説明

オキシメタゾリンの増強された光安定化

局所うっ血除去薬組成物におけるオキシメタゾリンの光安定性が、緩衝溶液を用いて組成物のpHを低下させることにより増強される。本発明の一つの例示的実施形態は、オキシメタゾリンHClと;ポリビニルピロリドンまたはポリエチレングリコールのうちの少なくとも一つと;緩衝溶液とを含む局所うっ血除去薬組成物を包含し、この組成物は、約3〜約6のpHを有する。任意に、組成物は、約3.5〜約5.5のpHを有する。任意に、組成物は、約4〜約5のpHを有する。任意に、緩衝溶液は、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸、二塩基のリン酸塩、一塩基のリン酸塩およびその組み合わせからなる群より選択される緩衝剤を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野は、局所うっ血除去薬、特に、オキシメタゾリンの光安定化を増強する組成物およびそれを使用した治療法に関する。
【背景技術】
【0002】
薬学的に活性な薬剤の多くは、UV光に曝露されると光分解しやすい。一般に、製剤への吸光剤の取り込みにより、これらの感光性薬剤をある程度安定化できる。例えば、非特許文献1は、非経口製剤におけるレセルピンの光安定性、および、一般に使用されるいくつかの安定剤の効果についてなされた研究に言及する。Gregoriadis等の“Stabilization of photosensitive materials”と題する特許文献1は、感光材料を、感光材料の光安定性を高めることができる吸光材料とともに含むリポソームに言及する。
【0003】
ポリビニルピロリドン(PVP)は、その重合プロセスが過酸化物、ヒドロ過酸化物および過酸化水素等の重合開始剤の使用を伴うことから、過酸化物不純物を様々な製剤に導入しうる。例えば、非特許文献2は、いくつかの医薬賦形剤から一般的な反応性不純物を除去する超臨界流体抽出の能力に言及する。非特許文献3は、一般的な医薬賦形剤のヒドロ過酸化物不純物レベルの評価に言及する。
【0004】
熱または光に曝露されると、痕跡量の過酸化物が、光化学反応を強力に触媒しうるフリーラジカルに分解しうる。ポリエチレングリコール(PEG)またはポリソルベート界面活性剤のポリオキシエチレン鎖の光誘発分解も、薬物の速い分解につながる過酸化水素および/または過酸化物−フリーラジカルの形成をもたらし得る。例えば、非特許文献4は、ポリエチレングリコールにおける過酸化物様不純物の形成速度への様々な因子の影響についてなされた研究に言及する。非特許文献5は、様々な貯蔵条件下でのポリソルベート80における過酸化物形成についてなされ、モデルタンパク質IL−2突然変異タンパク質を酸化させる、ポリソルベート80中の過酸化物の能力をテストした研究に言及した。非特許文献6は、貯蔵時に自動酸化するポリソルベート20の水溶液に言及する。
【0005】
上述の賦形剤の存在下における感光性物質の光分解を防止または減少するために、多数の方法が追求されている。一般にそれらは、着色した容器またはUV吸収剤を含むポリマーフィルムを用いて、光誘発分解から保護されうる。しかし、製剤の露光レベルだけを最小化することは、明らかな光化学反応を防止するために必ずしも十分でない。
【0006】
オキシメタゾリンは、一般に水性製剤においてその塩の形(オキシメタゾリンHCl)において利用可能な、選択的アルファ−1アゴニストおよび部分的アルファ−2アゴニスト局所うっ血除去薬である。それは、Neo−Synephrine、Vicks SinexおよびAfrin等の製品において使用される。オキシメタゾリンは、体内の血管を収縮させることにより作用する。例えば、鼻用製剤におけるオキシメタゾリンは、鼻の組織中の血管に直接作用する。鼻および副鼻洞(sinus)内の血管の収縮により、これらの領域の排液および鬱血の減少がもたらされる。
【0007】
塩酸オキシメタゾリンは、化学名6−tert−ブチル−3−(2−イミダゾリン−2−イルメチル)−2,4−ジメンチルフェノール(dimentylphenol)ヒドロクロリド(CASレジストリNo.2315−02−8)を有する。塩酸オキシメタゾリンの分子量は296.84であり、以下の化学構造を有する:
【0008】
【化1】

【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第6,379,697号明細書
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】N.Jamil等,“Studies of the photostability of reserpine in parenteral solutions”,Die Pharmazie,(1983)38:467−469
【非特許文献2】M.Ashraf−Khorassani等,“Purification of pharmaceutical excipients with supercritical fluid extraction”,Phar Dev Technol.,(2005)4:507−516
【非特許文献3】W.Wasylaschuk等,“Evaluation of hydroperoxides in common pharmaceutical excipients”,J Pharm Sci.,(2007)96:106−116
