説明

オルガノシロキサン組成物

本発明は、シリル末端有機ポリマーを含有するフェニルオルガノシロキサン系シリコーン封止剤における、シリル末端有機ポリマーの使用について記載する。組成物を硬化した後、とくに伸び、引張強度及びガラスへの接着性について優れた機械的特性を示す封止材をもたらす。組成物は−OH又は加水分解性基から選択される末端基及び不飽和基を有するフェニルオルガノシロキサンを含む。一般的には、フェニルオルガノシロキサンは25℃で少なくとも10000mPa.sの粘度を有する。他の成分としては:(i)−OH官能基若しくは加水分解性官能基を含有する末端、及び/若しくは、側鎖シリル基を有する1つ以上の有機ポリマー、又は、(ii)(a)の末端基に応じて選択される1つ以上の不飽和基を含有する末端及び/若しくは側鎖シリル基を有する1つ以上の有機ポリマーのいずれか、並びに充填剤、架橋剤及び触媒が挙げられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬化後、とくに伸び、引張強度及びガラスへの接着性について、優れた機械的特性を示す封止材をもたらすフェニルオルガノシロキサン系シリコーン封止剤における、シリル末端有機ポリマーの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
フェニルメチルシロキサンのような特定のフェニルアルキルシロキサンにおけるフェニルオルガノシロキサン系材料は、当技術分野において、低いガス透過性を示し、ガスの流入/流出に対して隙間を封止するための封止材に用いるのにとくに適していることが知られる。よって、25℃で少なくとも10000mPa.sの粘度、より好適には25℃で100000mPa.sより高い粘度を有するフェニルメチルシロキサンは産業上非常に望ましいポリマーであるが、コポリマー形態以外で製造するのが極めて難しいことが判明している。低ガス透過性封止材におけるジメチル及びフェニルメチルシロキサンのコポリマーの使用については英国特許第2,249,552号に開示されている。コポリマーは成形充填剤と組み合わせて結合剤として用いられ、得られる封止材は複層絶縁ガラスユニットを封止するのに用いられる。これらのユニットは一般的には、周囲を封止された内部空間にガス、例えばアルゴンを含有する複数の層のガラスを含む。絶縁ガラスユニットからのアルゴンガスの流出がユニットの内破をもたらし得るため、ユニットの十分な封止は必要である。こうした極端な例では、封止材はアルゴン、窒素及び酸素に対するガス選択性を示す。しかしながら、共重合プロセスの潜在的に危険な副生成物、とくに妊孕性を損ない得ると考えられる2,6−シス−ジフェニルヘキサメチルシクロテトラシロキサンの存在のため、封止剤におけるこうしたコポリマーの使用は懸念されている。
【0003】
国際公開第2008/152042号は、低ガス透過性封止材を製剤するための結合剤としてのフェニルオルガノシロキサンポリマー、一般的にはフェニルアルキルシロキサンの調製及び使用について記載する。英国特許第2,249,552号において用いられるコポリマーの置換は、2,6−シス−ジフェニルヘキサメチルシクロテトラシロキサンのような副生成物の生成を回避し、成形充填剤を組み込む必要性なしにシステムのガス透過性を低減し、有機封止材に相当するガス透過性を達成することが見出されている。
【0004】
国際公開第2006/128015号は、反応性又は非反応性オルガノポリシロキサンの1〜45重量%のシラン反応性基を有する有機相溶化剤ポリマー及びシラン基を含有しない有機ポリマーを含有するポリマー組成物について記載する。こうした製剤は相溶化剤を含まない組成物ほど容易には相分離しないことが示されている。欧州特許第EP0604851号は、シラン架橋剤とともに末端−OH基及び脂肪族有機側鎖を有する反応性オルガノポリシロキサンを含むシラノール溶液を追加で含有するアルコキシシラン官能基化アクリルポリマー組成物について記載する。欧州特許第EP0604851号の組成物を封止剤において用いることができる。米国特許第US60602964号は、封止剤において用いることができる水分硬化性シリル化ポリウレタン及び/又は水分硬化性シリル化ポリエーテル並びにこれらの混合物における、反応性シリコーンオリゴマーの使用について記載する。
【発明の概要】
【0005】
本発明によると、
(a)−OH又は加水分解性基から選択される末端基及び不飽和基を有し、25℃で少なくとも10000mPa.sの粘度を有する、100重量部のフェニルオルガノシロキサン、
(b)(a)100重量部当たり40〜75重量部の、
(i)−OH官能基若しくは加水分解性官能基を持った末端及び/若しくは側鎖シリル基を有する1つ以上の有機ポリマー、又は、(ii)(a)の末端基に応じて選択される、1つ以上の不飽和基を持った末端及び/若しくは側鎖シリル基を有する1つ以上の有機ポリマー、
(c)(a)100重量部当たり5〜500重量部の充填剤、
(d)(a)及び(b)を架橋するための、適量の、1つ以上の適切な架橋剤、並びに、
(e)適量の触媒、
を含むことを特徴とするフェニルオルガノシロキサン組成物を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0006】
組成物は、例えば、増量剤、可塑剤、接着促進剤、光安定剤及び殺菌剤のような任意の添加剤を追加で含有することができる。
【0007】
驚いたことに、−OH官能性若しくは加水分解性官能性シリル末端有機ポリマー又はシリル末端ポリエーテル若しくはシリル末端ポリウレタンのような1つ以上の不飽和シリル末端有機ポリマーの添加は、硬化封止材の引張強度、破断伸び及びヤング率を増加させる。さらに、組成物のガラスへの接着性が向上する。例えば、100部のフェニルメチルシロキサンポリマー(a)とともに40〜75部のシリル末端有機ポリマー(b)の添加は、25〜80%の破断伸びの向上をもたらすことができる。
【0008】
本発明による組成物は好適には水分硬化性封止剤であるが、いずれかの用途のための付加硬化組成物とすることもできる。しかしながら、選択された化学反応に関係なく、硬化プロセスの結果は2つの非混和性ポリマー(a)及び(b)のin−situ結合を含んでいなければならない。
【0009】
本発明による組成物は一液型組成物として保存することができ、又はあるいは、二液型が好ましいが、二液型以上で提供することができる(後者の場合、それらは使用の直前に組み合わされる)。一般的には、こうした多液型組成物は、どちらの液も混合前に予備硬化することができないという条件で、いずれかの適切な組み合わせを有することができる。例えば、ポリマー及び充填剤は第1液中に存在することができ、架橋剤、接着促進剤(存在する場合)及び触媒は第2液中に存在することができる。こうした場合、有機ポリマー(b)は第1液及び第2液の両方に保持することができ、1つの実施形態では、1つの有機ポリマー(b)は第1液中に存在し、第2の有機ポリマー(b)は組成物の第2液中に存在する。任意の添加剤はどちらかの液中に存在することができる。
【0010】
フェニルオルガノシロキサン(a)は好適には、以下の反応性単位
(i)−OH若しくは加水分解性含有末端基;又は
(ii)不飽和末端基
の少なくとも1つを含有するケイ素結合末端基を含有するフェニルアルキルシロキサンである。(i)の場合、加水分解性末端基は、例えば、1〜6個の炭素原子を含有するアルコキシ基、最大6個の炭素原子を有するオキシモ基及びアセトキシ基から選択することができるが、(b)(i)及び架橋剤で硬化させるいずれかの適切な加水分解性基を用いることができる。
