説明

オキサゾリジンおよびオキサゾリジノンアミノジオール類ならびに関連中間体を調製するためのプロセス

オキサゾリジン保護およびオキサゾリジノン保護アミノジオール化合物を調製する方法が開示される。これらの化合物は、フロルフェニコールおよび関連化合物を作製するためのプロセスにおける中間体として有用であり得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連特許出願に関する相互参照)
本特許は、U.S.Provisional Patent Appl.No.60/951,816(2007年7月25日出願)に対する優先権を主張する。本特許出願の全文は、参照して本特許に組み込まれる。
【0002】
本発明は、オキサゾリジンおよびオキサゾリジノン保護アミノジオール化合物を調製するための新規なプロセスに関する。これらの化合物は、一般にフロルフェニコールおよび関連化合物を作製するためのプロセスにおける中間体として有用である。
【背景技術】
【0003】
フロルフェニコールは、式I、
【0004】
【化1】

の広域抗生物質である。
【0005】
フロルフェニコールは、獣医学においてグラム陽性菌およびグラム陰性菌の両方ならびにリケッチア菌感染症を治療するために幅広い用途を有する。フロルフェニコールは、2,2−ジクロロ−N−[(1S,2R)−1−(フルオロメチル)−2−ヒドロキシ−2−[4−(メチルスルホニル)フェニル]エチル]−アセトアミドまたは[R−(R,S)]−2,2−ジクロロ−N−[1−(フルオロメチル)−2−ヒドロキシ−2−[4−(メチルスルホニル)フェニル]エチル]−アセトアミドとしても公知である。
【0006】
この開示が参照して本明細書に組み込まれるU.S.Patent Published Application No.2005/0075506(A1)は、式II、
【0007】
【化2】

のフロルフェニコール中間体の合成およびフロルフェニコールを作製するためのプロセスにおけるこれらの使用について記載している。
【0008】
U.S.Patent Application No.11/514,741、U.S.Patent Application No.11/515,278およびU.S.Patent Application No.11/515,135は、式II(上記)およびIII、
【0009】
【化3】

のフロルフェニコール中間体の調製についても記載している。この中で考察された主要な利点は、このプロセスが、先行技術において単離するのは費用がかかり困難であるアミノジオールスルホン(ADS)出発物質を使用するという要件を排除したことである。ADSは、容易に入手可能で経済的なフェニルセリンエステル化合物からこの場(in situ)で生成され、所望のフロルフェニコールオキサゾリジノン中間体を形成するために同一反応容器内でさらに反応させられた。または、特許文献4に記載されたように、ADSの使用または生成が、完全に排除された。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許出願公開第2005/0075506号明細書
【特許文献2】米国特許第11/514,741号明細書
【特許文献3】米国特許第11/515,278号明細書
【特許文献4】米国特許第11/515,135号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、式VII、
【0012】
【化4】

の化合物からオキサゾリジン保護アミノジオール類およびオキサゾリジノン保護アミノジオール類を生成するための新規なプロセスを開示する。
【0013】
本出願人らは、今では驚くべきことに、より効率的およびコストを削減するプロセスを許容する、オキサゾリジノンおよびオキサゾリジノン保護アミノジオール化合物を形成するために有意な加工処理上の利点を見いだした。従って本発明は、フロルフェニコール、このアナログ、ならびにこれらに関連するオキサゾリジンおよびオキサゾリジノン中間体を調製するための効率的および経済的プロセスであるという利点を有する。本発明は、オキサゾリジンおよびオキサゾリジノン保護アミノジオール化合物ならびにフロルフェニコールの合成に含まれる有用な中間体を調製する代替方法に向けられる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、式VI、
【0015】
【化5】

(式中、
は、水素、メチルチオ、メチルスルホキシ、メチルスルホニル、フルオロメチルチオ、フルオロメチルスルホキシ、フルオロメチルスルホニル、ニトロ、フルオロ、ブロモ、クロロ、アセチル、ベンジル、フェニル、ハロ置換フェニル、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C3−8シクロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6アルコキシ、C1−6アラルキル、C2−6アラルケニル、またはC3−7複素環基である、
は、水素、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C3−8シクロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6アルコキシ、C1−6アラルキル、C2−6アラルケニル、アリール、またはC3−7複素環基である、
は、水素、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C3−8シクロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6アルコキシ、C1−6アラルキル、C2−6アラルケニル、アリール、またはC3−7複素環基である、および
は、水素、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C1−6ジハロアルキル、C1−6トリハロアルキル、CHCl、CHCl、CCl、CHBr、CHBr、CBr、CHF、CHF、CF、C3−8シクロアルキル、C3−8シクロハロアルキル、C3−8シクロジハロアルキル、C3−8シクロトリハロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6アルコキシ、C1−6アラルキル、C2−6アラルケニル、C3−7複素環基、ベンジル、フェニルまたはフェニルアルキルであり、フェニルまたはフェニルアルキルは1つもしくは2つのハロゲン、C1−6アルキル、またはC1−6アルコキシと置換されてよい。)のオキサゾリジン保護アミノジオール化合物またはこの医薬的に許容される塩を調製するためのプロセスを提供する。一部の実施形態では、本プロセスは、式VIIの化合物を式Iのフロルフェニコールへ変換させる工程を含んでいる。
【0016】
一部の実施形態では、本プロセスは、式VII、
【0017】
【化6】

(式中、RおよびRは、上記で定義した通りである。)の化合物を容器内で反応混合液を形成するためにオキサゾリジン形成溶媒と反応させる工程と、式VI、
【0018】
【化7】

(式中、R、R、RおよびRは、上記で定義した通りである。)のオキサゾリジン保護アミノジオール化合物を形成するために反応混合液にオキサゾリジン形成試薬およびオキサゾリジン促進化合物を加える工程とを含んでいる。
【0019】
本発明は、式V、
【0020】
【化8】

(式中、RおよびRは上記で定義した通りであり、およびRは、酸素、硫黄、または一置換アミノである。)のオキサゾリジノン保護アミノジオール化合物またはこの医薬的に許容される塩を調製するためのプロセスをさらに提供する。一部の実施形態では、本プロセスは、式Vの化合物を式Iのフロルフェニコールへ変換させる工程を含んでいる。
【0021】
一部の実施形態では、本プロセスは、式VII、
【0022】
【化9】

(式中、RおよびRは、上記で定義した通りである。)の化合物を容器内でオキサゾリジノン形成溶媒と反応させる工程と、式V、
【0023】
【化10】

(式中、R、RおよびRは、上記で定義した通りである。)のオキサゾリジノン保護アミノジオール化合物を形成するためにオキサゾリジノン形成試薬およびオキサゾリジノン促進化合物を加える工程とを含んでいる。
【0024】
一部の実施形態では、本発明のプロセスは、式VおよびVIの化合物が調製された後に、フロルフェニコール、関連化合物、またはこの両方を形成する。
【0025】
本発明は、式、
【0026】
【化11】

(式中、R、RおよびRは、上記で定義した通りである。)の化合物またはこの医薬的に許容される塩をさらに提供する。
【0027】
一部の実施形態では、式Vの化合物は、式Vd、
【0028】
【化12】

の化合物またはこの医薬的に許容される塩である。
【0029】
本発明は、式X、
【0030】
【化13】

(式中、R、RおよびRは、上記で定義した通りである。)の化合物またはこの医薬的に許容される塩をさらに提供する。
【0031】
一部の実施形態では、式Vの化合物は、式Xd、
【0032】
【化14】

