説明

オイルフィルタの洗浄装置

【課題】オイルフィルタを自動洗浄することができるとともに、オイルフィルタの洗浄及び調理を同時に行うことのできるオイルフィルタの洗浄装置を提供する。
【解決手段】オイルフィルタ32の洗浄水を流通させる洗浄水通路26を排気通路22とは別系統で独立に設けて、オイルフィルタ32の一部が排気通路22を横切る状態に、他の一部が洗浄水通路26内に位置する状態に回転式且つ円盤状のオイルフィルタ32を排気通路22と洗浄水通路26とにまたがって配置する。そしてオイルフィルタ32の回転により排気の浄化とオイルフィルタ32の洗浄とを併行して行えるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、キッチンでの調理の際に発生した油分を含む排気から油分を除去するために用いられるオイルフィルタの洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、キッチンでの調理の際に発生した油分を含む排気を排気ファンにより吸入口から吸入した上、排気通路を通じて屋外に排出する排気装置において、排気をオイルフィルタに通して排気中に含まれている油分その他を除去することが行われていた。
【0003】
従来においてこのオイルフィルタは、通常加熱機器を含む調理器具(レンジ)の上方に下向きに(調理器具に向けて)設けられた排気の吸入口にセットされて用いられていた。
【0004】
ところでこのオイルフィルタは長く使用するうちに油分その他の付着量が多くなって除去効率が低下するとともに、場合によって付着した油分が下方に滴り落ちたりするため、大掃除の際等に定期的にオイルフィルタを取り外して洗浄し、付着した油分その他を除去することが必要であった。
【0005】
しかしながら油分が多く付着し、汚れたオイルフィルタの脱着及び洗浄作業は作業者の手や周辺に油分が付着する等快適な作業とは言えず、また面倒な作業ともなっていた。
【0006】
下記特許文献1には、ダンパーの開閉の切替えによって汚れたオイルフィルタを自動洗浄可能となしたものが開示されている。
しかしながらこの特許文献1に開示のものは、オイルフィルタの洗浄に際してダンパーの開閉の切替えを行わなければならないものであって、調理をしているときにはオイルフィルタを洗浄できず、またオイルフィルタ洗浄するときには調理をすることができない点で本発明のものとは異なっている。
【0007】
【特許文献1】特開平7−4710号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は以上のような事情を背景とし、オイルフィルタを自動洗浄し得てオイルフィルタの定期的な洗浄作業を不要となし得るとともに、オイルフィルタの洗浄及び調理を同時に行うことのできるオイルフィルタの洗浄装置を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
而して請求項1のものは、キッチンでの調理の際に発生した油分を含む排気を排気ファンにより吸入口から吸入した上、排気通路を通じて排出する排気装置において該排気から油分を除去するために用いられるオイルフィルタを洗浄するオイルフィルタの洗浄装置であって、前記オイルフィルタの洗浄水を流通させる洗浄水通路を前記排気通路とは別系統で独立に設けて、該オイルフィルタの一部が該排気通路を横切る状態に、他の一部が該洗浄水通路内に位置する状態に該オイルフィルタをそれら排気通路と洗浄水通路とにまたがって配置するとともに、該オイルフィルタを該排気通路内に位置する部分と該洗浄水通路内に位置する部分とが入れ替わるように可動式となしてあるとともに、該洗浄水通路には排水トラップが設けてあることを特徴とする。
【0010】
請求項2のものは、請求項1において、前記洗浄水通路が、食器洗浄器からの排水を流通させ排出する排水通路を成していることを特徴とする。
【0011】
請求項3のものは、請求項1,2の何れかにおいて、前記洗浄水通路には洗浄水を溜める液溜部が設けてあって、該液溜部に前記オイルフィルタの下部を浸漬させ、該液溜部で該オイルフィルタを洗浄するようになしてあることを特徴とする。
【0012】