【0011】
好適には、組成物の成分(a)(i)は構造:
【化1】


の高MW(すなわち、25℃で少なくとも10000mPa.sの粘度を有する)フェニルオルガノシロキサンであり、式中、各Rは同じ又は異なっていてもよく、1〜18個の炭素原子を有する炭化水素基、1〜18個の炭素原子を有する置換炭化水素基、又は最大18個の炭素原子を有する炭化水素オキシ基を含むことができ、nはその粘度が本発明が必要とするものとなるような大きさの自然数であり、各Rは式
−Si−R
の末端基であり、式中、各Rは同じ又は異なっていてもよく、(a)(i)の場合、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、−OH、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アセトキシ基又はオキシモ基から選択される。各ポリマー(a)は、−OH、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アセトキシ基又はオキシモ基から選択される少なくとも2つの基を含有していなければならず、R又はR基とすることができる。あるいは、(a)(i)中の各Rは、−OH、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アセトキシ基又はオキシモ基から選択される少なくとも1つのRを含有していなければならないが、−OHが好ましい。
【0012】
本出願の目的のため、「置換」とは炭化水素基中の1個以上の水素原子を別の置換基で置き換えたことを意味する。こうした置換基の例としては、これらに限定されないが、塩素、フッ素、臭素、及びヨウ素のようなハロゲン原子;クロロメチル、ペルフルオロブチル、トリフルオロエチル、及びノナフルオロへキシルのようなハロゲン原子含有基;酸素原子;(メタ)アクリル及びカルボキシルのような酸素原子含有基;窒素原子;アミノ官能基、アミド官能基、及びシアノ官能基のような窒素原子含有基;硫黄原子;並びにメルカプト基のような硫黄原子含有基が挙げられる。
【0013】
R基のとくに好適な例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ビニル、シクロへキシル、フェニル、トリル基、3,3,3−トリフルオロプロピル、クロロフェニル、β−(ペルフルオロブチル)エチル又はクロロシクロへキシル基のような塩素又はフッ素で置換したプロピル基が挙げられる。好適には少なくともいくつかの、より好適には実質的にすべてのR基はメチルである。いくつかのR基は水素基であってもよい。好適には、フェニルオルガノシロキサンはフェニルアルキルシロキサンである。好適には、各アルキル基は同じ又は異なっていてもよく、1〜6個の炭素原子を含む。好適にはフェニルアルキルシロキサンは25℃で少なくとも10,000mPa.sの粘度、実質的に純粋な高分子量(MW)フェニルアルキルシロキサンを低MWフェニルアルキルシロキサンから真空下、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ルビジウム、水酸化アンモニウム、水酸化テトラアルキルアンモニウム、テトラアルキルアンモニウムアルコキシド及び水酸化ホスホニウムの群から選択される1つ以上のアルカリを低MWフェニルアルキルシロキサンの量に対して50ppm以上の量で含有するアルカリ水溶液の存在下での低MWフェニルアルキルシロキサンの重合により調製する、国際公開第2008/152042号に記載のプロセスに従って調製されたもののような、より好適には25℃で100,000mPa.sより高い粘度を有するフェニルメチルシロキサンである。
【0014】
フェニルオルガノシロキサンは、代わりの(a)(ii)に示したように、不飽和末端基を含有することができる。この場合、ポリマー(a)について、各Rは同じ又は異なっていてもよく、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基又は適切な不飽和基から選択され、1つ以上のR基は不飽和であってもよい。適切な不飽和基としては、2〜10個の炭素原子を有するアルケニル基、例えば、エテニル、プロペニル、アリル(CH=CHCH−)が挙げられ、CH=C(CH)−CH−基のようなアクリル又はアルキルアクリルであってもよい。アルケニル基の代表的、非限定的な例は、以下の構造:HC=CH−、HC=CHCH−、HC=C(CH)CH−、HC=CHCHCH−、HC=CHCHCHCH−、及びHC=CHCHCHCHCH−により示される。アルキニル基の代表的、非限定的な例は、以下の構造:HC≡C−、HC≡CCH−、HC≡CC(CH)−、HC≡CC(CH−及びHC≡CC(CHCH−により示される。あるいは、不飽和有機基はアクリレート、メタクリレートのような有機官能性炭化水素とすることができる。アルケニル基、例えばビニル基はとくに好ましい。各ポリマー(a)(ii)は、少なくとも2つの以上に記載した基のような不飽和基を含有していなければならず、R又はR基とすることができる。あるいは、(a)(ii)中の各R基は少なくとも1つの不飽和基を含有していなければならない。
【0015】
成分(b)は、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリカーボネート、(メタ)アクリレート及びポリイソブチレンのような飽和炭化水素ポリマー並びに/又はこれら混合物から選択される、末端及び/又は側鎖シリル基を含有する有機ポリマーである。成分(b)中のシリル基は、ポリマー(a)(i)又は(ii)の反応性基及び残りの成分での組成物硬化に関与する反応性基を含有していなければならない、例えば、(a)が1つ以上の−OH基又は加水分解性基を有する場合同じ末端基、(a)中のシリル末端基が少なくとも1つの不飽和基を含有する場合同様にこれらを含有していなければならない。シリル基は好適にはポリマー骨格に結合したすべての末端基又はすべての側鎖基であるが、両方の混合物であってもよい。
【0016】
いずれかの適切なシリル化ポリウレタンを(b)として用いることができる。しかしながら、イソシアナトシランと反応させたポリオールから合成されたポリウレタンがとくに好ましい。適切なポリオールとしては、例えば、ポリオキシエチレンジオール、ポリオキシプロピレンジオール、及びポリオキシブチレンジオールのようなポリオキシアルキレンジオール、ポリオキシアルキレントリオール、ポリテトラメチレングリコール、ポリカプロラクトンジオール及びトリオール、等が挙げられる。ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール等のようなテトラオールを含む他のポリオール化合物を代わりに用いることができる。本発明に用いられる好適なポリオールとしては、約500〜約50,000、好適には約10,000〜30,000のの範囲内の当量を有するポリオキシプロピレンジオールがある。各種構造、分子量及び/又は官能基のポリオールの混合物を用いることもできる。
【0017】
適切なポリウレタンプレポリマー中間体としては、ポリオールのジイソシアネートでの鎖延長反応により調製することができるポリウレタンポリマーが挙げられる。いずれかの適切なジイソシアネートを用いることができる。例としては、例えば、2,4−トルエンジイソシアネート;2,6−トルエンジイソシアネート;4,4’−ジフェニル−メタンジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート;ジシクロへキシルメタン−4,4’ジイソシアネート;分岐又は2,4−及び4,4’異性体等の混合物を含有する各種液体ジフェニルメタンジイソシアネート;並びにこれらの混合物が挙げられる。1つの実施形態では、モノールは最終硬化生成物の機械的特性を修飾する目的でポリオールと組み合わせて用いることができる。
