説明

エレベータのかご振動抑制装置

【課題】インターロック機構を動作させ、かつかごドア装置の駆動力をホールドア装置に伝達するための既存の機構を利用して簡単にかつ安価にかごの上下振動を抑えることが可能なエレベータのかご振動抑制装置を提供する。
【解決手段】かごドア装置1に設けられ、互いに対向する一対の係合ベーン3a,3bを有する係合装置3と、ホールドア装置2に設けられ、かごドア装置1がホールドア装置2に対向するときに、一対の係合ベーン3a,3b間に介在して係合するローラ17,21を有するインターロック機構11とを備え、係合ベーン3a,3bにはローラ17と対向する部分に摩擦部材26,27が設けられ、係合ベーン3a,3bがローラ17を挟み込む係合状態にあるときに、係合ベーン3a,3bの摩擦部材26,27とローラ17との間の摩擦力でかごの上下振動を抑える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明の実施形態は、エレベータのかごがエレベータホールに着床し、乗客がそのかごに乗り降りするときのかごの上下振動を抑制するエレベータのかご振動抑制装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータは、建屋の昇降路内にかごとつり合い重りを吊り下げてなる。かごとつり合い重りは、巻上機に巻き掛けられたメインロープを介して昇降路内に吊り下げられ、その巻上機による駆動で昇降路内で互いに逆方向に上下に昇降移動する。かご及びつり合い重りは、それぞれそれに対応して設けられたガイドレールに沿って移動する。
【0003】
建物の各階のエレベータホールには、エレベータのかごに乗降するための乗降口が設けられ、その乗降口に引き戸式のホールドア装置が設置されている。ホールドア装置は、通常時には閉鎖されていて、昇降路内を昇降するかごがエレベータホールに着床して停止した際に、そのかごのかごドア装置からの駆動力を受けて開閉動作する。また、ホールドア装置にはインターロック機構が備えられていて、ホールドア装置が戸閉したときにロックされ、戸開動作が開始されるときにそのロックが解除される。
【0004】
かごドア装置とホールドア装置との間には、かごドア装置の駆動力をホールドア装置に伝達し、かつインターロック機構を動作させるための係合装置が設けられている。この係合装置は、かごドア装置に設けられた一対の係合ベーンを備えている。一対の係合ベーンは互いに対向し、かごドア装置の開閉動作に応じてその対向間隔幅を変化させるようになっている。
【0005】
前記インターロック機構は、前記係合装置と係合する係合体として2個の係合ローラを備え、かごドア装置がホールドア装置に対向するときに、その2個の係合ローラが前記一対の係合ベーン間に介入する。そして、かごドア装置が戸開を開始するときに、その動作に応じて一対の係合ベーンの間隔幅が狭まって係合ローラが挟み込まれて係合し、この係合動作で前記インターロック機構が動作してホールドア装置のロックが解除されるとともに、係合装置とインターロック機構との係合でかごドア装置とホールドア装置とが連動して戸開方向に移動する。
【0006】
かごに対する乗客の乗り降りが終了し、かごドア装置が戸閉方向に移動して閉じ切るときには、一対の係合ベーンの間隔幅が広がって係合ローラとの間に隙間が生じ、これによりかごの昇降が可能となり、またその昇降中における係合ベーンと係合ローラとの接触が避けられる。
【0007】
ところで、かごがエレベータホールに着床停止して乗客がそのかごに対して乗り降りするときに、かごが上下に振動することがある。この振動は、かごを吊っているメインロープが乗客の乗降による荷重の変動で弾性的に伸縮することが主たる原因である。
【0008】
かごが上下に振動すると、かごに乗っている乗客は、ふわふわとした不安定で不気味な感じを受け、人によっては恐怖心を抱いてしまい、乗客に対するサービス性が低下する。
【0009】
そこで、例えばかごに摩擦部材を設け、かごの着床時にその摩擦部材を電磁アクチュエータの動力でかご用のガイドレールに押し付け、その摩擦力でかごの上下振動を抑制することが考えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2006−290566号公報
【特許文献2】公表WO2003/037773号公報
【特許文献3】特開2004−345776号公報
【特許文献4】特開2003−104655号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、摩擦部材を駆動するための電磁アクチュエータやその電磁アクチュエータを制御するための制御装置などの専用の部材を設ける構成では、構造が複雑でコストアップとなる難点がある。
【0012】
この発明の実施形態は、このような課題を解決することを目的とし、インターロック機構を動作させ、かつかごドア装置の駆動力をホールドア装置に伝達するための既存の機構を利用して簡単にかつ安価にかごの上下振動を抑えることが可能なエレベータのかご振動抑制装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