【非特許文献4】J.McGinity等,“Implications of peroxide formation in lotion and ointment dosage forms containing polyethylene glycols”,Drug Dev Commun.,(1976)2:505−519
【非特許文献5】E.Ha等,“Peroxide formation in Polysorbate 80 and protein stability”,J Pharm Sci.,(2002)91:2252−2264
【非特許文献6】M.Donbrow,等,“Autoxidation of polysorbates”,J Pharm Sci.,(1978)67:1676−1681
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
オキシメタゾリンHClは、水溶液中で感光性であると分かり、PVPまたはPEGの存在下でその光分解レベルが実質的に増加した。鼻スプレー製剤において用いられるオキシメタゾリンHClの濃度は、典型的には0.05%w/vと非常に低く、製剤の他の成分(不安定化成分であり得る)が薬物自体よりもはるかに高い濃度で存在することから、オキシメタゾリンHClの分解が特に懸念される。
【0012】
オキシメタゾリンHClを含む製剤のpHを低下させることにより、PVPまたはPEG等の不安定化賦形剤の存在下であっても、オキシメタゾリンHClの光分解レベルが大幅に減少されることが分かっている。
【0013】
本発明の一つの例示的実施形態は、オキシメタゾリンHClと;ポリビニルピロリドンまたはポリエチレングリコールのうちの少なくとも一つと;緩衝溶液とを含む局所うっ血除去薬組成物を包含し、この組成物は、約3〜約6のpHを有する。任意に、組成物は、約3.5〜約5.5のpHを有する。任意に、組成物は、約4〜約5のpHを有する。任意に、緩衝溶液は、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸、二塩基のリン酸塩(dibasic phosphate)、一塩基のリン酸塩(monobasic phosphate)およびその組み合わせからなる群より選択される緩衝剤を含む。任意に、緩衝剤は、クエン酸とリン酸塩との組み合わせである。任意に、緩衝溶液は、約0.1Mのクエン酸と約0.2Mのリン酸二水素ナトリウム一水和物とを含むクエン酸−リン酸塩溶液を含む。任意に、存在するオキシメタゾリンHClの濃度は、組成物の約0.01〜約0.10重量/体積%である。任意に、存在するオキシメタゾリンHClの濃度は、組成物の約0.05重量/体積%である。任意に、PVPは、約0.5〜約15重量/体積%存在し、PVPは、約10,000〜約40,000の平均分子量を有する。任意に、PVPは、約0.5〜約3重量/体積%存在し、約40,000の平均分子量を有する。任意に、PEGは、約15重量/体積%未満から存在し、PEGは、約400〜約3350の平均分子量を有する。任意に、PEGは、約2.5〜約5重量/体積%存在し、PEGは、約1450の平均分子量を有する。
【0014】
本発明の別の例示的実施形態は、局所うっ血除去薬組成物におけるオキシメタゾリンHClの光安定化を増強するためのプロセスを包含し、このプロセスは、オキシメタゾリンHClと、ポリビニルピロリドンまたはポリエチレングリコールのうちの少なくとも一つと、緩衝溶液とを、約3〜約6のpHを有する混合物に組み合わせるステップを含む。任意に、組成物は、約4〜約5のpHを有する。任意に、PVPは、混合物中に約.5〜約15重量/体積%含まれ、PVPは、約10,000〜約40,000の平均分子量を有する。任意に、PEGは、混合物中に約15重量/体積%未満から含まれ、PEGは、約400〜約3350の平均分子量を有する。任意に、緩衝溶液は、一つ以上の緩衝剤を含む。任意に、緩衝剤は、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸、二塩基のリン酸塩、一塩基のリン酸塩およびその組み合わせからなる群より選択される。任意に、緩衝剤は、クエン酸とリン酸塩との組み合わせである。任意に、緩衝溶液は、約0.1Mのクエン酸と約0.2Mのリン酸二水素ナトリウム一水和物とを含むクエン酸−リン酸塩溶液である。任意に、存在するオキシメタゾリンHClの濃度は、組成物の約0.01〜約0.10重量/体積%である。
【0015】
本発明の別の例示的実施形態は、鼻閉(nasal congestion)を治療するための方法を包含し、この方法は、オキシメタゾリンHClと、ポリビニルピロリドンまたはポリエチレングリコールのうちの少なくとも一つと、緩衝溶液とを含む治療有効量の局所うっ血除去薬組成物を、患者に投与するステップを含み、この組成物は約3〜約6のpHを有する。任意に、鼻閉は、アレルギー、枯草熱、副鼻洞炎(sinus irritation)または風邪からなる群より選択される苦痛の症状である。任意に、局所うっ血除去薬組成物は、鼻スプレー、鼻ゲル、点鼻薬および吸入剤からなる群より選択される。任意に、組成物は、一日一回患者に投与される。任意に、組成物は、一日二回患者に投与される。任意に、組成物は、一日二回より多く患者に投与される。
【0016】