【0018】
前記の適切なシリル末端ポリウレタンの調製において用いることができるシラン末端キャップ剤は一般式:
ii−Riii−Si(X)(R3−n
により表すことができ、式中、Riiiは二価有機基であり;Rは、好適には1〜8個の炭素原子を有するアルキル又はアリールであり;Xは、(b)(i)の場合、(a)(i)について上述したような−OH又は加水分解基であり、(b)(ii)の場合、(a)(ii)について上述したような不飽和基であり;nは1〜3の整数である。Rii基は、イソシアナト、第1級若しくは第2級アミノ、メルカプト、又はウレイド官能基のような、イソシアナト又はヒドロキシル末端ポリマーのいずれかと反応することができる有機官能基である。
【0019】
いずれかの適切なシリル末端ポリエーテルは(b)として用いることができる。これらは通常、不飽和基含有ポリエーテルオリゴマーを反応性ケイ素基含有化合物と塩化白金酸のような第VIII族遷移金属触媒の存在下で反応させることにより調製される。ポリエーテルは、例えば、適切な触媒の存在下、重合開始剤として二価又は多価アルコール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、メタリルアルコール、水素化ビスフェノールA、ネオペンチルグリコール、ポリブタジエンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレントリオール、ポリプロピレンテトラオール、ジプロピレングリコール、グリセロール、トリメチロールメタン、トリメチロールプロパン及びペンタエリスリトール、又はヒドロキシル含有オリゴマーを用いる、アルキレンオキシド、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、α−ブチレンオキシド、β−ブチレンオキシド、ヘキセンオキシド、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド及びα−メチルスチレンオキシド又はアルキル、アリル若しくはアリールグリシジルエーテル、例えばメチルグリシジルエーテル、エチルグリジルエーテル、イソプロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル及びフェニルグリシジルエーテルのような置換又は非置換C2〜12エポキシ化合物の開環付加重合により得ることができる。
【0020】
不飽和基のヒドロキシ末端ポリエーテルオリゴマーへの導入はいずれかの既知の方法により、例えば、ヒドロキシ末端ポリエーテルオリゴマーを不飽和基含有化合物と、例えばエーテル結合、エステル結合、又はカーボネート結合による結合によって反応させるステップを含む方法により達成することができる。より具体的には、有機ポリマー(A)の例としては、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン、ポリオキシテトラメチレン、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマー、及びポリオキシプロピレン−ポリオキシブチレンコポリマーのようなポリオキシアルキレンポリマーが挙げられる。好適には、ポリオキシアルキレン系ブロックは、シラン又はシロキサンと、例えばアリルポリエーテルでのヒドロシリル化反応によって結合している。本発明に適したポリオキシアルキレンブロックは、平均式(−C2n−O−)により例示される式(−C2n−O−)の、繰り返しオキシアルキレン単位からなる線状の主にオキシアルキレンポリマーを含み、式中、nは2〜4の整数であり、yは少なくとも4の整数である。各ポリオキシアルキレンポリマーブロックの数平均分子量は約300〜約50,000の範囲内とすることができる。また、オキシアルキレン単位はポリオキシアルキレンモノマー全体で必ずしも同一ではなく、単位ごとに異なり得る。例えば、ポリオキシアルキレンブロックは、オキシエチレン単位、(−C−O−);オキシプロピレン単位、(−C−O−);若しくはオキシブチレン単位、(−C−O−);又はこれらの混合物からなり得る。好適には、ポリオキシアルキレンポリマー骨格は基本的にはオキシプロピレン単位で構成される。
【0021】
他のポリオキシアルキレンブロックは、例えば:構造―
-[-R-O-(-R-O-)-Pn-CR-Pn-O-(-R-O-)-R]‐
の単位を含むことができ、式中、Pnは1,4−フェニレン基であり、各Rは同じ又は異なり、2〜8個の炭素原子を有する二価炭化水素基であり、各Rは同じ又は異なり、エチレン基、プロピレン基、又はイソプロピレン基であり、各Rは同じ又は異なり、水素原子又はメチル基であり、下付き文字h及びqはそれぞれ3〜30の範囲内の正の整数である。シリル末端基は−OH基又は上で前述したタイプの不飽和基のいずれかを含有する。
【0022】
いずれかの適切なシリル末端(メタ)アクリレートポリマーを(b)として用いることができる。これらとしては、例えば、エチル(メタ)アクリレート及びブチル(メタ)アクリレートのようなモノマーのラジカル重合により得られる(メタ)アクリレートポリマー;並びに(メタ)アクリレートモノマーのラジカル重合により得られるビニルポリマーを挙げることができる。あるいは、ポリイソブチレン、水素化ポリイソプレン、及び水素化ポリブタジエンのようなシリル末端飽和炭化水素ポリマーを(b)として代わりに用いることができる。各シリル末端基は少なくとも1つの−OH基、加水分解性基又は上で前述したタイプの不飽和基を含有する。
【0023】
本発明の1つの実施形態では、成分(a)又は成分(b)のいずれかは比較的低い粘度(すなわち低い分子量)を有し、硬化後、低弾性封止材の調製をもたらす。
【0024】
本発明による組成物は、高表面積ヒュームド及び沈降シリカのような1つ以上の微粉化補強充填剤(c)、炭酸カルシウム又は粉砕石英、珪藻土、硫酸バリウム、酸化鉄、二酸化チタン、カーボンブラック、タルク及びウォラストナイトのような追加の非補強充填剤を含有する。単独で又は上記に加えて用いることができる他の充填剤としては、アルミナイト、硫酸カルシウム(無水石膏)、石膏、硫酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリンのような粘土、三水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム(ブルーサイト)、黒鉛、炭酸銅、例えばマラカイト、炭酸ニッケル、例えばザラカイト、炭酸バリウム、例えばウィゼライト及び/又は炭酸ストロンチウム、例えばストロンチアナイトが挙げられる。
【0025】
酸化アルミニウム、オリビン族;ガーネット族;アルミノケイ酸塩;環状ケイ酸塩;鎖ケイ酸塩;及び層状ケイ酸塩からなる群のケイ酸塩。オリビン族は、これらに限定されないが、フォルステライト及びMgSiOのようなケイ酸塩鉱物を含む。ガーネット族は、これらに限定されないが、パイロープ、MgAlSi12、グロシュラー、及びCaAlSi12のような粉末ケイ酸塩鉱物を含む。アルミノケイ酸塩は、これらに限定されないが、シリマナイト、AlSiO、ムライト、3Al・2SiO、カイヤナイト、及びAlSiOのような粉末ケイ酸塩鉱物を含む。環状ケイ酸塩群は、これらに限定されないが、コージライト及びAl(Mg,Fe)[SiAlO18]のようなケイ酸塩鉱物を含む。鎖ケイ酸塩群は、これらに限定されないが、ウォラストナイト及びCa[SiO]のような粉末ケイ酸塩鉱物を含む。