このような課題を解決するために、請求項1の発明は、エレベータのかごドア装置に設けられ、互いに対向する一対の係合ベーンを有し、その一対の係合ベーンの対向間隔幅が前記かごドア装置の開閉動作で変化する係合装置と、エレベータのホールドア装置に設けられ、そのホールドア装置の戸閉状態をロックする回動可能なロックレバー及び前記かごドア装置が前記ホールドア装置に対向するときに、前記一対の係合ベーン間に介在して係合する係合体を有し、その係合体と係合する一対の係合ベーンの対向間隔幅が前記かごドア装置の戸開動作に応じて狭まって前記係合体が挟み込まれる動作で、前記ロックレバーのロックが解除され、かつかごドア装置の動作にホールドア装置を連動させることが可能なインターロック機構とを備え、前記係合ベーンが前記係合体を挟み込む係合状態にあるときに、その係合体と係合ベーンとの間にかごの上下振動を抑える摩擦力を発生させる摩擦力発生手段が設けられていることを特徴としている。
【0014】
請求項2の発明は、前記係合体が、前記一対の係合ベーンで挟み込まれる回転自在なローラを含み、前記係合ベーンの少なくともいずれか一方に、前記ローラと接触する部分に摩擦発生手段として摩擦部材が設けられ、その摩擦部材を介して前記係合ベーンと前記ローラとの間にかごの上下振動を抑える摩擦力が発生することを特徴としている。
【0015】
請求項3の発明は、前記係合体が、前記一対の係合ベーンで挟み込まれる回転自在なローラを含み、摩擦発生手段として前記ローラの少なくとも表面の材料が摩擦係数の大きな材料で形成され、その材料に基づいて前記係合ベーンと前記ローラとの間にかごの上下振動を抑える摩擦力が発生することを特徴としている。
【0016】
請求項4の発明は、前記係合体が、前記インターロック機構に取り付けられた摩擦発生手段としてのブロック状の摩擦部材を含み、前記摩擦部材が前記係合ベーンで挟み込まれることでかごの上下振動を抑える摩擦力が発生することを特徴としている。
【0017】
請求項5の発明は、前記摩擦部材が前記インターロック機構に脱着可能に取り付けられていることを特徴としている。
【0018】
請求項6の発明は、前記摩擦部材が前記インターロック機構に揺動可能に取り付けられていることを特徴としている。
【0019】
請求項7の発明は、前記係合装置がガイドローラを備え、前記かごドア装置が開閉動作するときに、前記ガイドローラがガイドレールに沿って移動し、そのガイドレールには、前記かごドア装置の戸開動作終了時に前記係合装置の係合ベーンによる前記係合体との摩擦力を増大させる摩擦力増大手段が設けられていることを特徴としている。
【0020】
請求項8の発明は、前記摩擦力増大手段が、前記ガイドレールの端部に設けられた段差からなり、前記かごドア装置の戸開動作終了時に前記ガイドローラが前記段差に乗り上げることで、前記係合ベーンによる前記係合体との摩擦力を増大させることを特徴としている。
【0021】
請求項9の発明は、前記摩擦力増大手段が、前記ガイドレールの端部に設けられたスロープからなり、前記かごドア装置の戸開動作終了時に前記ガイドローラが前記スロープに乗り上げることで、前記係合ベーンによる前記係合体との摩擦力を増大させることを特徴としている。
【0022】
請求項10の発明は、前記摩擦力増大手段が、前記ガイドレールの端部に設けられた押圧装置で構成され、その押圧装置は、スプリングによる弾性的な付勢力が付与された押しロッドを有し、前記かごドア装置の戸開動作終了時に前記ガイドローラが前記押しロッドに前記付勢力に抗して当接することで、前記係合ベーンによる前記係合体との摩擦力を増大させることを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】この発明の第1の実施形態におけるかごドア装置の係合装置と、ホールドア装置のインターロック機構とを示す正面図。
【図2】その第1の実施形態におけるホールドア装置のインターロック機構を示す斜視図。
【図3】その第1の実施形態におけるかごドア装置の係合装置と、ホールドア装置のインターロック機構との係合時の状態を示す正面図。
【図4】この発明の第2の実施形態におけるかごドア装置の係合装置と、ホールドア装置のインターロック機構との係合時の状態を示す正面図。
【図5】その第2の実施形態におけるかごドア装置とホールドア装置の戸開時の状態を示す正面図。
【図6】その第2の実施形態におけるホールドア装置のインターロック機構を示す正面図。
【図7】そのインターロック機構の側面図。
【図8】この発明の第3の実施形態におけるホールドア装置のインターロック機構を示す正面図。
【図9】そのインターロック機構の一部分解の斜視図。
【図10】この発明の第4の実施形態におけるホールドア装置のインターロック機構を示す正面図。
【図11】そのインターロック機構の一部分解の斜視図。
【図12】この発明の第5の実施形態における摩擦力増大手段を示す正面図。
【図13】この発明の第6の実施形態における摩擦力増大手段を示す正面図。
