説明

オフセット用軽量嵩高印刷用紙

【課題】 低い坪量であっても、印刷後の高い不透明性を有し、さらに印刷適性および表面強度を有するオフセット用軽量嵩高印刷用紙を提供。
【解決手段】 二酸化ケイ素および/またはケイ酸塩から形成されたケイ素含有粒子と、該ケイ素含有粒子100質量部に対して酸化物換算で0.1〜8.0質量部の金属化合物とを含み、かつ下記(1)〜(3)の特性を有する多孔性填料を、紙中填料として0.5〜10.0質量%含有する印刷用紙であり、かつ前記印刷用紙は、坪量45g/m以下で、印刷後不透明度が91%以上であり、平滑度が20〜200秒であることを特徴とする。
(1)比表面積 10〜150m/g
(2)細孔径 0.10〜0.80μm
(3)平均粒子径 16〜40μm

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低坪量でありながら印刷後の高い不透明性を有し、さらに印刷適性および表面強度を有するオフセット用軽量嵩高印刷用紙に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の商業印刷方式は、オフセット印刷が主流となっている。オフセット印刷は通常PS版と呼ばれる刷版を作成し、刷版に湿し水とインキを供給して印刷する方式である。刷版は平版であり、刷版上で画線部は親油性の表面となるように処理され、非画線部は親水性の表面になるように処理されている。この刷版に湿し水とインキを供給すると、画線部にはインキが、非画線部には水が付着した状態となり、この刷版よりブランケットを介して用紙にインキを転移させて印刷する。
【0003】
このオフセット印刷では、比較的タックの強いインキを使用するため、用紙には、内部結合強度および表面強度が強いことが要求される。また湿し水が用紙表面に付着するために、内部結合強度あるいは表面強度が弱い用紙を使用すると、紙粉がブランケットに堆積したり、インキに混入することにより、印刷面に所謂カスレを生じるトラブルが起こる場合がある他、紙切れトラブルが起こる場合がある。
【0004】
また、近年、印刷用紙には軽量化が求められており、これに伴い、印刷後も高い不透明度を維持しうる用紙の要求が強まっており、紙の不透明度を高めるために、ホワイトカーボン、炭酸カルシウム、酸化チタンあるいはタルク等の無機顔料が抄紙時の填料として多く使われるようになった。これらの無機顔料は、繊維間結合力を阻害し、内部結合力、表面強度を低下させる要因となる。また環境面で重要視されているDIP(脱墨古紙パルプ)の高率配合化は、DIPがGP、RGPやTMP等のメカニカルパルプに比較し、不透明度が出難く、不透明度の向上とDIPの高率配合化を両立させるのが極めて困難な実状である。
【0005】
上記の如き課題を改善するために種々の提案がなされており、例えば、高粘度澱粉と低粘度澱粉をブレンドした紙塗工用澱粉組成物を表面処理剤として用いることで、表面強度や紙力を向上させ、かつ水に対して溶出性の少ない皮膜を形成すると共に、填料との親和性を向上させる方法(特許文献1参照)が提案されている。しかし、提案されている方法では、インキ着肉性や印刷後不透明度を高める効果はなく、またブランケットパイリングの抑制効果が十分ではない。さらに、水切れ断紙を防止する効果も殆どなく、印刷作業性に問題がある。
【0006】
またアミロペクチンの含有量が95重量%以上である高アミロペクチン澱粉と耐水化剤からなる印刷紙用表面サイズ剤液組成物を使用することで、表面強度と湿し水溶液に対する溶出率を抑制する方法(特許文献2参照)が提案されている。しかし、この組成物では湿し水溶液の基材中への浸透を十分に抑えることが出来ないために水切れ断紙を防止する効果が殆どない。またアミロペクチンの溶出は抑制できるものの、用紙がブランケットに貼り付く、いわゆるネッパリ現象の主要因であるアミロペクチン成分のわずかな膨潤までは抑えることができない。このため、ネッパリ現象の改善効果は不十分である。さらに、上記いずれの方法でも用紙表面の疎水性が低いためインキ成分の付着性が劣り、高い紙面インキ濃度が得難い欠点がある。なお塗布剤には親水性が高く、インキ吸収性が全くないため、印刷後不透明度の向上効果も全くみられない。
【0007】
さらにインキ着肉性や印刷後不透明度を向上する手段としては、各種顔料を塗布する方法が提案されている。サチンホワイトや水和珪酸、中空有機顔料の塗布は、少量の塗布量で白色度、不透明度、印刷後不透明度への改善効果が認められるが、接着剤との結合強度が弱く、ブランケットパイリングが悪化するため、接着剤比率の増加が必要となり、結果的に不透明度への効果が小さくなり、コスト的にも好ましくない(特許文献3,4,5参照)。
【0008】
以上のように、印刷後不透明度を著しく向上させ、さらに表面強度を高くし、パイリングを防止でき、さらに高い内部結合強度を有することは従来の方法では限界があり、目標とする高いレベルの品質を得ることは困難であった。
