説明

エレベータのドア制御装置

【課題】本発明は、子供を含めた背の低い乗客に対する戸袋への引込み防止を図りつつ、戸開時の誤検出を減少させることができるエレベータのドア制御装置を得ることを目的とするものである。
【解決手段】縦枠5の敷居部1a側には、障害物検出部としての光電装置7が埋設されている。光電装置7は、障害物を検出すると、反射光7dの周波数等を測定することにより、検出光7cが入射した障害物から受光部7bの受光位置までの距離を測定する。また、光電装置7には、ドア開閉制御部としてのドア開閉制御装置8が接続されている。さらに、光電装置7は、距離情報をドア開閉制御装置8に送る。ドア開閉制御装置8には、有効検出範囲及び無効範囲が設定されている。有効検出範囲とは、敷居部1a付近から所定の高さまでの範囲であり、光電装置7により検出された障害物を有効とする範囲である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばエレベータドアと出入口枠との間の隙間等である出入口に設けられた隙間への障害物の引込みを防ぐために、出入口の開口面の障害物の検出状況に応じてエレベータドアの開閉を制御するエレベータのドア制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的なエレベータドアと出入口枠(出入口柱)との間には、数mm程度の幅の隙間が存在しており、背丈の小さい子供の手等の障害物がこの隙間へ入り込むことがある。そして、エレベータドアの開放に伴いこの隙間への障害物の引込みが発生することがあった。
この引込みに対して、従来のエレベータ装置では、出入口枠の床側に設けられた投光器により出入口枠の縦枠に沿って出射された検出光を、出入口枠の上枠に設けられた受光器が受光し、エレベータドアの開放時に検出光が遮断されると、縦枠付近の障害物が検出され、障害物の検出状況に応じてエレベータドアの開閉が制御されており、この隙間へのエレベータドアの開放に伴う障害物の引込みを防いでいる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−265175号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような従来のエレベータ装置では、エレベータドアが全開となるまで検出光が監視されており、床付近から上枠までを障害物の検出範囲としているため、エレベータドアが全開になる前にかごの乗降を行おうとする乗客の肩等の身体の一部により検出光が遮断され、障害物が検出されたと制御部により判断されることがある。この場合の障害物の検出によって戸開が停止されると、乗客によるかごの乗降が阻害されることがあった。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、子供の乗客に対して出入口に設けられた隙間への引込み防止を図りつつ、乗客によるかごの乗降を円滑にすることができるエレベータのドア制御装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るエレベータのドア制御装置は、エレベータドアの表面と出入口枠のエレベータドアの対向面との間の隙間付近の障害物を検出するとともに、障害物の被検出位置の高さを測定する障害物検出部、及び障害物検出部から障害物の被検出位置の高さの情報を受け、障害物の被検出位置の高さが予め設定された所定の高さ以下であるかどうかに応じてエレベータドアの開閉を制御するドア開閉制御部を備えている。
【発明の効果】
【0007】
この発明のエレベータのドア制御装置では、障害物の被検出位置の高さが予め設定された所定の高さ以下かどうかに応じてエレベータドアの開閉を制御するので、成人の被検出位置よりも子供の被検出位置の方が一般的に低いことにより、所定の高さ以下の被検出位置である子供に対してエレベータドアと出入口枠との間の隙間への引込み防止を図りつつ、所定の高さを超えた被検出位置である成人を検出しないことにより、乗客によるかごの乗降を円滑にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるかごドアを示す正面図である。図2は、図1のドア開閉制御装置8を具体的に示すブロック図である。