【図14】この発明の第7の実施形態における摩擦力増大手段を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、この発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に示す各実施形態において、同一の又は対応する構成部分については図に同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0025】
図1〜図3には第1の実施形態を示してある。図1はかごの出入口を開閉するかごドア装置1と、各エレベータホールの乗降口を開閉するホールドア装置2とを示してある。かごドア装置1はかごの前面にドア枠部材を介して設置され、ホールドア装置2は乗降口の背面側にドア枠部材を介して設置されている。図1はかごドア装置1とホールドア装置2とが上下に離れているときの状態を示してある。
【0026】
かごドア装置1は、例えば一対のドアパネル1a,1bを備え、その一対のドアパネル1a,1bが左右に移動することでかごの出入口を開閉する両開き式構造で、ホールドア装置2は、一対のドアパネル2a,2bを備え、その一対のドアパネル2a,2bが左右に移動することでエレベータホールの乗降口を開閉する両開き式構造となっている。
【0027】
かごドア装置1のドアパネル1a,1bは、モータなどの駆動源の動力で互いに離間する戸開方向と互いに接近する戸閉方向とに移動するように制御される。ホールドア装置2のドアパネル2a,2bは、自閉機構により常時互いに接近する戸閉方向に弾性的に付勢されている。
【0028】
かごドア装置1の一方のドアパネル1aには、係合装置3が設けられている。この係合装置3は上下に長い一対の係合ベーン3a,3bを備え、これら係合ベーン3a,3bは断面L状をなし、一方の係合ベーン3aはドアパネル1aに固定されている。他方の係合ベーン3bは一方の係合ベーン3aと平行に配置されて対向し、複数のリンクバー5を介してその一方の係合ベーン3aに連結されている。各リンクバー5はその両端部がそれぞれピン6を介して一方の係合ベーン3a及び他方の係合ベーン3bに回動自在に枢着され、これらリンクバー5が一方の係合ベーン3aのピン6を中心に回動することで他方の係合ベーン3bが一方の係合ベーン3aに対して平行移動し、その一方の係合ベーン3aと他方の係合ベーン3bとの対向間隔幅Lが変化するようになっている。
【0029】
他方の係合ベーン3bにはガイドローラ7が回転自在に取り付けられ、またこのガイドローラ7に対応する位置にガイドレール8が水平に設けられている。ガイドレール8は、かごドア装置1を支持する枠部材に取り付けられ、水平方向に延びる水平部8aと、この水平部8aの一端側の端部に連なって斜め下方に傾斜する傾斜部8bとを有している。
【0030】
そしてかごドア装置1の戸閉時においては、ガイドローラ7がガイドレール8の傾斜部8bに接触し、この接触で係合ベーン3bが所定の高さ位置に保持されている。ガイドローラ7がガイドレール8の傾斜部8bに接触するときには、両係合ベーン3a,3bの間隔幅Lが広い幅に保持されている。
【0031】
一方、ホールドア装置2には、ドアパネル2a,2b相互を結合してその戸閉状態を保持するインターロック機構11が設けられている。このインターロック機構11は、図1及び図2に示すように、ベースプレート12を有し、このベースプレート12がホールドア装置2の一方のドアパネル2aに固定されている。ベースプレート12には、ロックレバー13が軸14を介して回動自在に取り付けられている。
【0032】
ロックレバー13は、一端側の端部が基部13aで、他端側の端部が鉤状に屈曲する係合部13bとなっており、基部13aが軸14を介してベースプレート12に取り付けられ、その軸14を中心に回動することが可能となっている。そしてロックレバー13を支持した軸14には、係合体としてのローラ17が回転自在に取り付けられている。ロックレバー13の基部13aにはその上方に延びるアーム部19が一体に形成され、このアーム部19に軸20を介して係合体としてのローラ21が回転自在に取り付けられている。ローラ21はローラ17よりもやや小さい直径となっている。
【0033】
ロックレバー13のアーム部19とベースプレート12との間には弾性体としてのばね22が設けられ、このばね22によりロックレバー13が反時計回り方向に弾性的に付勢されている。そしてその回動範囲を規制するストッパ23がロックレバー13に取り付けられている。
【0034】
図1に示すように、ホールドア装置2の他方のドアパネル2bには、ロックレバー13の係合部13bと係脱可能な掛止部24が設けられている。通常時には、ロックレバー13はほぼ水平に保たれ、係合部13bが掛止部24に係合し、この係合で一方のドアパネル2aと他方のドアパネル2bとが互いに結合されてロックされ、戸閉状態が保持さている。
【0035】
ロックレバー13がほぼ水平に保持されて係合部13bと掛止部24とが係合する状態のもとでは、軸14で支持されたローラ17に対し、軸20で支持されたローラ21が垂直線に対して片側に傾く位置に変位している。すなわち、軸14の中心と軸20の中心とを結ぶ直線が垂直線に対してドアパネル2aの戸当り側にθの角度だけ傾く関係にある。そしてローラ17に対してローラ21がθの角度で傾く状態のもとでは、ローラ17の戸開方向側の周面に接する垂直線と、ローラ17の戸閉方向側の周面に接する垂直線との間隔距離(以下、ローラ間隔距離という)がWとなっている。
