説明

オプトエレクトロニクス半導体部品

オプトエレクトロニクス半導体部品(100)を提供する。担体(1)と、少なくとも1つのオプトエレクトロニクス半導体チップ(2)と、ビームを通す注入封止体(5)とを備えており、前記担体(1)は、実装面(11)と少なくとも1つの貫通孔(3)とを有しており、当該貫通孔(3)は、前記担体(1)の実装面(11)から、当該実装面(11)に対向している底面(12)へと延在しており;前記オプトエレクトロニクス半導体チップ(2)は前記実装面(11)上に固定されており;前記注入封止体(5)は少なくとも1つのオプトエレクトロニクス半導体チップ(2)を少なくとも部分的に取り囲み、前記注入封止体(5)は少なくとも部分的に、前記担体(1)の貫通孔(3)内に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
オプトエレクトロニクス半導体部品、ならびに、オプトエレクトロニクス半導体部品の製造方法を提示する。
【0002】
本出願は、ドイツ連邦共和国特許出願第102009012517.5号の優先権を主張し、当該文献の開示内容は参照により本願に取り入れられる。
【0003】
本願発明の解決すべき課題は、特にコンパクトであり、かつ老化安定性の半導体部品を提供することである。
【0004】
少なくとも1つの実施形態では、オプトエレクトロニクス半導体部品は担体を有している。この担体は金属性の担体条片(リードフレームとも称される)であってよい。例えばこの担体条片は、条片状の2つの金属条片によって形成される。これらの金属条片は電気的なコンタクト面として用いられる。
【0005】
さらにこの担体は、実装面と、実装面に対向する底面とを有している。
【0006】
担体が、電気的に絶縁性の材料(例えばセラミック)から成る基体によって構成されていてもよい。この場合には基体の実装面および/または底面に、接続箇所と導体路が設けられる。
【0007】
さらに担体は少なくとも1つの貫通孔を有している。ここでこの貫通孔は、担体の実装面から底面まで延在している。
【0008】
本願のコンテキストにおいて「貫通孔」とは、例えば孔の形で担体内に突き抜け部分が設けられていることを意味している。
【0009】
貫通孔の側方は担体によって制限されており、これによって貫通孔は少なくとも1つの、連通している側面を有する。
【0010】
少なくとも1つの実施形態では、実装面上に少なくとも1つのオプトエレクトロニクス半導体チップが固定されている。このオプトエレクトロニクス半導体チップは例えば、ルミネセンスダイオードチップである。ルミネセンスダイオードチップは、紫外光から赤外光の領域のビームを放射する発光ダイオードチップまたはレーザダイオードチップであり得る。有利には、ルミネセンスダイオードチップは、電磁ビームのスペクトルの可視領域または紫外領域の光を放射する。
【0011】
例えば、担体上に複数の半導体チップが固定される。
【0012】
1つまたは複数の半導体チップは、有利には貫通孔を覆わない。
【0013】
少なくとも1つの実施形態では、オプトエレクトロニクス半導体部品は、ビーム透過性の注入封止体(Vergusskoerper)を有する。この注入封止体は、半導体チップによって形成された電磁ビームを通す。すなわち、半導体チップによって形成されたビームは実質的に注入封止体によって吸収されない。ここで「実質的に」とは注入封止用コンパウンドが、オプトエレクトロニクス半導体チップによって主に形成された電磁ビームを、少なくとも80%、有利には90%まで通す、ということを意味する。さらに、注入封止体は、少なくとも1つのオプトエレクトロニクス半導体チップを少なくとも部分的に取り囲む。このコンテキストにおいて「部分的に取り囲む」とは、注入封止体が、半導体チップの露出外面を、形状を用いた嵌合によって少なくとも部分的または完全に取り囲み、注入封止体が少なくとも、半導体チップの露出外面の箇所に直接的に接することを意味する。さらに、付加的に、担体の実装面は少なくとも部分的に、注入封止体によって覆われている。有利には注入封止体はここで実装面と直接的に接触している。従って、注入封止体と実装面との間に間隙も中断箇所も形成されない。さらに注入封止体は少なくとも部分的に、ボディの貫通孔内に配置されている。すなわち、注形封止体部分は少なくとも部分的に貫通孔を満たす。換言すれば、注入封止体は貫通孔内にも入れられる。しかし注入封止体が必ずしも貫通孔を完全に充填する必要はない。有利には、注入封止体を貫通孔内に入れることによって、注入封止体は少なくとも水平方向において、すなわち担体の実装面に平行して、担体と係留される。有利には注入封止体は連通しているボディである。従って半導体チップと貫通孔は、注入封止体によって相互に接続されている。従って、注入封止体が水平方向で担体、ひいては半導体チップから剥がれることが回避される。
