の中間部より下方の位置において、そのドアパネル2aの内部に設けられている。
【0042】
ドアパネル2aの裏面側の壁面には、反射型光電式センサ12に対向して開口13が形成され、反射型光電式センサ12の照射器12aからのセンサビームをその開口13を通して出射させることが可能となっている。
【0043】
ドア装置2の戸閉状態においては、低速のドアパネル2aの戸当り側端部と高速のドアパネル2bの戸袋側端部とが前後に重なり、その重なり部分に隙間bが生じる。前記反射型光電式センサ12の照射器12aから出射されるセンサビームは、前記開口13から前記隙間bを通して、高速のドアパネル2bの内側表面で低速のドアパネル2aの戸当り側端部の近傍部分に向けて照射される。
【0044】
高速のドアパネル2bの内側表面で低速のドアパネル2aの戸当り側端部の近傍部分に乗客の手や衣服が接近して位置していると、ドア装置2の戸開時にその手や衣服が前記隙間bに引き込まれる恐れがある。しかし、この実施形態では、高速のドアパネル2bの内側表面で低速のドアパネル2aの戸当り側端部の近傍部分に乗客の手や衣服が接近して位置しているときには、反射型光電式センサ12の照射器12aから照射されるセンサビームがその手や衣服に当って反射し、その反射光が隙間bから開口13を通して反射型光電式センサ12の受光器12bに入射し、受光される。そしてこの受光に応じる検知信号に基づいてかご内に注意を促すアナウンスが放送され、したがって手や衣服が引き込まれるような危険が回避され、安全が保たれる。
【0045】
前記第1から第7の実施形態は、低速のドアパネル2aと高速のドアパネル2bとからなる多段速式構造のドア装置2の場合であるが、図9に第7の実施形態として示すように、一対のドアパネル2a,2bが左右に同列に並び、そのドアパネル2a,2bが互いに離間する方向と接近する方向とに移動することで出入口1が開閉される両開き式構造のドア装置2の場合においては、その両側に反射型光電式センサ5が設けられる。
【0046】
すなわち、両開き式構造のドア装置2の場合には、両側の出入口柱3a,3bの各外方側がそれぞれ戸袋部4a,4bとなっている。そして各戸袋部4a,4bにそれぞれ、出入口柱3a,3bの近傍で、ドアパネル2a,2bの上下の中間より下方の位置において反射型光電式センサ5が設けられている。
【0047】
各反射型光電式センサ5は照射器5aと受光器5bとを備えている。一方の反射型光電式センサ5における照射器5aからは、一方のドアパネル2aの戸袋部4側からそのドアパネル2aと出入口柱3aとの間の隙間を通して、ドアパネル2aの内側表面の出入口柱3aの近傍部分にセンサビームが照射され、他方の反射型光電式センサ5における照射器5aからは、他方のドアパネル2bの戸袋部4側からそのドアパネル2bと出入口柱3bとの間の隙間を通して、ドアパネル2bの内側表面の出入口柱3bの近傍部分にセンサビームが照射される。そして、その照射部分に障害物が存在するときに、センサビームがその障害物に当って反射し、その反射光がその各反射型光電式センサ5の受光器5bに入射し、受光される。受光器5bが反射光を受光したときには、反射型光電式センサ5から所定の検知信号を出力され、かご内に注意を促すアナウンスが放送される。
【0048】
したがって、かごに乗った乗客がドアパネル2a,2bの内側表面の出入口柱3a,3bの近傍の位置に立ってその乗客の手や衣服がドアパネル2a,2bに接触するようなときに、その手や衣服が各反射型光電式センサ5から照射されるセンサビームがその手や衣服に当って反射し、その反射光が受光器5bに入射し、この入射に応じる検知信号に基づいて注意を促すアナウンスがかご内に放送され、これにより衣服が引き込まれるような危険が回避され、安全が保たれる。
【0049】
図10には第8の実施形態を示してある。この実施形態においては、反射型光電式センサ5がドア装置2の下方部に設けられている。この実施形態のドア装置2は、一対のドアパネル2a,2bを備える多段速式構造で、ドアパネル2a,2bの下方のドアパネル2a,2bと近接する位置にそれぞれ反射型光電式センサ5が設けられている。
【0050】
これら反射型光電式センサ5はそれぞれ照射器5aと受光器5bとを有し、一方の反射型光電式センサ5の照射器5aは、低速のドアパネル2aの内側表面で出入口柱3aの近傍の位置にセンサビームを照射し、他方の反射型光電式センサ5の照射器5aは、高速のドアパネル2bの内側表面で低速のドアパネル2aの戸当り側端部の近傍の位置にセンサビームを照射するようになっている。
【0051】
したがって、かごに乗った乗客が低速のドアパネル2aの内側表面の出入口柱3aの近傍の位置や、高速のドアパネル2bの内側表面で低速のドアパネル2aの戸当り側端部の近傍の位置に立ってその乗客の手や衣服がドアパネル2a,2bに接触するようなときに、各反射型光電式センサ5の照射器5aから照射されるセンサビームがその手や衣服つまり障害物に当って反射し、その反射光が各反射型光電式センサ5の受光器5bに入射し、この入射に応じる検知信号に基づいて注意を促すアナウンスがかご内に放送される。これにより衣服が引き込まれるような危険が回避され、安全が保たれる。
【0052】
乗客の手や衣服が接触する位置は、ドアパネル2a,2bの中間から下部側の位置となるのが普通であるが、反射型光電式センサ5はドアパネル2a,2bの下方でそのドアパネル2a,2bと近接する位置に設けられているから、反射型光電式センサ5とそのセンサビームで障害物を検知する検知位置との距離が短くなる。
【0053】
前述したように、反射型光電式センサ5は、環境温度に応じてセンサビームの照射有効距離が変化するが、そのセンサビームの照射距離が短いから、環境温度に応じてセンサビームの照射有効距離が変化してもその変化幅が小さく、障害物を検知する検知性能にはほとんど影響することがない。したがって、夏と冬との季節ごとで、反射型光電式センサ5の出力を調整したり受光器5bの向きを調整したりする調整処理が不要で、年間を通して安定して障害物を適正に検知して安全を図ることができる。
