説明

オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物の製造方法

【課題】 押出機でのオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物の製造において、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムとポリプロピレン系樹脂と架橋剤とを、これらの性質を損なうことなく、かつ均一な組成で押出機に供給する方法を提供すること。
【解決手段】 エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムとポリプロピレン系樹脂を、押出機で溶融混練すると共に架橋剤で架橋して熱可塑性エラストマー組成物を製造する方法において、塊状の該ゴムと粉状のポリプロピレン系樹脂と架橋剤とを、密閉式混練機で、該樹脂の溶融温度(t1)並びに架橋剤の一分間半減期温度(t2)または反応開始温度(t3)のうちの最低温度以下の温度で混合し、得られた混合物を押出機に供給することを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムとポリプロピレン系樹脂を架橋剤の存在下で、押出機内で動的に熱処理することによってオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を製造する方法に関する。さらに詳しくは、塊状のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムと粉状のポリプロピレン系樹脂と架橋剤とを、これらの性質を損なわずに、かつ均一な組成で押出機に供給してオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機過酸化物に対して架橋性のエチレン・プロピレン・非共役ポリエン重合体ゴムと非架橋性のポリプロピレン系樹脂とを架橋剤の存在下で動的に熱処理をして熱可塑性エラストマー組成物を得る様々な方法が提案されており、動的に熱処理を行う装置としては、大別するとバンバリーミキサーや加圧型ニーダーに代表される密閉式混練機と押出機が提案されている。
【0003】
これらの中で、バンバリーミキサーや加圧型ニーダー等の密閉式混練機を用いる方法としては、たとえば、密閉式混練機で、エチレン・プロピレン・非共役ポリエン重合体ゴムと有機過酸化物とを共存させて動的熱処理し、該ゴムを部分架橋した後にポリプロピレン系樹脂を溶融混合する方法や、密閉式混練機の中にエチレン・プロピレン・非共役ポリエン重合体ゴムとポリプロピレン系樹脂と架橋剤とを共存させて熱処理する方法がある。
【0004】
しかしながら、これらの密閉式混練機で混練と架橋を行う方法は、架橋剤の反応開始温度以下での材料投入から架橋反応温度以上への昇温さらに架橋反応の完了までに長時間を必要とし、かつ、この繰返しであるので経済的でないばかりか、熱処理中のゴムや樹脂の劣化による品質低下や、架橋ゴムの樹脂への分散不良に起因するブツの発生等の品質的な問題が起こりやすい。このために、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物の商業生産は、ほとんどが押出機、中でも二軸押出機で行われているのが実情である。
【0005】
ところで、押出機で、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を製造する方法には、原料の一つである塊状のエチレン・プロピレン・非共役ポリエン重合体ゴムをいかにして押出機へ供給するかの問題がある。エチレン・プロピレン・非共役ポリエン重合体ゴムは、通常ベールと呼ばれる塊で供給されているので、このままでは押出機への供給が困難であり、また、塊状のエチレン・プロピレン・非共役ポリエン重合体ゴムはペレット状のポリプロピレン系樹脂との混合も容易ではない。このため、塊状のエチレン・プロピレン・非共役ポリエン重合体ゴムを押出機に供給する幾つかの方法が提案されている。
【0006】
たとえば、予め、塊状のエチレン・プロピレン・非共役ポリエン重合体ゴムとポリプロピレン系樹脂とを密閉式混練機で溶融混合して、この混合物をペレット化し、このペレットと架橋剤を押出機に供給する方法があるが、経済的でないばかりか、熱処理によりゴムや樹脂の劣化が起こるので好ましくない。
【0007】
それを改良するために、特開昭58−25340においてはペレット状のエチレン・プロピレン・非共役ポリエン重合体ゴムを用いる方法が提案されている。しかし、この方法においても、塊状のゴムをペレットにするために必要な押出機による処理費用等の経済的な問題と、押出機内でのゴムのせん断発熱による劣化の品質的な問題が解決されない。そのため、特開2003−321553では、塊状のゴムを粉砕することが提案されている。
【0008】
しかしながら、これらのエチレン・プロピレン・非共役ポリエン重合体ゴムのペレットや粉砕物は、互着して固まりやすく、このためポリプロピレン系樹脂と分級し易いので、ゴムと樹脂を均一な組成で押出機に供給するのは困難である。
