説明

オイルリング式滑り軸受装置

【課題】軸受部の冷却効率を向上することが可能なオイルリング式滑り軸受装置を提供する。
【解決手段】回転軸4と共にオイルリング13が回転して油槽部10の潤滑油9を掻き上げることにより、潤滑油9が回転軸4と軸受部材8との間に供給されるオイルリング式滑り軸受装置であって、軸受部材8を支持する軸受台11,12がハウジング7に設けられて油槽部10の上方に位置し、軸受台11,12は、潤滑油9を冷却する冷却面11a,12aと、軸受部材8と回転軸4との間から排出された潤滑油9を冷却面11a,12aに導く窪み部28とを有し、窪み部28は油槽部10の油面9aよりも上方に位置し、冷却面11a,12aは窪み部28の下側に位置している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば横型ポンプ等の回転軸を支持するオイルリング式滑り軸受装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のオイルリング式滑り軸受装置としては、例えば図17に示すように、ハウジング121内に、横方向の回転軸122を支持する軸受部材123と、軸受部材123を支持する軸受台124と、軸受部材123の下方において潤滑油125を溜める油槽部126とが設けられた滑り軸受装置127がある。回転軸122は軸受部材123に回転自在に挿通され、回転軸122に回転自在に懸吊されたオイルリング128の下部が油槽部126の潤滑油125に浸漬されている。
【0003】
これによると、回転軸122が回転することにより、オイルリング128が回転して油槽部126の潤滑油125を掻き上げ、潤滑油125が回転軸122の外周面と軸受部材123の内周面との隙間130に供給される。この隙間130に供給された潤滑油125は、その後、軸心方向Aへ流れ、軸心方向Aにおける軸受部材123の両端部123aから油槽部126に排出される。
【0004】
尚、回転軸122の外周面と軸受部材123の内周面との隙間130に供給された潤滑油125の温度は、回転軸122と軸受部材123との摩擦熱により加熱されて高温になる。
【0005】
上記のような構成を有するオイルリング式滑り軸受装置127は例えば下記特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開昭52−169635
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら上記の従来形式では、回転軸122の外周面と軸受部材123の内周面との隙間130に供給されて軸受部材123の両端部123aから排出された高温の潤滑油125の大部分は、軸受台124の外面124aを伝って流れ落ちるのではなく、油面125a上の空間129を落下して、直接に油槽部126の潤滑油125へ流れ落ちる。このように、高温の潤滑油125が、軸受台124の外面124aを伝って流れ落ちず、十分に冷却されないうちに油槽部126の潤滑油125へ直接排出されるため、油槽部126の潤滑油125の温度が上昇し、高温になった潤滑油125が油槽部126からオイルリング128によって回転軸122の外周面と軸受部材123の内周面との隙間130に供給されることになる。これにより、回転軸122と軸受部材123との摺接部分が溶けるといった問題や、回転軸122と軸受部材123とが過大に熱膨張して、回転軸122の外周面と軸受部材123の内周面との隙間130を適正な寸法に保つことが困難になるといった問題がある。
【0008】
本発明は、軸受部の冷却効率を向上することが可能なオイルリング式滑り軸受装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本第1発明は、ハウジング内に、横方向の回転軸を支持する軸受部材と、軸受部材の下方において潤滑油を溜める油槽部とが設けられ、
回転軸に回転自在に懸吊されたオイルリングの下部が油槽部の潤滑油に浸漬し、
回転軸と共にオイルリングが回転して油槽部の潤滑油を掻き上げることにより、潤滑油が回転軸と軸受部材との間に供給されるオイルリング式滑り軸受装置であって、
軸受部材を支持する軸受台がハウジングに設けられて油槽部の上方に位置し、
軸受台は、潤滑油を冷却する冷却部と、軸受部材の内周面と回転軸の外周面との間から排出された潤滑油を冷却部に導く案内部とを有し、
案内部は油槽部の油面よりも上方に位置し、
冷却部は、回転軸の径方向において、案内部よりも外側に位置しているものである。
【0010】
これによると、回転軸が回転することにより、オイルリングが回転して油槽部の潤滑油を掻き上げ、掻き上げられた潤滑油が回転軸の外周面と軸受部材の内周面との間(隙間)に供給される。潤滑油の温度は回転軸と軸受部材との摩擦熱で上昇し、高温の潤滑油が、回転軸の外周面と軸受部材の内周面との間から排出され、案内部によって軸受台の冷却部に導かれ、冷却部を伝って流れ落ちた後、油槽部の潤滑油に回収される。
