説明

オピオイドおよびプロスタグランジン化合物の医薬的組み合わせ

オピオイドおよび式(I)のプロスタグランジン化合物の医薬的組み合わせを提供する。本発明の組み合わせは、オピオイド使用の適応症、例えば様々な病因による痛みに有用である。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は様々な病因による痛みを処置するための、オピオイドおよび特定のプロスタグランジン化合物を含む医薬的組み合わせに関する。
【0002】
内在性オピオイド系は中枢神経系における主要な抑制系であり、痛みの調節において中心的な役割を果たす。オピオイド受容体を活性化すると、実験モデルおよび臨床において、鎮痛および抗痛覚過敏効果が得られる。オピオイドを使用すると、例えば、鎮静作用による注意力および集中力の低下、薬物摂取後の便秘および呼吸抑制ならびに薬物乱用および薬物依存のリスクなどの多数の既知の副作用および不利益の影響を受ける。モルヒネは癌の中程度または重度の痛みを処置するために用いられる標準薬であり、オキシコドンはモルヒネの代替薬となっている。オキシコドンはモルヒネよりも重篤な便秘を引き起こすことが報告されている。
【0003】
プロスタグランジンン類(以後PG(類)と示す)は、ヒトまたは他の哺乳類の組織または器官に含まれ広範な生理学的活性を示す、有機カルボン酸分類群のメンバーである。天然に存在するPG類(天然PG類)は、一般に、式(A)に示すプロスタン酸骨格を有する:
【化1】


【0004】
PGはその構造および5員環上の置換基によっていくつかのタイプに分類される。例えば、
Aシリーズのプロスタグランジン(PGA類);
【化2】

Bシリーズのプロスタグランジン(PGB類);
【化3】

Cシリーズのプロスタグランジン(PGC類);
【化4】

Dシリーズのプロスタグランジン(PGD類);
【化5】

Eシリーズのプロスタグランジン(PGE類);
【化6】

Fシリーズのプロスタグランジン(PGF類);
【化7】

など。さらに、これらは13,14-二重結合を含有するPG1類;5,6-および13,14-二重結合を含有するPG2類;および5,6-、13,14-および17,18-二重結合を含有するPG3類に分類される。PG類は、様々な薬理学的および生理学的活性、例えば、血管拡張、炎症の誘導、血小板凝集、子宮筋の刺激、腸筋肉活性の刺激、抗潰瘍効果などを有することが知られている。
【0005】
米国特許第5,225,439号、5,166,174号、5,284,858号、5,428,062号、5,380,709号、5,876,034号および6,265,440号明細書は、特定のプロスタグランジンE化合物が潰瘍、例えば十二指腸潰瘍および胃潰瘍の処置に有効であることを記載している。
【0006】
上野らの米国特許第5,317,032号明細書は、二環式互変異性体の存在を含むプロスタグランジン類似体の下剤を記載し、上野の米国特許第6,414,016号明細書は、二環式互変異性体が抗便秘薬として顕著な活性を有することを記載している。1以上のハロゲン原子によって置換された二環式互変異性体は、低用量にて便秘を軽減するために用いることができる。特にC-16位においてフッ素原子によって置換されたものを低用量にて便秘を軽減するために用いることができる。
【0007】
上野らの米国特許第6,982,283号明細書には、プロスタグランジン化合物が薬物誘導性の便秘の処置に有用であることが記載されている。
【0008】
上野らの米国特許第7064148号明細書には、プロスタグランジン化合物がクロライドチャネル、特にClCチャネル、殊にClC-2チャネルを開いて活性化することが記載されている。
【0009】
上野らの米国特許出願公開第2003/0166632号明細書は、ClC-2チャネル開口薬がClC-2チャネルの開口に反応性の疾患または症状の処置に有効であることを記載している。
【0010】
上野の米国特許出願公開第2003/0119898号明細書は、便秘の処置および予防のためのハロゲン化したプロスタグランジン類似体の特定組成物を記載している。
【0011】
上野らの米国特許出願公開第2004/0138308号明細書は、腹部不快感の処置、および機能性胃腸障害、例えば過敏性腸症候群および機能性胃腸症の処置のための、クロライドチャネル開口薬、特にプロスタグランジン化合物を記載している。
【発明の概要】
【0012】
発明の開示
本発明は以下を含む医薬的組み合わせに関する:
(a) オピオイドおよび
(b) 式(I)により表されるプロスタグランジン(PG)化合物:
【化8】

[式中、L、MおよびNは、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、ヒドロキシ(低級)アルキル、低級アルカノイルオキシまたはオキソであり、ここでLおよびMの少なくとも1つは水素以外の基であり、5員環は少なくとも1つの二重結合を有していてもよく;
Aは、-CH3、または-CH2OH、-COCH2OH、-COOHまたはそれらの官能性誘導体であり;
Bは、単結合、-CH2-CH2-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH2-CH2-CH2-、-CH=CH-CH2-、-CH2-CH=CH-、-C≡C-CH2-または-CH2-C≡C-であり;
Zは、
【化9】