【0009】
さらに、ペレット状のゴムと樹脂の溶融混合物、あるいはペレット状や粉砕したゴムとペレット状の樹脂の混合物と架橋剤とを、いかに精度良くかつ均一な組成で押出機に供給するかの問題がある。この方法として、これらのペレットや粉砕物に、回転式のブレンダーやヘンシェルミキサー等で架橋剤をまぶした後に押出機に供給する方法が提案されているが、粉状の架橋剤は脱落等で、押出機に均一な組成で供給するのは困難である。
【0010】
この改良として、粉状の架橋剤をオイル等の液体に混ぜて、ペレットあるいは粉砕物の表面に付着する方法や、液状の架橋剤を用いる方法が提案されているが、液状物のブレンダーやヘンシェルミキサーの内壁への付着や、液状物が付着したペレットや粉砕物のベタツキのために、これらを押出機へ精度良くかつ均一な組成で供給するのは困難である。特に、多量の粉状の添加剤や液状のオイルとこれらのペレットや粉砕物とを押出機に均一な組成で供給するのは困難である。
【0011】
上記のような問題を解決し、塊状のエチレン・プロピレン・非共役ポリエン重合体ゴムとポリプロピレン系樹脂と架橋剤とを、押出機に精度良くかつ均一な組成で供給するには、これらの性質を維持した状態で、これらを均一に混ざり合った混合物にして供給するのが良策である。しかし、塊状のエチレン・プロピレン・非共役ポリエン重合体ゴムとポリプロピレン系樹脂と架橋剤とを溶融して混合するのは、ポリプロピレン系樹脂の溶融温度と架橋剤の反応開始温度が近いので、樹脂の溶融温度以上で溶融混練すると架橋剤の反応が起き、架橋剤が未反応の状態の混合物を得るのは難しい。
【0012】
また、ポリプロピレン系樹脂の溶融温度並びに架橋剤の反応開始温度以下で、塊状のエチレン・プロピレン・非共役ポリエン重合体ゴムにペレット状のポリプロピレン系樹脂を混合すると、ポリプロピレン系樹脂の粒子が大きいので均一に分散させるのは困難であるため、押出機に均一な組成で供給するのは困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開昭58−25340号公報
【特許文献2】特開2003−321553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、押出機でのオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物の製造において、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムとポリプロピレン系樹脂と架橋剤とを、これらの性質を損なうことなく、かつ均一な組成で押出機に供給する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
塊状のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムと粉状のポリプロピレン系樹脂と架橋剤とを、密閉式混練機で、ポリプロピレン系樹脂の溶融温度(t1)並びに架橋剤の一分間半減期温度(t2)または反応開始温度(t3)のうちの最低温度以下の温度で混合し、この混合物を押出機に供給することによって上記の目的が達成される。
【0016】
すなわち本発明は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムとポリプロピレン系樹脂を、押出機で溶融混練すると共に架橋剤で架橋して熱可塑性エラストマー組成物を製造する方法において、塊状の該ゴムと粉状の該樹脂と架橋剤とを、密閉式混練機で、該樹脂の溶融温度(t1)並びに架橋剤の一分間半減期温度(t2)または反応開始温度(t3)以下で混合し、この均一な混合物を押出機に供給することを特徴とした熱可塑性エラストマー組成物の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明の方法は、塊状のゴムが使用できて、ゴムと樹脂と架橋剤が均一に混合しているので、ゴムと樹脂と架橋剤を精度良くかつ均一な組成で押出機に供給できる。
本発明により、ゴムと樹脂の溶融混練も架橋も行わない低温でゴムと樹脂を混合する方法であるので、熱可塑性エラストマー組成物を短時間でかつ連続的に生産することができ、経済性に優れた熱可塑性エラストマー組成物の製造方法が提供される。
さらに、本発明の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムとポリプロピレン系樹脂の溶融温度並びに架橋剤の1分間半減期温度または反応開始温度以下で予め混合してから押出機に供給するので、ゴムや樹脂の劣化を生じさせない熱可塑性エラストマー組成物の製造方法である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムとポリプロピレン系樹脂を、押出機で溶融混練すると共に架橋剤で架橋して熱可塑性エラストマー組成物を製造する方法において、塊状のエチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合体ゴムと粉状のポリプロピレン系樹脂と架橋剤とを、密閉式混練機で、該樹脂の溶融温度(t1)並びに架橋剤の一分間半減期温度(t2)または反応開始温度(t3)のうちの最低温度以下の温度で混合し、この混合物を押出機に供給することを特徴とした熱可塑性エラストマー組成物の製造方法を提供する。