の化合物またはこの医薬的に許容される塩である。
【0033】
本出願人らの発明のまた別の利点は、当業者であれば本明細書を読めば明白になる。
【発明を実施するための形態】
【0034】
好ましい実施形態についてのこの詳細な説明は、本発明の分野の他の当業者に、他の当業者が特定の使用の要件に最良に適合させられるように、本発明を極めて多数の形態で適応および適用させることができるように、本発明の原理、および本発明の実際的用途を知らせることだけが意図されている。この詳細な説明および特定の実施例は、本発明の好ましい実施形態を示しているが、例示することだけが意図されている。このため本発明は、本明細書に記載した好ましい実施形態には限定されず、様々に修飾されてよい。
【0035】
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、以下に列挙する用語は、他に特に指示しない限り、直下に指示するように使用され、規定することが意図されている。その他の用語の定義は、本明細書を通して出現する可能性がある。使用する全用語は、1つの用語の複数形、能動形および受動形を含むことが意図されている。
【0036】
用語「アセチル」は、CHCO−ラジカルを意味する。
【0037】
用語「アルコール溶媒」には、例えばメタノール、エタノール、およびこの混合物などのC−C10モノアルコール類、例えばエチレングリコールなどのC−C10ジアルコール類ならびにグリセリンなどのC−C10トリアルコール類が含まれる。または、用語「アルコール溶媒」には、任意の適切な補助溶媒(即ち、相乗作用に起因する高度に増強された溶解力を有する混合液を形成するために、一般に低濃度で、元の溶媒に加えられる第2溶媒)と混合されたこのようなアルコールが含まれる。このような補助溶媒には、例えばC−C10アルカンなどのアルコール溶媒、ベンゼン、トルエン、およびキシレンなどの芳香族溶媒、例えばクロロベンゼンなどのハロベンゼン類、ならびにジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、イソプロピルエーテルおよびテトラヒドロフランなどのエーテル類、または上記の補助溶媒のいずれかの混合物と混和性である他の溶媒を含むことができる。
【0038】
用語「アルキル」は、例えばメチル、エチル、プロピル、もしくはsec−ブチルなどの飽和直鎖状もしくは分枝状アルキルを意味する。または、アルキル内の炭素数を規定することができる。例えば、「C1−6アルキル」は、1、2、3、4、5もしくは6個の炭素原子を含有する上述した「アルキル」を意味する。
【0039】
用語「C2−6アルケニル」は、少なくとも1つの二重炭素−炭素(−C=C−)結合および2、3、4、5、もしくは6個の炭素原子を有する未飽和分枝状または非分枝状炭化水素基を意味する。アルケニル基の例には、制限なく、エテニル、1−プロペニル、イソプロペニル、2−ブテニル、1,3−ブタジエニル、3−ペンテニルおよび2−ヘキセニルなどが含まれる。
【0040】
用語「C2−6アルキニル」は、少なくとも1つの三重炭素−炭素(−C≡C−)結合および2、3、4、5、もしくは6個の炭素原子を含有する未飽和分枝状または非分枝状炭化水素基を意味する。アルキニル基の例には、制限なく、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、2−ブチニル、3−ブチニル、2−ペンテン−4−イニルなどが含まれる。
【0041】
用語「C1−6アルコキシ」は、アルキル−O−基(式中、用語「アルキル」は、本明細書に規定されている。)を意味する。アルコキシ基の例には、制限なく、メトキシ、エトキシ、プロポキシ(例えば、n−プロポキシおよびイソプロポキシ)、t−ブトキシなどが含まれる。
【0042】
用語「アリール」は、フェニル、またはC−Cアルキルもしくは「ハロ」で置換されたフェニルを意味しており、このときフェニルおよびハロは本明細書で定義した通りである。
【0043】
用語「C1−6アラルキル」は、水素原子の除去による芳香族炭化水素に由来する任意のラジカルであるアリール基によって置換された、本明細書で定義したC1−6アルキルを意味する。
【0044】
用語「C2−6アラルケニル」は、水素原子の除去による芳香族炭化水素に由来する任意のラジカルであるアリール基によって置換された、本明細書で定義したC2−6アルケニルを意味する。
【0045】
用語「ブロモ」は、化学元素の臭素を意味する。
【0046】
「置換ベンジル」は、C−Cアルキルまたは「ハロ」によって置換されたベンジルを意味するが、このときベンジルは、正式にはトルエン(即ち、メチルベンゼン)に由来する一価ラジカルCCHである。
【0047】
用語「クロロ」は、化学元素の塩素を意味する。
【0048】
用語「C3−8シクロアルキル」は、3、4、5、6、7または8個の炭素原子を含有する飽和環状炭化水素基(即ち、環化アルキル基)を意味する。シクロアルキル基の例には、制限なく、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが含まれる。
【0049】
用語「C3−8シクロハロアルキル」は、本明細書で定義したハロによって置換された、本明細書で定義したC3−8シクロアルキルを意味する。
【0050】
用語「C3−8シクロジハロアルキル」は、本明細書で定義したハロによって2回置換された、本明細書で定義したC3−8シクロアルキルを意味しており、このときハロ原子は同一であっても相違していてもよい。
【0051】
用語「C3−8シクロトリハロアルキル」は、本明細書で定義したハロによって3回置換された、本明細書で定義したC3−8シクロアルキルを意味しており、このときハロ原子は同一であっても相違していてもよい。
【0052】
用語「C−C10ジアルコール」は、2つのヒドロキシル基および2、3、4、5、6、7、8、9または10個の炭素原子を含有するアルコールを意味する。
【0053】
用語「C1−6ジハロアルキル」は、本明細書で定義したようにハロによって2回置換された、本明細書で定義されたC1−6アルキルを意味しており、このときハロ原子は同一であっても相違していてもよい。
【0054】
用語「フルオロ」は、化学元素のフッ素を意味する。
【0055】
用語「フルオロメチルスルホニル」は、CHFSO−ラジカルを意味する。
【0056】
用語「フルオロメチルスルホキシ」は、CHFSO−ラジカルを意味する。
【0057】
用語「フルオロメチルチオ」は、CHFS−ラジカルを意味する。
【0058】
用語「ハロ」または「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードを意味する。
【0059】
用語「ハロアルキル」は、上述したようなアルキルを意味するが、このとき1つ以上の水素は本明細書で定義したようにハロによって置換されている。
【0060】
用語「ハロ置換フェニル」は、本明細書で定義したハロによって置換された、本明細書で定義したフェニルを意味する。
【0061】
用語「C3−7複素環基」は、環形成炭素原子の1つ以上が例えば酸素、窒素、もしくは硫黄原子などのヘテロ原子によって置換されている環系ラジカルを意味しており、これには単環式もしくは多環式(例えば、2つ以上の縮合環を有する)環系ならびにスピロ環系が含まれる。この環系は、2、3、4、5、もしくは6個の炭素原子を含有していてよく、芳香族または非芳香族であってよい。
【0062】
用語「ヨード」は、化学元素のヨウ素を意味する。
【0063】
用語「メチルスルホニル」は、CHSO−ラジカルを意味する。
【0064】
用語「メチルスルホキシ」は、CHSO−ラジカルを意味する。
【0065】
用語「メチルチオ」は、CHS−ラジカルを意味する。
【0066】
用語「C−C10モノアルコール」は、1つのヒドロキシル基および1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個の炭素原子を含有するアルコールを意味する。
【0067】
用語「一置換アミノ」は、−NHラジカルを意味しており、この水素の1つはまた別の原子もしくはラジカルによって置換されている。
【0068】
用語「ニトロ」は、NO−ラジカルを意味する。
【0069】
用語「オキサゾリジン促進化合物」は、オキサゾリジン形成試薬とβ−ヒドロキシアミド化合物との反応を増強する、増加させる、加速する、またはさもなければ促進する酸または塩基を意味する。
【0070】
用語「オキサゾリジン形成試薬」は、β−ヒドロキシアミド化合物と反応させられるとオキサゾリジン環を形成し、このときβ−ヒドロキシ基の酸素およびアミド官能基の窒素が新規な炭素結合を通して結合されてオキサオリジン環を形成するような試薬を意味する。
【0071】
用語「オキサゾリジン形成溶媒」は、この溶解特性の性質によってオキサゾリジン形成試薬とβ−ヒドロキシアミド化合物との反応を増強する、増加させる、加速する、またはさもなければ促進する溶媒を意味する。
【0072】
用語「オキサゾリジノン促進化合物」は、オキサゾリジノン形成試薬とβ−ヒドロキシアミド化合物との反応を増強する、増加させる、加速する、またはさもなければ促進する酸または塩基を意味する。
【0073】
用語「オキサゾリジノン形成試薬」は、β−ヒドロキシアミド化合物と反応させられるとオキサゾリジノン環を形成し、このときβ−ヒドロキシ基の酸素およびアミド官能基の窒素が新規な炭素結合を通して結合されてオキサオリジノン環を形成するような試薬を意味する。
【0074】
用語「オキサゾリジノン促進溶媒」は、オキサゾリジノン環を形成するためにオキサゾリジノン形成試薬とβ−ヒドロキシアミド基との反応を増強する、増加させる、加速する、またはさもなければ促進する溶媒を意味する。
【0075】
用語「フェニル」は、芳香族炭化水素Cであるベンゼンの一価ラジカルC−を意味する。
【0076】
用語「フェニルアルキル」は、本明細書で定義したフェニルによって置換された、本明細書で定義したアルキルを意味する。
【0077】
用語「C−C10トリアルコール」は、3つのヒドロキシル基および1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個の炭素原子を含有するアルコールを意味する。
【0078】
用語「C1−6トリハロアルキル」は、本明細書で定義したハロによって3回置換された、本明細書で定義したC1−6アルキルを意味しており、このときハロ原子は同一であっても相違していてもよい。
【0079】
本明細書および添付の特許請求の範囲を通して、所定の化学式もしくは名称はこの全ての立体および光学異性体およびラセミ体ならびに別個のエナンチオマーの相違する比率にある混合物を含むものであり、このときこのような異性体およびエナンチオマーは、これらの医薬的に許容される塩および例えば水和物などのこれらの溶媒和物として存在する。異性体は、従来型技術、例えばクロマトグラフィまたは分別晶出法を用いて分離することができる。エナンチオマーは、例えば、分別晶出法、分解または高性能(もしくは高圧)液体クロマトグラフィ(HPLC)によるラセミ混合物の分離によって単離することができる。ジアステレオマーは、例えば、分別晶出法、HPLCまたはフラッシュクロマトグラフィによって異性体混合物の分離によって単離することができる。立体異性体は、キラル試薬を用いて、ラセミ化もしくはエピマー化を誘発させない条件下でキラル出発物質からのキラル合成によって、または誘導体化によって作製することもできる。出発物質および条件は、当業者の技術の範囲内に含まれる。全ての立体異性体は、本発明の範囲内に含まれる。
【0080】
1つの態様では、本発明は、式VI、
【0081】
【化15】

