説明

エンジンユニット

【課題】メンテナンスを容易に実行することができ、かつ、装置の耐久性を高めることができるエンジンユニットを提供することにある。
【解決手段】車体フレームに取り付けられたエンジンユニットであって、エンジンと、車体フレームに防振機構を介して連結され、エンジンを支持するエンジン支持機構と、エンジンに連結され、エンジンに駆動される油圧ポンプと、油圧ポンプの鉛直方向上側に配置され、エンジンから排出された排気ガスを浄化する後処理装置と、後処理装置を支持するマウント機構と、を有し、マウント機構は、エンジンと一体で振動する部材と連結された基部ブラケットと、基部ブラケットに対して着脱可能に固定され、後処理装置を支持する上部ブラケットと、を含むことで、上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンと後処理装置とを有するエンジンユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
油圧ショベル等の建設機械では、ディーゼルエンジン等のエンジンを駆動源として用いる。エンジンから排出される排気ガスには窒素酸化物や粒子状物質が含まれている。そのため、建設機械には、エンジンと排気ガスに含まれる窒素酸化物や粒子状物質を除去する後処理装置とを有するエンジンユニットが設けられているものがある。
【0003】
特許文献1には、排気ガス中からNOx(窒素酸化物)やPM(粒子状物質)を除去する後処理装置としての排気ガス浄化装置と消音器とを結合させたマフラーが記載されている。この当該マフラーが取り付けられたマフラー架台は、油圧ポンプを跨ぐ状態でエンジン支持用のマウントブラケットにボルトによって取り付けられている。
【0004】
また、特許文献2には、エンジンの排気中の粉塵を捕集可能なフィルタを有する第一処理部と窒素酸化物を分解するための触媒を有する第二処理部とを有する排気ガス後処理装置が記載されている。排気ガス後処理装置は、第一処理部、第二処理部のうち、一方の処理部が天板よりも下に配置されているとともに、他方の処理部が開口を通して天板よりも上でボンネットよりも下に配置された部分を少なくとも一部に有する状態で構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−121562号公報
【特許文献2】特開2009−103016号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1及び特許文献2のように油圧ポンプの上に後処理装置を配置することで、装置内のスペースを有効活用することができるが、後処理装置があるため油圧ポンプを上からメンテナンスすることが困難である。このため、エンジンユニットのメンテナンスが困難となる。
【0007】
また、特許文献1に記載の装置では、後処理装置を支持するマフラー架台を上部旋回体のメインフレームに取り付けたエンジン支持用のマウントブラケットに取り付けているため、後処理装置とマウントブラケットに防振ゴム等で支持されたエンジンとが異なる振動系となる。そのため、エンジンから後処理装置に排気ガスを搬送する配管が異なる振動系同士を接続することになり、配管に負荷がかかってしまう。このように、一部の配管に負荷がかかると故障の原因となる恐れがあるため、エンジンユニットの耐久性が低下する恐れがある。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、メンテナンスを容易に実行することができ、かつ、装置の耐久性を高めることができるエンジンユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、車体フレームに取り付けられたエンジンユニットであって、エンジンと、前記車体フレームに防振機構を介して連結され、前記エンジンを支持するエンジン支持機構と、前記エンジンに連結され、前記エンジンに駆動される油圧ポンプと、前記油圧ポンプの鉛直方向上側に配置され、前記エンジンから排出された排気ガスを浄化する後処理装置と、前記後処理装置を支持するマウント機構と、を有し、前記マウント機構は、前記エンジンと一体で振動する部材と連結された基部ブラケットと、前記基部ブラケットに対して着脱可能に固定され、前記後処理装置を支持する上部ブラケットと、を含むことを特徴とする。
【0010】
また、前記上部ブラケットは、前記基部ブラケットに連結される部材が、前記後処理装置と前記油圧ポンプとの間を遮蔽する遮蔽板であることが好ましい。
【0011】
また、前記基部ブラケットは、前記エンジン支持機構に固定されていることが好ましい。
【0012】
また、前記エンジン支持機構は、少なくとも2箇所が前記防振機構を介して前記車体フレームに連結されている支持フレームを有し、前記支持フレームは、前記エンジンのエンジン前側から、エンジン後側方向に延在することが好ましい。
【0013】
また、前記基部ブラケットは、前記エンジンに固定されていることが好ましい。
【0014】
また、前記後処理装置は、前記エンジンと連結し、前記エンジンから排出される排気ガスを案内する配管が、振動による変位を吸収する機構を備えることが好ましい。
【0015】