【0054】
図11には第9の実施形態を示してある。この実施形態のドア装置2は、一対のドアパネル2a,2bが左右に移動する両開き式構造で、その各ドアパネル2a,2bの下方でドアパネル2a,2bと近接する位置にそれぞれ反射型光電式センサ5が設けられている。
【0055】
これら反射型光電式センサ5はそれぞれ照射器5aと受光器5bとを有し、一方の反射型光電式センサ5の照射器5aは、一方のドアパネル2aの内側表面で一方の出入口柱3aの近傍の位置にセンサビームを照射し、他方の反射型光電式センサ5の照射器5aは、他方のドアパネル2bの内側表面で他方の出入口柱3bの近傍の位置にセンサビームを照射するようになっている。
【0056】
したがって、かごに乗った乗客が低速の一方のドアパネル2aの内側表面の出入口柱3aの近傍の位置や、他方のドアパネル2bの内側表面の出入口柱3bの近傍の位置に立ってその乗客の手や衣服がドアパネル2a,2bに接触するようなときに、各反射型光電式センサ5の照射器5aから照射されるセンサビームがその手や衣服に当って反射し、その反射光が各反射型光電式センサ5の受光器5bに入射し、この入射に応じる検知信号に基づいて注意を促すアナウンスがかご内に放送される。これにより衣服が引き込まれるような危険が回避され、安全が保たれる。
【0057】
そしてこの実施形態の場合においても、乗客の手や衣服が接触する位置は、ドアパネル2a,2bの中間から下部側の位置となるのが普通であるが、反射型光電式センサ5はドアパネル2a,2bの下方でそのドアパネル2a,2bと近接する位置に設けられているから、反射型光電式センサ5とそのセンサビームで障害物を検知する検知位置との距離が短くなり、環境温度に応じてセンサビームの照射有効距離が変化してもその変化幅が小さく、障害物を検知する検知性能にはほとんど影響することがない。したがって、夏と冬との季節ごとで、反射型光電式センサ5の出力を調整したり受光器5bの向きを調整したりする調整処理が不要で、年間を通して安定して障害物を適正に検知して安全を図ることができる。
【0058】
ところで、ドアパネル2a,2bの下方に反射型光電式センサ5が設けられる場合には、その反射型光電式センサ5における照射器5aのビーム出射面や受光器5bのビーム入射面がかごの床面に露出することになり、その照射面や受光面が汚れる恐れある。この対策としては、図12に第10の実施形態として示すように、ドアパネル2a,2bの下部に清掃具として例えばブラシ15を取り付け、このブラシ15をドアパネル2a,2bの開閉動作に応じて反射型光電式センサ5における照射器5aのビーム入射面及び受光器5bのビーム入射面に摺接させることで、その出射面及び入射面の汚れを落し、常時清浄な状態に保つような構成とすることが可能である。
【0059】
なお、以上の幾つかの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この発明の新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。その実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0060】
1…出入口
2…ドア装置
2a.2b…ドアパネル
3a.3b…出入口柱
4…戸袋部
5…反射型光電式センサ
5a…照射器
5b…受光器
6…反射型光電式センサ
6a…照射器
6b…受光器
7…受光器
8…凹レンズ
12…反射型光電式センサ
12a…照射器
12b…受光器
【技術分野】
【0001】
この発明の実施形態は、エレベータかごの出入口に設置されたドア装置の動作による危険を防止するエレベータかごの出入口安全装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータのかごには、かごの出入口を開閉するドア装置が設けられている。このドア装置は、左右に移動可能なドアパネルを有し、そのドアパネルがかごの出入口を閉鎖する戸閉位置と出入口の側方の戸袋部との間を移動することで出入口が開閉される。
【0003】
ところで、例えばかごに乗った乗客がドア装置のドアパネルの戸袋側に立ち、そのドアパネルに手や衣服を接触させるような状況のもとで、ドアパネルが戸袋側に移動して戸開すると、その乗客の手や衣服が戸袋側に引き込まれる危険がる。
【0004】
そこで、ドア装置に、光学センサを設け、ドアパネルに接近している乗客がいるときに、その乗客を光学センサで障害物として検知し、その検知に応じて乗客に注意を促して安全を図ることが行なわれるようになってきている。
【0005】
光学式センサとしては、反射型光電式センサが用いられ、ドア装置の上部に配設され、センサビームをドア装置の上部から下方に向けて照射することで障害物を検知するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−29583号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
反射型光電式センサは、その周辺の環境温度に応じてセンサビームの照射有効距離が変化する。したがって、夏と冬とではセンサビームの照射有効距離が変化して検知能力に差異が生じ、このためその季節ごとに、センサの出力を調整したり、センサビームの反射光を受ける受光器の向きなどを調整したりする調整処理が必要となるという面倒な点がある。
【0008】