【0026】
層状ケイ酸塩群は、これらに限定されないが、マイカ、KAl14[SiAl20](OH)、ピロフィライト、Al[Si20](OH)、タルク、Mg[Si20](OH)、サーペンタイン、例えばアスベスト、カオリナイト、Al[Si10](OH)、及びバーミキュライトのようなケイ酸塩鉱物を含む。
【0027】
さらに、充填剤の表面処理を、例えば脂肪酸若しくはステアリン酸塩のような脂肪酸エステルで、又はオルガノシラン、オルガノシロキサン、オルガノシラザン、ヘキサアルキルジシラザン若しくは短鎖シロキサンジオールで行い、充填剤を疎水性、従って取扱い易くし、他の封止材成分を含む均質混合物を得ることができる。充填剤の表面処理は粉末ケイ酸塩鉱物をシリコーンポリマーにより容易に湿潤させる。これらの表面修飾充填剤は凝集せず、シリコーンポリマー中に均質に組み込むことができる。これは未硬化組成物の室温機械的特性の向上をもたらす。さらに、表面処理充填剤は未処理又は原材料より低い導電性をもたらす。
【0028】
用いられる場合こうした充填剤の割合はエラストマー形成組成物及び硬化エラストマーにおける所望の特性によって決まるだろう。通常、組成物の充填剤含有量は、ポリマー(a)100重量部当たり約5〜約500重量部の範囲内で存在するだろう。ポリマー(a)100重量部当たり50〜400重量部の範囲が好ましい。
【0029】
いずれかの適切な架橋剤を(d)として用いることができる。(a)及び(b)が−OH又は加水分解性末端基を含有する場合、適切な架橋剤(d)は1分子当たり3個のケイ素結合加水分解性基を含有することができ、第4の基は適切には非加水分解性ケイ素結合有機基である。これらのケイ素結合有機基は適切には任意でフッ素及び塩素のようなハロゲンにより置換されるヒドロカルビル基である。こうした第4の基の例としては、アルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル、及びブチル);シクロアルキル基(例えばシクロペンチル及びシクロへキシル);アルケニル基(例えばビニル及びアリル);アリール基(例えばフェニル、及びトリル);アラルキル基(例えば2−フェニルエチル);並びに前記有機基中の水素のすべて又は一部をハロゲンで置換することにより得られる基が挙げられる。
【0030】
架橋剤の具体例としては、メチルトリメトキシシラン(MTM)及びメチルトリエトキシシランのようなアルキルトリアルコキシシラン、ビニルトリメトキシシラン及びビニルトリエトキシシランのようなアルケニルトリアルコキシシラン、並びにイソブチルトリメトキシシラン(iBTM)が挙げられる。他の適切なシランとしては、エチルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、アルコキシトリオキシモシラン、アルケニルトリオキシモシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、ジ−ブトキシジアセトキシシラン、フェニル−トリプロピオノキシシラン、メチルトリス(メチルエチルケトキシモ)シラン、ビニル−トリス(メチルエチルケトキシモ)シラン、メチルトリス(メチルエチルケトキシモ)シラン、メチルトリス(イソプロペノキシ)シラン、ビニルトリス(イソプロペノキシ)シラン、エチルポリシリケート、n−プロピルオルトシリケート、エチルオルトシリケート及びジメチルテトラアセトキシジシロキサンが挙げられる。
【0031】
架橋剤は、(a)及び(b)が−OH末端基を含有する場合、式:
【化2】


のジシラアルカンを含むこともでき、式中、R及びRは一価炭化水素であり、R及びRはアルキル基又はアルコキシル化アルキル基であり、Rは二価炭化水素基であり、a及びbは0又は1である。具体例としては、1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、1,1−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)プロパン、1,1−ビス(メチルジメトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタン、1−トリメトキシシリル−2−メチルジメトキシシリルエタン、1,3−ビス(トリメトキシエトキシシリル)プロパン、及び1−ジメチルメトキシシリル−2−フェニルジエトキシシリルエタンが挙げられる。
【0032】
さらなる代替架橋剤としては、メチルビニルジ−(N−メチルアセトアミド)シラン、及びメチルビニルジ−(N−エチルアセトアミド)シランのようなアルキルアルケニルビス(N−アルキルアセトアミド)シラン;ジメチルジ−(N−メチルアセトアミド)シラン及びジメチルジ−(N−エチルアセトアミド)シランのようなジアルキルビス(N−アリールアセトアミド)シラン;メチルビニルジ(N−フェニルアセトアミド)シランのようなアルキルアルケニルビス(N−アリールアセトアミド)シラン;並びにジメチルジ−(N−フェニルアセトアミド)シランのようなジアルキルビス(N−アリールアセトアミド)シランが挙げられる。用いられる架橋剤は上記の2つ以上のいずれかの組み合わせを含むこともできる。とくに好適な架橋剤は1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサンである。
【0033】
用いられる架橋剤は上記の2つ以上のいずれかの組み合わせを含むこともできる。好適には、縮合架橋剤は組成物の約0.1〜10重量%の範囲内で組成物中に存在する。
【0034】
(a)及び(b)が不飽和末端基を含有する場合、硬化プロセスはヒドロシリル化反応経路によって進み、よって架橋剤は一般的には3個以上のケイ素結合水素基を含有するだろう。本組成物の架橋をもたらすため、オルガノ水素シロキサンは1分子当たり3個以上のケイ素結合水素原子を含有していなければならない。オルガノ水素シロキサンは、例えば1分子当たり約4〜200個のケイ素原子、好適には1分子当たり約4〜50個のケイ素原子を含有することができ、25℃で最高約10Pa.sの粘度を有することができる。オルガノ水素シロキサン中に存在するケイ素結合有機基としては、1〜4個の炭素原子を有し、その他にはエチレン又はアセチレン不飽和を含まない、置換及び非置換アルキル基を挙げることができる。好適には、各オルガノ水素シロキサン分子は、ポリマー(a)及び(b)中のアルケニル基の総量に対するSi−H基の1/1〜10/1のモル比をもたらすのに十分な量の、1分子当たり少なくとも3個のケイ素結合水素原子を含む。
【0035】
(a)及び(b)が−OH又は加水分解性末端基を有する場合、いずれかの適切な縮合触媒(d)を用いて組成物を硬化することができ、これらとしてはスズ、鉛、アンチモン、鉄、カドミウム、バリウム、マンガン、亜鉛、クロム、コバルト、ニッケル、アルミニウム、ガリウム又はゲルマニウム及びジルコニウムを含む縮合触媒が挙げられる。例としては、トリエチルスズタートレート、スズオクトエート、スズオレエート、スズナフテート、ブチルスズトリ−2−エチルヘキソエート、スズブチラート、カルボメトキシフェニルスズトリスベレート、イソブチルスズトリセロエート、並びにジオルガノスズ塩、とくに、第一スズオクトエートがとくに好ましいが、ジブチルスズジラウレート、ジメチルスズジブチラート、ジブチルスズジメトキシド、ジブチルスズジアセテート、ジメチルスズビスネオデカノエート、ジブチルスズジベンゾエート、第一スズオクトエート、ジメチルスズジネオデカノエート、ジブチルスズジオクトエートのようなジオルガノスズジカルボン酸塩化合物のような有機スズ金属触媒が挙げられる。他の例としては、鉄、コバルト、マンガン、鉛及び亜鉛の2−エチルヘキサノエートが挙げられる。