図において、昇降路を昇降するかご1の出入口には、敷居部1aが設けられている。また、かご1の出入口は、高速戸2及び低速戸3を有する片開き式のかごドア(エレベータドア)により開閉される。さらに、かご1の出入口には、出入口枠4が設けられている。出入口枠4は、上下方向に平行な一対の縦枠5と、一対の縦枠5の間に設けられ水平方向に平行な上枠6とを有している。
【0009】
縦枠5の敷居部1a側には、障害物検出部としての光電装置7が埋設されている。光電装置7は、投光部7a及び受光部7bを有している。投光部7aは、縦枠5に沿って検出光7cを出射する。受光部7bは、出射された検出光7cが障害物へ入射し、検出光7cの反射による反射光7dを受ける。従って、光電装置7は、受光部7bが反射光7dを受けることにより、縦枠5付近(低速戸3の表面と縦枠5の低速戸3の対向面との間の隙間付近)の障害物を検出する。
【0010】
また、光電装置7は、障害物を検出すると、反射光7dの周波数等を測定することにより、検出光7cが入射した障害物の被検出位置から受光部7bの受光位置までの距離を測定する。さらに、光電装置7は、障害物の被検出位置までの距離の測定結果を示す距離情報を生成する。さらにまた、光電装置7の障害物の検出状況は、ドア開閉制御部としてのドア開閉制御装置(制御マイコン)8により監視されている。また、光電装置7は、距離情報をドア開閉制御装置8に送る。
【0011】
ドア開閉制御装置8は、演算処理を行うCPU8a、CPU8aの演算結果等を記憶するRAM8b、ドア開閉制御装置8の動作を行うためのプログラム等が格納されたROM8c、外部から受けたパルス信号を計数するパルス計数部(パルスカウントユニット)8d、光電装置7からの距離情報を受ける入出力部(入出力ポート)8e、及びPWM信号を発生するPWM(Pulse Width Modulation)信号出力部(PWMユニット)8fを有している。
【0012】
また、ドア開閉制御装置8は、かご1の昇降を制御するエレベータ制御装置(図示せず)から戸開指令を受けると、駆動制御装置9を介して、高速戸2及び低速戸3の開閉を駆動するドアモータ10の回転を制御する。即ち、ドア開閉制御装置8は、高速戸2及び低速戸3の開閉を制御する。駆動制御装置9は、ドア開閉制御装置8からのPWM信号に応じてゲート信号を発生するゲート信号出力部(ゲート信号発生回路)9aと、ゲート信号出力部からのゲート信号に基づく大きさの駆動電圧をドアモータ10へ出力する駆動電圧出力部(パワー回路)9bとを有している。ドアモータ10の回転軸には、回転に応じたパルス信号を発生するパルスエンコーダ11が取り付けられている。パルスエンコーダ11から発生したパルス信号は、ドア開閉制御装置8に伝達され、パルス計数部8dにより計数される。
【0013】
さらに、ドア開閉制御装置8には、有効検出範囲及び無効範囲が設定されている。有効検出範囲とは、敷居部1a付近から所定の高さ(例えば1000mm)までの範囲であり、光電装置7により検出された障害物を有効とする範囲である。無効範囲とは、所定の高さから上枠6までの範囲であり、光電装置7により検出された障害物を無効とする範囲である。さらにまた、ドア開閉制御装置8は、有効検出範囲及び無効範囲を、予め設定された閾値により互いに区切る。この閾値とは、敷居部1a付近から上枠6までの間の所定の高さに対応する値である。
【0014】
また、ドア開閉制御装置8は、光電装置7からの距離情報と設定された閾値とに基づいて、障害物の被検出位置の高さが有効検出範囲内であるかどうかを判別する。そして、ドア開閉制御装置8は、障害物が有効検出範囲内であれば、検出された障害物が有効であると判断する。一方、ドア開閉制御装置8は、受けた反射光7dが無効範囲のものであれば、検出された障害物が無効であると判断する。
【0015】
さらに、ドア開閉制御装置8は、高速戸2及び低速戸3の開放時において、検出された障害物が有効であると判断すれば、引込み防止動作を行う。引込み防止動作とは、乗客を含めた障害物が低速戸3と縦枠5との間の隙間(戸袋)に引き込まれることを防ぐためのドア開閉制御装置8による動作であり、例えば高速戸2及び低速戸3の開放を停止させたり、開放途中の高速戸2及び低速戸3を反転させて閉鎖させたり、かご1内へ音声アナウンスを出力する等の動作である。
【0016】