請求項4のものは、請求項3において、前記オイルフィルタ及び液溜部が前記吸入口とともに調理台の上面よりも上方に配置してあることを特徴とする。
【0013】
請求項5のものは、請求項3において、前記液溜部が洗浄水通路への洗浄水の流入部よりも下方に設けてあることを特徴とする。
【0014】
請求項6のものは、請求項3において、前記液溜部が前記排水トラップを兼用していることを特徴とする。
【0015】
請求項7のものは、請求項1〜6の何れかにおいて、前記オイルフィルタが円盤状となしてあって、中心周りに回転するようになしてあることを特徴とする。
【0016】
請求項8のものは、請求項1〜6の何れかにおいて、前記オイルフィルタがエンドレスベルト状となしてあって、上下の一対の軸に巻き掛けられ、それら軸周りに回動するものとなしてあることを特徴とする。
【発明の作用・効果】
【0017】
以上のように本発明は、オイルフィルタの洗浄水を流通させる洗浄水通路を排気通路とは別系統で独立に設けて、オイルフィルタをそれら排気通路と洗浄水通路とにまたがって配置するとともに、オイルフィルタを排気通路内に位置する部分と、洗浄水通路内に位置する部分とが入れ替わるように可動式となしたものである。
【0018】
本発明では、洗浄水通路が排気通路とは別系統で独立に設けてあるため、調理に際して排気を行いつつ洗浄水通路に洗浄水を流して、その洗浄水によりオイルフィルタの一部を洗浄することができる。
【0019】
而してそのオイルフィルタは、排気経路内に位置する部分と、洗浄水通路内に位置する部分とが入れ替わるように可動式となしてあるため、排気通路を排気が流通する際にオイルフィルタにて排気中の油分等を除去することができる一方で、洗浄水通路内に位置している部分を変化させて行くことで、オイルフィルタが排気通路と洗浄水通路とにまたがって設けられているにも拘らず、オイルフィルタ全体を洗浄することが可能である。
【0020】
本発明では、オイルフィルタの排気通路内に位置している部分で排気の浄化を行うことができるとともに、洗浄水通路内に位置している部分を洗浄水にて洗浄することができるため、特許文献1に示すもののようにダンパーの開閉の切替えをその都度行わなくても、調理に際して排気を行いつつ、これと併行して洗浄水によるオイルフィルタの洗浄を行うことができる。
【0021】
また本発明の洗浄装置では、洗浄水を流すことによって自動的にオイルフィルタを洗浄することができるため、定期的にオイルフィルタを取り出して手作業でこれを洗浄するといった必要がなく、従来面倒な作業となっていたオイルフィルタの洗浄のための作業を不要化することが可能となる。
【0022】
しかも本発明の洗浄装置では、洗浄水通路が排気通路とは別系統で独立に設けてあるため、排気通路内に洗浄水が入り込むことによって、排気通路上に設けてある排気ファンに洗浄水が付着して、このことが排気ファンの故障に繋がるといった問題を生じない利点を有している。
【0023】
請求項2は、食器洗浄器からの排水を流通させ排出する排水通路をもって,上記洗浄水通路となしたもので、この請求項2によれば、食器洗浄時の排水をオイルフィルタ洗浄用に有効に活用することができるとともに、食器洗浄器のための専用の排水トラップを不要となすことができる。
また食器洗浄器は日常的に頻繁に用いられるため、オイルフィルタを自動的且つ頻繁に洗浄することができ、オイルフィルタへの油分等の付着を常に最小に維持し得て、オイルフィルタによる油分等の除去効率を常に高効率に維持することができる。
【0024】
本発明では、洗浄水通路に洗浄水を溜める液溜部を設けておいて、その液溜部にオイルフィルタの下部を浸漬させ、その液溜部でオイルフィルタを洗浄するようになしておくことができる(請求項3)。
【0025】
本発明では、オイルフィルタ及び液溜部を吸入口とともに調理台の上面よりも上方に配置しておくことができる(請求項4)。
このようにしておけば、オイルフィルタや液溜部で何等かのトラブルが生じた場合においても容易に対処することができる。
【0026】
本発明ではまた、液溜部を洗浄水通路への洗浄水の流入部よりも下方に設けておくことができる(請求項5)。