または単結合であり、
ここでR4およびR5は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシまたはヒドロキシ(低級)アルキルであり、R4およびR5が同時にヒドロキシおよび低級アルコキシであることはなく;
R1は、非置換、またはハロゲン、アルキル、ヒドロキシ、オキソ、アリールまたは複素環基により置換された、二価の飽和または不飽和の低〜中級の脂肪族炭化水素残基であり、脂肪族炭化水素中の少なくとも1つの炭素原子は所望により酸素、窒素または硫黄により置換されていてもよく;そして
Raは、非置換、またはハロゲン、オキソ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルカノイルオキシ、シクロ(低級)アルキル、シクロ(低級)アルキルオキシ、アリール、アリールオキシ、複素環基または複素環オキシ基によって置換された、飽和または不飽和の低〜中級の脂肪族炭化水素残基;低級アルコキシ;低級アルカノイルオキシ;シクロ(低級)アルキル;シクロ(低級)アルキルオキシ;アリール;アリールオキシ;複素環基;複素環オキシ基であり、
ただしRaはハロゲンによって置換されているか、またはZはC=Oである]。
【0013】
オピオイドおよび式(I)のPG化合物を組み合わせることにより、オピオイドの効果は増大する、および/またはオピオイドの便秘などの副作用が良好に抑制される。
【0014】
特に、本発明はまた、以下を含む医薬的組み合わせに関する:
(a)オキシコドンおよび
(b)式(I)により表されるプロスタグランジン(PG)化合物。
【0015】
本発明の別の側面において、医薬的に適切な賦形剤とともに以下を含む医薬組成物を提供する:
(a)医薬的有効量のオピオイド、例えばオキシコドン、および
(b)式(I)により表される医薬的有効量のプロスタグランジン(PG)化合物。
【0016】
本発明によると、2つの化合物を含む組成物は、単一用量単位または別個の用量単位に製剤化してもよい。
【0017】
さらに、本発明は、オピオイド使用の適応症の1つである症状または疾患を処置するための、以下の組み合わせを必要とする患者に投与することを含む方法を提供する:
(a)医薬的有効量のオピオイド、例えばオキシコドン、および
(b)医薬的有効量の式(I)により表されるプロスタグランジン(PG)化合物。
【0018】
本発明によると、(a)および(b)の化合物は、同時に、別個にまたは逐次に投与され得る。
【0019】
発明の詳細な説明
(a)オピオイド
本明細書において用いる場合、「オピオイド」なる用語は、モルヒネ様作用を有する天然および合成の両方の全ての薬物を意味する。本発明に適切なオピオイドは、アルフェンタニル、アリルプロジン、アルファプロジン、アニレリジン、ベンジルモルヒネ、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、クロニタゼン、コデイン、シクロルファン、デソモルフィン、デキストロモラミド、デゾシン、ジアンプロミド(diampromide)、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルヒネ、エプタゾシン、エチルモルヒネ、フェンタニル、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、ヒドロキシペチジン、レボフェナシルモルファン、レボルファノール、ロフェンタニル、メチルモルヒネ、モルヒネ、ニコモルヒネ、ノルメタドン、ノルモルヒネ、アヘン、オキシコドン、オキシモルホン、フォルコジン、プロファドール、スフェンタニル、それらの医薬的に許容される塩およびそれらの混合物を含む群から特に選択される。好ましいオピオイドの例はオキシコドンである。
【0020】
(b)式(I)の化合物
本明細書において用いるプロスタグランジンン化合物の命名は、上記式(A)に示したプロスタン酸の番号付け系に基づく。
【0021】
式(A)は、C-20炭素原子の基本骨格を示すが、本発明は同じ炭素原子数を持つものに限定されない。式(A)において、PG化合物の基本骨格を構成する炭素原子の番号は、カルボン酸から始まり(1と番号付け)、5員環に向かって2〜7をα鎖上の炭素原子に、8〜12を5員環の炭素原子に、13〜20をω鎖上の炭素原子に付している。炭素原子数がα鎖上で減少する場合、2位から順次番号を抹消し;α鎖上で炭素原子数が増加する場合、2位にカルボキシ基(C-1)に代わる各置換基を有する置換化合物として化合物を命名する。同様に、ω鎖上で炭素原子数が減少する場合、20位から番号を順次抹消し;ω鎖上で炭素原子数が増加する場合、20位を超える炭素原子は置換基として命名する。化合物の立体配置は、特に断りのない限り、上記式(A)と同じである。
【0022】
一般に、PGD、PGEおよびPGFなる用語はそれぞれ、9位および/または11位にヒドロキシ基を有するPG化合物を表すが、本明細書および特許請求の範囲では、9位および/または11位にヒドロキシ基以外の置換基を有するものも含む。かかる化合物は9-デヒドロキシ-9-置換-PG化合物または11-デヒドロキシ-11-置換-PG化合物と称する。ヒドロキシ基の代わりに水素を有するPG化合物は、単に9-または11-デオキシ-PG化合物と命名する。
【0023】
上述のように、PG化合物の命名はプロスタン酸骨格に基づいている。しかし、化合物がプロスタグランジンと類似の部分的構造を有する場合には、「PG」の略語を利用することがある。従って、α鎖の炭素原子が2個延長されたPG化合物、すなわち、α鎖の炭素原子数が9であるPG化合物は、2-デカルボキシ-2-(2-カルボキシエチル)-PG化合物と命名する。同様に、α鎖の炭素原子数が11であるPG化合物は、2-デカルボキシ-2-(4-カルボキシブチル)-PG化合物と命名する。また、ω鎖の炭素原子が2個延長されたPG化合物、すなわち、ω鎖の炭素原子数が10であるPG化合物は、20-エチル-PG化合物と命名する。なお、これらの化合物はIUPAC命名法に基づいて命名することも可能である。
【0024】
類似体(置換誘導体を含む)または誘導体の例は、α鎖末端のカルボキシ基がエステル化されたPG化合物;α鎖が延長された化合物;それらの生理学的に許容される塩;2-3位に二重結合を、または5-6位に三重結合を有する化合物、3、5、6、16、17、18、19および/または20位に置換基を有する化合物;9位および/または11位にヒドロキシ基の代わりに低級アルキルまたはヒドロキシ(低級)アルキル基を有する化合物などである。
【0025】
本発明によると、3、17、18および/または19位の好ましい置換基には、1-4炭素原子を有するアルキル、特にメチルおよびエチルなどがある。16位の好ましい置換基には、低級アルキル、例えばメチルおよびエチル、ヒドロキシ、ハロゲン原子、例えば塩素およびフッ素、およびアリールオキシ、例えばトリフルオロメチルフェノキシなどがある。17位の好ましい置換基には、低級アルキル、例えばメチルおよびエチル、ヒドロキシ、ハロゲン原子、例えば塩素およびフッ素、アリールオキシ、例えばトリフルオロメチルフェノキシなどがある。20位の好ましい置換基には、飽和または不飽和の低級アルキル、例えばC1-4アルキル、低級アルコキシ、例えばC1-4アルコキシ、および低級アルコキシアルキル、例えばC1-4アルコキシ-C1-4アルキルなどがある。5位の好ましい置換基には、ハロゲン原子、例えば塩素およびフッ素などがある。6位の好ましい置換基には、カルボニル基を形成するオキソ基などがある。9位および/または11位にヒドロキシ、低級アルキルまたはヒドロキシ(低級)アルキル置換基を有するPG類の立体配置は、α、βまたはそれらの混合であり得る。
【0026】
さらに、上記の類似体または誘導体は、天然のPG類よりもω鎖が短く、そのω鎖末端にアルコキシ、シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、フェノキシまたはフェニル基を有する化合物であってもよい。
【0027】
本発明において用いられる特定のプロスタグランジンン化合物は式(I)により表される:
【化10】

[式中、L、MおよびNは、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、ヒドロキシ(低級)アルキル、低級アルカノイルオキシまたはオキソであり、ここでLおよびMの少なくとも1つは水素以外の基であり、5員環は少なくとも1つの二重結合を有していてもよく;
Aは、-CH3、または-CH2OH、-COCH2OH、-COOHまたはそれらの官能性誘導体であり;
Bは、単結合、-CH2-CH2-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH2-CH2-CH2-、-CH=CH-CH2-、-CH2-CH=CH-、-C≡C-CH2-または-CH2-C≡C-であり;
Zは、
【化11】