【0014】
オプトエレクトロニクス半導体部品の少なくとも1つの実施形態では、半導体部品は担体を有しており、この担体は実装面並びに少なくとも1つの貫通孔を有している。ここでこの貫通孔は、実装面から、実装面に対向する担体底面まで延在している。さらにオプトエレクトロニクス半導体部品は少なくとも1つのオプトエレクトロニクス半導体チップを有している。この半導体チップは、実装面上に固定されている。さらに、オプトエレクトロニクス半導体部品は、ビームを通す注入封止体を有している。この注入封止体は少なくとも1つのオプトエレクトロニクス半導体チップを少なくとも部分的に取り囲んでいる。ここでこの注入封止体は少なくとも部分的に、担体の貫通孔内に配置されている。
【0015】
本願発明のオプトエレクトロニクス半導体部品は殊に、次のような認識に基づいている。すなわち、注入封止体が、当該注入封止体によって少なくとも部分的に取り囲まれている半導体チップ並びに当該注入封止体によって少なくとも部分的に覆われている担体から、短い動作時間の後にすでに、剥がれてしまう(剥離してしまう)、という認識である。すなわち、このような場合には例えば注入封止体と半導体チップとの間に間隙または中断箇所が形成されてしまう。これによってオプトエレクトロニクス半導体部品はもはや自身の完全な能力で作動することができなくなってしまう。なぜなら、例えば、注入封止体が半導体チップから剥がれることによって、ビームが損失するまたは高い熱が発生してしまうことがあるからである。
【0016】
このように、注入封止用コンパウンドが半導体チップおよび担体から剥がれてしまうことを回避するために、本願発明のオプトエレクトロニクス半導体部品は、少なくとも1つの貫通孔備えた担体を使用する、という着想を用いている。ここでこの貫通孔は担体の実装面から底面まで延在し、これと同時に、注入封止体は少なくとも部分的に、担体の貫通孔内に配置される。
【0017】
有利にはこのようにして、少なくとも水平方向で、注入封止体が半導体チップおよび担体から剥がれるまたは剥離することが回避される。これによって、特に老化安定性の半導体部品が実現される。
【0018】
オプトエレクトロニクス半導体部品の少なくとも1つの実施形態では、注入封止材料はシリコーン、エポキシド、シリコーンとエポキシドとの混合物から成るか、またはこれらの材料のうちの少なくとも1つを含む。有利には、注入封止材料は、半導体チップによって形成される電磁ビームを通す材料である。
【0019】
少なくとも1つの実施形態では、注入封止体のビーム取り出し面はレンズ形状に形成されている。半導体チップによって形成された電磁ビームは、注入封止体の境界面で、半導体部品から取り出される。半導体部品が例えば大気によって取り囲まれている場合には、注入封止体と空気の境界面は、注入封止体のビーム取り出し面を形成し、このビーム取り出し面を介して、電磁ビームが部品から取り出される。例えば全反射または不所望な後方反射を回避するために、ビーム取り出し面はレンズ状に形成される。
【0020】
例えばビーム取り出し面は、集光レンズのような湾曲した外面を有している。有利にはこのようにして、例えば半導体チップによって放射されたビームをフォーカシングするために後置接続されたレンズを必要としない半導体部品が実現される。これによって、垂直方向への延在が特に小さい部品が実現される。このコンテキストにおいて「垂直」とは、実装面に対して垂直なことを意味する。
【0021】
オプトエレクトロニクス半導体部品の少なくとも1つの実施形態では、少なくとも1つの貫通孔は、担体内の少なくとも2つの陥入部によって構成される。これらの陥入部は、その水平方向の最大伸長において相違している。「水平方向の最大伸長」とは、水平方向における陥入部の2つの点の間の最大間隔である。平面図において陥入部が正方形である場合には、この水平方向の最大伸長は例えば、陥入部の対角状に対向している2つの角の間隔である。陥入部が円形である場合には、水平方向の最大伸長は直径であってよい。さらに陥入部が、種々異なる水平方向の伸長を備えた複数の陥入部から構成されていてもよい。同じように、陥入部、例えば直方体状および第2の陥入部が、柱体状のパンチングであってもよい。2つの陥入部の各水平方向の最大伸長はいずれにせよ相違する。