液溜部を洗浄水の流入部よりも上方に設けておいた場合、洗浄水をポンプ等にて持ち上げなければならないが、請求項5に従って液溜部を洗浄水の流入部よりも下方に設けておけばポンプを不要となし得、洗浄装置の構成を簡単化することができ、また装置の作動の信頼性を高めることができる。
【0027】
次に請求項6は、請求項3における上記液溜部を排水トラップを兼用させるようになしたもので、この請求項6によれば、かかる液溜部とは別途に洗浄水通路上に排水トラップを設けることを省略できる利点が得られる。
【0028】
本発明ではまた、オイルフィルタを円盤状となして中心周りに回転するようになし、オイルフィルタの排気通路内に位置する部分と洗浄水通路内に位置する部分とを、オイルフィルタの回転により順次に位置変化させるようになすことができ(請求項7)、洗浄水によるオイルフィルタの連続的な洗浄と、オイルフィルタによる排気からの連続的な油分等の除去とを併行して同時に行うことを簡単に実現することができる。
【0029】
一方本発明ではオイルフィルタをエンドレスベルト状となして、これを上下の一対の軸に巻き掛け、それら軸周りにオイルフィルタを回動させるようになして、そのことによりオイルフィルタに対する洗浄水による連続的な洗浄と、オイルフィルタによる排気からの油分等の連続的な除去とを簡単に実現することができる(請求項8)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
次に本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1及び図2において、10はキッチンに設置された調理台で、上部に電磁誘導式の加熱ヒータから成るIHクッキングヒータ12を有する調理器具14が設けられている。
またキャビネット16の内部には食器洗浄器17が設けられている。
尚、18はIHクッキングヒータ12上に載せられて直接加熱される調理容器である。
【0031】
19は、調理台10の奥部において上方に起立する形態で設けられた起立部で、その側面(使用者及び調理器具14から見て正面)に調理の際に発生した油分,煙を含む排気を吸入する吸入口20が形成されている。
【0032】
22は吸入口20に連通して形成された排気通路で、この排気通路22上には排気ファン24が設けられており、吸入口20から吸入された排気が排気ファン24により屋外へと排気されるようになっている。
【0033】
26は洗浄水通路で、この実施形態では、洗浄水通路26はキャビネット16内の食器洗浄器17からの洗浄排水を排出するための排水通路から成っている。
洗浄水通路26は、食器洗浄器17から延び出した略水平な通路26-1と、これから調理台10の上面より上方まで立ち上がる通路26-2と、立下り側の通路26-3とを有している。
食器洗浄器17からの排水は流入部Rからこの洗浄水通路26内に流入してこれを流通し、そしてその洗浄水通路26上に設けられた排水トラップ28を経由して外部へと排出される。
【0034】
この実施形態では、食器洗浄器17から排出された排水を通路26-2を通じて上方に持ち上げるためのポンプ29が洗浄水通路26上に設けられている。
また立上り側の通路26-2と立下り側の通路26-3との間には液溜部30が設けられており、そこに食器洗浄器から排出された排水が洗浄水として貯溜されるようになっている。
尚この液溜部30は、下記のオイルフィルタ32とともに調理台10の上面よりも上方位置に設けられている。
【0035】
オイルフィルタ32は、排気中の油分等を付着させて排気から除去するもので、金属線材をメッシュ状に組んだ形態のメッシュ部材にて構成してある。但し樹脂その他の材質にてこれを構成することも可能である。
この実施形態において、オイルフィルタ32は円盤状を成しており、その上部が排気通路22を横切る状態で、また下部が上記の液溜部30内の水に浸漬する状態で、排気通路22と洗浄水通路26とにまたがって配置されている。
オイルフィルタ32は中心部において回転軸34により支持されているとともに、モータ36による回転軸34の回転によって、その全体が回転軸34周りに回転するようになしてある。
【0036】