【0036】
インターロック機構11のローラ17,21は、係合装置3の係合ベーン3a,3b間に対応する位置に配置されている。そして通常時には、ローラ間隔距離Wが係合ベーン3a,3b間の間隔幅Lより小さい(W<L)関係にある。そして、かごが移動し、かごドア装置1がホールドア装置2に対向するときに、ローラ17,21が係合ベーン3a,3bの間に介入する。かごがそのまま次の階のエレベータホールに向って移動するときには、W<Lの関係があるから、係合ベーン3a,3bはローラ17,21と何ら干渉することなく通過する。
【0037】
係合装置3の両係合ベーン3a,3bには、ローラ17と対向可能な位置に、摩擦発生手段として、シート状の摩擦部材26,27が取り付けられている。これら摩擦部材26,27は、ゴムなどの摩擦係数の大きい材料からなる。
【0038】
次にこの実施形態の作用について説明する。
【0039】
かごがある階のエレベータホールに移動して着床停止すると、図3に示すように、かごドア装置1とホールドア装置2とが互いに対向し、インターロック機構11のローラ17,21が係合ベーン3a,3b間に介在する。そしてこの状態のもとで、かごドア装置1のドアパネル1a,1bが駆動源の動力で互いに離間する戸開方向に移動する。
【0040】
ドアパネル1aが戸開方向に移動を開始すると、係合装置3の一方の係合ベーン3aがインターロック機構11の一方のローラ21に当接し、この当接でローラ21と一体的にロックレバー13が軸14を中心に時計回り方向に回動し、この回動で係合部13bが掛止部24から外れ、ホールドア装置2のドアパネル2a,2b相互のロックが解除される。
【0041】
また、このときほぼ同時に係合ベーン3bのガイドローラ7がガイドレール8の傾斜部8bに沿って斜め上方に移動する。そして、このガイドローラ7と一体的に係合ベーン3bが上方に平行移動し、この平行移動で係合ベーン3bが一方の係合ベーン3aに接近し、その間隔幅Lが狭まる。間隔幅Lが狭まることでインターロック機構11のローラ17,21がその係合ベーン3a,3bによりは挟み込まれ、係合装置3とインターロック機構11とが係合する。そして、この係合でかごドア装置1のドアパネル1aと一体的にホールドア装置2のドアパネル2aが戸開方向に移動する。なお、かごドア装置1の他方のドアパネル1bは一方のドアパネル1aと連動してその一方のドアパネル1aとは逆向きの戸開方向に移動し、ホールドア装置2の他方のドアパネル2bも一方のドアパネル2aと連動してその一方のドアパネル2aとは逆向きの戸開方向に移動する。
【0042】
かごドア装置1のドアパネル1aが戸開方向に移動するときには、ガイドローラ7はガイドレール8の傾斜部8bから水平部8aへ移行しその水平部8aの上を転動する。ガイドローラ7がガイドレール8の水平部8aへ移行することで、係合ベーン3bがさらに上昇し、間隔幅Lがさらに狭まり、ローラ17が両係合ベーン3a,3bで強く挟まれる。
【0043】
そして、各ドアパネル1a,1b,2a,2bが所定の戸開位置にまで達した際に、その移動が停止して戸開動作が終了し、戸開状態が保持され、この状態において、かごとエレベータホールとの間での乗客の乗り降りが行なわれる。
【0044】
この戸開時においては、ローラ17は一対の係合ベーン3a,3bで強く挟まれている。そして係合ベーン3a,3bにはローラ17と対向する部分に摩擦部材26,27が取り付けられている。このためローラ17と係合ベーン3a,3bとの間には強い摩擦力が生じている。特にローラ17はドアパネル2aの自閉力でより強く摩擦部材26に圧接してその間により大きな摩擦力が生じている。
【0045】
係合ベーン3a,3bはかごドア装置1に取り付けられ、係合体としてのローラ17は上下に不動のホールドア装置2に取り付けられているから、かごに対して乗客が乗り降りするときの荷重の変動でかごが上下に振動しようとするときのかごの動きがローラ17と係合ベーン3a,3bの摩擦部材26,27との摩擦力で抑えられる。このため、かごの上下振動がほとんどなく、かごに乗っている乗客が、ふわふわとした不気味な感じを受けたり、恐怖心を抱いたりすることなく、安心感をもってエレベータを利用することができる。
【0046】
乗客の乗り降りが終了したときには、駆動源の動力でかごドア装置1のドアパネル1a,1bがホールドア装置2のドアパネル2a,2bと一体的に戸閉方向に移動する。そして、かごドア装置1のドアパネル1a,1bが戸閉する直前の移動中に、ガイドローラ7がガイドレール8の傾斜部8bに達し、このガイドローラ7が主に係合ベーン3bの自重で係合ベーン3bと一体的に傾斜部8bに沿って斜め下方に移動する。
【0047】
係合ベーン3bの下方への移動で係合ベーン3a,3b間の間隔幅Lが開き、ローラ17,21に対する挟み込みが解除され、この直後にかごドア装置1におけるドアパネル1a,1bの戸当り側端部が突き当って移動が停止し、さらにホールドア装置2おけるドアパネル2a,2bが自閉力で戸閉方向に移動して戸当り側端部が突き当り、移動が停止する。