【0022】
担体内に少なくとも1つの貫通孔が設けられている。この貫通孔は、「実装面側」および「底面側」の陥入部によって形成される。「実装面側」とはこのコンテキストでは、陥入部が実装面から担体内に設けられることを意味している。同様のことが「底面側」の陥入部に対して当てはまる。有利には底面側陥入部は、実装面側陥入部よりも、大きい水平方向の最大伸長を有している。深さ、すなわち各陥入部の垂直な伸長は、少なくとも部分的に、陥入部の箇所での担体の厚さ、すなわち垂直な伸長を含む。この結果、2つの陥入部が1つの貫通孔を構成することができる。さらに、2つの陥入部は垂直方向で共通の中央軸を有することができる。
【0023】
オプトエレクトロニクス半導体部品の少なくとも1つの実施形態では、陥入部は、相違する半径を備えた複数の柱体状開放部によって構成されている。柱体状開放部は孔であってよく、穿孔によって担体内に設けられる。同じように、担体内に柱体状開放部をエッチングまたは打ち抜きによって設けることができる。この場合には実装面側にも底面側にもそれぞれ1つの陥入部が、それぞれ少なくとも1つの柱体状開放部によって形成されている。有利には、実装面を介して設けられた柱体状開放部は、底面を介して設けられた柱体状開放部よりも、小さい半径を有している。
【0024】
オプトエレクトロニクス半導体部品の少なくとも1つの実施形態では、少なくとも1つの貫通孔は少なくとも1つの張り出し部分を有している。張り出し部分はこのコンテキストでは、例えば担体底面から始まって担体実装面へ向かって、貫通孔の水平方向伸長が「突発的に」例えば、貫通孔内の段によって小さくなる、または大きくなることを意味している。「突発的に」とはこのコンテキストでは、貫通孔が垂直方向において、1つの箇所から次の箇所へ設定可能に、水平方向伸長における変化を有していることを意味している。同じように、貫通孔が複数の張り出し部分を有することが可能である。貫通孔はこの場合には例えば、異なる半径を有する複数の孔によって構成される。すなわち、貫通孔は多数の段状の張り出し部分を有しており、貫通孔は垂直方向において、例えば異なる大きさの陥入部によって構造化されている。
【0025】
少なくとも1つの実施形態では、少なくとも1つの貫通孔は少なくとも部分的に漏斗状に形成されている。ここでこの貫通孔は底面から始まって、実装面の方向において、水平方向で先細りしている。「漏斗状」とはこのコンテキストでは、貫通孔が円錐台形状に形成されており、これによって貫通孔が少なくとも1つの連続し、かつ連通している側面を有し、貫通孔の半径が漏斗状領域において垂直方向において変化していることを意味している。同じように、貫通孔を漏斗状陥入部および孔によって構成することが可能である。このような場合には、孔と漏斗部との間の移行箇所では、段状の張り出しが形成される。さらに例えば貫通孔を、担体の垂直な伸長全体にわたって漏斗状にすることが可能である。貫通孔が自損の全垂直伸長にわたって漏斗状に形成されている場合には、貫通孔の水平方向の寸法が実装面に向かって先細りすることによって、注入封止体を貫通孔内に留めるないしは係留することが可能である。これによって水平方向においてだけではなく、垂直方向においても、半導体チップおよび担体から注入封止体が剥がれることが阻止される。貫通孔内に、例えば段状の張り出し部分が形成される場合にも、貫通孔は、水平方向において注入封止体が半導体チップおよび担体から剥がれることだけを阻止するのではなく、垂直方向において注入封止体が半導体チップおよび担体から剥がれることも阻止する。これは次のことによって実現される。すなわち注入封止体が少なくとも1つの、貫通孔内に設けられている張り出し部によって「留められ」て、これによって注入封止体を、半導体チップおよび担体に対する自身の位置に固定することによって実現される。
【0026】
すなわち貫通孔は、本願に記載されている各実施形態において、担体内へ注入封止体を係留する構造である。有利にはこのようにして、注入封止体が例えば、短い作動時間の後に既に、担体および半導体チップから剥がれ、例えば半導体チップと注入封止体との間に間隙または中断部分が形成されてしまうことが回避される。