【0011】
このように高温の潤滑油が冷却部を伝って流れ落ちる際、潤滑油の熱が冷却部に奪われるため、温度の低下した潤滑油が油槽部の潤滑油に回収される。従って、油槽部の潤滑油と混合される前の高温状態の潤滑油が冷却されること並びに潤滑油が流れ落ちている状態で熱交換されることにより、優れた冷却効率が得られる。また、冷却部に奪われた熱は軸受台からハウジングに伝わるため、ハウジングの温度が上昇し、ハウジングと外気との温度差が拡大することにより、ハウジングから外部へ多量の熱が放散され、軸受部の冷却効率が向上する。
【0012】
これにより、油槽部の潤滑油の温度上昇が抑制され、低温の潤滑油がオイルリングによって油槽部から回転軸の外周面と軸受部材の内周面との間に供給されるため、回転軸と軸受部材との摺接部分が摩擦熱によって溶けるのを防止することができ、また、回転軸と軸受部材とが過大に熱膨張するのを防止することができ、回転軸の外周面と軸受部材の内周面との隙間を適正な寸法に保つことができる。
【0013】
本第2発明におけるオイルリング式滑り軸受装置は、軸受部材に、潤滑油を軸受部材の内周面と回転軸の外周面との間から軸受部材の外面へ排出する油排出孔が形成され、
油排出孔の一端が案内部に連通しているものである。
【0014】
これによると、回転軸の外周面と軸受部材の内周面との間に供給された潤滑油は、回転軸の外周面と軸受部材の内周面との間から油排出孔を通って軸受部材の外面へ排出され、案内部によって軸受部材の外面から軸受台の冷却部に導かれ、冷却部を伝って流れ落ちた後、油槽部の潤滑油に回収される。
【0015】
本第3発明におけるオイルリング式滑り軸受装置は、軸受部材の内周面に、潤滑油を回収する油回収用溝と、オイルリングで掻き上げられた潤滑油を軸受部材の内周面と回転軸の外周面との間に導く油道とが形成され、
油排出孔の他端が油回収用溝に連通し、
油道は軸受部材の内周面から径方向外側に窪んでおり、
余分な潤滑油を溜める油受部が油道の径方向外側に連設されているものである。
【0016】
これによると、オイルリングによって掻き上げられた潤滑油は、回転軸の外周面と軸受部材の内周面との間に供給され、その後、油回収用溝に回収され、油回収用溝から油排出孔を通って案内部へ排出され、案内部によって軸受台の冷却部に導かれ、冷却部を伝って流れ落ちた後、油槽部の潤滑油に回収される。
【0017】
これにより、回転軸の外周面と軸受部材の内周面との間から排出される高温の潤滑油を油回収用溝から油排出孔に排出することができ、回転軸の外周面と軸受部材の内周面との間に供給された潤滑油を高温の状態で確実に軸受台の案内部へ導くことができる。
【0018】
また、オイルリングで掻き上げられた潤滑油は、油道を通って軸受部材の内周面と回転軸の外周面との間に導かれるため、軸受部材の内周面と回転軸の外周面との間を均一に流れ易くなる。
【0019】
また、回転軸の外周面と軸受部材の内周面との間に過剰な量の潤滑油が供給された場合、余分な潤滑油が一時的に油受部に溜められる。そして、潤滑油の供給量が低下したときは、油受部に溜められている潤滑油が油道を経て回転軸の外周面と軸受部材の内周面との間に供給される。このように、油受部はオイルリングで掻き上げられる潤滑油量の変動に対してバッファタンクの役割を果たし、回転軸の外周面と軸受部材の内周面への潤滑油の供給量を安定させることができる。
【0020】
本第4発明におけるオイルリング式滑り軸受装置は、案内部は、軸受台の内面に形成され且つ回転軸の径方向外側へ窪んだ窪み部であり、
窪み部は、回転軸の軸心方向においてハウジングの内面と対向する軸受台の冷却部に開口しているものである。
【0021】
これによると、回転軸の外周面と軸受部材の内周面との間から排出された潤滑油は、窪み部を流れることによって軸受台の冷却部に導かれ、冷却部を伝って流れ落ちた後、油槽部の潤滑油に回収される。
【0022】
本第5発明におけるオイルリング式滑り軸受装置は、ハウジングの内面と軸受台の冷却部との間に、軸受台からハウジングへの熱伝達を促進させる伝熱用部材が設けられているものである。
【0023】
これによると、潤滑油が軸受台の冷却部を伝って流れ落ちる際、潤滑油の熱は冷却部から伝熱用部材を経てハウジングに伝わるため、軸受台からハウジングへの熱伝達が促進され、軸受部の冷却効率が向上する。
【0024】
本第6発明におけるオイルリング式滑り軸受装置は、軸受台は、回転軸の軸心方向において対向するオイルリングとハウジングの内面との間で、上方から潤滑油に浸漬しているものである。
【0025】
