説明

エンドシール装置

【課題】 メンテナンスのために容易に搬送ベルトの取外しを行なえるようにすること
【解決手段】 エンドシール装置30に設けられた搬送ベルト装置40であり、左右に所定の間隔を置いて配置された支持フレーム51,52間に複数のプーリを支持し、複数のプーリに搬送ベルト46を掛け渡す。複数のプーリのうちの少なくとも2つのプーリ44,48は搬送ベルトの外面に接触し、他のプーリは搬送ベルトの内面に接触する。プーリ48は、一方の支持フレームに対して開閉自在に連結される開閉バーに取り付けられ、プーリ44は、支持フレームの周縁に形成された切欠溝51aに回転自在に支持される。プーリ44,46を搬送ベルトから離反させると、内面に接触するプーリのみとなるので、搬送ベルトを簡単に取り外すことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、いわゆるボックスモーションタイプのエンドシール装置に関するもので、より具体的には、エンドシール装置内を移動する被包装物を内包する包装フィルムの搬送面となる渡り機構を備えたエンドシール装置に関する。
【背景技術】
【0002】
包装機の一形態であるピロー包装機は、以下のような構成を備えている。まず、原反ロールに巻き取られた帯状フィルムを連続して製袋器に供給し、その製袋器を通過させる際に筒状に製袋された筒状フィルムを形成する。また、この製袋器の上流側には被包装物搬送供給装置を配置し、その被包装物搬送供給装置から所定間隔毎に搬送される被包装物が、製袋器内に供給される。これにより、被包装物が製袋器内を通過すると、筒状フィルム内に所定間隔毎に収納されることになり、その被包装物は筒状フィルムとともに搬送される。そして、その搬送方向に沿って、センターシール装置並びにエンドシール装置が配置されている。センターシール装置は、筒状フィルムのフィルム重合端をシールするものである。エンドシール装置は、筒状フィルムを進行方向横方向(前後の被包装物が存在していない部分)にシールするとともに、カットすることで、先端の被包装物が収納された筒状フィルムの部分を後続の筒状フィルムから分離し、包装体を製造するようになる。
【0003】
上記のエンドシール装置の一形態として、筒状フィルムを挟んで上下に配置される一対のトップシーラ(カッター刃が内蔵されている)と、そのトップシーラのシール面を対向させた状態を保持しながらそのトップシーラを所定の軌跡で移動させる駆動機構とを備えたものがある。そして、上下のトップシーラは、筒状フィルムの所定位置を上下から挟み込んだ状態で一定量だけ筒状フィルムとともに前進移動する。これにより、筒状フィルムの挟まれた部位が熱シールされるとともに、カットされる。この種のエンドシール装置のタイプは、ボックスモーションタイプとも称されている。
【0004】
係るボックスモーションタイプのエンドシール装置としては、例えば、特許文献1に開示されたものがある。この特許文献1に開示されたエンドシール装置は、トップシーラのシール面を対向させた状態を保持しながらそのトップシーラを所定の軌跡で移動させる駆動機構として溝カムを用いている。そして、この溝カムの形状をシール時に水平となる部分を設けることにより、上下のトップシーラが筒状フィルムを挟み込んだ状態のまま一定距離だけ筒状フィルムとともに前進移動することで、シール時間を増加させたものである。
【0005】
ところで、トップシーラの前後には、渡り装置が設けられ、トップシーラ間を被包装物を内包する筒状フィルムが安定して移動できるようにしている。そして、ボックスモーションタイプの場合、トップシーラが前後方向にも移動することから、渡り装置の搬送ベルトフレームも水平方向に自在に移動可能とするとともに、その搬送ベルトフレームをトップシーラの取付台に連携し、トップシーラーが前後方向(製品の流れ方向)に移動するのに対して、搬送ベルトフレームが追従するようになっている。これにより、トップシーラと、搬送ベルトフレームに掛け渡された搬送ベルトとの間が大きく開いてしまうのが抑制される。
【0006】
そして、ピロー包装機における搬送装置では、例えば食品を搬送する場合において、搬送ベルトを常に清潔に保つために搬送ベルトの洗浄を行っている。また、搬送ベルトの部品交換等のメンテナンスにおいても、搬送ベルトを取り外すことがある。上記の渡り装置における搬送ベルトについても同様である。
【0007】