【0027】
オプトエレクトロニクス半導体部品の少なくとも1つの実施形態では、注入封止体によって覆われていない担体箇所は、少なくとも部分的にハウジングボディによって覆われている。例えば、ハウジングボディは底面の全ての露出箇所並びに実装面および担体側面の全ての露出箇所を覆う。ハウジングボディはデュロプラスチック材料または熱可塑性材料、例えばエポキシドによって形成されるか、またはセラミック材料によって形成されるか、またはこれらの材料から成る。
【0028】
少なくとも1つの実施形態では少なくとも1つの半導体チップは、ハウジングボディの隆起および/または陥没によって側方が縁取られる。この場合にはハウジングボディは少なくとも部分的に実装面を覆う。例えば、水平方向において、間断のない、連通した隆起部は半導体チップを円形、楕円形または長方形に縁取る。
【0029】
オプトエレクトロニクス半導体部品の少なくとも1つの実施形態では隆起部は少なくとも部分的に盛り上がっている形に形成されている。「盛り上がっている形」とはここで、隆起部が半導体チップを円形に取り囲み、横断面図において例えば回転された「u」また「v」字状に形成されていることを意味している。
【0030】
オプトエレクトロニクス半導体部品の少なくとも1つの実施形態では、ハウジングボディ内の陥没は溝である。「溝」とはこのコンテキストにおいて例えば、ハウジングボディ内の陥入部の形状である。ここで溝は半導体チップを例えば円形に取り囲んでいる。ここでこの陥入部は例えば断面図で、「u」字状または「v」字状である。
【0031】
オプトエレクトロニクス半導体部品の少なくとも1つの実施形態では、注入封止体は隆起部を少なくとも部分的に包囲している。「包囲する」とはこのコンテキストにおいて、注入封止体が隆起部と直接的に接触しており、隆起部を少なくとも部分的に取り囲み、注入封止体と隆起部との間に間隙も中断部も形成されないことを意味している。さらに注入封止用コンパウンドは、隆起部の最高点の両側に配置されている。「最高点」とは、隆起部の伸長が垂直方向において最長距離を有している点である。このような場合に隆起部は、注入封止体用の係留構造を形成し、これによって例えば、注入封止体がハウジングボディから水平方向で剥がれることが回避される。貫通孔を担体内に設けることによって次の利点が得られる。すなわち、例えばハウジングボディ内の隆起部の形状をした係留構造だけを有しているのではなく、貫通孔の形状をした担体内の係留構造も有している部品を実現することができる。すなわちこのような場合には本願発明ではハウジングボディ内の係留構造が、担体内の係留構造と組み合わされる。このような組み合わせによって、注入封止体がハウジングボディ、半導体チップおよび担体から剥がれることが回避される。これによって部品が安定するだけでなく、部品の寿命も延びる。
【0032】
さらにこのことによって、隆起部の垂直伸長を短くすることができる。なぜなら、注入封止体は既に、担体内の係留構造によって、水平方向においても垂直方向においても係留されているからである。有利にはこのようにして、垂直方向の伸長が特に小さく、非常にフラットかつコンパクトな部品を実現することができる。
【0033】
例えば、隆起部の垂直方向の伸長を小さくすることによって、半導体チップの方を向いている隆起部側面も小さくされる。これによって、ハウジングボディのできるだけ小さい面積が、半導体チップによって放射されるビームに曝される。少なくとも1つの実施形態では、注入封止体は少なくとも部分的に陥没部内に配置される。有利にはこの注入封止体は完全に、陥没部内に配置される。この陥没部は、隆起部と同じように、注入封止体がハウジングボディから、例えば水平方向で剥がれることを阻止する。このような場合にも、陥没部の深さが小さくされる。なぜなら例えば注入封止体が水平方向で剥がれることは既に、担体内の係留構造によって阻止されているからである。
【0034】
さらに、オプトエレクトロニクス半導体部品の製造方法も開示される。この方法によって、本願に記載された部品が製造される。すなわち、部品に関連して開示された全ての特徴は、方法に対しても開示されており、またその逆も言える。
【0035】
少なくとも1つの実施形態では、まずは担体結合体が準備される。担体結合体は、多数の部品用の担体の結合体である。個別担体の間の接続は、後に、個別部品への個別化によって解かれる。例えば、担体は各担体条片である。この担体条片は、電気的に相互に絶縁されている条片状の2つの金属条片によって形成されている。