(式中、
は、水素、メチルチオ、メチルスルホキシ、メチルスルホニル、フルオロメチルチオ、フルオロメチルスルホキシ、フルオロメチルスルホニル、ニトロ、フルオロ、ブロモ、クロロ、アセチル、ベンジル、フェニル、ハロ置換フェニル、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C3−8シクロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6アルコキシ、C1−6アラルキル、C2−6アラルケニル、またはC3−7複素環基である、
は、水素、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C3−8シクロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6アルコキシ、C1−6アラルキル、C2−6アラルケニル、アリール、またはC3−7複素環基である、
は、水素、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C3−8シクロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6アルコキシ、C1−6アラルキル、C2−6アラルケニル、アリール、またはC3−7複素環基である、および
は、水素、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C1−6ジハロアルキル、C1−6トリハロアルキル、CHCl、CHCl、CCl、CHBr、CHBr、CBr、CHF、CHF、CF、C3−8シクロアルキル、C3−8シクロハロアルキル、C3−8シクロジハロアルキル、C3−8シクロトリハロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6アルコキシ、C1−6アラルキル、C2−6アラルケニル、C3−7複素環基、ベンジル、フェニルまたはフェニルアルキルであり、フェニルまたはフェニルアルキルは1つもしくは2つのハロゲン、C1−6アルキル、またはC1−6アルコキシと置換されてよい。)のオキサゾリジン保護アミノジオール化合物またはこの医薬的に許容される塩を調製するためのプロセスを提供する。一部の実施形態では、本プロセスは、式VIIの化合物を式Iのフロルフェニコールへ変換させる工程を含んでいる。
【0082】
また別の態様では、本発明は、式V、
【0083】
【化16】

(式中、RおよびRは上記で定義した通りであり、Rは、酸素、硫黄、または一置換アミノである。)のオキサゾリジノン保護アミノジオール化合物またはこの医薬的に許容される塩を調製するためのプロセスを提供する。一部の実施形態では、本プロセスは、式Vの化合物を式Iのフロルフェニコールへ変換させる工程を含んでいる。
【0084】
式VおよびVIの化合物は、フロルフェニコールおよび関連化合物の形成において有用な中間体である。従って本発明は、フロルフェニコール、このアナログ、ならびにこれらに関連するオキサゾリジンまたはオキサゾリジノン中間体を調製するための効率的および経済的プロセスであるという利点を有する。
【0085】
本発明のプロセスの一部の実施形態では、Rは、メチルチオ、メチルスルホキシまたはメチルスルホニルである。一部のこのような実施形態では、Rは、メチルスルホニルである。
【0086】
本発明のプロセスの一部の実施形態では、RおよびRは、水素、メチル、エチルまたはプロピルである。一部のこのような実施形態では、RおよびRは、メチルである。
【0087】
本発明のプロセスの一部の実施形態では、Rは、CHCl、CHCl、CCl、CHBr、CHBr、CBr、CHF、CHFまたはCFである。一部のこのような実施形態では、Rは、CHCl、CHCl、またはCClである。一部のこのような実施形態では、Rは、CHClである。
【0088】
本発明のプロセスの一部の実施形態では、Rは、酸素である。
【0089】
一部の実施形態では、式VIのオキサゾリジン保護アミノジオールを調製するためのプロセスは、式VII、
【0090】
【化17】

(式中、RおよびRは、上記で定義した通りである。)の化合物を容器内で反応混合液を形成するためにオキサゾリジン形成溶媒と反応させる工程と、式VIのオキサゾリジン保護アミノジオール化合物を形成するために反応混合液にオキサゾリジン形成試薬およびオキサゾリジン促進化合物を加える工程とを含んでいる。
【0091】
一部のこのような実施形態では、式VIIaおよびVIIbの化合物は、出発物質、
【0092】
【化18】

(式中、RおよびRは、上記で定義した通りである。)である。
【0093】
一部の実施形態では、出発物質は市販で入手でき、経済的で広範囲に公知である式IV、
【0094】
【化19】

の抗生物質であるチアンフェニコールである。
【0095】
一部の実施形態では、式VIIの化合物は例えば、および制限なく、アセトン、メチレンクロリド、エチルアセテート、テトラヒドロフラン、エーテル、トルエン、キシレン、ヘキサンおよびこれらの混合物などのオキサゾリジン形成溶媒中で反応する。一部のこのような実施形態では、オキサゾリジン形成溶媒はトルエンを含んでいる。次に、例えば、および制限なく、ホルムアルデヒド、アセトン、2−メトキシプロペン、2,2−ジメトキシプロパン、2,2−ジエトキシプロパンおよびこれらの混合物などのオキサゾリジン形成試薬が加えられる。一部の実施形態では、オキサゾリジン形成試薬はアセトンを含んでいる。
【0096】
一部の実施形態では、オキサゾリジン形成溶媒はトルエンを含み、オキサゾリジン形成試薬はアセトンを含んでいる。一部のこのような実施形態では、トルエンおよびアセトンは、約0.5:1から約3:1の比率で存在する。一部のこのような実施形態では、比率は、約1:1である。
【0097】
本明細書で使用したようなオキサゾリジン促進化合物としての、例えば、および制限なく、カリウムカーボネート、ナトリウムカーボネート、トリメチルアミン、トリエチルアミン、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、酢酸、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、およびこれらの混合物などの酸または塩基の存在は、オキサゾリジン形成試薬との反応を促進する。一部の実施形態では、オキサゾリジン促進化合物は、カリウムカーボネート、トリエチルアミン、p−トルエンスルホン酸またはこれらの混合物である。一部の実施形態では、オキサゾリジン促進化合物は、カリウムカーボネート、トリエチルアミン、またはこれらの混合物である。
【0098】
一部の実施形態では、オキサゾリジン形成反応は、約40℃から約110℃の温度で実施される。一部の実施形態では、温度は、約65℃から約85℃である。
【0099】
一部の実施形態では、式VIの化合物は、式VIa、
【0100】
【化20】

(式中、R、RおよびRは、上記で定義した通りである。)の化合物に対応する。
【0101】
一部の実施形態では、式VIの化合物は、式VIb、
【0102】
【化21】

(式中、R、RおよびRは、上記で定義した通りである。)の化合物に対応する。
【0103】
一部の実施形態では、フロルフェニコールは、所望の最終生成物である。一部のこのような実施形態では、式VIの化合物は、式VIc、
【0104】
【化22】

(式中、RおよびRは、上記で定義した通りである。)の化合物に対応する。さらにまた別のこのような実施形態では、式VIの化合物は、式III、
【0105】
【化23】

の化合物に対応する。
【0106】
式VIの化合物が調製されると、フロルフェニコールおよび関連化合物を調製するためにこの化合物を中間体として使用することができる。このため、フロルフェニコールおよび関連化合物を調製するためのプロセスを継続する際には、本プロセスは、式VIII、
【0107】
【化24】

