説明

エレベータの敷居支持治具及びそれを用いたエレベータの敷居の設置方法

【課題】短時間に敷居を所望の設置位置に支持することのできるエレベータの敷居支持治具を得ることを目的とする。
【解決手段】エレベータの敷居支持治具10Aは、建築床7Aに打ち込まれるアンカーボルト11と、アンカーボルト11に長穴13aを嵌め、第1連結片14Aを調整ボルト挿通片13の上方に延在させて配置されるL字状の第1取付金12Aと、調整ボルト挿通片13に螺合され、調整ボルト挿通片13の傾きを調整するジャッキボルト19と、アンカーボルト11に螺合される押圧ナット20と、第1連結片14Aの切り欠き凹穴14a及び長穴14bの長さ方向に移動可能に第1連結片14Aに取り付けられ、敷居5Aを敷居支持片16に支持するL字状の第2取付金15と、ボルト挿通穴17aと切り欠き凹穴14aまたは長穴14bに挿通される角根頭ボルト26及び角根頭ボルト26に螺合される連結片締着ナット27と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、エレベータの乗場に敷居を設置する際、所望の設置位置に敷居を支持するエレベータの敷居支持治具、及びそれを用いたエレベータの敷居の設置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、エレベータの乗場には、昇降路に開口する乗場出入口の下部に乗場出入口の間口方向に延設される敷居が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−310354号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には具体的には記載されていないが、一般的に、エレベータの乗場の床は、建築床面をモルタルで覆い、さらにモルタルをタイルなどの床仕上げ材で覆うなどして構成されている。このときの床仕上げ材の上面を床仕上げ面とする。
そして、敷居は、その上面の高さ位置を床仕上げ面の高さ位置に一致させ、乗場の床の端部に隣接する位置に設けられる。
【0005】
以下、従来の敷居の設置方法について説明する。
図13は従来の第1敷居支持治具により敷居が所望の設置位置に支持されたエレベータの乗場まわりを昇降路側から見た斜視図、図14は図13のXIV−XIV矢視断面図、図15は従来の第1敷居支持治具を構成する第1及び第2取付金の上面図であり、(a)図に第1取付金を示し、(b)図に第2取付金を示している。
【0006】
図13及び図14において、エレベータの乗場3の建築壁9には、昇降路2に開口し、乗場出入口を構成するための乗場開口3aが形成されている。また、建築床7Aは、乗場開口3aの間口方向に垂直な断面において、昇降路2側の端部の床面を低く構成した低床部7aを有している。
【0007】
次いで、従来の第1敷居支持治具、及び敷居本固定具の構成について説明する。
図13及び図14に示されるように、従来の第1敷居支持治具50Aは、低床部7aに打ち込まれるアンカーボルト51と、アンカーボルト51が挿通される第1取付金52Aと、第1取付金52Aに螺合されて低床部7aの上面からの第1取付金52Aの高さ位置を調整可能に第1取付金52Aを支持するジャッキボルト54と、アンカーボルト51に螺合され、ジャッキボルト54と協働して第1取付金52Aを建築床7A,7Bに固定する押圧ナット60と、第1取付金52Aに連結される第2取付金53Aと、第1取付金52Aと第2取付金53Aとを連結固定する連結ボルト55と、第2取付金53Aに敷居5Aを固定する固定手段57Aと、を備える。
【0008】
第1取付金52Aは、図15に示されるように、矩形平板形状に形成され、長穴52aが、その長手方向(長軸方向)を第1取付金52Aの長手方向に一致させて、第1取付金52Aの長手方向の中心の一端側に形成されている。
また、第1取付金52Aには、ねじ穴52bが、長穴52aの長手方向の一端近傍、かつ幅方向(短軸方向)の一側に形成され、ねじ穴52cが、長穴52aの長手方向の他端近傍、かつ幅方向の他側に形成されている。
また、3つのねじ穴52dが、第1取付金52Aの長手方向の中心の他端側に、第1取付金52Aの長手方向に互いに離間して形成されている。
【0009】
また、第2取付金53Aは、矩形平板形状に形成され、長穴53aが、その長手方向を第2取付金53Aの長手方向に一致させて、第2取付金53Aの長手方向の一端側に形成されている。また、貫通穴53bが、第2取付金53Aの長手方向の他端側に形成されている。
【0010】
また、固定手段57Aは、図14に示されるように、敷居取付ボルト58a及び敷居取付ナット59により構成されている。
【0011】
また、敷居5Aは、その上面に開口し、長手方向の全域に亘って延在する敷居溝5aを有する長尺体に形成される。さらに、敷居5Aには、上面に平行な下面に開口し、上面に向かってステップ状に幅広となる断面形状の敷居固定用穴5bが、長手方向全域に形成されている。
【0012】
また、敷居本固定具61のそれぞれは、図13に示されるように、敷居固定金62、及び敷居本固定ボルト(図示せず)、本固定アンカーボルト(図示せず)、及び一対の本固定ナット(図示せず)により構成される。
敷居固定金62は、互いに直交する一片及び他片からなる断面L字状の支持部63を有する。支持部63の一片には、貫通穴63aが形成されている。また、支持部63の他片には、穴の長手方向を一片に垂直な方向とする長穴63bが、その長手方向に互いに離間して形成されている。
【0013】
次いで、一対の従来の第1敷居支持治具50Aを用いて敷居5Aを所望の設置位置に支持する作業について説明する。
【0014】
まず、アンカーボルト51を乗場開口3aの間口方向の中心の一側に位置する低床部7aの所定部位に打ち込む。
ジャッキボルト54を第1取付金52Aのねじ穴52b,52cに螺合させ、ねじ穴52b,52cから突出させたジャッキボルト54の先端を低床部7aに向けて長穴52aにアンカーボルト51を嵌め込み、ジャッキボルト54の先端を低床部7aの上面に当接させる。また、第1取付金52Aの長手方向の他端側が、低床部7aから昇降路2側に延出されるように、第1取付金の長手方向(長穴52aの長手方向)を奥行き方向に一致させる。なお、奥行き方向は、乗場開口3aの間口方向に垂直かつ水平な方向とする。
【0015】
次いで、押圧ナット60を、第1取付金52Aを押しつけるように締め込む。これより、一方の第1取付金52Aが、低床部7a上に支持される。
同様にして、他方の第1取付金52Aを、乗場開口3aの間口方向の中心に対して一方の第1取付金52Aと対称となるように低床部7a上に支持する。
【0016】