【0036】
次のステップにおいて、少なくとも1つの貫通孔が、担体結合体の各担体内に設けられる。例えばこのために、それぞれ1つの柱体状開放部が孔の形で、実装面から、実装面に対向している底面へ、および底面から実装面へと、担体内に設けられる。同じように、各担体内に柱体状開放部をエッチングまたは打ち抜きによって設けることができる。このような場合には例えば、2つの柱体状開放部はそれぞれ異なる半径を有し、貫通孔内に段状の張り出し部が形成される。同じように、柱体状開放部の2つの中央軸を重畳させず、柱体状開放部を相互にずらすことができる。各柱体状開放部の深さは各ケースにおいて少なくとも、柱体状開放部の箇所での担体厚さをともに有していなければならず、このようにして貫通孔が形成される。貫通孔は、実装面からも底面からの自由にアクセス可能である。
【0037】
さらに少なくとも1つのオプトエレクトロニクス半導体チップが、各担体の実装面上に被着される。このオプトエレクトロニクス半導体チップは例えば半田付けによって担体上に固定され、電気的に接触接続される。
【0038】
次のステップにおいて、少なくとも1つの半導体チップおよび少なくとも1つの貫通孔に注入封止材料が注がれる。これは硬くなって、注入封止体になる。有利には、貫通孔も半導体チップも、1つの注入封止過程において注入封止される。注入封止体は、電磁ビームを通す材料、例えばシリコーンによって形成される。注入封止時には、注入封止材料は少なくとも貫通孔内に流れ、貫通孔内で硬化する。硬化後に、注入封止体はこの貫通孔内で係留される。すなわちこのような場合には、貫通孔内に入れられ、さらに実装面および半導体チップの全ての露出外面を少なくとも部分的に覆う注入封止体が形成される。このような場合には注入封止体は連通しているボディである。
【0039】
次のステップでは担体結合体が個々の担体に個別化される。この個別化はソーカット、切断、破断または打ち抜きによって行われる。これによって、部品を特に経済的に製造することができる。上記の順序を変えることもできる。これは例えば次のことを意味し得る。すなわち、個別担体への担体結合体の個別化を、各担体の実装面上に少なくとも1つのオプトエレクトロニクス半導体チップを被着する前に行うことを意味し得る。
【0040】
オプトエレクトロニクス半導体部品を製造する方法の少なくとも1つの実施形態では、まずは担体結合体が準備される。少なくとも1つの貫通孔が各担体内に設けられる。
【0041】
次のステップにおいて、少なくとも1つのオプトエレクトロニクス半導体チップが、各担体の実装面上に被着される。次に、少なくとも1つの半導体チップおよび少なくとも1つの貫通孔に注入封止材料が注がれる。この注入封止材料は硬くなって、注入封止体になる。
【0042】
次のステップでは担体結合体が個々の担体に個別化される。
【0043】
オプトエレクトロニクス半導体部品を製造する方法の少なくとも1つの実施形態では、注入封止材料を注ぐ前に、担体結合体に、ハウジングボディ材料が注がれる。これによって有利には、例えば、ハウジングボディによって形成されている隆起部/陥没部を注入封止体によって包囲することができる。
【0044】
以下で、実施例および関連図面を参照して、本願発明の部品を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本願発明のオプトエレクトロニクス部品の実施例の、切断線A−Aに沿った概略的な斜視断面図
【図2】半導体部品の、切断線B−Bに沿った概略的な斜視断面図
【図3】本願発明のオプトエレクトロニクス半導体部品の実施例の平面図
【図4】本願発明のオプトエレクトロニクス半導体部品の実施例の斜視下面図
【図5】本願発明のオプトエレクトロニクス半導体部品の実施例を製造する個々の製造ステップの概略的な断面図
【実施例】
【0046】
実施例および図面において、同じ構成要素または同機能の構成要素にはそれぞれ同じ参照符号を付してある。図示されている要素は縮尺通りに示されたものではなく、むしろより良い理解のために個々の要素は誇張して大きく示されている場合もある。
【0047】