【0019】
本発明のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムは、エチレンとα−オレフィン及び非共役ポリエンとからなる共重合体である。α−オレフィンとしては、たとえば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセンなどがあげられ、中でもプロピレンが好ましい。
【0020】
非共役ポリエンとしては、たとえば、1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエンなどのような鎖状非共役ジエン;シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、メチルテトラインデン、5−ビニルノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネンのような環状非共役ジエン;2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエン、1,3,7−オクタトリエン、1,4,9−デカトリエンのようなトリエンがあげられ、その一種を単独で使用してもよく、又は二種以上を併用してもよい。なお、共重合反応性と架橋反応速度の観点から、5−エチリデン−2−ノルボルネン及び/又は5−エチリデン−2−ノルボルネンとジシクロペンタジエンが好ましい。
【0021】
本発明のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムとしては、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムが好ましく使用される。エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムは、通常EPDMと呼ばれるものであって、EPDMとして市販されているものから適宜選択して使用することができる。
【0022】
本発明に使用されるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムのムーニー粘度(ML1+4,125℃)は、20以上であれば高い程得られる熱可塑性エラストマー組成物の強度が良くなる傾向があり、好ましくは20〜100であるが、高すぎると密閉型混練機での混合物の纏まりが悪くなるおそれがある。
【0023】
本発明のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムには、鉱物油が添加されていることが好ましい。鉱物油が添加されたエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムとして、鉱物油が予め添加されている油展ゴムを使用してもいいし、非油展のゴムを使用して密閉式の混練機で鉱物油をブレンドしてもよい。油展エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムを用いてポリプロピレン系樹脂とを混合するに際して鉱物油を添加する態様もまた本発明の好ましい態様である。
【0024】
鉱物油としては、芳香族系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル及びパラフィン系プロセスオイル等が挙げられる。オイルによる汚染性を考慮すると、ナフテン系プロセスオイル及びパラフィン系プロセスオイルが好ましい。
【0025】
鉱物油の量としては、密閉式混練機で添加して使用する場合には、ゴム100部に対して70部程度まで、好ましくは10〜50部で用いるのが望ましい。また、予め鉱物油を添加した油展ゴムを使用する場合には、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムのムーニー粘度が高くても使用することができるので、鉱物油は、ゴム100部に対して200部程度まで、好ましくは30〜150部を配合して使用することができる。
油展ゴムのムーニー粘度(ML1+4,125℃)としては、20〜100であることが好ましく、より好ましくは40〜80である。
【0026】
本発明のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムは、通常ベールと呼ばれる塊状のゴムである。
【0027】