次いで、敷居取付ボルト58aの頭部を敷居固定用穴5bの一端に嵌め、敷居取付ボルト58aを、敷居固定用穴5bに沿ってスライド移動させて敷居5Aに取り付ける。さらに、第2取付金53Aの貫通穴53bに、敷居取付ボルト58aの軸部を挿通させ、敷居取付ナット59を軸部に螺合する。
以上により、一方の第2取付金53Aが敷居5Aに取り付けられる。このとき、敷居取付ナット59は、締め込まれておらず、第2取付金53Aは、敷居固定用穴5bに沿ってスライド移動可能となっている。
同様にして、他方の第2取付金53Aを敷居5Aに取り付ける。
【0017】
次いで、敷居5Aの敷居溝5aの溝幅方向の一側に、一対の第2取付金53Aのそれぞれの一端側が敷居5Aから延出されるように、第2取付金53Aの向きを調整し、第2取付金53Aを第1取付金52Aに対応する位置までスライド移動させる。さらに、第1取付金52Aの他端側の上方に第2取付金53Aの一端側を配置する。次いで、連結ボルト55を第2取付金53Aの長穴53aに挿入して第1取付金52Aのねじ穴52dの一つにねじ込む。これにより、一方の第2取付金52Aを第1取付金52Aに締着固定する。なお、所望する敷居5Aの奥行方向の設置位置に応じて、3つのねじ穴52dのうちの適当なねじ穴52dに連結ボルト55を螺合させる。
同様にして、他方の第2取付金53Aを第1取付金52Aに締着固定する。
【0018】
次いで、一対の敷居取付ナット59のそれぞれを締め込んで、一対の敷居取付ボルト58aの頭部と一対の敷居取付ナット59の間に敷居5Aの下部と第2取付金53Aを挟み込み、第2取付金53Aと敷居5Aとの間を固定する。
【0019】
次いで、必要に応じて押圧ナット60を緩め、敷居5Aの上面の高さ位置が、図14の二点鎖線により示される床仕上げ面に一致する方向に、4つのジャッキボルト54の第1取付金52Aからの突出量を調整した後、押圧ナット60を締め込んで、第1取付金52Aを固定する。そして、現在の敷居5Aの上面が、床仕上げ面と同じ高さ位置で水平に配置されていることを確認し、敷居5Aの上面の高さ位置が床仕上げ面の高さ位からずれている場合には、再度ジャッキボルト54の第1取付金52Aからの突出量を調整する。
【0020】
ここで、床仕上げ面と、敷居5Aの上面とを同じ高さ位置に配置させるには、一対の第1取付金52Aを、所定の高さに水平度を保って配置させる必要があるが、4つのジャッキボルト54の第1取付金52Aからの突出量を一度に調整して、一対の第1取付金52Aを、水平度を保ちつつ所定の高さに揃えるのは難しい。このため、4つのジャッキボルト54の第1取付金52Aからの突出量を少しずつ調整しながら、敷居5Aの上面が床仕上げ面と同じ高さとなるように第1取付金52Aを所定の高さ位置に移動させることになる。従って、敷居5Aを所望の設置位置に支持させる作業は長時間を要する。
敷居5Aの上面を床仕上げ面に一致させたら押圧ナット60を本締めする。
【0021】
さらに、一対の敷居取付ナット59、及び一対の連結ボルト55を僅かに緩め、敷居5Aを乗場開口3aの間口方向に平行に配置し、一対の敷居取付ナット59を締め込んで、敷居5Aを第2取付金53Aに固定する。
次いで、第2取付金53Aを長穴53aに沿って奥行き方向にスライド移動させて敷居5Aを所望する奥行き方向の位置に配置し、一対の連結ボルト55を締め付込んで、第1取付金52Aに第2取付金53Aを固定する。
【0022】
次いで、一対の敷居取付ナット59を僅かに緩め、敷居5Aを乗場開口3aの間口方向にスライド移動させて敷居5Aを所望する間口方向の位置に配置し、一対の敷居取付ナット59を締め付込んで、敷居5Aと第2取付金53Aとの間を強力に固定する。
以上により、敷居5Aが所望の設置位置に支持される。
【0023】
次いで、敷居本固定具61を用いて敷居5Aを鉛直方向に延在する建築壁9に固定する作業について説明する。
まず、敷居固定用穴5bの一端に、敷居本固定ボルトの頭部を嵌めてスライド移動させ、敷居5Aに敷居本固定ボルトを取り付ける。
【0024】
次いで、乗場開口3aの間口方向に関して一方の敷居支持治具50Aの一側、かつ敷居5Aの下方の建築壁9の所定部位に、一対の本固定アンカーボルトを高さ方向に距離だけ離間させ、かつ、奥行き方向に軸方向を一致させて打ち込む。このとき、支持部63の一片を敷居5Aの下面に押しあて、他片を下方に延在させたときに、他辺の長穴63bの長手中心の高さ位置が、おおよそ本固定アンカーボルトの軸心の高さ位置に来るように本固定アンカーボルトを打ち込む。
【0025】
次いで、支持部63の一片を上方に向けて、他片の一対の長穴63bを一対の本固定アンカーボルトに嵌め込み、本固定ナットを本固定アンカーボルトの一端側に螺合させる。次いで、敷居本固定ボルトを、本固定アンカーボルトの上方にスライド移動させた後、敷居固定用穴5bから延出される敷居本固定ボルトの軸部に支持部63の一片の貫通穴63aを挿通させる。さらに、敷居本固定ナットを敷居本固定ボルトの軸部に締め付けて、敷居固定金62を敷居5Aに固定する。
【0026】
さらに、本固定アンカーボルトの他端側に他方の本固定ナットを螺合し、支持部63の他片を一対の本固定ナットで挟持固定する。
このように、一方の敷居本固定具61により、敷居5Aの一側を建築壁9に対して固定する。
同様にして、他方の敷居本固定具61により敷居5Aの他側を建築壁9に固定する。
【0027】
次いで、アンカーボルト51、ジャッキボルト54、連結ボルト55、及び第1及び第2取付金52A,53Aを取り外す。第2取付金53Aを取り外すのに一旦取り外した敷居取付ナット59は、第2取付金53Aを取り外した後、再度敷居取付ボルト58aに締め着つけておく。
次いで、図示しないモルタルと床仕上げ材で建築床7Aを覆って乗場3の床を構成する。
【0028】
以上の説明は、ジャッキボルト54が当接される建築床7Aの上面と床仕上げ面との間の距離が大きく、第2取付金53Aの上部に支持させて敷居5Aを固定する場合について説明した。
しかし、第2取付金53Aの上部に敷居5Aを固定した場合、ジャッキボルト54が当接される建築床の上面と床仕上げ面との間の距離が小さいと、敷居5Aの上面を床仕上げ面に一致させることができなくなる。このような場合には、従来の第2敷居支持治具を用いて敷居を所望の設置位置に固定する。
【0029】
以下、従来の第2敷居支持治具を用いた敷居の設置方法について説明する。
図16は従来の第2敷居支持治具を用いて敷居を所望の設置に支持した状態を示す乗場開口周辺の縦断面図、図17は従来の第2敷居支持治具を構成する第1及び第2取付金の上面図であり、(a)図に第1取付金を示し、(b)図に第2取付金を示している。
なお、図16及び図17において、図13〜図15と同一または相当部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0030】
図16において、建築床7Bは、昇降路2側の端部側も他の床面の部位と同じ高さに構成されている。