また、前記後処理装置は、前記排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集する第1処理部と、前記排気ガスに含まれる窒素酸化物を還元する第2処理部とを有することが好ましい。
【0016】
また、前記第1処理部は、前記第2処理部よりも鉛直方向上側に配置されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明にかかるエンジンユニットは、メンテナンスを容易に実行することができ、かつ、装置の耐久性を高めることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、油圧ショベルの概略構成を示す側面図である。
【図2】図2は、図1に示す油圧ショベルのA−A線矢視図である。
【図3】図3は、図2に示すエンジンユニットの概略構成を示す斜視図である。
【図4】図4は、図3に示す後処理装置、エンジン支持機構及びマウント機構の概略構成を示す斜視図である。
【図5】図5は、図4に示す後処理装置、エンジン支持機構及びマウント機構の上面図である。
【図6】図6は、図4に示す後処理装置、エンジン支持機構及びマウント機構の側面図である。
【図7】図7は、図4に示す後処理装置、エンジン支持機構及びマウント機構の後面図である。
【図8】図8は、図4に示すマウント機構及び後処理装置の概略構成を示す斜視図である。
【図9】図9は、図4に示すマウント機構及び後処理装置の概略構成を図8とは反対方向から示す斜視図である。
【図10】図10は、上部ブラケットと後処理装置とを組み立てた組立体の概略構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の発明を実施するための形態(以下、実施形態という)により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
【0020】
図1は、油圧ショベルの概略構成を示す側面図である。本実施形態の油圧ショベル1は、下部走行体をなす左右一対の履帯2と、操縦室3a、カウンタウエイト3b等を含み履帯2上に配置された上部旋回体3と、ブーム4a、アーム4b及びバケット4cからなり上部旋回体3に取り付けられた作業機4とを有する。なお、詳細は後述するが、本実施形態のエンジンユニット20は、上部旋回体3に内蔵される。左右一対の履帯2は、右走行モータ、左走行モータが駆動することにより作動し、直進状態または旋回しながら、前進または後進移動する。また、上部旋回体3は、旋回モータが駆動することにより、履帯2に対して水平面内で回転移動し、作業機4の方向を任意の方向に設定可能としている。ブーム4a、アーム4b及びバケット4cは、各々ブーム4a用、アーム4b用、バケット4c用の油圧シリンダ等が駆動することにより作動し、掘削等の所望の作業を実行する。なお、右走行モータ、左走行モータ、旋回モータ、油圧シリンダ等は、後述するエンジン22により駆動される油圧ポンプ28が発生する油圧によって駆動される。
【0021】
次に、上部旋回体3に配置されるエンジンユニット20及びその他の各部の位置について説明する。図2は、図1に示す油圧ショベルのA−A線矢視図である。なお、図2は、上部旋回体3の各部の配置関係を模式的に示している。ここで、上部旋回体3は、略長方形形状であり、操縦室3aが長方形形状の4隅のうち1つの隅に配置されており、カウンタウエイト3bが長方形形状の短辺で、かつ、操縦室3aが配置されていない辺に配置されている。上部旋回体3は、A−A線矢視図上では、操縦室3a、カウンタウエイト3bに加え、エンジンユニット20と冷却装置24が配置されたエンジンルーム12と、吸気装置14と、作動油タンク16と、油圧機器部17と、作業機基部18と、燃料タンク19と、を有する。上部旋回体3は、これらの各部を筐体となる車体フレーム3cで支持している。
【0022】
エンジンルーム12は、カウンタウエイト3bに隣接して配置されている。つまりエンジンルーム12は、カウンタウエイト3bの操縦室3a側に配置されている。エンジンルーム12内には、エンジンユニット20と冷却装置24とが配置されている。エンジンユニット20は、エンジン22と油圧ポンプ28と後処理装置30とを有する。エンジンユニット20については、後ほど説明する。
【0023】
冷却装置24は、エンジン22との間で水等の冷却液を循環させ、通過する空気と昇温した冷却液との間で熱交換を行うことによりエンジン22を冷却する。また、冷却装置24は、外部と繋がった通風空間と、送風部と、を有し、通風空間から取り込んだ外部の空気をエンジンルーム12内に送る空気の流れを送風部で生成する。
【0024】
吸気装置14は、エンジンユニット20に空気を供給する装置であり、エンジンルーム12に隣接して配置されている。具体的には、吸気装置14は、冷却装置24が配置されている側の端部で、カウンタウエイト3bと対面している面とは反対側の端部に配置されている。吸気装置14は、外部とエンジン22とを繋げる空気管を有し、空気管を通して外部から取り込んだ空気をエンジン22に供給する。
【0025】
次に、作動油タンク16は、エンジンユニット20の油圧ポンプ28に作動油を供給し、作業機等で使用された作動油を回収するタンクである。作動油タンク16は、エンジンルーム12と操縦室3aとの間に配置されている。
【0026】
