説明

オンダンセトロンを含む経口投与可能なフィルム製剤

本発明は、オンダンセトロンを含む経口投与可能な崩壊性フィルム製剤及びそのフィルム製剤を経口投与する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の属する技術分野)
本発明はオンダンセトロンを含む経口投与可能な崩壊性フィルム製剤及びそのフィルム製剤を経口投与する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
オンダンセトロンは、5-HT3受容体における5-ヒドロキシトリプタミン(5HT、又はセロトニン)の選択性拮抗薬である。オンダンセトロンは9-メチル-3-[(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル]-1,2,3,9-テトラヒドロ-4H-カルバゾール-4-オンとしても言及され下記の構造式を有する。
【化1】

【0003】
オンダンセトロンは、米国特許番号4,695,578及び米国特許番号4,753,789に記載されており、それらはそれらの全てにおいて参照により組み込まれる。
オンダンセトロンは嘔気及び/又は嘔吐の治療及び予防に対して極めて有効である。現在、オンダンセトロンは経口錠剤、口腔内崩壊錠、経口液剤、及び注射剤として投与される。しかしながら、これらの投与経路は全ての被験者に対して適切ではないか又は不便であり得る。例えば、嚥下が困難な患者及び/又は投与後薬剤を吐き出してしまう患者がいる。摂取に水の必要性がなく適宜投与可能で、速やかに崩壊可能であり、製剤を投与して口腔内に設置した後に患者がその製剤を吐き出す可能性を減少するような、オンダンセトロンを含む経口製剤に対する、技術的に満たされていない要求が存在する。
【0004】
Yangらの米国特許出願公開番号2005/0037055は、非自己凝集性の均一な異成分について明らかにする少なくとも1つの水溶性ポリマーを含む即溶性フィルム生成物について開示する。米国特許出願公開番号2005/0037055は、即溶性フィルム生成物が制吐剤などの様々な異なる有効成分を含むことが可能な即溶性フィルム生成物について開示する。
Myersらの米国特許出願公開番号2007/0122455は、抗粘着剤(anti-tacking agents)を組み込んでいる水溶性フィルム及びそれらの調製方法について開示する。米国特許出願公開番号2007/0122455は、制吐剤などの様々な異なる有効成分を含むことが可能な水溶性フィルムについて開示する。
Myersの米国特許出願公開番号2007/0149731は、水と混合した際に非中性pHである少なくとも1つの成分を含むpH調整フィルム及びそれらの調製方法について開示する。米国特許出願公開番号2007/0149731は、グラニセトロンなどの様々な異なる有効成分を含むことが可能なpH調整フィルムについて開示する。
Myersらの米国特許出願公開番号2008/0050422は、少なくとも1つの薬物及び水溶性ポリマーを含む即溶性フィルム生成物について開示する。米国特許出願公開番号2008/0050422は、グラニセトロンなどの様々な異なる有効成分を含むことが可能な即溶性フィルム生成物について開示する。
Fuiszらの米国特許出願公開番号2008/0075825は、少なくとも1つの水溶性ポリマー及び発泡を減じる風味付与剤を含む可食水溶性フィルムについて開示する。米国特許出願公開番号2008/0075825は、グラニセトロンなどの様々な異なる有効成分を含むことが可能な可食水溶性フィルムについて開示する。
【0005】
本発明は、技術的に満たされていない要求に向けられ、及び被験者への投与が便利で容易であり、速やかに崩壊し、患者の薬剤服用順守を改善する、オンダンセトロンを含む崩壊性フィルム製剤を提供する。
本明細書において引用される文献はそれらの全てにおいて参照により本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の概要)
本発明は、摂食状態にあるヒト被験者に対して単独製剤が経口投与された後、製剤が製剤中のオンダンセトロン1mg当たり約2.0〜約4.5μg/L(1ミリグラム当たりの1リットル当たりマイクログラム)の平均最大血漿中濃度(Cmax)を提供する、オンダンセトロンを含む経口投与可能な崩壊性フィルム製剤を提供する。本発明はまた、絶食状態にあるヒト被験者に対して単独製剤が経口投与された後、製剤が製剤中のオンダンセトロン1mg当たり約3.0〜約6.9μg/Lの平均最大血漿中濃度(Cmax)を提供する、オンダンセトロンを含む経口投与可能な崩壊性フィルム製剤を提供する。
本発明はまた、摂食状態にあるヒト被験者に対して単独製剤が経口投与された後、製剤が製剤中のオンダンセトロン1mg当たり約11.6〜約36.0μg・時間/Lの0-24時間平均血漿中濃度(AUC0-24)を提供する、オンダンセトロンを含む経口投与可能な崩壊性フィルム製剤を提供する。本発明はまた、絶食状態にあるヒト被験者に対して単独製剤が経口投与された後、製剤が製剤中のオンダンセトロン1mg当たり約19.4〜約44.0μg・時間/Lの0-24時間平均血漿中濃度(AUC0-24)を提供する、オンダンセトロンを含む経口投与可能な崩壊性フィルム製剤を提供する。
本発明はまた、摂食状態にあるヒト被験者に対して単独製剤が経口投与された後、製剤が約4時間未満のオンダンセトロンの最大血漿中濃度到達時間(Tmax)を提供する、オンダンセトロンを含む経口投与可能な崩壊性フィルム製剤を提供する。本発明はまた、絶食状態にあるヒト被験者に対して単独製剤が経口投与された後、製剤が約3時間未満のオンダンセトロンの最大血漿中濃度到達時間(Tmax)を提供する、オンダンセトロンを含む経口投与可能な崩壊性フィルム製剤を提供する。
【0007】
本発明はまた、絶食状態にあるヒト被験者に製剤が水の逐次投与と共に投与された際の製剤投与後に達成されるオンダンセトロンの平均最大血漿中濃度(Cmax)が、絶食状態にあるヒト被験者に水の逐次投与なしに投与された際の製剤投与後に達成されるオンダンセトロンの平均最大血漿中濃度(Cmax)の約±10%以内となるように製剤が設計されている、オンダンセトロンを含む経口投与可能な崩壊性フィルム製剤を提供する。
本発明はまた、絶食状態にあるヒト被験者に製剤が水の投与と共に投与された際の製剤投与後に達成されるオンダンセトロンの0-24時間平均血漿中濃度(AUC0-24)が、絶食状態にあるヒト被験者に水の逐次投与なしに投与された際の製剤投与後に達成されるオンダンセトロンの0-24時間平均血漿中濃度(AUC0-24)の約±10%以内となるように製剤が設計されている、オンダンセトロンを含む経口投与可能な崩壊性フィルム製剤を提供する。