本発明のポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンの単独重合体、あるいはプロピレンと炭素数2〜8のα−オレフィンとの共重合体である。ここで、共重合体とは、ランダム共重合体のみならず、ブロック共重合体、さらにはランダム共重合部分を含むブロック共重合体等をも包含するものである。ポリプロピレン系樹脂としては、アイソタクチックポリプロピレン及び10重量%以下のエチレンを含有するプロピレン・エチレンブロック共重合体が好ましい。
【0028】
本発明の粉状のポリプロピレン系樹脂は、10メッシュ、好ましくは20メッシュの金網を90%以上通過する粉状のものである。粉状のポリプロピレン系樹脂は、ペレット状の該樹脂を粉砕しても得られるが、重合後、ペレット化をする前に取り出したものが経済的である。ペレット化をする前に取り出した粉状のポリプロピレン系樹脂は、通常、安定剤を含有していないので、有機過酸化物による架橋の工程で、一部が分解されるので流動性が向上するので好ましく使用することができる。
【0029】
塊状のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムと粉状のポリプロピレン系樹脂の割合は、両者を100重量%として、ポリプロピレン系樹脂が10〜40重量%、好ましくは15〜35重量%、塊状のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムが、60〜90重量%、好ましくは65〜85重量%であることが望ましい。ポリプロピレン系樹脂が少なすぎると、流動性が不足して実用性のあるものが得られないおそれがあり、また、多すぎるとポリプロピレン系樹脂が該ゴムに混入するのが困難になるおそれがある。また、ポリプロピレン系樹脂が多すぎる場合には得られる熱可塑性エラストマー組成物が硬くなって、エラストマー的な性質が乏しくなる傾向がある。
【0030】
本発明の架橋剤としては、有機過酸化物、多官能単量体、樹脂架橋剤などを挙げることができる。有機過酸化物の具体的な例として、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート等のパーオキシケタール類;ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンおよび2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキサイド類;
【0031】
アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイドおよびm−トリオイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウリレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、およびクミルパーオキシオクテート等のパーオキシエステル類;
ならびに、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイドおよび1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類を挙げることができる。
【0032】
これらの化合物の中では、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンおよび2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3が好ましい。
有機過酸化物の添加量は、ゴムと樹脂の合計100重量部に対して0.1〜5重量部、好ましくは0.2〜2重量部である。
【0033】
多官能単量体の官能基としてはラジカル重合性の官能基が好ましく、とりわけビニル基がこのましい。官能基の数は2以上であるが、単官能単量体との組み合わせで用いることもでき、特に3個以上の官能基を有する場合には有効である。多官能単量体の具体例としては、ジビニルベンゼン、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ダイアセトンジアクリルアミド、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジイソプロペニルベンゼン、P−キノンジオキシム、P,P’−ジベンゾイルキノンジオキシム、フェニルマレイミド、アリルメタクリレート、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、ジアリルフタレート、テトラアリルオキシエタン、1,2−ポリブタジエン等が好ましく用いられる。特にトリアリルイソシアヌレートが好ましい。これらの多官能単量体は複数のものを併用して用いてもよい。
多官能単量体の添加量は、ゴムと樹脂の合計100重量部に対して0.1〜5重量部、好ましくは0.2〜2重量部であることが望ましい。多官能単量体は、有機過酸化物と併用することが好ましい。
【0034】
樹脂架橋剤は、フェノール系の樹脂架橋剤であり、ハロゲン化されたものや、ハロゲン化されないものは塩化スズあるいは塩素化ポリエチレンのようなハロゲン供与物が併用される。一般に、酸化亜鉛や炭酸亜鉛のような架橋助剤が併用される。