油圧機器部17は、加圧された作動油で駆動される作業機等に油圧ポンプ28で加圧した作動油を供給する装置であり、エンジンルーム12と、作動油タンク16と、吸気装置14と、に囲まれた領域、つまり、上部旋回体3の中心付近に配置されている。
【0027】
作業機基部18は、上部旋回体3へ作業機4を取り付ける部分であり、カウンタウエイト3bが配置されている辺に対向する辺側で、かつ、操縦室3aに隣接した位置に配置されている。作業機4は、カウンタウエイト3bが配置されている方向とは反対方向にバケット4cが伸びる構成となる。
【0028】
燃料タンク19は、エンジンルーム12のエンジンユニット20で燃焼される燃料を貯留するタンクであり、作業機基部18の操縦室3a側とは反対側の面に隣接して配置されている。また、燃料タンク19は、吸気装置14と隣接している。
【0029】
図2に示すように、上部旋回体3のエンジンルーム12の周囲には、カウンタウエイト3b、吸気装置14、作動油タンク16、油圧機器部17が配置されている。また、吸気装置14、作動油タンク16、油圧機器部17の周囲にも操縦室3a、作業機基部18、燃料タンク19が隣接して配置されている。また、エンジンルーム12の内部にエンジンユニット20以外に冷却装置24が配置されている。そのため、エンジンユニット20を配置できる領域には一定の制限がある。
【0030】
次に、図3から図9を用いて、エンジンユニット20について説明する。ここで、図3は、エンジンユニットの概略構成を示す斜視図であり、図4は、図3に示す後処理装置、エンジン支持機構及びマウント機構の斜視図である。また、図5は、図4に示す後処理装置、エンジン支持機構及びマウント機構の上面図であり、図6は、図4に示す後処理装置、エンジン支持機構及びマウント機構の側面図であり、図7は、図4に示す後処理装置、エンジン支持機構及びマウント機構の後面図である。なお、図3から図7では、上部旋回体3の車体フレーム3cを一部のみ示している。図3に示すように、エンジンユニット20は、エンジン22と、油圧ポンプ28と、後処理装置30と、エンジン支持機構32と、マウント機構34と、を有する。
【0031】
エンジン22は、ディーゼルエンジンであり、油圧ポンプ28を駆動する駆動源となる。エンジン22は、燃料タンク19から供給された燃料を吸気装置14から供給される空気を用いて燃焼させることで駆動力を発生させる。
【0032】
油圧ポンプ28は、エンジン22により駆動されることで作動油を加圧する油圧発生機構であり、エンジン22の長手方向(クランク軸方向)の一方の端部(具体的には、冷却装置24が配置されている側とは反対側の端部)に取り付けられている。油圧ポンプ28は、作動油タンク16から供給される作動油を加圧することで油圧を発生させる。加圧された作動油は、油圧機器部17から各部に供給される。
【0033】
次に、後処理装置30は、エンジン22で発生する排気ガスを浄化する浄化装置であり、油圧ポンプ28の鉛直方向上側(本実施形態では直上)に配置されている。なお、後処理装置30を油圧ポンプ28の上側に配置することで、エンジンユニット20の各部の効率よく配置することができる。つまりエンジンユニット20の設置に必要なスペースを小さくすることができる。
【0034】
後処理装置30は、主にDPF(Diesel Particulate Filter)とSCR(Selective Catalytic Reduction:選択還元触媒)とからなる。図4から図7に示すように、後処理装置30は、DPFである第1処理部42と、SCRである第2処理部44と、第1配管46、第2配管48と、排気管49と、を有する。第1処理部42と第2処理部44は略円筒形状をしている。第1処理部42は、第2処理部44の上側かつ第2処理部44よりもエンジン22に近づく位置に配置されている。第1処理部42と第2処理部44とは、エンジン22のクランク軸とは垂直に交わる方向が両処理部の長手方向となる向きで配置されている。第1配管46は、エンジン22の排気マニホールドと第1処理部42とを連結する管路である。第2配管48は、第1処理部42と第2処理部44とを連結する管路である。また、排気管49は、一方の端部が第2処理部44と連結し、他方の端部が外気に開放している。これにより、後処理装置30は、エンジン22から排出された排気ガスを、第1配管46、第1処理部42、第2配管48、第2処理部44、排気管49の順で通過させて、外気に排出する。第1配管46と第2配管48とは、少なくとも一部が蛇腹等のフレキシブル領域(部分)を備える管路で構成されている。
【0035】
第1処理部42は、排気ガス中に含まれるPM(Particulate Matter:粒子状物質)を捕集する集塵装置である。第1処理部42は、DPFであり、酸化触媒と、酸化触媒がコーティングされ、PMを捕集するスーツフィルタとからなる。第1処理部42は、排気ガス中の一酸化窒素を酸化して二酸化窒素を生成する。二酸化窒素は、排気ガスのような高温雰囲気中では不安定であり、酸素を放出して一酸化窒素に戻る。そして、酸化触媒と放出された酸素の酸化力により、スーツフィルタに捕集されたPMが燃焼する。一酸化窒素及び残りの二酸化窒素は、第2配管48を通って、第2処理部44に送られる。なお、スーツフィルタの材質としては、コージュライトや炭化珪素等のセラミックス又はステンレスやアルミニウム等の金属が用いられる。