【特許文献1】特開平5−195489号公報
【特許文献2】特開平9−78495号公報
【特許文献3】特開2000−34694号公報
【特許文献4】特開2001−164494号公報
【特許文献5】特開2000−314097号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、低い坪量であっても、印刷後の高い不透明性を有し、さらに印刷適性および表面強度を有するオフセット用軽量嵩高印刷用紙を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るオフセット用軽量嵩高印刷用紙は、二酸化ケイ素および/またはケイ酸塩から形成されたケイ素含有粒子と、該ケイ素含有粒子100質量部に対して酸化物換算で0.1〜8.0質量部の金属化合物とを含み、かつ下記(1)〜(3)の特性を有する多孔性填料を、紙中填料として0.5〜10.0質量%含有する嵩高印刷用紙であり、かつ前記嵩高印刷用紙は、坪量が45g/m以下で、印刷後不透明度(J.TAPPI No45)が91%以上であり、平滑度が20〜200秒であることを特徴とするものである。
(1)比表面積 10〜150m/g
(2)細孔径 0.10〜0.80μm
(3)平均粒子径 16〜40μm
前記オフセット用軽量嵩高印刷用紙の、内部結合強度(J.TAPPI No18−2)が、150J/m以上であることが好ましく、原料パルプ100質量部中に脱墨古紙パルプを50質量部以上含有することがさらに好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るオフセット用軽量嵩高印刷用紙は、低い坪量にもかかわらず、印刷後の高い不透明性を有し、さらに表面強度を有し、印刷適性についても優れた特性を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明では、二酸化ケイ素および/またはケイ酸塩から形成されたケイ素含有粒子と、該ケイ素含有粒子100質量部に対して酸化物換算で0.1〜8.0質量部の金属化合物とを含み、かつ比表面積が10〜150m/g、細孔径が0.10〜0.80μmであり、かつ平均粒子径が16〜40μmである多孔性填料を、紙中填料率として0.5〜10.0質量%含有させることで、
印刷時のインキ吸収量を高いレベルで確保し、印刷後不透明度向上を達成できるものである。すなわち、抄紙時の乾燥工程において、多孔性填料による乾燥収縮を防止でき、上記所望の効果を得ることが可能となる。
【0013】
原紙に含まれる多孔性填料は、二酸化ケイ素と金属化合物とからなるものである。多孔性填料を構成する二酸化ケイ素は、例えば、二酸化ケイ素および/またはケイ酸塩から形成されたものである。ここで、ケイ酸塩とは、一般式xMO・ySiO、xMO・ySiO、xM・ySiOで表される化合物であって、MがAl,Fe,Ca,Mg,Na,K,Ti,Znのいずれかのものである(なおx,yは任意の正の数値である。)。通常、二酸化ケイ素は、粒子状になっている。
【0014】
多孔性填料に含まれる金属化合物を形成する金属元素としては、例えば、バリウム、チタン、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、ニッケル、鉄、ジルコニウム、ストロンチウムなどが挙げられる。具体的な金属化合物としては、例えば、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウムなどが挙げられ、中でも、価格および取り扱い性に優れることから、酸化アルミニウムが好ましい。金属化合物の形状は、粒子状であってもよいし、不定形であってもよい。
【0015】
多孔性填料中の金属化合物の含有量は、二酸化ケイ素100質量部に対して酸化物換算で0.1〜8.0質量部であり、好ましくは0.1〜4.3質量部である。金属化合物の含有量が、二酸化ケイ素100質量部に対して酸化物換算で0.1質量部以上であれば、スラリー状態での粘度を低くでき、取り扱いが良好であり、金属化合物の含有量が、二酸化ケイ素100質量部に対して酸化物換算で8.0質量部以下であれば、紙に配合した際に、多孔性填料が抄紙系内を繰り返し循環することによるせん断力で破壊されることなく、印刷後不透明度を高くできる。なお、金属化合物の含有量は、多孔性填料の粉末サンプルを錠剤化した後、その錠剤化したものを測定試料として、蛍光X線分析装置により各元素の含有量を測定し、その含有量を酸化物量に換算することにより求められる。
【0016】
多孔性填料の、比表面積は10〜150m/g、かつ細孔径は0.10〜0.80μmであり、好ましくは比表面積20〜100m/g、かつ細孔径0.15〜0.50μmである。比表面積が10〜150m/g、かつ細孔径が0.10〜0.80μmであることにより、多孔性填料を構成する凝集構造体の結合力を強くできる。原紙の製造時または加圧仕上げ処理時に圧力を受けても、凝集構造が破壊されにくいため、原紙に配合した際に充分な吸油性を保持でき、高い印刷後不透明度を得ることができる。さらに多孔性填料の比表面積と細孔径が上記範囲にあれば、過剰な凝集および凝集構造の破壊が防止されるので、狭い粒度分布を維持でき、紙の内部結合強度および表面強度を高くできる。
