説明

オルガノシリル官能化された粒子およびその製造

本発明の対象は、一般式(I):PR(O(u+t)/2)[Ou/2(RO)v−u3−vSiCR−A](O1/2(I)[式中、PRは、金属原子およびケイ素原子から選択される原子および酸素原子を含む粒子基を表し、Aは、RO−、RN−、(RO)OP−、RNC(O)NR−、ROC(O)NR−、OCN−、RC=CR−C(O)O−から選択される基を表し、R、Rは、水素を表すか、1〜18の炭素原子を有し、ハロゲン置換されていてもよい炭化水素基を表し、Rは、1〜6の炭素原子を有するアルキル基または合計して2〜10の炭素原子を有するω−オキサアルキル−アルキル基を表し、Rは、水素を表すか、1〜18の炭素原子を有し、置換されていてもよい一価の炭化水素基を表し、Rは、水素を表すか、1〜18の炭素原子を有し、ハロゲン−、OR−、NR−もしくはエポキシ官能性であってもよい炭化水素基を表し、Rは、1〜18の炭素原子を有し、ハロゲン−、OR−、NR−もしくはエポキシ官能性であってもよい炭化水素基を表し、sは、>0の値を表し、tは、0以上の値を表し、uは、1、2または3の値を表し、かつvは、1、2または3の値を表す]のオルガノシリル官能化された粒子(PS)である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はオルガノシリル官能化された粒子ならびにアルコキシシランを使用する、その製造方法に関する。
【0002】
オルガノシリル官能化された粒子の概念はこの場合、その核が金属酸化物、金属混合酸化物、酸化ケイ素、ケイ素−金属−混合酸化物および/または三次元に架橋したオルガノシロキサン化合物(オルガノポリシロキサン樹脂)からなる、相応する官能化を有するすべての粒子であると理解される。
【0003】
従来のオルガノポリシロキサン樹脂の適用は有利にはバインダーとしての、主として被覆における、または電気絶縁用の適用における使用である。オルガノポリシロキサン樹脂の製造方法は、久しい以前から公知であり、かつ例えばDE19857348Aに記載されている。オルガノポリシロキサン樹脂はクロロシランまたはアルコキシシランの加水分解および引き続きポリシロキサンへの縮合により製造される。クロロシランと水との直接的な反応は、きわめて容易にゲル形成につながる。この理由から、特に加水分解の前の部分的なアルコキシル化が有利であることが証明されている。アルコキシシランから製造を出発する場合、加水分解触媒、最も簡単なケースでは塩酸の添加が必要である。それにもかかわらずアルコキシ基の加水分解は多くの場合、定量的ではなく、かつ縮合反応もまた樹脂の製造の間に完全には進行しないので、樹脂中にヒドロキシ基およびアルコキシ基の割合が残留する。一次樹脂中のその残基含有率は、縮合触媒、例えば金属水酸化物を後続する工程で使用することによって低減し、かつ分子量を高めることができる。
【0004】
官能化されたオルガノポリシロキサン樹脂を製造するために、例えばEP759457Aでは、官能化されたオルガノシリル化合物をクロロシランまたはアルコキシシラン成分により同時加水分解し、この場合、特にアルコキシシランから出発する加水分解の際にオルガノポリシロキサン樹脂中にヒドロキシ基が残留する。これらは縮合触媒によってもしばしば完全に除去することができず、このことにより場合によってはこのようなオルガノポリシロキサン樹脂の貯蔵安定性に否定的な影響を与えうる。従って例えばヒドロキシ基の縮合反応により生成物の物理的特性および場合によっては化学的特性も変化しうる。この問題を解決するために、オルガノポリシロキサン樹脂のヒドロキシ基を適切な試薬による後からの反応によって保護するか、または適切に官能化することができる。
【0005】
金属−OHおよび/またはSi−OH−基を有する粒子、特にオルガノポリシロキサン樹脂の官能化は、例えばEP1249470AおよびEP1245627Aに記載されているように、有利には置換されていないアルコキシシラン、例えばメチルトリメトキシシランにより、または官能化され、かつプロピルのスペーサを有するアルコキシシラン、例えばアミノプロピルトリメトキシシランにより実施され、これらは適切な反応条件で触媒の使用下に反応する。この場合、文献中では種々の触媒、例えばアミンおよび重金属を含有する触媒が使用されるが、これらの欠点はEP564253Aで言及されている。OH基に対して明らかに弱められたその反応性に基づいて、プロピルのスペーサを有するシランならびに官能化されていないシランは触媒を添加しなくてはOHを有する粒子と反応することができない。
【0006】
プロピルのスペーサを有するシランならびに官能化されていないシランの決定的な欠点は、モノアルコキシ−官能性シランを通常は、粒子、特にオルガノポリシロキサン樹脂の粒子を後から官能化するために使用することができないという事実にある。というのも、これらはそのわずかな反応性に基づいて反応しないか、または著しくゆっくりと反応するにすぎないからである。しかしその際、まさにこのようなモノアルコキシ官能性シランの使用が多くの適用にとって所望されている。というのも、相応する粒子はこのような官能化によりきわめて容易に有機官能基を有することができるからである。このような有機官能基は、粒子と、その中で粒子が使用されるべき有機マトリックスとの間の相容性を改善することにつながる。この場合、有機官能性粒子はこれらの官能基によりマトリックスと反応することができ、かつ従って化学的にマトリックスに結合される場合には特に有利である。従って、高い反応性を有するモノアルコキシ官能性シランによるシラン化により製造することができるオルガノシリル官能化された粒子が所望される。