また、従来の第2敷居支持治具50Bは、第1及び第2取付金52A,53Aに代え、第1及び第2取付金52B,53Bを用い、固定手段57Aに代え、固定手段57Bを用いている他は、従来の第1敷居支持治具50Aと同様に構成されている。
【0031】
図17において、第1取付金52Bは、ねじ穴52dに代え、長穴52eが、その長手方向を第1取付金52Bの長手方向に一致させて形成されている他は、第1取付金52Aと同様に構成されている。また、第2取付金53Bは、長穴53aに代え、ねじ穴53cが、長手方向の一端側に形成されている他は、第2取付金53Aと同様に構成されている。
【0032】
また、固定手段57Bは、図16に示されるように、敷居取付ボルト58b及び敷居取付ナット59により構成されている。
【0033】
また、敷居5Bには、敷居取付穴5cが、敷居溝5aの底部の長手中心の一側及び他側のそれぞれの所定部位と敷居5Bの下面とを連通するように形成されている。
【0034】
以下、一対の従来の第1敷居支持治具50Bを用いて敷居5Bを所望の設置位置に支持する作業について説明する。
一対の第1取付金52Bを、第1取付金52Aを低床部7aに支持させたのと同様にして、建築床7Bの昇降路2側の部位に支持させる。
【0035】
次いで、第2取付金53Bの一面側から挿入した敷居取付ボルト58bの軸部を、敷居溝5aの開口側から敷居取付穴5cに挿通させる。さらに、敷居取付ナット59を軸部に締め付ける。これにより、一方の第2取付金53Bが敷居5Bの上面に取り付けられる。
同様にして、他方の第2取付金53Bを敷居5Bの上面に取り付ける。
【0036】
次いで、第2取付金53Bの一面を上方に向け、さらに、敷居5Bの敷居溝5aの溝幅方向の一側に、一対の第2取付金53Bのそれぞれの一端側が敷居5Bから延出されるように、第2取付金53Bの向きを調整し、第2取付金53Bを第1取付金52Bに対応する位置までスライド移動させる。
次いで、第2取付金53Bの一端側を第1取付金52Bの他端側の下方に配置する。次いで、連結ボルト55を第1取付金52Bの長穴52eに挿通させて第2取付金53Bのねじ穴53cにねじ込む。これにより、第2取付金53Bを第1取付金52Bに締着固定する。
同様にして、他方の第2取付金53Bを他方の第1取付金52Bに締着固定する。
【0037】
次いで、一対の敷居取付ナット59を締め込んで、一対の敷居取付ボルト58bの頭部と一対の敷居取付ナット59との間に敷居5Bの敷居溝5aの下部と第2取付金53Bを挟み、第2取付金53Bに敷居5Bを固定する。
【0038】
そして、敷居5Aについて行った場合と同様にして、敷居5Bの上面を床仕上げ面と同じ高さに配置させる。このため、従来の第2敷居支持治具50Bを用いて敷居5Bを所望の設置位置に支持する作業も長時間を要する。
【0039】
以下、敷居5Aを従来の第1敷居支持治具50Aにより低床部7aに支持させた後の作業と同様にして乗場3の床を構成する。
【0040】
以上のように、従来の第1敷居支持治具50A、及び第2敷居支持治具50Bを用いて敷居5A,5Bを所望の設置位置に支持する場合、敷居5A,5Bを所望の設置位置に配置するまでに長時間を要するという問題がある。
【0041】
この発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、短時間に敷居を所望の設置位置に支持することのできるエレベータの敷居支持治具、及びそれを用いたエレベータの敷居の設置方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0042】
この発明は、乗場の建築床に設置されて敷居を所望の位置に支持するエレベータの敷居支持治具であって、建築床に垂直方向に軸方向を一致させて打ち込まれる取付金挿通ボルトと、調整ボルト挿通片及び第1連結片からなるL字状をなし、奥行き調整用長穴が、穴の長手方向を調整ボルト挿通片の先端から第1連結片に向かう方向に一致させて調整ボルト挿通片に形成され、高さ調整用長穴が、穴の長手方向を第1連結片の先端から調整ボルト挿通片に向かう方向に一致させて第1連結片に形成されており、建築床に打ち込まれたアンカーボルトに奥行き調整用長穴を嵌めて、調整ボルト挿通片を建築床上に位置させ、第1連結片を昇降路側に向けて調整ボルト挿通片の上方に延在させて配置される第1取付金と、それぞれ、調整ボルト挿通片からの突出量を調整可能に調整ボルト挿通片に螺合され、建築床上に配置された調整ボルト挿通片の傾きを調整する複数の調整ボルトと、アンカーボルトに螺合されて、調整ボルトと協働して調整ボルト挿通片を建築床に固定する押圧ナットと、敷居支持片及びボルト挿通穴が形成された第2連結片からなるL字状をなし、第2連結片が、ボルト挿通穴を高さ調整用長穴に対応させて第1連結片に相対するように、かつ、敷居支持片を第1連結片と逆側に向けて配置されて高さ調整用長穴の長さ方向に移動可能に第1連結片に取り付けられ、敷居を敷居支持片に支持する第2取付金と、ボルト挿通穴と高さ調整用長穴に挿通される連結ボルト、及び連結ボルトに螺合され、第1連結片に第2連結片を締着固定する連結片締着ナットと、敷居支持片に敷居を固定する固定手段と、を備えている。
【発明の効果】
【0043】
この発明に係るエレベータの敷居支持治具によれば、建築床上に固定された調整ボルト挿通片から上方に延在し、かつ昇降路側に向けられた第1連結片に対し、高さ調整用長穴の長手方向に移動可能に、第2取付金を取り付けている。これにより、調整ボルトは、敷居の上面の水平出し、言い換えれば、調整ボルト挿通片の傾き調整を行うために用い、敷居の高さ位置の調整は、調整ボルトを用いず、第2取付金を高さ調整用長穴の長手方向に移動するだけで行うことができる。従って、敷居の高さ位置を調整する作業効率が格段に向上し、短時間に敷居を所望の設置位置に支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】エレベータが設置される建造物の模式図である。
【図2】この発明の一実施の形態に係るエレベータの敷居支持治具により敷居が所望の設置位置に支持されたエレベータの乗場まわりを昇降路側から見た斜視図である。
【図3】図2のIII−III矢視断面図である。
【図4】図3のA方向から見た正面図である。
【図5】図4をB方向から見た要部上面図である。
【図6】この発明の一実施の形態に係る一方のエレベータの敷居支持治具を構成する第1及び第2取付金の正面図である。
【図7】この発明の一実施の形態に係る一方のエレベータの敷居支持治具を構成する第1及び第2取付金の上面図である。
【図8】この発明の一実施の形態に係る他方のエレベータの敷居支持治具を構成する第1取付金の正面図である。
【図9】この発明の一実施の形態に係る敷居本固定具の構成を説明する図である。