【0017】
本発明における比表面積は、水銀圧入法により測定した値であって、細孔形状が幾何学的な円筒であると仮定した全細孔の表面積で、測定範囲内における圧力と圧入された水銀量の関係から求めた値である。本発明における細孔径は、水銀圧入法により測定した値であって、積分比表面積曲線から得られるメジアン細孔直径のことである。
【0018】
多孔性填料の平均粒子径は16〜40μmである。多孔性填料の平均粒子径が16μm以上であれば、紙に配合した際の紙中への歩留りが良好であり、抄紙系内を繰り返し循環によってかかる剪断力による多孔性填料の破壊を防止でき、印刷後不透明度の低下を防止できる。一方、平均粒子径が40μm以下であれば、紙面に存在する粗大粒子の脱落に起因する表面強度の低下を防止できる。
【0019】
本発明における平均粒子径は、レーザー回折法により測定し、体積積算で50%となる値で示した。また、多孔性填料の粒度分布は狭いことが好ましく、具体的には、粒子径の標準偏差(σ)が0.490以下であることが好ましく、0.400以下であることがより好ましい。このような粒度分布では、粗大粒子および微細粒子が共に少ないため、紙に配合した際に、表面強度および内部結合強度をより高くできる。
【0020】
原紙中の多孔性填料の含有量は0.50〜10.0質量%であり、1.0〜5.0質量%であることが好ましい。多孔性填料の含有量が0.50質量%未満では、印刷時のインキ吸収量の確保が困難となり、従って印刷後不透明度向上効果を発揮できないことがある。10.0質量%を超える場合は、紙の内部結合強度が低下し好ましくない。
【0021】
本発明の多孔性填料は、ケイ酸アルカリ水溶液中に、鉱酸溶液および/または鉱酸の金属塩溶液を添加し、ケイ酸アルカリ水溶液を中和してケイ素含有粒子を析出させる方法で製造したものが好ましい。ここで鉱酸溶液および/または鉱酸の金属塩溶液に関して、鉱酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸などが挙げられ、鉱酸の金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩などが挙げられる。これらの中でも、価格、取り扱いの点で、硫酸、硫酸アルミニウムが好ましく、また水溶液であることが好ましい。また、ケイ酸アルカリ水溶液としては特に制限されないが、ケイ酸ナトリウム水溶液またはケイ酸カリウム水溶液が好ましい。ケイ酸アルカリ水溶液の濃度は、多孔性填料が効率的に製造できることから、3〜15%であることが好ましく、ケイ酸アルカリ水溶液がケイ酸ナトリウム水溶液の場合には、SiO/NaOモル比が2.0〜3.4であることが好ましい。
【0022】
鉱酸溶液および/または鉱酸の金属塩溶液の添加量は、理論必要中和量の90〜150%の範囲であり、得られるスラリーのpHを2.5〜10の範囲に調整する量であることが好ましい。鉱酸溶液および/または鉱酸の金属塩溶液の添加量が理論必要中和量の90%未満あるいは得られるスラリーのpHが10を超える量である場合には、原料である未反応のケイ酸アルカリ水溶液が過剰となる。一方、理論必要中和量の150%超えるあるいは得られるスラリーのpHが2.5未満になる量である場合には多孔性填料を濃縮する際に発生するろ液pHが低くなり過ぎ、取り扱いにくくなる。
【0023】
ケイ素含有粒子の析出時には、撹拌装置により、周速として5〜15m/秒で撹拌することが好ましい。ここで、周速は撹拌時の剪断力の指標となり、周速が速ければ剪断力が大きくなる。周速が5m/秒未満である場合は、剪断力が小さすぎて、適切な平均粒子径および狭い粒度分布を得ることが困難になることがある。一方、析出時の周速が15m/秒を超える場合には、剪断力が大きくなりすぎて、多孔性填料の粒子径が小さくなり、紙に配合した際に内部結合強度が低くなることがある上に、負荷電力の増加、設備費の高額化を招く。
撹拌装置としては、アジテータ、ホモミキサ、パイプラインミキサなどの通常の撹拌装置を適宜選択して使用することができる。なおボールミルやサンドグラインダ等の粉砕機を用いることも可能ではあるが、微細粒子の増加やスラリーの増粘といった問題が生じる傾向があるため好ましくない。
【0024】
鉱酸溶液および鉱酸の金属塩溶液は1段で一括してケイ酸アルカリ水溶液中に添加してもよいが、より良好な粒子径分布になることから、2段以上に分割して添加することが好ましい。鉱酸溶液および/または鉱酸の金属塩溶液を2段以上で添加する場合には、特に良好な粒度分布になることから、1段目のケイ酸アルカリ水溶液の温度を20〜70℃にし、2段目以降では70℃以上にすることが好ましい。また1段目では、鉱酸溶液および/または鉱酸の金属塩溶液の添加量を理論必要中和量の10〜50%の範囲にすることが好ましい。