本発明のさらに別の例示的実施形態は、鼻に投与される局所組成物を包含し、この組成物は、オキシメタゾリンHClと;分解により過酸化物を放出する化合物と;緩衝溶液を含み、そして約3〜約6のpHを有する。任意に、組成物は、約3.5〜約5.5のpHを有する。任意に、組成物は、約4〜約5のpHを有する。任意に、緩衝溶液は、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸、二塩基のリン酸塩、一塩基のリン酸塩およびその組み合わせからなる群より選択される緩衝剤を含む。任意に、緩衝剤は、クエン酸とリン酸塩との組み合わせである。任意に、緩衝溶液は、約0.1Mのクエン酸と約0.2Mのリン酸二水素ナトリウム一水和物とを含むクエン酸−リン酸塩溶液を含む。任意に、存在するオキシメタゾリンHClの濃度は、組成物の約0.01〜約0.10重量/体積%である。任意に、存在するオキシメタゾリンHClの濃度は、組成物の約0.05重量/体積%である。任意に、少なくとも一つの追加的な薬学的に活性な薬剤をさらに含む、組成物。任意に、薬学的に活性な薬剤は、抗ヒスタミン剤、コルチコステロイド、および鼻うっ血除去薬からなる群より選択される。任意に、抗ヒスタミン剤は、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、トリペレナミン、プロメタジン、クレマスチン、ドキシラミン、アステミゾール、テルフェナジン、ロラタジン、デスロラタジン、シメチジン、ファモチジン、ニザチジン、ラニチジン、クロモリン、アザチジン、フェキソフェナジン、テルフェナジン、セチリジン、アステミゾール、およびレボカバスチンからなる群より選択される。任意に、コルチコステロイドは、フランカルボン酸モメタゾン、デキサメタゾン、ブトキシコート(butoxicort)、ロフレポニド(rofleponide)、ブデソニド、デフラザコート、シクレソニド、フルチカゾン、ベクロメタゾン、ロテプレドノールまたはトリアムシノロンからなる群より選択される。任意に、鼻うっ血除去薬は、レブメタンフェタミン(levmetamfetamine)、エフェドリン、塩酸エフェドリン、硫酸エフェドリン、塩酸ナファゾリン、塩酸フェニレフリン、プロピルヘキセドリン、塩酸キシロメタゾリン、フェニルプロパノールアミン、フェニレフリンおよびプソイドエフェドリンからなる群より選択される。
【発明を実施するための形態】
【0017】
鼻のうっ血除去をもたらすために十分であると分かったオキシメタゾリンまたはその薬学的に受容可能な塩の量は、局所鼻うっ血除去薬組成物の約0.01〜約0.1重量/体積%の範囲である。典型的に、0.05重量/体積%の(HCl塩としての)オキシメタゾリンが、成人および5歳を過ぎた子供に適切である。オキシメタゾリンHClは、Schering−Plough Corp.,Kenilworth,N.J.により販売される製品において市販されている。The Merck Index.Tenth Edition,1983,p.6838も参照。
【0018】
様々なガムおよびポリマーが、鼻スプレー製剤の鼻の粘液−繊毛クリアランス時間を延長するための生体接着剤としてのかかる材料の適性を決定するために評価されている。生体接着剤の所望の特性には、従来の鼻スプレー製剤における溶解性、透明性、および適合性が含まれる。
【0019】
1−ビニル−2−ピロリドンの線状ポリマー、ポリビニルピロリドン(PVP)が、鼻スプレー組成物の粘液−繊毛クリアランス時間を延長することが分かっている。ポリビニルピロリドン(PVP)はポビドンとしても知られ、約10,000〜約700,000の範囲の平均分子量を有する一連の製品として市販される。様々な製品が、K−値で指定される平均分子量にしたがって販売される。例えば、GAF Corporationは、K−値=15を有するPVPを約10,000の平均分子量を有するものとして、また、K−値=30を約40,000の平均分子量を有するものとして、供給する。本発明の鼻スプレー組成物は、様々な等級のポリビニルピロリドン、すなわちK−15、K−30、K−60およびK−90を含みうる。ポリビニルピロリドン成分は、一つの特定の等級として、または二つ以上の等級の組み合わせとして存在しうる。本発明の組成物に最も好ましいポリビニルピロリドンのポリマーは、ポビドンK29−32である。約39,450の分子量を有するポビドンK29−32(General Aniline & Film Corp.販売)。ポリビニルピロリドンは、存在する場合には、典型的に全組成物の約0.5〜約15重量/体積%の量で存在する。好ましくは、全組成物の約0.5〜約3重量/体積%の量で存在する。
【0020】
ポリエチレングリコール(PEG)は、エチレングリコールのエチレンオキシドとの付加反応により形成される線状ポリマーであり、約200〜20,000超の範囲の平均分子量で市販される。市販の等級のポリエチレングリコールは平均分子量に基づいて販売され、例えば分子量により等級分類が同定される。例えば、PEG400は、400の平均分子量の材料を表し、600の平均分子量の材料はPEG600として知られる。PEG200、300、400、および600は、室温で透明な粘性液であり、PEG900、1000、1450、3350、4500および8000は、白色の蝋状固体である。本発明の組成物に好ましいポリエチレングリコールはPEG400〜PEG3350であり、最も好ましいポリエチレングリコールはPEG1450である。ポリエチレングリコールは、存在する場合には、全組成物の約0〜15重量/体積%の量で典型的に存在する。好ましくは、それは、全組成物の約0.5〜10重量/体積%の量で存在する。より好ましくは、それは、全組成物の約2.5〜約5重量/体積%の量で存在する。
【0021】