(式中、R、R、RおよびRは、上記で定義した通りである。)の化合物を入手するために有機溶媒の存在下で単離を行って、または単離を行わずに(つまり、この場で)式VIの化合物をフッ素化剤によりフッ素化する工程を含んでいる。
【0108】
一部のこのような実施形態では、適切なフッ素化剤には、制限なく、ナトリウムフルオライド、カリウムフルオライド、セシウムフルオライド、テトラブチルアンモニウムフルオライド、1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロ−1−ブタンスルホニルフルオライド、クロロメチル−4−フルオロ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンビス−(テトラフルオロボレート)、N−(2−クロロ−1,1,2−トリフルオロエチル)ジエチルアミン、N−(2−クロロ−1,1,2−トリフルオロエチル)ジメチルアミン、N−(2−クロロ−1,1,2−トリフルオロエチル)ジプロピルアミン、N−(2−クロロ−1,1,2−トリフルオロエチル)ピロリジン、N−(2−クロロ−1,1,2−トリフルオロエチル)−2−メチルピロリジン、N−(2−クロロ−1,1,2−トリフルオロエチル)−4−メチルピペラジン、N−(2−クロロ−1,1,2−トリフルオロエチル)−モルホリン、N−(2−クロロ−1,1,2−トリフルオロエチル)ピペリジン、1,1,2,2−トリフルオロエチル−N,N−ジメチルアミン、(ジエチルアミノ)スルファートリフルオライド、ビス−(2−メトキシエチル)アミノスルファートリフルオライド、N,N−ジエチル−1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロパンアミン(一般にはIshikawa試薬と呼ばれる。)およびこれらの混合物が含まれる。一部の実施形態では、フッ素化剤は、N,N−ジエチル−1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロパンアミンを含んでいる。
【0109】
一部の実施形態では、式VIIIのフッ素化化合物は、式VIIIa、
【0110】
【化25】

(式中、R、RおよびRは、上記で定義した通りである。)の化合物に対応する。
【0111】
一部の実施形態では、式VIIIのフッ素化化合物は、式VIIIb、
【0112】
【化26】

(式中、R、RおよびRは、上記で定義した通りである。)の化合物に対応する。
【0113】
一部の実施形態では、フロルフェニコールが所望の最終生成物である場合は、式VIIIのフッ素化化合物は、式VIIIc、
【0114】
【化27】

(式中、RおよびRは、上記で定義した通りである。)の化合物に対応する。
【0115】
一部の実施形態では、フロルフェニコールが所望の最終生成物である場合は、式VIIIのフッ素化化合物は、式VIIId、
【0116】
【化28】

の化合物に対応する。
【0117】
式VIIIの化合物が調製されると、フロルフェニコールおよび関連化合物を調製するためにこの化合物を中間体として使用することができる。このため、フロルフェニコールおよび関連化合物を調製するためのプロセスを継続する際には、本プロセスは、式IX、
【0118】
【化29】

(式中、RおよびRは、上記で定義した通りである。)の化合物を形成するために酸性触媒もしくは塩基性触媒を用いて、単離を行って、または単離を行わずに(つまり、この場で)加水分解する工程を含んでいる。
【0119】
一部の実施形態では、加水分解は選択的、つまり化合物の特定位置での化合物の加水分解であり、このとき加水分解は、それによって化合物の分割が引き起こされる、化合物への水の添加を意味している。
【0120】
本発明のプロセスを実施する際には、広範囲の酸性触媒を利用できる。適切な酸性触媒の非限定的リストには、例えば塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、およびこれらの混合物の希釈水溶液などの無機酸、ならびに酢酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸およびこれらの混合物などの有機酸が含まれる。
【0121】
同様に、本発明のプロセスを実施する際には、広範囲の塩基性触媒を利用できる。適切な塩基性触媒の非限定的リストには、例えばLiOH、NaOH、KOH、LiCO、NaCO、KCOおよびこれらの混合物などの無機塩基、ならびに例えばナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシドおよびこれらの混合物などの有機塩基が含まれる。
【0122】
一部の実施形態では、加水分解する工程は、無機溶媒、水または有機溶媒と水の混合液中で式VIIIの化合物および酸性触媒または塩基性触媒を用いて実施される。加水分解する工程において有用な有機溶媒の非限定的リストには、アセトン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、メチレンクロリド、エチルアセテート、テトラヒドロフランおよびこれらの混合物が含まれる。
【0123】
一部の実施形態では、加水分解する工程によって形成される式IXの化合物は、式IXa、
【0124】
【化30】

(式中、Rは上記で定義した通りである。)の化合物に対応する。
【0125】
一部の実施形態では、加水分解する工程によって形成される式IXの化合物は、式IXb、
【0126】
【化31】

(式中、Rは上記で定義した通りである。)の化合物に対応する。
【0127】
一部の実施形態では、フロルフェニコールが所望の最終生成物である場合は、加水分解する工程によって形成される式IXの化合物は、式I、
【0128】
【化32】

のフロルフェニコールに対応する。
【0129】
式IXの化合物が調製された後、式IXの化合物は場合により精製することができる。一部の実施形態では、式IXの化合物を精製する工程は、式IXの精製化合物を形成するために、C1−10アルキルモノアルコール、C1−10アルキルジアルコールまたはC1−10アルキルトリアルコールおよび水の混合液を使用する工程を含んでいる。C1−10モノアルコールの非限定的リストには、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノールおよびこれらの混合物が含まれる。C1−10ジアルコールの非限定的リストには、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコールおよびこれらの混合物が含まれる。C1−10トリアルコールの非限定的例は、グリセリンである。
【0130】
一部の実施形態では、式Vのオキサゾリジノン保護アミノジオール化合物を調製するためのプロセスは、式VII、
【0131】
【化33】

(式中、RおよびRは、上記で定義した通りである。)の化合物を容器内で反応混合液を形成するためにオキサゾリジノン形成溶媒と反応させる工程と、式V、
【0132】
【化34】

(式中、R、RおよびRは、上記で定義した通りである。)のオキサゾリジノン保護アミノジオールを形成するために反応混合液にオキサゾリジノン形成試薬およびオキサゾリジノン促進化合物を加える工程とを含んでいる。
【0133】
一部の実施形態では、オキサゾリジノン形成溶媒は、例えば、および制限なく、エチルアセテート、アセトン、テトラヒドロフラン、エーテル、メチレンクロリド、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、トルエン、キシレン、ヘキサンまたはこれらの混合物を含んでいる。一部の実施形態では、オキサゾリジノン形成溶媒は、メタノールを含んでいる。
【0134】
一部の実施形態では、オキサゾリジノン形成試薬は、ホスゲン、トリホスゲン、トリクロロメチルクロロホルメート、ウレア、チオウレア、p−ニトロフェニルクロロホルメート、メチルクロロホルメート、エチルクロロホルメート、プロピルクロロホルメート、N,N−カルボニルジイミダゾール、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、ジブチルカーボネートまたはこれらの混合物を含んでいる。一部の実施形態では、オキサゾリジノン形成試薬は、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、ジブチルカーボネートまたはこれらの混合物を含んでいる。一部の実施形態では、オキサゾリジノン形成試薬は、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートまたはこれらの混合物を含んでいる。
【0135】
一部の実施形態では、オキサゾリジノン形成試薬および式VIIの化合物は、約0.5:1から約3:1のモル比を有している。一部の実施形態では、モル比は、約1:1である。
【0136】
本明細書で指定したオキサゾリジノン促進化合物としての、例えば、および制限なく、カリウムカーボネート、ナトリウムカーボネート、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、トリメチルアミン、トリエチルアミン、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、酢酸、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、およびこれらの混合物などの酸または塩基の存在は、オキサゾリジノン形成試薬との反応を促進する。一部の実施形態では、オキサゾリジノン促進化合物は、カリウムカーボネート、トリエチルアミン、またはこれらの混合物を含んでいる。
【0137】
一部の実施形態では、式Vの化合物は、式Va、
【0138】
【化35】

(式中、RおよびRは、上記で定義した通りである。)の化合物に対応する。
【0139】
一部の実施形態では、式Vの化合物は、式Vb、
【0140】
【化36】

(式中、RおよびRは、上記で定義した通りである。)の化合物に対応する。
【0141】
一部の実施形態では、フロルフェニコールが所望の最終生成物である場合は、式Vの化合物は、式Vc、
【0142】
【化37】

(式中、Rは上記で定義した通りである。)の化合物に対応する。
【0143】
一部の実施形態では、フロルフェニコールが所望の最終生成物である場合は、式Vの化合物は、式Vd、
【0144】
【化38】

の化合物に対応する。
【0145】
式Vの化合物が調製された後、フロルフェニコールおよび関連化合物を調製するためにこの化合物を中間体として使用することができる。そこで、フロルフェニコールおよび関連化合物を調製するためのプロセスを継続する際には、本プロセスは、式X、
【0146】
【化39】

(式中、R、RおよびRは、上記で定義した通りである。)の化合物を形成するためにオキサゾリジノン保護アミノジオールを、単離を行って、または単離を行わずに(つまり、この場で)フッ素化剤と反応させる工程を含んでいる。
【0147】
適切なフッ素化剤および本プロセスのこの部分中に有用な有機溶媒は、例えば、および制限なく、上述したものである。
【0148】
一部の実施形態では、式Xの化合物は、式Xa、
【0149】
【化40】