これによると、案内部によって軸受台の冷却部に導かれた潤滑油は、冷却部を伝って流れ落ちた後、油槽部に回収され、その後、軸受台に沿って油槽部内を下降し、軸受台の下方を通って軸受台の裏側に回り込み、オイルリングによって掻き上げられる。
【0026】
これにより、油槽部に排出された高温の潤滑油がオイルリングへショートカットして流れるのを防止することができ、したがって、高温の潤滑油がオイルリングによって掻き上げられてしまうのを防止することができる。
【0027】
本第7発明におけるオイルリング式滑り軸受装置は、ハウジング内に、油槽部を第1油槽部と第2油槽部とに仕切る仕切部材が設けられ、
第1油槽部は、回転軸の軸心方向においてハウジングの内面と対向する軸受台の冷却部の下方に形成され、
オイルリングの下部が第2油槽部の潤滑油に浸漬し、
仕切部材に、第1油槽部の下部と第2油槽部の下部とに連通する連通部が形成され、
回転軸の軸心方向において対向する仕切部材とハウジングの内面との間に、熱伝達用の内部フィンが設けられているものである。
【0028】
これによると、案内部によって軸受台の冷却部に導かれた潤滑油は、冷却部を伝って流れ落ちた後、第1油槽部に回収される。第1油槽部の潤滑油は連通部を通って第2油槽部に流れ込み、第2油槽部の潤滑油がオイルリングによって掻き上げられる。
【0029】
高温の潤滑油は、冷却部を伝って流れ落ちる際に、軸受台に熱を奪われ、その後、第1油槽部に流れ込むため、第1油槽部の潤滑油の温度は、回転軸と軸受部材との間から案内部に排出された潤滑油の温度よりも低下し中温になる。
【0030】
第1油槽部の中温の潤滑油の熱は内部フィンを介してハウジングに伝わるため、ハウジングの温度が上昇し、ハウジングと外気との温度差が拡大する。これにより、ハウジングから外部へ熱が放散され、潤滑油の温度が低下し、このようにして低温になった潤滑油が連通部を通って第2油槽部に流入する。
【0031】
第1油槽部と第2油槽部とは仕切部材によって仕切られているため、第1油槽部の中温の潤滑油が第2油槽部の低温の潤滑油と混合されるのを抑制することができ、第1油槽部の潤滑油は第2油槽部の潤滑油よりも高温に保たれる。これにより、第1油槽部のハウジングの温度を中温に維持して外気との温度差が大きな状態を保つことができるので、第1油槽部での潤滑油の冷却効率を高めることができる。
【0032】
また、第1油槽部に潤滑油の下降流が形成されるとともに第2油槽部に潤滑油の上昇流が形成されるため、油槽部の潤滑油が流動し、軸受部の冷却効率が向上する。
【発明の効果】
【0033】
以上のように本発明によると、潤滑油の冷却効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるオイルリング式滑り軸受装置の縦断面図である。
【図2】同、オイルリング式滑り軸受装置の図であり、左半分は図1のX1−X1矢視図、右半分は図1のX2−X2矢視図である。
【図3】同、オイルリング式滑り軸受装置の図であり、上半分は図1のY1−Y1矢視図、下半分は図1のY2−Y2矢視図である。
【図4】図1における軸受台の下部付近の拡大断面図である。
【図5】同、オイルリング式滑り軸受装置のハウジングの縦断面図である。
【図6】図5におけるX−X矢視図である。
【図7】図5におけるY−Y矢視図である。
【図8】図5におけるZ−Z矢視図である。
【図9】同、オイルリング式滑り軸受装置の軸受部材の縦断面図である。
【図10】図9におけるX−X矢視図である。
【図11】図9におけるY−Y矢視図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態におけるオイルリング式滑り軸受装置の下部の縦断面図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態におけるオイルリング式滑り軸受装置の下部の縦断面図である。
【図14】本発明の第4の実施の形態におけるオイルリング式滑り軸受装置の下部の縦断面図である。
【図15】本発明の第5の実施の形態におけるオイルリング式滑り軸受装置の下部の縦断面図である。
【図16】本発明の第6の実施の形態におけるオイルリング式滑り軸受装置の軸受部材の図である。
【図17】従来のオイルリング式滑り軸受装置の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明における実施の形態を、図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
先ず、第1の実施の形態を図1〜図11を参照して説明する。
【0036】
図1に示すように、1は横型ポンプ2に設けられたオイルリング式滑り軸受装置である。横型ポンプ2は、ポンプケーシング3と、ポンプケーシング3内に水平方向(横方向)に挿通された回転軸4(主軸)と、回転軸4に設けられた羽根車(図示せず)等とを有している。