【0036】
代替縮合触媒としては、チタネート又はジルコネート化合物が挙げられる。こうしたチタネートは一般式Ti[OR]による化合物を含むことができ、式中、各Rは同じ又は異なっていてもよく、1〜10個の炭素原子を含有する線状又は分岐であってもよい一価、第1級、第2級又は第3級脂肪族炭化水素基を表す。任意で、チタネートは部分不飽和基を含有することができる。しかしながら、Rの好適な例としては、これらに限定されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第3級ブチル及び2,4−ジメチル−3−ペンチルのような分岐第2級アルキル基が挙げられる。好適には、各Rが同じである場合、Rは非分岐第2級アルキル基、分岐第2級アルキル基又は第3級アルキル基、とくに、テトラブチルチタネートのような第3級ブチル、テトライソプロピルチタネートである。
【0037】
誤解を避けるため、2,4−ジメチル−3−ペンチルのような分岐第2級アルキル基は炭素原子1個以上の下位鎖を有するが、非分岐第2級アルキル基は1個以上の炭素原子を含有する下位鎖を有さない線状有機鎖、すなわちイソプロピル基を意味することを意図している。
【0038】
いずれかの適切なキレート化チタネート又はジルコネートを用いることができる。好適には、用いられるキレート基は、例えばジイソプロピルビス(アセチルアセトニル)チタネート、ジイソプロピルビス(エチルアセトアセトニル)チタネート、ジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)チタン等のようなキレート化チタネートをもたらすアセチルアセトネート及びアルキルアセトアセトネートのようなモノケトエステルである。適切な触媒の例は、本明細書に参照により組み入れる欧州特許第EP1254192号及び国際公開第200149774号にさらに記載されている。
【0039】
(a)及び(b)中のシリル末端基が不飽和基を含有する場合、適切なヒドロシリル化触媒が用いられる。これらは一般的には白金、ロジウム、イリジウム、パラジウム又はルテニウム触媒から選択される白金族金属系触媒である。本組成物の硬化を触媒するのに有用な触媒を含有する白金族金属は、ケイ素結合水素原子のケイ素結合アルケニル基との反応を触媒することが知られるもののいずれかとすることができる。ヒドロシリル化により本組成物を硬化させる触媒として用いられる好適な白金族金属は白金である。本組成物を硬化させるためのいくつかの好適な白金系ヒドロシリル化触媒は、白金金属、白金化合物及び白金錯体である。代表的な白金化合物としては、塩化白金酸、塩化白金酸六水和物、二塩化白金、及び低分子量ビニル含有オルガノシロキサンを含有するこうした化合物の錯体が挙げられる。
【0040】
白金族金属含有触媒を本組成物に組成物100万部当たり白金族金属元素0.001重量部(ppm)ほどに相当する量で添加することができる。好適には、組成物中の白金族金属の濃度は、100万当たり少なくとも1部の白金族金属元素の等量をもたらすことができる。100万当たり約3〜50部の白金族金属元素の等量をもたらす触媒濃度が一般的には好適な量である。
【0041】
より長い可使時間又は「ポットライフ」を得るため、周囲条件下でのヒドロシリル化触媒の活性を適切な阻害剤の添加により遅延又は抑制することができる。既知の白金族金属触媒阻害剤としては、米国特許第3,445,420号に開示されるアセチレン化合物が挙げられる。2−メチル−3−ブチン−2−オル及び1−エチニル−2−シクロヘキサノールのようなアセチレンアルコールは、25℃で白金系触媒の活性を抑制する好適な類の阻害剤を構成する。これらの触媒を含有する組成物は一般的には、実用的な速度で硬化させるため70℃以上の温度で加熱することを必要とする。室温硬化は一般的には、架橋剤及び阻害剤が2液のうちの一方に存在し、白金が他方に存在する、二液型システムの使用によりこうしたシステムで達成する。白金の量を増加し、室温での硬化を可能する。
【0042】
本発明による組成物は、封止剤を含む用途に適した製剤を使用者に提供する。
【0043】
組成物中に含めることができる他の成分としては、これらに限定されないが、接着促進剤、顔料、UV安定剤、殺菌剤及び/又は殺生物剤等(適切には0〜0.3重量%の量で存在することができる)、並びに水捕捉剤(一般的には架橋剤として用いられるものと同じ化合物又はシラザン)が挙げられる。添加剤のいくつかは添加剤の1つ以上のリストに含まれることが理解されるだろう。こうした添加剤はこの場合挙げられるさまざまな方法すべてで機能する能力を有するだろう。
【0044】
適切な可塑剤又は増量剤は本発明による封止材組成物に用いることもできる。可塑剤(一次可塑剤と称されることもある)をポリマー組成物に添加し、最終ポリマー系製品中に特性をもたらす、例えば最終ポリマー組成物の柔軟性及び靱性を向上させることができる。
【0045】
一般的には、シリコーン系組成物について、可塑剤は、有機置換基が、例えば、メチル、ビニル若しくはフェニル又はこれらの基の組み合わせである、末端トリオルガノシロキシ基を有するポリジメチルシロキサンのような組成物のシロキサンポリマーと非反応性であるオルガノポリシロキサンである。こうしたポリジメチルシロキサンは通常25℃で約5〜約100,000mPa.sの粘度を有する。相溶性有機可塑剤を追加で用いることができ、例としては、ジオクチル、ジヘキシル、ジノニル、ジデシル、ジアラニル及び他のフタレートのようなアルキル基が線状及び/又は分岐であってもよく、6〜20個の炭素原子を含有するフタル酸ジアルキル;アジピン酸、アゼライン酸、オレイン酸及びセバシン酸エステル、エチレングリコール及びその誘導体のようなポリオール、リン酸トリクレジル及び/又はリン酸トリフェニルのような有機リン酸塩が挙げられる。
【0046】
一般的には、可塑剤は、増量剤よりポリマー組成物と相溶性であり、著しく揮発性が低い傾向があり、このようなものとして硬化後ポリマーマトリックス内で高レベルのままである可能性が著しく高い。
【0047】
増量剤は組成物の残りと十分に相溶性であり、かつ得られる硬化エラストマー固体が維持される温度(例えば室温)でできるだけ不揮発性である必要がある。
【0048】
さまざまな有機化合物及び組成物が、シリコーン封止材組成物のコストを低減するための増量剤として用いるために提案されてきた。重アルキレート(精製装置において油の蒸留後に残るアルキレート化芳香族材料)のようなポリアルキルベンゼンがシリコーン封止材組成物の増量剤材料として近年提案されているが、その内容を本明細書に参照により組み入れる英国特許第2424898号に記載されるように、業界では鉱物油ベース(一般的には石油ベース)のパラフィン系炭化水素が増量剤としてますます用いられている。
【0049】
いずれかの適切な1つ以上の可塑剤及び/又は増量剤、例えば英国特許第2424898号に記載されるものは、硬化組成物中のその相溶性化を助け、向上した機械的特性をもたらすため、本発明による組成物中の(a)及び(b)の両方と相溶性であるという条件で用いることができる。可塑剤及び/又は増量剤は、成分(a)100重量部当たり0〜100重量部の量で、あるいは成分(a)100重量部当たり0〜40重量部の量で、さらにあるいは成分(a)100重量部当たり0.1〜40重量部の量で存在することができる。