この発明の実施形態は、このような課題に着目し、反射型光電式センサに対する季節ごとでの面倒な調整処理を不要とし、年間を通して安定してドア装置付近の障害物を適正に検知して安全を図ることができるエレベータかごの出入口安全装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような課題を解決するために、請求項1の発明は、左右に移動可能なドアパネルを有し、そのドアパネルがかごの出入口を閉鎖する戸閉位置と前記出入口の側方の戸袋部との間を移動することで前記出入口を開閉するドア装置を備え、前記ドアパネルが戸閉位置にある状態もとで、前記戸袋部側から前記出入口の側部の出入口柱と前記ドアパネルとの間の隙間を通して、前記ドアパネルの内側表面の前記出入口柱の近傍部分に、障害物検知用のセンサビームを照射することが可能な反射型光電式センサが設けられていることを特徴としている。
【0010】
請求項2の発明は、前記反射型光電式センサが複数設けられていることを特徴としている。
【0011】
請求項3の発明は、前記複数の反射型光電式センサによるセンサビームの照射方向が互いに交わる方向となっていることを特徴としている。
【0012】
請求項4の発明は、前記反射型光電式センサが前記出入口柱から前記戸袋部側に離れて配置されていることを特徴としている。
【0013】
請求項5の発明は、前記反射型光電式センサのセンサビーム出射面に対向して光拡散用の凹レンズが設けられていることを特徴としている。
【0014】
請求項6の発明は、前記反射型光電式センサが前記出入口柱の内部に設けられ、その出入口柱に形成された開口から前記出入口柱と前記ドアパネルとの間の隙間を通して、前記ドアパネルの内側表面の前記出入口柱の近傍部分にセンサビームを照射することが可能なことを特徴としている。
【0015】
請求項7の発明は、左右に移動可能な低速のドアパネル及び高速のドアパネルを有し、その各ドアパネルがかごの出入口を閉鎖する戸閉位置と前記出入口の側方の戸袋部との間を、低速のドアパネルが低速で、高速のドアパネルが高速で移動することにより前記出入口を開閉する多段速式構造のドア装置を備え、前記各ドアパネルが戸閉位置にある状態のもとで、前記低速のドアパネル側からその低速のドアパネルと前記高速のドアパネルとの間の隙間を通して、前記高速のドアパネルの内側表面の前記低速のドアパネルの戸当り側端部の近傍部分に、障害物検知用のセンサビームを照射することが可能な反射型光電式センサが設けられていることを特徴としている。
【0016】
請求項8の発明は、前記反射型光電式センサが前記低速のドアパネルの戸当り側端部の内部に設けられ、その戸当り側端部に形成された開口から前記低速のドアパネルと前記高速のドアパネルとの間の隙間を通して、前記高速のドアパネルの内側表面の前記低速のドアパネルの戸当り側端部の近傍部分にセンサビームを照射することが可能なことを特徴としている。
【0017】
請求項9の発明は、左右に移動可能な低速のドアパネル及び高速のドアパネルを有し、その各ドアパネルがかごの出入口を閉鎖する戸閉位置と前記出入口の側方の戸袋部との間を、低速のドアパネルが低速で、高速のドアパネルが高速で移動することにより前記出入口を開閉する多段速構造のドア装置を備え、前記出入口の前記戸袋部側の側部に設けられた出入口柱の内部に、前記各ドアパネルが戸閉位置にある状態のもとで、前記出入口柱と前記低速のドアパネルとの間の隙間を通して、前記低速のドアパネルの内側表面の前記出入口柱の近傍部分に、障害物検知用のセンサビームを照射することが可能な反射型光電式センサが設けられ、前記低速のドアパネルの戸当り側端部の内部に、前記各ドアパネルが戸閉位置にある状態のもとで、前記低速のドアパネルと前記高速のドアパネルとの間の隙間を通して、前記高速のドアパネルの内側表面の前記低速のドアパネルの戸当り側端部の近傍部分に、障害物検知用のセンサビームを照射することが可能な反射型光電式センサが設けられていることを特徴としている。
【0018】
請求項10の発明は、左右に移動可能な複数のドアパネルを有し、その各ドアパネルがかごの出入口を閉鎖する戸閉位置と前記出入口の両側方の戸袋部との間を、互いに逆の方向に向って移動することにより前記出入口を開閉する両開き式構造のドア装置を備え、
前記ドアパネルが戸閉位置にある状態もとで、前記両戸袋部側から前記出入口の両側部の出入口柱と前記ドアパネルとの間の隙間を通して、前記ドアパネルの内側表面の前記両出入口柱の近傍部分に、障害物検知用のセンサビームを照射することが可能な反射型光電式センサがそれぞれ設けられていることを特徴としている。
【0019】
請求項11の発明は、左右に移動可能なドアパネルを有し、そのドアパネルがかごの出入口を閉鎖する戸閉位置と前記出入口の側方の戸袋部との間を移動することで前記出入口を開閉するドア装置を備え、前記ドアパネルが戸閉位置にある状態もとで、前記ドアパネルの下方部から前記ドアパネルの内側表面の前記出入口柱の近傍部分に、障害物検知用のセンサビームを照射することが可能な反射型光電式センサが設けられていることを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】この発明の第1の実施形態に係る出入口安全装置を示す正面図。
【図2】この発明の第1の実施形態に係る出入口安全装置を示す平面図。
【図3】その安全装置の制御回路の構成を示すブロック図。
【図4】この発明の第2の実施形態に係る出入口安全装置を示す正面図。
【図5】この発明の第3の実施形態に係る出入口安全装置を示す正面図。
【図6】この発明の第4の実施形態に係る出入口安全装置を示す正面図。
【図7】この発明の第5の実施形態に係る出入口安全装置を示す正面図。
【図8】この発明の第6の実施形態に係る出入口安全装置を示す平面図。
【図9】この発明の第7の実施形態に係る出入口安全装置を示す正面図。
【図10】この発明の第8の実施形態に係る出入口安全装置を示す正面図。
【図11】この発明の第9の実施形態に係る出入口安全装置を示す正面図。
【図12】この発明の第10の実施形態に係る出入口安全装置を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0022】
図1〜図3には、この発明の第1の実施形態を示してある。かごの出入口1にはドア装置2が設けられている。このドア装置2は、例えば前後に位置をずらして左右に並ぶ一対のドアパネル2a,2bを備え、その一対のドアパネル2a,2bが同じ方向に異なる速度で移動することにより出入口1が開閉される多段速式構造となっている。