本明細書において使用されるところの「McIlvaine緩衝液」という用語は、約0.1Mのクエン酸と約0.2Mのリン酸二水素ナトリウム一水和物とを含むクエン酸−リン酸塩溶液をさす。
【0022】
本明細書で使用されるところの、「ポリソルベート80」という用語は(商業的には元Uniqema/ICIのCroda International Plcの商標TWEEN(登録商標)80としても知られる)、ポリオキシル化ソルビトールおよびオレイン酸から得られる非イオン性界面活性剤および乳化剤である。
【0023】
局所うっ血除去薬組成物
本発明の一つの例示的実施形態は、オキシメタゾリンHClと緩衝溶液とを含む局所のうっ血除去薬組成物を包含し、この組成物は、約3〜約6のpHを有する。本発明者らは、組成物のpHを低下させることにより、オキシメタゾリンHClの光安定化を増強する方法を発見した。この方法の魅力的な態様は、一般的な緩衝溶液を用いたその単純な調製、光化学反応を抑制するその能力、および他の光保護デバイスと組み合わせることにより相乗効果を提供するその能力である。
【0024】
典型的に、局所うっ血除去薬組成物は、約3〜約6のpHを有する。好ましくは、組成物は、約3.5〜約5.5のpHを有する。より好ましくは、組成物は、約4〜約5のpHを有する。
【0025】
局所うっ血除去薬組成物は、増粘剤(viscosity enhancing agent)も含みうる。典型的には増粘剤は、ポリビニルピロリドン(PVP)およびポリエチレングリコール(PEG)である。PEGは保湿剤としての役割も果たすことができ、PVPは鼻内の感触を改善するためにも用いられる。PVPおよびPEGは、生体接着剤としての役割も果たし、鼻うっ血除去薬のクリアランス時間を延長しうる。
【0026】
典型的に、緩衝溶液は、組成物のpHを約3から約6に調節および維持するために十分な一つ以上の緩衝剤を含む。好ましくは、緩衝剤は、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸、二塩基のリン酸塩、一塩基のリン酸塩またはその組み合わせである。より好ましくは、緩衝剤は、クエン酸とリン酸塩との組み合わせである。最も好ましくは、緩衝溶液は、約0.1Mのクエン酸と約0.2Mのリン酸二水素ナトリウム一水和物とを含むクエン酸−リン酸塩溶液である。典型的に、存在するクエン酸の量は、組成物の約0.10〜約0.50重量/体積%であり、存在するリン酸二水素ナトリウム一水和物の量は、組成物の約0.20〜約0.65重量/体積%である。好ましくは、存在するクエン酸の量は組成物の0.20〜0.45重量/体積%であり、存在するリン酸二水素ナトリウムの量は組成物の0.35〜約0.60重量/体積%である。
【0027】
典型的に、水は、組成物の約98〜約99.5重量/体積%の量で、組成物中に存在する。好ましくは、水は、組成物の約99.1〜約99.2重量/体積%の量で存在する。
【0028】
意図される適用法により、最高約10重量パーセント、より典型的には約0.5〜約5重量パーセントの、ポリマーまたは他の材料等のレオロジー−改質剤(rheology modifying agent)を取り込むことが望ましいだろう。有用な材料には、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、アルギン、カラギーナン(carageenans)、カルボマー、ガラクトマンナン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルキチンナトリウム、カルボキシメチルデキストランナトリウム、カルボキシメチル澱粉ナトリウムおよびキサンタンガムが含まれるがこれに限られない。前述の任意の二つ以上の組み合わせも有用である。
【0029】
本発明のある例示的実施形態は、微結晶性セルロースとアルカリ金属カルボキシアルキルセルロースとの混合物を含みうる。このような組み合わせは、いずれも約89重量パーセントの微結晶性セルロースと約11重量パーセントのカルボキシメチルセルロースナトリウムとを含む同じ総化学組成を有するAvicel(商標)RC−591およびAvicel(商標)RC−581(FMC Corporation,Philadelphia,Pa.U.S.A.)等の例を含め、市販されている。微結晶性セルロースおよびアルカリ金属カルボキシアルキルセルロースは、別々に市販され、本発明において用いるために所望の比率で混合することができ、微結晶性セルロースの量が、別に混合される混合物および同時処理される混合物のいずれにおいても、混合物の約85および約95重量パーセントの間であるのが好ましい。
【0030】
これらの組成物は、一つ以上の芳香族アルコール、界面活性剤、保湿剤、酸化防止剤、安定剤、抗菌保存剤など、およびその混合物も含みうる。
【0031】
芳香族アルコールは、ベンジルアルコールおよびフェニルエチルアルコールからなる群より選択されうる。芳香族アルコールは、使用時には、典型的に全組成物の約0〜約5重量/体積%の量で存在する。好ましくは、それは全組成物の約0.2〜約3重量/体積%の量で存在し、より好ましくは全組成物の約0.25〜約1重量/体積%の量で存在する。
【0032】
ポリソルベート80等の界面活性剤は、使用される場合には、典型的には全組成物の約0〜2.0重量/体積%の量で存在する。好ましくは、それは全組成物の約0〜1.5重量/体積%の量で存在し、より好ましくは全組成物の約0〜1.25重量/体積%の量で存在する。
【0033】