【0050】
いずれかの適切な接着促進剤を本発明による封止材組成物中に組み込むことができる。これらとしては、例えば、アミノアルキルアルコキシシランのようなアルコキシシラン;エポキシアルキルアルコキシシラン、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、メルカプト−アルキルアルコキシシラン及びγ−アミノプロピルトリエトキシシラン;並びにエチレンジアミンのシリルアクリレートとの反応生成物を挙げることができる。1,3,5−トリス(トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレートのようなケイ素基を含有するイソシアヌレートを追加で用いることができる。さらに適切な接着促進剤は、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランのようなエポキシアルキルアルコキシシランの3−アミノプロピルトリメトキシシランのようなアミノ置換アルコキシシランとの反応生成物、並びに任意でメチルトリメトキシシラン、エポキシアルキルアルコキシシラン、メルカプトアルキルアルコキシシラン、及びこれらの誘導体のようなアルキルアルコキシシランである。
【0051】
本発明の好適な実施形態では、ポリマー(a)及び(b)に加えて、0〜40重量%の1つ以上の可塑剤及び/又は1つ以上の、鉱物油、フタレート、若しくは低MWトリアルキルシリル末端ポリシロキサンのような、増量剤、0〜10重量%のレオロジー添加剤、0〜85重量%の炭酸カルシウム、シリカ、酸化アルミニウム、マイカ又はカオリンのような無機充填剤又は無機充填剤の混合物、0.1〜10重量%の架橋剤、0.01〜5重量%の接着促進剤、並びに0.01〜5重量%のスズ、チタン、アルミニウム、ジルコニウム又はビスマスをベースとする触媒を含み、いずれかのこうした組み合わせの組成物の総累積重量が100重量%となる封止材組成物を提供する。
【0052】
本発明のさらなる実施形態では、以上に封止材として記載したフェニルオルガノシロキサン組成物の使用を提供する。さらに、2つのユニット間の空間を封止する方法であってことを特徴とする請求項1〜14のいずれかによる組成物を塗布するステップ及び組成物を硬化させるステップを含む方法を提供する。組成物を2つの液に保存する場合、組成物の2つの液は塗布前に混合する必要がある。以上に記載した封止材を含むガラス構造又は建築ユニットも提供する。
【0053】
ここで本発明について、すべての粘度測定を、とくに指示がない限り、ASTM D−3236試験法に従って記録式Brookfield粘度計を用いて25℃で行った、以下の実施例によって詳細に記載する。分子量は、トルエン中でポリスチレン標準を用いるトリプル検出サイズ排除クロマトグラフィーにより測定した。
【実施例】
【0054】
実施例1及び2
封止材ベースの混合手順
1212.1gの国際公開第2008/152042号(その内容は本明細書に組み入れる)に従って実験室において生成された分子量約28,000のOH末端ポリフェニルメチルシロキサン、及び242.4gのFerroより商品名Santicizer(登録商標)261で販売されるアルキル(C7−C8−C9)ベンジルフタレートをミキサー中に入れ、2分間室温で混合した。その後、1333.3gのLa Provencaleより商品名Mickart(登録商標)ACで販売される脂肪酸処理粉末炭酸カルシウムを添加し、5分間室温で混合した。606gのSolvayよりSocal(登録商標)312Nとして販売される超微細ステアリン酸処理沈降炭酸カルシウムを次に添加し、5分間室温で混合した後、別の606gアリコートの5分間室温で混合したSocal(登録商標)312Nを添加した。16gの水の添加前に10分間動的真空を加えた。化合物をまず5分間室温で混合した後、5分間静的真空下で混合した。封止材を次に混合ポットを押しながらsemcoカートリッジ中に押出し、室温で保存した。
【0055】
封止材硬化パッケージ(触媒及び架橋剤を含有する)混合手順
所定の量のBayerより商品名Desmoseal S XP 2636で販売されるシリル末端ポリウレタンをまず歯科用容器中に注いだ後、所定の量の(a)1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、(b)[3−(2−アミノエチル)アミノプロピル]トリメトキシシラン及び(c)第一スズオクトエートを添加した。混合物を2回30秒間混合した。
【0056】
封止材調製
上記混合手順の後、硬化パッケージを封止材ベースsemcoカートリッジ中に表1に記載する割合で入れた。生成物をsemcoミキサーにおいて125サイクル混合し、押出してガラス基板上に12×12×50mmの引張試験試料を生成した。
【0057】
試料試験
引張接着継手を、離型を促進するポリテトラフルオロエチレン(PTFE)液を用いてガラスで製造した。フロートガラスの非スズ面を、UVランプを用いて選択し、封止材の塗布の1時間前にイソプロパノール(IPA)/アセトン75/25の混合物で洗浄した。封止引張片を23℃及び50%の相対湿度の気候室に記載の日数間放置し、硬化させた。この条件時間後、引張接着継手をISO 8339標準に従って5.5mm/分の変形速度で破断までZwick張力計上で試験した。ヤング率はMPaで表される応力歪みプロットの傾斜の起点である。引張強度はMPaで表される試験中に記録された最大応力である。伸びは%で表される引張接着継手の破断歪みである。引張継手の破断モードは以下のルールに従って記録した:封止材のバルクにおいて起こる破壊は凝集破壊と記録する。封止材と基板との間で起こり、基板上に封止材の痕跡を残さない破壊は接着破壊と記録した。封止材と基板との間に起こり、封止材の薄膜を基板上に残す破壊は境界破壊と記録した。3つの値の平均を結果表に示す。
【0058】
実施例3
封止材ベース混合手順
1126.8gの国際公開第2008/152042号に従って実験室において生成された分子量約28,000の−OH末端ポリフェニルメチルシロキサン、225.4gのSanticizer(登録商標)261及び281.7gの株式会社カネカより商品名Kaneka(登録商標)MS S203Hで販売されるジメトキシメチルシリル末端ポリエーテルをミキサー中に入れ、2分間室温で混合した。その後、1239.4gのMickart(登録商標)ACを添加し、5分間室温で混合した。563.4gのSocal(登録商標)312Nを次に添加し、5分間室温で混合した後、5分間室温で混合したさらなる563.4gアリコートのSocal(登録商標)312Nを添加した。16gの水の添加前に10分間動的真空を加えた。化合物をまず5分間室温で混合した後、5分間静的真空下で混合した。封止材を次に混合ポットを押しながらsemcoカートリッジ中に押出し、室温で保存した。
【0059】
封止材硬化パッケージ混合手順
硬化パッケージを、歯科用ミキサーを用いて調製した。所定の量のDesmoseal S XP 2636をまず歯科用容器中に注いだ後、所定の量の(a)Sid Richardsonより商品名SR511で販売されるカーボンブラック、(b)1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、(c)[3−(2−アミノエチル)アミノプロピル]トリメトキシシラン及び(d)第一スズオクトエートを添加した。混合物を2回30秒間混合した。次に封止材を調製し、以上に記載した試験のためにガラス上に塗布した。