【0035】
本発明の架橋剤としては、有機過酸化物またはフェノ−ル系樹脂架橋剤であることが好ましい。樹脂架橋剤の添加量は、ゴムと樹脂の合計100重量部に対して0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜3重量部であることが望ましい。架橋剤が少な過ぎる場合は、架橋が不足し、圧縮永久歪が大きくなり、耐熱性が劣るおそれがある。架橋剤が多すぎる場合は、架橋が進みすぎて、流動性がなくなるおそれがある。
【0036】
本発明の一分間半減期温度(t2)または反応開始温度(t3)とは、架橋剤として有機過酸化物を使用する場合には使用する有機過酸化物の一分間半減期温度を指し、架橋剤として有機過酸化物を使用しない場合には、使用する架橋剤の反応開始温度を指す。なお、一分間半減期温度または反応開始温度を決定する対象となる架橋剤が複数ある場合には、一分間半減期温度(t2)または反応開始温度(t3)は最も低い温度を採用する。
本発明の反応開始温度は、樹脂架橋剤を含む混合物の架橋が始まる温度であり、JISK6300のムーニースコーチ試験に準拠して測定した、10分間でムーニー粘度が最低値から5ポイント上昇する時の温度である。
【0037】
缶体温度を粉状のポリプロピレン系樹脂の溶融温度(t1)並びに架橋剤の一分間半減期温度(t2)または反応開始温度(t3)のうちの最低温度以下の温度に設定した密閉式混練機に、塊状の該エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムを投入してゴムを砕いた後に、粉状のポリプロピレン系樹脂と架橋剤を投入する。その後、内容物をポリプロピレン系樹脂の溶融温度(t1)並びに架橋剤の一分間半減期温度(t2)または反応開始温度(t3)のうちの最低温度以下の温度に維持して、粉状の該樹脂と架橋剤をゴムに混合して粉状の該樹脂と架橋剤とが混在するゴム混合物とする。得られた粉状の該樹脂と架橋剤とが混在するゴム混合物を押出機に供給する。
【0038】
ゴム混合物を押出機に供給するにあたっては、二軸テーパー押出装置(例えばモリヤマ(株)製)を用いて目的の押出機に連続的に供給することができるし、得られたゴム混合物をペレットにして押出機に供給することもでき、また得られたゴム混合物を密閉式混練機より二本ロールに移して、帯状に切出して、それを押出機に供給することができる。
【0039】
押出機としては、特に制限はなく通常使用される押出機を使用して、通常の条件で押し出すことができる。押出機としては、二軸押出機が特に好ましい。
【0040】
本発明の密閉式混練機は、混練系を密閉することができるタイプの混練機をいい、ローターブレードなどによって連続的に切り返すことができる混練機である。具体的例としては、バンバリーミキサーや加圧型ニーダーなどを挙げることができる。
【0041】
本発明の方法は、塊状のゴムが使用できて、ゴムと樹脂と架橋剤が均一に混合されているので、ゴムと樹脂と架橋剤を精度良くかつ均一な組成で押出機に供給できる。また、ゴムと樹脂の溶融混練あるいは架橋を行わない低温処理であるので、短時間で、かつ連続生産が可能で経済性に優れている。さらに、ポリプロピレン系樹脂の溶融温度並びに架橋剤の1分間半減期温度または反応開始温度以下の処理であるので、架橋やゴムや樹脂の劣化は生じない。
また、多量の無機充填剤や鉱物油系軟化剤を添加する場合でも容易に混合することができる。
【0042】
押出機での動的熱処理によるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物の製造において、塊状のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムと粉状のポリプロピレン樹脂と架橋剤とを、予め密閉式混練機で、該樹脂の溶融温度(t1)並びに架橋剤の一分間半減期温度(t2)または反応開始温度(t3)のうちの最低温度以下の温度で混合し、得られた粉状の未溶融樹脂と未反応の架橋剤が混在するゴム配合物を押出機に供給する。
【0043】
本発明のゴム混合物には、必要に応じて無機充填剤、各種安定剤、老化防止剤、滑剤、可塑剤、加工助剤、消泡剤、スコーチ防止剤、発泡剤、難燃剤、粘着付与剤、滑剤及び顔料等を所要量配合することができる。また、ポリイソブチレン、ブチルゴム、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・ブテン共重合体などの有機過酸化物に対して非架橋性のゴムが添加されていてもよい。
【実施例】
【0044】
本発明を以下に実施例及び比較例を用いてより具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
本発明において用いた原材料及び測定方法は下記のとおりである。
【0045】
I.原材料
1.エチレン・プロピレン・非共役ジエン重合体ゴム(EPDM)