本発明はまた、絶食状態にあるヒト被験者に製剤が水の逐次投与と共に投与された際の製剤投与後に達成されるオンダンセトロンの最大血漿中濃度到達時間(Tmax)が、絶食状態にあるヒト被験者に水の投与なしに投与された際の製剤投与後に達成されるオンダンセトロンの最大血漿中濃度到達時間(Tmax)の約±20%以内となるように製剤が設計されている、オンダンセトロンを含む経口投与可能な崩壊性フィルム製剤を提供する。
本発明はまた、例えば胃炎、乗り物酔い、癌化学療法、放射線治療、及び外科手術などの嘔気を引き起こす何らかの状態に付随する嘔気及び/又は嘔吐の治療及び予防のためにヒト被験者にオンダンセトロンを含む崩壊性フィルム製剤を経口投与する方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(発明の詳細な説明)
本発明はオンダンセトロンを含む経口投与可能な崩壊性フィルム製剤を提供する。用語「オンダンセトロン」は、オンダンセトロン、その薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、多形体、複合体、及びプロドラッグを示す。用語「オンダンセトロン」はオンダンセトロンのラセミ混合物又はエナンチオマーを示してもよい。用語「オンダンセトロン」はさらにオンダンセトロン有効成分をもたらす部分を含む。好ましい態様において「オンダンセトロン」はオンダンセトロンの塩酸塩又はオンダンセトロンの塩基である。本明細書で使用される用語「複合体」はオンダンセトロン及びイオン結合、共有結合、包接、又は所望の複合体を形成する他の方法などの結合により結合されてもよい配位子を含む構築物を含むことを意図する。
本発明の組成物は、組成物が摂食又は絶食状態にある患者に水と一緒に又は水なしのいずれかで投与されるかにかかわらず、本明細書で列挙されるようなCmax及びAUCの値を提供する。
本明細書で使用される用語「崩壊」、「崩壊性」、及び「崩壊した」としては、薬物粒子及びその中に含まれる他の成分を、嚥下及び/又は体内へ吸収(口腔内及び/又は消化管に吸収されることを含む)され得るように、溶解、分散、又は別には解放のために粉々にすることが挙げられる。
【0009】
用語「フィルム」は、長方形、正方形、又は他の所望の形状などの形状における、フィルム、シート、ディスク、オブラートなどの任意の厚さの送達システムを含むと理解される。フィルムはフィルムの連続ロールの形態であってもよく、又は所望の長さ及び幅に形成されてもよい。本明細書に記載されるフィルムは意図する使用に対して適切である所望の厚さ及び大きさであってもよい。例えば、本発明のフィルムは使用者の口腔内に設置され得るように形成されてもよい。他のフィルムは使用者の皮膚への適用、すなわち局所使用のために形成されてもよい。例えばいくつかのフィルムは約0.1〜約10ミルの比較的薄い厚さを有していてもよく、一方で他は約10〜約30ミルのいくらか厚い厚さを有していてもよい。いくつかのフィルムにおいては、特に局所使用が意図されているものは、厚さはより厚くてもよく、すなわち約30ミルより厚くてもよい。加えて、用語「フィルム」は単層組成物及び複層組成物、例えば積層フィルム、フィルム上の被覆などを含む。その乾燥されたフィルム形態にある組成物は、フィルムの管理された乾燥の適用を介して、成分の均一な分散を維持する。フィルムは二枚のフィルムの間のオンダンセトロンのポーチ又は領域を含んでいてもよい。
【0010】
オンダンセトロンはフィルムの全体にわたって分散されていてもよく、又はフィルムの1つ以上の表面上に配置されていてもよい。どちらの方法においても単位面積当たりのオンダンセトロンの量は望ましくはフィルム全体にわたって均一である。本発明のフィルムには所定のフィルムの容積全体にわたって成分の分散の均一性があることが望ましい。そのような均一性は、オンダンセトロンがフィルムのマトリクス内にあっても又はその1つ以上の表面に被覆、積層、又は固定されていても、フィルムの単位容積当たりのオンダンセトロンが実質的に均一な量であること含む。そのようなフィルムが個々の単位に切り分けられる際、単位中の薬剤の量はかなりの正確さで知ることができる。
フィルム全体にわたるオンダンセトロンの均一性は使用者へオンダンセトロンの正確かつ有効な量を投与するのに重要である。均一なフィルムを形成する様々な方法及び様々な添加剤及びフィラーが使用されてもよく、米国特許番号7,425,292及び7,357,891並びに米国公開番号2005/0037055(これらはそれらの全てにおいて参照により本明細書に組み込まれる)に記載される方法や材料が挙げられる。
【0011】
用語「崩壊性フィルム製剤」は、被験者、好ましくはヒト被験者に経口で投与され得るシート又はフィルムの形態における製剤を示す。崩壊性フィルム製剤はオンダンセトロン及び1以上の薬学的に許容可能な賦形剤を含む。フィルム製剤中のオンダンセトロンは溶液中で分解されていてもよく、又はフィルム中に懸濁されていてもよい。被験者の口の中にフィルム製剤を設置すると、フィルム製剤はオンダンセトロンを放出しながら崩壊し、口腔内又は消化管における吸収を可能にする。好ましい態様において、崩壊性フィルム製剤は速やかに崩壊し、実質的に全てのフィルム製剤が口腔内に設置後5分未満、より好ましくは3分未満、及び最も好ましくは1分未満後に口腔内で崩壊することを意味する。「実質的に全てのフィルム製剤」は、フィルム製剤の約50%よりも多く、好ましくは約75%よりも多く、及びより好ましくは約90%よりも多いことを意味する。
【0012】
適切な崩壊性フィルム製剤の例は、米国特許番号7,425,292;米国特許番号7,357,891;米国特許出願公開番号2006/0147493;米国特許出願公開番号2005/0037055;米国特許出願公開番号2006/0039958;米国特許出願公開番号2007/0122455;米国特許出願公開番号2008/0050422;米国特許出願公開番号2007/0149731;米国特許出願公開番号2007/0281003;米国特許出願公開番号2008/0044454;及び米国特許出願公開番号2008/0075825に記載され、これらはそれぞれそれらの全てにおいて参照により組み込まれる。
【0013】
本発明のある態様は、オンダンセトロンを含む経口投与可能な崩壊性フィルム製剤を提供し、ここで製剤は摂食状態にあるヒト被験者に対して単独製剤が経口投与された後、製剤中のオンダンセトロン1mg当たり約2.0〜約4.5μg/L、好ましくは約2.2〜約4.4μg/L、及びより好ましくは約2.3〜約4.3μg/Lの平均最大血漿中濃度(Cmax)を提供する。本発明はまた、オンダンセトロンを含む経口投与可能な崩壊性フィルム製剤を提供し、ここで製剤は絶食状態にあるヒト被験者に対して単独製剤が経口投与された後、製剤中のオンダンセトロン1mg当たり約3.0〜約6.9μg/L、好ましくは約3.2〜約6.7μg/L、及びより好ましくは約3.3〜約6.5μg/Lの平均最大血漿中濃度(Cmax)を提供する。「平均最大血漿中濃度(Cmax)」は製剤原料及び/又は活性代謝物の最大血漿中濃度を示す。