【0036】
第2配管48には還元物質生成部が設けられている。還元物質生成部は、別途設置した還元剤供給装置から供給された還元剤を分解して還元物質を生成する。本実施形態の還元剤生成部は、還元剤としての尿素水が供給され、供給された尿素水に含まれる尿素を分解して還元物質であるアンモニアを生成する。還元物質生成部で生成した還元物質(本実施形態ではアンモニア)は、第2配管48を通って排気ガスとともに第2処理部44に供給される。
【0037】
第2処理部44は、排気ガス中に含まれる窒素酸化物を還元する脱硝装置(還元装置)である。具体的には、第2処理部44は、排気ガスの流れ方向において上流側から下流側に向かって配置されたSCR(反応部)である。つまり、第2処理部44は、SCR方式の触媒コンバーターであり、ゼオライト、バナジウム等の卑金属からなる尿素脱硝触媒(DeNOx触媒)を有する。尿素脱硝触媒は、還元物質生成部で生成されたアンモニアと排気ガス中のNOxとを反応させ、NOxを窒素と酸素とに分解して浄化する。また、後処理装置30は、排気ガスの流れ方向において第2処理部44の下流に酸化処理部を有する。酸化処理部は、酸化触媒を有しており、第2処理部44において残ったアンモニアを酸化し、窒素と水とに分解して無害化する。酸化処理部において処理された排気ガスは、排気管49を介して外部に排出される。
【0038】
次に、エンジン支持機構32について説明する。エンジン支持機構32は、エンジン22を支持する支持機構であり、上部旋回体3の車体フレーム3cに防振機構58を介して連結されている。また、エンジン支持機構32は、エンジンユニット20の油圧ポンプ28、後処理装置30、マウント機構34の各部も、直接または間接的に支持する。エンジン支持機構32は、フレームユニット51を有する。フレームユニット51は、支持フレーム52、54と、補助フレーム56と、を有する。以下では説明の都合上、エンジン22の油圧ポンプ28が取り付けられた側をエンジン後側、油圧ポンプ22が取り付けられた側とは反対側をエンジン前側と呼ぶこととする。
【0039】
支持フレーム52は、エンジン22の外周のうちのクランク軸方向の一方の側面と対面して、エンジン22の下方に配置されている。支持フレーム54は、エンジン22の外周のうちのクランク軸方向の他方の側面のエンジン22の下方、つまり支持フレーム52とは反対側の側面と対面して配置されている。支持フレーム52、54は、一方の端部が油圧ポンプ28に近接したエンジン後側に配置され、他方の端部が油圧ポンプ28とは離れたエンジン前側に配置されている。支持フレーム52、54は、ボルト等の締結部材でエンジン22に連結される。
【0040】
補助フレーム56は、エンジン前側に配置されている。補助フレーム56は、支持フレーム52と支持フレーム54とを連結している。これにより、支持フレーム52と、支持フレーム54と、補助フレーム56とは、連結された1つのフレームユニット51となり、エンジン22を上方から見た形状を長方形に近似した場合の4辺のうち油圧ポンプ28が配置された辺を除く3方の辺と対面している。
【0041】
防振機構58は、フレームユニット51と、車体フレーム3cとを連結する連結部材である。また、防振機構58は、防振ゴム等、振動を減衰する機構を有し、車体フレーム3cからフレームユニット51に伝達する振動を減衰し、フレームユニット51から車体フレーム3cに伝達する振動を減衰する。防振機構58は、フレームユニット51の4箇所に設けられており、エンジン22を上方から見た形状を長方形に近似した場合の4つの角、つまり支持フレーム52の油圧ポンプ28側の端部、支持フレーム54の油圧ポンプ28側の端部、支持フレーム52と補助フレーム56との連結部、支持フレーム54と補助フレーム56との連結部の4箇所で、それぞれフレームユニット51と連結している。
【0042】
マウント機構34は、油圧ポンプ28の周囲に配置され、一部がエンジン22及びエンジン支持機構32に連結された支持構造であり、後処理装置30を支持する。図3、図4、図8から図10を用いて、マウント機構34について説明する。図8は、図4に示すマウント機構及び後処理装置の概略構成を示す斜視図であり、図9は、図4に示すマウント機構及び後処理装置の概略構成を図8とは反対方向から示す斜視図である。また、図10は、上部ブラケットと後処理装置とを組み立てた組立体の概略構成を示す斜視図である。なお、図8及び図9では、支持フレーム52、54を一部のみ示している。図3及び図4に示すようにマウント機構34は、エンジン22及びエンジン支持機構32に連結されており、後処理装置30を油圧ポンプ28の上側の位置で支持する。図8、図9に示すようにマウント機構34は、基部ブラケット60と、上部ブラケット62と、を有する。
【0043】
基部ブラケット60は、エンジン22及びエンジン支持機構32に連結され、上部ブラケット62を支持する構造であり、基部フレーム72、74と、連結フレーム76と、を有する。
【0044】