【0037】
図1〜図3に示すように、オイルリング式滑り軸受装置1は、ハウジング7内に、回転軸4を支持する軸受部材8と、軸受部材8の下方において潤滑油9を溜める油槽部10と、軸受部材8を支持する一対の軸受台11,12とを備えている。回転軸4には、オイルリング13が回転自在に懸吊され、オイルリング13の下部が油槽部10の潤滑油9に浸漬している。
【0038】
図1,図5に示すように、ハウジング7は、回転軸4の軸心方向Aにおいて貫通する貫通孔14を有する部材であり、ポンプケーシング3に取り付けられている。尚、ハウジング7は上下に二分割可能な構成を有している。
【0039】
図9〜図11に示すように、軸受部材8は、軸挿通孔15を有する円筒状の部材であり、裏金部23と、裏金部23の内周に形成された軸受層24とから成り、上下に二分割可能な構成を有している。尚、裏金部23には炭素鋼等の金属材料が使用され、軸受層24にはホワイトメタル等の金属材料が使用されている。軸受部材8の外周面は球面状に形成されている。図1〜図4に示すように、回転軸4は軸挿通孔15に挿通されており、回転軸4の外周面と軸受部材8の内周面との間には微小な隙間16が形成されている。軸受部材8の上部にはオイルリング溝17が切り欠かれており、オイルリング13は、オイルリング溝17に挿入された状態で、回転軸4に懸吊されている。
【0040】
図5に示すように、軸受台11,12は、軸心方向Aにおいて対向して、ハウジング7に設けられている円環状の部材であり、油槽部10の上方に位置している。このうち、図4に示すように、一方の軸受台11の下部は、軸心方向Aにおいて対向するオイルリング13とハウジング7の一方の内面29との間で、上方から潤滑油9に浸漬している。また、他方の軸受台12の下部は、軸心方向Aにおいて対向するオイルリング13とハウジング7の他方の内面30との間で、上方から潤滑油9に浸漬している。
【0041】
図1,図3〜図6に示すように、軸受台11,12の内周にはそれぞれ、球面状の支持面20が形成されており、軸受部材8は両軸受台11,12に嵌め込まれ支持されている。尚、軸受部材8の外周面は両軸受台11,12の支持面20に面接触している。また、ハウジング7と軸受台11,12とには、鋳鉄等の金属材料が使用されている。
【0042】
図3,図9〜図11に示すように、軸受部材8の内周面には、オイルリング13で掻き上げられた潤滑油9を軸受部材8の内周面と回転軸4の外周面との隙間16に導く油道21と、隙間16に供給された潤滑油9を回収する油回収用溝22とが形成されている。
【0043】
油道21は、軸心方向Aと上下方向Bとに直交する幅方向C(所定方向)において、一対形成されている。両油道21はそれぞれ、軸受部材8の内周面から径方向外側に円弧形状に窪んでいる。
【0044】
油回収用溝22は、軸心方向Aにおける軸受部材8の両端部に形成されている。また、軸受部材8には、余分な潤滑油9を溜める複数の油受部25が形成されている。各油受部25はそれぞれ油道21の径方向外側に連設されている。尚、油道21と油受部25とは、軸心方向Aにおいて、両油回収用溝22間に位置している。
【0045】
軸受部材8の下部には、潤滑油9を軸受部材8の内周面と回転軸4の外周面との隙間16から軸受部材8の外周面へ排出する複数の油排出孔27が形成されている。これら油排出孔27は、円形であり、軸心方向Aにおける軸受部材8の両端部に位置し、油排出孔27の上端(他端の一例)が油回収用溝22の底部に連通している。
【0046】
図5〜図8に示すように、両軸受台11,12はそれぞれ、潤滑油9を冷却する冷却面11a,12a(冷却部の一例)と、軸受部材8の内周面と回転軸4の外周面との隙間16から排出された潤滑油9を冷却面11a,12aに導く窪み部28(案内部の一例)とを有している。
【0047】
このうち、一方の冷却面11aは、軸心方向Aにおいて、ハウジング7の一方の内面29と対向する一方の軸受台11の外面に形成されている。同様に、他方の冷却面12aは、軸心方向Aにおいて、ハウジング7の他方の内面30と対向する他方の軸受台12の外面に形成されている。
【0048】
窪み部28はそれぞれ、両軸受台11,12の支持面20(すなわち内周面)の下部に形成されており、回転軸4の径方向外側(下側)に窪んでいる。一方の窪み部28は軸心方向Aにおいて一方の冷却面11aに開口し、他方の窪み部28は軸心方向Aにおいて他方の冷却面12aに開口している。また、図4に示すように、油排出孔27の下端(一端の一例)は窪み部28の上方に連通している。
【0049】