【0014】
ヒト被験者は、食事の摂取後約2時間、好ましくは約1時間、より好ましくは約30分以内に製剤を投与された際、「摂食状態」にある。好ましくは食事は脂肪分が高い。ヒトは、食事の摂取後少なくとも10時間、好ましくは少なくとも12時間、及びより好ましくは少なくとも14時間以降に製剤を投与された際、「絶食状態」にある。
【0015】
本発明はまた、オンダンセトロンを含む経口投与可能な崩壊性フィルム製剤を提供し、ここで製剤は摂食状態にあるヒト被験者に対して単独製剤が経口投与された後、製剤中のオンダンセトロン1mg当たり約11.6〜約36.0μg・時間/L、好ましくは約12.9〜約34.8μg・時間/L、及びより好ましくは約14.1〜約33.5μg・時間/Lの0-24時間平均血漿中濃度(AUC0-24)を提供する。本発明はまた、オンダンセトロンを含む経口投与可能な崩壊性フィルム製剤を提供し、ここで製剤は絶食状態にあるヒト被験者に対して単独製剤が経口投与された後、製剤中のオンダンセトロン1mg当たり約19.4〜約44.0μg・時間/L、好ましくは約20.8〜約42.7μg・時間/L、及びより好ましくは約22.0〜約41.5μg・時間/Lの0-24時間平均血漿中濃度(AUC0-24)を提供する。「0-24時間平均血漿中濃度(AUC0-24)」は、投与後0〜24時間の血漿中濃度曲線の下の面積を示す。
【0016】
本発明はまた、オンダンセトロンを含む経口投与可能な崩壊性フィルム製剤を提供し、ここで製剤は摂食状態にあるヒト被験者に対して単独製剤が経口投与された後、約4時間未満、好ましくは約3時間未満、及びより好ましくは約21/2〜3時間のオンダンセトロンの最大血漿中濃度到達時間(Tmax)を提供する。本発明はまた、オンダンセトロンを含む経口投与可能な崩壊性フィルム製剤を提供し、ここで製剤は絶食状態にあるヒト被験者に対して単独製剤が経口投与された後、約3時間未満、好ましくは約2時間未満、より好ましくは約11/2時間未満、及びより好ましくは約1〜11/2時間のオンダンセトロンの最大血漿中濃度到達時間(Tmax)を提供する。最大血漿中濃度到達時間(Tmax)は、平均最大血漿中濃度(Cmax)に到達する時間を示す。
【0017】
好ましくは、平均最大血漿中濃度(Cmax)、0-24時間の血漿中濃度時間曲線の下の平均面積(AUC0-24)、及び最大血漿中濃度到達時間(Tmax)は、オンダンセトロンを約4mg以上、好ましくはオンダンセトロンを約8mg含む崩壊性フィルム製剤の投与後に測定される。別の方法で特定されない限り、平均最大血漿中濃度(Cmax)、0-24時間平均血漿中濃度(AUC0-24)、及び最大血漿中濃度到達時間(Tmax)は、フィルム製剤が水の逐次投与と共に投与された後に測定される。フィルム製剤は、フィルム製剤が経口投与されて崩壊し及び唾液で飲み込まれた後にヒト被験者が約240mLの水、好ましくは室温の飲料水を飲んだ場合、「水の逐次投与と共に」ヒト被験者に投与されている。
【0018】
本発明はまた、オンダンセトロンを含む経口投与可能な崩壊性フィルム製剤を提供し、ここで製剤は絶食状態にあるヒト被験者に対して製剤が水の逐次投与と共に投与された際に製剤投与後に達成されるオンダンセトロンの平均最大血漿中濃度(Cmax)が、絶食状態にあるヒト被験者に対して水の投与なしに投与された際に製剤投与後に達成されるオンダンセトロンの平均最大血漿中濃度(Cmax)の約±10%以内、好ましくは約±8%以内、及びより好ましくは約±5%以内となるように構成される。本発明の目的において、フィルム製剤が経口投与されて崩壊し及び唾液で飲み込まれる前又は後約1時間以内に、ヒト被験者が水を摂取しない場合、フィルム製剤はヒト被験者に対し「水の投与なしに」投与されている。
【0019】
本発明はまた、オンダンセトロンを含む経口投与可能な崩壊性フィルム製剤を提供し、ここで製剤は絶食状態にあるヒト被験者に対して製剤が水の逐次投与と共に投与された際に製剤投与後に達成されるオンダンセトロンの0-24時間平均血漿中濃度(AUC0-24)が、絶食状態にあるヒト被験者に対して水の投与なしに投与された際に製剤投与後に達成されるオンダンセトロンの0-24時間平均血漿中濃度(AUC0-24)の約±10%以内、好ましくは約±5%以内、より好ましくは約±2%以内となるように構成される。
【0020】
本発明はまた、オンダンセトロンを含む経口投与可能な崩壊性フィルム製剤を提供し、ここで製剤は絶食状態にあるヒト被験者に対して製剤が水の逐次投与と共に投与された際に製剤投与後に達成されるオンダンセトロンの最大血漿中濃度到達時間(Tmax)が、絶食状態にあるヒト被験者に対して水の投与なしに投与された際に製剤投与後に達成されるオンダンセトロンの最大血漿中濃度到達時間(Tmax)の約±20%以内、好ましくは約±18%以内、及びより好ましくは約±15%以内となるように構成される。
【0021】
好ましくは、平均最大血漿中濃度(Cmax)、0-24時間平均血漿中濃度(AUC0-24)、及び最大血漿中濃度到達時間(Tmax)は、オンダンセトロンを約4mg以上、好ましくはオンダンセトロンを約8mg含む崩壊性フィルム製剤の投与後に測定される。
【0022】
本発明で使用されるオンダンセトロンは粒子の形態であってもよい。オンダンセトロンは所望の粒径であってもよい。フィルム中オンダンセトロンは、より小さい大きさの粒子、中間の大きさの粒子、より大きい大きさの粒子、及びそれらの組み合わせなどであってもよい。より小さい大きさの粒子においては、オンダンセトロンは直径約0.5〜約10.0μm、及びより具体的には直径約0.5〜約1.5μmの粒径を有していてもよい。いくつかの態様においては、フィルム中粒子の約10%は直径約0.5未満〜約10.0μm、及びより具体的には直径約0.5〜約1.5μmの大きさを有していてもよい。
中間の大きさの粒子においては、オンダンセトロンは、直径約1.0〜約50.0μm、及びより具体的には約2.0〜約6.0μmの粒径を有していてもよい。いくつかの態様においては、フィルム中粒子の約50%は直径約1.0未満〜約50.0μm、及びより具体的には直径約2.0〜約6.0μmの大きさを有していてもよい。
より大きい大きさの粒子においては、オンダンセトロンは直径約3.0〜約200.0μm、及びより具体的には直径約7.0〜約25.0μmの粒径を有していてもよい。いくつかの態様においては、フィルム中粒子の約90%は直径約3.0未満〜約200.0μm、及びより具体的には直径約7.0〜約25.0μmの大きさを有していてもよい。
【0023】