基部フレーム72は、油圧ポンプ28と対面する面が鉛直方向に広がる板状で、鉛直方向下側の端部に締結部72aが形成された部材と、鉛直方向上側の端部にフランジ72bが形成された部材からなっている。基部フレーム72は、鉛直方向に広がる板状部材のフランジ72b側が2つに分岐したY字形状であり、Y字の2つの分岐部分は、鉛直方向上側に向かうに従って、エンジン22のクランク軸方向と平行な方向に離れる形状である。締結部72aは、基部フレーム72をボルト止め等で支持フレーム52に締結(固定)する部分である。また、フランジ72bは、水平方向に広がる板状で、エンジン22のクランク軸方向に長い長方形形状となっている。
【0045】
基部フレーム74は、締結部74aが支持フレーム54と締結し、油圧ポンプ28の基部フレーム72が対面している面とは反対側の面と対面している点を除いて基本的構成は、基部フレーム72と同様である。
【0046】
連結フレーム76は、細長い板状の部材であり、長手方向の一方の端部が基部フレーム72のフランジ72bのエンジン22側の端部に連結され、他方の端部が基部フレーム74のフランジ74bのエンジン22側の端部に連結される。連結フレーム76は、鉛直方向上側からフランジ72bとフランジ74bとを連結している。連結フレーム76には、エンジン22と連結するエンジン連結部78(図9参照)が設けられている。エンジン連結部78をボルト止めによりエンジン22に締結することによって、連結フレーム76がエンジン22に固定される。
【0047】
基部フレーム72のフランジ72b及び基部フレーム74のフランジ74bを連結フレーム76で連結することで、油圧ポンプ28の上方にコの字状(四角の1辺が欠けた形状)の面が形成される。なお、本実施形態では、フランジ72b及びフランジ74bの上面の連結フレーム76と接していない部分の少なくとも一部に、連結フレーム76と鉛直方向高さを同一とするための凸部が設けられている。
【0048】
以上より、基部ブラケット60は、エンジン支持機構32及びエンジン22に固定された部材で構成されたコの字状の面を油圧ポンプ28の上方に形成する。基部ブラケット60が油圧ポンプ28の上方に形成するコの字状の面は、油圧ポンプ28の外周に沿って形成される。基部ブラケット60は、ボルト止め等でエンジン支持機構32及びエンジン22に固定されるため、エンジン支持機構32とエンジン22と同一の振動系となる。
【0049】
上部ブラケット62は、後処理装置30の各部を支持する支持機構であり、基部ブラケット60にボルト止め等で着脱可能な状態で固定されている。上部ブラケット62は、支持パネル80と、第1支持フレーム82と、第2支持フレーム84と、固定フレーム86と、を有する。
【0050】
支持パネル80は、板状の部材であり、上部ブラケット62の土台となる。支持パネル80は、下面(鉛直方向下側の面)が基部ブラケット60の基部フレーム72のフランジ72bと基部フレーム74のフランジ74bと連結フレーム76とで構成されるコの字状の面と接する。支持パネル80は、基部フレーム72のフランジ72bと基部フレーム74のフランジ74bと連結フレーム76とで構成されるコの字状の欠けている1辺を補完した四角形の全面を覆う板状部材であり、基本的に、ボルト穴、通気孔、軽量化のための肉抜き部分以外の開口が形成されていない。支持パネル80は、基部フレーム72のフランジ72bと基部フレーム74のフランジ74bと連結フレーム76とで構成されるコの字状の面にボルト止め等で締結される。
【0051】
第1支持フレーム82は、第2処理部44を支持する支持機構であり、支持パネル80の上面(鉛直方向上側の面)に設けられている。第1支持フレーム82は、第2処理部44の外周形状に沿った支持部を有し、当該支持部を第2処理部44の外周面と接触させることで、第2処理部44を支持する。
【0052】
第2支持フレーム84は、第1処理部42を支持する支持機構であり、第1支持フレーム82の上面に設けられている。第2支持フレーム84は、板状部材を有し、当該板状部材が第1処理部42の下面に設けられた板状部材と接触する。第2支持フレーム84は、この接触している2つの板状部材をボルト止め等で固定することで、第2支持フレーム84で第1処理部42を支持し、固定する。
【0053】
固定フレーム86は、第1支持フレーム82で支持されている第2処理部44を第1支持フレーム82に固定する固定機構である。固定フレーム86は、第2処理部44の周方向において、第2処理部44の外周面の第1支持フレーム82と対面していない領域を覆うように配置されている。固定フレーム86は、第2支持フレーム84の第2処理部44側の端部84aにボルトで締結され、かつ、支持パネル80の端部の第2支持フレーム84側に折れ曲がっている部分80aにボルトで締結される(図8参照)。これにより固定フレーム86は、支持パネル80及び第2支持フレーム84を介して第1支持フレーム82に連結される。これにより、第2処理部44は、周方向の全周が互いに連結した第1支持フレーム82と固定フレーム86とで覆われ、第1支持フレーム82及び固定フレーム86から外れない状態となる。なお、固定フレーム86を他の部材に固定する方法は、ボルトによる締結に限定されない。
【0054】
上部ブラケット62は、支持パネル80上に設けられた第1支持フレーム82及び固定フレーム86で第2処理部44を支持し、第2支持フレーム84で第1処理部42を支持する。また、第2配管48は、第1処理部42及び第2処理部44によって支持され、排気管49は、第2処理部44によって支持される。これにより、図10に示すように、上部ブラケット62は、後処理装置30の各部を支持して1つの組立体(アセンブリ)となる。なお、第1配管46は、第1処理部42及びエンジン22で支持される。