次に、動作について説明する。まず、高速戸2及び低速戸3が全閉時に、エレベータ制御装置から戸開指令が出力されると、戸開指令を受けたドア開閉制御装置8により高速戸2及び低速戸3の開放が開始される。このとき、投光部7aから検出光7cが出射されており、検出光7cの障害物への入射により発生した反射光7dを受光部7bが受けるかどうかを、光電装置7が監視している。
【0017】
そして、受光部7bが反射光7dを受けると、光電装置7は、反射光7dの例えば周波数等を測定することにより受光部7bの受光位置から障害物の被検出位置までの距離を測定し、距離情報をドア開閉制御装置8へ送る。距離情報を受けたドア開閉制御装置8は、障害物の被検出位置が有効検出範囲内であるかどうかを確認する。障害物の被検出位置が有効検出範囲内でなければ、ドア開閉制御装置8は、検出された障害物が無効であると判断し、そのまま高速戸2及び低速戸3を開放する。一方、障害物の被検出位置が有効検出範囲内であれば、ドア開閉制御装置8は、障害物が有効であると判断し、引込み防止動作を行う。また、光電装置7が障害物を検出していない場合、ドア開閉制御装置8は、そのまま高速戸2及び低速戸3を開放する。
【0018】
上記のようなエレベータのドア制御装置では、光電装置により障害物が検出されると、障害物の被検出位置の高さが予め設定された所定の高さ以下かどうかに応じて高速戸及び低速戸の開閉を制御するので、成人の被検出位置よりも子供の被検出位置の方が一般的に低いことにより、所定の高さ以下の被検出位置である子供に対してエレベータドアと出入口枠との間の隙間への引込み防止を図りつつ、所定の高さを超えた被検出位置である成人を検出しないことにより、乗客によるかごの乗降を円滑にさせることができ、乗客の利便性を向上させることができる。
【0019】
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2について説明する。図3は、実施の形態2によるエレベータドアを示す正面図である。図において、実施の形態1では、縦枠5の敷居部1a側に光電装置7が埋設されていれていたが、実施の形態2では、上枠6の戸袋側に光電装置7が埋設されている。投光部7aは、上枠6から敷居部1aに向けて、縦枠5に沿うように検出光7cを出射する。他の構成及び動作は実施の形態1と同様である。
【0020】
上記のようなエレベータのドア制御装置では、上枠の戸袋側に光電装置が配置された場合であっても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0021】
実施の形態3.
次に、この発明の実施の形態3について説明する。図4は、実施の形態3によるエレベータドアを示す正面図である。図において、実施の形態2では、上枠6の戸袋側に光電装置7が埋設されていたが、実施の形態3では、縦枠5の上枠6側に光電装置7が埋設されている。投光部7aは、縦枠5の上枠6側から敷居部1aに向けて、縦枠5に沿うように検出光7cを出射する。他の構成及び動作は実施の形態2と同様である。
【0022】
上記のようなエレベータのドア制御装置では、縦枠の上枠側に光電装置が配置された場合であっても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0023】
実施の形態4.
次に、この発明の実施の形態4について説明する。図5は、実施の形態4によるエレベータドアを示す正面図である。図において、実施の形態3では、単数の光電装置7が縦枠5に埋設されていたが実施の形態4では、複数(2つ)の光電装置7が上下方向に互いに間隔を空けて縦枠5の中間部に埋設されている。各光電装置7の投光部7aは、互いに交差するように、かつ縦枠5に沿うように検出光7cを出射する。ドア開閉制御装置8には、各光電装置7の設置位置の情報が登録されている。また、ドア開閉制御装置8は、光電装置7毎から距離情報を受ける。そして、ドア開閉制御装置8は、光電装置7毎からそれぞれ受けた距離情報と、各光電装置7の設置位置の情報とに基づいて、障害物が有効検出範囲内かどうかを判別する。他の構成及び動作は実施の形態3と同様である。
【0024】
上記のようなエレベータのドア制御装置では、複数の光電装置が縦枠に配置されている場合であっても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0025】
実施の形態5.