【0023】
出入口1の両側部には出入口柱3a,3bが設けられ、その一方の出入口柱3aの外方側が戸袋部4となっている。一対のドアパネル2a,2bが左右に並んで出入口1を閉鎖する戸閉状態から戸開するときには、各ドアパネル2a,2bがそれぞれ戸袋部4側に向って移動する。この移動の際、他方のドアパネル2bは一方のドアパネル2aのほぼ2倍の速度で移動し、この速度差で両方のドアパネル2a,2bが戸袋部4に達するときに、その両ドアパネル2a,2bが前後に重なって戸袋部4に収納される。すなわち、一対のドアパネル2a,2bは、出入口1を閉鎖する戸閉位置と、出入口1の側方の戸袋部4との間を移動することで出入口1が開閉される。
【0024】
ドアパネル2a,2bが戸閉位置に配置するときには、一方の出入口柱3aとドアパネル2aとの間に隙間aが生じている。戸袋部4には、出入口柱3aの近傍で、ドアパネル2aの上下の中間より下方の位置において反射型光電式センサ5が設けられている。
【0025】
反射型光電式センサ5は照射器5aと受光器5bとを備え、照射器5aからは、戸袋部4側から前記隙間aを通して、ドアパネル2aの内側表面で、かつ出入口柱3aの近傍の部分に、障害物検知用のセンサビーム(赤外線)を照射することが可能となっている。そして、その照射部分に障害物が存在するときに、センサビームがその障害物に当って反射し、その反射光が受光器5bに入射し、受光される。受光器5bが反射光を受光したときには、反射型光電式センサ5から所定の検知信号を出力される。
【0026】
反射型光電式センサ5から出力される検知信号は、図3に示すように、制御手段10に送られ、その制御手段10による制御でかご内の音声発生装置11が駆動され、所定の注意を促すアナウンスがかご内に放送される。
【0027】
次に、この実施形態の作用について説明する。
【0028】
かごに乗った乗客がドアパネル2aの内側表面に接近し、かつ出入口柱3aの近傍の位置に立ってその乗客の手や衣服がドアパネル2aに接触するようなとき、つまりドアパネル2aが戸開したときにその手や衣服が戸袋部4側に引き込まれる恐れがあるときには、その手や衣服が反射型光電式センサ5から照射されるセンサビームに対する障害物となる。すなわち、反射型光電式センサ5の照射器5aから照射されるセンサビームがその障害物である手や衣服に当って反射し、その反射光が受光器5bに入射し、受光される。そしてこの受光に応じる検知信号が制御手段10に送られ、音声発生装置11によりかご内に例えば『ドアへの引き込まれに注意してください。ドアから少し離れてください。』などという注意を促すアナウンスが流れる。このアナウンスで乗客はドアパネル2aから離れるようになり、したがってドアパネル2a,2bの戸開時に手や衣服が引き込まれるような危険が回避され、安全が保たれる。
【0029】
ところで、乗客の手や衣服がドアパネル2aの出入口柱3aの近傍位置以外の部分で接触しているような場合には、反射型光電式センサ5でそれを検知することはできないが、その出入口柱3aの近傍位置以外の部分は出入口柱3aから十分に離れているから、隙間aにその手や衣服が引き込まれるようなことがない。
【0030】
一方、反射型光電式センサ5は、環境温度に応じてセンサビームの照射有効距離が変化するが、この実施形態の反射型光電式センサ5は、戸袋部4側の出入口柱3aの近傍の位置に設けられ、ドアパネル2aの内側表面の出入口柱3aの近傍部分にセンサビームを照射する構成であるから、そのセンサビームの照射距離がごく短く、このため環境温度に応じてセンサビームの照射有効距離が変化してもその変化幅がごく小さく、障害物を検知する検知性能にはほとんど影響が及ばない。したがって、夏と冬との季節ごとで、反射型光電式センサ5の出力を調整したり受光器5bの向きを調整したりする調整処理が不要で、年間を通して安定して障害物を適正に検知して安全を図ることができる。
【0031】
また、従来のようにドア装置の上部からその下方に向けてセンサビームを長い距離に渡って照射する構成であると、そのセンサビームの光軸の角度の小さなズレがその照射部分では大きな距離のズレとなり、その調整がシビアなものとなるが、この実施形態においては、照射距離が短くなるから、ズレの発生がほとんどなく、したがって調整が不要か、調整が必要であってもその調整を容易に行なうことができる。
【0032】
なお、反射型光電式センサ5は出入口柱3aに取り付けたり、ドアパネル2aの戸袋部4側の端部に取り付けたりしてもよい。このような場合においても、第1の実施形態の場合と同様の効果を奏する。
【0033】
図4には第2の実施形態を示してある。この実施形態においては、ドアパネル2aの戸袋部4側に複数、例えば2つの反射型光電式センサ5,6が上下に並んで配設されている。これら反射型光電式センサ5,6はそれぞれ照射器5a,6aと受光器5b,6bを有し、その各照射器5a,6aからドアパネル2aと出入口柱3aとの間の隙間を通して、ドアパネル2aの内側表面の出入口柱3aの近傍部分に、障害物検知用のセンサビームを照射することが可能となっている。そして、その照射部分に障害物として手や衣服が存在するときに、センサビームがその手や衣服に当って反射し、その反射光が各反射型光電式センサ5,6の受光器5b,6bに入射し、受光される。そしてその受光に応じてかご内に注意を促すアナウンスが放送される。
【0034】
この実施形態の場合には、上下に位置して複数の反射型光電式センサ5,6が設けられ、その各照射器5a,6aからそれぞれドアパネル2aの内側表面の出入口柱3aの近傍部分に向ってセンサビームが照射されるから、その照射の範囲が上下に延び、このためより的確に障害物としての手や衣服を検知することができる。
【0035】