プロピレングリコール等の保湿剤は、使用される場合には、典型的には全組成物の約0〜10重量/体積%の量で存在する。好ましくは、それは全組成物の約1〜4重量/体積%の量で存在し、より好ましくは全組成物の約1.5〜3.5重量/体積%の量で存在する。
【0034】
二ナトリウムEDTA等の酸化防止剤は、使用される場合には、典型的には全組成物の約0〜0.10重量/体積%の量で存在する。好ましくは、それは全組成物の約0.01〜0.05重量/体積%の量で存在し、より好ましくは全組成物の約0.015〜0.03重量/体積%の量で存在する。
【0035】
抗菌保存剤は、使用される場合には、典型的には組成物の約0.01〜約0.3重量/体積%の量で存在する。抗菌剤として機能する典型的な適切な保存剤には、存在する場合には、約0.02〜約0.025重量/体積%の範囲の市販の保存剤、塩化ベンザルコニウムが含まれる。
【0036】
本発明の別の実施形態は、鼻閉を治療するための方法を包含し、この方法は、オキシメタゾリンHClと緩衝溶液とを含む治療有効量の局所うっ血除去薬組成物を、患者に投与するステップを含み、ここで、この組成物は、約3〜約6のpHを有し、PEGおよび/またはPVPならびに前述の緩衝剤も含む。典型的には、鼻閉は、アレルギー、枯草熱、副鼻洞炎または風邪から悩まされる症状である。局所うっ血除去薬組成物は、鼻スプレー、鼻ゲル、点鼻薬または吸入剤の形態であり得る。
【0037】
典型的には、局所うっ血除去薬組成物は、一日一回、一日二回、または一日二回より多く、患者に投与される。この種のスプレーの長期使用は、鼻内の繊細な粘膜に損傷を与えうる。その結果、うっ血除去薬鼻スプレーは、短期使用に限るように勧められる。
【0038】
本発明の例示的実施形態の薬物には、オキシメタゾリンに加えて追加的な薬学的に活性な薬剤が含まれうる。したがって、本発明の一態様では、オキシメタゾリンが、コルチコステロイド、例えばフランカルボン酸モメタゾン、デキサメタゾン、ブトキシコート、ロフレポニド、ブデソニド、デフラザコート、シクレソニド、フルチカゾン、ベクロメタゾン、ロテプレドノールもしくはトリアムシノロン、またはその組み合わせと合わせられ得る。
【0039】
例えば喘息またはアレルギー性または非アレルギー性鼻炎を治療するための、アレルギー性、非アレルギー性鼻炎および/または上気道または下気道の炎症性疾患の治療では、水性懸濁液または乾燥粉末として投与されうる実質的に非全身的に生物利用可能な量のフランカルボン酸モメタゾンは、単回または分割用量で約10〜5000マイクログラム(「mcg」)/日、10〜4000mcg/日、10〜2000mcg/日、25〜1000mcg/日、25〜400mcg/日、25〜200mcg/日、25〜100mcg/日または25〜50mcg/日の範囲である。
【0040】
本発明の例示的実施形態の別の態様においては、オキシメタゾリンが、他の活性薬剤と組み合わせられればよく、このようなものの例には、抗ヒスタミン剤、ロイコトリエン拮抗薬およびコルチコステロイドが含まれるがこれに限られない。抗ヒスタミン剤はHまたはHアンタゴニストまたは他のタイプのヒスタミン放出阻害剤であり得る。Hアンタゴニストは、とりわけアゼラスチン、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、トリペレナミン、プロメタジン、クレマスチン、ドキシラミン、アステミゾール、テルフェナジン、およびロラタジン等、鎮静性または非鎮静性であり得る。Hアンタゴニストの例には、シメチジン、ファモチジン、ニザチジン、およびラニチジンが含まれるがこれに限られない。ヒスタミン放出阻害剤の例には、クロモリンが含まれる。ロラタジン、デスロラタジン、アザチジン、フェキソフェナジン、テルフェナジン、セチリジン、アステミゾール、およびレボカバスチン、またはその薬学的に受容可能な塩類からなる群の一つ以上より選択される、長時間作用性の抗ヒスタミン剤が、本発明の医薬組成物に適切である。
【0041】
好ましい抗ヒスタミン剤には、ロラタジンおよびデスロラタジンが含まれる。ロラタジンは、例えばくしゃみおよび痒み等の季節性アレルギー性鼻炎症状の軽減において有用な非鎮静抗ヒスタミン剤として、米国特許第4,282,233号に開示される。ロラタジンの活性代謝物はデスロラタジンであり、約15〜19時間の半減期(t1/2)を有する。米国特許第5,595,997号は、デスロラタジンを用いて季節性アレルギー性鼻炎症状を治療する方法および組成物を開示する。ロラタジンおよびデスロラタジンは、活性薬剤を従来の様式で放出する従来の錠剤の形態で利用可能である。例示的な製剤は、ロラタジンが1〜3時間以内にその抗ヒスタミン効果を誘発し始め、効果が24時間以上持続するように、崩壊および溶解のプロセスによりロラタジンを放出する。ロラタジンはフェニレフリンと比較して半減期が長いため、本発明による製剤におけるロラタジンは、即時放出用に利用可能であるのが好ましい。例えば、ロラタジンまたはデスロラタジンは、液体コアの担体液体中の溶液において存在し得、または製品のトップコーティング(top coating)に取り込まれ得る。
【0042】