搬送ベルトの洗浄性を向上させたものとして、ボックスモーションタイプのエンドシール装置の渡り装置に適用したものではないが、例えば特許文献2に開示された装置がある。この装置は、搬送ベルトを外すために搬送ベルトフレーム自体をエンドシール装置から容易に外せる構造としている。また、搬送ベルトを容易に取り外すことのできる構造の搬送装置として、特許文献3,特許文献4に開示された装置がある。これらの装置では、搬送ベルトフレームを取り外すことなく、搬送ベルトを取り外せる構造となっている。
【特許文献1】実開昭58−136405
【特許文献2】特開平11−91707
【特許文献3】特開2006−335466
【特許文献4】特開2007−106523
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が対象とするボックスモーションタイプのエンドシール装置に設けられる渡り装置の場合、上述したようにトップシーラの前後方向の移動に追従して搬送ベルトの少なくとも一部も前後方向に水平移動を行なうため、トップシーラ(それを取り付けるシーラ取付台)と渡り装置とは連結されているので、搬送ベルトを掛け渡した搬送ベルトフレームごと取り外すことは困難である。よって、特許文献2に開示された技術をそのまま適用することはできない。
【0009】
上記のように、渡り装置とトップシーラ(それを取り付けるシーラ取付台)とが連結されているとともに、搬送ベルトが前後方向に水平移動をしても当該搬送ベルトがたわむことがないようにするために搬送ベルトを適宜箇所で折り返すようにしてプーリに掛け渡すといった複雑な経路を採っていることから、搬送ベルトのみを取り外すことは簡単には行えない。よって、特許文献3及び特許文献4にあるように、駆動プーリ及び従動プーリに無端ベルトが掛けられたのみといった単純な構成ではないので、それら両特許文献に開示された技術をそのまま適用することはできない。
【0010】
従って、搬送ベルトの清掃作業が繁雑であるばかりでなく、搬送ベルトが破損した場合には、搬送ベルト交換のために大掛かりな分解作業を伴う必要が生じ、包装機を長時間に渡り停止しなくてはならなかった。
【0011】
本発明は、スライドを行う搬送ベルトにおいて、大掛かりな分解作業を必要としないで清掃や部品交換等のメンテナンスのために容易にベルトの取外しを行うことのできるエンドシール装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した目的を達成するために、本発明に係るエンドシール装置は、(1)被包装物を内包する包装フィルムを挟んで上下に配置され、その包装フィルムの進行方向横方向にシールするトップシーラと、そのトップシーラのシール面を対向させた状態を保持しながらそのトップシーラを所定の軌跡で公転移動させる駆動機構と、そのトップシーラの上流側に配置される第1搬送ベルト装置と、そのトップシーラの下流側に配置される第2搬送ベルト装置と、を備え、前記第1搬送ベルト装置と前記第2搬送ベルト装置は、そのトップシーラ側の先端部が前記トップシーラの前後方向の移動に追従して前後方向に移動するように構成されるエンドシール装置を前提とする。そして、前記第1搬送ベルト装置と、前記第2搬送ベルト装置の少なくとも一方が、左右に所定の間隔を置いて配置された支持フレームと、その支持フレーム間に支持される複数のプーリと、その複数のプーリに掛け渡される搬送ベルトと、を備える。前記複数のプーリのうちの少なくとも2つは搬送ベルトの外面に接触し、他のプーリは搬送ベルトの内面に接触するように構成される。そして、その外面に接触するプーリの少なくとも1つは、一方の支持フレームに対して開閉自在に連結される開閉バーに取り付けられ、その開閉バーを閉じて両方の支持フレームの連結することでその開閉バーに取り付けられたプーリが前記搬送ベルトに接触し、内方に向けて付勢するように構成され、その外面に接触する残りのプーリは、前記支持フレームの周縁に形成された切欠溝に回転自在に支持されるように構成されるようにした。
【0013】
外面に接触するプーリは、実施形態ではリターンプーリ44と抑えプーリ48とにより実現される。実施形態では、それぞれ1つずつであるが、複数設けてもよい。また、支持フレームは、実施形態では、スイングフレーム51と固定フレーム52とにより実現される。実施形態では、複数のフレームにより構成されるが、1つでももちろんよい。
【0014】