(式中、RおよびRは、上記で定義した通りである。)の化合物に対応する。
【0150】
一部の実施形態では、式Xの化合物は、式Xb、
【0151】
【化41】

(式中、RおよびRは、上記で定義した通りである。)の化合物に対応する。
【0152】
一部の実施形態では、フロルフェニコールが所望の最終生成物である場合は、式Xの化合物は、式Xc、
【0153】
【化42】

(式中、Rは上記で定義した通りである。)の化合物に対応する。
【0154】
一部の実施形態では、フロルフェニコールが所望の最終生成物である場合は、式Xの化合物は、式Xd、
【0155】
【化43】

の化合物に対応する。
【0156】
式Xの化合物が調製された後は、式Xの化合物は、式IX、
【0157】
【化44】

(式中、RおよびRは、上記で定義した通りである。)の化合物を形成するために酸性触媒もしくは塩基性触媒を用いて、単離を行って、または単離を行わずに(つまり、この場で)加水分解される。
【0158】
本発明のプロセスを実施する際には、例えば、および制限なく、上述した酸などの広範囲の酸を利用できる。同様に、本発明のプロセスを実施する際には、例えば、および制限なく、上述した塩基などの広範囲の塩基を利用できる。
【0159】
一部の実施形態では、加水分解する工程は、有機溶媒、水または有機溶媒と水の混合液中で式Xの化合物および酸性触媒もしくは塩基性触媒を用いて実施される。有機溶媒の非限定的リストは、例えば、および制限なく、上述した有機溶媒である。
【0160】
一部の実施形態では、式IXの化合物は、式IXa、
【0161】
【化45】

(式中、Rは上記で定義した通りである。)の化合物に対応する。
【0162】
一部の実施形態では、式IXの化合物は、式IXb、
【0163】
【化46】

(式中、Rは上記で定義した通りである。)の化合物に対応する。
【0164】
一部の実施形態では、フロルフェニコールが所望の最終生成物である場合は、式IXの化合物は、式I、
【0165】
【化47】

のフロルフェニコールに対応する。
【0166】
式IXの化合物が作製された後、および必要であれば、式IXの化合物は、本明細書に記載したプロセスによって場合により精製することができる。フロルフェニコールが所望の最終生成物である場合は、式IXに対応する精製化合物は、式Iの化合物である。
【0167】
本発明のプロセスの一部の実施形態では、式VIのオキサゾリジン保護アミノジオール化合物または式Vのオキサゾリジノン保護アミノジオール化合物は、約2から約18時間をかけて実質的に(即ち、95%を超える反応が完了している。)形成される。
【0168】
本発明のプロセスの一部の実施形態では、例えばN,N−ジエチル−1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロパンアミンなどのフッ素化剤および式VIによる化合物は、約1:1から約2:1のモル比を有する。一部の実施形態では、N,N−ジエチル−1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロパンアミン対式VIの化合物のモル比は、約1.5:1である。
【0169】
本発明のプロセスの一部の実施形態では、例えばN,N−ジエチル−1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロパンアミンなどのフッ素化剤および式Vによる化合物は、約1:1から約2:1のモル比を有する。一部の実施形態では、N,N−ジエチル−1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロパンアミン対式Vの化合物のモル比は、約1.5:1である。
【0170】
本発明のプロセスの一部の実施形態では、フッ素化する工程のために適切な有機溶媒には、制限なく、1,2−ジクロロエタン、メチレンクロリド、クロロホルム、クロロベンゼン、塩素化炭化水素およびこれらの混合物が含まれる。一部の実施形態では、有機溶媒は、メチレンクロリドを含んでいる。
【0171】
本発明のプロセスの一部の実施形態では、フッ素化する工程は、約80℃から約110℃の温度、および約60psiの圧力で実施される。
【0172】
本発明のプロセスの一部の実施形態では、加水分解する工程の酸性触媒は、無機酸、有機酸またはこれらの混合物を含んでいる。本発明のプロセスの一部の実施形態では、酸性触媒は、p−トルエンスルホン酸を含んでいる。本発明のプロセスの一部の実施形態では、酸性触媒は、メタンスルホン酸を含んでいる。
【0173】
本発明のプロセスの一部の実施形態では、加水分解する工程の酸性触媒は、無機塩基、有機塩基またはこれらの混合物を含んでいる。一部の実施形態では、塩基性触媒は、KCOを含んでいる。一部の実施形態では、塩基性触媒は、LiOHを含んでいる。
【0174】
本発明のプロセスの一部の実施形態では、加水分解する工程のための有機溶媒は、テトラヒドロフランを含んでいる。本発明のプロセスの一部の実施形態では、有機溶媒は、メチレンクロリドを含んでいる。本発明のプロセスの一部の実施形態では、溶媒は、有機溶媒および水の混合液である。一部のこのような実施形態では、有機溶媒は、メチレンクロリドである。
【0175】
本発明のプロセスの加水分解する工程は、約100℃までの温度で実施できる。つまり、加水分解は、約100℃以下の温度で実施される。一部の実施形態では、温度は、約80℃未満である。
【0176】
本発明のプロセスの一部の実施形態では、加水分解する工程は、式VIIIまたは式Xの化合物を約100℃未満の温度で有機溶媒および水の混合液中で酸性触媒もしくは塩基性触媒とともに加熱する工程をさらに含んでいる。
【0177】
その他の適切な加水分解する工程は、当業者には明白である。
【0178】
本発明のプロセスの一部の実施形態では、フッ素化する工程の結果として生じる化合物(例えば、式VIまたは式Xの化合物)、加水分解する工程の結果として生じる化合物(例えば、式VIIまたは式IXの化合物)または任意のこれらの組み合わせが単離される。一部の実施形態では、結果として生じる化合物または任意のこれらの組み合わせは単離されない(即ち、この場で生成される。)。
【0179】
本発明のプロセスの一部の実施形態では、精製する工程のためのC1−10モノアルコールは、イソプロパノールを含んでいる。本発明のプロセスの一部の実施形態では、精製する工程のC1−10ジアルコールは、プロピレングリコールを含んでいる。本発明のプロセスの一部の実施形態では、精製する工程のC1−10トリアルコールは、グリセリンを含んでいる。
【0180】
本発明のプロセスの一部の実施形態では、精製する工程は、アルコールおよび水の混合液を使用する工程を含んでいる。一部の実施形態では、この混合液は、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリンまたはこれらの混合液を含んでいる。一部の実施形態では、例えばイソプロパノールなどのアルコールおよび水は、約1:5から約5:1の比率で存在する。一部の実施形態では、アルコール対水の比率は、約1:1である。一部の実施形態では、アルコールはイソプロパノールを含んでおり、イソプロパノール対水の混合液の比率は、約1:1である。一部の実施形態では、式IXの化合物および約1:1のイソプロパノールと水の混合液は、約1:1から約10:1の重量対容量比を有している。一部の実施形態では、式IXの化合物対約1:1のイソプロパノールと水の混合液の重量対容量比は、約1:4.6である。
【0181】
本発明のプロセスの精製する工程の一部の実施形態では、式IXの化合物は約1:1のイソプロパノールと水の混合液中に溶解させられ、精製する工程は、1:1のイソプロパノールと水の混合液の還流点である溶解温度を有している。一部の実施形態では、式IXの化合物は約1:1のイソプロパノールと水の混合液中に溶解させられるが、このとき式IXの化合物および約1:1のイソプロパノールと水の混合液は、約1:4.6の重量対容量比を有しており、この混合液の還流点へ加熱される。結果として生じる溶液は、純粋である式IXの結晶化化合物を得るために、活性炭素およびフィルタを用いた濾過によって浄化され、次に約10℃から約30℃の温度へ冷却される。本明細書で使用する用語「純粋」または「精製(された)」は、未精製化合物に比較して減少したレベルの不純物および改善された色を意味する。一部の実施形態では、この溶液は、この溶液から式IXの精製化合物を結晶化させるために約20℃から約25℃の温度へ冷却される。一部の実施形態では、この溶液から結晶化された式IXの精製化合物は、フロルフェニコールである。
【0182】
また別の態様では、本発明は、構造、
【0183】
【化48】

(式中、R、RおよびRは、上記で定義した通りである。)を有する式Vの化合物またはこの医薬的に許容される塩を提供する。一部の実施形態では、式Vの化合物は、式Vd、
【0184】
【化49】

の化合物またはこの医薬的に許容される塩である。
【0185】
また別の態様では、本発明は、構造、
【0186】
【化50】

(式中、R、RおよびRは上記で定義した通りであるが、RがO−t−ブチルであり、RがOである場合は、Rは、Br、CHSOまたはCHSではないことを前提とする。)を有する式Xの化合物またはこの医薬的に許容される塩を提供する。一部の実施形態では、式Xの化合物は、式Xd、
【0187】
【化51】