図1では概略的な斜視断面図に基づいて本願発明のオプトエレクトロニクス半導体部品100が詳細に説明されている。このオプトエレクトロニクス半導体部品は、担体1と、担体1の実装面11上に固定されているオプトエレクトロニクス半導体チップ2と、ハウジングボディ4と注入封止体5とを、本願発明の部品の実施例に即して備えている。この例では担体1は金属製の担体条片であり、半導体チップ2によって電気的に接触接続されている。ここでは担体1は、2つの金属担体部分121と120とから構成されている。2つの担体121と120は、ハウジングボディを介して相互に接続されており、これによって相互に安定する。ハウジングボディ4は、2つの担体部分121と120を相互に絶縁する。
【0048】
さらにハウジングボディ4は、熱可塑性材料またはデュロプラスチック材料、例えばエポキシドによって形成されている。
【0049】
注入封止体5は、ビーム取り出し面51を形成する。このビーム取り出し面によって、半導体チップ2から放射された電磁ビームが、部品から取り出される。ここでビーム取り出し面51は、集光レンズの形でレンズ状に構成されている。
【0050】
担体1内には2つの貫通孔3が配置されている。これらの貫通孔3は、2つの陥入部31および32によって形成されている。ここでは2つの陥入部31および32は孔の形の柱体状開放部である。さらに陥入部31および32は、中央軸M31およびM32を有している。陥入部31は、半導体チップの側面21から中央軸M31までの側方間隔Dで配置されている。陥入部32は直径D2を有しており、陥入部31は直径D1を有している。中央軸M31およびM32は重なっておらず、2つの陥入部31および32は相互にずれて配置されている。ここで陥入部31の直径は、陥入部32の直径よりも小さい。陥入部31および32が異なる直径、すなわち異なる水平方向寸法を有していることによって、各貫通孔内に、段状の張り出し部分60が形成される。
【0051】
注入封止体5はこの実施例では完全に、2つの貫通孔3内に配置されている。従って、注入封止体5は、貫通孔3内で、貫通孔3内に設けられた張り出し部分60によって、垂直方向および水平方向において、担体1と係留されている。すなわち、注入封止体は水平方向においても垂直方向においても固定されており、実装面11と注入封止体5との間にも、半導体チップ2の外面21と注入封止体5との間にも、間隙または中断部分は形成されない。有利にはこのようにして、注入封止体5が剥がれることが阻止される。この結果、特に老化安定性の半導体部品100が実現される。
【0052】
さらにハウジングボディ4は盛り上がっている隆起部41を有している。この隆起部は、注入封止体5によって、両側で、自身の最大垂直伸長が包囲されている。ここでこの隆起部41は半導体チップ2並びに貫通孔3を円形に取り囲んでいる。「包囲する」とは、注入封止体5が隆起部と直接的に接触しており、隆起部41と注入封止体5との間に、間隙も中断部分も形成されていないことを意味している。有利には隆起部41によって注入封止体5が水平方向において係留される。従って、少なくとも水平方向において、注入封止体5がハウジングボディ4から剥がれることが開示される。
【0053】
さらに、貫通孔3を担体1内に設けることによって、隆起部41の垂直伸長Aは、これまでの半導体部品に比べて短い。なぜなら既に貫通孔3が注入封止体5を水平方向で係留しているからである。隆起部41の垂直伸長が小さいことによって、側面42も小さくなる。この結果、半導体チップ2によって放射される電磁ビームにさられるハウジングボディ4の面をできるだけ小さくすることができる。これによって、入射するビームによって損傷されるないしは加熱されるハウジングボディの面の割合をできるだけ小さくすることができる。
【0054】
さらに、隆起部41の垂直伸長を小さくすることによって、特に平坦な部品を実現することができる。ここで隆起部41の最大垂直伸長は、半導体チップ2の垂直伸長に比べて2倍の大きさである。
【0055】
垂直方向において担体からハウジング部分が剥がれるのを回避するために、この実施例では、担体1は、段131の形の、さらなる係留構造13を有している。この係留構造13は完全に、ハウジングボディ4によって包囲されており、垂直方向において担体1がハウジングボディ4から剥がれるのを付加的に阻止する。
【0056】