両窪み部28は油槽部10の油面9aよりも上方に位置している。また、冷却面11a,12aは、回転軸4の径方向において、窪み部28よりも下側(外側の一例)に位置している。尚、図5に示すように、両軸受台11,12の回転軸4の軸心4aを含む鉛直断面の形状は、両軸受台11,12間を通る鉛直軸38に対して、対称となるように形成されている。また、回転軸4の径方向における軸受台11,12の幅Wは、下部ほど径方向外側へ拡張されている。
【0050】
図5〜図7に示すように、互いに対向するハウジング7の一方の内面29と一方の軸受台11の冷却面11aとの間には、一方の軸受台11からハウジング7への熱伝達を促進させる一方の伝熱用リブ33(伝熱用部材の一例)が複数設けられている。同様に、図5,図6,図8に示すように、互いに対向するハウジング7の他方の内面30と他方の軸受台12の冷却面12aとの間には、他方の軸受台12からハウジング7への熱伝達を促進させる他方の伝熱用リブ34(伝熱用部材の一例)が複数設けられている。これらの伝熱用リブ33,34は、板状の部材であり、油面9aの上方から下方へ浸漬しており、回転軸4の軸心4aを中心にして放射状に配設されている。
【0051】
ハウジング7の外面には放熱用の外部フィン37が複数設けられている。尚、伝熱用リブ33,34および外部フィン37には、鋳鉄等の金属材料が使用されている。
以下、上記構成における作用を説明する。
【0052】
電動機等で横型ポンプ2の回転軸4を回転させることにより、オイルリング13が回転して油槽部10の潤滑油9を掻き上げ、掻き上げられた潤滑油9が回転軸4の外周面と軸受部材8の内周面との隙間16に供給される。この際、図2,図3に示すように、オイルリング13で掻き上げられた潤滑油9は、油道21を通って隙間16に導かれるため、隙間16を均一に流れ易くなる。
【0053】
潤滑油9の温度は回転軸4と軸受部材8との摩擦熱で上昇し、高温の潤滑油9が、隙間16を軸心方向Aへ流れて両油回収用溝22に回収され、図4の矢印で示すように、両油回収用溝22から各油排出孔27を通って両窪み部28へ排出され、両窪み部28を通って両軸受台11,12の冷却面11a,12aに導かれ、冷却面11a,12aを伝って流れ落ちた後、油槽部10の潤滑油9に回収される。
【0054】
この際、窪み部28は冷却面11a,12aに開口しているため、窪み部28から排出された潤滑油9は確実に冷却面11a,12aを伝って流れ落ち、この時、潤滑油9の熱が冷却面11a,12aに奪われるため、温度の低下した潤滑油9が油槽部10の潤滑油9に回収される。また、冷却面11a,12aに奪われた熱は伝熱用リブ33,34を経てハウジング7に伝わるため、軸受台11,12からハウジング7への熱伝達が促進され、ハウジング7の温度が上昇し、ハウジング7と外気との温度差が拡大することにより、ハウジング7から外部へ多量の熱が放散され、軸受部の冷却効率が向上する。この際、外部フィン37によってハウジング7から外部へ多量の熱が放散されるため、軸受部の冷却効率がさらに向上する。
【0055】
これにより、油槽部10の潤滑油9の温度上昇が抑制され、低温の潤滑油9がオイルリング13によって油槽部10から回転軸4の外周面と軸受部材8の内周面との隙間16に供給されるため、回転軸4と軸受部材8との摺接部分が摩擦熱によって溶けるのを防止することができ、また、回転軸4と軸受部材8とが過大に熱膨張するのを防止することができ、上記隙間16を適正な寸法に保つことができる。
【0056】
また、上記のように窪み部28によって両軸受台11,12の冷却面11a,12aに導かれた潤滑油9は、両冷却面11a,12aを伝って流れ落ちた後、油槽部10に回収され、その後、図4の矢印に示すように、両軸受台11,12に沿って下降し、両軸受台11,12の下方を通って軸受台11,12の裏側11b,12bに回り込み、オイルリング13によって掻き上げられる。
【0057】
これにより、油槽部10に排出された高温の潤滑油9がオイルリング13へショートカットして流れるのを防止することができ、したがって、高温の潤滑油9がオイルリング13によって掻き上げられてしまうのを防止することができる。
【0058】
また、回転軸4の外周面と軸受部材8の内周面との隙間16に過剰な量の潤滑油9が供給された場合、図9〜図11に示すように、余分な潤滑油9が一時的に油受部25に溜められる。そして、潤滑油9の供給量が低下したときは、油受部25に溜められている潤滑油9が油道21を経て隙間16の下方に供給される。このように、油受部25はオイルリング13で掻き上げる潤滑油量の変動に対してバッファタンクの役割を果たし、隙間16への潤滑油9の供給量を安定させることができる。
【0059】
また、隙間16に供給された潤滑油9は両油回収用溝22に回収されるため、隙間16に供給された潤滑油9を全て油排出孔27に排出することができる。これにより、隙間16に供給された潤滑油9を確実に軸受台11,12の各窪み部28へ導くことができる。