【0048】
ホールドア装置2おけるドアパネル2a,2bの戸当り側端部が突き当るときには、係合ベーン3a,3b間の間隔幅Lの開きでインターロック機構11のロックレバー13がローラ21と一体的に軸14を中心にばね22の弾性力で反時計回り方向に回動し、ロックレバー13の係合部13bが掛止部24に係合し、この係合でドアパネル2a,2b相互が結合されてロックされ、戸閉動作が終了する。そしてかごが次の目的階に向って移動する。
【0049】
なお、この第1の実施形態においては、係合装置3の双方の係合ベーン3a,3bにそれぞれ摩擦部材26,27を取り付けるようにしたが、いずれか一方の係合ベーン3a又は3bのみに摩擦発生手段としての摩擦部材を取り付けるような場合であってもよい。
【0050】
さらには、摩擦部材を用いずに、摩擦発生手段として、ローラ17の材料をゴムなどの摩擦係数の大きな材料とすることも可能である。この場合には、ローラ17がもつ摩擦機能により係合ベーン3a,3bとローラ17との間の摩擦力を高めてかごの上下振動を抑制することができる。
【0051】
この場合、ローラ17の全体の材料を摩擦係数の大きな材料とする形態であっても、係合ベーン3a,3bと接触するローラ17の周面の材料を摩擦係数の大きな材料とする形態の場合であってもよい。また、ローラ17の材料を摩擦係数の大きな材料とし、さらに係合ベーン3a,3bの双方、又はいずれか一方に摩擦部材を取り付けるような場合であってもよい。
【0052】
図4には第2の実施形態を示してある。この実施形態においては、インターロック機構11の前記第1の実施形態におけるローラ17に換えて、係合体としてブロック状の摩擦部材30がベースプレート12に脱着可能に取り付けられている。摩擦部材30は、インターロック機構11の係合体であるとともに、摩擦発生手段として機能し、ゴムなどの摩擦係数の大きな材料で上下に長いほぼ長方形に形成され、ローラ21の下側に配置されている。
【0053】
この実施形態では、図7に示すように、ベースプレート12が支持部12aを有し、この支持部12aに軸33が取り付けられ、この軸33を介してロックレバー13の基部13aが回動自在に支持されている。そして支持部12aの外面に摩擦部材30が配置され、この摩擦部材30が一対のビス34,35で支持部12aに脱着可能に固定されている。一方のビス34は摩擦部材30を貫通して軸33に螺挿され、他方のビス35は摩擦部材30を貫通して支持部12aに螺挿されている。そしてこれらビス34,35を抜き取ることで摩擦部材30を支持部12aから取り外すことが可能となっている。
【0054】
この実施形態の場合には、図4に示す戸閉状態からドアパネル1aが戸開方向に移動するときに、係合ベーン3bのガイドローラ7がガイドレール8の傾斜部8bに沿って斜め上方に移動し、この移動で係合ベーン3bが上方に押し上げられて図5に示すように両係合ベーン3a,3bの間隔幅Lが狭まる。
【0055】
ガイドローラ7がガイドレール8の傾斜部8bに沿って移動し、両係合ベーン3a,3bの間隔幅Lが狭まるときには、インターロック機構11のローラ21がロックレバー13と共に図7に示す軸33を中心に時計回り方向に回動し、ロックレバー13によるホールドア装置2のロックが解除されるとともに、係合ベーン3bが摩擦部材30に圧着し、摩擦部材30が両係合ベーン3a,3bで挟まれる。
【0056】
そして、この状態でドアパネル1a,1b,2a,2bが戸開方向に移動し、所定の戸開位置にまで移動した際に停止し、戸開動作が終了する。この状態において、かごとエレベータホールとの間での乗客の乗り降りが行なわれる。
【0057】
ホールドア装置2に設けられた摩擦部材30は、かごドア装置1に設けられた係合ベーン3a,3bと圧着して挟まれており、したがって摩擦部材30と係合ベーン3a,3bとの間には大きな摩擦力が発生し、このため乗客の乗降に伴うかごの上下振動がその摩擦力で抑えられ、かごの上下振動がほとんどなく、かごに乗っている乗客が不気味な感じを受けたり、恐怖心を抱いたりすることなく、安心感をもってエレベータを利用することができる。
【0058】
乗客の乗降が終了した後には、駆動源の動力でかごドア装置1のドアパネル1a,1bがホールドア装置2のドアパネル2a,2bと一体的に戸閉方向に移動する。そして、かごドア装置1のドアパネル1a,1bが戸閉する直前の移動中に、ガイドローラ7がガイドレール8の傾斜部8bに達し、このガイドローラ7が主として係合ベーン3bの自重で係合ベーン3bと一体的に傾斜部8bに沿って斜め下方に移動する。
【0059】
係合ベーン3bの下方への移動で係合ベーン3a,3b間の間隔幅Lが開き、摩擦部材30及びローラ21に対する挟み込みが解除され、この直後にかごドア装置1におけるドアパネル1a,1bの戸当り側端部が突き当って移動が停止し、さらにホールドア装置2おけるドアパネル2a,2bが自閉力で戸閉方向に移動して戸当り側端部が突き当り、移動が停止する。
【0060】