(1)EPDM−1:ムーニー粘度(ML1+4、125℃);51、エチレン含量;67重量%、40重量部油展品
(2)EPDM−2:ムーニー粘度(ML1+4、125℃);52、エチレン含量;63重量%、100重量部油展品
(3)EPDM−3:ムーニー粘度(ML1+4、125℃);47、エチレン含量;58重量%、非油展
【0046】
2.ポリプロピレン
(1)PP−1:プロピレンホモポリマー、メルトフローレート(MFR)(230℃測定):9g/10分、粉状(20メッシュ金網100%通過)、溶融温度:164℃。
(2)PP−2:プロピレン/エチレンブロックコポリマー、MFR(230℃測定):8g/10分、粉状(20メッシュ金網100%通過)、溶融温度:160℃。
(3)PP−3:プロピレン/エチレンブロックコポリマー、MFR(230℃測定):30g/10分、ペレット状、溶融温度:162℃。
溶融温度は、JISK7121によった。
【0047】
3.有機過酸化物
(1)有機過酸化物−1:ジ(t-ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼンの40%品(パーブチルP−40、日本油脂(株)製)、一分間半減期温度;175℃。
(2)有機過酸化物−2:2,5-ジメチル-2,5-ジ(t−ブチル・パーオキシ)ヘキサンの40%品(パーヘキシ25B-40、日本油脂(株)製)、一分間半減期温度;180℃。
【0048】
4.樹脂架橋剤:タッキロール250-1(臭素化アルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂、田岡化学工業(株)製)、反応開始温度;120℃以上。
表4中実施例11の10L加圧型ニーダーで混合した混合物は120℃で10分間では、ムーニー粘度の上昇はなかった。
5.亜鉛華:一号亜鉛華(堺化学工業(株)製)
6.プロセスオイル:ダイアナプロセスオイルPW-90(パラフィン系オイル、出光興産社製)
7.炭酸カルシウム:ホワイトンSB(白石カルシウム(株)製)
8.カーボンブラックマスターバッチ(MB):LDPE/HAFカーボンブラック=60/40
9.フェノール系安定剤:イルガノックス1010(チバガイギー社製)
10.ステアリン酸カルシウム:(堺化学工業(株)製)
【0049】
II.測定方法
1.比重
JIS K7112 A法の水中置換法によって測定した。
2.硬度
JIS K6253に準拠して測定した。JIS−A硬度で表示した。
3.メルトフローレート(MFR)
JIS K7210に準拠して、温度230℃、荷重10kgの条件で測定し、g/10分を単位として表示した。
4.100%引張応力、引張り強さ及び伸び
JIS K6251に準拠して(3号ダンベル、200mm/分)測定した。
試験用シートは、200℃の予熱プレスで溶融し、水冷プレスで冷却して、厚み2mmのシートとして作製した。
5.圧縮永久歪
JIS K6262に準拠して、25%圧縮し、70℃雰囲気下の条件で22時間後の残留歪を測定した。
【0050】
(製造例1)
(本発明のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物の製造例)
加圧型ニーダーの缶体温度をポリプロピレンの溶融温度並びに架橋剤の反応開始温度以下に保ち、ベール状のEPDMを投入し1分間素練りした後、ポリプロピレン、架橋剤、亜鉛華、フェノール安定剤、ステアリン酸カルシウム、炭酸カルシウム、カーボンマスターバッチ及びプロセスオイルから選ばれる配合材料をこの順に添加して5分間混合して混合物を排出した。使用する配合材料及びその配合量は、実施例及び比較例ごとに記載した。
使用したニーダー及びその運転条件は以下のとおりであった。
・ニーダーの機種:10L加圧型ニーダー((株)モリヤマ製)
・缶体温度:100℃
・ローター回転数:40rpm
排出された混合物を、100℃に設定したフィーダールーダー((株)モリヤマ製)に供給し、径約2.5mm×長さ約2.5mmのペレットにして、二軸押出機に供給し、二軸押出機によってオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を製造した。使用した二軸押出機及びその運転条件は以下のとおりであった。
・二軸押出機:D;50、L/D;44、東芝機械(株)製TEM50
・設定温度(℃):150(H)、150、150、160、170、180、200、210、220、230、230、230
200(D)
・スクリュウ回転数:250rpm
・スクリーン:40/80メッシュ
【0051】
(製造例2)
(比較オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物の製造例)
製造例1で使用した加圧型ニーダーを使用し、缶体温度を120℃として、ローター回転数50rpmで、ベール状のEPDM−1を投入し1分間素練りした後、製造例1に記載の架橋剤を除く配合材料から選ばれる配合材料を、ポリプロピレン、フェノール安定剤及びステアリン酸カルシウムこの順で、続いてカーボンマスターバッチを添加する方法で配合して、ニーダーの電力値が上昇後、下り始めて30秒後に溶融混練物を排出した。使用する配合材料及びその配合量は比較例ごとに記載した。