図5には第3の実施形態を示してある。この実施形態においては、ドアパネル2aの戸袋部4側に2つの反射型光電式センサ5,6が上下に並んで配設され、その各反射型光電式センサ5,6の照射部5a,6aからそれぞれドアパネル2aの内側表面の出入口柱3aの近傍部分に向ってセンサビームが照射されるが、一方の下側の反射型光電式センサ5のビーム照射方向が斜め下方で、他方の上側の反射型光電式センサ6のビーム照射方向が斜め上方で、その双方のビームの照射方向が互いに交わる方向となっている。そして、その双方のビームの照射範囲の一部がドアパネル2aの内側表面で互いに重なるようになっている。そしてその双方のビームの反射光を共通して受光することが可能な受光器7を備えている。
【0036】
この実施形態の場合には、双方の反射型光電式センサ5,6のセンサビームの照射範囲の一部が互いに重なるため、障害物をより明確に検知することができる。そして、双方のビームの反射光を共通して受光することが可能な受光器7を備えるから、受光器数を減らし、コストを削減することができる。
【0037】
図6には第4の実施形態を示してある。この実施形態においては、反射型光電式センサ5における照射器5aのビーム出射面に対向して光拡散用の凹レンズ8が設けられ、この凹レンズ8を通してドアパネル2aの内側表面の出入口柱3aの近傍部分に向ってセンサビームが照射される。
この実施形態の場合には、凹レンズ8でセンサビームが拡散され、したがってドアパネル2aの内側表面での照射範囲が拡がり、より広い範囲の障害物を検知することができる。
【0038】
図7には第5の実施形態を示してある。この実施形態においては、反射型光電式センサ5が出入口柱3aから戸袋部4側に比較的大きな距離で離れる位置に設けられている。そしてこの反射型光電式センサ5の照射器5aから出入口柱3aとドアパネル2aとの間の隙間を通してドアパネル2aの内側表面の出入口柱3aの近傍部分に向ってセンサビームが照射される。
【0039】
この実施形態の場合には、反射型光電式センサ5とセンサビームの照射部位であるドアパネル2aの内側表面との間の距離が比較的長くなるため、そのセンサビームのドアパネル2aの内側表面に対する照射範囲が広がり、その分、より広い範囲の障害物を検知することができる。
【0040】
図8には第7の実施形態を示してある。この実施形態においては、出入口柱3aの内部に反射型光電式センサ5が設けられている。出入口柱3aの壁面には、ドアパネル2aに対向して開口10が形成され、反射型光電式センサ5の照射器5aから出射されるセンサビームがその開口10から出入口柱3aとドアパネル2aとの間の隙間を通してそのドアパネル2aの内側表面の出入口柱3aの近傍部分に向けて照射される。そして、そのドアパネル2aの内側表面の出入口柱3aの近傍部分に乗客の手や衣服が障害物として存在してセンサビームが反射するときには、その反射光が前記隙間から開口10を通して出入口柱3aの内部の受光器5bに入射し、受光され、その受光に応じてかご内に注意を促すアナウンスが放送される。
【0041】
さらにこの実施形態では、ドアパネル2aにおける戸袋部4側の反対側である戸当り側の端部にも反射型光電式センサ12が設けられている。この反射型光電式センサ12の照射器12a及び受光器12bは、ドアパネル2aの上下の中間部より下方の位置において、そのドアパネル2aの内部に設けられている。
【0042】
ドアパネル2aの裏面側の壁面には、反射型光電式センサ12に対向して開口13が形成され、反射型光電式センサ12の照射器12aからのセンサビームをその開口13を通して出射させることが可能となっている。
【0043】
ドア装置2の戸閉状態においては、低速のドアパネル2aの戸当り側端部と高速のドアパネル2bの戸袋側端部とが前後に重なり、その重なり部分に隙間bが生じる。前記反射型光電式センサ12の照射器12aから出射されるセンサビームは、前記開口13から前記隙間bを通して、高速のドアパネル2bの内側表面で低速のドアパネル2aの戸当り側端部の近傍部分に向けて照射される。
【0044】
高速のドアパネル2bの内側表面で低速のドアパネル2aの戸当り側端部の近傍部分に乗客の手や衣服が接近して位置していると、ドア装置2の戸開時にその手や衣服が前記隙間bに引き込まれる恐れがある。しかし、この実施形態では、高速のドアパネル2bの内側表面で低速のドアパネル2aの戸当り側端部の近傍部分に乗客の手や衣服が接近して位置しているときには、反射型光電式センサ12の照射器12aから照射されるセンサビームがその手や衣服に当って反射し、その反射光が隙間bから開口13を通して反射型光電式センサ12の受光器12bに入射し、受光される。そしてこの受光に応じる検知信号に基づいてかご内に注意を促すアナウンスが放送され、したがって手や衣服が引き込まれるような危険が回避され、安全が保たれる。
【0045】
前記第1から第7の実施形態は、低速のドアパネル2aと高速のドアパネル2bとからなる多段速式構造のドア装置2の場合であるが、図9に第7の実施形態として示すように、一対のドアパネル2a,2bが左右に同列に並び、そのドアパネル2a,2bが互いに離間する方向と接近する方向とに移動することで出入口1が開閉される両開き式構造のドア装置2の場合においては、その両側に反射型光電式センサ5が設けられる。
【0046】
すなわち、両開き式構造のドア装置2の場合には、両側の出入口柱3a,3bの各外方側がそれぞれ戸袋部4a,4bとなっている。そして各戸袋部4a,4bにそれぞれ、出入口柱3a,3bの近傍で、ドアパネル2a,2bの上下の中間より下方の位置において反射型光電式センサ5が設けられている。
【0047】