【0025】
1段目および2段目以降共に、鉱酸溶液および/または鉱酸の金属塩溶液の添加は、ケイ酸アルカリ水溶液に一括してまたは連続的に添加することができる。鉱酸溶液および/または鉱酸の金属塩溶液の添加が終了した後には、必要に応じて、添加時の温度を維持したまま撹拌する熟成工程を有してもよい。
【0026】
鉱酸溶液および/または鉱酸の金属塩溶液を1段で添加する場合には、ケイ酸アルカリ水溶液を60℃〜沸点の温度下で添加することが好ましく、75℃〜沸点の温度下で添加することがより好ましい。また鉱酸溶液および/または鉱酸の金属塩溶液の添加は、ケイ酸アルカリ水溶液に一括してまたは連続的に添加することができる。
【0027】
本発明では原料パルプとして化学パルプ(NBKP、LBKP等)、機械パルプ(GP、CGP、RGP、PGW、TMP等)、脱墨古紙パルプ(DIP等)等を単独または任意の比率で混合して使用することが可能であるが、脱墨古紙パルプが全パルプ100質量部中、50質量部以上含有する場合には、本願で用いる多孔性填料の効果が大きいため、特に有効である。また前記多孔性填料は、紙中填料として0.5〜10.0質量%含有させ、さらに上記粒度分布が良好な多孔性填料を添加することによって、内部強度低下および表面強度低下を小さく、さらにはキャレンダーで表面処理をする際に紙層が潰れにくくでき、嵩高性を維持できる。同時に粗大粒子に起因する紙表面の粗れが小さく、良好な平滑性を付与できる。またホワイトカーボン、クレー、無定形シリカ、タルク、酸化チタン、炭酸カルシウムなどの通常使用する製紙用填料が内部結合強度、表面強度などの紙力に影響を及ぼさない程度であれば添加することが可能である。また必要に応じて、内添サイズ剤、定着剤、紙力増強剤、歩留り向上剤、濾水性向上剤や、染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、耐水化剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等の抄紙用薬品を適宜添加することが出来る。また抄紙機に制限はなく、原紙の抄造条件についても、特に限定はなく、抄紙機としては、例えば、長網式抄紙機、ギャップフォーマー型抄紙機、円網式抄紙機、短網式抄紙機等の商業規模の抄紙機が、目的に応じて適宜選択して使用できる。
【0028】
近年、環境対応から用紙の軽量化が望まれてきているが、本願のように45g/m以下程度の坪量においては、抄紙方向と直交する方向、すなわちCD方向のこわさが低く、印刷機の搬送系内で、ブランケットへの貼りつき、紙折れ等のトラブルの発生が観られる。そこでVoith社などからは、従来の抄紙機のワイヤー上で行うシェイキング条件を著しく高めたデュオシェイク技術を用いた装置が上市されている。この装置を用いると、CD方向へのパルプの配列が整然と進み、繊維配向比が小さくなるとともにCDこわさも高くなる。また繊維配向比が小さくなることによりCD伸縮率が小さくなり、寸法安定性が向上する。さらにデュオシェイク技術によって、パルプ繊維がランダムに配向することから地合いも改善でき、且つ原紙の繊維配向表裏差も小さくでき、好ましく使用できる。
【0029】
本発明では、表面強度を向上させるために表面処理剤を塗布することが出来る。表面処理剤について特に制限はなく、接着剤として澱粉、澱粉誘導体、水溶性樹脂、水分散性樹脂等が使用可能であり、例えばトウモロコシ、馬鈴薯、タピオカ、小麦、米等の澱粉や、これら澱粉の酸化澱粉、ジアルデヒド澱粉、リン酸変性澱粉、カチオン化澱粉などの澱粉誘導体、ポリアクリルアミド系樹脂やポリビニルアルコールなどの水溶性合成バインダー、スチレン−ブタジエン共重合体などの共重合体ラテックスなどが挙げられる。ポリアクリルアミド系樹脂としては、重量平均分子量が数万〜200万程度のものであって、アクリルアミドの重合体、メタアクリルアミドの重合体、アクリルアミドとメタアクリルアミドの共重合体、あるいは、これらの重合体や共重合体を部分加水分解および部分メチロール化した重合体等が挙げられる。中でも、湿し水による塗工層の膨潤が抑えられ、ブランケットに貼りつき難くなり、ネッパリ現象が抑えられ、かつ安価であることから、澱粉または澱粉誘導体や、表面強度が良好であることより、ポリアクリルアミド系樹脂が好ましく使用される。
【0030】
スチレン−アクリル酸共重合体やスチレン−マレイン酸共重合体などの表面サイズ剤を上記接着剤100質量部に対し1〜50質量部添加することも表面のサイズ性を向上させる目的で適宜行なわれる。また不透明度向上を目的とし、炭酸カルシウム、カオリン、ホワイトカーボン、無定形シリカ、酸化チタン、プラスチックピグメントなどの顔料を上記接着剤100質量部に対し200質量部以下の割合で添加することも有効である。なお表面処理剤全固形分100質量部に対して、澱粉、澱粉誘導体またはポリアクリルアミド系樹脂から選ばれる接着剤は、30〜100質量部の範囲が好ましい。