【図10】この発明の一実施の形態に係る敷居本固定具の敷居への取り付け作業を説明する側面図である。
【図11】この発明の一実施の形態に係る敷居本固定具の敷居への取り付け作業を説明する正面図である。
【図12】この発明の一実施の形態に係るエレベータの敷居支持治具を用いた敷居の他の設置例を説明する断面図である。
【図13】従来の第1敷居支持治具により敷居が所望の設置位置に支持されたエレベータの乗場まわりを昇降路側から見た斜視図である。
【図14】図13のXIV−XIV矢視断面図である。
【図15】従来の第1敷居支持治具を構成する第1及び第2取付金の上面図である。
【図16】従来の第2敷居支持治具を用いて敷居を所望の設置に支持した状態を示す乗場開口周辺の縦断面図である。
【図17】従来の第2敷居支持治具を構成する第1及び第2取付金の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
【0046】
図1はエレベータが設置される建造物の模式図、図2はこの発明の一実施の形態に係るエレベータの敷居支持治具により敷居が所望の設置位置に支持されたエレベータの乗場まわりを昇降路側から見た斜視図、図3は図2のIII−III矢視断面図、図4は図3のA方向から見た正面図、図5は図4のB方向から見た要部上面図、図6はこの発明の一実施の形態に係る一方のエレベータの敷居支持治具を構成する第1及び第2取付金の正面図であり、(a)図に第1取付金を図示し、(b)図に第2取付金を図示している。図7はこの発明の一実施の形態に係る一方のエレベータの敷居支持治具を構成する第1及び第2取付金の上面図であり、(a)図に第1取付金を図示し、(b)図に第2取付金を図示している。図8はこの発明の一実施の形態に係る他方のエレベータの敷居支持治具を構成する第1取付金の正面図、図9はこの発明の一実施の形態に係る敷居本固定具の構成を説明する図、図10はこの発明の一実施の形態に係る敷居本固定具の敷居への取り付け作業を説明する側面図、図11はこの発明の一実施の形態に係る敷居本固定具の敷居への取り付け作業を説明する正面図である。
なお、図1〜図11において、上記従来技術と同一または相当部分には同一符号を付し、その説明は省略する。また、図3及び図5では、説明の便宜上、敷居本固定具の図示を省略している。
【0047】
図1において、エレベータが設置される建造物1には、鉛直方向に延在する昇降路2が形成されている。また、各階の乗場3には、昇降路2に開口する乗場開口3aが鉛直方向に延在する建築壁9に形成されている。また、建築床7Aは、乗場開口3aの間口方向に垂直な断面において、昇降路2側の端部の床面を低く構成した低床部7aを有している。
【0048】
以下、敷居の設置方法について説明する。
まず、一対の敷居支持治具、及び敷居本固定具の構成について説明する。
【0049】
図2〜図5において、一方の敷居支持治具10Aは、建築床7Aの低床部7aに打ち込まれる取付金挿通ボルトとしてのアンカーボルト11と、アンカーボルト11が挿通される第1取付金12Aと、第1取付金12Aに螺合され、第1取付金12Aの傾きを調整を可能に第1取付金12Aを低床部7a上に支持する調整ボルトしてのジャッキボルト19と、アンカーボルト11に螺合され、ジャッキボルト19と協働して第1取付金12Aを建築床7Aに固定する押圧ナット20と、第1取付金12Aに高さ位置を調整可能に取り付けられて敷居5Aを支持する第2取付金15と、第1取付金12Aと第2取付金15とを連結する連結手段25と、第2取付金15に敷居5Aを固定する固定手段22と、を備える。
【0050】
第1取付金12Aは、図6及び図7に示されるように、互いに直交する調整ボルト挿通片13及び第1連結片14AからなるL字に形成されている。調整ボルト挿通片13には、奥行き調整用長穴としての長穴13aが、穴の長手方向(長軸方向)を第1連結片14Aに垂直な方向に一致させて形成されている。また、ねじ穴13bが、調整ボルト挿通片13の長穴13aの長手方向の両端近傍、かつ、幅方向(短軸方向)の両側に形成されている。
【0051】
また、第1連結片14Aには、第1連結片14Aの先端に開口する高さ調整用長穴としての切り欠き凹穴14aが、溝方向を調整ボルト挿通片13に垂直な方向に一致させて形成されている。以下、切り欠き凹穴14aの溝方向を切り欠き凹穴14aの穴の長手方向とする。このとき、切り欠き凹穴14aの先端側は、先端に向かって漸次幅広となるテーパ状に形成されている。
【0052】
さらに、第1連結片14Aには、高さ調整用長穴としての長穴14bが、穴の長手方向を調整ボルト挿通片13に垂直な方向に一致させて形成されている。
また、第1連結片14Aを、調整ボルト挿通片13が延出されない側の面から見たとき、長穴14bは、切り欠き凹穴14aの幅方向に関して切り欠き凹穴14aの一側に形成されている。
【0053】
第2取付金15は、図6及び図7に示されるように、互いに直交する敷居支持片16及び第2連結片17からなるL字に形成されている。
敷居支持片16には、その先端から第2連結片17に向かう所定の範囲に至る部位に、所定幅の一対の切り欠き16aが互いに平行に形成されている。
【0054】
また、それぞれ矩形形状の一対のボルト挿通穴17aが、その長手方向を敷居支持片16に平行に、かつ、長手方向に所定の間隔をあけて第2連結片17の先端側に形成されている。なお、ボルト挿通穴17aのそれぞれの長手方向の中心間の距離は、切り欠き凹穴14a及び長穴14bのそれぞれの幅方向の中心間の距離に一致している。
【0055】
連結手段25は、図3〜図5に示されるように、軸部の根元部が四角根に形成された連結ボルトとしての角根頭ボルト26、及び角根頭ボルト26に螺合される連結片締着ナット27により構成される。
また、固定手段22は、敷居取付ボルト23及び敷居取付ナット24により構成されている。
【0056】
また、他方の敷居支持治具10Bは、図4に示されるように、第1取付金12Aに代え第1取付金12Bを有する他は敷居支持治具10Aと同様に構成されている。
図8に示されるように、第1取付金12Bは、第1連結片14Bを、調整ボルト挿通片13が延出されない側の面から見たとき、長穴14bが、切り欠き凹穴14aの幅方向に関して切り欠き凹穴14aの他側に配置されるように形成して構成されている。他の第1取付金12Bの構成は、第1取付金12Aと同様である。
【0057】
図9において、敷居本固定具30は、底部31A、及び相対する側片31B,31Cを有するコ字状に形成された第1敷居固定金31と、それぞれ、互いに直交する固定金連結片32A及び敷居支持片32Bを有するL字に形成された一対の第2敷居固定金32と、一対の本固定アンカーボルト34と、2対のアンカー螺合ナット35と、一対の敷居本固定ボルト37と、一対の敷居本固定ボルト37に螺合される一対の本固定ナット38と、4つの固定金連結ボルト39と、固定金連結ボルト39に螺合される4つの固定金連結ナット40と、を有する。