ホールドア装置2おけるドアパネル2a,2bの戸当り側端部が突き当るときには、係合ベーン3a,3b間の間隔幅Lの開きでインターロック機構11のロックレバー13がローラ21と一体的に軸33を中心にばね22の弾性力で反時計回り方向に回動し、ロックレバー13の係合部13bが掛止部24に係合し、この係合でドアパネル2a,2b相互が結合されてロックされ、戸閉動作が終了する。そしてかごが次の目的階に向って移動する。
【0061】
摩擦部材30は、ベースプレート12の支持部12aに脱着可能に取り付けられており、したがって摩擦部材30が劣化したような場合に、その摩擦部材30を取り外し、他の新たな摩擦部材30と容易に交換することができる。
【0062】
前記第2の実施形態では、摩擦部材30をベースプレート12の支持部12aに剛構造で取り付けてあるが、図8及び図9に第3の実施形態として示すように柔構造で取り付けることも可能である。すなわち、第3の実施形態においては、図9に示すように、ベースプレート12の支持部12aの外面に、支持シャフト36及び支持ピン37が一体的に設けられている。摩擦部材30には支持シャフト36の外径よりもやや大きい内径の透孔38及び支持ピン37の外径よりもやや大きい内径の透孔39が形成され、透孔38が支持シャフト36に遊嵌され、透孔39が支持ピン37に遊嵌され、かつ支持シャフト36の端面に抜止め用のビス40が螺挿されている。ビス40は摩擦部材30に圧接せず、単に摩擦部材30の抜止めを図っている。したがって、摩擦部材30は支持シャフト36及び支持ピン37に遊びをもって支持され、上下左右に揺動変位することが可能となっている。
【0063】
この実施形態の場合には、戸開時において、係合ベーン3a,3b間の間隔幅Lが狭まってその両係合ベーン3a,3bで摩擦部材30が挟まれるときに、その係合ベーン3a,3bに傾きが生じて摩擦部材30に偏荷重が加わるようなことがあっても、その係合ベーン3a,3bの傾きに応じて摩擦部材30が揺動変位し、その揺動変位により摩擦部材30の側面に係合ベーン3a,3bが適切にかつ均一に密着し、したがってその傾きにかかわらず、強い摩擦力が得られる。
【0064】
図10及び図11には第4の実施形態を示してある。この実施形態においては、インターロック機構11におけるロックレバー13の基部13aを回動自在に支持した軸14と、ロックレバー13のアーム部19に取り付けられた軸20との間に跨って、インターロック機構11の係合体として摩擦部材43が設けられている。
【0065】
摩擦部材43は、インターロック機構11の係合体であるとともに、摩擦発生手段として機能し、ゴムなどの摩擦係数の大きな材料により、両端外周面が半円状で、両側面が平行な平坦面であるほぼ小判形に形成され、一端部が軸14に回動自在に嵌合され、他端部が軸20に回動自在に嵌合されている。そして、軸14の端面には摩擦部材43の抜止め用のビス45が螺挿されている。
【0066】
摩擦部材43は、ロックレバー13がほぼ水平に保持されて係合部13bと掛止部24とが係合する状態のもとでは、図10に鎖線で示すように、垂直線に対してドアパネル2aの戸当り側にθの角度だけ傾いている。
【0067】
この実施形態の場合には、戸閉状態からドアパネル1aが戸開方向に移動し、係合ベーン3bのガイドローラ7がガイドレール8の傾斜部8bに沿って斜め上方に移動し、この移動で係合ベーン3bが上方に押し上げられて両係合ベーン3a,3bの間隔幅Lが狭まるときに、傾斜状態にある摩擦部材43の上部及び下部がその両係合ベーン3a,3bで押圧され、その押圧力で摩擦部材43及びロックレバー13が軸14を中心に時計回り方向に回動し、ロックレバー13によるホールドア装置2のロックが解除されるとともに、摩擦部材43が垂直に起立し、両係合ベーン3a,3bが摩擦部材30の両側面に圧着する。
【0068】
そして、この状態でドアパネル1a,1b,2a,2bが戸開方向に移動し、所定の戸開位置にまで移動した際に停止し、戸開動作が終了する。この状態において、かごとエレベータホールとの間での乗客の乗り降りが行なわれる。
【0069】
ホールドア装置2に設けられた摩擦部材43は、かごドア装置1に設けられた係合ベーン3a,3bと圧着して挟まれており、したがって摩擦部材43と係合ベーン3a,3bとの間には大きな摩擦力が生じ、このため乗客の乗降に伴うかごの上下振動がその摩擦力で抑えられ、かごの上下振動がほとんどなく、かごに乗っている乗客が不気味な感じを受けたり、恐怖心を抱いたりすることなく、安心感をもってエレベータを利用することができる。
【0070】
乗客の乗降が終了した後には、駆動源の動力でかごドア装置1のドアパネル1a,1bがホールドア装置2のドアパネル2a,2bと一体的に戸閉方向に移動する。そして、かごドア装置1のドアパネル1a,1bが戸閉する直前の移動中に、ガイドローラ7がガイドレール8の傾斜部8bに達し、このガイドローラ7が主として係合ベーン3bの自重で係合ベーン3bと一体的に傾斜部8bに沿って斜め下方に移動する。
【0071】
係合ベーン3bの下方への移動で係合ベーン3a,3b間の間隔幅Lが開き、摩擦部材43に対する挟み込みが解除され、この直後にかごドア装置1におけるドアパネル1a,1bの戸当り側端部が突き当って移動が停止し、さらにホールドア装置2おけるドアパネル2a,2bが自閉力で戸閉方向に移動して戸当り側端部が突き当り、移動が停止する。