【0031】
このようにして得られた表面処理剤組成物は、固形分濃度が2〜15質量%の範囲でオフセット用軽量嵩高印刷用紙の原紙上に塗布されるが、塗布量は、一般に片面当たり0.05〜2g/m、好ましくは0.1〜1g/mの範囲で塗布される。塗布量が0.05g/m未満の場合は十分な表面強度が得難く、2g/mを超えると、湿し水による塗工層の膨潤によるネッパリ現象が顕著になり、ブランケットへの貼り付きのトラブルを引き起こすため好ましくない。
【0032】
上記表面処理剤組成物を塗布するための塗工装置としては、特に限定されるものではないが、例えばインクラインまたはバーティカルツーロールサイズプレス、ブレードメタリングサイズプレス、ロッドメタリングサイズプレス、ゲートロールコーターなどのロールコーター、トレーリング、フレキシブル、ロールアプリケーション、ファウンテンアプリケーション、ショートドゥエル等のベベルタイプやベントタイプのブレードコーター、ロッドブレードコーター、バーコーター、エアーナイフコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、グラビアコーターなどの公知公用の装置が適宜使用される。なお表面処理剤組成物を塗布後の湿潤塗被層を乾燥する方法としては、例えば、蒸気乾燥、ガスヒーター乾燥、電気ヒーター乾燥、赤外線ヒーター乾燥等の各種方式が採用できる。
【0033】
本発明のオフセット用軽量嵩高印刷用紙の製造に際しては、上記表面処理剤組成物によって表面処理を施され、その後各種キャレンダー装置にて平滑化処理が施される。かかるキャレンダー装置としては、スーパーキャレンダー、ソフトキャレンダー、グロスキャレンダー、コンパクトキャレンダー、マットスーパーキャレンダー、マットキャレンダー等の一般に使用されているキャレンダー装置が適宜使用できる。キャレンダー仕上げ条件として、剛性ロールの温度、キャレンダー圧力、ニップ数、ロール速度、キャレンダー前の紙水分等が、要求される品質に応じて適宜選択される。さらにキャレンダー装置は、上記表面処理剤組成物の塗工装置と一体となっているオンタイプ装置と、塗工装置とは別となったオフタイプ装置があるが、どちらにおいても使用できる。使用するキャレンダー装置の材質は、剛性ロールでは金属もしくはその表面に硬質クロムメッキ等で鏡面処理したロールである。弾性ロールはウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、ポリアクリレート樹脂等の樹脂ロール、コットン、ナイロン、アスベスト、アラミド繊維等を成型したロールが適宜使用される。なおキャレンダーによる仕上げ後の調湿、加湿のための水塗り装置、静電加湿装置、蒸気加湿装置等を適宜組合せて使用することも勿論可能である。
【0034】
平滑度については、上記各種キャレンダー装置により、20〜200秒の範囲で仕上げる。平滑度が20秒未満の場合、表面の悪さから印字品質が悪くなってしまう他、ガイドローラー汚れを起こし易くなる。また200秒を超える場合、搬送系内のローラーでスリップにより蛇行が生じたり、紙のこわさが低い場合は、ブランケットへの貼りつき等が発生し、安定した印刷が出来ない。
【0035】
本発明のオフセット用軽量嵩高印刷用紙は内填した多孔性填料の効果により、坪量を45g/m以下としても印刷後不透明度(J.TAPPI No45)を91%以上の高いものにすることが可能となる。坪量としては30g/m以上であることが好ましく、より好ましくは35g/m以上である。坪量が30g/m未満であると、高い印刷後不透明度と、印刷適性さらに表面強度とを同時に満足させることが困難であり、逆に坪量が45g/mを越えると、省資源、物流コストの点から、軽量化の要求に応じることが難しくなる。さらに本発明のオフセット用軽量嵩高印刷用紙は、内部結合強度(J.TAPPI No18−2)が150J/m以上、好ましくは170J/m以上であるため、オフセット印刷時に起こり得る、紙粉に起因するカスレトラブルや、又、層内剥離に起因して生じるボデーピックによる紙切れトラブルなどの懸念が不要となる。
【0036】
また近年では固定情報をオフセット印刷し、その後、高速印字が可能で騒音の発生がない利点を有する熱・圧力定着方式、フラッシュ定着方式、オーブン定着方式等による電子写真印字装置で、可変情報の印字を出力することが主流になっている。熱・圧力定着方式の印字装置では、粉体トナ−を用紙へ転写した後、約200℃に加熱したヒートロールに紙を押し付けることにより、粉体トナー定着が行われ、機種によってはヒ−トロ−ルの前に、約100℃のプレヒーター部を設けているものがある。一方、フラッシュ定着方式は、感光体または中間転写部材から転写紙上に転写された粉体トナー像に、たとえば、キセノンフラッシュランプ、ハロゲンフラッシュランプなどの閃光を照射し、その輻射熱によりトナー像を溶融して転写紙上に定着させる方法である。また、オーブン定着方式は、感光体または中間転写部材から転写紙上に転写された粉体トナー像に、たとえば、オーブン雰囲気下で赤外線を照射し、その輻射熱によりトナー像を溶融して転写紙上に定着させる方法である。