開閉バーに取り付けられるプーリは、その開閉バーを開くことで搬送ベルトからり反させることができる。また、このように開閉バーに支持されたプーリが搬送ベルトから離反すると、搬送ベルトにたるみが生じるので、切欠溝に支持されているプーリも取り外すことができる。これにより、搬送ベルトの外面に接触する複数のプーリは、すべて搬送ベルトから離反されるので、残ったプーリは搬送ベルトの内面に接触するもののみとなるので、搬送ベルトを簡単に取り外すことができる。
【0015】
(2)前記切欠溝は、開口部よりもその奥側が下方に位置するように斜めに切り欠かれるようにするとよい。このようにすると、プーリは当該切欠溝に安定して支持されるので好ましい。
【0016】
(3)前記一対の支持フレームは、それぞれ前記上下のトップシーラや前記駆動機構を装着する機枠に連携され、その一対の支持フレームの少なくとも一方は、連携するブラケットを着脱自在にし、そのブラケットを取り外すことで、その機枠との間に前記搬送ベルトを通過させる隙間を形成するように構成するとよい。
【0017】
係る構成を採ると、搬送ベルトの着脱は簡単に行えるとともに、搬送ベルトをセットした通常の状態ではブラケットを取り付けることで、支持プレートをしっかりと連結できるので、包装作業時の搬送が安定して行える。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、搬送ベルトを簡単に取り外すことができるので、搬送ベルトの清掃や部品交換等のメンテナンスが短時間で行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1に示すように、本実施の形態のエンドシール装置が実装されるピロー包装機10は、包装機本体11と、その包装機本体11に対して帯状の包装フィルムを連続して供給するフィルム供給装置12と、包装機本体11の上流側に配置され、その包装機本体11に対して被包装物13を所定間隔毎に供給する被包装物搬送供給装置14とを備えている。
【0020】
フィルム供給装置12は、帯状フィルム15をロール状に巻き取った原反ロール16に対し、図示省略する駆動モータ(サーボモータ等の速度制御可能なモータ)の出力を連係し、原反ロール16の回転速度を適宜制御しながら一定速度で包装機本体11に供給する。また、図示省略しているが、原反ロール16から包装機本体11に至る所定位置に各種のローラを配置し、原反ロール16から送り出された帯状フィルム15は、そのローラに掛け渡されることで、所定の経路を通って包装機本体11に導かれる。もちろん、本発明では、必ずしも原反ロール16に駆動モータを連係する必要はなく、包装フィルムの搬送経路上にフィードローラを設け、引き出すようにしても良い。
【0021】
被包装物搬送供給装置14は、前後に配置されたスプロケット17(図では、進行方向前方のみ記載)と、その複数のスプロケット17に掛け渡されたエンドレスチェーン18と、そのエンドレスチェーン18に所定ピッチ毎に取り付けられた複数の押送フィンガー19とにより構成される。これにより、被包装物13の後面に押送フィンガー19が突き当たると、押送フィンガー19の移動に伴い、被包装物13も前進移動する。
【0022】
包装機本体11は、供給される帯状フィルム15を筒状フィルム21に整袋する製袋器20と、その製袋器20の下流側に配置されたセンターシール装置24と、そのセンターシール装置24の下流側に配置され、筒状フィルム21を搬送するベルトコンベア23と、ベルトコンベア23の上方に配置された上側抑えベルト25と、ベルトコンベア23の下流側に配置されたエンドシール装置30と、エンドシール装置30の下流側に配置された搬出コンベア26と、を備えている。
【0023】
製袋器20は、フィルム供給装置12から連続して供給される帯状フィルム15を通過させることで、帯状フィルム15の両側端縁部15a同士を接触(重合)させるとともに、筒状となった筒状フィルム21に整袋するものである。また、被包装物搬送供給装置14から包装機本体11に対して順次供給される被包装物13は、製袋器20内に挿入される。これにより、製袋器20に供給された被包装物13は、筒状フィルム21内に所定間隔ごとに配置されることになる。
【0024】
センターシール装置24は、重合された帯状フィルム15の両側端縁部15aをシールする。このセンターシール装置24は、帯状フィルム15の両側端縁部15aを両側から挟み込み、熱シールする。
【0025】
上側抑えベルト25は、エンドシール装置30の上流側の直近に配置されており、筒状フィルム21内の被包装物13が上方に持ち上がるのを抑制し、水平状態を保持しながら搬送できるようにしている。