【0058】
第1敷居固定金31の底部31Aには、穴の長手方向を第1敷居固定金31の長手方向(コ字の溝方向)とする長穴31aが、その長手方向に互いに離間して形成されている。
また、側片31B,31Cのそれぞれには、一対の貫通穴31bが、第1敷居固定金31の長手方向に離間して形成されている。
【0059】
また、第2敷居固定金32の固定金連結片32Aには、一対の貫通穴32aが、敷居支持片32Bに垂直な方向に離間して形成され、敷居支持片32Bには、所定幅を有する長穴32bが、長手方向を固定金連結片32Aに垂直な方向に一致させて形成されている。
【0060】
なお、側片31B,31Cの一対の貫通穴31bの離間距離と、固定金連結片32Aの一対の貫通穴32aの離間距離は等しくなっている。そして、一対の貫通穴31bに一対の貫通穴32aを対応させ、固定金連結片32Aが側片31B,31Cに沿うように第1敷居固定金31及び第2敷居固定金32を配置したときには、第2敷居固定金32の敷居支持片32B側が、第1敷居固定金31の長手方向の一端から延出されるようになっている。
【0061】
次いで、敷居支持治具10A,10Bを用いて敷居5Aを所望の設置位置に支持する作業について説明する。
図3〜図5において、まず、アンカーボルト11を乗場開口3aの間口方向の中心の一側に位置する低床部7aの所定部位に打ち込む。
次いで、4つのジャッキボルト19を第1取付金12Aの調整ボルト挿通片13のねじ穴13bのそれぞれに第1連結片14A側から螺合させ、ジャッキボルト19の先端を調整ボルト挿通片13から僅かに突出させる。
次いで、アンカーボルト11に調整ボルト挿通片13の長穴13aを嵌めて、低床部7a上に調整ボルト挿通片13を位置させ、さらに、第1連結片14Aを、昇降路2側に向け、かつ、調整ボルト挿通片13の上方に延在させて、第1取付金12Aを配置する。
これにより、ジャッキボルト19の先端が低床部7aの上面に当接される。次いで、押圧ナット20を、アンカーボルト11の先端側に螺合させる。
【0062】
次いで、第1連結片14Aが調整ボルト挿通片13から鉛直方向の上方に延在するように、ジャッキボルト19のそれぞれの調整ボルト挿通片13からの突出量を微調整する。なお、この作業は、調整ボルト挿通片13に水平器(図示せず)を乗せ、調整ボルト挿通片13が水平に延在するように、調整ボルト挿通片13の水平度を見ながら行う。
【0063】
また、敷居5Aなどの乗場機器を設置するときには、乗場機器芯出し用の一対のピアノ線(図示せず)が、乗場開口3aの近傍を通過するように鉛直方向に垂れ下げられ、一対のピアノ線の互いの離間方向が乗場開口3aの間口方向の基準として用いられる。
このピアノ線を用いて、連結片14Aが一対のピアノ線の離間方向に平行に、つまり、乗場開口3aの間口方向に平行になるように、連結片14Aの向きを調整する。
このようにして、一方の第1取付金12Aを低床部7a上に支持する。
【0064】
同様にして、他方の第1取付金12Bを、乗場開口3aの間口方向の中心に対して一方の第1取付金12Aと対称となるように低床部7a上に支持する。これにより、第1連結片14A,14Bの切り欠き凹穴14aと長穴14bの穴の方向が鉛直方向に一致する。さらに、押圧ナット20を締め込んで、第1取付金12A,12Bを仮固定する。なお、仮固定とは、第1取付金12A,12bに対し、長穴13aに沿って所定以上の力がかけたときに、第1取付金12A,12Bを移動させることができるものをいう。また、一対の第1取付金12A,12Bの高さ位置は、一致していなくてもよい。
【0065】
次いで、図10及び図11に示されるように、敷居本固定ボルト37、一対の敷居取付ボルト23、及びもう一つの敷居本固定ボルト37の順に、各ボルト23,37の頭部を敷居固定用穴5bの一端に嵌め、敷居取付ボルト23、及び敷居本固定ボルト37を順次スライド移動させて、敷居5Aに取り付ける。
【0066】
次いで、第2敷居固定金32の敷居支持片32Bの先端を第1敷居固定金31の側片31Bと逆側に向け、固定金連結片32Aの貫通穴32aに、第1敷居固定金の側片31Bの貫通穴31bに合わせる。次いで、固定金連結ボルト39を貫通穴32a,31bに挿通して固定金連結ナット40を固定金連結ボルト39に螺合し、固定金連結片32Aを側片31Bに締着固定する。
同様にして、もう一つの第2敷居固定金32の固定金連結片32Aを第1敷居固定金31の側片31Cに締着固定する。
【0067】
次いで、一方及び他方の敷居支持片32Bの長穴32bに一方及び他方の敷居本固定ボルト37の軸部を挿通させる。
【0068】
また、本固定ナット38を敷居本固定ボルト37のそれぞれに螺合し、敷居5Aに第2敷居固定金32を取り付ける。このとき、本固定ナット38は、本締めせず、一体化された第1及び第2敷居固定金31,32を敷居固定用穴5b、及び長穴32bに沿ってスライド移動可能にしておく。
このように、一方の敷居本固定具30の第1敷居固定金31に固定された第2敷居固定金32が敷居5Aに取り付けられる。
詳細には図示しないが、同様にして、もう一つ(他方)の敷居本固定具30の第1敷居固定金31に第2敷居固定金32を固定し、第1及び第2敷居固定金31,32を、一方の敷居本固定具30の第1及び第2敷居固定金31,32に対して敷居5Aの長手方向の他端側に位置するように敷居5Aに取り付ける。
【0069】
次いで、図3、及び図4に示されるように、第2連結片17が敷居5Aの敷居溝5aの溝幅方向の一方の側面に相対し、敷居支持片16が敷居5Aの下面と相対するように、第2取付金15を配置し、一方の敷居本固定具30の一対の敷居支持片32B間に配置された敷居取付ボルト23に敷居支持片16の切り欠き16aを嵌め合わせる。次いで、敷居取付ナット24を敷居取付ボルト23に螺合する。
【0070】
以上により、一方の第2取付金15が敷居5Aに取り付けられる。このとき、敷居取付ナット24は、本締めせず、第2取付金15を敷居固定用穴5bに沿ってスライド移動可能にしておく。
【0071】
次いで、一方の第2取付金15と同様にして、他方の第2取付金15を、他方の敷居本固定具30の一対の敷居支持片32B間に配置された敷居取付ボルト23に対応する敷居5Aの部位に取り付ける。このとき、一方及び他方の第2取付金15の一対の切り欠き凹穴14aが、一対の長穴14bの内側に配置されるように、他方の第2取付金15が敷居5Aに取り付けられる。
【0072】
次いで、一対の第2連結片17の4つのボルト挿通穴17aのうち、敷居5Aの長手方向の内側に位置する2つに、角根頭ボルト26を敷居支持片16側から挿入し、さらに、連結片締着ナット27を角根頭ボルト26の先端側に螺合させておく。
【0073】