【0037】
現状では、ヒートロールによる熱・圧力定着方式が主流である。しかしフラッシュ定着方式やオーブン定着方式のような非接触加熱定着方式も以下に述べるような優れた特長をもつことから、注目され始めている。
(1)粉体トナー像がいかなる部材にも接触することなく溶融して定着する非接触定着方式であるので、部材による像つぶれがなく、現像時に解像度が劣化しない。
(2)定着時間が極めて短時間であるため、高速定着が可能である。
(3)印字装置の起動時にヒートアップ時間が不要なため、クイックスタートが可能である。
(4)厚さ、紙質の異なる転写紙に容易に対応可能である。
【0038】
本発明は、上記定着方式である熱・圧力定着やフラッシュ定着、オーブン定着等による電子写真方式の出力に対しても、良好な画質と走行性が得られるものである。特に前記オフセット用軽量嵩高印刷用紙の不透明度が高いため、両面印字品での画像の裏映りが小さくなるといった利点がある。
【0039】
前記画像記録において、特に、5〜7μm程度のトナー粒子によって画像が形成される電子写真方式では、本発明のオフセット用軽量嵩高印刷用紙を用いることによって極めて高品位な画像を得ることができる。例えば、ISO−13660ドラフトスタンダード・QEA(Quality Engineering Assosiates,Inc.)に準拠した方法に基づいて、電子写真方式プリンターを用いて画像を形成、評価すると、タイルサイズ40μmにおけるモトルが、10GSV(Grey Scale Value)以下、ラインのラジェドネス(ギザギザ度)が10μm以下、ブラリネス(ぼやけ度)が11μm以下であり、極めて良好な画像を得ることが出来る。
【実施例】
【0040】
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、勿論、本発明はそれらに限定されるものではない。なお、特に断らない限り、例中の部および%はそれぞれ質量部、および質量%を示す。また、実施例や比較例で使用した多孔性填料中の金属化合物の含有率、多孔性填料の比表面積や細孔径、平均粒子径、紙中灰分、坪量、厚み、密度、平滑度、内部結合強度、白紙不透明度および印刷後不透明度、表面強度、印刷搬送性、印刷濃淡ムラ、裏映りおよび画像濃淡ムラは、以下の方法で測定し、その結果を表1、表2に示す。
【0041】
<多孔性填料中の金属化合物の含有率(酸化物換算)>
蛍光X線分析装置(スペクトリス社製PW2404)を用いて測定した値である。
<比表面積および細孔径>
ポアサイザ9230(島津製作所社製)を用いて測定した。
<平均粒子径と粒度分布>
平均粒子径はSALD2000J(島津製作所社製)を用いて、レーザー回折法により測定し、体積積算で50%となる値で示した。
多孔性填料の粒度分布としては、標準偏差(σ)で示した。
【0042】
<多孔性填料含有量>
JIS P 8251、JIS P 8252に基づき、その紙灰分から算出した。
<坪量>
JIS P 8124−1998に従って測定した。
<厚み及び密度>
JIS P 8118−1998に従って測定した。
【0043】
<平滑度>
J.TAPPI No.5Bに従い、王研式平滑度計(旭精工社製)を用いて測定した。
<内部結合強度>
J.TAPPI No.18−2に従って測定した。
【0044】
<白紙不透明度>
JIS P 8149に従って測定した。
<印刷後不透明度>
JAPAN TAPPI No.45に準拠した。本発明の実施例においては、オフセット印刷インキ(News Webmaster;タック3〜5)を使用し、印刷面反射率が9%の時の、印刷後不透明度が91%以上であれば、良好である。
【0045】
<表面強度>
各実施例および比較例で得たオフセット用軽量嵩高印刷用紙を貼り付けたサンプル台紙を作成し、RI印刷試験機(明製作所社製)にて、印刷インキ(紙試験 SD50紅BT&K TOKA社製)を0.4cc使用して印刷を行い、印刷面のピッキングの程度を目視評価した。評価は、以下の5段階評価で行った。
〈評価基準〉
5:強度が非常に高く、実用上問題なく、品質も優れている。
4:強度が高く、実用上問題なく、品質も優れている。
3:強度が高く、実用上問題ない。
2:強度がやや劣り、実用上問題ある。
1:強度が著しく劣り、実用上問題であり、品質も著しく劣っている。
【0046】
<印刷搬送性>
各実施例及び比較例で得た、オフセット用軽量嵩高印刷用紙をタワー型多色印刷輪転機で12万部/時の速度で印刷し、その搬送系内のローラーでスリップによる蛇行で発生する巻きシワを目視で評価し、5段階での順位付けを行い、評価が1〜2のものは、実用上問題がある。
〈評価基準〉