他の抗ヒスタミン剤も、本発明の実施に有用である。アザタジンは、ベルギー特許第647,043号、ならびに対応する米国特許第3,326,924号および3,419,565号に開示される。排泄半減期は、9〜12時間であると報告される。テルフェナジンおよびフェキソフェナジンは、米国特許第3,878,217号に開示され、それぞれ、12〜24時間および24時間超の作用持続時間を有する。セチリジンは、米国特許第4,525,358号に開示され、12〜24時間の作用持続時間を有すると報告される。アゼラスチンは、米国特許第5,164,194号に開示され、22時間の排泄半減期を有すると報告される。アステミゾールは、米国特許第4,219,559号に開示され、24時間超の作用持続時間を有すると報告される。レボカバスチンは、米国特許第4,369,184号に開示され、16〜24時間の作用持続時間を有すると報告される。ロラタジンまたはデスロラタジン等の抗ヒスタミン剤の投与量は、1〜20mg;好ましくは2.5mg、5mg、または10mg等、異なる濃度で存在しうる。
【0043】
有用なロイコトリエン拮抗薬の例には、米国特許第5,565,473号に開示されるモンテルカストおよび関連の化合物、ならびに米国特許第4,859,692号に開示されるザフィルルカストおよび関連の化合物が含まれるがこれに限られない。
【0044】
コルチコステロイドの例には、ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、酢酸コルチゾン、チキソコルトールピバレート、プレドニゾロン、メチプレドニゾロン(methyprednisolone)、プレドニゾン、トリアムシノロンアセトニド、トリアムシノロンアルコール、モメタゾン、アムシノニド、ブデソニド、デソニド、フルオシノニド、フルオシノロンアセトニド、ハルシノニド、ベタメタゾン、リン酸ベタメタゾンナトリウム、デキサメタゾン、デキサメタゾンリン酸ナトリウム、フルオコルトロン、ヒドロコルチゾン−17−酪酸塩、ヒドロコルチゾン−17−吉草酸塩、アクロメタゾンジプロピオネート(aclometasone dipropionate)、吉草酸ベタメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、プレドニカルベート、クロベタゾン−17−酪酸塩、クロベタゾール−17−プロピオン酸塩、カプロン酸フルオコルトロン、フルオコルトロンピバレート、および酢酸フルプレドニデンが含まれる。
【0045】
他のうっ血除去薬が、本発明の様々な例示の実施形態のオキシメタゾリンと組み合わせて使用されてもよい。これらの鼻うっ血除去薬には、交感神経様作用アミン鼻うっ血除去薬が含まれうる。米国内で局所使用に現在承認されるものには、レブメタンフェタミン(別名1−デオキシエフェドリン)、エフェドリン、塩酸エフェドリン、硫酸エフェドリン、塩酸ナファゾリン、塩酸フェニレフリン、プロピルヘキセドリンおよび塩酸キシロメタゾリンが含まれるがこれに限られない。使用できる追加的なうっ血除去薬には、フェニルプロパノールアミン、フェニレフリンおよびプソイドエフェドリンが含まれる。プソイドエフェドリンならびに薬学的に受容可能な酸付加塩、例えばHClまたはHSOのものは、鼻閉の治療に有効な安全な治療剤と認められる交感神経様作用薬であり、一般に、アレルギー性鼻炎に伴う鼻閉の治療用に、経口で抗ヒスタミン剤と同時に投与される。鼻うっ血除去薬としてのプソイドエフェドリンの使用は、1日1〜4回投与される約120mgの硫酸プソイドエフェドリンの量で好まれる。しかし、より少ない硫酸プソイドエフェドリンの量が、オキシメタゾリンと組み合わせて使用されうる。
【0046】
投与は本明細書に記載のように行われればよく、通常の技術を有する当業者には直ちに明らかである。
【0047】
本明細書に記載の一つ以上の追加的な活性薬剤を伴って、または伴わずにオキシメタゾリンを含む組成物は、ネブライザーを用いた投与のために調製される場合には、経口投与、小児科治療の容易性および/または高負荷用量の可能性を含むがこれに限られない利点を有する。別の例では、上記の一つ以上の他の活性薬剤を伴って、または伴わずにオキシメタゾリンを含む組成物は、単に鼻送達用に設計されたアクチュエータを経口送達用に設計されたアクチュエータと切替えることによって、経口的または経鼻的に投与されうる、メーター用量吸入製品として調製されうる。
【0048】
本発明がある好ましい実施形態に関して記載されているが、他の実施形態は、明細書を考慮することにより当業者に明らかになる。当業者には当然のことながら、材料および方法の両方に対する多くの改変が、本発明の範囲を逸脱することなく行われうる。
【実施例】
【0049】
実施例1
組成物
4〜6の範囲のpHの0.05%(w/v)オキシメタゾリンHCl溶液を、McIlvaine緩衝液系を用いて調製した(溶液I〜III)。テスト溶液の組成が、表1に列挙される。各pHレベルで、ポビドン29−32(約3%w/v)またはPEG1450(約5%w/v)のいずれかを含む0.05%のオキシメタゾリンHCl溶液も作製した(溶液IV〜VIII)。
【0050】
適切な場合、成分の溶解性を達成するために周囲温度または高温で成分を完全に混合することにより、従来の方法で組成物を調製する。
表1:McIlvaine緩衝液を用いて調製したオキシメタゾリンHCl溶液の組成(pH範囲:4〜6)
【0051】
【表1】

実施例2
例示の実施形態を、ICH Harmonized Tripartite Guidelines Stability Testing:Photostability Testing of New Drug Substances and Productsに説明される方法に従って、光安定性につきテストした。光安定性研究のための各試料を、密封された石英容器中に配置し、ICH光安定性ガイドラインにより必要とされる曝露の二倍に曝露した(全曝露2,400,000ルクス時間および積分近UVエネルギー(integrated near UV energy)400ワット時/平方メートル)。