【0026】
エンドシール装置30は、筒状フィルム21に対し、進行方向と直交する方向、つまり、横断する方向にシールすると共にカットするものである。そのシール・カットするフィルム部位は、前後の被包装物13の間の所定位置である。これにより、エンドシール装置30を通過することで、筒状フィルム21の先頭部分は、後続から分離され、包装体27が製造される。
【0027】
以下、エンドシール装置30について説明する。エンドシール装置30は、筒状フィルム21を挟んで上下に対向配置されるトップシーラ31a,31bを備え、そのトップシーラ31a,31bのシール面を対向させた状態を保持しながらそれぞれを所定の軌跡で公転移動させるようになっている。
【0028】
すなわち、上下のトップシーラ31a,31bは、それぞれ上側シーラ取付台32a,下側シーラ取付台32bに取り付けられている。そして、上側シーラ取付台32aの進行方向後面には、下方に延びるガイドレール33を取り付け、一方、下側シーラ取付台32bの進行方向後面には、ガイドレール33に連係されたスライダ34を取り付ける。スライダ34は、ガイドレール33に沿って往復移動可能となり、これにより、上側シーラ取付台32aと下側シーラ取付台32bとが一体化され、それらに取り付けた上下のトップシーラ31a,31bが互いに対向した状態で接近離反するようになる。
【0029】
上側シーラ取付台32a,下側シーラ取付台32bは、それぞれ両側面に突出するように支持ピン(図示省略)を設け、その支持ピンを回転腕36に連係することで支持され、回転腕36の回転に伴い上側シーラ取付台32a,下側シーラ取付台32bは回転する。つまり、回転腕36には、その外側(下側シーラ取付台32bと反対側)にカムフロア(図示省略)が設けられ、そのカムフロアが機枠40の側面に取り付けられたカム板37に設けられたカム溝38に連携される。これにより、回転腕36が回転すると、カムフロアもカム溝38に沿って移動し、カム溝38のパターンに従い回転中心から接近離反しながら公転移動することで、上側,下側シーラ取付台32a,32bひいては上下のトップシーラ31a,31bが所定の軌跡で公転移動する。なお、回転腕36は、機枠40の外側に配置されたギヤ39に連携され、そのギヤが図示省略の駆動モータに連携されることから、その駆動モータの回転力を受けて回転する。
【0030】
なお、この上下のトップシーラ31a,31bを公転移動させる機構は、図示する本実施形態のものに限ることはなく、特許文献1に示すものの他、各種のものを利用することができる。
【0031】
そして、本実施形態では、図2〜図4に示すように、上下のトップシーラ31a,31b間を筒状フィルム21(内包する被包装物)を安定して移動させるための渡り装置70を設けている。この渡り装置70は、上下のトップシーラ31a,31bの上流側と下流側にそれぞれ設けた搬送ベルト装置を備え、両搬送ベルト装置は、下側のトップシーラ31bが取り付けられる下側シーラ取付台36bに連係され、その下側シーラ取付台36bの前後方向の移動に追従して前後移動することで、その搬送ベルト装置とトップシーラ31bとの前後方向での隙間を一定距離以下に保持するようになっている。なお、図2〜図4では、下流側の搬送ベルト装置41のみを図示しているが、上流側にも搬送ベルト装置が配置される。
【0032】
搬送ベルト装置41は、進行方向後方側先端(トップシーラ31a,31b側)に前後方向に移動可能に配置したスイングフレーム51と、そのスイングフレーム51の下方から前方に至るように配置した固定フレーム52と、を設け、それら両フレーム51,52の適宜位置にプーリを回転自在に指示させ、そのプーリに搬送ベルト46を掛け渡すことで構成される。
【0033】
スイングフレーム51は、左右一対で所定間隔を置いて配置され、それぞれが図示省略の連携部材により、下側シーラ取付台32bに連携され、下側シーラ取付台32bの前後方向の移動に追従して前後進移動する。また、この一対のスイングフレーム51の上方先端に、小プーリ42が回転支持され、その小プーリ42が、下側のトップシーラ31bに近接配置される。また、スイングフレーム51の先端側下方には従動プーリ43が回転支持される。これら小プーリ42,従動プーリ43は、その両端がスイングフレーム51の所定位置に設けられた貫通孔(軸受け部)に挿入されることで、自転は許容されるが、簡単にスイングフレーム51から離脱するのは抑制される。また、これら小プーリ42,従動プーリ43は、搬送ベルト46の内面側に接触する。