【0007】
非置換のアルコキシシランならびにプロピルのスペーサを有するシランのもう1つの欠点は以下に記載されている:例えばジアルコキシシランおよび/またはトリアルコキシシランにより官能化されている粒子は、水分、例えば空気湿度の存在下で、それ自体と、またはその他のアルコキシシリル化合物と縮合反応する。これはアルコキシシリル基の加水分解および引き続き縮合によりSi−O−Si−結合の形成下に行われる。このようにして相応する材料の、例えば空気湿度と接触する際の硬化を達成することができる。しかし上記の従来のシランは、不十分な反応性を有しているので、この反応は行われないか、もしくはきわめて緩慢に、かつ触媒の存在下で行われうるにすぎない。その際、通常は毒物学的な観点から問題のあるスズ触媒を使用しなくてはならない。アルコキシシラン末端の系は、メトキシシリル基ではなく、さらに反応性がわずかなエトキシシリル基を使用する場合には水分に対して特にわずかな反応性を示す。従って高められた反応性を有するジアルコキシおよび/またはトリアルコキシ官能性のシランによるシラン化により製造することができるオルガノシリル官能化された粒子が所望される。
【0008】
WO03/18658およびWO03/14226では、ポリジメチルシロキサンならびに有機ポリマーのシラン末端のために、メチレンスペーサによりヘテロ原子から分離されており、かつこのことによってアルコキシ基の置換もしくは遊離が著しく促進されるアルコキシシリル基を有することを特徴とする官能化されたアルコキシシランが使用される。この場合、反応の促進は、必要とされる触媒の割合が明らかに低減するか、または触媒の添加を省略することができるほど促進される。
【0009】
本発明の対象は、一般式I
PR(O(u+t)/2)[Ou/2(RO)v−u3−vSiCR−A](O1/2 (I)
[式中、
PRは、金属原子およびケイ素原子から選択される原子および酸素原子を含む粒子基を表し、
Aは、RO−、RN−、(RO)OP−、RNC(O)NR−、ROC(O)NR−、OCN−、RC=CR−C(O)O−から選択される基を表し、
、Rは、水素を表すか、1〜18の炭素原子を有し、ハロゲン置換されていてもよい炭化水素基を表し、
は、1〜6の炭素原子を有するアルキル基または合計して2〜10の炭素原子を有するω−オキサアルキル−アルキル基を表し、
は、水素を表すか、1〜18の炭素原子を有し、場合により置換された一価の炭化水素基を表し、
は、水素を表すか、1〜18の炭素原子を有し、場合によりハロゲン−、OR−、NR−もしくはエポキシ官能性の炭化水素基を表し、
は、1〜18の炭素原子を有し、場合によりハロゲン−、OR−、NR−もしくはエポキシ官能性の炭化水素基を表し、
sは、>0の値を表し、
tは、0以上の値を表し、
uは、1、2または3の値を表し、かつ
vは、1、2または3の値を表す]のオルガノシリル官能化された粒子(PS)である。
【0010】
オルガノシリル官能化された粒子(PS)は、高反応性のメチレンスペーサを有するシランにより官能化された粒子である。
【0011】
オルガノシリル官能化された粒子(PS)は、わずかな触媒の添加で、もしくは特に触媒を添加しないでシランとの反応により製造することができる。メトキシ置換されたシランとならんで相応するエトキシ置換されたシランは十分な反応性を有するので、この場合、メタノールの代わりにエタノールが分解生成物として遊離する。
【0012】
このオルガノシリル官能化された粒子(PS)、特にオルガノシリル官能化されたオルガノポリシロキサン樹脂中で、固定化されたシランは選択的にアルコキシシラン基を有していないか、または複数有する。アルコキシシランを有する粒子(PS)は、水分が介入した場合に迅速に架橋することができる。
【0013】
使用されるメチレンスペーサを有するアルコキシシランの構造により決定される高い反応性に基づいて、モノアルコキシ官能化されたシランもまた使用される粒子(POH)、特にオルガノポリシロキサン樹脂の官能化のために適切である。従って粒子(POH)の特性は導入される官能基により著しく変性することができる。
【0014】
粒子(POH)とジアルコキシおよびトリアルコキシ官能化されたシランとの反応により得られる粒子(PS)は、使用されるメチレンスペーサを有するアルコキシシランの構造により決定される高い反応性に基づいて、水分が介入する際に、または適切な官能化された化合物の添加の際に高い架橋速度もしくは反応速度を有し、かつ水分を排除して貯蔵安定性である。
【0015】
オルガノシリル官能化された粒子(PS)は、有利には1nm〜100μm、特に有利には10nm〜1000nmの平均粒径を有する。特に有利な粒子タイプ(PS)は、オルガノポリシロキサン樹脂である。
【0016】
粒子(PS)中の金属原子としてアルミニウム、チタン、ジルコニウムおよび鉄が有利である。ケイ素原子は粒子(PS)の中で特に有利である。
【0017】