崩壊性フィルム製剤は1以上のフィルム形成ポリマーを含む。フィルム形成ポリマーは水溶性ポリマー、水不溶性ポリマー、又は1以上の水溶性ポリマー及び/又は水不溶性ポリマーの組み合わせであってもよい。
本明細書で使用される語句「水溶性ポリマー」及びその変形(variants)は、少なくとも部分的に水に溶解でき、及び望ましくは完全に又は大部分が水に溶解でき、あるいは水を吸収するポリマーを示す。水を吸収するポリマーはしばしば水膨潤性ポリマーであると表現され、この用語は本発明の目的において同義である。本発明において有用な原材料は、室温及び室温を超えるような他の温度において水溶性であってもよい。さらに原材料は、大気圧よりも低い圧力において水溶性であってもよい。望ましくは、水溶性ポリマーは、少なくとも20質量%の吸水力を有する。25質量%以上の吸水力を有する水溶性ポリマーもまた有用である。そのような水溶性ポリマーから形成された本発明のフィルム又は製剤は、望ましくは体液との接触により崩壊可能であるように十分に水溶性である。
【0024】
水溶性ポリマーの例として、限定されないが、水溶性ポリサッカライド、セルロース系ポリマー又はセルロース誘導体ポリマー、及び水溶性合成ポリマーが挙げられる。
水溶性ポリサッカライドとして、限定されないが、アルギナート、例えばアルギン酸ナトリウム、カラギーナン、グァーガム、アカシアガム、寒天、キサンタンガム、ジェランガム、アラビアガム及び関連するガム(ガッチガム、カラヤガム、トラガカントガム)、及びペクチンが挙げられる。
セルロース系ポリマー及びセルロース誘導体ポリマーの例として、限定されないが、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、及びヒドロキシアルキルアルキルセルロース、例えばメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、セルロースエステル及びヒドロキシアルキルセルロースエステル、例えばセルロースアセテートフタレート;カルボキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロースエステル、例えばカルボキシメチルセルロース及びそれらのアルカリ金属塩が挙げられる。いくつかの好ましい態様において、セルロース系ポリマー及びセルロース誘導体ポリマーとして、限定されないが、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、及びそれらの組み合わせが挙げられる。最も好ましいセルロースポリマーはヒドロキシプロピルメチルセルロースである。好ましい態様において、崩壊性フィルム製剤は1以上のセルロース系ポリマー又はセルロース誘導体ポリマーを含む。
合成ポリマーとして、限定されないが、ポリアクリル酸及びポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸及びポリメタクリル酸エステル、ポリアルキレンオキシド、例えばポリエチレンオキシド、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテートフタレート(PVAP)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアセテートコポリマー、及びポリクロトン酸;同様に適切なものは、フタル化ゼラチン、ゼラチンサクシネート、架橋ゼラチン、セラック、デンプンの水溶性化学的誘導体、例えば第3又は第4アミノ基、例えば所望により4級化できるジエチルアミノエチル基を有するカチオン変性アクリレート及びメタクリレートが挙げられる。最も好ましい合成ポリマーはポリエチレンオキシドである。好ましい態様において、崩壊性フィルム製剤は1以上の水溶性合成ポリマーを含む。
【0025】
本発明の崩壊性フィルム製剤はまた様々な他の薬学的に許容可能な賦形剤を含んでもよい。これらは非限定的に界面活性剤;混合物中の成分の相溶化を補助する可塑剤;ポリアルコール;フィルムから例えば酸素のようなガスを放出させることにより、より滑らかなフィルム表面の形成を助けるシリコン含有成分のような消泡剤;及び成分の分散状態を維持するのに役立つ、例えばペクチン、カラギーナン、及びゼラチンのような、熱硬化性ゲルなどである。
本発明の組成物に組み込まれ得る薬学的に許容可能な賦形剤の多様性は、様々な異なる機能を提供し得る。薬学的に許容可能な賦形剤のクラスの例として、賦形剤、潤滑剤、緩衝剤、安定化剤、発泡剤、顔料、着色剤、フィラー、充填剤、香料、放出調整剤、アジュバント、可塑剤、流動促進剤、離型剤、ポリオール、造粒剤、希釈剤、バインダー、バッファー、吸収剤、グライダント、接着剤、接着防止剤、酸味料、柔軟剤、樹脂、緩和薬、溶媒、界面活性剤、乳化剤、エラストマー、及びこれらの混合物が挙げられる。これらの添加剤は1つ又は複数の有効成分と共に添加されてもよい。
追加の有用な添加剤として、例えば、ゼラチン、食用タンパク質、例えばヒマワリタンパク質、大豆タンパク質、綿実タンパク質、ピーナッツタンパク質、ブドウ種子タンパク質、ホエータンパク質、ホエータンパク単離物質、血液タンパク質、卵のタンパク質、アクリレート化タンパク質が挙げられる。
さらなる薬学的に許容可能な賦形剤は、全成分の質量を基準として望ましくは約0.02質量%〜約3質量%及び望ましくは約0.02質量%〜約1質量%の濃度範囲における無機材料、例えばマグネシウム、アルミニウム、シリコン、チタニウムなどの酸化物であってもよい。
【0026】
薬学的に許容可能な賦形剤のさらなる例は可塑剤であり、ポリアルキレンオキシド、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン−プロピレングリコール、低分子量の有機可塑剤、例えばグリセロール、グリセロールモノアセテート、ジアセテート又はトリアセテート、トリアセチン、ポリソルベート、セチルアルコール、プロピレングリコール、ソルビトール、ナトリウムジエチルスルホサクシネート、トリエチルシトレート、トリブチルシトレートなどが挙げられ、存在する場合にこれらは製剤の約0.5質量%〜約10質量%の濃度範囲で添加されてもよい。
好ましい態様において、崩壊性フィルム製剤は1以上のフィルム形成ポリマー、好ましくは1以上のセルロース系ポリマー又はセルロース誘導体ポリマーを含む。好ましい態様において1以上のフィルム形成ポリマーの総量は製剤の約10質量%〜約70質量%、好ましくは約20質量%〜約60質量%、及びより好ましくは約30質量%〜約50質量%の範囲である。いくつかの好ましい態様において、製剤は2以上のフィルム形成ポリマー、好ましくは少なくとも1つのセルロース系ポリマー又はセルロース誘導体ポリマー及び少なくとも1つの合成ポリマーを含む。
【0027】