次に、この発明の実施の形態5について説明する。図6は、実施の形態5によるエレベータドアを示す正面図である。図において、実施の形態4では、投光部7aからの検出光7cが互いに交差するように出射されていたが、実施の形態5では、投光部7aからの検出光7cが互いに平行となるように縦枠5の中間部から敷居部1aに向けて出射されている。他の構成及び動作は実施の形態4と同様である。
【0026】
上記のようなエレベータのドア制御装置では、複数の光電装置が縦枠に配置されている場合であっても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0027】
なお、実施の形態4,5では、2つの光電装置7が縦枠5に配置されていたが、2つに限るものではなく、3つ以上の障害物検出部が縦枠に配置されていてもよい。
【0028】
また、実施の形態1〜5では、片開き式エレベータドアについて説明したが、この発明は、両開き式エレベータドアに適用してもよい。
【0029】
実施の形態6.
次に、この発明の実施の形態6について説明する。図7は、実施の形態6によるエレベータドアを示す正面図である。図において、実施の形態1では、光電装置7が縦枠5の敷居部1a側に埋設されていたが、実施の形態6では、光電装置7が低速戸3の反開放方向側の側面部に埋設されている。光電装置7は、高速戸2の開放方向側の端部と低速戸3の反開放方向側の端部との間の隙間付近の障害物を検出する。他の構成及び動作は実施の形態1と同様である。
【0030】
上記のようなエレベータのドア制御装置では、光電装置により障害物が検出されると、障害物の被検出位置の高さが予め設定された所定の高さ以下かどうかに応じて高速戸及び低速戸の開閉を制御するので、成人の被検出位置よりも子供の被検出位置の方が一般的に低いことにより、所定の高さ以下の被検出位置である子供に対して高速戸と低速戸との間の隙間への引込み防止を図りつつ、所定の高さを超えた被検出位置である成人を検出しないことにより、乗客によるかごの乗降を円滑にさせることができ、乗客の利便性を向上させることができる。
【0031】
実施の形態7.
次に、この発明の実施の形態7について説明する。図8は、実施の形態7によるエレベータドアを示す正面図である。図において、実施の形態6では、光電装置7が低速戸3の反開放方向側の側面部に埋設されていたが、実施の形態7では、光電装置7が低速戸3の上端部の反開放方向側へ突出するように取り付けられている。光電装置7は、低速戸3と一体となって移動する。他の構成及び動作は実施の形態6と同様である。
【0032】
上記のようなエレベータのドア制御装置では、光電装置が低速戸の上端部の反開放方向側へ突出するように取り付けられている場合であっても、実施の形態6と同様の効果を得ることができる。
【0033】
実施の形態8.
次に、この発明の実施の形態8について説明する。図9は、実施の形態8によるドア開閉制御装置8に設定された複数の有効検出範囲を説明するための説明図である。図において、ドア開閉制御装置8には、敷居部1a付近から互いに異なる高さまでの検出範囲である有効検出範囲A及びBが設定されている。ここで、有効検出範囲A及びBの検出範囲の一例として、有効検出範囲Aは、敷居部1a付近から上枠6付近までの検出範囲であり、有効検出範囲Bは、敷居部1aから所定の高さ(1000mm程度)までの検出範囲である。
【0034】
また、ドア開閉制御装置8には、高速戸2及び低速戸3の全閉位置と全開位置との間で位置C及びDが設定されている。さらに、ドア開閉制御装置8には、パルスエンコーダ11からのパルス信号に基づいて、高速戸2の先端部(反開放側の端部)の位置を監視している。さらにまた、ドア開閉制御装置8は、高速戸2の先端部の位置に応じて、有効検出範囲A、有効検出範囲B、及び検出停止を切り換える。他の構成は実施の形態1〜7のいずれかと同様である。
【0035】
次に、動作について説明する。図10は、実施の形態8によるドア開閉制御装置8の検出範囲の切換動作を示すフローチャートである。図において、まず、ドア開閉制御装置8は、エレベータ制御装置からの戸開指令を受けて戸開動作開始となったかどうかを確認し(ステップS1)、戸開指令を受けるまで待機する。戸開動作開始となると、ドア開閉制御装置8は、障害物の検出範囲を有効検出範囲Aとする(ステップS2)。そして、ドア開閉制御装置8は、高速戸2の先端部が高速戸2の先端部が全閉位置から位置Cに達したかどうかを確認し(ステップS3)、高速戸2の先端部が位置Cに達するまで、検出範囲を有効検出範囲Aのままとする。