図2は、概略的な斜視断面図で、図1に示されたオプトエレクトロニクス半導体部品100を示している。この図から、2つのさらなる貫通孔3が担体内に設けられていることが分かる。このために、実装面から底面12の方向へ、2つの陥入部33および34が担体1内に設けられている。陥入部33は延在軸Eに沿って楕円形に構成されており、陥入部34は孔である。底面12から実装面11の方向へ、第2の陥入部35が担体内に設けられている。陥入部35は、陥入部33と同じように、延在軸Eに沿った楕円の基礎形状を有している。しかし、陥入部33は延在軸Eの方向において、陥入部35よりも短く延在している。陥入部35の水平方向の伸長は、陥入部33の水平方向の伸長も陥入部34の水平方向の伸長もカバーしている。従って、陥入部35によって2つの貫通孔3が形成される。
【0057】
図3は、概略的な斜視平面図で、図1および図2に示されたオプトエレクトロニクス半導体部品100を示している。ここから、担体1内ないし半導体チップ2内の貫通孔3が見て取れる。隆起部41は、半導体チップ2を円形に縁取っている。
【0058】
さらに図4は、図3に示されたオプトエレクトロニクス半導体部品の概略的な斜視下面図を示している。これは、貫通孔3とハウジングボディ4と注入封止体5と担体1を備えている。
【0059】
図5a、5b、5cおよび5dに関連して、概略的な断面図で、本願発明の半導体部品を製造する方法が詳細に説明されている。
【0060】
図5aは、多数の担体1を備えた担体結合体110の断面である。ここで担体結合体110は、金属製の担体縁部結合体である。
【0061】
図5bは、各担体1内に設けられているそれぞれ2つの貫通孔3を備えた担体結合体110を示している。貫通孔3はそれぞれ同じように、陥入部31および陥入部32によって形成されている。陥入部31は直径D1を有しており、陥入部32は直径D2を有している。ここで直径D2は、直径D1よりも大きい。
【0062】
図5cには、各担体1の各実装面11上にオプトエレクトロニクス半導体チップ2がどのように被着されているのかが示されている。
【0063】
さらに図5cには、例えば適切な型によって、ハウジングボディ材料が硬化され、ハウジングボディ4にされることが示されている。各担体1の縁部領域には、盛り上がっている形状の隆起部41が生じている。ここで、半導体チップ2および貫通孔3自体の近傍領域には、ハウジングボディ材料が設けられていない。
【0064】
次のステップにおいて図5dには、ハウジングボディ材料がハウジングボディ4へと硬化した後に半導体チップ2および貫通孔3が、同じ注入封止過程において、注入封止材料によって注入封止されることが示されている。注入封止材料が注入封止体5へと硬化した後、集光レンズの形のレンズ形状のビーム取り出し面51が形成される。さらに、注入封止体5は隆起部41を完全に包囲している。
【0065】
最後に担体結合体110が個々のオプトエレクトロニクス半導体部品100へと、ソーカット、切断、破断または打ち抜きによって個別化される。
【0066】
本発明は既述の実施例に限定されるものではない。むしろ本発明は新たな各特徴ならびにそれらの特徴の各組み合わせを包含し、このことは殊にこれらの特徴またはこれらの組み合わせ自体が明示的に請求項または実施例に示されていない場合であっても、請求項における特徴の各組み合わせを含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オプトエレクトロニクス半導体部品(100)であって、
担体(1)と、少なくとも1つのオプトエレクトロニクス半導体チップ(2)と、ビームを通す注入封止体(5)とを備えており、
前記担体(1)は、実装面(11)と少なくとも1つの貫通孔(3)とを有しており、当該貫通孔(3)は、前記担体(1)の実装面(11)から、当該実装面(11)に対向している底面(12)へと延在しており;
前記オプトエレクトロニクス半導体チップ(2)は前記実装面(11)上に固定されており;
前記注入封止体(5)は前記少なくとも1つのオプトエレクトロニクス半導体チップ(2)を少なくとも部分的に取り囲み、
前記注入封止体(5)は少なくとも部分的に、前記担体(1)の貫通孔(3)内に配置されている、
ことを特徴とするオプトエレクトロニクス半導体部品(100)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの貫通孔(3)は、担体(1)内の少なくとも2つの陥入部(31、32)によって形成されており、当該少なくとも2つの陥入部の最大水平方向伸長は相違している、請求項1記載のオプトエレクトロニクス半導体部品(100)。