尚、調理器具としてガスコンロ等を用いたものは炎によって上向きに大きな上昇気流が発生し、調理に際して調理容器18内部から発生した油分を含む煙等の排気がその上昇気流によって上向きに流れる。
従ってこうした場合には通常、吸入口が上方において下向きに設けられ、上昇気流はそのまま下向きの吸入口内部に吸入されて外部へと排出される。
【0037】
ところがIHクッキングヒータ12の場合炎を発生させないために、そうした上昇気流があまり起きず、従って調理容器18内部等から発生した油分や煙を含む排気は周辺に漂った状態となって、室内方向へと拡散してしまい、良好に排気され難い問題がある。
【0038】
そこでここでは調理台10に設けた吸気口38から空気を吸って排気装置における吸入口20に向けて空気を吹き出し、調理容器18内部から発生した煙等の排気を吸入口20に向けて誘導する誘引流を生じる誘引流発生装置40が設けられている。
【0039】
この誘引流発生装置40は、送風ファン42と、空気を吸入口20に向けて吹き出す吹出口44とを備えて構成されている。
このようにすることで、調理容器18から発生した油分,煙を含む排気を誘引流にて効果的に吸入口20に向け誘導することができ、煙を含む排気が周辺に漂い、また室内に拡散してしまうのを有効に防止し得て、排気を効率高く行うことができる。
【0040】
またこの実施形態ではオイルフィルタ32及び液溜部30が調理台10の上面よりも上方に配置してあるため、オイルフィルタ32に異物が引っ掛かる等の何等かのトラブルがオイルフィルタ32に生じた場合であっても容易にオイルフィルタ32を取り出して、これを正常な状態に戻すことができ、同様に液溜部30に何等かのトラブルが生じた場合でも、容易にこれを元の正常な状態に復帰させることができる利点を有する。
【0041】
この実施形態では、調理に際して発生した油分,煙を含んだ排気は、排気ファン24の作動により吸入口20から吸い込まれて排気通路22を流通し、屋外へと排出される。
このとき吸入口20から吸入された排気が、排気通路22を横切る状態で設けられているオイルフィルタ32を通過することで、排気中に含まれている油分等がそこに付着して排気から除去される。
【0042】
この実施形態において、オイルフィルタ32はモータ36にて回転運動させられる。
従って排気通路22内部に位置していて排気からオイルを除去した部分が、モータ36による回転によって次には液溜部30内の水の中に浸漬し、そこでオイルフィルタ32に付着した油分等が除去されて清浄化される。
そして清浄化された部分が、再びモータ36によるオイルフィルタ32の回転によって排気通路22内部に位置させられて、そこで再び排気通路22内を流通する排気から油分等を除去する。
【0043】
本実施形態ではこうした動きが連続的若しくは断続的に行われることによって、オイルフィルタ32が排気通路22内で排気を清浄化する一方で、液溜部30内部でオイルフィルタ32に付着した油分が取り除かれ、その洗浄が連続的若しくは断続的に行われる。
【0044】
本実施形態では、洗浄水通路26上に液溜部30が設けてあって、そこへの浸漬によりオイルフィルタ32が洗浄されるようになしてあるため、食器洗浄器17を使用していないとき、即ち食器洗浄器からの排水が供給されていないときでも、支障なくオイルフィルタ32を洗浄することが可能である。
【0045】
尚、食器洗浄器17を使用したときには、その排水が図2に示しているようにポンプ29にて立上り側の通路26-2を上向きに押し上げられる。
押し上げられた排水(洗浄水)は液溜部30へと流れ込んだ後、更に液溜部30からオーバーフローして立下がり側の通路26-3へと流れ込み、その後排水トラップ28を経由して外部へと排出される。
【0046】
以上のように本実施形態では、洗浄水通路26が排気通路22とは別系統で独立に設けてあるため、調理に際して排気を行いつつ洗浄水通路26に洗浄水を流して、その洗浄水によりオイルフィルタ32の一部を洗浄することができる。
【0047】
而してそのオイルフィルタ32は、排気通路22内に位置する部分と、洗浄水通路26内に位置する部分とが入れ替わるように回転式となしてあるため、排気通路22を排気が流通する際にオイルフィルタ32にて排気中の油分等を除去することができる一方で、洗浄水通路26内に位置している部分を変化させて行くことで、オイルフィルタ32が排気通路22と洗浄水通路26とにまたがって設けられているにも拘らず、オイルフィルタ32全体を洗浄することができる。