または単結合であり、
ここでR4およびR5は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシまたはヒドロキシ(低級)アルキルであり、R4およびR5が同時にヒドロキシおよび低級アルコキシであることはなく;
R1は、非置換、またはハロゲン、アルキル、ヒドロキシ、オキソ、アリールまたは複素環基により置換された、二価の飽和または不飽和の低〜中級の脂肪族炭化水素残基であり、脂肪族炭化水素中の少なくとも1つの炭素原子は所望により酸素、窒素または硫黄により置換されていてもよく;そして
Raは、非置換、またはハロゲン、オキソ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルカノイルオキシ、シクロ(低級)アルキル、シクロ(低級)アルキルオキシ、アリール、アリールオキシ、複素環基または複素環オキシ基によって置換された、飽和または不飽和の低〜中級の脂肪族炭化水素残基;低級アルコキシ;低級アルカノイルオキシ;シクロ(低級)アルキル;シクロ(低級)アルキルオキシ;アリール;アリールオキシ;複素環基;複素環オキシ基であり、
ただしRaはハロゲンによって置換されているか、またはZはC=Oである]。
【0028】
本発明において用いられる好ましい化合物は式(II)により表される:
【化12】

[式中、LおよびMは水素原子、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、ヒドロキシ(低級)アルキル、低級アルカノイルオキシまたはオキソであり、ここでLおよびMの少なくとも1つは水素以外の基であり、5員環は1以上の二重結合を有してもよく;
Aは、-CH3、または-CH2OH、-COCH2OH、-COOHまたはそれらの官能性誘導体であり;
Bは、単結合、-CH2-CH2-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH2-CH2-CH2-、-CH=CH-CH2-、-CH2-CH=CH-、-C≡C-CH2-または-CH2-C≡C-であり;
Zは、
【化13】