【0060】
実施例4
封止材ベース混合手順
1126.8gの国際公開第2008/152042号に従って実験室において生成された分子量約28,000の−OH末端ポリフェニルメチルシロキサン、225.4gのSanticizer(登録商標)261及び281.7gのMS S203Hをミキサー中に入れ、2分間室温で混合した。その後、1239.4gのMickart ACを添加し、5分間室温で混合した。563.4gのSocal(登録商標)312Nを次に添加し、5分間室温で混合した後、5分間室温で混合した別の563.4gアリコートのSocal(登録商標)312Nを添加した。16gの水の添加前に10分間動的真空を加えた。化合物をまず5分間室温で混合した後、5分間静的真空下で混合した。封止材を次に混合ポットを押しながらsemcoカートリッジ中に押出し、室温で保存した。
【0061】
硬化パッケージを、Desmoseal S XP 2636をDesmoseal S XP 2479により置き換えて実施例3に記載したように調製した後、次に封止材を調製し、以上に記載した試験のためにガラス上に塗布した。
【0062】
実施例5
封止材ベース混合手順
1126.8gの国際公開第2008/152042号に従って実験室において生成された分子量約15,000の−OH末端ポリフェニルメチルシロキサン、225.4gのSanticizer(登録商標)261及び281.7gのMS S203Hをミキサー中に入れ、2分間室温で混合した。その後、1239.4gのMickart ACを添加し、5分間室温で混合した。563.4gのSocal(登録商標)312Nを次に添加し、5分間室温で混合した後、5分間室温で混合した別の563.4gアリコートのSocal(登録商標)312Nを添加した。16gの水の添加前に10分間動的真空を加えた。化合物をまず5分間室温で混合した後、5分間静的真空下で混合した。封止材を次に混合ポットを押しながらsemcoカートリッジ中に押出し、室温で保存した。
【0063】
硬化パッケージを実施例3に記載したように調製した後、次に封止材を調製し、以上に記載した試験のためにガラス上に塗布した。
【0064】
比較例1〜5
封止材ベース混合手順
1212.1gの国際公開第2008/152042号に従って実験室において生成された分子量約28,000の−OH末端ポリフェニルメチルシロキサン、242.4gのSanticizer(登録商標)261をミキサー中に入れ、2分間室温で混合した。その後、1333.3gのMickart ACを添加し、5分間室温で混合した。606gのSocal(登録商標)312Nを次に添加し、5分間室温で混合した後、5分間室温で混合した別の606gアリコートのSocal(登録商標)312Nを添加した。16gの水の添加前に10分間動的真空を加えた。化合物をまず5分間室温で混合した後、5分間静的真空下で混合した。封止材を次に混合ポットを押しながらsemcoカートリッジ中に押出し、室温で保存した。
【0065】
硬化パッケージを実施例1に記載したように調製した後、次に封止材を調製し、以上に記載した試験のためにガラス上に塗布した。
【0066】
比較例6
封止材ベース混合手順
1578.9gの国際公開第2008/152042号に従って実験室において生成された分子量約28,000のOH末端ポリフェニルメチルシロキサン、210.5gのSanticizer(登録商標)261をミキサー中に入れ、2分間室温で混合した。その後、1157.9gのMickart ACを添加し、5分間室温で混合した。526.3gのSocal(登録商標)312Nを次に添加し、5分間室温で混合した後、5分間室温で混合した別の526.3gアリコートのSocal(登録商標)312Nを添加した。16gの水の添加前に10分間動的真空を加えた。化合物をまず5分間室温で混合した後、5分間静的真空下で混合した。封止材を次に混合ポットを押しながらsemcoカートリッジ中に押出し、室温で保存した。
【0067】
硬化パッケージを実施例1に記載したように調製した後、次に封止材を調製し、以上に記載した試験のためにガラス上に塗布した。
【0068】
比較例7
封止材ベース混合手順
1126.8gの国際公開第2008/152042号に従って実験室において生成された分子量約28,000の−OH末端ポリフェニルメチルシロキサン、225.4gのSanticizer(登録商標)261及び281.7gのMS S203Hをミキサー中に入れ、2分間室温で混合した。その後、1239.4gのMickart ACを添加し、5分間室温で混合した。563.4gのSocal(登録商標)312Nを次に添加し、5分間室温で混合した後、5分間室温で混合した別の563.4gアリコートのSocal(登録商標)312Nを添加した。16gの水の添加前に10分間動的真空を加えた。化合物をまず5分間室温で混合した後、5分間静的真空下で混合した。封止材を次に混合ポットを押しながらsemcoカートリッジ中に押出し、室温で保存した。
【0069】
硬化パッケージを、Desmoseal S XP 2636をMS S203Hにより置き換えた以外は、実施例3に記載したように調製した後、次に封止材を調製し、以上に記載した試験のためにガラス上に塗布した。
【0070】
比較例8
封止材混合手順
27.86gのDesmoseal S XP 2636、10gの25℃で80,000mPa.sの粘度を有する−OH末端ポリフェニルメチルシロキサン、10gの25℃で20,000mPa.sの粘度を有する−OH末端ポリフェニルメチルシロキサン、0.5gのカルボキシル化ポリブタジエンレオロジー添加剤を歯科用ミキサー中に入れ、30秒間室温で混合した。40gのSocal(登録商標)312N及び0.5gのCabot CorporationよりCabot LM 150として販売されるヒュームドシリカを次に添加し、2回30秒間混合した。1gのヘキサメチルジシラザン及び1gのビニルトリメトキシシランを添加し、30秒間混合した。以下の手順を次に5回行った:混合物を30秒間混合した後、5分の真空を加えた。6.5gの二酸化チタン、0.4gのセバシン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)を添加し、2回30秒間混合した。次に0.8gのメチルトリスメチルエチルケトキシモシラン、0.8gのビニルトリスメチルエチルケトキシモシラン、0.1gのアミノプロピルトリエトキシシラン、0.5gのアミノエチルアミノプロピルトリメトキシシランを添加し、2回30秒間混合した。最後に0.04gのジブチルジアセタトスズを添加し、2回30秒間混合した。次に封止材をsemcoカートリッジ中に充填し、次に封止材を以上に記載したように試験するためにガラス上に塗布した。
【0071】
【表1】

【0072】
【表2】

【0073】
【表3】

【0074】
表1は、シリル末端ポリウレタンがポリフェニルアルキルシロキサン100部当たり40〜75部の量で存在する場合、接着性及び伸びについてもっとも良好な結果が得られることを明らかにしている。ポリフェニルアルキルシロキサン50部の追加アリコートがこの有益な効果を有さないことは比較例6から見られるだろう。
【0075】
表2の結果は、ポリウレタンを硬化パッケージに添加する間にKaneka(登録商標)MS S203Hをベースに組み込むことが、実施例3に示した組成物において結果として良好な機械的特性及び接着特性の両方を有する封止材をもたらすことを示す。ポリウレタンのKaneka(登録商標)MS S203Hによる置き換えが実施例3、4及び5ほど良好な機械的特性をもたらさないことにも気づくだろう。実施例4及び5の製剤によって、当業者により求められる特性である、より高い弾性率の封止材を得ることができることも理解されるだろう。