製剤が少なくとも1つのセルロース系ポリマー又はセルロース誘導体ポリマー及び少なくとも1つの合成ポリマーを含むいくつかの態様において、セルロース系ポリマー又はセルロース誘導体ポリマー及び合成ポリマーは、約10:1〜約1:10、より好ましくは約7:1〜約1:7、及び最も好ましくは約4:1〜約1:4の範囲の質量比において存在する。いくつかの好ましい態様において、セルロース系ポリマー又はセルロース誘導体ポリマーの量は合成ポリマーの量よりも多く、及び質量比は好ましくは約1:1〜約3:1の範囲である。
【0028】
デンプン材料の流動特性を改善するためにさらに化合物、例えば動物性又は植物性脂肪、望ましくはそれらの水素添加された形態、特に室温において固体であるものが加えられてもよい。これらの脂肪は望ましくは50℃以上の融点を持つ。好ましいものはC12、C14、C16、C18、C20及びC22の脂肪酸を有するトリグリセリドである。これらの脂肪はエキステンダー又は可塑剤なしで単独で加えることができ、有利には単独又はモノ及び/又はジグリセリド又はホスファチド、特にはレシチンと共に加えることができる。モノ及びジグリセリドは望ましくは上述の脂肪、すなわちC12、C14、C16、C18、C20及びC22脂肪酸を有するタイプから誘導される。脂肪、モノ、ジグリセリド及び/又はレシチンの使用される総量は全組成物中最大約5質量%及び好ましくは約0.5質量%〜約2質量%の範囲内である。
レシチン又は他の界面活性薬剤が本発明において使用されてもよい。界面活性薬剤は、存在する場合約0.25質量%〜約2.00質量%の量で供給原料中に含まれていてもよい。他の界面活性薬剤、すなわち界面活性剤としては、限定されないが、セチルアルコール、ラウリル硫酸ナトリウム、ICIアメリカ社(ICI Americas, Inc)より市販品として入手できる、スパン(商標)(SpansTM)及びツイーン(商標)(TweensTM)が挙げられる。バスフ(BASF)社より市販品として入手できるクレモフォア(Cremophor)(商標)ELのようなエトキシル化ヒマシ油などのエトキシル化油も有用である。ツイーン(商標)(TweensTM)又は界面活性薬剤の組み合わせが所望の親水−親油バランス(「HLB」)を達成するために使用されてもよい。本発明は、しかしながら、界面活性剤の使用を必要とせず、本発明のフィルム又はフィルム形成組成物は本発明の所望の均一性の特徴を提供するのと同時に、本質的には界面活性剤を含まなくてもよい。
【0029】
他の成分として、フィルム形成の容易性及びフィルムの一般品質に貢献するバインダーが挙げられる。バインダーの非限定的な例として、デンプン、アルファ化デンプン、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルオキソアゾリドン、及びポリビニルアルコールが挙げられる。
【0030】
消泡及び/又は脱泡成分がまた本発明のフィルムと一緒に使用されてもよい。これらの成分は不均一なフィルムの原因となり得る取込み空気のような空気をフィルム形成組成物から除去するのを助ける。シメチコン及びシリコン含有成分、例えば二酸化ケイ素は有用な消泡剤及び/又は脱泡剤である。米国特許公開番号2008/0075825に記載されるように香料が脱泡剤として使用されてもよく、その全ての内容はそれらの全てにおいて参照により本明細書に組み込まれる。本発明はしかしながらそのように限定されるものではなく他の消泡剤及び/又は脱泡剤が適切に使用されてもよい。
【0031】
緩衝剤又はpH調整剤、例えば炭酸カルシウム、重炭酸ナトリウム、クエン酸、酒石酸、コハク酸、マレイン酸、及びフマル酸もまた使用されてもよい。
【0032】
抗酸化剤及び保存剤もまたフィルムへ添加されてもよい。抗酸化剤及び保存剤の例として、限定されないがパラベン、例えばメチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、及びブチルパラベン、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸ナトリウム、セトリミド、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジウム、塩化ベンゼトニウム、硝酸フェニル水銀、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、ブロノポール(bronabol)、クロロブタノール、クロルヘキシジン、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、tert-ブチルヒドロキノン、及び4-ヒドロキシメチル-2,6-ジ-tert-ブチルフェノールが挙げられる。
【0033】
着色添加剤がフィルム調製において使用され得る。そのような着色添加剤として、食品、薬物及び化粧品の着色剤(FD&C)、薬物及び化粧品の着色剤(D&C)、又は外用薬物及び化粧品の着色剤(Ext. D&C)が挙げられる。これらの着色剤は、染料、それらに対応するレーキ、及び特定の天然及び誘導着色剤である。レーキは水酸化アルミニウムに吸収された染料である。着色剤の他の例として、既知のアゾ染料、有機又は無機の顔料、又は天然由来の着色剤が挙げられる。無機顔料、例えば鉄又はチタンの酸化物が好ましく、これらの酸化物は全成分の質量を基準として約0.001〜約10質量%、及び好ましくは約0.5〜約3質量%の濃度範囲で添加される。
【0034】
香料は天然及び合成の芳香性液体から選択されてもよい。そのような薬剤の例示的な一覧として、揮発性油、合成芳香油、風味芳香剤、油、液体、オレオレジン又は植物、葉、花、果物、茎及びこれらの組み合わせから誘導された抽出物が挙げられる。非限定的、代表的な一覧の例として、ミント油、ココア、及びレモン、オレンジ、グレープ、ライム及びグレープフルーツのような柑橘油、並びにリンゴ、ナシ、モモ、グレープ、イチゴ、キイチゴ、サクランボ、プラム、パイナップル、アンズなどの果物エキス又は他の果実香料が挙げられる。他の有用な香料として、アルデヒド及びエステル、例えばベンズアルデヒド(サクランボ、アーモンド)、シトラール、すなわちα-シトラール(レモン、ライム)、ネラール、すなわちβ-シトラール(レモン、ライム)、デカナール(オレンジ、レモン)、アルデヒドC-8(柑橘類果実)、アルデヒドC-9(柑橘類果実)、アルデヒドC-12(柑橘類果実)、トリルアルデヒド(サクランボ、アーモンド)、2,6-ジメチルオクタノール(未熟な果実)、及び2-ドデセナール(柑橘類、マンダリン)、これらの組み合わせなどが挙げられる。
【0035】