または単結合であり;
ここでR4およびR5は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシまたはヒドロキシ(低級)アルキルであり、R4およびR5が同時にヒドロキシおよび低級アルコキシであることはなく;
X1およびX2は、水素、低級アルキル、またはハロゲンであり;
R1は、非置換、またはハロゲン、アルキル、ヒドロキシ、オキソ、アリールまたは複素環基により置換された、二価の飽和または不飽和の低〜中級の脂肪族炭化水素残基であり、脂肪族炭化水素中の少なくとも1つの炭素原子は所望により酸素、窒素または硫黄により置換されていてもよく;
R2は、単結合または低級アルキレンであり;そして
R3は、低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルカノイルオキシ、シクロ(低級)アルキル、シクロ(低級)アルキルオキシ、アリール、アリールオキシ、複素環基または複素環オキシ基であり、
ただしX1およびX2はハロゲンによって置換されているか、またはZはC=Oである]。
【0029】
上式において、R1およびRaについての定義における「不飽和」なる用語は、主鎖および/または側鎖の炭素原子間に孤立して、分離してまたは連続して存在する、少なくとも1つまたはそれ以上の二重結合および/または三重結合を含むことを意図している。通常の命名法に従って、2つの連続した位置の間の不飽和結合は、2つの位置の若い数を表示することによって表され、2つの遠位の間の不飽和結合は、その両方の位置を表示することにより表される。
【0030】
「低〜中級の脂肪族炭化水素」なる用語は、1〜14の炭素原子(側鎖においては、1〜3炭素原子が好ましい)、好ましくは1〜10、特に1〜8の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖の炭化水素基を意味する。
【0031】
「ハロゲン原子」なる用語は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を包含する。
【0032】
「低級」なる用語は、本明細書を通して、特に断りのない限り、1〜6の炭素原子を有する基を含むことを意図する。
【0033】
「低級アルキル」なる用語は、1〜6の炭素原子を含有する、直鎖または分岐鎖の飽和炭化水素基を意味し、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチルおよびヘキシルを含む。
【0034】
「低級アルキレン」なる用語は、1〜6の炭素原子を含有する、直鎖または分枝鎖の、二価の飽和炭化水素基を意味し、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、イソブチレン、t-ブチレン、ペンチレンおよびヘキシレンを含む。
【0035】
「低級アルコキシ」なる用語は、低級アルキル-O-の基を意味し、ここで低級アルキルは上記に定義されるとおりである。
【0036】
「ヒドロキシ(低級)アルキル」なる用語は、少なくとも1つのヒドロキシ基、例えばヒドロキシメチル、1-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシエチルおよび1-メチル-1-ヒドロキシエチルにより置換されている、上記に定義される低級アルキルを意味する。
【0037】
「低級アルカノイルオキシ」なる用語は、式RCO-O-により表される基を意味し、ここでRCO-は、上記に定義される低級アルキル基の酸化により形成されるアシル基、例えばアセチルである。
【0038】
「シクロ(低級)アルキル」なる用語は、上記に定義されるが、3以上の炭素原子を含有する、低級アルキル基の環化により形成される環状基を意味し、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルを含む。
【0039】
「シクロ(低級)アルキルオキシ」なる用語は、シクロ(低級)アルキル-O-の基を意味し、ここでシクロ(低級)アルキルは上記に定義されるとおりである。
【0040】
「アリール」なる用語は、非置換または置換芳香族炭化水素環(好ましくは単環式の基)、例えば、フェニル、トリル、キシリルを含み得る。置換基の例は、ハロゲン原子およびハロ(低級)アルキルであり、ここでハロゲン原子および低級アルキルは上記に定義される通りである。
【0041】
「アリールオキシ」なる用語は、式ArO-により表される基を意味し、ここでArは上記に定義されるアリールである。
【0042】
「複素環基」なる用語は、所望により置換された炭素原子、および、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選択される1種または2種のヘテロ原子を1〜4、好ましくは1〜3個有する、5〜14、好ましくは5〜10員環の、単環式から三環式の、好ましくは単環式の複素環基を含み得る。複素環基の例は、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、フラザニル、ピラニル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジル、ピラジニル、2−ピロリニル、ピロリジニル、2−イミダゾリニル、イミダゾリジニル、2−ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ピペリジノ、ピペラジニル、モルホリノ、インドリル、ベンゾチエニル、キノリル、イソキノリル、プリニル、キナゾリニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナントリジニル、ベンズイミダゾリル、ベンズイミダゾリニル、ベンゾチアゾリル、フェノチアジニルを含む。この場合、置換基の例は、ハロゲン、およびハロゲン置換低級アルキル基を含み、ここでハロゲン原子および低級アルキル基は上記の通りである。
【0043】
「複素環オキシ基」なる用語は、式HcO-により表される基を意味し、ここでHcは上記に記載の複素環基である。
【0044】
Aの「官能性誘導体」なる用語は、塩(好ましくは医薬的に許容される塩)、エーテル、エステルおよびアミドを含む。
【0045】
適切な「医薬的に許容される塩」は、慣用される非毒性塩、例えば、アルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩等)、アンモニウム塩等、の無機塩基との塩;または、例えばアミン塩(例えばメチルアミン塩、ジメチルアミン塩、シクロヘキシルアミン塩、ベンジルアミン塩、ピペリジン塩、エチレンジアミン塩、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、トリス(ヒドロキシメチルアミノ)エタン塩、モノメチル−モノエタノールアミン塩、プロカイン塩、カフェイン塩等)、塩基性アミノ酸塩(例えばアルギニン塩、リジン塩等)、テトラアルキルアンモニウム塩等、の有機塩基との塩を含む。これらの塩類は、例えば対応する酸および塩基から常套の反応によって、または塩交換によって調製し得る。
【0046】
エーテルの例には、アルキルエーテル、例えば、メチルエーテル、エチルエーテル、プロピルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、イソブチルエーテル、t-ブチルエーテル、ペンチルエーテル、1-シクロプロピルエチルエーテル等の低級アルキルエーテル;およびオクチルエーテル、ジエチルヘキシルエーテル、ラウリルエーテル、セチルエーテル等の中〜高級アルキルエーテル;オレイルエーテル、リノレニルエーテル等の不飽和エーテル;ビニルエーテル、アリルエーテル等の低級アルケニルエーテル;エチニルエーテル、プロピニルエーテル等の低級アルキニルエーテル;ヒドロキシエチルエーテル、ヒドロキシイソプロピルエーテル等のヒドロキシ(低級)アルキルエーテル;メトキシメチルエーテル、1-メトキシエチルエーテル等の低級アルコキシ(低級)アルキルエーテル;フェニルエーテル、トシルエーテル、t-ブチルフェニルエーテル、サリチルエーテル、3,4-ジメトキシフェニルエーテル、ベンズアミドフェニルエーテル等の所望により置換されたアリールエーテル;およびベンジルエーテル、トリチルエーテル、ベンズヒドリルエーテル等のアリール(低級)アルキルエーテルなどがある。
【0047】
エステルの例には、脂肪族エステル、例えば、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、イソブチルエステル、t-ブチルエステル、ペンチルエステル、1-シクロプロピルエチルエステル等の低級アルキルエステル;ビニルエステル、アリルエステル等の低級アルケニルエステル;エチニルエステル、プロピニルエステル等の低級アルキニルエステル;ヒドロキシエチルエステル等のヒドロキシ(低級)アルキルエステル;メトキシメチルエステル、1-メトキシエチルエステル等の低級アルコキシ(低級)アルキルエステル;および、例えばフェニルエステル、トリルエステル、t-ブチルフェニルエステル、サリチルエステル、3,4-ジメトキシフェニルエステル、ベンズアミドフェニルエステル等の所望により置換されたアリールエステル;およびベンジルエステル、トリチルエステル、ベンズヒドリルエステル等のアリール(低級)アルキルエステルなどがある。
【0048】
Aのアミドは、式-CONR'R''で表される基を意味する。ここで、R'およびR''はそれぞれ水素、低級アルキル、アリール、アルキルもしくはアリールスルホニル、低級アルケニルおよび低級アルキニルであり、例えば、メチルアミド、エチルアミド、ジメチルアミド、ジエチルアミド等の低級アルキルアミド;アニリドおよびトルイジド等のアリールアミド;メチルスルホニルアミド、エチルスルホニルアミドおよびトリルスルホニルアミド等のアルキルもしくはアリールスルホニルアミド等を含む。
【0049】
好ましいLおよびMの例には、水素、ヒドロキシおよびオキソが含まれ、特に、Mがヒドロキシであり、Lがオキソであり、PGEタイプと称される5員環構造を有するものである。
【0050】
好ましいAの例は、-COOH、その医薬的に許容される塩、エステルまたはアミドである。
【0051】
好ましいX1およびX2の例は、両方がハロゲン原子、より好ましくはフッ素原子であり、16,16-ジフルオロ型と称される。
【0052】
好ましいR1は、1-10の炭素原子、好ましくは6-10の炭素原子を含有する炭化水素残基である。さらに、脂肪族炭化水素中の少なくとも1つの炭素原子は、所望により酸素、窒素または硫黄により置換される。
【0053】
R1の例には、例えば、以下の基が含まれる:
-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-、
-CH2-CH=CH-CH2-CH2-CH2-、
-CH2-CH2-CH2-CH2-CH=CH-、
-CH2-C≡C-CH2-CH2-CH2-、
-CH2-CH2-CH2-CH2-O-CH2-、
-CH2-CH=CH-CH2-O-CH2-、
-CH2-C≡C-CH2-O-CH2-、
-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-、
-CH2-CH=CH-CH2-CH2-CH2-CH2-、
-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-CH=CH-、
-CH2-C≡C-CH2-CH2-CH2-CH2-、
-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-CH(CH3)-CH2-、
-CH2-CH2-CH2-CH2-CH(CH3)-CH2-、
-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-、
-CH2-CH=CH-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-、
-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-CH=CH-、
-CH2-C≡C-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-、および
-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-CH(CH3)-CH2-。
【0054】
好ましいRaは、1-10の炭素原子、より好ましくは1-8の炭素原子を含有する炭化水素である。Raは炭素原子を有する1または2の側鎖を有し得る。
【0055】
プロスタグランジンン化合物の最も好ましい実施態様は、13,14-ジヒドロ-15-ケト-16,16-ジフルオロ-プロスタグランジンE1化合物、または13,14-ジヒドロ-15-ケト-16,16-ジフルオロ-18-メチル-プロスタグランジンE1化合物である。
【0056】
上記の式(I)および(II)において環およびαおよび/またはω鎖の立体配置は、天然のPG類の立体配置と同じかまたは異なっていてもよい。しかしながら、本発明は、天然タイプの立体配置を有する化合物および非天然タイプの立体配置の化合物の混合物も含む。
【0057】
本発明において、13および14位の間にジヒドロを有し、15位にケト(=O)を有するPG化合物は、11位のヒドロキシと15位のケトの間にヘミアセタールが形成されることにより、ケト-ヘミアセタール平衡の状態にある場合がある。
【0058】
例えば、X1およびX2の両方がハロゲン原子、特にフッ素原子である場合は、その化合物は互変異性体として二環式化合物を含むことが確認されている。
【0059】
かかる上記の互変異性体が存在する場合、両互変異性体の比率は分子の残りの構造または存在する置換基の種類により変動する。場合により、一方の異性体が他方と比較して圧倒的に存在することもある。しかし、本発明は両方の異性体を含むと解されたい。
【0060】
さらに、本発明において用いられる15-ケト-PG化合物は、二環式化合物およびその類似体または誘導体を含む。
【0061】
二環式化合物は、式(III)により表される:
【化14】