【0052】
結果
表2:McIlvaine緩衝液中のオキシメタゾリンHClの光安定性(pH範囲:4〜6)
【0053】
【表2】

表3:ポビドンK29−32(約3%w/v)を加えたMcIlvaine緩衝液中のオキシメタゾリンHCl(pH範囲:4〜6)の光安定性
【0054】
【表3】

表4:PEG1450(約5%w/v)を加えたMcIlvaine緩衝液中のオキシメタゾリンHCl(pH範囲:4〜6)の光安定性
【0055】
【表4】

観察したオキシメタゾリンHCl分解ピークは全て百分率で計算し、表示した。
【0056】
典型的な鼻スプレー製剤のpH、pH=6でのMcIlvaine緩衝溶液におけるオキシメタゾリンHClの光安定性加速研究は、UV光曝露の24時間および40時間後にそれぞれ薬物の大体9%および72%が分解したことを示した(表2に示される)。テスト溶液におけるオキシメタゾリンHClの全分解%は、時間およびpHとともに増加した。溶液のpHを6から4に減少させることにより、分解のレベルが大幅に減少し、pHを低下させることが、オキシメタゾリンHClの光分解を安定化する有効な方法であることが示された。pH4(溶液I)、pH5(溶液II)およびpH6(溶液III)で作製した溶液中のT=40時間でのオキシメタゾリンHClの全分解%は、それぞれ9.12、13.05、および71.79%である。
【0057】
その後、ポビドンK29−32またはPEG1450のいずれかの存在下でのオキシメタゾリンHClの光分解からの保護を調べた。ポビドンK29−32の存在により、pH=6での光分解率が促進された(T=40時間で全光分解が約21%増加)が、pHを6から5または4へ低下させることにより、分解率が大幅に減少した(表3に示される)。表4に示すように、溶液中へのPEG1450の取り込みは、pH5でもオキシメタゾリンHClの全分解の大体4倍の増加(T=40時間)をもたらした。pHが5から4に減少すると、オキシメタゾリンHClの分解が顕著に減少したことが容易に見て取れる。したがって、オキシメタゾリンの光安定化に対するpH低下の影響が、PEGおよびPVP等の不安定化薬剤の存在下でも示された。これらの予想外の実験的所見は、オキシメタゾリンHClへの低いpHが、オキシメタゾリンHClに対する光安定性効果を増強することを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オキシメタゾリンまたはその薬学的に受容可能な塩と;
ポリビニルピロリドンまたはポリエチレングリコールのうちの少なくとも一つと;
緩衝溶液と
を含む、局所うっ血除去薬組成物であり、該組成物が、約3〜約6のpHを有する、局所うっ血除去薬組成物。
【請求項2】
前記組成物が、約3.5〜約5.5のpHを有する、請求項1に記載の局所うっ血除去薬。
【請求項3】
前記組成物が、約4〜約5のpHを有する、請求項1に記載の局所うっ血除去薬。
【請求項4】
前記緩衝溶液が、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸、二塩基のリン酸塩、一塩基のリン酸塩およびその組み合わせからなる群より選択される緩衝剤を含む、請求項1に記載の局所うっ血除去薬。
【請求項5】
前記緩衝剤が、クエン酸とリン酸塩との組み合わせである、請求項4に記載の局所うっ血除去薬。
【請求項6】
前記緩衝溶液が、約0.1Mのクエン酸と約0.2Mのリン酸二水素ナトリウム一水和物とを含むクエン酸−リン酸塩溶液を含む、請求項5に記載の局所うっ血除去薬。
【請求項7】
オキシメタゾリンHClが、前記組成物の約0.01〜約0.10重量/体積%存在する、請求項1に記載の局所うっ血除去薬。
【請求項8】
前記存在するオキシメタゾリンHClの濃度が、前記組成物の約0.05重量/体積%である、請求項7に記載の局所うっ血除去薬。
【請求項9】
PVPが、約0.5〜約15重量/体積%存在し、該PVPが、約10,000〜約40,000の平均分子量を有する、請求項1に記載の局所うっ血除去薬。
【請求項10】
PVPが、約0.5〜約3重量/体積%存在し、約40,000の平均分子量を有する、請求項9に記載の局所うっ血除去薬。
【請求項11】
PEGが、約15重量/体積%未満から存在し、該PEGが、約400〜約3350の平均分子量を有する、請求項1に記載の局所うっ血除去薬。
【請求項12】
前記PEGが、約2.5〜約5重量/体積%存在し、該PEGが、約1450の平均分子量を有する、請求項11に記載の局所うっ血除去薬。
【請求項13】
局所うっ血除去薬組成物中のオキシメタゾリンの光安定化を増強するためのプロセスであって、該プロセスは、オキシメタゾリンまたはその薬学的に受容可能な塩と、ポリビニルピロリドンまたはポリエチレングリコールのうちの少なくとも一つと、緩衝溶液とを、約3〜約6のpHを有する混合物に組み合わせるステップを含む、プロセス。
【請求項14】
前記組成物が、約4〜約5のpHを有する、請求項13に記載のプロセス。
【請求項15】
前記PVPが、前記混合物中に約.5〜約15重量/体積%含まれ、該PVPが、約10,000〜約40,000の平均分子量を有する、請求項13に記載のプロセス。
【請求項16】
前記PEGが、前記混合物中に約15重量/体積%未満から含まれ、該PEGが、約400〜約3350の平均分子量を有する、請求項13に記載のプロセス。
【請求項17】