甘味料は以下の非限定的な一覧:グルコース(コーンシロップ)、デキストロース、転化糖、フルクトース、及びこれらの組み合わせ;サッカリン及びその様々な塩、例えばナトリウム塩;ジペプチド甘味料、例えばアスパルテーム;ジヒドロカルコン化合物、グリチルリチン;ステビア(Stevia Rebaudiana)(ステビオシド);スクロースのクロロ誘導体、例えばスクラロース;糖アルコール、例えばソルビトール、マンニトール、キシリトール、及びエリトリトールから選択されてもよい。同様に意図されるものは、水添デンプン加水分解物及び合成甘味料3,6-ジヒドロ-6-メチル-1-1-1,2,3-オキサチアジン-4-オン-2,2-ジオキシド、特にそのカリウム塩(アセスルファム-K)、アンモニア化グリシルリジン及びグリシルリジン酸モノアンモニウム、及びナトリウム及びカルシウム塩、並びに天然強力甘味料である。その他の甘味料が使用されてもよい。
【0036】
本発明はまた崩壊性フィルム製剤の使用方法も提供する。好ましい態様において、崩壊性フィルム製剤は被験者の口腔内、例えば舌上に設置され、完全に崩壊される。崩壊性フィルム製剤は摂食状態又は絶食状態にある被験者に投与されてもよい。崩壊性フィルム製剤はまた水の投与と共に又はなしで投与されてもよい。いくつかの態様において、2つ以上の崩壊性フィルム製剤が単独の製剤投与の範囲内で連続して投与されてもよい。2つ以上の崩壊性フィルム製剤が連続して投与される場合、好ましくは被験者は崩壊性フィルム製剤を口腔内に設置して次の製剤投与前に製剤を完全に崩壊させる。
【0037】
オンダンセトロンを含む崩壊性フィルム製剤はどのような被験者、成人又は小児に対しても、オンダンセトロンの投与から恩恵を受けるどのような使用のために投与されてもよい。例えば、本発明の崩壊性フィルム製剤は、5-HT3受容体に付随する症状又は状態の治療、予防、又は重大性若しくは発生を減少させるために使用することができ、これは5-HT3受容体における拮抗作用から恩恵を受けるものである。例えば本発明の崩壊性フィルム製剤は嘔気及び/又は嘔吐の予防、治療、又は発生を減少するのに適切であってもよい。
【0038】
嘔気及び/又は嘔吐は催吐性である化学療法に付随し得る。「催吐性」化学療法は処置後に嘔気及び/又は嘔吐の症状をもたらす化学療法である。好ましい態様において、催吐性化学療法は高い催吐性の癌化学療法又は中程度の催吐性の癌化学療法である。本明細書で使用される「高い催吐性の癌化学療法」として、90%より多い患者がある程度の嘔気及び/又は嘔吐を経験している化学療法が挙げられる。高い催吐性の癌化学療法の例として、限定されないが≧50mg/m2の用量におけるシスプラチンの投与を含む化学療法が挙げられる。高い催吐性の癌化学療法に付随する嘔気及び/又は嘔吐の予防に崩壊性フィルム製剤が使用される態様において、典型的な成人の経口用量は、それぞれ8mgのオンダンセトロンを含む崩壊性フィルム製剤3つとしてうまく投与される、24mgのオンダンセトロンである。好ましい態様において、崩壊性フィルム製剤は高い催吐性の癌化学療法の1日の開始前約5〜約60分、好ましくは約15〜約45分、より好ましくは約30分に投与される。
【0039】
いくつかの好ましい態様において、崩壊性フィルム製剤は中程度の催吐性の癌化学療法の最初及び反複治療を受けている被験者に対して投与されてもよい。本明細書で使用される「中程度の催吐性の化学療法」として、約30%〜約90%の患者がある程度の嘔気及び/又は嘔吐を経験している化学療法が挙げられる。高い催吐性の癌化学療法の例として、限定されないがメトトレキサート又はドキソルビシンを含むシクロホスファミドベースの化学療法の処置を含む化学療法が挙げられる。
【0040】
中程度の催吐性の癌化学療法に付随する嘔気及び/又は嘔吐の予防に崩壊性フィルム製剤が使用される態様において、成人及び12歳以上の子供に対する典型的な経口用量は、1日2回投与される、8mgのオンダンセトロンを含む1つの崩壊性フィルム製剤である。好ましい態様において8mgのオンダンセトロンを含む最初の崩壊性フィルム製剤は催吐性の癌化学療法の開始前約5〜約60分、好ましくは約15〜約45分、より好ましくは約30分に投与され、続いて8mgのオンダンセトロンを含む崩壊性フィルム製剤が最初の製剤投与の後約5〜15時間、好ましくは約6〜約10時間、より好ましくは約8時間に投与される。好ましい態様において8mgのオンダンセトロンを含む1つの崩壊性フィルム製剤は、化学療法の終了後好ましくは約8〜約16時間毎、好ましくは約10〜約14時間毎、より好ましくは約12時間毎に1日2回、約1〜5日間、好ましくは約1〜2日間投与される。
【0041】
中程度の催吐性の癌化学療法に付随する嘔気及び/又は嘔吐の予防に崩壊性フィルム製剤が使用される態様において、約12歳未満の子供、好ましくは約4〜11歳に対する典型的な経口用量は、1日3回投与される、4mgのオンダンセトロンを含む1つの崩壊性フィルム製剤である。好ましい態様において4mgのオンダンセトロンを含む最初の崩壊性フィルム製剤は催吐性の化学療法の開始前約5〜約60分、好ましくは約15〜約45分、より好ましくは約30分に投与され、続いて4mgのオンダンセトロンを含む崩壊性フィルム製剤が最初の崩壊性フィルム製剤の投与後(1)約2〜約6時間、好ましくは約4時間、及び(2)約6〜約10時間、好ましくは約8時間に投与される。好ましい態様において4mgのオンダンセトロンを含む1つの崩壊性フィルム製剤は、化学療法の終了後好ましくは約4〜約12時間毎、好ましくは約6〜約10時間毎、より好ましくは約8時間毎に1日3回、約1〜5日間、好ましくは約1〜2日間投与される。
【0042】
嘔気及び/又は嘔吐はまた放射線治療によっても引き起こされ得る。放射線治療としては、限定されないが、全身照射、腹部への単独の高用量分画の放射線治療、及び腹部への日分割(daily fractionated)放射線治療が挙げられる。放射線治療に付随する嘔気及び/又は嘔吐の予防に崩壊性フィルム製剤が使用される態様において、成人に対する典型的な経口用量は、1日3回投与される、8mgのオンダンセトロンを含む1つの崩壊性フィルム製剤である。
【0043】
全身照射に付随する嘔気及び/又は嘔吐の予防に崩壊性フィルム製剤が使用される態様において、好ましくはオンダンセトロンを含む1つの崩壊性フィルム製剤はそれぞれの日に処置される放射線治療のそれぞれの画分の前約15分〜約4時間、好ましくは約30分〜約3時間、及びより好ましくは約1〜約2時間に投与される。
【0044】
単独の高用量の腹部放射線治療に付随する嘔気及び/又は嘔吐の予防に崩壊性フィルム製剤が使用される態様において、好ましくはオンダンセトロンを含む1つの崩壊性フィルム製剤は放射線治療の前約15分〜約4時間、好ましくは約30分〜約3時間、及びより好ましくは約1〜約2時間に投与される。その後の8mgのオンダンセトロンを含む崩壊性フィルム製剤の投与は、放射線治療の終了後約4〜約12時間毎、好ましくは約6〜約10時間毎、より好ましくは約8時間毎に、約1〜5日間、好ましくは約1〜2日間投与される。