[式中、Aは、-CH3、または-CH2OH、-COCH2OH、-COOHまたはそれらの官能性誘導体であり;
X1'およびX2'は、水素、低級アルキル、またはハロゲンであり;
Yは、
【化15】

であり、
ここで、R4'およびR5'は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシまたはヒドロキシ(低級)アルキルであり、R4'およびR5'が同時にヒドロキシおよび低級アルコキシであることはなく、
R1は、非置換、またはハロゲン、アルキル、ヒドロキシ、オキソ、アリールまたは複素環基により置換された、二価の飽和または不飽和の低〜中級の脂肪族炭化水素残基であり、脂肪族炭化水素中の少なくとも1つの炭素原子は所望により酸素、窒素または硫黄により置換されていてもよく;
R2'は、非置換、またはハロゲン、オキソ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルカノイルオキシ、シクロ(低級)アルキル、シクロ(低級)アルキルオキシ、アリール、アリールオキシ、複素環基または複素環オキシ基により置換された、飽和または不飽和の低〜中級の脂肪族炭化水素残基;低級アルコキシ;低級アルカノイルオキシ;シクロ(低級)アルキル;シクロ(低級)アルキルオキシ;アリール;アリールオキシ;複素環基;複素環オキシ基であり;
R3'は水素、低級アルキル、シクロ(低級)アルキル、アリールまたは複素環基である]。
【0062】
さらに、本発明において用いられる化合物は、異性体の存在の有無にかかわらずケト型に基づく式または名称により表し得るが、かかる構造または名称はヘミアセタール型の化合物を除外することを意図するものではないことに留意されたい。
【0063】
本発明においては、いずれかの異性体、例えば、個々の互変異性体、それらの混合物、または光学異性体、それらの混合物、ラセミ混合物、および他の立体異性体を、同じ目的に用いることが可能である。
【0064】
医薬的に適切な賦形剤
本発明によると、本組み合わせは医薬組成物として製剤化され得る。その組成物は、医薬的に適切な賦形剤とともに個々の活性成分をそれぞれ含む別個の製剤として、または医薬的に適切な賦形剤とともに2つの活性成分を含む単一製剤として製剤化され得る。よって、医薬的に適切な賦形剤は、望ましい組成物の形態に応じて選択すればよい。本発明によると、「医薬的に適切な賦形剤」は、本発明の活性成分と混合されてその製剤に適する不活性物質を意味する。
【0065】
例えば、本発明の経口投与のための固体組成物は、錠剤、調合剤、顆粒等を含み得る。かかる固体組成物においては、1またはそれ以上の活性成分は、少なくとも1つの不活性な希釈剤、例えば、ラクトース、マンニトール、グルコース、ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶性セルロース、デンプン、ポリビニルピロリドン、マグネシウムアルミン酸メタケイ酸(magnesium aluminate metasilicate)等と混合され得る。通常の後処理に従って、組成物は不活性な希釈剤以外の添加物、例えば、ステアリン酸マグネシウムのような滑剤;線維性グルコン酸カルシウムなどの崩壊剤;シクロデキストリン、例えば、α、β−またはγ−シクロデキストリンなどの安定化剤;ジメチル−α−、ジメチル−β−、トリメチル−β−またはヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンなどのエーテル化シクロデキストリン;グルコシル−、マルトシル−シクロデキストリンなどの分枝鎖シクロデキストリン;ホルミル化シクロデキストリン、硫黄含有シクロデキストリン;リン脂質等を含み得る。上記シクロデキストリンを使用したとき、シクロデキストリンとの包接化合物が形成され、安定性を増強し得ることもある。あるいは、リン脂質がリポソームを形成するために使用されることもあり、その結果安定性が増強される。
【0066】
錠剤または丸薬は、必要とされれば、糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等の、胃または腸で可溶なフィルムで被覆され得る。さらに、それらは、ゼラチンのような吸収可能な物質でカプセルとして形成され得る。好ましくは、組成物は、特定のプロスタグランジン化合物および中鎖脂肪酸トリグリセリドの液体内容物を含むソフトゼラチンカプセル中に製剤化される。本発明で使用される中鎖脂肪酸トリグリセリドの例は、側鎖を有し得る6−14個の炭素原子を有する、飽和または不飽和脂肪酸のトリグリセリドを含む。好ましい脂肪酸は、直鎖飽和脂肪酸であり、例えば、カプロン酸(C6)、カプリル酸(C8)、カプリン酸(C10)、ラウリン酸(C12)およびミリスチン酸(C14)である。さらに、2またはそれ以上の中鎖脂肪酸トリグリセリドが、組み合わされて使用され得る。さらに、適切な賦形剤は、発行された国際公開第01/27099号パンフレットに開示されている。
【0067】
経口投与のための液体組成物は、医薬的に許容される乳液、溶液、懸濁液、シロップ、またはエリキシルならびに一般的に使用される不活性な希釈剤であり得る。このような組成物は、不活性な希釈剤に加えて、アジュバント、例えば滑剤および懸濁剤、甘味剤、香味剤、保存剤、可溶化剤、抗酸化剤等を含み得る。添加物の詳細は、医薬分野のいずれかの一般的な教科書に記載されているものから選択され得る。このような液体組成物は、直接ソフトカプセル内に充填され得る。本発明によると、非経口投与、例えば坐薬、浣腸等のための溶液には、滅菌した、水性または非水性の溶液、懸濁液、乳液、界面活性剤等が含まれる。水性の溶液および懸濁液には、例えば、蒸留水、生理食塩水およびリンゲル液が含まれる。
【0068】
非水性溶液および懸濁液には、例えば、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、脂肪酸トリグリセリド、および植物油、例えばオリーブオイル、アルコール、例えばエタノール、ポリソルベートなどが含まれる。かかる組成物は、アジュバント、例えば保存剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、抗酸化剤などを含有してもよい。
【0069】
非経口投与のための本発明の注射用組成物の例には、滅菌した水性もしくは非水性溶液、懸濁液および乳液などがある。水性溶液または懸濁液のための希釈剤には、例えば、注射用蒸留水、生理食塩水およびリンゲル液などがあり得る。
【0070】