の化合物またはこの医薬的に許容される塩である。
【0188】
実施例
以下の仮定製造例は、本発明のプロセスおよび化合物の代表的実施例である。本発明は本発明の所定の実施形態によって詳細に記載してきたが、以下の実施例は本発明を例示的および具体的に記載するためにのみ役立つものであり、本発明の有効な範囲を制限もしくは限定することは意図されていない。
【0189】
用語「C1−6トリハロアルキル」は、本明細書で定義したハロによって3回置換された、本明細書で定義したC1−6アルキルを意味しており、このときハロ原子は同一であっても相違していてもよい。
【実施例1】
【0190】
3−(ジクロロアセチル)−4(R)−(ヒドロキシメチル)−2,2−ジメチル−5(R)−[4−(メチルスルホニル)フェニル]オキサゾリジン(化合物III)の調製。
【0191】
チアンフェニコール(化合物IV)(約10g、0.0281モル)およびトリエチルアミンを約16時間にわたり約70℃から約80℃の温度でトルエン(約50mL)およびアセトン(約50mL)中で反応させると、反応混合液を得ることができる。約20℃から約25℃の温度へ冷却した後、溶媒を蒸発させ、トルエンおよび水で洗浄して乾燥させると、この反応混合液は3−(ジクロロアセチル)−4(R)−(ヒドロキシメチル)−2,2−ジメチル−5(R)−[4−(メチルスルホニル)フェニル]オキサゾリジン(化合物III)を産生することができる。
【実施例2】
【0192】
3−(ジクロロアセチル)−4(R)−(ヒドロキシメチル)−2,2−ジメチル−5(R)−[4−(メチルスルホニル)フェニル]オキサゾリジン(化合物III)の調製。
【0193】
チアンフェニコール(化合物IV)(約5g、0.0140モル)、2,2−ジメトキシプロパン(約2.2g、0.0211モル)およびp−トルエンスルホン酸を約18時間にわたり約75℃から約85℃の温度でトルエン(約50mL)中で反応させると、反応混合液を得ることができる。約20℃から約25℃の温度へ冷却した後、溶媒を蒸発させ、トルエンおよび水で洗浄し、乾燥させると、この反応混合液は3−(ジクロロアセチル)−4(R)−(ヒドロキシメチル)−2,2−ジメチル−5(R)−[4−(メチルスルホニル)フェニル]オキサゾリジン(化合物III)を産生することができる。
【実施例3】
【0194】
3−(ジクロロアセチル)−4(S)−(フルオロメチル)−2,2−ジメチル−5(R)−[4−(メチルスルホニル)フェニル]オキサゾリジン(化合物VIIId)の調製。
【0195】
メチレンクロリド(約70mL)中の3−(ジクロロアセチル)−4(R)−(ヒドロキシメチル)−2,2−ジメチル−5(R)−[4−(メチルスルホニル)フェニル]オキサゾリジン(化合物III)(約10g、0.0252モル)を約4時間にわたって約95℃から約105℃の温度でN,N−ジエチル−1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロパンアミン(Ishikawa試薬)(約10.7g、0.0478モル)と反応させると、反応混合液を得ることができる。約20℃から約25℃の温度へ冷却し、水(約330mL)中のナトリウムヒドロキシド(約1.5g)に加え、メチレンクロリド層を分離し、蒸留してイソプロパノール(約50mL)によってメチレンクロリドを置換し、次にイソプロパノールを濃縮すると、この反応混合液は所望の生成物を沈降させることができる。濾過の後、水およびイソプロパノールを用いて洗浄し、さらに乾燥させると、所望の生成物である3−(ジクロロアセチル)−4(S)−(フルオロメチル)−2,2−ジメチル−5(R)−[4−(メチルスルホニル)フェニル]オキサゾリジン(化合物VIIId)を産生することができる。
【実施例4】
【0196】
3−(ジクロロアセチル)−4(S)−(フルオロメチル)−2,2−ジメチル−5(R)−[4−(メチルスルホニル)フェニル]オキサゾリジン(化合物VIIId)の調製。
【0197】
メチレンクロリド(約200mL)中のチアンフェニコール(化合物IV)(約10g、0.0281モル)、アセトン(約10mL)およびp−トルエンスルホン酸を約18時間にわたって還流させながら反応させると、溶液中で3−(ジクロロアセチル)−4(R)−(ヒドロキシメチル)−2,2−ジメチル−5(R)−[4−(メチルスルホニル)フェニル]オキサゾリジン(化合物III)を形成することができる。無水ナトリウムスルフェートおよび木炭を溶液中の化合物IIIに加え、濾過し、この溶液を約100mLへ濃縮させると、化合物IIIの無水溶液を産生させることができ、次にこれを約4時間にわたり約95℃から約105℃の温度でN,N−ジエチル−l−1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロパンアミン(Ishikawa試薬)(約9.4g、0.0421モル)と反応させると反応混合液を得ることができる。約20℃から約25℃の温度へ冷却した後、水(約330mL)中のナトリウムヒドロキシド(約1g)を加え、メチレンクロリド層を分離し、メチレンクロリドを蒸発させ、水およびイソプロパノールで洗浄し、次に乾燥させると、この反応混合液は3−(ジクロロアセチル)−4(S)−(フルオロメチル)−2,2−ジメチル−5(R)−[4−(メチルスルホニル)フェニル]オキサゾリジン(化合物VIIId)を産生することができる。
【実施例5】
【0198】
フロルフェニコール(化合物I)の調製。
【0199】
3−(ジクロロアセチル)−4(S)−(フルオロメチル)−2,2−ジメチル−5(R)−[4−(メチルスルホニル)フェニル]オキサゾリジン(約10g、0.0251モル)を数(例えば、4から8)時間にわたり約60℃でメチレンクロリド(約50mL)およびp−トルエンスルホン酸を含有する水(約20mL)中において加水分解させると、反応混合液を得ることができる。蒸留によってメチレンクロリドを除去し、温度を約20℃から約25℃へ冷却すると、反応混合液は生成物を沈降させることができる。濾過後、水(約20mL)およびトルエン(約20mL)により洗浄し、次に乾燥させると、生成物はフロルフェニコール(化合物I)を産生することができる。
【実施例6】
【0200】
フロルフェニコール(化合物I)の精製。
【0201】
フロルフェニコール(化合物I)(約25g、0.0700モル)を水(約60mL)およびイソプロパノール(約60mL)中に還流させながら溶解させると、混合液を得ることができる。木炭の添加に続いて、濾過により浄化し、約20℃から約25℃の温度へ冷却し、固体を濾過し、約1:1の水/イソプロパノール(約20mL)を用いて洗浄し、次に乾燥させると、混合液は純粋フロルフェニコール(化合物I)を産生することができる。
【実施例7】
【0202】
フロルフェニコール(化合物I)の調製。
【0203】
メチレンクロリド(約50mL)中の3−(ジクロロアセチル)−4(R)−(ヒドロキシメチル)−2,2−ジメチル−5(R)−[4−(メチルスルホニル)フェニル]オキサゾリジン(化合物III)(5g、0.0126モル)を約4時間にわたって約95℃から約105℃の温度でN,N−ジエチル−1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロパンアミン(Ishikawa試薬)(約4.2g、0.0188モル)と反応させると、反応混合液を得ることができる。約20℃から約25℃の温度へ冷却した後、約25%ナトリウムヒドロキシドおよび水(約75mL)で消光させ、次にメチレンクロリド層を分離すると、この反応混合液は3−(ジクロロアセチル)−4(S)−(フルオロメチル)−2,2−ジメチル−5(R)−[4−(メチルスルホニル)フェニル]オキサゾリジン(化合物VIIId)を得ることができる。約50℃から約60℃の温度へ約10時間にわたり加熱しながら水およびカリウムカーボネートを加えた後、約20℃から約25℃の温度へ冷却させ、固体を濾過し、水およびトルエンを用いて洗浄し、次に乾燥させると、化合物VIIIdの溶液はフロルフェニコール(化合物I)を産生することができる。
【実施例8】
【0204】
3−(ジクロロアセチル)−4(R)−(ヒドロキシメチル)−5(R)−[4−(メチルスルホニル)フェニル]オキサゾリジノン(化合物Vd)の調製。
【0205】
チアンフェニコール(化合物IV)(約10g、0.0281モル)をメタノール(約100mL)中のジエチルカーボネート(約3.7g、0.0313モル)およびカリウムカーボネートと還流させながら約6時間にわたり反応させると、反応混合液を得ることができる。約20℃から約25℃の温度へ冷却した後、溶媒を蒸発させ、トルエンおよび水で洗浄し、次に乾燥させると、この反応混合液は3−(ジクロロアセチル)−4(R)−(ヒドロキシメチル)−5(R)−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−2−オキサゾリジノン(化合物Vd)を産生することができる。
【実施例9】
【0206】
3−(ジクロロアセチル)−4(R)−(ヒドロキシメチル)−5(R)−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−2−オキサゾリジノン(化合物Vd)の調製。
【0207】
チアンフェニコール(化合物IV)(約5g、0.0140モル)を約10時間にわたり約0℃から約10℃の温度でメタノール(約50mL)中のエチルクロロホルメート(約2.6g、0.0185モル)およびトリエチルアミンと反応させると、反応混合液が得ることができる。水の添加および溶媒の濃縮後に、反応混合液は生成物を沈降させることができる。トルエンおよび水を用いて洗浄した後に乾燥させると、生成物は3−(ジクロロアセチル)−4(R)−(ヒドロキシメチル)−5(R)−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−2−オキサゾリジノン(化合物Vd)を産生することができる。
【実施例10】
【0208】
3−(ジクロロアセチル)−4(S)−(フルオロメチル)−5(R)−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−2−オキサゾリジノン(化合物Xd)の調製。
【0209】
メチレンクロリド(約100mL)中の3−(ジクロロアセチル)−4(R)−(ヒドロキシメチル)−5(R)−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−2−オキサゾリジノン(化合物Vd)(約10g、0.0260モル)を約4時間にわたって約95℃から約105℃の温度でN,N−ジエチル−1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロパンアミン(Ishikawa試薬)(約8.7g、0.039モル)と反応させると、反応混合液を得ることができる。約20℃から約25℃の温度へ冷却し、水(約330mL)中のナトリウムヒドロキシド(約1.2g)に加え、メチレンクロリド層を分離し、蒸留してイソプロパノールによるメチレンクロリドの蒸留および置換ならびに水を添加すると、この反応混合液は所望の生成物を沈降させることができる。濾過後、水およびイソプロパノールを用いて洗浄し、さらに乾燥させると、生成物は、3−(ジクロロアセチル)−4(S)−(フルオロメチル)−5(R)−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−2−オキサゾリジノン(化合物Xd)を産生することができる。
【実施例11】
【0210】
3−(ジクロロアセチル)−4(S)−(フルオロメチル)−5(R)−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−2−オキサゾリジノン(化合物Xd)の調製。
【0211】
チアンフェニコール(化合物IV)(約5g、0.0140モル)を数時間にわたり周囲室温でメチレンクロリド(約250mL)中のエチルクロロホルメート(約2.6g、0.0185モル)およびトリエチルアミンと反応させると、3−(ジクロロアセチル)−4(R)−(ヒドロキシメチル)−5(R)−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−2−オキサゾリジノン(化合物Vd)を産生することができる。無水ナトリウムスルフェートの上方に通して乾燥させた後、木炭を添加し、浄化し、N,N−ジエチル−1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロパンアミン(Ishikawa試薬)(約4.7g、0.0211モル)を添加し、約95℃から約105℃の温度へ約6時間にわたり加熱し、次に温度を約20℃から約25℃へ冷却すると、反応混合液は3−(ジクロロアセチル)−4(S)−(フルオロメチル)−5(R)−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−2−オキサゾリジノン(化合物Xd)の溶液を生成することができる。水(約330mL)中のナトリウムヒドロキシド(約1.5g)を加え、メチレンクロリド層を分離し、メチレンクロリドを蒸発させ、水およびイソプロパノールで洗浄し、次に乾燥させると、化合物Xdの溶液は、3−(ジクロロアセチル)−4(S)−(フルオロメチル)−5(R)−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−2−オキサゾリジノン(化合物Xd)を産生することができる。
【実施例12】
【0212】
フロルフェニコール(化合物I)の調製。
【0213】
3−(ジクロロアセチル)−4(S)−(フルオロメチル)−5(R)−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−2−オキサゾリジノン(化合物Xd)(約5g、0.130モル)を約6時間にわたり約25℃から約35℃の温度でテトラヒドロフラン(約50mL)およびLiOHを含有する水(約5mL)中において加水分解させると、反応混合液を得ることができる。溶媒を濃縮した後、水を添加し、生じた固体を濾過し、水およびトルエンで洗浄すると、反応混合液はフロルフェニコール(化合物I)を産生することができる。
【実施例13】
【0214】
フロルフェニコール(化合物I)の調製。
【0215】
メチレンクロリド(約75mL)中の3−(ジクロロアセチル)−4(R)−(ヒドロキシメチル)−5(R)−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−2−オキサゾリジノン(化合物Vd)(約5g、0.0130モル)を約6時間にわたって約95℃から約105℃の温度でN,N−ジエチル−1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロパンアミン(Ishikawa試薬)(約8.4g、0.0197モル)と反応させると、反応混合液を得ることができる。約20℃から約25℃の温度へ冷却した後、約25%ナトリウムヒドロキシド水溶液および水(約75mL)で消光させ、次にメチレンクロリド層を分離すると、この反応混合液は3−(ジクロロアセチル)−4(S)−(フルオロメチル)−5(R)−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−2−オキサゾリジノン(化合物Xd)を得ることができる。約30℃から約40℃の温度へ約18時間にわたり加熱しながら水(約25mL)およびp−トルエンスルホン酸を加えた後、さらに水(約50mL)を添加し、生じた固体を濾過し、水およびトルエンを用いて洗浄し、次に乾燥させると、化合物Xdの溶液は、フロルフェニコール(化合物I)産生することができる。
【0216】
好ましい実施形態についての上記の詳細な説明は、本発明の分野の他の当業者に、他の当業者が特定の使用の要件に最良に適合させられるように、本発明を極めて多数の形態で適応および適用させることができるように、本発明の原理、および本発明の実際的用途を知らせることだけが意図されている。このため本発明は、上記の実施形態には限定されず、様々に修飾されてよい。
【0217】
用語「含む」および「含んでいる」は、排他的ではなく包含的であると解釈すべきである。この解釈は、これらの用語が米合衆国特許法の下で与えられている理解と同一であることが意図されている。
【0218】
単数形「1つの」および「この」は、この状況が明白に他のことを指示しない限り、複数の言及を含んでいる。本特許文書において言及した書籍および上記の刊行物の全てを含む特許、特許出願、技術論文および報告書、政府、貿易および産業界の印刷物、刊行物の各々は、これにより参照して全体として本明細書に組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式VIのオキサゾリジン保護アミノジオール化合物またはこの医薬的に許容される塩を調製するためのプロセスであって、式VIの化合物は、構造、
【化1】