基A中で、Rは有利には水素を表すか、または場合によりハロゲン−、OR−、NR−もしくはエポキシ官能性の環式、線状もしくは分枝鎖状のC−〜C18−アルキル基もしくはアルケニル基またはC−〜C18−アリール基を表す。特にRは、C−〜C−アルキル基またはフェニル基を表す。オルガノ官能性の基Aのための例は、アミノメチル基、N−フェニルアミノメチル基、N−ブチルアミノメチル基、N−エチルアミノメチル基、N−シクロヘキシルアミノメチル基、N,N−ジブチルアミノメチル基、N,N−ジエチルアミノメチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、N−モルホリノメチル基、イソシアナトメチル基、アルキルカルバマトメチル基、(メタ)アクリルオキシメチル基、ジアルキルリン酸エステル−メチル基、N−(2−アミノエチル)−アミノメチル基およびグリシドキシメチル基である。
【0018】
は、有利には場合によりハロゲン−、OR−、NR−またはエポキシ官能性の環式、線状もしくは分枝鎖状のC−〜C18−アルキル基もしくはアルケニル基またはC−〜C18−アリール基、特にC−〜C−アルキル基またはフェニル基である。
【0019】
炭化水素基Rは、有利には場合によりハロゲン置換されたアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基またはアリール基、特にC−〜C−アルキル基またはフェニル基である。メチル基またはエチル基は特に有利である。
【0020】
炭化水素基Rは有利には線状もしくは分枝鎖状のC−〜C−アルキル基である。メチル基またはエチル基が特に有利である。
【0021】
オルガノシリル官能化された粒子(PS)は有利には20℃で固体である。
【0022】
本発明のもう1つの対象は、金属−OHおよびSi−OHから選択される遊離官能基を有する粒子(POH)を、一般式II
(RO)3−vSi−CR−A (II)
[式中、A、R、R、Rおよびvは、一般式Iにおいて記載した意味を有する]のシランと反応させる、一般式Iのオルガノシリル官能化された粒子(PS)を製造する方法である。
【0023】
粒子(POH)として、すべての金属酸化物および金属混合酸化物の粒子(例えば酸化アルミニウム、例えばコランダム、その他の金属および/またはケイ素とのアルミニウム混合酸化物、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化鉄など)、酸化ケイ素粒子(例えばコロイドシリカ)またはケイ素のいくつかの原子価が有機基を有する酸化ケイ素化合物を使用することができる。これらの粒子(POH)は、その表面に金属−および/またはケイ素の水酸化物により官能基を有しており、これらによってオルガノシリル官能化を行うことができることにより優れている。
【0024】
特に有利なオルガノシリル官能化された粒子(PS)は、一般式III
(RSiO1/2(RSiO2/2(RSiO3/2(SiO4/2
[Ou/2(RO)v−u3−vSiCR−A](O1/2 (III)
[式中、
は、水素を表すか、1〜18の炭素原子を有し、場合によりハロゲン置換された炭化水素基を表し、
kは、0以上の値を表し、
lは、0以上の値を表し、
mは、0以上の値を表し、
nは、0以上の値を表し、
k+l+m+nの合計は1の値であり、かつR、R、R、R、u、v、sおよびtは一般式Iにおいて記載した意味を有する]のオルガノシリル官能化されたオルガノポリシロキサン樹脂粒子である。
【0025】
有利にはRは1〜18の炭素原子を有し、場合によりハロゲン置換されたアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基またはアリール基、特にC−〜C−アルキル基またはフェニル基である。メチル基、エチル基およびフェニル基は特に有利である。
【0026】
一般式IIIのオルガノシリル官能化されたオルガノポリシロキサン樹脂粒子は有利には一般式IV
(RSiO1/2(RSiO2/2(RSiO3/2(SiO4/2(O1/2R (IV)
[式中、R、k、l、m、nおよびrは一般式IIおよびIIIにおいて記載した意味を有するが、ただしその際、オルガノポリシロキサン樹脂中の少なくとも1のRは水素原子を表す]のオルガノポリシロキサン樹脂(POH)を、一般式IIの有機官能性シランと反応させることにより有利に製造される。
【0027】
一般式IIIの有機官能性オルガノポリシロキサン樹脂(PS)ならびにその製造のために使用される、一般式IVのオルガノポリシロキサン樹脂(POH)は、複数の異なった単位、つまりRSiO1/2−基(M)、RSiO2/2−基(D)、RSiO3/2−基(T)およびSiO4/2−基(Q)からなり、その際、含有されている単位のモルパーセントは指数k、l、m、n、r、sおよびtにより示される。k+l+m+nの合計は1の値を有する。単位rについて有利にはk、l、mおよびpの合計に対して0.001〜1.5である。一般式IIIのシロキサン樹脂(PS)の場合、s>0でなくてはならない。
【0028】
有利に使用することができるオルガノポリシロキサン樹脂(POH)のための例は一般式IV(式中、RおよびRは相互に無関係に水素であるか、場合により置換された一価の炭化水素基であり、かつkについては0.0〜0.6、lについては0.0〜0.95、mについては0.0〜1.0およびnについては0.0〜0.6の値を有し、その際、k+l+m+nの合計は、1の値でなくてはならないが、ただし、オルガノポリシロキサン樹脂中の少なくとも1のRは水素原子を表す)の平均的な組成を有する樹脂である。単位rについては、k、l、mおよびpの合計に対して0.001〜1.5の値が有利である。