【0045】
日分割腹部放射線治療に付随する嘔気及び/又は嘔吐の予防に崩壊性フィルム製剤が使用される態様において、好ましくはオンダンセトロンを含む1つの崩壊性フィルム製剤は放射線治療の前約15分〜約4時間、好ましくは約30分〜約3時間、及びより好ましくは約1〜約2時間に投与される。その後の8mgのオンダンセトロンを含む崩壊性フィルム製剤の投与は、放射線治療がなされるそれぞれの日に約4〜約12時間毎、好ましくは約6〜約10時間毎、より好ましくは約8時間毎に投与される。
【0046】
嘔気及び/又は嘔吐は手術後の嘔気及び/又は嘔吐であってもよい。いくつかの態様において、オンダンセトロンを含む崩壊性フィルム製剤の投与は、外科手術中に投与される麻酔に付随する手術後の嘔気及び/又は嘔吐の予防に有用であってもよい。手術後の嘔気及び/又は嘔吐の予防に崩壊性フィルム製剤が使用されるいくつかの態様において、成人に対する典型的な経口用量は、麻酔導入前約15分〜約2時間、好ましくは約30分〜約1時間、及びより好ましくは約1時間に投与される、それぞれ8mgのオンダンセトロンを含む2つの崩壊性フィルム製剤である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オンダンセトロンを含む経口投与可能な崩壊性フィルム製剤であって、摂食状態にあるヒト被験者に対して単独製剤が経口投与された後、製剤が製剤中のオンダンセトロン1mg当たり約2.0〜約4.5μg/Lの平均最大血漿中濃度(Cmax)を提供する製剤。
【請求項2】
摂食状態にあるヒト被験者に対して単独製剤が経口投与された後、製剤が製剤中のオンダンセトロン1mg当たり約2.2〜約4.4μg/Lの平均最大血漿中濃度(Cmax)を提供する、請求項1に記載の製剤。
【請求項3】
摂食状態にあるヒト被験者に対して単独製剤が経口投与された後、製剤が製剤中のオンダンセトロン1mg当たり約2.3〜約4.3μg/Lの平均最大血漿中濃度(Cmax)を提供する、請求項1に記載の製剤。
【請求項4】
製剤の投与後約3時間以内にCmaxが達成される、請求項1に記載の製剤。
【請求項5】
オンダンセトロンを含む経口投与可能な崩壊性フィルム製剤であって、絶食状態にあるヒト被験者に対して単独製剤が経口投与された後、製剤が製剤中のオンダンセトロン1mg当たり約3.0〜約6.9μg/Lの平均最大血漿中濃度(Cmax)を提供する製剤。
【請求項6】
絶食状態にあるヒト被験者に対して単独製剤が経口投与された後、製剤が製剤中オンダンセトロン1mg当たり約3.2〜約6.7μg/Lの平均最大血漿中濃度(Cmax)を提供する、請求項5に記載の製剤。
【請求項7】
絶食状態にあるヒト被験者に対して単独製剤が経口投与された後、製剤が製剤中オンダンセトロン1mg当たり約3.3〜約6.5μg/Lの平均最大血漿中濃度(Cmax)を提供する、請求項5に記載の製剤。
【請求項8】
製剤の投与後約4時間以内にCmaxが達成される、請求項5に記載の製剤。
【請求項9】
オンダンセトロンを含む経口投与可能な崩壊性フィルム製剤であって、摂食状態にあるヒト被験者に対して単独製剤が経口投与された後、製剤が製剤中のオンダンセトロン1mg当たり約11.6〜約36.0μg・時間/Lの0-24時間平均血漿中濃度(AUC0-24)を提供する製剤。
【請求項10】
摂食状態にあるヒト被験者に対して単独製剤が経口投与された後、製剤が製剤中のオンダンセトロン1mg当たり約12.9〜約34.8μg・時間/Lの0-24時間平均血漿中濃度(AUC0-24)を提供する、請求項9に記載の製剤。
【請求項11】
摂食状態にあるヒト被験者に対して単独製剤が経口投与された後、製剤が製剤中のオンダンセトロン1mg当たり約14.1〜約33.5μg・時間/Lの0-24時間平均血漿中濃度(AUC0-24)を提供する、請求項9に記載の製剤。
【請求項12】
オンダンセトロンを含む経口投与可能な崩壊性フィルム製剤であって、絶食状態にあるヒト被験者に対して単独製剤が経口投与された後、製剤が製剤中のオンダンセトロン1mg当たり約19.4〜約44.0μg・時間/Lの0-24時間平均血漿中濃度(AUC0-24)を提供する製剤。
【請求項13】
絶食状態にあるヒト被験者に対して単独製剤が経口投与された後、製剤が製剤中のオンダンセトロン1mg当たり約20.8〜約42.7μg・時間/Lの0-24時間平均血漿中濃度(AUC0-24)を提供する、請求項12に記載の製剤。
【請求項14】
絶食状態にあるヒト被験者に対して単独製剤が経口投与された後、製剤が製剤中のオンダンセトロン1mg当たり約22.0〜約41.5μg・時間/Lの0-24時間平均血漿中濃度(AUC0-24)を提供する、請求項12に記載の製剤。
【請求項15】
オンダンセトロンを含む経口投与可能な崩壊性フィルム製剤であって、摂食状態にあるヒト被験者に対して単独製剤が経口投与された後、製剤が約4時間未満のオンダンセトロンの最大血漿中濃度到達時間(Tmax)を提供する製剤。
【請求項16】
摂食状態にあるヒト被験者に対して単独製剤が経口投与された後、製剤が約3時間未満のオンダンセトロンの最大血漿中濃度到達時間(Tmax)を提供する、請求項15に記載の製剤。
【請求項17】
オンダンセトロンを含む経口投与可能な崩壊性フィルム製剤であって、絶食状態にあるヒト被験者に対して単独製剤が経口投与された後、製剤が約3時間未満のオンダンセトロンの最大血漿中濃度到達時間(Tmax)を提供する製剤。
【請求項18】
絶食状態にあるヒト被験者に対して単独製剤が経口投与された後、製剤が約2時間未満のオンダンセトロンの最大血漿中濃度到達時間(Tmax)を提供する、請求項17に記載の製剤。
【請求項19】
オンダンセトロンを含む経口投与可能な崩壊性フィルム製剤であって、絶食状態にあるヒト被験者に対して製剤が水の投与と共に投与された際の製剤投与後に達成されるオンダンセトロンの平均最大血漿中濃度(Cmax)が、絶食状態にあるヒト被験者に対して水の投与なしに投与された際の製剤投与後に達成されるオンダンセトロンの平均最大血漿中濃度(Cmax)の約±10%以内となるように設計されている製剤。
【請求項20】
絶食状態にあるヒト被験者に対して製剤が水の投与と共に投与された際の製剤投与後に達成されるオンダンセトロンの平均最大血漿中濃度(Cmax)が、絶食状態にあるヒト被験者に対して水の投与なしに投与された際の製剤投与後に達成されるオンダンセトロンの平均最大血漿中濃度(Cmax)の約±8%以内となるように製剤が設計されている、請求項19に記載の製剤。
【請求項21】
絶食状態にあるヒト被験者に対して製剤が水の投与と共に投与された際の製剤投与後に達成されるオンダンセトロンの平均最大血漿中濃度(Cmax)が、絶食状態にあるヒト被験者に対して水の投与なしに投与された際の製剤投与後に達成されるオンダンセトロンの平均最大血漿中濃度(Cmax)の約±5%以内となるように製剤が設計されている、請求項19に記載の製剤。