【0048】
また本実施形態によれば、オイルフィルタ32の排気通路26内に位置している部分で排気の浄化を行うことができるとともに、洗浄水通路26内に位置している部分を洗浄水にて洗浄することができるため、ダンパーの開閉の切替えをその都度行わなくても、調理に際して排気を行いつつ、これと併行して洗浄水によるオイルフィルタ32の洗浄を行うことができる。
【0049】
また本実施形態の洗浄装置では洗浄水を流すことによって自動的にオイルフィルタ32を洗浄することができるため、定期的にオイルフィルタ32を取り出して手作業でこれを洗浄するといった必要がなく、従来面倒な作業となっていたオイルフィルタの洗浄のための作業を不要化することができる。
【0050】
しかも本実施形態の洗浄装置では、洗浄水通路26が排気通路22とは別系統で独立に設けてあるため、排気通路22内に洗浄水が入り込むことによって、排気通路22上に設けてある排気ファン24に洗浄水が付着して、このことが排気ファン24の故障に繋がるといった問題を生じない利点を有している。
【0051】
本実施形態では、食器洗浄器17からの排水を流通させ排出する排水通路が上記洗浄水通路26を成しているため、食器洗浄時の排水をオイルフィルタ32洗浄用に有効に活用することができるとともに、食器洗浄器17のための専用の排水トラップを不要となすことができる(排水トラップ28がその働きをなす)。
また食器洗浄器17は日常的に頻繁に用いられるため、オイルフィルタ32を自動的且つ頻繁に洗浄することができ、オイルフィルタ32への油分等の付着を常に最小に維持し得て、オイルフィルタ32による油分等の除去効率を常に高効率に維持することができる。
【0052】
本実施形態では、オイルフィルタ32及び液溜部30を吸入口とともに調理台の上面よりも上方に配置してあり、そのためオイルフィルタ32や液溜部30で何等かのトラブルが生じた場合においても容易に対処することができる。
【0053】
図3及び図4は本発明の他の実施形態を示している。
この例は、図4に拡大して示しているように液溜部30内部に下向きに垂下する隔壁48を設けて、液溜部30を排水トラップ50として構成した例である。
このようにしておけば、図1に示す排水トラップ28を液溜部30とは別途に洗浄水通路26上に設けることを省略できる。
【0054】
図5は本発明の更に他の実施形態を示している。
この例は、オイルフィルタ32をエンドレスベルト状に構成して上下の一対の軸52,54に巻き掛け、そして下部の一部を液溜部30の水中に浸漬した状態で、オイルフィルタ32を軸52,54周りに回動運動させるようになしている。
尚エンドレスベルト状のオイルフィルタ32はモータ等の駆動源にて回動駆動される。
【0055】
オイルフィルタ32は、上側の一部が排気通路22を横切る状態で排気通路22内に位置しており、排気通路22を排気が流通する際に、排気がこのオイルフィルタ32を通過することで、排気中に含まれている油分がそこに付着して排気から除去される点で上記実施形態で同様である。
【0056】
但しこの実施形態では、オイルフィルタ32が排気の通路上に2重をなすように位置していることから、排気が2度に亘ってこのオイルフィルタ32を通過することとなり、排気からの油分の除去効率が高い利点を有する。
【0057】
尚本実施形態においても、オイルフィルタ32に対する洗浄水による連続的な洗浄と、オイルフィルタ32による排気からの油分等の連続的な除去とを実現することができる。
【0058】
図6は本発明の更に他の実施形態を示している。
この例は、図5の実施形態において調理台40の上面より上方に配置されている液溜部30を、流入部Rよりも下方に配置するとともに、エンドレスベルト状のオイルフィルタ32を上下方向に長くして、その下部を液溜部30に浸漬するようになすとともに、この液溜部30にて排水トラップ50を構成するようになした例である。
【0059】
またこの実施形態では、食器洗浄器17からの排水を洗浄水として上方に持ち上げる必要が無いため、そのためのポンプ29が省略されている。