【0055】
このように、後処理装置30を支持する上部ブラケット62は、支持パネル80と基部フレーム72のフランジ72bと基部フレーム74のフランジ74bと連結フレーム76とで構成されるコの字状の面にボルト止めで締結されることで、基部ブラケット60に固定される。
【0056】
エンジンユニット20は、後処理装置30を支持するマウント機構34を、エンジン22及びエンジン支持機構32で支持することで、エンジン22と後処理装置30とを同一の振動系とすることができる。これにより、エンジン22と後処理装置30との間で振動のずれが発生することを抑制し、エンジン22と後処理装置30とを接続する第1配管46にかかる負荷を小さくすることができる。つまり、エンジン22と後処理装置30との間に防振機構が配置された構成では両者の振動系が異なる振動系となり、エンジン22と後処理装置30とがずれて振動し、第1配管46の両端の位置の相対移動量が大きくなる。当該相対移動量が大きくなると第1配管46にかかる負荷が大きくなる。これに対して、エンジンユニット20は、エンジン22と後処理装置30との間に防振機構が配置されておらず、かつ、エンジン22と後処理装置30との間にある部材が固定されているため、同一の振動系となり、エンジン22と後処理装置30とが一緒に振動し、第1配管46の両端の位置の相対移動量が小さくなる。このように、エンジン22と後処理装置30との相対移動量が小さくなると第1配管46にかかる負荷が小さくなる。第1配管46にかかる負荷を小さくできることで、第1配管46を高寿命化することができ、メンテナンスが必要な回数を低減し、機械の耐久性を向上させることができる。特に、本実施形態の油圧ショベル1の様に、走行装置が履帯2で構成される機械、作業機4による作業で上部旋回体3(車両本体)に大きな振動が加わる機械の場合は、第1配管46にフレキシブルな領域を有する配管を用いた場合でも装置の耐久性が低下することがある。この場合でも、本実施形態の構成とすることで第1配管にかかる負荷を小さくでき、メンテナンスが必要な回数を低減し、装置の耐久性を向上させることができる。
【0057】
なお、第1配管46に掛かる負荷を小さくできる本実施形態でも、第1配管46を蛇腹等のフレキシブルな領域を有する構造とすることで、つまり振動による変位を吸収する機構を有する配管とすることで、エンジン22と後処理装置30(具体的には第1処理部42)との間で発生する振動のずれで、第1配管46で故障が発生しにくくすることができる。また、組立時に第1配管46とエンジン22及び第1処理部42とを接続しやすくすることができる。ここで、上記実施形態では、振動による変位を吸収する機構として、蛇腹等のフレキシブルな領域、つまり可撓性や弾性があり両者の位置ずれに応じて変形する領域を有する構造を例示したが、これに限定されない。振動による変位を吸収する機構は、第1配管46とエンジン22との接続位置と、第1配管46と後処理装置30との接続位置と、の相対的位置の変化により発生する力が第1配管46の他の領域に伝達しない機構であればよい。
【0058】
エンジンユニット20では、マウント機構34を上部ブラケット62と基部ブラケット60とで構成し、後処理装置30を支持する上部ブラケット62と基部ブラケット60とをボルト止め等の簡単に着脱可能な方法で固定することで、後処理装置30を支持する上部ブラケット62を基部ブラケット60から一度に簡単に着脱することができる。後処理装置30を支持する上部ブラケット62をサブアセンブリ化し簡単に着脱できる構造とすることで、油圧ポンプ28等の後処理装置30の下部に配置されている機器のメンテナンス時(整備時)に、1つ1つの部品を順番に取り外す等の手間を少なくすることができる。また、サブアセンブリ化することで、油圧ショベル1やエンジンユニット20の製造時に、後処理装置30を支持する上部ブラケット62を別の場所で組み立てて、組み立てたものを基部ブラケット60に装着することができる。これにより、作業効率を向上させることができる。また、サブアセンブリ化することで、後処理装置30及び上部ブラケット62を、一定の大きさで、組み立てられた状態の搬送できるため、持ち運びを容易にすることができる。これにより搬送性を向上させることができる。
【0059】
エンジンユニット20では、基部ブラケット60の上部ブラケット62に連結される部分を油圧ポンプ28が上部から見える形状、本実施形態ではコの字状にすることで、上部ブラケット62を取り外した時に、油圧ポンプ28を見やすくすることができる。これにより、メンテナンスをより容易に実行することができる。
【0060】