さらに、一対の角根頭ボルト26が、一対の第1連結片14A,14Bの切り欠き凹穴14aに対応する位置に配置されるように、一対の第2取付金15を第1及び第2敷居固定金31,32とともに敷居固定用穴5bに沿ってスライド移動させる。
【0074】
さらに、敷居支持片16を第1連結片14A,14Bと逆側に向けて、第2連結片17を第1連結片14A,14Bに相対させ、一対の角根頭ボルト26の軸部を、一対の切り欠き凹穴14aに上方から挿入する。言い換えれば、ボルト挿通穴17aを切り欠き凹穴14a及び長穴14bに対応させて、第2連結片17が第1連結片14A,14Bのそれぞれに相対するように第2取付金15を配置し、角根頭ボルト26が、切り欠き凹穴14aとボルト挿通穴17aに挿通された状態にする。これにより、第2連結片17が第1連結片14A,14Bに、切り欠き凹穴14a及び長穴14bの長さ方向に移動可能に取り付けられる。
次いで、連結片締着ナット27を締め、一対の第2取付金15のそれぞれと一対の第1取付金12A,12Bのそれぞれとの間を仮固定する。このとき、角根頭ボルト26が挿通されていないボルト挿通穴17aは、長穴14bと相対する。
【0075】
ここでいう仮固定とは、第2取付金15及び敷居5Aの重力によって、第2取付金15が第1取付金12A,12Bに対して移動することはないが、第2取付金15または敷居5Aに対し、切り欠き凹穴14aの長手方向に所定以上の力を働かせたときには、第2取付金15及び敷居5Aを切り欠き凹穴14aに沿った方向、言い換えれば高さ方向に移動させることができるものをいう。
【0076】
なお、遊びが、一対の第1取付金12A,12Bの切り欠き凹穴14aと角根頭ボルト26の間にあるので、一対の角根頭ボルト26の高さ位置がずれ、敷居5Aの長手方向が水平面に対して若干傾く。そこで、敷居5Aの上面に水平器(図示せず)を載置し、一方または他方の第2取付金15を、敷居5Aの傾きを解消する方向に切り欠き凹穴14aに沿ってずらし、敷居5Aの上面を水平にする。
【0077】
さらに、敷居取付ボルト23の軸部が、切り欠き16aの底部に当接するまで、敷居5Aを第2連結片17側に押しこんで敷居取付ナット24を締め込み、敷居5Aを敷居支持片16に固定する。
【0078】
ここで、アンカーボルト11の奥行方向の打ち込み位置は、所望する敷居5Aの奥行方向の設置位置に対して、敷居5Aからおおよそ所定距離離れた低床部7aの部位に打ち込まれている。そして、長穴13aの長手方向の中間部にアンカーボルト11を嵌め合わせて固定した第1取付金12A,12Bに対し、第2取付金15を連結したときに、敷居5Aが所望する設置位置の周辺に配置されるようになっている。ここでは、長穴13aの穴方向が、奥行き方向に一致するので、長穴13aの長さ方向の範囲内で、第1取付金12Aを奥行き方向にずらすことができる。
【0079】
遊びが、長穴13aとアンカーボルト11との間にあるので、例えば、一対の第1取付金12A,12Bに交互に奥行き方向に向かって力を加え、第1取付金12A,12Bの奥行き方向の位置を少しずつ移動させれば、敷居5Aの奥行方向の設置位置を調整することができる。また、アンカーボルト11まわりの敷居5Aの微調整も行える。そして、敷居5Aが、所望する奥行き方向の設置位置で乗場開口3aの間口方向に平行に配置されるように、第1取付金12A,12Bの奥行方向の位置、及びアンカーボルト11まわりの位置を調整する。
なお、第1取付金12A,12Bの移動により、敷居5Aの上面が水平から傾いた場合、再度ジャッキボルト19の第1取付金12A,12Bからの突出量を微調整して敷居5Aの上面を水平にする。
【0080】
次いで、押圧ナット20を締め込み、押圧ナット20とジャッキボルト19とで第1取付金12A,12Bを固定する。さらに、敷居取付ナット24を緩め、敷居5Aの間口方向の位置を所望の位置に調整し、再度、敷居取付ナット24を締め込んで、第2取付金15と敷居5Aとの間を固定する。
【0081】
次いで、敷居5Aの上面が、床仕上げ面と同じ高さ位置で、水平に配置されるように、第2取付金15の位置を調整する。前述したように、遊びが、一対の第1取付金12A,12Bの切り欠き凹穴14aと角根頭ボルト26の間にある。そこで、例えば、一対の第1取付金12A,12Bに対して交互に高さ方向に力を加え、一対の第1取付金12A,12Bの高さ位置を交互に少しずつ移動させて敷居5Aの上面を床仕上げ面と同じ高さ位置を調整する。次いで、連結片締着ナット27を締め込んで、第1連結片14A,14B及び第2連結片17との間を強固に固定する。
【0082】
さらに、長穴14b及び長穴14bに相対するボルト挿通穴17aに角根頭ボルト26をボルト挿通穴17a側から挿通させて、連結片締着ナット27を角根頭ボルト26に締め込んで、第1連結片14A,14B及び第2連結片17との間をさらに固定する。
以上により、敷居5Aが、所望の設置位置に支持される。
【0083】
さらに、一対の敷居本固定具30の第1及び第2敷居固定金31,32を、第1敷居固定金31の底部31Aが建築壁9に押しあてられるまで長穴32bの長手方向にスライド移動させる。次いで、底部31Aの各長穴31aを介して本固定アンカーボルト34の打ち込み用の穴を建築壁9にあける。そして、本固定アンカーボルト34を、奥行き方向に軸方向が一致するように各第1敷居固定金31の底部31Aに形成された長穴31aに挿通させて建築壁9に形成した穴に固定する。
【0084】
次いで、各本固定アンカーボルト34にアンカー螺合ナット35を螺合し、底部31Aを建築壁9に締着固定する。さらに、本固定ナット38を締め、敷居5Aを敷居支持片32Bに固定する。これにより、敷居5Aが、一対の敷居本固定具30を介して建築壁9に固定される。
【0085】
次いで、アンカーボルト11、第1取付金12A,12B、及び第2取付金15を取り外す。第2取付金15を取り外すのに一旦取り外した敷居取付ナット24は、第2取付金15を取り外した後、再度敷居取付ボルト23に締め着つけておく。
以上により、敷居5Aの設置作業が終了する。
次いで、図示しないモルタルと床仕上げ材で建築床7Aを覆うことで、乗場3の床が構成される。
【0086】
次いで、床仕上げ面との間の距離の小さい乗場の建築床に一対の敷居支持治具10A,10Bを設けて敷居5Aを設置する場合について説明する。
図12はこの発明の一実施の形態に係る敷居支持治具を用いた敷居の他の設置例を説明する断面図である。
なお、図12において、図1〜図11、及び図16と同一または相当部分には同一符号を付し、その説明は省略する。また、図12では、説明の便宜上、敷居本固定具の図示を省略している。
図12において、建築床7Bに設置した一対の敷居支持治具10A,10Bを用いて敷居5Aを設置する方法は、建築床7Aに設置した一対の敷居支持治具10A,10Bを用いて敷居5Aを設置する方法と同様である。
【0087】