【0060】
また、図1に示すように、球面状の外周面を有する軸受部材8が両軸受台11,12の球面状の支持面20に支持されているため、軸受部材8が両軸受台11,12に対し球面に沿って変位可能となり、両軸受台11,12に対する軸受部材8の向きを微調整することができる。これにより、ポンプ2に滑り軸受装置1を装着する時の軸心のずれ(ミスアライメント)を緩和することができ、油膜厚さの偏りを抑制し、高荷重および高回転速度の使用条件に対応することができる。
【0061】
上記第1の実施の形態では、各伝熱用リブ33,34をそれぞれ二枚ずつ設けているが、二枚以外の複数枚ずつ又は一枚(単数枚)ずつ設けてもよい。また、潤滑油9が冷却面11a,12aから伝熱用リブ33,34を伝ってハウジング7の内面29,30へ流れ落ちるように、伝熱用リブ33,34を設けてもよい。
【0062】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態を図12を参照して説明する。
両軸受台11,12と両伝熱用リブ33,34とは油槽部10の油面9aよりも上方に位置している。
【0063】
ハウジング7内には、油槽部10を中温油槽部60,61(第1油槽部の一例)と低温油槽部62(第2油槽部の一例)とに仕切る二枚の仕切部材63,64が設けられている。両仕切部材63,64は軸心方向Aにおいて対向しており、一方の中温油槽部60は、軸心方向Aにおいてハウジング7の一方の内面29と対向する一方の軸受台11の冷却面11aの下方に形成されている。また、他方の中温油槽部61は、軸心方向Aにおいてハウジング7の他方の内面30と対向する他方の軸受台12の冷却面12aの下方に形成されている。
【0064】
低温油槽部62は両方の仕切部材63,64間に形成され、オイルリング13の下部が低温油槽部62の潤滑油9に浸漬している。
一方の仕切部材63の下部には、一方の中温油槽部60の下部と低温油槽部62の下部とに連通する連通孔65(連通部の一例)が形成されている。また、他方の仕切部材64の下部には、他方の中温油槽部61の下部と低温油槽部62の下部とに連通する連通孔65(連通部の一例)が形成されている。
【0065】
軸心方向Aにおいて対向する一方の仕切部材63とハウジング7の一方の内面29との間には、熱伝達用の内部フィン66が設けられている。同様に、軸心方向Aにおいて対向する他方の仕切部材64とハウジング7の他方の内面30との間には、熱伝達用の内部フィン66が設けられている。
【0066】
以下、上記構成における作用を説明する。
窪み部28によって軸受台11,12の冷却面11a,12aに導かれた高温の潤滑油9は、冷却面11a,12aを伝って流れ落ちた後、中温油槽部60,61に回収される。中温油槽部60,61の潤滑油9はそれぞれ連通孔65を通って低温油槽部62に流れ込み、低温油槽部62の潤滑油9がオイルリング13によって掻き上げられる。
【0067】
高温の潤滑油9は、冷却面11a,12aを伝って流れ落ちる際に、軸受台11,12に熱を奪われ、その後、中温油槽部60,61に流れ込むため、中温油槽部60,61の潤滑油9の温度は、油排出孔27から窪み部28に排出された潤滑油9の温度よりも低下し中温になる。
【0068】
中温油槽部60,61の潤滑油9の熱はそれぞれ内部フィン66を介してハウジング7に伝わるため、ハウジング7の温度が上昇し、ハウジング7と外気との温度差が拡大する。これにより、ハウジング7から外部へ多量の熱が放散され、潤滑油9の油槽部10での冷却効率が向上する。また、高温の潤滑油9との熱交換で温度が上昇している両軸受台11,12と伝熱用リブ33,34とは、中温油槽部60,61の潤滑油9に接触していないので、冷却効率がさらに向上する。
【0069】
また、中温油槽部60,61と低温油槽部62とは仕切部材63,64によって仕切られているため、中温油槽部60,61の潤滑油9が低温油槽部62の潤滑油9と混合されるのを抑制することができ、これにより、低温油槽部62の潤滑油9よりも中温油槽部60,61の潤滑油9が高温に保たれ、したがって、中温油槽部60,61のハウジングの温度を中温に維持して外気との温度差が大きな状態を保つことができるので、中温油槽部60,61での潤滑油9の冷却効率を高めることができる。
【0070】
また、中温油槽部60,61に潤滑油9の下降流68がより強く形成されるとともに低温油槽部62に潤滑油9の上昇流69が形成されるため、油槽部10の潤滑油9が流動し、潤滑油9の冷却効率が向上する。尚、仕切部材63,64や内部フィン66は、ハウジング7と一体成形で製作することができるが、ハウジング7とは別に成形した後にハウジング7に取り付ける構造とすることもできる。