【0034】
さらにスイングフレーム51の進行方向前方側の下方所定位置に、帯状の切欠溝51aを設け、その切欠溝51aにリターンプーリ44を回転自在に支持させる。この切欠溝51aは、上方から斜め下方に向けて延びるように形成されているので、リターンプーリ44の回転軸を切欠溝51aに挿入すると、その自重により奥側(下方)へ移動するので、離脱することはない。さらに、リターンプーリ44は、搬送ベルト46の外面側に接触する。つまり、搬送ベルト46は、このリターンプーリ44で折り返して従動プーリ43,小プーリ42に至るように掛け渡される。このように、進行方向前方側に開口する切欠溝51aにリターンプーリ44を装着するとともに、そのリターンプーリ44が搬送ベルトの46の外面側に接触するようにしたため、図3に示すように、リターンプーリ44が切欠溝51aから離脱する方向(図中右方向)には搬送ベルト46が存在しており、その離脱が抑止される。
【0035】
一方、固定フレーム52は、エンドシール装置30の機枠40の背面板40aの下方に対して固定される。すなわち、背面板40aの下方に、帯状プレート53を固定し、その帯状プレート53と固定フレーム52とを、ブラケット54にて連結する。ブラケット54の接触面側の中央には、上下方向に延びる突部54aを設けている。これにより、帯状プレート53と固定フレーム52とは、その突部54aの幅に相当する隙間S′が形成される。
【0036】
固定フレーム52の適宜位置には、従動プーリ43を回転自在に支持させる。また、固定フレーム52の下方には、駆動プーリ45を回転可能に支持させている。これら従動プーリ43と駆動プーリ45は、搬送ベルト46の内面側に接触する。さらに駆動プーリ45は、図示省略の駆動モータに連携され、回転力を受ける。この回転力が搬送ベルト46に伝わり、搬送ベルト46が回転する。
【0037】
固定フレーム52の進行方向前方側所定位置には、抑えプーリ48を取り付けている。この抑えプーリ48は、搬送ベルト46の外面側に接触し、内方に向けてテンションを掛けるものである。つまり、一方の固定フレーム52に対してヒンジ等により開閉自在に片持ち支持される開閉バー56に、抑えプーリ48を回転自在に連結する。開閉バー56の自由端側には、固定ボルト57が装着され、開閉バー56を閉じた状態では、その固定ボルト56に対向する固定フレーム52に設けられた受け部材58にその固定ボルト57の先端を挿入するとともに締め付けることで固定する。すると、抑えプーリ48が搬送ベルト46の外面側に接触し、これを内方に付勢する。また、固定ボルト57を外すことで、開閉バー56をフリーにし、それを開いて抑えプーリ48を搬送ベルト46から離反させることができる。
【0038】
次に、上記の実施形態の作用を説明する。開閉バー56を閉じた状態では、搬送ベルト46は、その外面側で接触するリターンプーリ44の部分で大きく折り返されるとともに、抑えプーリ48によって一定のテンションが与えられ、ぴんと張った状態となる。そして、駆動プーリ45の回転に伴い、回転し、搬送処理を行なう。
【0039】
一方、搬送ベルト46の清掃その他のメンテナンスを行なう場合、一方の固定フレーム52に連結されたブラケット54を取り外す。これにより、搬送ベルト装置40は、もう一方の固定フレーム52に連結されたブラケット54によって機枠40の背面板40aに片持ち支持された状態となる。そして、ブラケット54を外した側は、機枠40(背面板40a)と、固定フレーム52との間に隙間S′が形成される。この隙間S′は、少なくとも搬送ベルト46の厚さよりは広く設定している。また、そのブラケット54を取り外した側のスライドフレーム51と下側シーラ取付台32bとを連携も解除し、搬送ベルト46が通過可能とする。
【0040】
また、このブラケット54の取り外し作業と前後して、開閉バー56を開き、抑えプーリ48を搬送ベルト46から離反させる。これにより、搬送ベルト46は、抑えプーリ48からの内方に向けての付勢力が解除されるので、たるむ。すると、リターンプーリ44の折り返し部分における搬送ベルト46の部位もゆるむので、リターンプーリ44を切欠溝51aから簡単に取り外すことができる(図2参照)。すると、搬送ベルト46に接触する小プーリ42,従動プーリ43,駆動プーリ45は、いずれも搬送ベルト46の内面に接触するので、搬送ベルト46を各プーリから離脱して取り外すことが簡単に行なえ、さらに、取り外した搬送ベルト46は、隙間S′等を介して両フレーム51,52から手前側に外すことができる。