【請求項3】
前記陥入部(31、32)は、半径が相違している複数の柱体状開放部によって形成されている、請求項2記載のオプトエレクトロニクス半導体部品(100)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの貫通孔(3)は、少なくとも1つの張り出し部分(60)を有している、請求項1から3までのいずれか1項記載のオプトエレクトロニクス半導体部品(100)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの貫通孔(3)は少なくとも部分的に漏斗状に形成されており、当該貫通孔(3)は前記底面(12)から前記実装面(1)の方向へ、水平方向で先細りしている、請求項1から4までのいずれか1項記載のオプトエレクトロニクス半導体部品(100)。
【請求項6】
注入封止体(5)によって覆われていない、前記担体(1)の部分は、少なくとも部分的にハウジングボディ(4)によって覆われている、請求項1から5までのいずれか1項記載のオプトエレクトロニクス半導体部品(100)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの半導体チップ(2)は側方で、前記ハウジングボディ(4)の隆起部(41)および/または陥没部によって取り囲まれている、請求項6記載のオプトエレクトロニクス半導体部品(100)。
【請求項8】
前記隆起部(41)は少なくとも部分的に盛り上がっている形に構成されている、請求項7記載のオプトエレクトロニクス半導体部品(100)。
【請求項9】
前記ハウジングボディ(4)内の陥没部は溝である、請求項6から8記載のオプトエレクトロニクス半導体部品(100)。
【請求項10】
前記注入封止体(5)は、前記隆起部(41)を少なくとも部分的に包囲している、請求項6から9記載のオプトエレクトロニクス半導体部品(100)。
【請求項11】
前記注入封止体(5)は少なくとも部分的に前記陥没部内に配置されている、請求項6から10記載のオプトエレクトロニクス半導体部品(100)。
【請求項12】
オプトエレクトロニクス半導体部品(100)を製造する方法であって、
担体結合体(110)を準備するステップと、
少なくとも1つの貫通孔を各担体(1)内に設けるステップと、
少なくとも1つのオプトエレクトロニクス半導体チップ(2)を各担体(1)の実装面(12)上に被着するステップと、
前記少なくとも1つの半導体チップ(2)と前記少なくとも1つの貫通孔(3)を注入封止材料によって注入封止し、続いて注入封止体(5)へと硬化させるステップと、
前記担体結合体(110)を個々の担体(1)に個別化するステップとを有している、
ことを特徴とする、オプトエレクトロニクス半導体部品(100)を製造する方法。
【請求項13】
前記注入封止材料による注入封止の前に、前記担体結合体(110)をハウジングボディ材料によって注入封止する、請求項12記載の方法。
【請求項14】
請求項1〜11に記載されているオプトエレクトロニクス半導体部品を製造する、請求項12または13記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図5d】
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【公表番号】特表2012−519973(P2012−519973A)
【公表日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−553292(P2011−553292)
【出願日】平成21年12月23日(2009.12.23)
【国際出願番号】PCT/EP2009/067890
【国際公開番号】WO2010/102685
【国際公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(599133716)オスラム オプト セミコンダクターズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (586)
【氏名又は名称原語表記】Osram Opto Semiconductors GmbH
【住所又は居所原語表記】Leibnizstrasse 4, D−93055 Regensburg, Germany
【Fターム(参考)】