排出された溶融混練物を、160℃に設定したフィーダールーダー((株)モリヤマ製)に供給してペレットとした。
得られたペレットと架橋剤を、ヘンシェルミキサーで混合して、二軸押出機に供給し、二軸押出機によってオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を製造した。二軸押出機は製造例1で使用したものと同じであるが、運転条件は以下のとおりであった。
・設定温度(℃):150(H)、150、150、160、170、180、200、210、220、230、230、230
200(D)
・スクリュウ回転数:250rpm
・スクリーン:40/80メッシュ
【0052】
(製造例3)
(溶融架橋ペレットの製造例)
製造例1で使用したニーダーにベール状のEPDMを投入し30秒間素練りした。その後ポリプロピレンを投入して練り、内容物の温度が120℃になった時点で架橋剤を添加して、内容物が180℃に到達した後7分間練りを続けた後、その他の製造例1に記載の配合材料から選ばれる配合材料配合材料を添加して内容物指示温度が190℃に到着後した後溶融架橋物を排出した。使用する配合材料及びその配合量は比較例ごとに記載した。
排出された溶融架橋物を、160℃に設定したフィーダールーダー((株)モリヤマ製)に供給してペレットとした。
【0053】
(実施例1〜3、比較例1、2)
表1に記載された配合材料を、表1に記載の配合割合で用いて、前記製造例1に記載した10L加圧型ニーダーでの混合を実施した。排出された混合物の外観を目視にて観察した。観察の結果を表1に示した。
【0054】
【表1】

上記実施例及び比較例の結果からわかるように、粉状PPは均一に混合するが、ペレット状PPは均一に分散しないばかりか、添加量が多くなると混入が難しくなる。
【0055】
(実施例4)
表2に記載された配合材料を、表2に記載の配合割合で用いて、前記製造例1に記載の方法にしたがってオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を製造した。オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は15kgを製造し、それぞれ約1、4、7、10、13及び15kg目のMFRを測定した。測定結果を表2に示した。
【0056】
(比較例3)
表2に記載された配合材料を、表2に記載の配合割合で用いて、前記製造例2に記載の方法にしたがってオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を製造した。製造したオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は15kgで、実施例4と同様にしてMFRを測定した。測定結果を表2に示した。
【0057】
【表2】

実施例4と比較例3を対比すれば、本発明によって、得られるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物の溶融流動性が均一であって、バラツキが少ないことがわかる。
【0058】
(実施例5)
表3に記載された配合材料を、表3に記載の配合割合で用いて、前記製造例1に記載の方法にしたがってオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を製造した。オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物の物性の測定結果を表3に示した。
【0059】
(比較例4)
表3に記載された配合材料を、表3に記載の配合割合で用いて、前記製造例3に記載の方法に従って溶融架橋物を得た。得られた溶融架橋物について、物性を測定した。測定結果を表3に示した。
【0060】
【表3】

実施例5と比較例4を対比すれば、本発明が、生産性、流動性及び強度においてすぐれたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物の製造方法であることがわかる。
【0061】
(実施例6〜11)
表4に記載された配合材料を、表4に記載の配合割合で用いて、前記製造例1に記載の方法にしたがってオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を製造した。オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物の物性の測定結果を表4に示した。
【0062】
【表4】

【0063】
(比較例5〜6)
実施例6,7および11において、有機化酸化物−1ならびに樹脂架橋剤と亜鉛華の使用を省略するほかは、同様にしてオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を製造した。オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物の物性の測定結果を表5に示した。