【0029】
有利に使用することができるオルガノポリシロキサン樹脂(POH)のための別の例は、一般式IV(式中、RおよびRは相互に無関係に水素であるか、1〜18の炭素原子を有し、場合によりハロゲン置換されたアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基またはアリール基であり、かつkについては0.0〜0.6、lについては0.0〜0.95、mについては0.0〜1.0およびnについては0.0〜0.6の値を有し、その際、k+l+m+nの合計は、1の値でなくてはならないが、ただし、オルガノポリシロキサン樹脂粒子中の少なくとも1のRは水素原子を表す)の平均的な組成を有する樹脂である。単位rについては、k、l、mおよびpの合計に対して0.01〜1.0の値が有利である。
【0030】
有利に使用することができるオルガノポリシロキサン樹脂(POH)のための別の例は、一般式IV(式中、Rは相互に無関係に、1〜18の炭素原子を有するアルキル基、アルケニル基またはアリール基であり、かつkについては0.0〜0.15、lについては0.0〜0.7、mについては0.2〜1.0およびnについては0.0〜0.2の値を有し、その際、k+l+m+nの合計は、1の値でなくてはならない)の平均的な組成を有する樹脂である。単位rについては、k、l、mおよびpの合計に対して0.02〜0.9の値が有利であり、かつRについては同一に、または相互に無関係に水素、1〜4の炭素原子を有するアルキル基が有利である。
【0031】
有利に使用することができるオルガノポリシロキサン樹脂(POH)のための別の例は、一般式IV(式中、Rは相互に無関係に、1〜18の炭素原子を有するアルキル基、アルケニル基またはアリール基であり、かつkについては0.1〜0.7、lについては0.0〜0.1、mについては0.0〜0.5およびnについては0.1〜0.7の値を有し、その際、k+l+m+nの合計は、1の値でなくてはならず、ただし、オルガノポリシロキサン樹脂粒子中の少なくとも1のRは、水素を表す)の平均的な組成を有する樹脂である。単位rについては、k、l、mおよびpの合計に対して0.02〜0.30の値が有利であり、かつRに関しては同一に、または相互に無関係に水素、1〜4の炭素原子を有するアルキル基が有利である。
【0032】
同様に特に有利なオルガノシリル官能化された粒子(PS)はオルガノシリル官能化されたコロイドシリカである。これらは有利には従来のコロイドシリカを一般式IIの有機官能性シランと反応させることにより製造される。その際、コロイドシリカは水性のシリカゾルとして存在していても、有機溶剤中のシリカゾルとして存在していてもよい。一般式IIのシランとの反応は有利には個々の成分を単純に混合することにより行う。一般式IIのシランの高い反応性に基づいてコロイドシリカ粒子のシラン化のために通常、触媒も、明らかに高められた温度も必要とされない。
【0033】
一般式IIの有機官能性アルコキシシランを使用する際に、相応するプロピルスペーサを有する化合物、例えばHN(CHSi(OCHに対して、使用されるアルコキシシランの構造により決定される高い反応性に基づいて、同一の反応条件で短縮された反応時間が達成される、つまり、生成物(PS)は、より短い反応時間で、より低い温度で、あるいはまた触媒を添加しないで得られる。
【0034】
一般式Iのオルガノシリル官能化された粒子(PS)を製造するために、粒子を一般式IIのシランでオルガノシラン官能化することが有利である。このような反応は簡単に、かつ迅速に実施することができ、かつ副生成物を生じない。
【0035】
有利にはオルガノシラン官能化は0℃〜150℃で、特に有利には20℃〜80℃で実施される。その際、方法は溶剤の使用下でも、あるいはまた溶剤を使用しなくても適切な反応器中で実施することができる。その際、場合により真空下で、または加圧下で、または標準圧力(0.1Mpa)で作業する。反応の際に生じるアルコールは、生成物中に残留するか、または/および真空の適用もしくは温度の上昇により反応混合物から除去することができる。
【0036】
溶剤を使用する際に、不活性の、特に非プロトン性溶剤、例えば脂肪族炭化水素、例えばヘプタンまたはデカン、および芳香族炭化水素、例えばトルエンまたはキシレンが有利である。同様にエーテル、例えばTHF、ジエチルエーテルまたはMTBEを使用することができる。0.1Mpaで120℃までの沸点もしくは沸点範囲を有する溶剤または溶剤混合物が有利である。
【0037】
粒子(POH)と有機官能性シランとの反応の際に、触媒、特に有機アミノ化合物を塩基性触媒として使用することができる。その例は、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノメチルトリメトキシシラン、アミノメチル−メチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−アミノプロピルトリメトキシシラン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、N,N−ビス−(N,N−ジメチル−2−アミノエチル)−メチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルフェニルアミン、N−エチルモルホリニンなどである。さらに酸性触媒、例えば塩化ベンゾイル、酢酸、トリフルオロ酢酸、無機酸、例えば塩酸を使用することもできる。これらの触媒は有利には0.01〜10質量%の濃度で使用される。種々の触媒を純粋な形でも、種々の触媒の混合物としても使用することができる。触媒は有利にはスズ不含である。