前記緩衝溶液が、一つ以上の緩衝剤を含む、請求項13に記載のプロセス。
【請求項18】
前記緩衝剤が、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸、二塩基のリン酸塩、一塩基のリン酸塩およびその組み合わせからなる群より選択される、請求項17に記載のプロセス。
【請求項19】
前記緩衝剤が、クエン酸とリン酸塩との組み合わせである、請求項17に記載のプロセス。
【請求項20】
前記緩衝溶液が、約0.1Mのクエン酸と約0.2Mのリン酸二水素ナトリウム一水和物とを含むクエン酸−リン酸塩溶液である、請求項17に記載のプロセス。
【請求項21】
前記存在するオキシメタゾリンHClの濃度が、前記組成物の約0.01〜約0.10重量/体積%である、請求項13に記載のプロセス。
【請求項22】
鼻閉を治療するための方法であり、オキシメタゾリンまたはその薬学的に受容可能な塩と、ポリビニルピロリドンまたはポリエチレングリコールのうちの少なくとも一つと、緩衝溶液とを含む、治療有効量の局所うっ血除去薬組成物を、患者に投与するステップを含み、該組成物は約3〜約6のpHを有する、方法。
【請求項23】
前記鼻閉が、アレルギー、枯草熱、副鼻洞炎または風邪からなる群より選択される苦痛の症状である、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記局所うっ血除去薬組成物が、鼻スプレー、鼻ゲル、点鼻薬および吸入剤からなる群より選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記組成物が、一日一回患者に投与される、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記組成物が、一日二回患者に投与される、請求項22に記載の方法。
【請求項27】
前記組成物が、一日二回より多く患者に投与される、請求項22に記載の方法。
【請求項28】
鼻に投与される局所組成物であって、該組成物は、
オキシメタゾリンまたはその薬学的に受容可能な塩と;
分解により過酸化物を放出する化合物と;
緩衝溶液と
を含み、該組成物が、約3〜約6のpHを有する、組成物。
【請求項29】
前記組成物が、約3.5〜約5.5のpHを有する、請求項28に記載の組成物。
【請求項30】
前記組成物が、約4〜約5のpHを有する、請求項28に記載の組成物。
【請求項31】
前記緩衝溶液が、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸、二塩基のリン酸塩、一塩基のリン酸塩およびその組み合わせからなる群より選択される緩衝剤を含む、請求項28に記載の組成物。
【請求項32】
前記緩衝剤が、クエン酸とリン酸塩との組み合わせである、請求項28に記載の組成物。
【請求項33】
前記緩衝溶液が、約0.1Mのクエン酸と約0.2Mのリン酸二水素ナトリウム一水和物とを含むクエン酸−リン酸塩溶液を含む、請求項28に記載の組成物。
【請求項34】
オキシメタゾリンHClが、前記組成物の約0.01〜約0.10重量/体積%存在する、請求項28に記載の組成物。
【請求項35】
前記存在するオキシメタゾリンHClの濃度が、前記組成物の約0.05重量/体積%である、請求項34に記載の組成物。
【請求項36】
少なくとも一つの追加的な薬学的に活性な薬剤をさらに含む、請求項1または28に記載の組成物。
【請求項37】
前記薬学的に活性な薬剤が、抗ヒスタミン剤、コルチコステロイド、および鼻うっ血除去薬からなる群より選択される、請求項36に記載の組成物。
【請求項38】
前記抗ヒスタミン剤が、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、トリペレナミン、プロメタジン、クレマスチン、ドキシラミン、アステミゾール、テルフェナジン、ロラタジン、デスロラタジン、シメチジン、ファモチジン、ニザチジン、ラニチジン、クロモリン、アザチジン、フェキソフェナジン、テルフェナジン、セチリジン、アステミゾール、およびレボカバスチンからなる群より選択される、請求項37に記載の組成物。
【請求項39】
前記コルチコステロイドが、フランカルボン酸モメタゾン、デキサメタゾン、ブトキシコート、ロフレポニド、ブデソニド、デフラザコート、シクレソニド、フルチカゾン、ベクロメタゾン、ロテプレドノール、またはトリアムシノロンからなる群より選択される、請求項37に記載の組成物。
【請求項40】
前記鼻うっ血除去薬が、レブメタンフェタミン、エフェドリン、塩酸エフェドリン、硫酸エフェドリン、塩酸ナファゾリン、塩酸フェニレフリン、プロピルヘキセドリン、塩酸キシロメタゾリン、フェニルプロパノールアミン、フェニレフリン、およびプソイドエフェドリンからなる群より選択される、請求項37に記載の組成物。

【公表番号】特表2011−507895(P2011−507895A)
【公表日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−539854(P2010−539854)
【出願日】平成20年12月19日(2008.12.19)
【国際出願番号】PCT/US2008/087599
【国際公開番号】WO2009/086055
【国際公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【出願人】(398029706)シェーリング−プラウ ヘルスケア プロダクツ,インコーポレイテッド (30)
【Fターム(参考)】