各反射型光電式センサ5は照射器5aと受光器5bとを備えている。一方の反射型光電式センサ5における照射器5aからは、一方のドアパネル2aの戸袋部4側からそのドアパネル2aと出入口柱3aとの間の隙間を通して、ドアパネル2aの内側表面の出入口柱3aの近傍部分にセンサビームが照射され、他方の反射型光電式センサ5における照射器5aからは、他方のドアパネル2bの戸袋部4側からそのドアパネル2bと出入口柱3bとの間の隙間を通して、ドアパネル2bの内側表面の出入口柱3bの近傍部分にセンサビームが照射される。そして、その照射部分に障害物が存在するときに、センサビームがその障害物に当って反射し、その反射光がその各反射型光電式センサ5の受光器5bに入射し、受光される。受光器5bが反射光を受光したときには、反射型光電式センサ5から所定の検知信号を出力され、かご内に注意を促すアナウンスが放送される。
【0048】
したがって、かごに乗った乗客がドアパネル2a,2bの内側表面の出入口柱3a,3bの近傍の位置に立ってその乗客の手や衣服がドアパネル2a,2bに接触するようなときに、その手や衣服が各反射型光電式センサ5から照射されるセンサビームがその手や衣服に当って反射し、その反射光が受光器5bに入射し、この入射に応じる検知信号に基づいて注意を促すアナウンスがかご内に放送され、これにより衣服が引き込まれるような危険が回避され、安全が保たれる。
【0049】
図10には第8の実施形態を示してある。この実施形態においては、反射型光電式センサ5がドア装置2の下方部に設けられている。この実施形態のドア装置2は、一対のドアパネル2a,2bを備える多段速式構造で、ドアパネル2a,2bの下方のドアパネル2a,2bと近接する位置にそれぞれ反射型光電式センサ5が設けられている。
【0050】
これら反射型光電式センサ5はそれぞれ照射器5aと受光器5bとを有し、一方の反射型光電式センサ5の照射器5aは、低速のドアパネル2aの内側表面で出入口柱3aの近傍の位置にセンサビームを照射し、他方の反射型光電式センサ5の照射器5aは、高速のドアパネル2bの内側表面で低速のドアパネル2aの戸当り側端部の近傍の位置にセンサビームを照射するようになっている。
【0051】
したがって、かごに乗った乗客が低速のドアパネル2aの内側表面の出入口柱3aの近傍の位置や、高速のドアパネル2bの内側表面で低速のドアパネル2aの戸当り側端部の近傍の位置に立ってその乗客の手や衣服がドアパネル2a,2bに接触するようなときに、各反射型光電式センサ5の照射器5aから照射されるセンサビームがその手や衣服つまり障害物に当って反射し、その反射光が各反射型光電式センサ5の受光器5bに入射し、この入射に応じる検知信号に基づいて注意を促すアナウンスがかご内に放送される。これにより衣服が引き込まれるような危険が回避され、安全が保たれる。
【0052】
乗客の手や衣服が接触する位置は、ドアパネル2a,2bの中間から下部側の位置となるのが普通であるが、反射型光電式センサ5はドアパネル2a,2bの下方でそのドアパネル2a,2bと近接する位置に設けられているから、反射型光電式センサ5とそのセンサビームで障害物を検知する検知位置との距離が短くなる。
【0053】
前述したように、反射型光電式センサ5は、環境温度に応じてセンサビームの照射有効距離が変化するが、そのセンサビームの照射距離が短いから、環境温度に応じてセンサビームの照射有効距離が変化してもその変化幅が小さく、障害物を検知する検知性能にはほとんど影響することがない。したがって、夏と冬との季節ごとで、反射型光電式センサ5の出力を調整したり受光器5bの向きを調整したりする調整処理が不要で、年間を通して安定して障害物を適正に検知して安全を図ることができる。
【0054】
図11には第9の実施形態を示してある。この実施形態のドア装置2は、一対のドアパネル2a,2bが左右に移動する両開き式構造で、その各ドアパネル2a,2bの下方でドアパネル2a,2bと近接する位置にそれぞれ反射型光電式センサ5が設けられている。
【0055】
これら反射型光電式センサ5はそれぞれ照射器5aと受光器5bとを有し、一方の反射型光電式センサ5の照射器5aは、一方のドアパネル2aの内側表面で一方の出入口柱3aの近傍の位置にセンサビームを照射し、他方の反射型光電式センサ5の照射器5aは、他方のドアパネル2bの内側表面で他方の出入口柱3bの近傍の位置にセンサビームを照射するようになっている。
【0056】
したがって、かごに乗った乗客が低速の一方のドアパネル2aの内側表面の出入口柱3aの近傍の位置や、他方のドアパネル2bの内側表面の出入口柱3bの近傍の位置に立ってその乗客の手や衣服がドアパネル2a,2bに接触するようなときに、各反射型光電式センサ5の照射器5aから照射されるセンサビームがその手や衣服に当って反射し、その反射光が各反射型光電式センサ5の受光器5bに入射し、この入射に応じる検知信号に基づいて注意を促すアナウンスがかご内に放送される。これにより衣服が引き込まれるような危険が回避され、安全が保たれる。
【0057】
そしてこの実施形態の場合においても、乗客の手や衣服が接触する位置は、ドアパネル2a,2bの中間から下部側の位置となるのが普通であるが、反射型光電式センサ5はドアパネル2a,2bの下方でそのドアパネル2a,2bと近接する位置に設けられているから、反射型光電式センサ5とそのセンサビームで障害物を検知する検知位置との距離が短くなり、環境温度に応じてセンサビームの照射有効距離が変化してもその変化幅が小さく、障害物を検知する検知性能にはほとんど影響することがない。したがって、夏と冬との季節ごとで、反射型光電式センサ5の出力を調整したり受光器5bの向きを調整したりする調整処理が不要で、年間を通して安定して障害物を適正に検知して安全を図ることができる。
【0058】
ところで、ドアパネル2a,2bの下方に反射型光電式センサ5が設けられる場合には、その反射型光電式センサ5における照射器5aのビーム出射面や受光器5bのビーム入射面がかごの床面に露出することになり、その照射面や受光面が汚れる恐れある。この対策としては、図12に第10の実施形態として示すように、ドアパネル2a,2bの下部に清掃具として例えばブラシ15を取り付け、このブラシ15をドアパネル2a,2bの開閉動作に応じて反射型光電式センサ5における照射器5aのビーム入射面及び受光器5bのビーム入射面に摺接させることで、その出射面及び入射面の汚れを落し、常時清浄な状態に保つような構成とすることが可能である。