に対応しており、
プロセスは、
a)反応混合液を形成するために式VIIの化合物をオキサゾリジン形成溶媒と反応させる工程と、および
b)式VIのオキサゾリジン保護アミノジオールを形成するために反応混合液へオキサゾリジン形成試薬およびオキサゾリジン促進化合物を添加する工程とを含み、
式VIIの化合物は、
【化2】

(式中、Rは、水素、メチルチオ、メチルスルホキシ、メチルスルホニル、フルオロメチルチオ、フルオロメチルスルホキシ、フルオロメチルスルホニル、ニトロ、フルオロ、ブロモ、クロロ、アセチル、ベンジル、フェニル、ハロ置換フェニル、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C3−8シクロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6アルコキシ、C1−6アラルキル、C2−6アラルケニル、またはC3−7複素環基である、
は、水素、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C3−8シクロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6アルコキシ、C1−6アラルキル、C2−6アラルケニル、アリール、またはC3−7複素環基である、
は、水素、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C3−8シクロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6アルコキシ、C1−6アラルキル、C2−6アラルケニル、アリール、またはC3−7複素環基である、および
は、水素、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C1−6ジハロアルキル、C1−6トリハロアルキル、CHCl、CHCl、CCl、CHBr、CHBr、CBr、CHF、CHF、CF、C3−8シクロアルキル、C3−8シクロハロアルキル、C3−8シクロジハロアルキル、C3−8シクロトリハロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6アルコキシ、C1−6アラルキル、C2−6アラルケニル、C3−7複素環基、ベンジル、フェニルまたはフェニルアルキルであり、フェニルまたはフェニルアルキルは1つもしくは2つのハロゲン、C1−6アルキル、またはC1−6アルコキシと置換されてよい。)の構造に対応しているプロセス。
【請求項2】
およびRは、各々メチルである、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
オキサゾリジン形成溶媒は、トルエンを含む、請求項1および2のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項4】
オキサゾリジン形成試薬は、アセトンを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項5】
トルエンおよびアセトンは、約0.5:1から約3:1のトルエン対アセトン比で存在する、請求項4に記載のプロセス。
【請求項6】
式VIの化合物は式III、
【化3】