【0064】
架橋剤と架橋助剤の使用を省略した比較例5,6に比べて、実施例6,7および11においては強度や圧縮永久歪みが改良されている。
また、有機過酸化物を使用した実施例6,7では、これを使用しない比較例5,6に比べて流動性が向上している。
【0065】
【表5】

【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明の方法により、塊状のゴムが使用できて、押出機内で動的な熱処理を行うに先立って、ゴムと樹脂と架橋剤が均一な組成で混合しているので、ゴムと樹脂と架橋剤を精度良くかつ均一な組成で押出機に供給できる熱可塑性エラストマー組成物の製造方法が提供される。
本発明により提供される熱可塑性エラストマー組成物の製造方法は、ゴムと樹脂の溶融混練も架橋も行わない低温でゴムと樹脂を混合した後に動的な熱処理をする方法であるので、熱可塑性エラストマー組成物を短時間でかつ連続的に生産することができるので、経済性に優れた方法である。
さらに、本発明の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムとポリプロピレン樹脂の溶融温度並びに架橋剤の1分間半減期温度または反応開始温度以下で予め混合してから押出機に供給するので、ゴムや樹脂の劣化を生じさせない熱可塑性エラストマー組成物の製造方法である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムとポリプロピレン系樹脂を、押出機で溶融混練すると共に架橋剤で架橋して熱可塑性エラストマー組成物を製造する方法において、塊状の該ゴムと粉状のポリプロピレン系樹脂と架橋剤とを、密閉式混練機で、該樹脂の溶融温度(t1)並びに架橋剤の一分間半減期温度(t2)または反応開始温度(t3)のうちの最低温度以下の温度で混合し、得られた混合物を押出機に供給することを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
【請求項2】
前記エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムとポリプロピレン系樹脂の合計を100重量%として、粉状のポリプロピレン系樹脂が10〜40重量%であり、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムが60〜90重量%である請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
【請求項3】
前記架橋剤が有機過酸化物である請求項1または2に記載の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
【請求項4】
前記粉状のポリプロピレン樹脂が、10メッシュの金網を90%以上通過する粉状のものである請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
【請求項5】
前記エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムが、鉱物油を添加したものである請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
【請求項6】
鉱物油を添加したエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムのムーニー粘度(ML1+4,125℃)が、20から100である請求項5に記載の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
【請求項7】
前記混合の前または混合中に、密閉式混練機に鉱物油を加えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
【請求項8】
前記混合物を、二軸テーパー押出装置を用いて押出機に連続的に供給することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
【請求項9】
前記混合物を、押出機に供給する前にペレット形状にすることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。

【公開番号】特開2012−67238(P2012−67238A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−214793(P2010−214793)
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【出願人】(594060831)三福工業株式会社 (2)
【出願人】(000005887)三井化学株式会社 (2,318)
【Fターム(参考)】