【0072】
ホールドア装置2おけるドアパネル2a,2bの戸当り側端部が突き当るときには、係合ベーン3a,3b間の間隔幅Lの開きでインターロック機構11のロックレバー13が摩擦部材43と一体的に軸14を中心にばね22の弾性力で反時計方向に回動し、ロックレバー13の係合部13bが掛止部24に係合し、この係合でドアパネル2a,2b相互が結合されてロックされ、戸閉動作が終了する。そしてかごが次の目的階に向って移動する。
【0073】
前記第1〜第4の実施形態では、戸開動作の開始時に係合ベーン3bのガイドローラ7がガイドレール8の傾斜部8bに沿って上昇移動し、そのガイドローラ7が水平部8aの上に乗り上げて係合ベーン3a,3b間の間隔幅Lが狭まるときに、その係合ベーン3a,3bでインターロック機構11の係合体を挟み込んで摩擦力を生じさせているが、図12〜図14に第5〜第7の実施形態として示すように、戸開動作が完了する戸開動作終了時にさらに摩擦力を増大させる摩擦力増大手段を設けることも可能である。
【0074】
すなわち、図12に示す第5の実施形態においては、ガイドレール8の終端側端部つまり傾斜部8bの反対側で戸開終了時にガイドローラ7が到達する部分に、摩擦力増大手段としてガイドレール8の水平部8aよりも高さの高い段差50が設けられている。
【0075】
この実施形態では、戸開開始時にガイドローラ7がガイドレール8の傾斜部8bに沿って上昇移動することで、係合ベーン3a,3b間の間隔幅Lが狭まり、その両係合ベーン3a,3bで係合体が挟まれ、かごドア装置1とホールドア装置2とが互いに係合する。そして、戸開動作が完了する戸開動作終了時の直前にガイドローラ7がガイドレール8の段差50の上に乗り上げ、戸開動作が終了する。ガイドローラ7がガイドレール8の段差50の上に乗り上げることで、係合ベーン3bがさらに上方に押し上げられ、両係合ベーン3a,3bの間隔幅Lがさらに狭まり、これにより両係合ベーン3a,3bと係合体とが強く圧着し、その両係合ベーン3a,3bと係合体との間の摩擦力が増大し、この摩擦力の増大でかごの上下振動がより的確に抑制される。
【0076】
図13に示す第6の実施形態では、ガイドレール8の終端側端部に摩擦力増大手段としてスロープ51が形成されている。このスロープ51はガイドレール8の終端側端部に、傾斜部8bの反対側に向って水平部8aよりも斜め上方に漸次高くなる傾斜面となっている。
【0077】
この実施形態では、戸開開始時にガイドローラ7がガイドレール8の傾斜部8bに沿って上昇移動することで、係合ベーン3a,3b間の間隔幅Lが狭まり、その両係合ベーン3a,3bで係合体が挟まれ、かごドア装置1とホールドア装置2とが互いに係合する。そして、戸開動作が完了する戸開動作終了時の直前にガイドローラ7がガイドレール8のスロープ51の上に乗り上げ、戸開動作が終了する。ガイドローラ7がガイドレール8のスロープ51の上に乗り上げることで、係合ベーン3bがさらに上方に押し上げられ、両係合ベーン3a,3bの間隔幅Lがさらに狭まり、これにより両係合ベーン3a,3bと係合体とが強く圧着し、その両係合ベーン3a,3bと係合体との間の摩擦力が増大し、この摩擦力の増大でかごの上下振動がより的確に抑制される。
【0078】
図14に示す第7の実施形態では、ガイドレール8の終端側端部に摩擦力増大手段として押圧装置54が設けられている。この押圧装置54は、かごのドア枠部材55の上に設置されたフレーム56と、このフレーム56に水平移動可能に設けられた押しロッド57と、この押しロッド57をガイドレール8の終端側端部に向けて弾性的に付勢するスプリング58とを備えている。押しロッド57の先端部はフレーム56から突出し、ガイドレール8の終端側端部の上方部に位置し、ガイドローラ7がガイドレール8の終端側端部に達したときに、そのガイドローラ7が押しロッド57の先端部に当接してその押しロッド57をスプリング58の弾性力に抗して押し込むことが可能となっている。
【0079】
この実施形態では、戸開開始時にガイドローラ7がガイドレール8の傾斜部8bに沿って上昇移動することで、係合ベーン3a,3b間の間隔幅Lが狭まり、その両係合ベーン3a,3bで係合体が挟まれ、かごドア装置1とホールドア装置2とが互いに係合する。そして、戸開動作が完了する戸開動作終了時の直前にガイドローラ7が押しロッド57の先端部に当接してその押しロッド57をスプリング58の弾性力に抗して押し込み、戸開動作が終了する。
【0080】
ガイドローラ7が押しロッド57をスプリング58の弾性力に抗して押し込むことで、その反力がガイドローラ7に加わる。つまり、ガイドローラ7を戸閉方向に弾性的に押圧する押圧力が加わる。この押圧力は、係合ベーン3bを押し上げ、両係合ベーン3a,3bの間隔幅Lを狭める方向の弾性力として作用し、この弾性力により両係合ベーン3a,3bと係合体とが強く圧着し、その両係合ベーン3a,3bと係合体との間の摩擦力が増大し、この摩擦力の増大でかごの上下振動がより的確に抑制される。
【0081】