【0071】
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態を図13を参照して説明する。
軸受台11,12の支持面20はそれぞれ、回転軸4の軸心4aを中心とする円筒状に形成されている。また、軸心方向Aにおける軸受部材8の両端部の内周面には油排出部45が形成されている。これら油排出部45は軸受部材8の内周面から径方向外側に窪んだ空間である。
【0072】
両軸受台11,12はそれぞれ、潤滑油9を冷却する冷却面11a,12aと、軸受部材8の内周面と回転軸4の外周面との隙間16から排出された潤滑油9を受けて冷却面11a,12aに導く案内面46(案内部の一例)とを有している。案内面46は、各軸受台11,12の支持面20と平行であり、且つ、支持面20よりも径方向内側に位置しており、各軸受台11,12に全周にわたり形成されている。
【0073】
以下、上記構成における作用を説明する。
オイルリング13によって掻き上げられた潤滑油9は、回転軸4の外周面と軸受部材8の内周面との隙間16に供給され、その後、隙間16から油排出部45に排出され、案内面46で受けられて両冷却面11a,12aに導かれ、冷却面11a,12aを伝って流れ落ちた後、中温油槽部60,61に回収される。
【0074】
(第4の実施の形態)
次に、第4の実施の形態を図14を参照して説明する。
軸受台11,12の支持面20はそれぞれ、回転軸4の軸心4aを中心とする円筒状に形成されている。両軸受台11,12はそれぞれ、潤滑油9を冷却する冷却面11a,12aと、軸受部材8の内周面と回転軸4の外周面との隙間16から排出された潤滑油9を受けて冷却面11a,12aに導く案内面48(案内部の一例)とを有している。案内面48は、各軸受台11,12の支持面20と平行であり、且つ、支持面20よりも径方向外側に位置しており、各軸受台11,12に全周にわたり形成されている。
【0075】
以下、上記構成における作用を説明する。
オイルリング13によって掻き上げられた潤滑油9は、回転軸4の外周面と軸受部材8の内周面との隙間16に供給され、その後、隙間16から案内面48に排出され、案内面46で受けられて両冷却面11a,12aに導かれ、冷却面11a,12aを伝って流れ落ちた後、油槽部10の潤滑油9に回収される。
【0076】
(第5の実施の形態)
次に、第5の実施の形態を図15を参照して説明する。
軸受台11,12の支持面20はそれぞれ、回転軸4の軸心4aを中心とする円筒状に形成されている。両軸受台11,12はそれぞれ、潤滑油9を冷却する冷却面11a,12aと、軸受部材8の内周面と回転軸4の外周面との隙間16から排出された潤滑油9を受けて冷却面11a,12aに導く案内面50(案内部の一例)とを有している。案内面50は、各軸受台11,12の支持面20と平行であり、且つ、支持面20よりも径方向外側に位置しているとともに、油排出孔27の下端開口部の下方に対向している。これにより、案内面50と油排出孔27の下端開口部との間に、軸心方向Aに窪んだ凹状空間51が形成される。尚、案内面50は、両軸受台11,12の全周にわたって形成されているのではなく、両軸受台11,12の下部のみに形成されている。また、案内面50が形成された部分の軸受台11,12の軸心方向Aにおける厚さTは、案内面50が形成されていない部分の軸受台11,12の軸心方向Aにおける厚さ(図示せず)に比べて、分厚く設定されている。
【0077】
以下、上記構成における作用を説明する。
オイルリング13によって掻き上げられた潤滑油9は、回転軸4の外周面と軸受部材8の内周面との隙間16に供給され、隙間16を軸心方向Aへ流れて両油回収用溝22に回収され、油回収用溝22から油排出孔27を通って凹状空間51へ排出され、凹状空間51内の案内面50で受けられて両冷却面11a,12aに導かれ、冷却面11a,12aを伝って流れ落ちた後、中温油槽部60,61に回収される。
【0078】
上記第1,第2,第5の実施の形態では、図10〜図12,図15に示すように、油排出孔27を、軸受部材8の両端部にそれぞれ三個ずつ形成しているが、三個に限定されるものではなく、三個以外の複数個ずつ形成してもよく、或は、一個(単数個)ずつ形成してもよい。
【0079】
(第6の実施の形態)
また、第6の実施の形態では、図16に示すように、各油排出孔27を放射状に配置している。さらに、各油排出孔27の一端部のそれぞれに案内部(第1,第2の実施の形態においては窪み部28、第3〜第5の実施の形態においては案内面46,48,50)を形成することもできる。これによって、高温の潤滑油9を分散させて各々の案内部から冷却面11a,12aへ導いて冷却することができ、より冷却効率を向上させることができる。