溶液および懸濁液のための非水性希釈剤には、例えば、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油(オリーブ油など)、アルコール(エタノールなど)およびポリソルベートなどがあり得る。組成物は、保存剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤などの添加剤をさらに含んでもよい。それらは、例えば細菌保留フィルターを通して濾過することによって、滅菌剤を配合することによって、またはガスもしくは放射性同位体照射滅菌によって滅菌してもよい。注射用組成物は、滅菌粉末組成物として提供し、使用前に注射用の滅菌溶媒に溶解させることもできる。
【0071】
本発明の別の形態は坐剤または腟坐剤であり、これらは通常用いられる基剤、例えば体温で軟化するカカオバターに活性成分を混合することによって調製することができ、吸収性を向上させるために適切な軟化温度を有する非イオン性界面活性剤を用いてもよい。
【0072】
本発明の方法によると、本発明の組み合わせは、経口または非経口投与(坐剤、浣腸などを含む)によって全身的にまたは局所的に投与することができる。所望の用量を達成するために単一のまたは複数の組成物を投与してもよい。本発明の方法によると、組み合わせ中の個々の化合物は、同時に、別個にまたは逐次に投与し得る。
【0073】
本発明によると、哺乳類対象は、本発明によって、本発明において用いられる化合物を投与することにより処置され得る。哺乳類対象はヒトを含むいずれかの対象であり得る。本化合物は全身的にまたは局所的に適用し得る。通常、本化合物は、経口投与、静脈内注射(点滴を含む)、皮下注射、直腸内投与、膣内投与、経皮投与などにより投与し得る。
【0074】
投与量は、動物の系統、年齢、体重、処置すべき症状、望む治療効果、投与経路、処置期間等に応じて変化し得る。1日に、0.001-100000μg、より好ましくは0.01-10000μg、特に0.1-1000μgの量の特定のプロスタグランジン化合物、および0.01-10000mg、より好ましくは0.1-1000mgのオピオイドを組み合わせて、1日に1〜4回全身投与または連続投与することにより、十分な効果が得られうる。
【0075】
本明細書において用いる場合、「組み合わせ」なる用語は、オピオイドおよび特定のプロスタグランジン化合物を意味し、これらの両方が単一の物または製剤の形態にて同時に患者に投与され、または別個の物として同時にまたは経時的に(格別の時間制限はない)患者に投与され、かかる投与によって治療的に有効なレベルの2成分が体内に、好ましくは同時に提供される。
【0076】
本発明の組み合わせは、オピオイド使用の適応症の1つである疾患または症状の処置に有用である。例えば、その組み合わせは、様々な病因による痛みの処置または調節に有用である。
【0077】
本明細書において用いる場合、「処置」なる用語は、いずれかの管理手段、例えば、症状の予防、治療、軽減、症状の減弱および進行の抑止を含む。
【0078】
「様々な病因による痛み」なる用語は、炎症痛、痛覚過敏、特に慢性痛を含むがこれらに限定されず、特に、外傷、例えば熱傷、捻挫、骨折などに関連する外傷の結果として起こる痛み、外科的処置の後に続く痛み、例えば術後の鎮痛薬の後に続く痛み、化学療法により誘導される痛み、ならびに多様な起源の炎症痛、例えば骨および関節痛(変形性関節症)、筋筋膜痛(筋損傷、線維筋痛症)、腰痛、慢性炎症痛、慢性神経因性痛、例えば糖尿病性神経障害、幻肢痛および手術前後の痛み(一般手術、婦人科手術)ならびに例えば狭心症、月経または癌に関連する痛みを意味する。
【発明を実施するための形態】
【0079】
本発明のさらなる詳細を試験例を参照して以下に示すが、本発明を限定することを意図するものではない。
【0080】
実施例
オキシコドン誘導性の重篤な便秘に対する化合物1(13,14-ジヒドロ-15-ケト-16,16-ジフルオロ-PGE1)およびオキシコドンの組み合わせの優れた効果を試験するために、便秘の重症度を腸におけるグラファイトマーカー推進率を指標として用いて評価した。オスのCrlj:CD1(ICR)マウスにグラファイトマーカー(1%トラガカントゴムを含有するINK-30)0.1 mLを経口投与した。グラファイトマーカーを投与した直後に、それらの動物に5 mg/kgのオキシコドンを経口投与した。オキシコドンの投与体積は5 mL/kgに設定し、正常群の動物には同じ体積の0.5%CMC-Naを投与した。オキシコドンまたは0.5%CMC-Naを投与した直後、それらの動物を化合物1によって処置した。化合物1の投与体積は5 mL/kgに設定し、正常および対照群の動物には同じ体積の注射用水を投与した。それらの動物をグラファイトマーカーの投与から150分後に頸椎脱臼によって安楽死させ、腹部を切開した。胃から盲腸までの距離、および腸におけるグラファイトマーカーの移動距離を測定した。推進率は以下の式によって算出した。
【0081】
推進率(%)=(グラファイトマーカーの移動距離/胃から盲腸までの距離)×100
【0082】
正常群において、グラファイトマーカー推進率は99.8±0.2%であった。5 mg/kgのオキシコドンのみによって処置した対照群において、グラファイトマーカー推進率は62.3±5.6%であった。正常群と比較して、グラファイトマーカー推進率は対照群において顕著に低かった。これは5 mg/kgのオキシコドンによって、腸におけるグラファイトマーカーの推進が顕著に低下したことを示している。100μg/kgの化合物1および5 mg/kgのオキシコドンによって処置した群において、グラファイトマーカー推進率は80.5±5.5%であった。対照群と比較して、便秘はこの群において顕著に改善した。
【0083】
これらの結果はオキシコドンおよび化合物1の組み合わせ投与の有利な効果を示している。
【0084】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
オピオイド使用の適応症の1つである症状または疾患を処置するための、以下を含む医薬的組み合わせ:
(a)オピオイドおよび
(b)式(I)により表されるプロスタグランジン(PG)化合物:
【化1】

[式中、L、MおよびNは、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、ヒドロキシ(低級)アルキル、低級アルカノイルオキシまたはオキソであり、ここでLおよびMの少なくとも1つは水素以外の基であり、5員環は少なくとも1つの二重結合を有していてもよく;
Aは、-CH3、または-CH2OH、-COCH2OH、-COOHまたはそれらの官能性誘導体であり;
Bは、単結合、-CH2-CH2-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH2-CH2-CH2-、-CH=CH-CH2-、-CH2-CH=CH-、-C≡C-CH2-または-CH2-C≡C-であり;
Zは、
【化2】