なお、以上において説明したこの発明の各実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この発明の新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。その実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0082】
1…かごドア装置
1a.1b…ドアパネル
2…ホールドア装置
2a.2b…ドアパネル
3…係合装置
3a.3b…係合ベーン
7…ガイドローラ
8…ガイドレール
8a…水平部
8b…傾斜部
11…インターロック機構
12…ベースプレート
12a…支持部
13…ロックレバー
14…軸
17.21…ローラ
19…アーム部
20…軸
26.27…摩擦部材
30…摩擦部材
36…支持シャフト
37…支持ピン
38.39…透孔
43…摩擦部材
50…段差
51…スロープ
54…押圧装置
55…ドア枠部材
56…フレーム
57…ロッド
58…スプリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータのかごドア装置に設けられ、互いに対向する一対の係合ベーンを有し、その一対の係合ベーンの対向間隔幅が前記かごドア装置の開閉動作で変化する係合装置と、
エレベータのホールドア装置に設けられ、そのホールドア装置の戸閉状態をロックする回動可能なロックレバー及び前記かごドア装置が前記ホールドア装置に対向するときに、前記一対の係合ベーン間に介在して係合する係合体を有し、その係合体と係合する一対の係合ベーンの対向間隔幅が前記かごドア装置の戸開動作に応じて狭まって前記係合体が挟み込まれる動作で、前記ロックレバーのロックが解除され、かつかごドア装置の動作にホールドア装置を連動させることが可能なインターロック機構とを備え、
前記係合ベーンが前記係合体を挟み込む係合状態にあるときに、その係合体と係合ベーンとの間にかごの上下振動を抑える摩擦力を発生させる摩擦力発生手段が設けられていることを特徴とするエレベータのかご振動抑制装置。
【請求項2】
前記係合体は、前記一対の係合ベーンで挟み込まれる回転自在なローラを含み、前記係合ベーンの少なくともいずれか一方に、前記ローラと接触する部分に摩擦発生手段として摩擦部材が設けられ、その摩擦部材を介して前記係合ベーンと前記ローラとの間にかごの上下振動を抑える摩擦力が発生することを特徴とする請求項1に記載のエレベータのかご振動抑制装置。
【請求項3】
前記係合体は、前記一対の係合ベーンで挟み込まれる回転自在なローラを含み、摩擦発生手段として前記ローラの少なくとも表面の材料が摩擦係数の大きな材料で形成され、その材料に基づいて前記係合ベーンと前記ローラとの間にかごの上下振動を抑える摩擦力が発生することを特徴とする請求項1又は2に記載のエレベータのかご振動抑制装置。
【請求項4】
前記係合体は、前記インターロック機構に取り付けられた摩擦発生手段としてのブロック状の摩擦部材を含み、前記摩擦部材が前記係合ベーンで挟み込まれることでかごの上下振動を抑える摩擦力が発生することを特徴とする請求項1に記載のエレベータのかご振動抑制装置。
【請求項5】
前記摩擦部材は前記インターロック機構に脱着可能に取り付けられていることを特徴とする請求項4に記載のエレベータのかご振動抑制装置。
【請求項6】
前記摩擦部材は前記インターロック機構に揺動可能に取り付けられていることを特徴とする請求項4又は5に記載のエレベータのかご振動抑制装置。
【請求項7】
前記係合装置はガイドローラを備え、前記かごドア装置が開閉動作するときに、前記ガイドローラがガイドレールに沿って移動し、そのガイドレールには、前記かごドア装置の戸開動作終了時に前記係合装置の係合ベーンによる前記係合体との摩擦力を増大させる摩擦力増大手段が設けられていることを特徴とする請求項1乃至6に記載のエレベータのかご振動抑制装置。
【請求項8】
前記摩擦力増大手段は、前記ガイドレールの端部に設けられた段差からなり、前記かごドア装置の戸開動作終了時に前記ガイドローラが前記段差に乗り上げることで、前記係合ベーンによる前記係合体との摩擦力を増大させることを特徴とする請求項7に記載のエレベータのかご振動抑制装置。
【請求項9】
前記摩擦力増大手段は、前記ガイドレールの端部に設けられたスロープからなり、前記かごドア装置の戸開動作終了時に前記ガイドローラが前記スロープに乗り上げることで、前記係合ベーンによる前記係合体との摩擦力を増大させることを特徴とする請求項7に記載のエレベータのかご振動抑制装置。
【請求項10】
前記摩擦力増大手段は、前記ガイドレールの端部に設けられた押圧装置で構成され、その押圧装置は、スプリングによる弾性的な付勢力が付与された押しロッドを有し、前記かごドア装置の戸開動作終了時に前記ガイドローラが前記押しロッドに前記付勢力に抗して当接することで、前記係合ベーンによる前記係合体との摩擦力を増大させることを特徴とする請求項7に記載のエレベータのかご振動抑制装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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