敷居5Aの上面の高さ位置を調整する際、敷居5Aの上面の高さ位置は、ボルト挿通穴17aと、切り欠き凹穴14aまたは長穴14bに挿通した角根頭ボルト26の軸部を、切り欠き凹穴14a及び長穴14bの下端に配置させたときに、最も低くなる。
【0088】
切り欠き凹穴14a及び長穴14bの下端に、角根頭ボルト26の軸部を配置させたときの敷居支持片16の上面の高さ位置に、敷居5A上下方向の厚さを加えた高さが、床仕上げ面により高くならないように、ボルト挿通穴17aと敷居支持片16との間の距離を設定しておけば、敷居5Aを、敷居支持片16の上部に支持させたまま所望の設置位置に配置させることができる。
【0089】
この実施の形態の敷居支持治具10A,10Bは、建築床7A,7Bに垂直方向に軸方向を一致させて打ち込まれるアンカーボルト11と、調整ボルト挿通片13及び第1連結片14A,14BからなるL字状をなし、長穴13aが、穴の長手方向を第1連結片14A,14Bに垂直な方向に一致させて調整ボルト挿通片13に形成されており、切り欠き凹穴14a及び長穴14bが、穴の長手方向を調整ボルト挿通片13に垂直な方向に一致させて第1連結片14A,14Bに形成され、建築床7A,7Bに打ち込まれたアンカーボルト11に長穴13aを嵌めて、調整ボルト挿通片13を建築床7A,7B上に位置させ、第1連結片14A,14Bを昇降路2側に向けて調整ボルト挿通片13の上方に延在させて配置される第1取付金12A,12Bと、それぞれ、調整ボルト挿通片13からの突出量を調整可能に調整ボルト挿通片13に螺合され、建築床7A,7B上に配置された調整ボルト挿通片13の傾きを調整する複数のジャッキボルト19と、アンカーボルト11に螺合されて、ジャッキボルト19と協働して調整ボルト挿通片13を建築床7A,7Bに固定する押圧ナット20と、敷居支持片16及びボルト挿通穴17aが形成された第2連結片17からなるL字状をなし、第2連結片17が、ボルト挿通穴17aを切り欠き凹穴14a及び長穴14bに対応させて第1連結片14A,14Bに相対するように、かつ、敷居支持片16を第1連結片14A,14Bと逆側に向けて配置されて切り欠き凹穴14a及び長穴14bの長さ方向に移動可能に第1連結片14A,14Bに取り付けられ、敷居5Aを敷居支持片16に支持する第2取付金15と、ボルト挿通穴17aと切り欠き凹穴14a(長穴14b)に挿通される角根頭ボルト26、及び角根頭ボルト26に螺合され、第1連結片14Aに第2連結片17を締着固定する連結片締着ナット27と、敷居支持片16に敷居5Aを固定する固定手段22と、を備えている。
【0090】
敷居支持治具10A,10Bによれば、昇降路2側に向けられ、調整ボルト挿通片13の上方に延在する第1連結片14A,14Bに対し、切り欠き凹穴14a及び長穴14bの長手方向に、言い換えれば、高さ方向に移動可能に、第2取付金15が取り付けられている。これにより、ジャッキボルト10A,10Bは、敷居5Aの上面の水平出し、言い換えれば、調整ボルト挿通片13の傾き調整を行うために用い、敷居5Aの高さ位置の調整は、ジャッキボルト10A,10Bを用いずに、第2取付金15を第1連結片14A,14Bの切り欠き凹穴14a及び長穴14bの長手方向に移動するだけで行うことができる。
【0091】
また、長穴13aの長手方向に第1取付金12A,12Bをずらせば、敷居5Aの奥行方向の位置を簡単に調整でき、また、角根頭ボルト26の切り欠き凹穴14a及び長穴14bへの挿通位置は、切り欠き凹穴14a及び長穴14bの長手方向の所望の位置に設定可能であり、敷居5Aの高さ位置を簡単に調整できる。
従って、敷居の高さ位置と水平出しの両方の調整をジャッキボルトにより行っていた従来に比べて、敷居支持治具10A,10Bを用いて敷居5Aを所望の設置位置に支持させるときの作業効率が格段に向上し、短時間に敷居を所望の設置位置に支持することができる。
【0092】
ここで、床仕上げ面との間の距離の小さい乗場3の建築床7Bに設置した従来の第2敷居支持治具50Bを用いて敷居5Bを所望の設置位置に支持する場合には、上述したように敷居5Bの意匠面に敷居取付穴5cを形成しなければならず、敷居5Bの意匠性が損なわれるという問題もあった。
【0093】
これに対し、建築床7Bに設置した敷居支持治具10A,10Bを用いて敷居5Aを所望の設置位置に支持する場合、上述したように、敷居支持片16の上部に敷居5Aを乗せたまま、敷居5Aの上面の高さ位置を床仕上げ面の高さ位置に一致させることができる。これにより、敷居5Bの意匠面に敷居5Aを第2取付金15に固定するための穴などを形成する必要がなくなり、敷居5Aの意匠性が損なわれることを回避できる。
また、従来は、建築床7Aの低床部7a及び建築床7Bに対して、敷居5A,5Bを支持するのに、別構成の第1及び第2の従来の敷居支持治具50A,50Bを用意する必要があった。一方、敷居支持治具10A,10Bは、建築床7Aの低床部7a及び建築床7Bに対して共通に用いても、敷居5Aを所望の設置位置に支持させることができる。
【0094】
また、敷居支持治具10A,10Bを用いたエレベータの敷居の設置方法によれば、ジャッキボルト19は、調整ボルト挿通片13の傾きを調整する工程に用い、敷居5A,5Bの高さ位置の調整は、ジャッキボルト19を用いずに、第2取付金15を第1連結片14A,14Bの切り欠き凹穴14a及び長穴14bの方向に移動するだけで行っている。従って、敷居支持治具10A,10Bを用いて敷居5Aを所定位置に支持させるときの作業効率を格段に向上し、短時間に敷居を所望の設置位置に支持することができる。
【0095】
なお、上記実施の形態では、第1取付金12A,12Bのそれぞれの第1連結片14A,14Bに、切り欠き凹穴14a、及び長穴14bを形成するものとして説明したが、切り欠き凹穴14a、及び長穴14bの一方は省略されていてもよい。
また、敷居5A,5Bに敷居支持片16を取り付けた後、第1取付金12A,12Bに第2取付金15固定することで、敷居5Aが敷居支持片16に支持されるものとして説明したが、第2取付金15を第1取付金12A,12Bに取り付けた後に敷居支持片16に敷居5A,5Bを支持させてもよい。
【0096】
また、第1連結片14A,14Bの切り欠き凹穴14aは、長穴であってもよく、また、長穴14bは、切り欠き凹穴であってもよい。但し、切り欠き凹穴を形成しておくことで、予め、ボルト挿通穴17aに挿通させて取り付けておいた角根頭ボルト26の軸部を、切り欠き凹穴14aに挿入できるので、敷居5Aを支持する第2取付金15を第1取付金12A,12Bに取り付ける作業を容易に行うことができる。さらに、予め、角根頭ボルト26を第2連結片17に挿通させ、連結片締着ナット27を角根頭ボルト26に螺合した状態で、角根頭ボルト26の軸部を切り欠き凹穴14aに挿通させた状態とすることができるので、連結片締着ナット27などを昇降路2に落下させるリスクを低減できる。