または単結合であり、
ここでR4およびR5は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシまたはヒドロキシ(低級)アルキルであり、R4およびR5が同時にヒドロキシおよび低級アルコキシであることはなく;
R1は、非置換、またはハロゲン、アルキル、ヒドロキシ、オキソ、アリールまたは複素環基により置換された、二価の飽和または不飽和の低〜中級の脂肪族炭化水素残基であり、脂肪族炭化水素中の少なくとも1つの炭素原子は所望により酸素、窒素または硫黄により置換されていてもよく;そして
Raは、非置換、またはハロゲン、オキソ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルカノイルオキシ、シクロ(低級)アルキル、シクロ(低級)アルキルオキシ、アリール、アリールオキシ、複素環基または複素環オキシ基によって置換された、飽和または不飽和の低〜中級の脂肪族炭化水素残基;低級アルコキシ;低級アルカノイルオキシ;シクロ(低級)アルキル;シクロ(低級)アルキルオキシ;アリール;アリールオキシ;複素環基;複素環オキシ基であり、
ただしRaはハロゲンによって置換されているか、またはZはC=Oである]。
【請求項2】
痛みを処置するために用いられる、請求項1に記載の組み合わせ。
【請求項3】
痛みが慢性痛である、請求項2に記載の組み合わせ。
【請求項4】
プロスタグランジン化合物が16-モノまたはジハロゲン-プロスタグランジン化合物である、請求項1に記載の組み合わせ。
【請求項5】
プロスタグランジン化合物が15-ケト-プロスタグランジン化合物である、請求項1〜3のいずれかに記載の組み合わせ。
【請求項6】
プロスタグランジン化合物が13,14-ジヒドロ-16-モノまたはジハロゲン-プロスタグランジン化合物である、請求項1〜3のいずれかに記載の組み合わせ。
【請求項7】
プロスタグランジン化合物が13,14-ジヒドロ-15-ケト-プロスタグランジン化合物である、請求項1〜3のいずれかに記載の組み合わせ。
【請求項8】
プロスタグランジン化合物が13,14-ジヒドロ-15-ケト-16-モノまたはジハロゲン-プロスタグランジン化合物である、請求項1〜3のいずれかに記載の組み合わせ。
【請求項9】
プロスタグランジン化合物が13,14-ジヒドロ-16-モノまたはジフルオロ-プロスタグランジン化合物である、請求項1〜3のいずれかに記載の組み合わせ。
【請求項10】
プロスタグランジン化合物が15-ケト-16-モノまたはジフルオロ-プロスタグランジン化合物である、請求項1〜3のいずれかに記載の組み合わせ。
【請求項11】
プロスタグランジン化合物が13,14-ジヒドロ-15-ケト-16-モノまたはジフルオロ-プロスタグランジン化合物である、請求項1〜3のいずれかに記載の組み合わせ。
【請求項12】
プロスタグランジン化合物が13,14-ジヒドロ-16-モノまたはジハロゲン-プロスタグランジンE化合物である、請求項1〜3のいずれかに記載の組み合わせ。
【請求項13】
プロスタグランジン化合物が15-ケト-16-モノまたはジハロゲン-プロスタグランジンE化合物である、請求項1〜3のいずれかに記載の組み合わせ。
【請求項14】
プロスタグランジン化合物が13,14-ジヒドロ-15-ケト-16-モノまたはジハロゲン-プロスタグランジンE化合物である、請求項1〜3のいずれかに記載の組み合わせ。
【請求項15】
プロスタグランジン化合物が13,14-ジヒドロ-16,16-ジフルオロ-プロスタグランジンE1化合物である、請求項1〜3のいずれかに記載の組み合わせ。
【請求項16】
プロスタグランジン化合物が13,14-ジヒドロ-15-ケト-プロスタグランジンE1化合物である、請求項1〜3のいずれかに記載の組み合わせ。
【請求項17】
プロスタグランジン化合物が13,14-ジヒドロ-15-ケト-16,16-ジフルオロ-プロスタグランジンE1化合物、または13,14-ジヒドロ-15-ケト-16,16-ジフルオロ-18-メチル-プロスタグランジンE1化合物である、請求項1〜3のいずれかに記載の組み合わせ。
【請求項18】
プロスタグランジン化合物が13,14-ジヒドロ-15-ケト-16,16-ジフルオロ-プロスタグランジンE1または13,14-ジヒドロ-15-ケト-16,16-ジフルオロ-18-メチル-プロスタグランジンE1である、請求項1〜3のいずれかに記載の組み合わせ。
【請求項19】
オピオイドが、アルフェンタニル、アリルプロジン、アルファプロジン、アニレリジン、ベンジルモルヒネ、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、クロニタゼン、コデイン、シクラゾシン、デソモルフィン、デキストロモラミド、デキストロプロポキシフェン、デゾシン、ジアンプロミド、ジアモルホン、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルヒネ、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルチアンブテン、ジオキサフェチルブツレート、ジピパノン、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアンブテン、エチルモルヒネ、エトニタゼン、フェンタニル、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、ヒドロキシペチジン、イソメタゾン、ケトベミドン、レバロルファン、レボルファノール、レボフェナシルモルファン、ロフェンタニル、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、メタドン、メトポン、モルヒネ、ミロフィン、ナルブフィン、ナルセイン、ニコモルヒネ、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ナロルフィン、ノルモルヒネ、ノルピパノン、アヘン、オキシコドン、オキシモルホン、パパベレタム、ペンタゾシン、フェナドキソン、フェノモルファン、フェナゾシン、フェノペリジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロフェプタジン、プロメドール、プロペリジン、プロピラム、プロポキシフェン、スフェンタニル、チリジン、トラマドール、それらの医薬的に許容される塩、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜18のいずれかに記載の組み合わせ。
【請求項20】
オピオイドがオキシコドンである、請求項19に記載の組み合わせ。
【請求項21】
同時に、別個にまたは逐次に用いるための、請求項1〜20のいずれかに記載の組み合わせ。
【請求項22】
以下を含む医薬的組み合わせ:
(a)オピオイドおよび
(b)式(I)により表されるプロスタグランジン(PG)化合物:
【化3】

[式中、L、MおよびNは、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、ヒドロキシ(低級)アルキル、低級アルカノイルオキシまたはオキソであり、ここでLおよびMの少なくとも1つは水素以外の基であり、5員環は少なくとも1つの二重結合を有していてもよく;
Aは、-CH3、または-CH2OH、-COCH2OH、-COOHまたはそれらの官能性誘導体であり;
Bは、単結合、-CH2-CH2-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH2-CH2-CH2-、-CH=CH-CH2-、-CH2-CH=CH-、-C≡C-CH2-または-CH2-C≡C-であり;
Zは、
【化4】