【0080】
上記第3〜第5の実施の形態では、図13〜図15に示すように、案内面46,48,50を支持面20と平行にしているが、平行に限定されるものではなく、冷却面11a,11bへ向って下り勾配にしてもよい。
【0081】
上記各実施の形態では、図1に示すように、横型ポンプ2に設けられたオイルリング式滑り軸受装置1を示したが、横型ポンプ2に限定されるものではなく、他の型式のポンプ或はポンプ以外の機器に設けられるオイルリング式滑り軸受装置であってもよい。
【符号の説明】
【0082】
1 オイルリング式滑り軸受装置
4 回転軸
7 ハウジング
8 軸受部材
9 潤滑油
10 油槽部
11,12 軸受台
13 オイルリング
16 回転軸と軸受部材との隙間
21 油道
22 油回収用溝
25 油受部
27 油排出孔
28 窪み部(案内部)
29,30 ハウジングの内面
33,34 伝熱用リブ(伝熱用部材)
46,48,50 案内面(案内部)
60,61 中温油槽部(第1油槽部)
62 低温油槽部(第2油槽部)
63,64 仕切部材
65 連通孔(連通部)
66 内部フィン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング内に、横方向の回転軸を支持する軸受部材と、軸受部材の下方において潤滑油を溜める油槽部とが設けられ、
回転軸に回転自在に懸吊されたオイルリングの下部が油槽部の潤滑油に浸漬し、
回転軸と共にオイルリングが回転して油槽部の潤滑油を掻き上げることにより、潤滑油が回転軸と軸受部材との間に供給されるオイルリング式滑り軸受装置であって、
軸受部材を支持する軸受台がハウジングに設けられて油槽部の上方に位置し、
軸受台は、潤滑油を冷却する冷却部と、軸受部材の内周面と回転軸の外周面との間から排出された潤滑油を冷却部に導く案内部とを有し、
案内部は油槽部の油面よりも上方に位置し、
冷却部は、回転軸の径方向において、案内部よりも外側に位置していることを特徴とするオイルリング式滑り軸受装置。
【請求項2】
軸受部材に、潤滑油を軸受部材の内周面と回転軸の外周面との間から軸受部材の外面へ排出する油排出孔が形成され、
油排出孔の一端が案内部に連通していることを特徴とする請求項1記載のオイルリング式滑り軸受装置。
【請求項3】
軸受部材の内周面に、潤滑油を回収する油回収用溝と、オイルリングで掻き上げられた潤滑油を軸受部材の内周面と回転軸の外周面との間に導く油道とが形成され、
油排出孔の他端が油回収用溝に連通し、
油道は軸受部材の内周面から径方向外側に窪んでおり、
余分な潤滑油を溜める油受部が油道の径方向外側に連設されていることを特徴とする請求項2に記載のオイルリング式滑り軸受装置。
【請求項4】
案内部は、軸受台の内面に形成され且つ回転軸の径方向外側へ窪んだ窪み部であり、
窪み部は、回転軸の軸心方向においてハウジングの内面と対向する軸受台の冷却部に開口していることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のオイルリング式滑り軸受装置。
【請求項5】
ハウジングの内面と軸受台の冷却部との間に、軸受台からハウジングへの熱伝達を促進させる伝熱用部材が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のオイルリング式滑り軸受装置。
【請求項6】
軸受台は、回転軸の軸心方向において対向するオイルリングとハウジングの内面との間で、上方から潤滑油に浸漬していることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のオイルリング式滑り軸受装置。
【請求項7】
ハウジング内に、油槽部を第1油槽部と第2油槽部とに仕切る仕切部材が設けられ、
第1油槽部は、回転軸の軸心方向においてハウジングの内面と対向する軸受台の冷却部の下方に形成され、
オイルリングの下部が第2油槽部の潤滑油に浸漬し、
仕切部材に、第1油槽部の下部と第2油槽部の下部とに連通する連通部が形成され、
回転軸の軸心方向において対向する仕切部材とハウジングの内面との間に、熱伝達用の内部フィンが設けられていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のオイルリング式滑り軸受装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−177384(P2012−177384A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−39123(P2011−39123)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】