【0036】
高速戸2の先端部が全閉位置から位置Cに達すると、ドア開閉制御装置8は、検出範囲を有効検出範囲Aから有効検出範囲Bへと切り換える(ステップS4)。そして、ドア開閉制御装置8は、高速戸2の先端部が高速戸2の先端部が位置Cから位置Dに達したかどうかを確認し(ステップS5)、高速戸2の先端部が位置Dに達するまで、検出範囲を有効検出範囲Bのままとする。高速戸2の先端部が位置Cから位置Dに達すると、ドア開閉制御装置8は、検出停止とし(ステップS6)、光電装置7を無効とする。そして、高速戸2の先端部が位置Dから全開位置に達することによって、ドア開閉制御装置8による検出範囲の切換動作が終了となる。
【0037】
上記のようなエレベータのドア制御装置では、高速戸の先端部の位置に応じて有効検出範囲を切り換えるので、障害物の引込み防止と、戸開時の誤検出の低減とを効率よく両立させることができる。
【0038】
また、高速戸の先端部の位置が位置Cから位置Dに達すると、光電装置を無効とするので、戸開時の誤検出をさらに低減させることができる。これに伴い、乗客によるかごの乗降をさらに円滑にさせることができ、乗客の利便性をさらに向上させることができる。
【0039】
なお、実施の形態8では、片開き式エレベータドアについて説明したが、この発明は、両開き式エレベータドアに適用してもよい。
【0040】
また、実施の形態8では、有効検出範囲A及びBの2種類の有効検出範囲がドア開閉制御装置8に設定されていたが、3種類以上の有効検出範囲がドア開閉制御部に設定されていてもよい。
【0041】
さらに、実施の形態1〜8では、かごドアについて説明したが、この発明は、乗場ドアに適用してもよい。
【0042】
さらにまた、実施の形態1〜8では、反射光7dの周波数を測定することにより自身から障害物までの距離を測定していたが、反射光の光の強弱を測定することにより自身から障害物までの距離を測定してもよい。
【0043】
また、実施の形態1〜8では、障害物検出部として光電装置7を用いたが、光電装置に限るものではなく、障害物検出部として超音波装置を用いてもよい。この場合、超音波装置は、超音波による検出波を出力するとともに、障害物からの検出波の反射による反射波を受け、反射波により障害物までの距離を測定することにより、実現可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】この発明の実施の形態1によるエレベータドアを示す正面図である。
【図2】図1のドア開閉制御装置を具体的に示すブロック図である。
【図3】この発明の実施の形態2によるエレベータドアを示す正面図である。
【図4】この発明の実施の形態3によるエレベータドアを示す正面図である。
【図5】この発明の実施の形態4によるエレベータドアを示す正面図である。
【図6】この発明の実施の形態5によるエレベータドアを示す正面図である。
【図7】この発明の実施の形態6によるエレベータドアを示す正面図である。
【図8】この発明の実施の形態7によるエレベータドアを示す正面図である。
【図9】この発明の実施の形態8によるドア開閉制御装置に設定された複数の有効検出範囲を説明するための説明図である。
【図10】この発明の実施の形態8によるドア開閉制御装置の検出範囲の切換動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0045】
1a 敷居部、2 高速戸、3 低速戸、4 出入口枠、5 縦枠、6 上枠、7 光電装置(障害物検出部)、8 ドア開閉制御装置(ドア開閉制御部)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータドアの表面と出入口枠の上記エレベータドアの対向面との間の隙間付近の障害物を検出するとともに、上記障害物の被検出位置の高さを測定する障害物検出部、及び
上記障害物検出部から上記障害物の被検出位置の高さの情報を受け、上記障害物の被検出位置の高さが予め設定された所定の高さ以下であるかどうかに応じてエレベータドアの開閉を制御するドア開閉制御部
を備えていることを特徴とするエレベータのドア制御装置。
【請求項2】
上記障害物検出部は、上記出入口に設けられ上下方向に平行な縦枠の敷居部側に、上記縦枠に沿って上記障害物を検出するように配置され、上記障害物までの距離を測定し、