5:蛇行制御の為のテンション調整が不要で、巻きシワも全く発生せず、優れている
4:蛇行制御の為のテンション調整が必要であるが、巻きシワは全く発生せず良好
3:蛇行制御の為のテンション調整が必要であるが、巻きシワの発生は非常に少ない。
2:蛇行制御の為のテンション調整を行っても、巻きシワが発生する。
1:蛇行制御の為のテンション調整を行っても、巻きシワが著しく発生する。
【0047】
<印刷濃淡ムラ>
各実施例および比較例で得たオフセット用軽量嵩高印刷用紙から巾2cm長さ20cmの試料を切り取り、これをサンプル台紙(OK特アートポスト 256g/m)に貼りつけ、RI印刷試験機(石川島産業機械社製)にて、印刷インキ(紙試験 GEOS−G 墨 DIC社製)を0.2cc使用して印刷を行い、印刷面の濃淡ムラの程度を目視評価した。評価は、以下の5段階評価で行った。なお、評価が1〜2のものは、実用上問題がある。
〈評価基準〉
5:濃淡ムラが全く発生していない。
4:ごくわずかに濃淡ムラが発生している。
3:一部で濃淡ムラの発生がみられるが、実用上問題のないレベル。
2:全面で濃淡ムラが発生している。
1:全面で著しく濃淡ムラが発生している。
【0048】
電子写真方式での印字評価(裏映りおよび画像濃淡ムラ)
各実施例および比較例で得たオフセット用軽量嵩高印刷用紙について、昭和情報機器社製のSR3000、コニカミノルタ社製の連続紙フルカラープリンタCP1275C(非接触フラッシュ定着方式)を用いて、両面印字を行い、裏映り度合い、並びに画像濃淡ムラを目視にて判定した。評価は、以下の5段階評価で行った。なお、評価が1〜2のものは、実用上問題がある。
<裏映り>
〈評価基準〉
5:表の画像が全く見えない。
4:表の画像がごくわずかに見られる。
3:表の画像が見えるが、実用上問題のないレベル。
2:表の画像が良く見える。
1:表の画像が極めて良く見える。
【0049】
<画像濃淡ムラ>
〈評価基準〉
5:中間調の均一濃度部分に、濃淡が観られず良好。
4:中間調の均一濃度部分に、若干濃淡ムラが観られるが良好。
3:中間調の均一濃度部分に、やや濃淡ムラが観られるが、実用上問題ない。
2:中間調の均一濃度部分に、濃淡ムラが観られ、実用上問題がある。
1:中間調の均一濃度部分に、著しい濃淡ムラが観られ、実用上問題がある。
【0050】
実施例1
針葉樹クラフトパルプ10部、サーモメカニカルパルプ40部、脱墨古紙パルプ50部の割合で混合して離解し、レファイナーでフリーネス120mlC.S.F.(カナダ標準フリーネス)に調製したパルプスラリーに、対絶乾パルプ当りカチオン化澱粉(P3Y、PIRAAB STARCH社製)を0.5%、填料として表1に示す多孔性填料Aを紙中多孔質填料含有量が3%となるように添加し、硫酸バンドで抄紙pHを4.5に紙料を調整後、得られた紙料をオントップツインワイヤー抄紙機で抄紙し、坪量39.0g/mのオフセット用軽量嵩高印刷用紙用の原紙を得た。
次に上記原紙の両面に、表面処理剤組成物の塗液として、酸化澱粉(商品名;王子エースA、王子コーンスターチ社製)100部、オレフィン系サイズ剤(商品名;OT−25、荒川化学工業社製)10部からなる固形分濃度8.8%の混合水溶液を、ゲートロールコーターを使用して、乾燥後の片面当たりの塗布量が0.50g/mとなるように塗布、乾燥後、樹脂ロール/金属ロールよりなるソフトキャレンダー仕上げを行い、坪量40.0g/mのオフセット用軽量嵩高印刷用紙を得た。
【0051】
実施例2
填料に多孔性填料B(表1)を使用した以外は実施例1と同様にして、オフセット用軽量嵩高印刷用紙を得た。
【0052】
実施例3
填料に多孔性填料C(表1)を使用した以外は実施例1と同様にして、オフセット用軽量嵩高印刷用紙を得た。
【0053】
実施例4
填料に多孔性填料D(表1)を使用した以外は実施例1と同様にして、オフセット用軽量嵩高印刷用紙を得た。
【0054】
実施例5
填料に多孔性填料A(表1)を使用し、紙中多孔質填料含有量が1.5%となるように添加した以外は実施例1と同様にして、オフセット用軽量嵩高印刷用紙を得た。
【0055】
実施例6
填料に多孔性填料A(表1)を使用し、紙中多孔質填料含有量が9.0%となるように添加した以外は実施例1と同様にして、オフセット用軽量嵩高印刷用紙を得た。
【0056】
実施例7
実施例1と同様に坪量39.0g/mのオフセット用軽量嵩高印刷用紙用の原紙を得た。
次に、軽質炭酸カルシウム(TP222HS、奥多摩工業社製)75部、カオリン(商品名:ミラグロスOP、シール社製、平均粒子径1.1μm)25部に対し、分散剤(商品名:アロンT−50、東亜合成社製)0.1部を添加し、分散させた60%分散スラリーにスチレン−ブタジエンラテックス(商品名:T−2531E、JSR社製)9部、酸化澱粉(商品名:王子エースA、王子コーンスターチ社製)50部、潤滑剤(商品名:SN239、サンノプコ社製)0.20部、耐水化剤(商品名:スミレーズSPI−203、住友化学工業社製)0.2部、蛍光染料(商品名:カヤホールPASリキッド、日本化薬社製)0.5部からなる固形分濃度25%の塗料を調整し、これを上記原紙の両面に、ゲートロールコータを使用して乾燥後の塗工量が片面あたり0.5g/mとなるように塗布、乾燥後、1ニップ×2スタックのソフトニップキャレンダー(キュースタ社製)にて平滑度が35秒となるような条件で仕上げを行い、坪量40.0g/mのオフセット用軽量嵩高印刷用紙を得た。