【0038】
一般式Iのオルガノシリル官能化された粒子(PS)を製造する際に、式中でAがRN−、ROC(O)NR−、RNC(O)NR−、OCN−の意味を有する一般式IIのシランを使用する場合、これらのシランは同様に触媒の役割を引き受けるので、その他の触媒の添加は不要になりうる。
【0039】
一般式Iの粒子(PS)に関して有利な1態様では、v=1およびu=1であり、この場合、その導入された有機官能基を場合により公知の方法によりさらに反応させることができる粒子(PS)が得られる。これらの粒子(PS)の製造のために使用される一般式II(v=1)のモノアルコキシシランはこの場合、わずかな触媒の使用下で、または触媒を使用しないでヒドロキシ官能性の粒子(POH)と反応するために十分に反応性である。ここに、従来技術に相応する、従来のプロピルスペーサを有するシランの使用に対する決定的な利点が存在する。オルガノシリル官能化された粒子(PS)の製造のために、SiOH基および/または金属−OH基の数に対して過小の、v=1である一般式IIの有機官能性シランを使用する場合、場合により残りのSi−OH基および/または金属−OH基は生成物中に残留しうる。場合によりこれらを次いで他のシランと公知の方法により反応させることができる。
【0040】
一般式Iのオルガノシリル官能化された粒子(PS)のためのもう1つの有利な態様では、v=2または3である。この場合、uは有利にはvより小さい。従って、場合により水(例えば湿分)またはその他のOH基を有する化合物の作用下で、それ自体により、またはその他のOH基を有する化合物により、高い架橋度を有する高分子の粒または粒子(PS)へと架橋することができるシラン架橋性粒子(PS)が得られる。その際、一般式Iのオルガノシリル官能化された粒子(PS)は、使用されるアルコキシシランの構造により決定される高い反応性に基づいて、水またはOH基により官能化された化合物に対するアルコキシ−シラン基の高い反応性を有し、このことにより架橋速度もしくは反応速度が高くなる。特に従来のプロピルスペーサを有するシランと比較して、架橋時間もしくは反応時間は劇的に短縮される。オルガノシリル官能化された粒子(PS)を製造するために、一般式IIの有機官能性シランとしてエトキシシラン(R=エチル)を使用する場合、製造および架橋の際にメタノールが遊離しないことが特別な利点であることが判明した。
【0041】
一般式IIIの特に有利なオルガノシリル官能化されたオルガノポリシロキサン樹脂(PS)を製造する際に、種々の製造法が可能である。この場合、特に上記の一般式IIのシランによるシラン化が有利である。
【0042】
あるいはオルガノポリシロキサン樹脂(PS)は、別の樹脂成分を有する一般式IIのシランの同時加水分解により実施することもできる。もう1つの方法は、一般式IIのシランを用いたオルガノポリシロキサン樹脂の平衡である。この場合、同時加水分解も平衡も、触媒の存在下に実施することができる。樹脂を製造するための同時加水分解および平衡の原則的な方法は文献に多様に記載されている。
【0043】
オルガノシリル官能化された粒子(PS)は、従来、オルガノシリル官能化された粒子、特にオルガノシリル官能化されたオルガノポリシロキサン樹脂を、例えば被覆(コーティング)または塗料(粉体塗料)の製造のためのバインダーまたは充填剤として使用していたすべての目的のために使用することができる。
【0044】
前記の式のすべての前記の記号はその意味をその都度相互に無関係に有する。
【0045】
以下の例では、その都度その他の指示がない限り、すべて質量に対する量およびパーセントの記載であり、すべての圧力は0.10MPa(絶対)であり、かつすべての温度は20℃である。
【0046】
実施例で使用される樹脂(POH)は、US5548053A、EP640109AおよびDE19857348Aに記載されている方法に相応して製造することができる。単分散性の官能化されたナノ粒子はEP744432Aと同様に製造した。使用したOH基不含のMQ樹脂803はWacker−Chemie社(Muenchen在)においてMQ−Harz Pulver803の名称で入手可能である。
【0047】
例1:
無水トルエン10ml中のMQ樹脂(組成(MeSiO1/20.4(SiO4/20.6(O1/20.2、その際、Rが相互に無関係に水素もしくはエチル基であり、1400g/モルの平均分子量Mwおよび3.4質量%のOH基含有率を有する樹脂)5.00gの溶液を、無水トルエン5ml中のアミノメチル−ジメチルメトキシシラン1.19gの溶液に滴加し、かつ室温で6時間攪拌した。溶剤を留去した後でオルガノシリル官能化されたオルガノポリシロキサン樹脂が無色の固体として得られた。29Si−NMR分光分析は、MQ樹脂のすべてのOH基がアミノメチル−ジメチルシリル基により官能化されており、かつアミノメチル−ジメチルメトキシシランはもはや検出することができないことを示した。
【0048】
例2:
例1と同様に、MQ樹脂をシクロヘキシルアミノメチル−メチルジメトキシシラン2.17gと反応させた。溶剤を留去した後で、オルガノシリル官能化されたオルガノポリシロキサン樹脂が無色の固体として得られた。29Si−NMR分光分析は、MQ樹脂のすべてのOH基がシクロヘキシルアミノメチル−シリル基により官能化されており、かつシクロヘキシルアミノメチル−メチルジメチルメトキシシランはもはや検出することができないことを示した。さらに29Si−NMRは、使用したシランのメトキシ基の割合はオルガノシリル官能化されたオルガノポリシロキサン樹脂中に残留していることを示すことができた。
【0049】
例3:
例1と同様に、MQ樹脂をジ(n−ブチル)−アミノメチル−メチルジメトキシシラン2.47gと反応させた。溶剤を留去した後で、オルガノシリル官能化されたオルガノポリシロキサン樹脂が無色の固体として得られた。29Si−NMR分光分析は、MQ樹脂のすべてのOH基がジ(n−ブチル)アミノメチルシリル基により官能化されており、かつジ(n−ブチル)アミノメチル−メチルジメチルメトキシシランはもはや検出することができないことを示した。さらに29Si−NMRは、使用したシランのメトキシ基の割合はオルガノシリル官能化されたオルガノポリシロキサン樹脂中に残留していることを示すことができた。
【0050】
例4:
例1と同様に、MQ樹脂をモルホリノメチル−トリメトキシシラン2.23gと反応させた。溶剤を留去した後で、オルガノシリル官能化されたオルガノポリシロキサン樹脂が無色の固体として得られた。29Si−NMR分光分析は、MQ樹脂のすべてのOH基がモルホリノメチルシリル基により官能化されており、かつモルホリノメチル−トリメトキシシランはもはや検出することができないことを示した。さらに29Si−NMRは、使用したシランのメトキシ基の割合はオルガノシリル官能化されたオルガノポリシロキサン樹脂中に残留していることを示すことができた。
【0051】
例5:
無水トルエン10ml中のフェニル樹脂(組成(MeSiO2/20.1(MeSiO3/20.4(PhSiO3/20.5(O1/20.4、その際、Rが相互に無関係に水素もしくはエチル基であり、1600g/モルの平均分子量Mwおよび4.8質量%のOH基含有率を有する樹脂)5.00gの溶液を、無水トルエン5ml中のモルホリノメチル−トリメトキシシラン3.12gの溶液に滴加し、かつ室温で6時間攪拌した。溶剤を留去した後でオルガノシリル官能化されたオルガノポリシロキサン樹脂が無色の固体として得られた。29Si−NMR分光分析は、フェニル樹脂のすべてのOH基がモルホリノメチルシリル基により官能化されており、かつモルホリノメチル−トリメトキシシランはもはや検出することができないことを示した。さらに29Si−NMRは、使用したシランのメトキシ基の割合がオルガノシリル官能化されたオルガノポリシロキサン樹脂中に残留していることを示すことができた。
【0052】
例6:
無水トルエン10ml中のメチル樹脂(組成(MeSiO3/21.0(O1/20.3、その際、Rが相互に無関係に水素もしくはエチル基であり、1600g/モルの平均分子量Mwおよび2.9質量%のOH基含有率を有する樹脂)5.00gの溶液を、無水トルエン5ml中のモルホリノメチル−トリメトキシシラン1.9gの溶液に滴加し、かつ室温で6時間攪拌した。溶剤を留去した後でオルガノシリル官能化されたオルガノポリシロキサン樹脂が無色の固体として得られた。29Si−NMR分光分析は、メチル樹脂のすべてのOH基がモルホリノメチルシリル基により官能化されており、かつモルホリノメチル−トリメトキシシランはもはや検出することができないことを示した。さらに29Si−NMRは、使用したシランのメトキシ基の割合がオルガノシリル官能化されたオルガノポリシロキサン樹脂中に残留していることを示すことができた。
【0053】
例7:
例6で製造したオルガノシリル官能化されたオルガノポリシロキサン樹脂を、無水トルエン5ml中に溶解し、120マイクロメートルの厚さでガラス板上にナイフ塗布し、かつ52%の相対湿度で室温で48時間放置した。ISO15184に基づいた鉛筆硬度の測定の結果は3Hの硬度であった。
【0054】
例8:
例6と同様に、メチル樹脂をアミノメチル−トリエトキシシラン1.56gと反応させた。溶剤を留去した後で、オルガノシリル官能化されたオルガノポリシロキサン樹脂が無色の固体として得られた。29Si−NMR分光分析は、メチル樹脂のすべてのOH基がアミノメチルシリル基により官能化されており、かつアミノメチル−トリメトキシシランはもはや検出することができないことを示した。さらに29Si−NMRは、使用したシランのエトキシ基の割合はオルガノシリル官能化されたオルガノポリシロキサン樹脂中に残留していることを示すことができた。
【0055】
例9:
例7と同様に、例8および比較例2において製造したオルガノシリル官能化されたオルガノポリシロキサン樹脂ならびに例6において使用した官能化されていないメチル樹脂をトルエン中に溶解し、かつガラス板上にナイフ塗布し、かつ硬化させた。比較例2において製造したオルガノシリル官能化されたメチル樹脂から特徴付けすることができる被覆は製造できなかった。ISO15184に基づいた鉛筆硬度の測定の結果は、(a)アミノメチル−トリエトキシシランで官能化したメチル樹脂(例10から)に関して硬度4Hおよび(b)官能化されていないメチル樹脂の被覆に関して硬度2Bであった。
【0056】
例10:
水125ml、塩化ベンゼトニウム3.0gおよび水酸化ナトリウム溶液(水中10%)0.3gからなる装入物に、撹拌下に45分の過程でメチルトリメトキシシラン12.5gおよびメタクリルオキシメチルトリメトキシシラン20.22gを計量供給した。さらに5時間攪拌した後で、生じた懸濁液25gに撹拌下でトリメチルメトキシシラン1.2gを添加し、かつさらに10時間攪拌した。メタノール50mlの添加により懸濁を中断した。沈殿した固体を濾別し、メタノール30mlで3回洗浄し、かつトルエン50ml中にとった。ヘキサメチルジシラザン1.6gの添加および10時間の攪拌後、生成物をメタノール150mlで沈殿させ、濾別し、かつ高真空中で乾燥させた。白色の粉末が得られた。H−および13C−NMR分光分析は、オルガノシリル官能化されたオルガノポリシロキサン中のメタクリルオキシメチルシリル基の存在を示した。
【0057】
例11:
水125ml、塩化ベンゼトニウム3.0gおよび水酸化ナトリウム(水中10%)0.3gからなる装入物に撹拌下に45分の過程でメチルトリメトキシシラン25.0gを計量供給した。さらに5時間攪拌した後で、生じた懸濁液25gに撹拌下でトリメチルメトキシシラン1.2gを添加し、かつさらに10時間攪拌した。メタノール50mlの添加により懸濁を中断した。沈殿した固体を濾別し、メタノール30mlで3回洗浄し、かつトルエン50ml中にとった。メタクリルオキシメチルトリメトキシシラン2.2gの添加および10時間の攪拌後、生成物をメタノール150mlで沈殿させ、濾別し、かつ高真空中で乾燥させた。白色の粉末が得られた。H−および13C−NMR分光分析は、オルガノシリル官能化されたオルガノポリシロキサン中のメタクリルオキシメチルシリル基の存在を示した。29Si−NMRは、使用したメタクリルオキシメチルトリメトキシシランのメトキシ基の割合がオルガノシリル官能化されたオルガノポリシロキサン樹脂中に残留していることを示した。
【0058】
例12:
SiO−オルガノゾル(Nissan Chemicals社のIPA−ST、SiO 30質量%、12nm)10.00gに、10分以内でメトキシメチル−トリメトキシシラン0.31gでグラフトし、かつ該混合物を室温で16時間攪拌した。透明な分散液が得られた。29Si−NMR分光分析は、使用したシランはコロイド状SiOと反応し、かつ使用したシランのメトキシ基の一部はメトキシシリル基として分散液中に残留していることを示した。
【0059】
比較例1:
例1と同様に、MQ樹脂をアミノプロピルジメチルメトキシシラン1.47gと反応させた。29Si−NMR分光分析は、例1に対して24時間の反応時間後に反応は完全ではなく、かつ混合物中になお未反応のアミノプロピルジメチルメトキシシランが存在することを示した。
【0060】
例2:
例10と同様に、メチル樹脂をアミノプロピル−トリエトキシシラン1.77gと反応させた。29Si−NMR分光分析は、例10に対して24時間の反応時間後に反応は完全ではなく、かつ混合物中になお未反応のアミノプロピルトリエトキシシランが存在することを示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式I
PR(O(u+t)/2)[Ou/2(RO)v−u3−vSiCR−A](O1/2 (I)
[式中、
PRは、金属原子およびケイ素原子から選択される原子および酸素原子を含む粒子基を表し、
Aは、RO−、RN−、(RO)OP−、RNC(O)NR−、ROC(O)NR−、OCN−、RC=CR−C(O)O−から選択される基を表し、
、Rは、水素を表すか、1〜18の炭素原子を有し、ハロゲン置換されていてもよい炭化水素基を表し、
は、1〜6の炭素原子を有するアルキル基または合計して2〜10の炭素原子を有するω−オキサアルキル−アルキル基を表し、
は、水素を表すか、1〜18の炭素原子を有し、置換されていてもよい一価の炭化水素基を表し、
は、水素を表すか、1〜18の炭素原子を有し、ハロゲン−、OR−、NR−もしくはエポキシ官能性であってもよい炭化水素基を表し、
は、1〜18の炭素原子を有し、ハロゲン−、OR−、NR−もしくはエポキシ官能性であってもよい炭化水素基を表し、
sは、>0の値を表し、
tは、0以上の値を表し、
uは、1、2または3の値を表し、かつ
vは、1、2または3の値を表す]のオルガノシリル官能化された粒子(PS)。
【請求項2】
原子がケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウムおよび鉄から選択される、請求項1記載のオルガノシリル官能化された粒子(PS)。
【請求項3】
一般式III
(RSiO1/2(RSiO2/2(RSiO3/2(SiO4/2
[Ou/2(RO)v−u3−vSiCR−A](O1/2 (III)
[式中、
は、水素を表すか、1〜18の炭素原子を有し、ハロゲン置換されていてもよい炭化水素基を表し、
kは、0以上の値を表し、
lは、0以上の値を表し、
mは、0以上の値を表し、
nは、0以上の値を表し、
k+l+m+nの合計は1の値であり、かつR、R、R、R、u、v、sおよびtは一般式Iにおいて記載した意味を有する]のオルガノポリシロキサン樹脂(PS)である、請求項1または2記載のオルガノシリル官能化された粒子(PS)。
【請求項4】
が、C−〜C−アルキル基またはフェニル基を表す、請求項1から3までのいずれか1項記載のオルガノシリル官能化された粒子(PS)。
【請求項5】