上記ドア開閉制御部には、上記敷居部付近から上記所定の高さまでの有効検出範囲が設定されており、
上記ドア開閉制御部は、上記障害物検出部から受けた上記障害物までの距離の情報と、上記有効検出範囲とに基づいて、上記障害物の被検出位置の高さが上記所定の高さ以下であるかどうかを判別することを特徴とする請求項1記載のエレベータのドア制御装置。
【請求項3】
上記障害物検出部は、上記出入口枠に設けられ上下方向に平行な縦枠に、互いに間隔を置いて上記縦枠に沿って上記障害物をそれぞれ検出するように複数配置されており、
各上記障害物検出部は、上記障害物までの距離をそれぞれ測定し、
上記ドア開閉制御部には、敷居部付近から上記所定の高さまでの有効検出範囲と、上記障害物検出部毎の位置情報とが設定されており、
上記ドア開閉制御部は、上記障害物検出部から受けた上記障害物までの距離の情報と、上記有効検出範囲と、上記障害物検出部毎の位置情報とに基づいて、上記障害物の被検出位置の高さが上記所定の高さ以下であるかどうかを判別することを特徴とする請求項1記載のエレベータのドア制御装置。
【請求項4】
高速戸及び低速戸を有する片開き式エレベータドアの開閉を制御するエレベータのドア制御装置であって、
上記高速戸と上記低速戸の間の隙間付近の障害物を検出し、上記障害物の被検出位置の高さを測定する障害物検出部、及び
上記障害物検出部から上記障害物の被検出位置の高さの情報を受け、上記障害物の被検出位置の高さが予め設定された所定の高さ以下であるかどうかに応じてエレベータドアの開閉を制御するドア開閉制御部
を備えていることを特徴とするエレベータのドア制御装置。
【請求項5】
上記障害物検出部は、上記低速戸の反開放方向側の端面部の敷居部側に、上記端面部に沿って障害物を検出するように配置され、上記障害物までの距離を測定し、
上記ドア開閉制御部には、上記敷居部付近から上記所定の高さまでの有効検出範囲が設定されており、
上記ドア開閉制御部は、上記障害物検出部から受けた上記障害物までの距離の情報と、上記有効検出範囲とに基づいて、上記障害物の被検出位置の高さが上記所定の高さ以下であるかどうかを判別することを特徴とする請求項4記載のエレベータのドア制御装置。
【請求項6】
上記障害物検出部は、上記低速戸の反開放方向側の端面部に沿って上記障害物を検出するように、上記低速戸の上端部から反開放方向側へ突出するように配置され、上記低速戸と一体となって移動するとともに、上記障害物までの距離を測定し、
上記ドア開閉制御部には、敷居部付近から上記所定の高さまでの有効検出範囲が設定されており、
上記ドア開閉制御部は、上記障害物検出部から受けた上記障害物までの距離の情報と、上記有効検出範囲とに基づいて、上記障害物の被検出位置の高さが上記所定の高さ以下であるかどうかを判別することを特徴とする請求項4記載のエレベータのドア制御装置。
【請求項7】
上記ドア開閉制御部には、それぞれ異なる検出範囲の複数の有効検出範囲が設定可能であり、
上記ドア開閉制御部は、上記エレベータドアの位置を監視しており、上記エレベータドアの位置に応じて、上記有効検出範囲を変更することを特徴とする請求項2から請求項6までのいずれか1項に記載のエレベータのドア制御装置。
【請求項8】
上記障害物検出部は、検出光を出射するとともに、上記検出光の上記障害物での反射による反射光を受け、上記反射光により上記障害物の被検出位置の高さを測定する光電装置であることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のエレベータのドア制御装置。
【請求項9】
上記障害物検出部は、超音波による検出波を出力するとともに、上記検出波の上記障害物での反射による反射波を受け、上記反射波により上記障害物の被検出位置の高さを測定する超音波装置であることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のエレベータのドア制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−314285(P2007−314285A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−144913(P2006−144913)
【出願日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】