【0041】
このように取り外してフリーとなった搬送ベルトは、簡単に清掃作業を行なうことができるし、別の搬送ベルトへの交換も簡単に行える。また、搬送ベルト46の搬送ベルト装置41への取り付けは、上記と逆の手順で行なうことになる。
【0042】
また、上述した実施形態では、下流側の搬送ベルト装置41に適用した例を示したが、これとは逆に上流側の搬送ベルト側のみに適用しても良いし、上流側と下流側の両方の搬送ベルト装置に適用してももちろん良い。
【0043】
上述した実施形態では、いずれもピロー包装機に適用した場合を示しているが、本発明はこれに限ることはなく、四方シール包装機,深絞り包装機その他の各種の包装機に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明のエンドシール装置が実装される包装機の一例を示す図である。
【図2】本発明に係るエンドシール装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図3】本発明に係るエンドシール装置の一実施形態を示す正面図である。
【図4】本発明に係るエンドシール装置の一実施形態を示す平面図である。
【符号の説明】
【0045】
10 ピロー包装機
11 包装機本体
12 フィルム供給装置
13 被包装物
14 被包装物搬送供給装置
21 筒状フィルム
24 センターシール装置
30 エンドシール装置
31a 上側のトップシーラ
31b 下側のトップシーラ
41 搬送ベルト装置
44 リターンプーリ
46 搬送ベルト
51 スイングフレーム
51a 切欠溝
52 固定フレーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被包装物を内包する包装フィルムを挟んで上下に配置され、その包装フィルムの進行方向横方向にシールするトップシーラと、
そのトップシーラのシール面を対向させた状態を保持しながらそのトップシーラを所定の軌跡で公転移動させる駆動機構と、
そのトップシーラの上流側に配置される第1搬送ベルト装置と、
そのトップシーラの下流側に配置される第2搬送ベルト装置と、
を備え、
前記第1搬送ベルト装置と前記第2搬送ベルト装置は、そのトップシーラ側の先端部が前記トップシーラの前後方向の移動に追従して前後方向に移動するように構成されるエンドシール装置であって、
前記第1搬送ベルト装置と、前記第2搬送ベルト装置の少なくとも一方が、
左右に所定の間隔を置いて配置された支持フレームと、
その支持フレーム間に支持される複数のプーリと、
その複数のプーリに掛け渡される搬送ベルトと、を備え、
前記複数のプーリのうちの少なくとも2つは搬送ベルトの外面に接触し、他のプーリは搬送ベルトの内面に接触するように構成され、
その外面に接触するプーリの少なくとも1つは、一方の支持フレームに対して開閉自在に連結される開閉バーに取り付けられ、その開閉バーを閉じて両方の支持フレームの連結することでその開閉バーに取り付けられたプーリが前記搬送ベルトに接触し、内方に向けて付勢するように構成され、
その外面に接触する残りのプーリは、前記支持フレームの周縁に形成された切欠溝に回転自在に支持されるように構成された
ことを特徴とするエンドシール装置。
【請求項2】
前記切欠溝は、開口部よりもその奥側が下方に位置するように斜めに切り欠かれていることを特徴とする請求項1に記載のエンドシール装置。
【請求項3】
前記一対の支持フレームは、それぞれ前記上下のトップシーラや前記駆動機構を装着する機枠に連携され、
その一対の支持フレームの少なくとも一方は、連携するブラケットを着脱自在にし、そのブラケットを取り外すことで、その機枠との間に前記搬送ベルトを通過させる隙間を形成するように構成したことを特徴とする請求項1または2に記載のエンドシール装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−91034(P2009−91034A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−265658(P2007−265658)
【出願日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【出願人】(000206093)大森機械工業株式会社 (138)
【Fターム(参考)】