エンジンユニット20では、上部ブラケット62の支持パネル80を基部ブラケット60の上面を覆う板形状とすることで、支持パネル80を油圧ポンプ28と後処理装置30との間を遮蔽する遮蔽板とすることができる。このように上部ブラケット62の下面を遮蔽板とすることで、油圧ポンプ28周辺の配管等の破損により作動油が周囲に飛散した場合でも、作動油が後処理装置30にかかることを防止することができる。これにより作動油が高温になった後処理装置30にかかり、悪影響を及ぼすことを防止できる。また、遮蔽板を上部ブラケット62の一部とすることで、上部ブラケット62が基部ブラケット60に装着された使用時は遮蔽板として用いることができる。また、メンテナンス時は、上部ブラケット62を外せば、油圧ポンプ28をメンテナンス可能な状態とすることができる。なお、上記効果を得ることができ、構成部品の数も少なくすることができるため、上部ブラケット62の支持パネル80は、遮蔽板としての機能を備える形状(作動油の飛散を防止する形状)とすることが好ましいが、遮蔽板を別途設けるようにしてもよい。
【0061】
エンジンユニット20では、マウント機構34の基部ブラケット60をエンジン支持機構32とエンジン22との両方に連結した構造とし、マウント機構34に加わる荷重をエンジン支持機構32とエンジン22との両方で支えることで、後処理装置30が重くなっても適切に支持することができる。なお、後処理装置30は、基本的により大型化することで、排気ガスの処理性能を高くすることができる。これにより、エンジンユニット20は、大型の後処理装置30を用いることができることで、排気ガスに含まれる窒素酸化物や粒子状物質をより確実に除去することができる。また、エンジンユニット20は、基部ブラケット60に負荷する荷重をエンジン支持機構32とエンジン22の両方で支えることで、荷重を適切に分散することができ、基部ブラケット60の構造をより簡単にすることができる。
【0062】
エンジンユニット20では、上述した効果を得ることができるため、基部ブラケット60をエンジン支持機構32とエンジン22の両方に支持された構造とすることが好ましいがこれに限定されない。基部ブラケット60は、後処理装置30の重量が大きいと、構造が複雑化することまた使用材料の板厚が増加することにより重量が増加することがあるが、エンジン支持機構32のみに支持される構造としてもよい。また、組立時の手間が発生するが、上部ブラケット62を基部ブラケット60に加え、エンジンの他の部材に固定する構成としてもよい。
【0063】
また、エンジンユニット20は、エンジン支持機構32の支持フレーム52と支持フレーム54とを、エンジン後側からエンジン前側に延在し、エンジン後側と、エンジン前側の端部と、を車体フレーム3cに防振機構58を介して固定する構造である。つまり、エンジン支持機構32は、支持する支持フレーム52と支持フレーム54とを、少なくとも2箇所が防振機構58を介して車体フレーム3cに連結され、エンジン後側からエンジン前側に延在する構造である。これにより、エンジンユニット20は、後処理装置30及びマウント機構34の荷重をより好適に支持することができる。つまり、エンジン支持機構32の支持フレーム52、54よりも上側にある後処理装置30にエンジン22から離れる方向に力が作用しても、適切に支持することができる。さらに、エンジン支持機構32は、防振機構58を介して車体フレーム3cに連結される位置を本実施形態のようにエンジン22の両端部の近傍位置、及び/または、支持フレームの両端部とすることが好ましい。これにより、エンジン22の荷重を適切に支持することができ、かつ、後処理装置30を好適に支持することができる。また、支持フレーム52、54は、本実施形態のように、エンジン22のクランク軸方向に沿って延在することが好ましい。なお、エンジン支持機構32は、上記構成とすることが好ましいが、エンジン22を支持できる機構であればよい。例えば、夫々の支持部が連結していない構成としてもよく、防振機構58を設けている位置のみでエンジンを支持し、支持フレーム52、54、補助フレーム56を設けない構成としてもよい。
【0064】
また、エンジンユニット20は、上部ブラケット62の支持パネル80の下面と、基部ブラケット60の上面とを実質的に平坦な形状とすることが好ましい。これにより、上部ブラケット62と基部ブラケット60との位置合わせ時に位置の微調整を実行しやすくすることができる。
【0065】
また、エンジンユニット20は、後処理装置30を支持した状態の上部ブラケット62を、自立可能な構成、つまり基部ブラケット60以外(例えば地面)に置いた場合でも倒れずに置ける構成とすることが好ましい。これにより、後処理装置30を支持する上部ブラケット62の搬送時、保管時の取り扱いを容易にすることができる。
【0066】
また、第1処理部42を第2処理部44よりも上側に配置することで、フィルタ等の交換が必要で、メンテナンスの回数がより多い第1処理部42をよりメンテナンスしやすい位置に配置することができる。第2配管48もフレキシブルな領域を有する配管とすることで、第1処理部42と第2処理部44との間で振動にずれが発生した場合でも、第2配管48で故障が発生しにくくすることができる。組立時に第2配管48と第1処理部42及び第2処理部44とを接続しやすくすることができる。
【0067】
なお、上部ブラケット62は、支持パネル80と、第1支持フレーム82と、第2支持フレーム84と、固定フレーム86と、を一体の構造としても、複数の部材をボルト止めや溶接で固定した構造としてもよい。また、基部ブラケット60も同様に基部フレーム72、74と、連結フレーム76とを一体の構造としても、複数の部材をボルト止めや溶接で固定した構造としてもよい。さらに、基部ブラケット60は、エンジン支持機構32と一体の構造としてもよい。また、支持フレーム52、54は、一方の端部が油圧ポンプ28に近接したエンジン後側に配置されているが、さらにエンジン後側方向(例えば、油圧ポンプ28の後端部近傍)に延伸されていてもよい。その場合には、基部フレーム72、74との締結(固定)位置は延伸した端部だけでもよいし、延伸した端部とエンジン後側とに設けられていてもよい。