またポンプ29の省略と併せて、立上り側の通路26-2はこの実施形態では設けられておらず、横向きの通路26-1からの排水が直接液溜部30に入り込んだ後、立下り形状の通路26-3を通じて外部へと排出される。
尚、他の構成については図5に示した実施形態と基本的に同様である。
【0060】
以上本発明の実施形態を詳述したがこれはあくまで一例示である。
例えば本発明はキャビネット内に電気温水器を設けて、その電気温水器からの湯を洗浄水として洗浄水通路26に供給するようになしたり、或いは場合によって水道水をそのまま洗浄水通路26に供給してオイルフィルタ32を洗浄するようになすことも可能である等、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の一実施形態であるオイルフィルタの洗浄装置を示した図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】本発明の他の実施形態の図である。
【図4】図3の要部拡大図である。
【図5】本発明の更に他の実施形態の図である。
【図6】本発明の更に他の実施形態の図である。
【符号の説明】
【0062】
17 食器洗浄器
20 吸入口
22 排気通路
24 排気ファン
26 洗浄水通路
28,50 排水トラップ
30 液溜部
32 オイルフィルタ
34 回転軸
52,54 軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キッチンでの調理の際に発生した油分を含む排気を排気ファンにより吸入口から吸入した上、排気通路を通じて排出する排気装置において該排気から油分を除去するために用いられるオイルフィルタを洗浄するオイルフィルタの洗浄装置であって
前記オイルフィルタの洗浄水を流通させる洗浄水通路を前記排気通路とは別系統で独立に設けて、該オイルフィルタの一部が該排気通路を横切る状態に、他の一部が該洗浄水通路内に位置する状態に該オイルフィルタをそれら排気通路と洗浄水通路とにまたがって配置するとともに、該オイルフィルタを該排気通路内に位置する部分と該洗浄水通路内に位置する部分とが入れ替わるように可動式となしてあるとともに、該洗浄水通路には排水トラップが設けてあることを特徴とするオイルフィルタの洗浄装置。
【請求項2】
請求項1において、前記洗浄水通路が、食器洗浄器からの排水を流通させ排出する排水通路を成していることを特徴とするオイルフィルタの洗浄装置。
【請求項3】
請求項1,2の何れかにおいて、前記洗浄水通路には洗浄水を溜める液溜部が設けてあって、該液溜部に前記オイルフィルタの下部を浸漬させ、該液溜部で該オイルフィルタを洗浄するようになしてあることを特徴とするオイルフィルタの洗浄装置。
【請求項4】
請求項3において、前記オイルフィルタ及び液溜部が前記吸入口とともに調理台の上面よりも上方に配置してあることを特徴とするオイルフィルタの洗浄装置。
【請求項5】
請求項3において、前記液溜部が洗浄水通路への洗浄水の流入部よりも下方に設けてあることを特徴とするオイルフィルタの洗浄装置。
【請求項6】
請求項3において、前記液溜部が前記排水トラップを兼用していることを特徴とするオイルフィルタの洗浄装置。
【請求項7】
請求項1〜6の何れかにおいて、前記オイルフィルタが円盤状となしてあって、中心周りに回転するようになしてあることを特徴とするオイルフィルタの洗浄装置。
【請求項8】
請求項1〜6の何れかにおいて、前記オイルフィルタがエンドレスベルト状となしてあって、上下の一対の軸に巻き掛けられ、それら軸周りに回動するものとなしてあることを特徴とするオイルフィルタの洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−139040(P2009−139040A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−317709(P2007−317709)
【出願日】平成19年12月7日(2007.12.7)
【出願人】(000000479)株式会社INAX (1,429)
【Fターム(参考)】