が、C−〜C−アルキル基またはフェニル基を表す、請求項1から4までのいずれか1項記載のオルガノシリル官能化された粒子(PS)。
【請求項6】
が、メチル基またはエチル基である、請求項1から5までのいずれか1項記載のオルガノシリル官能化された粒子(PS)。
【請求項7】
が、C−〜C−アルキル基またはフェニル基を表す、請求項1から6までのいずれか1項記載のオルガノシリル官能化された粒子(PS)。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか1項記載の一般式Iのオルガノシリル官能化された粒子(PS)を製造する方法において、金属−OHおよびSi−OHから選択される遊離官能基を有する粒子(POH)を、一般式II
(RO)3−vSi−CR−A (II)
[式中、A、R、R、Rおよびvは、一般式Iにおいて記載した意味を有する]のシランと反応させる、請求項1から7までのいずれか1項記載の一般式Iのオルガノシリル官能化された粒子(PS)を製造する方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式I
PR(O(u+t)/2)[Ou/2(RO)v−u3−vSiCR−A](O1/2 (I)
[式中、
PRは、金属原子およびケイ素原子から選択される原子および酸素原子を含む粒子基を表し、
Aは、RO−、RN−、(RO)OP−、RNC(O)NR−、ROC(O)NR−、OCN−、RC=CR−C(O)O−から選択される基を表し、
、Rは、水素を表すか、1〜18の炭素原子を有し、ハロゲン置換されていてもよい炭化水素基を表し、
は、1〜6の炭素原子を有するアルキル基または合計して2〜10の炭素原子を有するω−オキサアルキル−アルキル基を表し、
は、水素を表すか、1〜18の炭素原子を有し、置換されていてもよい一価の炭化水素基を表し、
は、水素を表すか、1〜18の炭素原子を有し、ハロゲン−、OR−、NR−もしくはエポキシ官能性であってもよい炭化水素基を表し、
は、1〜18の炭素原子を有し、ハロゲン−、OR−、NR−もしくはエポキシ官能性であってもよい炭化水素基を表し、
sは、>0の値を表し、
tは、0以上の値を表し、
uは、1、2または3の値を表し、かつ
vは、1、2または3の値を表す]のオルガノシリル官能化された粒子(PS)の製造方法において、金属−OHおよびSi−OHから選択される遊離官能基を有する粒子(POH)を、一般式II
(RO)3−vSi−CR−A (II)
[式中、A、R、R、Rおよびvは、一般式Iにおいて記載した意味を有する]のシランと反応させる、一般式Iのオルガノシリル官能化された粒子(PS)の製造方法。。
【請求項2】
原子がケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウムおよび鉄から選択される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
一般式III
(RSiO1/2(RSiO2/2(RSiO3/2(SiO4/2
[Ou/2(RO)v−u3−vSiCR−A](O1/2 (III)
[式中、
は、水素を表すか、1〜18の炭素原子を有し、ハロゲン置換されていてもよい炭化水素基を表し、
kは、0以上の値を表し、
lは、0以上の値を表し、
mは、0以上の値を表し、
nは、0以上の値を表し、
k+l+m+nの合計は1の値であり、かつR、R、R、R、u、v、sおよびtは一般式Iにおいて記載した意味を有する]のオルガノポリシロキサン樹脂(PS)である、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
が、C−〜C−アルキル基またはフェニル基を表す、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
が、C−〜C−アルキル基またはフェニル基を表す、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
が、メチル基またはエチル基である、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
が、C−〜C−アルキル基またはフェニル基を表す、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。

【公表番号】特表2006−526668(P2006−526668A)
【公表日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−500082(P2006−500082)
【出願日】平成16年4月1日(2004.4.1)
【国際出願番号】PCT/EP2004/003450
【国際公開番号】WO2004/089961
【国際公開日】平成16年10月21日(2004.10.21)
【出願人】(390009003)コンゾルテイウム フユール エレクトロケミツシエ インヅストリー ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (17)
【氏名又は名称原語表記】Consortium fuer elektrochemische Industrie GmbH
【住所又は居所原語表記】Zielstattstrasse 20,D−81379 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】