【0059】
なお、以上の幾つかの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この発明の新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。その実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0060】
1…出入口
2…ドア装置
2a.2b…ドアパネル
3a.3b…出入口柱
4…戸袋部
5…反射型光電式センサ
5a…照射器
5b…受光器
6…反射型光電式センサ
6a…照射器
6b…受光器
7…受光器
8…凹レンズ
12…反射型光電式センサ
12a…照射器
12b…受光器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右に移動可能なドアパネルを有し、そのドアパネルがかごの出入口を閉鎖する戸閉位置と前記出入口の側方の戸袋部との間を移動することで前記出入口を開閉するドア装置を備え、
前記ドアパネルが戸閉位置にある状態もとで、前記戸袋部側から前記出入口の側部の出入口柱と前記ドアパネルとの間の隙間を通して、前記ドアパネルの内側表面の前記出入口柱の近傍部分に、障害物検知用のセンサビームを照射することが可能な反射型光電式センサが設けられていることを特徴とするエレベータかごの出入口安全装置。
【請求項2】
前記反射型光電式センサが複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載のエレベータかごの出入口安全装置。
【請求項3】
前記複数の反射型光電式センサによるセンサビームの照射方向が互いに交わる方向となっていることを特徴とする請求項2に記載のエレベータかごの出入口安全装置。
【請求項4】
前記反射型光電式センサが前記出入口柱から前記戸袋部側に離れて配置されていることを特徴とする請求項1に記載のエレベータかごの出入口安全装置。
【請求項5】
前記反射型光電式センサのセンサビーム出射面に対向して光拡散用の凹レンズが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のエレベータかごの出入口安全装置。
【請求項6】
前記反射型光電式センサが前記出入口柱の内部に設けられ、その出入口柱に形成された開口から前記出入口柱と前記ドアパネルとの間の隙間を通して、前記ドアパネルの内側表面の前記出入口柱の近傍部分にセンサビームを照射することが可能なことを特徴とする請求項1に記載のエレベータかごの出入口安全装置。
【請求項7】
左右に移動可能な低速のドアパネル及び高速のドアパネルを有し、その各ドアパネルがかごの出入口を閉鎖する戸閉位置と前記出入口の側方の戸袋部との間を、低速のドアパネルが低速で、高速のドアパネルが高速で移動することにより前記出入口を開閉する多段速式構造のドア装置を備え、
前記各ドアパネルが戸閉位置にある状態のもとで、前記低速のドアパネル側からその低速のドアパネルと前記高速のドアパネルとの間の隙間を通して、前記高速のドアパネルの内側表面の前記低速のドアパネルの戸当り側端部の近傍部分に、障害物検知用のセンサビームを照射することが可能な反射型光電式センサが設けられていることを特徴とするエレベータかごの出入口安全装置。
【請求項8】
前記反射型光電式センサが前記低速のドアパネルの戸当り側端部の内部に設けられ、その戸当り側端部に形成された開口から前記低速のドアパネルと前記高速のドアパネルとの間の隙間を通して、前記高速のドアパネルの内側表面の前記低速のドアパネルの戸当り側端部の近傍部分にセンサビームを照射することが可能なことを特徴とする請求項7に記載のエレベータかごの出入口安全装置。
【請求項9】
左右に移動可能な低速のドアパネル及び高速のドアパネルを有し、その各ドアパネルがかごの出入口を閉鎖する戸閉位置と前記出入口の側方の戸袋部との間を、低速のドアパネルが低速で、高速のドアパネルが高速で移動することにより前記出入口を開閉する多段速構造のドア装置を備え、
前記出入口の前記戸袋部側の側部に設けられた出入口柱の内部に、前記各ドアパネルが戸閉位置にある状態のもとで、前記出入口柱と前記低速のドアパネルとの間の隙間を通して、前記低速のドアパネルの内側表面の前記出入口柱の近傍部分に、障害物検知用のセンサビームを照射することが可能な反射型光電式センサが設けられ、
前記低速のドアパネルの戸当り側端部の内部に、前記各ドアパネルが戸閉位置にある状態のもとで、前記低速のドアパネルと前記高速のドアパネルとの間の隙間を通して、前記高速のドアパネルの内側表面の前記低速のドアパネルの戸当り側端部の近傍部分に、障害物検知用のセンサビームを照射することが可能な反射型光電式センサが設けられていることを特徴とするエレベータかごの出入口安全装置。
【請求項10】
左右に移動可能な複数のドアパネルを有し、その各ドアパネルがかごの出入口を閉鎖する戸閉位置と前記出入口の両側方の戸袋部との間を、互いに逆の方向に向って移動することにより前記出入口を開閉する両開き式構造のドア装置を備え、
前記ドアパネルが戸閉位置にある状態もとで、前記両戸袋部側から前記出入口の両側部の出入口柱と前記ドアパネルとの間の隙間を通して、前記ドアパネルの内側表面の前記両出入口柱の近傍部分に、障害物検知用のセンサビームを照射することが可能な反射型光電式センサがそれぞれ設けられていることを特徴とするエレベータかごの出入口安全装置。
【請求項11】
左右に移動可能なドアパネルを有し、そのドアパネルがかごの出入口を閉鎖する戸閉位置と前記出入口の側方の戸袋部との間を移動することで前記出入口を開閉するドア装置を備え、
前記ドアパネルが戸閉位置にある状態もとで、前記ドアパネルの下方部から前記ドアパネルの内側表面の前記出入口柱の近傍部分に、障害物検知用のセンサビームを照射することが可能な反射型光電式センサが設けられていることを特徴とするエレベータかごの出入口安全装置。