【0097】
また、敷居5Aの上面の高さを床仕上げ面の高さに一致させる工程では、一対の第1取付金12A,12Bに対して交互に高さ方向に力を加え、一対の第1取付金12A,12Bの高さ位置を交互に少しずつ移動させて敷居5Aの上面を床仕上げ面と同じ高さにするものとして説明したが。例えば、複数の作業員により敷居5Aの長手方向の離間する部位を支持して連結片締着ナット27を緩め、敷居5Aの上面の高さを床仕上げ面の高さに一致させた後に、再度連結片締着ナット27を固定しても良い。
【0098】
また、第1取付金12A,12Bは、互いに直交する調整ボルト挿通片13及び第1連結片14A,14Bからなり、長穴13aの穴の長手方向が、第1連結片14A,14Bに垂直な方向に一致し、切り欠き凹穴14a及び長穴14bの長手方向が、調整ボルト挿通片13に垂直な方向に一致するのとして説明した。しかし、第1取付金は、L字状に形成されていれば、調整ボルト挿通片及び第1連結片が直交していなくてもよく、また、長穴の長手方向は、調整ボルト挿通片の先端から第1連結片に向かう方向に一致し、切り欠き凹穴14a及び長穴14bの長手方向は、第1連結片14A,14Bの先端から調整ボルト挿通片13に向かう方向に一致していればよい。
【0099】
また、第2取付金15は、互いに直交する敷居支持片16及び第2連結片17からなるものとして説明したが、第2取付金は、L字状に形成されていれば、敷居支持片及び第2連結片が直交している必要はない。この場合、第1連結片に第2連結片を固定した後、敷居の上面を水平にする工程においては、敷居の上面を水平にする方向に、調整ボルト挿通片の傾きを水平面に対して傾ければよい。
【符号の説明】
【0100】
3 乗場、3a 乗場開口、5A,5B 敷居、7A,7B 建築床、10A,10B エレベータの敷居支持治具、11 アンカーボルト(取付金挿通ボルト)、12A,12B 第1取付金、13 調整ボルト挿通片、13a 長穴 (奥行き調整用長穴)、14A,14B 第1連結片、14a 切り欠き凹穴(高さ調整用長穴)、14b 長穴(高さ調整用長穴)、15 第2取付金、16 敷居支持片、17 第2連結片、17a ボルト挿通穴、19 ジャッキボルト(調整ボルト)、20 押圧ナット、22 固定手段、26 角根頭ボルト(連結ボルト)、27 連結片締着ナット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗場の建築床に設置されて敷居を所望の設置位置に支持するエレベータの敷居支持治具であって、
上記建築床に垂直方向に軸方向を一致させて打ち込まれる取付金挿通ボルトと、
調整ボルト挿通片及び第1連結片からなるL字状をなし、奥行き調整用長穴が、穴の長手方向を上記調整ボルト挿通片の先端から上記第1連結片に向かう方向に一致させて上記調整ボルト挿通片に形成され、高さ調整用長穴が、穴の長手方向を上記第1連結片の先端から上記調整ボルト挿通片に向かう方向に一致させて上記第1連結片に形成されており、上記建築床に打ち込まれた上記取付金挿通ボルトに上記奥行き調整用長穴を嵌めて、上記調整ボルト挿通片を上記建築床上に位置させ、上記第1連結片を昇降路側に向けて上記調整ボルト挿通片の上方に延在させて配置される第1取付金と、
それぞれ、上記調整ボルト挿通片からの突出量を調整可能に上記調整ボルト挿通片に螺合され、上記建築床上に配置された上記調整ボルト挿通片の傾きを調整する複数の調整ボルトと、
上記取付金挿通ボルトに螺合されて、上記調整ボルトと協働して上記調整ボルト挿通片を上記建築床に固定する押圧ナットと、
敷居支持片及びボルト挿通穴が形成された第2連結片からなるL字状をなし、上記第2連結片が、上記ボルト挿通穴を上記高さ調整用長穴に対応させて上記第1連結片に相対するように、かつ、上記敷居支持片を上記第1連結片と逆側に向けて配置されて上記高さ調整用長穴の長さ方向に移動可能に上記第1連結片に取り付けられ、上記敷居を上記敷居支持片に支持する第2取付金と、
上記ボルト挿通穴と上記高さ調整用長穴に挿通される連結ボルト、及び上記連結ボルトに螺合され、上記第1連結片に上記第2連結片を締着固定する連結片締着ナットと、
上記敷居支持片に上記敷居を固定する固定手段と、
を備えることを特徴とするエレベータの敷居支持治具。
【請求項2】
上記高さ調整用長穴は、上記第1連結片の先端に開口する切り欠き凹穴であることを特徴とする請求項1記載のエレベータの敷居支持治具。
【請求項3】
上記請求項1または請求項2記載のエレベータの敷居支持治具を用いた敷居の設置方法であって、
複数の上記取付金挿通ボルトを上記建築床に乗場開口の間口方向に互いに離間させて打ち込む工程と、
上記調整ボルトを上記調整ボルト挿通片に螺合し、上記第1連結片を上記調整ボルト挿通片の上方に延在するようにして昇降路側に向け、上記奥行き調整用長穴を上記取付金挿通ボルトのそれぞれに嵌め、上記取付金挿通ボルトのそれぞれに押圧ナットを締めて、複数の上記第1取付金を上記建築床に設置する工程と、
上記ボルト挿通穴を上記高さ調整用長穴に対応させて上記第2連結片を上記第1連結片のそれぞれに相対させ、上記敷居支持片を第1連結片と逆側に向けて上記第2取付金を配置し、上記ボルト挿通穴及び上記高さ調整用長穴に上記連結ボルトを挿通させ、上記連結ボルトに上記連結片締着ナットを螺合して上記第2取付金を上記第1取付金に取り付ける工程と、
上記敷居を上記敷居支持片に支持させる工程と、
上記調整ボルト挿通片からの上記調整ボルトの突出量を調整して上記敷居の上面が水平になるように上記調整ボルト挿通片13の傾きを調整する工程と、
上記第1取付金の上記乗場開口の間口方向に垂直かつ水平な奥行き方向の位置、及び上記取付金挿通ボルト周りの位置を調整して、上記敷居を所望の奥行方向の位置で間口方向に平行に配置し、上記押圧ナットを締めつけて、上記第1取付金を上記建築床に固定する工程と、
上記敷居支持片に対する上記敷居の長手方向の取り付け位置を移動させて上記敷居の上記乗場開口の間口方向の位置を調整し、上記敷居を上記敷居支持片に固定手段を用いて固定する工程と、
上記第2連結片を上記高さ調整用長穴の長手方向に移動させて上記敷居の高さ位置を調整し、上記第1連結片に上記第2連結片を上記連結ボルト及び上記連結片締着ナットを用いて固定する工程と、
を備えることを特徴とするエレベータの敷居の設置方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−105486(P2011−105486A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−264152(P2009−264152)
【出願日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】