【請求項22】
オンダンセトロンを含む経口投与可能な崩壊性フィルム製剤であって、絶食状態にあるヒト被験者に対して製剤が水の投与と共に投与された際の製剤投与後に達成されるオンダンセトロンの0-24時間平均血漿中濃度(AUC0-24)が、絶食状態にあるヒト被験者に対して水の投与なしに投与された際の製剤投与後に達成されるオンダンセトロンの0-24時間平均血漿中濃度(AUC0-24)の約±10%以内となるように設計されている製剤。
【請求項23】
絶食状態にあるヒト被験者に対して製剤が水の投与と共に投与された際の製剤投与後に達成されるオンダンセトロンの0-24時間平均血漿中濃度(AUC0-24)が、絶食状態にあるヒト被験者に対して水の投与なしに投与された際の製剤投与後に達成されるオンダンセトロンの0-24時間平均血漿中濃度(AUC0-24)の約±5%以内となるように製剤が設計されている、請求項22に記載の製剤。
【請求項24】
絶食状態にあるヒト被験者に対して製剤が水の投与と共に投与された際の製剤投与後に達成されるオンダンセトロンの0-24時間平均血漿中濃度(AUC0-24)が、絶食状態にあるヒト被験者に対して水の投与なしに投与された際の製剤投与後に達成されるオンダンセトロンの0-24時間平均血漿中濃度(AUC0-24)の約±1%以内となるように製剤が設計されている、請求項22に記載の製剤。
【請求項25】
オンダンセトロンを含む経口投与可能な崩壊性フィルム製剤であって、絶食状態にあるヒト被験者に対して製剤が水の投与と共に投与された際の製剤投与後に達成されるオンダンセトロンの最大血漿中濃度到達時間(Tmax)が、絶食状態にあるヒト被験者に対して水の投与なしに投与された際の製剤投与後に達成されるオンダンセトロンの最大血漿中濃度到達時間(Tmax)の約±20%以内となるように設計されている製剤。
【請求項26】
絶食状態にあるヒト被験者に対して製剤が水の投与と共に投与された際の製剤投与後に達成されるオンダンセトロンの最大血漿中濃度到達時間(Tmax)が、絶食状態にあるヒト被験者に対して水の投与なしに投与された際の製剤投与後に達成されるオンダンセトロンの最大血漿中濃度到達時間(Tmax)の約±18%以内となるように製剤が設計されている、請求項25に記載の製剤。
【請求項27】
絶食状態にあるヒト被験者に対して製剤が水の投与と共に投与された際の製剤投与後に達成されるオンダンセトロンの最大血漿中濃度到達時間(Tmax)が、絶食状態にあるヒト被験者に対して水の投与なしに投与された際の製剤投与後に達成されるオンダンセトロンの最大血漿中濃度到達時間(Tmax)の約±15%以内となるように製剤が設計されている、請求項25に記載の製剤。
【請求項28】
請求項1-27のいずれか1項に記載の製剤を投与することを含む、嘔気及び/又は嘔吐の治療、予防及び/又は発生を減少させる方法。
【請求項29】
嘔気及び/又は嘔吐が化学療法に付随する、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
化学療法が高い催吐性の癌化学療法又は中程度の催吐性の癌化学療法である、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
嘔気及び/又は嘔吐が放射線治療に付随する、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
放射線治療が全身照射、単独の高用量腹部放射線治療、及び日分割腹部放射線治療からなる群より選択される、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
嘔気及び/又は嘔吐が手術後の嘔気及び/又は嘔吐である、請求項28に記載の方法。
【請求項34】
オンダンセトロン及び1以上のフィルム形成ポリマーを含む、経口投与可能な崩壊性フィルム製剤。
【請求項35】
フィルム形成ポリマーが水溶性ポリマー、水不溶性ポリマー、及び1以上の水溶性ポリマー及び/又は水不溶性ポリマーの組み合わせからなる群より選択される、請求項34に記載の製剤。
【請求項36】
製剤が少なくとも1つのセルロース系ポリマー又はセルロース誘導体ポリマーを含む、請求項34に記載の製剤。
【請求項37】
セルロース系ポリマー又はセルロース誘導体ポリマーがメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、セルロースアセテートフタレート、カルボキシメチルセルロース及びそれらのアルカリ金属塩からなる群より選択される、請求項35に記載の製剤。
【請求項38】
製剤がさらに少なくとも1つの合成ポリマーを含む、請求項34に記載の製剤。
【請求項39】
合成ポリマーがポリアクリル酸及びポリアクリル酸エステル、ポリアルキレンオキシド、ポリメタクリル酸及びポリメタクリル酸エステル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテートフタレート(PVAP)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアセテート(PVA)及びポリビニルアセテートコポリマー、及びポリクロトン酸からなる群より選択される、請求項38に記載の製剤。
【請求項40】
合成ポリマーがポリエチレンオキシドを含む、請求項39に記載の製剤。
【請求項41】
セルロース系ポリマー又はセルロース誘導体ポリマーの量が合成ポリマーの量よりも多い、請求項38に記載の製剤。
【請求項42】
セルロース系ポリマー又はセルロース誘導体ポリマーの量が約10:1〜約1:10の範囲の質量比において存在する、請求項38に記載の製剤。
【請求項43】
セルロース系ポリマー又はセルロース誘導体ポリマーの量が約7:1〜約1:7の範囲の質量比において存在する、請求項38に記載の製剤。
【請求項44】
セルロース系ポリマー又はセルロース誘導体ポリマーの量が約1:1〜約3:1の範囲の質量比において存在する、請求項38に記載の製剤。

【公表番号】特表2013−515782(P2013−515782A)
【公表日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−547182(P2012−547182)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【国際出願番号】PCT/US2010/062134
【国際公開番号】WO2011/090694
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(511051177)モノソル アールエックス リミテッド ライアビリティ カンパニー (4)
【Fターム(参考)】