【請求項1】
左右に移動可能なドアパネルを有し、そのドアパネルがかごの出入口を閉鎖する戸閉位置と前記出入口の側方の戸袋部との間を移動することで前記出入口を開閉するドア装置を備え、
前記ドアパネルが戸閉位置にある状態もとで、前記戸袋部側から前記出入口の側部の出入口柱と前記ドアパネルとの間の隙間を通して、前記ドアパネルの内側表面の前記出入口柱の近傍部分に、障害物検知用のセンサビームを照射することが可能な反射型光電式センサが設けられていることを特徴とするエレベータかごの出入口安全装置。
【請求項2】
前記反射型光電式センサが複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載のエレベータかごの出入口安全装置。
【請求項3】
前記複数の反射型光電式センサによるセンサビームの照射方向が互いに交わる方向となっていることを特徴とする請求項2に記載のエレベータかごの出入口安全装置。
【請求項4】
前記反射型光電式センサが前記出入口柱から前記戸袋部側に離れて配置されていることを特徴とする請求項1に記載のエレベータかごの出入口安全装置。
【請求項5】
前記反射型光電式センサのセンサビーム出射面に対向して光拡散用の凹レンズが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のエレベータかごの出入口安全装置。
【請求項6】
前記反射型光電式センサが前記出入口柱の内部に設けられ、その出入口柱に形成された開口から前記出入口柱と前記ドアパネルとの間の隙間を通して、前記ドアパネルの内側表面の前記出入口柱の近傍部分にセンサビームを照射することが可能なことを特徴とする請求項1に記載のエレベータかごの出入口安全装置。
【請求項7】
左右に移動可能な低速のドアパネル及び高速のドアパネルを有し、その各ドアパネルがかごの出入口を閉鎖する戸閉位置と前記出入口の側方の戸袋部との間を、低速のドアパネルが低速で、高速のドアパネルが高速で移動することにより前記出入口を開閉する多段速式構造のドア装置を備え、
前記各ドアパネルが戸閉位置にある状態のもとで、前記低速のドアパネル側からその低速のドアパネルと前記高速のドアパネルとの間の隙間を通して、前記高速のドアパネルの内側表面の前記低速のドアパネルの戸当り側端部の近傍部分に、障害物検知用のセンサビームを照射することが可能な反射型光電式センサが設けられていることを特徴とするエレベータかごの出入口安全装置。
【請求項8】
前記反射型光電式センサが前記低速のドアパネルの戸当り側端部の内部に設けられ、その戸当り側端部に形成された開口から前記低速のドアパネルと前記高速のドアパネルとの間の隙間を通して、前記高速のドアパネルの内側表面の前記低速のドアパネルの戸当り側端部の近傍部分にセンサビームを照射することが可能なことを特徴とする請求項7に記載のエレベータかごの出入口安全装置。
【請求項9】
左右に移動可能な低速のドアパネル及び高速のドアパネルを有し、その各ドアパネルがかごの出入口を閉鎖する戸閉位置と前記出入口の側方の戸袋部との間を、低速のドアパネルが低速で、高速のドアパネルが高速で移動することにより前記出入口を開閉する多段速構造のドア装置を備え、
前記出入口の前記戸袋部側の側部に設けられた出入口柱の内部に、前記各ドアパネルが戸閉位置にある状態のもとで、前記出入口柱と前記低速のドアパネルとの間の隙間を通して、前記低速のドアパネルの内側表面の前記出入口柱の近傍部分に、障害物検知用のセンサビームを照射することが可能な反射型光電式センサが設けられ、
前記低速のドアパネルの戸当り側端部の内部に、前記各ドアパネルが戸閉位置にある状態のもとで、前記低速のドアパネルと前記高速のドアパネルとの間の隙間を通して、前記高速のドアパネルの内側表面の前記低速のドアパネルの戸当り側端部の近傍部分に、障害物検知用のセンサビームを照射することが可能な反射型光電式センサが設けられていることを特徴とするエレベータかごの出入口安全装置。
【請求項10】
左右に移動可能な複数のドアパネルを有し、その各ドアパネルがかごの出入口を閉鎖する戸閉位置と前記出入口の両側方の戸袋部との間を、互いに逆の方向に向って移動することにより前記出入口を開閉する両開き式構造のドア装置を備え、
前記ドアパネルが戸閉位置にある状態もとで、前記両戸袋部側から前記出入口の両側部の出入口柱と前記ドアパネルとの間の隙間を通して、前記ドアパネルの内側表面の前記両出入口柱の近傍部分に、障害物検知用のセンサビームを照射することが可能な反射型光電式センサがそれぞれ設けられていることを特徴とするエレベータかごの出入口安全装置。
【請求項11】
左右に移動可能なドアパネルを有し、そのドアパネルがかごの出入口を閉鎖する戸閉位置と前記出入口の側方の戸袋部との間を移動することで前記出入口を開閉するドア装置を備え、
前記ドアパネルが戸閉位置にある状態もとで、前記ドアパネルの下方部から前記ドアパネルの内側表面の前記出入口柱の近傍部分に、障害物検知用のセンサビームを照射することが可能な反射型光電式センサが設けられていることを特徴とするエレベータかごの出入口安全装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−188216(P2012−188216A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−52741(P2011−52741)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(390025265)東芝エレベータ株式会社 (2,543)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(390025265)東芝エレベータ株式会社 (2,543)
【Fターム(参考)】
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