【0076】
比較例8は、上述の国際公開第2006/128015号の実施例2と同様の製剤を示すことを意図している。こうした製剤が本発明と比べてガラスに対して低い接着性をもたらすことに気づくだろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)−OH又は加水分解性基から選択される末端基及び不飽和基を有し、25℃で少なくとも10000mPa.sの粘度を有する、100重量部のフェニルオルガノシロキサン、
(b)(a)100重量部当たり40〜75重量部の、
(i)−OH官能基若しくは加水分解性官能基を持った末端及び/若しくは側鎖シリル基を有する1つ以上の有機ポリマー、又は、(ii)(a)の末端基に応じて選択される、1つ以上の不飽和基を持った末端及び/若しくは側鎖シリル基を有する1つ以上の有機ポリマー、
(c)(a)100重量部当たり5〜500重量部の充填剤、
(d)(a)及び(b)を架橋するための、適量の、1つ以上の適切な架橋剤、並びに、
(e)適量の触媒、
を含むことを特徴とするフェニルオルガノシロキサン組成物。
【請求項2】
前記1つ以上のシリル末端有機ポリマー(b)が、シリル末端ポリウレタン、シリル末端ポリエーテル、シリル末端ポリカーボネート、シリル末端(メタ)アクリレート及びシリル末端飽和炭化水素ポリマー、並びに、これらの混合物から選択されることを特徴とする請求項1に記載のフェニルオルガノシロキサン組成物。
【請求項3】
充填剤(c)が、高表面積ヒュームドシリカ及び沈降シリカから選択される1つ以上の微粉化補強充填剤、炭酸カルシウム、並びに/又は、粉砕石英、珪藻土、硫酸バリウム、酸化鉄、二酸化チタン、カーボンブラック、タルク、ウォラストナイト、アルミナイト、硫酸カルシウム(無水石膏)、石膏、硫酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリンのような粘土、三水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、黒鉛、炭酸銅、炭酸ニッケル、炭酸バリウム、炭酸ストロンチウム、酸化アルミニウム;オリビン族、ガーネット族、アルミノケイ酸塩、環状ケイ酸塩、鎖ケイ酸塩及び層状ケイ酸塩の群からなるケイ酸塩、より選択される1つ以上の微粉化半補強又は非補強充填剤、を含むことを特徴とする前記請求項のいずれかに記載のフェニルオルガノシロキサン組成物。
【請求項4】
フェニルオルガノシロキサン(a)及び前記1つ以上のシリル末基端有機ポリマー(b)が、−OH又は加水分解性末端基から選択される基を含み、架橋剤(d)が、ジシラアルカン、アルキルトリアルコキシシラン、アルケニルトリアルコキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、アルコキシトリオキシモシラン、アルケニルトリオキシモシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、ジ−ブトキシジアセトキシシラン、フェニル−トリプロピオノキシシラン、メチルトリス(メチルエチルケトキシモ)シラン、ビニル−トリス(メチルエチルケトキシモ)シラン、メチルトリス(メチルエチルケトキシモ)シラン、メチルトリス(イソプロペノキシ)シラン、ビニルトリス(イソプロペノキシ)シラン、エチルポリシリケート、n−プロピルオルトシリケート、エチルオルトシリケート及びジメチルテトラアセトキシジシロキサン、アルキルアルケニルビス(N−アルキルアセトアミド)シラン、ジアルキルビス(N−アリールアセトアミド)シラン、アルキルアルケニルビス(N−アリールアセトアミド)シラン、又は、ジメチルジ−(N−フェニルアセトアミド)シランの1つ以上から選択されることを特徴とする前記請求項のいずれかに記載のフェニルオルガノシロキサン組成物。
【請求項5】
触媒(e)が、有機スズ(IV)金属触媒、スズ(II)触媒、鉄、コバルト、マンガン、鉛及び亜鉛の2−エチルヘキサノエート、任意でキレート化したチタネート、並びに、任意でキレート化したジルコネートから選択される縮合触媒、であることを特徴とする請求項4に記載のフェニルオルガノシロキサン組成物。
【請求項6】
フェニルオルガノシロキサン(a)及び前記1つ以上のシリル基末端有機ポリマー(b)が、不飽和基を含有し、架橋剤(d)が、ポリマー(a)及び(b)中のアルケニル基の総量に対するオルガノ水素シロキサン中のSi−H基の1/1〜10/1のモル比をもたらすのに十分な量の、1分子当たり少なくとも3個のケイ素結合水素原子を有する、1つ以上のオルガノ水素シロキサン分子から選択されることを特徴とする請求項1、2又は3に記載のフェニルオルガノシロキサン組成物。
【請求項7】
触媒(e)が、白金、ロジウム、イリジウム、パラジウム又はルテニウムを含有する白金族ヒドロシリル化触媒であることを特徴とする請求項6に記載のフェニルオルガノシロキサン組成物。
【請求項8】
1つ以上の、増量剤、可塑剤、接着促進剤、光安定剤及び/又は殺菌剤を、さらに含むことを特徴とする前記請求項のいずれかに記載のフェニルオルガノシロキサン組成物。
【請求項9】
有機ポリマー(b)が、末端シリル基又は側鎖シリル基を有することを特徴とする前記請求項のいずれかに記載のフェニルオルガノシロキサン組成物。
【請求項10】
有機ポリマー(b)が、2つ以上の有機ポリマーの混合物であることを特徴とする前記請求項のいずれかに記載のフェニルオルガノシロキサン組成物。
【請求項11】
前記組成物は、使用前に二液以上に保存されることを特徴とする前記請求項のいずれかに記載のフェニルオルガノシロキサン組成物。
【請求項12】
ポリマー(a)及び充填剤(c)を含有する第1液と、架橋剤、接着促進剤(存在する場合)及び触媒を含有する第2液とを有する二液型で保存されることを特徴とする請求項11に記載のフェニルオルガノシロキサン組成物。
【請求項13】
有機ポリマー(b)が、第1液及び第2液の両方に保持されることを特徴とする請求項12に記載のフェニルオルガノシロキサン組成物。
【請求項14】
1つの有機ポリマー(b)が第1液中に存在し、第2の有機ポリマー(b)が組成物の第2液中に存在することを特徴とする請求項13に記載のフェニルオルガノシロキサン組成物。
【請求項15】
前記請求項のいずれかに記載のフェニルオルガノシロキサン組成物の、封止材としての使用。
【請求項16】
請求項1〜14のいずれかに記載の組成物を塗布するステップ及び該組成物を硬化させるステップを含む、2つのユニット間の空間を封止する方法。
【請求項17】
請求項1〜14のいずれか1項に記載の組成物から誘導される封止材を含むガラス構造又は建築ユニット。

【公表番号】特表2013−508493(P2013−508493A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−534710(P2012−534710)
【出願日】平成22年10月22日(2010.10.22)
【国際出願番号】PCT/EP2010/065940
【国際公開番号】WO2011/051173
【国際公開日】平成23年5月5日(2011.5.5)
【出願人】(590001418)ダウ コーニング コーポレーション (166)
【氏名又は名称原語表記】DOW CORNING CORPORATION
【Fターム(参考)】