の構造に対応する、請求項1から5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項7】
プロセスは、式VIIIの化合物を得るために有機溶媒の存在下で式VIの化合物(またはこの塩)をフッ素化剤によりフッ素化する工程と、ならびに
式IXの化合物を形成するために式VIIIの化合物を酸性もしくは塩基性触媒および溶媒により加水分解する工程とを含み、
式VIIIの化合物は、
【化4】

の構造に対応しており、および
式IXの化合物は、
【化5】

の構造に対応する請求項1から6のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項8】
フッ素化の式VIの化合物および加水分解の式VIIの化合物の一方または両方がこの場で生成される、請求項7に記載のプロセス。
【請求項9】
加水分解は、約80℃未満の温度で実施される、請求項7および8のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項10】
式VIIIの化合物は式VIIId、
【化6】

の構造に対応する、請求項7から9のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項11】
酸性または塩基性触媒は、p−トルエンスルホン酸を含む、請求項7から10のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項12】
酸性または塩基性触媒は、KCOを含む、請求項7から10のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項13】
式Vのオキサゾリジノン保護アミノジオール化合物またはこの医薬的に許容される塩を調製するためのプロセスであって、式Vの化合物は、
【化7】

の構造に対応しており、
プロセスは、
a)式VIIの化合物をオキサゾリジノン形成溶媒と反応させる工程と、および
b)式Vのオキサゾリジノン保護アミノジオールを形成するためにオキサゾリジノン形成試薬およびオキサゾリジノン促進化合物を添加する工程とを含み、
式VIIの化合物は、
【化8】

(式中、
は、水素、メチルチオ、メチルスルホキシ、メチルスルホニル、フルオロメチルチオ、フルオロメチルスルホキシ、フルオロメチルスルホニル、ニトロ、フルオロ、ブロモ、クロロ、アセチル、ベンジル、フェニル、ハロ置換フェニル、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C3−8シクロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6アルコキシ、C1−6アラルキル、C2−6アラルケニル、またはC3−7複素環基である、
は、水素、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C1−6ジハロアルキル、C1−6トリハロアルキル、CHCl、CHCl、CCl、CHBr、CHBr、CBr、CHF、CHF、CF、C3−8シクロアルキル、C3−8シクロハロアルキル、C3−8シクロジハロアルキル、C3−8シクロトリハロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6アルコキシ、C1−6アラルキル、C2−6アラルケニル、C3−7複素環基、ベンジル、フェニルまたはフェニルアルキルであり、フェニルまたはフェニルアルキルは1つもしくは2つのハロゲン、C1−6アルキル、またはC1−6アルコキシと置換されてよい、および
は、酸素、硫黄、または一置換アミノである。)の構造に対応しているプロセス。
【請求項14】
オキサゾリジノン形成溶媒は、メタノールを含む、請求項13に記載のプロセス。
【請求項15】
オキサゾリジノン形成試薬は、ジメチルカーボネートおよびジエチルカーボネートの一方または両方を含む、請求項13および14のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項16】
式Vの化合物は式Vd、
【化9】

の構造に対応する、請求項13から15のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項17】
プロセスは、
式Xの化合物を得るために有機溶媒の存在下で式Vの化合物(またはこの塩)をフッ素化剤によりフッ素化する工程と、および
式IXの化合物を形成するために式Xの化合物を溶媒中で酸性もしくは塩基性触媒により加水分解する工程とをさらに含み、
式Xの化合物は、
【化10】

の構造に対応しており、
式IXの化合物は、
【化11】

の構造に対応している、請求項13から16のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項18】
フッ素化の式Vの化合物および加水分解の式Xの化合物の一方または両方がこの場で生成される、請求項17に記載のプロセス。
【請求項19】
式Xの化合物は式Xd、
【化12】

の構造に対応する、請求項17および18のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項20】
酸性または塩基性触媒は、メタンスルホン酸を含む、請求項17から19のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項21】
酸性または塩基性触媒は、LiOHを含む、請求項17から19のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項22】
加水分解する工程は、式Xの化合物を約100℃未満の温度で有機溶媒および水の混合液中で酸性触媒もしくは塩基性触媒とともに加熱する工程をさらに含む、請求項17から21のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項23】
式VIIの化合物は式IV、
【化13】

のチアンフェニコールである、請求項1から22のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項24】
は、メチルスルホニルである、請求項1から5、7から9、11から15、17、18、および20から22のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項25】
は、CHClである、請求項1から5、7から9、11から15、17、18、および20から22のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項26】
オキサゾリジノン促進化合物は、カリウムカーボネートおよびトリエチルアミンの一方または両方を含む、請求項1から25のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項27】
フッ素化のための有機溶媒は、メチレンクロリドを含む、請求項7から12および17から22のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項28】
加水分解のための溶媒は、有機溶媒および水の混合液を含む、請求項7から12、17から21、および27のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項29】
加水分解のための溶媒は、テトラヒドロフランおよびメチレンクロリドの一方または両方を含む、請求項7から12、17から22、および28のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項30】
本プロセスは、式IXの精製化合物を得るために式IXの化合物を精製する工程をさらに含む、請求項7から12、17から22、27から29のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項31】
精製する工程は、水およびイソプロパノールを含む混合液を使用する工程を含む、請求項30に記載のプロセス。
【請求項32】
精製する工程は、式IXの結晶化化合物を得るために、約10℃から約30℃の温度へ冷却させる工程を含む、請求項30および31のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項33】
フッ素化剤は、N,N−ジエチル−1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロパンアミンを含む、請求項7から12、17から22、および27から32のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項34】
式IXの化合物は、フロルフェニコールである、請求項7から12、17から22、および27から33のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項35】
式Vの化合物は、
【化14】

(式中、
は、水素、メチルチオ、メチルスルホキシ、メチルスルホニル、フルオロメチルチオ、フルオロメチルスルホキシ、フルオロメチルスルホニル、ニトロ、フルオロ、ブロモ、クロロ、アセチル、ベンジル、フェニル、ハロ置換フェニル、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C3−8シクロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6アルコキシ、C1−6アラルキル、C2−6アラルケニル、またはC3−7複素環基である、
は、水素、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C1−6ジハロアルキル、C1−6トリハロアルキル、CHCl、CHCl、CCl、CHBr、CHBr、CBr、CHF、CHF、CF、C3−8シクロアルキル、C3−8シクロハロアルキル、C3−8シクロジハロアルキル、C3−8シクロトリハロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6アルコキシ、C1−6アラルキル、C2−6アラルケニル、C3−7複素環基、ベンジル、フェニルまたはフェニルアルキルであり、フェニルまたはフェニルアルキルは1つもしくは2つのハロゲン、C1−6アルキル、またはC1−6アルコキシと置換されてよい、および
は、酸素、硫黄、または一置換アミノである。)の構造に対応している、式Vの化合物またはこの医薬的に許容される塩。
【請求項36】
式Vの化合物は式Vd、
【化15】

の構造に対応する、請求項35に記載の化合物または塩。
【請求項37】
式Xの化合物は、
【化16】

は、水素、メチルチオ、メチルスルホキシ、メチルスルホニル、フルオロメチルチオ、フルオロメチルスルホキシ、フルオロメチルスルホニル、ニトロ、フルオロ、ブロモ、クロロ、アセチル、ベンジル、フェニル、ハロ置換フェニル、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C3−8シクロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6アルコキシ、C1−6アラルキル、C2−6アラルケニル、またはC3−7複素環基である、
は、水素、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C1−6ジハロアルキル、C1−6トリハロアルキル、CHCl、CHCl、CCl、CHBr、CHBr、CBr、CHF、CHF、CF、C3−8シクロアルキル、C3−8シクロハロアルキル、C3−8シクロジハロアルキル、C3−8シクロトリハロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6アルコキシ、C1−6アラルキル、C2−6アラルケニル、C3−7複素環基、ベンジル、フェニルまたはフェニルアルキルであり、フェニルまたはフェニルアルキルは1つもしくは2つのハロゲン、C1−6アルキル、またはC1−6アルコキシと置換されてよい、および
は、酸素、硫黄、または一置換アミノであるが、
がO−t−ブチルであり、およびRがOである場合は、Rは、Br、CHSOもしくはCHSではないことを前提とする。)の構造に対応している、式Xの化合物またはこの医薬的に許容される塩。
【請求項38】
式Xの化合物は、式Xd、
【化17】

の構造に対応する、請求項37に記載の化合物または塩。

【公表番号】特表2010−534667(P2010−534667A)
【公表日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−518325(P2010−518325)
【出願日】平成20年7月22日(2008.7.22)
【国際出願番号】PCT/US2008/070696
【国際公開番号】WO2009/015111
【国際公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(506196247)インターベツト・インターナシヨナル・ベー・ベー (85)
【Fターム(参考)】