【0068】
なお、上記実施形態では、エンジンユニットを油圧ショベルに設けた場合として説明したがこれには限定されない。本実施形態のエンジンユニットは、油圧ポンプとエンジンと後処理装置を含むエンジンユニットで駆動される各種建設機械に適用することができ、例えばブルドーザ、ダンプ等に用いることができる。なお、本実施形態のエンジンユニットは、走行装置が履帯で構成されている建設機械に用いることが好ましい。走行装置が履帯で構成されている建設機械は、エンジンユニットにより大きい振動が加えられるため、本実施形態の効果をより好適に得ることができる。また、油圧ショベルは、さらにエンジンユニットの配置領域がより制限されるため、本実施形態の効果をより好適に得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0069】
以上のように、本発明にかかるエンジンユニットは、後処理装置を備えるエンジンユニットに有用であり、特に、配置領域に制限がある場合に適している。
【符号の説明】
【0070】
1 油圧ショベル
2 履帯
3 上部旋回体
3a 操縦室
3b カウンタウエイト
3c 車体フレーム
4 作業機
4a ブーム
4b アーム
4c バケット
12 エンジンルーム
14 吸気装置
16 作動油タンク
17 油圧機器部
18 作業機基部
19 燃料タンク
20 エンジンユニット
22 エンジン
24 冷却装置
28 油圧ポンプ
30 後処理装置
32 エンジン支持機構
34 マウント機構
42 第1処理部
44 第2処理部
46 第1配管
48 第2配管
49 排気管
52、54 支持フレーム
56 補助フレーム
58 防振機構
60 基部ブラケット
62 上部ブラケット
72、74 基部フレーム
76 連結フレーム
78 エンジン連結部
80 支持パネル
82 第1支持フレーム
84 第2支持フレーム
86 固定フレーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体フレームに取り付けられたエンジンユニットであって、
エンジンと、
前記車体フレームに防振機構を介して連結され、前記エンジンを支持するエンジン支持機構と、
前記エンジンに連結され、前記エンジンに駆動される油圧ポンプと、
前記油圧ポンプの鉛直方向上側に配置され、前記エンジンから排出された排気ガスを浄化する後処理装置と、
前記後処理装置を支持するマウント機構と、を有し、
前記マウント機構は、前記エンジンと一体で振動する部材と連結された基部ブラケットと、
前記基部ブラケットに対して着脱可能に固定され、前記後処理装置を支持する上部ブラケットと、を含むことを特徴とするエンジンユニット。
【請求項2】
前記上部ブラケットは、前記基部ブラケットに連結される部材が、前記後処理装置と前記油圧ポンプとの間を遮蔽する遮蔽板であることを特徴とする請求項1に記載のエンジンユニット。
【請求項3】
前記基部ブラケットは、前記エンジン支持機構に固定されていることを特徴とする請求項1または2に記載のエンジンユニット。
【請求項4】
前記エンジン支持機構は、少なくとも2箇所が前記防振機構を介して前記車体フレームに連結されている支持フレームを有し、
前記支持フレームは、前記エンジンのエンジン前側から、エンジン後側方向に延在することを特徴とする請求項3に記載のエンジンユニット。
【請求項5】
前記基部ブラケットは、前記エンジンに固定されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のエンジンユニット。
【請求項6】
前記後処理装置は、前記エンジンと連結し、前記エンジンから排出される排気ガスを案内する配管が、振動による変位を吸収する機構を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のエンジンユニット。
【請求項7】
前記後処理装置は、前記排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集する第1処理部と、前記排気ガスに含まれる窒素酸化物を還元する第2処理部とを有することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のエンジンユニット。
【請求項8】
前記第1処理部は、前記第2処理部よりも上側に配置されていることを特徴とする請求項7に記載のエンジンユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−215022(P2012−215022A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−81054(P2011−81054)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000001236)株式会社小松製作所 (1,686)
【Fターム(参考)】