【0057】
実施例8
実施例7と同様に坪量40.0g/mのオフセット用軽量嵩高印刷用紙を得た。但し、オフセット用軽量嵩高印刷用紙用の原紙の坪量は38.0g/m2で、上記原紙の両面への塗工量は片面あたり1.0g/mとなるように塗布した。
【0058】
実施例9
実施例8と同様に坪量40.0g/mのオフセット用軽量嵩高印刷用紙を得た。但し、乾燥後、1ニップ×2スタックのソフトニップキャレンダー(キュースタ社製)にて平滑度が150秒となるような条件で仕上げを行った。
【0059】
実施例10
実施例8の顔料をカオリン(商品名:ミラグロスOP、シール社製、平均粒子径1.1μm)25部に替えて大粒子径カオリン(商品名:Contour1500、イメリス社製、平均粒子径4.6μm)25部とした以外は実施例8と同様にして、坪量40.0g/mのオフセット用軽量嵩高印刷用紙を得た。
【0060】
比較例1
填料として多孔性填料E(表2)を使用した以外は実施例1と同様にして、オフセット用軽量嵩高印刷用紙を得た。
【0061】
比較例2
填料として多孔性填料F(表2)を使用した以外は実施例1と同様にして、オフセット用軽量嵩高印刷用紙を得た。
【0062】
比較例3
填料として多孔性填料G(表2)を使用した以外は実施例1と同様にして、オフセット用軽量嵩高印刷用紙を得た。
【0063】
比較例4
填料として多孔性填料H(表2)を使用した以外は実施例1と同様にして、オフセット用軽量嵩高印刷用紙を得た。
【0064】
比較例5
填料として多孔性填料I(表2)を使用した以外は実施例1と同様にして、オオフセット用軽量嵩高印刷用紙を得た。
【0065】
比較例6
填料として多孔性填料J(表2)を使用した以外は実施例1と同様にして、オフセット用軽量嵩高印刷用紙を得た。
【0066】
比較例7
填料として多孔性填料K(表2)を使用した以外は実施例1と同様にして、オフセット用軽量嵩高印刷用紙を得た。
【0067】
比較例8
填料として多孔性填料L(表2)を使用した以外は実施例1と同様にして、オフセット用軽量嵩高印刷用紙を得た。
【0068】
比較例9
填料に多孔性填料A(表1、表2)を使用し、紙中多孔質填料含有量が0.3%となるように添加した以外は実施例1と同様にして、オフセット用軽量嵩高印刷用紙を得た。
【0069】
比較例10
填料に多孔性填料A(表1、表2)を使用し、紙中多孔質填料含有量が12%となるように添加した以外は実施例1と同様にして、オフセット用軽量嵩高印刷用紙を得た。
【0070】
比較例11
実施例1のソフトキャレンダー仕上げで、用紙の平滑度を10秒にした以外は、実施例1と同様にして坪量40.0g/mのオフセット用軽量嵩高印刷用紙を得た。
【0071】
比較例12
実施例1のソフトキャレンダー仕上げで、用紙の平滑度を250秒にした以外は、実施例1と同様にして坪量40.0g/mのオフセット用軽量嵩高印刷用紙を得た。
【0072】
【表1】

【0073】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
二酸化ケイ素および/またはケイ酸塩から形成されたケイ素含有粒子と、該ケイ素含有粒子100質量部に対して酸化物換算で0.1〜8.0質量部の金属化合物とを含み、かつ下記(1)〜(3)の特性を有する多孔性填料を、紙中填料として0.5〜10.0質量%含有する印刷用紙であり、かつ前記印刷用紙は、坪量45g/m以下で、印刷後不透明度(J.TAPPI No45)が91%以上であり、かつ平滑度が20〜200秒であることを特徴とするオフセット用軽量嵩高印刷用紙。
(1)比表面積 10〜150m/g
(2)細孔径 0.10〜0.80μm
(3)平均粒子径 16〜40μm
【請求項2】
前記印刷用紙の内部結合強度(J.TAPPI No18−2)が、150J/m以上である請求項1記載のオフセット用軽量嵩高印刷用紙。
【請求項3】
前記印刷用紙の原料パルプ100質量部中に、脱墨古紙パルプを50質量部以上含有する請求項1〜2のいずれか1項に記載のオフセット用軽量嵩高印刷用紙。

【公開番号】特開2009−120997(P2009−120997A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−297924(P2007−297924)
【出願日】平成19年11月16日(2007.11.16)
【出願人】(000122298)王子製紙株式会社 (2,055)
【Fターム(参考)】