または単結合であり、
ここでR4およびR5は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシまたはヒドロキシ(低級)アルキルであり、R4およびR5が同時にヒドロキシおよび低級アルコキシであることはなく;
R1は、非置換、またはハロゲン、アルキル、ヒドロキシ、オキソ、アリールまたは複素環基により置換された、二価の飽和または不飽和の低〜中級の脂肪族炭化水素残基であり、脂肪族炭化水素中の少なくとも1つの炭素原子は所望により酸素、窒素または硫黄により置換されていてもよく;そして
Raは、非置換、またはハロゲン、オキソ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルカノイルオキシ、シクロ(低級)アルキル、シクロ(低級)アルキルオキシ、アリール、アリールオキシ、複素環基または複素環オキシ基によって置換された、飽和または不飽和の低〜中級の脂肪族炭化水素残基;低級アルコキシ;低級アルカノイルオキシ;シクロ(低級)アルキル;シクロ(低級)アルキルオキシ;アリール;アリールオキシ;複素環基;複素環オキシ基であり、
ただしRaはハロゲンによって置換されているか、またはZはC=Oである]。
【請求項23】
プロスタグランジン化合物が16-モノまたはジハロゲン-プロスタグランジン化合物である、請求項22に記載の組み合わせ。
【請求項24】
プロスタグランジン化合物が15-ケト-プロスタグランジン化合物である、請求項22に記載の組み合わせ。
【請求項25】
プロスタグランジン化合物が13,14-ジヒドロ-16-モノまたはジハロゲン-プロスタグランジン化合物である、請求項22に記載の組み合わせ。
【請求項26】
プロスタグランジン化合物が13,14-ジヒドロ-15-ケト-プロスタグランジン化合物である、請求項22に記載の組み合わせ。
【請求項27】
プロスタグランジン化合物が13,14-ジヒドロ-15-ケト-16-モノまたはジハロゲン-プロスタグランジン化合物である、請求項22に記載の組み合わせ。
【請求項28】
プロスタグランジン化合物が13,14-ジヒドロ-16-モノまたはジフルオロ-プロスタグランジン化合物である、請求項22に記載の組み合わせ。
【請求項29】
プロスタグランジン化合物が15-ケト-16-モノまたはジフルオロ-プロスタグランジン化合物である、請求項22に記載の組み合わせ。
【請求項30】
プロスタグランジン化合物が13,14-ジヒドロ-15-ケト-16-モノまたはジフルオロ-プロスタグランジン化合物である、請求項22に記載の組み合わせ。
【請求項31】
プロスタグランジン化合物が13,14-ジヒドロ-16-モノまたはジハロゲン-プロスタグランジンE化合物である、請求項22に記載の組み合わせ。
【請求項32】
プロスタグランジン化合物が15-ケト-16-モノまたはジハロゲン-プロスタグランジンE化合物である、請求項22に記載の組み合わせ。
【請求項33】
プロスタグランジン化合物が13,14-ジヒドロ-15-ケト-16-モノまたはジハロゲン-プロスタグランジンE化合物である、請求項22に記載の組み合わせ。
【請求項34】
プロスタグランジン化合物が13,14-ジヒドロ-16,16-ジフルオロ-プロスタグランジンE1化合物である、請求項22に記載の組み合わせ。
【請求項35】
プロスタグランジン化合物が13,14-ジヒドロ-15-ケト-プロスタグランジンE1化合物である、請求項22に記載の組み合わせ。
【請求項36】
プロスタグランジン化合物が13,14-ジヒドロ-15-ケト-16,16-ジフルオロ-プロスタグランジンE1化合物または13,14-ジヒドロ-15-ケト-16,16-ジフルオロ-18-メチル-プロスタグランジンE1化合物である、請求項22に記載の組み合わせ。
【請求項37】
プロスタグランジン化合物が13,14-ジヒドロ-15-ケト-16,16-ジフルオロ-プロスタグランジンE1または13,14-ジヒドロ-15-ケト-16,16-ジフルオロ-18-メチル-プロスタグランジンE1である、請求項22に記載の組み合わせ。
【請求項38】
オピオイドが、アルフェンタニル、アリルプロジン、アルファプロジン、アニレリジン、ベンジルモルヒネ、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、クロニタゼン、コデイン、シクラゾシン、デソモルフィン、デキストロモラミド、デキストロプロポキシフェン、デゾシン、ジアンプロミド、ジアモルホン、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルヒネ、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルチアンブテン、ジオキサフェチルブツレート、ジピパノン、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアンブテン、エチルモルヒネ、エトニタゼン、フェンタニル、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、ヒドロキシペチジン、イソメタゾン、ケトベミドン、レバロルファン、レボルファノール、レボフェナシルモルファン、ロフェンタニル、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、メタドン、メトポン、モルヒネ、ミロフィン、ナルブフィン、ナルセイン、ニコモルヒネ、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ナロルフィン、ノルモルヒネ、ノルピパノン、アヘン、オキシコドン、オキシモルホン、パパベレタム、ペンタゾシン、フェナドキソン、フェノモルファン、フェナゾシン、フェノペリジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロフェプタジン、プロメドール、プロペリジン、プロピラム、プロポキシフェン、スフェンタニル、チリジン、トラマドール、それらの医薬的に許容される塩、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項22〜37のいずれかに記載の組み合わせ。
【請求項39】
オピオイドがオキシコドンである、請求項38に記載の組み合わせ。
【請求項40】
同時に、別個にまたは逐次に用いるための、請求項22〜39のいずれかに記載の組み合わせ。
【請求項41】
請求項1〜40のいずれかに記載の組み合わせを医薬的に適切な賦形剤とともに含む医薬組成物。
【請求項42】
医薬的に適切な賦形剤が経口的に許容されるものである、請求項41に記載の組み合わせ。
【請求項43】
請求項1〜40のいずれかに記載の組み合わせを、それらを同時に、別個にまたは逐次に用いるための説明書とともに含む、商用パッケージ。

【公表番号】特表2010−532315(P2010−532315A)
【公表日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−500005(P2010−500005)
【出願日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際出願番号】PCT/JP2008/062435
【国際公開番号】WO2009/005171
【国際公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(501131276)スキャンポ・アーゲー (37)
【氏名又は名称原語表記】Sucampo AG
【Fターム(参考)】